(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-518409(P2016-518409A)
(43)【公表日】2016年6月23日
(54)【発明の名称】組織外傷の治療のためのαアドレナリン作動薬
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20160527BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20160527BHJP
A61P 17/18 20060101ALI20160527BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20160527BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20160527BHJP
A61K 31/4174 20060101ALI20160527BHJP
A61K 31/498 20060101ALI20160527BHJP
A61K 31/4168 20060101ALI20160527BHJP
A61K 31/137 20060101ALI20160527BHJP
A61K 31/165 20060101ALI20160527BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P17/02
A61P17/18
A61P27/02
A61P17/00
A61K31/4174
A61K31/498
A61K31/4168
A61K31/137
A61K31/165
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-512984(P2016-512984)
(86)(22)【出願日】2014年5月5日
(85)【翻訳文提出日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】US2014036778
(87)【国際公開番号】WO2014182610
(87)【国際公開日】20141113
(31)【優先権主張番号】61/819,927
(32)【優先日】2013年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】390040637
【氏名又は名称】アラーガン、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(72)【発明者】
【氏名】ジル ダニエル ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュース−ジョーンズ リディア エル
(72)【発明者】
【氏名】シア エドワード シー
(72)【発明者】
【氏名】ティアン ミンティン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084AA19
4C084MA63
4C084NA08
4C084NA14
4C084ZC411
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC38
4C086BC52
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA24
4C086MA27
4C086MA28
4C086MA38
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZC41
4C206AA01
4C206FA10
4C206FA14
4C206GA19
4C206GA28
4C206MA33
4C206MA37
4C206MA42
4C206MA43
4C206MA44
4C206MA47
4C206MA48
4C206MA58
4C206MA83
4C206MA86
4C206NA14
4C206ZC41
(57)【要約】
本発明は、対象における組織外傷(放射(太陽放射または紫外線放射など)起因損傷、創傷、打撲傷、火傷、疱疹、擦過傷、切り傷、切除、及び潰瘍など)の治療方法であって、少なくとも1つのαアドレナリン作動薬(塩酸オキシメタゾリンなど)の治療的有効量を含む組成物を、外傷を受けた対象の組織領域に局所投与することを含む方法を提供する。本発明はまた、対象における美顔整形手術もしくは形成手術または美容術処置に付随する疼痛または不快感の軽減方法であって、前記αアドレナリン作動薬を投与することを含む方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における組織外傷の治療方法であって、少なくとも1つのαアドレナリン作動薬の治療的有効量を含む組成物を、前記外傷を受けた対象の組織領域に局所投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記組織外傷が、放射起因損傷、創傷、打撲傷、火傷、疱疹、擦過傷、切り傷、切除、侵食、及び潰瘍からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記放射が太陽放射または紫外線放射である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記火傷が、化学的放射、熱的放射、または太陽放射によって引き起こされる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記火傷が、表皮壊死、真皮からの表皮の剥離、及び順応性治癒反応からなる群より選択される少なくとも1つの状態を特徴とする後続の組織損傷を生じさせるのに十分重度である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記潰瘍が、糖尿病性潰瘍または褥瘡である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記治療が、(a)重症度の低減、(b)発生の予防、または(c)開放創、疱疹、擦過傷、侵食、もしくは潰瘍のより迅速な再上皮化及び閉鎖、を生じさせる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記治療が、微細な線状の瘢痕、肥厚性瘢痕、及びケロイドの予防または形成最小化を生じさせる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記治療が、前記組織外傷の治癒の向上を生じさせる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記組織領域が、角膜上皮、皮膚、及び粘膜からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記αアドレナリン作動薬が、イミダゾリン構造をもった化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記イミダゾリン構造をもった前記化合物が、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、テトラヒドラザリン(tetrahydrazaline)、ナファゾリン、ブリモニジン、及びクロニジン;またはその薬剤的に許容できる塩からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記化合物が塩酸オキシメタゾリンである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記αアドレナリン作動薬が、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、ブリモニジン、クロニジン(chlonidine)、フェニレフリン、メトキサミン、メフェンテルミン、メタラミノール、デスグリミドドリン(desglymidodrine)、及びミドドリン;またはその薬剤的に許容できる塩からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、ブリモニジン、クロニジン、フェニレフリン、メトキサミン、メフェンテルミン、及びメタラミノールの前記薬剤的に許容できる塩が、塩酸オキシメタゾリン、塩酸キシロメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、酒石酸ブリモニジン、塩酸クロニジン(chlonidine hydrochloride)、塩酸フェニレフリン、塩酸メトキサミン、硫酸メフェンテルミン、及び酒石酸水素メタラミノールからなる群よりそれぞれ選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が、溶液、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、発泡体、乳剤、マイクロエマルション、ミルク、血清、エアロゾル、スプレー、分散物、マイクロカプセル、小胞、及びそれらの微粒子からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記組織領域が皮膚であり、前記局所投与が、前記組成物を前記組織領域上に擦り込むこと、皮膚パッチを通して前記組成物を前記組織領域に塗布すること、または微量注入器によって前記組成物を表皮に注入することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が、約0.01%〜約30%の前記αアドレナリン作動薬を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、約50%〜約99.999%の薬剤的に許容できる担体をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記αアドレナリン作動薬が、前記組成物中唯一の活性薬剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
美顔整形手術もしくは形成手術または美容術処置に付随する不快感の治療を必要とする患者における前記治療方法であって、少なくとも1つのαアドレナリン作動薬の治療的有効量を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項22】
前記処置が、真皮性注入剤注射、神経毒注射、ボツリヌス毒素注射、レーザー治療、豊胸、胸部整形手術(breast lift)、乳房縮小、美顔手術、腹部整形手術より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記医薬組成物が、少なくとも1つのαアドレナリン作動薬と麻酔剤の組合せの治療的有効量を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記αアドレナリン作動薬が、イミダゾリン構造をもった化合物を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記イミダゾリン構造をもった前記化合物が、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、テトラヒドラザリン、ナファゾリン、ブリモニジン、及びクロニジン;またはその薬剤的に許容できる塩からなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物が、塩酸オキシメタゾリンである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記αアドレナリン作動薬が、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、ブリモニジン、クロニジン、フェニレフリン、メトキサミン、メフェンテルミン、メタラミノール、デスグリミドドリン、及びミドドリン;またはその薬剤的に許容できる塩からなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、ブリモニジン、クロニジン、フェニレフリン、メトキサミン、メフェンテルミン、及びメタラミノールの前記薬剤的に許容できる塩が、塩酸オキシメタゾリン、塩酸キシロメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、酒石酸ブリモニジン、塩酸クロニジン(chlonidine hydrochloride)、塩酸フェニレフリン、塩酸メトキサミン、硫酸メフェンテルミン、及び酒石酸水素メタラミノールからなる群よりそれぞれ選択される、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2013年5月6日出願の米国特許出願第61/819,927号の利益を主張し、この文献はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、αアドレナリン作動薬(塩酸オキシメタゾリンなど)の投与による、組織外傷(太陽放射または紫外線放射起因損傷、創傷、及び火傷など)の治療方法
【背景技術】
【0003】
αアドレナリン作動薬は、酒さ、挫瘡、急性的日焼け、及び慢性的日焼け損傷を含む状態における皮膚の発赤の治療または予防に有用であることが認識されている。αアドレナリン作動薬の有効性は、皮膚血管の収縮を生じさせる、血管平滑筋に対するその作用による。交感神経系が媒介をして、血管平滑筋上でα1及びα2アドレナリン受容体の両方を活性化させることにより末梢血管収縮を起こす。ノックアウトマウス試験により、α2Aまたはα2Cアドレナリン受容体のいずれかが媒介をして、気温によっては尾に皮膚血管収縮を起こすこと(Chotani,Flavahan et al.2000)、及びα1アドレナリン受容体はまた末梢血管収縮において重要な役割を果たすこと((Duka,Gavras et al.2000)が例証されている。交感神経活動の低下したヒト対象では、α2/α1混合作動薬クロニジンまたはα2選択的作動薬デクスメデトミジンが、指の血流を低減させた(Talke,Lobo et al.2001;Talke,Lobo et al.2003)。
【0004】
参考文献:
Chotani,M.A.,S.Flavahan,et al.(2000).“Silent alpha(2C)−adrenergic receptors enable cold−induced vasoconstriction in cutaneous arteries.”Am J Physiol Heart Circ Physiol 278(4):H1075−1083
Duka,I.,I.Gavras,et al.(2000).“Role of the postsynaptic alpha(2)−adrenergic receptor subtypes in catecholamine−induced vasoconstriction.”Gen Pharmacol 34(2):101−106
Talke,P.,E.Lobo,et al.(2003).“Systemically administered alpha2−agonist−induced peripheral vasoconstriction in humans.”Anesthesiology 99(1):65−70
Talke,P.O.,E.P.Lobo,et al.(2001).“Clonidine−induced vasoconstriction in awake volunteers.”Anesth Analg 93(2):271−276,271st contents page
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明は、少なくとも1つのαアドレナリン作動薬の治療的有効量を含む組成物を、外傷を受けた対象の組織領域に局所投与することを含む、対象における組織外傷の治療方法を提供する。
【0006】
別の態様では、本発明は、美顔整形手術もしくは形成手術または美容術処置に付随する疼痛または不快感の治療/軽減を必要とする患者におけるその治療/軽減方法を提供し、それは、少なくとも1つのαアドレナリン作動薬の治療的有効量を含む医薬組成物を患者に投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】それぞれの群が全体的治癒の各スコアを受けるパーセンテージを示す。対象を、外傷の20分、4時間、または8時間後に、賦形剤または賦形剤中0.5%塩酸オキシメタゾリンで処理した。
【図2】群が表皮剥離の各スコアを得るパーセンテージを示す。対象を、外傷の20分、4時間、または8時間後に、賦形剤または賦形剤中0.5%塩酸オキシメタゾリンで処理した。
【図3】それぞれの群が表皮過形成の各スコアを得るパーセンテージを示す。対象を、外傷の20分、4時間、または8時間後に、賦形剤または賦形剤中0.5%塩酸オキシメタゾリンで処理した。
【図4】賦形剤処理したマウス(左)及び8時間時に0.5%塩酸オキシメタゾリン処理したマウス(右)の、傷害の48時間後に採取した皮膚から取った組織切片を示す。↓=壊死性表皮、*は露出した真皮をもった表皮の剥離を示す、↑=欠損を覆う壊死性表皮下表皮増殖、↑↑=順応性表皮過形成。
【発明を実施するための形態】
【0008】
UVB誘発性日焼けモデルにおいてαアドレナリン作動薬である塩酸オキシメタゾリンによる紅斑の低減を調査したが、紅斑の低減に加えて驚くべき有用性を観察した。塩酸オキシメタゾリンはまた組織傷害の後に皮膚の治癒を促進することが驚くべきことに見出された。無毛マウスをUVB照射に曝露することにより、2〜4時間以内にピークに達する、紅斑、皮膚血管拡張、触覚過敏症、及び炎症を特徴とする日焼けのような急速な反応が生じる。この日焼けは、真皮からの表皮の剥離を伴う表皮壊死、及び順応性表皮過形成などの反応性変化を特徴とする後続の組織損傷を48時間で生じさせるのに充分重度である。
【0009】
したがって、本発明は、少なくとも1つのαアドレナリン作動薬の治療的有効量を含む組成物を、外傷を受けた対象の組織領域に局所投与することを含む、対象における組織外傷の治療方法を提供する。
【0010】
本発明の一実施形態では、組織外傷は、放射(太陽放射または紫外線放射など)起因損傷、その他創傷、打撲傷、火傷、疱疹、擦過傷、切り傷、切除、侵食、及び潰瘍からなる群より選択される。
【0011】
別の実施形態では、組織外傷は、紫外線放射による損傷であり、紫外線放射は紫外線B(UVB)放射である。
【0012】
別の実施形態では、組織外傷は、化学的放射、熱的放射、または太陽放射によって引き起こされる火傷である。
【0013】
別の実施形態では、組織外傷は、表皮壊死、真皮からの表皮の剥離、及び、表皮の増殖及び過形成などの順応性治癒反応からなる群より選択される少なくとも1つの状態を特徴とする、後続の組織損傷を生じさせるのに十分重度な火傷である。
【0014】
別の実施形態では、組織外傷は、糖尿病性潰瘍または褥瘡など、潰瘍である。
【0015】
別の実施形態では、組織外傷の治療は、(a)重症度の低減、(b)発生の予防、(c)開放創、疱疹、擦過傷、侵食、または潰瘍のより迅速な再上皮化及び閉鎖、を生じさせる。
【0016】
別の実施形態では、組織外傷の治療は、組織外傷の治癒の向上を生じさせる。
【0017】
別の実施形態では、組織外傷の治療は、微細な線状の瘢痕、肥厚性瘢痕、及びケロイドの予防または形成最小化となる。
【0018】
別の実施形態では、組織領域は、角膜上皮、皮膚、及び粘膜(口、胃腸管のもの、直腸粘膜、及び膣粘膜など)からなる群より選択される。
【0019】
上述の通り、別の態様では、本発明は、美顔整形手術もしくは形成手術または美容術処置に付随する疼痛または不快感の治療/軽減を必要とする患者におけるその治療/軽減方法を提供し、それは、少なくとも1つのαアドレナリン作動薬の治療的有効量を含む医薬組成物で患者を治療することを含む。かかる処置としては、真皮性注入剤注射、神経毒注射、ボツリヌス毒素注射、レーザー治療、豊胸、胸部整形手術(breast lift)、乳房縮小、美顔手術、腹部整形手術が挙げられる。
【0020】
別の実施形態では、αアドレナリン作動薬は、麻酔剤と組み合わせて投与してもよい。
【0021】
本発明のαアドレナリン受容体作動薬としては、当業者に既知のいずれのαアドレナリン受容体作動薬も挙げられる。いくつかの態様では、αアドレナリン受容体作動薬は、α1アドレナリン受容体に対して選択的なαアドレナリン受容体作動薬、α2アドレナリン受容体に対して選択的なαアドレナリン受容体作動薬、またはα1もしくはα2アドレナリン受容体のいずれかに対して非選択的なαアドレナリン受容体作動薬であり得る。本明細書で使用される場合、選択的α1アドレナリン受容体作動薬とは、α1アドレナリン受容体に対するEC
50がα2アドレナリン受容体に対するEC
50よりも小さい作動薬であり、一方、選択的α2アドレナリン受容体作動薬とは、α2アドレナリン受容体に対するEC
50がα1アドレナリン受容体に対するEC
50よりも小さい作動薬であり、作動薬のEC
50は、その作動薬に対する受容体の最大可能反応の50%を生じさせる、作動薬のモル濃度と定義される。
【0022】
本発明の組成物及び方法に用いることのできるαアドレナリン受容体作動薬のいくつかの非限定的な例としては、アプラクロニジン、ブリモニジン、クロニジン、デクスメデトミジン、ドーパミン、I−ドブタミン、エフェドリン、エピネフリン、エピニン(N−メチル−ドーパミン)、エチルノルエピネフリン、グアナベンズ、グアンファシン、レバルテレノール、ロフェキシジン、メフェンテルミン、メタラミノール、メトキサミン、α−メチルドパ、α−メチルノルエピネフリン、メチルフェニデート、ミバゼロール(mivazerol)、ミトドリン(mitodrine)、モクソニジン、ナファゾリン、ノルエピネフリン、ノルフェネフリン、オキシメタゾリン、ペモリンプロピルヘキセドリン(pemolinepropylhexedrine)、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プロピルヘキセドリン(propylhexedrine)、テトラヒドロゾリン、チザニジン、キシロメタゾリン、(8−ブロモ−キノキサリン−6−イル)−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−アミン、(8−ブロモ−キノキサリン−5−イル)−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−アミン、(5−ブロモ−3−メチル−キノキサリン−6−イル)−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−アミン、(5−ブロモ−2−メトキシ−キノキサリン−6−イル)−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−アミン、(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−(8−メチル−キノキサリン−6−イル)−アミン、及び(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−キノキサリン−5−イル−アミンが挙げられる。
【0023】
本教示の組成物としては、米国特許第7,439,241号に記載されるものなど、1つまたは複数のαアドレナリン受容体作動薬、そのプロドラッグ、その薬剤的に許容できる塩、その水和物、その溶媒和物、及びその組合せが挙げられ、その文献は参照により本明細書に援用される。
【0024】
本発明のα作動薬は、塩を形成することがあり、これもまた本発明の範囲内に入る。他に断りがなければ、本明細書でα作動薬に言及することは、その塩に言及することを含むと理解されるものとする。本明細書で使用される用語「塩」は、無機及び/または有機酸で形成される酸性塩、並びに無機及び/または有機塩基で形成される塩基性塩を指す。加えて、α作動薬が、ピリジンまたはイミダゾールなど但しこれらに限定されない塩基性成分と、カルボン酸など但しこれに限定されない酸性成分との両方を含有する場合、双性イオン(「内塩」)が形成されることがあり、本明細書で使用される用語「塩」の中に含まれる。薬剤的に許容できる(即ち、無毒性で、生理学的に許容できる)塩が好ましいが、但し他の塩もまた有用である。α作動薬の塩は、例えば、かかる作動薬と、当量など一定量の酸または塩基との反応を、塩が沈澱する媒体などの媒体の中でさせるか、または水性媒体の中でさせてその後凍結乾燥するかして、形成させてもよい。
【0025】
例示的な酸付加塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、こはく酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩とも言われる)、及び同種のものが挙げられる。加えて、塩基性医薬化合物から薬剤的に有用な塩を形成するのに適切であると概して考えられる酸が、例えば、P.Stahl et al,Camille G.(eds.)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Berge et al,Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Anderson et al,The Practice of Medicinal Chemistry (1996),Academic Press,New York;及びThe Orange Book中(ウェブ上のFood & Drug Administration,Washington,D.C.)によって考察されている。これらの開示はそれらへ参照により本明細書に援用される。
【0026】
例示的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウム、及びカリウムの塩などアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウムの塩などアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミンなど有機塩基(例えば、有機アミン)をもった塩、並びにアルギニン、リジン、及び同種のものなどアミノ酸をもった塩が挙げられる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、メチル、エチル、及びブチルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、硫酸ジアルキル(例えば、ジメチル、ジエチル、及びジブチルの硫酸塩)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、及びステアリルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、アラルキルハロゲン化物(例えば、ベンジル及びフェネチルの臭化物)、及びその他などの剤で四級化してもよい。
【0027】
かかる全ての酸性塩及び塩基性塩は、本発明の範囲内の薬剤的に許容できる塩であるものとされ、全ての酸性及び塩基性塩は、本発明の目的のために、対応する化合物の遊離型と均等であると考えられる。
【0028】
別の実施形態では、本発明のαアドレナリン作動薬は、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、ブリモニジン、クロニジン、フェニレフリン、メトキサミン、メフェンテルミン、メタラミノール、デスグリミドドリン(desglymidodrine)、及びミドドリン;またはその薬剤的に許容できる塩からなる群より選択される。
【0029】
別の実施形態では、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、ブリモニジン、クロニジン、フェニレフリン、メトキサミン、メフェンテルミン、及びメタラミノールの薬剤的に許容できる塩は、塩酸オキシメタゾリン、塩酸キシロメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、酒石酸ブリモニジン、塩酸クロニジン(chlonidinehydrochloride)、塩酸フェニレフリン、塩酸メトキサミン、硫酸メフェンテルミン、及び酒石酸水素メタラミノールからなる群よりそれぞれ選択される。
【0030】
別の実施形態では、本発明のαアドレナリン作動薬は、イミダゾリン構造をもった化合物を含む。
【0031】
別の実施形態では、イミダゾリン構造をもった化合物は、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、テトラヒドラザリン(tetrahydrazaline)、ナファゾリン、ブリモニジン、及びクロニジン;またはその薬剤的に許容できる塩からなる群より選択される。
【0032】
特に好適な実施形態では、本発明のαアドレナリン作動薬は、塩酸オキシメタゾリンであり、構造:
を有する。
【0033】
本発明のαアドレナリン受容体作動薬は、組成物の総重量に基づく重量%で、約0.01%〜約30%、一実施形態では約0.001%〜約3%、一実施形態では約0.01%〜約30%、一実施形態では約0.1%〜約10%の量で用いることができる。1つのα作動薬、または2つ以上の作動薬の組合せまたは組合せを用いることができる。α作動薬は、単独の活性薬剤として用いることができ、あるいは、組成物は、後述される様々な機能を有する追加的活性薬剤を含むことができる。
【0034】
本発明の組成物は、薬剤的/皮膚科学的に許容できる担体または賦形剤をさらに含むことができる。本発明で使用される用語の「薬剤的/皮膚科学的に許容できる担体」とは、担体が組織領域への局所的塗布に適切であり、良好な美顔整形特性を有し、本発明の活性薬剤及び他のいずれの成分にも適合でき、安全または毒性の面で不都合な如何なる懸念も生じさせないものであることを意味する。担体は、幅広い種々な形式であり得る。例えば、水中油、油中水、水中油中水、及びシリコン中水中油乳剤を含み、但しこれらに限定されない乳剤担体が本明細書で有用である。当業者には理解されるように、所与の成分は、組成物中におけるその成分の水溶性/分散性により、水相または油/シリコン相のいずれかに主に分布するものである。担体の安全且つ有効な量は、約50%〜約99.999%、及び一実施形態では約70%〜約99.99%である。
【0035】
本発明の担体または賦形剤は、選ばれた活性成分の濃度に劇的効果を有する。好適全身性副作用を引き起こさずに臨床的有効性を達成するのに有効な量で活性成分を用いる。
【0036】
本発明の組成物は、溶液、ゲル、ローション クリーム、軟膏、発泡体、ムース、乳剤、マイクロエマルション、ミルク、血清、エアロゾル、スプレー、分散物、マイクロカプセル、小胞、及びそれらの微粒子を含む、局所的投与経路に通常利用され当業者に既知の全ての医薬品形態を含んでもよい。表題組成物はまた、石鹸またはクレンジングバー(cleansing bar)を構成する固形製剤として製剤化してもよい。これらの組成物は、従来技術に従って製剤化される。
【0037】
別の実施形態では、患部組織領域が皮膚であり、局所投与は、組成物を組織領域上に擦り込むこと、皮膚パッチを通して組成物を組織領域に塗布すること、または微量注入器によって組成物を表皮に注入することを含む。
【0038】
組成物は、所望であれば、賦形剤、結合剤、潤滑剤、及び崩壊剤など、様々な既知の塩基を含有することができる。所望であれば、それはまた、本発明の効果が損なわれない限り、様々な脂肪、油、ワックス、炭化水素、脂肪酸、高級アルコール、エステル油、金属石鹸、動物または野菜抽出物、親水性または親油性ゲル化剤、親水性または親油性活性薬剤などの油状物質や、ビタミン、ホルモン、アミノ酸、界面活性剤、着色剤、染料、顔料、芳香、匂い吸収剤、防腐剤、保存剤、殺菌剤、湿潤剤、増粘剤、溶媒、注入剤、抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、日焼け止めなどの薬剤的に有効な成分、または他のいずれの既知の成分及び添加剤も含有することができる。
【0039】
適切な油の例としては、鉱物油と、落花生油、ゴマ油、大豆油、紅花油、ヒマワリ油などの植物油と、ラノリンまたはペルヒドロスクアレン(perhydrosqualene)などの動物油と、ピュアセリンオイル(purcellin oil)などの合成油と、とりわけシクロメチコンなどのシリコーン油とが挙げられる。また、脂肪アルコールや、ステアリン酸などの脂肪酸、パラフィンろう、カルナウバろう、または密ろうなどのワックスを脂肪として用いてもよい。組成物はまた、ステアリン酸グリセリルなどの乳化剤、エタノール、イソプロパノール、及びプロピレングリコールを含む低級アルコールなどの溶媒、カルボキシビニルポリマーまたはアクリルコポリマーを含む親水性ゲル化剤、ポリアクリルアミド、多糖、親油性ゲル化剤またはとりわけ脂肪酸金属塩、アミノ酸、糖デンプン、または尿素などの親水性作用剤、レチノールまたはトコフェロールなどの親油性活性薬剤を含有してもよい。
【0040】
本発明の別の特に、皮膚に関する他の多くの愁訴、状態、及び苦痛を伴う組織外傷を治療するために予定される他の活性薬剤と1つまたは複数のアドレナリン受容体作動薬を組み合わせる。これらの剤の例としては以下が挙げられる。
【0041】
1.次の分類のものなど抗菌剤(抗生物質):セファロスポリン、フロロキノリン(floroquinoline)、アミノグリコシド、スルファ、マクロライド、及びテトラサイクリン。抗生物質の具体的な例としては、セファレキシン、セファドリン(cephadrine)、セファクロル、セフロキシム、セフォドロキシル(cefodroxil)、セフポドキシム、セフィキシム、オービフロキサシン(orbifloxacin)、エンロフロキサシン(enrofloxacin)、シプロフロキサシン、ジフロキサシン、マルボフロキサシン(marbofloxacin)、ダノフロキサシン、アミカシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ポリミキシン、バシトラシン、トリメトプリムスルファ、スルファジメトキシン、アジスロマイシン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、フロルフェニコール、及びスペクチノマイシンが挙げられる。上に列記した抗生物質のそれぞれの薬剤的に活性な誘導体もまた用いることができる。
【0043】
3.メトロニダゾール、ペルメトリン、クロタミトン、ピレスロイド、アミトラズ、ロテノン、及びイベルメクチンなどの駆虫薬。
【0044】
4.ミコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ケトコナゾール、またはその塩などのイミダゾール群の化合物、アンホテリシンBなどのポリエン化合物、テルビナフィンなどのアリルアミン群の化合物など、抗真菌剤。
【0045】
5.ヒドロコルチゾントリアムシノロン、フルオシノニド、吉草酸ベタメタゾン、もしくはプロピオン酸クロベタゾールなどのステロイド性抗炎症剤、または、イブプロフェン及びその塩、ナプロキセン及びその塩、もしくはアセトアミノフェンなどのステロイド性抗炎症剤。
【0046】
6.リドカイン、プリロカイン、テトラカイン、及びその誘導体などの麻酔剤。
【0047】
7.テナルジン、トリメプラジン、またはプラモキシンなどの止痒剤。
【0048】
8.アシクロビルなどの抗ウイルス剤。
【0049】
9.グリコール酸もしくはサリチル酸などのα及びβヒドロキシ酸、または尿素など、角質溶解薬。
【0050】
10.ビタミンE(αトコフェロール)及びその誘導体、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンA(レチノール)及びその誘導体、並びにスーパーオキシドジスムターゼなど、抗フリーラジカル剤(抗酸化剤)。
【0051】
11.ジンクピリチオン及び硫化セレンなど、抗脂漏薬。
【0052】
12.シプロヘプタジンまたはヒドロキシジンなど、抗ヒスタミン剤。
【0053】
別の実施形態では、本発明の組成物は、水、溶媒、保存剤、界面活性剤、ゲル化剤、及びpHバランサーからなる群より選択される少なくとも1つの成分をさらに含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、組成物は、抗菌性保存剤を含有してもよい。いくつかの実施形態では、抗菌性保存剤としては、以下に限定されないが、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、エチルヘキシルグリセリン、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、EDTA、グレープフルーツ種子抽出物、チャノキ油、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、及びそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、抗真菌性保存剤が単独または抗菌性保存剤との組合せで用いられる。
【0055】
当分野で既知の適切なゲル化剤としては、二相または単相のゲル系で用いられるものが挙げられ、本発明で用いることができる。適切なゲル化剤のいくつかの例が、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 1517−1518(Alfonso R.Gennaro ed.19th ed.1995)に開示されており,この文献は本記載によって参照により本明細書に援用される。本発明の実施形態で用いられるゲル化剤としては、以下に限定されないが、化粧品及び医薬品産業で用いられる1つまたは複数の親水性及び水アルコールゲル化剤が挙げられる。適切な水アルコールゲル化剤としては、「CARBOPOL(登録商標)」(B.F.Goodrich,Cleveland,Ohio)、「HYPAN(登録商標)」(Kingston Technologies,Dayton,N.J.)、「NATROSOL(登録商標)」(Aqualon,Wilmington,Del.)、「KLUCEL(登録商標)」(Aqualon,Wilmington,Del.)、または「STABILEZE(登録商標)」(ISP Technologies,Wayne,N.J.)が挙げられる。
【0056】
アッセイ/方法
キセノンアークランプ(Newport Corp,USA)を、UVB源として用いた。SKH1無毛マウスを腹ばいにさせてその左側に覆いをかぶせ、120mJ/cm2のUVB放射に曝露させた。背中の皮膚のいくつかの領域を、UVBの20分、4時間、または8時間後に、塩酸オキシメタゾリン0.5%ゲルで局所的に処理した。追加の群には、UVB曝露の20分後に賦形剤を局所塗布した。曝露された背中と曝露されなかった背中の紅斑を、UVB曝露の2時間後と4時間後に色彩色差計(Konica Minolta)を用いて測定した。皮膚試料をUVB曝露の48時間後に回収し、組織学的に調べて傷害の程度を評価した。
【0057】
結果
UVB曝露の結果、紅斑が28%増加し、UVB曝露の2時間後までにピークに達した。UVB曝露の20分後に0.5%オキシメタゾリンを背中の皮膚に塗布したことが、2時間時点での紅斑をほぼ完全に阻害した(p<0.001)が、UVB曝露後4時間での紅斑の阻害はなかった。
【0058】
48時間時の組織学的検査は、UVB曝露の20分後に0.5%オキシメタゾリンを背中の皮膚に塗布することが、賦形剤の同時対照に比べて、治癒の結果をわずかに改善したことを示したが、治癒は賦形剤の歴史対照の範囲内であった;したがって、20分時の塗布によるこのわずかな改善の有意性は不明であった。
【0059】
UVB曝露の4または8時間後に0.5%オキシメタゾリンを背中の皮膚に塗布することは、賦形剤の同時対照及び賦形剤の歴史対照の両方に比べて、治癒の結果を改善した。治癒の改善は、順応性表皮過形成への移行、及び表皮壊死の低減、及び表皮のその下の真皮からの剥離の減少からなっていた。
【0060】
UVB曝露の20分後に0.5%オキシメタゾリンで処理したマウスの33%、4時間後に処理したマウスの50%、8時間後に処理したマウスの67%が、賦形剤処理したマウスの0%に比べて、全体的な表皮の治癒が可〜良であった。したがって、この試験は、UVB曝露の4〜8時間後に0.5%オキシメタゾリンで局所処理することが、UVB曝露された表皮の治癒を改善することを示す。オキシメタゾリンは、UVB曝露後の最初の2時間の間、非常に強い効果を紅斑に対しては有するが、治癒には有さないことから、そのデータはまた、オキシメタゾリンによって刺激される治癒の向上は、紅斑を低減するその血管収縮作用とは別のことであることを例証する。
【実施例】
【0061】
実施例
本発明及びその利点をさらに例証するために次の具体的な実施例を示すのであり、それが例示的ではあるが決して限定的ではないことを理解されたい。
【0062】
実施例1
次のオキシメタゾリンの製剤を用いた。
【0063】
製剤を試験する目的のために用いられた賦形剤は、上の表の成分の全てを(それぞれを同じ相対量有し、精製水で100%にまで構成して)含むが、但し、塩酸オキシメタゾリンは除く。
【0064】
実施例2
図1は、それぞれの群が全体的治癒の各スコアを得るパーセンテージを示す。対象を、外傷の20分、4時間、または8時間後に、賦形剤または賦形剤中0.5%塩酸オキシメタゾリンで処理した。
【0065】
皮膚の多くの機能のうちの1つは、その下の軟部組織に被覆層を提供することである。皮膚が傷害を受け、この機能をもはや提供しなくなると、この結果、脱水症などの多くの有害な後遺症、及び感染の導入が生じる。したがって、皮膚が傷害を受けると、それは、多くの相互作用する生理的過程を通って迅速に順応し自己回復しなければならない。本試験においては、傷害の48時間後に与えられる全体的治癒スコアを、UVB傷害に対する生理反応の全体的有効性の尺度であった。UVB曝露の4または8時間後に0.5%塩酸オキシメタゾリンを塗布することで、多くの個体ではより肯定的な結果が傷害の48時間後に見られた様により有益な結果をもたらし、UVB曝露の20分後に0.5%塩酸オキシメタゾリンを塗布することで、いくつかの個体では48時間後の結果を潜在的に改善した。群の大きさ:賦形剤群でn=5、及び全ての0.5%オキシメタゾリン群でn=6。
【0066】
実施例3
図2は、それぞれの群が表皮剥離の各スコアを得るパーセンテージを示す。対象を、外傷の20分、4時間、または8時間後に、賦形剤または賦形剤中0.5%塩酸オキシメタゾリンで処理した。
【0067】
表皮は、環境に接触する皮膚の最外層であり、皮膚の全体的健康及び障壁機能に極めて重要である。表皮が壊死となると、それはその下の真皮から剥離し始めることがあり、そうなるとその機能は失われてしまっている。傷害に対する十分な生理反応があれば、まず表皮壊死を防ぐか、及び/または結果的に生じ得るどのような欠損をも覆うよう迅速な表皮増殖を促進する。傷害の48時間後に示される表皮剥離スコアは、皮膚が表皮損失を防ぐこと、及び/または表皮の増殖によって消失表皮に置き換わることの結果として真皮がどれだけの影響を受けるかを示した。UVB曝露の20分、4時間、または8時間後に0.5%塩酸オキシメタゾリンを塗布することで、ほとんどの個体では、UVB曝露の48時間後に見られる表皮剥離の発生及び/または重症度が低減された。群の大きさ:賦形剤群でn=5、及び全ての0.5%塩酸オキシメタゾリン群でn=6。
【0068】
実施例4
図3は、それぞれの群が表皮過形成の各スコアを得るパーセンテージを示す。対象を、外傷の20分、4時間、または8時間後に、賦形剤または賦形剤中0.5%塩酸オキシメタゾリンで処理した。
【0069】
表皮損失を潜在的に生じさせるのに十分重度の皮膚への傷害の後、治癒表皮が増殖し始め、まず薄くて弱い層として広がってどの欠損をも覆い、次いで治癒が進行するに従い過形成過形成となる。本例ではこのようにして、傷害の48時間後に、表皮過形成の存在が順応性治癒反応のより前進的で有効な進行を示した。0.5%塩酸オキシメタゾリンを塗布することは、特に傷害の8時間後に塗布した場合、傷害の48時間後までに治癒の前進へと進行した個体がより多い結果となった。群の大きさ:賦形剤群でn=5、及び全ての0.5%塩酸オキシメタゾリン群でn=6。
【0070】
実施例5
図4は、賦形剤処理したマウス(左)及び8時間時に0.5%塩酸オキシメタゾリン処理したマウス(右)の、傷害の48時間後に採取した皮膚から取った組織切片を示す。↓=壊死性表皮、
*は露出した真皮をもった表皮の剥離を示す、↑=欠損を覆う壊死性表皮下表皮増殖、↑↑=順応性表皮過形成。賦形剤でのみ処理した皮膚では、この程度のUVB曝露で傷害が大き過ぎたため、皮膚が十分に反応することができず、全ての対象において、傷害の48時間後までに表皮破損という結果になり、表皮壊死(↓)及び剥離(
*)による下の真皮の露出を伴った。対照的に、傷害の8時間後に0.5%塩酸オキシメタゾリンで処理した皮膚は、傷害の48時間後までにより高い程度の肯定的な順応性反応を示し、より多くの表皮増殖(↑)がどのような欠損をも覆い、順応性過形成(↑↑)が良好に進行しさえした。
【0071】
本明細書に開示されるあらゆる参考文献は、非特許(例えば、科学的、雑誌的参考文献)であろうと特許(例えば、登録特許または公開特許出願)であろうと、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。
【0072】
上の記載が、本発明を実施するために用いることのできる具体的な方法及び組成物を詳述し、企図する最良の形態を表す。それは、その全体的な範囲を限定すると解釈されないものとし、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の合法的解釈にのみ支配されるものとする。
【国際調査報告】