特表2016-516764(P2016-516764A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2016-516764子宮筋腫治療に用いるプロゲステロン受容体調節剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-516764(P2016-516764A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(54)【発明の名称】子宮筋腫治療に用いるプロゲステロン受容体調節剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/57 20060101AFI20160513BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20160513BHJP
   A61K 31/567 20060101ALI20160513BHJP
【FI】
   A61K31/57
   A61P15/00
   A61K31/567
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-507093(P2016-507093)
(86)(22)【出願日】2014年4月9日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月8日
(86)【国際出願番号】IB2014060558
(87)【国際公開番号】WO2014167510
(87)【国際公開日】20141016
(31)【優先権主張番号】P1300211
(32)【優先日】2013年4月10日
(33)【優先権主張国】HU
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】514292931
【氏名又は名称】プレグレム ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】ベステル,エルケ
(72)【発明者】
【氏名】オスターロー,イアン
(72)【発明者】
【氏名】ルメイ,エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】ダカン,アニー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,フロランス
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA09
4C086DA10
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZC11
(57)【要約】
本発明は、子宮筋腫を治療するための、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物の繰り返し治療コースを含む長期療法に関する。また本発明は、現在使用されている子宮筋腫の治療を向上するために、酢酸ウリプリスタルをプロゲスチンとともに適用する併用治療にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療上有効な量で子宮筋腫の治療に使用する酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物であって、前記酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物が後続治療期間に投与でき、治療期間が2〜6か間月続き、各治療期間の後に薬を使用しない期間が続く酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項2】
治療期間が2〜4か月間続く請求項1に記載の使用のための酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項3】
治療期間が12週間続く請求項1〜2のいずれかに記載の使用のための酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項4】
薬を使用しない期間が少なくとも1回の月経サイクルを含む請求項1〜3のいずれかに記載の使用のための酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項5】
薬を使用しない期間が少なくとも2回の月経サイクルを含む請求項1〜4のいずれかに記載の使用のための酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項6】
薬を使用しない期間が少なくとも3回の月経サイクルを含む請求項1〜5のいずれかに記載の使用のための酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項7】
薬を使用しない期間は6か月以下である請求項1〜6のいずれかに記載の使用のための酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項8】
前記酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物が毎日投与できる請求項1〜7のいずれかに記載の使用のための酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項9】
5〜15mgの1日量で投与できる請求項1〜8のいずれかに記載の使用のための酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項10】
酢酸ウリプリスタルが10mgの1日量で投与できる請求項1〜9のいずれかに記載の使用のための酢酸ウリプリスタル。
【請求項11】
2〜6か月間続き、各治療期間の後に薬を使用しない期間が続く後続治療期間に酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を治療上有効な量で投与することを含む子宮筋腫を治療する方法。
【請求項12】
治療期間が2〜4か月間続く請求項11に記載の方法。
【請求項13】
治療期間が12週間続く請求項11〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
薬を使用しない期間が少なくとも1回の月経サイクルを含む請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
薬を使用しない期間が少なくとも2回の月経サイクルを含む請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
薬を使用しない期間が少なくとも3回の月経サイクルを含む請求項11〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
薬を使用しない期間が6か月以下である請求項11〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物が毎日投与できる請求項11〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
1日量が5〜15mgの酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物である請求項11〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
1日量が10mgの酢酸ウリプリスタルである請求項11〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
子宮筋腫の治療の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物であって、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物が2〜6か月間の治療期間に投与でき、プロゲスチンが5〜30日の後続治療期間に投与できるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項22】
請求項21に記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物であって前記化合物が繰り返して投与でき、
a.酢酸ウリプリスタルを投与すること、
b.その後プロゲスチンを投与すること、
c.その後薬を使用しない期間
を含むプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項23】
プロゲスチンが、19−ノルテストステロンの誘導体、17α−アセトキシプロゲステロンの誘導体、レボノルゲストレル、およびドロスピレノンを含む群から選択される請求項21〜22のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項24】
プロゲスチンが酢酸ノルエチステロンである請求項21〜23のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項25】
酢酸ノルエチステロンは5〜15mgの1日量で投与できる請求項24に記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項26】
酢酸ノルエチステロンが10mgの1日量で投与できる請求項24〜25のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項27】
酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物が5〜15mgの1日量で投与できる請求項21〜26のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項28】
酢酸ウリプリスタルが10mgの1日量で投与できる請求項21〜27のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタル。
【請求項29】
酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物が2〜4か月間の治療期間に投与できる請求項21〜28のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項30】
酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物が12週間の治療期間に投与できる請求項21〜29のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項31】
プロゲスチンが10日間の治療期間に投与できる請求項21〜30のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項32】
酢酸ウリプリスタルが12週間の治療期間に投与でき、酢酸ノルエチステロンが10日間の治療期間に投与できる請求項24〜31のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタル。
【請求項33】
薬を使用しない期間が少なくとも1回の月経サイクルを含む請求項22〜32のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項34】
薬を使用しない期間が少なくとも2回の月経サイクルを含む請求項22〜33のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項35】
薬を使用しない期間が少なくとも3回の月経サイクルを含む請求項22〜34のいずれかに記載の使用のためのプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物。
【請求項36】
酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を2〜6か月間の治療期間に投与すること、および5〜30日の後続治療期間に投与されるプロゲスチンを投与することを含む子宮筋腫を治療する方法。
【請求項37】
請求項16に記載の方法であって、前記化合物が繰り返して投与でき、
a.酢酸ウリプリスタルを投与すること、
b.その後プロゲスチンを投与すること
c.その後薬を使用しない期間
を含む方法。
【請求項38】
プロゲスチンが、19−ノルテストステロンの誘導体、17α−アセトキシプロゲステロンの誘導体、レボノルゲストレル、およびドロスピレノンを含む群から選択される請求項36〜37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
プロゲスチンが酢酸ノルエチステロンである請求項36〜38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
酢酸ノルエチステロンが5〜15mgの1日量で投与できる請求項39に記載の方法。
【請求項41】
酢酸ノルエチステロンが10mgの1日量で投与できる請求項39〜40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物が5〜15mgの1日量で投与できる請求項36〜41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
酢酸ウリプリスタルが10mgの1日量で投与できる請求項36〜42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物が2〜4か月間の治療期間に投与できる請求項36〜43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物が12週間の治療期間に投与できる請求項36〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
プロゲスチンが10日間の治療期間に投与できる請求項36〜45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
酢酸ウリプリスタルが12週間の治療期間に投与でき、酢酸ノルエチステロンが10日間の治療期間に投与できる請求項39〜46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
薬を使用しない期間が少なくとも1回の月経サイクルを含む請求項36〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
薬を使用しない期間が少なくとも2回の月経サイクルを含む請求項36〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
薬を使用しない期間が少なくとも3回の月経サイクルを含む請求項36〜47のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子宮筋腫をための、一定期間で繰り返される治療コースを含む効率的な長期療法に関する。また本発明は、現在使用されている子宮筋腫の治療を向上するために併用治療にも関する。
【背景技術】
【0002】
子宮筋腫罹患患者は疾患の症状を改善するために治療介入を必要とする。
【0003】
子宮筋腫は平滑筋腫とも呼ばれ、30歳を超える女性の最高で20%に起こる一般によくある骨盤類線維腫(pelvic fibroid tumor)である。平滑筋腫は生殖年齢の女性における最も頻繁に起こる外科的処置適応症のひとつである。最高で77%の女性が閉経時に顕微鏡的または肉眼的子宮筋腫をもつことを示す研究がある(Cramer et al, 1990)。平滑筋腫は直径が1mm〜20cmでありうる。通常、治療法の選択は患者の年齢ならびに妊孕性および/または子宮の温存に対する希望によって進められる。
【0004】
大部分の子宮筋腫は無症候性であるが、子宮筋腫をもつ女性のほぼ半分は、月経過多症、骨盤痛、月経困難症および血圧への影響などを含む重大でしばしば日常生活に支障を来すような症状を呈する。くわえて、子宮腔をゆがめる子宮筋腫は生殖能に有害な影響を及ぼす可能性がある(American Society for Reproductive Medicine. Myomas and reproductive function. Fertil Steril 2008;90:S125−S130 and Somigliana E, Vercellini P, Daguati R, et al. Fibroids and female reproduction: a critical analysis of the evidence. Hum Reprod Update 2007;13:465−76 and Kolankaya A, Arici A. Myomas and assisted reproductive technologies: when and how to act? Obstet Gynecol Clin North Am 2006;33:145−52 and Donnez J, Jadoul P. What are the implications of myomas on fertility? A need for a debate? Hum Reprod 2002;17:1424−30.)。
【0005】
そのような女性では、重度の子宮出血が診察、手術、および労働損失日数の主な理由である(Collins J, Crosignani PG. Endometrial bleeding. Hum Reprod Update 2007;13:421−31)。
【0006】
ここ数年多様な非侵襲的治療が症候性筋腫の女性に適用可能になり、手術に代わるものを提供している。
【0007】
とりわけ、外科的療法前の抗プロゲステロン剤の使用も子宮平滑筋腫(国際公開第2007/103510号)を縮小すること、患者を無月経にすることが提示されている。より具体的に、国際公開第2007/103510号は効果的な低投与量抗プロゲステロン剤を使用した子宮線維症(uterine fibrosis)の治療に関し、治療期間がそれまで可能と考えられていたより短い。
【0008】
子宮筋腫、子宮内膜症、腺筋症、不正子宮出血、および機能不全性子宮出血などの婦人科疾患の治療のために、多数の選択的プロゲステロン受容体調節剤(SPRM)が開発中である。
【0009】
酢酸ウリプリスタル(UPA)などのSPRMは、子宮筋腫に起因する過剰出血、腹痛、筋腫の大きさを効果的に制御し、結果として患者のクオリティ・オブ・ライフを改善するので、婦人科における比類のない臨床適用の可能性を提供する。
【0010】
なかでも抗プロゲスチンの1つは内生プロゲステロンを拮抗するのに有利に使用でき、国際公開第2008/083192号は、酢酸ウリプリスタルの生物学的利用能を向上する製剤に関する。酢酸ウリプリスタルは多数の他の関連化合物のなかで潜在的な抗プロゲスチンとして挙げられる。またその特許出願は特許請求された組成物によって治療されうる障害の多くを列挙する。とりわけ子宮筋腫は治癒する潜在的な疾患の1つとして挙げられる。該出願では、子宮筋腫の治療のためのUPAの使用についてははっきりと調べられておらず、治療の実行可能性を助けるためにいずれの実施例も記載されていない。
【0011】
国際公開第2009/095418号は子宮筋腫を治療する方法に関し、該方法は有効量の酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を、それを必要としている患者投与することを含む。発明者らは、低投与量、例えば5〜15mg、好ましくは10mgの1日投与量の酢酸ウリプリスタルが最も効果的であったことを示している。特に酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は、子宮筋腫罹患患者の出血を軽減もしくは止血する、または子宮筋腫の大きさを減少させるのに効率的である。患者は約2〜約4か月の期間、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物の経口投与を受けうる。
【0012】
先行技術では、SPRMの長期間、繰り返し投与に対する技術的に大きな不利益があり、例えば、アソプリスニル、ミフェプリストン、または酢酸ウリプリスタルは、プロゲステロン受容体調節剤関連子宮内膜変化を誘発することがあり、それは有害な副作用とみなされうる(Mutter G. L., Mod. Path. (2008), 1−8.; Nieman, L.K., Fertility and Sterility (2011) 95, 2, 767−772.)。
【0013】
それ故に、UPAは子宮筋腫の治療に効果的ではあるが、UPAの投与は長くても約2〜約4か月、好ましくは3か月の期間に限られ、当業者に広く受け入れられていた。
【0014】
約2〜約4か月間の治療は存在するものの、子宮筋腫治療の向上について解決されていない大きな課題が残る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は子宮筋腫治療の分野における新しい治療方法を提供する。我々は驚いたことにSPRM、特にUPAに関する長期間、繰り返し投与に対する技術的不利益は確立されていないことに気付いた。臨床研究から得られた結果は子宮筋腫の治療のための充分投与量の酢酸ウリプリスタルまたはその代謝産物の投与は繰り返すことができることを何の疑いもなく証明した。長期間の繰り返し投与は多くの大きな利点をもたらす。例えば、子宮出血の減少(高い割合の無月経の対象)、筋腫の体積の減少、特許により報告される痛みの減少などが実証された。同時に、PAEC(プロゲステロン受容体調節剤関連子宮内膜変化)の頻度は治療期間の長さと関係がない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、1つの態様では、本発明は酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を治療上有効な量で投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法を提供し、そこにおいて前記酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は後続治療期間に投与でき、治療期間が2〜6か間月続き、各治療期間の後に薬を使用しない期間が続く。
【0017】
また我々は併用治療の新しい方法の繰り返し使用の可能性を調べた。該方法では技術水準で公知の3か月に限定されるUPAの治療コースの後に、プロゲスチン、とりわけNETAの5〜30日間の投与と、薬を使用しないさらなる期間が続いた。このように、この併用治療のさらなる利点、つまり、より早期、より多くの月経の予想可能な再開や、月経の強度、とりわけUPAの1回目の治療コース後の月経の強度の減少が証明された。
【0018】
そこで、第2の態様では、本発明は、治療上有効な量の酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を治療上有効な量のプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて前記酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は2〜6か月間の後続治療期間に投与でき、プロゲスチンは5〜30日の後続治療期間に投与できる。
【0019】
また、NETAの投与が約2〜約6か月の期間に限定されたUPAコースに続いて行われた場合でも、併用治療をもたらす上記の利点が得られることを意味する。
【0020】
したがって、第3の態様では、本発明はまた、治療上有効な量の酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を治療上有効な量のプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて前記化合物は繰り返して投与でき、以下を含む:
a.酢酸ウリプリスタルを投与すること、
b.その後プロゲスチンを投与すること、
c.その後薬を使用しない期間。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を治療上有効な量で投与することを含む子宮筋腫の治療に用いる酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて前記酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は後続治療期間に投与でき、治療期間が2〜6か間月続き、各治療期間の後に薬を使用しない期間が続く。
【0022】
好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療に用いる酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて治療期間は2〜4か月間継続する。
【0023】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療に用いる酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて治療期間は12週間続く。
【0024】
より好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療に用いる酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも1回の月経サイクルを含む。
【0025】
さらなる実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療に用いる酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも2回の月経サイクルを含む。
【0026】
他の実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療に用いる酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも3回の月経サイクルを含む。
【0027】
別の好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療に用いる酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は6か月以下である。
【0028】
より好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療に用いる酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて前記酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は毎日投与できる。
【0029】
さらにより好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療に用いる酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は5〜15mgの1日量で投与できる。
【0030】
最も好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルを投与することを含む子宮筋腫の治療に用いる酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルは10mgの1日量で投与できる。
【0031】
本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は2〜6か月間の後続治療期間に投与でき、プロゲスチンは5〜30日の後続治療期間に投与できる。
【0032】
本発明はまた、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて前記化合物は繰り返して投与でき、以下を含む:
a.酢酸ウリプリスタルを投与すること、
b.その後プロゲスチンを投与すること、
c.その後薬を使用しない期間。
【0033】
好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいてプロゲスチンは、19−ノルテストステロンの誘導体、17α−アセトキシプロゲステロンの誘導体、レボノルゲストレル、およびドロスピレノンを含む群から選択される。
【0034】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいてプロゲスチンは酢酸ノルエチステロンである。
【0035】
より好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて酢酸ノルエチステロンは5〜15mgの1日量で投与できる。
【0036】
さらなる実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて酢酸ノルエチステロンは10mgの1日量で投与できる。
【0037】
他の実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は5〜15mgの1日量で投与できる。
【0038】
別の好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルに関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルは10mgの1日量で投与できる。
【0039】
より好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は2〜4か月間の治療期間に投与できる。
【0040】
さらにより好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は12週間の治療期間に投与できる。
【0041】
最も好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて、プロゲスチンは10日間の治療期間に投与できる。
【0042】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルに関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルは12週間の治療期間に投与でき、酢酸ノルエチステロンは10日間の治療期間に投与できる。
【0043】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも1回の月経サイクルを含む。
【0044】
好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも2回の月経サイクルを含む。
【0045】
最も好ましい実施形態では、本発明は、子宮筋腫の治療に用いるプロゲスチンと併用した酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも3回の月経サイクルを含む。
【0046】
本発明は酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を治療上有効な量で投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて前記酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は後続治療期間に投与でき、治療期間は2〜6か月間続き、各治療期間の後に薬を使用しない期間が続く。
【0047】
好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて治療期間は2〜4か月間続く。
【0048】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて治療期間は12週間続く。
【0049】
より好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも1回の月経サイクルを含む。
【0050】
さらなる実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも2回の月経サイクルを含む。
【0051】
他の実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも3回の月経サイクルを含む。
【0052】
別の好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は6か月以下である。
【0053】
より好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて前記酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は毎日投与できる。
【0054】
さらにより好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は5〜15mgの1日量で投与できる。
【0055】
最も好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルを投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルは10mgの1日量で投与できる。
【0056】
本発明は、治療上有効な量の酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を治療上有効な量のプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて前記酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は2〜6か月間の後続治療期間に投与でき、プロゲスチンは5〜30日の後続治療期間に投与できる。
【0057】
本発明はまた、治療上有効な量の酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物を治療上有効な量のプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて、前記化合物は繰り返して投与でき、以下を含む:
a.酢酸ウリプリスタルを投与すること、
b.その後プロゲスチンを投与すること、
c.その後薬を使用しない期間。
【0058】
好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいてプロゲスチンは、19−ノルテストステロンの誘導体、17α−アセトキシプロゲステロンの誘導体、レボノルゲストレル、およびドロスピレノンを含む群から選択される。
【0059】
より好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいてプロゲスチンは酢酸ノルエチステロンである。
【0060】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて酢酸ノルエチステロンは5〜20mgの1日量で投与できる。
【0061】
さらにより好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて酢酸ノルエチステロンは10mgの1日量で投与できる。
【0062】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルは5〜15mgの1日量で投与できる。
【0063】
別の好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルは10mgの1日量で投与できる。
【0064】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は2〜4か月間の治療期間に投与できる。
【0065】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は12週間の治療期間に投与できる。
【0066】
別の好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいてプロゲスチンは10日間の治療期間に投与できる。
【0067】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物は12週間の治療期間に投与でき、酢酸ノルエチステロンが10日間の治療期間に投与できる。
【0068】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも1回の月経サイクルを含む。
【0069】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも2回の月経サイクルを含む。
【0070】
さらに好ましい実施形態では、本発明は、酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物をプロゲスチンと併用して投与することを含む子宮筋腫の治療のための方法に関し、そこにおいて薬を使用しない期間は少なくとも3回の月経サイクルを含む。
【0071】
本明細書で使用される場合、「投与すること」は、治療上有効な量の酢酸ウリプリスタルまたはそのいずれの代謝産物の対象への接触を指す。
【0072】
通常、「対象」は当該技術分野で周知であり、本明細書においては、哺乳類、より好ましくはヒト、さらに好ましくはヒトの女性を指すのに使われる。
【0073】
子宮筋腫は、平滑筋層、子宮筋層、および付随する子宮の結合組織から生じる良性の非がん腫瘍である。子宮筋腫は、筋腫、子宮肥大、子宮平滑筋腫、平滑筋腫、筋腫、線維筋腫、平滑線維筋腫、線維平滑筋腫、線維腫、子宮筋肥大、子宮線維症、および線維性子宮炎としても知られる。子宮筋腫は女性に最もよく見られる良性腫瘍であり、有病率は生殖年齢の女性で20〜40%である(Wallach EE, Vlahos NF. “Uterine myomas: an overview of development, clinical features, and management”. Obstet Gynecol (2004), 104, 393−406)。
【0074】
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」は、子宮筋腫に関連する症状を少なくとも寛解(もしくは軽減)および/または予防することを指す。寛解および/または予防は広い意味で使われ、少なくともパラメーターの大きさ、例えば症状の軽減を指す。したがって、治療はまた、病的状態または少なくともそれに関連する症状が完全または部分的に抑制され、例えば発生が予防または阻止され、例えば終結され、該状態または少なくとも該状態を特徴付ける症状に苦しまない状況も含む。
【0075】
本明細書で使用される場合、「治療上有効な量」は上記の効果的な反応を示すのに充分な投与量を指す。
【0076】
本明細書において使用する場合、「月経サイクル」は有性生殖のために妊娠可能女性および他の雌霊長類で起こる生理学的変化に関する用語を指す。ヒト月経サイクルは、1サイクル当たり約28日の平均の前後してさまざまでありうる「毎月の」サイクルである。
【0077】
酢酸ウリプリスタルはCDB−2914としても知られ、化学式は17α−アセトキシ−11β−[4−N,N−ジメチルアミノ−フェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオンである。酢酸ウリプリスタルは周知のステロイドであり、より具体的には19−ノルプロゲステロンであり、抗プロゲステロン活性および抗グルココルチコイド活性を有する。この化合物およびその調製方法は、米国特許第4,954,490号、米国特許第5,073,548号、および米国特許第5,929,262号、ならびに国際公開第2004/065405号および国際公開第2004/078709号に記載されている。さらに、この化合物の性質はBlithe et al, 2003に記載されている。
【0078】
本明細書で使用される場合、「活性代謝産物」は特定の化合物、本件では酢酸ウリプリスタルまたはその塩の体内での代謝を通して作られ、酢酸ウリプリスタルと同じ生体活性を呈する生成物を指す。そのような代謝産物は、投与された酢酸ウリプリスタルまたはその塩の、例えば、酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的切断などから生じうる。
【0079】
酢酸ウリプリスタルまたはその塩の活性代謝物は、当該技術分野において公知である常用の技術を使用して特定でき、その活性は本明細書に記載のものなどの分析試験を使用して決定される。そのような代謝産物は、投与された酢酸ウリプリスタルまたはその塩の、例えば、酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的切断などから生じうる。故に、本発明はウリプリスタルまたはその塩の活性代謝産物を含み、例えば、本発明の化合物を、その代謝産物を生じるのに十分な期間、哺乳類に接触させることを含む過程によって生成される化合物を含む。また、そのような代謝物は、対応する酢酸ウリプリスタルまたはその塩の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、または酵素的切断によってインビトロでも作られうる。酢酸ウリプリスタル(CDB−2914)の代謝物の例としては、Attardi et al,2004に記載されているもの、例えば、モノデメチレーテッド(monodemethylated)CDB−2914(CDB−3877)、ジデメチレーテッド(didemethylated)CDB−2914(CDB−3963)、17α−ヒドロキシCDB−2914(CDB−3236)、CDB−2914の芳香族A環誘導体(CDB−4183)が挙げられる。
【0080】
本明細書で使用される場合、「プロゲステロン作動薬」または「プロゲスチン」はプロゲステロン受容体を活性化する化合物または薬剤を指す。プロゲスチンは、19−ノルテストステロンの誘導体、17α−アセトキシプロゲステロンの誘導体(プレグナン)、レボノルゲストレル、およびドロスピレノンを含む群から選択される。好ましくは、プロゲスチンは酢酸ノルエチンドロン(ノルエチステロン)(NETA)である。
【0081】
薬物送達に関する現在の方法の概説については、Lange, Science 249:1527−1533(1990)を参照されたく、該文献は参照により本願明細書に組み込まれる。投与可能な化合物を調製する方法は、当業者に公知かつ明らかであり、より詳細には、例えば、レミントンの薬科学、第17版、Mack Publishing Company、ペンシルベニア州イーストン(1985年)に記載され、該書は参照により本願明細書に組み込まれる。
【0082】
考えられる投与形態としては、錠剤などの固体組成物、カプセル、ロゼンジ、丸剤、経皮貼付剤、歯科用軟膏、坐薬、吸入剤、溶液、軟膏、非経口デポー剤、膣リング、膣ジェル、および子宮内送達系が挙げられる。
【0083】
固体組成物には、従来の非毒性固体担体が使用され、例えば、医薬グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、ブドウ糖、蔗糖が挙げられる。経口投与については、製剤として許容可能な無毒性組成物は、先に列挙した担体などの、通常用いられる賦形剤のいずれかと組み合わせられることによって形成される。
【0084】
経口固体剤形は優先的に、圧縮錠剤またはカプセル剤である。実用的サイズの圧縮錠剤の生産が可能になるように、圧縮錠剤は希釈剤を含有して、プロゲステロン受容体調節剤、SPRM、またはその代謝産物の体積を増やしてもよい。結合特性を粉末材料に付与する薬剤である結合剤もまた必要な場合がある。ポビドン、デンプン、ゼラチン、ラクトースまたはデキストロースなどの糖、ならびに天然および合成ガムをしてもよい。崩壊剤は一般に錠剤に必要であり、錠剤の崩壊を容易にする。崩壊剤としては、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ガム、および架橋ポリマーが挙げられる。最後に、滑沢剤および流動促進剤として知られる材料が錠剤に少量含まれ、製造過程における錠剤材料の表面への付着を防ぎ、製造中の粉末材料の流動特性を向上する。コロイド状二酸化ケイ素が、流動促進剤として最も一般的に使用され、タルク、ステアリン酸マグネシウム、またはステアリン酸などの化合物が、潤滑剤として最も一般的に使用される。圧縮錠剤の生産および製造の方法は、当業者に周知である(レミントンを参照されたい)。
【0085】
カプセル剤は、優先的にハードゼラチンシェルまたはソフトゼラチンシェルのいずれかを、プロゲストゲン剤またはプロゲステロン受容体調節剤および不活性成分の混合物の容器として用いる固体剤形である。ハードゼラチンおよびソフト弾性カプセル剤の生産および製造の方法は、当該技術分野において周知である(レミントンを参照されたい)。
【0086】
経口経路が好ましい。臨床的成功をもたらすのは血液レベルを用いる経口経路と比較して、他の投与の経路が好適である可能性がある。
【0087】
米国特許出願公開第20050208129号に記載のものなどの、頬側投与形態またはデバイス(devices)もまた有用であり、該出願は参照により本明細書に組み込まれる。米国特許出願公開第20050208129号は、少なくとも1つの有効成分を含み、有効成分溶解テストが8時間かけて70%超である持効性放出生体付着性粘膜治療系を記載し、その調製方法に関する。前記生体付着性治療系は、少なくとも50重量%の有効成分にあたる天然タンパク質の量、少なくとも20重量%の前記錠剤、10%〜20%の親水性ポリマー、および圧縮賦形剤を含み、4%〜10%の有効成分の局所供給を強化するアルカリ金属アルキル硫酸塩、および0.1%〜1%の糖一水和物を含む。
【0088】
非経口投与に関して、流体単位剤形は化合物および無菌媒体を用いて調製され、媒体は水が好ましい。酢酸ウリプリスタルまたはその代謝産物は、使用する媒体や濃度によって媒体に懸濁または溶解することができる。溶液の調製では、化合物を注射用水に溶かし、ろ過して滅菌した後、好適なバイアルまたはアンプルに充填して密閉できる。有利には、局所麻酔薬、保存剤、および緩衝剤などの補助剤は媒体に溶かすことができる。安定性を高めるのに、組成物をバイアルに充填後凍結して水を真空下で取り除くことができる。次いで凍結乾燥した粉末をバイアルに密封して、付属のバイアルの注射用の水を供給して使用前に液体に戻す。非経口懸濁剤は、化合物を媒体に溶解する代わりに懸濁することと、滅菌が濾過によって達成されないことを除いて実質的に同じやり方で調製できる。化合物は、滅菌媒体に懸濁する前に酸化エチレンに曝すことによって滅菌できる。有利には、界面活性剤または湿潤剤が組成物に含まれ、ウリプリスタルの均一な分布を容易にする。
【0089】
くわえて、ウリプリスタルを送達するのに坐薬を採用できる。活性化合物は、公知の坐薬基剤のいずれかに当該技術分野において公知の方法によって取り入れることができる。そのような基剤としては、例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール(カーボワックス)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート、およびこれらと融点または溶解速度を改変する他の和合性材料の混合物が挙げられる。これらの坐薬の重さは約1〜2.5gであることができる。
【0090】
浸透促進剤および密封バッキング(occlusive backing)を含む経皮送達系は、ウリプリスタルまたはその代謝産物を送達するのに有用である。浸透促進剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0091】
体内でゆっくりと放出またはゆっくりと摩滅および放出してウリプリスタルの持続的供給をもたらすポリマーデバイスを含む系もまた有用である。好適な送達系としては、ノルゲストリエノンまたはプロゲスチンR2323および他の薬剤を送達するのに日常的に使用されるものなどの皮下デバイスまたはインプラントが挙げられる。
【0092】
本発明の幾つかの実施形態では、膣および/または子宮内投与に適した医薬組成物は膣内または膣リングの形態である。これらのリングは医療補助なしに簡単に膣に導入できる不活性エラストマーの材料でできた環状物である。リングは膣後壁と恥骨上縁部の間に取り付ける。数多くの種類の膣リングが特許文献にも非特許文献にも同様に記載されている。例えば、米国特許第4,012,496号および米国特許第4,155,991号(ともにSchopflin et al.に対して);米国特許第4,292,965号(Nash)(3層リングを教示する);米国特許第3,545,439号(Duncan);米国特許第3,920,805号(Roseman);米国特許第3,991,760号および米国特許第3,995,634号(ともにDrobish et al.に対する);米国特許第3,995,633号(Gougeon);米国特許第4,250,611号および米国特許第4,286,587号(ともにWongに対して);米国特許第4,596,576号(de Nijs);国際公開第95/00199号(Lehtinen et al.);NL8500−470−A;ならびにApter, et al., Contraception 42:285−295 (1990); Burton, et al., Contraception 27:221−230 (1978); Burton et al., Contraception 19:507−516 (1979); Jackanicz, Contraception 24:323−339 (1981); Sivin, et al., Contraception 24:341−358 (1981); Timmer, et al., Contraception 43:629−642 (1990); Toivonen, Contraception 20:511−518 (1979);およびSitruk Ware, et al., Contemporary Clin. Gynecol. & Obstet. 2:287−98 (2002)を参照されたい。
【0093】
多くの基本的なリングデザインは当該技術分野において公知であり、例えば、ホモジニアスリング(homogeneous ring)、2層リング、Rosemanリング、および3層リングがある。例えば、Weiner et al., Acta Obstet Gynecol. Scand, Suppl . 54, 1977 p. 35;Rosemanに対して米国特許第3,920,805号およびSchopflenに対して米国特許第4,012,496号。Duncanに対して米国特許第3,545,439号およびVictor, et al. Contraception 12:261, 1975。Schoepflin, et al.に対して米国特許第4,012,496号、米国特許第5,972,372号を参照されたい。本発明で使用する膣リングは国際公開第2006/010097号に記載のものであることができる。
【0094】
膣リングから活性成分の持続放出を提供する好適な材料は、例えば、シリコーン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、またはポリウレタン(PU)を含む。好ましい材料はEVAまたはPUである。
【0095】
また本発明の経膣および/または子宮内投与に適した医薬組成物は、PRM、SPRM、またはその活性代謝産物の持続放出を提供することになる非膣リング徐放性組成物の形態、例えばジェル、泡、および坐薬(例えば発泡性坐薬)をとりうる。これらの好適な医薬組成物の各々は、少なくとも1つの薬剤的に許容可能な賦形剤、担体、または希釈剤を含むことになる。当業者は適切なものを選択して、例えば、当該技術分野での標準的なテキストを用いることによってさまざまなタイプの徐放性組成物を作りうる。
【0096】
プロゲステロン受容体調節剤、SPRM、またはその代謝物が溶液に含まれる場合、製剤は、例えば、とりわけエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物などの懸濁化剤を含有しうる。
【0097】
プロゲステロン受容体調節剤、SPRM、またはその代謝産物の有用な鼻腔内製剤は、少なくとも1つの安定剤および/または1つの界面活性剤を含有しうる。薬剤的に許容可能な界面活性剤には、ポリオキシル35ひまし油(クレモフォールEL)としても知られるポリオキシエチレン・グリセロール−・トリリシンオレアート、またはポリオキシル40硬化ひまし油(クレモフォールRH40)、ともにBASF社(BASF Corp.)から入手可能、などのポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(TWEEN80)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(TWEEN60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミタート(TWEEN40)またはポリオキシエチレン20ソルビタンモノラウレート(TWEEN20)(デラウェア州ウィルミントンのICI Surfactants社からすべて入手可能)などのポリオキシエチレン(20)ソルビタンのモノ脂肪酸エステル、オレイン酸ポリグリセリルなどのポリグリセリルエステル、およびポリオキシエチル化核油(ラブラフィル、Gattefosse社から入手可能)がある。好ましくは、界面活性剤は重量で医薬組成物の約0.01%〜10%であることになる。製剤として有用な安定剤には、亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、二酸化硫黄、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、チオグリセロール、チオグリコール酸、塩酸システイン、アセチルシステイン、パルミチン酸アスコルビル、ヒドロキノン、没食子酸プロピル、ノルジヒドログアヤレト酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アルファ−トコフェロール、およびレシチンなどの酸化防止剤がある。好ましくは、安定剤は、重量で医薬組成物の約0.01%〜5%であることになる。
【0098】
また、懸濁液はとりわけ、エチレンジアミン四酢酸、その誘導体、およびその塩、ジヒドロキシエチルグリシン、クエン酸、ならびに酒石酸などのキレート剤を含みうる。くわえて、懸濁剤の適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材を使用すること、必要な粒度を維持すること、および前述のものなどの界面活性剤を使用することによって維持できる。経口投与のための固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末、および顆粒が挙げられる。そのような固体剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸水素カルシウム、ならびに/または(a)デンプン、乳糖、蔗糖、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填材または増量剤、(b)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、蔗糖、およびアカシアなどの結合剤、(c)グリセロールなどの保水剤、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)パラフィンなどの溶解遅延剤、(f)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(g)セチルアルコールならびにモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、(h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、ならびに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物などの滑沢剤などの不活性で、薬剤的に許容可能な賦形剤または担体の少なくとも1つと混合してもよい。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形はまた緩衝剤も含んでもよい。
【0099】
好ましくは、酢酸ウリプリスタルは、5〜15mg、好ましくは5〜12mg、より好ましくは8〜10mg、さらにより好ましくは10mgの治療上有効1日量で経口投与される。
【0100】
酢酸ウリプリスタルまたはその代謝産物がプロゲスチン、特にNETAと併用して投与される場合、プロゲスチンの治療上有効1日量は、5〜20mg、好ましくは5〜15mg、より好ましくは8〜10mg、さらにより好ましくは10mgである。
【0101】
投与期間は5日から最長で30日、好ましくは8日から最長で15日、より好ましくは 10日である。
【0102】
本明細書で使用される場合、「長期」投与という用語は、子宮筋腫の治療の発現治療(expression therapy)に関して約6か月以上の期間を指す。
【0103】
本発明はまた、SPRMまたはそのいずれの代謝産物を、随意にプロゲスチンおよび/または使用取扱説明書とともに含む長期治療のためのキットも企図する。
【0104】
一般に、キットは、容器およびその容器上または容器に附属したラベルまたはパッケージ挿入物を含む。好適な容器としては、例えば、瓶、バイアル、注射器などが挙げられる。容器はガラスまたはプラスチックなどの多様な材料から形成されうる。容器は、良性婦人科疾患を患う対象における長期の月経出血を正常化するのに効果的な、本発明のプロゲステロン受容体調節剤、またはそのいずれの代謝産物を収容する。ラベルまたはパッケージ挿入物は、組成物が本発明の病態を治療するのに使用されることを示す。
【0105】
本明細書において記載されている発明が、具体的に記載されていること以外の変形および修正を受け入れる余地があることを当業者なら理解するであろう。本発明がその趣旨または本質的な特徴を逸脱することなく、そのような変形および修正の全てを含むことを理解すべきである。また本発明は、本明細書において参照または示される工程、特徴、組成物、および化合物のすべてを、個別にまたはまとめて包含し、ならびにその他すべての組み合わせまたはいずれの2つもしくはそれより多い前記工程または特徴を包含する。そのため、本開示はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、均等の意図および範囲に属する変更はすべて本発明の範囲内のものである。
【0106】
本明細書を通してさまざまな参考文献が引用され、該参考文献各々は参照して本願明細書にその全体が組み込まれる。
【0107】
前述の記載は以下の実施例を参照して、より充分に理解されるであろう。しかし、かかる例は本発明を実行する方法の例示であって、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0108】
図1】UPA治療の終了後の月経回復および治療の終了後最初の月経出血の強度のPBAC評価中央値。
図2】各治療コース終了時の無月経の対象の割合。
図3】各治療コース終了時の点状出血(spotting)または出血の無い対象の割合。
図4】UPA治療後の子宮筋腫体積減少の有効性を示す割合変化中央値。
図5】UPA治療終了後の月経回復中央値。
図6】治療の終了後最初の月経の月経出血の強度のPBAC評価中央値。
図7】UPA治療後の子宮内膜組織像(良性子宮内膜、過形成、ポリープ)。
図8】UPA治療後の子宮内膜組織像(PAEC)。
【実施例】
【0109】
実施例1:
UPAでの3か月間治療、それに続くNETAまたはプラシーボでの10日間治療の有効性及び安全性を調べる多施設、第III相試験
全患者は1日1回10mgのUPA3か月間治療コースを受けた後、無作為に割り当てられて1日1回10mgの経口NETAまたは対応プラシーボ(matching placebo)を10日間与えられた。UPA治療は月経の初めの4日の間に始められた。NETAまたはプラシーボはUPA休止後初めの10日間に毎日摂取された。スケジュールは、女性が10mgのUPAの繰り返し断続コースを含む継続試験に入る可能性組み込んだ。
【0110】
評価パラメーター
治験では、子宮筋腫の治療の効果を、画像(pictorial)失血評価チャート(PBAC)を用いる子宮出血、経膣的超音波検査 (TVUS)および子宮内膜生検を用いる子宮の状態、子宮内膜生検を用いる子宮内膜組織所見、ならびに略式マクギル痛み質問票(Short−Form McGill Pain Questionnaire)(SF−MPQ)を用いる痛み、ならびに子宮筋腫症状と健康関連クオリティ・オブ・ライフ(Uterine Fibroid Symptom and Health−Related Quality of Life)(UFS−QoL)質問票を用いるクオリティ・オブ・ライフなどのパラメーターによって評価している。
【0111】
有効性評価項目は、UPA治療終了時の無月経の患者の割合;ベースラインからUPA治療終了と、NETA/プラシーボ治療終了後月経の2週間後までの大きい方から3つの筋腫の体積の変化;およびベースラインからUPA治療終了までの痛みとQoLの変化であった。
【0112】
安全性評価項目には、バイタルサインの臨床的に重要な変化、身体検査、婦人科または乳房検査、心電図(ECG)、卵巣超音波、子宮内膜厚のベースラインからの変化、および子宮内膜生検の臨床的に重要な変化を含む治療下で発現した有害事象(TEAE)を経験する患者の数および割合が含まれた。他の安全性評価項目は、血液学、凝固、生化学、脂質、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、およびプロラクチン、ならびにエストラジオール(E2)の血清レベルのベースラインからの変化であった。
【0113】
探索的評価項目には、UPA治療後の最初の月経の強さ(strength)の評価(PBACを使用)、治療終了後月経を回復する時間、および月経回復後の子宮内膜生検で観察された治療後のPAECの頻度が含まれた。
【0114】
結果
有効性評価項目
無月経
UPA治療終了時に、164名(78.5%)の女性が無月経であった(95%信頼区間、72.4〜83.5%)。UPAの初回投与またはその直前の月経初日から無月経までの平均時間および中央値時間はそれぞれ10.6日および5.0日であり、範囲は2〜60日であった。10日目から治療の終了まで、<5%の患者がいずれの特定の日になんらかの出血を報告し、<2%の患者が多量の出血を報告した。
【0115】
子宮筋腫体積
ベースラインとUPA治療の終了の間の大きい方から3つの子宮筋腫を合わせた体積の変化の中央値は−45.1%(四分位範囲[IQR]、−66.1〜−24.9%)であった。この減少はUPA治療および月経の回復後維持された(変化中央値、−45.8%;IQR、−63.3 〜−13.0%)。74.7%の女性では、大きい方から3つの子宮筋腫の体積に≧25%の減少があった。
【0116】
痛みの緩和およびクオリティ・オブ・ライフ
痛みの改善をベースラインスコアからの中央値変化で記録し、UPA治療の5週目、9週目、および終了時にそれぞれ、5.0(IQR、−12.0〜−1.0)、−6.0(IQR、−14.0〜−1.6)、および−6.0(IQR、−14.0〜−2.0)であった。同様に、VASによって評価した痛みは、中央値ベースラインレベルの38からスコアの減少(改善)を示した(IQR、17〜63)。中央値変化は、UPA治療の5週目、9週目、および終了時にそれぞれ、−21(IQR、−39〜−2)、−26(IQR、−54〜−7)、および−25(IQR、−54〜−6)であった。ベースライン時で、患者には中等度の症状がありQoLが中程度に低下していた。UPA治療後、女性は、症状重症度に関してベースラインスコアからの中央値変化−34.4(IQR、−46.9〜−21.9)と、ベースラインと比較した健康関連QoL(HRQL)合計スコアに関して中央値増加28.5(IQR、11.6〜44.0)によって定義されたQoLの改善を示した。
【0117】
安全性評価項目
試験中、2名の患者で3例の重篤な有害事象(SAE)が報告された。全例が治療後に生じ、試験薬に関連しなかったとみなされた。1名の対象が二重盲検治療終了の28日後、過度の子宮出血が2度発現したために入院した。他の対象に右小葉乳がんを発症し、試験から抜けた。
【0118】
UPA治療中、318例のTEAEが120名の女性(57.4%)に起こり、3.8%が重症と分類された。62名の女性(29.7%)の112例のTEAEがUPAに関連するとみなされた。SAEはUPA治療段階には生じなかった。1例のTEAE(持続する中程度の強さの頭痛)のみが治療の中止につながった。>3%の女性で生じたTEAEは、頭痛(16.3%)、鼻咽頭炎(6.7%)、顔面紅潮(4.8%)、疲労(4.3%)、乳房圧痛(3.8%)、骨盤痛(3.8%)、めまい(3.8%)、吐き気(3.8%)、および下腹部痛(3.3%)であった。
【0119】
二重盲検治療段階では、18事象がNETA群で11名の女性(11.2%)に、2事象がプラシーボ群で2名の女性(1.9%)に報告された。治療後の段階では、TEAEがNETAおよびプラシーボ群でそれぞれ26.5%および27.2%の女性に報告された。
【0120】
UPA治療中、E2レベルは概して卵胞期中期のレベルであった。平均E2レベルは、スクリーニング時、149.9pg/mL(中央値、120.0pg/mL)であった。5度目の来院時、平均E2レベルが81.6pg/mL(中央値、55.0pg/mL)であった。ACTH、TSHや、プロラクチンには重要な変化は記録されなかった。少数の患者では肝臓のアミノ基転移酵素の僅かな増加があり、継続治療中および/または追跡検査のための来院時までに解決した。
【0121】
探索的評価項目
月経出血
UPA治療後の月経回復の中央値は、プラシーボを投与された者では25日(範囲1〜62日)であったのに比べて、NETA治療群では14.0日(範囲2〜42日)であった(p≦0.001)(図1)。
【0122】
ベースライン時の中央値変化と比較して、治療終了後最初の月経のPBACスコアの総計中央値変化は−91.5(IQR、−220〜23)であり、中央値ベースラインスコアは216であった。PBACスコアの中央値変化は、プラシーボ群が−69(IQR、−167〜40)であったのに比べ、NETA治療群は−122(IQR、−229〜−9)であった(p=0.012)(図1)。
【0123】
二重盲検治療後の子宮内膜組織像
子宮内膜組織像を全症例で良性であった。非生理学的な子宮内膜特徴の割合はUPA治療後のほうが高く(スクリーニング時10.9%に対してUPA治療後25.6%)、NETAとプラシーボ群の間には有意差がなかった(プラシーボ群では28.3%及びNETA群では22.6%)。しかし、NETA治療後、広範囲の嚢胞形成(PAECの特徴の1つ)はプラシーボと比較して頻度が低かった(プラシーボ群では12.0%に対してNETA群では2.4%)。
【0124】
UPA治療の12週後の生検は、全生検(n=38)で良性の子宮内膜組織像を確認し、1例の良性の子宮内膜ポリープがNETA群で報告された。このサブグループではこの時点で、NETA群ではPAECの症例はなく、プラシーボ群では上皮の変化および広範囲の嚢胞形成を含む症例が1例だけあった。
【0125】
子宮内膜厚
UPA治療終了までに子宮内膜厚が>16mmの女性の割合に少しの増加があった(スクリーニング時1.5%に対して9.1%)。二重盲検治療群の結果は、NETA(スクリーニング時0%に対して3.5%)およびプラシーボ(スクリーニング時3.0%に対して9.5%)後に少しの増加を示す。子宮内膜厚はNETAおよびプラシーボに同じ程度に影響を受けた。3か月後、評価した患者に厚さが>16mmのものは誰もいなかった。
【0126】
実施例2:
筋腫および重度子宮出血の対象における、UPAでの3か月間治療、それに続くNETAまたはプラシーボでの10日間治療の有効性及び安全性を調べる多施設、第III相試験の長期継続
試験は、3か月の非盲検UPA治療、その各々に続く10日間のNETAまたはプラシーボでの二重盲検治療、およびそれに次ぐ薬を使用しない期間の3つの期間からなる。対象をNETAまたは対応プラシーボ治療群に1:1の比で無作為に割り当てた。
【0127】
実施例1に記載の試験では、251名の対象を21の施設でスクリーニングし、209名の被験者がUPAでの治療を開始し、そのうち202名が最終のUPA治療来院に参加した。
実施例1の試験を完了したもの(190名の対象)のうち、19施設の132名の対象が継続試験まで続けることを選択した。
【0128】
実施例1の試験および本試験コースの各々では、10mgのUPAを90日間1日1回経口で投与した後、10mgのNETAまたは対応プラシーボを10日間1日1回投与した。本試験での1回目の治療コースは、90日間の10mgのUPA治療、それに続く、治療の終了後来院後の月経の1日目と4日目の間(1日目と4日目を含む)、または子宮温存手術を受けた場合や筋腫が依然として存在した場合には1か月後に開始された10日間の二重盲検治療(実施例1の試験と同じ)から構成される。本試験の2回目および3回目の治療コースはそれぞれ各治療コースの終了後来院後の月経の1日目に開始した。
【0129】
評価パラメーター
評価したパラメーターは実施例1で記載したものと同じである。
【0130】
結果
有効性評価項目
無月経
1回目の治療コースの効果は2回目〜4回目のコースより低いという証拠があるが、本試験は、3か月間の10mgのUPA連日経口治療断続コースが子宮出血の軽減に有効であることを示した。ITT集団の132名の対象のうち、1回目、2回目、3回目、および4回目の治療コース終了時に無月経であった対象の割合はそれぞれ79.5%、88.5%、88.2%、および89.7%であり(図2を参照されたい)、無月経までの時間の平均値(中央値)(治療コース各回のUPAの初回投与から無月経の開始までの時間)はそれぞれ9.4日(4.0日)、3.3日(2.0日)、5.3日(3.0日)、および4.2日(3.0日)であった。9日目〜90日目の間、21名(15.9%)、8名(6.3%)、4名(3.4%)、および4名(3.9%)の対象(ITT集団)が、9日を超えるいずれのレベルの出血(大量出血、出血、または点状出血)を報告した(図3を参照されたい)。個々のプラシーボ群とNETA治療群の結果は比較的似ていた。
【0131】
子宮筋腫体積
スクリーニング時に特定された大きい方から3つの筋腫の合計体積は各治療コース後に減少することが示され、最大の減少が4回目の治療コース終了時に見られ、その際−53.53% (−72.08%)のスクリーニングからの割合変化の平均値(中央値)が観察された。−33.68%(−58.84%)のスクリーニングからの割合変化の平均値(中央値)が報告された追跡調査来院(4回目の治療コース後の3回目の月経の約2週間後)まで、程度は少なもののその減少は維持された(図4)。USによって測定された子宮体積もまた試験中に減少し、治療の終了後も同様に維持され、酢酸ウリプリスタルの集中的な(focused)作用機序に起因するとしても、その減少は大きい方から3つの筋腫の体積減少について見られたものより少なかった。
【0132】
痛みの緩和およびクオリティ・オブ・ライフ
子宮出血および筋腫の体積の減少は、略式マクギル痛み質問票(Short−Form McGill Pain Questionnaire)(SF−MPQ)によって測定される患者の報告による痛みの減少を伴い、全ての来院時に、3つのSF−MPQパートがベースラインからの改善を示した。プラシーボ群とNETA治療群の結果は治療群全体と同様であった。クオリティ・オブ・ライフは、特異的な子宮筋腫症状と健康関連クオリティ・オブ・ライフ(Uterine Fibroid Symptom and Health−Related Quality of Life)(UFS−QoL)症状重症度と健康関連QoL(HRQL)スケールを用いて測定し、一般的なEuroQoL−5 Dimensions(EQ−5D)質問票によっても測定した。UFS−QoLでは、平均症状重症度スコアはベースラインからの改善(減少)を示し、ベースラインと比較したHRQL合計スコアについても平均して改善(増加)があった。ED−5D質問票では、ベースライン時および試験中を通して報告される最も頻度の高い問題は痛み/不快感及び不安/うつ尺度にあり、これらの両尺度に関して試験中を通してずっと改善は保持された。
【0133】
各治療コースの終了後、4名を除いてデータが入手可能な対象すべては月経が回復した。予想通り、UPA1回目〜4回目の治療コースの中止の後の月経の回復までの時間の中央値は、プラシーボ群の対象と比較してNETA群の対象のほうが有意に短かった(p<0.001)(図5)。くわえて、PBACスコアによって測定された出血の重さ(1〜8日目)は、各治療コースの後においてプラシーボ群の対象のほうが重かった。NETA群の対象で最も顕著であったが、両群の出血は各後続治療コースの後に減少したように思われた(図6)。
【0134】
この患者集団におけるUPA治療の有効性、安全性、および受容性を実証することのひとつは、当初予定されたものと比較した、試験終了時に行なわれた手術の変化である。実施例1の試験の開始時に、ITT集団中132名の対象のうち66名(50%)に対して手術が予定されていたが、本試験の終了によって、手術は125名(94.7%)の対象に対して行われなかった。7名の対象のみが手術を受けた。
【0135】
安全性評価項目
バイタルサイン、臨床検査および内分泌測定、ならびに報告された治療下で発現した有害事象(TEAE)および重篤有害事象(SAE)を含む安全性評価は、この断続的繰り返し投与スケジュールは耐容性良好であり、新たな安全性への懸念を少しも認めるに至らなかったことを示した。予想されたように、1回目のUPA治療コース中に報告されたTEAEの数は、後続治療コースで見られるより多く、いずれのTEAEに関しても頻度の増加は観察されなかった。全体として、二重盲検治療中にTEAEはほとんど報告されず、UPAの各治療コース後の10日間にわたるNETA10mgの追加はいかなる安全性への懸念をもたらさなかった。
【0136】
以前の研究で報告されているように、3か月のUPAの単剤治療コースを伴う治療の後に子宮内膜厚の増加が観察された。子宮内膜厚の増加を各治療コース後にモニターし、2つの治療群の子宮内膜厚のデータを比較した。プラシーボ群の対象の厚さのデータはNETA群の対象のデータと比較して高く、これらの来院時では各回、子宮内膜厚が>16mmであったのはプラシーボ群の対象のほうが多かった。
【0137】
子宮内膜生検試料は3名の独立した病理医によって評価された。一致した検討により、生検試料はすべて良性の子宮内膜と診断された(図7)。上皮の変化、異常血管変化、広範囲の嚢胞形成を含む子宮内膜生検試料の非生理学的変化の観察所見は、その発生率が1回目の治療コースおよび2回目の治療コースの後に採取された試料で最も高いことを示唆した(図8)。追跡調査来院時、非生理学的変化はスクリーニング時に見られた観察所見と同様であり、いったん治療が終了すると変化は急速に戻ることを示唆した。
図7
図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】