【実施例】
【0422】
(実施例1)
【化101】
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【0423】
5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)メタノール
【0424】
5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシ安息香酸メチル(1.0g、3.6mmol)の乾燥THF(10mL)溶液に、0℃でスーパー−ハイドライド(1.0M、10mL)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物が得られた。この粗生成物をさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンズアルデヒド
【0425】
5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)メタノールの乾燥DCM(5mL)溶液に、デス−マーチン試薬(607mg)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物をDCMと水との間に分配した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。この残留物をIsolera One(シリカカートリッジ、0〜60%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、所望の生成物(200mg、56%収率)が得られた。
1H NMR (300MHz, CDCl
3)δ: 10.33 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 3.39 (s, 3H).
【0426】
N−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンジル)−1−(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン
5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンズアルデヒド(300mg、1.2mmol)および2,4−ジメトキシベンジルアミン(167mg、1.2mmol)のMeOH/DCM(4:1、10mL)溶液を室温で5時間、撹拌した。この混合物にNaBH
4(100mg、13mmol)を2回で加えた。この混合物を1時間撹拌し、次に、DCMと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物が得られた。この粗生成物をさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0427】
tert−ブチル4−((5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンジル)(2,4−ジメトキシベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレート
DMF(5mL)中の、N−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンジル)−1−(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン(190mg、0.47mmol)、1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸(109mg、0.47mmol)、HATU(180mg、0.47mmol)およびEt
3N(101mg、1mmol)からなる混合物を室温で4時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物が得られた。粗生成物をさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0428】
N−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド
粗製tert−ブチル4−((5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンジル)(2,4−ジメトキシベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレートをDCM中の50%TFA(10mL)に溶解し、得られた混合物を室温で2時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、残留物をDCMと飽和NaHCO
3水溶液との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物が得られた。
【0429】
1−アクリロイル−N−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド
上記の工程から得られたN−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミドのDCM(10mL)溶液に、0℃でEt
3N(0.2mL、1.43mmol)および塩化アクリロイル(36.2mg、0.4mmol)を逐次加え、この混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物をDCMと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。この残留物をIsolera One(シリカカートリッジ、0〜3%MeOH/DCM)により精製すると、所望の生成物(13mg)が得られた。
1H NMR (300MHz, DMSO−d6)δ: 8.27 (t, J=5.6Hz, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 6.81 (dd, J=10.4, 18.8Hz, 1H), 6.08 (dd, J=2.4, 16.7Hz, 1H), 5.66 (dd, J=2.4, 10.4Hz, 1H), 4.40 (d, J=12.8Hz, 1H), 4.17 (d, J=5.8Hz, 2H), 4.07 (d, J=13.1Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.07 (t, J=12.0Hz, 1H), 2.68 (t, J=12.7Hz, 1H), 2.48−2.50 (m, 1H), 1.75 (d, J=10.8Hz, 2H), 1.47−1.51 (m, 2H).ESI−MS m/z:417.05[M+H]
+。
【0430】
(実施例2)
【化102】
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【0431】
3−(5−ブロモ−4−メチル−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)プロパン酸メチル
【0432】
5−ブロモ−4−メチルピリジン−2(1H)−オン(1.0g、5.3mmol)のDMF(10mL)溶液に、80℃でK
2CO
3(1.5g、10.6mmol)を加え、次いで、アクリル酸メチル(0.91g、10.6mmol)を加えた。この混合物を80℃で1時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
3−(5−ブロモ−4−メチル−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)プロパン酸
【0433】
上記の工程からの粗生成物のMeOH(20mL)溶液に、水性KOH(2M、5mL)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を濃HClにより酸性にし、次に、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。粗生成物をさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0434】
1−(3−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル)−5−ブロモ−4−メチルピリジン−2(1H)−オン
DMF(5mL)中の、3−(5−ブロモ−4−メチル−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)プロパン酸(112mg、0.43mmol)、1−(ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(80mg、0.43mmol)、HATU(163mg、0.43mmol)およびEt
3N(0.2mL、1.43mmol)からなる混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。この残留物をIsolera One(シリカカートリッジ、0〜6%MeOH/DCM)により精製すると、所望の生成物(22.8mg、14収率)が得られた。
1H NMR (300MHz, CDCl
3)δ: 7.73 (s, 1H), 6.55 (dd, J=10.5, 16.7Hz, 1H), 6.46 (s, 1H), 6.32 (dd, J=1.8, 16.8Hz, 1H), 5.75 (dd, J=1.8, 10.5Hz, 1H), 4.20 (t, J=6.0Hz, 2H), 3.4−3.6 (m, 8H), 2.86 (t, J=6.0Hz, 2H), 2.22 (s, 3H).ESI−MS m/z:382.05[M+H]
+。
【0435】
(実施例3)
【化103】
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【0436】
tert−ブチル5−(ビニルスルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシレート
【0437】
DCM(20mL)中の、tert−ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシレート(1.0g、4.71mmol)からなる撹拌した混合物に、0℃でEt
3N(1.43g、14.1mmol)を加えた。この混合物を0℃で5分間、撹拌し、次に、塩化2−クロロエタンスルホニル(0.77g、4.71mmol)のDCM(5mL)溶液を滴下して加えた。得られた混合物を室温で0.5時間、撹拌した。この反応混合物を水(20mL)に注ぎ入れ、DCM(30mL×3)により抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL×3)により洗浄し、無水Na
2SO4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜50%酢酸エチル/石油エーテル)により精製すると、所望の生成物(0.5g、35%収率)が固体として得られた。
【0438】
2−(ビニルスルホニル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール
HCl/MeOH(20mL、2.86M)中のtert−ブチル5−(ビニルスルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシレート(150mg、0.50mmol)の混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると粗生成物(110mg)が固体として得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0439】
4,5−ジクロロ−2−ニトロフェノール
3,4−ジクロロフェノール(30g、185mmol)のDCM(300mL)溶液に、−15℃で硫酸(24g、278mmol)を加えた。この混合物に、硝酸(19g、194mmol)を滴下して加え(20分間かけて)、温度を−15℃〜−5℃の間に制御した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。この混合物を氷に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機層を水により洗浄し、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインにより洗浄して、Na
2SO
4で脱水し、次に真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100:1)により精製すると、所望の生成物(16g、42%収率)が固体として得られた。
【0440】
2−アミノ−4,5−ジクロロフェノール
酢酸(150mL)および水(450mL)中の4,5−ジクロロ−2−ニトロフェノール(15g、72mmol)の撹拌溶液に、鉄粉(16g、285mmol)を少しずつ加えた。得られた混合物を50℃で2時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、ろ過してろ過ケーキを酢酸エチルにより洗浄した。このろ液を酢酸エチルにより抽出した。有機層を水、NaHCO
3(水性)およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して真空で濃縮すると、所望の生成物(10g、78%)が得られた。
【0441】
2−((4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)酢酸エチル
2−アミノ−4,5−ジクロロフェノール(2.0g、11.3mmol)およびエチル−2−オキソアセテート(2.26g、12.42mmol)のDCM(50mL)溶液に、室温でAcOH(1mL)を加え、得られた混合物を1時間、撹拌した。この混合物にNaBH(OAc)
3(7.2g、33.9mmol)を加え、次に16時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、この残留物をDCMに懸濁した。この混合物をセライトパッドによりろ過し、ろ液をブラインにより洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により精製すると、所望の生成物(2.4g、81%収率)が固体として得られた。
【0442】
2−((4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)酢酸
テトラヒドロフランと水との4:1混合物(30mL)中の、2−((4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)酢酸エチル(2g、7.6mmol)の溶液に、室温でLiOH.H
2O(3.2g、76mmol)を加え、得られた混合物を30分間撹拌し、次に、水性HCl(1N)により酸性にして、pH3〜5に調整した。この混合物を酢酸エチルにより抽出した(40mL×3)。合わせた有機層をブラインにより洗浄(40mL×3)して無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、粗生成物(2g)が得られ、これをさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0443】
2−((4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)−1−(5−(ビニルスルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)エタノン
2−((4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)酢酸(90mg、0.385mmol)の撹拌したDMF(15mL)溶液に、室温で2−(ビニルスルホニル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール(110mg、0.46mmol)、次いでHOBt(78.05mg、0.58mmol)、EDCI.HCl(110.7mg、0.46mmol)およびEt
3N(116.7mg、1.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間、撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルとブラインとの間に分配した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜50%酢酸エチル/ジクロロエタン)により精製すると、所望の生成物(20mg、10%収率)が固体として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.17 (s, 1H), 6.91 (dd, J=10.0, 16.4Hz, 1H), 6.79 (s, 1H), 6.62 (s, 1H), 6.17−6.10 (m, 2H), 5.25 (t, J=4.0Hz, 1H), 3.85−3.82 (m, 2H), 3.71−3.66 (m, 1H), 3.61−3.56 (m, 1H), 3.45−3.39 (m, 3H), 3.29−3.25 (m, 1H), 3.09 −3.00 (m, 3H), 2.92−2.89 (m, 1H).ESI−MS m/z:420.1[M+H]
+。
【0444】
(実施例4)
【化104】
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【0445】
5−クロロ−2−ニトロフェノール
【0446】
2,4−ジクロロ−1−ニトロベンゼン(100g、0.52mol)のDMSO(200mL)溶液に、水(42mL)中のNaOH(41.6g、1.04mol)水溶液を加え、得られた混合物を60℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却して、氷水に注ぎ入れ、次に、水性HCl(1M)により酸性にして、pH3〜4に調整した。この混合物を酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物を次の工程に直接使用した(80g、88%収率)。
【0447】
4−クロロ−2−メトキシ−1−ニトロベンゼン
5−クロロ−2−ニトロフェノール(40g、0.23mol)のDMF(200mL)溶液に、K
2CO
3(47.6g、0.345mol)およびヨードメタン(49g、0.345mol)を加え、得られた混合物を室温で16時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)により精製すると、所望の生成物(30g、70%収率)が得られた。
【0448】
1−クロロ−2−ヨード−5−メトキシ−4−ニトロベンゼン
H
2SO
4(600mL、90%)の溶液にトリフルオロメタンスルホン酸無水物(11.3g、0.04mol)およびNIS(49.68g、0.22mol)を加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物に4−クロロ−2−メトキシ−1−ニトロベンゼン(69g、0.368mol)を素早く加えた。この混合物を1時間、撹拌し、次に、この混合物にNIS(33.12g、0.148mol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で1時間撹拌し、次に、氷水に注ぎ入れた。沈殿物をろ過により採集し、水、NaSO
3およびNaHCO
3の水溶液により洗浄し、次に真空で乾燥すると、所望の生成物(113g、98%収率)が得られた。
【0449】
4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシベンゼンアミン
酢酸(1L)および水(50mL)中の、1−クロロ−2−ヨード−5−メトキシ−4−ニトロベンゼン(113g、0.361mol)の溶液に、50℃でFe(50.5g、0.903mol)を加え、得られた混合物を50℃で2時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次に、氷水に注ぎ入れた。この沈殿物をろ過により採集し、水により洗浄した。この粗生成物を酢酸エチル(1L)に溶解し、ろ過した。このろ液を飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄した。有機層をMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物が得られた(87g、85%収率)。
【0450】
2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)酢酸エチル
4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシベンゼンアミン(6g、21.2mmol)のMeOH(50mL)溶液に、室温でAcOH(3滴)およびグリオキシル酸エチル(5.6g、27.5mmol、トルエン中50%)を加えた。この混合物を室温で2時間、撹拌し、次に、この混合物にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.32g、84.8mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で16時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、粗生成物が得られた(8.6g)。
【0451】
2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)酢酸
THF(50mL)および水(50mL)中の2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)酢酸エチル(8.6g、22.9mmol)の溶液に、LiOH.H
2O(1.96g、45.9mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間、撹拌した。この混合物を20%酢酸エチル/石油エーテルにより洗浄した。水層を水性HCl(1M)により酸性にしてPH3〜4に調整し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をMgSO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮すると、所望の生成物が得られた(5g、64%収率)。
【0452】
tert−ブチル4−(2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)酢酸(280mg、0.83mmol)およびtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(185mg、0.99mmol)のDMF(10mL)溶液に、室温でBOP(550mg、1.25mmol)およびDIEA(321mg、2.49mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)により精製すると、所望の生成物(350mg、68.7%収率)が得られた。ESI−MS m/z:510.3[M+1]
+。
【0453】
tert−ブチル−4−(2−(5−(2−クロロフェニル(pheny))−4−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
1,4−ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の、tert−ブチル4−(2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、0.4mmol)および2−クロロフェニルボロン酸(69mg、0.44mmol)の溶液に、Pd(PPh
3)
4(40mg、0.035mmol)およびNa
2CO
3(212mg、2mmol)を加えた。この混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4:1)により精製すると、所望の生成物(150mg、76%収率)が得られた。
【0454】
2−(5−(2−クロロフェニル)−4−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)−1−(ピペラジン−1−イル)エタノン
tert−ブチル−4−(2−(5−(2−クロロフェニル)−4−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(150mg、0.304mmol)のDCM(2mL)溶液に、HClのMeOH(10mL、29mmol)溶液を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌し、次に、真空で濃縮すると、粗生成物が得られ、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0455】
1−(4−(2−(4−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
粗製2−(5−(2−クロロフェニル)−4−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)−1−(ピペラジン−1−イル)エタノン(0.304mmol)およびEt
3NのDCM(5mL)溶液に、0℃で塩化アクリロイル(27.5mg、0.304mmol)をゆっくりと加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を飽和NaHCO
3溶液によりクエンチし、DCMにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、所望の生成物が得られた(80mg、58.7%収率、2工程)。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.55−7.52 (m, 1H), 7.45−7.39 (m, 2H), 7.32−7.29 (m, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.80 (dd, J=10.4, 16.4Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.12 (dd, J=2.0, 16.8Hz, 1H), 5.70 (dd, J=2.0, 10.4Hz, 1H), 5.35 (bs., 1H), 3.93 (d, J=4.0Hz, 2H), 3.89 (s, 1H), 3.55−3.49 (m, 8H).ESI−MS m/z:448.2[M+H]
+。
【0456】
(実施例5)
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0457】
1−(4−(2−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−(2−クロロフェニル)フェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
【0458】
アルゴン下、1−(4−(2−(4−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(70mg、0.147mmol)のDCM(15mL)溶液に、−78℃でBBr
3(187mg、0.754mmol)を加えた。この混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を氷水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層をMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=40:1)により精製すると、所望の生成物(15mg、24%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.08 (s, 1H), 7.53−7.51 (m, 1H), 7.41−7.37 (m, 2H), 7.30−7.28 (m, 1H), 6.84−6.77 (m, 2H), 6.48 (s, 1H), 6.12 (dd, J=2.4, 16.4Hz, 1H), 5.70 (dd, J=2.0, 10.4Hz, 1H), 5.24 (t, J=4.0Hz, 1H), 3.90 (d, J=4.4Hz, 2H), 3.56−3.49 (m, 8H).ESI−MS m/z:434.2[M+H]
+。
【0459】
(実施例6)
【化106】
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【0460】
4,5−ジクロロ−2−ビニルベンゼンアミン
【0461】
アルゴン下、トルエン(60mL)中の4,5−ジクロロ−2−ヨードベンゼンアミン(6g、20.8mmol)、トリブチル(ビニル)スズ(6.6g、20.8mmol)、Pd(PPh
3)
4(2.4g、2.1mmol)からなる混合物を、6時間、還流して撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、KF水溶液によりクエンチし、次に酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4:1)により精製すると、所望の生成物(3.0g、76.7%収率)が無色油状物として得られた。
【0462】
4,5−ジクロロ−2−エチルベンゼンアミン
【0463】
H
2(1atm)雰囲気下、4,5−ジクロロ−2−ビニルベンゼンアミン(3.0g、15.95mmol)、Pd/C(3.3g、10%)の混合物をMeOH(20mL)中、室温で4時間、撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮すると、所望の生成物(2.4g、80%収率)が得られた。
【0464】
2−(4,5−ジクロロ−2−エチルフェニルアミノ)酢酸エチル
4,5−ジクロロ−2−エチルベンゼンアミン(600mg、3.15mmol)の撹拌したDMF溶液に、0℃でNaH(150mg、3.78mmol)を少しずつ加えた。30分間、撹拌した後、この混合物に2−ブロモ酢酸エチル(789mg、4.74mmol)を加えた。得られた混合物を120℃で16時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、氷水に注ぎ入れて、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5:1)により精製すると、所望の生成物(380mg、44.7%収率)が黄色固体として得られた。
【0465】
2−(4,5−ジクロロ−2−エチルフェニルアミノ)酢酸
THF(8mL)および水(2mL)中の、2−(4,5−ジクロロ−2−エチルフェニルアミノ)酢酸エチル(390mg、1.41mmol)およびLiOH.H
2O(592mg、14.1mmol)の混合物を室温で2時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、この残留物をH
2Oに溶解して酢酸エチルにより希釈した。混合物を水性HCl(10%)により酸性にしてpH3〜4に調整し、次に、酢酸エチルにより抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物が黄色固体として得られた(300mg、85.75%収率)。ESI−MS m/z:246.2[M−H]
−。
【0466】
tert−ブチル4−(2−(4,5−ジクロロ−2−エチルフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
DCM(3mL)中の2−(4,5−ジクロロ−2−エチルフェニルアミノ)酢酸(100mg、0.403mmol)、Et
3N(122mg、1.21mmol)の撹拌混合物に、0℃でEDCI.HCl(123mg、0.604mmol)およびHOBt(82mg、0.604mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で30分間、撹拌し、次に、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(90mg、0.483mmol)を加えた。この混合物を室温で16時間撹拌し、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5:1)により精製すると、所望の生成物(120mg、71.5%収率)がオフホワイト固体として得られた。ESI−MS m/z:414.3[M−H]
−。
【0467】
2−(4,5−ジクロロ−2−エチルフェニルアミノ)−1−(ピペラジン−1−イル)エタノン塩酸塩
HCl/MeOH(2.86M、10mL)中のtert−ブチル4−(2−(4,5−ジクロロ−2−エチルフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(120mg、0.288mmol)の混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると粗生成物(82mg)が黄色固体として得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0468】
1−(4−(2−(4,5−ジクロロ−2−エチルフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
DCM(3mL)中の、上記の粗製2−(4,5−ジクロロ−2−エチルフェニルアミノ)−1−(ピペラジン−1−イル)エタノン塩酸塩(82mg)およびEt
3N(69mg、0.686mmol)の混合物に、0℃で塩化アクリロイル(23mg、0.251mmol)のDCM(1mL)溶液を加えた。得られた混合物を室温で1時間、撹拌し、次に、飽和NaHCO
3溶液によりクエンチした。この混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄して、Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=30:1)により精製すると、所望の生成物(20mg、18.76%収率、2工程)がオフホワイト固体として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ: 7.11 (s, 1H), 6.58 (dd, J=10.4, 16.4Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.36 (dd, J=1.6, 16.4Hz, 1H), 5.79 (dd, J=1.6, 10.4Hz, 1H), 5.08 (bs., 1H), 3.89−3.52 (m, 10H), 2.52 (q, J=7.2Hz, 2H), 1.29−1.26 (t, J=7.6Hz, 3H).ESI−MS m/z:370.2[M+H]
+。
【0469】
(実施例7)
【化107】
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【0470】
2−(4−クロロピリジン−2−イルオキシ)−4,5−ジクロロベンゼンアミン
【0471】
2−アミノ−4,5−ジクロロフェノール(1.5g、8.47mmol)のTHF(20mL)溶液に、0℃でNaH(油中に60%分散、373mg、9.33mmol)を加え、得られた混合物を20分間、撹拌した。この混合物に、4−クロロ−2−フルオロピリジン(1.67g、12.7mmol)を加え、得られた混合物を、アルゴン下で15時間還流して撹拌した。混合物を室温まで冷却し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1〜10:1)により精製すると、所望の生成物(1.1g、45%収率)が得られた。ESI−MS m/z:287.0[M−H]
−。
【0472】
2−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェノキシ)−4−クロロピリジン
濃HCl(5mL)およびH
2O(15mL)中の、2−(4−クロロピリジン−2−イルオキシ)−4,5−ジクロロベンゼンアミン(1.0g、3.47mmol)の混合物を−10℃〜0℃に冷却し、NaNO
2(0.359g、5.21mmol)を加え、得られた混合物をこの温度で50分間、撹拌した。この混合物を、H
2O(40mL)中のKI(10g、60.2mmol)、CuI(330mg、1.73mmol)の混合物に滴下して加え、次に室温で15時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30:1)により精製すると、所望の生成物(900mg、65%収率)が得られた。ESI−MS m/z:399.9[M+H]
+。
【0473】
2−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェノキシ)ピリジン−4−イルオキシ)エタノール
アセトン(6mL)中の2−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェノキシ)−4−クロロピリジン(0.45g、1.128mmol)、エタン−1,2−ジオール(4mL、71.89mmol)、K
2CO
3(0.45mg、3.26mmol)からなる混合物を、120℃で5時間、撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1〜4:1)により精製すると、所望の生成物(160mg、33%収率)が得られた。ESI−MS m/z:426.0[M+H]
+。
【0474】
2−(2−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェノキシ)ピリジン−4−イルオキシ)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
THF(5mL)中の2−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェノキシ)ピリジン−4−イルオキシ)エタノール(130mg、0.31mmol)、イソインドリン−1,3−ジオン(54mg、0.37mmol)、PPh
3(160mg、0.61mmol)の混合物に、0℃でDIAD(123mg、0.61mmol)を加えた。得られた混合物を室温まで温め、15時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1〜5:1)により精製すると、所望の生成物(120mg、71%収率)が得られた。ESI−MS m/z:555.0[M+H]
+。
【0475】
2−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェノキシ)ピリジン−4−イルオキシ)エタンアミン
2−(2−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェノキシ)ピリジン−4−イルオキシ)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(120mg、0.22mmol)、N
2H
4.H
2O(106mg、1.80mmol)およびEtOH(5mL)からなる混合物を1時間、還流して撹拌した。混合物を室温まで冷却し、次に、真空で濃縮した。この残留物をDCM(5mL)およびMeOH(1mL)中でスラリーにした。この沈殿物をろ過により除去し、このろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10:1)により精製すると、所望の生成物(35mg、38%収率)が得られた。
【0476】
N−(2−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェノキシ)ピリジン−4−イルオキシ)エチル)エテンスルホンアミド
DCM(5mL)中の2−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェノキシ)ピリジン−4−イルオキシ)エタンアミン(30mg、0.07mmol)、Et
3N(35.7mg、0.35mmol)の混合物に、塩化2−クロロエタンスルホニル(11.5mg、0.07mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。次に、溶媒を減圧下で除去した。残留物をTHF(2mL)およびH
2O(2mL)にとり、次に、K
2CO
3(100mg)を加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物をDCMと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/酢酸エチル=5:1)により精製すると、所望の生成物(56mg、56%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ: 7.98 (d, J=5.6Hz, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 6.61−6.57 (m, 2H), 6.47 (d, J=2.0Hz, 1H), 6.32 (d, J=16.4Hz, 1H), 6.00 (d, J=10.0Hz, 1H), 4.77 (t, J=5.2Hz, 1H), 4.18 (t, J=5.2Hz, 2H), 3.51−3.47 (m, 2H).ESI−MS m/z:515.0[M+H]
+。
【0477】
(実施例8)
【化108】
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【0478】
tert−ブチル3−(4−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
【0479】
DMF(20mL)中の2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸(500mg、2.12mmol)、tert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(565mg、2.34mmol)、EDCI.HCl(488mg、2.54mmol)、HOBt(343mg、2.54mmol)、Et
3N(428mg、4.24mmol)からなる混合物を室温で15時間、撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を飽和NaHCO
3水溶液およびブラインにより洗浄して、Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=30:1)により精製すると、所望の生成物(300mg、31%収率)が得られた。ESI−MS m/z:457.4[M−H]
−。
【0480】
2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)−1−(4−(アゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン塩酸塩
HCl−MeOH(20mL、57mmol)中のtert−ブチル3−(4−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(150mg、0.33mmol)の混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると粗生成物(130mg)が得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0481】
1−(3−(4−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
DCM(10mL)中のEt
3N(0.2mL、1.44mmol)の混合物に、2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)−1−(4−(アゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン塩酸塩(120mg、0.30mmol)を加え、次いで、DMF(1滴)を加えた。この混合物を5分間、撹拌し、次に塩化アクリロイル(27mg、0.30mmol)を加えた。得られた混合物を室温で1時間、撹拌し、水に注ぎ入れて、次にMeOH/DCMにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NH
3.H
2O=50:1:0.1〜20:1:0.2)により精製すると、所望の生成物(30mg、24%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−
d6)δ: 10.17 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.71 (s, 1H), 6.30 (dd, J=10.4, 17.2Hz, 1H), 6.09 (dd, J=2.0, 17.2Hz, 1H), 5.67 (dd, J=2.4, 10.4Hz, 1H), 5.32 (t, J=4.4Hz, 1H), 4.26−4.22 (m, 1H), 4.11−4.04 (m, 1H), 3.93−3.91 (m, 3H), 3.79−3.75 (m, 3H), 3.52−3.51 (m, 4H), 3.19−3.16 (m, 1H), 2.36−2.30 (m, 4H).ESI−MS m/z:411.2[M−H]
−。
【0482】
(実施例9)
【化109】
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【0483】
tert−ブチル3−(3−(アクリルアミド)アゼチジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
【0484】
DCM(20mL)中の、N−(アゼチジン−3−イル)アクリルアミド塩酸塩(500mg、3.40mmol)、tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシレート(684mg、4.0mmol)、Et
3N(343mg、3.40mmol)およびAcOH(100mg、0.167mmol)の混合物に、NaBH(OAc)
3(2.16g、10.2mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:1〜20:1)により精製すると、所望の生成物(300mg、31%収率)が得られた。
N−(1−(アゼチジン−3−イル)アゼチジン−3−イル)アクリルアミド塩酸塩
【0485】
HCl−MeOH(30mL、86mmol)中のtert−ブチル3−(3−(アクリルアミド)アゼチジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(300mg、1.07mmol)の混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると粗生成物(250mg)が得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0486】
N−(1−(1−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)アゼチジン−3−イル)アゼチジン−3−イル)アクリルアミド
DMF(20mL)中の、2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸(120mg、0.51mmol)、EDCI.HCl(147mg、0.77mmol)、HOBt(83mg、0.61mmol)、Et
3N(154mg、1.53mmol)からなる混合物を室温で5分間、撹拌し、次に、N−(1−(アゼチジン−3−イル)アゼチジン−3−イル)アクリルアミド塩酸塩(150mg、0.69mmol)を加えた。得られた混合物を室温で15時間撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NH
3.H
2O=100:10:1.5)により精製すると、所望の生成物(6mg、3%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.19 (s, 1H), 8.59 (d, J=8.0Hz, 1H), 6.79 (s, 1H), 6.55 (s, 1H), 6.20 (dd, J=10.0, 16.8Hz, 1H), 6.09 (dd, J=2.0, 16.8Hz, 1H), 5.62 (dd, J=2.0, 9.6Hz, 1H), 5.20 (t, J=4.0Hz, 1H), 4.40−4.35 (m, 1H), 4.19−4.15 (m, 1H), 3.96−3.88 (m, 2H), 3.73−3.69 (m, 3H), 3.53−3.45 (m, 3H), 3.00−2.96 (m, 2H).ESI−MS m/z:399.2[M+H]
+。
【0487】
(実施例10)
【化110】
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【0488】
2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクタン−6−アクリロイル−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0489】
DCM(20mL)中の2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクタン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(80mg、0.38mmol)、Et
3N(0.2mL、1.44mmol)の混合物に、塩化アクリロイル(34mg、0.38mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=40:1)により精製すると、所望の生成物(50mg、50%収率)が得られた。ESI−MS m/z:289.2[M+Na]
+。
【0490】
1−(2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−6−イル)プロパ−2−エン−1−オン
HCl/MeOH(10mL、29mmol)中の、2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクタン−6−アクリロイル−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(50mg、0.19mmol)の混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると粗生成物(40mg)が得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0491】
1−(2−((4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニル)グリシル)−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−6−イル)プロパ−2−エン−1−オン
DMF(10mL)中の2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸(47mg、0.2mmol)、1−(2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−6−イル)プロパ−2−エン−1−オン(40mg、0.2mmol)、EDCI.HCl(46mg、0.24mmol)、HOBt(32mg、0.24mmol)およびEt
3N(0.61mg、0.6mmol)からなる混合物を室温で2時間、撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=30:1)により精製すると、所望の生成物(13mg、17%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.17 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.60−6.50 (m, 2H), 6.13 (dt, J=2.4, 16.4Hz, 1H), 5.67 (dd, J=2.4, 10.4Hz, 1H), 5.19 (dd, J=5.2, 10.0Hz, 1H), 4.16−4.07 (m, 2H), 3.90−3.83 (m, 2H), 3.75−3.72 (m, 3H), 3.61−3.52 (m, 2H), 3.42−3.39 (m, 1H), 2.16−2.13 (m, 1H), 2.06−2.03 (m, 1H).ESI−MS m/z:382.3[M−H]
−。
【0492】
(実施例11)
【化111】
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【0493】
3−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェニル)フェノール
【0494】
1,4−ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の、1,2−ジクロロ−4,5−ジヨードベンゼン(1.5g、3.76mmol)、3−ヒドロキシフェニルボロン酸(0.52g、3.76mmol)、Na
2CO
3(1.99g、18.8mmol)およびPd(PPh
3)
4(0.35g、0.30mmol)からなる混合物を、アルゴン下で16時間、還流して撹拌した。混合物を室温まで冷却し、次に、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1)により精製すると、所望の生成物(300mg、22%収率)が得られた。ESI−MS m/z:362.9[M−H]
−。
【0495】
2−[3−(4,5−ジクロロ−2−ヨード)フェノキシ]エタノール
DMF(5mL)中の3−(4,5−ジクロロ−2−ヨードフェニル)フェノール(0.3g、0.82mmol)、2−ブロモエタノール(0.20g、1.65mmol)、K
2CO
3(0.57g、4.12mmol)からなる混合物を、窒素下、100℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルとブラインとの間に分配した。有機層をNa2SO4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4:1)により精製すると、所望の生成物(150mg、45%収率)が得られた。
【0496】
N−(2−((4’,5’−ジクロロ−2’−ヨード−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)オキシ)エチル)エテンスルホンアミド
表題化合物は、実施例28において記載されている手順に従い、2−[3−(4,5−ジクロロ−2−ヨード)フェノキシ]エタノールから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ: 8.01 (s, 1H), 7.37−7.33 (m, 2H), 6.94−6.91 (m, 2H), 6.81−6.80 (m, 1H), 6.57 (dd, J=10.0, 16.8Hz, 1H), 6.30 (d, J=16.4Hz, 1H), 5.97 (d, J=10.0Hz, 1H), 4.77 (t, J=6.0Hz, 1H), 4.14 (t, J=5.2Hz, 2H), 3.49−3.45 (m, 2H).ESI−MS m/z:496.0[M−H]
−。
【0497】
(実施例12)
【化112】
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【0498】
5−ブロモ−4−クロロ−2−ヨードベンゼンアミン
【0499】
3−ブロモ−4−クロロベンゼンアミン(10.0g、48.5mmol)のCH
3COOH(50mL)溶液に、NIS(10.9g、48.5mmol)を少しずつ加え、得られた混合物を室温で16時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50:1)により精製すると、所望の生成物(2.5g、15.5%収率)が得られた。ESI−MS m/z:329.9[M−H]
−。
【0500】
5−ブロモ−4−クロロ−2−ビニルベンゼンアミン
アルゴン下、トルエン(25mL)中の5−ブロモ−4−クロロ−2−ヨードベンゼンアミン(2.5g、7.51mmol)、トリブチル(ビニル)スズ(2.4g、7.51mmol)、Pd(PPh
3)
4(867mg、0.75mmol)からなる混合物を、16時間、還流して撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、KF水溶液によりクエンチした。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1)により精製すると、所望の生成物(1.0g、57.4%収率)が得られた。ESI−MS m/z:232.2[M+H]
+。
【0501】
2’,6−ジクロロ−4−ビニル−[1,1’−ビフェニル]−3−アミン
1,4−ジオキサン(20mL)および水(5mL)中の、5−ブロモ−4−クロロ−2−ビニルベンゼンアミン(600mg、2.6mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(1.25g、12.9mmol)、Pd(PPh
3)
4(300mg、0.26mmol)、Na
2CO
3(1.4g、13.0mmol)からなる混合物を、アルゴン下で16時間、還流して撹拌した。混合物を室温まで冷却し、次に、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30:1)により精製すると、所望の生成物(500mg、73.1%収率)が得られた。ESI−MS m/z:263.1[M+H]
+。
【0502】
2’,6−ジクロロ−4−エチル−[1,1’−ビフェニル]−3−アミン
MeOH(10mL)中の、2’,6−ジクロロ−4−ビニル−[1,1’−ビフェニル]−3−アミン(500mg、1.9mmol)、CuCl(225mg、2.28mmol)からなる混合物に、0℃でNaBH
4(722mg、19mmol)を少しずつ加え、得られた混合物を室温で20分間、撹拌した。この反応を水によりクエンチし、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30:1)により精製すると、所望の生成物(300mg、59.4%収率)が得られた。ESI−MS m/z:266.0[M+H]
+。
【0503】
1−(4−(2−((2’,6−ジクロロ−4−エチル−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
【0504】
表題化合物は、実施例20に記載されている手順および以下のアミド形成に関する手順に従い、3工程で、2’,6−ジクロロ−4−エチル−[1,1’−ビフェニル]−3−アミンから調製した。
【0505】
DMF(5mL)中の2−((2’,6−ジクロロ−4−エチル−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)アミノ)酢酸(150mg、0.466mmol)およびEt
3N(235mg、2.33mmol)に、0℃でEDCI.HCl(178mg、0.932mmol)およびHOBt(126mg、0.932mmol)を加え、得られた混合物を0℃で30分間、撹拌した。この混合物に、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(123mg、0.698mmol)を加え、次に室温で、16時間、撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50:1)により精製すると、所望の生成物(45mg、21.7%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.56−7.54 (m, 1H), 7.43−7.41 (m, 2H), 7.32−7.30 (m, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.81 (dd, J=10.4, 16.4Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.13 (dd, J=2.4, 16.8Hz, 1H), 5.71 (dd, J=2.0, 10.4Hz, 1H), 5.25 (bs., 1H), 3.96 (d, J=4.4Hz, 2H), 3.56−3.52 (m, 8H), 2.54 (q, J=7.2Hz, 2H), 1.23(t, J=7.2Hz, 3H).ESI−MS m/z:444.3[M−H]
−。
【0506】
(実施例13)
【化113】
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【0507】
2−アミノ−5−ブロモ−3−メトキシ安息香酸
【0508】
2−アミノ−3−メトキシ安息香酸(5g、29.9mmol)のMeOH(35mL)溶液に、−5℃でNBS(5.59g、31.4mmol)を加え、得られた混合物を0℃で16時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、粗生成物が得られた(4g、54%収率)。ESI−MS m/z:244.2[M−H]
−。
【0509】
3−ブロモ−5−メトキシ安息香酸
2−アミノ−5−ブロモ−3−メトキシ安息香酸(4g、16.3mmol)の水溶液(20mL)に、0℃で濃HCl(7.5mL、90mmol)およびTHF(20mL)を加えた。この混合物を30分間、撹拌し、次にNaNO
2(3.16g、45.8mmol)を加えた。得られた混合物を2時間、撹拌し、次に、この反応に次亜リン酸(5.1g、76mmol、H
2O中50%)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。沈殿物をろ過により採集し、水により洗浄して真空で乾燥すると、所望の生成物(3.2g、85%収率)が得られた。ESI−MS m/z:229.2[M−H]
−。
【0510】
3−(2−クロロフェニル)−5−メトキシ安息香酸
1,4−ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の3−ブロモ−5−メトキシ安息香酸(1g、4.06mmol)および2−クロロフェニルボロン酸(1.27g、8.13mmol)の溶液に、Pd(PPh
3)
4(468mg、0.40mmol)およびNa
2CO
3(2.15g、20.3mmol)を加え、得られた混合物を80℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、水性HCl(1.0M)により酸性にして、pH3〜4に調整した。この混合物を酢酸エチルにより抽出した。有機層をMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物(800mg、75%収率)がさらに精製することなく得られた。ESI−MS m/z:361.2[M−H]
−。
【0511】
1−(4−(2’−クロロ−5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
tert−ブチル4−アクリロイルピペラジン−1−カルボキシレート(260mg、1.07mmol)のDCM(2mL)溶液に、HClのMeOH(10mL、28.6mmol)溶液を加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮した。この残留物を、3−(2−クロロフェニル)−5−メトキシ安息香酸(280mg、1.07mmol)、HOBt(290mg、2.17mmol)、EDCI.HCl(410mg、2.17mmol)およびEt
3N(324mg、3.21mmol)のDMF(10mL)溶液に加えた。得られた混合物を室温で16時間、撹拌し、DCMと飽和NaHCO
3溶液との間に分配した。有機層をMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(200mg、52%収率)が得られた。ESI−MS m/z:385.2[M+H]
+。
【0512】
1−(4−(2’−クロロ−5−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(VI−25)
1−(4−(2’−クロロ−5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(100mg、0.26mmol)のDCM(15mL)溶液に、−78℃でBBr
3(650mg、2.6mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を氷水に注ぎ入れ、飽和NaHCO
3水溶液により塩基性にしてpH7〜8に調整し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(25mg、26%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.96 (s, 1H), 7.58−7.56 (m, 1H), 7.42−7.40 (m, 3H), 6.89−6.75 (m, 4H), 6.14 (dd, J=2.0, 16.8Hz, 1H), 5.71 (dd, J=2.0, 10.0Hz, 1H), 3.68−3.44 (m, 8H).ESI−MS m/z:371.2[M+H]
+。
【0513】
(実施例14)
【化114】
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【0514】
tert−ブチル4−(2−アクリルアミドエチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【0515】
DCM(20mL)中のtert−ブチル4−(2−アミノエチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.0g、4.38mmol)の撹拌した混合物に、0℃でEt
3N(1.33g、13.14mmol)を加え、得られた混合物を0℃で5分間、撹拌した。この混合物に、塩化アクリロイル(0.39g、4.38mmol)のDCM(5mL)溶液を滴下して加えた。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。この反応混合物を水(20mL)に注ぎ入れ、DCM(30mL×3)により抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL×3)により洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜50%酢酸エチル/ジクロロエタン)により精製すると、所望の生成物(0.6g、50%収率)が固体として得られた。
【0516】
N−(2−(ピペリジン−4−イル)エチル)アクリルアミド
HCl/MeOH(60mL、2.86M)中のtert−ブチル4−(2−アクリルアミドエチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(600mg、2.13mmol)の混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると粗生成物(550mg)が固体として得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0517】
N−(2−(1−(2−((4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)アセチル)ピペリジン−4−イル)エチル)アクリルアミド
2−((4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)酢酸(200mg、0.85mmol)の撹拌したDMF(30mL)溶液に、室温でN−(2−(ピペリジン−4−イル)エチル)アクリルアミド(222.8mg、1.02mmol)、次いでHOBt(172.9mg、1.28mmol)、EDCI.HCl(244.7mg、1.28mmol)およびEt
3N(257.9mg、2.55mmol)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に、酢酸エチルとブラインとの間に分配した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(1〜3%メタノール/ジクロロエタン)により精製すると、所望の生成物(120mg、29%収率)が固体として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.15 (s, 1H), 8.07 (t, J=5.2Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.18 (dd, J=10.0, 17.2Hz, 1H), 6.06 (dd, J=2.4, 17.2Hz, 1H), 5.56 (dd, J=2.4, 10.4Hz, 1H), 5.34 (t, J=4.0Hz, 1H), 4.36 (d, J=12.8Hz, 1H), 3.94−3.87 (m, 3H), 3.20−3.15 (m, 2H), 2.98−2.92 (m, 1H), 2.63−2.57 (m, 1H), 1.74−1.69 (m, 2H), 1.57−1.52 (m, 1H), 1.41−1.35 (m, 2H), 1.12−0.95 (m, 2H).ESI−MS m/z:400.4[M+H]
+。
【0518】
(実施例15)
【化115】
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【0519】
2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−アミン
【0520】
1,4−ジオキサン(150mL)および水(15mL)中の4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシベンゼンアミン(4.1g、14.5mmol)、2,5−ジクロロフェニルボロン酸(3.3g、17.4mmol)、Pd(PPh
3)
4(500mg、1.45mmol)およびNa
2CO
3(4.7g、43.5mmol)からなる混合物を、アルゴン下、80℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1)により精製すると、所望の生成物(3.3g、75.8%収率)がオフホワイト固体として得られた。
【0521】
2,2’,5’−トリクロロ−5−ヨード−4−メトキシ−1,1’−ビフェニル
濃HCl(10mL)および水(10mL)中の2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−アミン(1.0g、3.3mmol)の混合物に、0℃でNaNO
2(350mg、5mmol)を少しずつ加え、得られた溶液を−5〜0℃で30分間、撹拌した。この混合物に、KI(2.2g、13.2mmol)のH
2O(10mL)溶液およびCuI(630mg、3.3mmol)をゆっくりと加えた。得られた溶液を室温で45分間撹拌し、次に、酢酸エチルにより抽出した。有機層を飽和NaHCO
3水溶液およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1)により精製すると、所望の生成物(1.17g、87%収率)が暗色油状物として得られた。
【0522】
2,2’,5’−トリクロロ−4−メトキシ−5−ビニル−1,1’−ビフェニル
アルゴン下、トルエン(30mL)中の2,2’,5’−トリクロロ−5−ヨード−4−メトキシ−1,1’−ビフェニル(1.17g、2.9mmol)、トリブチル(ビニル)スズ(1.1g、3.5mmol)、Pd(PPh
3)
4(670mg、0.6mmol)からなる混合物を、6時間、還流して撹拌した。この反応混合物をKF水溶液によりクエンチし、次に、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/DCM=100:1)により精製すると、所望の生成物(310mg、35%収率)が白色固体として得られた。
【0523】
2−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)エタノール
窒素下、2,2’,5’−トリクロロ−4−メトキシ−5−ビニル−1,1’−ビフェニル(310mg、1mmol)の撹拌したTHF(15mL)溶液に、室温でBH
3(2mL、1N)を加えた。8時間、撹拌した後、水(3mL)中のNaOH(160mg、4mmol)とH
2O
2(H
2O中30%、0.3g、4mmol)との混合物を加え、得られた混合物を6時間、撹拌した。この反応をNaHCO
3水溶液によりクエンチし、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4:1)により精製すると、所望の生成物(180mg、54%収率)が無色油状物として得られた。
【0524】
2−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)酢酸
2−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)エタノール(180mg、0.54mmol)のCH
3CN(20mL)溶液に、0℃でH
5IO
5\CrO
3(3.7mL、1.63mmol、水中0.44M)を加え、得られた混合物を0℃で1時間、撹拌した。この反応をNa
2HPO
4によりクエンチし、酢酸エチルにより希釈した。有機層をブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮すると、生成物(110mg、59%収率)が無色油状物として得られた。ESI−MS m/z:343.1[M−H]
−。
【0525】
1−(4−(2−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)アセチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
2−(2’,5’,6Tトリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)酢酸(110mg、0.318mmol)、Et
3N(96mg、0.954mmol)のDMF(3mL)溶液に、0℃でEDCI.HCl(92mg、0.477mmol)およびHOBt(65mg、0.477mmol)を加え、得られた混合物を0℃で30分間、撹拌した。この混合物に、1−(ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(67mg、0.382mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=30:1)により精製すると、所望の生成物(37mg、24.97%収率)がオフホワイト固体として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.61 (d, J=8.4Hz,1H), 7.52 (dd, J=2.4, 8.8Hz, 1H), 7.40 (d, J=2.4Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 6.81 (dd, J=10.8, 15.2Hz, 1H), 6.13 (dd, J=2.4, 16.8Hz, 1H), 5.71 (dd, J=2.0, 10.4Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.67 (s, 2H), 3.54−3.41 (m, 8H).ESI−MS m/z:467.1[M+H]
+。
【0526】
(実施例16)
【化116】
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【0527】
2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)酢酸メチル
【0528】
MeOH(20mL)中のtert−ブチル2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)酢酸(3.0g、8.7mmol)、SOCl
2(3mL)の混合物を、2時間、還流して撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると、粗生成物(3.1g)が黄色固体として得られた。
【0529】
2−((2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)アミノ)酢酸
1,4−ジオキサン(100mL)および水(20mL)中の2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)酢酸メチル(5.0g、14.08mmol)、2,5−ジクロロフェニルボロン酸(4.03g、21.12mmol)、Pd(PPh
3)
4(1.626g、1.04mmol)、Na
2CO
3(4.477g、42.24mmol)からなる混合物を、アルゴン下、6時間、還流して撹拌した。次に、反応混合物を室温まで冷却して水によりクエンチし、HCl(水中の10%)により酸性にしてpH3〜4に調整した。この混合物を酢酸エチルにより抽出し、ブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%石油エーテル/酢酸エチル)により精製すると、所望の生成物(3g、59%収率)がオフホワイト固体として得られた。ESI−MS m/z:360.2[M−H]
−。
【0530】
1,4−ジ(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−2−カルボン酸
ピペラジン−2−カルボン酸(21.2g、0.16mol)の1,4−ジオキサン溶液に、0℃でNaOH(80mL、400mmol)をゆっくり(15分かけて)と加え、次いで(Boc)
2O(71g、33mol)を加えて、得られた混合物を室温で16時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮した。この残留物を水(100mL)に溶解し、濃HClにより0℃で酸性にしてpH2〜3に調整し、次に、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮すると、生成物(44.2g、83.7%収率)がオフホワイト固体として得られた。
【0531】
ジ−tert−ブチル2−カルバモイルピペラジン−1,4−ジカルボキシレート
THF(50mL)およびEt
3N(20mL)に溶解した1,4−ジ(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−2−カルボン酸(8.21g、24.85mmol)の溶液に、0℃でクロロギ酸エチル(2.8g、26.1mmol)を滴下して加えた。−5〜0℃で1時間、撹拌した後、NH
4OH(20mL)を加え、得られた溶液を室温で1時間、撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を1N NaOHおよびブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮すると生成物(7.5g、91.7%収率)がオフホワイト固体として得られた。
【0532】
ピペラジン−2−カルボキサミド二塩酸塩
HCl/MeOH(75mL、2.86N)中のジ−tert−ブチル2−カルバモイルピペラジン−1,4−ジカルボキシレート(7.5g、22.79mmol)の混合物を室温で16時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると、生成物(4.58g、100%収率)が黄色固体として得られた。
【0533】
tert−ブチル3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシレート
ピペラジン−2−カルボキサミド二塩酸塩(2.02g、10mmol)およびEt
3N(3.03g、30mmol)のDCM(40mL)溶液に、0℃で(Boc)
2O(2.18g、10mmol)を滴下して加えた(1時間かけて)。得られた溶液を室温で16時間撹拌し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=30:1)により精製すると、所望の生成物(1.1g、48.0%収率)が得られた。
【0534】
tert−ブチル4−アクリロイル−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシレート(300mg、1.31mmol)およびEt
3N(396mg、3.93mmol)のDCM(5mL)溶液に、0℃でDCM(1mL)中の塩化アクリロイル(130mg、1.44mmol)を加え、得られた混合物を室温で1.5時間、撹拌した。この混合物をDCMと飽和NaHCO
3水溶液との間に分配した。有機層を飽和NaHCO
3およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=30:1)により精製すると、所望の生成物(200mg、53.9%収率)がオフホワイト固体として得られた。
【0535】
1−アクリロイルピペラジン−2−カルボキサミド塩酸塩
HCl/MeOH(20mL、2.86N)中のtert−ブチル4−アクリロイル−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、0.706mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると粗生成物(160mg)が黄色固体として得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0536】
1−アクリロイル−4−(2−((2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)アミノ)アセチル)ピペラジン−2−カルボキサミド
DMF(3mL)中の2−((2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)アミノ)酢酸(231mg、0.641mmol)およびEt
3N(592mg、2.564mmol)に、0℃でEDCI.HCl(184mg、0.961mmol)およびHOBt(134mg、0.961mmol)を加え、得られた混合物を0℃で30分間、撹拌した。この混合物に、上記の1−アクリロイルピペラジン−2−カルボキサミド塩酸塩(160mg)を加え、室温で16時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=30:1)により精製すると、所望の生成物(10mg、2.97%収率)がオフホワイト固体として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.60−7.38 (m, 3H), 6.70−6.99 (m, 1H), 6.86−6.78 (m, 1H), 6.54−6.49 (m, 1H), 6.16−6.10 (m, 1H), 5.76−5.69 (m, 1H), 5.32−5.31 (m, 1H), 4.93−4.84 (m, 1H), 4.93−4.84 (m, 1H), 4.70−4.62 (m, 1H), 4.35−4.32 (m, 1H), 4.04−3.96 (m, 2H), 3.89−3.63 (m, 1H), 2.90−2.86 (m, 1H).ESI−MS m/z:525.2[M+H]
+。
【0537】
(実施例17)
【化117】
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【0538】
1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
【0539】
MeOH中のHCl(2.86M、10mL)中のtert−ブチル4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、0.43mmol)を1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると、粗生成物が得られた。この残留物をDCM(15mL)に溶解し、この混合物に、トリエチルアミン(0.5mL)、塩化アクリロイル(40mg、0.43mmol)を加えた。この反応混合物を室温で30分間、撹拌し、水に注ぎ入れて、DCMにより抽出した。有機層を水およびブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(16mg、10%収率)が白色固体として得られた。ESI−MS m/z:419.2[M+H]
+。
【0540】
1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(VI−3)
1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(200mg、0.48mmol)のDCM(15mL)溶液に、−60℃でBBr
3(0.6g、2.4mmol)を滴下して加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を氷水に注ぎ入れ、飽和NaHCO
3溶液により塩基性にしてpHを8〜9に調整し、DCMにより抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)により精製すると、所望の生成物(10mg、5%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.6 (s, 1H), 7.57−7.33 (m, 5H), 7.12 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.80 (m, 1H), 6.15−6.11 (dd, J=2, 16.8Hz, 1H), 5.72−5.70 (m, 1H), 3.6 (m, 8H).ESI−MS m/z:405.3[M+H]
+。
【0541】
(実施例18)
【化118】
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【0542】
4,5−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸
【0543】
アセトニトリル(200mL)中の4−クロロ−2−メトキシ安息香酸(10g、53.6mmol)およびNCS(35g、19.2mmol)の混合物を、室温で48時間、撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を水およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して真空で濃縮すると、粗生成物(23.3g)が得られた。
【0544】
4,5−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸メチル
DMF(100mL)中の4,5−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸(8.2g、37mmol)およびK
2CO
3(11.8g、111mmol)の混合物に、CH
3I(6.3g、44mmol)を滴下して加え、得られた混合物を室温で16時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を水およびブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により精製すると、所望の生成物が得られた。
【0545】
(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニル)メタノール
アルゴン下、THF(40mL)中のLiAlH
4(2.42g、64mmol)の混合物に、−40℃で4,5−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸メチル(6g、26mmol)のTHF(50mL)溶液を滴下して加えた。この反応混合物を−5℃〜5℃で1時間撹拌した。この混合物を−20℃に冷却し、次に水(2mL)およびNaOH(15%)(水性)を加えた。得られた混合物を15分間撹拌した。固体をろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチルにより洗浄した。合わせたろ液をNa
2SO
4で脱水して真空で濃縮すると、粗生成物(4.6g)が得られた。
【0546】
2−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)イソインドリン−1,3−ジオン
THF(100mL)中の4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニル)メタノール(4.5g、22mmol)、イソインドリン−1,3−ジオン(9.6g、65mmol)およびPPh
3(17g、65mmol)からなる混合物に、DIAD(13g、65mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。この有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により精製すると、所望の生成物が得られた。
【0547】
(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニル)メタンアミン
2−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)イソインドリン−1,3−ジオン(1.8g、5mmol)のEtOH(5mL)溶液に、ヒドラジン水和物(1.34g、27mmol)を加え、得られた混合物を1時間、還流して撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)により精製すると、所望の生成物(0.8g、78%収率)が得られた。
【0548】
tert−ブチル4−((4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレート
DMF(20mL)中の、(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニル)メタンアミン(0.8g、3.90mmol)、1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸(0.88g、3.84mmol)、BOP(2g、1.16mmol)およびDIEA(1.6g、2.91mmol)からなる混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を水およびブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:1)により精製すると、所望の生成物(0.987g、62%収率)が得られた。ESI−MS m/z:415.4[M−H]
−。
【0549】
N−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド
HCl/MeOH(20mL、57.2mmol)中の4−((4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシレート(987mg、2.37mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。次に、溶媒を真空で蒸発させて、この残留物をジクロロメタン(5mL)に溶解した。この混合物に、NaH(85mg、3.55mmol)を加えた。次に、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去すると、粗生成物(800mg)が得られた。
【0550】
tert−ブチル3−(4−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジルカルバモイル)ピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
N−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド(750mg、2.37mmol)、tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシレート(607mg、3.55mmol)、AcOH(1mL)およびMeOH(5mL)からなる混合物を2時間、還流して撹拌した。この混合物に、NaBH
3(CN)(0.74g、11.85mmol)を加え、得られた混合物を60℃で16時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、NH
4Cl水溶液と酢酸エチルとの間に分配した。有機層を水およびブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(220mg、18%収率)が得られた。ESI−MS m/z:472.3[M+H]
+。
【0551】
1−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−N−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド
HCl/MeOH(10mL、2.86M)中のtert−ブチル3−(4−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジルカルバモイル)ピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(210mg、0.44mmol)の混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると、粗製残留物が得られた。この残留物をDCM(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.5mL)および塩化アクリロイル(40mg、0.43mmol)を加えた。この反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に、DCMと水との間に分配した。有機層を水およびブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(150mg、82%収率)が得られた。
【0552】
N−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンジル)−1−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド
1−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−N−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド(150mg、0.35mmol)のDCM(15mL)溶液に、−60℃でBBr
3(0.6g、2.4mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を室温まで温め、1時間、撹拌した。この混合物を氷水に注ぎ入れ、飽和NaHCO
3溶液により塩基性にしてpHを8〜9に調整し、次に、DCMにより抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)により精製すると、所望の生成物(34mg、24%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.34 (s, 1H), 8.2−8.25 (m, 1H), 7.2 (s, 1H), 7.0 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 6.33−6.27 (m, 1H), 6.12−6.07 (dd, J=2.4, 12.4Hz, 1H), 5.68−5.65 (dd, J=2.4, 10.4Hz, 1H), 4.24−4.20 (m, 1H), 4.17−4.14 (m, 2H), 4.14−3.99 (m, 1H), 3.94−3.90 (m, 1H), 3.73−3.70 (m, 1H), 3.10 (s, 1H), 2.84−2.80 (m, 2H), 2.22 (m, 1H), 1.80 (s, 2H), 1.73−1.71(m, 2H), 1.63−1.57 (m, 2H).ESI−MS m/z:412.2[M+H]
+。
【0553】
(実施例19)
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【0554】
4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシ安息香酸メチル
【0555】
MeOH(50mL)中の4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシ安息香酸(2g、6.41mmol)、濃硫酸(1.5mL)からなる混合物を16時間、還流して撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、水と酢酸エチルとの間に分配した。有機層を水およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して真空で濃縮すると、所望の生成物(1.85g、85%収率)が黄色油状物として得られた。
【0556】
2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸メチル
1,4−ジオキサン(50mL)および水(5mL)中の、4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシ安息香酸メチル(1.8g、5.51mmol)、(2,5−ジクロロフェニル)ボロン酸(2.1g、11.03mmol)、Pd(PPh
3)
4(403mg、0.55mmol)、Na
2CO
3(1.75g、16.54mmol)からなる混合物を、アルゴン下、16時間、還流して撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1)により精製すると、所望の生成物(1.6g、85%収率)が得られた。
【0557】
1−(3−(ヒドロキシメチル)−4−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(VI−7)
表題化合物は、実施例20において記載されている手順に従い、2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸メチルから3工程で調製した。
【0558】
MeOH中のHCl(2.85N)中のtert−ブチル3−(ヒドロキシメチル)−4−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(420mg、0.79mmol)を撹拌した。溶媒を減圧下で除去すると、粗製残留物(reside)が得られ、これをDMF(20mL)に溶解して、アクリル酸(57mg、0.79mmol)、BOP(421mg、0.95mmol)およびDIEA(409mg、3.17mmol)を加えた。反応物を室温で1時間、撹拌した。得られた混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出し、水およびブラインにより洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過して濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=60:1)により精製すると、所望の生成物(92mg、24%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.64−7.20 (m, 5H), 6.83−6.70 (m, 1H), 6.16−6.11 (d, 1H), 5.74−5.71(d, 1H), 6.91 (s, 1H), 5.08− 4.01(m, 3H), 3.90−3.86 (d, 3H), 3.49−3.22(m, 2H), 2.93−2.74(m, 2H), 2.89−2.67 (m, 2H).ESI−MS m/z:451.2[M−H]
−。
【0559】
(実施例20)
【化120】
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【0560】
tert−ブチル4−(4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレート
【0561】
DMF(5mL)中の4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボン酸(800mg、4.21mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(822mg、4.42mmol)、BOP(2.2g、5.05mmol)の混合物に、DIEA(1.63g、12.63mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を水およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して真空で濃縮すると、粗生成物(920mg、61%収率)が得られ、これを精製することなく次の工程に直接使用した。
【0562】
tert−ブチル4−(4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレート
1,4−ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の、tert−ブチル4−(4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(350mg、0.98mmol)、(2,4−ジクロロフェニル)ボロン酸(280mg、1.47mmol)、Pd(PPh
3)
4(116mg、0.1mmol)、Na
2CO
3(312mg、2.94mmol)からなる混合物を、アルゴン下、16時間、還流して撹拌した。混合物を室温まで冷却し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30:1)により精製すると、所望の生成物(273mg、59%収率)が得られた。
【0563】
1−(4−(4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(VI−32)
HCl/MeOH(20mL、57.2mmol)中のtert−ブチル4−(4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(270mg、0.64mmol)の混合物を1時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、残留物をDMF(5mL)に溶解した。この混合物に、アクリル酸(50mg、0.7mmol)、BOP(437mg、0.72mmol)およびDIEA(248mg、1.92mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=60:1)により精製すると、所望の生成物(40mg、27%収率)が白色固体として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 11.88 (s, 1H), 7.66−7.63 (m, 2H), 7.43 (m, 1H), 7.38 (s, 1H), 6.91(s, 1H), 6.85−6.78(m, 1H), 6.18−6.13 (dd, J=2.4, 12.4Hz, 1H), 5.74−5.71 (dd, J=2.4, 10.4Hz, 1H), 3.76 (s, 4H), 3.68−3.63(m, 4H).ESI−MS m/z:377.3[M−H]
−。
【0564】
(実施例21)
【化121】
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【0565】
2,2’,5’−トリクロロ−4−メトキシ−5−ビニルビフェニル
2,2’,5’−トリクロロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル(3.4g、8.3mmol)の撹拌したトルエン(100mL)溶液に、室温でトリブチル(ビニル)スズ(3.1g、9.9mmol)、次いでPd(PPh
3)
4(2g、1.7mmol)を加えた。この反応混合物を脱気し、窒素により逆充填(数サイクル)し、次に16時間、還流して撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、KF(1.72g、29.7mmol)のH
2O(10mL)溶液を加え、次に1時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(1〜2%酢酸エチル/石油エーテル)により精製すると、所望の生成物(2.4g、92%収率)が白色固体として得られた。
【0566】
2−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシビフェニル−3−イル)アセトアルデヒド
無水DMF(10mL)中の2,2’,5’−トリクロロ−4−メトキシ−5−ビニルビフェニル(1.0g、3.2mmol)の混合物に、PdCl
2(1.14g、6.4mmol)を加え、窒素下、得られた混合物を室温で16時間、撹拌した。この混合物に、水(0.5mL)を加え、得られた混合物を室温でさらに6時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を水により洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(1〜3%酢酸エチル/石油エーテル)により精製すると、所望の生成物(300mg、29%収率)が白色固体として得られた。
【0567】
tert−ブチル4−(2−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシビフェニル−3−イル)エチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
2−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシビフェニル−3−イル)アセトアルデヒド(300mg、0.92mmol)の撹拌したDCM(20mL)溶液に、室温でtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(205mg、1.1mmol)、次いでAcOHを数滴加えた。この反応混合物を室温で1時間、撹拌し、次にNaBH(OAc)
3(1.95g、9.2mmol)を加えた。得られた混合物を16時間、還流して撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、水により希釈してDCMにより抽出した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(1〜33%酢酸エチル/石油エーテル)により精製すると、所望の生成物(350mg、77%収率)が白色固体として得られた。
【0568】
1−(4−(2−(2’,5’,6−トリクロロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−イル)エチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
表題化合物は、実施例18において記載されている手順に従い、tert−ブチル4−(2−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシビフェニル−3−イル)エチル)ピペラジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.96 (bs., 1H), 7.54−7.59 (d, J=8.6Hz, 1H), 7.47−7.50 (m, 1H), 7.39−7.40 (d, J=2.6Hz, 1H), 7.08 (s, 1H), 6.94 (s, 1H), 6.77−6.84 (m, 1H), 6.09 (dd, J=2.1, 17.0Hz, 1H), 5.65 (dd, J=2.6, 10.7Hz, 1H), 3.50 (m, 4H), 2.72−2.76 (m, 2H), 2.54−2.57 (m, 2H), 2.47−2.50 (m, 4H).ESI−MS m/z:439.1[M+H]
+。
(実施例22)
【化123】
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【0569】
tert−ブチル4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレート
【0570】
2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸(500mg、1.68mmol)の撹拌したDMF(10mL)溶液に、室温でtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(345mg、1.85mmol)、BOP(892mg、2.02mmol)およびDIEA(542mg、4.2mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、ブラインにより洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(550mg、70%収率)が得られた。ESI−MS m/z:465.4[M+H]
+。
【0571】
(E)−1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン
HCl/MeOH(20mL、57.2mmol)中のtert−ブチル4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(550mg、1.18mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去すると、粗生成物が得られた。この粗製残留物をDMF(10mL)に溶解し、4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸(215mg、0.47mmol)、BOP(627mg、1.42mmol)およびDIEA(610mg、4.73mmol)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、ブラインにより洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(450mg、80%収率、2工程)が得られた。ESI−MS m/z:476.4[M+H]
+。
【0572】
(E)−1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(VI−24)
(E)−1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(270mg、0.57mmol)のDCM(5mL)溶液に、−78℃でBBr
3(1.43g、5.7mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を氷水に注ぎ入れ、水性NaHCO
3によりpHを向上させてpH7に調整し、次に、DCM(3×20mL)により抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(150mg、57%収率)が得られた。
1HNMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 13.12 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 6.81(m, 1H), 6.13 (dd, J=2.8, 16.8Hz, 1H), 5.71 (dd, J=2.0, 10.4Hz, 1H), 4.10 (s, 2H), 3.50−3.60 (m, 8H).ESI−MS m/z:462.4[M+H]
+。
【0573】
(実施例23)
【化123】
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【0574】
4,5−ジクロロ−2−ニトロベンズアルデヒド
DMF(50mL)中の1,2−ジクロロ−4−メチル−5−ニトロベンゼン(2g、9.71mmol)とDMF−DMA(3g、25.2mmol)との混合物を、140℃で14時間、撹拌した。この暗色溶液を0℃に冷却し、次に、0℃でNaIO
4(10.8g、50.5mmol)のDMF/水(1:4、25mL)溶液に加えた。この混合物を室温で8時間撹拌した後、ろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチルにより洗浄した。このろ液を酢酸エチルにより希釈し、ブラインにより洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1:20)により精製すると、所望の生成物(480mg、23%収率、2工程)が得られた。
【0575】
2−(5,6−ジクロロ−1H−インダゾール−3−イル)酢酸
ギ酸(3mL)中の4,5−ジクロロ−2−ニトロベンズアルデヒド(1.1g、5.00mmol)とマロン酸(676mg、6.5mmol)との撹拌した混合物に、40℃でギ酸アンモニウム(768mg、12.5mmol)を加えた。得られた混合物を65℃で1時間、次に95℃で4時間、撹拌した。この混合物に、濃HCl(2.5mL)を加え、次に95℃で1時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、水(5mL)によりクエンチして、イソブチルケトンにより抽出した。この水層をKOH(50%)によりpH4に調整し、ろ過すると、粗製固体(500mg)が得られた。この固体をNaOH水溶液(8mL、5%)とN
2H
4.H
2O(90mg、1.79mmol)との混合物に溶解し、85℃に加熱した。この混合物に、ラネーNiを加え、得られた混合物を85℃で30分間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、ろ過した。水層を水性HCl(6M)により酸性にし、pH2に調整した。沈殿物をろ過により採集し真空で乾燥すると、所望の生成物(250mg、22%収率、2工程)が得られた。
【0576】
1−(4−(2−(5,6−ジクロロ−1H−インダゾール−3−イル)アセチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
表題化合物は、実施例40において記載されている手順に従い、2−(5,6−ジクロロ−1H−インダゾール−3−イル)酢酸から3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.56 (m, 1H), 7.33−7.45 (m, 3H), 7.12 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 6.62 (s, 2H), 3.60 (m, 8H), 3.10 (s, 2H), 2.20 (s, 6H).ESI−MS m/z:367.2[M+H]
+。
【0577】
(実施例24)
【化124】
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【0578】
tert−ブチル4−(2−ブロモエチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
【0579】
アルゴン下、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(5.0g、26.9mmol)、1,2−ジブロモエタン(25mL)、DIPEA(3.5g、26.9mmol)からなる混合物を30℃で72時間、撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(1〜2%メタノール/ジクロロエタン)により精製すると、所望の生成物(2.8g、36%収率)が固体として得られた。ESI−MS m/z:293.1[M+1]
+。
【0580】
tert−ブチル4−(2−((4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシアニリン(968mg、3.42mmol)の撹拌した無水THF(20mL)溶液に、0℃でNaH(鉱物油中の60%、205.2mg、5.13mmol)を加え、得られた混合物を窒素下、1時間、還流して撹拌した。この混合物に、tert−ブチル4−(2−ブロモエチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(500mg、1.71mmol)を加え、得られた混合物を室温で15時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、残留物を酢酸エチルとブラインとの間に分配した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜30%酢酸エチル/石油エーテル)により精製すると、所望の生成物(180mg、21%収率)が固体として得られた。
【0581】
tert−ブチル4−(2−((2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
1,4−ジオキサン(20mL)および水(5mL)中のtert−ブチル4−(2−((4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(180mg、0.36mmol)、(2,5−ジクロロフェニル)ボロン酸(138.9mg、0.72mmol)、Na
2CO
3(114.5mg、1.08mmol)、Pd(PPh
3)
4(42mg、0.036mmol)からなる混合物を、アルゴン下、90℃で16時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次に、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5:1)により精製すると、所望の生成物(135mg、73%収率)が固体として得られた。ESI−MS m/z:514.3[M+H]
+。
【0582】
1−(4−(2−((2’,5’,6−トリクロロ−4−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
表題化合物は、実施例18において記載されている手順に従い、tert−ブチル4−(2−((2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.04 (s, 1H), 7.56 (d, J=8.4Hz, 1H), 7.48−7.45 (m, 1H), 7.37 (d, J=2.8Hz, 1H), 6.79 (dd, J=10.4,16.8Hz, 1H), 6.77 (s, 1H), 6.40 (s, 1H), 6.09 (dd, J=2.4, 16.4Hz, 1H), 5.67(dd, J=2.4, 10.4Hz, 1H), 4.88 (bs.,1H), 3.54−3.51 (m, 4H), 3.11(d, J=4.8Hz, 2H), 2.55 (t, J=6.0Hz, 2H), 2.39−2.38 (m, 4H).ESI−MS m/z:454.1[M+H]
+。
【0583】
(実施例25)
【化125】
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【0584】
tert−ブチル5−(3,4−ジクロロベンゾイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシレート
【0585】
3,4−ジクロロ安息香酸(0.45g、2.36mmol)、tert−ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシレート(0.5g、2.36mmol)およびHOBt(0.4g、2.83mmol)のDMF(15mL)溶液に、EDCI.HCl(0.54g、2.83mmol)およびDIEA(1.5g、11.5mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、粗生成物が得られ、これを次の工程に直接使用した。
【0586】
(3,4−ジクロロフェニル)(ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン
tert−ブチル5−(3,4−ジクロロベンゾイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシレート(上記工程からの粗生成物)をDCM中の50%TFA(10mL)に溶解し、得られた混合物を室温で3時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮した。この残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和NaHCO
3水溶液により洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、粗生成物が得られた。粗生成物をさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0587】
(3,4−ジクロロフェニル)(5−(ビニルスルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン
(3,4−ジクロロフェニル)(ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン(100mg、0.35mmol)のDCM(10mL)溶液に、0℃でEt
3N(106mg、1mmol)、次いで塩化スルホニル(60mg、0.37mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物をDCMと水との間に分配した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。この残留物をIsolera One(シリカゲルカートリッジ、10〜100%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、所望の生成物(14mg、11%)が得られた。
1H NMR (300MHz, CDCl
3)δ: 7.60 (d, J=2.0Hz, 1H), 7.51 (d, J=8.2Hz, 1H), 7.35 (dd, J=2.0, 8.2Hz, 1H), 6.50 (dd, J=9.9, 16.5Hz, 1H), 6.30 (d, J=16.6Hz, 1H), 6.09 (d, J=9.9Hz, 1H), 2.90−4.10 (m, 10H).ESI−MS m/z:375.0[M+H]
+。
【0588】
(実施例26)
【化126】
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【0589】
(実施例27)
【化127】
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【0590】
(実施例28)
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
【0591】
(実施例29)
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0592】
(実施例30)
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
【0593】
(実施例31)
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
【0594】
(実施例32)
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
【0595】
(実施例33)
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
【0596】
(実施例34)
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
【0597】
(実施例35)
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
【0598】
(実施例36)
【化136】
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【0599】
tert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
【0600】
2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)酢酸(2.0g、5.88mmol)、tert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(1.84g、7.64mmol)、EDCI.HCl(2.26g、11.76mmol)、およびHOBt(1.59g、11.76mmol)のDMF(3mL)溶液に、0℃でEt
3N(3.28mL、23.52mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物を酢酸エチル/石油エーテル=1:5の混合物により洗浄すると、所望の生成物(2.24g、67%収率)が白色固体として得られた。ESI−MS m/z:565.4[M+H]
+。
【0601】
tert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロブチル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
THF(15mL)中のtert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(697mg、1.24mmol)、臭化シクロブチル亜鉛(4.46mL、2.23mmol、THF中0.5M)、Pd(OAc)
2(56mg、0.248mmol)およびS−Phos(102mg、0.248mmol)からなる混合物を、アルゴン下、65℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、NH
4Cl水溶液によりクエンチし、次に酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1:30)により精製すると、所望の生成物(596mg、98%収率)が茶色油状物として得られた。ESI−MS m/z:493.5[M+H]
+。
【0602】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロブチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−53)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、tert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロブチル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.66 (s, 1H), 6.63 (s, 1H), 6.52 (s, 1H), 6.31 (dd, J=10.2, 16.9Hz, 1H), 6.10 (dd, J=2.1, 16.8Hz, 1H), 5.68 (dd, J=2.1, 10.2Hz, 1H), 5.16 (t, J=4.4Hz, 1H), 4.27−4.23 (m, 1H), 4.08−4.04 (m, 1H), 3.97−3.93 (m, 3H), 3.80−3.76 (m, 1H), 3.65−3.59 (m, 1H), 3.56−3.54 (m, 4H), 3.20−3.14 (m, 1H), 2.40−2.25 (m, 4H), 2.20−2.15 (m, 2H), 2.09−2.05 (m, 2H), 1.97−1.90 (m, 1H), 1.80−1.74 (m, 1H).ESI−MS m/z:433.4[M+H]
+。
【0603】
(実施例37)
【化137】
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【0604】
2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)プロパン酸メチル
【0605】
DMF(25mL)中のtert−ブチル4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシベンゼンアミン(2g、7.07mmol)、2−ブロモプロパン酸メチル(1.17g、7.07mmol)、K
2CO
3(1.94g、14.14mmol)およびKI(0.235g、1.414mmol)からなる混合物を、100℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、NaHCO
3水溶液によりクエンチし、次に酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1:20)により精製すると、所望の生成物(1.12g、43%収率)が黄色固体として得られた。ESI−MS m/z:370.1[M+H]
+。
【0606】
2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)プロパン酸
テトラヒドロフラン(20mL)と水(10mL)との混合物中の2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)プロパン酸メチル(1.12g、3.04mmol)の溶液に、室温でLiOH.H
2O(0.51g、12.16mmol)を加え、得られた混合物を1時間、撹拌した。水相をTBMEにより洗浄し、次に水性HCl(1N)により酸性にし、pH5に調整した。この混合物を酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、粗生成物(760mg)が得られ、これをさらに精製することなく次の工程に直接使用した。ESI−MS m/z:356.1[M+H]
+。
【0607】
tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)プロパン酸(760mg、2.13mmol)、tert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(669mg、2.78mmol)、EDCI.HCl(818mg、4.26mmol)、HOBt(575mg、4.26mmol)のDMF(8mL)溶液に、0℃でEt
3N(861mg、8.52mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1:1)により精製すると、所望の生成物(673mg、55%収率)が白色固体として得られた。ESI−MS m/z:579.4[M+H]
+。
【0608】
tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロブチル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
THF(10mL)中のtert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(673mg、1.162mmol)、臭化シクロブチル亜鉛(5.11mL、2.556mmol、THF中の0.5M)、Pd(Oac)
2(52mg、0.23mmol)、S−Phos(95mg、0.23mmol)からなる混合物を、アルゴン下、65℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、NH
4Cl水溶液によりクエンチし、次に酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1:1)により精製すると、所望の生成物(565mg、96%収率)が薄黄色固体として得られた。ESI−MS m/z:507.6[M+H]
+。
【0609】
1−(3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロブチル−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−59)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従いtert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロブチル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.63 (s, 1H), 6.62 (s, 1H), 6.49 (s, 1H), 6.30 (dd, J=10.1, 16.8Hz, 1H), 6.10 (d, J=18.7Hz, 1H), 5.68 (d, J=10.4Hz, 1H), 4.86 (d, J=9.2Hz, 1H), 4.69−4.63 (m, 1H), 4.27−4.23 (m, 1H), 4.07−4.03 (m, 1H), 3.97−3.62 (m, 1H), 3.82−3.76 (m, 2H), 3.64−3.55 (m, 3H), 3.77−3.11 (m, 1H), 2.44−2.15 (m, 6H), 2.08−1.90 (m, 4H), 1.80−1.72 (m, 2H), 1.97−1.90 (m, 1H), 1.24 (d, J=6.4Hz, 3H).ESI−MS m/z:447.4[M+H]
+。
【0610】
(実施例38)
【化138】
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【0611】
メタンスルホン酸1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル
【0612】
DCM(200mL)中の1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−オール(20.0g、83.68mmol)およびEt
3N(12.68g、125.52mmol)からなる混合物に、0℃でMsCl(11.447mg、100.41mmol)を少しずつ加え、得られた溶液を室温で1時間、撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、ブラインにより洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物が得られた(26.526g、100%収率)。
【0613】
tert−ブチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
CH
3CN(200mL)中のメタンスルホン酸1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル(26.53g、83.68mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(18.68g、100.41mmol)およびK
2CO
3(23.09g、163.36mmol)からなる混合物を80℃で16時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにより希釈し、ブラインにより洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(25.5g、80%収率)が得られた。
【0614】
tert−ブチル4−(アゼチジ−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
MeOH(100mL)中のtert−ブチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(10.0g、24.57mmol)および10%Pd\C(2.5g)を、H
2雰囲気下、50℃で48時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、ろ過した。このろ液を希釈して真空で濃縮すると、所望の粗生成物(6.7g)が無色油状物として得られた。
【0615】
tert−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
DCM(100mL)中のtert−ブチル4−(アゼチジ−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(6.7g、27.80mmol)およびEt
3N(8.43g、83.40mmol)からなる混合物に、0℃で塩化アクリロイル(3.77g、41.7mmol)を少しずつ加え、得られた溶液を室温で1時間、撹拌した。この反応混合物をDCMにより希釈し、ブラインにより洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(3.6g、49.66%収率、2工程)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 6.30 (dd, J=10.4, 16.8Hz, 1H), 6.09 (dd, J=2.4, 17.2Hz, 1H), 5.67 (dd, J=2.4, 10.4Hz, 1H), 4.22 (t, J=8, 1H), 4.03−4.00 (m, 1H), 3.94−3.90 (m, 1H), 3.75−3.70 (m, 1H), 3.32 (t, J=8.8Hz, 4H), 3.10−3.18 (m, 1H), 2.22−2.30 (m, 1H), 1.40 (s, 9H).
【0616】
(実施例39)
【化139】
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【0617】
ピペラジン−2−カルボニトリル
【0618】
ジクロロメタン(10mL)中のtert−ブチル3−シアノピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、0.95mmol)の混合物に、CF
3COOH(2mL)を加え、得られたものを室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると、粗生成物が得られた。
【0619】
4−(4’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル
ジクロロメタン(10mL)中の4’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸(309mg、1.04mmol)、EDCI(272mg、1.43mmol)、HOBt(195mg、1.43mmol)、Et
3N(288mg、2.85mmol)からなる0℃の混合物に、0℃でピペラジン−2−カルボニトリルを加え、得られた混合物を室温で8時間、撹拌した。この混合物をジクロロメタンと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(225mg、61%収率)が得られた。ESI−MS m/z:444.3[M+H]
+。
【0620】
1−アクリロイル−4−(4’,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル(VI−37)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、4−(4’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリルから2工程で調製した。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ: 9.24 (s, 1H), 7.44−7.33 (m, 5H), 7.20 (s, 1H), 6.57−6.45 (m, 2H), 6.79 (s, 1H), 5.94−5.91 (m, 1H), 5.75 (s, 1H), 4.62−4.61 (m, 1H), 4.50−4.46(m, 1H), 4.06 (s, 1H), 3.61 (s, 1H), 3.36−3.33 (m, 1H), 3.16−3.10(m, 1H).ESI−MS m/z:428.4[M+H]
+。
【0621】
(実施例40)
【化140】
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【0622】
5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンゼンアミン
【0623】
表題化合物は、実施例4において記載されている手順に従い、4−クロロ−2−メトキシ−1−ニトロベンゼンから2工程で調製した。
【0624】
1−ブロモ−2−クロロ−5−ヨード−4−メトキシベンゼン
6N HCl(60mL、360mmol)中の5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシアニリン(3g、12.7mmol)の混合物に、内部温度を約0℃に維持しながら、0℃でNaNO
2(963mg、13.9mmol)の水溶液(20mL)を滴下して加えた。KI(10.5g、63.4mmol)およびCuI(4.8g、25.4mmol)を水(20mL)に溶解し、上記の撹拌した反応混合物に加えた。この反応物を5℃で2時間、維持した。この反応混合物を酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機層を水、Na
2SO
3(10%水性)およびブラインでにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水して濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1:100)により精製すると、所望の生成物(3.2g、73%収率)が得られた。
【0625】
3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパナール
アルゴン下、DMF(50mL)中の1−ブロモ−2−クロロ−5−ヨード−4−メトキシベンゼン(3.2g、9.2mmol)、プロパ−2−エン−1−オール(1.3g、23.0mmol)、Pd(OAc)
2(206mg、0.9mmol)、TBAC(2.56g、9.2mmol)、NaHCO
3(2.3g、27.6mmol)からなる混合物を、60℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水して濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1:20)により精製すると、所望の生成物(860mg、34%収率)が得られた。
【0626】
3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパン酸
Jones試薬(3mL、5.4mmol、2.8M)の撹拌したアセトン(20mL)溶液に、3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパナール(860mg、3.1mmol)を加えた。この反応物を室温で12時間撹拌し、イソ−プロピルアルコールによりクエンチし、次に10分間、撹拌した。得られた混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機層を水およびブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1:1)により精製すると、所望の生成物(358mg、38%収率)が得られた。ESI−MS m/z:291.1[M+H]
−。
【0627】
tert−ブチル−3−(4−(3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパン酸(350mg、1.2mmol)の撹拌したDMF(30mL)溶液に、室温でtert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(317mg、1.3mmol)、BOP(731mg、1.4mmol)およびDIEA(461mg、3.6mmol)を加え、この混合物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(285mg、46%収率)が得られた。
【0628】
tert−ブチル3−(4−(3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
トルエン(10mL)および水(1mL)中のtert−ブチル3−(4−(3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(280mg、0.54mmol)、シクロプロピルボロン酸(185mg、2.2mmol)、K
3PO
4.3H
2O(444mg、1.9mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(30mg、0.1mmol)、Pd(OAc)
2(24mg、0.11mmol)からなる混合物を、アルゴン下、16時間、還流して撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=60:1)により精製すると、所望の生成物(194mg、75%収率)が得られた。ESI−MS m/z:477.3[M+H]
+。
【0629】
1−(3−(4−(3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−58)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、tert−ブチル3−(4−(3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.68 (s, 1H), 6.79 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.33−6.26 (m, 1H), 6.12−6.07 (dd, J=1.9, 17.2Hz, 1H), 5.68−5.65 (dd, J=2.0, 10.2Hz, 1H), 4.24−4.20 (m, 1H), 4.05−4.01 (m, 1H), 3.94−3.90 (m, 1H), 3.76−3.72 (m, 1H), 3.45−3.42 (m, 4H), 3.13−3.11(m, 1H), 2.69−2.65 (m, 2H), 2.53−2.51 (m, 2H), 2.25−2.23 (bs, 4H), 1.97−1.93 (m, 1H), 0.90−0.86 (m, 1H), 0.60−0.55 (m, 1H).ESI−MS m/z:418.4[M+H]
+。
【0630】
(実施例41)
【化141】
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【0631】
5−アセトアミド−2−クロロ−4−メトキシ安息香酸メチル
【0632】
5−アミノ−2−クロロ−4−メトキシ安息香酸メチル(3.6g、16.7mmol)、Et
3N(6.7g、66.8mmol)およびDCM(100mL)からなる混合物に、室温で塩化アセチル(1.57g、20.1mmol)を滴下して加え、得られた混合物を12時間、撹拌した。この反応混合物をジクロロメタンと水との間に分配した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1:1)により精製すると、所望の生成物(2.7g、63%収率)が得られた。
【0633】
N−(4−クロロ−5−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−メトキシフェニル)アセトアミド
アルゴン下、5−アセトアミド−2−クロロ−4−メトキシ安息香酸メチル(2.7g、11.1mmol)のTHF(40mL)溶液に、内部温度を−40℃に維持しながら、−40℃で臭化メチルマグネシウム(21mL、21mmol、エーテル中1M)を滴下して加えた。次に、この混合物を室温まで温め、2時間、撹拌した。この反応混合物を氷冷したNH
4Cl(10%)溶液に注ぎ入れ、酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機層を水およびブラインにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水して真空で濃縮すると、所望の生成物が得られた(2.3g、80%収率)。
【0634】
N−(4−クロロ−2−メトキシ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)フェニル)アセトアミド
N−(4−クロロ−5−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−メトキシフェニル)アセトアミド(3.2g、12.4mmol)のDCM(20mL)溶液に、−5℃でSOCl
2(3.7g、37.25mmol)を滴下して加えた。この混合物を室温まで温め、次に2時間還流して撹拌した。この反応混合物を濃縮し、残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=3:1)により精製すると、所望の生成物(1.9g、64%収率)が得られた。
【0635】
N−(4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アセトアミド
N−(4−クロロ−2−メトキシ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)フェニル)アセトアミド(1.0g、4.17mmol)のトルエン(20mL)溶液に、0℃でCH
2I
2(5.6g、20.86mmol)およびEt
2Zn(41.7mL、41.7mmol、ヘキサン中1.0M)を加えた。この混合物を30分間、0℃に維持し、次に室温で16時間、撹拌した。この反応混合物を飽和NH
4Cl溶液によりクエンチし、15分間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮してトルエンを除去し、得られた混合物をジクロロメタンにより抽出した。合わせた有機層を水およびブラインにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水して濃縮すると、所望の生成物(820mg、77%収率)が得られた。
【0636】
4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)アニリン
N−(4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アセトアミド(820mg、3.23mmol)、KOH(1.8g、32.3mmol)、エタノール(40mL)および水(20mL)からなる混合物を12時間、還流して撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機層を水およびブラインにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水してろ過した。このろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=20:1)により精製すると、所望の生成物(460mg、67%収率)が得られた。ESI−MS m/z:212.4[M+H]
+。
【0637】
2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)酢酸エチル
4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)アニリン(450mg、2.13mmol)のMeOH(20mL)溶液に、室温でAcOH(3滴)およびグリオキシル酸エチル(326mg、3.19mmol、トルエン中50%)を加えた。この混合物を室温で2時間、撹拌し、次に、この混合物にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(403mg、6.39mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、粗生成物が得られた(636mg)。ESI−MS m/z:298.2[M+H]
+。
【0638】
2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)酢酸
THF(15mL)および水(5mL)中の2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)酢酸エチル(630mg、2.12mmol)の溶液に、LiOH.H2O(889mg、21.2mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間、撹拌した。この混合物を20%酢酸エチル/石油エーテルにより洗浄した。水層を水性HCl(1N)により酸性にしてpH3〜4に調整し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物が得られた(200mg、33%収率)。
【0639】
tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)酢酸(110mg、0.41mmol)およびtert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(118mg、0.49mmol)のDMF(15mL)溶液に、室温でBOP(217mg、0.49mmol)およびDIEA(159mg、1.23mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物が得られた(192mg、95%収率)。
【0640】
1−(3−(4−(2−((4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−64)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.70 (s, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.51 (s, 1H), 6.35−6.28 (m, 1H), 6.13−6.08 (dd, J =1.9, 17.9Hz, 1H), 5.69−5.66 (dd, J=2.1, 10.1Hz, 1H), 5.13−5.11 (m, 1H), 4.25−4.23 (m, 1H), 4.08−4.05 (m, 1H), 3.95−3.91 (m, 3H), 3.80−3.76 (m, 1H), 3.53 (bs, 4H), 3.18−3.16 (m, 1H), 2.38−2.31 (m, 4H), 1.26 (s, 3H), 0.72−0.64 (m, 4H).ESI−MS m/z:434.4[M+H]
+。
【0641】
(実施例42)
【化142】
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【0642】
5−クロロ−4−ヨード−2−メトキシ安息香酸
【0643】
4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸(5g、24.8mmol)の撹拌した水溶液(10mL)に、0℃で濃硫酸(50mL)を加えた。次に、内部温度を約0℃に維持しながら、NaNO
2(1.9g、27.3mmol)の水溶液(10mL)を滴下して加えた。KI(4.5g、27.3mmol)およびI
2(3.5g、13.64mmol)を水に溶解し、上記の撹拌している反応混合物に滴下して加えた。この反応物を5℃で2時間、撹拌し、次に酢酸エチルにより抽出した。有機層を水、Na
2SO
3(10%水性)、およびブラインにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水して真空で濃縮すると、所望の生成物(1.55g、19%収率)が得られた。ESI−MS m/z:311.1[M+H]
+。
【0644】
tert−ブチル4−(5−クロロ−4−ヨード−2−メトキシベンゾイル)ピペラジン−1−カルボキシレート
5−クロロ−4−ヨード−2−メトキシ安息香酸(1.55g、4.9mmol)の撹拌したDMF(30mL)溶液に、室温でtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.02g、5.5mmol)、BOP(2.63g、25.9mmol)およびDIEA(1.92g、14.9mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルにより抽出し、ブラインにより洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(1.96g、76%収率)が得られた。
【0645】
tert−ブチル−4−(2−クロロ−5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレート
1,4−ジオキサン(10mL)および水(2mL)中のtert−ブチル4−(5−クロロ−4−ヨード−2−メトキシベンゾイル)ピペラジン−1−カルボキシレート(300mg、0.56mmol)、フェニルボロン酸(82mg、0.67mmol)、Pd(PPh
3)
4(129mg、0.1mmol)、Na
2CO
3(180mg、1.68mmol)からなる混合物を、アルゴン下、16時間、還流して撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30:1)により精製すると、所望の生成物(219mg、80%収率)が得られた。
【0646】
1−(4−(2−クロロ−5−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(VI−42)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、tert−ブチル−4−(2−クロロ−5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.40 (s, 1H), 7.50−7.41 (m, 5H), 7.35 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.84 (m, 1H), 6.17−6.13 (d, 1H), 5.73−5.71 (m, 1H), 3.63 (s, 6H), 3.30 (s, 2H).ESI−MS m/z:371.2[M+H]
+。
【0647】
(実施例43)
【化143】
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【0648】
4−クロロ−2−メトキシ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンゼンアミン
【0649】
DME(10mL)および水(3mL)中の4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシベンゼンアミン(1.0g、3.53mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(プロパ−1−エン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(889mg、5.29mmol)、Pd(PPh
3)
4(363mg、0.353mmol)、Na
2CO
3(1.12g、10.6mmol)からなる混合物を、アルゴン下、6時間、還流して撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(5%、石油エーテル/酢酸エチル)により精製すると、所望の生成物(173mg、25%収率)がオフホワイト固体として得られた。ESI−MS m/z:198.5[M+H]
+。
【0650】
4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシベンゼンアミン
H
2(1atm)雰囲気下、MeOH(5mL)中の4−クロロ−2−メトキシ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンゼンアミン(160mg、0.81mmol)、ラネーNi(20mg)からなる混合物を室温で8時間、撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮すると、所望の生成物(150mg、93%収率)が得られた。
【0651】
tert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
表題化合物は、実施例42において記載されている手順に従い、4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシベンゼンアミンから3工程で調製した。
【0652】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
HCl/MeOH(2.86M、5mL)中のtert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(102mg、0.212mmol)の混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると、粗生成物が得られ、この粗製物を室温でDMF(5mL)に溶解し、アクリル酸(17mg、0.233mmol)、BOP(113mg、0.254mmol)およびDIEA(82mg、0.636mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(77mg、85%収率、2工程)が得られた。ESI−MS m/z:435.4[M+H]
+。
【0653】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−50)
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(77mg、0.18mmol)のDCM(15mL)溶液に、−60℃でBBr
3(443mg、1.8mmol)を滴下して加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を−60℃に冷却し、MeOHを滴下して加え、次に、Et
3Nにより塩基性にして、pH8〜9に調整した。この混合物を水に注ぎ入れ、ジクロロメタンにより抽出した。この有機層を無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(25mg、33%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.50 (bs, 1H), 6.62 (s, 1H), 6.470 (s, 1H), 6.30 (m, 1H), 6.10 (dd, J=2.4, 17.2Hz, 1H), 5.68 (dd, J=2.0, 10.4Hz, 1H), 5.14 (m, 1H), 4.25 (m, 1H), 4.06 (m, 1H), 3.96 (m, 1H), 3.91 (m, 2H), 3.78 (m, 1H), 3.54 (m, 4H), 3.17 (m, 2H), 2.35 (m, 4H), 1.21 (m, 6H).ESI−MS m/z:421.4[M+H]
+。
【0654】
(実施例44)
【化144】
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【0655】
2−アミノ−5−クロロ−4−シクロプロピルフェノール
【0656】
アルゴン下、THF(10mL)中の2−アミノ−5−クロロ−4−ヨードフェノール(500mg、1.9mmol)、PdCl
2(dppf)(136mg、0.19mmol)の混合物に、室温で臭化シクロプロピルマグネシウム(16mL、11.4mmol、THF中0.7M)を加え、この混合物を15時間、還流して撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、所望の生成物(220mg、63%収率)が茶色固体として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.27 (s, 1H), 6.62 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 4.53(s, 2H), 1.89−1.93 (m, 1H), 0.83−0.87 (m, 2H), 0.46−0.49 (m, 2H).
【0657】
2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸エチル
2−アミノ−5−クロロ−4−シクロプロピルフェノール(200mg、1.01mmol)のMeOH(20mL)溶液に、室温でAcOH(3滴)およびグリオキシル酸エチル(416mg、2.02mmol、トルエン中50%)を加えた。この混合物を室温で2時間、撹拌し、次に、この混合物にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(190mg、3.03mmol)を加えた。得られた混合物を40℃で15時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜20%メタノール/ジクロロメタン)により精製すると、所望の生成物(290mg、100%収率)が固体として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.63 (s, 1H), 6.66 (s, 1H), 5.93 (s, 1H), 5.07 (t, J=6.4Hz, 1H), 4.12 (q, J=7.2Hz, 2H), 3.91 (d, J=6.4Hz, 2H), 1.92−1.97 (m, 1H), 1.20 (t, J=6.8Hz, 2H), 0.84−0.87 (m, 2H), 0.51−0.55 (m, 2H).
【0658】
2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸
テトラヒドロフランと水(30mL)との4:1混合物中の2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸エチル(290mg、0.89mmol)の溶液に、室温でLiOH.H
2O(226mg、5.34mmol)を加え、得られた混合物を60℃で2時間、撹拌した。この混合物を水性HCl(1N)により酸性にしてpH3〜5に調整し、次に、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、生成物が得られた(100mg、47%収率)。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.64 (s, 1H), 6.66 (s, 1H), 5.96 (s, 1H), 3.81 (s, 2H), 1.89−1.96 (m, 1H), 0.84−0.87 (m, 2H), 0.54−0.56 (m, 2H).
【0659】
tert−ブチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシレート
CH
3CN(40mL)中のメタンスルホン酸1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル(2.69g、8.5mmol)、K
2CO
3(1.76g、12.8mmol)、tert−ブチル3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシレート(1.95g、8.5mmol)からなる混合物を16時間、還流して撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を水およびブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(2.08g、54%収率)が得られた。
【0660】
tert−ブチル4−(アゼチジン−3−イル)−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシレート
H
2(1atm)雰囲気下、MeOH(25mL)中の4−クロロ−2−メトキシ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンゼンアミン(1g、2.22mmol)、Pd/C(300mg)からなる混合物を、50℃で12時間、撹拌した。この混合物を冷却し、ろ過した。このろ液を真空で濃縮すると、所望の生成物(640mg、100%収率)が得られた。
【0661】
tert−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル4−(アゼチジン−3−イル)−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシレート(640mg、2.22mmol)およびEt
3N(463mg、4.58mmol)のDCM(10mL)溶液に、0℃で塩化アクリロイル(248mg、2.74mmol)を滴下して加え、得られた混合物を室温で1.5時間、撹拌した。この混合物をジクロロメタンと飽和NaHCO
3溶液との間に分配した。有機層を飽和ブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(350mg、47%収率)が得られた。
【0662】
1−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−2−カルボキサミド(V−51)
HCl/MeOH(2.86M、10mL)中のtert−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシレート(120mg、0.35mmol)の混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると、粗製残留物が得られた。これを0℃でDMF(5mL)に溶解し、2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸(31mg、0.427mmol)、BOP(206mg、0.466mmol)およびK
2CO
3(150mg、1.164mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)により精製すると、所望の生成物(126mg、75%収率、2工程)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.63 (bs, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.26−6.94 (m, 2H), 6.67 (s, 1H), 6.34−6.27 (m, 1H), 6.10 (m, 2H), 5.68 (d, J=10.4, 1H), 5.08 (m, 1H), 4.30 (m, 2H), 3.93 (m, 6H), 3.52 (m, 2H), 3.29 (m, 1H), 3.15 (m, 1H), 3.06 (m, 1H), 2.47 (m, 1H), 1.98 (m, 1H), 0.87 (m, 2H), 0.64 (m, 2H).ESI−MS m/z:462.5[M+H]
+。
【0663】
(実施例45)
【化145】
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【0664】
4−(2−(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−2−カルボニトリル
【0665】
DCM(10mL)中の2−(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニルアミノ)酢酸(260mg、1.04mmol)、EDCI(273mg、1.43mmol)、HOBt(194mg、1.43mmol)およびEt
3N(288mg、2.85mmol)からなる混合物に、0℃でピペラジン−2−カルボニトリルを加えた。得られた混合物を室温で8時間、撹拌した。この混合物をジクロロメタンと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、所望の生成物(108mg、30%収率)が得られた。
【0666】
1−アクリロイル−4−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−2−カルボニトリル(VI−39)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、4−(2−(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−2−カルボニトリルから2工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.3 (s, 1H), 6.90 (m, 1H), 6.87(s, 1H), 6.73(s, 1H), 6.28 (d, J=16.4Hz, 1H), 5.88 (d, J=10.4Hz, 1H), 5.68 (m, 1H), 5.33 (m, 1H), 4.66 (m, 1H), 4.40 (m, 1H), 4.02 (m, 2H), 3.22 (m, 1H), 3.04 (m, 1H), 2.91 (m, 1H).ESI−MS m/z:383.2[M+H]
+。
【0667】
(実施例46)
【化146】
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【0668】
1−tert−ブチル3−メチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1,3−ジカルボキシレート
【0669】
CH
3CN(40mL)中のメタンスルホン酸1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル(2.4g、7.56mmol)、tert−ブチルメチルピペラジン−1,3−ジカルボキシレート(1.85g、7.56mmol)、K
2CO
3(1.6g、11.34mmol)からなる混合物を16時間、還流して撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を水およびブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%石油エーテル/酢酸エチル)により精製すると、所望の生成物(1.85g、51%収率)が得られた。
【0670】
tert−ブチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
アルゴン下、THF(40mL)中のLiAlH
4(500mg、13.5mmol)の混合物に、−40℃で1−tert−ブチル3−メチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1,3−ジカルボキシレート(1.8g、3.87mmol)のTHF(10mL)溶液を滴下して加えた。この反応混合物を−5℃〜5℃で1時間、撹拌し、−20℃に冷却した。次に、水(2mL)およびNaOH(15%)(水性)を加えた。得られた混合物を15分間撹拌した。この固体をろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチルにより洗浄した。合わせたろ液をNa
2SO
4で脱水して真空で濃縮すると、生成物(1.6g、94%収率)が得られた。
【0671】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−54)
表題化合物は、実施例44において記載されている手順に従い、4−(2−(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−2−カルボニトリルから4工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.68 (bs, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.35−6.27 (m, 1H), 6.12−6.05 (m, 2H), 5.67 (dd, J=1.6, 10.4Hz, 1H), 5.11 (m, 1H), 4.82−4.63 (m, 1H), 4.24 (m, 1H), 4.13 (m, 1H), 3.95 (m, 1H), 3.88 (m, 2H), 3.85 (m, 1H), 3.77−3.67 (m, 2H), 3.20 (m, 1H), 3.15 (m, 1H), 2.76−2.60 (m, 2H), 2.40 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 0.87 (m, 2H), 0.62 (m, 2H).ESI−MS m/z:449.4[M+H]
+。
【0672】
(実施例47)
【化147】
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【0673】
2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)酢酸エチル
【0674】
DCM(15mL)中の5,6−ジクロロ−1H−インドール(1.0g、5.37mmol)、Cu(OTf)
2(194mg、0.537mmol)からなる混合物に、室温で2−ジアゾ酢酸エチル(918mg、8.05mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を室温で16時間、撹拌し、水によりクエンチして、次にジクロロメタンにより抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製すると、所望の生成物(120mg、8.2%収率)が薄黄色固体として得られた。ESI−MS m/z:272.1[M+H]
+。
【0675】
2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)酢酸
THF(3mL)およびH
2O(1mL)中の2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)酢酸エチル(120mg、0.44mmol)、LiOH(90mg、2.20mmol)からなる混合物を室温で16時間、撹拌した。この溶液を水に注ぎ入れ、1N HClによりpH3〜4に調整し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮すると、所望の生成物(90mg、84.5%収率)が黄色固体として得られた。
【0676】
1−(3−(4−(2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−61)
DMF(3mL)中の2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)酢酸(90mg、0.372mmol)、1−(3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(87mg、0.446mmol)、EDCI.HCl(107mg、0.558mmol)、HOBt(75mg、0.558mmol)からなる混合物に、0℃でEt
3N(112mg、1.11mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=30:1)により精製すると、所望の生成物(12mg、7.66%収率)がオフホワイト固体として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ:11.19 (bs, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.35 (d, 1H), 6.28 (dd, J=9.6, 16.8Hz, 1H), 6.09 (dd, J=2.4, 17.2Hz, 1H), 5.66 (dd, J=2.4, 10.4Hz, 1H), 4.21−4.18 (m, 1H), 4.02−3.98 (m, 1H), 3.93−3.88 (m, 1H), 3.78 (s, 2H), 3.74−3.70 (m, 1H), 3.53−3.47 (m, 4H), 3.10−3.07 (m, 1H), 2.25−2.19 (m, 4H).ESI−MS m/z:423.3[M+1]
+。
【0677】
(実施例48)
【化148】
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【0678】
tert−ブチル3−(4−(2−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
【0679】
表題化合物は、実施例4において記載されている手順に従い、4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシベンゼンアミンから3工程で調製した。
【0680】
tert−ブチル3−(4−(2−(5−クロロ−4−エチル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
DMF(10mL)中のtert−ブチル3−(4−(2−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(100mg、0.193mmol)、Pd(dppf)
2Cl
2(29mg、0.04mmol)およびK
2CO
3(55mg、0.386mmol)からなる混合物に、室温でEt
2Zn(0.8mL、0.8mmol、ヘキサン中1.0M)を加えた。得られた混合物を80℃で16時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50:1)により精製すると、粗生成物が得られた(100mg)。ESI−MS m/z:467.5[M+1]
+。
【0681】
1−(3−(4−(2−(5−クロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−52)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、tert−ブチル3−(4−(2−(5−クロロ−4−エチル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.6 (s, 1H), 6.6 (s, 1H), 6.5 (s, 1H), 6.3 (dd, J=10.4, 17.2Hz, 1H), 6.1 (dd, J=2.4, 17.2Hz, 1H), 5.7 (dd, J=2.4, 10.4Hz, 1H), 5.1 (t, J=4.4Hz, 1H), 4.2 (t, J=8Hz, 1H), 4.1 (dd, J=4.8, 8.8Hz, 1H), 3.95 (dd, J=7.2, 10.0Hz, 1H), 3.9 (d, J=4.4Hz, 2H), 3.8 (dd, J=4.8, 10.4Hz, 1H), 3.6−3.5 (m, 4H), 3.2−3.1 (m, 1H), 3.1−3.0 (m, 1H), 2.5−2.3 (m, 4H), 1.1 (t, J=7.2Hz, 3H);ESI−MS m/z:407.4[M+H]
+。
【0682】
(実施例49)
【化149】
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【0683】
tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−エチル−2−メトキシフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
【0684】
表題化合物は、実施例50において記載されている手順に従い、tert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートから1工程で調製した。
【0685】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−エチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−55)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−エチル−2−メトキシフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ:9.67 (s, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.47 (s, 1H), 6.30 (dd, J=10.5, 16.9Hz, 1H), 6.12 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 5.69 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 5.1 (m, 1H), 4.26 (m, 1H), 4.07 (m, 1H), 3.96 (m, 1H), 3.88 (d, J=4.4, 2H), 3.78 (m, 1H), 3.53 (m, 4H), 3.17 (m, 1H), 2.54 (m, 2H), 2.37 (m, 4H), 1.14 (m, 3H).ESI−MS m/z:407.3[M+H]
+。
【0686】
(実施例50)
【化150】
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【0687】
(2−クロロ−4−メトキシ−5−ニトロフェニル)メタノール
【0688】
2−クロロ−4−メトキシ−5−ニトロベンズアルデヒド(6.0g、29mmol)のMeOH(50mL)溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(4.45g、117mmol)を少しずつ加え、得られた混合物を室温で30分間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮した。この残留物を酢酸エチルに溶解し、ブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により精製すると、所望の生成物(5.0g、78.4%収率)が得られた。
【0689】
1−(ブロモメチル)−2−クロロ−4−メトキシ−5−ニトロベンゼン
(2−クロロ−4−メトキシ−5−ニトロフェニル)メタノール(5.0g、23mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に、0℃で三臭化リン(3.08g、11.5mmol)を少しずつ加え、得られた混合物を室温で2時間、撹拌した。この混合物を氷水に注ぎ入れ、ジクロロメタンにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により精製すると、所望の生成物(3.5g、54.2%収率)が得られた。
【0690】
1−クロロ−5−メトキシ−4−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンゼン
アルゴン下、NMP(20mL)中の(2−クロロ−4−メトキシ−5−ニトロフェニル)メタノール(3.5g、12.5mmol)、2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)酢酸メチル(4.8g、25mmol)、ヨウ化銅(617mg、3.25mmol)を80℃で24時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチルに溶解し、ブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100:1)により精製すると、所望の生成物(1.2g、36.4%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 8.15 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.89 (dd, J=1.7, 11.2Hz, 2H).
【0691】
4−クロロ−2−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)アニリン
EtOH(20mL)中の1−クロロ−5−メトキシ−4−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンゼン(1.2g、4.51mmol)、無水塩化スズ(II)(5.0g、22.5mmol)からなる混合物を2時間、還流して撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した後、飽和NaHCO
3溶液に加えてpH7〜8に調整し、次に、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮すると、所望の生成物(900mg、85%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.29 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 5.41 (s, 2H), 4.21 (s, 3H), 3.99(dd, J=1.7, 11.2Hz, 2H).
【0692】
1−(3−(4−(2−((4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−57)
表題化合物は、実施例41において記載されている手順に従い、4−クロロ−2−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)アニリンから6工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.08 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.59 (s, 1H), 6.34 (dd, J=10.5, 16.9Hz, 1H), 6.12 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 5.69 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 5.22 (m, 1H), 4.24 (m, 1H), 4.04 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 3.88 (d, J=4.4Hz, 2H), 3.78 (m, 1H), 3.57 (m, 2H), 3.54 (m, 4H), 3.18 (m, 1H), 2.37 (m, 4H).ESI−MS m/z:461.2[M+H]
+。
【0693】
(実施例51)
【化151】
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【0694】
4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシベンゼンアミン
【0695】
トルエン(62.5mL)およびH
2O(3mL)中の4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシアニリン(5.0g、17.6mmol)、シクロプロピルボロン酸(1.8g、21.1mmol)、Pd(OAc)
2(314mg、1.4mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(500mg、17.6mmol)、K
3PO
4.3H
2O(16.4g、61.6mmol)からなる混合物を、アルゴン下、80℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により精製すると、所望の生成物(3.1g、88.5%収率)が得られた。ESI−MS m/z:198.2[M+H]
+。
【0696】
1−クロロ−2−シクロプロピル−4−ヨード−5−メトキシベンゼン
4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシアニリン(2.2g、11.05mmol)、濃HCl(12mL)および水(12mL)かなる混合物に、0℃で硝酸ナトリウム(762.8mg、11.05mmol)の水溶液(2.5mL)を滴下して加えた。0℃で15分間、撹拌した後、KI(1.83g、11.05mmol)の水溶液(5mL)を滴下して加えた。得られた混合物を室温で4時間、撹拌し、水(20mL)に注ぎ入れて、次にジクロロメタンにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜10%酢酸エチル/石油エーテル)により精製すると、所望の生成物(680mg、20%収率)が固体として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.37 (s, 1H), 7.08 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 2.00 (m, 1H), 0.89 (m, 2H), 0.65 (m, 1H).
【0697】
(E)−1−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン
DMF(7mL)中の1−クロロ−2−シクロプロピル−4−ヨード−5−メトキシベンゼン(300mg、0.974mmol)、tert−ブチル3−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(431mg、1.46mmol)、Pd(OAc)
2(54.6mg、0.243mmol)、酢酸ナトリウム(239mg、2.92mmol)、塩化テトラブチルアンモニウム(539mg、1.95mmol)からなる混合物を、100℃で24時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮し、シリカゲルにより精製(ジクロロメタン/メタノール=40:1)すると、所望の生成物が得られた(350mg、84%収率)。ESI−MS m/z:476.2[M+H]
+。
【0698】
(E)−1−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン(V−62)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、(E)−1−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オンから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 10.3 (s, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.22 (m, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.34 (dd, J=10.5, 16.9Hz, 1H), 6.12 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 5.66 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 4.26 (m, 1H), 4.08 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 3.79 (m, 1H), 3.69 (m, 2H), 3.58 (m, 2H), 3.18 (m, 1H), 2.33 (m, 4H), 1.99 (m, 1H), 0.92 (m, 2H), 0.73 (m, 2H).ESI−MS m/z:416[M+H]
+。
【0699】
(実施例52)
【化152】
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【0700】
2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)チオ)酢酸メチル
【0701】
アルゴン下、NMP(8mL)中の1−クロロ−2−シクロプロピル−4−ヨード−5−メトキシベンゼン(380mg、1.23mmol)、Pd
2(dba)
3(56mg、0.061mmol)、2−メルカプト酢酸メチル(196mg、1.85mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(136mg、0.246mmol)、Et
3N(372mg、3.69mmol)からなる混合物を、80℃で24時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1)により精製すると、所望の生成物(340mg、92%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.05 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 3.84 (s, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 2.00 (m, 1H), 0.94 (m, 2H), 0.64 (m, 2H).
【0702】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニルチオ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−65)
表題化合物は、実施例40において記載されている手順に従い、2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)チオ)酢酸メチルから4工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.03 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.31 (dd, J=10.5, 16.9Hz, 1H), 6.11 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 5.68 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 4.25 (m, 1H), 4.04 (m, 1H), 3.88 (s, 2H) 3.81 (s, 3H), 3.75 (m, 1H), 3.52 (m, 4H), 3.16 (m, 1H), 2.36−2.25 (m, 4H), 2.02 (m, 1H), 0.93 (m, 2H), 0.66 (m, 2H).ESI−MS m/z:450[M+H]
+。
【0703】
(実施例53)
【化153】
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【0704】
(S)−2−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)プロパン酸
アルゴン下、DMF(10mL)中の1−ブロモ−2−クロロ−5−ヨード−4−メトキシベンゼン(3g、8.64mmol)、(S)−2−アミノプロパン酸(769mg、8.64mmol)、CuI(164mg、0.864mmol)、2−ヒドロキシベンズアルデヒドフェニルヒドラゾン(366mg、1.73mmol)、K
3PO
4.3H
2O(4.6g、17.28mmol)からなる混合物を80℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、この溶液にH
2OおよびEt
2Oを加えた。得られた溶液を2相に分配し、水相を分離して、有機層を5%NaOHにより抽出した。合わせた水相を20%HClにより酸性にしてpH4にし、次に、Et
2Oにより抽出した。得られた有機層をMgSO
4で脱水し、真空で濃縮すると、所望の生成物(1.7g、64%収率)が得られた。ESI−MS m/z:306.1[M+H]
−。
【0705】
(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
(S)−2−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)プロパン酸(1.6g、5.21mmol)、tert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(1.88g、7.82mmol)、EDCI.HCl(2.0g、10.42mmol)、HOBt(1.41g、10.42mmol)のDMF(20mL)溶液に、0℃でEt
3N(1.58g、15.63mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間、撹拌し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロエタン=1:50)により精製すると、所望の生成物(2.1g、76%収率)が得られた。ESI−MS m/z:531.3[M+H]
+。
【0706】
((S)−tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
DMF(10mL)およびH
2O(0.5mL)中の(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(700mg、1.32mmol)、シクロプロピルボロン酸(114mg、1.32mmol)、Pd(OAc)
2(15mg、0.066mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(37mg、0.132mmol)、K
3PO
4.3H
2O(974mg、4.62mmol)からなる混合物を、アルゴン下、80℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロエタン=1:100)により精製すると、所望の生成物(400mg、62%)が得られた。ESI−MS m/z:493.2[M+H]
+。
【0707】
(S)−1−(3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−67)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.69 (s, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.29 (dd, J=10.5, 16.9Hz, 1H), 6.12 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 6.05 (s, 1H), 5.68 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 4.84 (m, 1H), 4.61 (m, 1H), 4.24 (m, 1H), 4.06 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 3.78 (m, 4H), 3.55 (m, 1H), 2.43−2.17 (m, 4H), 1.97 (m, 1H), 0.88 (m, 2H), 0.63 (m, 2H).ESI−MS m/z:433.3[M+H]
+。
【0708】
(実施例54)
【化154】
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【0709】
(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−エチル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
【0710】
(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(400mg、0.75mmol)、PdCl
2(dppf)(95mg、0.13mmol)のTHF(20mL)溶液に、室温でEt
2Zn(2.86mL、2.86mmol、ヘキサン中の1.0M)を加えた。アルゴン下、得られた混合物を80℃で4時間撹拌し、次に、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロエタン=1:80)により精製すると、所望の生成物(250mg、69%収率)が得られた。ESI−MS m/z:481.2[M+H]
+。
【0711】
(S)−1−(3−(4−(2−((4−クロロ−5−エチル−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−69)
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−エチル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.61 (s, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.48 (s, 1H), 6.29 (dd, J=10.5, 16.9Hz, 1H), 6.12 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 5.68 (dd, J=1.7, 16.7Hz, 1H), 4.89 (m, 1H), 4.61 (m, 1H), 4.25 (m, 1H), 4.06 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 3.72−3.53 (m, 4H), 3.16 (m, 1H), 2.5 (m, 2H), 2.43−2.17 (m, 4H), 1.21 (dd, 3H), 1.15 (m, 3H).ESI−MS m/z:406.2[M+H]
+。
【0712】
(実施例55)
【化155】
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【0713】
tert−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
【0714】
表題化合物は、実施例38において記載されている手順に従い、tert−ブチル3−メチルピペラジン−1−カルボキシレートから3工程で調製した。
1−(3−(2−メチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン塩酸塩
【0715】
MeOH/HCl(20mL、2.9M)中のtert−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(62mg、0.199mmol)の混合物を室温で1時間、撹拌した。この混合物を真空で濃縮すると、粗生成物(59mg)が得られた。この粗生成物をさらに精製することなく、次の工程に直接使用した。
【0716】
1−(3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)アセチル)−2−メチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−60)
乾燥THF(30mL)中の2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)酢酸(30mg、0.124mmol)およびNMM(50mg、0.496mmol)からなる混合物に、−10℃でクロロギ酸エチル(15mg、0.136mmol)を加え、得られた混合物を−10℃で45分間、撹拌した。次に、これを、1−(3−(2−メチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン塩酸塩(37mg、0.149mmol)、Et
3N(50mg、0.496mmol)およびジクロロメタン(3mL)からなる混合物に加えた。得られた混合物を室温で30分間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水してろ過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=40:1)により精製すると、所望の生成物(10mg、18.6%収率)が白色固体として得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 9.65 (s, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.34−6.27 (m, 1H), 6.10−6.07 (m, 2H), 5.68−5.65 (d, J=10.4Hz, 1H), 5.12 (m, 1H), 4.29−4.19 (m, 1H), 4.12−4.10 (m, 1H), 4.08−3.81 (m, 4H), 3.78 (s, 4H), 2.63 (m, 2H), 2.25 (m, 1H), 1.96 (m, 1H), 1.24 (s, 1H), 0.96−0.87 (m, 5H), 0.63 (m, 2H).ESI−MS m/z:433.5[M+H]
+。
【0717】
(実施例56)
【化156】
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【0718】
4−ブロモ−5−クロロ−2−ニトロベンズアミド
【0719】
THF(20mL)中の4−ブロモ−5−クロロ−2−ニトロ安息香酸(1.3g、4.63mmol)、Et
3N(1.4g、13.9mmol)からなる混合物に、0℃でクロロギ酸エチル(1.5g、13.9mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で1時間、撹拌した。次に、NH
3.H
2O(4mL)を加え、0.5時間、撹拌した。この混合物を酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、粗生成物(900mg)が得られた。
2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロベンズアミド
【0720】
AcOH(20mL)および水(5mL)中の4−ブロモ−5−クロロ−2−ニトロベンズアミド(900mg、3.2mmol)の溶液に、70℃でFe粉(900mg、16.1mmol)を加え、得られた混合物を70℃で1時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、氷水に注ぎ入れた。この沈殿物をろ過により採集し、水により洗浄した。この粗生成物を酢酸エチルにより溶解し、ろ過した。このろ液を飽和NaHCO
3溶液およびブラインにより洗浄した。有機層をMgSO
4で脱水し、ろ過して真空で濃縮すると、所望の生成物(770mg、97%収率)が得られた。ESI−MS m/z:250.1[M+H]
+。
【0721】
tert−ブチル3−(4−(2−((5−ブロモ−2−カルバモイル−4−クロロフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
表題化合物は、実施例41において記載されている手順に従い、2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロベンズアミドから3工程で調製した。ESI−MS m/z:532.5[M+H]
+。
【0722】
tert−ブチル3−(4−(2−((2−カルバモイル−4−クロロ−5−シクロプロピルフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
トルエン(10mL)および水(2mL)中のtert−ブチル3−(4−(2−((5−ブロモ−2−カルバモイル−4−クロロフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(350mg、0.66mmol)およびシクロプロピルボロン酸(226mg、2.64mmol)の溶液に、Pd(OAc)
2(15mg、0.07mmol)、PCy
3(37mg、0.132mmol)およびK
3PO
4(487mg、2.31mmol)を加えた。この混合物を80℃で16時間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(1〜5%メタノール/ジクロロエタン)により精製すると、所望の生成物(150mg、46%収率)が固体として得られた。
【0723】
2−((2−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−クロロ−4−シクロプロピルベンズアミド
表題化合物は、実施例17において記載されている手順に従い、tert−ブチル3−(4−(2−((2−カルバモイル−4−クロロ−5−シクロプロピルフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートから2工程で調製した。ESI−MS m/z:446.4[M+H]
+。
【0724】
2−((2−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−クロロ−4−シクロプロピルベンゾニトリル(V−71)
DCM(10mL)中の2−((2−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−クロロ−4−シクロプロピルベンズアミド(30mg、0.067mmol)およびEt
3N(41mg、0.404mmol)からなる混合物に、室温でトリフルオロ酢酸無水物(56mg、0.268mmol)を加えた。得られた混合物を室温で0.5時間、撹拌し、水に注ぎ入れて、次に、ジクロロメタンにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄してNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(1〜4%メタノール/ジクロロエタン)により精製すると、所望の生成物(20mg、72%収率)が得られた。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δ: 7.60 (s, 1H), 6.34−6.30 (m,1H), 6.27 (s, 1H), 6.12−6.07 (m,1H), 6.01−5.99 (t, J=4Hz, 1H), 5.69−5.65 (m, 1H), 4.26−4.22 (m, 1H), 4.07−4.04 (m, 3H), 3.96−3.92 (m, 1H), 3.80−3.76 (m, 1H), 3.53−3.51 (m, 4H), 3.19−3.13 (m, 1H), 2.45−2.30 (m, 4H), 2.16−2.09 (m, 1H), 1.08−1.03 (m, 2H), 0.87−0.80 (m, 2H).ESI−MS m/z:428.4[M+H]
+。
【0725】
(実施例57)
【化157】
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【0726】
2−クロロ−4−メトキシ−1−ビニルベンゼン
【0727】
THF(50mL)中のホスホニウム塩(2.05g、5mmol)の懸濁液に、t−BuOK(0.84g、7.5mmol)を加えた。この混合物が黄色になり、室温で1時間、撹拌を維持した。この混合物に、2−クロロ−4−メトキシベンズアルデヒド(0.85g、5mmol)を加えた。この混合物を24時間撹拌し、飽和NaHCO3により希釈して、次にヘキサンにより抽出した。有機層をNa2SO4で脱水し、ろ過して真空で濃縮した。この残留物をIsolera One(100%ヘキサン)により精製すると、所望の生成物(0.45g、53%収率)が得られた。1H NMR (CDCl3, δ): 7.49 (d, J=6.8Hz, 1H), 7.03 (dd, J=8.8, 14.0Hz, 1H), 6.90 (d, J=2.0, 1H), 6.79 (dd, J=2.0, 6.8Hz, 1H), 5.62 (d, J=14.0Hz, 1H), 5.26 (d, J=8.8Hz, 1H), 3.80 (s, 3H).
【0728】
2−クロロ−1−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−4−メトキシベンゼン
2−クロロ−4−メトキシ−1−ビニルベンゼン(290mg、1.72mmol)の乾燥THF(4mL)溶液を脱気し、次に、TMS−CF3およびNaIを加えた。この混合物を80℃で一晩、撹拌した。TLC(100%ヘキサン)は、反応が完結したことを示した。この混合物をヘキサン(20mL)により希釈した。無機塩をろ過により、除去した。このろ液を真空で濃縮した。残留物をIsolera One(ヘキサン=100%)により精製した。
【0729】
1−クロロ−2−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−5−メトキシ−4−ニトロベンゼン
2−クロロ−1−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−4−メトキシベンゼン(328mg、1.5mmol)のAc2O(2mL)溶液に、0℃でHNO3(10滴)を加えた。この混合物を0℃から室温まで、撹拌した。Ac2Oを真空で除去した。この残留物をDCMにより希釈し、水により洗浄した。有機層をNa2SO4で脱水した。溶媒を真空で除去した。この残留物をIsolera One(EtOAc/ヘキサン=0〜15%)により精製すると、所望の生成物が得られた。1H NMR (CDCl3, δ): 7.77 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 2.78−2.90 (m, 1H), 1.90−1.98 (m, 1H), 1.60−1.68 (m, 1H).ESI−MS m/z:264.1[M+H]
+。
【0730】
4−クロロ−5−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−2−メトキシアニリン
上で得られた1−クロロ−2−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−5−メトキシ−4−ニトロベンゼンをAcOH/i−PrOH(1:5)の共溶媒10mLに溶解した。この混合物にZn末を加えた。この混合物を60℃で30分間、撹拌した。溶媒を真空で除去した。残留物をDCMにより希釈し、無機塩をろ過により除去した。このろ液を濃縮すると、粗生成物が得られ、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0731】
1−(3−(4−((4−クロロ−5−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−2−ヒドロキシフェニル)グリシル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−56)
表題化合物は、実施例41において記載されている手順に従い、4−クロロ−5−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−2−メトキシアニリンから6工程で調製した。
【0732】
1H NMR (CDCl3, δ): 9.90 (s, 1H), 6.73 (s, 1H), 6.40 (s, 1H), 6.30 (dd, J=8.4, 13.6Hz, 1H), 6.10 (dd, J=1.6, 12.0Hz, 1H), 5.66 (dd, J=1.6, 8.4Hz, 1H), 5.18 (t, J=3.2, 3.6Hz, 1H), 4.24 (t, J=6.0, 6.8Hz, 1H), 4.03−4.08 (m, 1H), 3.86−3.97 (m, 3H), 3.74−3.80 (m, 1H), 3.52 (br. s, 4H), 3.13−3.20 (m, 1H), 2.77−2.87 (m, 1H), 2.25−2.43 (m, 4H), 1.87−1.97 (m, 2H).ESI−MS m/z:455.2[M+H]
+。
【0733】
(実施例58)
化合物の生化学アッセイ
試験化合物は、DMSO(Fisherカタログ番号BP−231−100)中の10mM保存溶液として調製した。GDPが搭載されているG12CのKRAS 1−169のhisタグ付きタンパク質を緩衝液(20mM Hepes、150mM NaCl、1mM MgCl2)中で、2μmに希釈した。化合物は以下の通り、活性を試験した。
【0734】
化合物は、96ウェル保存用プレートのDMSO中で、50×の最終試験濃度まで希釈した。化合物の保存溶液は使用前にボルテックスし、なんらかの沈殿の兆候があるかを注意深く観察した。希釈は以下の通りとした。
・ 最終化合物濃度100μMの場合、化合物を5000μM(5μlの10mM化合物保存液+5μlのDMSO)に希釈し、ピペット操作により十分に混合した。
・ 最終化合物濃度30μMの場合、化合物を1500μM(3μlの10mM化合物保存液+17μlのDMSO)に希釈し、ピペット操作により十分に混合した。
・ 最終化合物濃度10μMの場合、化合物を500μM(2μlの10mM化合物保存液+38μlのDMSO)に希釈し、ピペット操作により十分に混合した。
【0735】
タンパク質保存溶液49μlを96ウェルPCR用プレート(Fisherカタログ番号1423027)の各ウェルに加えた。希釈済み50×化合物1μlを12チャンネルピペッターを使用し、上記のPCR用プレートの適切なウェルに加えた。200μlのマルチチャンネルピペッターを使用して、上/下にピペット操作を行うことにより、反応物を注意深く、かつ完全に混合した。このプレートをアルミニウム製プレートシールにより、きっちりと密封し、室温で2時間または24時間、引き出しの中で保管した。次に、DI H2O中の2%ギ酸(Fisherカタログ番号A117)5μlを各ウェルに加え、続いてピペットにより混合した。次に、このプレートをアルミニウム製シールを用いて再密封し、以下に記載されている分析を行うまで、ドライアイス上で保管した。
【0736】
以下の手順に従い、質量分析法により、上記のアッセイ品を分析した。
【0737】
MS機器は、正極性、分解能2GHz、および低質量(1700)モードに設定し、30分間、平衡にした。次に、この機器を較正し、収集モードにスイッチを入れ、適切な方法を読み込んだ。
【0738】
さらに30分間の平衡時間の後、ブランク回分(すなわち、緩衝液)を操作し、機器が適性に作動していることを確認する。試料を37℃で、10分間解凍し、手短に遠心分離にかけて、ベンチトップ上に移す。ウェルA1およびH12を500uMのペプチド内部標準1uLを用いてスパイクし、このプレートを2000×gで5分間、遠心分離にかける。次に、この方法を操作し、個々のウェルの質量をそれぞれ記録する。
【0739】
各ウェルの質量(積算データが望ましい)をプレートマップに貼り付け、分析値からエクスポートする。内部標準の質量を、同様にエクスポートする。50ppmにおけるデータを+19電荷状態について抽出し、ウェルA1の正体(identity)を内部標準のスパイクを使用して帰属して積分する。ピークのデータをTOFリストとしてエクスポートし、+20、21、22、23、24および25の電荷状態について、上記の工程を個別に繰り返す。
【0740】
他のin vitro分析は以下の通りである。
【0741】
細胞成長の阻害:
Ras媒介性細胞成長を阻害する対象化合物の能力は、以下の通り評価して実証する。野生型または変異体のRasを発現する細胞を、白色のクリアボトム96ウェルプレートに、ウェルあたり5,000個の細胞密度でプレート培養する。プレート培養後約2時間、細胞を付着させた後、本明細書において開示されている化合物を添加する。ある時間(例えば、細胞成長の24時間、48時間、または72時間)の後、Cell Titer Glo試薬(Promega)を使用して、製造業者の指示書に従い、ATPの全含有量を測定することにより、細胞増殖を求める。増殖EC50は、100μMから3.2分の1の間隔で低下させた8点の化合物用量応答を分析することにより求める。
【0742】
Ras媒介性シグナル伝達の阻害:
Ras媒介性シグナル伝達の阻害における本明細書において開示されている化合物の能力は、以下の通り評価して実証する。野生型または変異体Ras(G12C、G12V、またはG12Aなど)を発現する細胞を対象化合物により、またはそれをなし(対照細胞)で処理する。1つまたは複数の対象化合物によるRasシグナル伝達の阻害は、対照細胞と比較した、1つまたは複数の対象化合物により処理した細胞における、リン酸化MEKおよび/またはRaf結合の定常状態レベルの低下により実証される。
【0743】
Ras媒介性シグナル伝達の阻害:
Ras媒介性シグナル伝達の阻害における本明細書において開示されている化合物の能力は、以下の通り、評価して実証する。野生型または変異体Ras(G12C、G12VまたはG12Aなど)を発現する細胞を対象化合物により、またはそれをなし(対照細胞)で処理する。1つまたは複数の対象化合物によるRasシグナル伝達の阻害は、対照細胞と比較した、1つまたは複数の対象化合物により処理した細胞における、G12C変異したRasタンパク質への化合物の結合比率により実証される。
【0744】
Ras媒介性シグナル伝達の阻害:
Ras媒介性シグナル伝達の阻害における本明細書において開示されている化合物の能力は、以下の通り、評価して実証する。野生型または変異体Ras(G12C、G12VまたはG12Aなど)を発現する細胞を対象化合物により、またはそれをなし(対照細胞)で処理する。1つまたは複数の対象化合物によるRasシグナル伝達の阻害は、対照細胞と比較した、1つまたは複数の対象化合物により処理した細胞における、下流のシグナル伝達分子(例えば、Raf)へのRas複合体の結合の低下により実証される。
【0745】
表1〜6中の化合物は、上の手順に従って試験した。表5および表6の化合物の結果を、以下に示している。表5および6における化合物はそれぞれ、少なくとも約5%の程度でG12CのKRASに共有結合していることが分かった(すなわち、ウェル中に存在しているタンパク質の少なくとも約5%が、試験化合物に共有結合していることが分かった)。
【表7a】
[この文献は図面を表示できません]
【表7b】
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【表8a】
[この文献は図面を表示できません]
【表8b】
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【0746】
(実施例59)
化合物I−189による細胞増殖の阻害のアッセイ
【0747】
2種のがん細胞系である、NCI H441(G12V変異を含むヒト肺腺癌(adenenocarcinoma)細胞)およびMIA paca−2(G12C変異を含むヒト膵臓癌)をこの実験に使用した。濃度が100μM、30μM、10μMおよび3μMのI−189化合物により両方の細胞系を処理し、分化能を実施例1に記載されている通りに測定した。この実験の結果を
図4に示す。
【0748】
(実施例60)
化合物I−189、I−92およびI−94による細胞増殖阻害の比較
【0749】
これらのSAR検討の結果を
図5に示す。2種のがん細胞系である、NCI H441(G12V変異を含むヒト肺腺癌細胞)およびMIA paca−2(G12C変異を含むヒト膵臓癌)をこの実験に使用した。濃度が100μM、30μM、10μMおよび3μMのI−189化合物により両方の細胞系を処理し、分化能を測定した。化合物I−192およびI−94を用いて、同様の実験を行った。
【0750】
(実施例61)
化合物I−92およびI−95による細胞増殖阻害の比較
【0751】
これらの検討の結果を
図6に示す。2種のがん細胞系である、NCI H441(G12V変異を含むヒト肺腺癌細胞)およびMIA paca−2(G12C変異を含むヒト膵臓癌)をこの実験に使用した。濃度が100μM、30μM、10μMおよび3μMのI−192化合物により両方の細胞系を処理し、分化能を測定した。化合物I−95を用いて、同様の実験を行った。
【0752】
(実施例62)
化合物I−66、I−45およびI−91による細胞増殖阻害の比較
【0753】
これらの検討の結果を
図7に示す。2種のがん細胞系である、NCI H441(G12V変異を含むヒト肺腺癌細胞)およびMIA paca−2(G12C変異を含むヒト膵臓癌)をこの実験に使用した。濃度が100μM、30μM、10μMおよび3μMのI−66化合物により両方の細胞系を処理し、分化能を測定した。化合物I−45およびI−91を用いて、同様の実験を行った。
【0754】
(実施例63)
化合物I−47、I−42およびI−60による細胞増殖阻害の比較
【0755】
これらの検討の結果を
図8に示す。3種の細胞系である、NCI H441(ヒト肺腺癌細胞)、NCI1568(肺腺癌細胞)、およびMIA paca−2(ヒト膵臓癌)をこの実験に使用した。濃度が100μM、30μM、10μMおよび3μMのI−66化合物により両方の細胞系を処理し、分化能を測定した。化合物I−47、I−42およびI−60を用いて、同様の実験を行った。
【0756】
上記の様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。本明細書および/または添付の出願データシートにおいて言及されている、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物のすべてが、本説明とは一致しない程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。実施形態の態様は、必要な場合、様々な特許、出願および刊行物の概念を使用して改変し、やはりさらなる実施形態を提供することができる。
【0757】
2013年3月15日に出願の米国仮特許出願番号第61/852,123号および2013年10月10日に出願の同第61/889,480号は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれている。
【0758】
前記から、本発明の特定の実施形態が、例示を目的として本明細書に記載されているが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされてよいことが理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によるもの以外により限定されるものではない。