特表2016-516478(P2016-516478A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-516478癌の存在を検出するための低温バーを含む診断アセンブリおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-516478(P2016-516478A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(54)【発明の名称】癌の存在を検出するための低温バーを含む診断アセンブリおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/01 20060101AFI20160513BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20160513BHJP
【FI】
   A61B5/00 101K
   A61B10/00 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-501983(P2016-501983)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(85)【翻訳文提出日】2015年10月23日
(86)【国際出願番号】US2014025847
(87)【国際公開番号】WO2014160113
(87)【国際公開日】20141002
(31)【優先権主張番号】61/779,571
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515257003
【氏名又は名称】ファースト・センス・メディカル・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FIRST SENSE MEDICAL LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンゴット,ポール・ジィ
(72)【発明者】
【氏名】ファーカス,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ムドゥヌリ,アジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンケ,スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA02
4C117XB01
4C117XB09
4C117XD22
4C117XE48
4C117XG01
4C117XG02
(57)【要約】
患者の乳房における癌の存在を検出するための診断アセンブリ(30、320)および方法である。診断アセンブリ(20、320)は、フレーム(22、322)と、患者の手を受けるためにフレーム(22、322)によって支持された少なくとも1つの低温バー(26、326、426)と、低温バー(26、326、426)の一定温度を維持するために低温バー(26、326、426)と通信している温度コントローラ(72)とを含む。方法は、患者の少なくとも一方の手を冷却するステップと、患者の手が冷却された後で患者の乳房の検査熱画像を記録するステップとを含む。患者の手を冷却するステップは、患者の手から低温バー(26、326、426)に熱を伝えるために、患者の手を低温バー(26、326、426)上で受けるステップと、低温バー(26、326、426)を予め選択された温度に維持するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の乳房における癌の存在を検出するための方法であって、前記方法は、
患者の少なくとも一方の手を冷却するステップと、
患者の少なくとも一方の手が冷却された後で患者の乳房の検査熱画像を記録するステップとを含み、
前記方法は、
患者の少なくとも一方の手を冷却する前記ステップが、患者の少なくとも一方の手から低温バー(26、326、426)に熱を伝えるために、患者の少なくとも一方の手を低温バー(26、326、426)上で受けるステップと、
患者の少なくとも一方の手を冷却する前記ステップの間、低温バー(26、326、426)を予め選択された温度で維持するステップとを含むこと、を特徴とする、方法。
【請求項2】
低温バー(26、326、426)を予め選択された温度で維持する前記ステップは、患者の少なくとも一方の手から低温バー(26、326、426)に熱を伝える間に低温バー(26、326、426)の温度を感知するステップと、低温バー(26、326、426)の感知温度に反応して低温バー(26、326、426)から熱を抽出するステップとを含む、請求額1に記載の方法。
【請求項3】
予め選択された温度は、摂氏約10〜12度の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
患者の少なくとも一方の手を冷却する前記ステップの前に、低温バー(26、326、426)を予め選択された温度まで冷却されるように設定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
患者の少なくとも一方の手を冷却する前記ステップおよび検査熱画像を記録する前記ステップの間、患者の快適性の増加を提供するために、および患者の少なくとも一方の腕を患者の乳房から隔てられた位置で維持するために、および患者の少なくとも一方の腕が患者の乳房を温めることを防止するために、患者の身長および腕の長さに適応するように低温バー(26、326、426)を垂直位置まで垂直に移動させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
患者の少なくとも一方の手を冷却する前記ステップの前に、患者の乳房の対照熱画像を記録するステップと、
血管新生血管および癌の存在を示す、患者の少なくとも一方の手が冷却された後で温度が実質的に変化しないままだった乳房の領域を識別するために、検査熱画像を対照熱画像と比較するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
一対の低温バー(26、326、426)を使用して、患者の乳房における癌の存在を検出するための方法であって、前記方法は、
患者の乳房の対照熱画像を記録するステップと、
患者の両手を冷却するステップと、
患者の両手が冷却された後で、患者の乳房の検査熱画像を記録するステップと、
血管新生血管および癌の存在を示す、患者の両手が冷却された後で温度が実質的に変化しないままだった乳房の領域を識別するために、検査熱画像を対照熱画像と比較するステップとを含み、
前記方法は、
対照熱画像を記録する前記ステップ、患者の両手を冷却する前記ステップ、および検査熱画像を記録する前記ステップの間、患者の腕が患者の乳房を温めることを防止するために、患者の腕を患者の乳房から隔てるステップ、
患者の少なくとも一方の手を冷却する前記ステップおよび検査熱画像を記録する前記ステップの間、患者の快適性の増加を提供するために、および患者の腕を患者の乳房から隔てられた位置で維持するために、および患者の少なくとも一方の腕が患者の乳房を温めることを防止するために、患者の身長および腕の長さに適応するように低温バー(26、326、426)を垂直位置まで垂直に移動させるステップ、
低温バー(26、326、426)を、摂氏約10〜12度の範囲にある予め選択された温度まで冷却されるように設定するステップ、
患者の両手を冷却する前記ステップが、患者の両手から低温バー(26、326、426)に熱を伝えるために、患者の両手をそれぞれ、低温バー(26、326、426)の少なくとも1つの上で受けるステップを含むこと、
患者の両手を冷却する前記ステップの間、低温バー(26、326、426)を予め選択された温度で維持するステップ、
低温バー(26、326、426)を予め選択された温度で維持する前記ステップが、患者の両手から低温バー(26、326、426)に熱を伝える間に低温バー(26、326、426)の温度を感知するステップと、低温バー(26、326、426)の感知温度に反応して低温バー(26、326、426)から熱を抽出するステップ、を特徴とする、方法。
【請求項8】
患者における癌の存在を検出するための診断アセンブリ(20、320)であって、
フレーム(22、322)を含み、
前記診断アセンブリは、
患者の手を受けるために前記フレーム(22、322)によって支持された少なくとも1つの低温バー(26、326、426)と、
前記少なくとも1つの低温バー(26、326、426)の一定温度を維持するために前記低温バー(26、326、426)と通信している温度コントローラ(72)とを特徴とする、診断アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの低温バー(26、326、426)の一定温度を維持するために、前記少なくとも1つの低温バー(26、326、426)の温度を読出して温度データを前記温度コントローラ(72)に送信するために、センサ(76)が、前記少なくとも1つの低温バー(26、326、426)および前記温度コントローラ(72)と接続されている、請求項8に記載のアセンブリ(20、320)。
【請求項10】
前記フレーム(22、322)は、ベース(28、328)を含み、
前記少なくとも1つの低温バー(26、326、426)は、前記ベース(28、328)に対して垂直に可動である、請求項8に記載のアセンブリ(20、320)。
【請求項11】
前記フレーム(22、322)はキャリア(34、334)を含み、前記キャリア(34、334)は、前記ベース(28、328)に対する前記キャリア(34、334)の垂直移動のために、前記ベース(28、328)と垂直に可動に接続されており、
前記少なくとも1つの低温バー(26、326、426)は、前記ベース(28、328)に対する前記少なくとも1つの低温バー(26、326、426)の垂直移動を提供するように、前記キャリア(34、334)によって支持されている、請求項10に記載のアセンブリ(20、320)。
【請求項12】
前記ベース(28、328)から垂直に延在するトラック(36、336)をさらに含み、
前記キャリア(34、334)は、前記キャリア(34、334)と前記ベース(28、328)とを接続するように、および前記ベース(28、328)に対する前記キャリア(34、334)の前記垂直移動を提供するように、前記トラック(36、336)上に摺動可能に配置されている、請求項11に記載のアセンブリ(20、320)。
【請求項13】
少なくとも一つの前記低温バー(26、326、426)は、一対の低温バー(26、326、426)を含み、
前記フレーム(22、322)は、一対の側壁(30、330)を含み、
前記一対の低温バー(26、326、426)は各々、患者の腕を患者の乳房から隔てるために、前記側壁(30、330)のうちの1つから隔てられている、請求項8に記載のアセンブリ(20、320)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの低温バー(26、326、426)は、患者の手を受けるための持ち手(50、350、450)と、前記持ち手(50、350、450)を支持するために前記持ち手(50、350)に係合するシャーシ(38、338)とを含み、
前記シャーシ(38、338)は、前記持ち手(50、350)を前記フレーム(22、322)から隔てるために、前記フレーム(22、322)と接続されている、請求項8に記載のアセンブリ(20、320)。
【請求項15】
前記持ち手(50、350、450)の温度を調節するために、冷却要素(56)が、前記持ち手(50、350、450)に配置されている、請求項14に記載のアセンブリ(20、320)。
【請求項16】
前記冷却要素(56)によって生成された熱を前記持ち手(50、350、450)から離れる方へ向けるために、ヒートシンク(58)が、前記冷却要素(56)に隣接して配置されている、請求項15に記載のアセンブリ(20、320)。
【請求項17】
患者における癌の存在を検出するための診断アセンブリ(20、320)であって、
ベース(28、328)と、前記ベース(28、328)から垂直に延在する一対の側壁(30、330)とを含む、フレーム(22、322)と、
診察室の床上での前記診断アセンブリ(20、320)の回転移動を確立するために前記ベース(28、328)に接続された複数のキャスター(32)とを含み、
前記診断アセンブリは、
前記フレーム(22、322)が、前記ベース(28、328)と可動に接続されたキャリア(34、334)をさらに含むこと、
トラック(36、336)が、前記ベース(28、328)へと、および前記ベース(28、328)から離れるように垂直に延在して、前記ベース(28、328)と前記キャリア(34、334)とを相互接続すること、
前記キャリア(34、334)が、前記トラック(36、336)に沿った前記キャリア(34、334)の垂直および直線移動を提供するように、前記トラック(36、336)上に摺動可能に配置されていること、
一対の低温バー(26、326、426)が、前記キャリア(34、334)と接続され、前記トラック(36、336)から隔てられていること、
前記低温バー(26、326、426)の各々が、略箱形のシャーシ(38、338)を含み、前記シャーシ(38、338)は、下面(40)と、前方面(42)および後方面(44)と、前記下面(40)から延在する一対の側面(46)とを有し、前記面(40、42、44、46)間に区画(48)を規定していること、
前記低温バー(26、326、426)が各々、患者の手を受けるために前記シャーシ(38、338)の前記前方面(42)と接続された、アルミニウム材料の持ち手(50、350、450)をさらに含むこと、
各前記低温バー(26、326、426)の前記持ち手(50、350、450)が、前記シャーシ(38、338)によって前記キャリア(34、334)から隔てられていること、
各前記低温バー(26、326、426)の前記持ち手(50、350、450)と前記シャーシ(38、338)の前記前方面(42)とは、前記シャーシ(38、338)の前記区画(48)へと延在する通路(54)を規定していること、
前記持ち手(50、350、450)の前記外面の温度を調節するために、冷却要素(56)が、各前記持ち手(50、350、450)の前記通路(54)に配置されていること、
前記冷却要素(56)が、ペルチェ半導体タイプのものであること、
前記アセンブリ(20、320)を制御するために、コントローラ(70)が前記アセンブリ(20、320)と接続されていること、
前記コントローラ(70)が、前記持ち手(50、350、450)の前記外面の温度を制御するために前記冷却要素(56)と接続された温度コントローラ(72)を含むこと、
前記温度コントローラ(72)が、前記低温バー(26、326、426)の前記外面の温度を制御するために、前記区画(48)に配置されて前記冷却要素(56)と電気的に接続された回路基板(74)を含むこと、
前記持ち手(50、350、450)の前記外面の温度を読出して温度データを送信するために、センサ(76)が前記持ち手(50、350、450)の各々に係合していること、
前記コントローラ(70)が、前記センサ(76)から温度データを受信するために前記センサ(76)と電気的に接続されて、前記コントローラ(70)が各前記持ち手(50、350、450)の前記外面の一定温度を実質的に維持することを可能にすること、
前記冷却要素(56)によって生成された熱を前記冷却要素(56)から離れる方へ向けるために、ヒートシンク(58)が、前記冷却要素(56)に隣接して、前記区画(48)に配置されていること、
一対のボルト(60)が、前記持ち手(50、350、450)と前記ヒートシンク(58)との間に前記シャーシ(38、338)の前記前方面(42)を挟むように、前記持ち手(50、350、450)と前記ヒートシンク(58)とを螺合接続して、前記持ち手(50、350、450)、前記シャーシ(38、338)、および前記ヒートシンク(58)を互いに固定すること、
前記シャーシ(38、338)の前記下面(40)が、前記ヒートシンク(58)に隣接する温められた空気が前記区画(48)から逃げることを可能にするための複数の排気出口(62)を規定していること、
前記ヒートシンク(58)に隣接する温められた空気を前記排気出口(62)から外へ向けるために、ファン(64)が、前記ヒートシンクに隣接して、前記区画(48)に配置されていること、
前記シャーシ(38)の前記側面(46)が各々、周囲空気が前記区画(48)に入ることを可能にするための空気入口(66)を規定していること、
前記冷却要素(56)および前記温度コントローラ(72)に電力を供給するために、電源(78)が、前記冷却要素(56)、前記温度コントローラ(72)、および前記センサ(76)と電気的に接続されていること、
矩形形状を有するグラフィカルユーザーインターフェイスが、アセンブリ(20)に関する動作データを提示し、受信するために、前記フレーム(22)と接続されていること、を特徴とする、診断アセンブリ。
【請求項18】
前記フレーム(22)はさらに、上部(84)と、前壁(86)と、後壁(88)とを含み、
前記トラック(36)は、前記フレーム(22)の前記上部(84)と前記ベース(28)との間で前記側壁(30)のうちの1つに沿って各々延在する一対のトラック(36)を含み、
前記トラック(36)の各々は、前記トラック(36)において互いに隔てられた平行な関係で、かつ前記トラック(36)に沿って直線的に延在する一対のスロット(90)を規定しており、
前記キャリア(34)は一対のキャリア(34)を含み、一対のキャリア(34)は各々、略U字型の断面を有し、前記トラック(36)のうちの1つを部分的に包囲し、一対の突起(92)を含んでおり、一対の突起(92)は各々、前記トラック(36)に沿った前記キャリア(34)および前記低温バー(26)の前記上向きおよび下向きの移動を可能にするために、ならびに、前記トラック(36)に対する前記キャリア(34)および前記低温バー(26)の外向きの移動を防止するために、前記トラック(36)の前記スロット(90)のうちの1つに摺動可能に配置され、
ピン(94)が、前記トラック(36)に係合するために前記キャリア(34)を通って摺動可能に延在して、前記トラック(36)に沿った予め定められた位置で前記キャリア(34)および前記低温バー(26)をロックし、
前記フレーム(22)は、前記上部(84)、前記ベース(28)、前記前壁(86)、前記後壁(88)および前記側壁(30)間に、チャンバ(96)を規定しており、
前記上部(84)は、前記チャンバ(96)へと延在する口(100)を規定しており、
前記上部(84)は、パッド層(98)によって規定され、
矩形形状を有する一対のフランジ(102)が、互いに隔てられた平行な関係で、前記フレーム(22)の前記前壁(86)から離れるように延在しており、
ヘッドレスト(104)が、前記フレーム(22)の前記フランジ(102)と接続され、前記フランジ(102)から隔てられており、
前記ヘッドレスト(104)は、管形状を有する内筒(106)と、前記内筒(106)の周りに配置された、管形状を有するクッション(108)とを含み、
前記フランジ(102)に対して前記フレーム(22)の前記前壁(86)に向かう、および前記前壁(86)から離れる前記ヘッドレスト(104)の枢動移動を提供するために、一対のロッド(110)が各々、前記フランジ(102)のうちの1つおよび前記ヘッドレスト(104)と枢動可能に接続され、
前記ヘッドレスト(104)を固定位置で留めるために、一対の留め具(112)が各々、前記フランジ(102)のうちの1つおよび前記ロッド(110)のうちの1つを通って螺合延在しており、
前記グラフィカルユーザーインターフェイスは、アセンブリ(20)に関する動作データを提示し、受信するために、前記前壁(86)から垂直に延在し、前記フランジ(102)から前記底部に向かって隔てられた、矩形形状を有する第1のグラフィカルユーザーインターフェイス(80)を含み、
各前記シャーシ(38)の前記後方面(44)は、前記トラック(36)に沿った前記低温バー(26)の移動を提供するように前記キャリア(34)と接続されている、請求項17に記載のアセンブリ(20)。
【請求項19】
前記持ち手(50)の各々は、略円筒形状を有する、請求項17に記載のアセンブリ(20、320)。
【請求項20】
前記持ち手(50)の各々は、患者の指を受けるための複数のくぼみ(327)を規定している、請求項19に記載のアセンブリ(20、320)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2013年3月13日に出願され、「FSMテスター用の低温バー」(”Cold Bar for FSM Tester”)と題された、米国仮特許出願連続番号第61/779,571号の利益を主張する。
【0002】
発明の背景
1. 発明の分野
患者の乳房における癌の存在を検出するための診断アセンブリおよび方法である。
【背景技術】
【0003】
2. 先行技術の説明
癌の研究および治療の分野では、乳房において癌性腫瘍に栄養を与える血管、すなわち血管新生血管は、正常な血管とは異なる解剖学的構造を有しており、そのような血管新生血管は、患者の身体に加えられた寒冷刺激に反応して、正常な血管ほど収縮しない、ということが認識されている。そのため、患者の身体が寒冷刺激にさらされると、正常な血管に関連する温度は、血管新生血管よりも大きく低下する。
【0004】
この違いを認識して、患者における乳癌の存在を検出するために、「寒冷チャレンジ」(cold challenge)と呼ばれる方法が開発されてきた。この方法では、患者の両手が寒冷刺激を受ける前および後に、患者の乳房の熱画像が記録される。患者の両手が寒冷刺激を受けた後に撮影された第2の熱画像、すなわち検査熱画像を、患者の両手が寒冷刺激を受ける前に撮影された第1の熱画像、すなわち対照熱画像と比較して、患者が寒冷刺激にさらされた後に温度が実質的に変化しないままだった乳房の領域を識別し、それにより、その領域における血管新生血管および癌の存在を示す。
【0005】
そのような寒冷チャレンジアセンブリおよび方法の一例が、バケツ1杯の氷水を支持するフレームを含み、患者の両手をバケツ1杯の氷水に漬けることによって患者の両手が冷却される前および後に患者の乳房の熱画像が記録される、ダーリン S.ウィリアムズ(Darin S. Williams)への米国特許第7,558,618号に開示されている。
【0006】
そのような先行技術の寒冷チャレンジは、或る欠点を抱えている。そのような1つの欠点は、氷水は検査の実施中に患者の両手によって、特に患者の両手および指のまわりの氷水の境界層で温められがちである、ということである。加えて、氷水の温度は、それが検査の合間および実施中にある際に変わり得る。検査の実施中および検査の合間の氷水の温度のそのような変化は、不正確で一貫しない試験結果につながり得る。加えて、レイノー症候群の患者など、患者の中には、冷たさに敏感で検査中に不快になるおそれがある人もいる。また、そのような氷バケツは、検査の実施中、および検査の合間の移動中にこぼれやすい。このため、各検査中および検査後に、看護婦または技師は氷バケツを片付け、維持する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
この発明は、患者の手を受けるためにフレームによって支持された少なくとも1つの低温バーと、検査中に低温バーの一定温度を維持するために低温バーと通信している温度コントローラとを含む、診断アセンブリを提供する。
【0008】
この発明はさらに、患者の手を冷却するステップが、患者の手から低温バーに熱を伝えるために、患者の手を低温バー上で受けるステップと、患者の手を冷却するステップの間、低温バーを予め選択された温度で維持するステップとをさらに含む、癌の存在を検出する方法を提供する。
【0009】
発明の利点
この発明の1つ以上の局面のいくつかの利点は、検査の実施中および検査の合間に低温バーが一貫した温度で維持されるため、より一貫した、より正確な検査結果が生成される、ということである。加えて、低温バーはある範囲の異なる温度で維持可能であるため、さまざまな医学的背景を有する患者が検査中に快適なままでいられる。さらに、検査中に流体が使用されず、したがって、検査の実施中および検査の合間に流体がはねる危険がないため、検査の実施は有利なことに、以前の検査方法と比べて清潔なプロセスである。
【0010】
図面の簡単な説明
この発明の他の利点は容易に理解されるであろう。なぜなら、それらは、以下の詳細な説明を添付図面とともに参照することによって、より良好に理解されるためである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】患者の乳房における癌の存在を検出するための診断アセンブリの第1の実施可能な実施形態の斜視図である。
図2】低温バーの第1の実施可能な実施形態の斜視図である。
図3】低温バーの第1の実施可能な実施形態の破断側面図である。
図4】診断アセンブリの第2の実施可能な実施形態の前方斜視図である。
図5】診断アセンブリの第2の実施可能な実施形態の後方斜視図である。
図6】一対の低温バーを垂直に移動させるための親ねじおよびトラックを提示する、診断アセンブリの第2の実施可能な実施形態の破断背面図である。
図7】略球形状を有する持ち手(pommel)を示す、低温バーの第2の実施可能な実施形態の斜視図である。
図8】患者の指を受けるための複数のくぼみを規定する持ち手を示す、低温バーの第3の実施可能な実施形態の斜視図である。
図9】低温バーを把持する患者を示す、診断アセンブリの第2の実施可能な実施形態の斜視図である。
図10】患者の乳房における癌の存在を検出するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施可能な実施形態の詳細な説明
いくつかの図全体を通し、同じ番号が対応する部分を示している図面を参照して、患者における癌の存在を検出するための診断アセンブリ20、320を概して示す。診断アセンブリ20、320は、概して示された、アセンブリ20、320を支持するためのフレーム22、322を含む。アセンブリ20、320を用いた検査中に患者の乳房の熱画像を記録するために、サーモグラフィックカメラ機構324がフレーム22、322と接続されている。概して示された少なくとも1つの低温バー26、326、426は、患者の両手によって受けられ、把持されるためにフレーム22、322と接続されて、患者の両手を冷却する。以下により詳細に説明されるように、サーモグラフィックカメラ機構324は、患者の両手が低温バー26、326、426によって冷却される前および後に患者の乳房の三次元熱画像を記録するように構成されており、それらの画像は、乳房の血管新生血管および癌性領域の存在を識別するために互いに比較される。
【0013】
フレーム22、322は、ベース28、328と、前記ベース28、328から垂直に延在する一対の側壁30、330とを含む。診察室の床上での診断アセンブリ20、320の回転移動を確立するために、複数のキャスター32がベース28、328に接続されている。フレーム22、322はさらに、概して示された、ベース28、328と可動に接続されたキャリア34、334を含む。より特定的には、概して示されたトラック36、336が、ベース28、328へと、およびベース28、328から離れるように垂直に延在しており、キャリア34、334は、フレーム22、322とキャリア34、334とを相互接続するように、およびトラック36、336に沿ったキャリア34、334の垂直直線移動を提供するように、トラック36、336上に摺動可能に配置されている。
【0014】
少なくとも1つの低温バー26、326、426は、アセンブリ20、320を用いた検査中に患者の両手を冷却するために、キャリア34、334と接続されている。図2および図4に最良に提示されるように、好ましい実施形態では、少なくとも1つの低温バー26、326、426は、キャリア34、334から延在する一対の低温バー26、326、426を含む。図2図3および図7にも提示されるように、低温バー26、326、426の各々は、略箱形のシャーシ38、338を含む。シャーシ38、338は、下面40と、前方面42および後方面44と、下面40から延在する一対の側面46と、面40、42、44、46間に規定された区画48とを有する。シャーシ38は、球形または卵形などであり得るもののそれらに限定されない他の形状を有していてもよい、ということが理解されるべきである。
【0015】
低温バー26、326、426は各々、患者の両手によって受けられ、把持されるためにシャーシ38、338の前方面42と接続された、アルミニウム材料の持ち手50、350、450をさらに含む。持ち手50、350、450の各々は、フレーム22、322から隔てられており、その患者の腕が、検査中に腕によって乳房が温められることを防止するために、乳房から隔てられることを有利に確実にする。その結果、患者の腕を乳房から強制的に隔てることは、乳房の温度の不正確で一貫しない測定値を防止する。持ち手50、350、450は、さまざまな身長の、および異なる腕の長さを有する患者に適応するために必要とされるようなさまざまな距離だけ、フレーム22、322から隔てられ得る、ということが理解されるべきである。
【0016】
図3に最良に提示されるように、持ち手50、350、450と、各シャーシ38、338の前方面42とは、シャーシ38、338の区画48へと延在する通路54を規定している。持ち手50、350、450の外面の温度を調節するために、冷却要素56が、各持ち手50、350、450の通路54に配置されている。実施可能な実施形態では、冷却要素56はペルチェ半導体タイプのもの、すなわちサーモグラフィッククーラーであるが、従来の冷蔵サイクルなどであり得るもののそれに限定されない他のタイプのクーラーが使用可能である、ということが理解されるべきである。冷却要素56は、持ち手50、350、450が持ち手50、350、450の長さにわたって均一に冷却されることを確実にするために、持ち手50、350、450の長さにわたって延在していてもよい、ということが理解されるべきである。また、これに代えて、複数の冷却要素56が、持ち手50、350、450が持ち手50、350、450の長さにわたって均一に冷却されることを確実にするために、持ち手50、350、450の長さに沿ったあらゆる区域に配置されてもよい、ということが理解されるべきである。
【0017】
冷却要素56によって生成された熱を冷却要素56から離れる方へ向けるために、ヒートシンク58が、冷却要素56に隣接して、各シャーシ38、338の区画48に配置されている。一対のボルト60が、持ち手50、350、450とヒートシンク58との間にシャーシ38の前方面42を挟むように、持ち手50、350、450とヒートシンク58とを螺合接続して、持ち手50、350、450、シャーシ38、およびヒートシンク58を互いに固定する。持ち手50、350、450、シャーシ38、およびヒートシンク58は、ねじまたは接着剤の使用によるやり方などであり得るもののそれらに限定されない他のやり方で、ともに留められ得る、ということが理解されるべきである。
【0018】
各シャーシ38、338の下面40は、ヒートシンク58によって温められた空気が区画48から逃げることを可能にするための複数の排気出口62を規定している。シャーシ38、338の排気出口62は有利には、温められた空気が患者および持ち手50、350、450に吹きかけられることを防止するために、持ち手50、350、450から離れる方へ向けられる。任意の数の排気出口62が存在していてもよく、それらはシャーシ38、338の他の区域によって規定されてもよいが、それらは患者または持ち手50、350、450の方へ配向されるべきでない、ということが理解されるべきである。ヒートシンク58によって温められた空気を排気出口62から外へ向けるために、ファン64が、ヒートシンクに隣接して、区画48に配置されている。シャーシ38の側面46は各々、周囲空気が区画48に入ることを可能にするための空気入口66を規定している。任意の数の空気入口66がシャーシ38、338によって規定されてもよく、それらはシャーシ38、338の他の区域によって規定されてもよい、ということが理解されるべきである。
【0019】
検査の実施中にアセンブリ20、320を制御するために、コントローラ70がアセンブリ20、320と接続されている。コントローラ70は、フレーム22、322と接続されているコンピュータ(図示せず)を含む。コンピュータはフレーム22、322の内部または外部に配置されてもよく、アセンブリ20のさまざまな局面を制御できる、ということが理解されるべきである。コントローラ70は、低温バー26、326、426の持ち手50、350、450の温度を制御するために冷却要素56と接続された温度コントローラ72を含む。図3に最良に示されるように、温度コントローラ72は、区画48に配置されて冷却要素56と電気的に接続された回路基板74を含む。持ち手50、350、450の外面の温度を読出して温度データを送信するために、センサ76が持ち手50、350、450の各々に係合している。実施可能な実施形態では、センサ76はサーミスタであるが、従来の抵抗温度計などであり得るもののそれに限定されない他の温度センサ76が使用されてもよい、ということが理解されるべきである。温度コントローラ72は、センサ76から温度データを受信するためにセンサ76と電気的に接続されて、コントローラ70が各前記持ち手50の外面の一定温度を維持することを可能にする。したがって、フィードバックベースの閉ループ温度調整器回路が、一定温度を監視し、維持するために使用される。しかしながら、持ち手50、350、450の温度を維持するために他の回路を使用してもよい、ということが理解されるべきである。したがって、低温バー26、326、426は検査の実施中および合間に一貫した温度で維持されるため、アセンブリ20、320は一貫した検査結果を有利に提供する、ということが理解されるべきである。
【0020】
図1および図4に最良に示されるように、冷却要素56、センサ76、温度コントローラ72に電力を供給するために、電源78が、冷却要素56、温度コントローラ72、およびセンサ76と電気的に接続されている。電源78は、さまざまなタイプのバッテリー、または壁の電力コンセントへの接続部であってもよい、ということが理解されるべきである。
【0021】
サーモグラフィックカメラ機構324は、持ち手50、350、450が患者の把持された両手を受けている間に患者の乳房の温度を測定するために、キャリア34、334と接続されている。サーモグラフィックカメラ機構324は、サーモグラフィックカメラ機構324に電力を供給して制御するために、電源78およびコントローラ70と電気的に接続されている。
【0022】
矩形形状を有するグラフィカルユーザーインターフェイス80、82がフレーム22、322と接続され、アセンブリ20、320に関する動作データを受信して医師または患者に提示するためにコントローラ70とデータ接続している。グラフィカルユーザーインターフェイス80、82は、グラフィカルユーザーインターフェイスに電力を供給するために、電源78と電気的に接続されている。グラフィカルユーザーインターフェイスは、従来のLCDモニタまたは陰極線管モニタなどであり得るもののそれらに限定されないさまざまなタイプの従来のインターフェイスであってもよい、ということが理解されるべきである。実施可能な実施形態では、グラフィカルユーザーインターフェイス80、82は、試験の実施中に患者からコマンドを受信するためのタッチスクリーンタイプのものであり、したがってコマンドは、低温バー26、326、426の温度および垂直高さといったアセンブリ20、320のさまざまなパラメータを調節するために、コントローラ70に送信される。
【0023】
診断アセンブリ20の第1の実施可能な実施形態では、図1に最良に提示されるように、フレーム22はさらに、上部84と、前壁86と、後壁88と、一対の側壁30とを含む。トラック36は、フレーム22の上部84とベース28との間で側壁30のうちの1つに沿って各々延在する一対のトラック36を含む。トラック36の各々は、トラック36において互いに隔てられた平行な関係で、かつトラック36に沿って直線的に延在する一対のスロット90を規定している。
【0024】
キャリア34は一対のキャリア34を含み、それらは各々、略U字型の断面を有し、トラック36のうちの1つを部分的に包囲している。キャリア34は各々、一対の突起92を含み、それらは各々、トラック36に沿ったキャリア34および低温バー26の垂直移動を可能にするために、ならびに、トラック36に対するキャリア34および低温バー26の外向きの移動を防止するために、トラック36のスロット90のうちの1つに摺動可能に配置されている。ピン94が、トラック36のうちの1つに係合するために各キャリア34を通って摺動可能に延在して、トラック36に沿った予め定められた垂直位置でキャリア34および低温バー26をロックする。したがって、医師は、キャリア34および低温バー26をトラック36に沿って患者の身長および腕の長さに適した位置まで摺動させ、次にピン94を使用してキャリア34を適所にロックすることができる。
【0025】
フレーム22は、上部84、ベース28、前壁86、後壁88および側壁30間に、チャンバ96を規定している。上部84は、患者がフレーム22の上部84に沿って快適に横たわることを可能にするためのパッド層98によって規定される。パッドは、発泡材料などであり得るもののそれに限定されないさまざまな材料で作られてもよい、ということが理解されるべきである。上部84はさらに、患者の乳房を受けるためにチャンバ96へと延在する開口部100を規定している。サーモグラフィックカメラ機構(明らかには図示せず)は、フレーム22の内部に配置されている。
【0026】
矩形形状を有する一対のフランジ102が、互いに隔てられた平行な関係で、フレーム22の前壁86から離れるように延在している。フレーム22の上部84に沿って横たわる患者の頭を受けるために、ヘッドレスト104がフレーム22のフランジ102と接続され、フランジ102から隔てられている。ヘッドレスト104は、管形状を有する内筒106と、内筒106の周りに配置された、管形状を有するクッション108とを含む。フランジ102に対してフレーム22の前壁86に向かう、および前壁86から離れるヘッドレスト104の枢動移動を容易にするために、一対のロッド110が各々、フランジ102のうちの1つおよびヘッドレスト104と枢動可能に接続されている。ヘッドレスト104を固定位置で留めるために、一対の留め具112が各々、フランジ102のうちの1つおよびロッド110のうちの1つを通って螺合延在する。したがって、患者がフレーム22の上部84に沿って横たわっている間、医師はヘッドレスト104を患者にとって快適な位置まで枢動させて固定してもよい。ヘッドレスト104は、フレーム22の前壁86から離れるように延在する部材などであり得るもののそれに限定されない他のタイプのものであってもよい、ということが理解されるべきである。
【0027】
グラフィカルユーザーインターフェイス80は、患者がフレーム22の上部84に沿って横たわっている間に動作データを患者に提示し、患者から受信するために使用されるように、前壁86から垂直に延在し、フランジ102から底部に向かって隔てられた、第1のグラフィカルユーザーインターフェイス80を含む。また、各シャーシ38の後方面44は、トラック36に沿った低温バー26の移動を提供するようにキャリア34と接続されている。
【0028】
図4〜6に最良に提示されるような診断アセンブリ320の第2の実施可能な実施形態では、アセンブリ320はさらに、複数の脚部114を含み、それらは各々、終端116を有し、フレーム322のベース328から終端116へと外側に延在している。キャスター32のうちの1つは、終端116に隣接して、脚部114の各々に接続されている。任意の数の脚部114が使用されてもよいこと、および脚部114はさまざまな長さまで延在していてもよいことが、理解されるべきである。
【0029】
また、トラック336は、互いに隔てられた平行な関係でフレーム22のベース28から垂直に延在する一対のビーム336を含む。キャリア334は、略直方形状を有するケース335を含み、それは、底部外周部118と、前方外周部120と、後方外周部122と、底部外周部118、前方外周部120、および後方外周部122間に延在する一対の側方外周部124とを有する。底部外周部118はチャネル126を規定しており、それは底部外周部118で延在してビーム336を入れ子式に受けて、ビーム336に沿ったケース335の垂直および直線移動を提供する。
【0030】
キャリア334はさらに、概して示された、リング形状の断面を有してケース335の周りに延在するハンドル128を含む。ハンドル128は、ケース335の前方外周部120に係合する前部130と、ケース335の後方外周部122から隔てられた後部132と、ケース335の側方外周部124のうちの1つから各々隔てられた一対の側部134とを含む。ハンドル128は、それを通って延在する空洞を規定している。ハンドル128の前部130は、支持体の前面に向かって一対のリム352に沿って延在するU字形を有する。各低温バー326の後方面44は、持ち手350をケース335から隔てるように、ハンドル128の前部130のリム352のうちの1つに係合する。ハンドル128は有利には、医師または患者がアセンブリ320を移動させることを可能にするためのグリップとして、低温バー326のための支持体として、および、アセンブリ320の移動中にアセンブリ320を保護するためのバンパーとして機能する、ということが理解されるべきである。
【0031】
グラフィカルユーザーインターフェイス80、82は、ケース335の前方外周部120と接続された第1のグラフィカルユーザーインターフェイス80と、ケース335の後方外周部122と接続された第2のグラフィカルユーザーインターフェイス82とを含む。したがって、患者および医師は各々、試験の実施中に、第1および第2のグラフィカルユーザーインターフェイス80、82を通して同時にデータを受信し、入力することができる、ということが理解されるべきである。
【0032】
サーモグラフィックカメラ機構324は、患者の乳房のサーモグラフィー画像を撮影するために、ケース335の前方外周部120と接続され、第1のグラフィカルユーザーインターフェイス80から底部外周部118に向かって隔てられている。
【0033】
図6に最良に提示されるように、螺合された親ねじ136が、ビーム336間でベース328と回転可能に接続され、ベース328から垂直に延在している。駆動モータ138がベース328に係合している。駆動モータ138は、親ねじ136の回転運動を提供するために親ねじ136と回転可能に接続されたピストン140を含む。ピストン140の回転移動を親ねじ136に伝えるために、ベルト142が、駆動モータ138のピストン140および親ねじ136の周りに配置されている。
【0034】
ケース335は、直方形状を有してケース335の底部外周部118で側方外周部124間に横方向に延在する横材144を含む。親ねじ136は、親ねじ136の回転運動を親ねじ136に沿った横材144の垂直および直線運動へと変換するために横材144を通って螺合延在して、キャリア334の垂直および直線移動を提供する。ケース335は、卵形であり得るもののそれに限定されない他の形状を有していてもよい、ということが理解されるべきである。
【0035】
コントローラ70はさらに、駆動モータ138を制御するために駆動モータ138とデータ通信して、キャリア34の垂直および直線移動を制御する。電源78はさらに、駆動モータ138に電力を供給するために、駆動モータ138と電気的に接続されている。
【0036】
図4に最良に提示されるように、矩形形状を有するパワーコンテナ146が、ケース335の前方外周部120に隣接して、フレーム322に接続されている。巻き付けられた電力ケーブルを受けるために、一対のフック148が、互いに隔てられた平行な関係でパワーコンテナ146から延在している。電源78は、アセンブリ320を壁ソケットと電気的に接続するために、パワーコンテナ146によって規定される一対の電源ソケット150を含む。電源78はさらに、コントローラ79、低温バー26、およびサーモグラフィックカメラ機構324のバックアップ電力を提供するために、ケース335に係合し、コントローラ79、低温バー26、およびサーモグラフィックカメラ機構324と電気的に接続されたバックアップバッテリー152を含む。
【0037】
低温バー26、326、426の第1および第2の実施可能な実施形態では、持ち手50は略円筒形状を有する。しかしながら、持ち手50は、それらが患者の把持された両手を受けている間に持ち手50の表面積を増加させ、持ち手50を把持することをより快適にする他の形状を有していてもよい、ということが理解されるべきである。図7に最良に提示されるような持ち手350のさらに別の実施可能な実施形態では、持ち手350の各々は略球形状を有する。図8に最良に提示されるように、持ち手50、350、450の各々はさらに、患者の把持された手によって受けられる持ち手50、350、450の表面積を増加させるように、患者の個々の指を受けるための複数のくぼみを規定していてもよい。
【0038】
図10に最良に提示されるように、少なくとも1つの低温バー26、326、426を使用して患者の乳房における癌の存在を検出するための方法も、開示される。方法は、サーモグラフィックカメラ機構324を使用して患者の乳房の対照熱画像を記録するステップ154を含む。実施可能な実施形態では、対照熱画像は三次元画像であるが、二次元熱画像もサーモグラフィックカメラ機構324によって記録され得る、ということが理解されるべきである。寒冷刺激が患者にまだ加えられていない状態で患者の乳房の熱画像を確立するために、対照熱画像は、患者の両手を冷却する前に記録される。
【0039】
方法は、患者の快適性の増加を提供するために、および患者の腕を患者の乳房から隔てられた位置で維持するために、患者の身長および腕の長さに適応するように低温バー26、326、426を垂直位置まで垂直に移動させるステップ156によって進む。実施可能な実施形態では、低温バー26、326、426は、トラック36、336に沿ってキャリア34、334を摺動させることによって垂直に移動されるが、低温バー26、326、426は、所望の垂直位置に位置付けられた台または他の表面上に低温バー26、326を配置することによるやり方などであり得るもののそれに限定されない他のやり方で移動されてもよい、ということが理解されるべきである。低温バー26、326、426を垂直位置まで垂直に移動させている間、患者の腕もまた、患者の乳房から水平に隔てられるべきである、ということも理解されるべきである。したがって、患者の腕は、対照熱画像および検査熱画像の双方を記録する前に患者の乳房から隔てられて、不正確な検査結果を防止する。
【0040】
方法は、低温バー26、326、426を予め選択された温度まで冷却されるように設定するステップ158によって進む。検査の実施中に異なる医学的背景を有する患者の快適性を維持するために、低温バー26、326、426がさまざまな温度に設定できることは、有利である。多くの患者については、予め選択された温度は、摂氏10〜12度(華氏50〜53.6度)の範囲にある。しかしながら、或る医学的背景を有する患者については、より暖かい予め選択された温度が選択可能である、ということが理解されるべきである。たとえば、低温に敏感なレイノー症候群の患者は、摂氏17度(華氏62.6度)といったより高い温度で検査を受けることができる。
【0041】
方法は次に、患者の両手を冷却するステップ160によって進む。より特定的には、図8に最良に提示されるように、患者の両手から低温バー26、326、426に熱を伝えるために、患者の把持された両手をそれぞれ、低温バー26、326、426上で受けることによって、患者の両手が冷却される。
【0042】
加えて、方法は、患者の両手を冷却するステップの間、低温バー26、326、426を予め選択された温度で維持するステップ162を含む。低温バー26、326、426を予め選択された温度で維持するステップ162は、患者の両手から低温バー26、326、426に熱を伝える間に低温バー26、326、426の温度を感知するステップ164と、低温バー26、326、426の感知温度に反応して低温バー26、326、426から熱を抽出するステップ166とを含む。
【0043】
患者の両手が冷却された後で、方法は、患者の両手を冷却することに反応した患者の乳房の領域における温度変化を捕えるために、患者の乳房の検査熱画像を記録するステップ168によって進む。
【0044】
方法はまた、血管新生血管および癌の存在を示す、患者の両手が冷却された後で温度が実質的に変化しないままだった乳房の領域を識別するために、検査熱画像を対照熱画像と比較するステップ170も含む。典型的には、華氏約0.2度低下した領域が乳癌の指標であるとして識別されるが、他の温度変化が識別されてもよい。
【0045】
明らかに、この発明の多くの変更および変形が、上述の教示に鑑みて可能であり、また、添付された請求項の範囲内にある限り、具体的な説明以外の態様で実践されてもよい。請求項において先行技術であるものは、「特徴とする」という句で述べられる新規性に先行する。新規性は、「特徴とする」という句において特に明確に記載されるよう意図されており、一方、先行する記載は、この発明が存在する古く周知の組合せを述べているに過ぎない。これらの先行する記載は、この発明の新規性がその有用性を行使するあらゆる組合せをカバーする、と解釈されるべきである。装置クレームにおける「前記」という用語の使用は、クレームのカバー範囲に含まれるよう意図された肯定的な記載である先行事項を指し、一方、「前記」がない場合、クレームのカバー範囲に含まれるよう意図されていない。加えて、クレームにおける参照符号は単なる便宜上のものであり、限定的であるとして読まれるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2015年11月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
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【国際調査報告】