特表2016-511640(P2016-511640A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-511640(P2016-511640A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(54)【発明の名称】吸入装置および吸入装置の部品
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20160328BHJP
【FI】
   A24F47/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-559559(P2015-559559)
(86)(22)【出願日】2014年2月24日
(85)【翻訳文提出日】2015年10月2日
(86)【国際出願番号】GB2014050544
(87)【国際公開番号】WO2014132044
(87)【国際公開日】20140904
(31)【優先権主張番号】1303437.6
(32)【優先日】2013年2月27日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】サットン、ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】カーン=ダル、ラビア
(72)【発明者】
【氏名】クレメント、カール
(72)【発明者】
【氏名】スミス、サイモン ジェームズ
(57)【要約】
吸入装置用の部品であり、この部品は吸入装置の胴体に接続するための第1端部および第2端部を有する。経路が吸入剤が流れるように第1端部から第2端部へと該部品内を延びている。第1端部は、盲空洞を含み、これは経路とは別個であり、感覚刺激性材を含む。また吸入装置のこのような部品に接続される第1端部および吸入剤発生部品を収容するように構成された第2端部を有する吸入装置も開示されている。導管が第1および第2端部の間で胴体内を延びている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入装置の部品であって、この部品は吸入装置の胴体に接続するための第1端部および第2端部と、第1端部から第2端部へと該部品内を延びた吸入剤が流れる経路とを含み、第1端部は盲空洞を含み、これは経路とは別個であり、感覚刺激性材を含む部品。
【請求項2】
感覚刺激性材はその中に形成された少なくとも1つの開口した空洞を含むことを特徴とする請求項1記載の部品。
【請求項3】
カムピンが第1端部に近い部品の内壁から内方に延びて、吸入装置の胴体の対応するカム溝に位置し、部品を吸入装置に接続することを特徴とする請求項1または2記載の部品。
【請求項4】
前記感覚刺激性材が前記部品の盲空洞内のケーシング内に設けられることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の部品。
【請求項5】
前記感覚刺激性材が前記部品から取り外して、別の感覚刺激性材と交換できることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の部品。
【請求項6】
使用する前に周囲の雰囲気から前記感覚刺激性材を密閉するために盲空洞全体に貼られる取り外し自在のカバーを含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の部品。
【請求項7】
吸入装置の別の部品を収容するように構成された第1端部および吸入剤発生部品を収容するように構成された第2端部を有する胴体と、第1および第2端部の間で胴体を通って延びる導管と、胴体の第1端部に接続される上述のような部品とを含む吸入装置。
【請求項8】
前記部品を胴体に対して第1の位置に位置させることができ、この第1の位置で導管が盲空洞を介して上記経路と流体連通して、吸入装置内に第1吸入剤流路を画定し、そこで感覚刺激性添加剤が吸入剤の流れに導入されることを特徴とする請求項7記載の吸入装置。
【請求項9】
前記第1吸入剤流路は感覚刺激性材の開口した空洞を通って延びていることを特徴とする請求項8記載の吸入装置。
【請求項10】
前記部品が胴体に対して第1の位置および第2の位置の間で可動であり、第2の位置で導管は経路と流体連通し、吸入装置内にする第2吸入剤流路を画定し、盲空洞は導管および経路から封止され、感覚刺激性添加剤が吸入剤の流れの中に導入されないようになっていることを特徴とする請求項8または9記載の吸入装置。
【請求項11】
前記第2吸入剤流路は感覚刺激性材を迂回することを特徴とする請求項10記載の吸入装置。
【請求項12】
第1吸入剤流路に沿って通過する吸入剤は、本発明の部品が第1の位置にあって吸入剤が盲空洞内を流れる際に感覚刺激性材の表面を掃くように通過することを特徴とする請求項8乃至11いずれか1項記載の吸入装置。
【請求項13】
前記部品は胴体に対して第1および第2の位置の間で回転可能であることを特徴とする請求項10乃至12いずれか1項記載の吸入装置。
【請求項14】
前記胴体の第1端部は、カム溝を含んでもよく、前記部品を第1および第2の位置の間で回転させるとこのカム溝に沿ってカムピンが移動することを特徴とする請求項3に従属する場合請求項13記載の吸入装置。
【請求項15】
前記カム溝は戻り止めを含み、この中にカムピンが位置して、第1および第2の位置の少なくとも1つにあるとき胴体に対する前記の部品の回転位置を安定させることを特徴とする請求項14記載の吸入装置。
【請求項16】
前記カム溝は、カムピンが戻り止めに位置するときの方がカムピンがカム溝の残りの部分に位置するときより本発明の部品が胴体ときつく係合させられるように構成されていることを特徴とする請求項15記載の吸入装置。
【請求項17】
前記胴体の第1端部は、その中を導管が延びる端面を含み、この端面はさらに凹部を含み、端面の凹部は、前記部品が第1の位置にあるとき、本発明の部品の経路によって部品の盲空洞と流体連通することを特徴とする請求項8または請求項8に従属する場合請求項9乃至16いずれか1項記載に吸入装置。
【請求項18】
前記胴体の第1端部は、その中を導管が延びる端面を含み、端面はさらに凹部を含み、前記部品の盲空洞は、前記部品が第1の位置にあるとき、端面の凹部によって導管と流体連通することを特徴とする請求項8または請求項8に従属する場合請求項9乃至17いずれか1項記載に吸入装置。
【請求項19】
前記導管は、前記部品が第1の位置にあるとき感覚刺激性材の少なくとも1つの開口した空洞を介して経路と流体連通することを特徴とする請求項8または請求項2および8に従属する場合請求項9乃至18いずれか1項記載に吸入装置。
【請求項20】
周囲空気を胴体内に選択的に引き込んで吸入剤の流れと混ざるように構成された換気調整機構をさらに含むことを特徴とする請求項8乃至19いずれか1項記載の吸入装置。
【請求項21】
前記換気調整機構による周囲空気の導入の調整は、吸入剤の流れへの感覚刺激性添加剤の選択的な導入とは独立して行われることを特徴とする請求項20記載の吸入装置。
【請求項22】
前記部品は吸入装置のマウスピースを含むことを特徴とする請求項1乃至21いずれか1項記載の吸入装置。
【請求項23】
吸入剤発生部品を収容するように構成された第1端部を有する胴体と、この胴体の反対の端部にあるマウスピースとを含み、胴体はロッドからマウスピースへの吸入剤の流れ経路を画定する経路と、ユーザーによる吸入の前に感覚刺激性添加剤を吸入剤に選択的に導入するように構成された吸入剤変性機構とを含み、この吸入剤変性機構は、少なくとも1つが感覚刺激性材で満たされている複数の開口部を有する調整部品と、遮断エレメントとを含み、この調整部品は、上記少なくとも1つの満たされている開口部を通過して気体が流れるようになっている第1の位置と、そのまたは各満たされた開口部が遮断エレメントによって閉じられ、気体がユーザーがマウスピースを通して吸い込んだとき残りの開口部を介して流れるだけにする第2の位置との間で可動である吸入装置。
【請求項24】
前記調整部品は吸入剤流れ経路が調整部品の開口部を通過するように経路に配されていることを特徴とする請求項23記載の吸入装置。
【請求項25】
前記調整部品は経路の外側に配置してもよく、胴体は周囲空気が胴体を通過するようにする換気穴を含んでもよく、吸入剤流れ経路は調整部品を迂回し、胴体内に引き込まれる周囲空気は調整部品の開口部を通過し、マウスピースの吸入剤と混ざることを特徴とする請求項23記載の吸入装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの開口部にある感覚刺激性材は、開口部の内壁にコーティングされ、これによりコーティングされた開口部を流れる気体が添加剤用の感覚刺激性材を掃き取るように流れ、気体流に同伴されることを特徴とする請求項23乃至25いずれか1項記載の吸入装置。
【請求項27】
経路と、この経路とは別個に第1端部に盲空洞とを含む部品と、
部品への接続のために構成された第1端部、吸入剤発生部品を収容するように構成された反対の端部を有する胴体を含み、この胴体はさらに第1および第2端部の間で胴体を通って延びた導管を含み、
胴体の第1端部は、封止面を含み、
前記部品は、胴体の封止面と接触している部品の第1端部によって胴体に回転自在に接続され、
胴体に対する部品の前記少なくとも1つの位置で盲空洞は胴体の封止面によって密閉式に閉じられる吸入装置。
【請求項28】
前記部品は、前記導管が盲空洞を介して経路と流体連通して、吸入装置の第1吸入剤流路を画定する第1の位置と導管が経路と流体連通し、喫煙装置の第2吸入剤流路を画定し、盲空洞が胴体の封止面によって密閉式に閉じられる第2の位置との間で胴体に対して回転可能であることを特徴とする請求項27記載の吸入装置。
【請求項29】
前記盲空洞は感覚刺激性材を含んでいることを特徴とする請求項28記載の吸入装置。
【請求項30】
請求項12乃至22いずれか1項で定義される請求項29記載の吸入装置。
【請求項31】
請求項1乃至6いずれか1項記載の複数の部品のパッケージ。
【請求項32】
密閉封止されていることを特徴とする請求項31記載のパッケージ。
【請求項33】
各部品が残りの部品から個別に密閉封止されていることを特徴とする請求項32記載のパッケージ。
【請求項34】
前記部品が吸入装置のマウスピースであることを特徴とする請求項31乃至33いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項35】
喫煙装置であり、この喫煙装置は、喫煙材ロッドを収容するように構成され、タバコロッドの燃焼によって装置を介して引き込まれる吸入剤として煙を発生させる請求項7乃至30いずれか1項記載の吸入装置。
【請求項36】
タバコを含む蒸気発生部品およびタバコを燃焼させずに加熱して装置を介して引き込まれる吸入剤蒸気を発生させる熱発生器を収容するように構成されていることを特徴とする請求項7乃至30いずれか1項記載の吸入装置。
【請求項37】
液体の容器を含む蒸気発生部品および吸入剤蒸気を発生させるために液体を加熱するための熱発生器を収容するように構成されていることを特徴とする請求項7乃至30いずれか1項記載の吸入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では吸入装置およびこのような装置の部品について説明されている。
【背景技術】
【0002】
吸入装置は知られており、電子紙巻きタバコなどのユーザーが吸入するための蒸気を発生させる装置および原料物質を加熱することによりユーザーが吸入するための蒸気またはエアロゾルを発生させるエアロゾル発生装置を含む種々の構造を含む。また紙巻きタバコを収容するように構成された胴体を含むシガレットホルダーも知られており、これを介して紙巻きタバコを吸ってもよい。このような装置は、風味剤を染みこませたフィルター材含んでもよく、このフィルターを介して引き込まれる気体、蒸気、エアロゾルまたは煙が風味を捕捉するようになっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書では吸入装置の部品のいくつかの実施態様について説明し、該部品は吸入装置の胴体に接続するための第1端部および第2端部と、第1端部から第2端部へと該部品内を延びた吸入剤が流れる経路とを含み、第1端部は盲空洞を含み、これは経路とは別個であり、感覚刺激性材を含む。
【0004】
感覚刺激性材はその中に形成された少なくとも1つの開口した空洞を含んでもよい。
【0005】
カムピンが第1端部に近い部品の内壁から内方に延びて、吸入装置の胴体の対応する カム溝に位置し、部品を吸入装置に接続してもよい。
【0006】
感覚刺激性材を本発明の部品の盲空洞内のケーシング内に設けてもよい。
【0007】
感覚刺激性材は本発明の部品から取り外して、別の感覚刺激性材と交換できるようにしてもよい。
【0008】
本発明部品は、使用する前に周囲の雰囲気から感覚刺激性材を密閉するために盲空洞全体に貼られる取り外し自在のカバーを含んでよい。
【0009】
本明細書では吸入装置のいくつかの実施態様についても説明され、この装置は、吸入装置の別の部品を収容するように構成された第1端部および吸入剤発生部品を収容するように構成された第2端部を有する胴体と、第1および第2端部の間で胴体を通って延びる導管と、胴体の第1端部に接続される上述のような部品とを含む。
【0010】
本発明の部品は、胴体に対して第1の位置に位置させてもよく、この第1の位置で導管が盲空洞を介して上記経路と流体連通して、吸入装置内に第1吸入剤流路を画定し、そこで感覚刺激性添加剤が吸入剤の流れに導入される。
【0011】
第1吸入剤流路は感覚刺激性材の開口した空洞を通って延びてもよい。
【0012】
本発明の部品は胴体に対して第1の位置および第2の位置の間で可動であってもよく、第2の位置で導管は経路と流体連通し、吸入装置内にする第2吸入剤流路を画定し、盲空洞は導管および経路から封止され、感覚刺激性添加剤が吸入剤の流れの中に導入されないようになっている。
【0013】
第2吸入剤流路は感覚刺激性材を迂回させてもよい。
【0014】
第1吸入剤流路に沿って通過する吸入剤は、本発明の部品が第1の位置にあって吸入剤が盲空洞内を流れる際に感覚刺激性材の表面を掃くように通過してもよい。
【0015】
本発明の部品は胴体に対して第1および第2の位置の間で回転可能であってもよい。
【0016】
胴体の第1端部は、カム溝を含んでもよく、本発明の部品を第1および第2の位置の間で回転させるとこのカム溝に沿ってカムピンが移動する。
【0017】
カム溝は戻り止めを含んでもよく、この中にカムピンが位置して、第1および第2の位置の少なくとも1つにあるとき胴体に対する本発明の部品の回転位置を安定させる。
【0018】
カム溝は、カムピンが戻り止めに位置するときの方がカムピンがカム溝の残りの部分に位置するときより本発明の部品が胴体ときつく係合させられるように構成してもよい。
【0019】
カム溝は、本発明の部品の第1および第2回転位置のそれぞれに対応した戻り止めを含んでもよい。
【0020】
カム溝は胴体の第1端部に開口して、本発明の部品を胴体に接続したり、外したりすることができるようにする部分を含んでもよい。
【0021】
胴体の第1端部は、その中を導管が延びる端面を含んでもよく、端面はさらに凹部を含んでもよく、端面の凹部は、本発明の部品が第1の位置のあるとき、本発明の部品の経路によって部品の盲空洞と流体連通する。
【0022】
胴体の第1端部は、導管が通って延びた端面を含んでもよく、端面はさらに凹部を含んでもよく、本発明の部品の盲空洞は、本発明の部品が第1の位置のあるとき、端面の凹部によって導管と流体連通する。
【0023】
導管は、本発明の部品が第1の位置にあるとき感覚刺激性材の少なくとも1つの開口した空洞を介して経路と流体連通してもよい。
【0024】
本発明吸入装置は、さらに長尺の胴体内に炭素系フィルターエレメントを含んでもよい。
【0025】
上記フィルターエレメントは、本発明の部品が第2の位置にあるとき感覚刺激性材から封止されてもよい。
【0026】
本発明の吸入装置は、選択的に周囲空気を胴体内に引き込んで吸入剤の流れと混ざるように構成された換気調整機構を含んでもよい。
【0027】
換気調整機構による周囲空気の導入の調整は、吸入剤の流れへの感覚刺激性添加剤の選択的な導入とは独立して行ってもよい。
【0028】
本発明部品は吸入装置のマウスピースを含んでもよい。
【0029】
本明細書では吸入装置のいくつかの実施態様についても説明され、該装置は、吸入剤発生部品を収容するように構成された第1端部を有する胴体と、胴体の反対の端部にあるマウスピースとを含み、胴体はロッドからマウスピースへの吸入剤の流れ経路を画定する経路と、ユーザーによる吸入の前に感覚刺激性添加剤を吸入剤に選択に導入するように構成された吸入剤変性機構とを含み、吸入剤変性機構は、少なくとも1つが感覚刺激性材で満たされている複数の開口部を有する調整部品と、遮断エレメントとを含み、この調整部品は、上記少なくとも1つの満たされている開口部を通過して気体が流れるようになっている第1の位置と、そのまたは各満たされた開口部が遮断エレメントによって閉じられ、気体がユーザーがマウスピースを通して吸い込んだとき残りの開口部を介して流れるだけにする第2の位置との間で可動である。
【0030】
調整部品は吸入剤流れ経路が調整部品の開口部を通過するように経路に配してもよい。
【0031】
調整部品は経路の外側に配置してもよく、胴体は周囲空気が胴体を通過するようにする換気穴を含んでもよく、吸入剤流れ経路は調整部品を迂回し、胴体内に引き込まれる周囲空気は調整部品の開口部を通過し、マウスピースの吸入剤と混ざる。
【0032】
少なくとも1つの開口部にある感覚刺激性材は、開口部の内壁にコーティングされてもよく、これによりコーティングされた開口部を流れる気体が添加剤用の感覚刺激性材を掃き取るように流れ、気体流に同伴される。
【0033】
本明細書では吸入装置のいくつかの実施態様について説明され、該装置は、1つの部品を含み、この部品はそれを通って延びた経路と、経路とは別個の部品の第1端部の盲空洞とを含み、さらに装置は、部品への接続のために構成された第1端部、吸入剤発生部品を収容するように構成された反対の端部を有する胴体を含み、この胴体はさらに第1および第2端部の間で胴体を通って延びた導管を含み、胴体の第1端部は、封止面を含み、該部品は、胴体の封止面と接触している部品の第1端部によって胴体に回転自在に接続され、胴体に対する部品の少なくとも1つの位置で盲空洞は胴体の封止面によって密閉式に閉じられる。
【0034】
上記部品は、導管が盲空洞を介して経路と流体連通して、喫煙装置の第1吸入剤流路を画定する第1の位置と導管が経路と流体連通し、喫煙装置の第2吸入剤流路を画定し、盲空洞が胴体の封止面によって密閉式に閉じられる第2の位置との間で胴体に対して回転可能であってもよい。
【0035】
盲空洞は感覚刺激性材を含んでもよい。
【0036】
本発明の吸入装置は上述した特徴のいずれかまたはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0037】
本明細書では複数の上述の部品のパッケージの実施態様についても説明されている。本発明のパッケージは、密閉封止されてもよく、各部品は残りの部品から個別に密閉封止されてもよい。これらの部品は、吸入装置のためのマウスピースであってもよい。
【0038】
本明細書では吸入装置の実施態様についても説明され、この装置は喫煙装置であり、喫煙装置は、喫煙材ロッドを収容するように構成され、タバコロッドの燃焼によって装置を介して引き込まれる吸入剤として煙を発生させる。
【0039】
また本明細書では吸入装置の実施態様についても説明され、この装置は、タバコを含む蒸気発生部品およびタバコを燃焼させずに加熱して装置を介して引き込まれる吸入剤蒸気を発生させる熱発生器を収容するように構成されている。
【0040】
また本明細書では吸入装置の実施態様が説明され、この装置は液体の容器を含む蒸気発生部品および吸入剤蒸気を発生させるために液体を加熱するための熱発生器を収容するように構成されている。
【0041】
上述の吸入装置は、上述した吸入剤発生部品と一体に形成してもよく、または吸入剤発生部品を取り外し自在に収容するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
吸入装置および吸入装置の部品の実施態様を添付図面を参照してあくまで例示的に説明する。
図1】第1の実施態様のマウスピースを含む吸入装置の斜視図である。
図2図1の吸入装置の分解斜視図である。
図3図1の吸入装置のマウスピースとコネクターの斜視図である。
図4図3のマウスピースとコネクターの分解斜視図である。
図5図1〜4のマウスピースの後方斜視図である。
図6図1および2の喫煙装置のコネクターの前方斜視図である。
図7図6のコネクターの後方斜視図である。
図8図3のマウスピースとコネクターのX-X線に沿った断面図である。
図9A】コネクターに固定される前のマウスピースを示している図1および2の吸入装置の斜視図である。
図9B】「風味付けOFF」の位置にあるマウスピースの斜視図である。
図9C】「風味付けON」の位置にあるマウスピースの斜視図である。
図10A】「風味付けOFF」の位置にあるマウスピースを有する図1および2の吸入装置の斜視図である。
図10B】「風味付けOFF」の位置にあるマウスピースを有する図1および2の吸入装置の端面図である。
図11A】「風味付けON」の位置にあるマウスピースを有する図1および2の吸入装置の斜視図である。
図11B】「風味付けON」の位置にあるマウスピースを有する図1および2の吸入装置の端面図である。
図12】流れ経路を例示する「風味付けON」の位置にあるコネクターおよびマウスピースの後方斜視図である。
図13】判りやすくするためにマウスピースを透明にして示し、流れ経路を例示する「風味付けON」の位置にあるコネクターおよびマウスピースの前方斜視図である。
図14】判りやすくするためにマウスピースを透明にして示し、流れ経路を例示する「風味付けON」の位置にあるコネクターおよびマウスピースの前面図である。
図15図1の吸入装置のコネクターのカム溝の略式二次元図である。
図16】マウスピースの感覚刺激性体の第1の構成を示す。
図17】マウスピースの感覚刺激性体の第2の構成を示す。
図18】「風味付けOFF」の位置にある第2の実施態様の吸入装置の調整機構の端面図である。
図19】「風味付けON」の位置にある図18の調整機構の端面図である。
図20図18および19の調整機構の部品の端面図である。
図21図19の調整機構の一部を破断して示した斜視図である。
図22図8に示したものと類似しているが第3の実施態様のマウスピースおよびコネクターの断面図である。
図23】第4の実施態様の吸入装置の斜視図である。
図24図23のY−Y線に沿った吸入装置の側部断面図である。
図25】第1の位置にある図23の吸入装置の一部の切り欠き図である。
図26】第2の位置にある図23の吸入装置の一部の切り欠き図である。
図27】第5の実施態様のコネクター、マウスピースおよび部品を含む吸入装置の一部の分解斜視図である。
図28図27のコネクター、部品およびマウスピースの側部断面図である。
図29】第6の実施態様の吸入装置の斜視図である。
図30図29の吸入装置の吸入剤発生ユニットの断面図である。
図31】第7の実施態様の吸入装置の斜視図である。
図32図31の吸入装置の吸入剤発生ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1〜15を参照すると、第1の実施態様のマウスピース12がこの第1の例示的実施態様においては喫煙装置10である吸入装置の一部として示されている。喫煙装置10は、コントローラー本体11およびマウスピース12を含む。コントローラー本体11内に可燃性タバコロッド13を挿入することができる。コントローラー本体11は、第1(吸い口)端部11aとこれに対向する第2(ロッド)端部11bを含む。第1および第2端部11a、11bは、開口しており、互いに流体連通している。コントローラー本体11は、第1端部11aにコネクター25を含み、マウスピース12はコネクター25に着脱自在に取り付け可能である。タバコロッド13は、コントローラー本体11の第2端部11bの開口部に収容される使い捨ての部品である。
【0044】
使用の際、タバコロッド13はコントローラー本体11の第2端部11b内に挿入され、着火される。ユーザーはマウスピース12を介して吸入し、タバコロッド13が燃焼するとタバコロッド13を通って、コントローラー本体11を介してマウスピース12から煙が吸い込まれる。ユーザーが喫煙を終えると、燃焼したタバコロッド13の残りの部分(燃えさし)は、廃棄され、新しいタバコロッド13が装置10を使用する度に挿入される。
【0045】
コントローラー本体11は、装置10の繰り返し使用される部品であり、複数のタバコロッド13の喫煙に使用することができる。またマウスピース12も繰り返し使用される部品であるが、必要に応じてコントローラー本体11から取り外して、新しいマウスピース12と交換することも可能である。
【0046】
コントローラー本体11は、ほぼ円筒状のハウジング14を含み、ハウジングはそれに回転式に取り付けられた換気調整スリーブ15を含む。円筒状ハウジング14は、第1部分14aと、第1部分14aの一端から延びた第1部分14aより小さい直径の第2部分14bを含む。第1部分14aは、円筒状ハウジング14の中心軸に対して直交する面に位置する環状壁16で第2の部分へと遷移する。喫煙されるタバコロッド13の一端は、タバコロッド13がコントローラー本体11内に完全に挿入されると、第2部分14bの貫通孔内で摩擦式嵌合によって保持される。
【0047】
調整リング17がハウジング14の第1部分14a内に回転式に取り付けられ、調整リング17の周囲の1つのセクションから軸方向に延びたプレート18を含む。プレート18は換気調整スリーブ15の側壁のプレートに対応して形成されたスロット15a内に収容され、換気調整スリーブ15を回転させると調整リング17が回転する。調整リング17は、ハウジング14の環状壁16の内側に当接するが、環状壁16から離れた円周の一部の周囲に厚みの小さいセクション19を含む。
【0048】
コイルバネ20が調整リング17と換気調整スリーブ15の内方リム15bの間で円筒状ハウジング14内に配置されている。バネ20は調整リング17をハウジング14の環状壁16に付勢する。
【0049】
円筒状ハウジング14の環状壁16は、複数の換気穴21を含む。換気溝22が円筒状ハウジング14の第2部分14bに形成され、換気穴21から第2部分14bの端部へと延びている。また円筒状ハウジング14は第1部分14aの外壁に形成された複数の空気取り込みスロット(図示せず)を含む。
【0050】
換気調整スリーブ15は、ハウジング14内でハウジング14の壁を通って延び、換気調整スリーブ15の円周の一部に形成されたスロット24内に位置する係止ピン23によって回転可能に取り付けられている。これにより換気調整スリーブ15は、スロット24の長さによって決まる移動範囲で回転することができる。スロット24は換気調整スリーブ15の回転位置を安定させるための戻り止め24aを含む。
【0051】
中空の円筒状コネクター25が円筒状ハウジング14の第2部分14bの周囲でコネクター25と円筒状ハウジング14の環状壁16の外側の間に配されたO−リングシール26によって固定されている。コネクター25は、円筒状ハウジング14の第2部分14bの周囲溝28に位置する一組の保持ピン27によって所定の位置に固定される。
【0052】
円筒状ハウジング14から離れている方のコネクター25の端部は、これより直径の小さい突出部分29を含み、これはその周囲面の1つのセクションの周囲に形成されたカム溝30を有する。マウスピース12は、マウスピース壁を通って延び、カム溝30に位置するカムピン31およびマウスピース壁を通って延び、カム溝30とは別個の突出部分29の溝33に位置する組み立てピン32によって突出部分29の周囲でコネクター25に接続されている。必要であれば、Oリング34をマウスピース12とコネクター25の間に配置してその間を気密密閉してもよいが、これは必須のものではないので、図3〜14では省略されている。マウスピース12は、図9Bおよび9Cに示すように風味付け「OFF」および「ON」の位置の間でコネクター25に対して回転可能である。回転の範囲は、マウスピース12が回転する際にカムピン31が移動するカム溝30の長さによって決まる。カム溝30を図15に略式に示し、これは「OFF」の位置である戻り止め30aおよび「ON」の位置である戻り止め30bを含み、これらは対応する風味付けON/OFF位置にコネクター25に対してマウスピース12の位置を安定させる。各戻り止め30a、30bは、突出部分29の端面29aからカム溝30の残りの部分より僅かに離れて配されており、マウスピース12は、ON/OFF位置の間で回転する際に、カムピン31が戻り止め30a、30bに位置するときにカムピン31がカム溝30の残りの部分に位置するときよりコネクター25にしっかりと嵌る。これによりON/OFF位置でマウスピース12およびコネクター25間でしっかりとした封止を行うことができる。また戻り止め30a、30bは、マウスピース12が正しく所望の位置に位置したという触覚的フィードバックをユーザーに提供する。またカム溝30は、コネクター25の突出部分29の隣接する端面29aに延びている入り口部分30cを含み、マウスピース12をコネクター25に取り付ける、およびコネクターから外す際にカムピン31の端部を受けるようになっている。
【0053】
コネクター25は中空であり、その中を煙が通過し、コネクター25を通る経路は、端面29aのその上部にある四分円状の開口部43に出口を有する。端面29aの下方部分は、半円形であり、コネクター25を通る経路から離れた凹部44を含む。凹部44は盲空洞であり、即ち底部が閉じており、端面29aのみで開口している。
【0054】
マウスピース12が図3〜5により具体的に示されており、ユーザーによって吸引される煙が通る第1開口端部35とコネクター25の突出部分29を収容する第2開口端部36とを含む。経路37が第1および第2開口端部35、36と連通している。経路37は第1開口端部35から第2開口端部36へと狭くなっており、第2開口端部36で経路38の開口部が半円形であり、マウスピース12の上方部分のみに配置されている。マウスピースの第2開口端部36は、経路37から離れた凹部38を含む。凹部38は盲空洞であり、即ち一端のみに開口部39を含み、反対側の端部は端壁40によって閉じられている。
【0055】
感覚刺激材体41が凹部38に配され、煙流が感覚刺激材体41上を通過すると、煙に風味を与える。感覚刺激材体41は、それを通る凹部42を含む。感覚刺激材体41は風味剤を含む材料マトリックス、例えばメンソール風味剤を染みこませたセルロースアセテートを含んでもよい。これとは別に感覚刺激材体41は風味剤または他の感覚刺激性化合物が染みこんだ別の固体材料を含んでもよい。染みこませた風味剤は、粒状材によって煙流、または感覚刺激材体41から蒸発するまたは浸出する気体に同伴させてもよい。
【0056】
使用の際、マウスピース12がコネクター25に完全に押し込まれ(図9A参照)、カムピン31がカム溝30の入り口部分30cに入る。マウスピース12をその後カムピンがOFFの戻り止め30aに位置するまで回転させる(図9B参照)。喫煙装置10の使用中、ユーザーは装置10を通過する煙流に風味剤を添加するか否かの選択肢を有する。マウスピース12がOFFの位置にあるとき、コネクター25の四分円の開口部43は、マウスピース12の半円状の第2開口部36と位置合わせされ(図10Aおよび10B参照)、煙流がコネクター25から真っ直ぐにマウスピース12の経路37を通って、風味剤を含む感覚刺激材体41と接触せずに通過し、第1開口端部35から出る第1煙流路を喫煙装置10内に画定する。
【0057】
もしユーザーが風味付けされた煙を味わいたいなら、マウスピースをONの位置に回転させる(図9C参照)。コネクター25の四分円の開口部43が風味剤を含む感覚刺激材体41の凹部42と部分的に重なる(図12参照)。さらにコネクター25の半円形の凹部44も風味剤を含む感覚刺激材体41の凹部42と部分的に重なり(図14参照)、マウスピース12の半円状の第2開口部36と部分的に重なる(図11および14参照)。ユーザーがマウスピース12を介して吸い込むと、煙が図9〜11の矢印Sで示す喫煙装置10内の第2の煙流路を介して引き込まれ、四分円の開口部43を介して刺激性材を含む感覚刺激材体41の凹部42内に移動し、その中で煙が渦巻き、感覚刺激材体41の表面を掃くように移動し、風味剤を捕捉する。煙流Sは凹部42を出て、コネクター25の半円形の凹部44内に入り、半円形の凹部44からマウスピース12の第2の開口部36内に入り、経路37を通過し、第1開口部35を通ってマウスピースから出る。
【0058】
感覚刺激材体41は、所定の数のタバコロッド13の喫煙に所望の風味を提供し、その後は廃棄され、交換される。これはマウスピース12と感覚刺激材体41を取り外し新鮮な感覚刺激材体41を有する新しいマウスピース12と交換することによって行ってもよい。これとは別に感覚刺激材体41をマウスピース12から取り外して、ユーザーが廃棄された感覚刺激材体41を同じマウスピース12で新鮮なもの代えてもよい。後者の実施態様では、感覚刺激材体41をマウスピース12から取り外して交換しやすくするためにスリーブまたは他の外方ケース(図示せず)内に設けてもよい。前者の実施態様では感覚刺激材体41を製造する工程としてマウスピースの凹部38で形成してもよく、凹部内に配置してもよく、交換用のマウスピース12に凹部38の開口部39を覆う密閉カバーを設けて、最初に使用する前に揮発性および/または芳香性化合物などのあらゆる感覚刺激性材が漏れないようにする。このようなカバーは、ユーザーが新しいマウスピース12をコネクター25に接続する前に開口部39上に接着された箔であってもよい。いずれの場合において、感覚刺激材体41またはマウスピース12のいずれの交換可能な部品は、喫煙装置10のコントローラー本体11とは別個に供給される複数の交換品用パッケージ、例えば各交換部品がそれ専用のポケットに封止されたマルチブリスターパックに入れて提供することも可能である。
【0059】
カム溝30の戻り止め30a、30bは、マウスピース12がONおよびOFFの位置にあるとき、マウスピース12とコネクター25の間で締まりばめされるように構成されている。OFFの位置にあるとき、これによりマウスピースの凹部38とコネクター25の突出部分29の端面29aの間で効果的に封止しやすくなり、揮発性および/または芳香性化合物などの感覚刺激性化合物の漏れを確実に防止する。
【0060】
換気調整スリーブ15は、ユーザーがマウスピース12を介して吸い込む際に煙流と混ざる喫煙装置10内に吸引される周囲空気の量を調整するように調節される。換気調整スリーブ15の第1の位置において、調整リング17はハウジング14の環状壁16の換気穴21を覆い、空気取り込みスロットを通ってハウジング14の第1部分14aに入った空気は、環状壁16を通過せず、煙流と混ざらない。調整リング17を環状壁16と接触するように付勢するバネ20が封止を確実に行う。
【0061】
第2の位置回転へと換気調整スリーブ15を回転させると、プレート18および調整リング17が移動し、薄くなっているセクション19が換気穴21の1つと合致し、換気穴21と調整リング17との間に隙間が設けられる。空気取り込みスロットを介してハウジング14の第1部分14aに入った空気は、その後1つの露出した換気穴21を介して環状壁16を通過し、対応する換気溝22に沿って通過し、混合チェンバーとしてのコネクター25内で煙流と混ざり、第1段階の煙の換気および希釈が行われる。
【0062】
さらに換気調整スリーブ15を第3の位置へと回転させると、プレート18および調整リング17がさらに移動して、薄くなっているセクション19がより多くの換気穴21と合致し、換気穴21と調整リングとの間にさらに隙間が設けられる。ハウジング14の第1部分14aからの空気は、その後複数の露出した換気穴21を介して環状壁16を通過し、対応する換気溝22に沿って通過し、コネクター25内で煙流と混ざり、煙をさらに換気、希釈する。
【0063】
当然のことながら上述の喫煙装置10では煙流内に導入される外部換気空気の度合いは、可変であり、これにより喫煙時の感覚的強度を変えることができる。いかなる場合でも煙流は、追加の換気空気を含んでいても含んでいなくても、ユーザーが煙の風味付けを選択した場合、感覚刺激材体41を通過する。また当然のことながら換気の調整は、感覚刺激材体41からの風味の付加の調整とは独立して行われる。これにより喫煙装置10による喫煙体験を非常に広範囲にユーザーが調整することが可能になる。
【0064】
図16はマウスピース12に使用可能な感覚刺激材体41の第1の別の構成を示し、これは並んで配置され、感覚刺激材体41の後部45の共通の空間に開口した2つの経路42a、42bを含む。この共通のスペースは、感覚刺激材体41内に形成してもよく(即ち2つの凹部がつながっている)または感覚刺激材体41は凹部38の端部壁40まで延びず、共通のスペースが凹部38の後方領域であってもよい。「ON」の位置にあるとき上述のようにマウスピース12と共に使用する際、煙流Sは上述したように四分円の開口部43から風味剤を含む感覚刺激材体41の第1キャビティー42aを通過し、共通のスペースを通って第2のキャビティー42bから出て、コネクター25の半円形の凹部44内に入り、マウスピース12の第2の開口部36を通ってマウスピースから出る。ここで煙は、それが第1および第2凹部42a、42bの内面を掃くように移動する際に風味剤を捕捉する。
【0065】
図17はマウスピース12と共に使用可能な感覚刺激性感覚刺激材体41の第2の別の構成を示し、これは単独の凹部42cを含むが、先に説明した第1の感覚刺激材体41の凹部42より大きい。この第2の別の構成の感覚刺激材体を含むマウスピース12は、最初に説明した構成のものと同じように機能するが、凹部42cの表面積が大きくなっているので、送出される風味剤の量も多くなる。
【0066】
上述のマウスピース12の実施態様は、マウスピース12をコネクター25に取り付けるためのカムピン31および組み立てピン32を含む。しかしながら、別の実施態様ではカムピンおよび組み立てピンの代わりにマウスピースの内壁に内方に突出する突起を含んでもよい。このような突起は、マウスピース12と一体に成形してもよく、コネクター25のカム溝30および溝33は、両方とも突出部分29の端面29aへと延びるセクションを含んでもよい。マウスピースは、差し込み式嵌合型の接続によってコネクター25に取り外されるようにしてもよく、ユーザーがより簡単に扱える。
【0067】
図18〜21を参照すると第2の実施態様の喫煙装置(図示せず)の風味剤送出調整機構111が示されている。このような機構は、先に説明した実施態様のコネクター25内に組み込むことができ、異なる構造であり、凹部38を有さず、単に管状のエレメントであるマウスピースに取り付けることができる。第1の実施態様の喫煙装置10の残りの特徴は、変わらないので、ここではその説明は繰り返さない。
【0068】
調整機構111は、中央チェンバー115を介して出口114と連通する入り口113を有するケーシング112を含む。出口114は、出口114の中央軸の周囲に配された複数の封鎖部分116を含み、これらの間に複数の経路117が画定される。図示の実施態様では3つの経路117を画定する3つの封鎖部分116があり、それぞれ円形の出口の扇形を形成している。しかしながらこの構成は、単なる例示であり、他の数の経路/封鎖部分をこれとは別に設けてもよい。
【0069】
アクチュエーター118がケーシング112に配されており、円筒状のバレル部119とこれから延びたレバー120を有する。レバーはケーシング112のスロット(図示せず)を通って延びている。アクチュエーター118は、スロットに沿ったレバー120の移動によってケーシング112内で回転可能である。バレル119は、出口114の封鎖部分116および経路117に対応して形成された複数の扇型の経路121を含む。図18〜21に示すアクチュエーター118は、6つの経路121を含むが、別の実施態様では出口114の構造に応じてそれより多くても少なくてもよい。アクチュエーター118の交互に配置された経路121aは、その内側の面に刺激性材料122を含み、残りの経路121bは、そのような材料を全く含まない。レバー120が図18に示すように「OFF」の位置にあるとき、刺激性材がコーティングされた経路121aは封鎖部分116と位置合わせされ、刺激性材がコーティングされてない経路121bは出口114の経路117と位置合わせされる。従って、入り口113から出口114へと調整機構を通る流体経路だけが刺激性材料がコーティングされてない経路121bを通る。反対にレバー120が図19に示すように「ON」の位置にあるとき、刺激性材料がコーティングされた経路121aは、出口114の経路117と位置合わせされ、刺激性材料がコーティングされてない経路121bは封鎖部分116と位置合わせされる。従って、ONの位置では、入り口113から出口114へと調整機構を通る流体経路だけが刺激性材料がコーティングされた経路121aを通る。
【0070】
使用の際、喫煙装置110のユーザーは、ONとOFFの位置の間でレバー120を移動させることによって風味付けされていない煙または風味付けされた煙を選択することができる。OFFの位置では煙流は感覚刺激性材料と接触せずにバレル119の経路121bを通過する。しかしながら、ONの位置では煙流は感覚刺激性材コーティングを含むバレル119の経路121aを通過し、よって煙流が刺激性材料122上を通過すると風味剤が煙流によって捕捉される。
【0071】
第2の実施態様のねじれ風味調整機構111は、所定の数のタバコロッド13を喫煙した後または風味の供給が減少した後交換してもよい。交換はハウジング14のコネクター25を交換することによって行ってもよい。別の構造の喫煙装置では調整機構111をコネクターではなく、マウスピースに設けてもよく、従って風味調整機構の交換は、上述したようにマウスピースを交換することによって行ってもよい。このような別の実施態様ではコネクターは上述の四分円として形成された流れ経路を必要としなくなり、単に中央の環状開口部を含むだけでよい。
【0072】
第3の実施態様の喫煙装置210のマウスピース12およびコネクター25を図22に示しているが、第1の実施態様のマウスピース12および喫煙装置10と類似しており、同様の特徴を有するものには同じ参照符号を付してある。第1および第3の実施態様の違いの1つは、第3の実施態様のコネクター25が炭素系材料を含むパッド状のフィルターエレメント211をさらに含んでいるということであり、このフィルターエレメントは、コネクター25の本体に四分円の開口部43への入り口とハウジング14の第2部分14bの端部との間に配されている。第3の実施態様の喫煙装置210は、上述の第1の実施態様と同じように使用されるが、煙流はハウジング14からマウスピース12内に移動する際にフィルターエレメント211を通過する。フィルターエレメント211の炭素材料は、煙流がマウスピース12に到達する前に煙流の物質をろ過する。風味付けOFFの位置にあるときにコネクター25に対して効果的な密閉を行うマウスピースの上述の技術的利点は、ここでも重要であり、フィルターエレメント211および刺激性材を含む感覚刺激材体41は、互いに対して封止され、感覚刺激性材または揮発性/芳香性成分が炭素によって吸着されるのを防ぎ、従って無駄を防ぎ、感覚刺激性体の寿命が短くならず、および/または炭素系フィルターエレメント211の有効性の減少を妨げるようになっている。
【0073】
図23〜26は第4の実施態様の喫煙装置310を示し、これは上述のような可燃性タバコロッド13を収容するように構成されたコントローラー本体311を含む。コントローラー本体311は、ハウジング314とそのタバコロッド13の端部と反対の端部に取り付けられたマウスピース312とを含む。ハウジング314は、ハウジング314内でスライド可能であり、タバコロッド13の端部を収容するように構成されている保持管316を含む。保持管316は、ハウジング314の開口部318に収まる歯止め317を含む。押しボタン319がハウジングに開口部318を覆うように設けられており、歯止め317を押して開口部318の縁部との係合を外して、保持管316がハウジング314内でスライドできるようにする。バネ320がハウジング内に保持管316の第1端部と接して配置されており、保持管316をハウジング314から外れる方向に付勢する。歯止め317がバネ320の力に抗してハウジング内の格納位置に保持管316を保持するように構成されている。
【0074】
ダクト321が保持管316の第1端部から延びており、保持管が格納位置にあるとき、ハウジング314のダクト322に接合する(図24参照)。
【0075】
風味調整カートリッジ323がマウスピース312およびハウジング314の端部内に設けられており、中央導管324と、この外側を回転可能なカラー325とを含む。導管324はハウジング314のダクト322に流体接合されており、これにより保持管316のダクト321に接合されている。カラー325がその軸方向に延びた複数の経路326を含む。遮断プレート327が導管324の外周囲の一部の周りに設けられており、経路326の1つが遮断プレート327と位置合わせされると、それを通る流路を遮断するように構成されている。
【0076】
アクチュエーターボタン328がマウスピース312の側壁のスロット329を通ってカラー325の外面から突出しており、カラー325がスロット329に沿ってアクチュエーターボタン328をスライドさせることによって第1の位置および第2の位置の間でマウスピース312内で回転させることができる。マウスピース312の外壁は、換気穴330を含み、これを通って周囲空気がマウスピース312の風味調整カートリッジ323のカラー325の後の導管324の外周囲の領域内を通過することができる。
【0077】
経路326aの1つの内壁は、風味剤化合物を含む感覚刺激性材331でコーティングしてもよく、これにより空気がコーティングされた経路326aを流れると、空気流が感覚刺激性材331上を掃くように移動するので、風味が空気流に付与される。カラー325が図25に示すように第1の位置にあるとき、感覚刺激性材331がコーティングされた経路326aは、遮断プレート327の後に位置するので、空気流はコーティングされた経路326aを通らない。カラー325が図26に示すように第2の位置にあるとき、コーティングされた経路326aは、遮断プレート327から離れるように回転させられるので、そこを空気が流れる。
【0078】
ユーザーがカラー325が第1の位置にある喫煙装置310を使用してタバコロッド13を喫煙する場合、ユーザーがマウスピース312から吸い込むと、煙は図25の矢印Sで示すようにタバコロッド13、保持管316のダクト321、ハウジング314のダクト322およびマウスピース312の導管324を介して引き込まれる。同時に周囲空気が図25の矢印Vで示すように換気穴330、カラー325の経路326を通ってマウスピース312内に引き込まれ、そこで換気空気Vが煙流Sと混ざる。コーティングされた経路326aが遮断プレート327と位置合わせされると、換気空気流はその経路を通過できず、風味が換気空気流に付与されない。しかしながら、カラー325を第2の位置に移動すると、煙は上述したようにマウスピース312内を図26の矢印Sで示すように吸引されるが、換気穴330を介して引き込まれる周囲空気は、コーティングされた経路326aは遮断プレート327との位置合わせから外れているので、コーティングされた経路326aを通過することができ、従って換気空気流Vは、コーティングされた経路326aを通過し、図26の矢印Fで示すように空気流が感覚刺激性材331上を掃くように移動すると、風味が換気空気流に付与される。その後、風味付けされた空気流Fおよび煙流Sはマウスピース312内で混ざる。
【0079】
第4の実施態様の喫煙装置310の構造は、煙流Sおよび換気空気流V、Fが別々に維持され、ユーザーの口に到達する直前にマウスピース312の最終部分でのみ混ざるようになっている。さらに煙流Sを迂回する換気空気Vだけが感覚刺激性材331と接し、従って換気および風味調整機構の種々の調整面は煙流Sと接触しない。この構成により換気/風味調整表面に煙流からの沈着物が堆積しなくなり、衛生面からも有利であり、機構の寿命も長くなる。
【0080】
第4の実施態様の喫煙装置310をカラー325を含み、1つのコーティングされた経路326aを有すると説明したが、この構造の変形例も想定され、カラー325は複数のコーティングされた経路326aを含んでもよい。このような変型例では風味調整カートリッジ323は、これに対応する複数の遮断プレート327を含み、全てのコーティング経路326aは、カラーの第1の位置で遮断され、カラーの第2の位置で露出し、換気空気流を通過させる。このような構造は、図18〜21に示した第2の実施態様の風味調整機構111と類似してもよい。
【0081】
さらにユーザーが換気空気が煙流と混合されることを選択したり、換気空気が風味付けされるまたはされないことを選択するようにできる換気穴330を選択的に開閉する機構を含む第4の実施態様の喫煙装置310の別の変型例も想定される。
【0082】
図27および28は第5の実施態様の喫煙装置のコネクター25、マウスピース412および部品411を示している。第5の実施態様の喫煙装置は、図1〜15に示した第1の実施態様の喫煙装置と第1部分が類似しており、図27および28に示す中空の円筒状コネクター25などの同様の特徴を有するものには同じ参照符号を付してある。従って、同じ部品についての詳細な説明はここでは繰り返さず、その後の図面にも再度図示しない。
【0083】
第5の実施態様の喫煙装置と第1の実施態様の喫煙装置との違いの1つは、第5の実施態様のマウスピース412が先細の直径を有する簡単な中空の管であり、コネクター25に直接接続されてなく、第5の実施態様のマウスピース412が盲空洞を含まず、感覚刺激性材を含まないということである。
【0084】
中間部品411が第1の実施態様のマウスピース12がコネクター25に接続されているのと同じようにカム溝30内に位置するカムピン31によって突出部分29の周囲でコネクター25に接続されており、部品411が同じように風味付け「OFF」と「ON」の位置の間でコネクター25に対して回転可能である。従って、第1の実施態様のマウスピース12と同じように感覚刺激性/風味添加剤を煙流に供給するのはこの部品411である。第5の実施態様のコネクター25の部品411の回転操作は、安定した回転位置を供するカム溝の戻り止めを含む第1の実施態様のマウスピース12と同じであり、これによりON/OFF位置において部品411およびコネクター25間で確実に効果的な封止が行われ、ユーザーに触覚的フィードバックを提供する。
【0085】
部品411はマウスピース412に接続され、ユーザーによって吸引される煙が通る第1開口端部413とコネクター25の突出部分29を収容する第2開口端部414とを含む。経路415は第1および第2開口端部413、414を連通している。経路415の開口部は、第2の開口端部414で半円形であり、部品411の上方部分のみに配置されている。第2の開口端部414は、経路415から離れて、端壁417によって閉じられた盲空洞の形状の凹部416を含む。
【0086】
感覚刺激材体418が凹部416に配され、煙流が感覚刺激材体41を通過する際に煙に風味を与える。感覚刺激材体418はその中を延びたキャビティー419を含む。
【0087】
第5の実施態様の喫煙装置の使用の際、ユーザーは風味剤を装置を通過する煙流するか否かの選択肢を有する。これは、マウスピース12をコネクター25に対して回転させる代わりに部品411をコネクター25に対して回転させることを除いて第1の実施態様と同じように調節される。従って、操作の様式および流体流経路についての詳細な説明は省略する。
【0088】
所定の数のタバコロッド13を喫煙した後に廃棄される際の感覚刺激性材を含む感覚刺激材体418の交換は、部品411を外して、新鮮な感覚刺激性材を含む感覚刺激材体418を有する新しい部品411と交換することによって行われる。これとは別に感覚刺激性材を含む感覚刺激材体418を部品411から取り外して、新鮮なものと交換してもよい。
【0089】
マウスピース412は、ユーザーが望む場合、部品411と一緒にまたはこれとは別個に交換してもよい。これとは別にマウスピース412は、胴体11と共に保持される喫煙装置の長期に使用される高級な部品であってもよく、中間部品411だけが定期的に交換される。マウスピース412は、図27および28に示すように部品411に摩擦式に嵌めてもよく、部品411とコネクター25との間にカムピン/溝の構成を設けてもよい。
【0090】
上述の実施態様は、喫煙装置である吸入装置を含み、その吸入剤は装置の胴体内に挿入された燃焼性喫煙材ロッドから発生した煙を含む。しかしながら、本発明は喫煙装置に限定されるものではなく、ユーザーによる吸引のための気体、蒸気またはエアロゾルなどの吸入剤を発生させる電子紙巻きタバコまたは他の装置などの蒸気発生装置のような他の種類の吸入装置であってもよい。このような装置は、タバコを燃焼させずに熱源によってタバコを加熱し、ユーザーによる吸引のための蒸気をタバコから発生させる。このような熱源は、電気加熱エレメントまたは別の手段による熱であってもよい。これとは別にこのような装置は、容器に蓄えられたニコチン液などの液体を加熱して、気体または蒸気の状態の吸入剤を発生させるものでもよい。
【0091】
タバコを燃焼させずに操作する吸入装置501の第6の実施態様を図29および30に示すが、これは図1〜15の第1の実施態様と類似している。換気および風味調整を供するように機能するコントローラー本体11およびマウスピース12は同じなので、その説明はここでは省略する。しかしながら、第6の実施態様501と第1の実施態様には第6の実施態様の装置501が燃焼性タバコロッドを収容するように構成されてなく、吸入装置を介して引き込まれるタバコロッドの燃焼による煙用に設計されていないという違いがある。その代わりに第6の実施態様501は、タバコを熱源によって加熱して、装置を介して引き込まれ、ユーザーによって吸い込まれる蒸気相にタバコの構成物質を放出させる装置である。蒸気発生ユニット502が胴体11の第2端部11bに接続されており、タバコ505を含むチェンバー504を有する円筒状部品503と、チェンバー504を囲み、チェンバー504内のタバコ505を加熱するように構成された電気加熱エレメント506とを含む。バッテリー507などの電源が部品503の一端に設けられており、電力を加熱エレメント506に供給し、部品503の残りの部分から取り外して別に充電してもよい。
【0092】
入り口オリフィス508が部品503の一端に設けられており、これはチェンバー504と連通して空気をチェンバー504内に引き込ませている。部品503の反対の端部は、胴体11の第2端部11b内に収容され、保持されるように構成された接続部509を含む。チェンバー504は接続部509で開口しており、蒸気発生ユニット502が胴体11に接続されているとき、入り口オリフィス508からマウスピース12へと吸入装置501を通る気体流路を画定する。従って空気は、ユーザーがマウスピース12で吸い込むと、入り口オリフィス508を介してチェンバー504内にそして胴体11およびマウスピース12へと引き込まれる。
【0093】
圧力センサー510がオリフィス508に設けられており、空気がチェンバー504内に引き込まれているのを検知し、ユニット502は、空気がチェンバー504内に引き込まれている間、減圧がセンサー510によって検知されると加熱エレメント506に電気が送られるように構成されている。プロセッサー(図示せず)を部品503に設けて圧力センサー510からの信号に応答して加熱エレメント506の作動を制御してもよい。
【0094】
使用の際、ユーザーはマウスピース12を介して吸い込み、入り口オリフィス508を介してチェンバー504内に空気が引き込まれる。センサー510は、入り口オリフィス508で減圧を検知し、加熱エレメント506に電気が供給され、タバコ505を加熱し、タバコ505から蒸気相生成物を放出させる。放出された蒸気は、その後チェンバー504を出て接続部509、胴体11およびマウスピース12を通ってユーザーによって吸入される。ユーザーがマウスピースを介した吸い込みを止めると、周囲圧力に戻ったことがセンサー510によって検知され、加熱エレメント506への電気の供給が停止し、次にユーザーがマウスピースで吸い込みを行うまで、タバコの加熱は行われない。
【0095】
ユーザーが第6の実施態様の吸入装置501を使用する際、ユーザーはマウスピース12を回転することによって上述の追加の風味付けのオンオフを選択し、また上述したように必要に応じて換気調整スリーブ15を回転させて蒸気流内への外部環境からの換気空気を取り込む度合いを変化させて蒸気流を希釈および/または冷却してもよい。
【0096】
蒸気発生ユニット502のタバコ源505を使い切ると、ユニット502を上述の取り出し機構によって胴体から取り外してもよく、または単純に胴体から引き抜いて、新しいユニットと交換してもよい。蒸気発生ユニット502の部品503部分は、バッテリー507の交換とは別にタバコ505で完全に満たされた新しいチェンバー504を有する新しい部品503と交換してもよい。
【0097】
タバコを燃焼させずに操作する第7の実施態様の吸入装置601を図31および32に示すが、図29および30に示した第6の実施態様と類似している。同様の特徴を有するものには同じ参照符号を付してあり、それについての詳細な説明はここでは省略する。第6の実施態様と同じように第7の実施態様は、燃焼性タバコロッドを収容するように構成されてなく、吸入装置を介して引き込まれるタバコロッドの燃焼による煙用ではない。しかしながら、第7の実施態様601と第6の実施態様には第7の実施態様の装置601が胴体11の第2端部11bに接続されている蒸気発生ユニット602の構成が異なるという違いがある。ここで、蒸気発生ユニット602は、ニコチン液を含むチェンバー604およびチェンバー604を囲み、チェンバー内の溶液を加熱してニコチンを含む蒸気を発生させるように構成された電気加熱エレメント606を有する円筒状部品603を含む。バッテリー607などの電源が部品603の一端に設けられており、電力を加熱エレメント606に供給し、部品603の残りの部分から取り外して別に充電してもよい。
【0098】
入り口オリフィス608が部品603の一端に設けられており、これはチェンバー604と連通して空気がチェンバー604内に引き込まれるようにする。入り口オリフィス608は片道バルブ610を含んでもよい。部品603の反対の端部は、胴体11の第2端部11b内に収容され、保持されるように構成された接続部609を含む。接続部609は開口端部を含み、発生した蒸気がチェンバー604を通過するようにチェンバーは片道バルブ611を含んでもよい。これにより蒸気発生ユニット602が胴体11に接続されると、気体の流路が入り口オリフィス608からマウスピース12へと吸入装置601を通って画定される。従って、ユーザーがマウスピース12を通して吸い込むと、空気が入り口オリフィス608を介してチェンバー604内に引き込まれ、チェンバー604、胴体11およびマウスピース12を通って流れる。
【0099】
第6の実施態様と同じように圧力センサー(図示せず)をオリフィス608に設けて空気がチェンバー604内に引き込まれていることを検知するようにしてもよく、またプロセッサー(図示せず)に接続して、ユーザーがマウスピースを介して吸い込むことによって空気がチェンバー604内に引き込まれて、センサーが減圧を検知したときのみに電気が供給されるように加熱エレメント606を制御するようにしてもよい。
【0100】
使用の際、ユーザーはマウスピース12を介して吸い込み、入り口オリフィス608を介してチェンバー604内に空気が引き込まれる。加熱エレメント606は、電気が供給され、ニコチン液を加熱し、ニコチンを含む蒸気を発生させ、この蒸気は出口バルブ611を介してチェンバー604から吸い出され、接続部609、胴体11およびマウスピース12を通ってユーザーによって吸入される。
【0101】
第7の実施態様の吸入装置601の使用の際、ユーザーはマウスピース12を回転することによって上述の追加の風味付けのオンオフを選択し、また上述したように必要に応じて換気調整スリーブ15を回転させて蒸気流内への外部環境からの換気空気を取り込む度合いを変化させて蒸気流を希釈および/または冷却してもよい。
【0102】
蒸気発生ユニット602内のニコチン液を使い切ると、ユニット602を上述の取り出し機構によって胴体から取り外してもよく、または単純に胴体から引き抜いて、新しいユニットと交換してもよい。新鮮なもので完全に満たされたチェンバー604を有する部品603にバッテリーとは別に交換してもよい。
【0103】
第7の実施態様では流れの経路が入り口オリフィス608からチェンバー604および接続部609を通って胴体11内に延びていると説明したが、別の実施態様では周囲空気が入り口オリフィス608から部品603内に流れるが、部品603内でチェンバー604を迂回し、接続部609内に続く経路を流れてもよい。チェンバー604は片道バルブが設けられた単独の出口開口部を含んでもよく、加熱エレメント606によってチェンバー604内で液体を加熱することによって発生する蒸気がこの出口開口部を通って、吸入装置の胴体11を通って引き込まれる前に排出され、周囲空気と混ざる。
【0104】
上述した第6および第7の実施態様では、吸入剤発生部品は吸入装置の胴体11に取り外し可能に収容されると説明している。しかしながら、このような吸入剤発生部品を胴体と一体に形成して、装置全体を使用後または吸入剤発生部品を使い切った後に廃棄してもよい。
【0105】
本明細書中で使用する吸入剤なる用語はユーザーによる吸引に好適な煙、エアロゾル、蒸気または気体を含む。
【0106】
本明細書を通して用語「風味」及び「風味材料」は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。このような材料としては、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形態であってもよい。
【0107】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れた吸入装置およびその部品を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【国際調査報告】