(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-512800(P2016-512800A)
(43)【公表日】2016年5月9日
(54)【発明の名称】シート構造
(51)【国際特許分類】
B60N 2/30 20060101AFI20160404BHJP
B60N 2/20 20060101ALI20160404BHJP
B60N 2/06 20060101ALI20160404BHJP
B60N 2/07 20060101ALI20160404BHJP
【FI】
B60N2/30
B60N2/20
B60N2/06
B60N2/07
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-503725(P2016-503725)
(86)(22)【出願日】2014年3月21日
(85)【翻訳文提出日】2015年11月11日
(86)【国際出願番号】GB2014050892
(87)【国際公開番号】WO2014147414
(87)【国際公開日】20140925
(31)【優先権主張番号】1305299.8
(32)【優先日】2013年3月22日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】502407266
【氏名又は名称】ベントレー モーターズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100110249
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 昭
(74)【代理人】
【識別番号】100116090
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャナリー シャージャハン
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル スチュアート
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA02
3B087BB01
3B087BD01
3B087CA11
3B087CA16
(57)【要約】
【解決手段】自動車1の荷物スペース3へ取り付けるためのシート構造6であって、使用時に、自動車の外部の人にシートを提供するために、荷物スペースへの開口の外部に延びるように配置することができるシートクッション9を含む。この構造は特に、テールゲート4を装備したステーションワゴン、SUV、又は他の自動車1の後部にシートを提供することを意図している。シート構造は、自動車の荷物スペースに取り外し可能に取り付けられることができる。シート構造は、自動車の荷物スペースの向かい側を指す構造に取り付けるように配置される取付けアセンブリ8を含むことができる。直立及びフラット位置の間で移動するため、分割アセンブリ7が取付けアセンブリ8に回動可能に取り付けられてもよい。格納位置と展開位置の間で移動するため、シートクッション9が分割アセンブリに移動可能に取り付けられてもよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の荷物スペースに取り付けられるシート構造であって、
前記構造は分割アセンブリと、ロックと、シートクッションとを備え、
前記分割アセンブリは、前記自動車の前記荷物スペース内の1又はそれ以上の軌道に沿って移動させるため、該軌道に摺動可能に装着可能であり、
前記ロックは、前記1つの軌道又は各軌道の対向する端部の間の1又はそれ以上の選択された位置に前記分割アセンブリをロックするように係合されることができ、
前記クッションは、格納位置と展開位置の間で移動させるため、分割アセンブリに移動可能に取り付けられ、
使用時に前記自動車の前記荷物スペースに取付けられたとき、前記分割アセンブリは、前記荷物スペースを仕切るために使用されてよい直立配置と、前記シートクッションが前記展開位置に移動して前記荷物スペースへの開口の外に延び、前記自動車の外の人のためのシートを提供してよいフラット配置との間で動作可能であるシート構造。
【請求項2】
前記構造は、自動車の前記荷物スペースに着脱可能に装着可能である請求項1に記載のシート構造。
【請求項3】
前記ロックは、前記1つの軌道又は各軌道の対向する端部の間の複数の位置に前記分割アセンブリをロックするように係合されることができる請求項1又は2に記載のシート構造。
【請求項4】
前記ロックは、前記1つの軌道又は各軌道の長さに沿った任意の位置に前記分割アセンブリをロックするように係合されることができる、先行するいずれかの請求項に記載のシート構造。
【請求項5】
前記ロックは、それによって前記自動車に対して前記分割アセンブリをロックするため、前記軌道の一部または前記自動車の他の部分を把持するよう配置された部材を含む、先行するいずれかの請求項に記載のシート構造。
【請求項6】
前記格納位置にあるときに、前記シートクッションが少なくとも部分的に前記分割アセンブリに収容されている、先行するいずれかの請求項に記載のシート構造。
【請求項7】
前記シートクッションは、前記分割アセンブリに回動可能に取り付けられている、先行するいずれかの請求項に記載のシート構造。
【請求項8】
前記クッションにかかる荷重が前記分割アセンブリに伝わるよう、前記分割アセンブリに対する前記シートクッションの回動を規制する止め具が備えられている請求項7に記載のシート構造。
【請求項9】
前記シートクッションは、前記分割アセンブリに含まれるアームに回動可能に接続されるフレームを含む請求項7又は8に記載のシート構造。
【請求項10】
前記荷物スペース内の前記1つの軌道又は各軌道に前記構造を摺動可能に取り付けるように配置された1又はそれ以上の取付けアセンブリを含む、先行するいずれかの請求項に記載のシート構造。
【請求項11】
各取付けアセンブリは、前記分割アセンブリのそれぞれ対向する端部に設けられ、各取付けアセンブリがそれぞれの軌道に摺動可能に取り付けられるように意図され、前記2つの軌道は前記荷物スペースのそれぞれ反対側に配置されている請求項10に記載のシート構造。
【請求項12】
前記直立配置とフラット配置との間で移動するため、前記分割アセンブリが前記1つの取付けアセンブリ又は各取付けアセンブリに回動可能に取り付けられている請求項10又は11に記載のシート構造。
【請求項13】
前記1つの取付けアセンブリ又は各取付けアセンブリに対して1又はそれ以上の位置で前記分割アセンブリを選択的にロックするため、解放可能なラッチが備えられている請求項12に記載のシート構造。
【請求項14】
前記構造を前記自動車内で前後に移動可能にするため、前記荷物スペースに設けられた軌道に摺動可能に取り付けられる先行するいずれかの請求項に記載のシート構造を備えた自動車。
【請求項15】
使用時に前記シートクッションは、前記自動車の後部に張り出すか、又は前記自動車のリヤバンパー成形体を覆ってもよい、請求項13又は14に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車で使用するためのシート構造(seat structure)に関し、さらにそのようなシート構造を備える自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
テールゲートを装備した自動車の荷物スペースの端部、又は荷物スペースへ入る開口部は、テールゲートが開いているときに車両の外側の人のために便利なシートを提供することができる。開いたテールゲートは、このように自動車の端に座っている誰かのためのいくつかの避難所を実際に提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、自動車の荷物スペースの端部は実際にこの目的のために意図されたものではないので、快適なシートを提供しない。より快適なシートの提供は、車両の載荷能力を損なうかも知れない。
【0004】
本発明の実施形態は、これらの問題点に鑑みてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の態様によれば、自動車の荷物スペースに取り付けられるシート構造であって、前記構造は分割アセンブリと、ロックと、シートクッションとを備え、前記分割アセンブリは、前記自動車の前記荷物スペース内の1又はそれ以上の軌道に沿って移動させるため、該軌道に摺動可能に装着可能であり、前記ロックは、前記1つの軌道又は各軌道の対向する端部の間の1又はそれ以上の選択された位置に前記分割アセンブリをロックするように係合されることができ、前記クッションは、格納位置と展開位置の間で移動させるため、分割アセンブリに移動可能に取り付けられ、使用時に前記自動車の前記荷物スペースに取付けられたとき、前記分割アセンブリは、前記荷物スペースを仕切るために使用されてよい直立配置と、前記シートクッションが前記展開位置に移動して前記荷物スペースへの開口の外に延び、前記自動車の外の人のためのシートを提供してよいフラット配置との間で動作可能であるシート構造が提供される。
【0006】
したがって、この構造は、荷物スペース内の貨物を収容し(contain)又は拘束するのに役立ち、及び、必要なときに車両の外側に快適で一時的なシートを提供するという2つの機能を有用に実行することができる。
【0007】
この構造は、自動車以外の車両での使用を見出してもよい。
【0008】
この構造は、自動車の荷物スペースに着脱可能に装着可能であってもよい。特に、自動車の荷物スペース内の1又はそれ以上の軌道に着脱可能に装着可能であってもよい。これは、車両の載荷能力を損なわないように、必要な場合にのみシート構造を展開することを可能にする。
【0009】
ロックは、前記1つの軌道又は各軌道の対向する端部の間の2、3又はそれ以上の選択された位置に分割アセンブリをロックするように構成されてもよい。ロックは、前記1つの軌道又は各軌道に沿った複数の位置に、又は任意の位置に前記分割アセンブリをロックするように係合されることができる。この場合、ロックはフリクションロック(friction lock)とすることができ、さらに、それによって自動車に対して分割アセンブリをロックするため、軌道または車両の他の部分を把持するよう配置された部材を含むことができる。ロックは、軌道に沿った複数の別々の位置のいずれかで分割アセンブリをロックするように構成することができ、さらに、軌道に沿って、または別に自動車上に配置される歯のような1又はそれ以上の形態で係合するように配置することができる。
【0010】
格納位置にあるときに、シートクッションが少なくとも部分的に分割アセンブリに収容されていてもよい。格納及び展開位置の間で移動するよう、シートクッションが分割アセンブリに回動可能に取り付けられていてもよい。クッションにかかる荷重が分割アセンブリに伝わるよう、分割アセンブリに対するシートクッションの回動を規制する止め具が備えられていてもよい。このことは、シートクッションを片持ち式に支持し、自動車から張り出すか、又は部分的に張り出すことを可能とする。シートクッションは、分割アセンブリに回動可能に接続されるフレーム、及び分割アセンブリに含まれるアームに回動可能に接続されるフレームを含んでもよい。
【0011】
シート構造は、荷物スペース内の前記1つの軌道又は各軌道に構造を、摺動可能に取り付けることを含み、取り付けるように配置された1又はそれ以上の取付けアセンブリを含むことができる。各取付けアセンブリは、分割アセンブリのそれぞれ対向する端部に設けられてもよい。各取付けアセンブリがそれぞれの軌道に摺動可能に取り付けられるように意図されてもよい。2つの軌道は荷物スペースのそれぞれ反対側に配置されていてもよい。
【0012】
直立配置とフラット配置との間で移動するため、分割アセンブリが前記1つの取付けアセンブリ又は各取付けアセンブリに回動可能に取り付けられていてもよい。
【0013】
(シートフレームが接続されてもよい)分割アセンブリに含まれるアームは、取付けアセンブリに回動可能に接続されていてもよい
【0014】
前記1つの取付けアセンブリ又は各取付けアセンブリに対して分割アセンブリを選択的にロックするため、解放可能なラッチが備えられていてもよい。解放可能なラッチは、前記1つの取付けアセンブリ又は各取付けアセンブリに対し、直立位置のような1又はそれ以上の位置に分割アセンブリを選択的にロックするように構成されてもよい。
【0015】
本発明の別の態様によれば、自動車の荷物スペース内の1又はそれ以上の軌道に取り付けられる本発明の第一の態様に係るシート構造を備えた自動車が提供される。自動車は、ステーションワゴン、ワゴン又はスポーツ用多目的車(SUV)であってもよい。シート構造は、テールゲートを備えた車両の後部の荷物スペースに取り付けることができる。テールゲートが開いている場合には、車両の後部にシートを提供することができる。
【0016】
前記1つの軌道又は各軌道は、自動車の荷物スペース内で前後に延びていてもよい。
【0017】
シートクッションは、使用時に、その展開位置で自動車の後部に張り出してもよい。
【0018】
シートクッションは、使用時に、自動車のリヤバンパー成形体を覆ってもよい。
【0019】
本発明をより明確に理解できるようにするため、それらの実施形態が例として、その添付図面を参照しながら記述される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】荷物エリア内に取り付けられ、第1の配列で配置されたシート構造を有する開いたテールゲートを備えた自動車の部分後方斜視図である。
【
図2】第2の配列で配置されたシート構造を有する、
図1の自動車の部分斜視図である。
【
図3】
図2に対応するが、第2及び第3の配列の間のシート構造を有する図である。
【
図4】
図2に対応するが、第3の配列のシート構造を有する図である。
【
図5】第1の配列で配置された
図1〜
図4のシート構造を示す斜視図である。
【
図6】第2の配列で配置された
図5のシート構造を示す斜視図である。
【
図7】第3の配列で配置された
図5のシート構造を示す斜視図である。
【
図9】
図5のシート構造のシートクッションアセンブリの分解図である。
【
図10】
図5のシート構造の分割アセンブリの分解図である。
【
図11】
図5のシート構造の取付けアセンブリの部分破断斜視図である。
【
図12】
図5のシート構造の取付けアセンブリの別の部分破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照すると、ステーションワゴン、ワゴン又はスポーツ用多目的車(SUV)などの自動車1は、概して平らな床を有する囲まれた荷物エリア(load area)3に通じる、後部開口2を有する。テールゲート(tailgate)4は、開口2の上端部に回動可能に接続され、概して水平軸の周りに回動して開口を閉塞可能である。
【0022】
自動車1の主軸すなわち、その所期の進行方向の直線に実質的に平行に延びる実質的に平行な軌道(track)5は、荷物エリア3の床の対向する側面にそれぞれ設けられている。軌道は、当該溝の下の広い空間につながる荷物エリアの床に細長い溝によって形成されている。
【0023】
シート構造6は、軌道に沿って、そして車両に対して前後(
図1の矢印で示す方向)に移動するため、軌道5に取り付けられている。
【0024】
シート構造6は、自身の両端がそれぞれ対応する取付け(mounting)アセンブリ8に回動可能に装着されている分割アセンブリ(divider assembly)7を有し、取付けアセンブリ8はそれぞれ荷物エリア3の床の各軌道5に摺動可能に取り付けられている。シートクッションアセンブリ9は、同様に分割アセンブリ7に回動可能に装着されている。
【0025】
図12、及び特に
図13を参照すると、取付けアセンブリ8は、細長い天板10の下面に、該板のそれぞれ反対側の端部に取り付けられた2つの脚(leg)を有する。各脚は、自身の頂部が天板10の下面に接続されると共に、自身の底部が下側部材12の頂部に摺動自在にかつ回転自在に収容される上側部材11から形成されている。両方の部材11、12は、実質的に円形の断面を有する。下側部材12は、対向する2つのL字型の底部(foot)13がそこから垂下する(depend)、概して平坦なベースを規定する。この底部は、上側部材11に接続されるロッド14に接続され、下側部材12に対して該底部を上側部材11とともに移動可能にしている。圧縮コイルばね15のような弾性部材が、上側及び下側の脚部品の間に配置され、それらを離隔する方向へ付勢し、それによってL字型底部13を下側脚部材12の底面と接触するように付勢する。
【0026】
使用時には、上側脚部材11が下側脚部材12に付勢され、ばね14を圧縮し、下側脚部材12の下面から離れるようにL字型底部13を動かす。その後、底部13は荷物スペースの床の軌道5の溝に挿入されることができ、床の下で底部が溝の両側に延びるよう、下側脚部材12が回転される。その後、ばね14が下側脚部材12の基部に向かって底部13を付勢するのを可能とし、それによって底部13と下側脚部材12の底面との間で、軌道5を形成する溝の縁を把持できるよう、上側脚部材11が下側脚部材12に対して解放されることができる。これは、上側11及び下側12の脚部材が一緒に付勢されない限り、溝に対して脚が摺動(slide)することを規制する。これは脚、従って取付けアセンブリ8が軌道5に沿った任意の所望の位置でロックされることを可能にする。
【0027】
各アセンブリの各脚は、軌道5に対して脚をロックするように動作する、弾性的に付勢された上側及び下側の部材を有しても良い。その代わりに、各アセンブリの一方の脚のみにロック配置が設けられてもよい。さらに別のアセンブリでは、1つまたは2つのロック脚が備えられ、他のアセンブリはいかなるロック配置も含まない。
【0028】
側板17は、2つの脚部の間に延び、天板10に接続されて天板10と実質的に直角に延びている。各取付けアセンブリの側板17は、軸受リング18内に配置されてワッシャ19が設けられた軸受17を支持し、取付けアセンブリ8に対して分割アセンブリ7が回動できるよう、ワッシャ19に分割アセンブリ7が取付けられている。1つの取付けアセンブリ8はさらに、取付けアセンブリに対し、所望の相対位置に分割アセンブリ7をロックするように動作するラッチ(latch)を備えている。ラッチアセンブリは、分割アセンブリと共に回転するように取り付けられたリクライニングプレート(recline plate)20と、側板17に対して固定された固定プレート21とを有する。突出ピンの形態の止め具(stop)22が固定プレート21に取り付けられている。2つの限界(limit)の間で、固定プレートに対するリクライニングプレートの回転を止め具が規制するよう、リクライニングプレート20が形成され、かつ止め具22に対して位置決めされている。固定プレートは、歯付き爪部(toothed locking pawl)22も支持する。爪部22は回動可能に固定プレート21に装着され、固定プレート21に対するリクライニングプレート20の移動を防止するため、爪部の歯がリクライニングプレート20の周囲の歯と係合可能なロック位置と、固定プレート21に対するリクライニングプレート20の移動を許容し、爪部23とリクライニングプレート20との間に隙間がある解放位置と、の間で移動することができる。
【0029】
ロッキングカム(locking cam)24も回動可能に固定プレート21に取り付けられている。カムは、天板10の細長い溝26を通って突出するユーザ操作可能なレバー25を有する。カム24は、爪部23をそのロック位置に付勢して保持するロック位置と、爪部23をその解放位置に付勢して保持する解放位置との間で動作可能である。
【0030】
ラッチアセンブリは、シートバックダンプ(seat back dump)機構に用いられるラッチアセンブリに似ている。それは、カバープレート27によって覆われている。
【0031】
取付けアセンブリは、レバー25がそれを通って突出する溝を規定するプラスチック材料成形体28で覆われている。
【0032】
特に
図8、
図10を参照すると、分割アセンブリ7は、プラスチック材料成形体28を有する。成形体28は、概して細長い長方形の形状を有し、さらに、3つの辺の周りに隆起した壁30を有し、かつ長辺の一方に沿って壁を有しない概ね平板29の形態をなす。壁30の内面は、湾曲した角部を持っている。成形体の長辺に沿う壁の外面は凸状をなし、湾曲の軸(axis of curvature)が壁の縁に実質的に平行である。2つの短辺に沿う壁のそれぞれの外面は、細長い凹部31を規定する。これらの壁は、板29をほんの少し越えて延び、凹部内で板29を越えて延びる壁の一部に、実質的に円形の開口が各壁を貫通して延びている。これらの2つの開口は互いに一直線に並ぶ。細長い金属板から形成された金属製支持アーム32が、各凹部31の内部に配置されている。止め具33を含むクッションフレームピボットピン(Cushion frame pivot pin)がアーム32に取り付けられ、壁30の開口を通って延び、分割アセンブリ7の反対側のピン33が互いに対向する。分割アセンブリ支持ピン34は、各支持アーム32の反対側の端(opposite end)で、かつクッションフレームピボットピン33の反対側に取り付けられている。このように、分割アセンブリ支持ピン34は、分割アセンブリ7から外側に向く。カバープレート35は、支持アームを隠すために各凹部31の上に取付けられている。カバープレート35は、分割支持ピン34の周囲に延びる凹状の端部を有し、ピン34がカバープレート35を越えて突出することを可能とする。
【0033】
カーペット層36は、壁30に囲まれた領域内で、分割アセンブリ7の板29に接着されている。
【0034】
シートクッションアセンブリ9は、クッションフレームピボットピン33によって回動可能に分割アセンブリに取り付けられている。
図8、
図9および
図11を特に参照すると、シートクッションアセンブリ9は金属製クッションフレーム37を有する。フレーム37は、その長辺の一方に沿ってクッションフレーム37の一部を収容するように構成される構造を持つ、細長くて概ね矩形板を含む成形プラスチック基板38に取り付けられている。カーペット39が基板38の一方の面に接着され、フォームクッション40が基板の反対側に取り付けられ、さらに張り布(upholstery)41で覆われている。
【0035】
骨組みを形成するため、クッションフレーム37は、クロスチューブ43によって概ね平行な金属片44に接続される、後部の金属チューブ42によって形成されている。止め具を含む端部金具(end fitting)42は、後部チューブの端部に嵌め込まれ、クッションアセンブリ9を分割アセンブリ7に回動可能に取り付けるよう、分割アセンブリのクッションピボット33の上に(over?)収容されることを意図している。クッションアセンブリのカーペットの背部(backed part)が壁30の頂部と面一に位置するよう、壁30によって囲まれた分割アセンブリの領域内にクッションアセンブリが収容される、
図5及び
図6に示す格納位置と、クッションアセンブリ9が分割アセンブリ7と概ね同一平面内にある、
図7に示す展開位置との間で、クッションアセンブリが実質的に180度回動できるよう、2つのアセンブリが配置される。クッションアセンブリが分割アセンブリに対して展開位置を越えて回動することを防止するため、端部金具45に内蔵された止め具と、ピボットピン33とが相互作用する。
【0036】
ラッチを組み込んだ取付けアセンブリに収容された支持ピンが、ラッチのリクライニングプレート20に回転可能に接続された状態で、分割アセンブリ7の支持ピン34が取付けアセンブリ8の軸受に収容されている。
図5に示される直立配置と、
図6及び
図7に示されるフラット配置との間で、取付けアセンブリ8に対して分割アセンブリ7が回動できるよう、リクライニングプレート20及び止め具22が配置されている。
【0037】
使用時、荷物エリアの床の上の軌道5の取付けアセンブリ8を係合することによって、シート構造6が自動車1の荷物エリア3の床に取り付けられている。荷物エリア3の構造6の位置は、軌道5に沿って取付けアセンブリ8を摺動させることにより調整することができる。ロック手段を解放し、軌道5上の所望の位置に全体の構造を摺動させ、その後に取付けアセンブリ8への圧力を解放し、ロック手段が前記1つの取付けアセンブリ又は各取付けアセンブリ8を、それが取り付けられる軌道に対し軌道の長さに沿った任意の所望の位置にロックすることは、ロック手段を組み込んだ前記1つの取付けアセンブリ(又は各取付けアセンブリ)8を直接押し下げることにより、又は分割アセンブリ7を押し下げることによってロック手段を組み込んだ前記1つの取付けアセンブリ(又は各取付けアセンブリ)8を押し下げることにより、実現される。
【0038】
レバー25を解放位置に移動させ、分割アセンブリを所望の位置に移動させ、次いで分割アセンブリを取付けアセンブリに対してロックするロック位置に解除レバー25を移動させることにより、分割アセンブリの位置が直立位置及びフラット位置の間で調整されることができる。分割アセンブリ7がフラット位置にある場合には、少なくとも部分的に、荷物スペースの床に支持されてもよい。ラッチは、直立位置とフラット位置の間の位置に分割アセンブリ7をロックするように構成されてもよい。
【0039】
分割アセンブリ7が直立位置にある場合には、車両1の荷物エリア3を分割して荷物を収容するために役立つ、荷物スペースの仕切りとして機能することができる。例えば荷物は、分割アセンブリ7とテールゲートとの間、または分割アセンブリ7と車両の後部シートとの間の空間に閉じ込められることができる。
【0040】
分割アセンブリ7がフラット位置にある場合には、シートを形成するために、クッションアセンブリ9がその展開位置に180度回動してもよい。少なくとも取付けアセンブリが最後尾の位置にある場合、クッションアセンブリが自動車の荷物スペース3の外に部分的に又は完全に延びていてもよい。この位置では、シートクッションアセンブリの一部または全ては、リアバンパー成形体の上のような自動車の一部に支持されてもよい。又は、それは自動車の後部に完全にまたは部分的に張り出すかもしれない。この位置でシートアセンブリは、屋外イベントに参加したときに自動車の乗員が使用するために役立つかもしれない便利なシートを提供する。このシート位置は、開いたテールゲートからの少なくとも部分的な避難所の利益を得るかもしれない。
【0041】
シートクッションアセンブリ9が少なくとも部分的に自動車の後部に張り出す場合、アセンブリにかかる荷重の一部または全部は、シートクッションフレーム37、アーム32および取付けアセンブリ8を介して自動車に伝わるであろう。
【0042】
必要とされないときには、使用可能な荷物スペースを最大にするために、シート構造の全体が自動車から取り外されてもよい。
【0043】
代替の実施形態が可能である。一つの配置では、取付けアセンブリを軌道にロックするロック配置は、分割アセンブリを取付け手段に対して回動する動作によって係合及び解放されてもよい。ロック手段は、例えば、分割アセンブリが直立及びフラット位置にある場合に係合し、中間位置にある場合に解放するように配置される。
【0044】
構造の種々の耐荷重部材は、金属、典型的には鋼、から形成されてよい。
【0045】
上記実施形態は単なる一例として記載されているに過ぎない。多くの変形例が、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく可能である。
【国際調査報告】