(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-516644(P2016-516644A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(54)【発明の名称】分配カートリッジ
(51)【国際特許分類】
B65D 47/28 20060101AFI20160513BHJP
B65D 83/04 20060101ALI20160513BHJP
B65D 47/26 20060101ALI20160513BHJP
【FI】
B65D47/28 E
B65D83/04 E
B65D83/04 F
B65D47/26 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-503306(P2016-503306)
(86)(22)【出願日】2014年3月15日
(85)【翻訳文提出日】2015年11月12日
(86)【国際出願番号】US2014030008
(87)【国際公開番号】WO2014145274
(87)【国際公開日】20140918
(31)【優先権主張番号】61/800,973
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515259270
【氏名又は名称】メイクフィールド エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】アクドーガン,クタドグ
(72)【発明者】
【氏名】フォン・ハイフナー,クリスチアン
(72)【発明者】
【氏名】トリガー,デール
(72)【発明者】
【氏名】ヴェプリ,カルヤン,シー
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB07
3E084BA02
3E084CA01
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3E084GA01
3E084GA08
3E084GB30
3E084LA13
3E084LB02
(57)【要約】
アクチュエータ及び攪拌手段を含めることにより分配カートリッジを改善することが可能である。詳細には、アクチュエータの起動は、カートリッジ内の攪拌手段を移動させて複数の物品を攪拌させて該複数の物品のうちの1つを所定の分配位置へと案内することを可能とする。これと同時に、アクチュエータの起動は、カートリッジのキャップを移動させて分配穴を前記分配位置に位置合わせすることを可能とし、これにより単一物品の分配が可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を保持するよう構成されたリザーバと、
該リザーバに結合された傾斜台であって、前記複数の物品のうちの少なくとも1つを分配位置へと案内する傾斜台経路を含む、傾斜台と、
前記リザーバ及び前記傾斜台の周囲のハウジングと、
該ハウジングのためのキャップであって、分配穴を含み、該分配穴が前記分配位置と位置合わせされた状態又は位置合わせされていない状態へと移動することを可能にするよう前記傾斜台に対して移動可能な状態で結合されている、キャップと、
前記リザーバ内に位置することが可能な攪拌手段と、
該攪拌手段及び前記キャップに機械的に結合されたアクチュエータであって、該攪拌手段を前記リザーバ内で移動させて前記物品を攪拌すると同時に該キャップを前記傾斜台に対して移動させて前記分配穴を前記分配位置に位置合わせするよう構成されている、アクチュエータと
を備えている装置。
【請求項2】
前記傾斜台が、前記リザーバの軸を中心として非対称に構成された表面を含み、該表面が前記傾斜台経路を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記攪拌手段が非対称な形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジングが、スナップ結合、ねじ結合、摩擦結合、差込結合、及び電磁石結合のうちの少なくとも1つを用いて前記複数の物品を含む少なくとも1つの容器と係合するよう構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
アタッチメント機構により前記ハウジングに結合されるアタッチメントを更に備えており、前記物品が前記分配穴を通って該アタッチメント内へと分配される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記物品に関するデータを格納するよう構成されたメモリを更に備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
ドア及び窓のうちの少なくとも一方を更に備えており、該ドアが、前記リザーバと協働し及び該リザーバ内の前記複数の物品へのアクセスを可能とするよう構成されており、該窓が、該リザーバと協働し及び該リザーバ内の前記複数の物品の目視を可能とするよう構成された半透明の表面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記傾斜台経路の基部におけるチャンバであって、前記分配位置を含み、及び前記複数の物品のうちの1つをその分配のために整列させるための大きさ及び形状を有している、チャンバと、
前記攪拌手段の上部に配設された傾斜部とを更に備えており、
前記アクチュエータがアームを含み、該アームが押圧力により駆動された際に該アームが前記攪拌手段を第1の位置から第2の位置へとスライドさせ、該第1の位置が、前記分配穴が前記分配位置と位置合わせされていない位置を含み、該第2の位置が、前記分配穴が前記分配位置と位置合わせされている位置を含み、該第1の位置から該第2の位置への該攪拌手段のスライド動作が、前記傾斜部を前記傾斜台経路内へ移動させて、前記複数の物品のうちの1つを前記分配穴を介した分配のために前記チャンバ内に残す一方、該複数の物品のうちの別の1つの物品を前記リザーバに向かって付勢する、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記アームを駆動するために必要な前記押圧力が、該装置のチャイルドプルーフ機能を形成するのに十分な大きさの力である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記アームを移動させるために押圧しなければならないタブを更に備えている、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記リザーバを形成する内側層壁及び内側層基部を有する前記ハウジングの内側層と、
該内側層の周囲に配設されて該内側層に回転可能な状態で結合された中間層であって、中間層壁及び中間層基部を有しており、前記攪拌手段が該中間層基部から前記内側層基部を介して前記リザーバ内へと突出する、中間層と
前記リザーバの軸からオフセットさせて前記中間層基部に配設された、該装置のための分配穴である中間層穴と、
前記内側層基部の外周周辺に配設された複数の内側層穴と、
前記攪拌手段から延びて前記中間層穴の上方に配設された攪拌アームであって、該攪拌手段が前記複数の物品を前記内側層基部の外周周辺に整列させるよう構成されており、該攪拌アームが、前記複数の物品のうちの1つを前記中間層穴に向かって案内すると共に該複数の物品のうちの別の1つを前記中間層穴から遠ざけるように案内するよう構成されている、攪拌アームとを更に備えており、
前記中間層の回転が、前記中間層穴を前記複数の内側層穴のうちの1つに位置合わせし、これにより前記複数の物品のうちの1つの解放が可能となる、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記中間層壁の周囲に配設された外側層を更に備えており、該外側層が、該外側層に押圧力が加えられた際に前記中間層と係合し、及び該外側層が回転され且つ該押圧力が加えら得た際に該中間層を回転させるよう構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記外側層を前記中間層壁に係合させるために必要な前記押圧力が、該装置のチャイルドプルーフ機能を形成するのに十分な大きさの力である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ハウジングの第1のスリーブであって、第1のスリーブ壁とキャップを含む基部とを含み、更に前記攪拌手段を含む、第1のスリーブと、
前記ハウジングの第2のスリーブであって、第2のスリーブ壁及び上部を含み、前記キャップと垂直な方向の押圧力が該装置の一端に加えられた際に、該第1のスリーブ及び該第2のスリーブが互いに対して前記第1のスリーブ壁及び前記第2のスリーブ壁に沿ってスライドすることにより該装置の圧縮状態が形成されて、前記基部及び前記上部が、該装置が非圧縮状態にあるときの該基部と該上部との間の距離よりも短い距離だけ離隔するように、前記第1のスリーブとスライド可能な状態で係合する、第2のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記基部を通って突出し、及び物品座部を含む、分配チューブであって、該装置が非圧縮状態にあるときに該物品座部が該第1のスリーブの該基部により隠され、該装置が圧縮状態にあるときに該物品座部が露出する、分配チューブとを更に備えており、
前記傾斜台が、前記第2のスリーブ内に配設され、及び物品穴及び攪拌手段穴を含み、
前記分配チューブが前記物品穴の下方に配置されており、
前記第1のスリーブ及び前記第2のスリーブが互いに対してスライドして該装置の圧縮状態を形成した際に、前記攪拌手段が、前記傾斜台の前記攪拌手段穴を通って突出し、これにより前記複数の物品を攪拌し、及び該複数の物品のうちの1つを前記物品穴を通して前記分配チューブの前記物品座部上へ案内して、該装置が圧縮状態になった際に該複数の物品のうちの該1つが露出するようにする、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記物品が、特定の物品大きさ及び物品形状を有しており、前記分配チューブが、該物品大きさ及び該物品形状と協働し及び該物品を分配するよう構成された大きさ及び形状を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記分配チューブが取り外し可能であり並びに異なる大きさ及び形状の少なくとも一方を有する第2の分配チューブと交換することが可能である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第2のスリーブ壁上に配設されたタブであって、該装置の中心軸と垂直な方向のタブ押圧力が該タブに加えられた際に該中心軸に向かって移動することが可能である、タブと、
該タブに隣接して配設された前記傾斜台から延びる突起であって、該タブと共に移動することができる、突起と、
前記第1のスリーブに含まれる切り欠きであって、該装置が非圧縮状態にあるときに前記突起と解放可能な状態で係合し、該突起と該切り欠きとの係合により前記第2のスリーブに対する該第1のスリーブの運動が阻止される、切り欠きとを更に備えており、
前記タブ押圧力が前記タブに加えられた際に、該タブが前記突起を前記中心軸に向かって移動させて該突起の前記切り欠きとの係合が解除されて、前記キャップと垂直な方向の押圧力が該装置の前記一端に加えられた際に前記第1のスリーブ及び前記第2のスリーブが互いに対してスライドして該装置の圧縮状態を形成することが可能となる、
請求項14に記載の装置。
【請求項18】
複数の物品を保持するよう構成されたリザーバを含むハウジングと、
分配穴を含む、前記ハウジングのためのキャップと、
前記リザーバに結合された傾斜台であって、前記複数の物品のうちの少なくとも1つを前記分配穴を介して案内するための分配経路を含む、傾斜台と、
該分配穴と連絡した状態で該分配経路に沿って含まれる揺動機構であって、前記傾斜台に対して回動することが可能であり、及び物品座部を含む、揺動機構と、
該揺動機構に機械的に結合された偏倚部材であって、前記揺動機構を第1の位置に保持する偏倚力を提供し、前記物品座部に力が加えられて該偏倚部材の圧縮が生じた際に該揺動機構が第2の位置へと回動することが可能である、偏倚部材と、
該揺動機構と共に移動することができる、該揺動機構に取り付けられたピンと、
前記ハウジング内に配設されたダイヤルカウンタであって、該ハウジングに対して回転することが可能であり、前記ピンが1回の回動運動を完了した際に該ピンが係合するよう構成されており、該1回の回動運動の完了が1つの物品を分配することを含む、ダイヤルカウンタとを備えた装置であって、
分配のための物品が前記揺動機構の前記物品座部上に案内された際に、該分配のための物品の重量が前記偏倚部材を圧縮すると同時に前記揺動機構を前記第2の位置へと回動させ、該第2の位置において前記分配のための物品が該物品座部から解放され、
該分配のための物品の該物品座部からの解放により、該偏倚部材が該揺動機構を前記第1の位置に戻るよう回動させ、
前記ダイヤルカウンタに係合する前記ピンが該ダイヤルカウンタを回転させることにより、該装置により分配された物品の数がカウントされる、装置。
【請求項19】
前記ダイヤルカウンタの現在のカウントの眺めを提供するよう構成された参照ポートを更に備えている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記揺動機構が、前記分配穴の外部に隣接して配設されている、請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2013年3月15日に出願された米国仮出願第61/800,973号を優先権の主張の基礎とするものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に分配カートリッジに関し、特に非対称な傾斜台(chute)及び攪拌手段(agitator)を使用して分配カートリッジから物品を分配するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、単一の物品(分配可能物)を分配するためのカートリッジは、多数の目的のため、例えば、消耗物の容器(例えば、薬瓶)のために存在し、及び多数の機能的及び実際的な利点を含み得るものである。例えば、一錠を分配する薬瓶は、ユーザが正しい用量を取得すること、瓶を開けて一錠を取得するためのユーザの能力を容易化すること、処方薬及び栄養補助食品の患者の使用の管理を支援すること等を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々な機械的な装置が、分配プロセス中に単一の物品を隔離することを試みたが、かかる装置は、信頼性に欠ける複雑な機構を含むことが多く、詰まりという問題を有し、様々な物品に適応することができず、又は使用が困難なものである。
【0005】
改善された分配カートリッジが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
分配カートリッジは、アクチュエータ及び攪拌手段を含めることにより改善することが可能である。詳細には、該アクチュエータの起動は、該カートリッジ内の該攪拌手段を移動させて複数の物品を攪拌させて該複数の物品のうちの1つを分配のための所定位置へと案内することを可能とする。これと同時に、該アクチュエータの起動は、該カートリッジのキャップを移動させて分配のための穴を前記分配のための所定位置に位置合わせすることを可能とし、これにより単一物品の分配が可能となる。
【0007】
一実施形態では、装置は、物品を保持するよう構成されたリザーバと、該リザーバに結合された傾斜台とを含み、該傾斜台は、前記複数の物品のうちの少なくとも1つを分配用の位置へ案内するための傾斜台経路(chute path)を含む。該装置はまた、前記リザーバ及び前記傾斜台の周囲のハウジング並びに該ハウジングのためのキャップを含むことが可能であり、該キャップは、分配用の穴を含み、及び前記傾斜台に対して移動可能な状態で結合されて、該分配用の穴が前記分配用の位置と位置合わせされ又は位置合わせされないよう移動することを可能にする。前記攪拌手段は、前記リザーバ内で位置決めすることが可能である。本装置は更に、該攪拌手段及び前記キャップに機械的に結合されたアクチュエータを含むことが可能であり、該アクチュエータは、前記リザーバ内で前記攪拌手段を移動させて前記物品を攪拌させると同時に、前記キャップを前記傾斜台に対して移動させて前記分配穴を前記分配用の位置と位置合わせするよう構成される。
【0008】
別の実施形態では、装置は、物品を保持するよう構成されたリザーバを有するハウジングと、該ハウジングのためのキャップであって分配用の穴を含むキャップと、該リザーバに結合された傾斜台とを含み、該傾斜台は、複数の物品のうちの少なくとも1つを前記分配用の穴を介して案内するための分配経路を含む。該装置は更に、前記分配用の穴と連絡する前記分配経路に沿って揺動機構を含むことが可能であり、該揺動機構は、該傾斜台に対して回動可能であり、及び物品座部(item seat)を含む。該装置はまた、前記揺動機構に対して機械的に結合された偏倚部材を含むことが可能であり、該偏倚部材は、該揺動機構を第1の位置に保持する偏倚力を含み、該揺動機構は、前記物品座部に力が加えられた際に第2の位置へと回動して前記偏倚部材の圧縮を生じさせることが可能である。また、該装置は、該揺動機構に取り付けられた(該揺動機構と共に移動することが可能な)ピンと、前記ハウジング内に配設され及び該ハウジングに対して回転することが可能なダイアルカウンタとを含むことが可能であり、該ダイアルカウンタは、前記ピンが1回の回動動作を完了したときに(該1回の回動動作の完了は1つの物品の分配を含む)前記ピンと係合するよう構成されている。分配用の物品が前記揺動機構の前記物品座部上に案内されると、該分配用の物品の重量が前記偏倚部材を同時に圧縮して前記揺動機構を第2の位置へと回動させ、該第2の位置で該分配用の物品が該物品座部から解放される。該物品座部からの該分配用の物品の解放により、前記偏倚部材が前記揺動機構を回動させて前記第1の位置に戻すことが可能となる。前記ピンが前記ダイアルカウンタと係合することにより、該ダイアルカウンタが回転させられ、これにより該装置により分配された物品の個数がカウントされる。
【0009】
本書で説明する装置、システム、及び方法の上述その他の目的、特徴、及び利点は、添付図面に示すような特定の実施形態についての以下の説明から明らかとなろう。該図面は、必ずしも実際の縮尺にはなっておらず、本書で説明する装置、システム、及び方法の原理を説明するために強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2A】バネスライダ式(spring-slider)分配機構の斜視図である。
【
図4A】パームプレス(掌押圧)式分配機構(非圧縮状態)の斜視図である。
【
図4B】パームプレス式分配機構(圧縮状態)の斜視図である。
【
図5A】パームプレス式分配機構(非圧縮状態)の断面図である。
【
図5B】パームプレス式分配機構(圧縮状態)の断面図である。
【
図6】パームプレス式分配機構(非圧縮状態)を側方から見た斜視図である。
【
図7A】カウント機構を第1の位置で示す断面図である。
【
図7B】カウント機構を第2の位置で示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、好適な実施形態を示した添付図面を参照して本実施形態について一層完全に説明することとする。しかし、それらは、多数の異なる態様で実施することが可能なものであり、本書で開示する実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。かかる実施形態は、本開示が本発明の範囲を当業者に伝えるものとなるよう提供したものである。
【0012】
本書で言及する全ての文書はその引用をもってその全てを本書に取り込んだものとする。単数形での物品の言及は、明示的に言及しない限り、又は文章から明らかでない限り、複数形での物品を含むもの(逆も又同様)と解釈されるべきである。文法的な結合は、特に言及しない限り、又は文脈から明らかでない限り、結合された節、文、及び単語等の任意の及び全ての離接的及び接続的な組み合わせを表すことを意図したものである。このため、用語「又は」は、「及び/又は」等を意味するものと一般に解釈されるべきである。
【0013】
本書における値の範囲の記述は、本書で特に言及しない限り、制限を意図したものではなく、かかる範囲内に含まれる任意の及び全ての値を個々に指し示すものであり、かかる範囲内の各々の別個の値は、かかる値を本書で一つ一つ説明したかのように本明細書中に含まれているものとする。「およそ」及び「約」等の用語が数値に付随する場合、該用語は、当業者には理解されるように、意図する目的のために十分に機能するための偏差を示すものと解釈されるべきである。値及び/又は数値の範囲は、本書では一例としてのみ提供され、本開示の実施形態の範囲を制限するものではない。本書に記載する任意の及び全ての実施形態又は例示的な言葉(「例えば」、「といった」等)の使用は、実施形態の良好な例示を意図したものに過ぎず、かかる実施形態の範囲に制限を課すものではない。本明細書中の如何なる言葉も、特許請求していない要素を本実施形態の実施にとって必要不可欠なものとして示すものとして解釈されるべきではない。
【0014】
以下の説明では、「第1」、「第2」、「上部」、「底部」、「上」、及び「下」といった用語は、便宜上のものであり、制限を意図した用語として解釈されるべきではない、ということが理解されよう。
【0015】
本書では、分配カートリッジから単一の物品を分配するための装置、システム、及び方法について説明する。「単一物品分配カートリッジ」及び「単一単位分配機構」等(すなわち、本書で開示するあらゆる装置及びカートリッジその他)は、少なくとも1つの物品/単位を分配するために使用することが可能なものであり、これは、2つ以上の物品/単位を分配することを含み得るものである、ということが理解されよう。特に言及しない限り、本書で開示する実施形態は、主として分配カートリッジから単一物品を分配することに関するものであるが、一態様では、本実施形態は、1つの単一物品よりも多くの物品を分配するよう構成することが可能である。例えば、一態様では、分配カートリッジは、2錠を含み得る正しい投与量の医薬を分配するよう構成される。
【0016】
一般に、「(1つ以上の)物品」、「(1つ以上の)単位」、「(1つ以上の)分配可能物」、及びそれに関連する「分配可能単位(dispensable unit)」等の用語は、単位形態又は連続的な形態で分配することができる1つの物品、複数の物品の組み合わせ、合成物、構成要素、材料、及び化合物等を広範に称することを意図したものである。
【0017】
「分配可能物」又は「物品」とは、分配することができる任意の単位とすることが可能なものであるが、用語「消耗物」又は「消耗単位(consumable unit)」は、ユーザにより消費されることが意図された分配可能物を称することが意図されたものである。消耗物とは、多彩な摂取可能な消耗物及びそのためのフォームファクタを含むことが意図されている。例えば、消耗単位は、錠剤、カプセル、タブレット、チュアブル、薬用キャンディ、溶けるもの(dissolvables)、振りかけるもの(sprinkles)、口の中で溶けるマイクロカプセル、口腔内崩壊錠、チュアブル錠(ゼリービーンズやグミ等を含む)、及びガム等のうちの1つ以上、並びに、液体又は粉末、溶液、ペースト、懸濁液、及びそれらの組み合わせといった連続的な形態の消耗物を含むことが可能である。消耗物は、追加的又は代替的に、粉末(free powders)、粉末小袋(powder sachets)、液体、液体小袋(liquid sachets)、小瓶、カップ、ケース、及びその他の貯蔵形態等で提供される物品を含むことが可能である。より一般的には、消耗単位は、バルクの、個々の、個々に予めパッケージされた、一群をなして予めパッケージされた、及び/又は混合された物品といったパッケージ形態を含む、消費のための任意の構成とすることが可能である。バルク形態の構成の場合、「消耗単位」は、ティースプーン1杯の液体、複数の錠剤、1ミリグラムの粉末といった分配のための所定部分とすることが可能であり、又は、分配前又は分配後に分配するために局所的に作成される混合物へと分配され又は混合される同様の所定部分とすることが可能である。
【0018】
同様に、各消耗単位の内容は、著しく異なることが可能であり、処方薬、非処方薬若しくは小売薬、栄養補助食品、ビタミン補助食品、ミネラル補助食品、獣医薬、又は、獣医栄養補助食品などを含むことが可能である(但し、それらには限定されない)。消耗単位は、追加的又は代替的に、砂糖、種子、キャンディ、スナック(snacks)、ペット用菓子、及びその他の食料、並びに他の任意の薬剤、栄養補助食品、若しくは上記以外の他の消耗物といった、食料その他の物品を含むことが可能である。これらの摂取を目的とした消耗物(consumables)は、本書では「摂取物(ingestibles)」又は「摂取単位(ingestible units)」とも称す。
【0019】
消耗物は、上述のように摂取という従来の意味での消耗のための物品を含むことが可能であるが、消耗物は、追加的に又は代替的に、1回だけの使用が意図された使い捨て可能な物品等を含むことが可能である。このため、本書で用いる場合、「使い捨て物(disposable)」とは、摂取以外の使用を目的とした任意の消耗物を含むことが可能である。これは、例えば、手当用品(dressing)、包帯、バンドエイド(登録商標)、ガーゼ、注射器、体温計、及び個別包装された抗菌器具といった医療関係の使い捨て物品、並びに1回限りの使用のために個別の単位で分配することができる補聴器やコンタクトレンズといった他の物品を含むことが可能である。これは、追加的又は代替的に、歯磨き粉、楊枝、石鹸、殺菌剤、保湿剤、及び綿棒といった介護用品、並びに、接着剤、電池、及びゴム手袋といった他の家庭用品を含む、摂取を目的としない連続的な形態の物品を含むことが可能である。かかる全ての使い捨て物は、該用語を本書で用いる場合には、消耗物という形をとることが可能なものであり、同様に、消耗物は、使い捨て物という形をとることが可能なものである。
【0020】
前述の用語(物品、分配可能物、消耗物、摂取物、使い捨て物)は、本発明の実施形態を説明するために本開示で様々な形で使用され得るものであり、本発明の思想は、かかる物品/分配可能物の全てに一般に適用することが可能であり、特定の種類の分配可能物に関する説明は、特に言及しない限り、かかる全ての分配可能物を称するものである、ということが理解されよう。このため、例えば、消耗可能物品用の容器とは、分配可能物品のための容器、摂取可能物品のための容器、及び使い捨て可能物品のための容器を同様に教示するものであることが理解されよう。
【0021】
一般に、本書で説明する「分配機構」は、1つ以上の物品を分配することができる分配カートリッジ、容器、パッケージ、及びボトル等を含むことが可能である。該分配機構は、複数の単一単位分配機構とすることが可能であり、該単位分配機構は以下のものを含む(但し、それらには限定されない):(1)スプリングスライダ分配機構:ユーザがトリガ等を引くと1単位が出てくる、該分配機構は、詰まり及び誤投与の防止のための耐久性のある空洞部及び攪拌くさび技術(agitating wedge technique)を含むことが可能である、(2)掌押圧式分配機構:ユーザが該ユーザの掌に(例えば、該ユーザの他方の手で)カートリッジを押圧すると該ユーザの該掌に1単位が分配される、該分配機構は、詰まり及び誤投与の防止のための耐久性のある攪拌手段と非対称の傾斜台を含むことが可能である、(3)回転式分配機構:ユーザが外部シリンダをひねると、複数の単位が内部で整列し、約120°毎に1単位が出てくる、該単位の整列により詰まり及び誤投与が防止される、(4)ブリスター投与式分配機構:ユーザがブリスターストリップを前方に押すと材料が切断されて単一のブリスター単位が分配される、(5)親指押圧式分配機構:ユーザが親指でカートリッジの上部を押圧すると該カートリッジの下部に1単位が現れる。これらの機構のうちの3つについて、並びにそれら実施形態のそれぞれで共有される特徴を有する分配機構を含むことが可能な分配システムについて、以下で更に詳細に説明する。本書で説明する分配機構の何れか又はその他の分配機構と共に使用すべく適合させることが可能な計数機構についても以下で詳細に説明する。
【0022】
図1は、分配機構102を含む分配システム100のブロック図である。該分配機構102は、リザーバ104、分配位置106、傾斜台108、ハウジング110、キャップ112、攪拌手段114、及びアクチュエータ116を含むことが可能である。該分配機構102は、単一の物品又は複数の物品を分配するために使用することが可能である。該分配機構102は、完全に使い捨てのもの、部分的に使い捨てのもの、又は完全に再利用可能なものとすることが可能である。
【0023】
リザーバ104は、複数の物品118を保持するよう構成することが可能であり、該物品118は、本書で説明するあらゆる種類の物品の何れとすることも可能である。リザーバ104は、分配機構102内に完全に含めること、分配機構102内に部分的に含めること、又は分配機構102から完全に独立させることが可能である。例えば、リザーバ104は、分配機構に取り付けることが可能な別個の容器内に収容することが可能である。該取り付けは、スナップ結合、ねじ結合、摩擦結合、差込(pronged)結合、永久磁石結合、及び電磁石結合等、又はそれらの任意の組み合わせを使用して達成することが可能である。該取り付けは、ハウジング110上の特徴を介して達成することが可能である。該結合は、永久的又は一時的なものとすることが可能であり、容器は、分配機構102から取り外して交換することが可能であり、該分配機構102は再利用可能なものとすることが可能である。リザーバ104は、物品を(一時的又は永久的に)収容するための当業界で既知の任意の種類の容器とすることが可能である。同様に、分配機構102は、同一の又は異なる物品を有する1つ以上の任意の個数のリザーバ104を有する2つ以上の他の容器と係合するよう構成することが可能である。かかる構成は、物品の混合を含む(がそれには限定されない)多くの目的にとって有用なものである。リザーバ104及び/又はハウジング110は、環境的に密閉された容器とすることが可能である。リザーバ104は、カートリッジ(例えば、単一投与量量または単一単位分配容器、複数投与量または複数単位分配容器)やボトル(例えば、錠剤瓶、薬瓶など)その他とすることが可能である。例えば、リザーバ104は、既存の錠剤瓶と同様の(例えば、湿気等に対する)保護特性を提供することが可能である。リザーバ104は、以下に示すものの何れを含むことも可能である(但し、それらには限定されない):(1)プラスチック材料の使用、(2)リザーバ104上の不正開封防止用のアルミ箔シール、(3)内容物に対する輸送時の損傷を防止するためのリザーバ104内の脱脂綿、(4)湿気管理用の乾燥剤(リザーバ104内の小さな袋/包装内または別個の乾燥剤室内に入れることが可能)。リザーバ104はまた、袋その他(例えば、再シール可能な袋)を含むことが可能である。
【0024】
分配位置106は一般に、物品がその分配前に存在する分配機構102内の任意の位置とすることが可能である。「分配」等は、該用語が本書全体にわたって使用される場合、分配機構102からの物品の解放を含むものとなる。該解放は、ユーザに対する解放、例えば、ユーザの掌内への解放、または他の構造内への解放を含むことが可能である。例えば、一態様では、アタッチメント機構によってハウジング110にアタッチメントが結合され、物品は、分配穴122を通って該アタッチメント内へと分配される。分配位置106は、
図1に矢印で示すように、傾斜台経路120と連絡した状態にあることが可能である。
【0025】
傾斜台108は一般に、物品を分配位置106へ案内するための任意の構造を含むことが可能であり、該構造は、傾斜台経路120を形成する構造を含むことが可能である。該傾斜台経路120は、以下に示すものの何れか1つまたは複数の組み合わせで形成することが可能である:傾斜台108、ハウジング110、キャップ112、攪拌手段114、アクチュエータ116、リザーバ104、及び分配位置106など。傾斜台108は、その形状を、並びに分配機構102、リザーバ104、ハウジング110、又はその他の構成要素の軸に対して、対称的または非対称的なものとすることが可能である。例えば、傾斜台108は、リザーバ104の軸を中心として非対称に構成された表面を含むことが可能である。該非対称に構成された表面は、傾斜台経路120を形成することが可能である。一態様では、2つ以上の傾斜台108が存在し、例えば、該傾斜台108は、対応する各容器から物品を受容し、及び該物品をユーザがアクセスできる位置へと案内するよう配置することが可能である。リザーバ104は、スナップ保持機構等を使用して傾斜台108に結合することが可能である。例えば、リザーバ104は、クリップ、摩擦係合、及びスライダ等を介して傾斜台108に結合することが可能である。
【0026】
ハウジング110は一般に、物品及び/又は分配機構102の構成要素を収容することが可能である。例えば、ハウジング110は、リザーバ104、傾斜台108、及び分配位置106を含むことが可能である。一態様では、ハウジング110は、キャップ112、攪拌手段114、及びアクチュエータ116も含む。ハウジング110は、プラスチック、金属、及び木等を含む(がそれらには限定されない)分配装置のために使用されるあらゆる材料から作成することが可能である。
【0027】
キャップ112は一般に、例えば、ハウジング110を(永久的又は一時的に)シールするための該ハウジング110の上部/底部とすることが可能である。キャップ112は、ハウジング110の一部とすることが可能であり、又は、スナップ結合、ねじ結合、摩擦結合、及び磁気結合等を介してハウジング110に結合することができる別個の構成要素とすることが可能である。キャップ112は分配穴122を含むことが可能である。該分配穴122は、任意の空隙、オリフィス、及び出口経路等とすることが可能であり、分配動作中に物品を解放することが可能なものである。物品は、例えば機械的又は化学的な手段を介して、分配穴122を通って重力により解放し又は強制的に送出することが可能である。一態様では、物品は、自重による送りと動力による分配との組み合わせにより解放することが可能である。キャップ112は、分配穴122が分配位置106と位置合わせされ又は位置合わせされないように移動することが可能となるように、傾斜台108に対して移動可能な状態で結合することが可能である。このようにして、キャップ112は、アクチュエータ116、攪拌手段114、傾斜台108、ハウジング110、及び分配位置106のうちの少なくとも1つと協働することが可能となる。
【0028】
攪拌手段114は、物品118を攪拌するようリザーバ104(又は傾斜台108若しくはその他の領域)内に配置することが可能である。物品118の攪拌は、物品118の案内を助けることが可能であり、例えば、複数の物品のうちの1つを分配位置106へ案内し、それ以外の物品を分配位置106から遠ざけるよう案内することが可能である。攪拌手段114は、その形状を、並びに分配機構102、リザーバ104、ハウジング110、又はその他の構成要素の軸に対して、対称的または非対称的なものとすることが可能である。攪拌手段114は、アクチュエータ116、キャップ112、ハウジング110、傾斜台108、傾斜台経路120、リザーバ104、又はその他の構成要素と連絡し且つそれらと係合したものとすることが可能である。攪拌手段114は、非対称な垂直攪拌手段又は非対称な水平攪拌手段とすることが可能である。
【0029】
アクチュエータ116は、攪拌手段114及びキャップ112の少なくとも一方に機械的に結合することが可能である。アクチュエータ116は、リザーバ104内で物品118を攪拌するよう攪拌手段114を移動させると同時に、分配穴122を分配位置106に位置合わせするよう傾斜台108に対してキャップ112を移動させるよう構成することが可能である。アクチュエータ116は、例えば、人間又は機械的な装置により駆動することが可能である。
【0030】
ここで、スプリングスライダ分配機構について説明する。
【0031】
図2A及び
図2Bは、分配機構の一実施形態を示している。一態様では、該分配機構は、ハウジング202、傾斜台204、傾斜台経路206、及びアクチュエータ208を含むスプリングスライダ分配機構200である。一般に、スプリングスライダ分配機構200は、ユーザがアクチュエータ208を(例えば該ユーザの指で)押した/押圧した際に機能することが可能なものであり、該スプリングスライダ分配機構200の構成要素は、その中に含まれる物品の攪拌を生じさせ、これは、少なくとも1つの物品が該スプリングスライダ分配機構200から出ることを促進させ、これにより分配動作が完了する(例えば、単一の物品が分配される)。
【0032】
ハウジング202は一般に、該スプリングスライダ分配機構200内の物品、及び該スプリングスライダ分配機構200の構成要素を収容する。ハウジング202は、単位形態又は連続的な形態の消耗物を含む(がそれらには限定されない)本書で説明するような任意の種類の物品を保持するよう構成されたリザーバを含むことが可能である。追加的又は代替的に、ハウジング202は、リザーバを含む容器と係合するよう構成することが可能である。ハウジング202は一般に、スプリングスライダ分配機構200の他の構成要素により形成することが可能である。例えば、
図2Bに示すように、スプリングスライダ分配機構200の外部が、アーム216及びキャップ230を含むことが可能である。
【0033】
傾斜台204は一般に、物品を分配のための位置へと案内するための任意の構造を含むことが可能であり、例えば、本書で説明するような傾斜台経路206を形成する構造を含むことが可能である。
図2Aに示すように、傾斜台204は、傾斜台穴212へと続く傾斜表面210を含むことが可能であり、該傾斜表面210は、傾斜台穴212内へと物品を案内し、例えば、重力を使用して物品を傾斜台穴212内へ付勢する。傾斜表面210は、傾斜台204が非対称的な傾斜台となるように非対称的に構成することが可能である。例えば、傾斜表面210は、異なる傾斜を有する個々の表面を含むことが可能であり、又は傾斜台穴212は、(
図2Bに示すように)スプリングスライダ分配機構200の中心軸214からオフセットされるように構成することが可能である。代替的に、一態様では、対称的な傾斜台204を配設することが可能である。
図2Aに示すように、傾斜台204は、4つの傾斜表面210を含むことが可能であるが、当業者には理解されるように、より多数の傾斜表面210を配設することが可能であり、又はより少数の傾斜表面210を配設することが可能である。更に、傾斜台204の多数の構成が考えられる。例えば、傾斜台204は、実質的にじょうご状の構造を含むことが可能である。
【0034】
傾斜台経路206は、分配位置へと続く経路とすることが可能であり、例えば、傾斜台経路206は、リザーバから分配位置へと続く経路とすることが可能である。傾斜台経路206は、傾斜台204により、概してハウジング202により、又はスプリングスライダ分配機構200内のその他の構成要素/構造物により、形成することが可能である。傾斜台204は、物品を分配位置へと案内することが可能である。
図2Aに示すように、傾斜台経路206は、傾斜台穴212へと続く経路を含むことが可能であり、該経路は、傾斜表面210に沿った経路を含むことが可能である。傾斜台経路206は、追加的又は代替的に、傾斜台穴212を通る経路であって、スプリングスライダ分配機構200の下方の分配位置へと続く経路を含むことが可能である。傾斜台経路206は、一実施形態では非対称的なものとすることが可能である。代替的に、傾斜台経路206は、一実施形態では対称的なものとすることが可能である。
図2Bに示すように、傾斜台経路206は、傾斜台204から下方のチャンバ220へと続き、最終的には分配位置222へと続く。傾斜台経路206はまた、攪拌手段224の傾斜部226並びに該攪拌手段224自体による影響を受け得るものであり、これは、該傾斜台経路206が、チャンバ220及び分配位置222と近接しており且つそれらと連絡しているからである。傾斜台経路206の形状は、その中に物品を構成するのに役立つものであり、例えば、ハウジング202内の物品を、その最も長い辺を垂直方向に整列させることが可能であり、これは、
図2Bに物品246で示すように、傾斜台経路206にぴったりとフィットするためである。
【0035】
アクチュエータ208は、アーム216を含むことが可能である。アーム216は、概して矢印218の方向の力により駆動することが可能であり、これによりハウジング202何含まれる物品の攪拌を生じさせることが可能であり、これはまた、スプリングスライダ分配機構200から物品を出すことを促進させることが可能である。この力は、アーム216を(図示の)第1の位置から、該アーム216が矢印218の方向に移動した第2の位置へと移動させる押圧力とすることが可能であり、これは、アーム216の変形(例えば弾性変形)を含むことが可能である。該押圧力が解放された後には、アーム216は自動的に前記第1の位置に戻ってその当初の形状を維持する。アーム216の第1の位置への復帰は、該アーム216の弾性特性により達成することが可能であり、及び/又はスプリングその他の付勢手段を介して達成することが可能である。
【0036】
一般に、アクチュエータ208は、物品の分配を開始させるための「ボタン」等として働くことが可能である。
図2Bに示すように、アクチュエータ208は、攪拌手段224に機械的に結合することが可能である。例えば、アクチュエータ208は、アーム216を含むことが可能であり、該アーム216は、攪拌手段224のアーム係合部236と協働する攪拌手段係合部234を介して攪拌手段224に係合する。攪拌手段係合部234は、アーム216上の突起を含むことが可能であり、及びアーム係合部236は、攪拌手段224に結合された細長い部材を含むことが可能である。アーム216は、アーム変形領域238に隣接して配置することが可能であり、該アーム変形領域238は、アーム216がユーザにより駆動された際に該アーム216の少なくとも一部に適応する空隙である。
【0037】
図2Bは、スプリングスライダ分配機構200の一実施形態の断面図である。
図2Bは、チャンバ220、分配位置222、傾斜部226を有する攪拌手段224、攪拌手段224の第1の位置から第2の位置へのスライド運動を示す第2の矢印228、及び分配穴232を有するキャップ230を明示している。
【0038】
アーム216は、ハウジングと同じ材料又は異なる材料から作成することが可能である。一態様では、アーム216は、変形可能なプラスチック等である。アーム216は、追加的又は代替的に、リーフスプリング等を含むことが可能である。アーム216は、追加的又は代替的に、スライド可能なボタン等を含むことが可能であり、これは変形不能なものとすることが可能である。
図2Bに示すように、アーム216は、少なくとも1つの可撓性部分240に実質的にL字形状の構造を含むことが可能である。アーム216は、ヒンジ242等を使用してスプリングスライダ分配機構200に取り付けることが可能であり、該ヒンジ242は、攪拌手段係合部234の近傍に配設することが可能である。アーム216は、追加的又は代替的に、接着剤、摩擦係合、継ぎ手、ピン、ネジその他によって取り付けることが可能である。代替的に、アーム216は、ハウジング202に対して片持ち式に配設することが可能であり(例えば、アーム216をハウジング202と一体化させる(例えば、プラスチック等から形成する場合にハウジング202と共に成形する)ことが可能であり)、該片持ち式のアーム216の一端もまた攪拌手段係合部234の近傍に配設することが可能である。アーム216はキャップ係合部244を含むことが可能であり、該キャップ係合部244は、アーム216の運動によりキャップ230の運動が促進されるようにキャップ230と係合するものである。一態様では、アーム216は、キャップ230の少なくとも一部を含む(例えば、アーム216とキャップ230を一体にすることが可能である)。よって、アクチュエータ208は、(1)攪拌手段224を移動/スライドさせ、及び(2)これによりキャップ230を移動/スライドさせて分配位置222を分配穴232と位置合わせすることにより、スプリングスライダ分配機構200の分配動作を駆動することが可能である。
【0039】
第1の矢印218は、アーム216に加えられる押圧力の方向を概して示している。当業者には理解されるように、これは、アーム216に対して加えられ得る力の方向の単なる一例である。例えば、該力は、アーム216のL字形状の隅部から(すなわち、斜め方向に)加えることが可能である。
【0040】
チャンバ220は、傾斜台経路206の基部に含めることが可能である。チャンバ220は、分配位置222を含むことが可能である。
図2Bに示すように、チャンバ220は、複数の物品のうちの1つを分配のために整列させるような大きさ及び形状にすることが可能であり、該物品は、長方形形状(oblong-shaped)の物品246とすることが可能である。チャンバ220は、ハウジング内壁248及び攪拌手段箱壁(box wall)250により形成することが可能である。分配位置222は、概して、物品がその分配前に提供されることになるスプリングスライダ分配機構200内の任意の位置とすることが可能である。
【0041】
攪拌手段224は、物品を攪拌し及び該物品のうちの少なくとも1つを傾斜台経路206を介して分配位置222へと案内するよう構成されたハウジング202内の位置決め可能要素を含むことが可能である。攪拌手段224は、該攪拌手段224の上部に、傾斜台経路206に隣接する傾斜部226を含むことが可能である。攪拌手段224は、
図2Bに矢印228で示す方向に移動するよう構成することが可能であり、その運動はスライド運動とすることが可能である。当業者には理解されるように、攪拌手段224は、他の方向に移動するよう構成することが可能である。攪拌手段224がアクチュエータ208により移動される際に、傾斜部226は、該攪拌手段224と共に傾斜台経路206内へ移動して物品をリザーバに向かって矢印228の方向に(傾斜台穴212に向かって上方へ)付勢する一方、物品のうちの1つ(246)が分配穴232を介した分配のためにチャンバ220内に残るように構成することが可能である。このため、攪拌手段224は、チャンバ220外へ分配されないように物品を押圧する一方で、分配されるべき物品246をチャンバ220内に捕捉することにより、スプリングスライダ分配機構200内の物品を攪拌することが可能である。攪拌手段224は、攪拌手段箱252に隣接して(例えば、攪拌手段箱252の上方に)配設することが可能である。攪拌手段箱252は、攪拌手段箱壁250に隣接して配置された空隙とすることが可能である。
【0042】
キャップ230は、ハウジング202上に配設し、又はハウジング202の一部とすることが可能である。該キャップは、分配穴232を含むことが可能である。キャップ230は、移動可能なものとすることが可能であり、かかる移動により物品の分配が提供される。例えば、キャップ230は、該キャップ230が(
図2Bに示すような)第1の位置にあるときにスプリングスライダ分配機構200のリザーバ内に含まれている物品の解放を防止する構造を含むことが可能であり、及びキャップ230は、該キャップ230が第2の位置へ移動したときに分配穴232を介した物品の解放を許容することが可能である。該第1の位置は、分配穴232が分配位置222と位置合わせされていない位置を含むことが可能であり、該第2の位置は、分配穴232が分配位置222と位置合わせされる位置を含むことが可能である。上述のように、アクチュエータ208は、キャップ230に機械的に結合することが可能であり、この場合、該アクチュエータ208は、キャップ230を傾斜台204(又は傾斜台経路206)に対して移動させて分配穴232を分配位置222に位置合わせするよう構成される。キャップ230は、(例えば、異なる大きさ/形状の物品に適応するために)交換可能及び/又は代替可能なものとすることが可能である。
【0043】
ここでスプリングスライダ分配機構200の動作について説明する。
【0044】
動作時に、ユーザは、アーム216に対して第1の矢印218で示す方向の押圧力を加えることによりアクチュエータ208を駆動することが可能である。該押圧力は、(例えば、片手のみを使用して)ユーザの指により加えることが可能である。アーム216の押圧により、該アーム216は、(1)リザーバ内の攪拌手段224を傾斜台204に対して移動させて物品を攪拌すると共に該物品のうちの1つ(246)を分配位置222へと案内し、及び(2)キャップ230を傾斜台204に対して移動させて分配穴232を分配位置222に位置合わせする。詳細には、アーム216の攪拌手段係合部234が攪拌手段224のアーム係合部236に接触し、該アーム216が第1の矢印218の方向に移動した際に攪拌手段224がそれと同じ方向に移動し、すなわち、前記押圧力によりアーム216が駆動された際に攪拌手段224が第1の位置から第2の位置へとスライドすることが可能となっている。該第1の位置は、分配穴232が分配位置222と位置合わせされていない位置を含むことが可能であり、該第2の位置は、分配穴232が分配位置222と位置合わせされている位置を含むことが可能である。第1の位置から第2の位置への攪拌手段224のスライド動作はまた、傾斜部226を傾斜台経路206内へと移動させ、これにより物品がリザーバ(すなわち、傾斜台穴212)に向かって第2の矢印228の方向に付勢される一方、物品のうちの1つ(246)が分配穴232を介した分配のためにチャンバ220内に残る(すなわち、この動作中に物品は分配されない)。これと同時にキャップ230が移動することにより、分配穴232が分配位置222と位置合わせされて、物品246が、チャンバ220から分配穴232を通って自由に落下することが可能となり、これによりスプリングスライダ分配機構200から分配されることになる。
【0045】
スプリングスライダ分配機構200はチャイルドプルーフ化(childproofing)を含むことが可能である。
【0046】
本書全体を通して使用する場合、「チャイルドプルーフ化」及びその類は、子供が物品を分配する能力を妨げ、防止し、妨害し、その負荷を重くし、及び阻止する、といったことが可能なあらゆる特徴とすることが可能である。例えば、チャイルドプルーフ化は、ISO8317、ISO13127、ASTM D3475等を含む(がそれらには限定されない)、1つ以上の工業規格に対する準拠を含むことが可能である。本書で説明する装置、システム、及び方法を駆動するために必要な力に対するあらゆる言及は、チャイルドプルーフ化を含む場合には、装置のチャイルドプルーフ化を実施するだけの十分大きな力とすることが可能であり、例えば、工業規格に準拠した力とすることが可能である。同様に、本書で説明する装置、システム、及び方法を駆動することの困難性に対する言及は、チャイルドプルーフ化を含む場合には、装置のチャイルドプルーフ化を実施するための困難性、例えば、工業規格に準拠した困難性とすることが可能である。
【0047】
スプリングスライダ分配機構200におけるチャイルドプルーフ化は、アクチュエータ208を駆動するための押圧力により実現することが可能である。詳細には、アーム216を駆動するための押圧力は、本装置のチャイルドプルーフ機能を実施するだけの十分大きな力に等しくすることが可能である。更に、代替例では、チャイルドプルーフ化は、ハウジング202上のラッチ(図示せず)又はアーム216を自由に移動させるためにユーザにより圧迫されるタブ(図示せず)により実現することが可能である。他のチャイルドプルーフ機能がスプリングスライダ分配機構200内に存在することも可能である。
【0048】
ここで回転式分配機構について説明する。
【0049】
図3A及び
図3Bは、内側層304、中間層306、及び外側層308を有するハウジング302を含む回転式分配機構300の一実施形態を示している。回転式分配機構300は更に攪拌手段310を含むことが可能である。一般に、回転式分配機構300は、ユーザが中間層306を回転させた際に、攪拌手段310が物品を内側層基部314の周囲に整列させると同時に該物品のうちの1つを中間層穴316に向かって案内するように機能することが可能である。更に、中間層306の回転は、中間層穴316を内側層穴318と位置合わせすることにより該物品のうちの1つを解放できるようにすることが可能である。
【0050】
ハウジング302は、内側層304、中間層306、及び外側層308を含むことが可能であり、それら各層の全てを一体化し、別個に形成し、又はそれらの組み合わせとすることが可能である。
【0051】
内側層304は、内側層基部314及び内側層壁320を含むことが可能であり、それらが共にリザーバ322を形成する。該リザーバは、追加的又は代替的に、回転式分配機構300に対して取り付けられる容器内に含めることが可能である。例えば、内側層304は、物品を含むリザーバを有する容器に対してねじ山を介して結合することが可能である(図示しないが、該容器は、
図3A及び
図3Bに示す機構の垂直方向上方に配置されることになる)。この結合は、スナップ結合や摩擦結合等を含む(がそれらには限定されない)他の手段を介して行うことも可能である。内側層304は、内側層基部314の周辺に配置された少なくとも1つの内側層穴318を含むことが可能である。以下で説明するように、内側層穴318は、中間層306の1回転につき複数回(例えば、(内側層穴318の個数に応じて)1回転につき1回、2回、又は3回など)だけ中間層穴316と位置合わせすることが可能であり、これにより物品が回転式分配機構300から出ることが可能となる。例えば、中間層306が120度(又は他の回転量だけ)回転する度に1つの物品を分配することが可能である。内側層基部314の周囲に沿った物品の整列に資するために、内側層基部314は、内側層ピン(図示せず)を含むことが可能であり、該内側層ピンは、内側層基部314から上方へ延びる突起とすることが可能である。該内側層ピンは、単一の物品を各内側層穴318に位置合わせすることが可能であり、及び該位置合わせされた物品が回転式分配機構300から分配される際にその他の物品が該位置合わせされた物品の後を追うのを防止することが可能である。内側層304は、ハウジング302の残りの部分と同じ材料から作成することが可能であり、又はそれとは異なる材料から作成することが可能である。
【0052】
中間層306は、内側層の周囲に配設することが可能であり、及び該中間層306が内側層304に対して回転することができるように該内側層304に回転可能な状態で結合することが可能である。中間層306は、少なくとも部分的に内側層壁320を取り囲む中間層壁324を含むことが可能である。中間層306は、少なくとも1つの中間層穴316を含む中間層基部326を含むことが可能である。中間層穴316は、リザーバ322の中心軸328からオフセットさせて中間層基部326に配設することが可能である。中間層穴316は、回転式分配機構300の分配穴とすることが可能である。中間層基部326は、内側層基部314を少なくとも部分的に取り囲むことが可能である。中間層306は、中間層基部326から突出する攪拌手段310を含むことが可能であり、該攪拌手段310は、内側層基部314を通過してリザーバ322内へと突出している。中間層306は、随意選択的に、外側層308と係合するための手段を含むことが可能であり、これにより、ユーザが外側層308を回転させることで中間層306もまた内側層304の周りを回転することになる。例えば、中間層壁324は、外側層壁334上の第2組のギア歯332と協働する第1組のギア歯330を含むことが可能であり、該ギア歯330,332が係合することにより、中間層306及び外側層308が共に内側層304に対して回転することが可能となる。中間層壁324及び外側層壁334は、第1の距離336だけ離隔させることが可能であり、この場合、ユーザは、第1組のギア歯330を第2組のギア歯に係合させるために外側層壁334を押圧する必要がある。内側層304を容器に結合させることに加えて又はそれに代えて、物品を含むリザーバを有する容器に中間層306を結合することが可能である。中間層306は、ハウジング302の残りの部分と同じ材料から作成することが可能であり、又はそれとは異なる材料から作成することが可能である。
【0053】
外側層308は、中間層306の周りに配設することが可能であり、及び該外側層308が中間層306と係合して該中間層306を回転させることが可能となるように該中間層306に結合している。外側層308は、中間層壁324を少なくとも部分的に取り囲む外側層壁334を含むことが可能であり、該中間層壁324及び外側層壁334は、第1の距離336だけ離隔させることが可能である。外側層308は、外側層基部338を含むことが可能であり、該外側層基部338は、中間層基部326の少なくとも一部を包囲することが可能である。外側層308は、中間層306及び外側層308上に配設された突起リング等を介して中間層306と結合することが可能である。該突起リングは、製造時に中間層306が外側層308上に不可逆的にスナップ留めされることを可能にするものである。当業者には自明であるように追加的又は代替的に他の結合手段を使用することも可能である。内側層304又は中間層306を容器に結合させることに加えて又はそれに代えて、物品を含むリザーバを有する容器に外側層308を結合することが可能である。外側層308は、ハウジング302の残りの部分と同じ材料から作成することが可能であり、又はそれとは異なる材料から作成することが可能である。
【0054】
一態様では、外側層308は、チャイルドプルーフ機能を有する実施形態でのみ存在する。特に言及しない限り、一態様では、回転式分配機構300は、内側層304及び中間層306のみを含むことが可能である。
【0055】
攪拌手段310は、複数の物品を攪拌して該複数の物品のうちの少なくとも1つを分配のための位置、すなわち、(例えば、複数の内側層ピンの間にある)内側層穴318内へと案内することが可能である。攪拌手段310は、中間層306から延びる中心軸328上又はその近傍に配置された実質的に放物線状の突起を含むことが可能である。攪拌手段310は、中間層306が回転する際にリザーバ322内を回転することが可能である。攪拌手段310は、物品を内側層壁320上へと案内するよう傾斜した後壁342を含むことが可能である。攪拌手段310は、中心軸328に対して実質的に垂直方向に延びる攪拌アーム344を含むことが可能である。攪拌アーム344は、中間層穴316の上方に延びることが可能であり、及び内側層基部314の外周周辺に物品を整列させるよう構成された実質的にV字形状の表面を有する少なくとも1つの面346を含むことが可能である。詳細には、攪拌アーム344は、攪拌手段310が回転する際に、複数の物品のうちの1つを中間層穴316に向かって案内すると共に、該複数の物品のうちの該1つ以外の物品を中間層穴316から遠ざけるよう案内するように、構成することが可能である。特に言及しない限り、中間層306が回転すると、攪拌手段310が回転し、次いで該攪拌手段310が攪拌アーム344をリザーバ322内でその周方向に移動させ、これにより物品が攪拌される。この攪拌はまた、(例えば、中心軸328に沿ってリザーバ322内へ突出する攪拌手段310によって)内側層304の底部の周辺に物品を整列させることを含むことが可能である。この攪拌はまた、追加的又は代替的に、攪拌アーム344の運動及び面346の形状によって、内側層穴318(及びおそらくは位置合わせされた中間層穴316)に向かって物品を案内すると共に、その他の物品を強制的に遠ざけることを含むことが可能である。
【0056】
回転式分配機構300における傾斜台は、内側層壁320により形成することが可能である。傾斜台経路は、内側層壁320と攪拌手段310(例えば、攪拌手段310の後壁342、攪拌アーム344、又は面346)の任意の組み合わせ、又はそれら構成要素のそれぞれによって形成することが可能である。キャップは、ハウジング302の基部により形成することが可能であり、該基部は、内側層基部314、中間層基部326、及び外側層基部338の任意の組み合わせ、又はそれら構成要素のそれぞれによって形成することが可能である。代替的に、キャップは、別個の構造的な要素により形成することが可能である。回転式分配機構300のアクチュエータは、内側層304、中間層306、又は外側層308の何れか1つ、又はそれらの任意の組み合わせとすることが可能である。例えば、外側層308が中間層306と係合して中間層306を回転させる実施形態では、アクチュエータは外側層308とすることが可能である。代替的に、アクチュエータは、別個の構造的な要素により形成することが可能である。
【0057】
ここで回転式分配機構の動作について説明する。
【0058】
動作時に、ユーザは、内側層304に対して中間層306を回転させることにより回転式分配機構300を駆動することが可能である。該中間層306の回転は、攪拌手段310及び中間層基部326を同時に回転させることが可能である。攪拌手段の回転は、内側層基部314の周辺に複数の物品を整列させることが可能であり、この場合、攪拌アーム344は、該複数の物品のうちの1つを内側層穴318又は中間層穴316に向かって案内し、及び該複数の物品のうちの1つ以外の物品を内側層穴318又は中間層穴316から遠ざけるよう案内する。中間層基部326の回転は、複数の内側層穴318のうちの1つに中間層穴316を位置合わせすることが可能であり、これにより前記複数の物品のうちの1つを該中間層穴316及び該内側層穴318を介して解放することが可能となる。
【0059】
回転式分配機構300はチャイルドプルーフ機能を含むことが可能である。
【0060】
回転式分配機構300におけるチャイルドプルーフ機能は、外側層308を含めることにより利用できるようにすることが可能である。詳細には、外側層308は、該外側層308に押圧力が加えられた際に該外側層308が中間層壁324のみに係合するように構成することが可能である。このようにして、中間層306は、外側層308が回転され且つ押圧力が加えられたときにだけ回転することが可能となる。この押圧力は、力の方向を示す矢印348によって示すものであり、回転式分配機構300のチャイルドプルーフ機能を形成するのに十分な大きさの力とすることが可能である。このようにして、ユーザが、最低限必要とされる押圧力で外側層壁334を押圧しなかった場合には、ギア歯330,332は係合しないことになる。追加的又は代替的に、一実施形態では、外側層壁334の押圧を伴うことなく中間層306(例えば、第1組のギア歯330)の係合を可能とする駆動アーム(図示せず)を含むことが可能であり、この場合、該駆動アームは中間層306(例えば、第1組のギア歯330)に直接係合することが可能なものとなる。
【0061】
ここで掌押圧式分配機構について説明する。
【0062】
図4A及び
図4Bは、掌押圧式分配機構400の一実施形態を示している。詳細には、
図4Aは、掌押圧式分配機構400の外側を非圧縮状態で示しており、
図4Bは、掌押圧式分配機構400の外側を圧縮状態で示している。一般に、掌押圧式分配機構400は、ユーザが該掌押圧式分配機構400を(例えば、該ユーザの掌に対して)押圧した際に機能することが可能なものであり、該掌押圧式分配機構400の構成要素は、その中に含まれる物品の攪拌を生成し、これは少なくとも1つの物品が落下して該掌押圧式分配機構400から出ることを促進させ、これにより分配動作が完了する(例えば、単一の物品が分配される)。
図4A及び
図4Bに示すように、掌押圧式分配機構400は、一般に、第1のスリーブ402及び第2のスリーブ404を有するハウジングを含むことが可能である。
【0063】
第1のスリーブ402は、第1のスリーブ壁406とキャップ(
図4A及び
図4Bには示さず)を含む基部とを含むことが可能である。
【0064】
該ハウジングの第2のスリーブ404は、第2のスリーブ壁408及び上部410を含むことが可能である。第2のスリーブ404は、第1のスリーブ402とスライド可能な状態で係合することが可能であり、前記キャップと垂直な方向の押圧力が該装置の一端に(例えば、矢印412で示す方向に)加えられた際に、第1のスリーブ402及び第2のスリーブ404が第1のスリーブ壁406及び第2のスリーブ壁408に沿って互いにスライドし、これにより掌押圧式分配機構400の圧縮状態(
図4Bに示す)が生じ、このとき、前記基部と前記上部410は、該掌押圧式分配機構400が非圧縮状態(
図4Aに示す)にあるときの該基部と該上部410との間の距離よりも小さな距離だけ離隔している。
【0065】
図5A及び
図5Bもまた、掌押圧式分配機構500の一実施形態を示している。詳細には、
図5Aは、非圧縮状態にある掌押圧式分配機構500の断面図を示し、
図5Bは、圧縮状態にある掌押圧式分配機構500の断面図を示している。一般に、及び上述したように、掌押圧式分配機構500は、第1のスリーブ502及び第2のスリーブ504を有するハウジングを含むことが可能であり、該第1のスリーブ502は第1のスリーブ壁506を含み、該第2のスリーブ504は第2のスリーブ壁508を含む。第1のスリーブ502は、中心軸534を中心として第2のスリーブ504に対して自由に回転することが可能であり、及び該中心軸534と平行に移動することが可能である(一態様では、第2のスリーブ504に対する第1のスリーブ502の全ての他の移動及び回転運動は抑制される)。本書では、掌押圧式分配機構500の特定の構成要素を第1のスリーブ502又は第2のスリーブ504の内部に含まれるものとして説明するが、当業者には理解されるように、特に明示的に言及しない限り、又は文脈から明らかでない限り、かかる構成要素は一般に何れのスリーブ内に含まれていても良い。
【0066】
第1のスリーブ502は、一般に、キャップ512を含む基部510を含むことが可能である。第1のスリーブ502はまた、基部510を通って突出する分配チューブ514を含むことが可能である。更に、第1のスリーブ502は、攪拌手段516を含むことが可能である。
【0067】
基部510は、第1のスリーブ502を効果的にシールするキャップ512又はその他の構造を含むことが可能である。基部510は、掌押圧式分配機構500が非圧縮状態にある際に、該掌押圧式分配機構500の(第2のスリーブ504上に配設することが可能な)上部518から第1の距離に位置することが可能であり、及び該基部510は、掌押圧式分配機構500が圧縮状態にある際に、該上部518から第2の距離に位置することが可能であり、ここで、該第1の距離は該第2の距離よりも大きい。
【0068】
キャップ512は、第1のスリーブ502を効果的にシールすることが可能である。キャップ512はまた、該装置の分配穴520を含むことが可能である。分配穴520は、分配動作時に分配チューブ514(又はその一部(例えば、物品座部522))が突出することになる開口部とすることが可能である。キャップ512は、所望数の物品に適合することができる揺動機構を含むことが可能である。
【0069】
分配チューブ514は、物品座部522を含むことが可能である。物品座部522は、掌押圧式分配機構500が非圧縮状態にあるときに第1のスリーブ502の基部510によって隠す(conceal)ことが可能である。物品座部522は、掌押圧式分配機構500が圧縮状態にあるときに露出させることが可能である。分配チューブ514は、掌押圧式分配機構500内において、第2のスリーブ504の一部として含まれる物品穴524の下方に配置することが可能である。物品座部522は、1つ以上の物品に適合するような大きさ及び形状にすることが可能である。例えば、物品は、特定の物品大きさ及び物品形状を有することが可能であり、分配チューブ514は、該物品を分配するために該物品大きさ及び該物品形状と協働するよう構成された大きさ及び形状を含むことが可能である。分配チューブ514は、異なる大きさ、形状、及び材料のうちの少なくとも1つを有する第2の分配チューブと交換可能及び取り外し可能なものとすることが可能である。かかる取り外し又は交換は、例えば生産ラインで実施することが可能であり、これにより物理的に異なる分配チューブを標準的な掌押圧式分配機構に取り付けることが可能である。分配チューブ514は、第1のスリーブ502もしくは第2のスリーブ504の一部とし、又は第1のスリーブ502もしくは第2のスリーブ504に結合することが可能であり、又は完全に別個の構成要素とすることが可能である。例えば、分配チューブ514は、スナップ保持機構その他を介して第1のスリーブ502に結合させることが可能である。
【0070】
攪拌手段516は、非対称的な形状を含むことが可能であり、及び/又は掌押圧式分配機構500の中心軸534から偏心させて配置することが可能である。攪拌手段516は、第1のスリーブ502の基部510から突出することが可能であり、この場合、非圧縮状態では少なくとも部分的に傾斜台526の下方に配置され、圧縮状態では少なくとも部分的に傾斜台526内に配置される。攪拌手段516は、非圧縮状態において傾斜台526の攪拌手段穴528をシールすることが可能であり、この場合、攪拌手段は、攪拌手段穴528を通って物品が落下するのを防止する。代替的に、攪拌手段穴528は、物品が通過できない大きさにすることが可能である。攪拌手段516の動き及び/又は形状は、掌押圧式分配機構500が物品穴524に向かって物品を案内するのを助けることが可能である。攪拌手段516は、スナップ保持機構その他を使用してキャップ512に結合させることが可能である。以下で説明するように、攪拌手段516は、第2のスリーブ504及び傾斜台526に対して移動可能とすることが可能である。
【0071】
第2のスリーブ504は、一般に、該第2のスリーブ504の構造を概して形成する第2のスリーブ壁508及び上部518を含むことが可能である。第2のスリーブ504はまた、傾斜台526を含むことが可能である。
【0072】
傾斜台526は、該傾斜台526の基部に配置された物品穴524と、掌押圧式分配機構500が圧縮状態にある際に攪拌手段516の少なくとも一部に適応するための攪拌手段穴528とを含むことが可能である。傾斜台526は、一般に、リザーバ530から物品を受容して該物品をユーザアクセス可能な位置へと案内するよう配置された構成要素とすることが可能である。
図5A及び
図5Bに示すように、リザーバ530は、第2のスリーブ504内に収容することが可能である。しかし、当業者には理解されるように、掌押圧式分配機構500は、物品を収容したリザーバを含む別個の容器に取り付けることが可能である。
図5A及び
図5Bに示すように、傾斜台526は、傾斜表面532を有する実質的にじょうご状の構造を含むことが可能であり、該傾斜正面は、例えば、様々な複数の傾斜部を含み及び中心軸534から偏心した物品穴524を有する、非対称的な傾斜表面532とすることが可能である。この非対称的な形状は、掌押圧式分配機構500内での物品の詰まり防止に資することが可能である。傾斜台526は、物品をリザーバ530から物品穴524へ及び分配チューブ514内へと案内する傾斜台経路536を含むことが可能であり、該分配チューブ514は物品座部522内に該物品を受容し、これにより圧縮状態においてユーザが該物品にアクセスすることが可能となる。攪拌手段516は、傾斜台526の物品穴524内への物品の案内に資することが可能である。該物品穴524及び攪拌手段516の位置が、傾斜表面532及び攪拌手段516の非対称的な形状の一方又は両方と相まって、(例えば、一様な重力により)掌押圧式分配機構500の中央に物品が集中することによる詰まりの防止に資することが可能である。傾斜台526は、スナップ保持機構その他を使用して第2のスリーブ504に結合させることが可能である。
【0073】
ここで掌押圧式分配機構の動作について説明する。
【0074】
動作時に、ユーザは、掌押圧式分配機構500の一端(例えば、第1のスリーブ502又は第2のスリーブ504の一端)にキャップ512と垂直な方向の押圧力を加えることにより、該掌押圧式分配機構500を駆動することが可能である。該押圧力が加えられた際に、第1のスリーブ502及び第2のスリーブ504は、第1のスリーブ壁506及び第2のスリーブ壁508に沿って互いにスライドすることが可能であり、これにより圧縮状態が形成される(このとき、基部510及び上部518は、該装置が非圧縮状態にあるときの基部510と上部518との間の距離よりも小さい距離だけ離隔している)。また、第1のスリーブ502及び第2のスリーブ504が互いに対してスライドして圧縮状態を形成した際に、攪拌手段516は、傾斜台526の攪拌手段穴528を通って突出することが可能である。該攪拌手段516の動きが、該攪拌手段516の形状と相まって、複数の物品を攪拌し、及び該複数の物品のうちの少なくとも1つを物品穴524を介して分配チューブ514の物品座部522上へと案内することが可能となる。このようにして、掌押圧式分配機構500が圧縮状態になった際に分配チューブ514の物品座部522が露出するため、該物品座部522上に配置された物品もまた露出して分配される。
【0075】
掌押圧式分配機構はチャイルドプルーフ機能を含むことが可能である。
【0076】
図6に最も良く示されているように、掌押圧式分配機構600のチャイルドプルーフ機能は、タブ638を含めることにより利用可能とすることが可能である。詳細には、タブ638は、第2のスリーブ壁608上に配設することが可能であり、該タブ638は、掌押圧式分配機構600の中心軸640と垂直な方向のタブ押圧力が該タブ638に加えられた際に、該中心軸640に向かって移動することが可能となっている。掌押圧式分配機構600は更に、該タブ638に隣接して配設された傾斜台626(又は掌押圧式分配機構600の他の構成要素)から延びる突起644を含むことが可能である。該突起644は、タブ638と共に移動可能なものとすることが可能である。掌押圧式分配機構600は更に、第1のスリーブ602上に配設された切り欠き646を含むことが可能である。該切り欠き646は、掌押圧式分配機構600が非圧縮状態にあるときに突起644と解放可能な状態で係合することが可能であり、この突起644と切り欠き646との係合によって第2のスリーブ604に対する第1のスリーブ602の運動が阻止される。ユーザがタブ638にタブ押圧力を加えた際に、該タブ638は、突起644を中心軸640に向かって移動させて該突起644を切り欠き646との係合状態を解消させて、第1のスリーブ602及び第2のスリーブ604が(キャップ612と垂直な押圧力が更に掌押圧式分配機構600の一端に加えられた際に)互いに対してスライドして圧縮状態を形成することが可能となる。
【0077】
ここでカウント機構について説明する。
【0078】
図7A及び
図7Bは、カウント機構700の断面図を示しており、
図7Aは第1の位置、
図7Bは第2の位置を示している。一般に、カウント機構700は、本書で説明するあらゆる装置又は当業界で既知であり又は今後知られることになるあらゆる分配装置と共に使用することが可能なものである。例えば、カウント機構700は、複数の物品を保持するよう構成されたリザーバを含むハウジング、該ハウジングのための(分配穴を含む)キャップ、及び該リザーバに結合された傾斜台(複数の物品のうちの少なくとも1つを該分配穴を介して案内するための分配経路を含む)と連携して使用することが可能である。一般に、カウント機構700は、各分配動作をインクリメントすることが可能であり、これは、例えば、1回分の投与量の医薬を分配する場合に有用なものとなり得る。カウント機構700は一般に、揺動機構702、偏倚部材704、ピン706、及びダイヤルカウンタ708を含むことが可能である。カウント機構700のカウントは、例えば、(1)開封してから分配された物品の総数、又は(2)残っている物品の総数を表すことが可能である。以下で説明するように、信頼できるカウントは以下の態様で得ることが可能である:(1)物品が内部に存在しない場合に揺動機構702は係合せず、換言すれば、ユーザが分配手段を駆動したが物品が出てこない場合にはカウント機構700はインクリメントしない、及び(2)物品が出るまで揺動機構702は係合せず、換言すれば、分配された物品をユーザが取り出さない場合(該物品が揺動機構702から出ていない場合)にはカウント機構700はインクリメントしない。
【0079】
揺動機構702は、分配穴と連絡した状態で分配装置の分配経路に沿って配設する(例えば、分配穴の前又は分配穴の後で分配経路に沿って配置する)ことが可能である。例えば、揺動機構702は、分配穴の外部に隣接して配置することが可能である。揺動機構702は、回動点710を中心として回動することが可能であり、該揺動機構702の回動は、傾斜台、分配穴、又は分配装置の他の構成要素に対するものとすることが可能である。揺動機構702は、分配される物品714を一時的に保持するための物品座部712を含むことが可能である。
【0080】
偏倚部材704は、揺動機構702に機械的に結合することが可能である。偏倚部材704は、揺動機構702を
図7Aに示すような第1の位置に保持する偏倚力を提供することが可能である。揺動機構702は、物品座部712に力が加えられた際に
図7Bに示すような第2の位置へ回動することが可能であり、これにより偏倚部材704の圧縮が生じる。この物品座部712に加えられた力は、該物品座部712上の物品座部712の重量を含むことが可能である。偏倚部材704は、リーフスプリングその他を含むことが可能である。
【0081】
ピン706は、揺動機構702に対して取り付けることが可能である。ピン706は、揺動機構702と共に移動することが可能である。ピン706は、一点に集束する複数の表面、先の尖った構造、伸長部、突起その他とすることが可能である。
【0082】
ダイヤルカウンタ708は、分配装置のハウジング内、及び/又はカウント機構700内に配設することが可能である。ダイヤルカウンタ708は、例えば、ハウジング又は分配装置の他の構成要素に対して、移動可能なものとすることが可能である。ダイヤルカウンタ708は、ピン706が1回の回動運動を完了したときに該ピン706が係合するよう構成することが可能である。ピン706は、物品714が分配されたとき、又はカウント機構700が第1の位置から第2の位置へ移動し次いで第1の位置へ戻ったときに、1回の回動運動を完了したと考えることができる。ダイヤルカウンタ708は、ロータリーカウンタその他とすることが可能である。例えば、ダイヤルカウンタ708は、回転する水平又は垂直ダイヤルとすることが可能である。代替的に、ダイヤルカウンタ708は、ディジタルカウンタとすることが可能であり、この場合、ピン706との相互作用は、物理的な相互作用又はそれ以外(例えば、例えば、電気的または磁気的な相互作用など)とすることが可能である。カウント機構700は、ダイヤルカウンタ708の現在のカウントの眺めを提供するよう構成された参照ポートその他を含むことが可能である。
【0083】
ここでカウント機構の動作について説明する。
【0084】
分配用の物品714は、カウント機構700が第1の位置にあるときに、揺動機構702の物品座部712上に案内される。該物品714の重量は、偏倚部材704を押圧すると同時に揺動機構702を第2の位置へ回動させることが可能である。該第2の位置は、物品座部712から物品714が(例えば重力により)解放される該物品座部712の位置を含むことが可能である。分配用の物品714の物品座部712からの解放により、偏倚部材704が揺動機構702を回動させて第1の位置に戻すことが可能となる。ピン706は、この一定範囲の運動を介して(例えば、第1の位置から第2の位置へ移動したとき、又は第2の位置から第1の位置へ戻ったとき、又は全ての運動を介して順次に)ダイヤルカウンタ708に係合することが可能である。ダイヤルカウンタ708とのピン706の係合は、該ダイヤルカウンタ708の回転を生じさせ、該回転により、該カウント機構700又は装置により分配された物品714の個数がカウントされる。
【0085】
ここで本書で説明する装置、システム、及び方法の更なる特徴について説明する。
【0086】
一態様では、本装置は、1つのドア及び/又は少なくとも1つの窓の少なくとも一方を含むことが可能である。該ドアは、前記リザーバと協働することが可能であり、及び該リザーバ内の複数の物品へのアクセスを可能とするよう構成することが可能である。前記窓は、前記リザーバと協働する半透明の表面を含むことが可能であり、及び該リザーバ内の複数の物品の目視を可能とするよう構成することが可能である。例えば、該リザーバは、その複数の表面のうちの1つにドアを有することが可能であり、該ドアは、任意数の物品を追加し又は除去することを可能とし、及び互換性のない媒体を挿入しないようユーザに警告する視覚的な指示を有することが可能である。一実施形態では、このドアは、ラッチが解放された際にヒンジにより揺動して開く単純な表面とすることが可能である。別の態様では、このドアは、所定位置にスナップ式に固定される面キャップ状片(face cap-like piece)とすることが可能であり、これは取り外し可能とすることも取り外し不能とすることも可能である。一態様では、物品を収容するリザーバを透明又は半透明にすることが可能である。
【0087】
本書で説明する装置は、カートリッジとして働く場合には、ホルダ、ベース、及び/又はクリップ等の1つ以上のコンフィギュレーションデバイスと相互作用することが可能である。ホルダは、カートリッジ又はその他の取り付けられた装置を格納することが可能である。ベースは、取り付けられたカートリッジ又はその他の装置からの消耗物の管理、分配、及び/又は貯蔵を行うことが可能である。例えば、ベースは、本書で説明したような分配機構を含むことが可能である。クリップは、1つ以上のカートリッジに対する軽量の可動アタッチメントとすることが可能である。
【0088】
該カートリッジは、多角形又は円形を基調とした審美的なデザインを有することが可能である。該カートリッジは、複数のリザーバを有することが可能であり、該リザーバは、同一の又は異なる媒体/媒体特性を受容することが可能である。一般に、単一のリザーバが示すが、1つのカートリッジは、任意数のリザーバを有することが可能であり、及び各リザーバから独立して分配するように又は複数のリザーバから組み合わせて分配するように構成することが可能である、ということが理解されよう。リザーバは、同一の又は異なる媒体種類(すなわち物品)の一方又は両方のために構成することが可能である。例えば、複数のカートリッジのうちの1つは、少なくとも2つの独立して分配を行うリザーバ内に少なくとも2種類の消耗単位を含むことが可能である。より一般的には、複数のカートリッジのうち1つ、又は複数のカートリッジのうちの任意数のカートリッジは、3つ以上の独立して分配を行うリザーバ内に3種類以上の消耗物を含むことが可能である。該独立して分配を行うリザーバは、2種類以上の消耗物の混合に基づいてカスタマイズされた消耗単位を可能にするために分配機構により独立して制御することが可能である。2つの独立して分配を行うリザーバは、前記制御に加えて又は該制御に代えて、分配機構からの単一の分配命令に応じて所定の組成を有する混合された消耗物を提供するように該分配機構により共通に制御することが可能である。前記カートリッジはまた、2種類の消耗単位を組み合わせて1つの複合消耗単位(例えば、錠剤、カプセル、懸濁液、及び溶液)にするための、動揺(stirring)システム、ブレンド(blending)システム、攪拌システム、及び錠剤プレス等の混合(mixing)システムを含むことが可能である。このようにして、カートリッジは、自家製薬物及びサプリメント等のための個人配合システムとして働くことが可能である。
【0089】
一態様では、複数の分配機構が、例えば、それらの複数の傾斜台を共に1つ以上の統合された傾斜台へと結合する態様で、モジュールとして機能し及び互いに結合することが可能である。
【0090】
分配機構及びカウント機構は、幾つかの態様のうちの少なくとも1つにおいて異なる物品大きさで汎用的に機能し得るものであり、その2つの態様を次に示す:(1)外部形状は変わらないが、物品大きさ/形状の各グループ毎に(成形ツール及び製造ラインの僅かな変更により達成される)僅かに異なる機構寸法が存在し、(2)物品大きさ/形状の複数の異なるグループについて(例えば包装ラインで)調節される小さなカラー(collar)を内部に有する1つの汎用的な機構が存在し得る。
【0091】
一態様では、本装置は、メモリ(例えば、物品に関するデータを格納するよう構成されたメモリ)を含むことが可能である。該メモリは、カートリッジ又は分配機構内の物品の個数の数値カウントを格納するよう構成することが可能である。該カートリッジ又は分配機構は、消耗単位の個数の数値カウントを検出するよう構成された回路を含むことが可能である。本システムは、注文履行システムを含むことが可能である。本装置は、所定のスケジュールに従って1つ以上のカートリッジから物品を分配するよう構成することが可能であり、前記注文履行システムは、複数の物品の数値カウントを該所定のスケジュールと比較してユーザのために交換カートリッジを注文すべきときを判定することが可能である。該注文履行システムは、前記ベースのプロセッサ上で実行されるコンピュータコードを含むことが可能である。該注文履行システムは、該コンピュータコードに加えて又はそれに代えて、本装置にデータネットワークを介して通信可能な関係で接続されたリモートサーバ上で実行されるコンピュータコードを含むことが可能である。該注文履行システムは、交換カートリッジを注文するよう構成することが可能である。該注文履行システムは、交換カートリッジを注文すべきことをユーザに通知するよう構成することが可能である。
【0092】
本システムは、前記複数のカートリッジのうちの1つに関するカートリッジデータを、カートリッジメモリ内に格納することが可能であり、更に該カートリッジデータをリモートデータストア内に冗長的に格納することが可能である。該カートリッジメモリは、前記ベース内に存在することが可能であり、又は前記複数のカートリッジのうちの1つ内に存在することが可能である。該リモートデータストアと該カートリッジメモリとの間でデータを調整するための調整(reconciliation)サービスを提供することが可能である。
【0093】
本システムは、前記複数のカートリッジのうちの1つを前記データネットワークに接続するためのネットワークインタフェイスを含むことが可能であり、該ネットワークインタフェイスは、所与の優先順位に従って前記カートリッジとリモートリソースとの間でデータを転送するよう構成される。このようにして、例えば、接続性が限られている場合に、最も重要な又は最も高い優先順位のデータが最初に交換されることを確実にするために、データを優先順位付けすることが可能である。該優先順位は、冗長度に基づくものとし、冗長度の最も低いデータを最初に交換するようにすることが可能である。該優先順位付けは、対応するデータ接続における任意の時点で発生することが可能であり、例えば、カートリッジ、ベース、及びリモートリソースのうちの1つ以上において実施することが可能である。一態様では、前記ネットワークインタフェイスは、前記複数のカートリッジのうちの1つにおける無線通信インタフェイスを含むことが可能であり、例えば、短距離無線プロトコルを用いてベースステーションと、又はセルラーその他の無線データネットワークインフラストラクチャを用いてワイドエリアデータネットワークと、通信可能な関係で接続することが可能である。
【0094】
更に、上記方法は単なる例示として提供したものであることが理解されよう。明示的な言及が存在しない限り、本開示の各ステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、修正し、補充し、省略し、及び/又は再配置することが可能である。
【0095】
本書で説明する本開示の方法ステップは、異なる意味を明示しない限り又は文脈から自明でない限り、かかる方法ステップを実行させる任意の適当な方法であって特許請求の範囲の特許性と合致する方法を含むことが意図されたものである。このため、例えば、ステップXの実行は、リモートユーザ等の別の者、リモート処理リソース(例えば、サーバ又はクラウドコンピュータ)、又はマシン等に該ステップXを実行させるための任意の適当な方法を含むものとなる。同様に、ステップX,Y,Zの実行は、それら各ステップの利益を得るべく該ステップX,Y,Zを実行するためにかかる他の個人又はリソースの任意の組み合わせに指示し又はそれらを制御する任意の方法を含むことが可能である。このため、本書で説明する複数の実施形態の方法ステップは、異なる意味を明示しない限り又は文脈から自明でない限り、かかる方法ステップを1つ以上の他の当事者又はエンティティに実行させる任意の適当な方法であって特許請求の範囲の特許性と合致する方法を含むことが意図されたものである。かかる当事者又はエンティティは、任意の他の当事者又はエンティティの指示又は制御下にある必要はなく、及び特定の管轄内にある必要もない。
【0096】
上記で説明した方法及びシステムは、例示を目的として提示したものであり制限を目的としたものではない、ということが理解されよう。多数の修正、追加、省略、及びその他の変更が、当業者には自明であろう。更に、上記説明及び図面における方法ステップの順序及び表現は、特定の順序が明らかに必要で無い限り、又は文脈から明らかでない限り、かかる方法ステップの実行順が必要であることを意図したものではない。このため、特定の実施形態を図示し説明したが、当業者には自明であるように、本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、その形態及び細部に様々な変更及び修正を加えることが可能であり、かかる変更及び修正は、特許請求の範囲に記載する本発明の思想の一部を形成することが意図されたものであり、及び法律により許容される最も広い意味で解釈されるべきものである。
【国際調査報告】