特表2016-516948(P2016-516948A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-516948(P2016-516948A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/043 20060101AFI20160513BHJP
   F04D 13/02 20060101ALI20160513BHJP
【FI】
   F04D29/043 A
   F04D13/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-512287(P2016-512287)
(86)(22)【出願日】2014年4月29日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月22日
(86)【国際出願番号】EP2014058680
(87)【国際公開番号】WO2014180708
(87)【国際公開日】20141113
(31)【優先権主張番号】102013208476.5
(32)【優先日】2013年5月8日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】591040649
【氏名又は名称】カーエスベー・アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】KSB AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100179154
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 真衣
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100184424
【弁理士】
【氏名又は名称】増屋 徹
(72)【発明者】
【氏名】グレーシェル,ユルゲン
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AB22
3H130AB46
3H130AC30
3H130BA95D
3H130BA95G
3H130DA02Z
3H130DD01Z
3H130DE02X
3H130DE03Z
3H130DJ06X
3H130ED01G
3H130ED02G
(57)【要約】
本発明は、ポンプ装置(1)、特に、磁気カップリングポンプ装置であって、ポンプ装置(1)のポンプケーシング(2)によって形成された内部空間(11)と、缶(10)であって、該缶によって密閉されたチャンバ(12)をポンプケーシング(2)によって形成された内部空間(11)に対して気密封止している缶(10)と、回転軸(A)を中心として回転するように駆動可能になっているインペラシャフト(13)と、インペラシャフト(13)の一端に配置されたインペラ(16)と、インペラシャフト(13)の他端に配置されたインナーロータ(17)と、駆動モータ(9)と、駆動モータ(9)によって回転軸(A)を中心として回転するように駆動可能になっている駆動シャフト(20)と、駆動シャフト(20)上に配置されたアウターロータ(22)であって、インナーロータ(17)と相互作用するようになっているアウターロータ(22)とを備えているポンプ装置(1)に関する。アウターロータ(22)は、貫通孔(27)によって形成されたハブ内面(28)を有するハブ(23)を有しており、該ハブ内面に、軸方向溝(29)が形成されており、該軸方向溝は、回転軸(A)と平行に延在しており、駆動シャフト(20)のフェザーキー溝(32)内に挿入されたフェザーキー(33)と協働するようになっている。本発明によれば、少なくとも1つの半径方向に周回する第1の溝(30)および少なくとも1つの半径方向に周回する第2の溝(31)が、ハブ内面(28)に形成されており、トレランスリング(34,35)が、溝(30,31)の2つ内に少なくとも配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ装置、特に、磁気カップリングポンプ装置であって、前記ポンプ装置のポンプケーシングによって形成された内部空間と、閉込缶であって、前記閉込缶によって包囲されたチャンバを前記ポンプケーシングによって形成された前記内部空間に対して気密封止している閉込缶と、回転軸を中心として回転するように駆動可能になっているインペラシャフトと、前記インペラシャフトの一端に配置されたインペラと、前記インペラシャフトの他端に配置されたインナーロータと、駆動モータと、前記駆動モータによって前記回転軸を中心として回転するように駆動可能になっている駆動シャフトと、前記駆動シャフト上に配置されたアウターロータであって、前記インナーロータと相互作用するようになっているアウターロータとを備え、前記アウターロータは、通路孔によって形成されたハブ内面を有するハブを有しており、該ハブ内面に、軸方向溝が形成されており、該軸方向溝は、前記回転軸と平行に延在しており、前記駆動シャフトのフェザーキー溝内に挿入されたフェザーキーと相互作用するようになっている、ポンプ装置において、
少なくとも1つの半径方向に周回する第1の溝(30)および少なくとも1つの半径方向に周回する第2の溝(31)が、前記ハブ内面(28)に形成されており、トレランスリング(34,35)が、前記溝(30,31)の2つ内に少なくとも配置されていることを特徴とする、ポンプ装置。
【請求項2】
トレランスリング(34,35)は、前記第1の溝(30)の少なくとも1つまたは複数内および前記第2の溝(31)の1つまたは複数内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項3】
トレランスリング(34)は、前記第1の溝(30)の1つ内に配置されており、トレランスリング(35)は、前記第2の溝(31)の1つ内に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記ポンプ装置(1)は、ブロック式設計の形態にあることを特徴とする、請求項1,2または3のいずれか1つに記載のポンプ装置。
【請求項5】
少なくとも1つの第1の溝(30)は、軸方向において前記ハブ(23)の中心と前記第1のキャリア要素(25)との間に実質的に位置する前記ハブ内面(28)の領域に形成されており、少なくとも1つの第2の溝(31)は、前記ハブ(23)の中心から前記第1のキャリア要素(25)の反対側に位置する前記ハブ(23)の端に近い点に実質的に延在する前記ハブ内面(28)の領域に形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載のポンプ装置。
【請求項6】
前記ハブ(23)の前記外シェル面(24)は、なめらかな形態にあることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載のポンプ装置。
【請求項7】

前記アウターロータ(22)には、前記第1のキャリア要素(25)の前記領域に形成されたネジ孔(37)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6の1つに記載のポンプ装置。
【請求項8】
前記ネジ孔(37)は、前記駆動シャフト(20)に設けられた有底ネジ孔(36)よりも大きい直径を有していることを特徴とする、請求項7に記載のポンプ装置。
【請求項9】
前記トレランスリング(34,35)は、前記フェザーキー(33)を受け入れる前記フェザーキー溝(32)内に延出しないように、寸法決めされていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載のポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置、特に、磁気カップリングポンプ装置であって、ポンプ装置のポンプケーシングによって形成された内部空間と、閉込缶であって、前記閉込缶によって包囲されたチャンバをポンプケーシングによって形成された内部空間に対して気密封止している閉込缶と、回転軸を中心として回転するように駆動可能になっているインペラシャフトと、インペラシャフトの一端に配置されたインペラと、インペラシャフトの他端に配置されたインナーロータと、駆動モータと、駆動モータによって回転軸を中心として回転するように駆動可能になっている駆動シャフトと、駆動シャフト上に配置されたアウターロータであって、インナーロータと相互作用するようになっているアウターロータとを備え、アウターロータは、通路孔によって形成されたハブ内面を有するハブを有しており、該ハブ内面に、軸方向溝が形成されており、該軸方向溝は、回転軸と平行に延在しており、駆動シャフトのフェザーキー溝内に挿入されたフェザーキーと相互作用するようになっている、ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、前記形式のポンプ装置を開示している。駆動シャフト上の外側磁石キャリアの緊密なすべり嵌合にも関わらず、依然として存在する嵌合クリアランスの影響によって、外側磁石キャリアが駆動シャフトに対して傾斜し、これによって、駆動シャフトが回転駆動するとき、外側磁石キャリアの首振り運動(wobbling)が生じ、その結果、閉込缶またはポンプ装置内の他の部分への損傷が生じる可能性がある。もし嵌合が過度に緊密であるように選択されたなら、加熱操作によってしか取付けを行なうことができず、特別な工具を用いてしか取外しを行なうことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国実用新案第8436638U1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、特別の工具を用いることなく、駆動モータの駆動シャフト上への磁石を保持するアウターロータのクリアランスなしの取付けを可能にするポンプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、少なくとも1つの半径方向に周回する第1の溝および少なくとも1つの半径方向に周回する第2の溝が、ハブ内面に形成され、トレランスリングが、該溝の2つ内に少なくとも配置されることによって、達成されることになる。
【0006】
トレランスリングは、第1の溝の少なくとも1つまたは複数内および第2の溝の1つまたは複数内に配置されることが好ましい。
【0007】
1つのトレランスリングが第1の溝の1つ内に配置され、他の1つのトレランスリングが第2の溝の1つ内に配置されると好都合である。
【0008】
本発明の1つの改良例では、ポンプ装置は、ブロック式設計の形態にあること、すなわち、ポンプケーシングがモータケーシングに接続されることが提案されている。これによって、どのような基部プレートまたは比較的小形の基部プレートもポンプ装置に必要とされないことになる。さらに、機械的な連結を省くことができる。さらに、位置合わせのために必要な労力を省くことができる。
【0009】
もし少なくとも1つの第1の溝が、軸方向においてハブの中心と第1のキャリア要素との間に実質的に位置するハブ内面の領域に形成され、および/または少なくとも1つの第2の溝が、ハブの中心から第1のキャリア要素の反対側に位置するハブの端に近い点に実質的に延在するハブ内面の領域に形成されたなら、駆動シャフトによって回転可能に駆動されるアウターロータのブレる回転特性を回避することができる。
【0010】
特に有利であることが実証されているのは、ハブの外シェル面がなめらかな形態にある改良例である。ハブの外シェル面の内外の孔、不連続部、または長孔が省かれていることによって、前記領域に配置されたシール要素に損傷をもたらすことなく、アウターロータを駆動シャフト上に沿って摺動させることができる。
【0011】
ハブおよび駆動シャフトの簡単な取付けおよび取外しのために、アウターロータには、第1のキャリア要素の領域に形成されたネジ孔が設けられている。
【0012】
ハブおよび駆動シャフトの簡単な取付けおよび取外しに関して、ここでは、ネジ孔が、駆動シャフトに設けられた有底ネジ孔よりも大きい直径を有するようになっている。
【0013】
さらに有利な改良例では、トレランスリングは、フェザーキーを受け入れるフェザーキー溝内に延出しないように、寸法決めされている。
【0014】
以下、図面に示されている本発明の例示的実施形態について、さらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明によるハブ−シャフト接続部を有する磁気カップリングポンプ装置の縦断面を示す図である。
図2図1に対応するハブ−シャフト接続部を拡大して示す図である。
図3図2の線III−IIIに沿った断面を示す図である。
図4】シャフトへのハブの取付けを示す図である。
図5】シャフトからのハブの取外しを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、ポンプ部分および電気部分を有する磁気カップリングポンプ装置の形態にあるポンプ装置1を示している。ポンプ装置1のポンプ部分は、遠心ポンプの多部品ポンプケーシング2を有している。ポンプケーシング2は、渦巻ケーシングとして設計された流体圧ケーシング3、ケーシングカバー4、軸受キャリアケージ5、および接続要素6を備えている。
【0017】
流体圧ケーシング3は、送達媒体の吸入のための入口開口7を有すると共に、送達媒体の排出のための出口開口8を有している。ケーシングカバー4は、入口開口7の反対側に位置する流体圧ケーシング3の側に配置されている。軸受キャリアケージ5は、流体圧ケーシング3から逸れたケーシングカバー4の側に固定されている。接続要素6は、ケーシングカバー4の反対側に位置する軸受キャリアケージ5の側に取り付けられている。接続要素6の軸受キャリアケージ5と反対側に位置する側に、電気部分を構成する駆動モータ9が配置されている。ポンプ装置1は、ブロック式設計の形態にある。すなわち、ポンプケーシング2および駆動モータ9のケーシングは、例えば、接続要素6によって互いに接続されている。
【0018】
閉込缶10が、流体圧ケーシング3から逸れたケーシングカバー4の側に固定されており、前記閉込缶は、ポンプケーシング2によって、具体的には、ケーシングカバー4、軸受キャリアケージ5、および接続要素6によって画定された内部空間11内に少なくとも部分的に延在している。閉込缶10は、前記閉込缶によって閉鎖されたチャンバ12を内部空間11に対して気密封止している。
【0019】
回転軸Aを中心として回転可能なインペラシャフト13が、流体圧ケーシング3およびケーシングカバー4によって画定された流通チャンバ14から、ケーシングカバー4に設けられた開口15を通って、チャンバ12内に延在している。
【0020】
インペラ16が、インペラシャフト13の(流通チャンバ14内に位置する)シャフト端に固定されており、チャンバ12内に位置するインナーロータ17が、反対側のシャフト端に配置されている。この反対側のシャフト端は、2つの拡径されたシャフト区域13a,13bを有している。インナーロータ17は、多数の磁石18を備えている。これらの磁石18は、閉込缶10の方を向くインナーロータ17の側に配置されている。
【0021】
インペラ16とインナーロータ17との間には、軸受配列19が配置されている。軸受配列19は、インペラシャフト13に操作可能に接続されており、回転軸Aを中心として回転するように駆動可能になっている。
【0022】
駆動モータ9が、駆動シャフト20を駆動するようになっている。回転軸Aを中心として駆動可能になっている駆動シャフト20は、インペラシャフト13と実質的に同心に配置されている。駆動シャフト20は、接続要素6内に延在し、可能であれば、少なくとも部分的に軸受キャリアケージ5内に延在している。駆動シャフト20の自由端には、多数の磁石21を保持するアウターロータ22が配置されている。磁石21は、閉込缶10の方を向くアウターロータ22の側に配置されている。アウターロータ22は、閉込缶10を少なくとも部分的に覆って延在しており、回転するアウターロータ22が磁気力によってインナーロータ17、従って、インペラシャフト13およびインペラ16を回転させるように、インナーロータ17と相互作用するようになっている。
【0023】
図2に拡大して示されているアウターロータ22は、なめらかな外シェル面24を有するハブ23と、閉込缶10の方を向くハブ23の側に形成または配置されたフランジ状の第1のキャリア要素25と、第1のキャリア要素25に形成または配置された中空円筒状の第2のキャリア要素26と、を備えている。第2のキャリア要素26は、閉込缶10を少なくとも部分的に包囲しており、該第2のキャリア要素26上に磁石21が配置されている。第1および第2のキャリア要素25,26は、互いに接続された2部品として示されているが、一部品として製造されてもよい。
【0024】
通路孔27が、ハブ23を貫通しており、ハブ内面28を形成している。ハブ内面28に、回転軸Aと平行に延在する軸方向溝29が形成されている。さらに、少なくとも1つの半径方向に周回する第1の溝30が、第1のキャリア要素25の近くに位置する側においてハブ内面28に形成されており、少なくとも1つの半径方向に周回する第2の溝31が、第1のキャリア要素25から遠くに離れた側においてハブ内面28に形成されている。図示されている例では、第1および第2の溝30,31は、同一寸法を有している。必要に応じて、これらの寸法は、異なるように選択されてもよい。少なくとも1つの第1の溝30は、ハブ内面28の以下の領域、すなわち、軸方向においてハブ23の中心と第1のキャリア要素25との間に実質的に位置する領域、に形成されている。少なくとも1つの第2の溝31は、ハブ内面28の以下の領域、すなわち、ハブ23の中心から第1のキャリア要素25の反対側に位置するハブ23の端に近い点に実質的に延在する領域、に形成されている。駆動シャフト20には、フェザーキー溝32が形成されている。フェザーキー溝32は、軸方向溝29の方を向いており、該溝フェザーキー溝内には、モータトルクをアウターロータ22のハブ23に伝達させるためのフェザーキー33が挿入されている。図2において、トレランスリング34が第1の溝30内に配置され、トレランスリング35が第2の溝31内に配置されている。もし多数の第1および第2の溝30,31が用いられるなら、トレランスリング34,35は、第1の溝30の少なくとも1つまたは複数内および第2の溝31の1つまたは複数内に配置されるようになっている。特に、トレランスリング34は、第1の溝30のまさに1つ内に配置され、トレランスリング35は、第2の溝31のまさに1つ内に配置されるようになっている。
【0025】
図3から分かるように、第1の溝30内に配置されるトレランスリング34は、フェザーキー33を受け入れるフェザーキー溝32内に延出しないように寸法決めされている。これは、第2の溝31内に配置されるトレランスリング35にも同様に適用される。フェザーキー溝32の大きさに依存して、トレランスリング34は、略300°から略320°の角度で拡がっている。これは、トレランスリング35にも適用される。トレランスリング34,35は、ハブ23と駆動シャフト20との間に依然として存在するすきま嵌め内のアウターロータ22の傾斜を防ぐように、さらに寸法決めされている。トレランスリング34,35のバネ力は、張り出されたアウターロータ22の重力とアウターロータ22に不均衡によって生じる遠心力の合計に少なくとも対応している。これらの力は、トレランスリング34,35の間隔とレバーアームとの比率における重量および遠心力からなっている。
【0026】
図4は、ハブ23を駆動シャフト20に取り付ける1つの適用可能なプロセスを示している。駆動シャフト20の自由端に有底ネジ孔36が回転軸Aに対して同心に設けられることが分かるだろう。アウターロータ22には、第1のキャリア要素25の領域にネジ孔37が設けられており、該ネジ孔は、同じように回転軸Aに対して同心に形成されている。ここでは、ネジ孔37は、有底ネジ孔36よりも大きい直径を有している。アウターロータ22を駆動シャフト20に取り付けるために、最初、スタッドネジ38が有底ネジ孔36内にねじ込まれる。続いて、アウターロータ22のハブ23が、駆動シャフト20上に配置され、このとき、スタッドネジ38は、ネジ孔37を貫通することになる。シムワッシャー39が、アウターロータ22に当接するまで、スタッドネジ38の周りに沿って押し込まれる。ネジ付きナット40をスタッドネジ38の周りにねじ込むことによって、アウターロータ22のハブ23が駆動シャフト20に押圧されることになる。ハブ23の外シェル面24内外に孔、不連続部、または長孔が存在しないので、該外シェル面24は、なめらかな形状、すなわち、均一または平坦な形状を有しており、どのようなシール要素、図示されていないが、例えば、前記領域に配置されたシャフトシールリングに損傷をもたらすことなく、アウターロータ22を駆動シャフト20に沿って摺動させることができる。
【0027】
図5から分かるように、アウターロータ22を引き出すために、ネジ41が、駆動シャフト20に当接するまで、ネジ孔37内にねじ込まれている。ネジ41をネジ孔37内にさらにねじ込むことによって、アウターロータ22のハブ23を駆動シャフト20から引き出すことができる。
【符号の説明】
【0028】
1 ポンプ装置
2 ケーシング
3 流体圧ケーシング
4 ケーシングカバー
5 軸受キャリアケージ
6 接続要素
7 入口開口
8 出口開口
9 駆動モータ
10 閉込缶
11 内部空間
12 チャンバ
13 インペラシャフト
13a シャフト区域
13b シャフト区域
14 流通チャンバ
15 開口
16 インペラ
17 インナーロータ
18 磁石
19 軸受配列
20 駆動シャフト
21 磁石
22 アウターロータ
23 ハブ
24 外シェル面
25 第1のキャリア要素
26 第2のキャリア要素
27 通路孔
28 ハブ内面
29 軸方向溝
30 第1の溝
31 第2の溝
32 フェザーキー溝
33 フェザーキー
34 トレランスリング
35 トレランスリング
36 有底ネジ孔
37 ネジ孔
38 スタッドネジ
39 シムワッシャー
40 ネジ付きナット
41 ネジ
A 回転軸

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】