特表2016-514580(P2016-514580A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-514580(P2016-514580A)
(43)【公表日】2016年5月23日
(54)【発明の名称】小型携帯式多機能輸液装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/14 20060101AFI20160418BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20160418BHJP
   A61M 5/145 20060101ALI20160418BHJP
【FI】
   A61M5/14 532
   A61M5/14 500
   A61M5/142 520
   A61M5/145
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-506749(P2016-506749)
(86)(22)【出願日】2013年6月17日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月3日
(86)【国際出願番号】CN2013077310
(87)【国際公開番号】WO2014166157
(87)【国際公開日】20141016
(31)【優先権主張番号】201310123794.6
(32)【優先日】2013年4月10日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】515281547
【氏名又は名称】ザ フォース ミリタリー メディカル ユニバーシティー
【氏名又は名称原語表記】THE FOURTH MILITARY MEDICAL UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100120019
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 敏安
(72)【発明者】
【氏名】シュ リーシェン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン シォンウー
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD02
4C066DD11
4C066EE06
4C066EE12
4C066FF04
4C066FF05
4C066GG08
4C066GG10
4C066HH01
4C066JJ07
(57)【要約】
本発明の小型携帯式多機能輸液装置は、スタンド(1)と、スタンド(1)に固定された液体ボトル(4)及びダイヤフラム(16)とを備えている。ダイヤフラム(16)には、輸液チューブを介して、それぞれ液体ボトル(4)及び注射針(20)と連通する定方向流入インタフェース及び定方向流出インタフェースが設けられている。ダイヤフラム(16)には、弾性膜(27)が取り付けられている。弾性膜(27)の片側には、周波数変調システム(28)と接続された小型直流モータ(32)を含む伝達システム(31)が配置されている。小型直流モータ(32)は、減速装置(33)を介してスパイラル矯正装置(34)と接続されている。スパイラル矯正装置(34)は、2段軸(43)を経て往復膜支持機(36)と接続されている。往復膜支持機(36)の前端部の円錐台(39)は、弾性膜(27)と接触している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタンド(1)と、
前記スタンド(1)に固定された液体ボトル(4)及びダイヤフラム(16)とを備え、
前記ダイヤフラム(16)に、輸液チューブを介してそれぞれ前記液体ボトル(4)及び注射針(20)と連通する定方向流入インタフェース(17)及び定方向流出インタフェース(14)が設けられており、
前記ダイヤフラム(16)に、弾性膜(27)が取り付けられ、
前記弾性膜(27)の片側に、周波数変調システム(28)と接続された小型直流モータ(32)を含む伝達システム(31)が配置され、
前記小型直流モータ(32)は、減速装置(33)を介してスパイラル矯正装置(34)と接続され、
前記スパイラル矯正装置(34)は、2段軸(43)を経て往復膜支持機(36)と接続され、
前記往復膜支持機(36)の前端部の円錐台(39)は、前記弾性膜(27)と接触し、
前記周波数変調システム(28)は、前記小型直流モータ(32)と接続された小型直流電源(30)を含み、
前記小型直流電源(30)は、電位センサ(29)を介して前記小型直流モータ(32)を制御する制御器(11)とさらに接続され、
前記制御器(11)に、前記制御器のパラメータ入力キーボード(12)がさらに接続されていることを特徴とする小型携帯式多機能輸液装置。
【請求項2】
前記往復膜支持機(36)は、後方から前方に順次配置された、長尺扁平体(37)、ルート調整機構(40)、台形移行部(38)及び円錐台(39)を含み、
前記ルート調整機構(40)は、スライドカバー(45)内に取り付けられており、
前記台形移行部(38)に、板状ばね(44)が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の小型携帯式多機能輸液装置。
【請求項3】
前記長尺扁平体(37)の外側に、前記制御器(11)と接続された距離センサ(35)がさらに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の小型携帯式多機能輸液装置。
【請求項4】
前記長尺扁平体(37)の後端に、ダイヤフラム内の液体の流速を調節する回転ハンドル(10)がさらに取り付けられ、
ハンドル(10)に、速度選択ポインタ(8)及び前記速度選択ポインタ(8)に対応する輸液速度文字盤(9)が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の小型携帯式多機能輸液装置。
【請求項5】
前記ダイヤフラム(16)に、流量表示窓(7)がさらに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の小型携帯式多機能輸液装置。
【請求項6】
前記ダイヤフラム(16)と前記注射針(20)との間の前記輸液チューブに、仏塔型ヒータ(25)を含む薬液加熱制御システム(22)がさらに配置されており、
前記仏塔型ヒータ(25)に、前記輸液チューブが巻きつき、加熱電源(24)が接続されており、
前記仏塔型ヒータ(25)の末端に、温度センサ(26)が取り付けられており、
前記仏塔型ヒータ(25)及び前記温度センサ(26)は、それぞれ温度コントローラ(23)と接続され、
前記注射針(20)の先端の前記輸液チューブに、薬液精密濾過器(21)が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の小型携帯式多機能輸液装置。
【請求項7】
前記スタンド(1)は、前記液体ボトル(4)を取り付けるためのボトルスタンド(46)、及び、前記ダイヤフラム(16)を取り付けるための三日月構造スタンド(13)を含み、
前記ボトルスタンド(46)に、前記液体ボトル(4)を固定するための結びバンド(3)、嵌合部(5)及び調節ホルダ(6)が配置され、
前記三日月構造スタンド(13)に、ダンパ(2)が取り付けられており、
前記スタンド(1)に、装着穴(18)がさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の小型携帯式多機能輸液装置。
【請求項8】
前記ダイヤフラム(16)に、クイックチャック(41)がさらに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の小型携帯式多機能輸液装置。
【請求項9】
前記定方向流出インタフェース(14)に、気体識別器(15)がさらに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の小型携帯式多機能輸液装置。
【請求項10】
前記制御器(11)に、前記液体ボトル(4)の重量センサと接続された音・光警報表示窓(42)及びトランスミッタ(19)が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の小型携帯式多機能輸液装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器分野に関し、特に小型携帯式多機能輸液装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、国内外の各医療機関の臨床治療において、点滴静脈注射が最も一般的且つ普及している治療方法であり、調査によれば90%の患者が点滴静脈注射治療を受けている。ほぼ100%の外科の入院患者が点滴静脈注射を受ける必要があり、また、関係部門の統計によれば、中国は13億の人口を有し、1人当たりの1年間に点滴する液体ボトルの平均数は8本に達し、輸液量は104億液体ボトル分にも及ぶ。科学技術が進歩し、医学分野が急速な発展を遂げる今日、百年以上前の「マーフィー氏」が発明した固定ハンガーが、従来の輸液方法としていまだ使用されている。即ち、液体ボトル(バッグ)が患者の穿刺部位より一定の高い位置に懸架されなければならない。
【0003】
この従来の輸液方法は、主に輸液によるパワーの制限を受けるため、固定ハンガーの補助が必要であり、実際の使用において、以下の複数の欠点がある。1)患者の体位が相対的に固定されるため、動きが大きく制限される。医療機関では、患者自身が液体ボトルを挙げ、又は患者が家族の付き添いで液体ボトルを挙げながら、各検査を受けるために階段を上下すること、ひいてはトイレへ行くことさえ見かけることができる。2)負傷者の搬送が困難である。病院以外の場所(例えば、戦場及び野外の現場救助、又は患者を搬送する途中(救急車))において、液体ボトルを回転させる十分なスペースがないため、走行中に液体ボトルの振り幅が大きく、不安全だけでなく、輸液を有効に行うこともできない。また、戦場最前線の負傷者を搬送する際に、輸液スタント及び液体の揺れによって居場所が知られてしまい、隠ぺい性が劣る。3)輸液速度を精確に制御することができない。深刻な出血及び脱水症状等のハイリスク患者を救助する際には、規定時間内で所定量の輸液を精確に行うことが不可能である。
【0004】
上述した従来の方法以外に、気圧式自動輸液装置、ポンプ式自動輸液装置、ワンチップマイクロコンピュータ制御の携帯式医療用自動輸液装置などが近年登場した。
【0005】
気圧式自動輸液装置において、エアーパイプの一端は、エアーポンプと接続され、空気ポンプによって、空気が空気濾過器を介して液体ボトル内に伝送され、液体ボトル内の圧力が増加することで、自動輸液の目的を達成する。しかし、液体を懸架するための輸液スタントがまだ必要であり、電源及びエアーポンプを余分に追加しなければならないという欠点があり、全体的には従来の方法と比べ、明らかな優位性を見出せない。
【0006】
ポンプ式自動輸液装置及びワンチップマイクロコンピュータ制御の携帯式医療用自動輸液装置の主な構造として、液体バッグ、ポンプ室、パイプライン及び注射針が接続されることによって独特な配管システムが形成される。押しレバーが集積回路の制御によってポンプ室を圧迫し、パイプラインの外部制御によって自動輸液が実現される。このように各薬液が定時定量に静脈注入され、輸液の際に懸架することなく、患者は自由に動くことができる。しかし、輸液ポンプの体積が大きく、電源の駆動が必要であり、技術要求が高いという欠点があるため、各レベルの医療機関に幅広く使用されることが困難である。
【0007】
自動膨張袋式輸液装置は、エアバッグ、2つの独立したチャンバ、液体充填パイプ及び空気充填パイプを備えている。2つのチャンバの間は、フレキシブルスペーサ層によって分離され、空気充填パイプは、1つのチャンバと連通し、液体充填パイプはもう1つのチャンバと連通している。1つのエアバッグを利用して気体を手で輸液バッグの内バッグと
外バッグとの間に押し込み、内バッグ内の液体に圧力を発生させ、圧力を介して液体を患者の体内に注入する。流量制御が可能であり、使いやすく、持ち運びが容易(腰に掛けることができる)であり、血液の逆流が生じないなどの利点がある。当該自動膨張袋式輸液装置の原理は、臨床常用の加圧輸血の原理とほぼ同様であり、その欠点としては、空気充填を人工的に行い続けなければならない。さもなければ、液体が血液の抵抗を克服して血管内に入ることができず、通常の輸液管理の負担が増加し、臨床に幅広く使用されることが困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来の輸液パワーを改変し、液体ボトルを患部より高い位置に固定する必要がなく、液体ボトルを任意の位置に置いて輸液を行うこと、及び、輸液の速度を精確に調節・制御することができる小型携帯式多機能輸液装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明に係る小型携帯式多機能輸液装置は、スタンドと、前記スタンドに固定された液体ボトル及びダイヤフラムとを備えている。前記ダイヤフラムには、輸液チューブを介して、それぞれ前記液体ボトル及び注射針と連通する定方向流入インタフェース及び定方向流出インタフェースが設けられている。前記ダイヤフラムには、弾性膜が取り付けられている。前記弾性膜の片側には、周波数変調システムと接続された小型直流モータを含む伝達システムが配置されている。前記小型直流モータは、減速装置を介してスパイラル矯正装置と接続されている。前記スパイラル矯正装置は、2段軸を経て往復膜支持機と接続されている。前記往復膜支持機の前端部の円錐台は、前記弾性膜と接触している。前記周波数変調システムは、前記小型直流モータと接続された小型直流電源を含む。前記小型直流電源は、電位センサを介して小前記型直流モータを制御する制御器とさらに接続されている。前記制御器には、前記制御器のパラメータ入力キーボードがさらに接続されている。
【0010】
前記往復膜支持機は、後方から前方に順次配置された、長尺扁平体、ルート調整機構、台形移行部及び円錐台を含む。前記ルート調整機構は、スライドカバー内に取り付けられている。前記台形移行部には、板状ばねが取り付けられている。
【0011】
前記長尺扁平体の外側には、前記制御器と接続された距離センサが取り付けられている。
【0012】
前記長尺扁平体の後端には、前記ダイヤフラム内の液体の流速を調節する回転ハンドルがさらに取り付けられている。前記回転ハンドルには、速度選択ポインタ及び当該速度選択ポインタに対応する輸液速度文字盤が取り付けられている。
【0013】
前記ダイヤフラムには、流量表示窓がさらに取り付けられている。
【0014】
前記ダイヤフラムと注射針との間の輸液チューブには、仏塔型ヒータを含む薬液加熱制御システムがさらに配置されている。前記仏塔型ヒータには、前記輸液チューブが巻きつき、且つ、加熱電源が接続されている。前記仏塔型ヒータの末端には、温度センサが取り付けられている。前記仏塔型ヒータ及び前記温度センサは、それぞれ温度コントローラと接続されている。前記注射針の先端の前記輸液チューブには、薬液精密濾過器が配置されている。
【0015】
前記スタンドは、前記液体ボトルを取り付けるためのボトルスタンド、及び、前記ダイヤフラムを取り付けるための三日月構造スタンドを含む。前記ボトルスタンドには、前記
液体ボトルを固定するための結びバンド、嵌合部及び調節ホルダが配置されている。前記三日月構造スタンドには、ダンパが取り付けられている。前記スタンドには、装着穴がさらに設けられている。
【0016】
前記ダイヤフラムには、クイックチャックがさらに取り付けられている。
【0017】
前記定方向流出インタフェースには、気体識別器がさらに取り付けられている。
【0018】
前記制御器には、前記液体ボトルの重量センサと接続された音・光警報表示窓及びトランスミッタが取り付けられている。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、小型直流モータを介して、往復膜支持機が運動するように伝達システムを駆動することによって、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換が実現され、さらに、往復膜支持機によってダイヤフラムが圧縮されることで液体の注入が実現され、且つ、円錐台と弾性膜との接触体積を制御することによって、輸液速度の精確な調節・制御が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る小型携帯式多機能輸液装置の正面図である。
図2】本発明に係る小型携帯式多機能輸液装置の背面図である。
図3】本発明に係る小型携帯式多機能輸液装置の全体の構成概略図である。
図4】本発明に係る伝達システムの構成概略図である。
図5】本発明に係る往復膜支持機の振幅と流速との関係図である。
図6】本発明に係る往復膜支持機の周波数と流速との関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面と合わせて本発明について詳細に説明する。
【0022】
図1図4に示すように、本発明は、スタンド1と、スタンド1に固定された液体ボトル4と、流量表示窓7が取り付けられたダイヤフラム16とを備えている。スタンド1は、液体ボトル4を取り付けるためのボトルスタンド46、及び、ダイヤフラム16を取り付けるための三日月構造スタンド13を含む。ボトルスタンド46には、液体ボトル4を固定するための結びバンド3、嵌合部5及び調節ホルダ6が配置されている。三日月構造スタンド13には、ダンパ2が取り付けられている。スタンド1には、装着穴18がさらに設けられている。ダイヤフラム16には、輸液チューブを介して、それぞれ液体ボトル4及び注射針20と連通する定方向流入インタフェース17及び気体識別器15付きの定方向流出インタフェース14が設けられている。ダイヤフラム16には、クイックチャック41及び弾性膜27が取り付けられている。弾性膜27の片側には、周波数変調システム28と接続された小型直流モータ32を含む伝達システム31が配置されている。小型直流モータ32は、減速装置33を介してスパイラル矯正装置34と接続されている。スパイラル矯正装置34は、2段軸43を経て往復膜支持機36と接続されている。往復膜支持機36の前端部の円錐台39は、弾性膜27と接触している。周波数変調システム28は、小型直流モータ32と接続された小型直流電源30を含む。小型直流電源30は、電位センサ29を介して小型直流モータ32を制御する制御器11とさらに接続されている。制御器11には、制御器パラメータ入力キーボード12がさらに接続されている。制御器11には、液体ボトル4の重量センサと接続された音・光警報表示窓42及びトランスミッタ19がさらに取り付けられている。液体ボトル4内の薬液の重量が設定値より低い場合、信号が薬液の重量センサによって制御器11に伝送され、音・光警報表示窓42によって警報及び表示され、同時に、医療従事者に注意喚起をするために当該信号がトラ
ンスミッタ19を介してナースステーションに伝送される。ダイヤフラム16と注射針20との間の輸液チューブには、仏塔型ヒータ25を含む薬液加熱制御システム22がさらに配置されている。仏塔型ヒータ25には、輸液チューブが巻きつき、加熱電源24が接続されている。仏塔型ヒータ25の末端には、温度センサ26が取り付けられている。仏塔型ヒータ25及び温度センサ26は、それぞれ温度コントローラ23と接続されている。注射針20の先端の輸液チューブには、薬液精密濾過器21が配置されている。
【0023】
往復膜支持機36は、後方から前方に順次配置された、長尺扁平体37、ルート調整機構40、台形移行部38及び円錐台39を含む。ルート調整機構40は、スライドカバー45内に取り付けられている。台形移行部38には、板状ばね44が取り付けられている。長尺扁平体37の外側には、制御器11と接続された距離センサ35が取り付けられている。長尺扁平体37の後端には、ダイヤフラム16内の液体の流速を調節する回転ハンドル10がさらに取り付けられている。回転ハンドル10には、速度選択ポインタ8及び当該速度選択ポインタ8に対応する輸液速度文字盤9が取り付けられている。
【0024】
本発明は、以下の主な部分から構成されている。
【0025】
1、伝達システム、2、ダイヤフラム、3、輸液速度調節・制御装置、制御器、遠隔リアルタイム表示、音・光警報装置及び小型輸液用薬液定温制御装置を含む小型補助機能システム
【0026】
伝達システムによって、電気エネルギー(小型充電式高エネルギー電池)が小型直流モータを介して減速装置を回転運動させ、スパイラル矯正ホイールを経て往復運動パワーに転換し、そして往復運動パワーが2段軸を介してルート調整機構に伝送され、それによってルート調整機構が往復運動してパワーを生成する。スライドカバー45内には、台形双頭ネジ山が設計されている。当該台形双頭ネジ山は、スライドカバー45内の調節ロッドネジ山と噛み合い、往復運動してパワーを生成する複合体を構成する。
【0027】
往復膜支持機36は、調節機能を実現する中心部品である。当該部品の前端には、円錐台39の接触ヘッドが設けられている。接触ヘッドの前部に台形双頭ネジ山が設けられ、後部に長尺扁平体37が設けられている。長尺扁平体37には、ハード接続されたポテンショメータ部品がセットされている。長尺扁平体の末端には、ハード接続された、ポインタ付きの回転ハンドル10がセットされている。回転ハンドル10のポインタが、筐体に固定された目盛円盤(目盛0〜300°)に対応している。往復膜支持機36の円錐台39の接触ヘッドを介して、ダイヤフラム16の弾性膜27を押し動かし、輸液パワーを生成する。往復膜支持機36の台形双頭ネジ山を介して、振幅変調目標を達成するようにルート距離を調節する。往復膜支持機36のポテンショメータが、振幅変調信号の収集目標を達成する。調節ロッドのポインタ付きの回転ハンドル10及び目盛円盤によって、流量注入機構が構成されている。
【0028】
本発明によって、電気エネルギー→機械エネルギー→輸液パワーの転換プロセス、エネルギーの機構伝達プロセス及び機構調整プロセスにおけるハードウェアプログラムのメカニズムが実現される。その主な機能・作用は下記通りである。回転ハンドル10のポインタが0°の位置を指す際に、往復膜支持機36の円錐台39と弾性膜27とは0°の距離で接触している。回転ハンドル10のポインタが30°の位置に調整された際に、往復膜支持機36の台形双頭ネジ山が回転しながら前進し、円錐台39の接触ヘッドによってダイヤフラム16の弾性膜27が押し付けられて、6×30/360°mmの高さの円弧が形成され、同時に往復膜支持機36の長尺扁平体37にセットされた小型ポテンショメータも30°回転し、対応する電位差信号を発信する。
【0029】
回転ハンドル10のポインタが120°の位置に調整された際に、調節ロッドの台形双頭ネジ山が回転しながらさらに前進し、円錐台39の接触ヘッドによってダイヤフラム16の弾性膜27が押し動かされて、6×120/360°mmの高さの円弧が形成され、同時に長尺扁平体37にセットされたポテンショメータも120°回転し、対応する電位差信号を発信する。以下のことが推察される。
【0030】
トリガの振幅を介した輸液の速度調節:調節ロッドのルートが調整される。即ち、接触ヘッドが弾性膜27に挿入されて形成した円弧の高さが調整される。弾性膜27の円弧の高さは、振幅及び輸液量がy=ax2の関係である。
【0031】
【数1】
【0032】
Rは円錐台39の上円の半径、Rnは円錐台39の下円の半径、Hは円弧の高さである。Rn=1.35+0.391Hであり、単位はmmである。Qnは流量(ml/分)であり、75回/分は定格周波数である。以上のエネルギー転換、エネルギーの機械伝達及び振幅の調整プロセスが、図5に示されている。
【0033】
トリガの周波数を介した輸液の速度調節:図6を参照のこと。
【0034】
周波数変調システムの配置による周波数変調プロセスの実現:周波数の変調は、マイクロモータの電源供給回路における電位センサに直列接続することによって実現される。マイクロモータが運転してパワーを生成する際に、その供給電圧を変化させると、モータの出力パワーもそれによって変化し、モータの回転数が対応するように変化する。即ち、回転速度が調整される。スパイラル矯正装置を介して往復運動の周波数が変更(75回/分←→0回/分)される。即ち、往復パルスの時間が変更され、パルスパワーの釈放時間が変更される。これにより、輸液プロセスにおける注入力が、注射する際に注射針をゆっくり押す作用に相当するように、変化する。
【0035】
モータ負荷(注入抵抗に打ち勝つ。)が安定した状態となり、輸液の速度も安定する。ポテンショメータのモータ回転速度の調節は、有効な調節範囲を有し、この範囲の大きさによって輸液の精度が決められる。例えば、25°〜325°の範囲であると、調整される精度は:1°を調整されるごとに選択された5ml/分の流量の精度は、5ml/分×1/300=0.0166mlである。即ち、0.33%である。それによって、輸液速度に対する精確な制御が実現される。流量と周波数との変化関係は、y=axの関係(つまり、Q=QH1×HZ、及び、下記数式)で表される。ここで、HZは選択された周波数(回/分)、QH1は輸液速度(ml/分)、QHは固有流量、HZは選択された周波数(回/分)、QH1は輸液速度(ml/分)、QHは固有流量である。
【数2】
【0036】
小型エネルギー転換システム(ホスト機)は、以下の設計手段のガイダンス構想である。
【0037】
1)「液滴」の輸液技術
当該技術は、液滴に焦点を当てる微視的理論である。各液滴は約0.15mlである。0.15mlの液滴を約2mの高さ(揚力)まで注入させるに必要なパワーは、比較的小さく、そのエネルギーの消耗も小さいはずであり、輸液パワーとしてミリワットレベルの小型モータを採用すればよいはずである。実験はシミュレーションを経て成功を収め、設計手段に基礎を築いた。図3には、350ミリワットの小型モータが示されている。
【0038】
2)スパイラル矯正ホイールの転換技術
図からわかるように、スパイラル矯正ホイールの傾斜軌道溝が、往復直線運動するパワーに転換し、2段軸を介してパワーを輸液調節ロッドに伝達して、液滴を注入するパワーの生成が完成する。スパイラル矯正ホイールは、パワー転換の重要な部品であり、機械式伝動機構の全体が小型化を実現することを可能にさせ、成功を収めた。
【0039】
3)高効率技術及び省エネ技術
図3からわかるように、スパイラル矯正ホイールの傾斜軌道溝には、Φ1.5×2mmのボールベアリングが挿入されている。2段軸のガイド孔には、Φ6×4mmのボールベアリングが取り付けられている。これらによって、モータの出力パワーが2つの小型ベアリングを介して振幅調整機構に伝達される。調整カバーと固定スライドバレルとの中心からの逸脱度は、10〜20uμの範囲内に制御される。調整カバーと固定スライドバレルとの隙間は、0.05mm〜0.1mmに制御される。潤滑するために精細な二硫化モリブデンを採用する。転換及びパワー転換における無駄なパワーの消耗を低いレベルまで下げる。実際のテストによれば、1つの4.5cm×3cm×2.5cmのリチウム電池は、マイクロモータが200時間以上の運転・輸液をサポートすることができる。
【0040】
クイックラッチ技術:
使い捨てダイヤフラム輸液装置とホスト機との接続について、迅速かつ安全・安心な接続が求められている。図3からわかるように、ダイヤフラムの3ピンプラグは、クイックラッチに挿入され、60°回転され、プラグキャップがディスク型ばね片によって円形セミブラインド孔に押し入れられ且つ弾性圧迫される。ダイヤフラムの3ピンプラグは、その中に堅固にロックされ、下方への押圧及び左方への回転という2つの動作のみで外れることが可能である。当該装置の便利性及び装着の完全・堅牢性は、普通のクイックラッチ機構とは比較にならない。上記の革新的な技術の応用を通じて、パワー転換システムが簡単で軽便になり、且つ安全で信頼性が高くなる。
【0041】
輸液温度自動制御システム:
輸液の快適度を向上させ、寒い環境及び暖房のない環境における輸液によって患者に与えた刺激及び要害反応を解決するために、携帯式輸液装置には、輸液温度自動制御システ
ムが配置されている。図3に示すように、当該システムは、小型薬液ヒータ、小型温度制御器及び加熱電源から構成されている。薬液ヒータは、ジュラルミンで加工された仏塔形螺旋溝ヒータであり、形はかたつむりに似ており、輸液チューブの末端の0.4〜0.6mの部分が溝の中に巻き付いており、溝の底は直流電源と接続されたソフト抵抗片を有する、輸液チューブの末端の、溝の外側箇所には、小型温度センサが挿入されている。小型温度コントローラの加熱温度は、15°C〜25°C内に制御されている。温度が15°Cより低いときに、ヒータが作動し、温度が25°Cに達すると、ヒータが自動切断して加熱を停止する。当該システムは、独立したシステムであり、携帯式多機能輸液装置を妨害したり携帯式多機能輸液装置の機能に影響を及ぼしたりすることはない。
【符号の説明】
【0042】
1 スタンド
2 ダンパ
3 結びバンド
4 液体ボトル
5 嵌合部
6 調節ホルダ
7 流量表示窓
8 速度選択ポインタ
9 輸液速度文字盤
10 回転ハンドル
11 制御器
12 制御器入力キーボード
13 三日月構造スタンド
14 定方向流出インタフェース
15 気体識別器
16 ダイヤフラム
17 定方向流入インタフェース
18 装着穴
19 トランスミッタ
20 人体静脈
21 薬液精密濾過器
22 薬液加熱制御システム
23 温度コントローラ
24 加熱電源
25 仏塔型ヒータ
26 温度センサ
27 弾性膜
28 周波数変調システム
29 電位センサ
30 小型モータ電源
31 伝達システム
32 小型直流モータ
33 減速装置
34 スパイラル矯正装置
35 距離センサ
36 往復膜支持機
37 長尺扁平体
38 台形移行部
39 円錐台
40 ルート調整機構
41 クイックチャック
42 音・光警報表示窓
43 2段軸
44 板状ばね
45 スライドカバー
46 ボトルスタンド
図2
図3
図4
図1
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2015年12月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
本発明によって、電気エネルギー→機械エネルギー→輸液パワーの転換プロセス、エネルギーの機構伝達プロセス及び機構調整プロセスにおけるハードウェアプログラムのメカニズムが実現される。その主な機能・作用は下記通りである。回転ハンドル10のポインタが0°の位置を指す際に、往復膜支持機36の円錐台39と弾性膜27とは0°の距離で接触している。回転ハンドル10のポインタが30°の位置に調整された際に、往復膜支持機36の台形双頭ネジ山が回転しながら前進し、円錐台39の接触ヘッドによってダイヤフラム16の弾性膜27が押し付けられて、6×30°/360°mmの高さの円弧が形成され、同時に往復膜支持機36の長尺扁平体37にセットされた小型ポテンショメータも30°回転し、対応する電位差信号を発信する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
【数1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
モータ負荷(注入抵抗に打ち勝つ。)が安定した状態となり、輸液の速度も安定する。ポテンショメータのモータ回転速度の調節は、有効な調節範囲を有し、この範囲の大きさによって輸液の精度が決められる。例えば、25°〜325°の範囲であると、調整され
る精度は:1°を調整されるごとに選択された5ml/分の流量の精度は、5ml/分×1/300=0.0166mlである。即ち、0.33%である。それによって、輸液速度に対する精確な制御が実現される。流量と周波数との変化関係は、y=axの関係(つまり、Q=QH1×HZ、及び、下記数式)で表される。ここで、HZは選択された周波数(回/分)、QH1は輸液速度(ml/分)、QHは固有流量である。
【数2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
1 スタンド
2 ダンパ
3 結びバンド
4 液体ボトル
5 嵌合部
6 調節ホルダ
7 流量表示窓
8 速度選択ポインタ
9 輸液速度文字盤
10 回転ハンドル
11 制御器
12 制御器パラメータ入力キーボード
13 三日月構造スタンド
14 定方向流出インタフェース
15 気体識別器
16 ダイヤフラム
17 定方向流入インタフェース
18 装着穴
19 トランスミッタ
20 注射針
21 薬液精密濾過器
22 薬液加熱制御システム
23 温度コントローラ
24 加熱電源
25 仏塔型ヒータ
26 温度センサ
27 弾性膜
28 周波数変調システム
29 電位センサ
30 小型モータ電源
31 伝達システム
32 小型直流モータ
33 減速装置
34 スパイラル矯正装置
35 距離センサ
36 往復膜支持機
37 長尺扁平体
38 台形移行部
39 円錐台
40 ルート調整機構
41 クイックチャック
42 音・光警報表示窓
43 2段軸
44 板状ばね
45 スライドカバー
46 ボトルスタンド
【国際調査報告】