(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-515757(P2016-515757A)
(43)【公表日】2016年5月30日
(54)【発明の名称】モジュール式燃料電池及び燃料源
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20160425BHJP
H01M 8/0606 20160101ALI20160425BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/06 R
H01M8/04 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-508233(P2016-508233)
(86)(22)【出願日】2014年4月15日
(85)【翻訳文提出日】2015年11月17日
(86)【国際出願番号】GB2014051172
(87)【国際公開番号】WO2014170657
(87)【国際公開日】20141023
(31)【優先権主張番号】1306890.3
(32)【優先日】2013年4月16日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】504175659
【氏名又は名称】インテリジェント エナジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INTELLIGENT ENERGY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーナル,アンドリュー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ケルズ,アシュリー・ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB05
5H127AB29
5H127AC07
5H127BA01
5H127BA16
5H127BA24
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5H127BA57
5H127BA59
5H127BA60
5H127BB02
5H127BB18
5H127DC83
5H127EE13
(57)【要約】
燃料電池電力モジュールは、反応器モジュールにおける反応物の反応を制御するための制御要素のいくつかを含むアダプタにより、燃料供給反応器モジュールに連結される。アダプタは、筐体と、アダプタを燃料電池電力モジュールの燃料入口ポートに着脱可能に連結するための、筐体の中の第1の接続インターフェースと、アダプタを反応器モジュールの燃料出口ポートに着脱可能に連結するための、筐体の中の第2の接続インターフェースとを含む。流体ラインは、第1の接続インターフェースと第2の接続インターフェースとの間に延在する。アダプタは、反応器モジュールがアダプタに連結されたときに動力を反応器モジュールの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットを含む。アダプタは、燃料電池電力モジュールが、異なる形状因子及び異なる制御要件を有する異なるタイプの反応器モジュールとインターフェースすることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池電源のためのアダプタであって、
筐体と、
前記アダプタを燃料電池電力モジュールの燃料入口ポートに着脱可能に連結するための、前記筐体の中の第1の接続インターフェースと、
前記アダプタを反応器モジュールの燃料出口ポートに着脱可能に連結するための、前記筐体の中の第2の接続インターフェースと、
前記第1の接続インターフェースと前記第2の接続インターフェースとの間に延在する流体ラインと、
前記反応器モジュールが前記アダプタに連結されたときに動力を反応器モジュールの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットと、を備える、前記アダプタ。
【請求項2】
前記動力ユニットは、モーター及びポンプを備え、
前記第2の接続インターフェースはさらに、第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを備え、前記ポンプは、前記第1の反応物ポートと前記第2の反応物ポートとの間に延在する流体ラインの中に配置される、請求項1に記載の前記アダプタ。
【請求項3】
前記動力ユニットは、前記反応器モジュールの中のポンプヘッドに連結するための、前記第2の接続インターフェース上に配置される駆動出力を有する、ポンプモーターを備える、請求項1に記載の前記アダプタ。
【請求項4】
前記モーター及びポンプは、蠕動ポンプを備える、請求項2に記載の前記アダプタ。
【請求項5】
前記駆動出力は、前記反応器モジュールが前記第2の接続インターフェースに連結されたときに反応器モジュールの中の蠕動ポンプヘッドと協働するように構成される、ローラーを備える、請求項3に記載の前記アダプタ。
【請求項6】
前記第1の接続インターフェースはさらに、燃料電池電力モジュールから制御信号及び/または電力を受け取るための電気接続インターフェースを含む、請求項1に記載の前記アダプタ。
【請求項7】
前記燃料電池電力モジュールから制御信号を受け取るための、前記電気接続インターフェースに連結される電子コントローラをさらに含む、請求項6に記載の前記アダプタ。
【請求項8】
前記第1の接続インターフェースはさらに、弁に連結される機械的アクチュエータを含み、前記機械的アクチュエータは、前記第1の接続インターフェースに連結されたときに燃料電池電力モジュールによって動作可能である、請求項1に記載の前記アダプタ。
【請求項9】
前記第1の接続インターフェースはさらに、弁に連結される機械的アクチュエータを含み、前記機械的アクチュエータは、前記第1の接続インターフェースに連結されたときに燃料電池電力モジュールによって動作可能である、請求項1に記載の前記アダプタ。
【請求項10】
前記第2の接続インターフェースは、前記反応器モジュールの閉鎖弁またはシールを動作させるための機械的アクチュエータを備える、請求項1に記載の前記アダプタ。
【請求項11】
前記動力ユニットを制御するように構成されるコントローラをさらに含む、請求項7に記載の前記アダプタ。
【請求項12】
前記動力ユニットは、流れ制御弁を備え、
前記第2の接続インターフェースはさらに、第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを備え、切り替え弁が、前記第1の反応物ポートと前記第2の反応物ポートとの間に延在する流体ラインの中に配置される、請求項1に記載の前記アダプタ。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のアダプタ、及び反応器モジュールを備えるモジュール式反応器アセンブリであって、
前記反応器モジュールは、前記アダプタの前記第2の接続インターフェースと係合して協働するように構成される、接続インターフェースを有する、前記モジュール式反応器アセンブリ。
【請求項14】
前記反応器モジュールは、
第1の反応物を含有する反応物リザーバと、
第2の反応物を含有する反応チャンバと、
前記反応物リザーバと前記反応チャンバとの間に延在する流路を備える流れ回路と、
前記反応チャンバに対する第1の反応物の流れを制御するための、前記流路の中の流れ制御要素であって、前記反応器モジュールが前記アダプタの前記第2の接続インターフェースに連結されたときに前記アダプタの前記動力ユニットによって駆動可能である、流れ制御要素と、を備える、請求項13に記載の前記モジュール式反応器アセンブリ。
【請求項15】
前記反応器モジュールは、
第1の反応物を含有する反応物リザーバと、
第2の反応物を含有する反応チャンバと、
前記反応物リザーバから前記反応器モジュールの接続インターフェースに延在する第1の流路、及び前記反応器モジュールの接続インターフェースから前記反応チャンバに延在する第2の流路を備える、流れ回路とを備え、
前記アダプタは、
それぞれが前記反応器の接続インターフェースの前記第1の流路及び前記第2の流路と係合する、前記第2の連通インターフェースの中の第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを備え、
前記動力ユニットは、前記反応器モジュールが前記アダプタの前記第2の接続インターフェースに連結されたときに、前記アダプタの前記流体ラインを介した前記反応チャンバに対する第1の反応物の流れを制御するための、前記第1の反応物ポートと前記第2の反応物ポートとの間に延在する流体ラインの中の流れ制御要素を備える、請求項13に記載の前記モジュール式反応器アセンブリ。
【請求項16】
前記アダプタは、前記反応器モジュールをその中に受け取る空洞を画定する、請求項13に記載の前記モジュール式反応器アセンブリ。
【請求項17】
前記空洞は、前記反応器モジュールを前記空洞の中に受け取ったときに閉鎖可能である、請求項16に記載の前記モジュール式反応器アセンブリ。
【請求項18】
前記反応器モジュールは、前記アダプタモジュールをその中に受け取る空洞を画定する、請求項13に記載の前記モジュール式反応器アセンブリ。
【請求項19】
燃料電池電源であって、
筐体と、
燃料電池電源を反応器モジュールの燃料出口ポートに着脱可能に連結するための、筐体の中の接続インターフェースと、
前記反応器モジュールが前記燃料電池電源に連結されたときに動力を反応器モジュールの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットと、を備える、前記燃料電池電源。
【請求項20】
前記動力ユニットは、モーター及びポンプを備え、
前記接続インターフェースはさらに、第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを備え、前記ポンプは、前記第1の反応物ポートと前記第2の反応物ポートとの間に延在する流体ラインの中に配置される、請求項1に記載の前記燃料電池電源。
【請求項21】
前記動力ユニットは、前記反応器モジュールの中のポンプヘッドに連結するための、前記接続インターフェース上に配置される駆動出力を有する、ポンプモーターを備える、請求項19に記載の前記燃料電池電源。
【請求項22】
前記モーター及びポンプは、蠕動ポンプを備える、請求項20に記載の前記燃料電池電源。
【請求項23】
前記駆動出力は、前記反応器モジュールが前記接続インターフェースに連結されたときに反応器モジュールの中の蠕動ポンプヘッドと協働するように構成される、ローラーを備える、請求項21に記載の前記燃料電池電源。
【請求項24】
前記接続インターフェースは、前記反応器モジュールの閉鎖弁またはシールを動作させるための機械的アクチュエータを備える、請求項19に記載の前記燃料電池電源。
【請求項25】
前記動力ユニットは、流れ制御弁を備え、
前記第2の接続インターフェースはさらに、第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを備え、前記切り替え弁が、前記第1の反応物ポートと前記第2の反応物ポートとの間に延在する流体ラインの中に配置される、請求項19に記載の前記燃料電池電源。
【請求項26】
燃料電池電源はさらに、反応器モジュールをその中に受け取ることができる、筐体の中の空洞を含む、請求項19に記載の前記燃料電池電源。
【請求項27】
燃料電池電源を動作させる方法であって、
a)アダプタを提供することであって、該アダプタは、
筐体と、
前記アダプタを燃料電池電力モジュールの燃料入口ポートに着脱可能に連結するための、前記筐体の中の第1の接続インターフェースと、
前記アダプタを反応器モジュールの燃料出口ポートに着脱可能に連結するための、前記筐体の中の第2の接続インターフェースと、
前記第1の接続インターフェースと前記第2の接続インターフェースとの間に延在する流体ラインと、
前記反応器モジュールが前記アダプタに連結されたときに動力を反応器モジュールの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットとを備える、アダプタを提供することと、
b)前記第1の接続インターフェースを燃料電池電力モジュールに連結することと、
c)前記第2の接続インターフェースを反応器モジュールに接続することと、
d)前記アダプタを介した前記反応器モジュールから前記燃料電池電力モジュールへの燃料の送達を制御することと、を含む、前記方法。
【請求項28】
前記アダプタの中の電子コントローラによって燃料の送達を制御するステップをさらに含む、請求項27に記載の前記方法。
【請求項29】
燃料電池電源を動作させる方法であって、
a)燃料電池電源を提供することであって、該燃料電池電源は、
筐体と、
前記燃料電池電源を反応器モジュールの燃料出口ポートに着脱可能に連結するための、前記筐体の中の接続インターフェースと、
前記反応器モジュールが前記燃料電池電源に連結されたときに動力を反応器モジュールの流れ回路に提供するように構成される流れ制御機構の動力ユニットと、を有する、燃料電池電源を提供することと、
b)前記接続インターフェースを反応器モジュールに連結することと、
c)前記燃料電池電源の中の前記動力ユニットを使用して、前記反応器モジュールから前記燃料電池電力モジュールへの燃料の送達を制御することと、を含む、前記方法。
【請求項30】
前記アダプタ内の動力ユニットを使用して、反応器モジュールから燃料電池電源への燃料の送達を制御するようにアダプタを構成するために、燃料電池電源のための前記アダプタにロードするように構成されるコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【請求項31】
前記燃料電池電源内の動力ユニットを使用して、反応器モジュールから燃料電池電源への燃料の送達を制御するように前記燃料電池電源を構成するために、前記燃料電池電源にロードするように構成されるコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【請求項32】
請求項27〜29のいずれかに記載の前記方法を行うように構成されるコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学燃料電池に関し、特に、排他的ではないが、交換可能なプラグイン型燃料リザーバを有するポータブル電源として使用するように構成される電気化学燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、たくさんの人々が、携帯電話、パーソナル音楽プレーヤー、ポータブルコンピュータ、パーソナルゲーミングデバイス、及び同類のもの等の、いくつかのポータブル電子デバイスを日常的に携持している。これらのデバイスは、デバイスの延長動作のために、またはデバイスを再充電するために、日常的に、主電力供給源への接続を必要とする。電気化学燃料電池技術における最近の発展は、そのようなポータブル電子デバイスのための電力源としてのコンパクトな燃料電池の開発を可能にした。これらの燃料電池電源は、ポータブル電子デバイスに統合され得、または別個の電力アダプタもしくは充電器ユニットとして提供され得る。
【0003】
燃料電池電源は、燃料、一般には水素の供給を必要とする。十分にポータブルな、燃料電池に基づく電源には、コンパクトで、安全で、かつ制御可能な水素の供給源を有することが望ましい。水素燃料を提供する1つの方法は、反応材料と水溶液または水との反応によって、要求されたときに水素ガスを発生する反応器モジュールによるものである。これは、加圧水素のキャニスタの使用等の水素貯蔵方法の代替案を提供する。
【0004】
既知のタイプの反応器は、反応チャンバ内に含有される安定化アルカリ金属材料等の反応燃料材料と、水チャンバから供給される水溶液または水との反応によって、要求に応じて水素を放出する。水が反応チャンバの中へ供給されると、水素ガスが発生し、反応チャンバにおいてガス圧力が生じ、これは、例えば燃料電池による消費のために反応チャンバから水素を取り出されることによって水素圧力が下がるまで、水のさらなる投入を止める。別の既知のタイプの反応器は、反応燃料材料が触媒を含有する反応チャンバの中へ送達されたときに、化学溶液リザーバから供給される反応燃料材料の反応によって、要求に応じて水素を放出する。水素発生装置の実施例は、WO2011/097198及びEP1375419において見出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いくつかの反応器モジュールの特徴は、流体を反応チャンバの中へ駆動し、それによって水素燃料を発生させる反応を開始するための動力を提供するという要件である。この動力は、ポンプ機構により提供され得、また、適切な弁及び制御システムによって制御され得る。これらの項目は、全般的に、本明細書において流れ制御機構と称される。一例において、流れ制御機構は、流れを調節するための制御弁と組み合わせて流体リザーバから反応チャンバの中へ流体を付勢する、機械的ばね荷重式チャンバを備え得る。別の例では、必要に応じて流体リザーバから反応チャンバの中へ流体を付勢するために、電気作動式ポンプが使用され得る。
【0006】
燃料供給反応器モジュールが、必要なときに燃料電池電源に差し込むための(使い捨ての、または補充可能な)交換可能なモジュールとして提供されれば好都合である。
【0007】
一般的な原理として、流れ制御機構は、反応器モジュールに組み込むことができる。これは、好ましくは使い捨てのまたは補充可能な品目である、反応器モジュールに関して相当なコスト及びサイズのオーバーヘッドを表す。代替として、流れ制御機構は、燃料電池電源に組み込むことができ、また、燃料電池電源に差し込まれたときに反応器モジュールに作用するように使用することができる。これは、流れ制御機構の構成要素を、使い捨てのまたは補充可能な反応器モジュールと交換する必要がないといった利益を有するが、燃料電池と反応器モジュールとの間の特殊な専用設計のインターフェースを必要とし、燃料電池電源が異なる反応器モジュールを使用するための柔軟性を制限する。
【0008】
水素ガス供給反応器モジュールと燃料電池電源とをインターフェースするための、単純で、低コストな、かつ容易に実現されるシステムを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様によれば、本発明は、燃料電池電源のためのアダプタを提供し、該アダプタは、
筐体と、
アダプタを燃料電池電力モジュールの燃料入口ポートに着脱可能に連結するための、筐体の中の第1の接続インターフェースと、
アダプタを反応器モジュールの燃料出口ポートに着脱可能に連結するための、筐体の中の第2の接続インターフェースと、
第1の接続インターフェースと第2の接続インターフェースとの間に延在する流体ラインと、
反応器モジュールがアダプタに連結されたときに動力を反応器モジュールの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットとを備える。
【0010】
動力ユニットは、モーター及びポンプを備え得、第2の接続インターフェースは、第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを備え得、該ポンプは、第1の反応物ポートと第2の反応物ポートとの間に延在する流体ラインの中に配置される。動力ユニットは、反応器モジュールの中のポンプヘッドに連結するための、第2の接続インターフェース上に配置される駆動出力を有する、ポンプモーターを備え得る。モーター及びポンプは、蠕動ポンプを備え得る。駆動出力は、反応器モジュールが第2の接続インターフェースに連結されたときに反応器モジュールの中の蠕動ポンプヘッドと協働するように構成される、ローラーを備え得る。第1の接続インターフェースは、燃料電池電力モジュールから制御信号及び/または電力を受け取るための電気接続インターフェースを含み得る。アダプタは、燃料電池電力モジュールから制御信号を受け取るための、電気接続インターフェースに連結される電子コントローラを含み得る。第1の接続インターフェースは、弁に連結される機械的アクチュエータを含み得、該機械的アクチュエータは、第1の接続インターフェースに連結されたときに燃料電池電力モジュールによって動作可能である。第1の接続インターフェースは、弁に連結される機械的アクチュエータを含み得、該機械的アクチュエータは、第1の接続インターフェースに連結されたときに燃料電池電力モジュールによって動作可能である。第2の接続インターフェースは、反応器モジュールの閉鎖弁またはシールを動作させるための機械的アクチュエータを備え得る。アダプタは、動力ユニットを制御するように構成されるコントローラを含み得る。動力ユニットは、流れ制御弁を備え得、第2の接続インターフェースは、第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを備え得、切り替え弁が、第1の反応物ポートと第2の反応物ポートとの間に延在する流体ラインの中に配置される。
【0011】
別の態様において、本発明は、上で説明されるようなアダプタ、及び反応器モジュールを備えるモジュール式反応器アセンブリを提供し、該反応器モジュールは、該アダプタの第2の接続インターフェースと係合して協働するように構成される、接続インターフェースを有する。
【0012】
反応器モジュールは、
第1の反応物を含有する反応物リザーバと、
第2の反応物を含有する反応チャンバと、
反応物リザーバと反応チャンバとの間に延在する流路を備える流れ回路と、
反応チャンバに対する第1の反応物の流れを制御するための、流路の中の流れ制御要素であって、反応器モジュールがアダプタの第2の接続インターフェースに連結されたときにアダプタの動力ユニットによって駆動可能である、流れ制御要素とを備え得る。
【0013】
反応器モジュールは、
第1の反応物を含有する反応物リザーバと、
第2の反応物を含有する反応チャンバと、
反応物リザーバから反応器モジュールの接続インターフェースに延在する第1の流路、及び反応器モジュールの接続インターフェースから反応チャンバに延在する第2の流路を備える、流れ回路とを備え、
アダプタは、
それぞれが反応器の接続インターフェースの第1の流路及び第2の流路と係合する、第2の連通インターフェースの中の第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを備え得、
動力ユニットは、反応器モジュールがアダプタの第2の接続インターフェースに連結されたときに、アダプタの流体ラインを介した反応チャンバに対する第1の反応物の流れを制御するための、第1の反応物ポートと第2の反応物ポートとの間に延在する流体ラインの中の流れ制御要素を備える。
【0014】
アダプタは、反応器モジュールをその中に受け取る空洞を画定し得る。空洞は、反応器モジュールを空洞の中に受け取ったときに閉鎖可能であり得る。反応器モジュールは、アダプタモジュールをその中に受け取る空洞を画定し得る。
【0015】
別の態様によれば、本発明は、燃料電池電源を提供し、該燃料電池電源は、
筐体と、
燃料電池電源を反応器モジュールの燃料出口ポートに着脱可能に連結するための、筐体の中の接続インターフェースと、
反応器モジュールが燃料電池電源に連結されたときに動力を反応器モジュールの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットとを備え得る。
【0016】
動力ユニットは、モーター及びポンプを備え得、接続インターフェースは、第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを備え得、該ポンプは、第1の反応物ポートと第2の反応物ポートとの間に延在する流体ラインの中に配置される。動力ユニットは、反応器モジュールの中のポンプヘッドに連結するための、接続インターフェース上に配置される駆動出力を有する、ポンプモーターを備え得る。モーター及びポンプは、蠕動ポンプを備え得る。駆動出力は、反応器モジュールが接続インターフェースに連結されたときに反応器モジュールの中の蠕動ポンプヘッドと協働するように構成される、ローラーを備え得る。接続インターフェースは、反応器モジュールの閉鎖弁またはシールを動作させるための機械的アクチュエータを備え得る。
【0017】
動力ユニットは、流れ制御弁を備え得、第2の接続インターフェースは、第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを備え得、切り替え弁が、第1の反応物ポートと第2の反応物ポートとの間に延在する流体ラインの中に配置される。燃料電池電源は、反応器モジュールをその中に受け取ることができる、筐体の中の空洞を含み得る。
【0018】
本発明は、燃料電池電源を動作させる方法をさらに提供し、該方法は、
a)アダプタを提供することであって、該アダプタは、
筐体と、
アダプタを燃料電池電力モジュールの燃料入口ポートに着脱可能に連結するための、筐体の中の第1の接続インターフェースと、
アダプタを反応器モジュールの燃料出口ポートに着脱可能に連結するための、筐体の中の第2の接続インターフェースと、
第1の接続インターフェースと第2の接続インターフェースとの間に延在する流体ラインと、
反応器モジュールがアダプタに連結されたときに動力を反応器モジュールの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットとを備える、アダプタを提供することと、
b)第1の接続インターフェースを燃料電池電力モジュールに連結することと、
c)第2の接続インターフェースを反応器モジュールに接続することと、
d)アダプタを介した反応器モジュールから燃料電池電力モジュールへの燃料の送達を制御することと、を含む。
【0019】
本方法はさらに、アダプタの中の電子コントローラによって燃料の送達を制御するステップを含み得る。
【0020】
別の態様によれば、本発明は、燃料電池電源を動作させる方法を提供し、該燃料電池電源は、
a)燃料電池電源を提供することであって、該燃料電池電源は、
筐体と、
燃料電池電源を反応器モジュールの燃料出口ポートに着脱可能に連結するための、筐体の中の接続インターフェースと、
反応器モジュールが燃料電池電源に連結されたときに動力を反応器モジュールの流れ回路に提供するように構成される流れ制御機構の動力ユニットと、を有する、燃料電池電源を提供することと、
b)接続インターフェースを反応器モジュールに連結することと、
c)燃料電池電源の中の動力ユニットを使用して、反応器モジュールから燃料電池電力モジュールへの燃料の送達を制御することと、を含む。
【0021】
別の態様によれば、本発明は、アダプタ内の動力ユニットを使用して、反応器モジュールから燃料電池電源への燃料の送達を制御するようにアダプタを構成するために、燃料電池電源のためのアダプタにロードするように構成されるコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0022】
別の態様によれば、本発明は、燃料電池電源内の動力ユニットを使用して、反応器モジュールから燃料電池電源への燃料の送達を制御するように燃料電池電源を構成するために、燃料電池電源にロードするように構成されるコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0023】
別の態様によれば、本発明は、上で定義されるような方法を行うように構成されるコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0024】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】モジュール式燃料電池電源、アダプタ、及び蠕動ポンプをアダプタに展開した反応器アセンブリの概略図である。
【
図2】モジュール式燃料電池電源、アダプタ、及びモーター駆動ユニットをアダプタに展開し、蠕動ポンプヘッドを反応器モジュールに展開した反応器アセンブリの概略図である。
【
図3】モジュール式燃料電池電源、アダプタ、及びポンプユニットをアダプタに展開した反応器アセンブリの概略図である。
【
図4】モジュール式燃料電池電源、アダプタ、及びモーター駆動ユニットをアダプタに展開し、ポンプヘッドを反応器モジュールに展開した反応器アセンブリの概略図である。
【
図5】モジュール式燃料電池電源、アダプタ、及びモーター駆動ユニットをアダプタに展開し、二重ポンプヘッドを反応器モジュールに展開した反応器アセンブリの概略図である。
【
図6】モジュール式燃料電池電源、アダプタ、及びモーター駆動ユニットをアダプタに展開し、分割型ポンプヘッドを反応器モジュールに展開した反応器アセンブリの概略図である。
【
図7】モジュール式燃料電池電源、アダプタ、及び二重流体ポンプユニットをアダプタに展開した反応器アセンブリの概略図である。
【
図8】モジュール式燃料電池電源、アダプタ、及び二重ポンプユニットをアダプタに展開した反応器アセンブリの概略図である。
【
図9】アダプタ及び反応器アセンブリの概略斜視図である。
【
図10】アダプタ及び反応器アセンブリの概略斜視及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
燃料電池電源及び反応器モジュール双方の設計における柔軟性を高めるために、ならびに燃料電池電源のエンドユーザに対する柔軟性を高めるために、燃料電池電源が、単一の反応器モジュール設計とのインターオペラビリティに限定されないことが非常に望ましいことが、発明者によって認識されている。これは、燃料電池電源のエンドユーザまたは購入者が、例えば、1つの製造業者または供給業者からの反応器モジュールに限定されないことを意味する。また、使い捨ての品目の浪費を回避してそのコストを低減させるために、反応器モジュールを使用する度に、より長持ちするシステムの構成要素が交換されないように、反応器モジュールが、最小数の構成要素だけしか必要としないことも非常に望ましい。また、燃料電池電源が、反応器モジュールの動作を十分に制御することができることも重要であり得る。
【0027】
故に、本発明は、反応器モジュール及び燃料電池電源モジュールの双方、すなわち、反応物リザーバから反応器モジュールの反応チャンバへの流れ制御を提供する流れ制御機構の重要な要素とは別体のインターフェースモジュールの提供を提案する。
【0028】
図1を参照すると、燃料電池電源1のモジュール式配設は、燃料電池電力モジュール2と、アダプタモジュール3と、反応器モジュール4とを備える。アダプタモジュール3(本明細書において、「アダプタ」とも称される)は、2つの別個の接続インターフェース6、7を含む、または画定する、独立した筐体5を有する。第1の接続インターフェース6は、燃料電池電力モジュール筐体14上の対応するインターフェース11に連結するように構成され、第2の接続インターフェース7は、反応器モジュール筐体15上の対応するインターフェース12に連結するように構成される。
【0029】
インターフェース6、7、11、12は、アダプタモジュール3、燃料電池電力モジュール2、及び反応器モジュール4のそれぞれの別個の筐体5、14、15の一部を形成する。インターフェース6、7、11、12は、それぞれのモジュールの互いに対する着脱可能な係合のための機械的構造を含む。これらの機械的構造は、インターフェースと適切な保持機構との間の機械的接触のための嵌合面を含む。保持機構は、クリップ、ロック、ねじ付きカラー、摩擦嵌め面、磁気連結具、及び同類のもの、ならびにそれらの任意の組み合わせ等の、任意の適切なタイプのものであり得る。嵌合面は、正しい整列及び正しい係合を確実にするための、プラグ及びソケット配設またはキー付き表面を含み得る。インターフェース6、7、11、12はまた、(a)燃料電池電力モジュール2とアダプタモジュール3との間の、及び(b)アダプタモジュール3と反応器モジュール4との間の、機械的、電気的、及び流体連通を可能にする、いくつかの異なる連通構造も含む。これらは、下でさらに詳細に説明される。
【0030】
燃料電池電力モジュール2、アダプタモジュール3、及び反応器モジュール4のそれぞれは、それ自体の別個の筐体を有する独立した一体構造体である。
【0031】
燃料電池電力モジュール2は、よく知られている原理による、適切な燃料源から電力を発生させるための電気化学燃料電池スタック(図示せず)を含む。燃料電池電力モジュール2は、好ましくは、例えば、超携帯性のためのポケットサイズの寸法の、及び上で述べられるような消費者デバイスに給電するのに適切な容量のマイクロ燃料電池として説明され得るものである。燃料源は、好ましくは水素であるが、炭化水素等の他の燃料を使用することができる。
【0032】
燃料は、ソレノイド弁21及び圧力計22への、及びそこから燃料セルスタック(図示せず)への入口ポート20を介して、燃料電池電力モジュール2の中に受け取られる。マイクロコントローラ23は、燃料電池スタック及びアダプタ5のための制御機能を提供することができる。電気制御インターフェース24は、アダプタ3との連通を提供する。バッテリ25は、燃料電池電力モジュール2に電力を提供し得、また、電力インターフェース26によってアダプタ3にも電力を提供し得る。
【0033】
アダプタモジュール3は、第1の接続インターフェース6と第2の接続インターフェース7との間に延在する、流体燃料ライン30を含む。流体燃料ライン30は、第1の接続インターフェース6において、遮断弁31と、圧力逃がし弁32と、水素出口33とを組み込むことができる。流体燃料ライン30は、反応器モジュール4から燃料電池電力モジュール2に水素燃料を移送するように動作可能である。圧力逃がし弁32は、過剰圧力状態が生じた場合に、大気に通気するために提供され得る。代替の配設において、圧力逃がし弁は、代わりに反応器モジュール4の中に、または同様にアダプタモジュール中に位置付けることができる。
【0034】
アダプタモジュール3はさらに、ポンプ34を含み、この配設では蠕動ポンプである。マイクロコントローラ35は、このポンプ34に対する制御機能性を提供する。マイクロコントローラ35は、電気制御インターフェース24を使用して、燃料電池電力モジュールの中のマイクロコントローラ23によって少なくとも部分的に制御され得る。
【0035】
燃料電池電力モジュール2とアダプタモジュール3との間のインターフェース6、11はまた、アダプタモジュールの存在を検出するための感知機構、及びアダプタモジュールを保持するための保持機構も含み得る。感知機構及び/または保持機構は、アダプタモジュールの中の金属プレート36及び燃料電池電力モジュール2の中の適切な磁気及びセンサ(
図1では示されないが、一例として他の図面で表される)を備える磁気感知及び保持機構において具現化することができる。
【0036】
図1の配設において、反応器モジュール4は、水バッグまたはブラダー等の可撓性流体リザーバとすることができる、流体リザーバ40を備える。反応器モジュール4は、インターフェース12において流体リザーバ40から第1のシール42に通じる導管41を有する。第1のシール42は、機械的インターフェース43によって概略的に示されるアダプタモジュールの中の機械的構成要素によって開くことができる、穿刺シールまたは隔膜シールであり得る。それによって、第1のシール42は、アダプタモジュール3のポンプ34の入口への、第1の流体継手またはインターフェース44の一部を形成する。
【0037】
反応器モジュール4はさらに、インターフェース12において第2のシール45を含む。第2のシール45は、機械的インターフェース46によって概略的に示されるアダプタモジュール3の中の機械的構成要素によって開くことができる、穿刺シールまたは隔膜シールであり得る。それによって、第2のシール45は、アダプタモジュール3のポンプ34の出口への、第2の流体継手またはインターフェース47の一部を形成する。
【0038】
流体導管48は、必要に応じて、第2のシール45から、反応物及び/または触媒を収容する反応チャンバ49に通じる。流体導管50は、反応チャンバ49から、乾燥剤チャンバ51に、次いで第3のシール52に通じる。第3のシール52は、機械的インターフェース53によって概略的に示されるアダプタモジュールの中の機械的構成要素によって開くことができる、穿刺シールまたは隔膜シールであり得る。それによって、第3のシール52は、アダプタモジュール3の流体燃料ライン30への、第3の流体継手またはインターフェース54の一部を形成する。反応器モジュール4はまた、反応チャンバ49と第3のシール52との間に圧力逃がし弁(図示せず)も含み得る。
【0039】
アダプタモジュール3及び反応器モジュール4はどちらも、2つのモジュールを互いによって係止係合状態に解放可能に維持するための保持機構を含む。保持機構は、クリップ特徴55及び56として概略的に示される機械的クリップ配設において具現化することができる。
【0040】
使用に際し、反応器モジュール4は、2つの構成部品をともに係止するために、保持機構55、56を使用して、インターフェース7、12によりアダプタ3に取り付けられる。インターフェース7、12において2つのモジュール3、4を結合するアクションは、機械的インターフェース43、46、53によってシール42、45、52を開き、それによって、(i)流体リザーバ40からポンプ34への、(ii)ポンプ34から反応チャンバ49への、及び(iii)反応チャンバ49から燃料ライン30への、流体連通経路を作成する。
【0041】
アダプタ3が、ポンプ34を動作させるようにマイクロコントローラ35によって命令されると、反応物(一例として、水)が、流体リザーバ40から反応チャンバ49にポンプ注入される。それによって水素が生成され、該水素は、乾燥剤チャンバ51を通過して湿気を除去し、次いで、燃料ライン30の中へ入る。
【0042】
次いで、反応器モジュール4及びアダプタモジュール3が燃料電池電力モジュール2に連結されると、機械的インターフェース57によって概略的に示されるアクチュエータによって燃料遮断弁31を動作させることができ、よって、水素燃料を、インターフェース6、11を通じて、燃料電池電力モジュール2の中のソレノイド弁21に通すことができる。反応チャンバ49での反応が進行するにつれて水素圧力が蓄積するが、該水素圧力は、圧力計22を使用してマイクロコントローラ23によって監視される。水素圧力は、マイクロコントローラ35と協調してマイクロコントローラ23によって制御することができ、燃料電池電力モジュール2の中の燃料電池スタックの水素燃料使用量を考慮して、ポンプ34を通るリザーバ40からの反応物の流量を制御する。
【0043】
一般的態様において、アダプタ3の接続インターフェース6は、アダプタ3を燃料電池電源モジュールの燃料入口ポート20に着脱可能に連結するための、第1の接続インターフェースを例示する。アダプタ3の接続インターフェース7は、アダプタを反応器モジュール4の燃料出口ポート54に着脱可能に連結するための、第2の接続インターフェースを例示する。アダプタモジュール3の中の蠕動ポンプ34は、反応器モジュール4がアダプタ3に連結されたときに動力を反応器モジュール4の流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットを例示する。流体継手44、47は、アダプタモジュールの中の第1の反応物ポート及び第2の反応物ポートを例示し、ポンプ34は、第1及び第2の反応物ポートの間に延在する流体ラインの中に位置する。
【0044】
図2は、燃料電池電力モジュール102と、アダプタモジュール103と、反応器モジュール104とを備える、燃料電池電源101の別のモジュール式配設を示す。この配設の大部分の特徴は、
図1の燃料電池電源の対応する特徴と同じまたは類似であり、さらに詳細に説明する必要はない。しかしながら、配設101は、下で論じられる複数の事項において、配設1と異なる。
【0045】
図2の配設では、蠕動ポンプ34の一部を反応器モジュール104の中に再配置できることが認識される。蠕動ポンプ34の歯車付モーター部130は、アダプタモジュール103の中に提供され、ポンプヘッド部131は、反応器モジュール104の中に提供される。常時閉ピンチ弁132は、蠕動ポンプヘッド131の下流に配置される。例えば、モーター部130は、モーター及びポンプのローブローター部を備え得、一方で、ポンプヘッド131は、従来の蠕動ポンプ動作と合致する様式で、ローブローターによって循環的に圧搾される、可撓性の圧縮可能なチューブを備え得る。より全般的には、ローブローターは、任意の適切なローラーであり得る。この配設では、低コストの可撓性の圧縮可能なチューブだけが、(潜在的に)使い捨ての反応器モジュール4の一部を形成するだけでよい。代替の配設では、ローブローターが、反応器モジュール4及びアダプタモジュールの中に提供されるモーター駆動部の中に提供され得る。モーター部130及びポンプヘッド部は、使用に際し、138で概略的に示される駆動シャフトによって連結される。
【0046】
使用に際し、モーター130の動作は、蠕動ポンプヘッドチューブ131を循環的に圧縮して、常時閉ピンチ弁132を通る流体を圧縮し、それによって、流体リザーバ140から反応チャンバ149に反応物流体をポンプ注入する役割を果たす。
【0047】
図2の配設はまた、反応物流体チャンバ140に対する圧力バイアスの形態での、随意の追加的な構成要素を示す。本実施例において、圧力バイアスは、可撓性バルーンである流体リザーバ140に対する圧力を維持する役割を果たす、圧力バルーン160の形態とすることができる。このようにして、蠕動ポンプ部130、131の動作が支援される。特に、蠕動ポンプの圧縮可能なチューブ部分及び該蠕動ポンプにつながるパイプに平チューブが利用される場合、ポンプヘッドへの連続供給を確実にするために、圧力バルーン160が平チューブを膨張させる。所望であれば、さらなる常時閉ピンチ弁161が乾燥剤チャンバ151の下流に提供され得る。
【0048】
一般的態様において、歯車付モーター部130(さらに、場合によっては、ローブローター部)は、反応器モジュールがアダプタモジュール103に連結されたときに動力を反応器モジュール104の流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットを例示する。
【0049】
図3は、燃料電池電力モジュール202と、アダプタモジュール203と、反応器モジュール204とを備える、燃料電池電源201の別のモジュール式配設を示す。この配設の大部分の特徴は、
図1または
図2の燃料電池電源の特徴と同じまたは類似であり、さらに詳細に説明されない。しかしながら、配設201は、下で論じられる複数の事項において、配設1、101と異なる。
【0050】
図3の配設では、ポンプ234を蠕動ポンプとする必要がないことが認識される。ポンプ234は、反応物流体リザーバ240から、流体ライン260、261を通して、流体継手244、247を介して、弁232に、次いで、導管248を介して、反応チャンバ249に反応物流体をポンプ注入することができる、任意の適切な形態のポンプであり得る。他の特に好ましいタイプのポンプとしては、電気浸透ポンプ及び圧電ポンプが挙げられる。
【0051】
図3にはまた、燃料電池電力モジュール202及びアダプタモジュール203を互いに接触した状態に維持するための着脱可能な保持機構として使用される、磁石227及び金属プレート236も示される。磁石及び金属プレートの配設はまた、例えばマイクロコントローラ223によって、燃料電池電力モジュール202及びアダプタモジュール203の安全な係合を監視するための、感知機構としても使用され得る。
【0052】
一般的態様において、モーター及びポンプ234は、反応器モジュールがアダプタモジュール203に連結されたときに動力を反応器モジュール204の流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットを例示する。流れ回路は、リザーバ240、弁232、導管248、反応チャンバ249、及び燃料出口ポート254を含むものとみなされ得る。
【0053】
図4は、燃料電池電力モジュール302と、アダプタモジュール303と、反応器モジュール304とを備える、燃料電池電源301の別のモジュール式配設を示す。この配設の大部分の特徴は、
図1〜
図3の燃料電池電源の特徴と同じまたは類似であり、さらに詳細に説明する必要はない。しかしながら、配設301は、下で論じられる複数の事項において、配設1、101、201と異なる。
【0054】
図4の配設では、ポンプを蠕動ポンプとする必要がないこと、及び歯車付モーター部330を任意の適切なポンプヘッド331のための任意の適切なモーター駆動ユニットとすることができることが認識される。歯車付モーター部330は、リザーバ340から、弁332を通して、反応チャンバ349に反応物流体をポンプ注入する、ポンプヘッド331を駆動する役割を果たす。
【0055】
一般的態様において、モーター部330及びその駆動出力338は、反応器モジュールがアダプタモジュール303に連結されたときに動力を反応器モジュール304の流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットを例示する。流れ回路は、リザーバ340、ポンプヘッド331、弁332、導管348、反応チャンバ349、及び燃料出口ポート354を含むものとみなされ得る。
【0056】
図2及び
図4の配設は、反応器モジュール104、304からアダプタモジュール103、303への流体、例えば水素燃料の輸送に、インターフェース7、12を横断する流体継手154、354が1つだけしか必要とされない点で、
図1及び
図3の配設に勝る利点を提供し得る。流体継手44、47は、必要とされない。
【0057】
図5は、燃料電池電力モジュール402、アダプタモジュール403、及び反応器モジュール404を備える、燃料電池電源401の別のモジュール式配設を示す。この配設の大部分の特徴は、
図4の燃料電池電源の特徴と同じまたは類似であり、さらに詳細に説明する必要はない。しかしながら、
図5の配設では、438で概略的に示される駆動シャフトによって、反応器モジュール404の中の複数のポンプヘッド431a、431bを駆動するように構成されるアダプタモジュール403の中に、1つの歯車付モーター部430が提供される。歯車付モーター部430は、第1のリザーバ440aから、弁432aを通して、反応チャンバ449に反応物流体をポンプ注入する、ポンプヘッド431aを駆動する役割を果たす。歯車付モーター部430はまた、第2のリザーバ440bから、弁432bを通して、反応チャンバ449に反応物流体をポンプ注入する、ポンプヘッド431bを駆動する役割も果たす。
【0058】
この配設は、例えば、第1の反応物を反応チャンバの中に既に存在する第2の反応物に加える
図1〜
図4の配設においてではなく、第1及び第2の反応物を別個のリザーバ440a、440bにおいて保持し、別個の反応チャンバ449において混合し、反応させるときに使用することができる。代替として、
図5の配設は、3つの反応物または2つの反応物及び触媒材料が必要とされる場合に使用することができ、これらは、混合するために、それぞれ、2つの流体リザーバ440a、440b及び反応チャンバ449において保持することができる。
【0059】
図5の配設はさらに、それぞれが別個のポンプヘッド431a、431b及び別個の弁432a、432bを有する、2つを超えるリザーバ440a、440bを含むように適合させることができる。
【0060】
一般的態様において、モーター430及びその駆動出力438は、反応器モジュールがアダプタモジュール403に連結されたときに動力を反応器モジュール404の2つの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットを例示する。流れ回路は、リザーバ440a、440b、ポンプヘッド431a、431b、弁432a、432b、導管448a、448b、反応器449、及び燃料出口ポート454を含むものとみなされ得る。
【0061】
図6は、
図5のモジュール式配設の変形物を示し、該変形物において、歯車付モーター部530は、二重流体分割型ポンプヘッド531を駆動する役割を果たし、該ポンプヘッドは、2つの流路を有し、第1のリザーバ540aから、弁532aを通して、反応チャンバ549に反応物流体をポンプ注入し、また、第2のリザーバ540bから、弁532bを通して、反応チャンバ549に反応物流体をポンプ注入する。
【0062】
一般的態様において、モーター530及びその駆動出力538は、反応器モジュールがアダプタモジュール503に連結されたときに動力を反応器モジュール504の2つの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットを例示する。流れ回路は、リザーバ540a、540b、二重流体ポンプヘッド531、弁532a、532b、導管548a、548b、反応器549、及び燃料出口ポート554を含むものとみなされ得る。
【0063】
図7は、
図3のモジュール式配設の変形物を示し、該変形物において、二重流体、二重経路ポンプ634は、第1のリザーバ640aから、流体ライン660a、661aを通して、流体継手644a、647aを介して、弁632aに、次いで、反応チャンバ649に第1の反応物流体をポンプ注入するように動作可能であり、また、第2のリザーバ640bから、流体ライン660b、661bを通して、流体継手644b、647bを介して、弁632bに、次いで、反応チャンバ649に第2の反応物流体をポンプ注入するようにも動作可能である。
【0064】
一般的態様において、ポンプ634は、反応器モジュールがアダプタモジュール603に連結されたときに動力を反応器モジュール604の2つの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットを例示する。流れ回路は、リザーバ640a、640b、流体ライン660a、660b、661a、661b、弁632a、632b、導管648a、648b、反応器649、及び燃料出口ポート654を含むものとみなされ得る。
【0065】
図8は、
図7のモジュール式配設の変形物を示し、該変形物において、二重流体、二重経路ポンプ634を2つの別個のポンプ734a、734bと置き換えている。第1のポンプ734aは、第1のリザーバ740aから、流体ライン760a、761aを通して、流体継手744a、747aを介して、弁732aに、次いで、反応チャンバ749に第1の反応物流体をポンプ注入するように構成され、また、第2のリザーバ740bから、流体ライン760b、761bを通して、流体継手744b、747bを介して、弁732bに、次いで、反応チャンバ749に第2の反応物流体をポンプ注入するようにも動作可能である。
【0066】
一般的態様において、ポンプ734は、反応器モジュールがアダプタモジュール703に連結されたときに、動力を反応器モジュール704の2つの流れ回路に提供するように構成される、流れ制御機構の動力ユニットを例示する。流れ回路は、リザーバ740a、740b、流体ライン760a、760b、761a、761b、弁732a、732b、導管748a、748b、反応器749、及び燃料出口ポート754を含むものとみなされ得る。
【0067】
図9は、反応器モジュール804(
図9c)とともに使用する、燃料電池電源のためのアダプタモジュール801、802(
図9a、9b)の2つの例示的な物理的配置を示す。
図9aは、反応器モジュール804との係合に適切なアダプタモジュール801を示す。頂部分805は、アダプタモジュールと燃料電池電力モジュール2(
図9に示さず)との間の第1の接続インターフェースを画定する。底部分806は、アダプタモジュール801と反応器モジュール804との間の第2の接続インターフェースを画定する。ポンプモーター(例えばモーター130及び駆動シャフト138)を備える動力ユニットは、反応器モジュールインターフェース812での反応器モジュール804との係合のための下部突出部分810の中に配置される。
【0068】
図9bは、反応器モジュール804との係合に適切な代替のアダプタモジュール802を示す。頂部分807は、アダプタモジュールと燃料電池電力モジュール2との間の第1の接続インターフェースを画定する。底部分808は、アダプタモジュール802と反応器モジュール804との間の第2の接続インターフェースを画定する。ポンプモーター(例えばモーター130及び駆動シャフト138)を備える動力ユニットは、反応器モジュール804との、及びその中への係合のために、延在する下部突出部分811の中に配置される。
【0069】
図1〜
図9に関連して説明される配設以外に、他の配設が可能である。
例えば、反応器モジュールは、別個のポンプ(例えば、電動式ポンプ34)を必要としない十分な圧力で、流体リザーバ40から反応チャンバ49の中へ流体を付勢する、機械的ばね荷重式のチャンバを含む場合、アダプタモジュール3は、流体継手44、47を介した流体リザーバ40から反応チャンバ49への流れを制御するために、電動式流れ制御弁と置き換えられるポンプ34を有し得る。この場合、アダプタモジュールの動力ユニットは、流れ制御弁によって例示され得る。流れ制御弁は、可変オリフィス流れコントローラ等の、流れの微細な制御のための、切り替え弁(例えば単純な電気機械オン/オフ弁)及び/または流れ調節器を備え得る。
【0070】
上で説明される実施形態のいくつかは、少なくとも1つのリザーバ40の中の流体反応物、及び流体反応物がポンプ注入される反応チャンバ49の中の固体(例えば、粉末状の)反応物の使用を好んで提案しているが、反応チャンバは、反応チャンバの中へまたはそこに送達され、混合される2つの液体反応物によって現実化することができる。動力ユニットはまた、流れ制御機構がポンプを通して固体(例えば、粉末状の/粒子状の)反応物を駆動するように構成されるという条件で、そのような固体粒子を駆動するように構成することもできる。流体リザーバ40の中の流体反応物は、反応チャンバ49の中に触媒だけが提供された状態で反応させる、化学溶液とすることができる。
【0071】
好ましくは、アダプタモジュールは、例えば燃料電池電力モジュールの構成要素寿命と同様の構成要素寿命をもつ、相当な数の反応器モジュール交換に使用することができる、耐久性構成要素から製造される。反応器モジュールは、1回だけの使用(例えば、完全な使い捨て)のための低コストで、より低い耐久性の構成要素から製造され得、または制限された寿命に適切な寿命もしくは寿命延長の補充動作を有し得る。理想的には、反応器モジュールは、耐久性構成要素を全くまたは殆ど有さず、また、例えば電子制御構成要素の形態で、オンボードインテリジェンスの数が限定されるか、または全く有さない。
【0072】
アダプタモジュールは、特定のタイプの反応器モジュールに、及び特定の燃料電池電力モジュールに対してカスタマイズされた制御機能及び制御インテリジェンスを提供することができ、よって、異なるタイプの反応器モジュールを、異なる物理的レイアウト(例えば、形状因子)及び異なる燃料流れ制御要件を有する異なるタイプの燃料電池電力モジュールとともに成功裏に使用することができる。アダプタ内の動力ユニットを使用した、反応器モジュールから燃料電池電源への燃料の送達を制御するための制御機能は、アダプタの中のマイクロコントローラ(例えば、コントローラ35)によって、もしくは電力モジュール2の中のマイクロコントローラ(例えば、コントローラ23)によって行うことができ、または該機能は、任意の好都合なもしくは戦略的な様式で、2つのコントローラ間に分散させることができる。制御機能は、任意の適切なアプリケーション固有のハードウェア及び/もしくはファームウェアを使用して、または適切な汎用データ処理デバイスにロードしたソフトウェアを使用して、または上記の任意の組み合わせで実現することができる。「マイクロコントローラ」という表現は、上記の全てを包含することが意図される。そのようなマイクロコントローラを構成するためのコンピュータプログラムは、任意のコンピュータ読み出し可能な媒体に提供され得る。コンピュータ読み出し可能な媒体は、光もしくは磁気媒体または固体メモリデバイス等の、物理的な媒体であり得る。コンピュータ読み出し可能な媒体は、任意の適切なデータ通信チャネル上に過渡信号を含み得る。
【0073】
任意の適切な反応器モジュールは、任意の必要とされる反応物によって、水素等の適切な燃料を発生させるために使用され得る。1つの例は、反応物流体リザーバ40からの水と反応させる水素化ホウ素ナトリウムを予め充填した、反応チャンバ49であり得る。
【0074】
アダプタモジュールは、必要に応じて、追加的な機能性を提供し得る。例えば、燃料電池膜での水素と酸素との電気化学反応中に燃料電池電力モジュールによって発生する水を使用して、反応器モジュールへのさらなる反応物の供給を提供することが可能であり得る。この事例において、アダプタモジュールは、燃料電池電力モジュールから反応器モジュールへの、水をそこに移送するためのさらなる流れ導管を提供し得る。
【0075】
アダプタモジュールの動力ユニットはまた、必要に応じて、アジテーション機能(例えば、撹拌)を反応器モジュールに提供するようにも構成され得る。
【0076】
アダプタモジュール3及び反応器モジュール4について、他の物理的配設が想定される。例えば、
図10を参照すると、燃料電池電源供給装置901は、アダプタモジュール903を含み得、アダプタモジュール903の筐体905は、例えば略円筒形状の空洞を形成し、該空洞の中に、対応して成形された反応器モジュール904が完全にまたはほぼ完全に受け取られ、
図10bで示される。反応器モジュール904は、
図1〜
図9に関連して上で説明されるように、流体リザーバ940及び反応チャンバ949を含有する。反応器モジュール904は、
図9aにおいて矢印で示される方向に、筐体905のアダプタモジュール903の中に摺動し得、それによって、アダプタモジュール/反応器モジュールの組み合わせを使用できる状態に、及び燃料電池電力モジュール2(
図10に示さず)に連結できる状態に準備する。
【0077】
より一般的な態様において、アダプタモジュール3及び反応器モジュール4は、それらをともに単一の筐体全体に差し込んで、携帯性のための好都合で安全なユニットを形成することができるように形成され得る。単一の筐体全体は、アダプタモジュール及び反応器モジュールのそれぞれの筐体とは別体の独立した筐体であり得、または、
図10によって例示されるように、他のモジュールをその中に全体的にまたは部分的に受け取る、アダプタモジュール3または反応器モジュール4のうちの1つの筐体の一部であり得る。そのような場合、アダプタモジュール3の第2の連通インターフェース7または反応器モジュール4の対応するインターフェース12は、
図10で分かるように、それぞれの筐体の凹部上とすることができる。アダプタモジュール3は、反応器モジュール4をその中に受け取る空洞を画定し得る。この空洞は、反応器モジュールを該空洞の中に差し込んだ、または別様にはその中で受け取ったときに、ドア、留め金、またはラッチ係合配設によって閉鎖可能とすることができ、それによって、携帯性のための安全なユニットを作成する。同様に、反応器モジュール4は、アダプタモジュールをその中に受け取る空洞を画定し得る。しかしながら、この事例において、アダプタモジュール3の第1の連通インターフェース6は、使用時に、燃料電池電力モジュール2への接続のために露出させたままにする必要がある。上で全般的に説明される筐体の配設は、
図2〜
図8の他の全ての実施例にも適用することができる。
【0078】
別の配設において、
図10bで例示される、ともに差し込んだユニット903、904は、燃料電池電力モジュール2によって画定される筐体の中に受け取ることができ、よって、アダプタモジュール3、903の第1の連通インターフェース6は、燃料電池電力モジュール筐体14によって画定される凹部内で、燃料電池電力モジュール2の対応するインターフェース11と係合する。したがって、アダプタモジュール3は、反応器モジュール4をその中に受け取る空洞を画定し得、燃料電池電力モジュール2は、ともに差し込んだアダプタモジュール及び反応器モジュールをその中に受け取る空洞を画定し得る。この空洞は、反応器モジュール及びアダプタモジュールを該空洞の中に差し込んだ、または別様にはその中で受け取ったときに、ドア、留め金、またはラッチ係合配設によって閉鎖可能とすることができ、それによって、携帯性のための安全なユニットを作成する。
【0079】
他の配設において、アダプタモジュール3、103、203、303、403、503、603、703の構成要素は、燃料電池電力モジュール2、102、202、302、402、502、602、702に統合され得る。そのような配設において、流れ制御機構(例えば、蠕動ポンプ34、歯車付モーター130、モーター及びポンプ234、634、734a、734b、またはモーター330、430、530)の動力ユニットは、燃料電池電力モジュール内に収容され、その中に統合され、また、反応器モジュールが燃料電池電源に連結されたときに、動力を反応器モジュールの流れ回路に提供するように構成される。そのような配設では、第1の連通インターフェース6及び対応するインターフェース11を省略することができ、また、流体燃料ライン30等の流路ならびに遮断弁31及び圧力逃がし弁等の関連する構成要素を燃料電池電力モジュールに統合することができることが認識されるであろう。燃料電池電力モジュールの動力ユニットは、反応器モジュールから燃料電池電力モジュールへの燃料の送達の制御を効果的に提供する。動力ユニットは、好ましくは、機械的または電気機械的ユニットである。
【0080】
他の実施形態は、意図して、添付の特許請求の範囲の範囲内にある。
【国際調査報告】