特表2016-510890(P2016-510890A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-510890分離されたスクラム・ラッチ係合及び係止を備えるCRDM
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-510890(P2016-510890A)
(43)【公表日】2016年4月11日
(54)【発明の名称】分離されたスクラム・ラッチ係合及び係止を備えるCRDM
(51)【国際特許分類】
   G21C 7/14 20060101AFI20160314BHJP
【FI】
   G21C7/14 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2016-500384(P2016-500384)
(86)(22)【出願日】2014年2月25日
(85)【翻訳文提出日】2015年11月16日
(86)【国際出願番号】US2014018306
(87)【国際公開番号】WO2014149426
(87)【国際公開日】20140925
(31)【優先権主張番号】61/792,235
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/174,630
(32)【優先日】2014年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515256408
【氏名又は名称】ビーダブリューエックスティー ニュークリア オペレーションズ グループ、インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】515251090
【氏名又は名称】ビーダブリューエックスティー エムパワー、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドッド、クリストファー、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】デサンティス、ポール、ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】スタンボウ、ケヴィン、ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マコブヤク、アラン、アール.
(72)【発明者】
【氏名】マクラフリン、ジョン、ピー.
(72)【発明者】
【氏名】グッドイヤー、ブレット ティー.
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ、マイケル、ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】エイルズ、マシュー、ダブリュ.
(57)【要約】
制御棒アセンブリのリフト棒にラッチ止めされるように構成されるとともに、分離されたラッチ係合とラッチ保持機構とを備える、制御棒駆動機構(CRDM)。制御棒アセンブリのリフト棒にラッチ止めされるように構成されるとともに、ラッチを閉鎖する4バー・リンケージであって、重力によってラッチを付勢して閉鎖させる4バー・リンケージを備える、CRDM。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御棒駆動機構(CRDM)であって、
主ねじと、
リフト棒と、
前記主ねじに固定されるとともに、前記リフト棒の上端部を前記主ねじにラッチ止めするように構成されたラッチと、
前記リフト棒の前記上端部で前記ラッチを閉鎖するように構成されたラッチ係合機構と、
前記ラッチを閉鎖状態に保持するように構成されたラッチ保持機構と、を備え、
前記ラッチ保持機構が前記ラッチ係合機構から分離された、制御棒駆動機構(CRDM)。
【請求項2】
カム棒を備える4バー・リンケージであって、前記ラッチ係合機構の動作に対応して、前記ラッチをカム運動させて閉鎖させるように、前記カム棒を内方へ駆動するように構成された4バー・リンケージをさらに備え、前記ラッチ保持機構が前記ラッチを閉鎖状態に維持するように前記カム棒を内方位置に保持するように構成される、請求項1に記載のCRDM。
【請求項3】
前記4バー・リンケージが、重力によって前記ラッチを付勢して閉鎖させるように構成される、請求項2に記載のCRDM。
【請求項4】
前記ラッチ係合機構は、前記リフト棒の前記上端部の上方に前記ラッチが下降するのに対応して動作し、前記ラッチ係合機構が動作した後に前記ラッチが再び引き上げられたときは、前記ラッチを閉鎖状態に維持する効果がない、請求項1に記載のCRDM。
【請求項5】
前記ラッチ保持機構は、前記CRDMの頂部に位置するとともに、前記カム棒を前記内方位置に保持するために前記カム棒の前記上端部と係合するように構成される、請求項4に記載のCRDM。
【請求項6】
前記ラッチ保持機構は、励磁されると前記カム棒を前記内方位置に保持する電磁石を備える磁性カプリングを備える、請求項5に記載のCRDM。
【請求項7】
前記ラッチ保持機構は、前記カム棒を前記内方位置に保持するためにアクチュエータにより付加される保持力に応答して垂直平面内を移動するように構成された要素を有する、請求項5に記載のCRDM。
【請求項8】
圧力容器と、
前記圧力容器内に配置される炉心と、
前記圧力容器内に配置される請求項1に記載のCRDMと、
を備える加圧水型原子炉(PWR:pressurized water reactor)を備える、原子炉。
【請求項9】
前記ラッチ保持機構が、磁力により動作する、請求項8に記載の原子炉。
【請求項10】
複数のCRDMを備え、各CRDMが独立のラッチ保持機構を有する、請求項8に記載の原子炉。
【請求項11】
前記ラッチ保持機構が磁力により動作する、請求項10に記載の原子炉。
【請求項12】
前記ラッチ保持機構が相互に独立して動作する、請求項11に記載の原子炉。
【請求項13】
CRDMモータと、
前記CRDMモータの制御下で移動する要素と、
前記CRDMモータの制御下で移動する前記要素とともに、少なくとも1つの制御棒を支持するリフト棒をラッチ止めするように構成されたラッチと、
前記ラッチを前記リフト棒において閉鎖させるように構成されたラッチ係合機構と、
前記ラッチ係合機構とは独立して、前記ラッチを閉鎖位置に保持するように構成されたラッチ保持機構とを備える、制御棒駆動機構(CRDM)。
【請求項14】
前記ラッチ保持システムが4バー・リンケージに動作可能に連結され、前記4バー・リンケージが前記ラッチ係合機構の動作に対応して、前記ラッチをカム運動させて閉鎖させるように構成される、請求項13に記載のCRDM。
【請求項15】
前記ラッチ保持システムが磁力により駆動される、請求項14に記載のCRDM。
【請求項16】
前記ラッチ保持システムが4バー・リンケージに動作可能に連結され、前記4バー・リンケージが、重力によって前記ラッチを付勢して閉鎖させるように構成される、請求項14に記載のCRDM。
【請求項17】
前記ラッチ保持システムが磁力により駆動される、請求項16に記載のCRDM。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エネルギー省との協力合意第DE−NE0000583号によって支援される業務遂行中に着想されたものである。エネルギー省は、本出願に対し一定の権利を有し得る。
【0002】
本出願は、2013年3月15日に出願された「CRDM DESIGNS WITH SEPARATE SCRAM LATCH ENGAGEMENT AND LOCKING」という名称の米国仮特許出願第61/792,235号の利益を主張する。2013年3月15日に出願された「CRDM DESIGNS WITH SEPARATE SCRAM LATCH ENGAGEMENT AND LOCKING」という名称の米国仮特許出願第61/792,235号は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
DeSantisらによる、2011年9月15日に公開され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011/0222640A1号では、モータによって係合された主ねじ(本明細書では、ねじとナットねじ切り機との間に配置されボール・ナットを用いる特定の主ねじの実施例を示して、ボールねじという場合がある)を使用して、制御された垂直方向の移動を与える原子炉のためのCRDMが開示されている(とりわけ主題)。ここでは、主ねじに接続された、分離されたラッチ・アセンブリが、制御棒のリフト棒(又は、ヨーク若しくはスパイダによりリフト棒に接続された複数の制御棒を有する制御棒アセンブリのリフト棒)にラッチ止めされる。ラッチは、能動的に閉鎖されて、リフト棒と制御棒(1つ又は複数)を備える移動アセンブリと接続される。この結果、CRDMモータの制御下で、移動アセンブリは主ねじとともに移動する。閉鎖する力が取り除かれると(例えば、スクラム(SCRAM)の間)、ラッチは開かれてリフト棒を解放し、制御棒(1つ又は複数)をスクラムする。一方、主ねじはCRDMモータとの係合を維持して落下しない。ある例示的な実施例では、ラッチは、流体圧ピストンか、ソレノイドか、その他のリフト機構により上昇させられるカム棒により、能動的に閉鎖される。ここで、各カム棒は、ラッチ・シャットにカム動作をさせるために、カム棒を上昇に対して平行に移動させる4バー・リンケージの一部である。DeSantisらによる、米国特許出願公開第2011/0222640A1号では、4バー・リンケージは、重力下では、4バー・リンケージは、カム棒を外方に移動させてラッチを解放するように動作するように配置されている。
【0004】
限定的でない例示的な実例として、図1及び図2は、それぞれ、DeSantisらによる米国特許出願公開第2011/0222640A1号の図の1枚目及び16枚目に対応する。図1を参照すると、加圧水型原子炉(PWR:pressurized water reactor)の例示的な原子炉容器が図式的に示されている。図示される一次容器10は、炉心12と、内部蒸気発生器(1つ又は複数)14と、内部制御棒20と、を含む。例示される原子炉容器は、4つの主なコンポーネントを備える。すなわち、1)下部容器22と、2)上部炉内構造物24と、3)上部容器26と、4)上部容器ヘッド28と、である。中間フランジ29は、下部容器部22と上部容器部26との間に配置される。その他の容器の構成も意図される。図1は図式的であり、蒸気発生器に関する二次冷却材の流入及び流出に関する圧力容器貫通部及び電動コンポーネント用の電動貫通部などの詳細は含まない。図1の例示的な原子炉容器10の下部容器22は、実質的に任意の適切な構成を有し得る炉心12を収容する。例示した上部容器26は、炉内蒸気発生器設計(一体型PWR設計と呼ばれる場合もある)を有するこの例示的なPWR用の蒸気発生器14を格納する。図1では、蒸気発生器14は図式的に示される。典型的な循環パターンでは、一時冷却材は炉心12により加熱され、中央ライザ管領域32を通して上昇し、シュラウド30の頂部を出た後、下降管領域34を経て再下降し、蒸気発生器14を横断する。このような一次冷却材は、自然対流によってか、内部又は外部一次冷却材ポンプ(図示せず)によってか、ポンプ支援式自然対流の組み合わせによって駆動され得る。一体的なPWRデザインが図示されているが、炉外蒸気発生器(図示せず)を有する原子炉容器も意図される。この場合、圧力容器貫通部により、外部蒸気発生器に関する一次冷却材の移送が可能となる。例示する上部容器ヘッド28は、分離されたコンポーネントである。しかし、容器ヘッドを上部容器26と一体化させることも意図される。図1は一体型PWRを示しているが、他の実施例では、PWRは一体型PWRでなくてもよい。すなわち、いくつかの実施例では、図示される炉内蒸気発生器は、1つ又は複数の外部蒸気発生器を採用することにより省略されてもよい。さらに、例示するPWRは一実例であり、他の実施例では、沸騰水型原子炉(BWR:boiling water reactor)又は他の原子炉デザインが、炉内又は炉外いずれかの蒸気発生器とともに使用されてもよい。
【0005】
図2を参照すると、制御棒システムの実施例、例えば、図1の原子炉の上部炉内構造物24の一部が適切に、記述されている。これは、電磁グレー・ロッド機能(すなわち、継続的に調節可能な制御棒の配置)及びスクラム機能を提供する流体圧ラッチ・システム(すなわち、緊急時に、核反応を迅速に止めるために、制御棒を完全に挿入できる。従来技術でスクラムとして知られる動作である)を提供する。図2の制御棒システムは、主ねじをスクラムさせることなく、制御棒クラスタのフェール・セーフ・スクラムを可能とする。ボール・ナット・アセンブリ42に永久的に係合され、ボール・ナット・アセンブリ42がモータ44の駆動により主ねじ40を軸方向に移動させる状態で、モータ/ボール・ナット・アセンブリが使用される。図示するモータ44は、スタンドオフ45上に装着される。スタンドオフ45は、上部炉内構造物24の支持構造内に位置し、モータ44の底面を支持する。他の支持配置が企図される。制御棒クラスタ(図示せず)は、リフト/連結棒又はリフト/連結棒アセンブリ46及びラッチ・アセンブリ48を介して主ねじ40に連結される。主ねじ40は実質的に中空であり、リフト/連結棒46は、主ねじ40の内径内に同軸的に嵌合するとともに、主ねじ40内で自由に垂直方向に移動する。ばね負荷ラッチを備えるラッチ・アセンブリ48が、主ねじ40の頂部に取り付けられ(すなわち、装着され)る。ラッチ・アセンブリ48のラッチは、リフト棒46と係合すると、リフト/連結棒46を主ねじ40に連結させ、また、ラッチが非係合となると、リフト/連結棒46を主ねじ40から外す。図示する実施例では、2本のカム棒50と、各カム棒50につき少なくとも2つのカム棒リンク52を備える4バー・リンケージカム・システムを使用することにより、ラッチを係合させたり外したりできる。カム棒リンクを追加することにより、カム棒を追加的に支持してもよい。カム棒50が上方に移動すると、4バー・リンケージのカム棒リンク52も、カム棒50を内方にカム動作させ、この結果、ラッチ・アセンブリ48のラッチを回動させて、昇降/連結棒46に係合させる。図示する実施例では、流体圧上昇アセンブリ56を使用してカム棒アセンブリ50を上昇させる。代替的な実施例(図示せず)では、電動ソレノイド上昇システムを使用してカム棒アセンブリを上昇させる。カム・システムに上昇する力が加わると、カム棒50による上方及び内方へのカム動作がラッチを回転させ、これにより、昇降/連結棒46と主ねじ40とが連結される。これにより、制御棒クラスタが主ねじ動作に追随する。上昇する力が取り除かれると、カム棒50は下方に揺動するとともに、4バー・リンケージのカム棒リンク52によって外方にカム動作し、これにより、ラッチ・アセンブリ48のラッチが回転して、昇降/連結棒46との係合を外せるようにする。これにより、昇降/連結棒46が主ねじ40から外れ、その結果、制御棒クラスタはスクラム状態になる。スクラムの間、主ねじ40はその現在の保持位置にとどまる。スクラム事象の後、主ねじ40は、電動モータ44を介してそのストロークの底部に駆動される。上昇する力が流体圧上昇アセンブリ56を介してカム・システムに再度加わると、ラッチ・アセンブリ48のラッチが再係合されるとともに、リフト棒46が主ねじ40に再連結されて、通常運転が開始できる。その他のラッチ駆動方法として、例えば、図示した上昇アセンブリ56における流体圧を空気圧で代替させる空気圧ラッチ駆動装置がある。図2では、主ねじ40は、例示の目的のため、部分的に引き抜かれた位置で、任意的に描かれている。ラッチ・アセンブリ48は、主ねじ40の頂部に取り付けられ(すなわち、装着され)る。ボール・ナット42及びモータ44は、制御棒駆動機構(CRDM)の底部にある。ラッチ・カム棒50は、機械的ストロークの全長にわたって延びる。流体圧上昇システム56は、この機構の頂部に位置する。ある実施例では、図2のCRDMは、一体型CRDMである。その内部では、電動モータ44とボール・ナット42とを備える機構全体と、ラッチ・アセンブリ48とが、原子炉圧力容器10(図1参照)内部に完全な運転温度及び圧力状態で位置する。4バー・リンケージを備えるカム棒を使用するCRDM設計のさらなる例示的な実施例が、DeSantisらによる米国特許出願公開第2011/0222640A1号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0222640A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある例示的な実施例では、制御棒駆動機構(CRDM)は、CRDMモータにより係合される主ねじと、少なくとも1本の制御棒を支持するリフト棒と、主ねじに固定されるとともにリフト棒の上端部を主ねじにラッチ止めするように構成されたラッチと、リフト棒の上端部でラッチを閉鎖させるように構成されたラッチ係合機構と、ラッチを閉鎖状態に保持するように構成されたラッチ保持機構とを備え、ラッチ保持機構は、ラッチ係合機構とは分離されている。いくつかの例示的な実施例では、CRDMは、カム棒を備える4バー・リンケージであって、カム棒を内方に駆動して、ラッチ係合機構の動作に対応してラッチをカム動作させて閉鎖する4バー・リンケージをさらに備え、ラッチ保持機構は、カム棒を内方位置に保持してラッチの閉鎖状態を維持するように構成される。ある実施例では、4バー・リンケージは、重力によってラッチを付勢して閉鎖するように構成されている。ある実施例では、ラッチ係合機構は、リフト棒の上端部の上方にラッチが下降するのに対応して動作し、ラッチ係合機構が動作した後にラッチが再び引き上げられたときは、ラッチを閉鎖状態に維持する効果がない。
【0008】
いくつかの例示的な実施例では、制御棒駆動機構(CRDM)は、CRDMモータにより係合される主ねじと、少なくとも1本の制御棒を支持するリフト棒と、主ねじに固定されるとともにリフト棒の上端部を主ねじにラッチ止めするように構成されたラッチと、リフト棒の上端部でラッチを閉鎖させるように構成されたラッチ係合機構と、ラッチを閉鎖状態に保持するように構成されたラッチ保持機構と、を備え、ラッチがリフト棒の重さを支持するとともに少なくとも1本の制御棒において支持されるときは、ラッチ係合機構は、ラッチを閉鎖状態に維持する効果がない。いくつかの実施例では、ラッチ保持機構は、ラッチを閉鎖する効果がない。いくつかの実施例では、CRDMは、カム棒を備える4バー・リンケージであって、ラッチ係合機構の動作に対応してラッチをカム運動させて閉鎖させるように、カム棒を内方へ駆動するように構成された4バー・リンケージをさらに備え、ラッチ保持機構は、カム棒を内方位置に保持してラッチの閉鎖状態を維持するように構成される。このようにいくつかの実施例では、4バー・リンケージは、重力によってラッチを付勢して閉鎖するように構成されている。いくつかの実施例では、ラッチ係合機構は、リフト棒の上端部の上方にラッチが下降するのに対応して動作し、ラッチ係合機構が動作した後にラッチが再び引き上げられたときは、ラッチを閉鎖状態に維持する効果がない。
【0009】
いくつかの例示的な実施例では、制御棒駆動機構(CRDM)は、CRDMモータにより係合される主ねじと、少なくとも1本の制御棒を支持するリフト棒と、主ねじに固定されるとともにリフト棒の上端部を主ねじにラッチ止めするように構成されたラッチと、カム棒を備える4バー・リンケージであって、ラッチ係合機構の動作に対応してラッチをカム運動させて閉鎖させるように、カム棒を内方へ駆動するように構成された4バー・リンケージと、を備え、4バー・リンケージは、重力によってラッチを付勢して閉鎖するように構成されている。
【0010】
いくつかの例示的な実施例では、制御棒駆動機構(CRDM)は、CRDMモータと、CRDMモータの制御下で移動する要素と、
CRDMモータの制御下で移動する要素とともに、少なくとも1つの制御棒を支持するリフト棒をラッチ止めするように構成されたラッチと、ラッチをリフト棒において閉鎖させるように構成されたラッチ係合機構と、ラッチ係合機構とは独立して、ラッチを閉鎖位置に保持するように構成されたラッチ保持機構と、を備える。
【0011】
いくつかの例示的な実施例では、制御棒駆動機構(CRDM)は、CRDMモータと、CRDMモータの制御下で移動する要素と、CRDMモータの制御下で移動する要素とともに、少なくとも1つの制御棒を支持するリフト棒をラッチ止めするように構成されたラッチと、カム棒を備える4バー・リンケージであって、ラッチ係合機構の動作に対応してラッチをカム運動させて閉鎖させるように構成された4バー・リンケージと、を備え、4バー・リンケージは、重力によってラッチを付勢して閉鎖するように構成されている。
【0012】
いくつかの例示的な実施例では、制御棒駆動機構(CRDM)は、制御棒アセンブリのリフト棒にラッチ止めされるように構成されるとともに、別個のラッチ係合機構及びラッチ保持機構を備える。
【0013】
いくつかの例示的な実施例では、制御棒駆動機構(CRDM)は、制御棒アセンブリのリフト棒にラッチ止めするように構成されるとともに、ラッチを閉鎖するための4バー・リンケージを備え、4バー・リンケージは、重力によってラッチを付勢して閉鎖する。
【0014】
本発明は、様々なコンポーネントと製造方法との形をとり得る。以下の図面の簡単な説明は、本明細書において開示される例示的な実施例を示すことを目的としており、これを限定することを目的としていない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】DeSantisらによる米国特許出願公開第2011/0222640A1号において図示された原子炉を示す図である。
図2】DeSantisらによる米国特許出願公開第2011/0222640A1号において図示された制御棒システムを示す図である。
図3】制御棒が完全に挿入されたCRDMの等角図を示す図である。
図4】ラッチ装置の係合が外れた状態の図3のCRDMの等角図である。
図5】ラッチ装置の係合が外れた状態の図3のCRDMの側面破断図である。
図6】ラッチが係合した状態の図3から図5に示すCRDMの側面破断図である。
図7】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図8】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図9】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図10】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図11】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図12A】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図12B】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図13A】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図13B】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図14A】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図14B】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図15A】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図15B】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図15C】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図16A】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図16B】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図16C】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図17】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図18A】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図18B】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図18C】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図18D】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図18E】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図18F】本明細書に記載される、自己係合するカム/ラッチ・システム及び電磁石保持システムを備えるCRDMの実施例の態様を示す図である。
図19】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図20】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図21】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図22】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図23】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図24】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図25】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図26】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図27】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図28】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図29】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図30】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図31】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図32】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図33】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図34】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図35】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図36】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図37】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図38】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図39】保持機構と様々なラッチ機構を備える、別の例示的なCRDMの態様を示す図である。
図40】保持機構と様々なラッチ機構を備える、別の例示的なCRDMの態様を示す図である。
図41】保持機構と様々なラッチ機構を備える、別の例示的なCRDMの態様を示す図である。
図42】保持機構と様々なラッチ機構を備える、別の例示的なCRDMの態様を示す図である。
図43】保持機構と様々なラッチ機構を備える、別の例示的なCRDMの態様を示す図である。
図44】保持機構と様々なラッチ機構を備える、別の例示的なCRDMの態様を示す図である。
図45】保持機構と様々なラッチ機構を備える、別の例示的なCRDMの態様を示す図である。
図46】保持機構と様々なラッチ機構を備える、別の例示的なCRDMの態様を示す図である。
図47】保持機構と様々なラッチ機構を備える、別の例示的なCRDMの態様を示す図である。
図48】保持機構と様々なラッチ機構を備える、別の例示的なCRDMの態様を示す図である。
図49】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図50】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図51】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
図52】例えば図3から図6のCRDM、又は図7から図18のCRDMで適切に使用される、別の例示的な保持機構の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で開示されるのは、4バー・リンケージを備えるカム棒を使用するDeSantisらによる、米国特許出願公開第2011/0222640A1号のCRDM設計の改良である。
【0017】
一態様において、CRDMは、ラッチ係合機能とラッチ保持機能とを分離することにより改良される。これには、CRDMコンポーネントの数の増加が伴い得る。なぜならば、分離されたラッチ係合機構とラッチ保持機構とが設けられるからである。しかし、この部品の増加は、エネルギー効率の改善により相殺されることが、本明細書において認識される。これは、ラッチ係合は非常に稀に(おそらく、1燃料サイクル毎に一回のみ)起こる、瞬間的な事象だからである。対照的に、ラッチ保持動作は、燃料サイクル全体にわたって行われる(任意のスクラム事象を妨げる)。分離されたラッチ係合機構とラッチ保持機構を使用することにより、ラッチ保持機構は、比較的高エネルギーな動作であるラッチのアンラッチ位置からラッチ位置への移動を行う必要がない。したがって、ラッチ保持機構を、よりエネルギー効率的にすることができる。
【0018】
別の一態様では、ラッチ係合機構は、ラッチ保持機能を行う必要はないが、実質的に改良され得る。一実施例では(図3から図6参照)、ラッチ係合機構は、CRDMの下部に組み込まれた下部カム・リンクを有する。下部カム・リンクは、リフト棒(現時点ではラッチ止めされていないので、一般的には、原子炉炉心への制御棒の最大挿入に対応した最下降位置にある)の方へ下降すると、ラッチ・ボックス又はラッチ・ハウジングにより係合される。下降するラッチ・ハウジングは、曲線形状で、回動可能に装着される下部カム・リンクを係合させる。その結果、ラッチ・ハウジングによりカム動作させられる端部から遠位にある端部により、カム棒が内方に、ラッチ位置へ駆動される。ラッチ位置に至ると、分離されたラッチ保持機構は係合され、また、その後、ラッチ・ハウジングがCRDMモータと主ねじとによって引き上げられると、下部カム・リンクは係合が外れる。しかし、ラッチは分離されたラッチ保持機構の作用により閉鎖状態のままである。
【0019】
別の一態様では、ラッチ係合機構は、自己係合型カム/ラッチ・システム(図7から図18参照)により実施される。このアプローチは、4バー・リンケージを変更して、4バー・リンケージが、重力によってカム棒を内方に移動させるように動作して、ラッチを係合させることにより実現される。図3から図6のラッチ係合と同様に、このラッチ係合は、ラッチ・ハウジングをリフト棒の上端部の上方へ下降させると、アクティブ化する。自己係合型アプローチでは、4バー・リンケージは重力によってカム棒を内方に移動させないので、ラッチは通常、閉鎖している。また、リフト棒の上端部は、ラッチ・ハウジングがリフト棒の上端部の上方へ下降するとラッチをカム運動させて開放するカム表面を備える。上端部のカム表面の上方では、ラッチは、4バー・リンケージの向きに起因する重力によって再び閉鎖する。そして、分離されたラッチ保持機構はアクティブ化して、ラッチを閉鎖状態に維持するためにカム棒を内方位置に保持する。驚くべきことに、この実施例では、4バー・リンケージは、重力によってラッチを付勢して閉鎖させているが、信頼性のあるスクラムが可能である。これは、4バー・リンケージが大きな角度と比較的長い寸法のリンクを備えるよう設計されており、したがって、4バー・リンケージの重力による閉鎖付勢力に対抗してラッチを開放するために必要な力がそれほど大きくないからである。(詳細については、図7から図18、及び関連する議論を参照。)したがって、移動アセンブリ(すなわち、リフト棒と、取り付けられた制御棒(1つ又は複数)と、選択的なスパイダ又はヨーク)の重量は、4バー・リンケージの閉鎖付勢力を克服するには十分に大きい。
【0020】
さらに開示される態様では、様々なラッチ保持機構の実施例が開示される。図19及びそれ以下を参照されたい。
【0021】
図2のCRDMシステムでは、リフト・システム56(図示する流体圧式、又は代替的には電動ソレノイド)は、ラッチ作動と、保持及び移動動作間の長期的係合との両方を支援する。以下に記述する様々な実施例では、図2のCRDMと同様の機能を有する特徴(例えば、4バー・リンケージのカム棒50及びカム棒リンク52)は、同様の符号が付されている。
【0022】
図2を文脈上参照しつつ、図3から図6を参照すると、CRDMの一実施例が示されている。この実施例では、ラッチのアクティブ化と長期保持/移動機能とが分離され、その結果、動作電源要件が軽減されている。CRDMは、機械的に作動するラッチ装置を有する。図3は、完全に挿入された制御棒(図示せず)を備えるCRDMの等角図を示す。図4及び図5は、それぞれ、ラッチ装置が外れた状態の等角図と側面破断図とを示す。図6は、ラッチが係合した状態の側面破断図を示す。ラッチ機構は、CRDMモータ44と、主ねじ40(例えば、図2に示すように、ボールねじ42を介してCRDMモータ44に螺合される)と、ラッチ・ボックス102とを使用してラッチ104を接続(すなわち、リフト)棒46の頂部に係合する。ばね106は、ラッチ104を付勢して開放する。ラッチ・ボックス102及びばね付勢ラッチ104は、図2のラッチ・アセンブリ48に対応するラッチ・アセンブリを形成する。図3から図6では、装着部品108が示されている。ラッチ・ボックス102は、装着部品108を介して主ねじ40の頂部に装着されるが、主ねじ自体は図3から図6では省略されている。同様に、図3から図6では、リフト棒46の頂部のみが示されているが、図2において文脈上示されるように、リフト棒46は下方に延びていると理解されるべきである。この動作では、制御棒(複数の場合もある)は、当初は完全に挿入されており、且つ、リフト棒46の上端部は、ラッチ104から外れている。
【0023】
CRDMモータ44は、主ねじ40を下方に移動させるように作動し、そして、ラッチ・ボックス102をリフト棒46の上端部の方へと下降させる。CRDMモータ44がボールねじ42を通じて与える下向きの力により、ラッチ・ボックス102は、CRDMの下降部112に組み込まれる下部カム・リンク110と接触する。図4及び図5は、それぞれ、接触領域114で下部カム・リンク110がラッチ・ボックス102とまさに接触し始めた状態の等角断面図及び側面破断図を示す。
【0024】
図6に示すように、モータ・トルクを継続的に付加することにより、ラッチ・ボックス102が下向きに押し動かされ、下部カム・リンク110を下向きに押す。この結果、旋回点116の周囲で回動動作が起こる。この回動動作は、カム棒50を上昇させて、係合位置へ移動させる。その結果、ラッチ・ボックス102内でラッチ104に対してカム動作させ、ラッチ104を閉鎖する。
【0025】
ラッチ・ボックス102が、ラッチ係合後に、上方へ戻るように移動してリフト棒46と取り付けられた制御棒が上方に引き上げられるとき、分離された保持機構(図3から図6では図示されないが、その実施例は本出願の至る所で開示されている)は、カム棒50の係合を維持する。(図3から図6において、制御棒が図示されないことに注意されたい。)
【0026】
図3から図6の実施例でのこのアプローチにおいては、CRDMのラッチのアクティブ化と長期保持/移動機能とが分離されている。その結果、動作電源要件が軽減される。(再び述べると、図3から図6はラッチのアクティブ化のみを示す。長期保持/移動コンポーネントの適切な実施例は、本出願の他の個所に記載される。)ラッチのアクティブ化と長期保持/移動機能を分離することにより、ラッチ・アセンブリが単純化されて、製造しやすく、且つより安価になる。図3から図6を参照しつつ記述される機械的に作動するラッチ装置は、電動式である(図2に示す通り、主ねじ40が電動式のCRDMモータ44により駆動されると想定する)。電動式のラッチ装置により、電動式保持機構(再度述べるが、本出願の他の個所に開示される)とともに、オール電動式のCRDMが構成される。
【0027】
図7から図18を参照すると、自己係合型カム/ラッチ・システムと電磁保持を備えるCRDMの実施例が示されている。これらのCRDMの実施例では、重力の下で、4バー・リンケージがカム棒50をラッチに係合するように内方に移動させるように動作するように、4バー・リンケージが変更されている。これらのCRDMの実施例は、ラッチを保持するのみで、係合を行わない保持機構も含む。
【0028】
図7を参照すると、CRDMが、制御棒アセンブリ140と組み合わせて示されている。制御棒アセンブリ140は主(又はボール)ねじ40を介して昇降/連結棒46によりCRDMに連結される。このCRDMはモータ・アセンブリ44と、変更されたカム・アセンブリ144(変更された4バー・リンケージを備える)と、ラッチ・アセンブリ148とを備える。
【0029】
図8を参照すると、図7のCRDMの拡大図が示される。このCRDMは、スタンドオフ45上に装着されたモータ44と、修正された4バー・リンケージを備えるカム・アセンブリ144と、ラッチ・アセンブリ148と、位置センサー149を備える。また、この例示的なCRDMは、カム・アセンブリ144の頂部に電磁石保持システム150を備える。
【0030】
図9及び図10を参照すると、スクラム・モード(完全な挿入状態)と、通常動作モード(制御棒の移動又は保持)とのCRDMの断面斜視図をそれぞれ示す。両図を参照すると、CRDMを使用すれば、主ねじ40をスクラムする必要なく、制御棒(又は制御棒クラスタ)のフェール・セーフ・スクラムを行うことができる。主ねじ/ボール・ナット・アセンブリは、軸方向の移動を起こす電動モータ44(図9は頂部のみ可視)に永久的に取り付けられる。制御棒クラスタ140は、接続(すなわち、リフト)棒46とラッチ・アセンブリ148とを介して、主ねじ40に接続される(図7参照)。図9に示すように、主ねじ40は中空であり、また、リフト棒46は主ねじ内径(ID)の内部に嵌合するとともに、主ねじ40内で自由に垂直方向に移動する。2つのラッチ154(3つ又はそれ以上のラッチが意図されるが)を備えるラッチ・アセンブリは、主ねじ/ラッチ・アセンブリ連結156(例えば、主ねじの上端部に装着されたラッチ・ハウジング)により主ねじ40の頂部に固定される。ラッチ154は、リフト棒46と係合すると、リフト棒46と主ねじ40とを連結する(通常動作)。この結果、主ねじ40とリフト棒46とが一緒に移動する。ラッチ154は、係合していないときは、リフト棒46を主ねじ40から解放する(スクラムと呼ばれる事象)。
【0031】
カム・バー160とカム・バー・リンク162とを備える各ラッチに設けられるカム・バー・アセンブリを備える4バー・リンケージ・カム・システム144を使用することにより、ラッチを係合したり、外したりできる。しかし、図2の実施例と異なり、図7から図18のCRDMの実施例では、カム・バー・リンク162は、重力によりカム・バー160が下方へ移動すると、4バー・リンケージの作用によりカム・バー160が内方に回動して、これにより、ラッチ154が回動してリフト棒46と係合するような方向に向いている。この自己係合型という特色のため、ラッチ154をリフト棒46に係合するために何らの動作も必要とされない(CRDMモータ44を動作させて、ラッチ・アセンブリ148をリフト棒46の上端部の上方へ下降させることを除く)。また、ラッチ154を付勢するためのねじも存在しない(図3から図6の実施例のばね106と比較されたい)。
【0032】
したがって、リフト棒が最下降位置にあるときは、(完全に挿入された制御棒に対応する)、重力は、カム・バー160によりラッチ154がカム動作してリフト棒46に係合するためには、十分な大きさである。しかし、図7から図18のCRDMがリフト棒46を介して制御棒アセンブリ140を上昇させるよう動作するとき、重力によりラッチ154の係合を維持できない。したがって、各カム・バー160の上端部にそれぞれが接続された電磁石170と磁性カプラ172とを備える分離された保持機構150が設けられる。本明細書において図7から図18を参照しつつ記述される実施例では、例示的な電磁石保持システム150がカム・バー160、さらには、長期保持/移動動作のために完全に係合しているラッチ154を保持するために組み込まれている。電磁石170(図9に示す通り)に電気が送られなくなると、移動アセンブリ140、46は十分な重量があるので、ラッチ154及びカム・バー160を回動させて係合から外す。これにより、CRDMがスクラムする。(「移動アセンブリ」という用語又は同様の表現は、リフト棒46と、ヨーク又はスパイダによりリフト棒46と接続された制御棒の一式を備える制御棒アセンブリ140との組み合わせをいう。)電磁石保持機構の実施例150が、例示する目的で図7から図18に示されているが、本出願のその他の個所において、保持機構150と代替的に使用されてもよい他の保持機構の実施例が開示されている。
【0033】
スクラム事象の後、主ねじ40は、電動CRDMモータを介して駆動されて、ストロークの底部に戻る。ラッチ・アセンブリは、ストロークの底部に接近するにつれて、接続棒46の上端部の円錐面176に対するカム作用により、リフト棒46に自動的に再係合する。制御棒が動かなくなり、スクラムが完了しない場合、同じ自動的再係合作用を使用して再係合し得る。
【0034】
CRDMアセンブリ全体が、図7から図8に示される。主ねじ40は、「ボールねじ」とも呼ばれることに留意されたい。この用語は、螺合においてボール・ナット(すなわち、ねじ山内に配置されるボール・ベアリングと連結される螺合ナット/ねじ)が使用されるときと同等の用語である。図7から図18のCRDMの設計は、図2に示す例示的なCRDMと類似している。しかし、図7から図18のCRDMでは、CRDMの頂部にある電磁石保持システム150は、図2のCRDMの実施例の流体圧(又はソレノイド)上昇アセンブリ56に取って代わっている。
【0035】
図9は、ボールねじ40と制御棒アセンブリとが完全に挿入された状態の完全スクラム・モードにある図7から図18のCRDMを示す。図9では、リフト棒46(接続棒と呼ばれる場合もある)の上端部だけが見える。逆の(図2の実施例と比較して)カム・リンク方向は、カム棒160の下向きの重力重の下で、4バー・リンケージ作用によりカム棒160を内方に回動させて完全な係合状態にする。これによって、ラッチ154を移動アセンブリのリフト棒46の(上端部)と完全に係合させる。これが、ラッチに対する移動アセンブリからの負荷がなく、且つ、電磁石保持システム150により電磁石保持力が加えられていない状態での、通常の自己係合型カム棒の位置である。
【0036】
図10は、CRDMの通常動作(長期保持モード又はCRDMモータの制御下での制御棒アセンブリの移動のいずれか)を示す。この動作条件では、電磁石170が通電されると、カム棒160、ひいてはラッチ154が完全な係合を保持し、その結果、移動アセンブリの最大錘力を帯び得る。図10に示すように、カム棒160は、磁気カプラ172が取り付けられるカム・ハウジングの天板の上方へ延びる。これらのカプラ172は、適切な実施例では、410SS磁性材料でなり、最適な電磁石保持力のための磁気回路を完成させる。
【0037】
図11は、スクラム開始時の図7から図18のCRDMを示す。ラッチ154は、移動アセンブリの重量による下向きの力により、係合から外れて回動する。ラッチの末端は、カム棒160と接触しており、カム棒を外向きに押す。これにより、接続棒がスクラムできる。この動作は、図11において、力180として注記されている。図11は、ラッチ154が接続棒46の上端部の外側直径をちょうど超えた着地(land-on-land(LOL))位置にある状態を示す。
【0038】
図12は、完全な非係合位置にあるラッチ154とカム棒160とを備えた図7から図18のCRDMを示す。この方向は、スクラムの間に移動アセンブリの下方移動によりラッチ154が外方に「蹴られ」たときに起こり得る非動作位置である。これは、図7から図18の自己係合型カム棒設計の場合の非動作位置だが、ラッチ154の内側表面と接続棒46との間にスクラムの信頼性のための隙間が十分にあることを示す。これは、隙間dclearanceを示す挿入図、図12において示されている。
【0039】
図13は、スクラム動作のための力のバランスを示す。図13では、移動アセンブリの重量は、WTAで示す。カム棒を外方に押す力は、Fpushで示す。カム棒の重量は、WCam Barで示す。例示的な設計では、スクラムのために各カム棒アセンブリを外方に押すために要する最大力(すなわち、最大必要力Fpush)は、わずか数kg(数ポンド)である。カム棒アセンブリの重量WCam Barのこの横力成分は、カム・リンク162の配向角を増大することにより最小化できる。例えば、ある計算された設計では、最小角は約70°である。一般的に、カム・リンク162を長くしたり、(水平に対する)角度を大きくしたりすると、カム棒を外方に押すのに必要な最大力が減少する。各カム棒160を外方に押すために利用できる最小力は、移動アセンブリの下向きの錘力によるラッチ回動により生成される。この利用可能な最小力は、移動アセンブリ重量WTAと、最悪の場合に想定される制御棒チャンネル内の機械的摩擦抵抗及び最悪の場合の全ての接触面における摩擦との差に基づく。スクラムのために利用可能な最小力Fpushは、スクラムのために必要な力よりも非常に大きいので、スクラムの信頼性が確保される。有利には、スクラムは他の負荷を必要とせず、重力のみにより完全に駆動される。
【0040】
図14は、通常運転のための力のバランスを示す。様々な運転モードのための移動アセンブリの重量WTAを保持するため、各ラッチ154の末端に十分な横力Fholdを加えなければならない。図7から図18の例示的な実施例では、この力はCRDMの頂部にある電磁石保持システム150により与えられる。カム棒160は自己係合型なので、カム棒側負荷は、必要な電磁力を減少させる。制御棒アセンブリの移動中のラッチ係合を維持するために保持磁石170で必要な最小保持力FMagは、移動アセンブリの重量WTAと、制御棒チャンネル内で最悪の場合に想定される機械的摩擦抵抗との和に基づいて計算される。計算上の設計では、全ての通常動作条件について、十分な保持力マージンがある。
【0041】
図15は、CRDMの頂部にある電磁気保持システム150の等角図を示す。図15は、完全な係合の動作構成(上図、磁石170への通電オン又はオフ)と、スクラム動作構成(中図、磁石170への通電オフ)と、完全な非係合の動作構成(下図、磁石170への通電オフ)とを示す。完全な係合モード(上図)では、電磁保持力があってもなくても、磁気カプラ172は、電磁石ハウジング170に対向して配置される。この配置により、完全な動作上の係合のために、カム棒160とラッチとを内方にストップさせる。
【0042】
図16は、図15の等角図に対応する平面図を示す。図16から、全ての運転モードについて、電磁石保持システム150がCRDM空間外囲器内に好適に収まっていることが理解される。
【0043】
図17は、完全な係合状態にある電磁石保持システム150の拡大破断図を示す。電磁石170は、適切に溶接により密封され、原子炉圧力容器内での高温下使用のために容器詰めされる。このコンポーネントのためのいくつかの適切な材料は、以下の通りである。すなわち、電磁石170については、電磁石ハウジングには合金625非磁性材料を、電磁石コアには410ステンレス鋼磁性材料を、電磁石の巻線には24ゲージ銅線を、磁石カプラ172には適切には410ステンレス鋼磁性材料を、使用し得る。これらの材料を用いた設計によれば、計算上は、310lbsの保持力を与えることが見込まれる。これらは、例示的な実例にすぎない。他の材料、及び/又は設計ベースの保持力が、原子炉の設計に依拠して使用されてもよい。
【0044】
図18は、ラッチ再係合作用を示す。図をそれぞれ、(1)上左図、(2)上中央図、(3)上右図、(4)下左図、(5)下中央図、(6)下右図という。スクラム事象の後、再係合が望まれるときは、ボールねじは、CRDMモータにより駆動されて底部へ戻る。ラッチ・アセンブリが底部に達すると、ラッチ154は、リフティング/連結棒46と自動的に再係合する。この目的のため、円錐カム表面176が接続棒46の上端部の構成に組み込まれている。ラッチ・アセンブリが駆動されて下方に戻ると、自己係合型ラッチ154が通常の係合ポケットに戻るまで、ラッチ154の内側表面が、4バー・リンケージの駆動により、閉鎖方向への重力付勢に対して、円錐カム表面176によりカム動作して開放した状態で、接続棒46の頂部の上方にスライド下降する。それから、通常動作が再開できる。
【0045】
図18に示す同じラッチ自動再係合作用は、スクラムの間に詰まった制御棒(又は制御棒バンク)を再係合するために使用することもできる。ラッチ・アセンブリは、ラッチ154が通常の係合ポケットに戻るまで詰まった棒(又は棒バンク)の接続棒46の上端部の上方に戻される。棒を炉心に完全に挿入することが望ましいならば(スクラム事象において典型的な場合のように)、ラッチ・アセンブリは、ラッチ154が棒バンクを下方に押している状態で、ボールねじ及びモータによって下方に動かされる。この筋書きでは、ラッチ154の底面が接続棒46の係合ポケットの平らな部分に接触する。負荷がかかると、接触面の偏心により、ラッチ154は、任意の追加的保持システムがなくても係合を維持できる。モータがボールねじを下方に動かすと、ラッチは棒バンクを内方へ動かす。
【0046】
図19から図22を参照すると、CRDMの別の保持機構の実施例が示されている。この点に関して、図3から図6及び図7から図18は、ラッチのアクティブ化と長期保持/移動機能が分離され、その結果、動作電源要件が軽減された実施例を示す。図3から図6は、ラッチアクティブ化の実施例を示し、一方、図7から図18は、長期保持/移動機能の実施例150と組み合わされたラッチアクティブ化(自己係合型カム/ラッチ・システム)の実施例を示す。図19から図22は、図3から図6の実施例と組み合わせて、又は図7から図18の実施例の保持機構150と代替的に用いられてもよい長期保持/移動機能の別の実施例を示す。
【0047】
図19は、図2から図6のカム・アセンブリ、すなわち、カム棒50とともに動作する、図19から図22のラッチ保持機構の等角図を示す。図20図21とは、それぞれ、非係合位置にあるラッチ保持機構の側面図と破断側面図とを示す。図22は、係合位置にあるラッチ保持機構の側面破断図を示す。図19から図22に示す保持機構は、大型電磁石200を利用する。電磁石200は、図19に示すように、ピン204によりカム棒50の上端部と接続される磁性ハンガー202と連結される。電磁石200は、カム棒アセンブリ144の頂部に固定され(又はこれを形成する)底板208から延びる支持ポスト206により、ハンガー202から間隔をおいて配置される。CRDMが係合機構(図3から図6を参照しつつ例示的な図19−22において記述される機構など)により係合した状態では、電磁石200はアクティブ化され、ハンガー202と電磁石200との間で磁性吸引力を発生させる。この吸引力により、図22に示すように、ハンガー202は電磁石200との接触(又は、代替的実施例では、電磁石とハンガーとの間にある着地面との接触)を維持する。持ち上げられたハンガー棒202は、カム棒50をピン204を介してその持ち上げられた(すなわち、係合)位置に保持する。電磁石200への通電が遮断されると、磁石200とハンガー202との間の吸引力が切断される。これにより、図20及び図21に示すように、ハンガー200及びカム棒50は、非係合位置へ落下する。ハンガー202内のピン・スロット210は、4バー・リンケージによるカム棒50の横方向の動きを収容する。図21及び図22の断面図は、電磁石200の銅巻線212を示す。
【0048】
CRDMのラッチのアクティブ化及び長期保持/移動機能を分離することにより、本明細書において、動作電源要件が軽減され得ることが認識できる。なぜならば、保持機構は、実際にカム棒を上昇させる必要はなく、(異なる)係合機構が動作した後で、カム棒を上昇位置に維持するのみだからである。特徴的機構を分離することにより、保持のための特徴的機構が単純化されて、製造しやすく、且つより安価になる。
【0049】
図23から図32を参照すると、CRDMの別の保持機構の実施例が示される。この実施例は、図3から図6の実施例と組み合わせて、又は図7から図18の実施例の保持機構150と代替的に用いられてもよい。図23から図25は、それぞれ、完全な係合位置にある保持機構の2つの等角図と平面図とを示す。図26から図28は、それぞれ、スクラム位置にある保持機構の2つの等角図と平面図とを示す。図29から図31は、それぞれ、完全な非係合位置にある保持機構の2つの等角図と平面図とを示す。図23図26、及び図29の等角図は、約45°の角度から見た保持機構を備えるCRDMの頂部領域を示す。図24図27、及び図30の等角図は、45°よりも傾いた角度から見た保持機構を備えるCRDMの頂部領域を示す。
【0050】
図32は、カム棒160を保持するのに十分な力FCam Barを加えるための電磁石保持力FElectが注記された、保持機構の平面図を示す。
【0051】
図19から図28の保持機構は、カム棒160(例えば、カム棒ピン234)の頂部にあるピン234が嵌合するスロット232を有する水平な保持アーム230を利用する。カム棒160が、係合機構により係合位置へ移動すると(例えば、図3から図6に示すもの、又は、図7から図18の実施例の自己係合型カム/ラッチ・システム等)、各ピン・スロット232内のカム棒ピン234は保持アーム230を押して、電磁石240に近接する点まで回動させる。回動はアーム旋回点242の周りで生じ、保持機構の様々なコンポーネントが、カム棒アセンブリ144の頂部に固定され(又はこれを形成する)基板244上に装着される。電磁石240は、通電されると、磁性材料よりなるアーム230を吸引し、保持する。そして、制約されたアームは、ピン・スロット232内で、カム棒ピン234を介して係合位置にカム棒160を保持し、これによってラッチ係合を維持する。図23から図25は、それぞれ、この完全な係合位置にある保持機構の2つの代替的等角図と上面図とを示す。
【0052】
図26から図28(スクラム・モード)及び図29から図31(完全な非係合モード)を参照すると、電磁石240への通電が遮断されていると、電磁石240とアーム230との間の吸引力が切断される。これにより、アーム230が係合から外れて回動できる。移動アセンブリの重量は、スクラムのためにラッチの係合を外し、カム棒160を離れるように(すなわち、外方に)移動させるのに十分な大きさである。この作用の間、保持アーム230は、邪魔にならないように自由に下方に移動する。
【0053】
特に図32を参照すると、図23から図32の保持機構は、保持アーム230の構成による機械的利点を提供する。これは、アーム旋回点242と、カム棒接触点(すなわち、カム棒ピン234とピン・スロット232との係合)と、電磁石保持力接触点(電磁石240の位置に対応する)との相対位置により実現される。これを適切に数値化すると、磁石240と旋回点242との間の距離dmag及びカム棒接触点(カム棒ピン234とほぼ一致)と旋回点242との間の距離dpinとなる。機械的利点により、電磁石240により与えられる保持力FElectを減少させて、カム棒160を保持するための所与の力FCam Barを与えることができる。これにより、電磁石240のようなより小型且つ単純化された電磁石の使用と、動作のための電力需要の削減とを容易にすることができる。
【0054】
図23から図32の電磁的保持機構の構成は、カム棒160と4バー・リンケージとの構成に、ある程度依拠して変化する。ピン・スロット232は、水平な保持アーム230を回動させる適切な係合を与えつつ、水平なカム棒の移動を収容するように配置されている。
【0055】
様々な実施例では、磁石は保持アームに埋め込まれて、追加的な保持力を提供する。ある実施例では、この追加的な力は、図23から図32の保持機構が係合及び保持動作を両方とも行うに十分であり、且つ、例えば、図2の実施例の流体圧上昇アセンブリ56の代わりに使用される。
【0056】
再検討するために、図23から図25は、電磁石240により保持されるか、電磁石240の通電前に外部手段(例えば、図3から図6を参照しつつ記述されるもの、又は図7から図18の実施例の自己係合型カム/ラッチ・システム)により係合されているかの状態で完全な係合位置にあるカム棒160及び保持アーム230を示す。図26から図28は、スクラム・モードを示す。スクラム・モードでは、アーム230、そしてカム棒160は、ラッチが、接続(すなわち、リフト)棒と制御棒アセンブリとを完全に解放するに十分な程度移動する。図29から図31は、完全に係合が外れた位置を示す。4バー・リンケージの作用により、カム棒160は、係合位置から非係合位置へ横方向に移動すると、上昇したり下降したりする。この作用は、図24図27、及び図30の等角図において最もよく理解できる。保持アーム230は、固定支持ポスト(旋回アーム・ポイント242)の周りを旋回するので、ピン・スロット232は、カム棒160の上昇と下降とを収容する保持アーム230に組み込まれる。これらのスロット232の大きさと位置は、カム棒160の上昇と下降と、4バー・リンケージ作用によるカム棒160の上昇/下降に対応するカム棒160の横方向の動きとの両方を収容しなければならない。
【0057】
本明細書において図7から図18を参照しつつ記述される自己係合型カム/ラッチ・システムとともに使用されるとき、図示される保持アーム旋回ポイント242の位置について直接的な機械的利点は、約4.5:1(図32の割合dmag/dpinに対応する)と見込まれる。しかし、この機械的利点と必要な保持力との間に直接的関係はない。保持アーム230は、カム棒160の落下平面に沿って引っ張らない。保持アーム角度のコサインに比例する力の修正が必要である。本明細書で示される構成への純粋な影響は、2.4:1という効果的な機械的利点である。この力のバランスは、効果的な機械的利点とともに、図32において図式的に図示される。図23から図32の保持機構は、保持アームの構成により提供される機械的利点の恩恵を示す。
【0058】
図33から図38を参照すると、CRDMの別の保持機構の実施例が示される。この実施例は、図3から図6の実施例と組み合わせて、又は図7から図18の実施例の保持機構150と代替的に用いられてもよい。図33から図35は、それぞれ、カム・システムがアンラッチ位置にある状態での、異なる角度で見たCRDMの頂部(より詳細には、カム・アセンブリの頂部と保持機構)の2つの等角図と上面図を示す。図36から図38は、それぞれ、異なる角度で見た、カム・システムがラッチ位置にある状態の保持機構を備えるCRDMの頂部の2つの等角図と上面図を示す。例示的な図33から図38は、図3から図6の実施例と組み合わされた保持機構を示す。したがって、カム棒は、図33から図38ではカム棒50と符合が付されている。
【0059】
カム・システムが係合(つまり、「ラッチされた」)位置にあると、図33から図38の保持機構は、カム棒50を、ラッチを係合させ、接続(すなわち、リフト)棒のラッチ止めを維持するように保持する。図33から図38の保持機構は、2つの高温磁石260と、CRDMの上端部にある2つのカム棒50のそれぞれの上端部に取り付けられた磁性リンク262とを備える。2つのキャンド化高温電磁石は、平行に、適切に巻線が巻かれている。
【0060】
カム・システムがアンラッチ位置(図33から35)から係合(ラッチ)位置(図36から図38)に移行すると、磁性リンク262に係合するカム棒50の上端部が磁性リンク262をピボット264の周りで回動させ、この結果、カム棒/磁性リンク・ジョイント272から遠位にある磁性リンク262の端部270が、カム棒50の内方移動により移動させられて、電磁石260に接近する。電磁石260が励磁されると、磁性リンク262のこれらの先端部270は、磁石270に対して保持され、磁性リンク262の反対側の先端部にあるカム棒50は、移動を妨げられる。これにより、ラッチはラッチ位置に保持される。電磁石260の保持電力は、カム棒50の重量だけでなく、ラッチがカム棒50に加える力を保持するのにも十分である。ラッチ状態は、代替的等角図(図36及び図37)と平面図(図38)とに示される。カム棒アセンブリの頂部に固定され(又はこれを形成する)、且つ保持機構コンポーネントを支持する底板278内のスロット276は、アンラッチ/ラッチ移行間のカム棒50の横方向の動きを収容する。
【0061】
図3から図6の実施例とともに使用されるとき(図33から図38に図示する)、動作は以下の通りである。電磁石260が消磁されると、磁性リンク262は、電磁石260から分離される。また、カム棒50は、それ自体の重量により自由に落下して、アンラッチ位置に移動する。アンラッチ位置では、カム棒50はラッチから係合が外れ、ラッチは接続棒との係合が外れて、回動可能となる。カム棒50がラッチから係合が外れると、ラッチは、ラッチばね106により接続棒との係合が外れて、回動可能となる(図3から図6の実施例)。したがって、アンラッチ位置においては、カム棒50はラッチと係合せず、ラッチはリフト棒と係合せず、且つ、移動アセンブリ(リフト棒と取り付けられた制御棒(1本又は複数本)を含む)はそれ自体の重量により落下し得る(スクラム)。電磁石260の電力が失われると、接続棒は重力によりスクラムする、という意味において、図33から図38の保持機構はフェール・セーフである。
【0062】
図7から図18のカム配列(自己ラッチ型)と連動した図33から図38の保持機構の動作は同様である。ただし、電磁石260が消磁されるとき、カム棒160は重力により開放されず、落下する移動アセンブリのリフト棒46の上端部にあるカム表面によりカム動作で開放される場合を除く。(詳細は図7から図18の記述を参照。)再び、電磁石260の消磁により、磁性リンク262、ひいてはカム棒160はスクラムを行うために自由に移動できる。
【0063】
図39から図48を参照すると、CRDMの別の保持機構の実施例が示される。この実施例は、図3から図6の実施例と組み合わせて、又は図7から図18の実施例の保持機構150と代替的に用いられてもよい。図39から図48の実施例が、図2から図6の実施例において示すように方向づけられたカム棒とカム棒リンクとを備える4バー・リンケージとともに図示される。したがって、図39から図48では、カム棒及びカム棒リンクは、それぞれ、カム棒50及びカム棒リンク52として示される。
【0064】
図39から図48の実施例は、カム・アセンブリの下に位置する異なるラッチ機構を示す。ここでは、流体圧シリンダ300(又は、代替的には、電動ソレノイド)は、リフト・プランジャ又はピストン302をカム棒50の底端部にある係合するカム棒リフト・ローラ304まで引き上げて、その結果カム棒50が、カム棒リンク52により与えられる4バー・リンケージの作用により、引き上げられる。このカム棒50の引き上げにより、同時に、カム棒50が内方へ移動してラッチと係合する。(対照的に、図2を参照しつつ記述される実施例では、カム・アセンブリの上に位置する流体圧上昇アセンブリ56がカム棒50の上端部を上昇させてラッチと係合する。)図39から図48の実施例は、カム・アセンブリの上に位置する保持機構も示す。この機構では、カム棒アセンブリの頂部に固定され(又はこれを形成する)底板308が保持機構コンポーネントを支持する。
【0065】
図39は、カム・アセンブリの図式的な側面図を示す。カム・アセンブリ内では、リフト・システム(カム棒リフト・ローラ304と合わせて、電動ソレノイド又は流体圧シリンダ300及びピストン302を有する)が非アクティブ化され、且つ、保持機構(傾斜図で図式的に示す)も非アクティブ化されている。図40は、図39に対応する非アクティブ状態の保持機構の上面図を示す。図41は、リフト・システムはアクティブ状態だが、保持機構は非アクティブ状態であるカム・アセンブリの図式的な側面図を示す。図42は、図41に対応する非アクティブ状態の保持機構の上面図を示す。図43は、リフト・システム及び保持機構の両方がアクティブ状態である、カム・アセンブリの図式的な側面図を示す。図44は、アクティブ状態の保持機構の対応する上面図を示す。図45は、リフト・システムは非アクティブ状態だが、保持機構はアクティブ状態のままであるカム・アセンブリの図式的な側面図を示す。図46は、アクティブ状態の保持機構の対応する上面図を示す。図47及び図48は、保持機構の幾何学的態様を示す。
【0066】
図39から図48の実施例の保持機構は、4バー・リンケージ・カム・システム50、52を棒の移動機能及び保持機能の間は係合位置に維持し、その後に非アクティブ化されると、スクラム機能を与える。また、この保持機構は、ラッチを係合位置に保持するために必要なカム棒保持力の大部分を構造的に内部化するとともに、残余の保持力を最小化するための機械的利点を活用している。これにより、構造的に効率的なユニットが実現される。
【0067】
図39及び図40は、両方とも非アクティブ化状態にある保持機構(及び図39の関連するリフト・システム)を示す。保持機構は、回転保持棒310と、保持ソレノイド312と(ソレノイド312のハウジングは可視的)と、保持ソレノイド・プランジャ314と、保持棒ローラ316を備えるとともに、カム棒アセンブリの天板又は底板308に位置する。図39及び図40は、開始時に非アクティブ状態である保持機構を示す。開始前は、電動ソレノイド又は流圧シリンダ300と、リフト・プランジャ又はピストン302とを備えるリフト・システム(電動ソレノイド又は流体圧式)もまた、非アクティブ状態である。したがって、ラッチは4バー・カム・システム50、52により係合されておらず、接続棒及び取り付けられた制御棒を完全に挿入された位置へ置く。図40の上面図から最もよく理解できるように、4バー・リンケージ50、52のアンラッチ状態では、カム棒50はその外側位置(すなわち、ラッチから外方に離れる方へ移動する)にある。底板308は、その水平位置の内側(すなわち、内部に移動した)と外側(すなわち、外部へ移動した)との間でのカム棒50の上端部の移動を収容するスロットを備えることにも留意されたい。
【0068】
図41及び図42を参照すると、リフト・システム(図41に示す)がアクティブ化すると、リフト・プランジャ又はピストン302が、カム棒リフト・ローラ304と接触してカム棒50をラッチ係合位置に引き上げる。リフト機構の当初の係合では、保持機構は、図41及び図42に示すように、依然として非アクティブ状態である。リフト・システムのアクティブ化により、ラッチは、完全に挿入された位置で、取り付けられた制御棒に支持される接続棒に係合する。図42において最もよく理解できるように、カム棒50が上昇すると、4バー・リンケージの作用により、カム棒50をその内方位置へ移動させる。そして、この内方への移動が、ラッチを係合させる。このことは、図2から図6の実施例を参照しつつ、より詳細に記述される。
【0069】
図43及び図44を参照すると、リフト・システムのアクティブ化に続いて、保持機構の保持ソレノイド312がアクティブ化される。その結果、ソレノイド・プランジャ314が延び、これによって、保持棒310が保持棒310の底板308とのピボット係合318の周りを回動する。ソレノイド・プランジャ314が完全に延びると、保持棒ローラ316がカム棒50の上部極限(すなわち、上端部)の後ろの位置へと回動し(再度、カム棒50の上端部は底板308内でスロットを通って突出していることに留意されたい)、その保持能力において機能する。保持ソレノイド312は、底板308上にソレノイド312を固定するポスト取付部320の周りを回旋自由であることに留意されたい。また、ソレノイド・プランジャ314は、保持棒310にピン接続されていて、動作上の回動自在性があることにも留意されたい。全ての関連するコンポーネントの運動の現段階での相対的な向きは、図43及び図44に示される。
【0070】
図45及び図46を参照すると、保持機構がアクティブ化した状態では、リフト・システムは非アクティブ化し得る。その後、保持システムはラッチ係合を維持する。リフト・システムが非アクティブ化されると、リフト・プランジャ又はピストン302は解放され、したがって、もはやカム棒50(の底面)を支持しない。この個所では、カム棒50は、保持機構のみによって係合位置に保持される。4バー・カム・システム50、52は、保持機構によって接続棒の長期保持のために保持される。
【0071】
図47を参照すると、保持棒310の回動の中心と、カム棒50(の上端部)と保持棒ローラ316との間の接触力の作用線と、の間に偏心Econtactが存在する。この偏心Econtactの存在により、保持ソレノイド312により加えられた力が取り除かれたとき、保持棒310上で力−モーメントの不均衡が生じる。保持ソレノイド312の電力損失時のこのモーメント不均衡は、保持棒310と取り付けられたローラ316を急速に回動させ、カム棒50と非接触状態にする駆動機構である。その結果、スクラム(接続棒の急速な開放)が生じる。カム・バー50の接触面での保持棒ローラ316のスムーズな転がり作用を生成するために、接触面は回動−接触点の曲線の形状をとる。
【0072】
引き続き図47を参照しつつ、さらに図48を参照すると、保持機構の望ましい下降電力消費は、このユニットの顕著な機械的利点の産物である。図47及び図48に示すように、保持ソレノイド・プランジャ314の保持棒310の旋回中心に対するモーメント・アームEplungerは、保持棒ローラ316でのカム棒50の接触力のモーメント・アームよりも非常に大きい。したがって、保持ソレノイド312が必要とする力は、接続棒負荷を支持するために必要なラッチ−カム棒間接触力よりも非常に小さい。さらなる有利な点として、保持棒310を介して反作用された同等且つ反対の力としてのカム棒保持力の大部分を内部化することにより、保持機構の他の部分を介した力の反作用が除去される。その結果、構造的に効率的なユニットが実現される。
【0073】
上述の通り、図39から図48を参照しつつ記述される保持機構は、ラッチのアクティブ化と長期保持/移動機能とを分離している。その結果、動作電源要件が軽減される。棒の移動機能及び保持機能の間、保持機構は4バー・リンケージ・カム・システムを係合位置に維持するとともに、その後、非アクティブになると、スクラム機能を与える。また、この機構は、ラッチを係合位置に保持するために必要なカム棒保持力の大部分を構造的に内部化し、且つ、残余の保持力を最小化するための機械的利点を利用する。その結果、構造的に効率的なユニットが実現される。
【0074】
図49から図52を参照すると、CRDMの別の保持機構の実施例が示される。この実施例は、図3から図6の実施例と組み合わせて、又は図7から図18の実施例の保持機構150と代替的に用いられてもよい。図49は、カム棒を引き上げるための垂直リンケージ係合を備えた保持機構を含むCRDMの頂部領域の等角図を示す。図50は、カム棒を落下させるために係合が外れた垂直リンケージを備える、対応する等角図を示す。図51は、図49の係合時の図に対応するが、部分断面図を含む。同様に、図52は、図50の非係合時の図に対応するが、部分断面図を含む。
【0075】
図49から図52のラッチ保持機構は、図7から図18のカム棒160(図示する通り。又は、代替的には、図2から図6のカム棒50)(の上端部)の間に配置されたハンガー342に接続された垂直リンク340を備えるとともに、(図49及び図51の係合位置において)電磁石344により係合位置に保持される、垂直リンケージ・システムを利用する。カム棒160が分離されたラッチ係合機構(例えば、図3から図6の実施例、又は図7から図18の実施例に示すように)により係合位置へ移動されると、これによりハンガー342が上方へ移動し、さらにこれにより、次には垂直リンク340が、水平な駆動部材348が電磁石344と接近する位置へ引き上げられる。電磁石344は、通電されると、水平な駆動部材348に埋め込まれた磁石を吸引し、保持する(代替的には、水平な部材348は、鉄鋼又は他の磁石を含まない強磁性材料でなるものでもよい)。制約された垂直リンク340は、ハンガー342を、そしてひいてはカム棒160を係合位置に保持し、これによってラッチ係合を維持する。
【0076】
電磁石344への通電が遮断されると、電磁石344と水平な駆動部材348との間の吸引力が切断される。これにより、図50及び図52に示すように、垂直リンク340は、落下して係合が外れる。移動アセンブリの重量は、スクラムのためにラッチの係合を外し、カム棒160を離れるように移動させるのに十分な大きさである。この作用の間、リンケージ・システムは、邪魔にならないように自由に下方に移動する。
【0077】
要約すると、図49及び図50は、それぞれ、係合状態及び非係合状態について約45°の角度で見たときのCRDMの頂部領域の等角図を示す。図49は、電磁石344により保持されるか、電磁石の通電前に外部手段により係合しているかの、完全な係合(完全に上昇した)位置にある垂直リンケージ・システムを示す。スクラム・モードについては、図50に示すように、リンケージ・システムは、ラッチが接続棒及び制御棒アセンブリを完全に解放するよう完全に下降する。
【0078】
図51及び図52は、それぞれ、係合状態及び非係合状態についてCRDMの頂部領域の等角破断図を示す。図51は、電磁石344により保持されるか、電磁石344の通電前に外部手段により係合しているかの、完全な係合(完全に上昇した)位置にある垂直リンケージ・システムを示す。図52は、完全に下降した(スクラム)位置にあるリンケージ・システムを示す。
【0079】
例示的な実施例では、完全な係合位置(図49及び図51)での垂直リンク340の最小角度は、スクラム信頼性マージンを確保すると見込まれる約10°に設定される。非係合位置(図50及び図52)では、例示的な実施例においては、垂直リンク340は約40°の最小角まで折れている。
【0080】
図49から図52を参照しつつ記述されるラッチ保持機構は、リンケージ・システムの構成による機械的利点を提供する。これは、水平な駆動部材348と比較した、垂直リンク340の長さの相対位置と寸法とによる。加えて、水平なアーム348に埋め込まれた永久磁石は、追加的な保持力を提供する。この開示された垂直リンケージ・システムの真実の機械的利点は、計算上では、最小リンク角度で2.9:1である。しかし、リンク・アセンブリ毎の想定される永久磁石力が追加されるとき、効果的機械的利点はより高く、4.0:1により近いと見込まれる。この機械的利点のため、電磁石が必要とする必要保持力は減少する。これにより、電磁石が小型化、単純化するだけなく、動作に必要な電力を減少させられる。
【0081】
好適な実施例を含む例示的な実施例を説明してきた。本発明及び方法の適用及び原則を示すために、特定の実施例が示され、詳細に説明されてきたが、本発明をこれらに限定することは意図されておらず、また、本発明は、かかる原則から逸脱することなく他の方法で実施され得ることは当然である。本発明のある実施例では、本発明のある特徴は、他の特徴を対応して使用することなく、その利益を与えるように使用される場合がある。したがって、このような全ての変更及び実施例は、以下の請求項の範囲内に適切に該当する。上記の詳細な記述を読み、理解すれば、他の者に変更や修正が生じるのは明らかである。本開示は、そのような変更や修正が、添付の請求項及びその同等物の範囲内にある限りにおいて、含まれるものと解釈されることを意図している。
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図17
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図1
図2
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
【国際調査報告】