特表2016-513191(P2016-513191A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-513191高密度化流体を使用する耐久撥水剤の適用およびアクティブ化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-513191(P2016-513191A)
(43)【公表日】2016年5月12日
(54)【発明の名称】高密度化流体を使用する耐久撥水剤の適用およびアクティブ化
(51)【国際特許分類】
   D06B 9/00 20060101AFI20160408BHJP
   D06M 15/277 20060101ALI20160408BHJP
   D06M 15/643 20060101ALI20160408BHJP
   D06M 15/256 20060101ALI20160408BHJP
   D06L 1/00 20060101ALI20160408BHJP
   D06M 13/265 20060101ALI20160408BHJP
   D06B 19/00 20060101ALI20160408BHJP
【FI】
   D06B9/00
   D06M15/277
   D06M15/643
   D06M15/256
   D06L1/00
   D06M13/265
   D06B19/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-560347(P2015-560347)
(86)(22)【出願日】2014年2月28日
(85)【翻訳文提出日】2015年10月27日
(86)【国際出願番号】US2014019397
(87)【国際公開番号】WO2014134435
(87)【国際公開日】20140904
(31)【優先権主張番号】61/770,964
(32)【優先日】2013年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/192,545
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515235942
【氏名又は名称】シーオーツーネクサス
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ホイットニー、スティーブン
【テーマコード(参考)】
3B154
4L033
【Fターム(参考)】
3B154AB26
3B154BA01
3B154BA17
3B154BB25
3B154BB32
3B154BC01
3B154BD08
3B154BE06
3B154DA16
4L033AB04
4L033AC03
4L033BA29
4L033CA17
4L033CA22
4L033CA25
4L033CA59
(57)【要約】
高密度化流体を使用する加圧システムは、耐久撥水剤を適用および/またはアクティブ化できる。まず、加圧高密度化流体洗浄処理を介して複数の汚染物質を除去した後、高密度化流体と物品との相互作用およびそのガスリンスサイクルを介して、エネルギーを耐久撥水剤に帰属させることによって、衣類物品の複数の繊維に結合された耐久撥水剤はアクティブ化され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐久撥水性をアクティブ化するための方法であって、
圧力容器内に、1または複数の繊維を有する物品を置く段階であって、前記物品の前記1または複数の繊維は耐久撥水剤に結合されている段階と、
複数の汚染物質を除去すべく、前記物品を高密度化流体で処理する段階と、
前記物品の前記1または複数の繊維に結合された前記耐久撥水剤を活性化する段階と、を備える、耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項2】
前記耐久撥水剤は、ペルフルオロアルキル鎖である請求項1に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項3】
前記耐久撥水剤は、フッ素化学作用に基づく、請求項1または2に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項4】
前記耐久撥水剤は、シリコン化学作用に基づく、請求項1または2に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項5】
前記耐久撥水剤は、フッ素重合体ベースである、請求項1または2に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項6】
前記耐久撥水剤は、パーフルオロオクタンスルホン酸塩ベースである、請求項1または2に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項7】
前記耐久撥水剤は、パーフルオロオクタン酸ベースである、請求項1または2に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項8】
前記高密度化流体は、超臨界二酸化炭素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項9】
前記高密度化流体は、液体二酸化炭素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項10】
前記処理する段階は、前記物品を液体二酸化炭素で洗浄する段階を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項11】
前記活性化する段階は、前記耐久撥水剤を静電気にさらす段階を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項12】
前記活性化する段階は、前記物品に、エネルギーを前記耐久撥水剤に付与する加圧ガスリンスサイクルを受けさせる段階を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項13】
前記活性化する段階は、前記高密度化流体から前記耐久撥水剤へとエネルギーを伝達する段階を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項14】
前記活性化する段階は、ガスリンスサイクルから前記耐久撥水剤へとエネルギーを伝達する段階を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の耐久撥水性をアクティブ化するための方法。
【請求項15】
耐久撥水剤適用のための方法であって、
圧力容器内に、1または複数の繊維を有する物品を置く段階と、
複数の汚染物質を除去すべく、前記物品を高密度化流体で処理する段階であって、前記高密度化流体は耐久撥水剤を含む段階と、
前記物品の前記1または複数の繊維に結合された前記耐久撥水剤を活性化する段階と、を備える、耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項16】
前記処理する段階は、前記耐久撥水剤を前記物品の前記1または複数の繊維に結合する段階を含む、請求項15に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項17】
前記耐久撥水剤は、ペルフルオロアルキル鎖である、請求項15または16に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項18】
前記耐久撥水剤は、フッ素化学作用に基づく、請求項15〜17のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項19】
前記耐久撥水剤は、シリコン化学作用に基づく、請求項15〜17のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項20】
前記耐久撥水剤は、フッ素重合体ベースである、請求項15〜17のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項21】
前記耐久撥水剤は、パーフルオロオクタンスルホン酸塩ベースである、請求項15〜17のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項22】
前記耐久撥水剤は、パーフルオロオクタン酸ベースである、請求項15〜17のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項23】
前記高密度化流体は、超臨界二酸化炭素である、請求項15〜22のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項24】
前記高密度化流体は、超臨界流体である、請求項15〜22のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項25】
前記処理する段階は、前記物品を液体二酸化炭素で洗浄する段階を含む、請求項15〜22のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項26】
前記活性化する段階は、前記耐久撥水剤を静電気にさらす段階を含む、請求項15〜25のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項27】
前記活性化する段階は、前記物品に、エネルギーを前記耐久撥水剤に付与する、加圧ガスリンスサイクルを受けさせる段階を含む、請求項15〜26のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項28】
前記活性化する段階は、前記高密度化流体から前記耐久撥水剤へとエネルギーを伝達する段階を含む、請求項15〜27のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項29】
前記活性化する段階は、ガスリンスサイクルから前記耐久撥水剤へとエネルギーを伝達する段階を含む、請求項15〜28のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用のための方法。
【請求項30】
耐久撥水剤アクティブ化システムであって、
高密度化流体を高気圧において保持する圧力容器と、
前記高密度化流体を格納するための、前記圧力容器に流体的に連結された格納タンクと、
前記圧力容器および前記格納タンクに流体的に連結された蒸留システムと、
1または複数の繊維を有する物品と、を備え、
前記蒸留システムは、前記高密度化流体から、懸濁および溶解された複数の汚染物質を除去し、
前記物品の前記1または複数の繊維は、耐久撥水剤に結合されており、
前記圧力容器内の前記物品と前記高密度化流体との間の相互作用が、前記耐久撥水剤を活性化する、耐久撥水剤アクティブ化システム。
【請求項31】
前記蒸留システムは、高圧ガスを使用し、前記物品をリンスする、請求項30に記載の耐久撥水剤アクティブ化システム。
【請求項32】
高圧ガスを使用し、前記物品をリンスすることは、前記耐久撥水剤を活性化する、請求項31に記載の耐久撥水剤アクティブ化システム。
【請求項33】
前記圧力容器によって生成される静電気は、前記耐久撥水剤を活性化する、請求項30から32のいずれか一項に記載の耐久撥水剤アクティブ化システム。
【請求項34】
前記耐久撥水剤は、ペルフルオロアルキル鎖である、請求項30から33のいずれか一項に記載の耐久撥水剤アクティブ化システム。
【請求項35】
前記耐久撥水剤は、フッ素重合体ベースである、請求項30〜34のいずれか一項に記載の耐久撥水剤アクティブ化システム。
【請求項36】
前記高密度化流体は、二酸化炭素である、請求項30〜35のいずれか一項に記載の耐久撥水剤アクティブ化システム。
【請求項37】
前記圧力容器内の前記物品を処理する、撹拌バスケットを前記圧力容器内にさらに備える、請求項30から36のいずれかに一項に記載の耐久撥水剤アクティブ化システム。
【請求項38】
耐久撥水剤適用システムであって、
高密度化流体を高気圧において保持する圧力容器と、
前記高密度化流体を格納するための、前記圧力容器に流体的に連結された格納タンクと、
前記圧力容器および前記格納タンクに流体的に連結された蒸留システムと、
1または複数の繊維を有する物品と、を備え、
前記高密度化流体は、耐久撥水剤溶液を含み、
前記蒸留システムは、前記高密度化流体から、懸濁および溶解された複数の汚染物質を除去し、
前記物品の前記1または複数の繊維は、前記耐久撥水剤に結合し、
前記圧力容器内の前記物品と前記高密度化流体との間の相互作用が、前記1または複数の繊維に結合された前記耐久撥水剤を活性化する、耐久撥水剤適用システム。
【請求項39】
前記圧力容器内の前記物品を処理する、撹拌バスケットを前記圧力容器内にさらに備える、請求項38に記載の耐久撥水剤適用システム。
【請求項40】
前記蒸留システムは、高圧ガスを使用し、前記物品をリンスする、請求項38または39に記載の耐久撥水剤適用システム。
【請求項41】
高圧ガスを使用し、前記物品をリンスすることは、前記耐久撥水剤を活性化する、請求項40に記載の耐久撥水剤適用システム。
【請求項42】
前記圧力容器によって生成される静電気は、前記耐久撥水剤を活性化する、請求項38から41のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用システム。
【請求項43】
前記耐久撥水剤は、ペルフルオロアルキル鎖である、請求項38〜42のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用システム。
【請求項44】
前記耐久撥水剤は、フッ素重合体ベースである、請求項38〜43のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用システム。
【請求項45】
前記高密度化流体は、二酸化炭素である、請求項38〜44のいずれか一項に記載の耐久撥水剤適用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2013年2月28日に出願された米国仮特許出願第61/770、964および2014年2月27日に出願された米国非仮特許出願第14/192、545に関連し、それらの優先権の利益を主張し、両出願は、本明細書に完全に記載されていた場合と同様という全目的のために、本明細書に参照により全体が組み込まれる。
【0002】
本発明の複数の実施形態は概して、耐久撥水剤に関し、より具体的には、高密度化二酸化炭素を使用する、耐久撥水剤の適用および/またはアクティブ化に関する。
[背景技術]
【0003】
耐久撥水剤(DWR)は、複数の織物に追加されるコーティングであり、それらを防水性(または疎水性)にするためのものである。疎水性効果とは、複数の非極性物質が水溶液に集約し、複数の水分子を排除する傾向として観察される。非極性物質は、ニ原子分子の2つの原子間で、複数の電子の均等分配を有するが、これは、当該複数の電子の対称的な配置によるものである。疎水性という名称は、文字通り「水を恐れる」ことを意味し、水と複数の非極性物質との間の分離および明白な反発力を特徴とする。疎水性効果は、油と水から成る混合物の、その2つのコンポーネントへの分離、および油性の葉のような、複数の非極性表面上の水滴を説明する。
【0004】
疎水性相互作用は主に、非極性溶質による、液水の複数の分子間の非常に動的な水素結合の破壊に起因するエントロピー効果である。炭化水素鎖または大きな分子の同様の非極性領域は、水との複数の水素結合を形成できず、従って、そのような非水素結合表面を水に導入すると、複数の水分子間の水素結合ネットワークの破壊を生じさせる。DWRでは、複数の水分子の水素結合された3Dネットワークの破壊を最小化すべく、複数の水素結合は表面に対し、接線方向に再配向され、それにより、非極性表面の周囲に水の「ケージ」を形成する。「ケージ」(すなわち、溶媒和殻)を形成する複数の水分子は、可動性を制約する。そのような複数の分子をともに集約することによって、複数の非極性分子は、水にさらされる表面積を減少させ、それらの破壊効果を最小化する。従って、水凝集は高められる。
【0005】
疎水性効果は、水と複数の非極性溶媒との間の複数の非極性分子に係る、複数の分配係数を測定することによって、定量化されることもできる。複数の分配係数は、エンタルピーコンポーネントおよびエントロピーコンポーネントを含む、自由エネルギー伝達に変換可能である。エンタルピーは、熱力学システムの全エネルギーの測定である一方、エントロピーは、乱雑さ、すなわちシステムが配置され得る方法の数の測定であることを想起されたい。疎水性効果は、非極性溶質の溶媒和殻内の複数の水分子の可動性の減少による、室温におけるエントロピー駆動である。しかしながら、伝達エネルギーのエンタルピーコンポーネントは、複数の水分子の可動性の減少に明白に起因する、水と水との複数の水素結合の強化が溶媒和殻内に存在することを意味し、好ましい。溶媒和殻は、溶媒として作用し、複数の溶質種を囲む、任意の複数の化学種の殻である。溶媒が水の場合、それは通常、水和殻または水和球と呼ばれる。温度が高くなるほど、複数の水分子はより可動的になり、このエネルギー利得は減少するが、エントロピーコンポーネントも然りである。そのようなエントロピー‐エンタルピー補正の結果として、疎水性効果(自由エネルギー伝達によって測定される通り)は、単に弱温度依存性であり、温度が低いほど、小さくなる。
【0006】
歴史的には、複数の長いペルフルオロアルキル鎖を含むDWRは、布地の複数の用途のために選ばれる化学作用である。ペルフルオロアルキル鎖を含有する、複数の未処理の物質を、複数のDWR加工として使用されるアクリルまたはウレタンポリマーに組み込むべく、複数のペルフルオロ化学薬品が使用される。DWR加工の、撥水および撥油に係る複数の固有の特性は、アクリルまたはウレタンポリマー骨格に付着されるペルフルオロアルキル鎖に由来する。DWRの工場で適用される多くの処理は、よって、フッ素重合体ベースである。フッ素重合体は、複数の強力な炭素‐フッ素結合を備えるフッ化炭素ベースポリマーである。複数のフッ素重合体は、複数のフッ化炭素の特性を共有し、それらは、複数の炭化水素としてのファンデルワース力の影響を受けやすくない。これが、それらの付着しない、摩擦を減少する複数の特性に寄与する。また、それらは、化合物に追加された、複数の炭素‐フッ素結合の安定性により、安定している。複数のフッ素重合体は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂として機械的に特徴付けられる。複数のフッ素重合体は、複数の単一重合体または共重合体であり得、複数の溶媒、酸、および塩基に対する高抵抗として特徴付けられ得る。以下の本発明は、概して複数のDWR処理、より具体的には、複数のフッ素重合体の使用に関連して記載される一方で、当業者は、以下に記載される革新的な複数の技術および関連装置は、パーフルオロオクタンスルホン酸塩(PFOS)およびパーフルオロオクタン酸(PFOA)を含む、他の複数のタイプのフルオロケミカルにも等しく適用可能であることを認識するであろう。さらに、本発明は、複数の短鎖フッ化DWR化学薬品に等しく適用可能である。
【0007】
シリコンは、一般に、複数の撥水剤に関連付けられる別の化学構造である。複数のシリコン撥水剤または防水剤は通常、2つの形態で提供される。複数のエラストマーポリジメチルシロキサンは、生地に付着し、硬化して、可撓性のある保護膜を形成する、複数のエラストマーコーティングを特徴付ける。浸透性のある、複数の撥水化学薬品は、複数の反応性シラン、および複数の架橋性側鎖を持つ複数のシロキサン樹脂を特徴付ける。これらの物質は、複数のより小さい分子構造を有し、当該分子構造により、これらの物質を、これらの物質が化学的に結合する生地に深く浸透させることができる。
【0008】
シリコンは、低い表面張力を有し、これにより、シリコンを拡散させ、生地の複数の孔に容易に浸透させることができる。その高可撓性および可動性のシロキサン骨格は、複数の撥水性のメチル基が、それら自身を表面に対し配向し、複数のフッ素ベース化合物と同様の防水性の「傘」を形成する。DWRのような複数の撥水剤は一般に、複数の防水通気性織物とともに使用され、織物の外層に水が浸み込むのを防ぐ。「湿潤性」と呼ばれる、この飽和は、衣服の通気性(通気膜を介した水分移動)を減少させ得、水を通過させる。DWRがなければ、防水性のジャケットの外部ですら、水浸しになり、湿った織物がたわみ、着用者にくっついて重くなるだろう。さらに、DWRは、表面を「覆う」ことがないので、DWRは通気性を抑制せず、布地の複数の繊維に結合し、複数の繊維間の隙間をそのまま残す。
【0009】
工場で適用する複数のDWR処理のための先行技術に係る複数の方法は、スプレーするか、または含侵させるかによって、化学薬品の溶液を、織物の表面に適用することを必要とする。より最近では、当該化学作用は、化学気相成長(CVD)機械を使用する気相において適用される。米国環境保護庁によって、当該適用処理により、人の健康に潜在的に有害であると考えられ、その後の複数の前進は、複数のペルフルオロ酸を除去した。
【0010】
複数の耐久撥水剤(DWR)コーティングは、例えばアウトドアアパレル、装備、テント等の多くの市場において至る所にある。通常、これらのコーティングは、布地または織物生地に適用され、2〜3の例を列挙すると、当該基質は、ジャケット若しくはパーカ、寝袋、履物またはテント等の完成品の一部になる。工業レベルでは、織物または布地が処理される際、DWR剤が「ウェット」化学作用処理を介して適用され、その後、熱、再度の工業処理を介して、「アクティブ化され」または「活性化され」る。「アクティブ化された」DWR処理された織物はその後、下流の完成品(例えばパーカ)に組み込まれるようになる。
【0011】
複数のDWR剤、および複数のDWR剤が適用され、「アクティブ化され」、「再適用され」、および「再アクティブ化」される処理に関連付けられた幾つかの問題がある。第1の問題は、DWR内に存在する複数のフッ化炭素は、生体蓄積(すなわち、フッ化炭素がフッ化炭素に晒される人たちの血流内に入り、とどまる)し、それらが自然環境において分解しないことである。従って、現在使用されている2つの主なDWRは、EPAによって「潜在的発癌性物質」として考えられている。
【0012】
また、当該DWRが適用される処理は、エネルギー、時間および化学物質の消費が多く、解決の難しい二次廃棄物の流れを形成する。さらに、DWR処理アイテム(例えば、ジャケット)の反復使用、および/または複数回の洗濯および着用のサイクル後のように、DWRコーティングは容易に劣化し、DWRコーティングはますます「非アクティブ化」する。この非アクティブ化の通常の複数のメカニズムは、油、塵、および分子レベルにおいて蓄積し、DWRの実際の撥水性特性を妨害する複数の粒子である。結果的に得られる効果として、撥水性は減少され、それにより、市場性、顧客満足に対し悪影響を与え、複数の製品保証および/またはコストに影響し得る。
【0013】
DWR剤で完成アパレルを「再アクティブ化」および「再コーティング」するための家庭での、複数の方法がある。しかしながら、これらは、低性能、低信頼性の問題があり、新たに適用されたDWRを「活性化する」、および/または既存のDWRを「再アクティブ化する」ために必要な、長い、労力のかかる、エネルギーを消費する複数の手順を伴う。従って、DWR処理された複数の素材における複数のDWR特性を、効果的および効率的に回復する手段を提供する必要がある。これら、および先行技術の複数の他の欠点が、本発明の1または複数の実施形態によって対処される。
【0014】
本発明に係る複数の追加の利点および新規な特徴は、部分的には以下の詳細な説明に記載されており、当業者は、部分的には、以下の明細書を調査した際明らかになり、または本発明の実施によって習得され得る。発明の複数の利点は、特に添付の特許請求の範囲において指摘される複数の手段、組み合わせ、構成、および方法を介して、実現および達成され得る。
【発明の概要】
【0015】
耐久撥水剤の塗布および/またはアクティブ化のためのシステムおよび関連付けられた技法が以降記載される。耐久撥水性をアクティブ化するための方法に係る一実施形態は、圧力容器内に、1または複数の繊維を有する物品を置くことを含み、物品の1または複数の繊維は、耐久撥水剤に結合される。その後、複数の汚染物質を除去すべく、物品は高密度化流体で処理される。物品をクリーンに保ちながら、処理は、物品の1または複数の繊維に結合された耐久撥水剤を活性化することによって、継続する。
【0016】
同様に、物品を圧力容器に置き、次に、複数の汚染物質を除去すべく、物品を高密度化流体で処理することによって、耐久撥水剤が1または複数の繊維を有する物品に適用され得る。この場合、高密度化流体は、物品の複数の繊維に結合する、耐久撥水剤溶液を含む。複数の繊維に結合された後、耐久撥水剤は、一実施形態において、物品を高圧ガスリンスサイクルを受けさせることによって、活性化される。
【0017】
別の実施形態によると、本発明はさらに、耐久撥水剤をアクティブ化するシステムを含む。そのようなシステムは、高密度化流体を高気圧において保持するよう動作可能な圧力容器と、高密度化流体を格納するための、圧力容器に流体的に連結された格納タンクと、圧力容器および格納タンクに流体的に連結された蒸留システムと、を含むことができる。蒸留システムは、高密度化流体から懸濁および溶解された複数の汚染物質を除去するよう動作可能である。最後に、システムは、物品の1または複数の繊維が耐久撥水剤に結合される、1または複数の繊維を有する物品を含む。高圧ガスリンスサイクル中に作成される静電気に晒されることを含む、圧力容器内の物品と高密度化流体との間の相互作用は、耐久撥水剤を活性化する。
【0018】
本発明のさらなる別の実施形態において、高密度化流体を高気圧において保持するよう動作可能な圧力容器を含むシステムを使用して、耐久撥水剤を物品の複数の繊維に適用可能であり、高密度化流体は、耐久撥水剤溶液を含む。システムはまた、圧力容器に流体的に連結された格納タンクおよび蒸留システムを含むことができ、蒸留システムは、高密度化流体から、懸濁および溶解された複数の汚染物質を除去するよう動作可能である。物品と高密度化流体との間の相互作用が、1または複数の繊維に結合し、同時にその構造を活性化する。
【0019】
本開示および以下の詳細な説明に記載された複数の特徴および利点は、包括的なものではない。多くの追加の特徴および利点は、複数の図面、明細書、および特許請求の範囲を見れば、関連技術の当業者には明らかであろう。さらに、明細書中に用いられる文言は、主に読みやすさおよび説明の目的を考え選択されており、発明の主題を記述または制限すべく選択されたものではあり得ないことに注意されたい。そのような発明の主題を判断するためには、特許請求の範囲を参照することが必要となる。
【0020】
1または複数の実施形態に係る以下の詳細な説明を複数の添付図面と合わせて参照することによって、本発明に係る上記および複数の他の特徴および目的、およびそれらを実現する方法はより明らかになり、並びに発明自体が最善に理解されるであろう。これらの図は、説明目的のためのみに、本発明の複数の実施形態を示す。ここに示される複数の構造および方法に係る複数の代替的な実施形態が、本明細書に記載の本発明の複数の原理から逸脱することなく、採用され得ることを、当業者であれば、以下の記載から容易に認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による、高密度化流体洗浄システムの上位レベルの図である。
図2】本発明による、高密度化洗浄システムを使用して、DWRを適用および/またはアクティブ化するための一方法に係る実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
DWRは、水が布地または同様のものの表面に接触する際に作成される、接触角または表面張力を増大させることによって、機能する。基本的に、高接触角は、織物の外縁上に複数の水滴をとどまらせる、微視的に「先端のとがった」の表面を形成する。結果的に、複数の水滴は、ドーム状の玉のような丸く膨らんだ形状を維持する。水滴が丸くなるほど、それは衣服または織物から転がり落ちる。低接触角は逆に、水滴が拡散し、布地に密着し、最終的に浸透する。すべてのDWRに存在する分子鎖は、物理的な接触(摩擦)により影響され、塵および油によって覆われる可能性がある。結果的に、表面張力が減少され、水を平らにする、または織物に付着させるようになる。
【0023】
本発明は、布地または織物の生地に存在するDWRをアクティブ化するための、より簡易で、より迅速、より効率的で、エネルギーまたは化学物質の消費がより少ない方法を提供する。本発明の一実施形態は、稠密相(例えば、液体または超臨界)二酸化炭素(CO)を「ウェット処理」として採用し、特にCOベースの洗浄システムを介して問題のアイテムが処理される。
【0024】
高圧ガスリンスサイクルを含む、主要な洗浄/リンス剤として、稠密相COを採用するCO洗浄処理に特有な複数のメカニズムは、複数のDWR特性のアクティブ化および/または適用をもたらす、強化されたDWR化学構造を可能にする。
【0025】
本発明の一実施形態によると、CO洗浄技法は、複数のDWRコンポーネントに存在する複数の分子結合を活性化する、強化されたリンシングおよび蒸留処理を含む。これは、連続的でリアルタイムのCOの蒸留により、複数の汚染物質を分離することを可能にし、洗浄およびリンスサイクル全体を通して純粋な、汚れのないCOを生成する、十分な格納能力を備えて設計されたシステムにおいて、調整された適切な熱力学バランス(冷却経由などの伝熱)によって可能にされる。より具体的には、本発明に係る連続蒸留システムおよび複数のCO処理は、エネルギーをDWRフッ素重合体および/または複数のシリコン結合に帰属させ、その疎水性特性を高める。
【0026】
従前は、複数のCO洗浄システムの複数の初期プロトタイプは、精密でない、バッチ式において、COを蒸留した。部分的な蒸留を使用する人たちがいる一方で、流体をまったく蒸留せず、むしろ、COを洗浄するためのメカニズムとしてろ過を使用する人たちもいた。蒸留のために、圧力差を使用する人たちもいた。
【0027】
CO純化の複数の結果は、次のようなことを含む様々な問題により不十分であった。すなわち、不十分な処理フローおよびバルブ/パイプの複数の設計により、正確な処理制御を維持する機能を限定し、蒸留器が小型すぎて、機械のCO体積を処理できなかった。さらに、これらの機械の複数の凝縮特性も低すぎて、洗浄処理全体を通して得られる、クリーンで純化された形態のCOの必要な体積を維持するのに必要な蒸留を達成できなかった。本発明は、複数の布地の洗浄に役立つ純化されたCOを生成するだけでなく、水分子内の水素と結合するその能力をさらに抑制すべく、大きな複数のDWR分子間の複数の分子結合を活性化する、連続蒸留およびリンスシステムを提示する。結果として、複数の水分子は、DWR処理された表面上に、水のケージおよび水滴を形成する。
【0028】
DWRの強化された適用および/またはアクティブ化をもたらす、本発明の別の態様は、正確な速度制御をもって、洗浄/リンス処理全体を通して、静電気の生成を加速および強化する、COの高速抽出および高度な駆動、可変周波数駆動、(VFD)を使用することである。ガスリンスサイクルの導入を介した、この静電荷生成は、DWRを活性化およびアクティブ化する。また、本発明のCO洗浄処理に関連付けられた追加された圧力は、追加のエネルギーをDWR処理された織物に追加し、最終的に複数のDWR特性を強化する。本発明は、先行技術で適用されるように、DWRを「活性化」およびアクティブ化するためのメカニズムとして、熱を採用しないことに留意されたい。従って、最終的に衣服を傷める可能性のある、熱の代わりに、本発明は、複数のDWR分子をそれらの最も効果的な構成に再整列させる、CO抽出および再生サイクルにおいて、エネルギー(例えば、静電気)を生成する。本発明によって具現化される、制御された環境により、複数のDWR分子は、それらの最も効率的な疎水性の構成に整列される。
【0029】
本発明の別の実施形態によると、DWRは、事前構成された複数の衣服および/または未処理または完成された複数の織物に対し、本明細書に提示された複数の技術を使用して適用され得、相手先ブランド名製造(OEM)レベルにおいて、複数の優れた結果を達成し、複数の強化された撥水性の特性をもたらす。さらに、本発明の複数の実施形態は、流通市場において、DWRを再適用または再アクティブ化すべく、同一システム内において、複数の衣服または他の複数のアイテムの一般的な再調整またはサービスの一環として使用され得る。
【0030】
本発明の1または複数の実施形態は、約30分間続く洗浄処理において、連続的に洗浄/純化されたCOソースおよび/または超臨界COを使用するクローズドシステムについて記載する。二次廃棄物がないので、すべてのフッ化炭素およびDWR剤は、クローズドシステム内に含まれ、水は洗浄媒体として使用されない。当該処理は、本明細書に記載の通り、複数のDWR特性を減少させ得る複数の汚染物質の抽出を含むのみでなく、静電気等のエネルギーの複数の追加形態の導入および減圧中に発生するようなエネルギー交換を介して、DWRの化学構造をその最適な形態に修正(再整列)する。静電気の生成を軽減すべく、複数の測定が実装される従来の洗浄および乾燥処理と異なり、本発明は、複数のDWR分子の複数の極を整列すべく、その後DWRを活性化する静電気の生成を強化する複数の技術を採用する。
【0031】
これより、本発明の複数の実施形態が、複数の添付図面を参照して詳細に記載される。本発明は、ある程度の具体性をもって記載および説明されるが、本開示は例示としてのみなされており、当業者は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、複数の部品の組み合わせおよび配置において、多数の変更を用いることができることを理解されたい。
【0032】
特許請求の範囲およびそれらの複数の均等技術により画される、本発明に係る例示的な複数の実施形態の包括的な理解を助けるべく、以下の詳細な説明は複数の添付図面を参照して提供される。詳細な説明は、その理解を助けるべく様々な詳細を含んでいるが、これらは単なる例示的なものとしてみなされるべきである。従って、当業者であれば、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、本明細書に記載された複数の実施形態に対する様々な変更および変形を加えることが可能であることを認識するであろう。また、複数の周知機能および構成に関する記載は、明瞭性および簡潔性のために省略されている。
【0033】
以降の詳細な説明および特許請求の範囲において使用される複数の用語および文言は、書誌的意味に限定されるものではなく、発明の明確で矛盾の無い理解を可能とするために、発明者によって単に使用されているにすぎない。従って、本発明に係る、以下の複数の例示的な実施形態の詳細な説明は、説明目的にのみ提供され、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等技術によって画される発明を限定する目的で提供されるのでないことは、当業者には自明なはずである。
【0034】
耐久撥水剤(DWR)は、その複数の性能属性(複数の効果)が、撥水性、撥油性、汚れのはじき、土のはじき、ステインリリース性、ソイルリリース性、および耐久性(例えば、洗濯、ドライクリーニング、摩擦、露光、雨等に対する)を含み得る、布地の加工仕上げである。
【0035】
フッ素重合体は、フッ素が、ポリマー骨格の複数の炭素に直接結合された状態のポリマーを形成する、フッ素を含有する複数のモノマーの(共)重合によって形成されるフッ化ポリマーである。
【0036】
「実質的」という用語によって、記載された特性、パラメータ、または値は、正確に達成される必要はないが、例えば、複数の許容値、測定誤差、測定精度、複数の限定および当業者に既知の他の複数の要因を含む、複数の偏差または変更は、当該特性が提供することを意図していた効果を除外しない量において発生し得ることを意味する。
【0037】
全体を通して、複数の同様の参照番号は複数の同様の要素を指す。複数の図面においては、複数の特定の線、層、コンポーネント、要素、または機構のサイズは、明瞭性のために誇張されている場合がある。
【0038】
本明細書で使用される専門用語は、複数の特定の実施形態を記載する目的のためだけであり、発明を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が別途明示しない限り、複数形も含む意図である。従って、例えば、「a component surface(コンポーネントの表面)」と言った場合は、1または複数のそのような表面への言及を含む。
【0039】
本明細書で使用される、「一実施形態」または「1つの実施形態」というあらゆる言及は、当該実施形態に関して記載される特定の要素、特徴、構造、または特性が、少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な複数の箇所における「一実施形態において」という表現の出現は、全て同一の実施形態を言及してもよく、しなくてもよい。
【0040】
本明細書で使用されるような「備える」、「備えた」、「含む」、「含んだ」、「有する」、「有し」、という複数の用語、または、それらの他の任意の変更は、非排他的な包含に及ぶことを意図している。例えば、一覧の複数の要素を備える処理、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの要素だけに限定されるものではなく、明示されていない、またはそのような処理、方法、物品、若しくは装置に内在する複数の他の要素を含んでよい。さらに、別途明示されない限り、「or(または)」は、排他的ORではなく、包含的ORを指す。例えば、以下のうちの任意の1つによって条件AまたはBが満たされる。すなわち、Aが真(または存在する)であってかつBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)であってかつBが真(または存在する)、および、AとBの両方とも真(存在する)である場合である。
【0041】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的用語および科学用語を含む)は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般に使用されている辞書において定義されるような複数の用語は、明細書および関連技術に照らしたそれらの意味と矛盾の無い意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書においてそのように明示的に定義されない限り、理想的あるいは、過度に形式的な意味に解釈されるべきでないことがさらに理解されるであろう。複数の周知機能または構成は、簡潔性および/または明瞭性のために、詳細に記載されていない場合がある。
【0042】
ある要素が別の要素に対し、その「上」、「付着」、「接続」、「連結」、「接触」、「搭載」等されていると言及される場合、ある要素は当該別の要素に対し、直接的に、その「上」、「付着」、「接続」、「連結」または「接触」され得、あるいは複数の介在要素が存在してもよいことも理解されるだろう。対照的に、ある要素が別の要素に対し、例えば、「直接上」、「直接付着」、「直接接続」、「直接連結」、または「直接接触」のように言及される場合は、複数の介在要素は存在しない。別の機構に「隣接して」配置される構造または機構に対する複数の言及は、当該隣接する機構と重なる部分または下にある複数の部分を有してよいことも当業者には認識されるであろう。
【0043】
「下の」、「下に」、「下方」、「上に」、「上方」等の空間的に相対的な複数の用語は、複数の図面に示される、要素または機構の、別の要素または機構に対する関係を表す記載を容易にするために、本明細書において使用されてよい。空間的に相対的な複数の用語は、複数の図面中に示される配向に加えて、使用中また動作中のデバイスの異なる複数の配向を包含することを意図していることが理解されるであろう。例えば、複数の図面中のデバイスの位置が逆になれば、複数の他の要素または機構に対して「下の(under)」または「下に(beneath)」のように記載された複数の要素は、当該他の要素または機構に対して「上に(over)」と方向付けられるであろう。従って、「下の(under)」という例示的用語は、「上に(over)」および「下の(under)」の両方の向きを包含し得る。デバイスはそれ以外に方向付けられてよく(90度または他の向きに回転)、および、本明細書で使用される空間的に相対的な複数の記述はそれに応じて解釈されてよい。同様に、「上方に(upwardly)」、「下方に(downwardly)」、「鉛直(vertical)」、「水平(horizontal)」等の用語は、別途明示されない限り、説明目的のためのみに本明細書で使用される。
【0044】
COを使用してDWRをアクティブ化するために使用され得る技法に係る複数の例を示す複数のフローチャートが詳細な説明に含まれる。以下の詳細な説明において、複数のフローチャート図の各ブロック、および複数のフローチャート図の複数のブロックに係る複数の組み合わせは、コンピュータプログラムの複数の命令によって実装され得ることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置にロードされて機械を生成してよく、その結果、当該コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される複数の命令は、フローチャートブロックまたは複数のブロックで示される複数の機能を実装するための手段を形成する。また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置に対し、特定の態様で機能するよう命令可能なコンピュータ可読メモリ内に格納されてよく、その結果、当該コンピュータ可読メモリ内に格納される複数の命令は、フローチャートブロックまたは複数のブロックに示される機能を実装する、命令手段を含む製品を生成する。また、当該複数のコンピュータプログラム命令は、一連の動作ステップがコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行されるようにしてコンピュータ実装処理を生成すべく、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置にロードされてよく、その結果、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される複数の命令が、フローチャートブロックまたは複数のブロックに示される複数の機能を実装するための複数のステップを提供する。
【0045】
従って、複数のフローチャート図の複数のブロックは、複数の特定機能を実行するための手段に係る複数の組み合わせ、および複数の特定機能を実行するための複数のステップに係る複数の組み合わせをサポートする。複数のフローチャート図の各ブロック、および当該フローチャート図中の複数のブロックの複数の組み合わせは、複数の特定機能またはステップを実行する、複数の特定用途向けハードウェアベースのコンピュータシステム、あるいは、特定用途向けハードウェアおよび複数のコンピュータ命令の複数の組み合わせによって実装され得ることも理解されるであろう。
【0046】
複数の水分子間の水素結合は、2つの水の特性、凝集および付着の間における原動力である。凝集は、それ自身にくっつく水の機能である。凝集は、雨に味方する原動力である。複数の水蒸気分子は、複数の分子の結合重量が、複数の現在の大気条件によって支持され得ない点に到達するまで、結合する。付着は、他の複数の表面にくっつく水の機能である。これにより、水が拡散し、膜を形成する。水がこれらの表面と接触する場合、付着力は、水の凝集力より大きい。水は自身にくっつく代わりに、拡散する。
【0047】
水はまた、高レベルの表面張力を有する。表面張力とは、水の表面上の複数の分子が、あらゆる側において同じ複数の分子によって囲まれておらず、従って、内部の複数の分子からの複数の凝集力によってのみ引っ張られている状態である。表面張力は、可能な限り最小の表面積を覆うように、水滴を丸くさせる。DWRは、付着力の減少を試み、水をさらに合体させるようにする。
【0048】
織物表面上で、DWR粒子は適用された後、複数の織物繊維を覆うように拡散する。複数のフルオロアルキル鎖は、織物表面に対し鉛直に配向する。ポリマー骨格に接続された複数の微細な傘のように考えられ得る。この無数の「傘」が、水または油のそれよりも、低い表面エネルギー(付着力)を持つ、低表面エネルギーの殻を織物上に形成する。従って、水または油が織物表面に接触する際、水または油は、フルオロアルキル鎖に結合せず、織物が濡れるのを防ぐ。水は玉のようになり、高「接触角」を有する。弱付着と高凝集とともに、水の複数の高表面張力は、水が、DWR処理された表面との最小接触を有する複数の玉を形成するよう推進する。処理が優れているほど、水滴は丸くなる。最適化されたDWR加工は、特定の織物向けに、その繊維タイプおよび織物構成に基づいて設計されており、複数のフッ素化鎖が織物表面に対し鉛直に立ち、連続的な表面のように機能すべく互いに十分近接した状態で、織物表面上に複数の微細なポリマー領域の配列(膜またはコーティングではなく)を形成する。イメージとしては、水または油が織物の複数の繊維に対し浸透し得えないよう、表面上の大量の微細な傘がそれらの先端が触れる状態で存在する感じである。水または油は、拡散できず、それらを玉のように、立ち上がらせ、織物から滑り落ちさせるようにする。関連技術における当業者は、シリコンベースの化学作用はまた、それらのメチル基を表面に対し配向させ、複数の「傘」の同様の配列を形成することを理解するであろう。同様の複数の特性を示す、これらのおよび他の複数の化学構造が、本発明に等しく適用可能であり、かつ、本発明によって検討される。
【0049】
この大量の微細な傘を形成すべく、複数のポリマー領域は正確に整列される必要がある。この整列は部分的には、各分子極内に含まれるエネルギーによって駆動される。本発明の1または複数の実施形態は、エネルギーをDWR分子に帰属させるべく、CO洗浄処理を使用して複数の極のその最適な整列をもたらし、それにより耐水構造を生成する。多くのDWR化合物に関連付けられたフッ素重合体は、布地の個々の繊維に結合する。これらの分子は、それら自身を先端のとがった、鉛直構造に整列させる傾向があり、織物の水に対する付着力を減少させる。すなわち、複数のフッ素重合体分子(複数の極)が活性化される際、複数の傘はすべて先端が触れる状態で立ち上がっている。しかしながら、時間の経過に伴い、これらの分子内のエネルギーは減少し得、または複数の傘を落とす原因となる、塵および油等の複数の外部因子によって損なわれ得る。複数の分子が「横たわる」際、それらの疎水性効果は小さくなる。
【0050】
本発明の一態様は、初期のDWR処理を適用する機能である。COの液体/超臨界/気体は、水溶液よりも、より容易に、複数の織物に浸透する。従って、COは、フッ素重合体分子のための供給因子として機能し、複数の従来の技術よりも、より均一かつ深く、DWR物質を適用できる。DWR物質は、COとともに溶液内に配置され、CO洗浄サイクル中に、未処理の織物に対し導入される。通常の洗浄処理中、DWR物質は織物に浸透し、複数の織物繊維に付着する。洗浄サイクルの濃度および時間により、DWR適用の異なる複数の度合いが達成され得る。関連技術における当業者が理解するように、シリコンベースおよびフッ化炭素ベースの複数のDWRコンポーネントは、本発明に係る液体/超臨界/気体のCOの複数の供給システムの使用によって、等しく向上される。
【0051】
本発明の別の実施形態によると、図1を参照するに、DWRが含浸された織物内の複数のDWR分子は、高密度化CO洗浄処理および装置を使用して、アクティブ化(活性化)される。本発明の一バージョンによると、洗浄システム100は、圧力容器110内に囲まれた、撹拌バスケット120を含む。圧力容器は、高密度化流体を使用して満足かつ上首尾の洗浄結果を取得すべく使用され得る、様々な追加のコンポーネントに連結される。例えば、圧力容器110は、パージタンク160に連結され得、そこから、高密度化流体の気体が、圧力容器110および洗浄環境から、および圧力容器110および洗浄環境へと、運ばれ得る。また、圧力容器110は、1または複数の格納タンク170に連結され得、そこから高密度化流体が一時的に格納され、必要に応じて洗浄処理に供給され得る。
【0052】
本発明のCO洗浄システムはさらに、蒸発コンポーネント130および凝縮コンポーネント140で構成される蒸留システム135を含み、蒸留システム135は、高密度化流体内の、複数の汚れた物品から除去された懸濁および分解された複数の汚染物質を除去すべく、高密度化流体をその気体に変換し、その後、洗浄処理でのさらなる使用のために、高密度化流体の気体をその液体に戻すよう再凝縮する。図1にさらに示すように、複数の汚れた物品125から取得された様々な汚染物質を含む圧力容器から収集された高密度化流体は、一連のメカニカルフィルタ124、128を通過し、最終的に蒸発器130(蒸留器)に至り、そこでは、高密度化流体は、圧力制御および/または加熱を介するエネルギー変化によって、その高密度化形態から気体へと変換され、それにより、懸濁および溶解された複数の汚染物質を実質的に除去する。ここで、クリーンな気体は、圧力容器内での後の使用のために、格納容器150に渡される前に、凝縮器140内で液体に再凝縮される。
【0053】
本発明の別の実施形態において、蒸留システム135の蒸発器130は、内部の熱交換器を含む。熱交換器(不図示)は、高密度化流体に対する伝熱のために配置された複数の加熱要素のコイルを含み得る。加熱コイルからのエネルギーソースは、限定するものではないが、高密度化流体、蒸気、温水、電気、温風および/または冷媒等の様々な媒体に由来されてよい。本発明の別の実施形態において、蒸気は熱源として使用され得る。加熱コイルは、コイルが高密度化流体に浸かるように沸騰容器に配置されることもできる。また、らせん状またはフィン状のコイル設計は、伝熱面を最大化することによって、加熱容量を増大させることも留意されたいが、関連技術分野の当業者であれば、同一結果を達成すべく、熱交換器のための他の複数の設計が使用され得ることを認識するであろう。
【0054】
関連技術分野の通常の当業者が理解するように、蒸留とは、沸騰している液体混合物中の複数の成分の揮発性の差異に基づいて複数の混合物を分離する方法である。蒸留は物理的な分離処理であって、化学反応ではない。液体の蒸気圧が、液体にかかる圧力と等しくなる温度の場合にだけ、つぶれて溶液に戻されることなく気泡が形成される。基本的なレベルでは、物質AおよびB(物質Aはより低い沸点を有する)の揮発性混合物をその沸点まで加熱すると、AおよびBの混合物を含有する蒸気をもたらす。しかしながら、蒸気内のAとBの比率は、液体内のAとBの比率とは異なるであろう。この場合、Aはより低い沸点を有するので、蒸気はより高いAの濃度を有する。蒸気は流体形態へと凝縮され得、所望の純度のAの液体が達成されるまで処理を繰り返す。
【0055】
蒸留処理、ガスリンスおよび静電気の導入は、洗浄環境を活性化するよう機能する。このエネルギーの一部分は、複数の織物繊維に結合された複数のDWR分子の分子構造に伝達される。これらの今、活性化されたDWR分子は、ホスト繊維に対し、先端のとがった鉛直配向を形成し、それにより繊維と水の付着力を弱める。言い換えれば、活性化された複数のDWR分子は、耐水表面を形成し、それにより、水の複数の凝集力は、繊維と水との間の複数の付着力より大きくなる。結果的に、水は玉のようになり、最終的に織物から転がり落ちる。
【0056】
図2は、本発明の一実施形態による、物品に対しDWRを適用する、および/または物品内でDWRをアクティブ化するための一技法のためのフローチャートを示す。処理は、洗浄または撹拌バスケット内に、複数の物品を置く210ことで開始する205。圧力容器内に置かれたバスケットは、圧力容器内の複数の物品を撹拌すべく処理可能であり、高密度化溶液の供給に寄与する。バスケットの撹拌および処理は、DWRの適用および/またはDWRのアクティブ化のために、高密度化溶液の複数の物品への浸透を高める。関連技術分野の当業者は、圧力容器内に置かれた複数の物品は、衣類、衣服または複数のバルク布地および織物に係る複数の物品であり得、それらは処理の後、複数の衣服に形成され得ることを理解するであろう。
【0057】
複数の物品が圧力容器のバスケット内に置かれた状態で、圧力容器は密封され220、高密度化洗浄溶液がバスケット内に導入される230。本発明の一実施形態によると、高密度化溶液は、液化または気体の二酸化炭素(CO)である。本出願の複数の目的に対しては、流体および/または高密度化流体という用語は、物質の気体、液体、および/または超臨界状態、あるいはそれらの任意の組み合わせを記載するために使用される。
【0058】
通常、物質は3つの異なる相において存在すると考えることができる。これらの相または状態は一般に、固体、液体、気体として既知である。相図とは、温度および圧力の複数の異なる条件下における、物質の複数の物理的状態のグラフ表示である。典型的な相図は、Y軸に圧力を取り、X軸に温度を取る。グラフ上の複数の線または曲線を横切って移動する時、物質の相は、1つの相から次の相へと変化する。さらに、物質の2つの隣接する相は共存可能であり、すなわち、これら複数の領域を分離する線上において平衡状態にある。グラフ上の臨界点とは、物質の液相と気相とが区別できないような温度および圧力である相図中の点である。この点を超えると、温度および圧力は、超臨界流体として既知の、合成された単一相が存在する結果になる。この点を越えたところでは流体と気体との間の区別が存在しなくなり、物質は、超臨界流体と呼ばれる。
【0059】
複数の超臨界流体は、気体のような複数の固体、および液体のような複数の溶解物質を介して拡散し得える。さらに、臨界点の近くでは、圧力または温度の小さな変化が、密度の大きな変化をもたらし、超臨界流体の多くの特性が「微調整」されることを可能にする。複数の超臨界流体は、産業研究所での処理領域において、有機溶媒に代わるものとしてよく使われている。概して、複数の超臨界流体は、気体および液体の両方の複数の特性を有する。複数の超臨界流体(この場合、複数の高密度化流体)は、二酸化炭素、水、メタン、エタン、プロパン、プロピレン、エタノール、アセトン、およびエチレンを含み得る。複数の超臨界流体に係る顕著な1特性は、気/液界面間に表面張力が存在しないことである。流体の圧力および温度を変化させることにより、より液体、またはより気体のようになるよう、複数の特性が「調整」され得る。
【0060】
超臨界流体抽出の複数の利点(液体抽出と比べた場合の)は、低粘性および高拡散性のため、布地からの抽出が相対的に速いことである。媒体の密度を制御することにより、ある程度抽出を選択的にすることができる。さらに、超臨界流体を減圧すること、および超臨界流体を気相に戻すことを可能にすることによって、抽出された物質を容易に除去する。蒸発処理により、残留固体はほとんど残らない。
【0061】
圧力および温度の変化は、液体二酸化炭素のような物質の密度も変化させることができる。圧力の増大は常に、材料の密度を増加させるのに対し、温度の上昇は、いくつかの特筆すべき例外があるが、一般的には密度を減少させる。例えば、水の密度は、その融点である0℃と4℃との間で増大する。一般に知られているように、水の密度は、氷の密度よりも大きい。
【0062】
液体および固体の密度に対する圧力および温度の効果は小さい。典型的な液体または固体に対する圧縮率は、10−6bar−1(1bar=0.1MPa)および典型的な熱膨張度は、10−5:K−1である。これを大雑把に言い換えると、物質の体積を1パーセント減少させるためには、大気圧のおよそ一万倍が必要ということである。体積の1パーセントの膨張には、通常、約摂氏数千度の温度上昇を要求する。よって、液体の密度の変化は実質的に重要ではないのであるが、液体から気体へ移行する点は、圧力および温度の両方によって著しく影響を及ぼされ得る。従って、本出願の目的のために、高密度化流体(気体、液体、または超臨界)は、温度または圧力に基づいて、気体、液体および超臨界状態の間で変化する物質または溶液を含む。通常の当業者は、高密度化流体は、その液体状態では、例えば、圧力容器等の自由表面を有する複数の領域において、当該流体の気体の形態と共存することを認識するであろう。
【0063】
圧力容器が高気圧に加圧され、内部の複数の物品が高密度化洗浄溶液に導入された状態で、当該物品は、DWRの機能を変え得る、任意の複数の汚染物質、油、土、塵または他の複数の不純物を除去すべく、バスケット内および高密度化溶液内で240回処理される。高密度化流体処理の結果に応答して、追加のエネルギーをバスケット内で囲まれた当該複数の物品に対し、帰属させ得る高圧ガスリンスが開始される270。ガス高圧リンスは、複数のDWR分子をアクティブ化および活性化する多量の静電気を生成する。
【0064】
リンスが完了すると、圧力容器は減圧され280、アクティブ化されたDWRが含浸された複数の物品が除去され290、処理は終了する。複数の高密度化溶液を使用する洗浄処理は、既存の複数のDWR特性を妨げる可能性のある、任意の土または複数の汚染物質を除去することによって、物品をその元の条件に戻すのみでなく、複数のDWR分子を活性化し、それらの構造を整列させて、より凝集性があり、水分付着に対するより効果的な耐性を形成する。
【0065】
高密度化洗浄システム100は、複数のDWRコンポーネントを複数の物品、衣服、布地等に適用するのにも使用され得る。先行技術の技法と同様に、複数の未処理の物品が圧力容器のバスケット内に置かれる210。圧力容器は密封され220、洗浄処理が開始する。
【0066】
複数の物品から任意の複数の汚染物質および不純物を除去すべく、高密度化洗浄溶液を単に導入するのではなく、加圧された高密度化DWR溶液が圧力容器内に導入250され得る。溶液が物品を洗浄する際260、DWRコンポーネントは、布地の複数の繊維に結合し、その結果、洗浄処理終了時、内部の複数の物品は、複数のDWR分子で含浸される。関連技術の当業者であれば、複数の物品がDWR高密度化溶液並びにDWR濃縮にさらされる間中、最適かつ所望のDWR含侵結果に到達すべく、容器の圧力および環境温度は変わってよいことを理解するであろう。
【0067】
圧力容器のバスケット内の複数の物品の繊維に結合されたままの複数のDWR分子を活性化およびアクティブ化する、高圧ガスリンスサイクルの使用270を介して、複数のDWR特性は再度高められる。リンス完了時、圧力容器は減圧され280、新たにDWRが含浸されアクティブ化された複数の物品が除去される290。
【0068】
複数のDWRコンポーネントを適用およびアクティブ化するための、これらのおよび他の複数の実装技法は、本発明に係る高密度化洗浄システム100によって首尾よく使用され得る。本発明の文脈における、これらの実装技法およびこれらの適用に関する詳細は、本明細書に照らし、関連技術の当業者にとっては容易に自明であろう。
【0069】
本発明は、ある程度の具体性をもって記載および説明されるが、本開示は例示としてのみなされており、以降に特許請求される通りの本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者によって、複数の部品の組み合わせおよび配置において、多数の変更が用いられ得ることを理解されたい。
【0070】
本発明の複数の実施形態は以下に概要される。耐久撥水性をアクティブ化するための一実施形態の方法は、圧力容器内に、1または複数の繊維を有する物品を置く段階であって、物品の1または複数の繊維は耐久撥水剤に結合されている段階と、複数の汚染物質を除去すべく、物品を高密度化流体で処理する段階と、物品の1または複数の繊維に結合された耐久撥水剤を活性化する段階と、を含む。
【0071】
耐久撥水性をアクティブ化するための当該方法に係る他の複数の好ましい特徴は、次のものを含む。
耐久撥水剤は、ペルフルオロアルキル鎖である。
耐久撥水剤は、フッ素化学作用に基づく。
耐久撥水剤は、シリコン化学作用に基づく。
耐久撥水剤は、フッ素重合体ベースである。
耐久撥水剤は、パーフルオロオクタンスルホン酸塩ベースである。
耐久撥水剤は、パーフルオロオクタン酸ベースである。
高密度化流体は、超臨界二酸化炭素である。
高密度化流体は、液体二酸化炭素である。
処理する段階は、物品を液体二酸化炭素で洗浄する段階を含む。
活性化する段階は、耐久撥水剤を静電気にさらす段階を含む。
活性化する段階は、物品に、エネルギーを耐久撥水剤に付与する加圧ガスリンスサイクルを受けさせる段階を含む。
活性化する段階は、高密度化流体から耐久撥水剤へとエネルギーを伝達する段階を含む。
活性化する段階は、ガスリンスサイクルから耐久撥水剤へとエネルギーを伝達する段階を含む。
【0072】
耐久撥水剤適用のための別の好ましい実施形態は、圧力容器内に、1または複数の繊維を有する物品を置く段階と、複数の汚染物質を除去すべく、物品を高密度化流体で処理する段階であって、高密度化流体は耐久撥水剤を含む段階と、物品の1または複数の繊維に結合された耐久撥水剤を活性化する段階と、を含む。
【0073】
耐久撥水剤適用のための上記方法に係る複数の追加の特徴は、次のものを含む。
処理する段階は、耐久撥水剤を物品の1または複数の繊維に結合する段階を含む。
耐久撥水剤は、ペルフルオロアルキル鎖である。
耐久撥水剤は、フッ素化学作用に基づく。
耐久撥水剤は、シリコン化学作用に基づく。
耐久撥水剤は、フッ素重合体ベースである。
耐久撥水剤は、パーフルオロオクタンスルホン酸塩ベースである。
耐久撥水剤は、パーフルオロオクタン酸ベースである。 高密度化流体は、液体二酸化炭素である。
高密度化流体は、超臨界流体である。
処理する段階は、物品を液体二酸化炭素で洗浄する段階を含む。
活性化する段階は、耐久撥水剤を静電気にさらす段階を含む。
活性化する段階は、物品に、エネルギーを耐久撥水剤に付与する加圧ガスリンスサイクルを受けさせる段階を含む。
活性化する段階は、高密度化流体から耐久撥水剤へとエネルギーを伝達する段階を含む。
活性化する段階は、ガスリンスサイクルから耐久撥水剤へとエネルギーを伝達する段階を含む。
【0074】
耐久撥水剤アクティブ化のためのシステムは、本発明に係るさらに別の好ましい実施形態を示す。耐久撥水剤アクティブ化のためのそのようなシステムは、以下を含んでよい。高密度化流体を高気圧において保持する動作可能な圧力容器と、上記高密度化流体を格納するための、上記圧力容器に流体的に連結された格納タンクと、上記圧力容器および上記格納タンクに流体的に連結された蒸留システムと、1または複数の繊維を有する物品と、を備え、上記蒸留システムは、上記高密度化流体から、懸濁および溶解された複数の汚染物質を除去するよう動作可能であり、上記物品の上記1または複数の繊維は、耐久撥水剤に結合されており、上記圧力容器内の上記物品と上記高密度化流体との間の相互作用が、上記耐久撥水剤を活性化する。
【0075】
耐久撥水剤アクティブ化のためのシステムに係る複数の他の特徴は、次のものを含んでよい。
蒸留システムは、高圧ガスを使用し、物品をリンスするよう動作可能である。
高圧ガスを使用し、上記物品をリンスすることは、上記耐久撥水剤を活性化する。
圧力容器によって生成される静電気は、上記耐久撥水剤を活性化する。
耐久撥水剤は、ペルフルオロアルキル鎖である。
耐久撥水剤は、フッ素重合体ベースである。
高密度化流体は、二酸化炭素である。
上記圧力容器内の上記物品を処理する、撹拌バスケットを上記圧力容器内にさらに備える。
【0076】
耐久撥水剤適用のためのシステムに係る別の実施形態においては、次のものを含む。高密度化流体を高気圧において保持するよう動作可能な圧力容器と、上記高密度化流体を格納するための、上記圧力容器に流体的に連結された格納タンクと、上記圧力容器および上記格納タンクに流体的に連結された蒸留システムと、1または複数の繊維を有する物品と、を備え、上記高密度化流体は、耐久撥水剤溶液を含み、上記蒸留システムは、上記高密度化流体から、懸濁および溶解された複数の汚染物質を除去するよう動作可能であり、上記物品の上記1または複数の繊維は、上記耐久撥水剤に結合し、上記圧力容器内の上記物品と上記高密度化流体との間の相互作用は、上記1または複数の繊維に結合された上記耐久撥水剤を活性化する。
【0077】
上記の耐久撥水剤適用システムのための複数の追加の特徴は、次のものを含む。
上記圧力容器内の上記物品を処理する、撹拌バスケットを上記圧力容器内にさらに備える。
蒸留システムは、高圧ガスを使用し、上記物品をリンスするよう動作可能である。
高圧ガスを使用し、上記物品をリンスすることは、上記耐久撥水剤を活性化する。
上記圧力容器によって生成される静電気は、上記耐久撥水剤を活性化する。
耐久撥水剤は、ペルフルオロアルキル鎖である。
耐久撥水剤は、フッ素重合体ベースである。 高密度化流体は、二酸化炭素である。
【0078】
DWRの適用およびアクティブ化に照らし、本発明の複数の原理が上述されたが、上記の詳細な説明は、例示を目的としてのみなされており、発明の範囲に対する限定ではないことが明瞭に理解されるべきである。特に、上記の開示の複数の教示は、関連技術分野の当業者に対して、他の複数の変形を示唆するであろうことが理解される。そのような複数の変形は、それ自体既に既知であり、また、本明細書に記載済みの複数の特徴の代わりに、あるいはこれらに加えて使用され得るような、複数の他の特徴を含んでよい。本出願における特許請求の範囲は、複数の特徴の特定の複数の組み合わせとして記載されているが、本明細書における開示範囲はまた、明示的若しくは暗黙的に開示された任意の複数の新規機能または複数の機能の任意の新規組み合わせ、あるいは関連技術分野における当業者に自明である、それらの任意の一般化または変形を含んでおり、いずれにしろ、そのようなものは、任意の請求項において現在特許請求されている同一の発明に関連し、および、いずれにしろ、それが本発明によって直面される同一の複数の技術的問題のいずれかまたは全部を軽減することが理解されるべきである。出願人は、本出願の審査過程において、あるいは、本出願から派生する任意のさらなる出願の審査過程において、複数のそのような特徴および/または複数のそのような特徴に係る複数の組み合わせについて、複数の新規請求項を作成する権利をここに保有する。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2015年10月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【国際調査報告】