特表2016-510103(P2016-510103A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-510103液体分注装置及びそれを制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-510103(P2016-510103A)
(43)【公表日】2016年4月4日
(54)【発明の名称】液体分注装置及びそれを制御する方法
(51)【国際特許分類】
   F04B 13/00 20060101AFI20160307BHJP
【FI】
   F04B13/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-562533(P2015-562533)
(86)(22)【出願日】2014年3月14日
(85)【翻訳文提出日】2015年9月9日
(86)【国際出願番号】IB2014059828
(87)【国際公開番号】WO2014141196
(87)【国際公開日】20140918
(31)【優先権主張番号】61/790,508
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513110104
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、ナンバー2、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY NO.2 LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100143971
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ヘンリー、フィーザー
(72)【発明者】
【氏名】アラン、ジェームズ、クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、リゾン
(72)【発明者】
【氏名】コリン、デイビッド、ベイン
(72)【発明者】
【氏名】ニキル、カプール
【テーマコード(参考)】
3H075
【Fターム(参考)】
3H075AA01
3H075BB03
3H075CC12
3H075DA03
3H075DA04
3H075EE10
3H075EE17
3H075EE18
(57)【要約】
本開示は、液体を分注する方法及び液体分注装置を提供する。本方法及び本装置は、多段階液滴吐出サイクルが記憶された制御装置を含む。多段階液滴吐出サイクルは、液滴を2段階で分注する。有利には、これは、サテライト滴を形成することなく、非常に少量の高い精度の液滴をもたらす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口ポート及び出口ポートを有するシリンダと、
前記シリンダ内のピストンであって、前記シリンダの長手方向の軸線に沿った線速度及び前記長手方向の軸線周りの回転速度を持つピストンと、を備えるポンプから、流体を分注する方法であって、
前記出口ポートにペンダント液滴を形成するように、前記出口ポートを通して第1の容量の前記流体を分注するステップと、
前記出口ポートを通して第2の容量の前記流体を分注するステップと、
全液滴を前記出口ポートから吐出するステップであって、前記全液滴の容量が前記第1の容量と前記第2の容量との合計であるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1の容量が前記第2の容量より小さい請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の容量が前記第2の容量より大きい請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記分注するステップが、
第1の吐出段階の間に、前記線速度及び前記回転速度をそれぞれ第1の直線設定点及び第1の回転設定点にまで増大するように制御し、それにより前記第1の容量を有する前記ペンダント液滴を前記出口ポートに形成するステップと、
充満段階の間に、前記回転速度を、前記第1の回転設定点から、前記第1の回転設定点よりも大きい第2の回転設定点まで増大するように制御し、さらなる流体が前記入口ポートを通って前記シリンダ内に引き込まれるように前記線速度をゼロにまで減少させるステップと、
休止段階の間に、前記回転速度及び前記線速度のそれぞれをゼロにまで減少するように制御するステップと、
第2の吐出段階の間に、前記第2の容量が、前記出口ポートを通り抜けるように、前記回転速度を第3の回転設定点まで増大させ、前記線速度を第2の直線設定点まで増大させるステップと、を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の回転設定点及び前記第3の回転設定点が等しい請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の容量が前記第2の容量より小さい請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の容量が前記第2の容量より大きい請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記分注するステップが、
第1の吐出段階の間に、前記線速度及び前記回転速度を第1の直線設定点及び第1の回転設定点にまで増大するように制御し、前記第1の容量を有する前記ペンダント液滴を前記出口ポートに形成するステップと、
充満段階の間に、前記回転速度を、前記第1の回転設定点から、前記第1の回転設定点よりも大きい第2の回転設定点まで増大するように制御し、さらなる流体が前記シリンダ内に引き込まれるように前記線速度をゼロにまで減少させるステップと、
第2の吐出段階の間に、前記第2の容量が前記出口ポートを通り抜けるように、前記回転速度を第3の回転設定点まで増大させて前記線速度を第2の直線設定点まで増大させるステップと、を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の回転設定点及び前記第3の回転設定点が等しい請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の容量が前記第2の容量より小さい請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の容量が前記第2の容量より大きい請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記全液滴が、薬学的に又は化粧品として許容可能な薬剤を一つ以上含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記全液滴が受け取り媒体上に分注される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記受け取り媒体が、薬学的に許容可能な錠剤又は受け取りバイアルである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
入口ポート及び出口ポートを有するシリンダと、
前記シリンダ内のピストンであって、前記シリンダの長手方向の軸線に沿った線速度及び前記長手方向の軸線周りの回転速度を持つピストンと、
多段階液滴吐出サイクルが記憶された制御装置であって、前記ピストンに動作可能に接続されている制御装置と、を備え、
前記制御装置が、2つの別個の段階において、前記出口ポートから前記液体の液滴を吐出するように、前記ピストンの前記線速度及び前記回転速度を制御する液体分注装置。
【請求項16】
前記液滴が、第1の容量と第2の容量との合計である液滴容量を有し、前記制御装置が、前記2つの別個の段階のうちの第1の段階の間に前記第1の容量を吐出するとともに、前記2つの別個の段階のうちの第2の段階の間に第2の容量を吐出するように、前記ピストンを制御する請求項15に記載の液体分注装置。
【請求項17】
前記制御装置と電気通信するリニアエンコーダをさらに備え、前記制御装置が、前記シリンダ内の前記ピストンのストローク長さを調整するように、リニアアクチュエータを制御し、それにより前記液滴容量を調整する請求項15又は16に記載の液体分注装置。
【請求項18】
前記シリンダの前記入口ポートと流体連通している循環ループをさらに備え、前記流体が前記循環ループ内を連続的に循環される請求項15〜17のうちのいずれか一項に記載の液体分注装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液滴を分注する装置及び方法に関する。より詳細には、本開示は、サテライト滴が形成されることを避けつつ、液滴を分注するように構成された液体分注装置に関する。また本開示は、サテライト滴が形成されることを避けつつ、液滴を分注するための液体分注装置を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容量にして数マイクロリットル(μL)から数十マイクロリットル(μL)にわたる液滴であって有効成分を含有する液滴を、基体に接触することなく、可食基体上又は可食基体内に自動分注することにより、製薬会社が、低投与量製品を正確に制御することが可能になる。また、錠剤及びカプセルでの液体の投与により、オペレータが有効成分にさらされる潜在的なリスクを減少させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、少量の液体(即ち、マイクロリットル範囲の)を分注する多くの利用可能な装置では、正確な量の液体を分注することが困難である。このことに対する1つの障壁は、「サテライト滴」又は「サテライト」による。「サテライト滴」又は「サテライト」は、本開示で使用される場合、主要な、より大きな液滴の後に落ちる、非常に小さな液滴を意味する。
【0004】
液滴形成中のサテライトを排除することが、有効成分の分量を制御し、環境汚染を最小限にするために、必須である。残念ながら、既存の高精度液体分注装置では、特に製薬業界で使用される有効成分においては一般的な溶液又は懸濁液を分注する場合に、持続的なサテライト滴を伴う液体の分注が行われることが分かっている。
【0005】
したがって、従来技術の装置及び方法における1つ以上の上記及び他の悪影響を、克服し、軽減し、及び/又は緩和する液体分注装置及び方法の必要性があることが、本開示によって判明している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、薬学的に許容可能な又は化粧品として許容可能な成分を含有する液滴等の、少量の制御された投与量の溶液及び又はコロイド懸濁液を、サテライト滴を形成することなく、固体基体上又は固体基板内に供給することができる液体分注装置である。
【0007】
別の実施形態において、又は上述の実施形態に加えて、薬学的に許容可能な又は化粧品として許容可能な成分は、100%w/wまでの任意の量において、制御された容量で存在しうる。代替的な実施形態では、薬学的に許容可能な又は化粧品として許容可能な成分は、0.0000001%w/wから100%w/wまでの任意の量において、制御された容量で存在しうる。別の代替的な実施形態では、薬学的に許容可能な又は化粧品として許容可能な成分は、0.000001%w/wから100%w/wまでの任意の量において、制御された容量で存在しうる。さらに別の実施形態では、薬学的に許容可能な又は化粧品として許容可能な成分は、0.00001%w/wから100%w/wまでの任意の量において、制御された容量で存在しうる。
【0008】
いかなる特定の理論にも縛られることを望むものではないが、サテライト滴の形成は、分注される液体の流れにおける明確な急激な変化を通じて、緩和及び/又は除去することが可能であると、本開示から考えられる。有利には、本開示の液体分注装置は、サテライト滴の形成を緩和し及び/又は解消するのに十分な、分注されている液体の流れにおける特定の明確な急激な変化を、提供する。サテライトのない分注のロバスト性は、流体の特性次第であり、吐出される液滴の周囲の様々な構成ガスの温度又は蒸気圧等の流体に関する環境条件に対するコントロールを含む様々なサブシステムを含んでもよい。温度制御システムの1つの適切な実施形態は、米国特許第6,945,638B2の実施形態であり、蒸気圧に関する1つの適切な実施形態は、国際公開第2011/019802号の実施形態である。
【0009】
第1の液滴吐出段階、休止段階、第2の液滴吐出段階、及びポンプ充満段階を含む多段階液滴吐出プロフィールが提供される。多段階吐出プロフィールにより、サテライト滴のないペンダント液滴の形成及び分注につながる。ポンプ充満段階は、個別の(即ち、一連の流れの中で単独で実行される)工程であることも、又は休止段階と平行して(即ち、同時に)起こることも、どちらも可能である。これら2つのうち後者は、以下により詳細に論じられるように、重要な利点を提供する。
【0010】
多段階液滴吐出サイクルが記憶された制御装置を含む液体分注装置が提供される。多段階液滴吐出サイクルは、実行される場合、サテライト滴を形成することなく、所望の容量の液滴を分注するように計量ポンプを制御するように構成されている。
【0011】
ポンプ回転制御装置、サーボモータ、計量ポンプ、容量位置制御装置、容量位置アクチュエータ、及びモータハブ本体を含む液体分注装置が提供される。モータハブ本体は、モータの回転運動を、計量ポンプにおけるピストンの回転往復運動に変換する。容量制御装置は、容量位置アクチュエータを使用して、ピストンの往復運動のストロークを選択的に調整し、計量ポンプから吐出される液滴の容量を所望の容量に調整することが可能になる。制御装置は、サテライト滴を形成することなく、所望の容量の液滴を分注する多段階液滴吐出サイクルを提供するように、モータの回転の速度及び方向を制御する。
【0012】
一実施形態では、本開示は、ポンプから流体を分注する方法を提供する。ポンプは、入口ポート及び出口ポートを有するシリンダと、シリンダ内のピストンとを備える。ピストンは、シリンダの長手方向の軸線に沿った線速度を有し、線速度は、長手方向の軸線周りの回転速度と関連付けられている。本方法は、出口ポートにペンダント液滴を形成するように、出口ポートを通して第1の容量の流体を分注するステップと;第2の容量の流体を、出口ポートを通して分注するステップと;出口ポートから全液滴を吐出するステップとを含む。全液滴の容量は、第1の容量と第2の容量との合計である。第1の容量は、第2の容量より小さくてもよく、等しくてもよく、又は大きくてもよい。
【0013】
当業者ならば、本開示の上述及び他の特徴及び利点を、以下の詳細な説明及び図面から、認識し且つ理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来技術の1工程の液滴吐出プロフィールを示すグラフである。
【0015】
図2】本開示による、多工程の液滴吐出プロフィールの、第1の例示的な実施形態を示すグラフである。
【0016】
図3】サテライト滴のない、図2の吐出プロフィールから結果として得られる液滴形成を示す図である。
【0017】
図4】本開示による多工程の液滴吐出プロフィールの代替的で例示的な実施形態を示すグラフである。
【0018】
図5】本開示による液体分注装置の例示的な実施形態における第1の側面斜視図である。
【0019】
図6図4の液体分注装置の第2の側面斜視図である。
【0020】
図7】本開示による計量ポンプの例示的な実施形態の上面斜視図である。
【0021】
図8図7の計量ポンプの側面斜視図である。
【0022】
図9図7の計量ポンプからのピストンの例示的な実施形態を示す図である。
【0023】
図10図5の液体分注装置のブラシレス直流モータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面、特に図2及び図3を参照すると、本開示による多段階液滴吐出プロフィールが示されており、一般に参照数字10で言及されている。図2は、(以下により詳細に論じられる)液滴を吐出するピストンの速度、ピストンの回転位置、排出される流体の容量、及び吐出される流体の流量を示しており、すべてが、時間の関数である。吐出プロフィール10は、第1の吐出段階E1を含み、次に非常に短期間の休止又は停止が続き、次に第2の吐出段階E2が続き、その後、充満段階Fが続く。段階E2の間に、一次液滴が形成され、一次液滴は、最終ペンダント液滴12の容量のうちの幾らかを含む。吐出段階E1の間に、最終的な容量が、E2中に形成された一次液滴に追加され、液滴12を形成し、吐出する。充満段階Fの後、次の吐出段階E2の前に、別の休止があり、(以下により詳細に論じられる)液体分注装置を安定させることができる。吐出プロフィール10の全サイクルタイムは、約150ミリ秒である。図2のプロフィール10は、図1に示される従来技術の1工程吐出プロフィールとは対照的である。図1では、1つの継続的な吐出段階(E)があり、その後に、分注ポンプが補充される(F)。1工程のプロセスは、操作するのがより簡単で、全サイクルタイムがより短いかもしれないが、1工程のプロセスでは、上述のサテライト滴が生じてしまう。したがって、これは、特におおよそ数マイクロリットル又は数十マイクロリットルの液滴にとっては、許容できない。
【0025】
図2に示されるように、プロフィール10において、段階E1、段階E2、及び段階Fの間、ピストンの回転速度及び線速度は、以下のように変化する。段階E2の間、ピストンの回転速度は着実に上昇し、線速度は、本開示のポンプの出口ポートからの容量V2を押し出すのに十分なように上昇する。その後、充満段階Fの間、ピストンの線速度は逆向きになるが、流体は出口ポートから排出されず、回転速度は上昇し、この結果、より多くの流体が、以下に説明するようにして取り込まれる。その後、回転速度は、ストロークの終わりに急激にゼロになり、これにより、吐出された容量V2を含む液滴を安定させ、次に必要とされる液滴のために待機させることができる。この短期間の安定の後、別の液滴が必要とされた場合、ピストンの回転速度及び線速度が増し、容量V1が出口ポートから吐出される。容量V1はこのように容量V2に加わり、V2とV1との合計が、液滴12の容量になる。液滴12は、段階E1の終わりに吐出され、サイクルが再び開始する。
【0026】
有利には、吐出プロフィール10は、液滴12が分離した後にサテライト滴がないままのペンダント液滴12の形成をもたらす。液滴12には、尾部分離部分13が存在する場合もあるが、分離したサテライト滴は存在しない。液滴12の全容量は、V1とV2との合計である。V1及びV2における流体の相対的な量は、ユーザによって調整され得る。V1がV2より多くてもよく、V2がV1より多くてもよく、又はこの2つが等しくてもよい。例えば、(図5に示され、以下により詳細に論じられる)装置20の操作中にサテライト滴が形成され始めたことにユーザが気付いた場合、吐出段階E2の間に吐出される流体V2の量を減らすことができる。
【0027】
また、図2は、秒単位のサイクルタイムと対比させて、ポンプのピストンの速度と、ポンプのピストンの角度位置との両方を示す。第1の吐出段階E2における吐出速度は、液滴12をノズル16に付着させておく必要性によって制限される一方で、充満段階Fの充満率は、吐出ポンプ内のキャビテーションによって限定される。
【0028】
全吐出段階(即ち、E1及びE2)の始まりよりは後ではあるが全吐出段階の終わりよりは前のある時点で、液滴の吐出がピストンの急減速に続いて起きる状態で、吐出段階を2つの別個の段階であるE1及びE2に分割することが、サテライト滴の緩和及び/又は解消につながることが、本開示によって判明している。
【0029】
いかなる特定の理論にも縛られることを望むものではないが、急減速が、液滴形成プロセスの終わり近くで、ストロークの終わりでの速度が低めな時点よりむしろ、ストロークの中心でのピストン速度が最大になる時点の付近と一致して起きるように、吐出プロフィール10を操作することが有利であると考えられる。このように吐出プロフィール10を操作することで、流体の流れにおける効果が増幅し、サテライトを含まない動作が提供される。
【0030】
図2に示されるように、吐出段階E1における流量は、減速度が高い場合、非正弦関数である。吐出段階E1の長い範囲の間、ペンダント液滴12は、図3に示されるように、ひも状部の尾部側において一度分離するのみであり、サテライトは形成されない。図3は、懸濁液に関するサンプル液滴プロフィール(上段、時間間隔は0.2ミリ秒)と、溶液に関するサンプル液滴プロフィール(下段、時間間隔は0.5ミリ秒)とを示す。
【0031】
図2の吐出プロフィール10の例では、試験された流体サンプルは、4.2%のHPC、1.7%のSilica、0.42%のTween80、20%のAnthranquinone、及び水を含む溶液であった。この溶液は、非ニュートン性であり、せん断速度が500/秒及び表面張力が40mN/mで、粘度が約50mPasであった。
【0032】
図4を参照すると、本開示による多段階液滴吐出プロフィールの代替的な実施形態が示されており、一般に参照数字14で言及されている。吐出プロフィール14は、吐出段階E1、吐出段階E2、及び充満段階Fを含む。吐出プロフィール14も、分離後にサテライト滴がないままのペンダント液滴の形成につながる。
【0033】
吐出プロフィール14は、プロフィール10と同じ物理的根拠を共有しているが、いくつかの相違点がある。第1に、プロフィール14の全サイクルタイムは、プロフィール10の全サイクルタイムより短い(150ミリ秒と比較して、約125ミリ秒である)。第2に、様々な段階の間で、ポンプの加速度及び減速度が減少している。最後に、プロフィール14は、産出サイクルの遅延中にノズルに付着したままのペンダント液滴の必要性を排除しており、ノズルの汚染を最小化する。有利には、プロフィール14では、充満段階Fが、液滴12を安定させるように構成される。吐出プロフィール14では、吐出プロフィール10のように、2つの吐出段階E1及びE2は、充満段階Fによって分けられている。しかしながら、吐出プロフィール14では、充満段階Fと吐出段階E1との間に休止時間はなく、ピストンの回転速度がわずかに落ちるのみである。
【0034】
図4に示されるように、プロフィール14では、段階E1、段階E2、及び段階Fにおける、ピストンの回転速度及び線速度が、以下のように変化する。段階E2において、ピストンの回転速度は着実に増し、関連付けられた直線距離をストロークの終わりへと至らせて、本開示のポンプの出口ポートから容量V2を押し出す。したがって、プロフィール14のE2は、事実上、プロフィール10のE2と同一である。次に、充満段階Fにおいて、ピストンの直線方向は逆向きになり、流体は出口ポートから排出されないのに対して、回転速度はわずかに上昇し、この結果、より多くの流体が取り込まれる。しかしながら、プロフィール10の場合と異なり、プロフィール14における充満段階Fの後、吐出段階E1に入るために、回転速度がストロークの終わりにほんのわずかだけ落ちる。全容量V1は、段階E1中に吐出される。したがって、プロフィール10とプロフィール14との間の大きな違いは、プロフィール14では、ピストンの回転速度及び線速度がゼロかゼロに近い時間が、それほどないことである。段階E2の終わりに、容量V2によって形成されるペンダント液滴は、充満段階Fの間に安定する。容量V1は、ポンプの出口ポートで、容量V2に加わり、V2とV1との合計が液滴12の全容量になる。液滴12は、段階E1の終わりに吐出され、サイクルが再び開始する。
【0035】
約5μL〜約30μLの間の供給された液滴を分注する場合、サテライト滴を解消するには、吐出プロフィール10及び吐出プロフィール14で十分であることが、本開示によって判明している。分注される流体は、ニュートン性のものから非ニュートン性のものに及び、粘度(非ニュートン流体の場合は動的粘度)は約10mPas〜約40mPasの間で変化し、表面張力は約22mN/mから約40mN/mまで変化する。
【0036】
ここで図5及び図6を参照すると、液体分注装置の例示的な実施形態が示されており、一般に参照数字20で表されている。有利には、液体、特に、製薬業界で使用される有効成分においては一般的な高溶液又は高懸濁液を、持続的なサテライト滴がない状態で、定量で分注するために、装置20は吐出プロフィール10又は吐出プロフィール14によって制御される。
【0037】
装置20は、サーボモータ22、回転往復動ピストン計量ポンプ24、及び容量制御装置26を含む。以下により詳細に説明されるように、モータ22は、計量ポンプ24のピストンを回転させ且つ往復動させる。一方、容量制御装置26は、ピストンの往復動のストロークを調整する。このようにして、装置20は、サテライト滴が存在することなく、所望の容量の液滴を、繰り返し分注するように構成されている。
【0038】
計量ポンプ24が、図7図9を参照して示されている。「転頭運動ポンプ(nutating pump)」として一般に知られている計量ポンプ24は、ピストン28及びモータハブ本体30を含む。計量ポンプ24は、モータ22の回転運動をピストン28の回転往復運動に変換するために、モータハブ本体30を使用する。
【0039】
サーボモータ22が、図10を参照して示されている。サーボモータ22は、吐出プロフィール10、14を用いて使用される場合、より正確で、繰り返し可能な制御を提供することが、本開示によって判明している。
【0040】
サーボモータ22は、モータによるシャフトの回転がモータハブ本体の回転につながるように、モータハブ本体30に動作可能に結合したモータシャフト32を含む。図示される実施形態では、モータシャフト32は、図7及び図8に示されるキー36を介して、モータハブ本体30に動作可能に結合しているキー溝34を有する。
【0041】
図9を参照すると、ピストン28は、溝即ちノッチ38と、駆動ピン40とを含む。駆動ピン40は、モータハブ本体の回転がピストン28の回転につながるように、図8に示されるモータハブ本体30の駆動開口42に動作可能に係合している。このようにして、サーボモータ22を操作することにより、ノッチ38が計量ポンプ24の入口ポート(不図示)及び出口ポート25を選択的に開閉するように、ポンプ24内でピストン28を回転させる。
【0042】
図6及び図7を参照すると、装置20はまた計量ポンプ24内でピストン28を往復動させる。より詳細には、計量ポンプ24は、ピストン28がモータハブ本体の回転軸線に対してある角度で配置されるように、モータハブ本体30に対して位置決めされる。このようにして、モータハブ本体30の回転により、駆動開口42が非対称に回転する結果になる。(図8により明らかに示される)開口42が非対称に回転すると、駆動ピン38に動作可能に結合している場合、ピストン28が、計量ポンプ24内で往復動する結果になる。
【0043】
ピストン28が回転する場合、ノッチ38は最初は入口ポート(不図示)と流体連通している一方で、ピストンは、流体をポンプ内に引き込むために、計量ポンプ24から引き出される。ノッチ38が出口ポート25と流体連通するようにピストン28が回転すると、ピストンは、流体をポンプから押し出すように、計量ポンプ24内に押し込まれる。したがって、ピストン28の1回の360°の回転のそれぞれが、結果として、計量ポンプ24の取り入れ及び排出のサイクルになる。有利な状況を生み出すものは、回転速度における制御された変化である。
【0044】
ピストン28が往復動する距離即ちストロークは、容量制御装置26により調整され得る。容量制御装置26は、モータハブ本体30の回転軸線に対してピストン28が配置される角度を調整する。このようにして、駆動開口42の非対称の回転は、計量ポンプ24の各ストロークにおける所望の分注量を提供するように、容量制御装置26によって調整される。
【0045】
容量制御装置26が図5及び図6を参照して説明されており、容量制御装置26は、回転ポンプマウント50、リニアアクチュエータ52、及びいくつかの実施形態では、1つ以上の戻しばね54を含む。
【0046】
回転ポンプマウント50は、回転軸線Aを中心に回転するように、装置20に固定されている。計量ポンプ24は、リニアアクチュエータ52の拡張により、マウント、したがって計量ポンプ内のピストン28が、モータハブ本体30の回転軸線に対してピストンが配置される角度を増すように、マウント50に固定されている。簡単に言うと、リニアアクチュエータ52が拡張すると、駆動開口42の非対称の回転が増えることにより、ピストン28のストロークが増加する。
【0047】
逆に、リニアアクチュエータ52が収縮すると、マウント、したがって計量ポンプ内のピストン28は、モータハブ本体30の回転軸線に対してピストンが配置される角度を小さくする。簡単に言うと、リニアアクチュエータ52が収縮すると、駆動開口42の非対称の回転が減ることにより、ピストン28のストロークが減少する。
【0048】
容量制御装置26が戻しばね54を備える実施形態において、そのばねは、アクチュエータが収縮する際に、アクチュエータ52がマウント50をその通常位置に戻すことを、助けることができる。
【0049】
装置20がマウント50の位置を常時監視することにより、計量ポンプ24の精密な分注量を確実に維持するように、容量制御装置26はリニア変位エンコーダ56を含んでもよい。
【0050】
装置20は、モータ22と電気通信している制御装置60、アクチュエータ52、及び、存在する場合は、リニア変位エンコーダ56をさらに含む。制御装置60は、サテライト滴が存在しないように液体を定量分注する目的で、吐出プロフィール10又は14に従ってサーボモータ22を回転させるようにして、装置20を制御するように構成され且つプログラムされている。
【0051】
このようにして、図2及び図4のプロフィール10又はプロフィール14にそれぞれ示される出力を生み出すように、ピストン28の長手方向のストロークは制御される。図4のプロフィール14で、このことは、サイクルタイムのいかなる深刻な損失もなく達成される。なぜなら、ピストンが長手方向において一瞬停止した場合、ピストンは依然として回転しているためである。即ち、個々の分注サイクルの間には、ピストンが完全に停止するダウンタイムが存在しない。
【0052】
本開示ではまた、部分的な液滴が出口流体ポート25に形成された後、ピストン28が急激に減速するか又は完全に停止するプロセスについて検討する。このようにピストン28を停止させることにより、液滴を、吐出プロフィール10に示されるように安定させることができる。ピストン28は、一定の休止時間を経て、その後、完成した液滴を放出するために、ストロークを完了させ、次のサイクル用の流体を取り込むために回転する。この方法は、制御することが簡単であるという利点を有するが、完全な停止が分注サイクルの時間に追加されるというように、不利益にもなり得る。
【0053】
本開示ではまた、ピストンの直線及び回転運動を制御するために、2つの別々のモータを有する装置20の、別の実施形態について検討する。この実施形態は、分注操作のより一層の制御に関して利点を提供するが、さらに2つの別々のモータを操作しなければならないことによりサイクルタイムが悪影響を受ける恐れがある。
【0054】
装置20の別の利点が、容量制御装置26によって提供される。現在入手可能な装置では、ポンプマウント50の角度は、ポンプマウントに接触する球状先端を有する手動で調整されるねじによって、制御される。対照的に、装置20は、容量の制御を、容量制御装置26により自動化する。これにより、オペレータが、有効成分にさらされることに関する安全上の理由から、分注領域を避けることが可能になる。それは分注される液滴の容量又は量を測定する(例えば、視覚に基づく)システムと一体化された場合、コンピュータ制御されたフィードバック能力を提供する潜在的可能性を許容する。
【0055】
いくつかの実施形態では、図6に示される一実施形態のように、装置20は流通/再循環ループを有することも可能であり、当該流通/再循環ループは、流体を循環入口ポート44に連続的に供給し、循環出口ポート46からループに戻す。このことは、循環が利用できない現在の「行き止まり」ポンプとは対照的である。分注されるべき流体は、循環ポート44及び循環ポート46を通って連続的に流され、循環ポート44及び循環ポート46は、上述の入口流体ポートと連通している。ポンプポートを通って流体が継続的に循環することにより、流体が活動的に保たれ、沈殿又は沈降が防止される。このことは、流体が懸濁液である場合に有利となる可能性がある。
【0056】
計量ポンプ24はまた、圧力センサ62及び濁度センサ64を1つ以上含むことが可能である。圧力センサ62は、流体を、所望の速度で確実に流すことができ、濁度即ち分光のセンサ64は、流体の濁度即ち分光の信号を確実に範囲内に入れることができる。センサ62、64は、存在する場合、制御装置60と電気通信することができる。
【0057】
吐出プロフィール10、14は、サーボモータ22、計量ポンプ24、及び容量調整装置26を含む液体分注装置20を使用する例のみを挙げて、ここで説明されているということを認識されたい。もちろん、吐出プロフィール10、14により、圧電計量ポンプを用いた同等の使い方を見つけることが、本開示によって検討されている。
【0058】
本開示では、上述のように形成された液滴が、終局産物の一部である基体の上、例えば薬学的に又は化粧品として許容可能な受け取り媒体の上に落ちることを想定している。しかしながら、液滴が基体から取り外され、その結果、液滴自体が最終的な構造体又は剤形になるように、液滴自体が凝固し得ることも想定されている。また、基体は、固い構造体、柔軟な構造体、ジェル、フィルム、マトリックス状の(単数及び複数の)材料、網状の材料、又は、必要に応じてリザーバを含有する経皮貼付剤等の貼付剤を含む、いかなる基体であることも可能であるが、これらに限定されない。一実施形態では、流体は、本明細書のプロセスにおいて管理され、表面で硬化し、例えば別の製品と組み合わせられるか又はそのまま経口摂取されるような、さらなる使用法のためにその表面から取り除かれる溶融物又は溶融押出物である。
【0059】
一実施形態では、終局産物は、摂取可能であることが好ましい。しかしながら、終局産物はまた、局所適用に適していてもよい。
【0060】
薬学的に又は化粧品として許容可能な受け取り媒体は、薬剤又は化粧品を受け取り、保管し、又は輸送するための、いかなる適切な媒体使用であってもよい。例えば、液体受け取りバイアルの錠剤を、媒体として用いることができる。一実施形態では、終局媒体は、経口摂取可能な薬用錠剤である。別の実施形態では、終局媒体は、液体用の受け取りバイアルであり、経口摂取のために又は注入等の患者に対する他の手段による投与のために使用され得る。別の実施形態では、経口摂取が意図される際の終局媒体は、ドロップ、又はフィルム片等の他の適切な剤形であってもよい。
【0061】
制御された容量には、1つ以上の薬学的に許容可能な薬剤が含まれてもよいことが、認識される。これらの薬剤は、治療濃度域が小さい又は狭い、極めて効き目の強い化合物及び/又は毒性の化合物であることも可能である。その薬物又は(単体及び複数の)薬物は、どのような投与方法が使用されるのであれ、標的とされる組織に所望の薬理学的効果をもたらすのに必要とされる量で存在する。本発明は、いかなる特定の活性剤、製剤、又は結果として得られる医薬品、もしくは医薬品のような製品の使用に、限定されることを意図するものではないことを理解されたい。結果として得られる医薬品又は医薬品のような製品は、即時放出性であってもよく、持続放出性であってもよく、又はコントロールされた放出性であってもよい。ここで使用される流体は、水性であってもよく、非水性であってもよく、又はその混合物あってもよい。非水性の溶液又は懸濁液は、有機溶剤、推進剤、液化ガス、及び揮発性シリコーンを含むが、これらに限定されない。流体は、基板上への流体の付着を更に容易にするために追加の添加剤をさらに含んでもよい。そのような添加剤には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、プルラン(pullalan)、及び/又はアクリル系共重合体(例えば、Eudragit(登録商標)グレードRL、RS、E、L、S FS30D)等の様々なポリマー、又はこれらの任意の混合物、もしくは組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
「薬学的に許容可能な薬剤」には、ここで説明されるように、薬物、タンパク質、ペプチド、核酸、及び栄養剤が含まれるが、これらに限定されない。この用語は、ここで定められるような、活性剤、生物活性剤、診断剤、治療剤、治療活性剤、治療タンパク質、ワクチン、又は(単数及び複数)薬物を含み、the European Union Guide to Good Manufacturing Practice(GMP)によるガイドラインに従う場合がある。このような薬剤又は物質は、薬理活性又は病気の診断、治療、緩和、処置、もしくは予防における他の直接的な効果を付与すること、又は身体の構造及び機能に影響を与えることが意図されている。薬剤又は物質はまた、病気を診断するために又は特定の領域の構造及び機能に関する情報を生み出すために使用され得る造影剤及び/又は放射性標識化合物を含む場合がある。したがって、ここで使用される薬剤は、健康関連の目的又は美容関連の目的で使用されるいかなる薬物、ビタミン、又は他の化学物質もしくは化合物であることも可能である。一実施形態では、活性剤は、治療上許容可能な活性剤であることが好ましい。その(単数及び複数の)活性剤は、水溶性であってもよい。活性剤の水溶性は、米国薬局方(United States Pharmacoepia)によって定められている。したがって、非常に溶解性が高い、可溶自在、可溶性、及び難溶性といった基準を満たす活性剤が、本開示に包含される。
【0063】
薬学的に許容可能である適切な薬剤は、ここでは薬物又は医薬物質とも呼ばれるが、多様な既知の薬物分類から選択され得る。このような薬物分類には、鎮痛薬、抗炎症剤、駆虫薬、抗不整脈剤、(ペニシリンを含む)抗生物質、抗凝固剤、抗うつ剤、抗糖尿病剤、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、抗高血圧剤、抗ムスカリン剤、抗ミコバクテフィアル剤、抗腫瘍剤、免疫抑制剤、抗甲状腺剤、抗ウイルス剤、精神安定鎮静剤(催眠剤及び神経弛緩薬)、収斂剤、ベータアドレナリン受容体遮断剤、血液製剤、代用血液、強心剤、コルチコステロイド、咳止め薬(去痰薬、及び粘液溶解薬)、診断剤、利尿剤、ドーパミン作動薬(抗パーキンソン病剤)、止血剤、免疫剤、脂質調節剤、筋弛緩剤、副交感神経興奮薬、副甲状腺カルシトニン、ビホスホネート、プロスタグランジン、放射性医薬品、(ステロイドを含む)性ホルモン、アレルギー剤、刺激薬、食欲抑制薬、交感神経様作用薬、甲状腺薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、ニューロキニン抑制剤、CSBP/RK/p38抑制剤、抗精神病薬、血管拡張薬、及びキサンチンが含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
これらの薬物分類と、各分類内の種のリストとの説明は、Martindale、The Extra Pharmacopoeia、Thirty−first Edition、The Pharmaceutical Press、London、1996、及びMartindale、The Extra Pharmacopoeia of Unoffical Drugs and Chmical and Pharmaceutical Preparations、、The Pharmaceutical Press、Londonを含むが、これらに限定されない複数の薬局方に見られ、これらの開示が、ここで、参照により、本明細書に組み込まれる。適切な医薬物質は、市販されている場合があり、及び/又は当該技術分野で知られている技法によって準備することができる。
【0065】
また、上述のように、活性剤は、医薬品でなくてもよく、代わりに、美容タイプの製品又は化粧品タイプの製品であってもよい。したがって、このような製品は、本開示の主題である、液滴技術を使用して適用され得る薬剤であって、化粧品として許容可能な薬剤を含む。このような化粧品として許容可能な薬剤には、INCIとしても知られている化粧品原料国際命名法(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)に含まれる薬剤、及びEC No.1223/2009等のEU規則のもとで定義される薬剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0066】
本開示を、1つ以上の特定の実施形態を参照して説明してきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてもよく、均等物がその要素に置き換えられ得るということを、当業者ならば理解するであろう。また、特定の状況又は材料を本開示の教示に適合させるために、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの修正が行われ得る。本発明の実施形態は、網羅的であること又は本発明を開示された厳密な形態に限定することを、意図するものではない。したがって、この開示を実行するために熟考されたベストモードとして開示される特定の(単数及び複数)の実施形態に、本開示は限定されないことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
【国際調査報告】