特表2016-516640(P2016-516640A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-516640車両駆動力制御ユニット、制御システム、方法及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-516640(P2016-516640A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(54)【発明の名称】車両駆動力制御ユニット、制御システム、方法及び車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 27/00 20060101AFI20160513BHJP
   B62J 99/00 20090101ALI20160513BHJP
【FI】
   B62J27/00 Z
   B62J99/00 K
   B62J99/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-512202(P2016-512202)
(86)(22)【出願日】2014年3月26日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月4日
(86)【国際出願番号】CN2014074098
(87)【国際公開番号】WO2014180193
(87)【国際公開日】20141113
(31)【優先権主張番号】201310165371.0
(32)【優先日】2013年5月7日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513271313
【氏名又は名称】ボッシュ オートモーティヴ プロダクツ(スジョウ) カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSCH AUTOMOTIVE PRODUCTS(SUZHOU)CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】カン ジャン
(57)【要約】
車両駆動力の制御ユニット、制御システム、方法及び車両であって、制御ユニットの入力端は駆動力要求ユニット及び運転手検出ユニットに接続され、出力端は駆動ユニットに接続される。制御ユニットは、駆動力要求ユニット及び運転手検出ユニットからの信号に応じて駆動力を制御し、運転手がシートに座っている場合、駆動力要求ユニットの信号の要求に応じて駆動力を制御し、運転手がシートに座っていない場合、車両を限定的な速度範囲内で走行させる。これによって、車両に所定の駆動力を供給でき、運転手による車両の押し歩きの利便性が向上するとともに、事故リスクも効果的に防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力要求ユニットと、
運転手検出ユニットと、
駆動ユニットと、
制御ユニットとを含み、
制御ユニットは、駆動力要求ユニット及び運転手検出ユニットに接続される入力端と、駆動ユニットに接続される出力端とを含み、駆動力要求ユニット及び運転手検出ユニットからの信号に応じて駆動力を制御し、運転手がシートに座っている場合に、駆動力要求ユニットの信号の要求に応じて駆動力を制御し、運転手がシートに座っていない場合に、車両の走行速度が予め設定された値よりも低くなるように、制限方式で駆動力を制御する
ことを特徴とする車両駆動力制御システム。
【請求項2】
駆動ユニットは、モータ、ガソリンエンジン又はディーゼル・エンジンのうちの少なくとも一種である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動力制御システム。
【請求項3】
駆動力要求ユニットは、ハンドル、ボタン、ノブ又はペダルである
ことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動力制御システム。
【請求項4】
運転手検出ユニットは、圧力センサであり、シートパッド中又はシートパッド下に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動力制御システム。
【請求項5】
運転手検出ユニットは、感光センサ、赤外線センサ又は超音波センサであり、車両のフロント、制御パネル又はテールに取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動力制御システム。
【請求項6】
制御ユニットは駆動力の遅延制御機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動力制御システム。
【請求項7】
制御ユニットは、さらに車両の加速度を別の予め設定された値よりも低くなるようにすることができる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動力制御システム。
【請求項8】
駆動力要求信号を受信することと、
運転手がシートに座っているか否かを判断し、座っていると判断する場合に、駆動力要求信号の要求に応じて、駆動力を制御し、座っていないと判断する場合に、車両が予め設定された値よりも低い速度範囲で走行するように、制限方式で駆動力を制御することと、
を含む
ことを特徴とする車両駆動力制御方法。
【請求項9】
運転手がシートに座っているか否かを判断するステップにおいて、運転手がシートに座っていないと判断されると、駆動力を遅延制御する、即ち、運転手がシートに座っていない持続時間が予め設定された時間値よりも大きいか否かを判断し、大きいと判断する場合には、制限方式で駆動力を制御し、大きくないと判断する場合には、元の制御方式で駆動力を制御する
ことを特徴とする請求項8に記載の車両駆動力制御方法。
【請求項10】
制限方式で駆動力を制御するステップにおいて、駆動力要求信号に要求される駆動力により、車両が予め設定された値よりも低い速度で走行する場合に、駆動力要求信号の要求に応じて駆動力を制御する
ことを特徴とする請求項8に記載の車両駆動力制御方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか一項に記載の車両駆動力制御方法を実行する制御ユニット。
【請求項12】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の車両駆動力制御システムを含む車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両駆動力制御ユニット、制御システム、方法及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
電動自転車は、電源オン状態(即ち待機状態)において、ハンドルを回せば始動することができるものである。運転手がまだ自転車に乗っていない又は既に自転車から降りているが、電動自転車が待機状態にある場合、不注意にハンドルを回すと、電動自転車が始動してしまうが、これは安全上の重大なリスクである。
【0003】
他の車両、例えばガソリンエンジン、ディーゼル・エンジンを動力源とするオートバイ或いは三輪車にも、類似の安全上のリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、従来の車両駆動力制御方法及びシステムを改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
よって、本発明は、上記従来技術における少なくとも一種の欠点を克服するために、駆動力要求ユニット、運転手検出ユニット、駆動ユニット及び制御ユニットを含み、制御ユニットは、駆動力要求ユニット及び運転手検出ユニットに接続される入力端と、駆動ユニットに接続される出力端とを含み、制御ユニットは、駆動力要求ユニット及び運転手検出ユニットからの信号に応じて駆動力を制御し、運転手がシートに座っている場合には、駆動力要求ユニットの信号の要求に応じて駆動力を制御し、運転手がシートに座っていない場合には、車両が予め設定された値以下の速度で走行するように、制限方式で駆動力を制御する、改善された車両駆動力制御システムを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の一態様によれば、車両駆動力制御方法は、駆動力要求信号を受信すること、及び、運転手がシートに座っているか否かを判断し、座っていると判断する場合には、駆動力要求信号の要求に応じて駆動力を制御し、座っていないと判断する場合には、車両が予め設定された値よりも低い速度で走行するように、制限方式で駆動力を制御することを含む。
【0007】
選択的に、当該車両駆動力制御方法は、車両の加速度を別の予め設定された値よりも低くなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車両駆動力制御ユニット、制御システム、方法及び車両によれば、駆動力要求ユニット及び運転手検出ユニットからの信号に応じて駆動力を制御し、運転手がシートに座っていない場合には、車両を限定的な速度範囲内で走行させることにより、車両に所定の駆動力を供給することができ、運転手による車両の押し歩きの利便性が向上するとともに、事故リスクも効果的に防止することができる。本発明は遅延制御機能をさらに有し、駆動力要求信号及び運転手がシートに座っていない信号が所定の時間の長さを超える場合に、制限方式で駆動力を制御することができる。運転手が意図せず駆動力要求ユニットを操作した場合、又は、走行中の上下の揺れによって運転手が一時的にシートから離れた場合には、車両速度は制限されず、より一層車両の安全が保証される。本発明は、車両の加速度を別の予め設定された値よりも低くすることができ、車両の安全を保証するとともに運転の快適性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る車両駆動力制御システムの一実施形態の構成の模式ブロック図。
図2】本発明に係る車両駆動力制御方法の一実施形態のフローチャート。
図3】本発明に係る車両駆動力制御方法の別の実施形態のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明に係る車両駆動力制御システム及びその方法の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る車両駆動力制御システムの一実施形態の構成の模式図である。車両駆動力制御システムは、駆動力要求ユニット10、運転手検出ユニット11、駆動ユニット12及び制御ユニット13を含む。制御ユニット13は、駆動力要求ユニット10及び運転手検出ユニット11に接続される入力端と、駆動ユニット12に接続される出力端とを含む。制御ユニット13は、駆動力要求ユニット10及び運転手検出ユニット11の信号に応じて、駆動ユニット12の出力駆動力を制御する。
【0012】
駆動ユニット12は、モータ、ガソリンエンジン又はディーゼル・エンジンであってもよい。本発明の車両駆動力制御システムを用いた車両は、モータ、ガソリンエンジン又はディーゼル・エンジンを動力源とする二輪車又は三輪車であってもよい。
【0013】
電動自転車を例として、駆動力要求ユニット10は回転可能なハンドル、例えば、無段階回転又は段階回転のハンドルである。電動自転車の電源オンの状態で、ハンドルを回転して、制御ユニット13に駆動力要求信号を送信することができる。他の実施形態においては、車両のタイプ及び実際の要求に応じて、駆動力要求ユニット10は、ボタン、ノブ又はアクセルペダルであってもよい。
【0014】
運転手検出ユニット11は、運転手シートに座っている運転手が存在するかを検出する。運転手検出ユニット11は、圧力センサであってもよく、電動自転車のシートパッド内又はシートパッド下に取り付けられる。運転手検出ユニットは、光センサ、赤外線センサ又は超音波センサであってもよい、車両のフロント、車両の制御パネル又はテールに取り付けられる。運転手検出ユニット11の種類は、車両のタイプ及び実際の要求に応じて選択されることが可能である。
【0015】
制御ユニット13は、駆動力要求ユニット10からの駆動力要求信号を受信した後、運転手が運転手シートに座っている信号を受信すると、駆動力要求信号の要求に応じて駆動ユニット12を制御する。例えば、駆動力要求信号により低い駆動力が要求されると、低い駆動力を出力するように駆動ユニット12を制御し、駆動力要求信号によりフルパワーの駆動力が要求されると、フルパワーの駆動力を出力するように駆動ユニット12を制御する。
【0016】
制御ユニット13は、駆動力要求ユニット10からの駆動力要求信号を受信した後、運転手が運転手シートに座っていない信号を受信すると、車両の最大走行速度が予め設定された値よりも低くなるように、駆動ユニット12の最大出力駆動力を制限する。当該予め設定された値は、0km/h、即ち車両が止まって動かない値であってもよい。当該予め設定された値は、徒歩速度以下の値であってもよく、例えば、車両が低い速度で走行するように、当該予め設定された値は5km/h以下の任意の値であってもよい。このようにすることによって、車両に所定の駆動力を供給することができ、運転手による車両の押し歩きの利便性が向上するとともに、事故リスクも効果的に防止することができる。
【0017】
本実施形態において、「制限方式で駆動力を制御する」ことの目的は、主に、車両の最大走行速度を上記の予め設定された値よりも低くさせることにある。つまり、運転手がシートに座っていないことを検出し、且つ、駆動力要求信号に要求される駆動力により、車両の走行速度が当該予め設定された値よりも高くなる場合にのみ、制御ユニット13は、車両が当該予め設定された値よりも低い速度範囲で走行するように、駆動ユニット12の最大出力駆動力を制限する。当該駆動力要求信号に要求される駆動力により、車両が当該予め設定された値以下の速度で走行する場合に、駆動力要求信号の要求に従って駆動力を制御する。選択的に、「制限方式で駆動力を制御する」ということは、車両の加速度を別の予め設定された値よりも低くすることを含み、車両の安全を保証するとともに運転の快適性を向上させる。
【0018】
運転手が運転手シートに座っていないことを検出した場合に、制御ユニット13は遅延制御機能をさらに備えてもよく、運転手がシートに座っていない持続時間が予め設定された時間値よりも大きい場合にのみ、駆動ユニット12の最大出力駆動力を制限する。運転手がシートに座っていない持続時間が予め設定された時間値よりも小さい場合は、駆動ユニット12の駆動力に影響を与えない。例えば、車両の走行過程において、でこぼこの道路に遭遇した場合に、一時的に運転手とシートとの間の不確実な接触をもたらす可能性があり、制御ユニット13の遅延制御機能により、この場合に駆動ユニット12の出力駆動力が突然制限されて車両速度が激減することを防止することによって、交通事故を防止する。当該予め設定された時間値は、実際の状況やクライアントの要求に応じて、任意の0以上の値に設定されてもよく、本実施形態において、例えば、1秒乃至3秒間の任意の値に設定されてよい。
【0019】
図2は、本発明に係る車両駆動力制御方法の一実施形態のフローチャートであり、当該車両駆動力制御方法は、駆動力要求信号を受信することと、運転手がシートに座っているか否かを判断し、座っていると判断する場合に、駆動力要求信号の要求に応じて、駆動力を制御し、座っていないと判断する場合に、車両の最大走行速度が予め設定された値よりも低くなるように、制限方式で駆動力を制御することを含む。
【0020】
選択的に、本発明に係る車両駆動力制御方法の当該一実施形態は、車両の加速度を別の予め設定された値よりも低くすることができ、車両の安全を保証するとともに運転の快適性を向上させる。
【0021】
図3を参照して、本発明に係る車両駆動力制御方法の別の実施形態は、駆動力の遅延制御ステップをさらに含む。つまり、運転手がシートに座っているか否かを判断するステップにおいて、運転手がシートに座っていないと判断されると、駆動力を遅延制御する。駆動力の遅延制御ステップにおいて、運転手がシートに座っていない持続時間が予め設定された時間値よりも大きいか否かを判断し、大きいと判断される場合に、制限方式で駆動力を制御し、大きくないと判断される場合に、元の制御方式で駆動力を制御する。ここで、元の制御方式とは、運転手がシートに座っていないことが検出される前の駆動力の制御方式である。
【0022】
本発明の車両駆動力制御ユニット、制御システム及び方法によれば、駆動力要求ユニット及び運転手検出ユニットからの信号に応じて駆動力を制御し、運転手がシートに座っていない場合に、車両を限定的な速度範囲内で走行させることで、車両に所定の駆動力を供給でき、運転手による車両の押し歩きの利便性が向上するとともに、事故リスクも効果的に防止することができる。本発明は遅延制御機能をさらに有し、駆動力要求信号及び運転手がシートに座っていない信号が所定の時間の長さを超える場合にのみ、制限方式で駆動力を制御することができる。運転手が意図せず駆動力要求ユニットを操作した場合、又は、走行中の上下の揺れにより運転手が一時的にシートから離れた場合は、車両速度は制限されず、より一層車両の安全が保証される。本発明は、車両の加速度を別の予め設定された値よりも低くすることができ、車両の安全を保証するとともに運転の快適性を向上させる。
【0023】
以上では、好ましい実施形態と合わせて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。よって、発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者にとって種々の変更を行うことができる。すべてのこれらの変更や均等な構成は、本発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】