(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-509188(P2016-509188A)
(43)【公表日】2016年3月24日
(54)【発明の名称】エネルギー再利用に用いられる油圧制御主弁
(51)【国際特許分類】
F15B 11/00 20060101AFI20160226BHJP
F15B 11/024 20060101ALI20160226BHJP
【FI】
F15B11/00 D
F15B11/024 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-561877(P2015-561877)
(86)(22)【出願日】2013年11月22日
(85)【翻訳文提出日】2015年9月14日
(86)【国際出願番号】CN2013001430
(87)【国際公開番号】WO2015024152
(87)【国際公開日】20150226
(31)【優先権主張番号】201310363059.2
(32)【優先日】2013年8月19日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201320505987.3
(32)【優先日】2013年8月19日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515256154
【氏名又は名称】ジアンスー ホンリー ハイドローリックス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Jiangsu HengLi Hydraulics co.,ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン リーピン
(72)【発明者】
【氏名】ルー チィァン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヂャン
(72)【発明者】
【氏名】リィゥ ホングゥァン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン グゥォリィァン
【テーマコード(参考)】
3H089
【Fターム(参考)】
3H089AA33
3H089BB01
3H089BB11
3H089BB12
3H089CC01
3H089DB13
3H089DB33
3H089DB43
3H089DB75
3H089DB77
3H089DB78
3H089GG02
3H089HH05
(57)【要約】
本発明に係る油圧制御主弁は、カバーと、スプール弁と、左逆止弁と、右逆止弁とを有し、エネルギー再利用に用いられる。スプール弁の両端には、それぞれカバーが配置され、スプール弁には、左油口T、油口A、油口I/L、油口I/M、油口I/R、油口B、右油口T及び油口Pが設けられている。カバーとスプール弁との間には、ばね及びばね座が配置され、スプール弁の左右両端には、それぞれ左弁座、左ポペット弁及び左ばねから構成された左逆止弁と、右弁座、右ポペット弁及び右ばねから構成された右逆止弁とが嵌合されている。左ポペット弁の円錐面が左ばねの作用によりスプール弁の左円錐面に密接し、右ポペット弁の円錐面が右ばねの作用によりスプール弁の右円錐面に密接している。本発明によれば、ピストンの下降速度を制限し、ピストンが受けた機構及び材料の重力による位置エネルギーを利用して、エネルギー再利用を実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー(1)と、スプール弁(2)と、左逆止弁(3)と、右逆止弁(4)とを有し、エネルギー再利用に用いられる油圧制御主弁であって、
前記スプール弁(2)の両端には、それぞれ前記カバー(1)が配置され、
前記スプール弁(2)には、左油口T、油口A、油口I/L、油口I/M、油口I/R、油口B、右油口T及び油口Pが設けられ、
前記カバー(1)と前記スプール弁(2)との間には、ばね(5)及びばね座(6)が配置され、
前記スプール弁(2)の左右両端には、それぞれ左弁座(3−1)、左ポペット弁(3−2)及び左ばね(3−3)から構成された左逆止弁(3)と、右弁座(4−1)、右ポペット弁(4−2)及び右ばね(4−3)から構成された右逆止弁(4)とが嵌合され、
前記左ポペット弁(3−2)の円錐面が左ばね(3−3)の作用により前記スプール弁(2)の左円錐面に密接し、前記右ポペット弁(4−2)の円錐面が右ばね(4−3)の作用により前記スプール弁(2)の右円錐面に密接していることを特徴とする、エネルギー再利用に用いられる油圧制御主弁。
【請求項2】
前記スプール弁(2)の中心線上には、太中心孔(2−1)が設けられ、
左右の前記太中心孔(2−1)は、前記太中心孔よりも孔径が小さい細中心孔(2−2)を介して連通し、
前記太中心孔(2−1)と前記細中心孔(2−2)との当接箇所には、円錐台孔(2−3)が設けられ、
前記油口Pと前記油口I/Mとの間には、左給油スロットル溝(2−4)及び右給油スロットル溝(2−5)が設けられ、
前記油口Aと前記油口I/Lとの間には、左スロットル溝(2−6)が設けられ、
前記左油口Tと前記油口I/Lとの間には、左第1スロットル孔(2−7)、左第2スロットル孔(2−8)及び左第3スロットル孔(2−9)から構成された左排油孔群が設けられ、
前記左第2スロットル孔(2−8)と前記油口Aとは連通し、
前記油口Bと前記油口I/Rとの間には、右スロットル溝(2−10)が設けられ、
前記右油口Tと前記油口I/Rとの間には、右第1スロットル孔(2−11)、右第2スロットル孔(2−12)及び右第3スロットル孔(2−13)から構成された右排油孔群が設けられ、
前記右第2スロットル孔(2−12)及び前記右第3スロットル孔(2−13)は、それぞれ前記油口Bと連通していることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー再利用に用いられる油圧制御主弁。
【請求項3】
前記左弁座(3−1)の円周上には、左第1円環溝(3−1−1)、左第2円環溝(3−1−2)、左第1密封溝(3−1−3)及び左第2密封溝(3−1−4)が設けられ、
前記左弁座(3−1)の中心線上には、左弁座中心孔(3−1−5)が設けられ、
前記左第1円環溝(3−1−1)は、径方向に設けられた左弁座径方向孔(3−1−6)を介して前記左弁座中心孔(3−1−5)と連通し、
前記左第1密封溝(3−1−3)及び前記左第2密封溝(3−1−4)内には、それぞれ左密封リング(3−1−7)が配置されており、
前記右弁座(4−1)の円周上には、右第1円環溝(4−1−1)、右第2円環溝(4−1−2)、右第1密封溝(4−1−3)及び右第2密封溝(4−1−4)が設けられ、
前記右弁座(4−1)の中心線上には、右弁座中心孔(4−1−5)が設けられ、
前記右第1円環溝(4−1−1)は、径方向に設けられた右弁座径方向孔(4−1−6)を介して前記右弁座中心孔(4−1−5)と連通し、
前記右第1密封溝(4−1−3)及び前記右第2密封溝(4−1−4)内には、それぞれ右密封リング(4−1−7)が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー再利用に用いられる油圧制御主弁。
【請求項4】
前記左ポペット弁(3−2)の中心線上には、互いに連通している左ばね孔(3−2−1)と左ポペット弁孔(3−2−2)とが設けられ、
前記左ポペット弁(3−2)の右端には、径方向に円環面を有する左肩部(3−2−3)が設けられ、
前記左肩部(3−2−3)の径方向には、左肩部径方向孔(3−2−4)が設けられ、
前記左肩部(3−2−3)の右端は、左肩部円錐面を有し、
前記左肩部径方向孔(3−2−4)と前記左ポペット弁孔(3−2−2)とは、互いに連通し、 前記左肩部円錐面の角度は、前記円錐台孔の角度より小さく、
前記右ポペット弁(4−2)の中心線上には、互いに連通している右ばね孔(4−2−1)と右ポペット弁孔(4−2−2)とが設けられ、
前記右ポペット弁(4−2)の右端には、径方向に円環面を有する右肩部(4−2−3)が設けられ、
前記右肩部(4−2−3)の径方向には、右肩部径方向孔(4−2−4)が設けられ、
前記右肩部(4−2−3)の右端は、右肩部円錐面を有し、
前記右肩部径方向孔(4−2−4)と前記右ポペット弁孔(4−2−2)とは、互いに連通し、
前記右肩部円錐面の角度は、前記円錐台孔の角度より小さいことを特徴とする請求項3に記載のエネルギー再利用に用いられる油圧制御主弁。
【請求項5】
前記左油口Tに近い位置には、左圧力排出傾斜孔(7)が設けられ、
前記右油口Tに近い位置には、右圧力排出傾斜孔(8)が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のエネルギー再利用に用いられる油圧制御主弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧制御主弁に関し、特にエネルギー再利用に用いられる油圧制御主弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、油圧制御主弁が使用される過程において、スプール弁がR位置に切り換わる際、ピストンは、下降する間に、機構及び材料の重力の作用を受け、下降速度が加速する。これにより、ピストンキャビティの油液が急速に排出されるだけでなく、下降速度が加速する際に油口Pからロッドレスシリンダへ流れる油の流量は直ちには満たされない。その結果、ピストンが失速して落下し、ロッドシリンダの油補充不足によって不利な真空現象が形成されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来技術の欠陥を克服し、ピストンの下降速度を制限し、ピストンが受けた機構及び材料の重力による位置エネルギーを利用して、エネルギー再利用を実現可能な油圧制御主弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的を実現するため、本発明に係る油圧制御主弁は、カバーと、スプール弁と、左逆止弁と、逆止弁とを有し、エネルギー再利用に用いられる油圧制御主弁であって、スプール弁の両端には、それぞれ前記カバーが配置され、前記スプール弁には、左油口T、油口A、油口I/L、油口I/M、油口I/R、油口B、右油口T及び油口Pが設けられている。前記カバーと前記スプール弁との間には、ばね及びばね座が配置され、前記スプール弁の左右両端には、それぞれ左弁座、左ポペット弁及び左ばねから構成された左逆止弁と、右弁座、右ポペット弁及び右ばねから構成された右逆止弁とが嵌合されている。前記左ポペット弁の円錐面が左ばねの作用により前記スプール弁の左円錐面に密接し、前記右ポペット弁の円錐面が右ばねの作用により前記スプール弁の右円錐面に密接している。
【0005】
上記技術的解決手段に係るスプール弁の中心線上には、太中心孔が左右対称に設けられている。左右の前記太中心孔は、前記太中心孔よりも孔径が小さい細中心孔を介して連通し、前記太中心孔と前記細中心孔との当接箇所には、円錐台孔が設けられている。前記油口Pと前記油口I/Mとの間には、左給油スロットル溝及び右給油スロットル溝が設けられ、前記油口Aと前記油口I/Lとの間には、左スロットル溝が設けられている。前記左油口Tと前記油口I/Lとの間には、左第1スロットル孔、左第2スロットル孔及び左第3スロットル孔から構成された左排油孔群が設けられ、前記左第2スロットル孔と前記油口Aとは連通し、前記油口Bと前記油口I/Rとの間には、右スロットル溝が設けられている。前記右油口Tと前記油口I/Rとの間には、右第1スロットル孔、右第2スロットル孔及び右第3スロットル孔から構成された右排油孔群が設けられている。前記右第2スロットル孔及び前記右第3スロットル孔は、それぞれ前記油口Bと連通している。
【0006】
上記技術的解決手段に係る左弁座の円周上には、左第1円環溝、左第2円環溝、左第1密封溝及び左第2密封溝が設けられ、前記左弁座の中心線上には、左弁座中心孔が設けられている。前記左第1円環溝は、径方向に設けられた左弁座径方向孔を介して前記左弁座中心孔と連通している。前記左第1密封溝及び前記左第2密封溝内には、それぞれ左密封リングが配置されている。
【0007】
前記右弁座の円周上には、右第1円環溝、右第2円環溝、右第1密封溝及び右第2密封溝が設けられている。前記右弁座の中心線上には、右弁座中心孔が設けられている。前記右第1円環溝は、径方向に設けられた右弁座径方向孔を介して前記右弁座中心孔と連通している。前記右第1密封溝及び前記右第2密封溝内には、それぞれ右密封リングが配置されている。
【0008】
上記技術的解決手段に係る左ポペット弁の中心線上には、互いに連通している左ばね孔及び左ポペット弁孔が設けられている。左ポペット弁の右端には、径方向に円環面を有する左肩部が設けられている。前記左肩部の径方向には、左肩部径方向孔が設けられている。前記左肩部の右端は、左肩部円錐面を有する。前記左肩部径方向孔と前記左ポペット弁孔とは、互いに連通している。前記左肩部円錐面の角度は、前記円錐台孔の角度より小さい。
【0009】
前記右ポペット弁の中心線上には、互いに連通している右ばね孔及び右ポペット弁孔が設けられている。前記右ポペット弁の右端には、径方向に円環面を有する右肩部が設けられている。前記右肩部の径方向には、右肩部径方向孔が設けられている。前記右肩部の右端は、右肩部円錐面を有する。前記右肩部径方向孔と前記右ポペット弁孔とは、互いに連通している。前記右肩部円錐面の角度は、前記円錐台孔の角度より小さい。
【0010】
上記技術的解決手段に係る左油口Tに近い位置には、2つの左圧力排出傾斜孔が上下対称に設けられている。前記右油口Tに近い位置には、右圧力排出傾斜孔が上下対称に設けられている。
【発明の効果】
【0011】
上記技術的解決手段を採用することによって、以下の効果を奏する。
【0012】
本発明は、ローダのブームシリンダ、油圧ショベルのブーム、バケットシリンダなどに用いられ、ピストンが下降する間の下降速度を制限し、ピストンが受けた機構及び材料の重力による位置エネルギーを利用して、エネルギー再利用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】本発明に係るスプール弁の構成概略図である。
【
図4】本発明に係る左ポペット弁の構成概略図である。
【
図6】本発明に係る右ポペット弁の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の内容がよりわかりやすく理解されるために、具体的な実施形態に基づいて、図面を参照しつつ、本発明について詳細に説明する。
【0015】
<実施形態1>
図1に示すように、実施形態1の油圧制御主弁は、カバー1と、スプール弁2と、左逆止弁3と、右逆止弁4とを有し、エネルギー再利用に用いられる。スプール弁2の両端には、それぞれカバー1が配置されている。スプール弁2には、左油口T、油口A、I/L、油口I/M、油口I/R、油口B、右油口T及び油口Pが設けられている。カバー1とスプール弁2との間には、ばね5及びばね座6が配置されている。スプール弁2の左右両端には、それぞれ左弁座3−1、左ポペット弁3−2及び左ばね3−3から構成された左逆止弁3と、右弁座4−1、右ポペット弁4−2及び右ばね4−3から構成された右逆止弁4とが嵌合されている。左ポペット弁3−2の円錐面が左ばね3−3の作用によりスプール弁2の左円錐面に密接し、右ポペット弁4−2の円錐面が右ばね4−3の作用によりスプール弁2の右円錐面に密接している。左油口Tに近い位置には、2つの左圧力排出傾斜孔7が上下対称に設けられ、右油口Tに近い位置には、右圧力排出傾斜孔8が上下対称に設けられている。
【0016】
図2に示すように、スプール弁2の中心線上には、太中心孔2−1が設けられている。左右の太中心孔2−1は、細中心孔2−2を介して連通している。細中心孔2−2は、太中心孔2−1よりも孔径が小さい。太中心孔2−1と細中心孔2−2との当接箇所には、円錐台孔2−3が設けられている。油口Pと油口I/Mとの間には、左給油スロットル溝2−4及び右給油スロットル溝2−5が設けられている。油口Aと油口I/Lとの間には、左スロットル溝2−6が設けられている。左油口Tと油口I/Lとの間には、左第1スロットル孔2−7、左第2スロットル孔2−8及び左第3スロットル孔2−9から構成された左排油孔群が設けられている。左第2スロットル孔2−8と油口Aとは互いに連通している。油口Bと前記油口I/Rとの間には、右スロットル溝2−10が設けられている。右油口Tと油口I/Rとの間には、右第1スロットル孔2−11、右第2スロットル孔2−12及び右第3スロットル孔2−13から構成された右排油孔群が設けられている。右第2スロットル孔2−12及び右第3スロットル孔2−13は、それぞれ前記油口Bと連通している。
【0017】
図3に示すように、左弁座3−1の円周上には、左第1円環溝3−1−1、左第2円環溝3−1−2、左第1密封溝3−1−3及び左第2密封溝3−1−4が設けられている。左弁座3−1の中心線上には、左弁座中心孔3−1−5が設けられている。左第1円環溝3−1−1は、径方向に設けられた2つの左弁座径方向孔3−1−6を介して左弁座中心孔3−1−5と連通している。左第1密封溝3−1−3及び左第2密封溝3−1−4内には、それぞれ左密封リング3−1−7が配置されている。
【0018】
図5に示すように、右弁座4−1の円周上には、右第1円環溝4−1−1、右第2円環溝4−1−2、右第1密封溝4−1−3及び右第2密封溝4−1−4が設けられている。右弁座4−1の中心線上には、右弁座中心孔4−1−5が設けられている。右第1円環溝4−1−1は、径方向に設けられた右弁座径方向孔4−1−6を介して右弁座中心孔4−1−5と連通している。右第1密封溝4−1−3及び右第2密封溝3−1−4内には、それぞれ右密封リング4−1−7が配置されている。
【0019】
図4に示すように、左ポペット弁3−2の中心線上には、互いに連通連通している左ばね孔3−2−1及び左ポペット弁孔3−2−2が設けられている。左ポペット弁3−2の右端には、径方向に円環面を有する左肩部3−2−3が設けられている。左肩部3−2−3の径方向には、左肩部径方向孔3−2−4が設けられている。左肩部3−2−3の右端は、左肩部円錐面を有する。左肩部径方向孔3−2−4と左ポペット弁孔3−2−2とは互いに連通している。左肩部円錐面の角度は、円錐台孔の角度より小さい。
【0020】
図6に示すように、右ポペット弁4−2の中心線上には、互いに連通している右ばね孔4−2−1及び右ポペット弁孔4−2−2が設けられている。右ポペット弁4−2の右端には、径方向に円環面を有する右肩部4−2−3が設けられている。右肩部4−2−3の径方向には、2つの右肩部径方向孔4−2−4が設けられている。右肩部4−2−3の右端は、右肩部円錐面を有する。右肩部径方向孔4−2−4と右ポペット弁孔4−2−2とは互いに連通している。右肩部円錐面の角度は、円錐台孔の角度より小さい。
【0021】
スプール弁2内の両側にそれぞれ左逆止弁3及び右逆止弁4が取り付けられた後、2つの左密封リング3−1−7によって、左第1円環溝3−1−1と左第2円環溝3−1−2とが遮断され、且つ、左第2円環溝3−1−2と左スロットル溝2−6が遮断される。2つの右密封リング4−1−7によって、右第1円環溝4−1−1と右第2円環溝4−1−2とが遮断され、且つ、右第2円環溝4−1−2と右スロットル溝2−10とが遮断される。左第3スロットル孔2−9とバルブ本体との重複量がL2であり、左圧力排出傾斜孔7とバルブ本体との重複量がL1である。左第3スロットル孔2−9、左スロットル溝2−6、左ポペット弁孔3−2−2、左肩部径方向孔3−2−4、左弁座中心孔3−1−5、両左弁座径方向孔3−1−6及び左圧力排出傾斜孔7によって、通路が形成されている。右第1スロットル孔2−11、右スロットル溝2−10、右肩部径方向孔4−2−4、右ポペット弁孔4−2−2、右弁座中心孔4−1−5、右弁座径方向孔4−1−6及び右圧力排出傾斜孔8によっても、通路が形成されている。
【0022】
本発明の動作原理は、下記の通りである。
【0023】
スプール弁2がL位置に切り換わる際に、工作原理如下:油口Pの油液は、給油スロットル溝2−4を介して、油口I/L箇所に流れ、次にスロットル溝2−6を経由して、油口Aに流れ込む。一部の油液は、左第3スロットル孔2−9を介して油口I/L箇所から左スロットル溝2−6箇所まで流れ込み可能である。油液は、左肩部径方向孔3−2−4を介して左ポペット弁孔3−2−2、左弁座中心孔3−1−5、左弁座径方向孔3−1−6、左第1円環溝3−1−1及び左圧力排出傾斜孔7に流れ、遮断される。油口I/Lから左圧力排出傾斜孔7までの圧力は、一定である。左ポペット弁3−2の円形断面r3が円環面r1より遥かに大きいため、左ポペット弁3−2の円錐面がしっかり押され、スプール弁2の円錐面に密接し、油口Pからの油液がロッドレスシリンダに確実に作用し、シリンダのピストンを押圧して上方へ移動させる。ロッドシリンダの油液は、油口Bに逆流し、右第2スロットル孔2−12及び右第1円環溝4−1−1に流れ、さらに右第3スロットル孔2−13を介して油口Tまで流れ込む。また、油液は、右第1スロットル孔2−11を介して油口Bから、右スロットル溝2−10、右肩部径方向孔4−2−4、右ポペット弁孔4−2−2及び右弁座中心孔4−1−5まで流れ、最後に右圧力排出傾斜孔8を介して油口Tまで流れ込み可能である。この間、右ポペット弁4−2における円錐面は、スプール弁2の円錐面に密接している。
【0024】
スプール弁2がR位置に切り換わる際に、油口Pの油液は、右給油スロットル溝2−5を介して、油口I/R箇所に流れ、次に右スロットル溝2−10を経由して油口Bに流れ込む。一部の油液は、右第1スロットル孔2−11を介して油口I/R箇所から右スロットル溝2−10箇所まで流れ込み可能である。油液は、さらに両右肩部径方向孔4−2−4を介して右ポペット弁孔4−2−2、右弁座中心孔4−1−5、右弁座径方向孔4−1−6、右第2円環溝4−1−2及び右圧力排出傾斜孔8に流れ、最後にタンクまで流れ込む。両右肩部径方向孔4−2−4の面積が右弁座径方向孔4−1−6の面積より大きいため、この部分の油液は、右弁座径方向孔4−1−6の前端のみの圧力と同等の圧力を発生させる。右ポペット弁4−2の円形断面r4によって、右ポペット弁4−2の円環面r2に作用する液圧の方向及び右ばね4−3は、いずれも、左ポペット弁3−2の円錐面P2をしっかり押し、円錐面P2をスプール弁2の円錐面に密接させる。油口Pの油液は、ピストンロッドシリンダにのみ作用し、シリンダピストンを押圧して下方へ移動させる。
【0025】
ピストンシリンダの油液は、A油口に逆流し、左第2スロットル孔2−8及び左第2円環溝3−1−2流れ込み、左第1スロットル孔2−7を介して油口Tに流れる。左第1スロットル孔2−7の流量面積を制限すると、戻り油液が左第1スロットル孔2−7において背圧p1を発生させ、ピストンが失速して落下するのを防ぐことができる。ほかの油液は、左スロットル溝2−6を介して油口A箇所から左スロットル溝2−6、右右弁座径方向孔4−1−6、右肩部径方向孔4−2−4、左弁座中心孔3−1−5及び左第1円環溝3−1−1に流れ、最後に右圧力排出傾斜孔8を介して油口Tまで流れ込む。この過程において、右肩部径方向孔4−2−4の面積が小さいため、戻り油液が右肩部径方向孔4−2−4において背圧p2を発生させ、右肩部径方向孔4−2−4を通過する油液の量も小さい。一方、その後の左ポペット弁孔3−2−2、左弁座中心孔3−1−5、左第1円環溝3−1−1及び最後に通過した右圧力排出傾斜孔8の面積は、それぞれ右肩部径方向孔4−2−4の面積より大きいため、油液はほぼ圧力ゼロで油口Tまで戻ることができる。従って、左ポペット弁3−2の円環面r1は、背圧p2の作用を受け、左ばね3−3を押圧する。そして、左ポペット弁3−2の円錐面P2をスプール弁2の円錐面P1から分離させる。左スロットル溝2−6の油液は、背圧p1の作用により、細中心孔2−2へ流れる。背圧p1は、右ポペット弁4−2の左端面に作用して右ばね4−3を押圧し、右ポペット弁4−2の円錐面P4をスプール弁2の円錐面P3から分離させる。こうすることで、細中心孔内の油液は、右スロットル溝2−10及び右第1スロットル孔2−11を介して、最終的に油口Bまで流れ込み、油口Pの油液と一緒に、ピストンを押圧して下方へ移動させる。これにより、エネルギーの再生が実現され、エンジンパワーが減少される。下降速度が比較的遅いと、背圧p1は、右ポペット弁4−2の左端面を押し動かして右ばね4−3を押圧することができない。よって、右ポペット弁4−2の円錐面P4をスプール弁2の円錐面P3から分離させることができないが、シリンダの微細な動作には影響しない。
【0026】
上記具体的な実施形態は、本発明の目的、技術的解決手段及び有益な効果について詳細に説明するものであり、上記内容は、本発明に係る実施形態のみであって、本発明を限定するものでないことを理解すべきである。本発明の精神及び原則の範囲内で限り、いかなる修正、同等置換、改良などのすべては本発明による保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0027】
1 カバー
2 スプール弁
2−1 太中心孔
2−2 細中心孔
2−3 円錐台孔
2−4 左給油スロットル溝
2−5 右給油スロットル溝
2−6 左スロットル溝
2−7 左第1スロットル孔
2−8 左第2スロットル孔
2−9 左第3スロットル孔
2−10 右スロットル溝
2−11 右第1スロットル孔
2−12 右第2スロットル孔
2−13 右第3スロットル孔
3 左逆止弁
3−1 左弁座
3−1−1 左第1円環溝
3−1−2 左第2円環溝
3−1−3 左第1密封溝
3−1−4 左第2密封溝
3−1−5 左弁座中心孔
3−1−6 左弁座径方向孔
3−1−7 左密封リング
3−2 左ポペット弁
3−2−1 左ばね孔
3−2−2 左ポペット弁孔
3−2−3 左肩部
3−2−4 左肩部径方向孔
3−3 左ばね
4 右逆止弁
4−1 右弁座
4−1−1 右第1円環溝
4−1−2 右第2円環溝
4−1−3 右第1密封溝
4−1−4 右第2密封溝
4−1−5 右弁座中心孔
4−1−6 右弁座径方向孔
4−1−7 右密封リング
4−2 右ポペット弁
4−2−1 右ばね孔
4−2−2 右ポペット弁孔
4−2−3 右肩部
4−2−4 右肩部径方向孔
4−3 右ばね
5 ばね
6 ばね座
7 左圧力排出傾斜孔
8 右圧力排出傾斜孔
【国際調査報告】