(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-512289(P2016-512289A)
(43)【公表日】2016年4月25日
(54)【発明の名称】改良されたバンドを有する上部および下部胴体用衣類
(51)【国際特許分類】
A41C 3/00 20060101AFI20160328BHJP
A41C 3/12 20060101ALI20160328BHJP
A41B 9/02 20060101ALI20160328BHJP
A41B 9/04 20060101ALI20160328BHJP
【FI】
A41C3/00 A
A41C3/12 C
A41C3/00 B
A41B9/02 J
A41B9/02 Q
A41B9/04 B
A41B9/04 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-560270(P2015-560270)
(86)(22)【出願日】2014年2月26日
(85)【翻訳文提出日】2015年11月2日
(86)【国際出願番号】US2014018566
(87)【国際公開番号】WO2014134121
(87)【国際公開日】20140904
(31)【優先権主張番号】13/782,736
(32)【優先日】2013年3月1日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】510132406
【氏名又は名称】エイチビーアイ ブランデッド アパレル エンタープライゼズ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】HBI Branded Apparel Enterprises,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100097320
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 貞二
(74)【代理人】
【識別番号】100155192
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 美代子
(74)【代理人】
【識別番号】100100398
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 茂夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131820
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】アボット,マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン,ロジャー ディー.
【テーマコード(参考)】
3B128
3B131
【Fターム(参考)】
3B128EA01
3B128EB21
3B128EB31
3B128EC05
3B128EC12
3B128SA01
3B131AA06
3B131AA11
3B131AB05
3B131AB06
3B131AB07
3B131AB11
3B131BA19
3B131BA21
3B131BB36
3B131CA03
3B131DA01
3B131DA08
3B131DA10
(57)【要約】
ブラジャーやブリーフ等の丸編みされた上部胴体用または下部胴体用の衣類、および丸編みされたブラジャーの形成方法を提供する。衣類は、内側の層および外側の層から形成された丸編みの本体を有すると共に、丸編みの本体は少なくとも1つの胴体用またはウエスト用バンドを有し、内側の層および外側の層は折り目に沿って重畳されており、弾性バンドは内側の層と外側の層との間で折り目に近接して配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部胴体用衣類であって:
a.内側の層および外側の層から形成された本体であり、前胸部を覆う部分と、前記前胸部を覆う部分から延在する少なくとも1つの胴体用バンドとを有する本体と;
b.下方の折り目に沿って重畳された前記内側の層および外側の層と;
c.前記下方の折り目に近接して、前記内側の層および外側の層の間に配置された弾性バンドとを備える;
上部胴体用衣類。
【請求項2】
前記弾性バンドは、熱可塑性エラストマーフィルムを備える、
請求項1に記載の上部胴体用衣類。
【請求項3】
前記熱可塑性フィルムは、ポリアミドを含む、
請求項2に記載の上部胴体用衣類。
【請求項4】
前記熱可塑性フィルムのモジュラスは、前記本体のモジュラスより高い、
請求項2に記載の上部胴体用衣類。
【請求項5】
前記熱可塑性フィルムのモジュラスは、7キログラムの静荷重で60%伸びが計測された場合、約1.0と約4.0キログラムの間である、
請求項2に記載の上部胴体用衣類。
【請求項6】
前記熱可塑性エラストマーフィルムの厚さは、約0.1mmと約0.3mmの間である、
請求項2に記載の上部胴体用衣類。
【請求項7】
前記熱可塑性エラストマーフィルムの幅は、約0.75インチ(19.05mm)と約1.25インチ(31.75mm)の間である、
請求項2に記載の上部胴体用衣類。
【請求項8】
前記弾性バンドは、前記本体の前記内側の層および外側の層の少なくとも一の内表面に前記弾性バンドを接着剤で固定するために、少なくとも片面が塗布された、
請求項1に記載の上部胴体用衣類。
【請求項9】
前記本体は、丸編みされた本体である、
請求項1に記載の上部胴体用衣類。
【請求項10】
前記衣類は、ブラジャー、スポーツブラまたはキャミソールである、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の上部胴体用衣類。
【請求項11】
上部胴体用衣類の形成方法であって:
a.中心の折り目で折った際に内側の層および外側の層を有する二重の衣類を形成するために、対称的な寸法とされた本体を編むステップと;
b.弾性バンドを前記折り目に近接して配置するステップと;
c.ブラジャー本体の前記内側の層および外側の層を、前記折り目を中心に対称的に重畳し、前記弾性バンドを内包し、前胸部を覆う部分と、前記前胸部を覆う部分から延在する少なくとも1つの胴体用バンドを有する、二重のブラジャーを形成するステップとを備える;
上部胴体用衣類の形成方法。
【請求項12】
前記弾性バンドは、熱可塑性エラストマーフィルムを備える、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記エラストマーフィルムは、ポリアミドを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記弾性バンドは、前記編まれた本体の前記内側の層および外側の層の少なくとも一の内表面に前記弾性バンドを接着剤で固定するために、少なくとも片面が塗布された、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
特定の時間、加熱および加圧することによって、前記内側の層および外側の層の一つに前記弾性バンドを固定するステップを更に備える、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記加熱の温度は、華氏約150度(65.6℃)と380度(193℃)の間であり、
前記加圧の圧力は、約10ポンド毎平方インチ(68.95kPa)と約120ポンド毎平方インチ(827.4kPa)の間であり、
前記時間は、約5秒と約90秒の間である、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記加熱の温度は、華氏約320度(160℃)であり、
前記加圧の圧力は、約30ポンド毎平方インチ(206.8kPa)と約60ポンド毎平方インチ(413.7kPa)の間であり、
前記時間は、約20秒と約30秒の間である、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記編むステップが、丸編みを含む、
請求項11乃至請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
下部胴体用衣類であって:
a.一対の脚の開口部と、前記脚の開口部の間の股部と、ウエスト開口部とを含む本体と;
b.上方の折り目に沿って内側の層および外側の層が重畳するように前記本体の一部を折ることによって、前記ウエスト開口部に形成されたウエストバンドと;
c.前記上方の折り目に近接して、前記内側の層および外側の層の間に配置された弾性バンドとを備える;
下部胴体用衣類。
【請求項20】
前記弾性バンドは、熱可塑性エラストマーフィルムを備える、
請求項19に記載の下部胴体用衣類。
【請求項21】
前記熱可塑性フィルムは、ポリアミドを含む、
請求項20に記載の下部胴体用衣類。
【請求項22】
前記熱可塑性フィルムのモジュラスは、前記本体のモジュラスより高い、
請求項20に記載の下部胴体用衣類。
【請求項23】
前記弾性バンドは、前記本体の前記内側の層および外側の層の少なくとも一の内表面に前記弾性バンドを接着剤で固定するために、少なくとも片面が塗布された、
請求項19に記載の下部胴体用衣類。
【請求項24】
前記本体は、丸編みされた本体である、
請求項19に記載の下部胴体用衣類。
【請求項25】
前記衣類は、ボクサー、ブリーフ、ボクサーブリーフ、パンティ、パンティストッキング、または矯正下着である、
請求項19乃至請求項24のいずれか1項に記載の下部胴体用衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラジャーやブリーフ等の、上部および下部胴体用の丸編みされた(筒状に編んだ)衣類に関する。より詳細には、本発明は、バンド(帯体、band)が生地の重畳層の間に固定されている、改良された胸部のバンドを有する丸編みされたブラジャーおよび改良されたウエストのバンドを有する丸編みされた下部胴体用の下着に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラジャー全般、特にスポーツブラ等の上部胴体用の衣類は、着用者に安定感と更なるサポート力を提供するためにブラジャーの下縁に編みこまれた、または取り付けられた、胴体を取り囲むバンドを有する。このようなバンドは、ブリーフ等の下部胴体用の下着の上縁にも編み込まれる、または取り付けられており、ウエストのバンドとして機能する。胸部のバンドまたはウエストのバンドを形成する公知の方法の一つとして、生地の筒を編む工程においてターンドウェルト(turned welt、折り返した縁かがり)を編むことが知られている。別の方法としては、ブラジャーの下縁またはブリーフの上縁の全周にわたり弾性バンドを縫い付ける方法があるが、この追加の工程は追加の労力を要すると共にコストを増加させる。このようにして得られたバンドは、比較的かさばり厚みが出る傾向にあるため、より目立つと共に着用した際の快適性も劣る。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一の態様は、編み生地の重畳層の間に固定された薄い弾性バンドを有する、丸編みされたブラジャーやブリーフ等の衣類である。例示である一の実施の形態において、弾性バンドは、弾性バンドのモジュラスがspandex(スパンデックス)およびLycra(登録商標、ライクラ)等の従来の弾性の糸によって得られるモジュラス(キログラムで表した保持力)よりも高いモジュラスを有する、薄いポリアミドフィルムを備える。生地とフィルムのモジュラスは合計すると、約1.0kgと4kgとの間とすることができる。本明細書中において「モジュラス」という用語は、所与の割合で材料を伸ばした際の材料の復元力をキログラムで表したものである。モジュラスが高いほど、材料は硬い(stiff)、即ち、材料は線形伸びに対してより耐性を有する。弾性材料の種類、その幅および厚さによってモジュラスは大きく変動することがある。
【0004】
本発明の別の態様は、生地の重畳層の間に固定された弾性バンドを有する、ブラジャーや下部胴体用の下着を形成する方法である。この方法は、中心の折り目で折った際に内側および外側の層を有する、二重の衣類を形成するために対称的な寸法とされた本体を丸編みするステップを備える。弾性バンドが折り目に近接して配置されていると共に、生地が折り目を中心に対称的に重畳されており、これにより弾性バンドが内包されて、より薄い、従って、より目立たず、着用した際もより快適な、胴体用バンドを具備する二重の衣類が形成される。一の実施の形態において、弾性バンドは、編み生地の内側および外側の層のいずれか一方または両方に、特定の時間、加熱および加圧することにより固定される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明は、下記の詳細な実施の形態の説明と添付図面とにより、より明らかになるであろう。
【0006】
【
図1】
図1は、本発明のブラジャーの正面斜視図である。
【0007】
【
図2】
図2は、
図1のブラジャーの背面斜視図であって、背面の閉じ口を有する実施の形態を示す図である。
【0008】
【
図3】
図3は、
図1のブラジャーの背面斜視図であって、背面の閉じ口のないスポーツブラの実施の形態を示す図である。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【
図7】
図7は、本発明のボクサーブリーフの正面斜視図である。
【0013】
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一の態様は、ブラジャー、スポーツブラ、およびキャミソール等の上部胴体用の衣類に関する。概して
図1乃至
図6を参照して、丸編みのブラジャーが符号100として全体的に示されている。従来の丸編み機で形成された丸編みのブラジャー100は、重畳する内側112および外側114の層、即ち生地の層を有する二重のブラジャーの本体を含んでなることができる。本明細書中では、二重のブラジャーについて示し説明するが、本発明は二重の衣類に限定されず、ブラジャーや下部胴体用の下着等の一重の衣類も本発明の範囲に含まれる。
【0015】
ブラジャーの本体は、ポリエステル、ナイロン等の従来の材料のいずれかによって形成することができる。本体はまた、衣類を着用者の胴体周りに固定するためにある程度の弾性を有する、spandex等の1種以上の弾性糸を編むことにより形成することができる。本明細書中に記載する実施の形態での生地の各層の厚さは、約0.6mmから約2.0mmとすることができる。
【0016】
図2、
図4および
図5に示すとおり、本明細書中に開示されるブラジャーは、一対の胸カップ120と、各胸カップ120の外縁から外側に延在する、胴体を取り囲むストラップ130とを含み、2本の胴体ストラップ130が着用者の背中において留め具150によって留められる。
図3の例示の実施の形態においては、1本の連続した胴体ストラップ135が各胸カップ120の外縁の間に延在して着用者の胴体を取り囲む。この実施の形態は、被るスポーツタイプのブラジャーの典型である。更に、胸カップ120は、ブラジャーの本体の形成後に成形するか、編み工程において緩い領域として本体の前側に編み込むことができる。
【0017】
図1乃至
図6に示すとおり、ブラジャー100の下部に沿って、内側112の層と外側114の層との間に弾性バンド170が挿入されており、弾性バンド170は、胸カップ120および中央のまち(三角切れ)180の下を通って、胴体のストラップ130、135の下縁に沿って延在している。
【0018】
ここで、
図6に転ずると、ブラジャー100の弾性バンド170は、改善されたモジュラスを有すると共に、伸びの有効範囲の全域にわたって比較的一貫したモジュラスを維持する、比較的薄い弾性の材料を備える。ブラジャー100のタイプおよびスタイルに応じて、衣類を着用した際に弾性の材料を目立たなくするよう、弾性バンド170の厚さを約0.010mmと0.45mmとの間の範囲とすることができる。弾性バンド170の最適な厚さは、ブラジャー100に付与される所望のコントロールレベルに依存するが、これは典型的に、サイズに依存する。言うまでもなく、弾性バンド170は、薄ければ薄いほど着用した際に目立ち難い。ブラジャー100のタイプおよびスタイルに応じたコントロールおよびサポートの度合いは、弾性バンド170の幅にも依存する。弾性バンド170の幅は、最小限のブラアップサポートを提供するブラジャーにおける約4分の1(1/4)インチ(6.35mm)から、下部胴体制御用衣類の7インチ(177.8mm)またはそれ以上の幅の範囲とすることができる。本明細書に示す例示の実施の形態における最適な幅は、約4分の3(3/4)インチ(19.05mm)と1と4分の1(1+1/4)インチ(31.75mm)との間である。
【0019】
一の実施の形態において、弾性バンド170は熱可塑性エラストマー(TPE)の薄いフィルムを備える。熱可塑性エラストマーはポリアミドブレンドを含むことができる。かかるポリアミドブレンドは、商標名Pebax(登録商標)でペンシルベニア州のキングオブプラシアにあるアルケマ社(Arkema Inc.)から入手可能である。下記に記載する物理的特性を有する他のフィルムなどの、他の薄い弾性材料は、弾性バンド170の形成に適している。
【0020】
例示および比較を目的として、本明細書の例示の実施の形態において、例えばターンドウェルトなどの典型的な編み込み型の胴体用バンドの厚さは略2.0mmである。ターンドウェルトと同様の重量を有する弾性バンドを縫い込んだ、カットソー(cut and saw、裁断・縫製)のブラジャーの厚さは略1.8mmである。ポリアミドフィルムを有するバンドの厚さは、略1.5mmである。
【0021】
弾性の材料のモジュラスは、その材料の種類、幅、および厚さに依存する。本明細書で説明する例示の実施の形態において、最適なモジュラスは約1.0と4.0キログラムとの間とすることができる。下記の表1に幾つかの例を示すが、このモジュラスの範囲は、弾性バンド170に7キログラムの静荷重を長さ方向にかけた場合の、約95%と140%との間の変形(伸び)に相当する。
【表1】
【0022】
比較のため、ブラジャー100の本体は、1キログラム未満のモジュラスを有するものとする。例えば、89重量%のナイロンと11重量%のspandexとの従来のブレンドにより形成された、2枚の重畳された生地の層のモジュラスは、40%伸びにおいて約0.132kgであり、60%伸びにおいては約0.35kgである。上記表1にも示すとおり、弾性バンドは、伸びが増加するほどモジュラスの増加が減少する。これにより、広範囲のサイズにおいて快適なブラジャー100が作成される。折り目173に近接したブラジャーの下部における胴体用バンドの領域では、表1のサンプルと同様の7kgの荷重下で試験した際に、二重の本体の材料だけで、160%の伸びを許容できる。
【0023】
再度、
図6を参照すると、本発明のブラジャー100を形成する方法が最も良く示されている。ブラジャーの本体、またはブランク(素材)は、従来の丸編み機によって筒状に編まれる。筒の中央周辺は折り目173に相当し、折り目173を中心に内側112の層と外側114の層とが重畳されて二重のブラジャーの本体となる。
【0024】
弾性バンド170は、中央の折り目173に近接して、且つこの中央の折り目173で筒を折った際に二重のブラジャーの本体の内面になる部分に位置決めされている。弾性バンド170は、その片面または両面にヒートシール接着剤172を塗布され、ブラジャー構造が完成すると定位置に接着されるようにすることができる。適切なヒートシール接着剤172の一つは、マサチューセッツ州ニューベリーポートにあるビクスビーインターナショナル社(Bixby International Corp.)より入手可能なRX2641である。しかし、本発明は、バンド170の接着にヒートシール接着剤を用いることに限定されず、他の適切な材料および方法を用いてバンドを衣類に固定することも本発明の範囲に含まれる。
【0025】
次に、ブラジャーの本体の内側112の層と外側114の層は、折り目173を中心に対称的に重畳され、それにより弾性バンド170が内包され、上記のとおり、二重のブラジャーの本体が形成される。ヒートシール接着剤172が弾性バンド170の片面または両面に塗布される場合、弾性バンド170は、上下の発熱体を有する空気式プレスによって二層の生地の間に固定される。加熱の温度は、華氏約150度(65.6℃)と380度(193℃)との間とすることができるが、好ましくは華氏約320度(160℃)である。かける圧力は、約10psi(68.95kPa)以上、約120psi(827.4kPa)以下、好ましくは約30psi(206.85kPa)と約60psi(413.7kPa)との間である。好ましい圧力は、約5秒以上、約90秒以下、好ましくは約20と約30秒との間でかけるものとする。
【0026】
一旦、弾性バンド170が内側112の層と外側114の層との間に接着されると、ブラジャーの本体を所望形状に裁断することができる。次に、自由縁に沿ってトリム190が固定され、肩のストラップ160が取り付けられ、留め具150が固定されると、ブラジャー100の構造が完成する。肩のストラップの各部160とブラジャー本体を一体に成形して裁断する場合、両者を肩の最上部付近で縫い合わせればよい。同様に、胴体のストラップ135が一続きになっている場合、留め具150は不要である。
【0027】
本発明の他の態様は、ボクサー、ブリーフ、ボクサーブリーフ、パンティ、パンティストッキング、矯正下着等の、環状に編まれた下部胴体用の衣類に関する。
図7および
図8を参照して、ボクサーブリーフが符号200により全体的に示されている。従来の丸編み機で形成された丸編みのブリーフ200は、ポリエステル、ナイロン等の従来の材料のいずれかによって形成される本体を備える。また本体は、衣類を着用者の下部胴体周りに固定するために、ある程度の弾性を有する、spandex等の1種以上の弾性糸で編むことにより形成することができる。
【0028】
本発明のブリーフ200は、一対の脚の開口部210と、股部230と、本開示のウエストバンド250に取り囲まれたウエスト開口部220とを有する。説明した実施の形態は、ボクサースタイルのブリーフに典型的な脚部240を有する。従来のブリーフ、即ち、脚部240の無い、ウエストバンド250を有する男性または女性用のブリーフも本発明の範囲に含まれる。
【0029】
図8に最も良く示すように、弾性バンド270は、上述のとおり、ブリーフ200のウエスト開口部220に沿って内側212と外側214の生地の間に挿入されている。内側および外側の生地の層212、214は共に、丸編み機で作成された1つの筒の一部として形成されている。筒の最上部は、最上部の折り目273に沿って下向きに折り曲げられ、二重になったウエストのバンド250を形成する。この際、弾性バンド270は折り目273に隣接して配設され、二重の生地によって覆われている。弾性バンド270、内側の層212、および外側の層214は、上述の方法と同様に熱と圧力を用いて、上述の接着剤272で定位置に固定することができる。弾性バンドをブリーフ200の本体に接着するその他の方法も本発明の範囲に含まれる。
【0030】
前述の記載および例は、本発明を説明するためのものであると理解されるべきである。当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、種々の代替および改変例を考案することが可能である。従って、本発明は、そのような全ての代替、改変、変更を包含することを意図する。
【国際調査報告】