(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-519195(P2016-519195A)
(43)【公表日】2016年6月30日
(54)【発明の名称】少なくとも3つのモノマーから作製される無糖の統計的コポリマー
(51)【国際特許分類】
C08F 220/28 20060101AFI20160603BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20160603BHJP
【FI】
C08F220/28
A61K47/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-513021(P2016-513021)
(86)(22)【出願日】2014年5月6日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月15日
(86)【国際出願番号】US2014036991
(87)【国際公開番号】WO2014182713
(87)【国際公開日】20141113
(31)【優先権主張番号】61/819,928
(32)【優先日】2013年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515301281
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミネソタ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】トゥシャー・エス・ナヴァーレ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エム・ティン
(72)【発明者】
【氏名】フランク・エス・ベイツ
(72)【発明者】
【氏名】テレサ・エム・ライニキー
【テーマコード(参考)】
4C076
4J100
【Fターム(参考)】
4C076EE10E
4C076FF15
4J100AL03P
4J100AL08Q
4J100AL08R
4J100AL08S
4J100BA03R
4J100BA10Q
4J100BA15Q
4J100BA16S
4J100FA03
4J100FA04
4J100FA19
4J100JA51
4J100JA53
(57)【要約】
薬学的製剤に使用され得る、式(I)、(II)、(III)、及び(IV)の少なくとも3つのモノマーから作製されるポリマーが本明細書に開示される。これらのポリマーは、炭化水素骨格を含み、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有するモノマーから作製される。本ポリマーを作製する方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリレート由来の骨格を有するポリマーであって、前記ポリマーが、
【化1】
からなる群から選択されるモノマーに由来する少なくとも3つのモノマー単位を含み、
式中、
各出現時に、R
1、R
2、及びR
3が独立して、Hまたはメチルであり、
R
4がHまたはC
1−C
6アルキルであり、
R
6がC
1−C
6アルキルであり、
C
2−C
6ヒドロキシアルキル基が1つまたは2つのOH基を有する、前記ポリマー。
【請求項2】
R1の少なくとも1つの出現がHである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
R2の少なくとも1つの出現がHである、請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
R3の少なくとも1つの出現がHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項5】
R6がC1−C4アルキルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項6】
式(I)、(II)、(III)、及び(IV)からなる群から選択される4つのモノマーを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項7】
式(I)の前記モノマーが、式:
【化2】
を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項8】
式(II)の前記モノマーが、式:
【化3】
を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項9】
式(III)の前記モノマーが、式:
【化4】
またはそれらの組み合わせを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項10】
式(IV)の前記モノマーが、式:
【化5】
またはそれらの組み合わせを有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項11】
前記ポリマーが統計的ポリマーである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項12】
前記少なくとも3つのモノマーを、連鎖移動剤の存在下で、フリーラジカル開始剤で処理することを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の前記ポリマーを作製する方法。
【請求項13】
前記フリーラジカル開始剤がAIBNである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記連鎖移動剤が、以下の式:
【化6】
を有する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の前記ポリマー、及び少なくとも1つの活性薬学的成分を含む薬学的製剤。
【請求項16】
薬物の溶解度を高める方法であって、請求項1〜11のいずれか一項に記載の前記ポリマーで前記薬物を製剤化することを含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの薬物は、低い水溶性を有し、結果として、低い生物学的利用能を有する。これらの薬物の生物学的利用能を高めるために、様々な製剤化技術が使用される。1つの既知の方法は、そのような薬物を、任意に水と混合される有機溶媒中で、エステル化セルロースエーテルなどの薬学的に許容される水溶性ポリマーと組み合わせて溶液を形成し、次いでその溶液を噴霧乾燥することを含む。そのような乾燥製剤は、1)薬物の結晶度を低減させ、それによってその溶解に必要な活性化エネルギーを最小限に抑え、2)薬物分子周辺に親水性条件を確立し、かつ3)薬物の改善された溶解度及び生物学的利用能、すなわち、摂取時の個人によるそのインビボ吸収をもたらす。1つの一般に使用されるエステル化セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートである。残念ながら、既知のポリマーは、歴史的にコーティングなどの他の用途のために設計されていたため、難溶性薬物の溶解度を高めるには理想的に適していないことが多い。
【発明の概要】
【0002】
本発明は、薬物の溶解度を改善するのに好適な新規のポリマーを提供する。本開示のポリマーを、望ましい特性、及び分子間結合の標的可能な長さ尺度を有するように製造することができる。本開示のポリマーはまた、実質的に所定の多成分化学組成及び分子量も有する。
【0003】
したがって、一態様において、アクリレート由来の骨格を有するポリマーであって、該ポリマーが、
【0004】
【化1】
からなる群から選択される少なくとも3つのモノマーに由来するモノマー単位を含み、
式中、
各出現時に、R
1、R
2、及びR
3が独立して、Hまたはメチルであり、
R
4がHまたはC
1−C
6アルキルであり、
R
6がC
1−C
6アルキルであり、
C
2−C
6ヒドロキシアルキル基が1つまたは2つのOH基を有する、ポリマーが本明細書に開示される。
【0005】
ある特定の態様において、本ポリマーは、式(V):
【0006】
【化2】
の化合物に由来するモノマー単位を含まないか、または実質的に含まず、
式中、各R
10は、独立して、H、C
1−C
4アルキル、C
2−C
4アルカノイル、C
2−C
5アルケノイル、−C
1−C
4アルキル−アリール、または−アルカノイルアリールである。
【0007】
別の態様は、アクリレート由来の骨格を有するポリマーであって、
【0008】
【化3】
からなる群から選択されるモノマーに由来する少なくとも3つのモノマー単位を本質的に含み、
式中、
各出現時に、R
1、R
2、及びR
3が独立して、Hまたはメチルであり、
R
4がHまたはC
1−C
6アルキルであり、
R
6がC
1−C
6アルキルであり、
C
2−C
6ヒドロキシアルキル基が1つまたは2つのOH基を有する、ポリマーを開示する。
【0009】
本明細書に開示される別の態様は、前述のポリマーを含む薬学的製剤である。
【0010】
別の態様において、前述のポリマーを作製する方法が本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】アセトキシプロピルアクリレートの
1H NMRスペクトルを示す。
【
図2】p(MA−ran−CEA−ran−HPA−ran−PAA)の
1H NMRスペクトルを示し、メチルアクリレートがMAであり、2−カルボキシエチルアクリレートがCEAであり、2−ヒドロキシプロピルアクリレートがHPAであり、2−アセトキシプロピルアクリレート(2−プロピルアセチルアクリレートとも称される)がPAAである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一態様は、アクリレート由来の骨格を有するポリマーを提供し、該ポリマーは、上に記載される式(I)、(II)、(III)、及び(IV)からなる群から選択されるモノマーに由来する少なくとも3つのモノマー単位を含む。当業者であれば理解するであろうが、本開示のポリマーは、例えば、使用される開始剤及び反応条件によって、異なる末端基を含有し得る。
【0013】
ある特定の実施形態において、ポリマーを構成するモノマー単位は、式(I)、(II)、及び(III)のモノマーを含む。他の実施形態において、ポリマーを構成するモノマー単位は、式(I)、(III)、及び(IV)のモノマーを含む。ある特定の実施形態において、ポリマーを構成するモノマー単位は、式(II)、(III)、及び(IV)のモノマーを含む。他の実施形態において、ポリマーを構成するモノマー単位は、式(I)、(II)、及び(IV)のモノマーを含む。ある特定の実施形態において、ポリマーを構成するモノマー単位は、式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のモノマーを含む。
【0014】
ある特定の実施形態において、上に記載されるポリマーは、少なくとも約50モル%の式(I)、(II)、(III)、または(IV)のモノマーに由来するモノマー単位からなる。他の実施形態において、式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のモノマーから選択されるモノマーに由来するモノマー単位は、本ポリマーの少なくとも約55モル%、または少なくとも約60モル%、または少なくとも約65モル%、または少なくとも約70モル%、または少なくとも約75モル%、または少なくとも約80モル%、または少なくとも約85モル%、または少なくとも約90モル%、または少なくとも約92モル%、または少なくとも約95モル%、または少なくとも約96モル%、または少なくとも約97モル%、または少なくとも約98モル%、または少なくとも約99モル%を構成する。残りのモノマーは、従来のラジカル重合を経る様々な典型的なアルケンモノマーから選択され得、それらは当業者には明らかである。
【0015】
他の実施形態において、本開示は、アクリレート由来の骨格を有するポリマーを提供し、該ポリマーは、上に記載される式(I)、(II)、(III)、及び(IV)からなる群から選択されるモノマーに由来する少なくとも3つのモノマー単位から本質的になる。
【0016】
他の実施形態において、本開示は、アクリレート由来の骨格を有するポリマーを提供し、該ポリマーは、上に記載される式(I)、(II)、(III)、及び(IV)からなる群から選択されるモノマーに由来する少なくとも3つのモノマー単位からなる。
【0017】
一実施形態において、上に記載されるポリマーは、R
1の少なくとも1つの出現がHであり、より好ましくは、R
1の少なくとも2つの出現がHであり、さらにより好ましくは、R
1の少なくとも3つの出現がHである。1つの特に好ましい実施形態において、R
1の全ての出現はHである。別の実施形態において、R
1の全ての出現はメチルである。
【0018】
上の実施形態において、R
2の少なくとも1つの出現はHであり、より好ましくは、R
2の少なくとも2つの出現はHであり、さらにより好ましくは、R
2の少なくとも3つの出現はHである。1つの特に好ましい実施形態において、R
2の全ての出現はHである。別の実施形態において、R
2の全ての出現はメチルである。
【0019】
上の別の実施形態において、R
3の少なくとも1つの出現はHであり、より好ましくは、R
3の少なくとも2つの出現はHであり、さらにより好ましくは、R
3の少なくとも3つの出現はHである。1つの特に好ましい実施形態において、R
3の全ての出現はHである。別の実施形態において、R
3の全ての出現はメチルである。
【0020】
上の別の実施形態において、少なくとも1つのR
4は、HまたはC
1−C
6アルキルである。好ましくは、少なくとも1つのR
4は、HまたはC
1−C
4アルキルである。さらにより好ましくは、少なくとも1つのR
4はHである。別の実施形態において、R
4の全ての出現はHである。あるいは、少なくとも1つのR
4は、C
1−C
4アルキル、またはより好ましくは、C
1−C
3アルキル、C
1−C
2アルキル、または最も好ましくは、メチルである。特に好ましい実施形態において、一方のR
4がメチルであり、もう一方がHである。
【0021】
上の別の実施形態において、R
6は、C
1−C
6アルキルである。より好ましくは、R
6は、C
1−C
4アルキルである。さらにより好ましくは、R
6は、C
1−C
2アルキルである。最も好ましくは、R
6は、メチルである。
【0022】
上記ポリマーの一実施形態において、式(I)のモノマーは、式:
【0024】
上の別の実施形態において、式(II)のモノマー中、(C
2−C
6アルキル)は、直鎖または分岐鎖である。より好ましくは、(C
2−C
6アルキル)基は、(C
2−C
4アルキル)基である。好ましい実施形態において、式(II)のモノマーは、式:
【0026】
上のさらに別の実施形態において、式(III)のモノマー中、(C
2−C
6ヒドロキシアルキル)は、直鎖または分岐鎖である。より好ましくは、(C
2−C
6ヒドロキシアルキル)基は、(C
2−C
4ヒドロキシアルキル)基である。好ましい実施形態において、式(III)のモノマーは、式:
【0027】
【化6】
またはそれらの組み合わせを有する。さらにより好ましくは、式(III)のモノマーは、式:
【0028】
【化7】
またはそれらの組み合わせを有する。
【0029】
上のなおさらに別の実施形態において、式(IV)のモノマー中、(C
2−C
6アルキル)基は、直鎖または分岐鎖である。より好ましくは、(C
2−C
6アルキル)基は、(C
2−C
4アルキル)基である。好ましい実施形態において、式(IV)のモノマーは、式:
【0030】
【化8】
またはそれらの組み合わせを有する。さらにより好ましくは、式(IV)のモノマーは、式:
【0031】
【化9】
またはそれらの組み合わせを有する。上の一実施形態において、本ポリマーは、式(I)及び(II)、(I)及び(III)、または(I)及び(IV)のモノマーを含む。上の別の実施形態において、本ポリマーは、式(II)及び(III)、または(II)及び(IV)のモノマーを含む。上のさらに別の実施形態において、本ポリマーは、式(III)及び(IV)のモノマーを含む。
【0032】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載されるポリマーは、約500〜約500,000g/molの範囲内の分子量を有する。他の実施形態において、分子量は、約750〜約500,000g/mol、または約1,000〜約500,000、または約10,000〜約500,000、または約15,000〜約500,000、または約20,000〜約500,000、または約500〜約200,000g/mol、または約1,000〜約200,000、または約10,000〜約200,000、または約15,000〜約200,000、または約20,000〜約200,000、または約500〜約100,000g/mol、または約1,000〜約100,000、または約10,000〜約100,000、または約15,000〜約100,000、または約20,000〜約100,000、または約1,000〜約50,000、または約10,000〜約50,000、または約15,000〜約50,000、または約20,000〜約50,000、または約10,000〜約40,000、または約15,000〜約40,000、または約20,000〜約40,000、または約500,000未満、または約250,000未満、または約100,000未満、または約75,000未満、または約70,000未満、または約60,000未満、または約50,000未満、または約40,000未満、または約30,000g/mol未満である。一実施形態において、本明細書に記載されるポリマーは、約10,000〜約50,000g/molの分子量を有する。別の実施形態において、本明細書に記載されるポリマーは、約20,000〜約40,000g/molの分子量を有する。当業者であれば、本明細書に記載される方法を考慮して、望ましい分子量を有するポリマーを調製することができる。
【0033】
本開示に従って生成されるポリマーは、統計的コポリマー(SCP)を含む。SCPは、化学組成がその構成成分の相対濃度及び反応性に依存する、2つ以上の単位からなる高分子長鎖である。SCPは、典型的には、明確に定義された形態及び物理的特性を開発するために、特定の組成において望ましい機能性を持つモノマーを含む。したがって、本明細書で使用される場合、「統計的ポリマー」または「統計的コポリマー」という用語は、いくつかの統計法則、例えば、Bernoullian(ゼロ次マルコフ)または一次もしくは二次マルコフに従うコポリマー鎖に沿ってモノマー単位の分布を有するポリマーを意味する。一般に、統計的コポリマーは、1に近い交差反応性比を有するモノマー単位を有する。Bernoullianプロセスを介して形成されるコポリマーは、ランダムに分布する2つのモノマー単位を有し、「ランダムコポリマー」と称される。いくつかの実施形態において、本開示のポリマーは、ランダムコポリマーであり得る。
【0034】
上に記載されるモノマーなどのモノマーが、フリーラジカル重合溶液、乳化重合、塊状重合、ならびに原子移動ラジカル重合、ニトロキシド媒介重合、及び可逆的付加フラグメンテーション連鎖移動重合などのいわゆる制御ラジカル重合を含む様々な方法によって重合され得ることは、当業者には既知である。
【0035】
別の実施形態において、重合組成物を作製する方法は、少なくとも3つのモノマーを、連鎖移動剤の存在下で、フリーラジカル開始剤で処理することを含む。そのような方法の一例は、可逆的付加フラグメンテーション連鎖移動(RAFT)である。
【0036】
フリーラジカル開始剤は、当該技術分野において周知であり、アゾ化合物、ハロゲン、及び有機過酸化物を含む。開始剤の好ましい種類は、アゾ化合物である。好ましいフリーラジカル開始剤の例としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(略称ABCN)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸、及びアゾビスイソブチロニトリル(略称AIBN)が挙げられ、AIBNが特に好ましい。
【0037】
連鎖移動剤は、当該技術分野において既知であり、チオール、ハロカーボン、キサントゲン酸塩、ジチオベンゾアト、ジチオカルバメート、トリチオカーボネートを含む。連鎖移動剤の例としては、ブロモトリクロロメタン、イソオクチル3−メルカプトプロピオン酸、tert−ノニルメルカプタン(異性体の混合物)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオン酸)、4,4′−チオビスベンゼンチオール、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオン酸)、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオアト、シアノメチルドデシルトリチオカーボネート、2−シアノ−2−プロピルベンゾジチオアト、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカーボネート、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸、及び以下の式:
【0038】
【化10】
を有する4−シアノ−4−(プロピルスルファニルチオカルボニル)スルファニルペンタン酸(CPP)が挙げられる。
【0039】
1つの好ましい連鎖移動剤は、CPPである。
【0040】
重合反応を完了するのに必要な時間は、使用される重合方法に依存する。典型的な反応時間は、RAFTを使用する場合、数分〜1週間である。
【0041】
重合反応を完了するために使用される温度は、反応物及び使用される重合プロトコルに依存する。典型的な重合温度は、20℃〜最高で反応に使用される溶媒(複数可)/試薬の沸点である。RAFTを使用する際の典型的な温度は、60〜80℃であり、65〜75℃が好ましい。ニトロキシド媒介重合が使用される場合、最高135℃の温度が使用され得る。
【0042】
重合反応における溶媒の使用は任意である。特許請求される重合組成物の調製に使用され得る例としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、キシレン、1,4−ジオキサン、DMSO、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0043】
結果として生じる物質は、沈殿、揮発性物質の蒸発乾固、透析、分取、クロマトグラフィー、または粉砕などの当該技術分野において既知の方法を用いて精製され得る。
【0044】
別の実施形態において、本明細書に記載される重合組成物及び少なくとも1つの活性薬学的成分を含む薬学的製剤が本明細書に開示される。そのような製剤は、疎水性薬物(例えば、プロブコールフェニトイン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、またはダナゾール)を含有することが多い固体分散体であり、本製剤は、固体状態で薬物結晶化を効果的に阻害し(長期の保存期間及び貯蔵)、溶液状態で迅速な溶解及び過飽和維持を促進する(強化された生物学的利用能)。重合成分を多数の薬物に賦形剤として使用することができる一方、予測される使用は、決定された関係を用いて賦形剤設計及び製剤化を最適化することに重点を置く。この目的は、農業、コーティング、食品技術、個人医療、及び高エネルギー材料を含む、医薬品を超えた活性送達の他の分野に適用可能であり得る。他の賦形剤、滑剤、及び添加剤も、本明細書に開示される製剤中に存在してもよい。
【0045】
別の実施形態において、薬物(活性薬学的成分としても知られる)の溶解度を高める方法が本明細書に開示され、該方法は、本明細書に開示される重合組成物で薬物を製剤化することを含む。
【0046】
ラセミ混合物ならびに分解された(及び部分的に分解された)鏡像体が本明細書に開示される。鏡像体の分解は、当該技術分野において既知であり、キラルクロマトグラフィー、及び分別結晶などの方法を包含する。
【0047】
本明細書に開示される化合物の重水素化された類似体も本開示により企図される。
【0048】
定義
本明細書全体にわたって、別途文脈が要求しない限り、「含む(comprise)」及び「含む(include)」ならびに変異形(例えば、「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含む(includes)」、「含むこと(including)」)は、述べられた構成成分、特徴、要素、もしくは工程、または構成成分、特徴、要素、もしくは工程の群を暗示するが、任意の他の整数もしくは工程、または整数もしくは工程の群の排除は暗示しないことが理解されよう。
【0049】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「その(the)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示物を含む。
【0050】
「アルカノイル」は、式「−C(O)−アルキル」の基である。
【0051】
「アルケノイル」は、式「−C(O)−アルケニル」の基である。
【0052】
「アルカノイルアリール」は、式「−C(O)−アルキル−アリール」の基である。
【0053】
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、別途指定されない限り、1〜20個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味する。アルキルの代表例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、及びn−デシルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの場合、アルキル基中の炭素原子の数は、例えば、C
1−C
6アルキルと識別される。そのような場合、アルキル基は、1〜6個の炭素を有する。
【0054】
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、1〜20個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1つの炭素−炭素二重結合、及び最大2つの炭素−炭素二重結合も含有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味する。アルケニルの代表例としては、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキサニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニル、3−デセニル、及び3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、フェニル(すなわち、単環アリール)、または少なくとも1つのフェニル環もしくは芳香族二環系内に芳香族二環を含有する二環系、または少なくとも1つのフェニル環を含有する多環系を意味する。環は、ナフチル基内などで融合され得るか、またはビフェニルのようにペンダントであってもよい。二環アリールは、アズレニル、ナフチル、またはシクロアルキル、シクロアルケニル、もしくはヘテロシクリルに融合されたフェニルであり得る。二環または多環アリールは、二環もしくは多環系のフェニル部内に含有される任意の炭素原子、またはナフチル、アズレニル、アントラセン、またはピレン環を有する任意の炭素原子を介して親分子部分に結合される。より好ましくは、アリール基は、2つ以下の芳香族環からなる。好ましいアリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インデン、及びアントラセンが挙げられる。より好ましいのは、フェニル及びナフチルである。最も好ましいアリール基は、フェニルである。
【0056】
「ヒドロキシアルキル」は、少なくとも1つ、及び最大3つのOH基で置換されたアルキル基である。より好ましくは、ヒドロキシアルキル基は、2つ以下のOH基で置換される。
【実施例】
【0057】
本開示のポリマーは、以下の実施例によりさらに例証され、それらは、本開示の範囲または趣旨を特定の手順及びそれらの手順に記載される化合物に限定するものと解釈されるべきではない。
【0058】
実施例1:一般的なRAFT方法
RAFT重合プロセスを少なくとも部分的に制御するために、モノマー対間の70℃(DMF中)での相対反応性を測定し、Walling−Briggsモデルによって明確に定義された組成物を合成するのに必要なフィード率を予測した。さらには、Skeistモデルの組み込みが、可能性のある組成ドリフトに対処し、確率プロセスにおける高分子化学構造を制御するための単純なパラダイムを提供した。
【0059】
ポリマー長及び化学組成は、疎水性、水素結合、イオン化性、pH応答、熱応答、及び分解性などの主要な賦形剤パラメータを同時に制御するように調節可能である。
【0060】
0.10〜0.90の範囲のフィードモノマーモル分率で、メチルアクリレート(MA)及び2−アセトキシプロピルアクリレート(2−プロピルアセチルアセテートアクリレートまたはPAAとも称される)のフリーラジカル重合稼働を7回実行した。AIBN濃度を、合計モノマー濃度より1000倍低く維持した。例えば、6回目の稼働では、MA(DMF−d
7中の3M溶液を250μL、0.75mmol)、PAA(DMF−d
7中の3M溶液を83μL、0.25mmol)、及びAIBN(DMF−d
7中の0.1M溶液を10μL、0.001mmol)を乾燥NMR管に装填した。NMR管をゴム製セプタムで閉じた後、乾燥窒素を15分間泡立てて、溶解酸素を除去した。次いでNMR管をポリプロピレン製キャップで蓋をし、高窒素流下において高温テープで密封した。
【0061】
試料を、22℃で、Varian Inova300スペクトロメーター内で、
1H NMRにより分析し、初期モノマーフィードを決定した。次いで、合計モノマー変換率を15%未満に維持しながら、温度を70℃まで上げることによって重合を行った。合計モノマー変換率、及びポリマー中のMAとPAAとのモル比は、MA(3.77ppm)中の3個のメトキシプロトン(−OCH
3)の組み込みをコポリマー(3.72ppm)中の対応するメトキシプロトンと比較し、かつPAA(2.01−2.06ppm)中のアセチルプロトン(−COCH
3)の組み込みをコポリマー(2.07−2.12ppm)中の対応するアセチルプロトンと比較することによって計算した。非線形フィット、F
1=(r
12f
12+f
1f
2)/((r
12f
12+2f
1f
2+r
21f
22)を組成データに適用し、結果として生じる反応性比、r
MA−PAA=0.30、r
PAA−MA=0.81を決定した。
【0062】
実施例2:2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)のアセチル化による2−プロピルアセチルアクリレート(PAA)の合成
【0063】
【化11】
4−ジメチルアミノピリジン(12.22g、100mmol)及び塩化アセチル(7.85g、100mmol)を、200mLのジクロロメタン中の2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)(13.01g、100mmol)の十分に混合された溶液に添加した。この溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を約300mLの水で希釈した。有機層を分離し、150mLの5%塩酸(HCl)及び200mLのブラインで2回洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させ、真空下で蒸発させて、透明無色の液体(16.5g、収率96%)として2−プロピルアセチルアクリレートを得た。
1H NMR(CDCl
3):δ1.26(m、3H、−CH−CH
3);2.04(s、3H、CO−CH
3);4.02〜4.26(m、2H、O−CH
2−)、5.08〜5.24(m、1H、O−CH−CH3);5.78〜5.87(m、1H、=C−H)、6.02〜6.17(m、1H、=C−H);6.34〜6.44(m、1H、=C−H)ppm。アセトキシプロピルアクリレートの
1H NMRスペクトルも
図1に例証する。
【0064】
注記:市販のHPAは、構造異性体2−ヒドロキシプロピルアクリレートと1−メチル−2−ヒドロキシエチルアクリレートとの2:1混合物であった。したがって、アセチル化生成物も混合物であったが、全てのさらなる実験においては、優勢な異性体2−プロピルアセチルアクリレートが推定される。
【0065】
【化12】
ヒドロキシプロピルアクリレート及びアセトキシプロピルアクリレートの構造異性体
【0066】
実施例3:p(MA−stat−CEA−stat−HPA−stat−PAA)の合成
4−シアノ−4−(プロピルスルファニルチオカルボニル)スルファニルペンタン酸(CPP)を、Macromolecules2008,41,8429−8435に報告される文献手順に従って合成した。
【0067】
メチルアクリレート(MA)、2−カルボキシエチルアクリレート(CEA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、及び2−アセトキシプロピルアクリレート(2−プロピルアセチルアセテートアクリレート、またはPAA)の共重合を、開始剤AIBN及び連鎖移動剤CPPでのRAFT重合を用いて実施した。
【0068】
【化13】
【0069】
乾燥50mL丸底フラスコに、DMF溶媒中、全モノマー(MA、CEA、HPA、PAA)、AIBN、及びCPPを装填した。この混合物を密封し、室温で約25分間、不活性窒素下で脱気した。初期試料を取り出してモノマー比フィードを検証し、反応器を、70℃で維持された予熱した撹拌油槽内に沈めた。反応進行を監視するために、一定分量を、
1H NMRによって窒素を充填したシリンジを用いて長期にわたって定期的に取り出した。およそ3時間後、0℃まで冷却し、かつフラスコを空気に開放することによって、重合を反応停止させた。結果として生じたポリマーを、最小限のジクロロメタンと共にジエチルエーテル内に沈殿させた。このプロセスを3回繰り返し、残渣モノマー及びDMFを除去した。沈殿した試料を濾過し、洗浄し、真空下で乾燥させた。全てのポリマーにおいて、分子量及び分散度をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で検証し、定量プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)分光法を用いて化学組成を計算した。
【0070】
1H NMR及びSEC計器を使用してポリマー特性評価を行った。
1H NMR分光法を、22℃で、Varian Inova500スペクトロメーター上で実行した。p(MA−stat−CEA−stat−HPA−stat−PAA)の代表的な
1H NMRスペクトルは、77.4%MA(3.62ppm、3H)、7%CEA(2.63ppm、2H)、7.8%PAA(2.02ppm、3H)、及び7.8%HPA(1.21ppm、3H)を含有し、
図2に示される。ポリマー中の各モノマーの割合は、特徴的モノマープロトン(MAはOCH
3、CEAは−CH
2−COOH、HPAはC−CH
3、PAAはCH
3−CO)組み込みを、1.90ppm(1H、−CH−)及び1.3〜2.0ppm(2H、−CH
2−)でポリマー骨格プロトンと比較することによって計算した。
【0071】
SEC測定を、100〜10,000,000g/molの効果的な分子量を有する物質に好適な孔径を有する、1つのWaters Styragelガードカラム及び3つのWaters Styragelカラム(HR6、HR4、及びHR1)を装備したAgilent1260Infinity液体クロマトグラフィー系上で行った。SECは、254nm(80Hzデータ収集頻度)で監視するAgilent1260Infinity Variable Wavelength Detector、663.6nm(10°〜160°の18の角度)のレーザー波長のWyatt Dawn Heleos II光散乱検出器、及び658nmで動作するT−rEX屈折率検出器を備える。THFを、25℃、1.0mL min
−1で、移動相として泳動させた。
【0072】
以下の試料を本質的に上記の方法に従って作製し、数字は各モノマーのモルパーセントに対応する。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例4:プロブコールの溶解
リン酸緩衝液中の結晶質プロブコールの溶解度が4μg/mLであると決定した。
【0075】
【表2】
【0076】
実施例5:噴霧乾燥条件
噴霧乾燥分散体を、窒素流量12.8slpm、入口温度80℃、溶液流量0.65mL/分で、Bend Research,Incの小型噴霧乾燥機内で、アセトン中の2重量%固体溶液を噴霧することによって生成した。分散体を濾過紙上に収集した。薬物負荷を固体に基づいて計算し、例えば、最終噴霧乾燥分散体中の10%フェニトイン負荷を、アセトン中、1.8重量%ポリマー及び0.2重量%APIの溶液から生成した。
【0077】
【表3】
【0078】
実施例6:溶解データ
プロブコール及びフェニトイン濃度を、HPLCを装備したAgilent1260Infinity Quaternaryを使用して定量化した。HPLCは、逆相EC−C18カラム(Poroshell120、4.6×50mm、2.7μm、Agilent、USA)からなった。移動相は、プロブコールの場合、96:4のアセトニトリル:水であり、フェニトインの場合、40:60のアセトニトリル:水であり、流量は、1.0mL/分であった。10μL一定分量の試料を注入し、カラム流出を、UV検出器(1260Infinity Multiple Wavelength Detector、Agilent)を用いて、プロブコールの場合、241nm(2.90分で溶出)、フェニトインの場合、225nm(1.40分で溶出)で検出した。標準曲線直線性を、少なくとも0.999のr
2値で、0.1〜1000μg/mLまで検証した。
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例示目的のみのためであり、それらを考慮した様々な変形または変更が当業者に提示され、本出願の趣旨及び範囲ならびに添付の特許請求の範囲に組み込まれることが理解されよう。本明細書で引用される全ての刊行物、特許、及び出願は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2016年1月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリレート由来の骨格を有するポリマーであって、前記ポリマーが、
【化1】
からなる群から選択されるモノマーに由来する少なくとも3つのモノマー単位を含み、
式中、
各出現時に、R
1、R
2、及びR
3が独立して、Hまたはメチルであり、
R
4がHまたはC
1−C
6アルキルであり、
R
6がC
1−C
6アルキルであり、
C
2−C
6ヒドロキシアルキル基が1つまたは2つのOH基を有する、前記ポリマー。
【請求項2】
R1またはR2の少なくとも1つの出現がHである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
R3の少なくとも1つの出現がHである、請求項1または2のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項4】
R6がC1−C4アルキルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項5】
式(I)の前記モノマーが、式:
【化2】
を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項6】
式(II)の前記モノマーが、式:
【化3】
を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項7】
式(III)の前記モノマーが、式:
【化4】
またはそれらの組み合わせを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項8】
式(IV)の前記モノマーが、式:
【化5】
またはそれらの組み合わせを有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記ポリマー、及び少なくとも1つの活性薬学的成分を含む薬学的製剤。
【請求項10】
薬物の溶解度を高める方法であって、請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記ポリマーで前記薬物を製剤化することを含む、前記方法。
【国際調査報告】