(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-513034(P2016-513034A)
(43)【公表日】2016年5月12日
(54)【発明の名称】透明電光板を備えた搭乗橋
(51)【国際特許分類】
B64F 1/305 20060101AFI20160408BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20160408BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20160408BHJP
G09F 19/22 20060101ALN20160408BHJP
【FI】
B64F1/305
G09F9/00 362
G09F9/33
G09F19/22 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-555100(P2015-555100)
(86)(22)【出願日】2014年1月23日
(85)【翻訳文提出日】2015年7月23日
(86)【国際出願番号】KR2014000670
(87)【国際公開番号】WO2014126347
(87)【国際公開日】20140821
(31)【優先権主張番号】10-2013-0016370
(32)【優先日】2013年2月15日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】515198865
【氏名又は名称】ジースマット カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】G−SMATT CO., LTD
(71)【出願人】
【識別番号】515198418
【氏名又は名称】チュン、チ ヒュン
【氏名又は名称原語表記】JUNG, Ji Hyun
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】チュン、チ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ホ シュン
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA07
5C094AA21
5C094AA55
5C094BA23
5C094CA19
5C094CA24
5C094DB01
5C094EA05
5C094FA01
5C094FB12
5C094FB18
5C094HA10
5C094JA03
5C094JA04
5C094JA05
5C094JA08
5G435AA16
5G435BB04
5G435CC09
5G435CC12
5G435EE12
5G435HH02
5G435HH12
5G435HH15
5G435HH18
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】
搭乗橋において乗客の移動通路をなすブリッジに設置される透明電光板から発光素子に電源を供給するように形成される連結パターンの幅を透明電極の面抵抗及び長さを考慮して選択的に形成することで、全ての発光素子の均一な光出力が可能な透明電光板を備えた搭乗橋を提供する。
【解決手段】
本発明は透明電光板を備えた搭乗橋に係り、詳しくは搭乗橋のブリッジに設置される透明電光板において透明電極の面抵抗によってパターンの幅及び長さを調節して、発光素子に印加される駆動電圧を一定範囲内で均一に供給することができ、発光素子を均一な強度で発光させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港ターミナルと航空機を連結して乗客の航空機搭乗を補助する搭乗橋であって、
移動通路をなすブリッジ;及び
前記ブリッジの天井と壁面の少なくとも一方に2〜4電極の発光素子の中で選ばれた多数の発光素子が発光する透明電光板を含み、
前記透明電光板は、
互いに離隔してその間に充填される透明レジンによって接着される一対の透明板の中で少なくとも一面に固定され、印加される電源によって発光する一つ以上の発光素子;
前記透明板に伝導性物質が塗布されてなり、前記一つ以上の発光素子に電源を連結する透明電極;及び
前記透明電極からエッチングされてなり、前記発光素子の各電極に連結されて電気的信号を伝達するように互いに異なる長さを持って伸びる連結パターン;を含み、
前記連結パターンは、前記発光素子に連結される長さが長くなるほど連結パターンの幅が増加することを特徴とする、透明電光板を備えた搭乗橋。
【請求項2】
前記連結パターンの幅は、下記の数学式1と2によって算出されることを特徴とする、請求項1に記載の透明電光板を備えた搭乗橋。
(数学式1)
L(mm)/W(mm)×透明電極の面抵抗(Ω)=エッチングされた面積の抵抗(Ω)
(数学式2)
定格電圧(V)/エッチングされた面積の抵抗(kΩ)=I(mA)
(式中、Lは連結パターンの長さ、Wは連結パターンの幅、透明電極の面抵抗は透明電極自体の面抵抗値、定格電圧は透明電光板に印加される電圧、Iは連結パターンから発光素子に印加される電流値、エッチングされた面積の抵抗は透明電極からエッチングされて形成された連結パターンの単位面積当たり抵抗値である。)
【請求項3】
前記発光素子は、
前記連結パターンが連結される一つ以上のアノード電極と一つのカソード電極とを含み、
前記連結パターンは、前記一つ以上のアノード電極にそれぞれ連結されるように、前記透明電極からエッチングされて前記アノード電極にそれぞれ連結される一つ以上の連結パターンと、前記多数の発光素子にそれぞれ形成されるカソード電極に共通で連結される単一カソード連結パターンとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の透明電光板を備えた搭乗橋。
【請求項4】
前記透明電光板は、
前記透明板の上下左右側端部の中で少なくとも一つから前記カソード連結パターンと前記連結パターンが順次伸びて前記透明伝導性テープに連結される連結端が整列され、
前記連結端において最上側で前記カソード連結パターンの連結端が形成され、
前記連結端において前記カソード連結パターンの連結端の下側に前記一つ以上の連結パターンの連結端が順次伸びることを特徴とする、請求項3に記載の透明電光板を備えた搭乗橋。
【請求項5】
前記連結パターンは、
前記発光素子の一つ以上のアノード電極にそれぞれ連結され、少なくとも一つ以上が前記カソード連結パターンを挟んで離隔して前記アノード電極に連結されることを特徴とする、請求項3に記載の透明電光板を備えた搭乗橋。
【請求項6】
前記発光素子は、一つ以上が水平又は垂直方向に整列され、
前記連結パターンは前記発光素子のアノード電極と同数で、前記発光素子にそれぞれ伸びることを特徴とする、請求項3に記載の透明電光板を備えた搭乗橋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は透明電光板を備えた搭乗橋に係り、詳しくは空港搭乗場から乗客が航空機に移動することができるように通路をなす搭乗橋の天井と壁面に設置される透明電光板のパターンの幅及び長さを調節して発光素子が均一な強度で発光することができる透明電光板を備えた搭乗橋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、空港には空港ターミナルと航空機ドアを連結して乗客の搭乗をなだらかにするための搭乗橋が設置されている。前記搭乗橋は従来大韓民国特許公開第1999−027983号の搭乗橋遠隔制御システムのような遠隔制御システムによって航空機と乗り場の間で乗客の移動通路の役目を果たす。
【0003】
ここで、前記搭乗橋1000は、移動通路の役目を行うブリッジ1100を含むことになり、前記ブリッジ1000は、添付図面の
図1に示したように、天井及び/又は壁面に設置された透明電光板1200を通じて多様な文字や文様を表現することができる。
【0004】
前記従来の搭乗橋1000に設置される透明電光板1200は、透明電極に多数の発光素子を付着し、コントローラーの制御によって発光させることで、透明電極で文字や図形を表示し、ひいては動画まで表現することができる。
【0005】
このような透明電光板1200は透明電極に多数の発光素子が連結されるもので、通常2電極、3電極及び4電極を持つ発光素子の中で選択的に適用された。このうち、4電極発光素子が適用される透明電光板を一例として
図2に示した。
図2は従来の搭乗橋のブリッジに設置される透明電光板を示す連結パターン図である。
【0006】
図2を参照すれば、従来の搭乗橋1000において移動通路の役目を行うブリッジ1100の天井及び/又は壁面に設置される透明電光板1200は、互いに対向するように位置する透明電極2の間で透明レジンによって接着固定される多数の発光素子1と、前記透明電極2にコートされ、前記発光素子1、1’、1”のいずれか一電極に連結されて電源を供給する透明電極の連結パターン2a〜2d、2e〜2hと、前記透明電極の連結パターン2a〜2dに電源を供給する伝導性テープ2a’〜2d’とを含む。
【0007】
前記発光素子1、1’、1”は4電極発光素子1、1’、1”であって、一つのカソード電極と、三つのアノード電極とが形成され、互いに異なる透明電極伝導性テープ2a’〜2d’から伸びる連結パターン2a〜2dにそれぞれ連結される。ここで、前記発光素子1、1’、1”は、多数が垂直方向に整列される一列以上の列に形成される。
【0008】
前記連結パターン2a〜2dは前記透明電極伝導性テープ2a’〜2d’から伸びて前記4電極発光素子1のアノード電極とカソード電極にそれぞれ連結される。ここで、前記連結パターン2a〜2dは互いに接触しないように絶縁されるように分割された形態を持つ。
【0009】
また、前記連結パターン2a〜2dは中央部に整列される発光素子1、1’、1”に順次伸びる形状である。すなわち、前記連結パターン2a〜2dは、接地端の役目をするために前記カソード電極に連結される第1連結パターン2aと、アノード電極に連結される第2連結パターン〜第4連結パターン2b〜2dとが順次連結され、第4連結パターン2dの後にさらにアノード電極に連結される第5連結パターン〜第7連結パターン2e〜2gが伸びる。ここで、前記カソード電極に連結される第1連結パターン2aは、前記アノード電極に連結される第7連結パターンの後にさらに形成される。
【0010】
すなわち、従来の搭乗橋1000のブリッジ1100に設置される透明電光板1200は、前記発光素子のカソード電極に連結されて接地端の役目を行う連結パターンが前記発光素子の垂直又は水平方向に整列された数にしたがって形成されるため、これによる工数が増加して製造コストの上昇及び生産性の低下の問題がある。
【0011】
また、従来の搭乗橋1000のブリッジ1100に設置される透明電光板1200は、前記発光素子1、1’、1”の各電極に連結される連結パターン2a〜2dの伸びる長さが前記発光素子1、1’、1”の固定された位置によって互いに異なる。例えば、第1発光素子1〜第3発光素子1”にそれぞれ連結される連結パターンの長さが異なり、それぞれの透明電極の幅が同じに形成される。
【0012】
しかし、従来の搭乗橋1000のブリッジ1100に設置される透明電光板1200は、透明電極そのものの面抵抗が存在し、前記透明電極からエッチングされて前記発光素子の電極にそれぞれ連結される連結パターンの単位面積当たり抵抗と連結パターンの幅及び長さによって印加電圧の損失が発生する。したがって、従来の搭乗橋に設置される透明電光板は、前記連結パターンにおいて最も長く伸びた位置に連結される発光素子と最も短い長さで伸びた連結パターンに連結された発光素子の光量が不均一であって映像や動画の画質が落ちる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は前記のような従来の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、搭乗橋において乗客の移動通路をなすブリッジに設置される透明電光板から発光素子に電源を供給するように形成される連結パターンの幅を透明電極の面抵抗及び長さを考慮して選択的に形成することで、全ての発光素子の均一な光出力が可能な透明電光板を備えた搭乗橋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記のような目的を達成するために、下記のような実施例を含む。
【0015】
本発明の第1実施例によれば、空港ターミナルと航空機を連結して乗客の航空機搭乗を補助する搭乗橋であって、移動通路をなすブリッジ;及び前記ブリッジの天井と壁面の少なくとも一方に2〜4電極の発光素子の中で選ばれた多数の発光素子が発光する透明電光板を含み、前記透明電光板は、互いに離隔してその間に充填される透明レジンによって接着される一対の透明板の中で少なくとも一面に固定され、印加される電源によって発光する一つ以上の発光素子;前記透明板に伝導性物質が塗布されてなり、前記一つ以上の発光素子に電源を連結する透明電極;及び前記透明電極からエッチングされてなり、前記発光素子の各電極に連結されて電気的信号を伝達するように互いに異なる長さを持って伸びる連結パターン;を含み、前記連結パターンは、前記発光素子に連結される長さが長くなるほど連結パターンの幅が増加することを特徴とする。
本発明の第2実施例において、前記連結パターンの幅は、下記の数学式1と2によって算出されることを特徴とする。
(数学式1)
L(mm)/W(mm)×透明電極の面抵抗(Ω)=エッチングされた面積の抵抗(Ω)
(数学式2)
定格電圧(V)/エッチングされた面積の抵抗(kΩ)=I(mA)
【0016】
式中、Lは連結パターンの長さ、Wは連結パターンの幅、透明電極の面抵抗は透明電極自体の面抵抗値、定格電圧は透明電光板に印加される電圧、Iは連結パターンから発光素子に印加される電流値、エッチングされた面積の抵抗は透明電極からエッチングされて形成された連結パターンの単位面積当たり抵抗値である。
【0017】
本発明の第3実施例において、前記発光素子は、前記連結パターンが連結される一つ以上のアノード電極と一つのカソード電極とを含み、前記連結パターンは、前記一つ以上のアノード電極にそれぞれ連結されるように、前記透明電極からエッチングされて前記アノード電極にそれぞれ連結される一つ以上の連結パターンと、前記多数の発光素子にそれぞれ形成されるカソード電極に共通で連結される単一カソード連結パターンとを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の第4実施例において、前記透明電光板は、前記透明板の上下左右側端部の中で少なくとも一つから前記カソード連結パターンと前記連結パターンが順次伸びて前記透明伝導性テープに連結される連結端が整列され、前記連結端において最上側で前記カソード連結パターンの連結端が形成され、前記連結端において前記カソード連結パターンの連結端の下側に前記一つ以上の連結パターンの連結端が順次伸びることを特徴とする。
【0019】
本発明の第5実施例において、前記連結パターンは、前記発光素子の一つ以上のアノード電極にそれぞれ連結され、少なくとも一つ以上が前記カソード連結パターンを挟んで離隔して前記アノード電極に連結されることを特徴とする。
【0020】
本発明の第6実施例において、前記発光素子は、一つ以上が水平又は垂直方向に整列され、前記連結パターンは前記発光素子のアノード電極と同数で、前記発光素子にそれぞれ伸びることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、搭乗橋の天井と壁面の少なくとも一方に設置される透明電光板において透明電極の面抵抗とパターンの長さを調節して電源の損失量を補償することができるので、発光素子の出力が均一であって精密な動画の具現が可能な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】従来の搭乗橋のブリッジに設置される透明電光板を示す平面図である。
【
図3】本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の透明電光板を示す図である。
【
図4】本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の透明電光板を示す図である。
【
図5】本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の発光素子を拡大して示す図である。
【
図6】本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の透明電光板の第1比較例を示す図である。
【
図7】本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の透明電光板の第1実験例を示す図である。
【
図8】本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の透明電光板の第2比較例を示す図である。
【
図9】本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の透明電光板の第2実験例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、空港搭乗場から航空機に連結されて乗客が移動する通路をなす搭乗橋の天井と壁面に設置される透明電光板の発光素子が均一な強度で発光するように互いに離隔し、その間に充填される透明レジンによって接着される一対の透明板の少なくとも一面に固定され、印加される電源によって発光する一つ以上の発光素子の各電極に連結され、電気的信号を伝達するように互いに異なる長さを持って伸びる連結パターンの延長長さが長くなるほど幅を増加させることで、連結パターンの長さによる電源の損失量を補償するようにする。
【実施例】
【0024】
以下、本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図3及び
図4は本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の透明電光板を示す図、
図5は本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の発光素子を拡大して示す図である。
ここで、前記搭乗橋、ブリッジ及び透明電光板は
図1で付与された図面番号をそのまま適用して説明する。
【0025】
図3〜
図5を参照すれば、本発明による透明電光板1200を備えた搭乗橋1000は、空港ターミナルと航空機を連結して乗客の航空機搭乗を補助する搭乗橋1000において、乗客が空港ターミナルと航空機の間で移動することができるように移動通路をなすブリッジ1100と、前記ブリッジ1100の天井と壁面の少なくとも一方に2〜4電極を持つ発光素子の中で選ばれた多数の発光素子が設置される透明電光板1200とを含む。
【0026】
前記透明電光板1200は、互いに離隔して透明レジンによって接着される一対の透明板10と、前記一対の透明板10のいずれか一つの一面に伝導性物質からなって電源を案内する透明電極21〜24と、前記一対の透明板10のいずれか一つに固定され、前記透明電極21〜24を通じて印加される電源によって発光する多数の発光素子20、20’、20”、20”’と、前記発光素子20をオン/オフ制御するコントローラー30と、前記透明電極21〜24に電源を供給する透明電極伝導性テープ25とを含む。
【0027】
前記透明板10は、二枚の透明板10が互いに対向し、その間に透明レジンが充填されて接着される。前記透明板10は、透明材質のガラス板、アクリル及びポリカーボネートのいずれか一つから製作できる。前述したような透明板10と発光素子20の結合関係は一般的に知られた技術であるので、図面及び詳細な説明では省略した。
【0028】
前記発光素子20は電源の供給によって点滅する発光体であり、多数が前記一対の透明板10のいずれか一方の一面に形成される透明電極21、22、23に伝導性レジン(図示せず)によって固定される。この際、前記発光素子20は上側の透明レジンによって保護され、透明電極に接着される。ここで、前記発光素子20にはアノード電極20a〜20cとカソード電極20dが形成され、前記アノード電極20a、20b、20cでは正の電源、カソード電極20dでは負の電源が入出力される。さらに、前記発光素子20は、アノード電極20a〜20cとカソード電極20dがそれぞれ一つずつ設けられる2電極発光素子と、アノード電極が二つ、カソード電極が一つ設けられる3電極発光素子と、アノード電極が三つ、カソード電極が一つ設けられる4電極発光素子20とのいずれか一つが適用できる。本発明においては、一例として4電極発光素子を適用して説明する。
【0029】
前記透明電極21〜24は、前記一対の透明板の中で他の一つと対向する一面に伝導性物質であるITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、及び液相ポリマーのいずれか一つが塗布されて形成され、前記発光素子20のアノード電極20a、20b、20cとカソード電極20dにそれぞれ連結されるように多数が互いに絶縁可能に分割され、前記発光素子に電気的信号が伝達できるように延設される一つ以上の連結パターン21〜24をなす。
【0030】
前記透明電極21〜24は前記発光素子20のアノード電極20a、20b、20cとカソード電極20dにそれぞれ連結されるように前記連結パターンに区画され、前記コントローラー30から印加される制御信号を前記発光素子20に伝達する。
【0031】
前記連結パターンは、透明電極21〜24において、前記発光素子のアノード電極20a、20b、20cに連結される連結パターン21〜23と、カソード電極20dに連結されるカソード連結パターン24とを含む。
【0032】
前記連結パターン21〜23は、それぞれの発光素子20のアノード電極20a、20b、20cの数と同数のものが形成できるが、前記カソード連結パターン24は一つで、多数の発光素子20のカソード電極20dに共通で連結される。
【0033】
前記連結パターンは、例えば、4電極発光素子20において第1〜第3アノード電極20a、20b、20cにそれぞれ連結される第1連結パターン〜第3連結パターン211〜213を備える一つのグループ21〜23が多数形成される。
【0034】
例えば、前記連結パターンの第1グループ21は、第1発光素子20の第1アノード電極20aに連結される第1連結パターン211と、第2アノード電極20bに連結される第2連結パターン212と、第3アノード電極20cに連結される第3連結パターン213とからなる。
【0035】
同様に、前記連結パターンの第2グループ22と第3グループ23はそれぞれ第2発光素子20’と第3発光素子20”のそれぞれのアノード電極にそれぞれ連結される第1〜第3の連結パターン221、222、223、231、232、233を含む。
【0036】
本発明は、透明電光板1200に設置される多数の発光素子20のカソード電極20dに一つのカソード連結パターン24が共通で連結され、多数の発光素子20のアノード電極20a、20b、20cにそれぞれ互いに異なる連結パターン21〜23が連結される。
【0037】
ここで、前記連結パターンの各グループ21〜23は前記透明板10の一端から他側に伸びて横方向に整列されるそれぞれの発光素子に連結される。この際、前記連結パターンの各グループ21〜23は前記発光素子20、20’、20”の位置によって伸びた長さが異なり、その長さと前記連結パターンの単位面積当たり抵抗を考慮して前記連結パターン21〜23の幅を調節する。これは、全ての透明電光板1200に設置される全ての発光素子20、20’、20”から出力される光の強度を均一に維持するためであり、これについては後述する。
また、前記透明電極伝導性テープ25は前記連結パターン21〜23の開始点に当たる連結端26をなす。
【0038】
前記透明伝導性テープ25が付着された連結端26は前記透明板10の上下左右側端の中で少なくとも一つに形成されて、前記連結パターン21〜23及びカソード連結パターン24が伸びる開始点をなす。
【0039】
前記連結端26は、最上側で前記カソード連結パターン24に連結される連結端が形成され、前記カソード連結パターン24に連結される連結端の下側で前記一つ以上のアノードにそれぞれ連結される各グループ21〜23に当たる連結パターン211〜233が順次伸びる。
【0040】
また、前記グループ21〜23に含まれた各連結パターン211〜233は、前記発光素子20、20’、20”の一つ以上のアノード電極にそれぞれ連結され、少なくとも一つ以上が前記カソード連結パターン24を挟んで離隔して前記アノード電極20a〜20cに連結される(
図4の第2連結パターン212と第3連結パターン213参照)。
【0041】
また、前記グループ21〜23の各連結パターン211〜233は前記透明電極伝導性テープ25から伸び、それぞれ互いに異なる発光素子20のアノード電極20a、20b、20cに連結される。この際、前記カソード連結パターン24は前記連結パターン211〜233が形成される領域以外の全領域に当たる。
【0042】
また、本発明は、前記連結パターン211〜233の長さと自体単位面積当たり抵抗値の偏差によって各発光素子20、20’、20”の光出力の強度が均一でない従来の問題点を解決するために、前記発光素子20、20’、20”のアノード電極に連結される連結パターン211〜233の幅を面抵抗及び長さによって順次増加させる。これは下記により詳細に説明する。
【0043】
図6は本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の透明電光板の第1比較例を示す図、
図7は本発明による透明電光板を備えた搭乗橋1000の透明電光板を説明するための第1実験例を示す図である。
【0044】
前記第1比較例と前記第1実験例は、第1〜第3発光素子20、20’、20”にそれぞれ連結されるように、第1〜第3グループ210〜230、210’〜230’の連結パターン211〜233211’〜233’を含み、前記第1〜第3グループ210〜230は前述した各発光素子に連結される連結パターンのグループ21〜23を意味する。一例として、
図6及び
図7はそれぞれ一つのパターンで形成されるものが示されている。
また、添付図面の
図6及び
図7は前記第1〜第3連結パターンの端部で連結される第1〜第3発光素子を説明の便宜上図示しなかった。
【0045】
第1実験例と第1比較例は、第1発光素子20に連結される第1グループ210’、210と、第2発光素子20’に連結される第2グループ220’、220と、第3発光素子20”に連結される第3グループ230、230’を含み、各グループ別に伸びる長さL1、L2、L3が異なる。
【0046】
また、第1実験例は、各グループ210〜230の連結パターン211〜233の幅を延長長さによって順次増加させ、第1比較例は、延長長さに係わらずに連結パターン211’〜233’の幅を同一に設定した。
【0047】
ここで、前記発光素子20は、前記第1〜第3グループ210〜230、210’〜230’に当たる各連結パターン211〜233211’〜233’の端部で水平に折り曲げられる結合端210a〜210c、210a’〜210c’が前記発光素子20、20’、20”にそれぞれ形成される一つ以上の電極20a〜20cに接着される。
【0048】
前記第1実験例と第1比較例は、前記結合端210a〜210c、210a’〜210c’で前記発光素子20、20’、20”に印加される電流値を測定し、長さによってその幅が増加することによる電流値の変化を測定して比較した。前記電流値は下記の数学式1及び2によって演算される。
(数学式1)
L(mm)/W(mm)×透明電極の面抵抗(Ω)=エッチングされた面積の抵抗(Ω)
(数学式2)
V/エッチングされた面積の抵抗(kΩ)=I(mA)
【0049】
式中、Lは連結パターンの長さ、Wは連結パターンの幅、透明電極の面抵抗は透明電極自体の面抵抗値、Vは定格電圧、Iは連結パターンから発光素子に印加される電流値(以下では発光素子の駆動電流という)、エッチングされた面積の抵抗は透明電極からエッチングされて形成された連結パターンの単位面積当たり抵抗値である。
前記透明電極の面抵抗値は、例えば、製造社別、製品別仕様によって偏差があり得、一般的に同業種で一番多く適用される製品の場合は普通14Ωである。
【0050】
したがって、本発明は第1発光素子〜第3発光素子20、20’、20”にそれぞれ印加される駆動電流が連結パターンの長さに係わらずに設定された範囲内に当たるレベルで均一に供給されることにより、前記第1〜第3発光素子20、20’、20”の出力が均一である。
【0051】
本発明は、前述したように、連結パターン211〜233の幅を調節して、発光素子20、20’、20”に印加される駆動電流値を調節することも可能であり、あるいは設計者や使用者の応用によって連結パターンの幅でない長さを調節することによって前記発光素子の駆動電流を調節することも可能である。このような連結パターンの幅又は長さの調節による均一な駆動電流値の設定は本発明の技術的思想の範囲内に属する多様な応用例の一つに当たる。
【0052】
以下では、前記のような本発明の技術的思想によって具現される作用及び効果を連結パターンの幅による駆動電流の均一な出力を証明するための実験データを従来の駆動電流と比較して説明する。
【0053】
表1は第1比較例の駆動電流を測定したデータを示した。ここで、定格電圧は12Vであり、第1〜第3発光素子20、20’、20”は基準電流が5mAで、同一仕様の製品を適用した。
【0054】
前記駆動電流は、前記発光素子20、20’、20”の電極に連結される結合端に印加される電流を測定し、透明電極の面抵抗値を14(Ω)、定格電圧を12Vに設定し、全ての連結パターンに同一電圧を印加した。
【0055】
【表1】
【0056】
第1駆動電流は製品仕様によって確認された第1エッチング面積抵抗値によって算出される第1〜第3グループ210’〜230’の各連結パターンの結合端210a’〜230a’で測定される電流値であり、第2駆動電流は第1〜第3グループ210’〜230’の連結パターンの結合端210a’〜230a’で実際に測定された値である。
【0057】
ここで、前記第1〜第3グループ210’〜230’の連結パターン211’〜233’は、第1グループ210’の連結パターン211’〜213’の長さが最も短く、第3グループ230’の連結パターン231’〜233’の長さが最も長く伸びる。また、前記第1〜第3グループ210’〜230’の連結パターン211’〜233’の幅は同一である。
このような条件で、前記結合端210a’〜230a’の測定電流は連結パターンの長さによって偏差が最大12mA発生することを確認することができる。
【0058】
表2は第1実験例の駆動電流をそれぞれ測定したデータである。この際、前記第1実験例の連結パターンの長さL1、L2、L3は第1比較例の長さL1、L2、L3と同一であるが、長さが増加するほど幅を拡張させた。実験条件は、定格電圧は12V、発光素子の基準電流値は5mAで、前記第1比較例と同一仕様の製品を適用した。
【0059】
また、第1グループ210の連結パターン211〜213の幅は0.5mm、第2グループ220の連結パターン221〜223の幅は2.5mm、第3グループ230の連結パターン231〜233の幅は4mmで、連結パターンの長さL1、L2、L3が増加するほどその幅を増加させた。
【0060】
【表2】
【0061】
表2に記載した駆動電流値を確認して見れば、第1駆動電流と第2駆動電流は第1グループ210の連結パターン211〜213と第3グループ230の連結パターン231〜233の結合端210a、230aで測定した値の偏差が最大1.2mAを超えなかった。
【0062】
すなわち、各グループ210〜230別に連結パターンの結合端210a〜230aで発光素子20、20’、20”に印加される駆動電流は、連結パターンの幅が増加すれば駆動電流が増加して、表1のデータと異なり、連結パターン211〜233の長さによる電流の損失が補償されることが確認される。
【0063】
また、出願人は各グループにおいて総四つの連結パターンから構成されるように設計した4端子発光素子が適用される透明電光板1200によって、連結パターンの幅が一定した第2比較例と、連結パターンの幅が順次増加する第2実験例とを比較した。
【0064】
図8は本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の透明電光板の第2比較例を示す図、
図9は本発明による透明電光板を備えた搭乗橋の透明電光板を説明するための第2実験例を示す図である。
【0065】
図8を参照すれば、第2比較例は透明板10の一面において伝導性物質が塗布されて形成される透明電極21〜24がエッチングされて形成される一つ以上の連結パターン211〜233を含む一つ以上のグループ21〜23と、前記連結パターン211〜233から印加される電源によって発光する一つ以上の発光素子20、20’、20”とを含む。
【0066】
ここで、前記発光素子20、20’、20”は4端子電極を持つ発光素子を例として説明する。前述したように、各発光素子のカソード電極はカソード連結パターン24によって共通で連結される。
【0067】
前記一つ以上の連結パターン211’〜233’が含まれるそれぞれのグループ210’〜230’はグループ別にその長さが順次増加し、各グループ210’〜230’は前記発光素子20、20’、20”のアノード電極に連結される第1〜第3連結パターン211’〜233’が形成される。
【0068】
前記第1〜第3グループ210’〜230’の各連結パターン211’〜233’は1mmで、同一幅を持ち、第1グループ210’から第3グループ230’の順にその長さが次第に増加する。前記第1グループ210’は、第1発光素子20の各電極に連結される第1〜第3連結パターン211’〜213’が形成され、第2グループ220’の連結パターン221’〜223’は、前記第2発光素子20’の各電極に連結される第4〜第6連結パターン221’〜223’が形成され、第3グループ230’の連結パターン231’〜233’は、前記第3発光素子20”の各電極に連結される第7〜第9連結パターン231’〜233’がそれぞれ形成される。ここで、前記第1〜第9連結パターン211’〜233’の幅は同一であり、その長さはグループ別に異なっている。このような第2比較例の測定データは下記の通りである。
【0069】
【表3】
定格電圧は12V、基準電流は5mA、透明電極の面抵抗は14kΩである。各駆動電流は各連結パターンのパターン別に測定した。
【0070】
前記表3から確認して見れば、パターンの長さが増加するほどエッチング面積抵抗値は最大5.9kΩ増加し、駆動電流は最大13.76mAの偏差が発生することを確認することができる。
【0071】
すなわち、第2比較例は、長さによって発光素子20、20’、20”から出力される光量に差があって全ての透明電光板1200の光出力が均一でないため、細密な動画の具現が難しい。
【0072】
本発明の出願人は、第2比較例との比較のために、
図9の第2実施例を第2比較例と同一実験条件の下で実験した。第2実施例は、第2比較例の連結パターン長さと定格電圧及び同一仕様の発光素子と透明電極を適用した。ただ、第1〜第3グループ210〜230の連結パターンの幅を順次増加させて駆動電流を測定したところ、その結果は下記の表4に記載したようである。
【0073】
【表4】
【0074】
第2実施例において、第1グループ210の第1〜第3連結パターン211〜213は、各パターンの幅を0.5mm、第2グループ220の連結パターン221〜223は2.5mm、第3グループ230の連結パターン231〜233は4mmの幅を持つように設定し、長さL1、L2、L3は前述した第2比較例と同様であり、透明電極の面抵抗は14kΩ、定格電圧は12Vである。
【0075】
表4において、製品の仕様によって確認される理論的電流値である第1駆動電流値は前述した数学式1と数学式2によって算出され、第2駆動電流値は実際に測定されたデータである。また、前記第1〜第3グループ210〜230の連結パターン211〜233の幅は前記数学式1と数学式2によって算出される。
【0076】
前記の第1駆動電流値と第2駆動電流値は、最大偏差が2.53mAで、第2比較例の13.76mAよりずっと少ない値が測定される。すなわち、本発明は連結パターン211〜233の長さに係わらずに全ての発光素子20、20’、20”の光出力の偏差が小さいため、透明電光板1200の全ての発光素子が均一な強度で発光することを確認することができた。
【0077】
したがって、本発明は、搭乗橋1000のブリッジ1100に設置される透明電光板1200において多数の発光素子が均一な光出力で発光することにより、より精密できれいな画質の映像と動画の具現が可能である。
【0078】
以上で本発明を記載した具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明の技術思想範囲内で多様な変形及び修正が可能であるのは当業者に明らかなものであり、このような変形及び修正が添付の特許請求範囲に属するものであるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、空港ターミナルと航空機ドアを連結して乗客の搭乗をなだらかにするための搭乗橋にきれいな画質を具現することができるように透明電光板を設置することができ、より優れた画質で映像を具現することができるので、産業上利用可能性が非常に高い。
【国際調査報告】