特表2016-511700(P2016-511700A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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2016-511700個々のバリ取りを伴う多重切断のためのブラシタイプバリ取り機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-511700(P2016-511700A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(54)【発明の名称】個々のバリ取りを伴う多重切断のためのブラシタイプバリ取り機
(51)【国際特許分類】
   B24B 9/00 20060101AFI20160328BHJP
   B24B 29/00 20060101ALI20160328BHJP
【FI】
   B24B9/00 602J
   B24B29/00 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-557391(P2015-557391)
(86)(22)【出願日】2014年2月10日
(85)【翻訳文提出日】2015年9月24日
(86)【国際出願番号】EP2014052554
(87)【国際公開番号】WO2014124902
(87)【国際公開日】20140821
(31)【優先権主張番号】102013101580.8
(32)【優先日】2013年2月18日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】512155467
【氏名又は名称】ラッツンデ ウント コー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】RATTUNDE & CO GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】ラッツンデ,ウルリッヒ
【テーマコード(参考)】
3C049
3C158
【Fターム(参考)】
3C049AA06
3C049AB01
3C049AB03
3C049AB06
3C049BC01
3C049CA02
3C049CB01
3C158AA06
3C158AB01
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3C158CB01
(57)【要約】
本発明は、長尺物から短く切断された切断片(3,51)の両端部のためのバリ取り機に関し、切断片(3,51)の切断片積層物(2)または切断片束(50)のための受容手段(4)と、切断片積層物(2)または切断片束(50)の各切断片(3,51)の分離装置と、分離された各切断片(3,51)のための搬送装置と、搬送装置に沿って配設された、少なくとも1つのブラシであって、分離された切断片(3,51)を搬送している間中分離された切断片(3,51)の両端部と接触し、該両端部のバリを取るブラシとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺物から短く切断された切断片(3,51)の両端部のためのバリ取り機であって、
切断片(3,51)の切断片積層物(2)または切断片束(50)のための受容手段(4)と、
切断片積層物(2)または切断片束(50)の各切断片(3,51)の分離装置と、
分離された各切断片(3,51)のための搬送装置と、
搬送装置に沿って配設された、少なくとも1つのブラシであって、分離された切断片(3,51)を搬送している間中分離された切断片(3,51)の両端部と接触し、該両端部のバリを取るブラシとを含むことを特徴とするバリ取り機。
【請求項2】
搬送装置は、2列の、搬送方向(T)に互いに隣接して配設された搬送ディスク(T,T)を有し、該搬送ディスクには、搬送方向(T)に直角に互いに対向する、各切断片(3,51)を受容するための切欠き対が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のバリ取り機。
【請求項3】
受容手段(4)は、交互に入れ代る切欠き(111)対と、交互に入れ代る切欠き対の上流に配設され、適所に固定される少なくとも1つのストッパ(30)とを有することを特徴とする、請求項1または2に記載のバリ取り機。
【請求項4】
受容手段(4)は、回転方向(T)において切欠き対の下流側に配設された少なくとも1つの保持手段(31)を有することを特徴とする、請求項3に記載のバリ取り機。
【請求項5】
切断片積層物(2)または切断片束(50)は、切欠き(111,112)に直接接触すると、受容手段(4)内に直接挿入されることが可能であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリ取り機。
【請求項6】
バリ取り機の受容手段(4)内に切断装置から切断片積層物(2)または切断片束(50)を直接移送する装置が設けられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバリ取り機。
【請求項7】
奇数番号の搬送ディスク(T)の奇数番号の各切欠き(111)は、半径方向(R)の深さよりも周に沿った長さのほうが長く、偶数番号の搬送ディスク(T)の偶数番号の各切欠き(112)は、半径方向(R)の深さよりも周に沿った長さのほうが短いことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリ取り機。
【請求項8】
偶数番号および奇数番号の搬送ディスク(T,T)の隣接する切欠き(111,112)の各角距離(α,α)は、互いに異ならせていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のバリ取り機。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のバリ取り機(1)によって、長尺物の短く切断された切断片(3,51)の両端部のバリ取り方法であって、
短く切断された切断片(3,51)の切断片積層物(2)または切断片束(50)は受容手段(4)に納められ、
各切断片積層物(2)または切断片束(50)の切断片はばらばらに分割され、
分割された切断片(3,51)は搬送方向(T)に沿って搬送され、
切断片(3,51)の両端部に、搬送中にブラシがかけられることを特徴とするバリ取り方法。
【請求項10】
第1の搬送ディスク(T)対は、一方向において、連続的に、周期的に回転させられ、切断片積層物(2)または切断片束(50)の内の、最も半径方向内部の切断片(3,51)が、各周期中に、搬送方向(T)に取り込まれて、第2の搬送ディスク(T)対に移送されることを特徴とする、請求項9に記載のバリ取り方法。
【請求項11】
複数の積層されたまたは束にされた長尺物が、同時に短く切断され、短く切断された切断片(3,51)の切断片積層物(2)または切断片束(50)が、受容手段(4)内に直接挿入されることを特徴とする、請求項9または10に記載のバリ取り方法。
【請求項12】
受容手段内に挿入された切断片積層物(2)または切断片束(50)は、受容手段(4)に挿入された後、第1の搬送ディスク(T)対の切欠き(111,112)の壁に接触することを特徴とする、請求項11に記載のバリ取り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺物から短く切断された切断片の両端部のためのバリ取り機、および、長尺物から短く切断された切断片の両端部のバリ取りをする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バリ取り機、特に、ブラシタイプバリ取り機は、従来技術においてDE102010046392A1からすでに知られている。ブラシタイプバリ取り機は、通常単独で使われることはなく、金属パイプを短い長さのパイプ切断片に高速で切断するパイプ切断機と共に使われる。短く切断されたパイプ切断片は、次いでさらに処理される。さらなる処理は、異なる連続した方法ステップにおいて行うことが可能であり、特に、パイプ端部は、面取りされ、および/または洗浄され、および/またはバリ取りがなされる。搬送ディスクによって金属パイプの端部と切断面とを搬送している間に、それらは、ブラシタイプバリ取り機によって、切断プロセスにおいて通常残存している鋭利なばりが取り除かれる。
【0003】
ブラシタイプバリ取り機は、US6206763B1から知られ、そのバリ取り機は、パイプ切断片を、取り込み手段によって、対向する方向に回転する各ブラシローラ間を搬送する。パイプ切断片は、ブラシタイプバリ取り機に個々に供給される。
【0004】
ブラシタイプバリ取り機であって、パイプ切断片が、個々に供給され、ブラシローラを回転することによってバリ取りされるバリ取り機がDE8016245U1に開示されている。
【0005】
処理する個数を増加させるためには、長尺物を個々に短く切断していくのではなく、長尺物の積層物を形成し、長尺物積層物から短い切断片積層物が切断され、さらなる処理のために供給されていく。このタイプの積層した状態での処理の欠点は、一方が他方の上に重ねられて、互いに接触しており、短く切断された長尺物の各切断片は、連続する工程において、それらの周囲全体に沿って均一に処理することができず、特に、各切断片は、接触によって互いに覆われて保護されているので、均一にバリ取りすることができない。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を回避する、または少なくとも低減する、冒頭で述べたタイプの、バリ取り機およびバリ取り方法を提供することである。
【0007】
この目的は、第1の態様においては、冒頭で述べたバリ取り機であって、請求項1の特徴を有するバリ取り機によって達成され、第2の態様においては、請求項9に従った特徴を有する方法によって達成される。
【0008】
バリ取り機およびバリ取り方法の好ましい実施形態は、下位の各請求項の主題である。
【0009】
発明に従ったバリ取り機は、一方において、長尺物の短く切断された切断片の切断片積層物または切断片束の受容手段と、各切断片の分離装置と、分離された各切断片を搬送するための装置と、搬送装置に沿って配設された、少なくとも1つのブラシであって、好ましくは回転し、分離された切断片を搬送している間中分離された切断片の両端部と接触し、回転によって、短く切断された切断片の切断面のバリを取るブラシとによって特徴づけられる。
【0010】
本発明に従ったバリ取り機は、長尺物積層物または長尺物束が短く切断されて、それによって形成された切断片積層物または切断片束がさらに処理されることによって、簡易な方法で、鋸引き工程のスピードにとって重要な多重切断を保持することを可能にする。各切断片は、あたかも、ブラシによる個々の処理のために分離装置によって分離され、そして、各切断片は長尺物から個々に短く切断されて、そしてさらなる処理、特にバリ取り処理のために、個々に供給されたかのように、細心の注意を払ってバリ取り処理が行われる。
【0011】
本発明の好ましい実施形態において、搬送装置は、2列の、搬送方向に互いに隣接して配設された搬送ディスクを有し、該搬送ディスクには、搬送方向に直角に互いに対向する、各切断片を受容するための切欠き対が設けられている。搬送ディスクの各列は、偶数番号のディスクと奇数番号のディスクとを含み、それらは互いに位置がずれており、かつ互いに一部が重なるように配設されている。ここで、「偶数番号」および「奇数番号」とは、搬送方向に連続する搬送ディスクの番号付けを意味する。偶数番号の搬送ディスクは、偶数番号同士で互いに対にされ、奇数番号の搬送ディスクは奇数番号同士で互いに対にされている。
【0012】
切断片積層物または切断片束が、まず導入される受容手段は、複数の切断片を受容するような寸法にされている。しかしながら、搬送ディスクは、いずれの場合も1つの切断片を受容するだけのものとしての大きさにされている。互いに対向するように対として設けられた切欠きは、短く切断された各切断片を受容することが可能である。短く切断された切断片は、搬送方向にディスクを搬送する回転によって、前進させられる。この回転は、クロックサイクル方式で行い、1つのクロックサイクル中、回転は同じ方向とするのが好ましい
【0013】
発明の特に好ましい実施形態において、受容手段は、交互に入れ代る、個々の切欠き対と、第1の搬送ディスクの回転方向において受容手段の上流に配設された、少なくとも1つのストッパと、回転方向において積層物受容手段の下流側に配設された1つの保持手段とを有する。それゆえ、受容手段は、切断片積層物または切断片束のバリ取り処置の間ずっと取り代わるように構成されてなり、したがって、一定のストッパと一定の保持手段とを有しているが、切欠き対は取り代わるものとされている。
【0014】
発明の好ましい実施形態において、切断片積層物または切断片束は、切欠きに直接接触すると、受容手段内に直接挿入されることが可能である。切欠きが、受容手段の一部となるような位置にないときは、切断片積層物または切断片束は、搬送ディスクと直接接触することになる。しかしながら、搬送ディスクは、切欠きの1つが受容手段の一部であるように回転しているなら、正確には、1つの切断片が、好ましくは、関連の切欠きに位置して、切欠きの壁と接触するように、切断片積層物または切断片束全体が、受容手段内に挿入されることが可能である。
【0015】
発明の好ましい実施形態においては、バリ取り機の受容手段内に切断装置から切断片積層物または切断片束を直接移送するための装置が設けられる。移送装置は、好ましくは、短い長さに同時に切断された切断片を積層物または束として把持して、それらを、それらが関連の切欠きまたは切欠き対と直接接触する受容手段内に、積層物または束として挿入するグリッパの形態に構成される。
【0016】
奇数番号の搬送ディスクの奇数番号の各切欠きは、半径方向の深さよりも周に沿った長さのほうが長く、偶数番号の搬送ディスクの偶数番号の各切欠きは、半径方向の深さよりも周に沿った長さのほうが短いのが有利である。それぞれ切欠きを有する連続する偶数番号および奇数番号の搬送ディスクの配置によって、断面において回転対称ではない形状、たとえば、平坦な口形状物が、1対の搬送ディスクから次の搬送ディスクへと移送されることも可能である。
【0017】
発明のさらなる実施形態において、偶数番号および奇数番号の搬送ディスクの隣接する切欠きの各角距離は、互いに異ならせている。
【0018】
第2の態様においては、本発明は、好ましくは上述のバリ取り機のいずれかによって、長尺物の短く切断された切断片の両端部のバリ取り方法であって、短く切断された切断片の切断片積層物または切断片束は受容手段に納められ、各切断片積層物または切断片束の切断片はばらばらに分割され、および分割された切断片は搬送方向に沿って搬送され、両端部には、好ましくは切断面には、搬送中にブラシがかけられる、バリ取り方法によって達成される。発明に本質的なことは、短く切断された切断片の積層物または束がバリ取り機内に挿入されるが、実際のブラシかけ処置は、各切断片に対して個別に行われ、積層物全体が、積層物としてブラシかけされるわけではない。
【0019】
第1の搬送ディスク対は、一定の回転方向において、連続的に、周期的に回転させられ、切断片積層物または切断片束の内の、最低位であって、最も半径方向内部の切断片が、各周期中に、搬送方向に取り込まれて、第2の搬送ディスク対に移送されるのが有利である。
【0020】
複数の積層された長尺物が、同時に短く切断され、短く切断された切断片積層物または切断片束が、受容手段内に挿入されるのが好ましい。
【0021】
切断片積層物または切断片束が、受容手段内に直接挿入され、受容手段には、第1の搬送ディスク対の正しい位置に切欠きが設けられ、したがって切断片積層物または切断片束が受容手段内に挿入されると、切断片積層物または切断片束は、好ましくは、第1の搬送ディスク対の切欠きの壁と接触し、したがって、挿入された切断片積層物または挿入された切断片束を、切欠きに向かって転がす必要はなく、しかし切断片積層物または切断片束になった各切断片は直接分離され、搬送ディスクによって同時に搬送される。
本発明を3つの図に示す2つの実施形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】平坦な口形状物の積層物を受容するためのブラシタイプバリ取り機の一部を示す図である。
図2図1に示すブラシタイプバリ取り機の斜視図である。
図3】パイプ切断片束を受容するためのブラシタイプバリ取り機の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ブラシタイプバリ取り機1の切取り図は、図1においてブラシなしで概略的に示されている。ブラシタイプバリ取り機1は、金属製の中空または中実の成形物を短い切断片に切断するための一連の処理工程の末端に設けられる。
【0024】
図1は、短く切断された、平坦口形状切断片であって、ブラシタイプバリ取り機に、積層物2として挿入された切断片をバリ取りするためのブラシタイプバリ取り機を示す。平坦口形状切断片3とは、切断片の長手方向に対して直角に平らに延びるパイプの切断片として理解されるべきである。最長の外径は、最短の外径よりも、詳細には、10%、20%、30%、もしくは50%長い、または最短の外径の2倍、もしくはそれ以上である。また、上述の長さの比の間の比も可能である。断面は内側が中空である。平坦口形状切断片3は、一つの長尺成形体から短く切断することが可能であり、または、図1に示したように、長尺成形体の積層物から同時に短く切断することも可能であり、積層体受容手段4内に平坦口形状切断片3の積層物2として挿入することが可能である。
【0025】
図1では、断面が平坦な口形状の、3つの金属長尺成形体が積層されて、同時に切断されている。互いに積層されてなる、切断された、3つの平坦口形状切断片3が、グリッパ(図示せず)によって、3つの切断片の積層物2として把持されて、ブラシタイプバリ取り機1の積層物受容手段4内に挿入される。
【0026】
ブラシタイプバリ取り機1は、互いに対向して配設された、搬送ディスクT,T対を有する。これらの搬送ディスクは、搬送方向Tに沿って設けられている。これらの搬送ディスクT,Tは、搬送方向Tにおいて互いにずらして配設され、回転および移動によって、平坦口形状切断片3の搬送を可能にする。それらが搬送方向Tに沿って搬送されている間、平坦口形状切断片3の最も外側の両端部は、搬送方向Tにおける長手軸に配設された回転ブラシ(図1に図示なし)に沿って搬送されることによってバリ取りされる。回転ブラシは、平坦口形状切断片3の切断処理中に形成され、切断面上に残っている切削くずを取り除くけれども、平坦口形状切断片3を切断していることの結果として、切断面の縁に形成された鋭いバリも取り除く。この鋭いバリは、平坦口形状切断片3それぞれの端面外側周囲全体に広がっていることがあり得る。
【0027】
図1に示されているように、奇数番号の搬送ディスクT対は、偶数番号の搬送ディスクT対よりも、搬送方向において互いにより近接して配設されている。結果として、奇数番号の搬送ディスクT対と偶数番号の搬送ディスクT対とを、互いに一部が重なるように設けることが可能であり、このようにして平坦口形状切断片3の一枚一枚の、図1に示したように、搬送ディスクT対から、直接隣接する搬送ディスクT対への移送が可能になる。
【0028】
第1および奇数番号の搬送ディスクTには、最外周に沿って、搬送された平坦口形状切断片3の断面の大きさに合わせた平坦で長い、奇数番号の切欠き111が設けられている。奇数番号の切欠き111はそれぞれ、平坦口形状切断片3の一方端部を正確に受容するように構成されてなる。平坦口形状切断片3は、その両端部が、各ケースにおいて搬送ディスク対の内の一方の搬送ディスクT,T上に置かれ、搬送ディスクTの回転によって次の搬送ディスクT対に搬送され、重畳領域に移される。
【0029】
第2および偶数番号の搬送ディスクTの偶数番号切欠き112は、平坦口形状切断片の断面に適合するものに構成されてなるが、偶数番号の切欠き112は、偶数番号の搬送ディスクTの周囲に沿って設けられ、搬送方向に対して垂直な軸回りに、奇数番号の搬送ディスクTの奇数番号の切欠き111に関して90°回転されており、したがって、偶数番号の切欠き112は、偶数番号の搬送ディスクTの周に沿って細く形成されているが、半径Rに沿って深く形成されている。偶数番号の切欠き112の深さは、実質的に、平坦口形状切断片3の長径に対応し、偶数番号の切欠き112の幅は、実質的に、平坦口形状切断片3の短径に対応し、奇数番号の切欠き111の深さおよび幅は、正確に逆転した方法で寸法が決定されている。
【0030】
搬送ディスクT,Tは、搬送方向に沿って、交互に周期的な方法で回転する。偶数番号の搬送ディスクTの周期的回転は、奇数番号の搬送ディスクTの周期に合わされている。奇数番号の搬送ディスクTの周期的回転と共に、奇数番号の搬送ディスクTは、角度αずつ進行し、この角度αは、実質的には、奇数番号の切欠き111の長さと、次に直接続く奇数番号切欠き111からの距離との和に対応する。次いで、奇数番号の搬送ディスクTの回転は停止される。奇数番号の搬送ディスクt1が停止された後、一方では、次の平坦口形状切断片3が、次の奇数番号切欠き111内に下がり、他方では、偶数番号および奇数番号の切欠き111,112とが、奇数番号搬送ディスクTの停止位置において、1つの平坦口状切断片によって重なりあう。第1の搬送ディスクTの回転が停止すると、偶数番号の搬送ディスクTが、1周期で、角度αだけ回転し、この角度αは、偶数番号の切欠き112の幅と、2つの偶数番号切欠き112相互間の距離との和である。偶数番号の搬送ディスクTは、その周期の最後で、偶数番号の切欠き112が、側面図における奇数番号の搬送ディスクTの外周面に沿って配設された位置において停止する。そこでは偶数番号の搬送ディスクTが停止し、第1の搬送ディスクTが次いで次の周期で、角度αの周りを回転する。角度αおよびαは、この場合同じ大きさである。
【0031】
積層物受容手段4は、挿入された積層物2の平坦口形状切断片3のための分離装置を形成する。分離装置は、ブラシタイプバリ取り機1のフレーム(図示せず)に関して適切な位置に固定されたストッパ30と、後部保持手段31と、奇数番号の搬送ディスクT対のステップ周期において交代する2つの平坦奇数番号切欠き111とを有する。
【0032】
短く切断された平坦口形状切断片3の積層物2が、積層物受容手段4内に挿入された後、奇数番号搬送ディスクTに向けられた平坦口形状切断片の側面、すなわち、平坦口形状切断片3の半径方向内側の側面が、平坦奇数番号切欠き111中にあり、その側面が平坦奇数番号切欠き111を完全に満たしている。特に、奇数番号搬送ディスクTの半径方向外周部は、奇数番号切欠き111内に挿入された平坦口形状切断片3の半径方向外側面に沿って延びている。第1の搬送ディスクTの回転の結果として、半径方向内側にある平坦口形状切断片3が、積層物2から離される。残りの2つの平坦口形状切断片3は、ストッパ30に押し当てられ、ストッパ30によってさらなる回転が防止される。第1の周期が終了すると、次の空の奇数番号切欠き111が、積層物受容手段4内に位置する。積層物2の最低位の平坦口形状切断片が、空の奇数番号切欠き111内に落下し、次の周期がスタートする。この場合、平坦口形状切断片3の全積層物2が取り除かれるまで、何回もの周期が繰り返される。その後、平坦口形状切断片3の新しい積層物が、積層物受容手段4内に挿入される。積層物の段階周期的除去によって、平坦口形状切断片3が分離される。
【0033】
切断された平坦口形状切断片3を分離した結果として、回転ブラシに、切断片3の切断面の全周に沿って形成されたバリを完全に除去させることが可能になる。特に、積層物状態において互いに接触していて、回転ブラシが入らない、または入りにくい各箇所のバリを取り除くことが可能である。
【0034】
図2は、2つの奇数番号搬送ディスクTおよび2つの偶数番号搬送ディスクT、ならびに、積層物受容手段4と分離された平坦口形状切断片3の切断面のバリを除去するための回転ブラシとを有する分離装置を含む、図1に示された、ブラシタイプバリ取り機1全体を図示している。
【0035】
図3は、ブラシタイプバリ取り機1であって、円形状切断片51の束50、ここでは4つの円形状切断片の束50を受容することを目的としているブラシタイプバリ取り機1の実施形態を示している。円形形状切断片51は、4つの切断片からなる束50の状態で、束受容手段4内に挿入される。この束受容手段4は、順に、第1の搬送ディスクTの回転方向に進行するストッパ30と逆行保持手段31とを有する。奇数番号搬送ディスクTの第1の切欠き111の半径方向深さは、したがって、円形形状切断片51の直径に実質的に対応するような大きさとされる。この場合も、図1に示した実施形態のように、円形形状切断片51は、段階的クロック周期によって、円形形状切断片51の残りの束50から取り出され、第1の搬送ディスクTと共に搬送方向Tに進行する。
【0036】
奇数番号および偶数番号の搬送ディスクTおよびTは、互いに関して、上記2つの実施形態においては、切断片3,51の引き渡しと移動とが、搬送ディスクT,Tに沿って90°ずつ回転する構成となるように配設され、したがって、二重切断の正確には2つの切断片からなる積層物のバリ取りのためのブラシタイプバリ取り機1の場合、偶数番号および奇数番号の切欠き111,112は、いずれの場合も、互いから、α=α=45°の角距離を保ち、三重の切断片の場合には、互いから、α=α=30°の角距離を保ち、四重の切断片の場合には、互いから、α=α=22.5°の角距離を保っている。
【符号の説明】
【0037】
1 ブラシタイプバリ取り機
2 積層物
3 平坦口形状切断片
4 受容手段/積層物受容手段/束受容手段
30 ストッパ
31 保持手段
40 ブラシ
50 束
51 円形状切断片
111 奇数番号切欠き
112 偶数番号切欠き
R 半径
T 搬送方向
奇数番号搬送ディスク
偶数番号搬送ディスク
α 角度
α 角度
図1
図2
図3
【国際調査報告】