(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-508767(P2016-508767A)
(43)【公表日】2016年3月24日
(54)【発明の名称】心臓再同期療法(CRT)を最適化するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/362 20060101AFI20160226BHJP
A61N 1/39 20060101ALI20160226BHJP
A61B 5/0402 20060101ALI20160226BHJP
【FI】
A61N1/362
A61N1/39
A61B5/04 310M
A61B5/04 310N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-553874(P2015-553874)
(86)(22)【出願日】2014年1月20日
(85)【翻訳文提出日】2015年9月18日
(86)【国際出願番号】US2014012185
(87)【国際公開番号】WO2014116535
(87)【国際公開日】20140731
(31)【優先権主張番号】61/755,016
(32)【優先日】2013年1月22日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】507189666
【氏名又は名称】デューク ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】アトウォーター,ブレット,ディー.
【テーマコード(参考)】
4C027
4C053
【Fターム(参考)】
4C027AA02
4C027BB05
4C027DD03
4C027DD04
4C053CC01
4C053JJ01
4C053JJ13
4C053JJ23
4C053JJ31
4C053KK02
(57)【要約】
CRTを最適化するためのシステム及び方法を開示する。1つの側面によれば、方法は、体の表面、前記体の胸部内、前記体の心臓内、前記体の周囲の静脈構造内、及び前記体の周囲の皮下構造内のうち1つ以上に配置された電極であって、CRT装置の少なくとも2つの電極によって通信される電気信号を、心臓周期の少なくとも2つの周期の間に受信する工程を含む。また、当該方法は、前記受信された電気信号に基づいて、前記心臓周期の少なくとも2つの期間の間に、前記少なくとも2つの前記電極の間隔を計算する工程を含む。さらに、前記計算された前記少なくとも2つ以上の前記電極の間隔に基づいて、前記電極への前記CRT装置の出力を制御する工程を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓再同期療法(CRT)であって、前記方法は、
体の表面、前記体の胸部内、前記体の心臓内、前記体の周囲の静脈構造内、及び前記体の周囲の皮下構造内のうち1つ以上に配置された電極であって、CRT装置の少なくとも2つの電極によって通信される電気信号を、心臓周期の少なくとも2つの周期の間に受信する工程と、
前記受信された電気信号に基づいて、前記心臓周期の少なくとも2つの期間の間に、前記少なくとも2つの前記電極の間隔を計算する工程と、
前記計算された前記少なくとも2つの前記電極の間隔に基づいて、前記電極への前記CRT装置の出力を制御する工程と、を含む。
【請求項2】
前記CRT装置は、埋め込み可能なCRT装置である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記体の表面、前記体の胸部内、前記体の心臓内、前記体の周囲の静脈構造内、及び前記体の周囲の皮下構造内のうち1つ以上に前記電極を配置する工程をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記間隔を計算する工程は、前記受信した電気信号に基づいて、前記少なくとも2つの前記電極の間の距離、面積、及び体積のいずれかを、前記心臓周期の前記少なくとも2つの周期の間に計算する工程を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記間隔を計算する工程は、
前記体の心臓の主軸と副軸に対応する寸法を有する座標モデルを提供する工程と、
前記少なくとも2つの前記電極の、前記座標モデルにおける最大位置の値と最小位置の値とを決定する工程と、
前記最大位置の値と前記最小位置の値との差異に基づいて前記間隔を計算する工程と、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の電極は、左心室の後方に配置された少なくとも1つの参照電極と、右心室の前方に配置された少なくとも1つの参照電極とを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の電極は、
前記右心室の心尖部の1つの心室中隔、
前記冠状静脈洞の後ろ及び横の1つの前記冠状静脈洞枝、
前記冠状静脈洞の横又は前の前記冠状静脈洞枝、
前記左心室の前記心内膜腔、及び
前記左心室の前記心外膜腔、
を有する群から選択された少なくとも1つの位置に配置された1つ以上のペーシング電極を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記心臓の画像を提供する工程と、
前記心臓の前記画像を、前記心臓の主軸と副軸に対応する寸法を有する座標モデルを生成するために使用する工程と、
前記主軸及び前記副軸に沿った前記少なくとも2つの前記電極の、最大位置の値と最小位置の値を決定する工程と、
前記最大位置の値と前記最小位置の値との前記差異に基づいて前記間隔を計算する工程と、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記心臓の画像は、前記心臓の三次元画像である、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記画像は、事前の手順、又は事後の手順のいずれかにて取得された、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記CRT装置の制御出力は、最適化されたCRT療法、及び前記少なくとも2つの前記電極の相互間の前記計算された間隔に基づいて前記心臓のペーシング頻度を変更することのいずれかを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
さらに、患者の状態を監視するための前記計算された間隔を用いる、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
心臓再同期療法(CRT)システムであって、
体の表面、前記体の胸部内、前記体の心臓内、前記体の周囲の静脈構造内、及び体の周囲の皮下構造内の1つ以上に配置された電極であって、CRT装置の少なくとも2つの電極を含む複数の電極と、
CRT装置であって、
心臓周期の少なくとも2つの周期の間に、前記少なくとも2つの電極によって通信される電気信号を受信し、
受信された電気信号に基づいて、前記心臓周期の少なくとも2つの期間の間に、前記少なくとも2つの前記電極の間隔を計算し、
前記計算された前記少なくとも2つの前記電極の間隔に基づいて、前記電極への前記CRT装置の出力を制御するように構成された、CRT装置と、を備える。
【請求項14】
前記CRT装置は、埋め込み可能なCRT装置である、
請求項13に記載のCRTシステム。
【請求項15】
前記CRT装置は、前記受信した電気信号に基づいて、前記心臓周期の少なくとも2つの周期の間に、前記少なくとも2つの電極の間の距離、面積、及び体積のいずれかを計算する、
請求項13に記載のCRTシステム。
【請求項16】
前記CRT装置は、
前記体の心臓の主軸と副軸に対応する寸法を有する座標モデルを受信し、
前記少なくとも2つの電極の、前記座標モデルにおける最大位置の値と最小位置の値とを決定し、
前記最大位置の値と前記最小位置の値との差異に基づいて前記間隔を計算するように構成された、
請求項13に記載のCRTシステム。
【請求項17】
前記複数の電極は、左心室の後方に配置された少なくとも1つの参照電極と、右心室の前方に配置された少なくとも1つの参照電極とを含む、
請求項13に記載のCRTシステム。
【請求項18】
前記複数の電極は、
前記右心室の心尖部の1つの心室中隔、
前記冠状静脈洞の後ろ及び横の1つの前記冠状静脈洞枝、
前記冠状静脈洞の横又は前の前記冠状静脈洞枝、
前記左心室の前記心内膜腔、及び
前記左心室の前記心外膜腔、
を有する群から選択された少なくとも1つの位置に配置された1つ以上のペーシング電極を含む、
請求項13に記載のCRTシステム。
【請求項19】
前記CRT装置は、
前記心臓の画像を提供し、
前記心臓の前記画像を、前記心臓の主軸と副軸に対応する寸法を有する座標モデルを生成するために使用し、
前記主軸及び前記副軸に沿った前記少なくとも2つの前記電極の、最大位置の値と最小位置の値を決定し、
前記最大位置の値と前記最小位置の値との前記差異に基づいて前記間隔を計算するように構成された、
請求項13に記載のCRTシステム。
【請求項20】
前記心臓の画像は、前記心臓の三次元画像である、
請求項19に記載のCRTシステム。
【請求項21】
前記画像は、事前の手順、又は事後の手順のいずれかにて取得された、
請求項19に記載のCRTシステム。
【請求項22】
前記CRT装置の制御出力は、最適化されたCRT療法、及び前記少なくとも2つの前記電極の相互間の前記計算された間隔に基づいて前記心臓のペーシング頻度を変更することのいずれかを行うように構成された、
請求項13に記載のCRTシステム。
【請求項23】
さらに、前記CRT装置は、患者の状態を監視するための前記計算された間隔を用いる、
請求項13に記載のCRTシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2013年1月22日に出願された、米国仮特許出願第61/755,016号の利益を主張し、その内容は参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
心不全(HF)は、現在約520万人の米国人(米国の総人口の2.5%)に影響を与え、毎年55万の新しい症例が診断されている(例えば、アランダ,J.M.ら(Aranda, J.M. et al.)著、2004年、「クリニカル・カーディオロジー(Clin. Cardiol.)」、27:678−682;ロイド−ジョーンズ,D.ら(Lloyd− Jones, D. et al.)著、(2009)、「サーキュレーション(Circulation)」、27: 119:480−486参照)。2007年の米国での心不全の推定年間コストは332億ドルであり、他のあらゆる医療診断を上回る(例えば、前述のロイド−ジョーンズ,D.ら(Lloyd− Jones, D. et al.)著、2009年、「スープラ(supra)」参照)。そのコストは、主に、コントロール不良の症状のための頻繁な入院により引き起こされたものである。65歳以上の患者の中で、HFは、入院の主要な原因であり、肺炎、脳血管疾患、癌、及び冠動脈アテローム性動脈硬化症がこれに続いている(例えば、ロザモンド,W.ら(Rosamond, W. et al.著)、2007年、「サーキュレーション(Circulation)」、115:e69−171参照)。心不全に対する我々の理解を改善し、新しい治療様式を開発することの緊急性は、心不全の発生率の急速な上昇に起因している。米国での心不全に関する入院回数は、1979年の1,274,000人から2004年の3,860,000人の三倍になった。(例えば、コザック,L.Iら(Kozak, L.I. et al.)著、2006年、「バイタル・アンド・ヘルス・スタティクス(Vital Health Stat.)」、160: 1−206参照)。心臓同期不全は、心不全を有する患者の大部分に存在し、通常は体表面心電図上のQRS間隔の延長として表れる。心臓再同期療法(CRT)は、一部の同期不全患者の同期左心室収縮を復元することができる。
【0003】
多くのランダム化比較試験では、CRTによって、プラセボと比較して、全死因死亡率、心血管死亡率、心不全の入院数、及び左心室のサイズの有意な減少と、寿命、6分間歩行距離、及び左室駆出率の増大が実証されている。(例えば、クレランド,J.G.F.ら(Cleland, J.G.F. et al.)著、2005年、「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(N. Eng. J. Med.)」、352:1539−1549;ヒギンズ,S.L.ら(Higgins, S.L. et al.)著、2003年、「ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・カレッジ・オブ・カーディオロジー(J. Am. Coll. Cardiol.)」、42:1454−1459;アブラハム,W.T.ら(Abraham, W.T. et al.)著、2004年、「サーキュレーション(Circulation)」、110:2864−2868;リンデ,Cら(Linde, C. et al.)著、2008年、「ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・カレッジ・オブ・カーディオロジー(J. Am. Coll. Cardiol.)」、52:1834−1843;モス,A.J.ら(Moss, A.J. et al.)著、2009年、「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(N. Eng. J. Med.)」、361:1329−1338;タン,A.S.ら(Tang, A.S. et al.)著、2010年、「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(N. Eng. J. Med.)」、363:2385−2395参照)。現在のACC/AHAガイドラインの指示を満たす患者に使用した場合、CRTの費用対効果分析は魅力的である事が示されている(例えば、リンデ,C.ら(Linde, C. et al.)著、2011年、「ヨーロピアン・ハート・ジャーナル(Eur. Heart J.)」、32: 1631−1639参照)。
【0004】
CRTは治療基準を満たす患者の大部分において重要なエンドポイントの減少をもたらすが、少数派の患者の多く(30〜40%)は何の利益も得ることができない(例えば、リンデンフェルド,J.ら(Lindenfeld, J. et al.)著、2007年、「サーキュレーション(Circulation)」、115:204−212参照)。このグループの応答を改善することにより、処置のリスク便益比及び処置の費用対効果の両方を改善できる可能性がある。以前の研究は、いくつかの患者と低いCRT応答速度に関連する手順の特性を特定した。120ミリ秒と150ミリ秒の間のQRS持続時間を有する患者は、150ミリ秒以上のQRS持続時間を有する患者と同程度の恩恵を得られなかった(例えば、ドーバート,C.ら(Daubert, C. et al.)著、2009年、「ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・カレッジ・オブ・カーディオロジー(J. Am. Coll. Cardiol.)」、54: 1837−1846参照)。右脚ブロックまたは非特異的心室内伝導障害を有する患者は、左脚ブロックを有する患者程の恩恵を得られず、また、左室心尖部リード配置を有する患者は、より中央又はより側方の左室リード配置を有する患者程の恩恵を得られない(例えば、ザレバ,W.ら(Zareba, W. et al.)著、2011年、「サーキュレーション(Circulation)」、123:1061−1072;シン,J.P.ら(Singh, J.P et al.)、2011年、「サーキュレーション(Circulation)」、123: 1159−1166参照)。CRT療法への応答の他の予測因子は、左右の心室リードチップ、性別、及び心不全の種別(例えば、虚血性、非虚血性の病院)による物理的な分離である。
【0005】
したがって、処置のリスク便益比及び処置の費用対効果をより改善するために、現在のCRT療法の最適化が必要である。
【発明の概要】
【0006】
CRTを最適化するためのシステム及び方法は、本明細書に開示されています。一実施形態によれば、心臓再同期療法(CRT)であって、前記方法は、体の表面、前記体の胸部内、前記体の心臓内、前記体の周囲の静脈構造内、及び前記体の周囲の皮下構造内のうち1つ以上に配置された電極であって、CRT装置の少なくとも2つの電極によって通信される電気信号を、心臓周期の少なくとも2つの周期の間に受信する工程を含む。また、当該方法は、前記受信された電気信号に基づいて、前記心臓周期の少なくとも2つの期間の間に、前記少なくとも2つの前記電極の間隔を計算する工程を含む。さらに、前記計算された前記少なくとも2つ以上の前記電極の間隔に基づいて、前記電極への前記CRT装置の出力を制御する工程を含む。
【0007】
他の実施形態によれば、心臓再同期療法(CRT)システムは、体の表面、前記体の胸部内、前記体の心臓内、前記体の周囲の静脈構造内、及び体の周囲の皮下構造内の1つ以上に配置された電極であって、CRT装置の少なくとも2つの電極を含む複数の電極を含む。また、CRTシステムは、心臓周期の少なくとも2つの周期の間に、前記少なくとも2つの電極によって通信される電気信号を受信するように構成されたCRT装置を含む。さらに、前記CRT装置は、受信された電気信号に基づいて、前記心臓周期の少なくとも2つの期間の間に、前記少なくとも2つの前記電極の間隔を計算するように構成される。また、前記CRT装置は、前記計算された前記少なくとも2つの前記電極の間隔に基づいて、前記電極への前記CRT装置の出力を制御するように構成される。
前述の実施形態及び本願の他の特徴は、添付された図面に関連する以下の表現で説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係るマルチチャンバ刺激の送達及びショック療法に適した電極であって、左心室の後部に配置された1つ又はそれ以上の電極を含む3つの参照リードを介して患者の心臓と電気的に通信するCRT装置を含む例示的なシステムの図である。
【
図2】
図2は、右心室、上大静脈内、及び、CRT装置又はCRT装置付近に配置された電極であって、本開示の実施形態に係る多室刺激の送達及びショック療法に適した1つ又はそれ以上の電極からなる3つの前方参照電極を含む例示的なシステムの図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係るマルチチャンバ刺激の送達及びショック療法に適した心臓内の電極を含む、ペーシング/センシングリードの例示的な位置を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態に係るCRT装置の様々な例の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に係る機械的な情報を取得して分析するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態に係る被験者の左心室のペーシング電極及び右心室のペーシング電極の間に含まれる領域を計算するための、心臓及びその上に重ねた三角形を含む画像である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態に係る潜在的な左脚ブロックを有する患者の生データを示すグラフであって、y軸上の電極内面積(mm
2)及びX軸上の時間(ミリ秒)を示すグラフである。
【
図8】
図8は、本開示の一実施形態による3人の(3)の被験者間の位置をペーシングすることによって、電極内面積の変化の比較を示すグラフである。
【
図9】
図9は、本開示の一実施形態によるペーシングレートによる電極内面積の変化の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
現在の公開の原則の理解を促進するために、ここでは様々な実施形態について参照が用いられ、特定の言葉は同じものを説明するために使用される。しかしながら、本明細書中に、本開示に関する当業者にとって通常企図され得る改変やさらなる変更が開示されるように、開示の範囲の限定は意図されていないことが理解され得る。
【0010】
冠詞「a」および「an」は、本明細書では、1つのまたは1つより多くの(すなわち少なくとも1つの)、その冠詞の文法上の目的物を指す。例えば「要素」(an element)は、少なくとも1つの要素を意味し、2つ以上の要素を包含することができる。
【0011】
特に定義しない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語は、一般に、本開示が属する技術分野の当業者によって理解されるものと同じ意味を有している。
【0012】
本明細書で使用する場合、用語「患者」および「被験者」は、交換可能に使用され、ヒトおよび非ヒト動物を含むことを意図している。例示的なヒト試験体としては、CRTが必要な患者、例えば、心筋梗塞や心臓発作などを被った患者などが挙げられる。用語「非ヒト動物」は、全ての脊椎動物、例えば非哺乳類(例えば、鳥類、両生類、爬虫類等)や、哺乳類、例えばヒト以外の霊長類、家畜及び/又は農業に有用な動物(例えば羊、犬、猫、豚等)や、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等)を含む。
【0013】
本願で提供される様々な例示的な方法、デバイス、システム等は、(a)CRTを最適化するため、(b)心不全の監視に限定されず患者の状態を監視するため、(c)レート適応ペーシングを提供する手段として、ストレスや運動に関連した心臓収縮の動的変化の評価を提供するため、(d)血行動態的な安定と血行力学的に不安定な頻脈性不整脈とを区別するための手段として、心臓不整脈に関連する心臓収縮の動的変化の評価を提供するため、(e)植え込まれた装置の状態を監視するため、及び/又は(f)より完全に心臓の健康を理解するために、対象者内に配置された複数の電極から収集されたデータ(例えば、電気信号、超音波信号、磁気信号等)に依存し得る。
【0014】
本明細書で使用される用語「データ」は、電極によって検出された、任意の機械信号、電気信号、超音波信号、磁気信号、無線周波数等、及びこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用される用語「電極」は、電気信号を検知又は検出するために、非金属成分と接触して使用される導電体を示すことができる。例えば、本明細書で開示された電極は、電気信号を検知するために、静脈や器官(例えば心臓)内に配置され得る。電極は、CRT装置に感知された電気信号の通信のために、CRT装置と電気通信(例えばワイヤーを介して)され得る。
【0016】
本明細書で記載されるように、当該システム及び方法は、CRT装置との通信のために1以上のペアの参照電極と、1ペア以上のペアのペーシング電極とを含み得る。この参照電極及びペーシング/センシング電極は、それぞれ、CRT装置に送出されて被験者の体を通過する微細電気信号、機械信号、超音波信号、又は磁気信号を送出及び検知するように構成されている。特定の実施の形態では、電極は移植可能である。このような電極は単極性又は双極性であってもよく、例えばステンレス鋼、ELGILOY(登録商標)(Co−Cr−Ni合金)、又はMP35N合金等のような任意の適切な導電性材料で形成され得る。電極は、例えば、シリコーンゴム、ポリウレタン等の材料で絶縁されてもよい。さらに他の実施の形態において、参照電極は、体の表面(例えば、患者の胸部又は背中に取り付けられたパッチ等)に取り付けられても良い。このような適切な参照電極は既存のENSITE/NAVX
TMパッチを含み得るが、これに限定されない。これらの電極は、複数のリードに取り付けられても良い(例えば、リードは1つ以上の電極を含んでも良い)。これらのリードは、CRT装置、又はCRT装置と無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)無線技術、WI−Fi(登録商標)無線技術等)が可能な独立した衛星装置に対して作動可能に接続されても良い。
【0017】
電極の位置追跡は、座標系システム(例えば、三次元(3D)座標システム)を定義するための、及び、1つ以上の植え込まれた電極(例えば、心臓のメカニズムによって)の位置情報及び動作情報の取得を補助するための、適切な様々な方法のいずれかで達成できるようにしても良い。
【0018】
他の実施の形態において、電気的情報は、同様に取得されても良く、また、必要に応じて機械的情報のゲート制御取得のため又は他の目的のために使用されても良い。電気的活性は、表面心電図又は生体内心電図を取得するものといった従来技術を用いて測定されても良い。本明細書に記載されるように、用語「心電図」(EGM)は、表面心電図(ECG)及び心臓内電位図(IEGM)、並びに、1つ以上の植え込まれた電極に依存する他の種類の心電図を含む。
【0019】
収集されるデータは、1つ以上の刺激部位、及び/又は1つ以上のA−V間隔又はV−V間隔を用いて送達される刺激エネルギーに関して分析されても良い。そのような情報の分析は、最適なペーシングの構成を決定するために用いられても良い。本明細書で使用される用語「構成」は、1以上の刺激パラメータ及び/又は刺激タイミング(例えば電極間、又は電極間タイミング)が「構成」の一部に含まれるものとして、電極の配置又は場所を超えた意味を持ち得る。
【0020】
また、例示的なCRT装置は、本書では「刺激装置」とも称され、電極を配置するための様々な技術だけでなく、収集したデータを取得したり分析したりする様々な技術として説明される。特定の実施形態では、CRT装置は、情報(例えば、機械的、電気的、超音波、磁気信号等)の後処理を実行するように構成されたハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを含んだり、これらで構成されたり、又はこれらで本質的に構成されても良く、また、CRT装置は、CRTを配信することができる埋め込み型装置を、プログラムしたり又は動作させたりするように構成されてもよい。
【0021】
例示的な方法(及び当該方法を実行するためのシステム)は、患者の心臓の内部又は周囲に配置されたCRTパルス発生器と、患者の心臓の内部又は周囲に配置された複数の参照電極及びペーシング電極と、によって実行される3D電極のポジショニング及び動作分析の使用を含む。さらに、前記例示的な方法は、電極によって記録された機械的動作の慢性的な監視(例えば、CRTパルス発生器の寿命を通じた)のための、心臓周期の少なくとも一部の間におけるデータ(例えば、機械的位置情報)の取得を含み、これによって、心臓壁運動の継続的なリアルタイム分析を容易にする。
【0022】
例示的な電極の配置を以下で提供するが、これは単なる例示である。当業者であれば容易に、同様の結果を得るために電極の数や配置を変更及び/又は修正可能である事が理解できる。このような変更及び/又は修正は、本開示の範囲に含まれる。
【0023】
図1には、マルチチャンバ刺激の送達及びショック療法に適した電極であって、左心室の後部に配置された1つ又はそれ以上の電極を含む3つの参照リード103、104、105を介して患者の心臓と電気的に通信するCRT装置100を含む例示的なシステムの図が開示されている。このような構成によれば、電極は広く静脈血管系内に配置される。実施形態によれば、そして
図1で示すように、第1の電極103は奇静脈近位部106に配置されており、第2の電極104は冠状静脈洞近位部107内に配置され、第3の電極105は奇静脈と半奇静脈の分岐点108又はその近くに配置されている。
【0024】
図2は、右心室204、上大静脈205、及びCRT装置100又はCRT装置付近に配置された電極であって、本開示の実施形態に係る多室刺激の送達及びショック療法に適した1つ又はそれ以上の電極からなる3つの前方参照電極201、202、203を含む例示的なシステムの図である。いくつかの実施形態では、前記前方電極は右心室及び上大静脈を刺激するコイル、及びCRTケースを含んでも良い。他の実施形態では、他の電極は、同一の又は改善された参照の状態を提供するリードに対して配置されたり取り付けられたりしても良い。
【0025】
別のペーシング電極又はセンシング電極の構造の数もまた、本開示のシステム及び方法を用いるために企図されても良い。例えば、1つ以上のペーシング電極は、右心室の内部において、心室内中隔又は頂部に沿って配置されても良いし、1つ以上のペーシング電極は、左心室の心内膜又は心外膜の表面に沿って配置されても良い。動作解析に有用なより多くのペーシング電極又はセンシング電極を有する程、このシステムは左心室の体積や駆出率をより正確に評価する事ができる。本願の実施形態によれば、
図3は、本開示の実施形態に関するマルチチャンバ刺激の送達やショック療法に適した心臓内部の電極を含む、ペーシング/センシングリードの例示的な配置の図を表している。このような構成において、リード(例えば双極リード)301は右心室204内に配置することができる。実施の形態によれば、リード301は心室中隔(図示省略)に取り付けられても良い。1つ以上の電極を含む第2のリード302は、冠状静脈洞を通って後又は横の枝305に配置されていても良い。1つ以上の電極を含む第3のリード303は、冠状静脈洞を通って横又は前の枝306のいずれかに配置する事ができる。本明細書に開示されるシステム及び方法では、基部、中央部、及び/又は頂端部の領域をマッピング及び視覚化するために、無制限の総数の電極が使用され、左心室壁の中隔、前、及び横に配置される。リード103、104、105、201、202、203、301、302、303は神経又は他の組織の刺激に適した刺激パルスを送達するために構成されても良い。これらのリードはまた、分岐又は脚のような特徴を含んでいても良い。例えば、明細書に開示されたペーシングリードは、患者の左心室にペーシングパルスを送達可能な電極、及び自律神経を刺激可能な1つ以上の電極を含む。同一の参照電極は、高電圧除細動、ペーシング、又は内因性心臓信号を感知するために使用される。例えば、奇静脈内に配置された参照電極は、除細動エネルギーを送達するためのカソード又はアノードとして機能するのに好適である。また、近位冠状静脈洞に配置された電極は、時間心室ペーシングに対する心房ペーシング/センシング電極として機能する。
【0026】
図4は、本開示の実施形態に関する様々なCRT装置400の構成例を描いたブロック図である。この示された図では、マルチチャンバ装置を示しているが、これは単なる例示の目的のみに行われるものと理解され、認められるものである。したがって、本明細書に記載の技術、方法、及び他の例は、任意の適切に構成された、又は構成可能な刺激装置と組み合わせて実施することができる。したがって、当業者は、患者の心臓の適切なチャンバや領域を治療出来る装置を提供する所望の組み合わせにおいて、適当な回路を容易に複製、排除、又は無効にできる。
【0027】
CRT装置400のハウジング401は、通常「カン」、「ケース」、「ケース電極」として関連付けられ、全ての「単極性」モードのためのリターン電極として機能するようにプログラム可能に選択され得る。ハウジング401は、衝撃のために、又は他の目的のために、単独のリターン電極として、又は1つ以上のコイル電極と組み合わされて使用され得る。ハウジング401は、参照リード、及び/又は、ペーシング/センシングリード(模式的に示し、ここで提供されるコネクターの数は例示のみを目的とする)と接続して構成された複数の終端部402、403、404、405を有するコネクターを含み得る。明細書に記載された機能を含む1つ又は複数のCRT装置400の構成要素又は任意のCRT装置は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現され得る事に留意されたい。
【0028】
刺激装置400は、心臓の治療や他の治療の様々なモードを操作するプログラム可能なマイクロコントローラー406である。当該技術分野で知られているように、マイクロコントローラー406は一般的に、マイクロプロセッサー又は等価制御回路を含み、具体的には刺激療法、又は収集した機械的な情報の監視/処理の伝送を制御するために設計されており、また、RAM又はROMメモリ、ロジック回路及びタイミング回路、状態機械回路、並びにI/O回路を含む。マイクロコントローラー406は、メモリの指定されたブロック内に格納されたプログラムコードによって制御さることにより、入力信号(データ又は情報)の処理または監視をするように構成することができる。マイクロコントローラーの種類は、上述の形態にとって重要ではない。むしろ、任意の適切なマイクロコントローラー406は、明細書に記載した機能を実行するために適切なものを使用することができる。タイミングやデータを分析する機能を実行するためにマイクロプロセッサーベースの制御回路を使用する事は、当業者にとって周知である。
【0029】
記載された実施形態と接続するために使用される制御回路の例示的な種類は、米国特許番号4,940,052のマイクロプロセッサーベースの制御システム、米国特許番号4,712,555及び4,944,298のステートマシンを含み、これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれている。刺激装置で使用される様々なタイミングの間隔、及びそれらの相互関係のより詳細な記載のために、米国特許番号4,788,980も参照により本明細書に組み込まれている。
【0030】
CRT装置の本来の機能の実現に加えて、CRT装置400は、カーディオ、除細動、及びペーシング刺激407を含む刺激療法であって、これに限られない刺激療法によって低速及び高速の両方の不整脈を治療するための本来のCRTペースメーカー/除細動器として機能できる。マイクロプロセッサー406は、ペース感知電極の位置を三角測量するように構成された三角測量モジュール408を含んでも良い。例えば、三角測量モジュール408は、ペーシングリードの配置を三角測量するために、低振幅の電気エネルギーをリードを介して通信又は送信するように構成される。マイクロプロセッサー406は、いくつかの心周期にわたって平均された測定電極配置から推定された最大及び最小の心室体積を自動的に測量するように構成された測量モジュール409を含んでも良い。
【0031】
マイクロプロセッサー406は、刺激パルス(例えば、ペーシング率、房室(AV)遅延、心房間伝導(AA)遅延、又は心室間伝導(VV)遅延、心室刺激に用いられるペーシング電極、及びペーシング電極刺激のシーケンス)のタイミングを制御するタイミングモジュール410を含む。さらに、タイミングモジュール410は、不応期、空白区間、ノイズ検出ウィンドウ、誘発反応ウィンドウ、警告間隔、及びマーカーチャンネルタイミング等を維持できる。タイミングモジュール410は、ペーシング構成におけるいくつかの心周期にわたって平均された測定電極配置から推定された最大及び最小の心室体積を測定できるように構成される。
【0032】
マイクロプロセッサー406は、パーマネントペーシングプログラムを、最大及び最小の電極内面積又は体積(拍出量のサロゲートマーカー)の違いを最大化するペーシング構成に自動的に割り当てる割り当てモジュール411を含む。
【0033】
マイクロプロセッサー406は、各生理学的状態のための最適なペーシング構成を決定するために、様々な生理学的状態(例えば、休憩、ピーク運動、)の各ペーシング構成における複数の心臓の周期にわたって最大及び最小の電極内面積又は体積(例えば、拍出量)を再測定する再測定モジュール412を含んでも良い。CRT装置400は、次いで、規則的なベースでの複数の心臓の周期にわたって最大及び最小の電極内面積又は体積を再測定できる。電極内面積又は体積(拍出量)の変化量の減少、又は全体の電極内面積又は体積(左心室拡張のサロゲート測定値)の増加は、次いで、悪化心不全のマーカーとして利用される。
【0034】
マイクロプロセッサー406は、任意の悪化心不全について、患者及び/又は医療提供者に対して、聴覚又は感覚(例えば振動)警報を供給する警告モジュール413を含む。
【0035】
電子配置スイッチ414は、適切なI/O回路に所望の電極を接続するための複数のスイッチを含むことができ、これにより、完全な電極プログラマビリティを提供できる。したがって、スイッチ414は、マイクロコントローラー406からの制御信号に応じて、当該技術分野で知られているように、スイッチ(図示しない)の適切な組み合わせを選択的に閉じることによって、刺激パルスの極性(ユニポーラ、バイポーラ等)を決定することができる。
【0036】
マイクロコントローラー406は、適切なデータ/アドレスバス415aによって、メモリ415に対して通信可能に接続されても良い。特定の患者のニーズに合わせてCRT装置400の動作をカスタマイズするために、マイクロコントローラー406に利用されるプログラム可能な運転パラメータは、必要に応じて、記憶され、修正されても良い。このような運転パラメータは、例えば、治療の各段階で患者の心臓に供給される、ペーシングパルスの振幅、パルス持続時間、電極の極性、速度、感度、自動機能、不整脈検出基準、及び振幅と、波形と、パルスの数と、各衝撃パルスのベクトルとを定義することができる。実施形態に記載された1つの特徴は、比較的大量のデータを検出し、記憶する能力である(例えば、データ収集システム等から)。そのデータは、その後、装置のプログラミングを誘導するために、その後の分析のために使用される。
【0037】
有利には、CRT装置400の当該運転パラメータは、外部装置との通信リンクを介して遠隔通信において遠隔回路を通じてメモリ415内に非侵襲的にプログラムされても良い。例示的な外部機器としては、プログラマ、電話伝送トランシーバー、診断システムアナライザーが含まれるが、これらに限定されない。マイクロコントローラー406は、制御信号により遠隔回路を活性化することができる。この遠隔回路は、心臓内電位図(IEGM)及び他の情報(例えば、マイクロコントローラー406又はメモリ415に含まれるデバイス400等の動作に関するステータス情報)が、確立された伝送リンクを通じて外部装置(図示省略)に伝送されることを可能とする。
【0038】
CRT装置400は、
図4に示す全ての回路及び又は構成要素に動力を供給するバッテリー416を備えても良い。ショック療法を使うCRT装置400のために、バッテリー416は長時間の定電流ドレインで可動することができる(例えば、10μA以下)。さらに、バッテリー416は、患者がショックパルスを要求した際、高電流パルス(コンデンサ充電用の)を供給する事ができる(例えば、約2A以上で、200Vを超える電圧で、約10秒を超える期間で)。このバッテリー416は、選択的交換時期を検出できるように、予測可能な放電特性を有することができる。
【0039】
CRT装置400は、マイクロプロセッサー406に結合され、磁石がCRT装置400の上に配置された時に検出を行う、磁気検出回路(図示省略)を含むように構成されても良い。磁石は、CRT装置400の様々なテスト機能を実行するため、及び/又は、テレメトリ回路を介してマイクロプロセッサー406にデータを受信又は送信するべく、外部プログラマが配置されたマイクロプロセッサー406に信号を送るために、臨床医によって使用されてもよい。
【0040】
CRT装置400は、マイクロプロセッサー406によって制御信号を通じて有効にすることができるインピーダンス測定装置417を含んでも良い。インピーダンス測定回路417の一例の機能は、適切なリードの位置決めや脱落のための急性及び慢性の段階でリードインピーダンスを監視すること、操作可能な電極を検出し、脱落が発生した場合に、自動的に操作可能なペアに切り換えること、呼吸又は換気量を測定すること、衝撃の閾値を決定するために胸郭インピーダンスを測定すること、装置が移植された時に検出すること、ストロークの体積を測定すること、及び心臓弁の開度を検出すること等を含んでも良いが、これに限られない。このインピーダンス測定回路417は、任意の所望の電極を使用できるように、電極スイッチ414に結合されても良い。
【0041】
CRT装置が1つ又は複数の生理学的センサー(図示省略)を含むことも、本願の開示の範囲である。例えば、CRT装置400は、例えば活動の日周変化等(例えば、睡眠及び覚醒状態の検出)の患者の状態に応じたペーシング刺激レートのような、例えばペーシング刺激レートを調整するための情報を供給する「レート応答(rate−responsive)」センサーを含んでも良い。したがって、刺激パルスが生成されるマイクロコントローラー406は、様々なペーシングパラメーター(例えば、レート、A−V遅延、V−V遅延等)の調整に応答しても良い。
【0042】
1つ以上の生理学的センサーは、CRT装置400の外部に配置されても良く、また、患者の内部に移植されたり患者に運搬されたりしても良いことが理解されるべきである。CRT装置400に実装することができる生理学的センサーの例としては、例えば、呼吸数、血液のpH、心室勾配、心拍出量、前負荷、後負荷、及び収縮性等を感知する任意の適切なセンサーが挙げられる。使用される他のセンサーは活動の分散を検出するものであり、ここで、活動センサーは、測定において睡眠状態に対応する低分散を検出するように毎日監視される。
【0043】
生理学的センサーは、患者の動き及び分時換気量を検出するためのセンサーを含むことができる。例えばMVセンサー等の位置センサーによって生成された信号は、ペーシングレート及び/又はその他の調整をするか決定する際の分析をするためにマイクロプロセッサー414に送られても良い。マイクロプロセッサー414は、患者が上の階に上った、下の階に降りた、又は寝転がった後に座った等といった患者の位置や活動状態の表示のために、信号を監視しても良い。
【0044】
本願の開示はさらに、CRT装置400のマイクロプロセッサー406、又はCRT装置プログラマー(患者の外部に配置される)に含まれる追加的なモジュールを提供する。このようなモジュールは、前及び/又は後の手続きで取得した3Dコンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)、エコー図、又は、LCDディスプレイに表示されたリアルタイムの3D左心室モデルの鼓動をユーザ(例えば医学の専門家)が見えるようにするためのカテーテル電極の配置マップの3D画像、と合わせられた左心室腔の電気解剖学的マップの画像の移入を含む幾つかの異なる機能、を可能にするが、これに限らない。他のモジュールは、リード動作によって測定されるストローク量及び駆出率を表示、又は別の方法で提示するように構成されても良い。
【0045】
前述の構成要素/モジュールは、動作の特定のモードの間において、装置にプログラムされると共にマイクロプロセッサー406上で実行される、マイクロプロセッサー406の一部として、又はソフトウェア/フィルムウェア機器として、ハードウェアに装着されている。あるいは、CRT装置プログラマのような追加的な外部装置は、CRT装置と接続されることにより1つ以上の上述した機能、又は追加的な機能(追加メモリー/処理機能等の提供等)を実行することができても良い。このような外部装置は、直接的な電気通信、又はワイヤレス(例えば、BLUETOOTH(登録商標)ワイヤレス技術、WI−FI(登録商標)ワイヤレス技術等)によって移植されたCRT装置と接続され得る。
【0046】
図5は、本願に開示の実施形態に関する機械的な情報を取得及び分析するための例示的な方法500を示すフローチャートである。
図5を参照すると、この方法は、1つ以上の参照電極及び1対以上のセットのペーシング/センシング電極を、患者の胸部、心臓、及び/又は、周囲の静脈又は皮下構造(「構成」と称する)に配置すること501を含む。これらの電極は、CRT装置と電気通信可能である。実施形態では、1対以上のペアの参照電極が左心室の後方に配置され、1対以上のペアの参照電極が右心室の前方に配置されても良い。実施形態では、後方の参照電極は、近位奇静脈、近位冠状静脈洞、並びに、奇静脈及び半奇静脈の分岐箇所又はこの分岐箇所の近くに配置されても良い。他の実施形態では、前方に配置された参照電極は、右心室、上大静脈、及びCRT装置又はCRT装置の近くに配置され、特に他の実施形態では、同一又は改良された参照配置を提供するために、これらのリードの上に電極は配置されても良い。他の実施形態では、1つ以上のペーシング電極は、心室中隔又は心尖部に沿って右心室に配置されても良く、1つ以上のペーシング電極は、左心室の心内膜又は心外膜表面に沿って配置されても良い。実施形態では、1つ以上のペーシング電極は右心室に配置されても心室中隔に取り付けられても良く、1つ以上の電極は冠状静脈洞を通って後枝又は側枝へと配置されていても良く、また、1つ以上の電極は冠状静脈洞を通って側枝又は前枝のいずれかへと配置されていても良い。
【0047】
図5の方法500は、ある期間(例えば、1以上の心周期)にわたってのデータ(例えば、機械的情報)の収集502を含む。収集されたデータは、CRT装置に記憶される。このデータは、その後、CRT装置内部のマイクロプロセッサーによって処理(ブロック)503される。初めに、各セットの記録された座標503aの電極間の距離が計算され、また、続いて、左心室及び右心室の極間を含む総面積又は体積が計算されてもよい(電極内面積、又は電極内体積と称する)。この処理は複数の心周期にわたって繰り返される。明細書に記述される例示的な構成としては、CRT装置は低振幅の電流(例えば、−350μA、5.7kHz)を、前後の電極間に、胸部を通じて3つの直交する(X,Y,及びZ)方向に流す。この電極の配置は、3つの振幅(V)のそれぞれを、対応する電界強度(V/cm)によって割ることによって計算されても良い。電気エネルギー、磁気エネルギー、高周波エネルギー、又は超音波エネルギーの他のタイプは、リアルタイムの位置情報を導出するために、CRT発生器又は参照電極によって放出されると共に、ペーシング電極によって検出される。機械的な左心室の機能は、リード動作の分析、及び/又は心周期にわたる電極内面積の種類、及び/又は心周期にわたる電極内体積の種類、と比較することによって後に評価されても良い。このデータから、供給者は後にCRT療法506を最適化する調整を行うことができ、患者の監視508を継続する事ができる(例えば、移植、長期的な3D立体リード動作情報等)あるいは、この装置は、相互間電極面積又は体積の種類を最大化するためにペーシングパラメーター(ペーシング電極、A−Vタイミング、V−Vタイミング、又は多極ペーシング手順)を自動的に調節するようにプログラムされても良い。
【0048】
ブロック504に示すように、後にこのデータは、ユーザが外部LCDディスプレイによりリアルタイムで3D左心室モデル鼓動を視えるようにするために、任意の前及び/又は後の手順で取得された3D断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)、心エコー図、又は、カテーテル電極の位置マップの3D画像の左心室腔の電気解剖学的マップ画像と統合されてもよい。
【0049】
他の実施形態では、明細書で提供されるシステム及び方法で収集された、ストローク量の急激な増加に関連する情報(運動状態から予想される)は、心房及び心室連続ペーシング頻度と適応するために、単独で、又は他のセンサー(例えば、分時換気量、リードインピーダンス、及び胸壁の動き)と組み合わせて用いられても良い。検出された頻脈性不整脈と関連する急速なストローク量の減少は、血行力学的に不安定な頻脈性不整脈と血行動態的に安定して区別するために、頻脈弁別器として用いられる。
【0050】
以下の実施例は、例示のために提供されるものであって、限定するものではない。
【0051】
例
1.予備的人間研究
はじめに、リード動作分析の例示的な方法は、NYHAクラスIIIHEの3人の患者で検討されており、患者1は右脚ブロックの基準値を有しており、患者2及び3は左脚ブロックの基準値を有している。
【0052】
方法:外部のEnsite−NAVX参照電極(セント・ジュード・メディカル、オースティン テキサス州)を配置した後、カルテットの四極左心室リード(セント・ジュード・メディカル、ミネアポリス ミネソタ州)は冠状静脈洞の側枝に配置され、Durata(セント・ジュード・メディカル、ミネアポリス ミネソタ州)双極右心室リードは右心室心尖部に配置され、Tendril(セント・ジュード・メディカル、ミネアポリス ミネソタ州)リードは、右心耳に配置された。このリードは、Ensite−NAVX(セント・ジュード・メディカル、オースティン テキサス州)マッピングシステムと接続された。ペーシングは外部刺激装置(Micropace EP社、サンタ・アナ、カリフォルニア州)を介して配信された。リード動作分析は、洞律動、心房リードからのペーシング(AAIペーシング)、心房及び右心室リードからのペーシング(DDD)、心房と左心室リードからのペーシング(DDD)、並びに、心房リード及び両心室リードからのペーシング(両室ペーシング、DDD)の間に実行された。分析は、各構成のペーシングの20秒後に実行された。AII DDDペーシングは、150ミリ秒の房室遅延を利用した。両心室のペーシングの間、心室同士のオフセットは0ミリ秒に設定された。一人の患者においてリード動作分析は、ペーシングの間に毎分85、100、及び120拍で繰り返し実行された。Ensite−NAVXシステムを使用して、875セットの座標測定値は各ペーシング構成で8秒間にわたって行われた。座標は左心室リードの全4極、右心室リードの全2極、右心房リードからの全2極から得られた。式1を用いて、電極間の距離は、記録された各座標のセット毎に計算された。
Sqrt((X1−X2)
2+(Y1−Y2)
2+(Z1−Z2)
2) 式1
【0053】
4つの左心室極と2つの右心室極の間に含まれる合計面積(電極内面積と称する)は、当該面積を三角形に分割し、式2を用いて各三角形の面積を計算し、そして、
図6に示すように全ての4つの三角形の面積を加えることによって座標毎に計算される。
1/4*((A
2+B
2+C
2)−2*(A
4+B
4+C
4)) 式2
図6は、本開示の実施形態に係る被験者の左心室のペーシング電極及び右心室のペーシング電極の間を含む領域を計算するための、心臓及びその上に重ねた三角形を含む画像を示している。
【0054】
複数の心臓周期上の面積の種類は、95パーセンタイル値(最大電極内面積)の電極内面積の値と、5パーセンタイル値(最小電極内面積)の電極内面積の値との差異を計算することによって、ペーシング構成毎に計算された。終末呼気で取得された心臓周期のみが、電極内面積変化の差異は、一元配置分散分析法及びT−検定の両側検定を用いて検討される。p値<0.05は、全ての試験において有意とみなした。
【0055】
結果:
A.ペーシング構成による電極内面積
心臓周期上の電極内面積変化は、エンサイトNAVXシステムを用いて測定された。生データ(
図7に示す)は、刺激部位に基づいて、電極内面積変化の差異を視覚的に示す。
図7は、本開示の実施形態に係る潜在的な左脚ブロックを有する患者の生データを示すグラフであって、y軸上の電極内面積(mm
2)及びX軸上の時間(ミリ秒)を示すグラフである。電極内面積変化の形式的な比較が
図8に示されており、この
図8は、本願開示の一の実施形態に関する対象の3人の被験者の間で位置をペーシングすることによる電極内面積変化の比較を示す。患者1(右脚ブロック)は、極2−3からの左心室刺激による両室ペーシングにより電極内面積の最大の変化を示した(ペーシング構成間の比較によってP=3.09E−29)。患者2(左脚ブロック)は、右心室専用ペーシングにより電極内面積の最大の変化を示した(ペーシング構成間の比較によってP=2.01E−8)。患者3(左脚ブロック)は、極4−1からの左心室刺激による両室ペーシングにより電極内面積の最大の変化を示した(ペーシング構成間の比較ではP=1.58E−21)。
【0056】
B.電極内面積変化を改善するための代替ペーシング手順
左心室専用ペーシング構成は、両室ペーシング及び右心室専用ペーシング構成に加えて患者2(LBBB)について検討された。左心室専用ペーシングは、いずれの構成においても、両室ペーシング構成と比較して電極内面積変化の有意な上昇を提供した。電極2−3からの左心室専用ペーシングは、右心室専用ペーシングと比較して改善された電極内面積変化を提供した(T−検定の両側検定、P=0.0006)。
【0057】
C.電極内面積変化の心拍数への影響
広範囲の事前作業は、ペーシングレートの上昇が一定の心拍出量を維持するために一回拍出量の減少を伴う事を示している。電極内面積の変化の測定が、心臓の生理機能の変化に伴う一回拍出量の変化を検出する事が出来たかどうかを決定するために、電極内面積の変化は、患者3に対して、85、100、120BPMといった様々なペーシングレートで試験された(
図9に示す)。
図9は、本開示の一実施形態によるレートペーシングによる電極内面積の変化の比較を示すグラフである。ペーシングレートが上がると、全てのペーシング構成において、電極内面積の変化は減少した(P < 0.0001全てのペーシング構成において)。
【0058】
本願は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサーに本願の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又は媒体)を含んでもよい。
【0059】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置によって使用される命令を保持して保存することができる有形装置であっても構わない。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、又はこれらの任意の適切な組み合わせであっても構わないがこれに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、以下の、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピー(登録商標)ディスク、例えば、パンチカード、またはその上に記録された命令を有する溝内の隆起構造といった機械的にエンコードされたデバイス、及び前述の任意の適切な組み合わせを含んでも構わない。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体それ自体は、電波若しくはその他自由に伝搬する電磁波、導波路若しくは他の伝送媒体を介して電波する電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤーを介して伝送される電気信号といった、一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0060】
本明細書に記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から、各演算装置/処理装置にダウンロードされ、又は外部コンピュータ又は外部記憶装置に対してネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、及び/又はワイヤレスネットワーク、を介してダウンロードされる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光ファイバ伝送、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、及び/又はエッジサーバーを含み得る。各演算装置/処理装置におけるネットワーク・アダプタ・カード又はネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信すると共に、各演算装置/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体に格納したコンピュータ可読可能なプログラム命令を転送する。
【0061】
本願の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は、JAVA(登録商標)、Smalltalk、又はC++等といったオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」言語又は類似のプログラミング言語といった従来の手続き型プログラミング言語を含む、任意の1つ以上のプログラミング言語の組み合わせで書かれたいずれかのソースコード又はオブジェクトコードであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、全体をユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、単体のソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で且つ部分的にリモートコンピュータ上で、又は、全体的にリモートコンピュータ上若しくはサーバー上で、実行され得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN)、又は外部コンピュータに対して形成された接続(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用したインターネットを通じて)を含む任意のタイプのネットワークを介して、ユーザのコンピュータと接続され得る。いくつかの実施形態では、例えばプログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本願の態様を実行するために、電子回路をパーソナライズして、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0062】
本願の側面は、本実施の形態に関する方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して明細書に記載されている。フローチャート図のいずれのブロック、及び/又はブロックダイアグラム、及び、フローチャート図のブロック及び/又はブロックダイアグラムの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実現されることが理解され得る。
【0063】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は、機械を製造するための他のプログラマブルデータ処理装置、のプロセッサーに提供され得るものであり、その結果、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサーを介して実行する当該命令は、フローチャート及び/又はブロックダイアグラムのブロックで指定された機能/動作を実施する手段を形成する。また、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、及び/又は他の装置に、特定の方法の機能を指示する事が可能なコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得るものであり、その結果、内部に記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロックダイアグラムのブロックで指定された機能/動作の態様を実施する命令を有する製造品を含む。
【0064】
また、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ上、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他の装置に対して、一連の動作ステップを生じさせてコンピュータ上で実行されるためにロードされ得るものであり、その結果、コンピュータ、他のプラグラマブル装置、又は他の装置上で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロックダイアグラムのブロックで指定された機能/動作を実施する。
【0065】
図中のフローチャート及びブロック図は、本願の実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品により可能な命令のアーキテクチャ、機能性、及び操作を図示する。この点で、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、命令のモジュール、セグメント、又は一部分を表す事ができ、特定の論理機能を実施するための1つ以上の実行可能な命令を含む。幾つかの変形例では、ブロックに記載された機能は、図面に記された順序を外れて発生する事がある。例えば、連続して図示された2つのブロックは、実際には、関連する機能に応じて、実質的に同時に実行され、又は、ブロックが逆の順序で実行され得る。ブロック図及び/又はフローチャートに図示された各ブロック、並びに、ブロック図及び/又はフローチャートに図示されたブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作の実行、又は専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせの実行をする専用ハードウェアシステムによって実施することができる。
【0066】
本明細書で言及された任意の特許又は刊行物は、本願が属する技術の当業者のレベルを示唆する。各個々の刊行物が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されたかのように、これらの特許および刊行物は、本明細書に同程度に参考として援用されます。
【0067】
当業者は、本願は目的を実行するために適用されていることを、並びに、言及された結果や効果及びそれらの内在を取得することを、容易に理解できる。本明細書に記載される方法と共に、本例は、現在様々な実施形態を代表し、例示するものであり、また、本願の範囲を限定するものではない。その中の変更および他の使用は、特許請求の範囲によって定義される本願の精神に包含され、当業者に想起されます。
【国際調査報告】