(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-513525(P2016-513525A)
(43)【公表日】2016年5月16日
(54)【発明の名称】テザーインターフェースを有するステント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/848 20130101AFI20160411BHJP
A61F 2/915 20130101ALI20160411BHJP
【FI】
A61F2/848
A61F2/915
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2015-562548(P2015-562548)
(86)(22)【出願日】2014年3月9日
(85)【翻訳文提出日】2015年11月11日
(86)【国際出願番号】IL2014050233
(87)【国際公開番号】WO2014141239
(87)【国際公開日】20140918
(31)【優先権主張番号】61/783,224
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】512189347
【氏名又は名称】4テック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100117743
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 美由紀
(74)【代理人】
【識別番号】100163658
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 順造
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(72)【発明者】
【氏名】トビス、イダン
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー、シャーロット
(72)【発明者】
【氏名】ギルモア、ミカエル
【テーマコード(参考)】
4C167
【Fターム(参考)】
4C167AA44
4C167BB20
4C167CC08
4C167HH02
(57)【要約】
半径方向に拡張可能なステント(20)が1以上のテザーインターフェース(50)、低固定部分(56)、及び高固定部分(64)を定めるように形作られる。低固定部分(56)は、(a)少なくともステント(20)の連続する低固定軸セグメント(58)に沿って延び、かつ(b)ステント(20)の連続する低固定円周部分(60)の周囲に円周方向に延び、該ステント(20)の低固定軸セグメント(58)及び低固定円周部分(60)は、1以上のテザーインターフェース(50)を含む。高固定部分(64)は、(a)ステント(20)の少なくとも連続する高固定軸セグメント(65)に沿って延び、かつ(b)低固定円周部分(60)の円周位置以外の全ての円周位置において215度及び330度の間の円周(C)の周囲に円周方向に延びる。ステント(20)は、高固定部分(64)の周囲の各円周位置(72)において複数の外側への突起(70)を定め、かつ、低固定部分(56)の周囲の各円周位置(72)において外側への突起(70)を定めないように形作られる。1以上のテザー(34)は、1以上のテザーインターフェース(50)にそれぞれ連結され、かつ1以上の組織アンカー(30)にそれぞれ連結される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具であって、
該器具が、半径方向に拡張可能なステントを含み、該ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、該ステントが、略管状であり、
かつ、該ステントが、それぞれ、1以上のテザー円周位置において1以上のテザーインターフェースを定めるように形作られ、それぞれの該テザーインターフェースが、それぞれ前記ステントの30度未満の円周の周囲に円周方向に連続して延び、
かつ、該ステントが、低固定部分を定めるように形作られ、該低固定部分が、(a)少なくとも前記ステントの連続する低固定軸セグメントに沿って延び、かつ(b)前記ステントの連続する低固定円周部分の周囲に円周方向に延び、該低固定軸セグメント及び低固定円周部分が、前記1以上のテザーインターフェースを含み、
かつ、該ステントが、高固定部分を定めるように形作られ、該高固定部分が、(a)少なくとも前記ステントの連続する高固定軸セグメントに沿って延び、かつ、(b)前記低固定円周部分の円周位置以外の全ての円周位置において、215度及び330度の間の前記円周の周囲に円周方向に延び、
かつ、該ステントが、前記高固定部分の周囲におけるそれぞれの円周位置において複数の外側への突起を定め、かつ前記低固定部分の周囲において複数の外側への突起を定めないように形作られ;
該器具が、1以上の組織アンカーを含み;かつ、
該器具が、1以上のテザーを含み、該1以上のテザーが、それぞれの第1の長手方向の部分を有し、該第1の長手方向の部分が、それぞれ前記1以上のテザーインターフェースに連結され、該1以上のテザーが、前記各第1の長手方向の部分とは異なるそれぞれの第2の長手方向の部分を有し、該第2の長手方向の部分が、それぞれ前記1以上の組織アンカーに連結される、器具。
【請求項2】
前記ステントが、1以上の張力分配エレメントを定めるように形作られ、該1以上の張力分配エレメントが、(a)それぞれ前記1以上のテザー円周位置において前記ステントの少なくとも張力分配軸セグメントに沿って延び、(b)前記ステントが、それぞれ前記1以上のテザーインターフェースを定め、かつ(c)該1以上の張力分配エレメントが、前記ステントの前記張力分配軸セグメントに沿って、それぞれ前記1以上のテザーによってかけられる張力を分配するように構成される、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記張力分配軸セグメントが、前記低固定軸セグメントと軸方向に一致する、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記1以上の張力分配エレメント及び前記ステントがシングルユニットから作られる、請求項2に記載の器具。
【請求項5】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合には、前記1以上の張力分配エレメントのそれぞれが、1度及び15度の間の円弧を有する、請求項2に記載の器具。
【請求項6】
それぞれの前記張力分配エレメントの軸長が、前記ステントの軸長の少なくとも15%に等しい、請求項2に記載の器具。
【請求項7】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記ステントの前記軸長が、20mm及び120mmの間であり、かつ、それぞれの前記張力分配エレメントの前記軸長が、10mm及び120mmの間である、請求項6に記載の器具。
【請求項8】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記ステントの前記低固定軸セグメントが、前記ステントの少なくとも30%の軸長に沿って延びる、請求項1に記載の器具。
【請求項9】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記ステントの前記低固定軸セグメントが、前記ステントの100%の前記軸長に沿って延びる、請求項8に記載の器具。
【請求項10】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記ステントの内側が、半径を有する直円柱形状の輪郭を示し、前記外側への突起が、該円柱形状から前記半径の5%及び25%の間に等しい距離だけ半径方向において外側へ伸びる、請求項1に記載の器具。
【請求項11】
前記1以上のテザーインターフェースが、それぞれ、1以上の開口部を定めるように形作られ、該1以上の開口部を通って、前記1以上のテザーが、それぞれ連結される、請求項1に記載の器具。
【請求項12】
前記1以上のテザーのそれぞれが、1以上の金属支柱、1以上の金属ワイヤ、1以上の曲がりやすい生体適合性繊維、及び1以上の曲がりやすいバンドからなるグループから選択されたエレメントを含む、請求項1に記載の器具。
【請求項13】
前記1以上のテザーのそれぞれが、20mm及び120mmの間の長さを有する、請求項1に記載の器具。
【請求項14】
前記1以上の組織アンカーのうちの少なくとも1つが、らせん形の組織アンカーを含む、請求項1に記載の器具。
【請求項15】
前記ステントが第1ステントであり、前記1以上の組織アンカーのうちの少なくとも1つが、第2の略管状のステントを含む、請求項1に記載の器具。
【請求項16】
もう1つのテザーインターフェースが、ちょうど1つのテザー円周位置においてちょうど1つのテザーインターフェースを含み、かつ、前記1以上のテザーが、第1の長手方向の部分を有するちょうど1つのテザーを含み、該第1の長手方向の部分が、前記テザーインターフェースに連結される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の器具。
【請求項17】
前記テザー円周位置が、前記低固定円周部分における円周方向の中央に置かれる、請求項16に記載の器具。
【請求項18】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記高固定部分が、前記ステントの少なくとも270度の前記円周の周囲に円周方向に延びる、請求項16に記載の器具。
【請求項19】
前記ちょうど1つのテザーインターフェースが、1以上の開口部を定めるように形作られ、該1以上の開口部を通って、前記ちょうど1つのテザーが連結される、請求項16に記載の器具。
【請求項20】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記外側への突起が、前記ステントの前記円周の周囲に回転非対称に分配される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の器具。
【請求項21】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記外側への突起が前記高固定円周部分の周囲に定期的に分配される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の器具。
【請求項22】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記外側への突起がとがっていない、請求項1〜15のいずれか1項に記載の器具。
【請求項23】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態で制約されない場合に、前記外側への突起が、それぞれの戻りを定めるように形作られる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の器具。
【請求項24】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記低固定部分が円弧を有し、該円弧が、前記高固定部分の周囲の前記外側への突起のうち円周方向に隣接したものの円周方向における中点の間の平均円周距離の少なくとも200%に等しい、請求項1〜15のいずれか1つに記載された器具。
【請求項25】
前記ステントが複数の円柱の支柱と、複数の円周のステントの曲がりくねりとを含み、該曲がりくねりが、それぞれの軸位置において前記円柱の支柱に連結され、
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、1以上の前記円周のステントの曲がりくねりが、前記高固定部分の周囲の前記各円周位置において前記外側への突起を定めるように形作られる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の器具。
【請求項26】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの前記円周のステントの曲がりくねりが、(a)前記高固定部分の周囲において、前記外側への突起を定めるように形作られ、かつ(b)前記円周のステントの曲がりくねりが前記ステントの長手方向の軸に垂直な平面に投影されたならば、前記低固定部分の周囲において、円弧を定めるように形作られる、請求項25に記載の器具。
【請求項27】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの前記円周のステントの曲がりくねりが、円周方向に隣接する前記円柱の支柱の1以上のペアの円周方向における間において前記高固定部分の周囲に前記外側への突起を定めるように形作られる、請求項25に記載の器具。
【請求項28】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの前記円周のステントの曲がりくねりが、複数の頂点を定めるように形作られ、該複数の頂点の少なくともいくつかが、前記外側への突起を定めるように形作られる、請求項25に記載の器具。
【請求項29】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記円柱の支柱の各半径が、前記円柱の支柱のそれぞれの内表面と前記ステントの中央長手軸との間において測定され、前記中央長手軸と、前記突起のそれぞれの最も外側の表面と間のそれぞれの距離の平均が前記半径の平均の105%及び125%の間に等しい、請求項25に記載の器具。
【請求項30】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記高固定部分が、前記ステントの少なくとも270度の前記円周の周囲に円周方向に延びる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の器具。
【請求項31】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記高固定部分が、前記ステントの少なくとも300度の前記円周の周囲に円周方向に延びる、請求項30に記載の器具。
【請求項32】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記高固定部分が、前記ステントの300度以下の前記円周の周囲に円周方向に延びる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の器具。
【請求項33】
器具であって、該器具が、
半径方向に拡張可能なステントを含み、該ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、該ステントが、略管状であり、
かつ、該ステントが、それぞれ複数のテザー円周位置において複数のテザーインターフェースを定めるように形作られ、それぞれの該テザーインターフェースが、前記ステントの30度未満の円周の周囲に円周方向に連続して延び、
かつ、該ステントが、複数の低固定部分を定めるように形作られ、該複数の低固定部分が、(a)前記ステントの少なくともそれぞれの連続する低固定軸セグメントに沿って延び、かつ、(b)前記ステントのそれぞれの連続する低固定円周部分の周囲に円周方向に延び、(i)前記低固定軸セグメントのそれぞれが、1以上の前記テザーインターフェースを含み、(ii)前記低固定円周部分のそれぞれが、1以上の前記テザーインターフェースを含み、かつ、(iii)前記低固定円周部分が、それぞれの円弧を有し、該円弧のそれぞれが、30度及び90度の間であり、
かつ、該ステントが、複数の高固定部分を定めるように形作られ、該複数の高固定部分が、(a)前記ステントの少なくともそれぞれの連続する高固定軸セグメントに沿って延び、かつ、(b)前記低固定円周部分の円周位置以外の全ての円周位置に集合的に、前記ステントのそれぞれの高固定円周部分の周囲に円周方向に延び、前記低固定部分及び前記高固定部分が前記ステントの周囲において互い違いになり、
かつ、それぞれの前記高固定部分が1以上の前記外側への突起を含むように、該ステントが、前記高固定部分の周囲におけるそれぞれの円周位置において複数の外側への突起を定め、かつ、前記低固定部分の周囲において複数の外側への突起を定めないように形作られ、
該器具が、複数の組織アンカーを定めるように形作られ、
該器具が、複数のテザーを定めるように形作られ、該複数のテザーが、それぞれの第1の長手方向の部分を有し、該第1の長手方向の部分が、それぞれ前記複数のテザーインターフェースに連結され、かつ、該複数のテザーが、それぞれの第2の長手方向の部分を有し、該第2の長手方向の部分が、前記各第1の長手方向の部分とは異なり、それぞれ前記複数の組織アンカーに連結される、器具。
【請求項34】
前記低固定円周部分の前記円弧が互いに等しい、請求項33に記載の器具。
【請求項35】
前記高固定円周部分が、互いに等しいそれぞれの円弧を有する、請求項33に記載の器具。
【請求項36】
前記低固定円周部分の前記円弧が互いに等しく、かつ、前記高固定円周部分が互いに等しいそれぞれの円弧を有する、請求項33に記載の器具。
【請求項37】
前記ステントが、複数の張力分配エレメントを定めるように形作られ、該複数の張力分配エレメントが、(a)それぞれ前記テザー円周位置において前記ステントの少なくともそれぞれの張力分配軸セグメントに沿って延び、(b)それぞれ前記テザーインターフェースを定め、かつ(c)該複数の張力分配エレメントが、それぞれ、前記ステントの前記張力分配軸セグメントに沿って、それぞれ前記テザーによってかけられる張力を分配するように構成される、請求項33に記載の器具。
【請求項38】
前記張力分配軸セグメントが、それぞれ前記低固定軸セグメントと軸方向に一致する、請求項37に記載の器具。
【請求項39】
前記張力分配エレメント及び前記ステントが、シングルユニットから作られる、請求項37に記載の器具。
【請求項40】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、それぞれの前記張力分配エレメントが、1度及び15度の間の円弧を有する、請求項37に記載の器具。
【請求項41】
それぞれの前記張力分配エレメントの軸長が、前記ステントの軸長の少なくとも15%に等しい、請求項37に記載の器具。
【請求項42】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記ステントの前記軸長が、20mm及び120mmの間であり、かつ、それぞれの前記張力分配エレメントの前記軸長が、10mm及び120mmの間である、請求項41に記載の器具。
【請求項43】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記ステントの前記低固定軸セグメントが、前記ステントの軸長の少なくとも30%に沿って延びる、請求項33に記載の器具。
【請求項44】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記ステントの前記低固定軸セグメントが、前記ステントの前記軸長の100%に沿って延びる、請求項43に記載の器具。
【請求項45】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記ステントの内側が、半径を有する直円柱形状の輪郭を示し、かつ、前記外側への突起が、前記半径の5%及び25%の間に等しい距離だけ、前記円柱形状から半径方向において外側に延びる、請求項33に記載の器具。
【請求項46】
前記テザーインターフェースが、それぞれの1以上の開口部を定めるように形作られ、該1以上の開口部を通って、前記テザーがそれぞれ連結される、請求項33に記載の器具。
【請求項47】
それぞれの前記テザーが、1以上の金属支柱、1以上の金属ワイヤ、1以上の曲がりやすい生体適合性繊維、及び1以上の曲がりやすいバンドからなるグループから選択されたエレメントを含む、請求項33に記載の器具。
【請求項48】
それぞれの前記テザーが、20及び120mmの間の長さを有する、請求項33に記載の器具。
【請求項49】
少なくとも1つの前記組織アンカーが、らせん形の組織アンカーを含む、請求項33に記載の器具。
【請求項50】
前記ステントが、第1ステントであり、少なくとも1つの前記組織アンカーが、第2の略管状のステントを含む、請求項33に記載の器具。
【請求項51】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されていない場合、該ステントが、同じ数の前記テザーインターフェース及び前記低固定部分を定めるように形作られる、請求項33〜50のいずれか1項に記載の器具。
【請求項52】
前記テザー円周位置が、前記低固定部分における円周方向の中央にそれぞれ置かれる、請求項51に記載の器具。
【請求項53】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記外側への突起が、前記ステントの前記円周の周囲において回転非対称に分配される、請求項33〜50のいずれか1項に記載の器具。
【請求項54】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記外側への突起が、それぞれの前記高固定円周部分の周囲に定期的に分配される、請求項33〜50のいずれか1項に記載の器具。
【請求項55】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記外側への突起が、とがっていない、請求項33〜50のいずれか1項に記載の器具。
【請求項56】
前記半径方向に拡張された状態において前記ステントが制約されない場合に、前記外側への突起が、それぞれの戻りを定めるように形作られる、請求項33〜50のいずれか1項に記載の器具。
【請求項57】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記低固定円周部分のそれぞれの前記円弧が、前記高固定部分の周囲の前記外側への突起のうち、円周方向に隣接するものの円周方向における中点間の平均円周距離の少なくとも200%に等しい、請求項33〜50のいずれか1項に記載の器具。
【請求項58】
前記半径方向に拡張された状態において前記ステントが制約されない場合に、前記ステントが、複数の円柱の支柱と複数の円周のステントの曲がりくねりとを含み、該曲がりくねりが、それぞれの軸位置において前記円柱の支柱に連結され、かつ、
1以上の前記円周のステントの曲がりくねりが、前記高固定部分の周囲における前記各円周位置において前記外側への突起を定めるように形作られる、請求項33〜50のいずれか1項に記載の器具。
【請求項59】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの前記円周のステントの曲がりくねりが、(a)前記高固定部分の周囲において、前記外側への突起を定めるように形作られ、かつ(b)前記円周のステントの曲がりくねりが前記ステントの長手方向の軸に垂直な平面に投影されたならば、少なくとも1つの前記円周のステントの曲がりくねりが、前記低固定部分の周囲において、それぞれの円弧を定めるように形作られる、請求項58に記載の器具。
【請求項60】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの前記円周のステントの曲がりくねりが、1以上の円周方向に隣接する前記円柱の支柱のペアの円周方向における間において前記高固定部分の周囲に前記外側への突起を定めるように形作られる、請求項58に記載の器具。
【請求項61】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの前記円周のステントの曲がりくねりが、複数の頂点を定めるように形作られ、該複数の頂点の少なくともいくつかが、前記外側への突起を定めるように形作られる、請求項58に記載の器具。
【請求項62】
前記ステントが前記半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、前記円柱の支柱の各半径が、前記円柱の支柱のそれぞれの内表面及び前記ステントの中央長手軸の間において測定され、かつ、前記中央長手軸と前記突起のそれぞれの最も外側の表面との間のそれぞれの距離の平均が、前記半径の平均の105%及び125%の間に等しい、請求項58に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月14日に提出された米国仮出願61/783,224の優先権を主張し、該出願は、本願の譲受人に譲渡され、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
出願の分野
本発明は、概してステントに関し、具体的には、体腔内に固定する(anchoring)ためのステントに関する。
【背景技術】
【0003】
出願の背景
ステントは、冠状血管を開いたままにするため、腹部大動脈瘤(abdominal aortic aneurisms, "AAAs")におけるグラフト(grafts)の機能を果たすため、大静脈フィルタを固定するため、又は大動脈弁のフレーム(frame)の機能を果たすため等の様々な心臓血管の用途のために使用される。ステントは、概して円筒形状(cylindrical shaped)、円錐形状、又はボトル形状であり、また、ステントが埋め込まれた血管に半径方向の力をかけるように設計される。結果として生じる摩擦力が、血管に対するステントの固定をもたらし、それによって埋め込み後のステントの移動を抑制する。ステントの固定を向上させる技術としては、フック又は戻り(barbs)を提供すること、ステントを円錐台に形作ること、及びステント支柱(stent struts)を突出させることが挙げられる。
【0004】
機能的三尖弁逆流(Functionlal tricuspid regurgitation,FTR)は、三尖弁環状拡張、円環形(annular shape)、肺高血圧、左又は右心室機能障害(left or right ventricle dysfunction)、右心室形状(right ventricle geometry)、及び弁尖テザリング(leaflet tethering)等のいくつかの病態生理学的異常の影響を受ける。FTRのための治療の選択肢は、主として外科的(surgical)である。中等度から重度の三尖弁逆流の現在の患者数は、米国において160万人と推定されている。このうち、毎年8,000人の患者のみが、三尖弁手術を受け、これらの大部分が、左心弁膜手術と併用される。
【発明の概要】
【0005】
出願の概要
本発明のいくつかの適用は、固定システムを提供し、該固定システムは、半径方向に拡張可能なステントと、通常は、1以上の組織アンカーと1以上のテザーとを含み、該1以上のテザーが、ステントを1以上の組織アンカーに連結する。ステントは、血管等の体腔に埋め込まれるように構成される。ステントの円周部分の支柱の一部が、外側へ突出し、それによって多角形形状を定めるが、ステントの別の連続する円周部分の支柱は、外側へ突出せず、それによって円筒形状を定めるため、ステントは、通常、回転対称性を欠いている。
【0006】
外側への突起を有する円周部分は、外側への突起を備えていない円周部分に比べて、体腔の壁とのより強い固定力を示し、それゆえに、ステントを全体として体腔において固定しつつ、非突出の円周部分の相対的な軸運動を可能にする。かかる選択的固定(selective securement)は、1以上のテザー円周位置においてステントに加えられる周期的負荷(cyclic loads)(例えば、周期的心臓負荷(cyclic cardiac loads))から生じる、ステントフレームにおける圧力(stresses)を軽減し得、その結果、ステントにおけるより高い疲労耐久性を可能にする。
【0007】
いくつかの用途のために、半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステントが、概して管状であり、かつ、
・それぞれ、1以上のテザー円周位置において1以上のテザーインターフェース(tether
interfaces)を定めるように形作られ、それぞれの該テザーインターフェースが、ステ
ントの30度未満の円周の周囲に円周方向に連続して延び;
・ステントが、低固定部分を定めるように形作られ、該低固定部分が、(a)少なくとも
連続するステントの低固定軸セグメントに沿って延び、かつ、(b)ステントの連続す
る低固定円周部分の周囲に円周方向に延び、該低固定軸セグメント及び低固定円周部分
が、1以上のテザーインターフェースを含み;
・ステントが、高固定部分を定めるように形作られ、該高固定部分が、(a)少なくとも
連続する高固定軸セグメントに沿って伸び、かつ、(b)低固定円周部分の円周位置を
除く全ての円周位置においてステントの高固定円周部分の周囲に円周方向に延びる。高
固定円周部分が通常、ステントの215度及び330度の間の円周の周囲に延び(例え
ば、少なくとも円周の270度);かつ、
・ステントが、高固定部分の周囲の各外側円周位置において複数の外側への突起を定め、
かつ低固定部分の周囲において複数の外側への突起を定めないように形作られる。
【0008】
高固定部分の外側への突起が、外側への突起を欠く低固定部分によって加えられるよりも、体腔壁に対するより大きな固定力を高固定部分に加えさせる。かかる選択的固定は、体腔において全体としてステントを固定して維持しつつ、低固定部分の支柱の相対軸往復運動(reciprocating movement)を可能にする。上述するように、かかる選択的固定は、このようにして、1以上のテザー円周位置においてステントに加えられた周期的負荷(例えば、周期的な心臓負荷)から生じる、ステントフレームにおける相対的圧力を軽減し得、その結果、ステントにおいてより高い疲労耐久性を可能にし、ステント移動(stent migration)のリスクを減少させる。
【0009】
いくつかの用途のために、ステントが、半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起が、ステントの円周の周囲に回転非対称に配置される。もう一つの方法として又は追加として、いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起が、高固定円周部分の周囲に定期的に分配される。ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、通常、外側への突起はとがっていない。従って、固定は、戻り又はフック等の追加的な機構(feature)を必要とせずに、ステント支柱自体を用いて成し遂げられ、該戻り又はフックは、半径方向の剛性(radial stiffness)を増大させることなく、ステントの圧着サイズ(crimp size)を増大させる。加えて、外側への突起がとがっていないので、とがった固定エレメントが供給される場合に比べて、埋め込み物が体腔解離(body lumen dissection)を引き起こす可能性が低くなり得る。
【0010】
いくつかの用途のために、ステントの支柱は、複数の円柱の支柱及び複数の円周のステントの曲がりくねり(circumferential stent meanders)を定めるように形作られ、該複数の円周のステントの曲がりくねりは、それぞれの軸位置において円柱の支柱に連結される。通常、それぞれの円周のステントの曲がりくねりは、ステントの全円周の周囲に配置される。ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、1以上の円周のステントの曲がりくねりのうちの1セットが、高固定部分の周囲におけるそれぞれの外側の円周位置において外側への突起を定めるように形作られる。
【0011】
いくつかの用途のために、ステントが、半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねりが、(a)高固定部分の周囲において、外側への突起を定めるように形作られ(ステントの長手方向の軸に垂直な平面に投影された場合に、円周のステントの曲がりくねりが、このようにして多角形を定め得る)、かつ(b)円周のステントの曲がりくねりが、ステントの長手方向の軸に垂直な平面に投影された場合に、低固定部分の周囲において円弧を定めるように形作られる。いくつかの用途のために、ちょうど1つ、ちょうど2つ、ちょうど3つ、ちょうど4つ、又は5つあるいはそれより多くの円周のステントの曲がりくねりが、このようにして形作られる。対照的に、他の円周のステントの曲がりくねりは、外側への突起を定めず、それゆえに、ステントの長手方向の軸に垂直な平面に投影された場合に、各円を定める。ステントは、他の多角形−円形形状パターン(polygon-circular shape patterns)を定めるように形作られ得る(例えば、2つに1つの曲がりくねり、又は3つに1つの曲がりくねり等、x個に1つの円周のステントの曲がりくねりが、外側への突起を定め得る)。いくつかの用途のために、低固定部分は、概して円柱の円周部分として形作られる。
【0012】
いくつかの用途のために、ステントは、1以上の(例えば、ちょうど1つ)張力分配エレメントを定めるように形作られ、該張力分配エレメントは、(a)1以上のテザー円周位置において少なくともステントのテザー分配軸セグメントに沿ってそれぞれ延び、(b)1以上のテザーインターフェースをそれぞれ定め、かつ(c)テザー分配軸セグメントに沿って、それぞれ、1以上のテザーによってかけられた張力を分配するように構成される。
【0013】
それゆえ、本発明の用途に従って、器具が提供され、該器具は、
半径方向に拡張可能なステントを含み、該ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、該ステントが、概して管状であり、かつ、
それぞれ1以上のテザー円周位置において1以上のテザーインターフェースを定める
ように形作られ、それぞれの該テザーインターフェースは、ステントの30度未満の円
周の周囲に円周方向に連続して延び、
該ステントが、低固定部分を定めるように形作られ、該低固定部分は、(a)ステン
トの少なくとも連続する低固定軸セグメントに沿って延び、かつ(b)ステントの連続
する低固定円周部分の周囲に円周方向に延び、該低固定軸セグメント及び低固定円周部
分は、1以上のテザーインターフェースを含み、
該ステントが、高固定部分を定めるように形作られ、該高固定部分は、(a)ステン
トの少なくとも連続する高固定軸セグメントに沿って延び、かつ(b)低固定円周部分
の円周位置以外の全ての円周位置において、215度及び330度の間の円周の周囲に
円周方向に延び、かつ、
該ステントが、高固定部分の周囲における各円周位置に複数の外側への突起を定め、
かつ低固定部分の周囲において複数の外側への突起を定めないように形作られ;
該器具が、1以上の組織アンカーを含み;かつ、
該器具が、1以上のテザーを含み、該1以上のテザーが、それぞれの第1の長手方向の部分を有し、該第1の長手方向の部分が、1以上のテザーインターフェースにそれぞれ連結され、該1以上のテザーが、それぞれの第2の長手方向の部分を有し、該第2の長手方向の部分が、それぞれ、各第1の長手方向の部分と異なり、1以上の組織アンカーに連結される。
【0014】
いくつかの用途のために、ステントが、1以上の張力分配エレメントを定めるように形作られ、該1以上の張力分配エレメントは、(a)それぞれ1以上のテザー円周位置においてステントの少なくとも張力分配軸セグメントに沿って延び、(b)それぞれ1以上のテザーインターフェースを定め、かつ(c)該1以上の張力分配エレメントが、ステントの張力分配軸セグメントに沿って、それぞれ、1以上のテザーによってかけられた張力を分配するように構成される。いくつかの用途のために、張力分配軸セグメントが、低固定軸セグメントと軸方向に一致する。いくつかの用途のために、1以上の張力分配エレメント及びステントは、シングルユニットから作られる。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、それぞれの1以上の張力分配エレメントが、1度及び15度の間の円弧を有する。いくつかの用途のために、それぞれの張力分配エレメントの軸長が、ステントの軸長の少なくとも15%に等しい。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステントの軸長が、20mm及び120mmの間であり、かつ、それぞれの張力分配エレメントの軸長は、10mm及び120mmの間である。
【0015】
いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステントの低固定軸セグメントは、ステントの軸長の少なくとも100%等、少なくとも軸長の30%に沿って延びる。
【0016】
いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステントの内側は、半径を有する直円柱形状を定め、外側への突起は、半径の5%及び25%の間に等しい距離だけ、該円柱形状から半径方向に外側に延びる。
【0017】
いくつかの用途のために、1以上のテザーインターフェースが、それぞれ、1以上の開口部を定めるように形作られ、該1以上の開口部を通して、1以上のテザーがそれぞれ連結される。
【0018】
いくつかの用途のために、それぞれの1以上のテザーが、1以上の金属支柱、1以上の金属ワイヤ、1以上の曲がりやすい生体適合性繊維、及び1以上の曲がりやすいバンドからなるグループから選択されたエレメントを含む。いくつかの用途のために、それぞれの1以上のテザーは、20mm及び120mmの間の長さを有する。
【0019】
いくつかの用途のために、1以上の組織アンカーの少なくとも1つが、らせん形組織アンカーを含む。
【0020】
いくつかの用途のために、ステントは、第1ステントであり、1以上の組織アンカーの少なくとも1つは、第2の略管状のステントを含む。
【0021】
上述の用途のいずれかのために、1以上のテザーインターフェースが、ちょうど1つのテザー円周位置においてちょうど1つのテザーインターフェースを含み得、1以上のテザーは、第1の長手方向の部分を有するちょうど1つのテザーを含み得、該第1の長手方向の部分が、テザーインターフェースに連結される。いくつかの用途のために、テザー円周位置が、低固定円周部分における円周方向の中央に置かれる。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、高固定部分が、ステントの少なくとも270度の円周の周囲に円周方向に延びる。いくつかの用途のために、ちょうど1つのテザーインターフェースが、1以上の開口部を定めるように形作られ、該1以上の開口部を通って、ちょうど1つのテザーが連結される。
【0022】
上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起が、回転非対称にステントの円周の周囲に分配され得る。
【0023】
上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起は、高固定円周部分の周囲に定期的に分配され得る。
【0024】
上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起は、とがっていなくてもよい。もう一つの方法として、上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起が、それぞれの戻りを定めるように形作られ得る。
【0025】
上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、低固定部分は、円弧を有し得、該円弧は、高固定部分の周囲の外側への突起のうち、円周方向に隣接するものの円周方向の中点の間における平均円周距離の少なくとも200%に等しい。
【0026】
上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステントが、複数の円柱の支柱及び複数の円周のステントの曲がりくねりを含み得、該複数の円周のステントの曲がりくねりは、それぞれの軸位置において円柱の支柱に連結され、かつ、1以上の円周のステントの曲がりくねりは、高固定部分の周囲の各円周位置において外側への突起を定めるように形作られ得る。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねりが、(a)高固定部分の周囲において、外側への突起を定め、かつ(b)円周のステントの曲がりくねりが、ステントの長手方向の軸に垂直な平面に投影されたならば、低固定部分の周囲において、円弧を定めるように形作られる。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねりが、1以上の円周方向に隣接する円柱の支柱のペアの円周方向における間において高固定部分の周囲に外側への突起を定めるように形作られる。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねりが、複数の頂点を定めるように形作られ、該複数の頂点の少なくともいくつかが、外側への突起を定めるように形作られる。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、円柱の支柱の各半径が、円柱の支柱のそれぞれの内表面及びステントの中央長手軸の間において測定され、中央長手軸とそれぞれの突起の最も外側の表面との間のそれぞれの距離の平均が、半径の平均の105%及び125%の間に等しい。
【0027】
上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態に制約されない場合に、高固定部分が、ステントの少なくとも300度の円周等、ステントの少なくとも270度の円周の周囲に円周方向に延び得る。
【0028】
上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、高固定部分がステントの300度以下の円周の周囲に円周方向に延び得る。
【0029】
本発明の用途に従う器具が更に提供され、該器具は、
半径方向に拡張可能なステントを含み、該ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、該ステントは、略管状であり、かつ:
それぞれ複数のテザー円周位置において複数のテザーインターフェースを定めるよう
に形作られ、それぞれの該テザーインターフェースは、ステントの30度未満の円周の
周囲に連続して円周方向に延び、
かつ、該ステントが、複数の低固定部分を定めるように形作られ、該複数の低固定部
分は、(a)少なくともステントのそれぞれの連続する低固定軸セグメントに沿って延
び、かつ(b)ステントのそれぞれの連続する低固定円周部分の周囲に円周方向に延
び、(i)それぞれの低固定軸セグメントが、1以上のテザーインターフェースを含み、
(ii)それぞれの低固定円周部分が、1以上のテザーインターフェースを含み、かつ(iii)
低固定円周部分がそれぞれの円弧を有し、該円弧のそれぞれが、30度及び90度の間
であり、
かつ、該ステントは、複数の高固定部分を定めるように形作られ、該複数の高固定部
分は、(a)少なくともステントのそれぞれの連続する高固定軸セグメントに沿って延
び、かつ(b)低固定円周部分の円周位置以外の全ての円周位置においてステントの各
高固定円周部分の周囲に集合的に(collectively)円周方向に延び、低固定部分及び高
固定部分は、ステントの周囲において互い違いになり、かつ
それぞれの高固定部分が1以上の外側への突起を含むように、該ステントが、高固定
部分の周囲の各円周位置において複数の外側への突起を定め、かつ低固定部分の周囲の
各円周位置において複数の外側への突起を定めないように形作られ;
該器具が、複数の組織アンカーを含み;かつ
該器具が、複数のテザーを含み、該複数のテザーが、それぞれの第1の長手方向の部分を有し、該第1の長手方向の部分が、それぞれ、複数のテザーインターフェースに連結され、かつ、該複数のテザーが、それぞれの第2の長手方向の部分を有し、該第2の長手方向の部分は、各第1の長手方向の部分と異なり、それぞれ、複数の組織アンカーと連結される。
【0030】
いくつかの用途のために、低固定円周部分の円弧が互いに等しい。
【0031】
いくつかの用途のために、高固定円周部分が、それぞれの円弧を有し、該円弧が互いに等しい。
【0032】
いくつかの用途のために、低固定円周部分の円弧が互いに等しく、かつ、高固定円周部分が、互いに等しいそれぞれの円弧を有する。
【0033】
いくつかの用途のために、ステントは、複数の張力分配エレメントを定めるように形作られ、該複数の張力分配エレメントが、(a)それぞれテザー円周位置においてステントの少なくともそれぞれの張力分配軸セグメントに沿って延び、(b)テザーインターフェースをそれぞれ定め、かつ(c)該複数の張力分配エレメントが、それぞれステントの張力分配軸セグメントに沿って、テザーによってかけられた張力を分配するように構成される。いくつかの用途のために、張力分配軸セグメントは、低固定軸セグメントに軸方向にそれぞれ一致する。いくつかの用途のために、張力分配エレメント及びステントが、シングルユニットから作られる。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、それぞれの張力分配エレメントが、1度及び15度の間の円弧を有する。いくつかの用途のために、それぞれの張力分配エレメントの軸長が、ステントの軸長の少なくとも15%に等しい。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステントの軸長が20mm及び120mmの間であり、それぞれの張力分配エレメントの軸長が、10mm及び120mmの間である。
【0034】
いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステントの低固定軸セグメントが、ステントの軸長の少なくとも100%等、ステントの軸長の少なくとも30%に沿って延びる。
【0035】
いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステントの内側が、半径を有する直円柱形状の輪郭を示し、外側への突起が、半径の5%及び25%の間に等しい距離だけ、該円柱形状から半径方向に外側へ延びる。
【0036】
いくつかの用途のために、テザーインターフェースが、それぞれの1以上の開口部を定めるように形作られ、該開口部を通って、テザーがそれぞれ連結される。
【0037】
いくつかの用途のために、それぞれのテザーが、1以上の金属支柱、1以上の金属ワイヤ、1以上の曲がりやすい生体適合性繊維、及び1以上の曲がりやすいバンドからなるからなるグループから選択されたエレメントを含む。いくつかの用途のために、それぞれのテザーが、20mm及び120mmの長さを有する。
【0038】
いくつかの用途のために、少なくとも1つの組織アンカーが、らせん形組織アンカーを含む。
【0039】
いくつかの用途のために、ステントが、第1ステントであり、少なくとも1つの組織アンカーが、第2の略管状のステントを含む。
【0040】
上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステントが、同じ数のテザーインターフェース及び低固定部分を定めるように形作られ得る。いくつかの用途のために、テザー円周位置は、低固定部分における円周方向の中央にそれぞれ置かれる。
【0041】
上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起が、ステントの円周の周囲に回転非対称に分配され得る。
【0042】
上述の用途のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起が、それぞれの高固定円周部分の周囲に定期的に分配され得る。
【0043】
上述された適用のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起がとがっていなくてもよい。もう一つの方法として、上述された適用のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起が、それぞれの戻りを定めるように形作られ得る。
【0044】
上述された適用のいずれかのために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、低固定円周部分のそれぞれの円弧が、高固定部分の周囲の外側への突起のうち、円周方向に隣接するものの円周方向の中点の間における平均円周距離の少なくとも200%に等しくなり得る。
【0045】
上述された適用のいずれかのために、ステントは、複数の円柱の支柱と、それぞれの軸位置において円柱の支柱に連結された複数の円周のステントの曲がりくねりとを含み得、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、1以上の円周のステントの曲がりくねりは、高固定部分の周囲の各円周位置において外側への突起を定めるように形作られ得る。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねりは、(a)高固定部分の周囲において、外側への突起を定め、かつ(b)円周のステントの曲がりくねりが、ステントの長手方向の軸に垂直な平面に投影されたならば、低固定部分の周囲において、それぞれの円弧を定めるように形作られる。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねりが、円周方向に隣接する円柱の支柱の1以上のペアの円周方向における間において高固定部分の周囲に外側への突起を定めるように形作られる。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねりが、複数の頂点を定めるように形作られ、少なくとも該複数の頂点のいくつかが、外側への突起を定めるように形作られる。いくつかの用途のために、ステントが半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、円柱の支柱の各半径が、円柱の支柱のそれぞれの内表面とステントの中央長手軸との間において測定され、中央長手軸と突起のそれぞれの最も外側の表面との間のそれぞれの距離の平均は、半径の平均の105%及び125%の間に等しい。
【0046】
本発明は、図面とともにまとめられたその実施態様の以下の詳細な説明から更に十分に理解されるだろう:
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】
図1は、本発明の用途に従う固定システムの略図である;
【
図2A】
図2Aは、本発明の用途に従う
図1の固定システムのステントの概略図である;
【
図2B】
図2Bは、本発明の用途に従う
図1の固定システムのステントの概略図である;
【
図2C】
図2Cは、本発明の用途に従う
図1の固定システムのステントの概略図である;
【
図2D】
図2Dは、本発明の用途に従う
図1の固定システムのステントの概略図である;
【
図3】
図3A−Bは、本発明の用途に従う
図1の固定システムの別の形態の略図である;
【
図4】
図4A−Bは、本発明の用途に従う別の半径方向に拡張可能なステントの略図である;
【
図5A】
図5Aは、本発明の用途に従う三尖弁の治療のための
図1の固定システムの典型的な配置の略図である;
【
図5B】
図5Bは、本発明の用途に従う三尖弁の治療のための
図1の固定システムの典型的な配置の略図である;
【
図5C】
図5Cは、本発明の用途に従う三尖弁の治療のための
図1の固定システムの典型的な配置の略図である;
【
図5D】
図5Dは、本発明の用途に従う三尖弁の治療のための
図1の固定システムの典型的な配置の略図である;
【
図6】
図6A−Bは、本発明の用途に従う更にもう一つの半径方向に拡張可能なステントの略図である;並びに
【
図7】
図7A−Bは、本発明の用途に従う
図1の固定システムの戻りのある形態の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
適用の詳細な説明
図1は、本発明の用途に従う固定システム10の略図である。固定システム10は、半径方向に拡張可能なステント20と、通常、1以上の組織アンカー30と1以上のテザー34とを含み、該1以上のテザー34は、ステントを1以上の組織アンカーにつなぐ。ステント20は、血管等の体腔に埋め込まれるように構成される。いくつかの用途のために、固定システム10は、例えば
図5A−Dを参照して本明細書に後述されるように、張力を利用して患者の房室弁の治療のために使用される。これらの用途のために、1以上の組織アンカー30が、房室弁の近くに埋め込み可能であり、ステント20が、血管、例えば、上大静脈、下大静脈、環状静脈洞、又は肝静脈、例えば、左肝静脈、右肝静脈、 又は中肝静脈、の一部において拡張される。
【0049】
図1に対して言及が更になされ、加えて
図2A−Dに対して言及がなされ、該
図2A−Dは、本発明の適用に従うステント20の概略図である。
図2A−Bは、ステント20の側面図である。説明の目的で、
図2Cは、扁平な状態におけるステント20を示し、該扁平な状態では、ステント20は、半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、長手方向に切断され、かつ扁平化された。
図2Cにおける特有の扁平な視野のために、後述された外側への突起70が見えないが、これらの突起が実のところ存在することが留意される。
図2Dは、ステント20の端面図である。
【0050】
ステント20は、通常、複数の相互接続された超弾性の金属支柱40を含む。ステント20は、レーザによって細長い穴をあけられた(laser-slotted)金属管を拡げる(expanding)ことによって、平板を化学的にエッチングすることによって、単線(single wire)を成形することによって、個々のワイヤエレメントを組み立てることによって、又は当分野において知られた作製のその他の方法によって製造され得る。ステント20は、通常、形状記憶合金等、例えばニチノール等の金属を含む。
【0051】
ステント20は、例えば、
図1及び2A−Dに示すように、半径方向に拡張された状態において制約されない場合に(すなわち、搬送ツール(delivery tool)、身体血管壁によって、又は別の方法でステントに力が全く加えられない場合に)、略管状であり、かつ:
・それぞれ1以上のテザー円周位置52において1以上のテザーインターフェース50を
定めるように形作られ、それぞれの該テザーインターフェース50は、ステント20の
30度未満の円周Cの周囲に円周方向に連続して延びる(
図2Cに符号を付される)。図
1及び2A−Dに示される形態において、ステント20は、ちょうど1つのテザーイン
ターフェース位置52においてちょうど1つのテザーインターフェース50を定めるよ
うに形作られ、該テザーインターフェース50が、ステント20の30度未満の円周C
の周囲に円周方向に連続して延び;
・低固定部分56を定めるように形作られ、該低固定部分56は、(a)連続する少なく
ともステント20の低固定軸セグメント58(
図2A及び2Cに符号を付される)に沿っ
て延び、かつ(b)ステント20の連続する低固定円周部分60の周囲に円周方向に延
び、ステント20の低固定軸セグメント58及び低固定円周部分60は、1以上のテザ
ーインターフェース50を含む(例えば、
図1及び2A−Dに示すちょうど1つのテザ
ーインターフェース50)。通常、低固定軸セグメント58は、ステント20の軸長L
1の少なくとも30%、例えば、少なくとも70%、又は100%(図示)に沿って延び
る;
・高固定部分64を定めるように形作られ、該高固定部分64が、(a)少なくとも連続
する高固定軸セグメント65に沿って延び、かつ(b)低固定円周部分60の円周位置
以外の全ての円周位置においてステント20の高固定円周部分66の周囲に円周方向に
延びる。高固定円周部分66が、通常、少なくとも215度の円周C(例えば、少なく
とも270度、又は少なくとも300度)、330度以下の円周C(例えば、300度以
下)、及び/又は215及び330度の間の円周C(例えば、300度及び330度の
間、あるいは270度及び300度の間等、270度及び330度の間)の周囲に延
び;かつ
・高固定部分64の周囲のそれぞれの外側円周位置72において複数の外側への突起70
を定め、かつ低固定部分56の周囲において外側への突起を定めないように形作られる。
【0052】
高固定部分64の外側への突起70は、外側への突起を欠く低固定部分56によって加えられるよりも、体腔壁に対するより大きな固定力を、高固定部分64に加えさせる。かかる選択的固定は、ステントを全体として体腔に固定して維持しつつ、低固定部分56の支柱40の相対軸往復運動(relative axial reciprocating movement)を可能にする。かかる選択的固定は、このようにして、1以上のテザー円周位置52においてステントに加えられる周期的負荷(例えば、周期的心臓負荷)から生じるステントフレームにおける圧力を軽減し得、その結果、一方ではステントにおけるより高い耐疲労性を可能にしつつ、他方では、ステント移動のリスクを減少させる。
【0053】
それぞれの外側への突起70は、半径方向において外側に方向性のある構成要素を含むように形作られる。所望により、それぞれの突起は、加えて軸方向性のある構成要素を含むように、すなわち、ステントの一端を向くように、通常、軸の力(axial force)の方向を向くように形作られる。
【0054】
いくつかの用途のために、
図1及び2A−Dに示すように、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起70が、ステント20の円周Cの周りに回転非対称に分配される。もう一つの方法として又は追加として、いくつかの用途のために、
図1及び2A−Dにも示すように、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起70が、高固定円周部分66の周囲に定期的に分配される。
【0055】
通常、
図1及び2A−Dに示すように、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起70は、とがっていない。もう一つの方法として、例えば、
図7A−Bを参照して明細書に後述されるように、ステント20が、半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起70が、それぞれの戻り530を定めるように形作られる。
【0056】
いくつかの用途のために、低固定軸セグメント58の軸長が、高固定軸セグメント65の軸長より、少なくとも10%大きい等、例えば、少なくとも30%又は少なくとも50%大きい。通常、低固定軸セグメント58及び高固定軸セグメント65は、部分的に軸方向に重複する。いくつかの用途のために、高固定軸セグメント65は、低固定軸セグメント58内(これと円周方向に整列しているわけではないが)において軸方向に完全に平行に並べられる。
【0057】
いくつかの用途のために(形態は図示せず)、ステント20は、固定部分を含み、該固定部分は、低固定軸セグメント58又は高固定軸セグメント65のいずれかと軸方向に重複せず、通常、1以上のテザーインターフェース50に最も近い一端の反対側のステント20の一端の近くに配置される。
【0058】
いくつかの用途のために、支柱40は、複数の円柱の支柱74と、複数の円周のステントの曲がりくねり76(複数の頂点を定める)とを定めるように形作られ、該曲がりくねり76は、それぞれの軸位置において円柱の支柱74に連結される。通常、それぞれの円周のステントの曲がりくねり76は、ステント20の全円周Cの周囲に配置される。例えば、ことによると
図2Cにおいて最も良好にみられ得るように、ステント20は、8個の円周のステントの曲がりくねり76及び14個の円柱の支柱74を有し得る。他の形態も任意の数の円周のステントの曲がりくねり76を有して可能であることも理解される。通常、ステント20は、3個の円周のステントの曲がりくねり76(短いステントのために、例えば、バルブフレーム(valve frame)のために)と、20個の円周のステントの曲がりくねり76(長いステントのために、例えば、腹部大動脈瘤("AAAs")を治療するためのステントグラフト(stent-grafts)のために)との間の曲がりくねり76を含み、かつ通常、6個及び20個の間の任意の数の円柱の支柱74を含む。
【0059】
ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、1以上の円周のステントの曲がりくねり76のセット80が、高固定部分64の周囲のそれぞれの外側円周位置72において外側への突起70を定めるように形作られる。いくつかの用途のために、セット80の円周のステントの曲がりくねり76のそれぞれが、外側への突起70の数を定め、該外側への突起70の数は、ステントの全円周Cの周囲におけるステントの曲がりくねりの頂点の総数の20%及び100%の間に等しく、例えば、該総数の、86%(12/14)等、50%及び90%の間に等しい。いくつかの適用のために、セット80の円周のステントの曲がりくねり76のそれぞれが、3個及び20個の間の外側への突起70を定め、例えば、12個の外側への突起等、6個及び14個の間の外側への突起70を定める。
【0060】
いくつかの用途のために、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねり76が:
・高固定部分64の周囲において、外側への突起70を定めるように形作られ(ステント
20の長手方向の軸82に垂直な平面に投影されるとすれば、円周のステントの曲がり
くねりが、このようにして多角形を定め得る);かつ
・円周のステントの曲がりくねりがステント20の長手方向の軸82に垂直な平面に投影
されるとすれば、低固定部分56の周囲において、円弧を定めるように形作られる。
【0061】
いくつかの用途のために、ちょうど1つ、ちょうど2つ、ちょうど3つ(図示)、ちょうど4つ、又は5つ以上の円周のステントの曲がりくねり76が、このようにして形作られる。例えば、第1、第3、及び第5の遠位の円周のステントの曲がりくねり76A、76C、及び76Eが:
・高固定部分64の周囲のそれぞれの部分を含み、該部分が、外側への突起70を定め
(それゆえ、ステント20の長手方向の軸82に垂直な平面に投影されるとすれば、各
多角形を定める)、かつ、
・低固定部分56の周囲のそれぞれの部分を含み、該部分は、外側への突起70を定めな
い(それゆえ、ステント20の長手方向の軸82に垂直な平面に投影されるとすれば、
それぞれの円弧を定める)。
【0062】
対照的に、第2、第4、第6、第7、及び第8の円周のステントの曲がりくねり76B、76D、76F、76G、及び76Hは、外側への突起70を定めず、それゆえ、ステント20の長手方向の軸82に垂直な平面に投影されるとすれば、各円を定める。ステント20は、他の多角形−円形状パターンを定めるように形作られ得る(例えば、2つに1つのまがりくねり、または3つに1つのまがりくねり等、x個に1つの円周のステントの曲がりくねり76が外側への突起を定め得る)。いくつかの用途のために、低固定部分56が、円筒の円周部分として概して形作られる。円周のステントの曲がりくねりの間に低固定軸のスペースをこのように提供することにより、より良好な耐疲労性が促進され得る。加えて、いくつかの従来のステントと同様に、ステントの一端における一列のみによって固定がもたらされる、または、ステントのそれぞれの端における一列のみによって固定がもたらされるというよりはむしろ、それぞれの複数の軸位置における複数の円周のステントの曲がりくねり76によって固定がもたらされる。
【0063】
いくつかの用途のために、図示するように、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねり76が、高固定部分64の周囲の円周方向に隣接する円柱の支柱74の全てのペアの間等、円周方向に隣接する円柱の支柱74の1以上のペア84の円周方向における間において、高固定部分64の周囲に外側への突起70を定めるように形作られる)。いくつかの用途のために、ちょうど1つ、ちょうど2つ、ちょうど3つ(図示し、上述するように)、ちょうど4つ、又は5つ以上の円周のステントの曲がりくねり76が、このようにして形作られる。
【0064】
いくつかの用途のために、外側への突起70が、高固定部分64の周囲において垂れ下がる(are cascaded)。
【0065】
いくつかの用途のために、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねり76は、複数の頂点86を定めるように形作られ、少なくとも該複数の頂点86のいくつかは、外側への突起70を定めるように形作られる。
【0066】
いくつかの用途のために、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、円柱の支柱74のそれぞれの半径Rが、ステントの円柱の支柱74のそれぞれの内表面と、ステントの中央長手軸82との間において測定される。外側への突起70のそれぞれの最も外側表面88の間におけるそれぞれの距離D1の平均は、半径Rの平均の105%及び125%の間に等しい。ステント20が略円筒として形作られる用途のために、半径Rが互いに等しく、かつ距離D1が通常、互いに等しい。もう一つの方法として又は追加として、いくつかの用途のために、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、外側への突起70が、少なくとも1mm、5mm以下、及び/又は1mm及び5mmの間の長さPを有し、該長さPは、突起以外のステント20の外表面90から測定される。更にもう一つの方法として又は追加として、いくつかの用途のために、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステント20の内側が、半径Rを有する直円柱形状を定め、外側への突起70が、半径Rの5%及び25%の間に等しい距離だけ、該円柱形状から半径方向に外側に延びる。
【0067】
医学的用途に従ってステント20が取り付けられた体腔に適合するために、ステント20の寸法が変化し得る。通常、半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステント20は、(a)体腔の内径よりも約10〜30%大きいものに等しい内径D2を有し、及び/又は(b)内径D2の100%及び600%の間に等しい軸長L1を有する。例えば
図5A−Dを参照して明細書に後述されるように、アンカー30を三尖弁に係留することを目的として、ステント20が、大静脈に埋め込まれるように構成される用途のために、(a)内径D2は、少なくとも25mm、60mm以下、及び/又は25mm及び60mmの間であり得、(b)ステント長L1は、少なくとも25mm、100mm以下、及び/又は25mm及び100mmの間であり得、かつ(c)突起長Pは、3mmであり得る。ステント20が腹部大動脈に埋め込まれるように構成される用途のために、(a)内径D2が少なくとも30mm、50mm以下、及び/又は30mm及び50mmの間であり得、(b)ステント長L1が、少なくとも50mm、300mm以下、及び/又は50mm及び300mmの間であり得、かつ(c)突起長Pが、5mmであり得る。いくつかの用途のために、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステント長L1が、少なくとも20mm、120mm以下、及び/又は20mm及び120mmの間である。
【0068】
通常、内径D2は、ステントに沿って一定であり、すなわち、ステントがいずれかの端において広がらない。
【0069】
いくつかの用途のために、ステント20は、1以上の(例えば、ちょうど1つ)張力分配エレメント94を定めるように形作られ、該1以上の張力分配エレメント94は、(a)それぞれ1以上のテザー円周位置52においてステント20の少なくともテザー分配軸セグメント95に沿って延び、(b)1以上のテザーインターフェース50をそれぞれ定め、かつ(c)テザー分配軸セグメント95に沿って、1以上のテザー34によってそれぞれかけられた張力を分配するように構成される。いくつかの用途のために、図示するように、テザー分配軸セグメント95は、低固定軸セグメント58に軸方向に一致する。所望により、1以上の張力分配エレメント94及びステント20は、シングルユニットから作られる。
【0070】
いくつかの用途のために、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、1以上の張力分配エレメント94のそれぞれが、少なくとも1度、15度以下、及び/又は1度及び15度の間の円弧A1(
図2Cに符号を付される)を有する。いくつかの用途のために、それぞれの張力分配エレメント94の軸長L2は、ステント20の軸長L1の少なくとも75%等、ステント20の軸長L1の少なくとも15%に等しい。いくつかの用途のために、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、例えば、ステント長L1が少なくとも20mm、120mm以下、及び/又は20及び120mmの間であるとき、それぞれの張力分配エレメント94の軸長L2は、少なくとも10mm、120mm以下、及び/又は10mm及び120mmの間である。
【0071】
いくつかの用途のために、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、低固定部分56が、高固定部分64の周囲の外側への突起70のうち、円周方向に隣接するもの98の円周方向における中点96の間の円周方向の距離D3の平均の少なくとも150%(例えば、少なくとも200%)に等しい円弧A2を有する。
【0072】
図1に対し言及が再度なされる。1以上のテザー34は、それぞれの第1の長手方向の部分100を有し、該第1の長手方向の部分100は、1以上のテザーインターフェース50にそれぞれ連結され、かつ、1以上のテザー34は、それぞれの第2の長手方向の部分102を有し、該第2の長手方向の部分102は、各第1の長手方向の部分100と異なり、1以上の組織アンカー30にそれぞれ連結される。いくつかの用途のために、1以上のテザーインターフェース50は、1以上の開口部104を定めるようにそれぞれ形作られ、該1以上の開口部104を通って、1以上のテザー34がそれぞれ連結される。
【0073】
いくつかの用途のために、1以上のテザー34のそれぞれが、1以上の金属支柱、1以上の金属ワイヤ、1以上の曲がりやすい生体適合性繊維、及び1以上の曲がりやすいバンドからなるグループから選択されたエレメントを含む。いくつかの用途のために、それぞれの1以上のテザー34が、少なくとも20mm、120mm以下、及び/又は20mm及び120mmの間の長さを有する。
【0074】
いくつかの用途のために、1以上の組織アンカー30の少なくとも1つがらせん形の組織アンカーを含む。いくつかの用途のために、らせん形の組織アンカーが、略らせん形のシャフトレス組織連結エレメント(shaftless tissue-coupling element)106及び、通常、近位ヘッド108を含む。例えば、本願の譲受人に譲渡され、かつ参照されることによって本明細書中に組み込まれる2013年1月9日に提出された米国仮出願第61/750,427号に記述されたもの等のいくつかの用途のために、らせん形の組織連結エレメント106は、(a)らせん形の組織連結エレメントのシャフトレスのらせん形部分(shaftless helical portion)の第1軸部分に沿って第1の軸の厚さを有し、かつ(b)第1軸部分よりも遠位のシャフトレスのらせん形部分の第2軸部分に沿って第2の軸の厚さを有する。第2の軸の厚さは、第1の軸の厚さより大きい。第1及び第2の軸の厚さは、らせん形の組織連結エレメントの長手方向の軸に沿って測定される。もう一つの方法として又は追加として、らせん形の組織連結エレメントが、(a)第1軸部分に沿って第1軸降伏強度(first axial yield strength)を有し、かつ(b)第2軸部分(第1軸部分より遠位)に沿って第2軸降伏強度を有する。第2軸降伏強度は、第1軸降伏強度より大きい。更にもう一つの方法として又は追加として、らせん形の組織連結エレメントが、(a)第1軸部分に沿って第1軸剛性(first axial stiffness)を有し、かつ(b)第2軸部分(第1軸部分よりも遠位)に沿って第2軸剛性を有する。第2軸剛性は、第1軸剛性より大きい。
【0075】
例えば、上述の'427出願に記述されるもの等のいくつかの用途のために、らせん形の組織連結エレメント106は、(a)らせん形組織連結エレメントのシャフトレスのらせん形部分の第1軸表面特徴部分に沿って、第1表面を定めるように形作られ、該第1表面は、第1表面の特徴を有し、かつ(b)第1軸表面特徴部分と異なるシャフトレスのらせん形部分の第2軸表面特徴部分に沿って、第2表面を定めるように形作られる。第2表面は、第1表面の特徴より大きな範囲でらせん形組織連結エレメントの回転を抑制するように構成される第2表面の特徴を有する。第1表面の特徴は、例えば、高いレベルの滑らかさ(smoothness)を有し得る。
【0076】
いくつかの用途のために、ステント20が、第1ステントであり、1以上の組織アンカー30の少なくとも1つが、第2の略管状のステントを含む。同様の2つのステント形態(本明細書に記述されたステント形態を有さないが)が、例えば、PCT公開WO2013/011502の
図4Cにおいて示され、該PCT公開は、参照することによって本明細書中に組み込まれる。いくつかの用途のために、第2ステントが、患者の第2の血管、例えば、上大静脈、下大静脈、冠状静脈洞、又は肝静脈、例えば、左肝静脈、右肝静脈、又は中肝静脈、の一部において拡張される。
【0077】
いくつかの用途のために、
図1及び2A−Dに示すように、もう一つの(one more)テザーインターフェース50が、ちょうど1つのテザー円周位置52においてちょうど1つのテザーインターフェース50を含み、かつ1以上のテザー34が、第1の長手方向の部分を有するちょうど1つのテザー34を含み、該第1の長手方向の部分が、テザーインターフェースに連結される。これらの用途のいくつかにおいて、ステント20が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、高固定部分64が、ステント20の少なくとも270度の円周Cの周囲に円周方向に延びる。
【0078】
いくつかの用途のために、テザー円周位置34が、
図2A−Dに示すように、低固定円周部分60における円周方向の中央に置かれる。もう一つの方法として、テザー円周位置34は、低固定円周部分60における円周方向の中央に置かれない(形態を図示せず)。いくつかの用途のために、ちょうど1つのテザーインターフェースが1以上の開口部104を定めるように形作られ、該1以上の開口部104を通って、ちょうど1つのテザーが連結される。
【0079】
図3A−Bに対して参照がこれからなされ、該
図3A−Bは、本発明の用途に従う固定システム10の別の形態の概略図である。本形態において、固定システム10は、半径方向に拡張可能なステント120を含み、該ステント120は、
図1及び2A−Dを参照して本明細書に上述されたステント20の一形態である。上述されたように、固定システム10は、通常、1以上の組織アンカー30、及び1以上のテザー34を含み、該1以上のテザー34が、ステントを1以上の組織アンカーに連結させる。また、上述されたように、ステント20が、半径方向に拡張された状態において制約されない場合に(すなわち、搬送ツール、身体血管壁によって、又は別の方法でステントに全く力が加えられない場合に)、それぞれ1以上のテザー円周位置52において1以上のテザーインターフェース50を定めるように形作られる。
【0080】
図3A−Bに示す形状において、固定システムが、2つの組織アンカー30及び2つのテザー30を含み、該2つのテザー30が、ステント120を2つの組織アンカーにそれぞれ連結する。ステント120が、それぞれ2つのテザーインターフェース位置52において2つのテザーインターフェース50を定めるように形作られ、該2つのテザーインターフェース50のそれぞれが、ステント20の30度未満の円周Cの周囲に円周方向に連続して延びる。2つのテザー34が、それぞれの第1の長手方向の部分100を有し、該第1の長手方向の部分100が、それぞれ2つのテザーインターフェース50に連結され、かつ、2つのテザー34が、それぞれの2つの第2の長手方向の部分102を有し、該第2の長手方向の部分102が、それぞれ、各第1の長手方向の部分100と異なり、2つの組織アンカー30に連結される。
【0081】
この形態は、三尖弁の2つの位置等、2つのアンカーが連結される2つの位置に張力を加えるために有用であり得る。例えば、この形態は、上述されたPCT公開WO2013/011502の
図2B及び/又は
図3Bを参照して記述され、かつ該
図2B及び/又は
図3Bに示されたアンカー配置と、変更すべきところは変更して、組み合わせて使用され得る。
【0082】
これから
図4A−Bに対して参照がなされ、該
図4A−Bは、本発明の用途に従う別の半径方向に拡張可能なステント220の略図である。
図4A及び4Bは、ステント220のそれぞれ側面図及び端面図である。この形態では、固定システム10は、半径方向に拡張可能なステント220、複数の(例えば、2つの)組織アンカー30及び複数の(例えば、2つの)テザー34を含み、複数のテザー34は、ステントを1以上の組織アンカーに連結する。以下に記述する以外に、ステント220は、
図1及び2A−Dに関して本明細書に上述されたステント20の特徴のいずれかを有し得る。
【0083】
ステント220は、通常、複数の相互に連結された超弾性金属支柱40を含み、ステント20に関して本明細書に上述されたように製造され得る。ステント220が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に(すなわち、搬送ツール、身体血管壁によって、又は別の方法でステントに力が全く加えられない)、ステント220が、例えば
図4A−Dに示すように、概して管状であり、かつ:
・それぞれ複数のテザー円周位置52において複数のインターフェース50を定めるよう
に形作られ、それぞれの該テザーインターフェース50が、ステント220の30度未
満の円周の周囲に円周方向に連続して延びる。
図4A−Bに示す形態では、ステント2
20が、2つのテザーインターフェース位置52において2つのテザーインターフェー
ス50を定めるように形作られ;
・複数の低固定部分56を定めるように形作られ、該複数の低固定部分56は、(a)ス
テント220の少なくともそれぞれの連続する低固定軸セグメント58に沿って延び、
かつ(b)ステント220の連続するそれぞれの低固定円周部分60の周囲において円
周方向に延びる。それぞれの低固定軸セグメント58は、1以上のテザーインターフェ
ース50を含む(例えば、
図4A−Bに示すように、ちょうど1つのテザーインターフ
ェース50)。それぞれの低固定円周部分60は、1以上のテザーインターフェース5
0を含む(例えば、
図4A−Bに示すように、ちょうど1つのテザーインターフェース
50)。低固定円周部分56は、それぞれの円弧を有し、それぞれの該円弧は、通常、
30及び90度の間である;
・複数の高固定部分64を定めるように形作られ、該複数の高固定部分64は、(a)少
なくとも連続するそれぞれの高固定軸セグメント65に沿って延び、かつ(b)これら
の低固定円周部分60以外の全ての円周位置において集合的に、ステント220のそれ
ぞれの高固定円周部分66の周囲に円周方向に延びる。低固定及び高固定部分56及び
64は、ステント220(例えば、同数の低固定及び高固定部分56及び64がある等)
の周囲において互い違いになり;かつ
・それぞれの高固定部分64が1以上の外側への突起70を含むように、高固定部分64
の周囲の各外側円周位置72において複数の外側への突起70を定めるように形作られ、
かつ低固定部分56の周囲において複数の外側への突起70を定めるように形作られな
い。
【0084】
高固定部分64の外側突起70は、外側への突起を欠いている低固定部分56によって加えられるよりも、体腔壁に対するより大きな固定力を高固定部分64に加えさせる。かかる選択的固定は、体腔にステントを全体として固定して維持しつつ、低固定部分56の支柱40の相対軸往復運動を可能にする。かかる選択的固定は、テザー円周位置52においてステントに加えられる周期的負荷(例えば、周期的な心臓負荷)から生じるステントフレームにおける圧力を、このようにして軽減し得、その結果、ステントにおけるより高い耐疲労性を可能にする。
【0085】
いくつかの用途のために、低固定円周部分60の円弧が、互いに等しい。もう一つの方法として又は追加として、いくつかの用途のために、高固定円周部分66が、互いに等しいそれぞれの円弧を有する。
【0086】
いくつかの用途のために、ステント220が、半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、同数のテザーインターフェース50及び低固定部分56を定めるように形作られる。いくつかの用途のために、テザー円周位置52は、
図4A−Bに示すように、低固定円周部分60においてそれぞれ円周方向の中央である。もう一つの方法として、テザー円周位置52は、それぞれ低固定円周部分60の円周方向の中央ではない(形態は図示せず)。
【0087】
いくつかの用途のために、支柱40は、複数の円柱の支柱74と、それぞれの軸位置において円柱の支柱74に連結された複数の円周のステントの曲がりくねり76とを定めるように形作られる。通常、それぞれの円周のステントの曲がりくねり76は、ステント220の全円周の周りに配置される。いくつかの用途のために、ステント220が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねり76が(a)高固定部分64の周囲において、外側への突起70を定めるように形作られ、かつ(b)円周のステントの曲がりくねりがステント220の長手方向の軸82に垂直な平面に投影されるならば、低固定部分56の周囲においてそれぞれの円弧を定めるように形作られる。
【0088】
上述のように、ステント220は、
図1及び2A−Dを参照して本明細書に上述されたステント20の特徴のいずれかを有し得る。かかる特徴は、限定されることなく、(a)複数の張力分配エレメント94を含み、該複数の張力分配エレメント94は、ステント220の軸部分に沿って、それぞれテザー34によってかけられる張力を分配するように構成され、(b)ステント220が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、ステント220の円周の周囲における外側への突起70の回転非対称な分配を含み、かつ(c)ステント220が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、それぞれの高固定円周部分66の周囲の外側への突起70の定期的な分配を含む。
【0089】
図4A−Bを参照して記述された形態は、三尖弁の2つの位置等、2つのアンカーが連結された2つの位置に張力をかけるために有用であり得る。例えば、この形態は、上述のPCT公開WO2013/011502の
図2B及び/又は
図3Bを参照して記述され、該
図2B及び/又は
図3Bに示されるアンカー配置と、変更すべきところは変更して、組み合わせて使用され得る。
【0090】
図5A−Dについて言及がこれからなされ、該
図5A−Dは、本発明のいくつかの用途に従う患者の心臓302の三尖弁304を治療するための固定システム10の例示的な配置の略図である。
図5A−Dは、
図1及び2A−Dを参照して上述されたステント20の配置を示すが、同じ技術が、
図3A−Bを参照して本明細書に上述されたステント120、
図4A−Bを参照して本明細書に上述されたステント220、及び
図6A−Bを参照して本明細書に以下に記述されたステント420を配置するために、変更すべきところは変更して、使用され得る。
【0091】
システム10は、引っ張ってテザー34に張力をかけ、もしくはテザー34を緩和することにより、及び/又は、組織アンカー30及びステント20のうちの少なくとも1つに張力をかけることにより、第1及び第2の埋め込み位置の間の距離を調整するために使用される。これに対応して、三尖弁304の弁尖(leaflets)の間の距離が、弁304を通る逆流を減少及び除去するように調整され、その結果、弁304を治療する。いくつかの用途のために、本明細書に以下に記述されるように、ステント20を操作する(manipulate)ことにより、テザー34が、引っ張られ、又は緩められる(relaxed)。
【0092】
いくつかの用途のために、ステント20は、下大静脈308(例えば、
図5A−Dに示すように)又は上大静脈310(例えば、上述の'601公開の
図1E−Gに示すように)、すなわち、心臓302の右心房306に直接的に接触する血管の一部へ向けて進められ、該血管の一部において拡張される。
【0093】
図5Aは、カテーテルの遠位端323が心房306内に配置されるまでの心房306へ向けたカテーテル322の前進を示す。手順は、通常、蛍光透視法(fluoroscopy)、経食道エコー(transesophageal echo)、及び/又は心エコー検査(echocardiography)等の画像化の補助(aid of imaging)を用いて実施される。いくつかの用途のために、手順は、患者の右心房306に半硬質(semi-rigid)ガイドワイヤを進めることから始まる。ガイドワイヤは、これに沿って右心房へカテーテル322を次に前進させるためのガイドをもたらす。所与の患者のために適切であるようにサイズが選択され得るが、カテーテル322は、通常、14−20Fのさや(sheath)を含む。カテーテル322は、例えばPCT公開WO2011/089601に記述されるように、所与の患者のために通常決定される適切な起点(point of origin)を用いて、右心房306への血管系を通って進められ、該PCT公開は、本願の出願人に譲渡され、参照することによって本明細書中に組み込まれる。
【0094】
カテーテル322の遠位端323が心房306に配置された時点で、カテーテル322内からこの遠位端323を過ぎて第1の組み込み位置330へ向けてアンカー配置チューブ324が延ばされる。アンカー配置チューブ324は、組織アンカー30及びテザー34の遠位部分を保持する。いくつかの用途のために、チューブ324は、カテーテル分野において知られるように、操縦可能(steerable)であるが、一方、他の適用のために、別個の操縦可能なエレメントがアンカー配置チューブ324に連結され得る。画像化ガイダンス(imaging guidance)の補助下において、その遠位端が第1埋め込み位置330において心臓302の心臓組織に接触するまで、アンカー配置チューブ324が、第1埋め込み位置330へ向けて進められる。アンカー配置チューブ324は、第1埋め込み位置330へ向けた組織アンカー30の傷を生じない(atraumatic)前進を促進する。アンカー配置チューブ324が使用される場合のかかる用途のために、ステント20はチューブ324の一部内において縮められる。
【0095】
図示するように、第1の埋め込み位置330は、三尖弁304の輪(annulus)の一部を含む。埋め込み位置330は、通常、弁304の輪の一部を含み、該輪の一部は、(1)輪及び前尖314の間の結合の中心と、(2)輪及び後尖316の間の結合の中心との間にあり、例えば、輪及び前尖314の間の接合の中心と、前尖及び後尖の間の交連(commissure)との間にある。すなわち、組織アンカー30は、前尖314及び後尖316の間の交連に近い三尖弁の線維組織に連結され、例えばねじ留めされる。埋め込み位置330は、通常、弁304の壁側(mural side)の近くである。かかる用途のために、第1及び第2の埋め込み位置330及び352を引き寄せることにより、弁304が硬く締められ、三尖弁304の二尖化(bicuspidization)を引き起こし得、それによって前尖314及び中隔尖312の間の強い接合(coaptation)を成し遂げる。
【0096】
図5Bに示すように、アンカー配置チューブ324内にスライド可能に配置されたアンカー操作ツール(図の明瞭性のために図示せず)が、遠位で組織アンカー30を押してチューブ324内から組織アンカー30を露出させるように、チューブ324内を遠位でスライドする。本発明のいくつかの用途のために、アンカー操作ツールが可逆的に組織アンカー30に連結し、心臓組織における組織アンカー30の埋め込みを容易にする。
【0097】
医師が、組織アンカー30を回転させるために患者の身体の外側の位置からアンカー操作ツールを回転させ、それによって心臓組織において組織アンカー30の少なくとも一部をねじ留めする。もう一つの方法として、システム320がアンカー操作ツールと独立に提供され、アンカー配置チューブ324が心臓組織において組織アンカー30の埋め込みを容易にする。医師が、組織アンカー30を回転させるために患者の身体の外側の位置からアンカー配置チューブ324を回転させ、それによって、心臓組織において少なくとも一部の組織アンカー30をねじ留めする。
【0098】
図5Cに示すように、第1の埋め込み位置330における組織アンカー30の埋め込みに続き、アンカー配置チューブ324は、テザー34を露出させるためにカテーテル322内において引っ込められる(is retracted)。本明細書に以下に記述されるように、その後、三尖弁304の治療のために、テザー34は、張力をかけられる。
【0099】
いくつかの用途のために、組織アンカー30とカテーテル322の遠位端323との間に配置されたテザー34の一部を引っ張るより前に、上述された'601公開に記述されたように、テザー34に対するけん引力の適用を容易化する機構が適所に固定される。
【0100】
いくつかの用途のために、カテーテル322は、テザー34の近位部分に直接的に連結されることにより、テザー34の近位部分に可逆的に連結され、及び/又はカテーテル322は、ステント20に可逆的に連結される。半径方向に拡張するステント20の傾向(tendency)のために、例えば、カテーテル322の内壁に対する半径方向の力をステントが加えることにより、カテーテル322が、ステント20に可逆的に連結され得る。組織アンカー30の埋め込みに続いて、カテーテル322(又はこれに配置されたエレメント)がその後、近位で引っ張られてテザー34に張力をかけ、該テザー34は、かかる適用において張力エレメントの役割を果たす。いくつかの用途のために、カテーテル322は、テザー34を引っ張るために、ステント20を引き寄せる(pull on)。他の適用のために、カテーテル322は、テザー34を直接的に引き寄せる。更に他の適用のために、上述した'601公開において
図5A−Dを参照して記述されるように、けん引機構(pulling mechanism)が、テザー34を引き寄せる。
【0101】
テザー34を引っ張ることにより、組織アンカー30及びカテーテル322の遠位端323の間に配置されたテザー34の一部が引っ張られてピンと張る。テザー34の引っ張りに従って、かつ組織アンカー30の位置決めに応じて、輪及び/又は心房306の壁の配置が変更されるので、テザー34の引っ張りに応答して、少なくとも三尖弁304の前尖及び中隔尖が引き寄せられる。
【0102】
いくつかの用途のために、カテーテル322によってテザー34を引っ張る間、三尖弁304の逆流のレベルが測定される。テザー34は、逆流が減少し、または停止するまで引っ張られる。弁304の逆流が減少されまたは停止され、かつ、弁304が治療されたと医師が判断した時点で、医師が、カテーテル322内に配置されたステント20から及び/又はテザー34から、カテーテル322を切り離し、その後、ステント20を露出させるためにカテーテル322を引っ込める。心房306へのカテーテル322の前進の間、ステント20が、縮められた状態においてカテーテル322の遠位部分内に配置される。カテーテル322の初期の引き込みに続き、ステント20が、露出されて、拡張することや、下大静脈308の壁に接触することが可能になる。
【0103】
図5Dは、十分に露出され、かつ十分に拡張され、それゆえ下大静脈308に埋め込まれたステント20を示す。ステント20は、組織アンカー30において、及びそれによって組織アンカー30が連結される心臓組織の一部においてテザー34の張力を維持する。
【0104】
図5A−Bを参照して記述された技術は、上述された'601公開において記述された技術と、変更すべきところは変更して、組み合わせて実施され得る。
【0105】
上述されるように、いくつかの用途のために、本明細書に記述された技術が三尖弁の治療に使用される。本明細書に開示された技術は、変更すべきところは変更して、患者の僧帽弁を治療するためにも使用され得る。
【0106】
図6A−Bについて言及がこれからなされ、該
図6A−Bは、本発明の用途に従う別の半径方向に拡張可能なステント420の略図である。
図6A及び4Bは、それぞれステント420の側面図及び端面図である。この形態では、固定システム10は、半径方向に拡張可能なステント420、1以上の組織アンカー30、及び1以上のテザー34を含み、該1以上のテザー34が、ステントを1以上の組織アンカーに連結する。以下に記述される以外に、ステント420は、
図1及び2A−Dを参照して本明細書に上述されたステント20、
図3A−Dを参照して本明細書に記述されたステント120、及び/又は、
図4A−Dを参照して本明細書に記述されたステント220の特徴のいずれかを有し得る。
【0107】
ステント20、120、及び220とは異なり、ステント420は、低固定部分56を定めるように形作られない。従って、1以上のテザー円周位置52における(例えば、ちょうど1つのテザー円周位置52における)1以上のテザーインターフェース50(例えば、ちょうど1つのテザーインターフェース50)を含むステント420の一部は、ステントの他の部分と同じレベルの体腔に対する固定をもたらす。
【0108】
ステント420が半径方向に拡張された状態(すなわち、搬送ツール、身体血管壁によって、または他の方法でステントに力が全く加えられない)において制約されない場合に、円周のステントの曲がりくねり76(例えば、ちょうど1つ、ちょうど2つ、ちょうど3つ(図示)、ちょうど4つ、または5以上の円周のステントの曲がりくねり76)の一部のみが1以上の外側への突起を定めるように形作られる。例えば、第1、第3、及び第5の遠位の円周のステントの曲がりくねり76A、76C、及び76Eが外側への突起70を定め得、それゆえステント420の長手方向の軸82に垂直な平面に投影された場合に、各多角形を定め得る。対照的に、他の円周のステントの曲がりくねりは、外側への突起70を全く定め得ず、それゆえステント420の長手方向の軸82に垂直な平面に投影された場合に各円を定める。ステント420は、他の多角形−円形状パターンを定めるように形作られ得る(例えば、2つに1つのまがりくねり、または3つに1つのまがりくねり等、x個に1つの円周のステントの曲がりくねり76が外側への突起を定め得る)。円周のステントの曲がりくねりの間の低固定軸スペースのかかる提供は、突起を散在させる(scattering)ことによって組織の固定をより促進し得る。
【0109】
いくつかの用途のために、ステント420が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、少なくとも1つの円周のステントの曲がりくねり76が、円周方向に隣接する円柱の支柱74の全てのペアの間等、円周方向に隣接する円柱の支柱74の1以上のペア84の間に、円周方向に外側への突起70を定めるように形作られる。いくつかの用途のために、ちょうど1つ、ちょうど2つ、ちょうど3つ(図示し、上述するように)、ちょうど4つ、または5つ以上の円周のステントの曲がりくねり76がそれゆえに形作られる。
【0110】
いくつかの用途のために、外側への突起70がステント420の周囲において垂れ下がる。
【0111】
図7A−Bについて言及がこれからなされ、該
図7A−Bは、本発明の適用に従う、固定システム10の戻りのついた略図である。この形態では、固定システム10が半径方向に拡張可能なステント520を含み、該ステント520が、
図1及び2A−Dを参照して上述されたステント20の一形態である。上述のように、固定システム10は、通常、1以上の組織アンカー30、及び1以上のテザー34を含み、該1以上のテザー34は、ステントを1以上の組織アンカーに連結させる。また、上述の様に、ステント20は、半径方向に拡張された状態において制約されない場合に、それぞれ1以上のテザー円周位置52において1以上のテザーインターフェース50を定めるように形作られる。
【0112】
本形態では、他の図に示す形態と異なり、ステント520が半径方向に拡張された状態において制約されない場合に(すなわち、搬送ツール、身体血管壁によって、または他の方法でステントに力が全く加えられない場合に)、外側への突起70がそれぞれの戻り530を定めるように形作られる。戻りは、ステント520の高固定部分64を血管壁に固定することに役立ち得る。戻りは、図示するように高固定部分64の1以上の円柱の支柱74から突出し得、または高固定部分64の1以上の円周のステントの曲がりくねり76から突出し得る(形態は図示せず)。
【0113】
医学的用途
本明細書に記述された固定システム及びステントは、多数の異なる医学的用途のために使用され得、該医学的用途としては、以下の用途が挙げられるがこれに限定されない。これらの用途のいくつかのためには、組織アンカー30及びテザー34が提供されない。
・本明細書に記述されたアンカーシステム(anchor system)及びステントは、例えば図
5A−Dを参照して本明細書に上述されるように、三尖弁治療において使用され得る。
1のステントは、大静脈においてアンカーポイント(anchor point)として使用され
て、組織アンカーを係留し得、該組織アンカーが、自然弁(native valve)に連結され
(通常、前後交連(anterior-posterior commissure)において)、このようにして前
後交連を下げて(lowering)逆流を減少させる。
・本明細書に記述されたステントは、弁のためのフレームとして、大動脈経カテーテル弁
埋め込み(aortic transcatheter valve implantation,TAVI)に使用され得る。ステ
ントの特有の設計が、人工弁をより安定に生来の輪に固定することを可能にし、それに
よって人工弁が初期及び中期追跡調査(early and midterm follow-up)において移動
していることを抑制する。本明細書に記述されたステントは、大腿アプローチ、腋窩
(transaxillary)アプローチ、経大動脈(transaortic)アプローチ、または経心尖ア
プローチ(transapical approach)を用いて、僧帽弁の、肺の、及び三尖弁の置換
(replacement)のためにも使用され得る。
・本明細書に記述されたステントは、フィルタに連結され、例えば、凝固障害
(coagulation disorder)を患う患者において、肺血栓塞栓症を抑制するために、大静
脈フィルタとして使用され得る。
・本明細書に記述されたステントは、肝硬変(cirrhosis)及び門脈圧亢進症(portal
hypertension)を患う患者において経頸静脈肝内門脈体循環シャント術(transjugular
intrahepatic portocaval shunt,TIPS)として使用され得る。
・本明細書に記述されたステントは、腹部大動脈及び両腸骨血管動脈瘤(aortic
abdominal and bisiliac vascular aneurism)において体内プロテーゼ置換
(endoprosthesis placement)のために使用され得る。
・本明細書に記述されたステントは、大動脈瘤を縮小させる(descending)ことにおいて
及びスタンフォードAタイプ大動脈解離(Stanford Type A aortic dissection)にお
いて胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(thoracic endovascular aortic
repair, TEVAR)または従来の観血的手術エレファントトランク法(open surgery
elephant trunk technique)もしくはフローズンエレファントトランク法(frozen
elephant trunk technique)のために使用され得る。
・本明細書に記述されたステントは、前立腺肥大(prostate enlargement)を患う患者に
おける前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)を治療するために使用され得る。
・本明細書に記述されたステントは、部分的な気管閉塞(partial obstruction of the
trachea)を患うがん患者(oncologic patients)にステントを挿入する(stent)ため
に使用され使用され得る(may be used be used)。
【0114】
クレームにおいて使用されることを含め、本願において使用されるように、「管状(tubular)」は、細長い中空の物体の形態を有し、該中空の物体がこれらの中を通る管(conduit)を定めることを意味する。「管状」構造は、該「管状」構造に沿って多様な断面を有し得、断面は必ずしも円形ではない。例えば、1以上の断面が、概して円形、または概して楕円形であるが円形ではなく、あるいは円形である。
【0115】
本発明の範囲は、以下の出願に記述された実施態様を含む。該出願は、本願の譲受人に譲渡され、参照することによって本明細書中に組み込まれる。実施態様では、1以上の以下の出願に記述された技術及び器具(apparatus)が、本明細書に記述された技術及び器具と組み合わせられる:
・米国特許出願公開2011/0184510として公開された、2010年1月22日
に提出された米国出願12/692,061;
・PCT公開WO2011/089601として公開された、2011年1月20日に出
願された国際出願PCT/IL2011/000064、及び米国特許出願公開201
3/0046380として公開された、その国内段階における米国出願13/574,
088;
・米国特許出願公開2012/0035712として公開され、2011年7月21日に
出願された米国出願13/188,175;
・米国特許出願公開2013/0325115として公開された、2012年5月31日
に提出された米国出願13/485,145;
・米国特許出願公開2013/0018459として公開された、2012年7月19日
に出願された米国出願13/553,081;
・PCT公開WO2013/011502として公開された、2012年7月19日に出
願された国際出願PCT/IL2012/000282;
・“Soft tissue anchors and implantation techniques"という表題をつけられた、20
13年1月9日に出願された米国仮出願61/750,427;及び
・2014年1月9日に提出された国際出願PCT/IL2014/050027。
【0116】
特に、本明細書に記述されたステントは、先に挙げられた出願に記述された他の技術と組み合わせて、先に挙げられた出願に記述された1以上のステントとして使用され得る。
【0117】
本発明は、本明細書に先に具体的に図示され、かつ記述されたものに限定されないと当業者によって理解されるだろう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書に上述された様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせ(subcombinations)の両方と、先の記述を読んだときに当業者が思い付く、先行技術でないこれらの変形及び修正とを含む。
【国際調査報告】