特表2016-515374(P2016-515374A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-515374(P2016-515374A)
(43)【公表日】2016年5月26日
(54)【発明の名称】燃料電池用DC−DCコンバーター
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/12 20060101AFI20160422BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20160422BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALI20160422BHJP
   H02H 5/04 20060101ALI20160422BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   H02H7/12 G
   H01M8/04 P
   H01M8/04 G
   H02H5/04 140
   H02M3/00 C
   H02H5/04 160
   H02H5/04 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-561866(P2015-561866)
(86)(22)【出願日】2014年3月14日
(85)【翻訳文提出日】2015年10月30日
(86)【国際出願番号】CA2014050263
(87)【国際公開番号】WO2014139016
(87)【国際公開日】20140918
(31)【優先権主張番号】13/844,482
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】316003863
【氏名又は名称】マクリーン、ジェラード エフ.
(71)【出願人】
【識別番号】316003874
【氏名又は名称】イアコニス、ジャン−ルイ
(71)【出願人】
【識別番号】316003885
【氏名又は名称】ハリソン、ジェイドン エム.
(71)【出願人】
【識別番号】504175659
【氏名又は名称】インテリジェント エナジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INTELLIGENT ENERGY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(72)【発明者】
【氏名】マクリーン、ジェラード エフ.
(72)【発明者】
【氏名】イアコニス、ジャン−ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン、ジェイドン エム.
【テーマコード(参考)】
5G053
5H127
5H730
【Fターム(参考)】
5G053AA14
5G053BA06
5G053CA04
5H127AB05
5H127AC07
5H127AC10
5H127BA02
5H127BA03
5H127BA12
5H127BA60
5H127DB36
5H127DB47
5H127DB69
5H127DC44
5H127DC46
5H127DC89
5H730AA20
5H730AS01
5H730CC14
5H730FD11
5H730FD31
5H730FD41
5H730FD61
5H730FF06
5H730FG12
5H730XX02
5H730XX15
5H730XX19
5H730XX22
5H730XX35
5H730XX38
(57)【要約】
携帯型電子デバイス用の電力を供給する方法とシステムは、1つ又は複数の燃料電池からDC−DCコンバーターに電流供給すること、ならびに電力供給システム及び携帯型電子デバイスの内の少なくとも1つの測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整することを含む。電流制限値は、測定温度の逆関数として変化することができる。電流制限値は、DC−DCコンバーターの入力電流制限値又はDC−DCコンバーターの出力電流制限値であってよい。DC−DCコンバーターの電流制限値の低下に比例して1つ又は複数の燃料電池により生成された電流量を減少させ、1つ又は複数の燃料電池により発生する熱を減らし、それにより、測定温度を下げることができる。温度センサーは、1つ又は複数の燃料電池又はその近くに配置することができる。また、温度センサーは、携帯型電子デバイスの内部ハウジングに配置することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電子デバイスへの電力供給システムであって、
前記携帯型電子デバイス及び前記システムの少なくとも1つの温度を測定するように構成された温度センサーと、
電力を生成するように構成された1つ又は複数の燃料電池と、
1つ又は複数の燃料電池に接続された入力及び携帯型電子デバイスに接続された出力を含むDC−DCコンバーターと
を含み、
前記DC−DCコンバーターが、前記1つ又は複数の燃料電池から入力電流と入力電圧で前記電力を受け取り、実質的に一定電圧で前記電子デバイスに出力電力を供給するように構成され、前記DC−DCコンバーターが、前記測定温度の関数として変化する電流制限値を備える、
システム。
【請求項2】
前記電流制限値が前記測定温度の逆関数として変化する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記携帯型電子デバイスによる電力需要の量に関係なく、前記1つ又は複数の燃料電池により生成された電流量が前記DC−DCコンバーターの電流制限値の低下に比例して減少する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記携帯型電子デバイスにより受け取られる実質的に全ての前記電力が前記1つ又は複数の燃料電池により供給される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
低電力モードをさらに含み、このモードでは、前記1つ又は複数の燃料電池により生成された前記電力が、前記携帯型電子デバイスの低電力需要の関数として減らされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記DC−DCコンバーターの機能性の一部がデジタル制御システムにより実行される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記温度センサーが前記携帯型電子デバイスの内部ハウジング上に配置され、前記システムが前記内部ハウジングの前記測定温度に基づいて前記携帯型電子デバイスの外面温度を決定する請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記温度センサーが、前記1つ又は複数の燃料電池上又はその近くに配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記温度センサーが、サーミスター、半導体接合、抵抗温度検出器、及び熱電対からなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記電流制限値が入力電流制限値である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記電流制限値が出力電流制限値である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記DC−DCコンバーターと前記携帯型電子デバイスとの間に配置された電力管理システムをさらに含み、前記電力管理システムが前記1つ又は複数の燃料電池から前記携帯型電子デバイスに電力を送るように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
携帯型電子デバイス用の燃料電池電力供給システムの制御方法であって、
1つ又は複数の燃料電池からDC−DCコンバーターに電流を供給すること、及び
前記電力供給システム及び前記携帯型電子デバイスの内の少なくとも1つの測定温度の関数として前記DC−DCコンバーターの電流制限値を制御すること
を含む方法。
【請求項14】
前記DC−DCコンバーターの前記電流制限値を前記測定温度の関数として調整することが、前記携帯型電子デバイスの電力需要に関係なく、前記1つ又は複数の燃料電池からの出力電流を制限することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記DC−DCコンバーターの前記電流制限値が、前記測定温度の逆関数として変化する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記測定温度の関数として前記DC−DCコンバーターの電流制限値を調整することが、前記DC−DCコンバーターにサーミスターを接続することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記測定温度の関数として前記DC−DCコンバーターの電流制限値を制御することが、制御装置を使って前記測定温度をモニターし、前記DC−DCコンバーターの前記電流制限値を決定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記電流制限値が前記DC−DCコンバーターの入力電流制限値である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記電流制限値が前記DC−DCコンバーターの出力電流制限値である、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
携帯型電子デバイス用の電力供給システムの制御方法であって、
1つ又は複数の燃料電池及びDC−DCコンバーターを含む電力供給システムを用意すること、
前記1つ又は複数の燃料電池から電力を生成すること、
前記1つ又は複数の燃料電池から可変電圧および可変電流で前記電力が前記DC−DCコンバーターに供給されるように、前記1つ又は複数の燃料電池を前記DC−DCコンバーターに接続すること、
前記DC−DCコンバーターから前記携帯型電子デバイスに実質的に一定電圧で出力電力を供給すること、
前記携帯型電子デバイス及び前記電力供給システムの内の少なくとも1つの温度を測定すること、及び
前記測定温度の関数として前記DC−DCコンバーターの電流制限値を調節し、それにより、前記1つ又は複数の燃料電池からの出力電流を前記DC−DCコンバーターの前記調整された電流制限値の関数として調整することを含む方法。
【請求項21】
前記測定温度の関数として前記DC−DCコンバーターの前記電流制限値を調整することが、前記測定温度が高まるに伴い前記電流制限値を下げることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記DC−DCコンバーターから前記携帯型電子デバイスに前記出力電力を供給することが、前記携帯型電子デバイスへの電力の送出を制御する電力管理システムに前記出力電力を供給することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記DC−DCコンバーターの機能性の一部が、デジタル制御システムにより実行される、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記携帯型電子デバイス及び前記電力供給システムの内の少なくとも1つの前記温度を測定することが、前記携帯型電子デバイス又は前記電力供給システムの内の少なくとも1つの内部又は表面上にある温度検出素子の電気抵抗値を測定することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記携帯型電子デバイス及び前記電力供給システムの内の少なくとも1つの前記温度を測定することが、前記携帯型電子デバイスの内部の温度を測定して前記携帯型電子デバイスが最大電子デバイス温度を超える温度で動作するのを防ぐことを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記携帯型電子デバイスの内部の前記測定温度に基づいて前記携帯型電子デバイスの外面の温度を計算することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記携帯型電子デバイス及び前記電力供給システムの内の少なくとも1つの前記温度を測定することが、前記1つ又は複数の燃料電池上又はその近くの温度を測定して、前記1つ又は複数の燃料電池が最大燃料電池動作温度を超える温度で動作するのを防ぐことを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
2013年3月15日に出願されたMcLeanらの「FUEL CELL DC−DC CONVERTER」という名称の米国特許出願第13/844,482号の優先権の利益を主張する。この特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本特許出願は、燃料電池電力供給システムに関し、より具体的には、電子デバイス用燃料電池電力供給システムを制御するシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0003】
燃料電池を使用して、携帯型電子デバイスなどの様々な種類のシステム又はデバイスへの電力供給を行うことができる。場合によっては、電力供給システム及び電子デバイスの各種温度のモニター及び制御を行うことが重要及び/又は有益であることがある。例えば、燃料電池を特定の温度未満に維持して燃料電池のドライアウトを防ぐことが重要なことがある。別の例では、電子デバイスの全体温度をユーザーに快適な一定の温度、又はその温度未満で、かつコンシューマデバイス規格内に維持することが重要な場合がある。
【0004】
放熱装置を使って燃料電池及び/又は電子デバイスから熱を除去し、例えば、過熱及び/又は設定動作温度の超過を防ぐことができる。放熱装置及び他のタイプの温度制御システムは、全体の使用可能空き領域と重量の制約を考慮すると、採用が極めて難しい場合がある。さらに、放熱装置は、動作させるために電力の使用が必要で、このために、ある程度の熱負荷を追加することになり、燃料電池の総正味効率を低下させる。特に、携帯型電子デバイスに対して、携帯型電子デバイス中の部品の数と複雑さを制限することが重要な場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、1つ又は複数の燃料電池から携帯型電子デバイスに電力を供給する方法とシステムに関する。方法とシステムは、測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調節することを含む。
【0006】
本明細書で開示の電力供給システムと方法をより適切に示すために、次の非限定的実施例が提供される。
【0007】
一実施例では、携帯型電子デバイスに対する電力供給システムは、携帯型電子デバイス及びシステムの内の少なくとも1つの温度を測定するように構成された温度センサー、電力を生成するように構成された1つ又は複数の燃料電池、ならびに、1つ又は複数の燃料電池に接続された入力及び携帯型電子デバイスに接続された出力を備えたDC−DCコンバーターを含む。DC−DCコンバーターは、1つ又は複数の燃料電池から入力電流と入力電圧として電力を受け取り、実質的に一定電圧で電子デバイスに出力電力を供給するように構成され、DC−DCコンバーターは、測定温度の関数として変化する電流制限値を備える。
【0008】
一実施例では、携帯型電子デバイス用の燃料電池電力供給システムを制御する方法は、DC−DCコンバーターに1つ又は複数の燃料電池から電流を供給すること、ならびに電力供給システム及び携帯型電子デバイスの内の少なくとも1つの測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整することを含む。
【0009】
一実施例では、携帯型電子デバイス用電力供給システムを制御する方法は、1つ又は複数の燃料電池とDC−DCコンバーターを含む電力供給システムを用意すること、1つ又は複数の燃料電池から電力を生成すること、1つ又は複数の燃料電池をDC−DCコンバーターに接続して1つ又は複数の燃料電池からDC−DCコンバーターに可変電圧と可変電流として電力を供給すること、及びDC−DCコンバーターから携帯型電子デバイスに実質的に一定電圧で出力電力を供給することを含む。方法は、携帯型電子デバイス及び電力供給システムの内の少なくとも1つの温度を測定すること、ならびに測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整し、それにより、DC−DCコンバーターの調整された電流制限値の関数として1つ又は複数の燃料電池からの出力電流を調整することをさらに含む。
【0010】
本出願の種々の実施例は、単純な設計を有し、システム内又はシステムが電力を供給する電子デバイス内のいずれかの所定の(1つ又は複数の)温度を制限することを可能とする燃料電池電力供給システムを含む。種々の実施例では、電力供給システムは、大きなヒートシンク又はファン、又は他のタイプの大きな熱除去装置なしに使用できる。これらの熱除去装置はシステムから電力の供給が必要となる場合がある。種々の実施例では、電力供給システムは、DC−DCコンバーターに対する電流制限値の制御により、燃料電池に由来する熱などを含むシステムにより生成される熱を減らし、その結果、電力供給システム又は電子デバイスの所定の温度を制限することができる。電流制限値を制御することにより、電力供給システムは、非効率的に動作させる又は加熱させることがある燃料電池からの大きな電流の引き出しを避けるか又は最小限にすることができる。
【0011】
電流制限値の制御を介してシステムにより生成される熱を減らすことにより、電力供給システムを使って、例えば、最大表面温度を制限する消費者製品規格に対応可能な所定の温度に限定できる。本出願の種々の実施例では、所定の温度は、電力需要に関係なく制限できる。従って、温度の制限は、電子デバイスに対する要求電力の非供給という犠牲を払って実現できる。
【0012】
システムからの熱の除去ではなく、生成される熱の低減に焦点を絞ることにより、電力供給システムを効率的に動作させることができ、更に、電力供給システム中の部品の数を減らし、電子デバイス内の占有領域を減らすことができる。占有領域と単純さは、携帯型電子デバイスにとって特に重要な場合がある。種々の実施例では、使用領域の節約に加えて、1つ又は複数の燃料電池又はその近傍に1つもしくは複数の大きなヒートシンク又はその他の熱除去装置のないことは、1つ又は複数の燃料電池が低温で操作する場合は特に、1つ又は複数の燃料電池の効率に良い影響を与える可能性がある。
【0013】
本出願の種々の実施例は、電子デバイス用の電力を生成し、1つ又は複数の燃料電池により生成される追加の電力(電子デバイスには必要でない)用のダンプ抵抗を必要としない燃料電池電力供給システムを含む。種々の実施例では、1つ又は複数の燃料電池は、電子デバイスからの低電力需要に対応する低電力モードで動作できる。その他の燃料電池システムとは対照的に、本出願の1つ又は複数の燃料電池は、電力需要が低い場合には、高温での又は一定電力での運転を必要とされない。一実施例では、1つ又は複数の燃料電池は、制限されない最小動作温度であってよい。
【0014】
本出願の種々の実施例は、電子デバイスへの実質的に全ての電力が1つ又は複数の燃料電池に由来する燃料電池電力供給システムを含む。一実施例では、システムは電池を含まず、単純で対費用効果の高い設計を可能にする一方、電力供給システム用の領域を最小限にする。これは、いずれのタイプの携帯型電子デバイスにも重要なことである。
【0015】
この発明の概要は、本特許出願の主題の概要を提供することを意図している。限定的又は包括的な説明を提供することを意図するものではない。詳細な説明は、本特許出願に関するさらなる情報の提供が含まれる。
【0016】
図は、必ずしも縮尺通りではなく、また、いくつかの図を通して、類似の数字は実質的に類似の部品を表す。異なる文字の添え字を有する類似の数字は、実質的に類似の部品の別の例を表す。図は、本文書中の種々の実施形態を制限するためではなく、一般的に例として図示する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】電子デバイスに電力を供給する電力供給システムの実施例を一般的に示すブロック図である。
図2】電子デバイスに電力を供給する電力供給システムの実施例を一般的に示すブロック図である。
図2A】電子デバイスに電力を供給する電力供給システムの実施例を一般的に示すブロック図である。
図3】電子デバイスに電力を供給する電力供給システムの実施例を一般的に示すブロック図である。
図4】電子デバイスに電力を供給する電力供給システムの実施例を一般的に示すブロック図である。
図4A】電子デバイスに電力を供給する電力供給システムの実施例を一般的に示すブロック図である。
図5図4の電力供給システムで使用するデジタル制御システムの実施例を一般的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次の説明の全体を通して、本発明のより完全な理解を得るために具体的詳細が記述される。しかしながら、本発明は、これらの詳細事項なしで実施できる。その他の場合、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、よく知られた構成要素を詳細に示すことも、又は記載することもしなかった。図面は、実例として、本発明を実施できる具体的な実施形態を示す。これらの実施形態を組み合わせることも、他の構成要素を利用することもでき、又は本発明の範囲から逸脱することなく構造的もしくは論理的な変更を行うこともできる。したがって、明細書及び図面は、制限的というよりも、むしろ例証的な意図として考慮されるべきである。
【0019】
本明細書と参照によって組み込まれた参考文献の間で使用法に矛盾がある場合には、組み込まれた参考文献の使用法は本明細書に対する補助的なものと見なされるべきである。相いれない矛盾がある場合には、本明細書の使用法が優先する。
【0020】
本明細書において、用語の「a」又は「an」は、「少なくとも1つ(at least one)」又は「1つ又は複数(one or more)」のいずれか他の例又は使用法に関係なく、1つ以上を含むように使用される。本明細書では、用語の「又は(or)」は、非排他的な意味に使用され、すなわち、例えば、「A、B又はC」は、別段の指示がない限り、「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」、「A及びB」、「B及びC」、「A及びC」、及び「A、B及びC」を意味する。添付の態様又は請求項において、用語の「第1の」、「第2の」及び「第3の」などは、単に標識として使用され、それらの対象物に対して数値的は要件を課することを意図していない。本明細書で明示的に開示された任意の数値範囲は、明示的に開示された範囲の任意の部分集合を、あたかもこれらの部分集合範囲も明示的に開示されているかのように、含むものとすることを理解されたい。例えば、1〜100の開示範囲は、1〜80、2〜76、又は1〜100の間に入る他の任意の数値範囲も包含するものとする。別の例では、「1,000以下」の開示範囲は、1,000未満の任意の範囲、例えば、50〜100、25〜29、又は200〜1,000も含むものとする。
【0021】
本発明で使用する場合、「実質的に」は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、又は少なくとも約99.999%もしくはそれ超の場合のような、大部分、又はほとんどを意味することができる。
【0022】
本発明で使用する場合、「燃料電池」は、単一の燃料電池、又は燃料電池の集合体を意味することができる。複数の燃料電池は、燃料電池の配列を構成するように、一緒に配置及び連結できる。全電気化学構造が層内に含まれる可変電力生成燃料電池層を提供するために単電池の配列を構成することができる。配列は任意の好適な配置に構成できる。例えば、単燃料電池の配列を隣接して配置して平面燃料電池層を構成できる。平面燃料電池層は、全体又は部分的に平面であってよく、また、全体又は部分的に可撓性であってもよい。配列中の燃料電池は、管状又は曲線状などの他の平面を採用することもできる。あるいは、又は加えて、配列は他の形状に順応可能な可撓性材料を含むことができる。
【0023】
本発明で使用する場合、「DC−DCコンバーター」は、DC電圧と電流の電気特性を異なる電圧と電流値に変更する効果を生ずる電子部品の集積回路又はアセンブリを意味することができる。通常、DC−DCコンバーターは、電圧を高めて入力電圧より高い出力電圧を提供することができ、電圧を下げて入力電圧より低い出力電圧を提供することができ、又は組み合わせた「バックブースト」コンバーターであってもよく、このバックブーストコンバーターは、広範囲の入力電圧に順応して実質的に一定の出力電圧源を形成できる。DC−DCコンバーターは、通常、出力電圧で指定できる。他の設計では、回路内の部品(抵抗器など)の配置により指定されるように、DC−DCコンバーターの出力電流を限定することができる。限流DC−DCコンバーターは入手可能で、DC−DCコンバーターの出力が取り付けられている回路素子が過剰電流により駆動されるのを保護するために使用されている。出力電流制限値をユーザーが調整可能なDC−DCコンバーターは、市販の製品として入手できる。入力電流制限値をユーザーが調整可能なDC−DCコンバーターは、あまり一般的ではないであろう。本出願は、温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整することを含む電力供給システムと方法について記載する。本明細書で記載の電力供給システムは、DC−DCコンバーターの入力電流制限値又はDC−DCコンバーターの出力電流制限値を使って動作させることができる。
【0024】
本発明で使用する場合、他に規定されない限り、「電流制限値」は、入力電流制限値又は出力電流制限値を意味することができる。
【0025】
本出願は、1つ又は複数の燃料電池を使って電子デバイスに電力を供給するシステムと方法に関する。本明細書で開示のシステムと方法を使って、DC−DCコンバーターの電流制限値を調整することにより、1つ又は複数の燃料電池の(1つ又は複数の)温度、又は、いくつかの実施例では、電子デバイスの1つ又は複数の(1つ又は複数の)温度を制限することができる。本出願の請求項又は明細書で記載の1つ又は複数の燃料電池は、「Electrochemical Cells Having Current−Carrying Layers Underlying Catalyst Layers」という名称の米国特許第7,632,587号及び「Electrochemical Cells Having Current−Carrying Structures Underlying Electrochemical Reaction Layers」という名称の米国特許第8,232,025号においてMcLeanらにより記載された燃料電池及びシステム、又は「Fuel Cell Systems Including Space−Saving Fluid Plenum and Related Methods」という名称の米国特許出願公開第2009/0081493号及び「Electrochemical Cells and Membranes Related Thereto」という名称の米国特許出願公開第2011/0003229号においてSchrootenらにより記載された燃料電池及びシステム、又は「Fuel Cells and Fuel Cell Components Having Asymmetric Architecture and Methods Thereof」という名称のPCT出願公開第WO2011/079377号においてSchrootenらにより記載された燃料電池及びシステム、又は「Integrated Fuel Cell and Heat Sink Assembly」という名称の米国特許第7,205,057号においてMcLeanにより記載された燃料電池及びシステム、又は「Devices for Managing Heat in Portable Electronic Devices」という名称の米国特許第8,361,668号においてMcLeanらにより記載された燃料電池及びシステム、又は「Devices Powered by Conformable Fuel Cells」という名称の米国特許第7,474,075号においてMcLeanにより記載された燃料電池及びシステム、又は「Flexible Fuel Cell Structures having External Support」という名称の米国特許出願公開第2006/0127734号においてMcLeanらにより記載された燃料電池及びシステム、又は「Electrochemical Cell Assemblies including a Region of Discontinuity」という名称の米国特許第8,129,065号においてSchrootenらにより記載された燃料電池及びシステム、又は「System for Controlling Temperature in a Fuel Cell」という名称で米国特許出願第13/535,733号として2012年6月28日に出願され、米国特許出願公開第2014/0004436号として公告された特許においてSchrootenらにより記載された燃料電池及びシステムを含むことができる。これら全ての特許及び特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。また、「Electrochemical cell system with side−by−side arrangement of cells」という名称の米国特許第5,989,741号;国際公開第WO2007/020242号として公告された「Polymer Composite Ionic/Electronic Conductance Membrane Methods for the Production Thereof and a Planar Fuel Cell Core comprising said Membrane」という名称の国際出願第PCT/EP2006/065255号;「Fuel Cell comprising a plurality of Individual Cells Connected in series by Current Collectors」という名称の米国特許出願公開第2009/0123803号;「Fuel Cell with Current Collectors Integrated with the Solid Electrolyte and Process for Manufacturing such a Fuel Cell」という名称の米国特許出願公開第2009/0169945号;及び「Fuel Cell comprising a Membrane having Focalized Ionic Conduction and Method for Manufacturing Same」という名称の米国特許出願公開第2013/0059225号、を参照する。
【0026】
本出願は、測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流(入力又は出力)を制御する電力供給システムと方法について記載する。DC−DCコンバーターへの入力電流は、1つ又は複数の燃料電池から得ることができ、電子デバイスへの電力の供給に使用できる。測定温度はシステム内の任意の温度であってよく、一実施例では、温度は1つ又は複数の燃料電池の温度であってよい。測定温度が上昇するに伴い、DC−DCコンバーターへの燃料電池電流を低減させて、1つ又は複数の燃料電池に由来する熱発生を減らし、それにより、熱発生の減少の結果として測定温度を低下させることができる。一部のケースで、測定温度が高くなりすぎそうな場合には、電子デバイスの電力需要に関係なく燃料電池電流を低下させることができる。その場合には、燃料電池電流を低下させることにより測定温度を制限するために、電子デバイスの電力需要が犠牲になる可能性がある。
【0027】
本明細書で記載の電力供給システムと方法は、「Fluidic Interface Module for a Fuel Cell System」という名称で2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/836,789号においてIaconisにより記載された燃料電池システム、又は「Methods for Operating a Fuel Cell System」という名称で2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/837,410号においてIaconisらにより記載された燃料電池システム、又は「Fluidic Interface Module for a Fuel Cell System」という名称で同日に出願された国際出願第PCT/ / 号(代理人整理番号BIC−177.P132.PCT)に記載された燃料電池システム、又は「Methods for Operating a Fuel Cell System」という名称で同日に出願されたPCT/ / 号(代理人整理番号BIC−178.P133.PCT)に記載された燃料電池システム中で、又はそれと組み合わせて使用できる。これら全ての特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0028】
図1は、電子デバイス12に電力を供給する電力供給システム10を示す。この電子デバイスは、限定されないが、携帯電話、デジタルカメラ、コンピューターゲーム機、デジタル音楽プレーヤー、及び携帯情報端末などの携帯型電子デバイスを含む任意のタイプの電子デバイスであってよい。電力供給システム10は、燃料供給部14、1つ又は複数の燃料電池16、及びDC−DCコンバーター18を含むことができる。
【0029】
図1では、電力供給システム10は電子デバイス12から分離されて示されているが、電力供給システム10は、電子デバイス12内に収容することができる。あるいは、電力供給システム10が電子デバイス12の外部にあってもよく、これには、電力供給システム10が電子デバイス12の外部充電器として使用可能な場合を含めることができる。
【0030】
燃料供給部14は、必要に基づいて、1つ又は複数の燃料電池16に指定圧力で燃料を送るように構成できる。一実施例では、燃料供給部14から1つ又は複数の燃料電池16に供給される燃料は、水素であってよい。燃料供給部14の燃料は、気体又は液体であってよく、また、実質的に純粋であっても、又は微量のその他のガスを含む改質ガスであってもよい。燃料供給部14は水蒸気を含むことができる。燃料供給部14の燃料が液体の場合、燃料には、メタノール、エタノール、ギ酸、又はNaBH4もしくはその他の水素含有材料を含むことができる。
【0031】
本明細書の図1及びその他の図に示すように、燃料電池16は、組み合わせて使用される1つ又は複数の燃料電池16を含むことができる。一実施例では、1つ又は複数の燃料電池16は、平面燃料電池配列を備えることができる。その他の実施例では、1つ又は複数の燃料電池16は、積層配列、スパイラル配列、又は他の任意の構造/配置であってよい。
【0032】
1つ又は複数の燃料電池16は、電子デバイス12に供給可能な電力P1を生成するように構成できる。1つ又は複数の燃料電池16からの電力P1は、1つ又は複数の燃料電池16により生成された電流C1と電圧V1の積(オームの法則)である。DC−DCコンバーター18は、1つ又は複数の燃料電池16に接続された入力及び電子デバイス12に接続された出力を備えることができる。DC−DCコンバーター18は、1つ又は複数の燃料電池16から電流C1と電圧V1として電力P1を受け取ることができる。DC−DCコンバーター18は、電子デバイス12に対し、出力電流C2と共に、より低い、より高い、又は類似の出力電圧V2を送ることができ、それにより、DC−DCコンバーターは電子デバイス12に電力P2を送ることができる。DC−DCコンバーター18は、実質的に一定電圧で出力電圧V2を送ることができる。DC−DCコンバーター18から送られた電力P2は、DC−DCコンバーター18の電力損失に基づいて、1つ又は複数の燃料電池16からDC−DCコンバーター18に送られた電力P1より小さくあり得る。
【0033】
燃料供給部14が水素生成システムを組み込んでいる一実施例では、適切な圧力調整手段を介して1つ又は複数の燃料電池16に水素を供給できる。1つ又は複数の燃料電池16により生成され、そこから引き出される電流(電流C1)は、電子デバイス12の電力需要に依存してよい。1つ又は複数の燃料電池16からDC−DCコンバーター18により電流が引き出されない場合は、燃料供給部14は、最大圧力まで高め、その時点で、さらなる燃料供給部14からの水素生成又は放出を停止できる。1つ又は複数の燃料電池16から電流が引き出される場合は、1つ又は複数の燃料電池16は水素を消費し、これが次に1つ又は複数の燃料電池16中の水素の圧力を低下させ、これにより、水素圧力を回復するために、より多くの水素を生成させるか又は供給させることができる。1つ又は複数の燃料電池16に加わる負荷が減少し、より少ない電流が引き出される場合、水素消費は減少し、従って、水素圧力が増加し、これにより、燃料供給部14からの水素生成速度を調節するか止めることができる。その他の実施例では、燃料供給部14は、1つ又は複数の燃料電池116からの瞬間的な電力需要に基づいて1つ又は複数の燃料電池116への燃料の流れを調節するための類似の内部プロセスを持つその他の既知の手段を使って、提供又は生成できる。
【0034】
上述のように、DC−DCコンバーター18は、1つ又は複数の燃料電池16により生成される可変入力電流C1を受け取る。電子デバイス12の動作中に、電子デバイス12は、装置の電力需要に基づいてDC−DCコンバーター18から電流を引き出すことができる。それに応じて、DC−DCコンバーター18は、1つ又は複数の燃料電池16から電流を引き出すことができる。電子デバイス12が少量の電力を引き出している場合、1つ又は複数の燃料電池16から少量の電流を引き出すことができる。逆に、電子デバイス12が大量の電力を引き出している場合、DC−DCコンバーター18は、1つ又は複数の燃料電池16から大量の電流を引き出すことにより応答して、電子デバイス12の要求に適合させることができる。
【0035】
電子デバイス12からの電力需要が増加を続ける場合は、DC−DCコンバーター18は、1つ又は複数の燃料電池16からますます多くの電力を引き出し続ける。1つ又は複数の燃料電池からの電流C1が増加するに伴い、より多くの熱が1つ又は複数の燃料電池16により生成される。1つ又は複数の燃料電池16が電子デバイス12内に収容できる一実施例では、1つ又は複数の燃料電池16は、電子デバイス12中の大きな熱発生器と見なすことができる。さらに、1つ又は複数の燃料電池16は未制御電源であり、DC−DCコンバーター18は1つ又は複数の燃料電池16から可能な限り大きな電力を引き出す。しかし、1つ又は複数の燃料電池16は、最大電力出力を有し、電流C1が増加するに伴い電圧V1が急激に低下する可能性がある。1つ又は複数の燃料電池16の最大電力出力に到達するか又はこれを超えると、電圧出力が急落する場合がある。ますます多くの電流を引き出すに伴い、1つ又は複数の燃料電池16はますます多くの熱を生成し、1つ又は複数の燃料電池16の温度は上昇を続け、このことが、1つ又は複数の燃料電池16の性能及び/又は寿命に悪い影響を与える可能性がある。後述のように、一部は性能の最適化もしくは改善及び/又は1つもしくは複数の燃料電池16の加熱もしくはドライアウトの防止に基づいて、1つ又は複数の燃料電池16の温度をモニターし、調節することが重要となる場合がある。
【0036】
1つ又は複数の燃料電池16又は電子デバイス12の動作中に、少なくとも1つの温度をモニターし、調節又は制御をすることができる。このような温度は、例えば、安全性又は効率などの種々の理由のために調節することができる。例えば、1つ又は複数の燃料電池16の少なくとも1つの温度を調節できる。期せずして、燃料電池には、1つ又は複数の燃料電池16がより多量の電力を生成できる最適動作温度があり、この最適温度より低い又は高いずれは、様々な理由で電池により生成される電力を低下させる可能性があることを発見した。1つ又は複数の燃料電池16の内部動作温度は、特に、燃料電池により生成される熱と、1つ又は複数の燃料電池16が動作している環境温度の関数である。燃料電池温度を制御して、1つ又は複数の燃料電池16に最大電力量を生成させることができる。燃料電池温度の制御は、1つ又は複数の燃料電池16の許容可能なレベルを超えるドライアウトを防ぐことができる。このドライアウトは1つ又は複数の燃料電池16の性能に悪影響を与える場合がある。燃料電池温度を制御して、水素生成を制御できる。従って、1つ又は複数の燃料電池16の少なくとも1つの温度を制御することが有益な場合がある。
【0037】
同様に、様々な理由で電子デバイス12の少なくとも1つの温度を調節できる。例えば、電子デバイス12の全体のシステム温度を測定し制御できる。全体のシステム温度は、電子デバイス12の外面温度に相当し、これは、消費者の快適性と安全性基準(standards for consumer comfort and safety)に基づいて調整できる。
【0038】
1つ又は複数の燃料電池16又は電子デバイス12の温度制御手段には、加熱又は冷却を提供することを含めることができる。ヒートシンク又はファンなどの放熱装置を使って、1つ又は複数の燃料電池16及び/又は電子デバイス12から熱を除去し、1つ又は複数の燃料電池16及び/又は電子デバイス12の温度を下げることができる。しかし、予想外に、大きなヒートシンクなどの一部の放熱装置は燃料電池システムの性能を阻害することがあることが明らかになった。加えて、放熱装置及び複雑な温度制御システムは、例えば、全体の空き領域と重量の制約を考慮すると、採用が極めて難しい場合がある。
【0039】
本出願は、1つ又は複数の燃料電池16により生成される熱を減らして1つ又は複数の燃料電池16又は電子デバイス12の所定の温度を制限するシステムと方法について記載する。システムから熱を除去して所定の温度を下げる温度降下手段の使用の代わりに、又はそれに加えて、本明細書で記載のシステムと方法は、所定の温度が高すぎる場合に、DC−DCコンバーター18の電流(入力又は出力電流のいずれか)を制限して、熱発生を減らす。DC−DCコンバーター電流を所定の温度の関数として制限できる。図2〜5を参照して以降でさらに記載するように、DC−DCコンバーター18の電流の制限は、それにより、1つ又は複数の燃料電池16から引き出された電流を制限でき、これを使って、1つ又は複数の燃料電池16の熱発生を制限し、1つ又は複数の燃料電池16の温度を下げることができる。燃料電池温度に加えて、又はその代わりに、温度の関数としてDC−DCコンバーター電流を制限する方法とシステムを使って、図1のシステム10又は電子デバイス12内の任意の温度を制限することができる。システムと方法は、最小限の部品と回路を使って、かつ1つ又は複数の燃料電池16又は電子デバイス12内の大きな量の領域を占有することなく実現及び組み込み可能である。システムと方法は、電力供給に使用される燃料電池構造に関係なく実現できる。
【0040】
図2は、電子デバイス112に電力を供給する電力供給システム100の実施例を示す。図2では、一実施例において、電力供給システム100が電子デバイスから分離されて示されているが、電力供給システム100は、電子デバイス112内に収容することができ、また、図2A〜4Aのシステム100'、200、300及び300'にも同じことが言える。いくつかの実施例では、電力供給システム100を電子デバイス112内に完全に配置でき、また、図2A〜4Aのシステム100'、200、300及び300'にも同じことが言える。一実施例では、電力供給システム100は電子デバイス112の外側にあってもよく、また、図2A〜4Aのシステム100'、200、300及び300'にも同じことが言える。一実施例では、電力供給システム100は、電子デバイス112に電力を供給する外部充電器であってもよい。
【0041】
電力供給システム100は、燃料供給部114、1つ又は複数の燃料電池116、DC−DCコンバーター118、及び以降でさらに記載のようにDC−DCコンバーター118に接続できる温度センサー120を含むことができる。燃料供給部114及び1つ又は複数の燃料電池116は、図1に関連して上記した燃料供給部14及び1つ又は複数の燃料電池16と類似であってよい。1つ又は複数の燃料電池116には、任意のタイプの既知の燃料電池構造を含めることができる。
【0042】
温度センサー120は、電力供給システム100又は電子デバイス112内の温度Tを測定するように構成できる。図2では、温度センサー120は、電力供給システム100内に存在するものとして示されているが、温度センサー120の物理的な位置はその他の領域中の位置であってよい。例えば、温度センサー120は、電子デバイス112中に配置されてもよい。これに関しては、以下で詳細に記述する。
【0043】
図1に関連して同様に上で記載されているように、1つ又は複数の燃料電池116は、DC−DCコンバーター118へ入力できる電流C1及び電圧V1を生成できる。電力供給システム100は、DC−DCコンバーター118が電流制限値Cを備えることができるように構成することができる。電流制限値Cは、測定温度の関数として調整できる。本発明で使用する場合、「電流制限値Cの調整」は、電流制限値Cが一定時間にわたり動的に調整又は変更できることを意味する。本発明で使用する場合、電流制限値Cは、DC−DCコンバーター118の入力電流制限値又はDC−DCコンバーター118の出力電流制限値であってよい。電流制限値Cを調整して、1つ又は複数の燃料電池16による熱発生を減らして測定温度Tを制限することができる。電流制限値Cは温度Tに反比例してもよい。測定温度Tが高まるに伴い、電流制限値Cを下げることができる。測定温度Tが低下するのに伴い、電流制限値Cを上げることができる。
【0044】
DC−DCコンバーター118は限流機能を有し、電力供給システム100の動作中に電流制限値Cを動的に変動させる又は変更することができる。DC−DCコンバーター118の電流制限値Cは、その特定のDC−DCコンバーターの仕様と設計に基づく最大値を有することができる。従って、電流制限値Cは変わることができるが、最大値を超えることはできない。入力電力P1が出力電圧V2と電流制限値Cの積により設定される出力電力を超えないように電流制限値Cを変更することにより、DC−DCコンバーター118に対する入力電流C1を調整できる。出力電流C2が電流制限値Cを超えないようにDC−DCコンバーター118に対する入力電力P1が制御されるので、電力供給システム100は、1つ又は複数の燃料電池116から引き出される電力P1を制限できる。
【0045】
電流制限値Cが入力電流制限値である一実施例では、入力電流制限値Cは、1つ又は複数の燃料電池116からDC−DCコンバーター118への電流C1を制限できる。電流制限値Cが出力電流制限値である一実施例では、DC−DCコンバーター118が実質的に一定の出力電圧V2を有すると仮定すると、出力電流制限値Cは、1つ又は複数の燃料電池116を実質的に一定の電力P1で動作させることができ、従って、燃料電池電圧V1は変動することができ、また、電流C1は変動することができる。
【0046】
限流機能を有するDC−DCコンバーター118は、市販設計のDC−DCコンバーターであっても、又はLM3150「Simple Switcher(登録商標)Controller」もしくはLM25117「Wide Input Range Synchronous Buck Controller」(それぞれTexas Instrumentsから入手可能)、MAX5061「0.6V to 5.5V Output, Parallelable, Average−Current−Mode DC−DC Controller」(Maxim Integratedから入手可能)、又はLV5068V「Non−Synchronous Rectification 1ch Step−Down Switching Regulator Control IC」(ON Semiconductorから入手可能)などの標準量産品のDC−DCコンバーターであってもよい。
DC−DCコンバーター118に対する電流制限の実行は、DC−DCコンバーター118の具体的な設計に依存してよい。DC−DCコンバーター118は、電流制限値Cを変えるためにDC−DCコンバーター118により使用可能な入力パラメーターを受け取ることができる。一実施例では、入力パラメーターは抵抗値であってよく、電流制限値Cは抵抗値に応じて変えることができる。その他の実施例では、電流制限値Cを変える入力パラメーターには、限定されないが、静電容量又は電圧を含むことができる。「Voltage Regulation of a DC/DC Converter」という名称の米国特許出願公開第2012/0306278号を参照する。
【0047】
DC−DCコンバーター118から引き出される電流(出力電流C2)は、電子デバイス112の電力需要を基準とすることができる。従って、同様に、DC−DCコンバーター118への入力電流C1も、電子デバイス112の電力需要を基準とすることができる。電子デバイス112が電流制限値Cより小さい電流を生ずる量の電力をDC−DCコンバーター118から引き出す場合、電力供給システム100は、何らの変化なしに動作を続けることができる。電流制限値Cは、測定温度Tの関数であってよい。入力電流C1が電流制限値C未満である限り(電流制限値Cが入力電流制限値である場合)、測定温度Tは、電力供給システム100の動作に影響を与えていない温度レベルであることができる。換言すれば、測定温度Tは十分低く、入力電流C1を入力電流制限値Cに到達させてしまうことはない。同様に、電流制限値Cが出力電流制限値の場合、電力供給システム100は、出力電流C2が電流制限値C未満である限り、何らの変化なしに動作することができる。これは低電力モードと呼ぶことができ、電力供給システム100は、1つ又は複数の燃料電池116により生成される電流C1又は電力P1に対する制限なしに動作する。この低電力モードは、電子デバイス112の動作条件又は需要に基づき、従って、システム100のユーザーにより選択された動作モードではない場合がある。例えば、入力電流C1又は出力電流C2は、電流制限値C未満になるように、1つ又は複数の燃料電池116により発生する熱の消散に十分な程度に周辺環境の温度を低くできる。別の実施例では、電子デバイス112の電力需要が十分に少なく、1つ又は複数の燃料電池116により発生する熱は、結果として、電流制限値C未満の入力電流C1又は出力電流C2をもたらす。
【0048】
対照的に、入力電流C1が入力電流制限値C又は出力電流C2が出力電流制限値C(入力電流制限値であるか、又は出力電流制限値であるかに応じて)に近づくと、電力供給システム100は、限流モードに移行することができる。測定温度Tに従って、電流制限値Cは接近又は到達される。従って、限流モードはユーザーにより選択されるのではなく、システム100は測定温度Tに基づいて限流モードで動作する。上述のように、電流制限値Cは温度Tに反比例してよい。限流モードでは、電流制限値Cが入力電流制限値である場合、電力供給システム100は、入力電流C1を減らして1つ又は複数の燃料電池116により引き出される電流を減らし、それにより、1つ又は複数の燃料電池116により発生する熱を減らすことができる。熱発生の低減により、測定温度Tを下げることができる。電流制限値Cが出力電流制限値の場合、限流モードにおいて、入力電流C1及び入力電圧V1を変えて出力電流C2を減らすことができ、これにより電力P1の低下をもたらすことができる。電力P1の低減は、同様に1つ又は複数の燃料電池116により生じた熱を減らすことができ、これにより測定温度Tを下げることができる。一定の期間にわたり測定温度Tが低下するのに伴い、電流制限値Cを上げることができる。
【0049】
1つ又は複数の燃料電池116からの出力電流C1又は電力P1の低減により、1つ又は複数の燃料電池116により生成される熱を直接減らすことができる。1つ又は複数の燃料電池116は大きな発熱源である場合があるので、この低減を利用して、燃料電池116の領域又はその近傍の領域で測定される温度を下げることができる。1つ又は複数の燃料電池116が電子デバイス112内に収容される場合、1つ又は複数の燃料電池116からの熱の低減は、通常、電子デバイス112のどの場所の温度でも下げることができる。
【0050】
一実施例では、1つ又は複数の燃料電池116からの出力電流C1が減るに伴い、1つ又は複数の燃料電池116からの電力P1を減らすことができる。場合によっては、1つ又は複数の燃料電池116からの電力P1の低下は、電子デバイス112の電力需要が高い場合でも起こることがある。従って、温度Tの制限が、電子デバイス112の電力需要を満たすことより優先される場合がある。その他の実施例では、1つ又は複数の燃料電池116からの出力電流C1が減少するに伴い、1つ又は複数の燃料電池116からの電力P1は、一部は出力電圧V1に応じて、同じのままか又は増加する場合がある。
【0051】
上述のように、電力供給システム100は、低電力モードを備えることができ、この場合、測定温度Tは、電流制限値Cが入力電流制限値か又は出力電流制限値かに応じて、入力電流C1又は出力電流C2のいずれかを超える電流制限値Cを維持する。一実施例では、低電力モードは、1つ又は複数の燃料電池116を、例えば、効率に基づく好ましい動作温度又は温度範囲より低いとし得る温度で動作させることを含むことができる。電力供給システム100の1つ又は複数の燃料電池116は、より低温で動作でき、最小動作温度は有さない。
【0052】
温度センサー120は、電力供給システム100上又はその内部の実質的にどこにでも配置できる。従って、電力供給システム100の温度は、システム100又はシステム100の任意の部品内の任意の温度であってよく、これには、1つ又は複数の燃料電池116の温度又は1つ又は複数の燃料電池116の周辺の領域又は部品の温度を含む1つ又は複数の燃料電池116を含めることができる。電力供給システム100が電子デバイス112内に配置されるいくつかの実施例では、温度センサー120は、電子デバイス112上又は内の実質的にどこにでも配置できる。従って、電子デバイス112の温度は、電子デバイス112又は装置112の任意の部品内の任意の温度であってよい。一実施例では、温度センサー120は、その中の任意の温度感受性部品の温度を測定するように設計できる。例としては、限定されないが、1つ又は複数の燃料電池116の内の少なくとも1つの負極又は正極温度などの1つ又は複数の燃料電池116の温度、燃料供給部114の温度、電子デバイス112の内側の温度、又は電子デバイス112の外側の温度、が挙げられる。電力供給システム100は、たとえ温度センサー120が異なる物理的位置にある場合でも、電力供給システム100又は電子デバイス112のその他の1つ又は複数の温度を計算するか、又は推定するように構成できる。例えば、温度センサー120は、電子デバイス112の内側部分に配置でき、従って、測定温度Tは、電子デバイスの内側部分に対応可能である。しかし、電子デバイス112の熱的特性に基基づいて、測定温度Tを使って電子デバイスの外面の温度を測定でき、これは、ユーザーの快適性又は安全性にとって重要な場合がある。
【0053】
上述のように、温度センサー120は、測定温度Tが1つ又は複数の燃料電池116の温度であるように構成できる。上述のように、1つ又は複数の燃料電池116の温度をモニターし、制限することが有益な場合がある。温度Tが高すぎる場合、1つ又は複数の燃料電池116から引き出す電流を減らすために、電流制限値Cを下げることができる。上述のように、燃料電池からの出力電流C1又は出力電力P1の減少は、1つ又は複数の燃料電池116による熱発生量を減少させ、それにより、温度Tをさげる。その場合、1つ又は複数の燃料電池116の負荷の減少により、温度Tを直接下げることができる。電流制限値Cは、1つ又は複数の燃料電池116が最大燃料電池動作温度を超える温度で動作するのを防ぐように調節できる。一実施例では、温度上昇に対応して電流制限値Cが下がる時点と、温度Tが最大燃料電池動作温度未満に下がる時点との間で、時間のずれが存在する場合がある。電流制限値Cを使って、温度Tが最大燃料電池動作温度未満になる時間を最小化することができる。電流制限値Cと温度Tの間の相関は、この時間のずれを考慮するように構成できる。
【0054】
同様に上で記載のように、温度センサー120は、1つ又は複数の燃料電池116の温度の測定に加えて、又はそれに代えて、電力供給システム100の異なる領域又は電子デバイス112の温度Tを測定するように構成できる。一実施例では、電力供給システム100が電子デバイス112の内側に配置される場合、電流制限値Cを調整して電子デバイス112が最大電子デバイス温度より大きい温度で動作するのを防ぐことができる。すぐ前の段落と同じ制御機構を使うことができ、例えば、電流制限値Cを測定温度Tに対応して下げることができ、これは、燃料電池からの電流C1又は電力P1を低下させ、燃料電池による熱発生を減らす。その場合、燃料電池116をさらに使用して、電力供給システム100及び電子デバイス112中の全体熱発生を減らし、システム100又は電子デバイス112のいくつかの他の領域で測定した温度を間接的に下げることができる。電子デバイス112には、1つ又は複数の燃料電池116に加えて、他の熱源を含めることができる。上述のように、1つ又は複数の燃料電池116は、電子デバイス112内の大きな熱源になる場合がある。2つ以上の熱源が存在し、温度Tの上昇に寄与する場合があるが、電力供給システム100は、1つ又は複数の燃料電池116に加わる負荷を制御して温度Tを制限するように構成できる。
【0055】
一実施例では、電力供給システム100は、システム100からの熱を除去するためのヒートシンクもしくはファンを実質的に含まないか、又は最小限にするようにできる。その代わりに、電力供給システム100は、測定温度が高くなる場合に、電流制限値Cを使用して、1つ又は複数の燃料電池116による熱発生を制限するか、又は減らし、それにより、電力システム100又は電子デバイス112の温度を下げることができる。従来のタイプの熱除去装置が存在しないことにより、例えば、電力供給システム100又は電子デバイス112のためのより小さく、かつ、より単純な設計の実現を容易にできる。一実施例では、本明細書で記載の電流制限値Cの制御と組み合わせて、ヒートシンクもしくはファン、又は他のタイプの熱除去手段を電力供給システム100又は電子デバイス112に含めることができる。
【0056】
測定温度Tの関数としての電流制限値Cの調整は、任意の好適な方法で実現できる。調整には、例えば、制御システムを必要としない、温度センサーとDC−DCコンバーターの直接接続から、プログラマブル論理回路を含むデジタル制御システムまでの範囲を含めることができる。
【0057】
図2に示すように、電力供給システム100は、温度センサー120がDC−DCコンバーター118に直接接続できるように構成することができる。一実施例では、温度センサー120は、サーミスターであってよく、所定の温度変化は抵抗値の正又は負の変化により表すことができる。サーミスターは温度変化に応答して大きな抵抗値の変化を示すことができる。一実施例では、負の温度係数(NTC)のサーミスターを使用できる。特定のNTCサーミスターは、必要とする正確さのみならず、一部は測定される温度と抵抗値の範囲に基づいて選択できる。
【0058】
サーミスターを使用する一実施例では、温度Tは、サーミスターにより測定された抵抗値R1と相関させることができる。DC−DCコンバーター118への電流制限値Cが抵抗値により調整される場合で、サーミスターの抵抗値の範囲がDC−DCコンバーター118の限流機能の抵抗値範囲と合致する場合には、サーミスターはDC−DCコンバーター118に対する測定抵抗値R1を提供することにより、電流制限値Cを直接変更することができる。一実施例では、サーミスターは、DC−DCコンバーター118の限流抵抗器と置き替わることができ、サーミスターはフィードバック温度に基づくDC−DCコンバーター118に限流機能を提供できる。
【0059】
図2Aは、電力供給システム例100'を示す。これは図2の電力供給システム100に類似していてよい。電力供給システム100では、DC−DCコンバーター118は電子デバイス112に直接接続でき、一方、図2Aの電力供給システム100'では、DC−DCコンバーター118は電力管理システム113'に接続できる。電子デバイス112'は、電力管理システム113'に接続できる。従って、DC−DCコンバーター118'は、電力管理システム113'を介して電子デバイス112'に接続できる。
【0060】
電力管理システム113'は、1つ又は複数の燃料電池116'から電力を要求することができ、さらに、電力P3を電子デバイス112'に送ることができる。従って、電力管理システム113'は、電子デバイス112'への電力P3の送出を制御できる。電力P3は、電力管理システム113'が電子デバイス112'の他の電源及び電力需要を有するかどうかに一部応じて基づいて、DC−DCコンバーター118からの電力P2より大きくても、又は小さくてもよい。
【0061】
図2Aには示されていないが、電力管理システム113'は、1つ又は複数のハイブリッドバッテリーを含むことができる。ハイブリッドバッテリーを使って、1つ又は複数の燃料電池116'から電子デバイス112'への電力を補うことができる。例えば、1つ又は複数のハイブリッドバッテリーは、1つ又は複数の燃料電池116'により電子デバイス112'にすぐに供給できる量を超える電力を供給でき、又は1つ又は複数の燃料電池116'への燃料供給が中断した場合に電力を供給できる。1つ又は複数の燃料電池116'は、1つ又は複数のハイブリッドバッテリーに電力を供給して、ハイブリッドバッテリーを補充することができる。
【0062】
電力管理システム113'を使って、2つ以上の電子デバイスに電力を供給できる。従って、図2Aの電子デバイス112'は、1つ又は複数の電子デバイスを含むことができる。電力は同時に複数のデバイスに供給でき、又は電力管理システム113'は1つ又は複数のモニタリングシステムを備え、複数の電子デバイスの内のどのデバイスが所定の時点で電力を必要としているかを判断できる。図2Aは、電力管理システム113'の部品を含まない。本明細書では、電力管理システム113'を備え、本明細書で記載の電力供給システム100'及びその他の電力供給システムはDC−DCコンバーターの電子デバイスに対する直接接続を備えることができるか、又は電力供給システムはDC−DCコンバーターと1つ又は複数の電子デバイスとの間に電力管理システムを備えることができることが示されている。
【0063】
図3は、電子デバイス200に電力を供給する電力供給システム200の実施例を示す。電力供給システム200は、図2に関連して前に記載された電力供給システム100と類似であってよいが、電力供給システム200は、温度センサー120のDC−DCコンバーター118への直接接続ではなく、電流制限値Cを調整する制御装置224を備えることができる。一実施例では、制御装置224はアナログ回路を備えることができる。システム100と同様に、この場合でも、温度センサー220により所定の温度Tが測定できる。温度センサー220は任意のタイプの温度検出装置を備えることができる。温度センサー220には、限定されないが、任意のタイプの抵抗温度検出器、サーミスター、半導体接合、又は熱電対が含まれる。
【0064】
一実施例では、図3に示すように、温度Tは抵抗値R1として温度センサー220により測定でき、この値は制御装置224への入力とすることができる。制御装置224は抵抗値R1を取り込み、DC−DCコンバーター218が抵抗値を使って電流制限値Cを調節するように構成されている場合、抵抗値R1に比例する値であってよいフィードバック抵抗値R2をDC−DCコンバーター218に与えることができる。従って、可変電流制限値Cは、温度センサー220により測定された抵抗値R1を基づくことができる。
【0065】
一実施例では、図3では抵抗値R1が示されているが、温度センサー220は、例えば、電圧などの温度を表す任意のパラメーターを測定できる。図3に示す抵抗値R1の代わりに、測定されたパラメーターを制御装置224に入力できる。同様に、DC−DCコンバーター218は、抵抗値以外のパラメーターを使って電流制限値Cを調節するように構成でき、この場合には、DC−DCコンバーター218への入力信号は図3に示す抵抗値R2以外のものであってよい。制御装置224は、温度Tを表す温度センサー220からのパラメーターを受けて、それをDC−DCコンバーター218が電流制限値Cを調節するために使用可能なパラメーターに変換するように構成できる。
【0066】
図3には示されていないが、図2Aに関連して前に記載した電力管理システムを図3の電力供給システム200と組み合わせて使用できる。
【0067】
図4は、電子デバイス312に電力を供給する電力供給システム300の実施例を示す。電力供給システム300の制御装置330は、図5に関連して以降でさらに記載するデジタルシステムであってよい。温度センサー320は、制御装置330に供給されるか又は入力される温度Tの測定用の任意のタイプの温度検出素子であってよい。以降でさらに記載するように、制御装置330はDC−DCコンバーター318への温度Tに基づく入力信号S1を判定することができる。入力信号S1はDC−DCコンバーター318の電流制限値Cと相関させることができる。
【0068】
図4Aは、図4の電力供給システム300に類似であってよい電力供給システム300'の実施例を示す。電力供給システム300'はDC−DCコンバーター318'及び制御装置330'を備えることができる。これらは一緒に、制御システム315'の一部を構成でき、この場合、DC−DCコンバーター318'の機能性の少なくとも一部をデジタル制御システム内で実行できる。図4のシステム300では、DC−DCコンバーター318は専用かつディスクリート型DC−DCコンバーター回路又はチップを備えることができる。システム300'では、DC−DCコンバーター318'の機能の少なくとも一部を制御装置330'内に設けて、システム300'中でのDC−DCコンバーターチップの使用を省くことができる。DC−DCコンバーター318'は、例えば、デジタル制御装置330'中のパルス幅変調プログラムを使って、ソフトウェア機能として実行できる。DC−DCコンバーター318'を動作させるためにインダクター及びコンデンサーなどの1つ又は複数のアナログ部品を制御装置330'と組み合わせて使用できることは理解されよう。
【0069】
図4Aの電力管理システム313'は、図2Aの電力供給システム100'に加えて、電力管理システムが他の電力供給システムと一緒に使用できることを示す。電力管理システム313'は、図2Aを参照して前に記載の電力管理システム113'と同様に動作可能である。一実施例では、制御システム315'を備えるシステム300'は電力管理システム313'を取り除いて、DC−DCコンバーター318'を電子デバイス312'に直接接続できる。
【0070】
図5は、図4のデジタル制御システム330の一実施例である。図4と5に示す制御装置330に加えて、又はそれに代えて、他のタイプのデジタル制御システム又は構成も使用可能である。デジタル制御システム330は、アナログ・デジタル変換装置332、プログラマブル論理回路装置334、及び信号調整回路336を備えることができる。DC−DCコンバーター318の構造に応じて、信号調整回路336は制御システム330中に存在しても、存在しなくてもよい。デジタル制御システム330の全て又は一部は、電子デバイス312の一部であってもよく、又は図4に示すように、デジタル制御システム330は電力供給システム300の構成部品であってもよい。
【0071】
アナログ・デジタル変換装置332は、アナログ温度測定値(例えば、温度センサー320からの測定温度T)をプログラマブル論理回路装置334に入力できるデジタル方式で表された温度T'に変換するように構成できる。プログラマブル論理回路装置334は、例えば、アルゴリズム状態機械(ASM)、マイクロコントローラー、又は他のいずれかの既知の論理回路であってよい。プログラマブル論理回路334は、DC−DCコンバーター318のために電流制限値Cを計算するように構成できる。電流制限値Cは、例えば、温度を電流に相関させるアルゴリズムを使って、又は特定の温度に対応する電流制限値を決定するための表検索機能を使って、論理回路334により決定できる。
【0072】
計算した電流制限値Cは信号調整回路336に提供され、信号調整回路336は電流制限値CをDC−DCコンバーター318により使用可能な、対応する入力信号S1に変換できる。一実施例では、信号S1は抵抗値であってもよい。一実施例では、信号調整回路336は、電流制限値CをDC−DCコンバーター318にアナログ信号として供給できるように、デジタル・アナログ変換を備えることができる。一実施例では、DC−DCコンバーター318は、論理回路334から電流制限値Cを受け取るように構成でき、また、信号調整回路336を制御装置330から除外されることができる。
【0073】
本明細書で記載のものに加えて、又はその代わりに、その他の設計を使って温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整できる。電力供給システムの具体的な実行は、例えば、所望の温度制御精度レベル、電子デバイス設計の複雑さのレベル、ならびに使用可能領域とコストの制約、などを含めたいくつかの因子に依存し依存しうる。
【0074】
本明細書で記載の電力供給システムに関しては、1つ以上の温度センサーを使って電力供給システム及び/又は携帯型電子デバイスの2つ以上の温度を測定できる。その場合、DC−DCコンバーターに対する電流制限値Cは2つ以上の温度に基づいて決定できる。一実施例では、電力供給システムの制御装置は、複数の測定温度を受け取り、それに応じて電流制限値Cを調節するように構成できる。
【0075】
上の記載は制限することではなく、例示することを意図している。例えば、上記説明を考慮すれば、当業者なら他の実施形態を使用することができる。例えば、1つの記載実施形態のいくつかの要素をその他の記載実施形態のいくつかの要素と組み合わせて使用できる。また、上記の詳細な説明では、本開示を簡略化するために、種々の特徴が一緒にまとめられている場合がある。これにより、未請求の開示特徴が全ての請求にとって不可欠であることを意図するものと解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示実施形態の全てに満たない特徴に存在する場合がある。従って、次の請求項は、本明細書により詳細な説明中に組み込まれ、それぞれの請求項は別の実施形態として独立している。本発明の範囲は、添付の請求項、及び、このような請求項が権利を受ける等価物の全範囲を基準として決定されるべきである。
【0076】
上記の詳細な説明は、添付図面に対する言及を含み、この図面は詳細な説明の一部を構成する。図面は、実例として、本発明を実施できる具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は「実施例」とも呼ばれる。このような実施例は、示された又は記載されたものに加えていくつかの要素を含むことができる。しかし、本発明者らは、示された又は記載されたこれらの要素のみが提供される実施例も意図している。さらに、本発明者らは、本明細書で示された又は記載された特定の実施例(又はそれらの1つ又は複数の態様)に関連して、又はその他の実施例(又はそれらの1つ又は複数の態様)に関連して、示された又は記載されたこれらの要素の任意の組み合わせ又は並び替えを使った実施例(又はそれらの1つ又は複数の態様)も意図している。
【0077】
本出願は次の代表的実施形態を提供するが、これらの番号付けは重要性のレベルを示すものと解釈されるべきではない:
【0078】
実施形態1は、携帯型電子デバイスへの電力供給システムを提供し、システムは、携帯型電子デバイス及びシステムの内の少なくとも1つの温度を測定するように構成された温度センサーと、電力を生成するように構成された1つ又は複数の燃料電池と、1つ又は複数の燃料電池に接続された入力及び携帯型電子デバイスに接続された出力を含むDC−DCコンバーターとを含み、DC−DCコンバーターは、1つ又は複数の燃料電池から入力電流と入力電圧として電力を受け取り、実質的に一定電圧で電子デバイスに出力電力を供給するように構成され、また、DC−DCコンバーターは、測定温度の関数として変化する電流制限値を備える。
【0079】
実施形態2は、電流制限値が測定温度の逆関数として変化する、実施形態1のシステムを提供する。
【0080】
実施形態3は、携帯型電子デバイスによる電力需要の量に関係なく、1つ又は複数の燃料電池により生成された電流量がDC−DCコンバーターの電流制限値の低下に比例して減少する、実施形態1又は2のシステムを提供する。
【0081】
実施形態4は、携帯型電子デバイスにより受け取られる実質的に全ての電力が1つ又は複数の燃料電池により供給される、実施形態1〜3のいずれかのシステムを提供する。
【0082】
実施形態5は、低電力モードをさらに含み、このモードでは、1つ又は複数の燃料電池により生成された電力が、携帯型電子デバイスの低電力需要の関数として減らされる、実施形態1〜4のいずれかのシステムを提供する。
【0083】
実施形態6は、低電力モードが1つ又は複数の燃料電池の制限されない最小動作温度を備える、実施形態5のシステムを提供する。
【0084】
実施形態7は、温度センサーが携帯型電子デバイスの内部ハウジングに配置される、実施形態1〜6のいずれかのシステムを提供する。
【0085】
実施形態8は、システムが内部ハウジングの測定温度に基づいて携帯型電子デバイスの外面の温度を決定する、実施形態7のシステムを提供する。
【0086】
実施形態9は、温度センサーが1つ又は複数の燃料電池又はその近くに配置される、実施形態1〜8のいずれかのシステムを提供する。
【0087】
実施形態10は、1つ又は複数の燃料電池の内の少なくとも1つの負極温度が測定される、実施形態9のシステムを提供する。
【0088】
実施形態11は、1つ又は複数の燃料電池の内の少なくとも1つの正極温度が測定される、実施形態9のシステムを提供する。
【0089】
実施形態12は温度センサーが1つ又は複数の燃料電池の燃料源又はその近くに配置される、実施形態1〜11のいずれかのシステムを提供する。
【0090】
実施形態13は、温度センサーが、サーミスター、半導体接合、抵抗温度検出器、及び熱電対からなる群から選択される、実施形態1〜12のいずれかのシステムを提供する。
【0091】
実施形態14は、電流制限値が入力電流制限値である、実施形態1〜13のいずれかのシステムを提供する。
【0092】
実施形態15は、電流制限値が出力電流制限値である、実施形態1〜13のいずれかのシステムを提供する。
【0093】
実施形態16は、DC−DCコンバーターと携帯型電子デバイスとの間に配置された電力管理システムをさらに含み、電力管理システムが、1つ又は複数の燃料電池から携帯型電子デバイスに電力を送るように構成される、実施形態1〜15のいずれかのシステムを提供する。
【0094】
実施形態17は、DC−DCコンバーターの機能の一部がデジタル制御システムにより実行される、実施形態1〜16のいずれかのシステムを提供する。
【0095】
実施形態18は、測定温度をモニターし、測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整するように構成された制御装置をさらに含む、実施形態1〜17のいずれかのシステムを提供する。
【0096】
実施形態19は、1つ又は複数の燃料電池及びDC−DCコンバーターが携帯型電子デバイスの内側に配置される、実施形態1〜18のいずれかのシステムを提供する。
【0097】
実施形態20は、1つ又は複数の燃料電池が平面燃料電池配列を備える、実施形態1〜19のいずれかのシステムを提供する。
【0098】
実施形態21は、携帯型電子デバイス用の燃料電池電力供給システムを制御する方法を提供し、方法は、1つ又は複数の燃料電池からDC−DCコンバーターに電流を供給すること、及び電力供給システム及び携帯型電子デバイスの内の少なくとも1つの測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整することを含む。
【0099】
実施形態22は、DC−DCコンバーターの電流制限値を測定温度の関数として調整することが、携帯型電子デバイスの電力需要に関係なく、1つ又は複数の燃料電池からの出力電流を制限することを含む、実施形態21の方法を提供する。
【0100】
実施形態23は、DC−DCコンバーターの電流制限値が測定温度の逆関数として変化する、実施形態21又は22の方法を提供する。
【0101】
実施形態24は、測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整することが、DC−DCコンバーターにサーミスターを接続することを含む、実施形態21〜23のいずれかの方法を提供する。
【0102】
実施形態25は、測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整することが、制御装置を使って測定温度をモニターし、DC−DCコンバーターの電流制限値を決定することを含む、実施形態21〜24のいずれかの方法を提供する。
【0103】
実施形態26は、測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整することが、1つ又は複数の燃料電池の最大燃料電池動作温度を超える温度での動作を防ぐか又は最小限にすることを含む、実施形態21〜25のいずれかの方法を提供する。
【0104】
実施形態27は、測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整制御することが、携帯型電子デバイスの最大電子デバイス温度を超える温度での動作を防ぐことを含む、実施形態21〜26のいずれかの方法を提供する。
【0105】
実施形態28は、DC−DCコンバーターの電流制限値が入力電流制限値である、実施形態21〜27のいずれかの方法を提供する。
【0106】
実施形態29は、DC−DCコンバーターの電流制限値が出力電流制限値である、実施形態21〜27のいずれかの方法を提供する。
【0107】
実施形態30は、DC−DCコンバーターの機能の一部がデジタル制御システムにより実行される、実施形態21〜29のいずれかの方法を提供する。
【0108】
実施形態31は、電力管理システムがDC−DCコンバーターと携帯型電子デバイスとの間に配置され、電力管理システムが1つ又は複数の燃料電池から携帯型電子デバイスに電力を送るように構成される、実施形態21〜30のいずれかの方法を提供する。
【0109】
実施形態32は、携帯型電子デバイス用の電力供給システムの制御方法を提供し、方法は、1つ又は複数の燃料電池及びDC−DCコンバーターを含む電力供給システムを用意すること、1つ又は複数の燃料電池から電力を生成すること、1つ又は複数の燃料電池から可変電圧と可変電流として電力がDC−DCコンバーターに供給されるように、1つ又は複数の燃料電池をDC−DCコンバーターに接続すること、DC−DCコンバーターから携帯型電子デバイスに実質的に一定電圧で出力電力を供給すること、携帯型電子デバイス及び電力供給システムの内の少なくとも1つの温度を測定すること、及び測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整し、それにより、DC−DCコンバーターの調整された電流制限値の関数として1つ又は複数の燃料電池からの出力電流を調整することを含む。
【0110】
実施形態33は、1つ又は複数の燃料電池から電力を生成することが、携帯型電子デバイスの低下した電力需要に対応して低電力モードで1つ又は複数の燃料電池を動作させることを含む、実施形態32の方法を提供する。
【0111】
実施形態34は、低電力モードが、1つ又は複数の燃料電池の制限されない最小動作温度を含む、実施形態32又は33のいずれかの方法を提供する。
【0112】
実施形態35は、測定温度の関数としてDC−DCコンバーターの電流制限値を調整することが、測定温度が高まるに伴い電流制限値を下げることを含む、実施形態32〜34のいずれかの方法を提供する。
【0113】
実施形態36は、DC−DCコンバーターから携帯型電子デバイスに出力電力を供給することが、携帯型電子デバイスへの電力の送出を制御する電力管理システムに出力電力を供給することを含む、実施形態32〜35のいずれかの方法を提供する。
【0114】
実施形態37は、DC−DCコンバーターの機能の一部がデジタル制御システムにより実行される、実施形態32〜36のいずれかの方法を提供する。
【0115】
実施形態38は、携帯型電子デバイス及び電力供給システムの内の少なくとも1つの温度を測定することが、携帯型電子デバイス又は電力供給システムの内の少なくとも1つの内部又は表面上にある温度検出素子の電気抵抗値を測定することを含む、実施形態32〜37のいずれかの方法を提供する。
【0116】
実施形態39は、携帯型電子デバイス及び電力供給システムの内の少なくとも1つの温度を測定することが、携帯型電子デバイスの内部の温度を測定して携帯型電子デバイスが最大電子デバイス温度を超える温度で動作するのを防ぐことを含む、実施形態32〜38のいずれかの方法を提供する。
【0117】
実施形態40は、携帯型電子デバイスの内部の測定温度に基づいて携帯型電子デバイスの外面の温度を計算することをさらに含む、実施形態39の方法を提供する。
【0118】
実施形態41は、携帯型電子デバイス及び電力供給システムの内の少なくとも1つの温度を測定することが、1つ又は複数の燃料電池又はその近くの温度を測定して、1つ又は複数の燃料電池が最大燃料電池動作温度を超える温度で動作するのを防ぐことを含む、実施形態32〜40のいずれかの方法を提供する。
【0119】
実施形態42は、1つ又は複数の燃料電池が平面燃料電池配列を備える、実施形態32〜41のいずれかの方法を提供する。
【0120】
実施形態43は、1つ又は複数の燃料電池及びDC−DCコンバーターが、携帯型電子デバイスの内側に配置される、実施形態32〜42のいずれかの方法を提供する。
【0121】
実施形態44は、DC−DCコンバーターの電流制限値が入力電流制限値である、実施形態32〜43のいずれかの方法を提供する。
【0122】
実施形態45は、DC−DCコンバーターの電流制限値が出力電流制限値である、実施形態32〜43のいずれかの方法を提供する。
【0123】
実施形態46は、それぞれ、記載された全ての工程又は構成要素が使用又は選択できるように任意に構成できる、実施形態1〜45のいずれか1つもしくはそれらの組み合わせの方法又はシステムを提供する。
図1
図2
図2A
図3
図4
図4A
図5
【国際調査報告】