特表2016-520016(P2016-520016A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-520016(P2016-520016A)
(43)【公表日】2016年7月11日
(54)【発明の名称】厚紙をベースとするユニット
(51)【国際特許分類】
   B62K 3/02 20060101AFI20160613BHJP
   B62K 21/12 20060101ALI20160613BHJP
   B62K 5/06 20060101ALI20160613BHJP
【FI】
   B62K3/02
   B62K21/12
   B62K5/06
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-509599(P2016-509599)
(86)(22)【出願日】2013年10月13日
(85)【翻訳文提出日】2015年10月27日
(86)【国際出願番号】IL2013050823
(87)【国際公開番号】WO2014178038
(87)【国際公開日】20141106
(31)【優先権主張番号】61/818,611
(32)【優先日】2013年5月2日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515104899
【氏名又は名称】アイ.ジー.カートボード テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガフニ、イズハル
【テーマコード(参考)】
3D011
3D013
【Fターム(参考)】
3D011AA01
3D011AD01
3D011AF03
3D011AG03
3D011AL02
3D013CA02
3D013CF02
3D013CG01
(57)【要約】
本発明は、互いに緊密に結合され、第1の面および第2の面を有する成形された厚紙パネルによって構成されている2つ以上の厚紙の層を備える1つまたは複数の略平坦な要素と、2つ以上の長尺部材の周りに巻かれているパネルの包囲部分を備えて、パネルが前記部材に緊密に結合するようにする、少なくとも2つのコア包囲要素とを備えるユニットの中で平坦な要素およびコア包囲要素が互いに一体である、厚紙をベースとするユニットを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚紙をベースとするユニットであって、
互いに緊密に結合され、第1の面および第2の面を有する成形された厚紙パネルによって構成されている2つ以上の厚紙の層を備える1つまたは複数の略平坦な要素と、
2つ以上の長尺部材の周りに巻かれているパネルの包囲部分を備えて、前記パネルが前記部材に緊密に結合するようにする、少なくとも2つのコア包囲要素と
を備え、
前記ユニットの中で前記平坦な要素および前記コア包囲要素が互いに一体である、厚紙をベースとするユニット。
【請求項2】
前記平坦な要素の中の前記厚紙の層が、前記平坦な要素の部分で互いに付着されている、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記長尺部材が、丸みを帯びた断面を有する、請求項1または2に記載のユニット。
【請求項4】
前記長尺部材が、円形断面を有する、請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
前記長尺部材が、木材、厚紙またはプラスチックからできている、請求項1から4のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項6】
前記厚紙パネルが、(i)少なくとも1つの低密度層と、(ii)前記少なくとも1つの低密度層の少なくとも1つの側面を裏打ちする1つまたは複数のライナ厚紙シートとを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項7】
前記少なくとも1つの低密度層が、紙、重質紙、波形厚紙、ハニカム厚紙、または複数のセルまたは空所を画定するように配置された厚紙を備える、請求項6に記載のユニット。
【請求項8】
前記長尺コア包囲要素が、前記厚紙ユニットに向上した剛性および曲げ耐性を与える、請求項1から7のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項9】
前記長尺コア包囲要素が、前記長尺コア包囲要素の縁部を画定する、請求項1から8のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項10】
前記縁部が、丸みを帯びた外部断面形状を有する、請求項9に記載のユニット。
【請求項11】
2つの互いに平行な前記長尺コア包囲要素を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項12】
前記2つの平行な長尺コア包囲要素が、その間に延在する略平坦な構造要素の縁部を画定する、請求項11に記載のユニット。
【請求項13】
前記長尺部材が、前記パネルの中央セグメントと、前記中央セグメントの対向する側部に隣接する第1の側方セグメントおよび第2の側方セグメントとの間をそれぞれ分離する、請求項1から12のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項14】
前記第1の側方セグメントの前記第1の面の1つまたは複数の部分が、前記中央セグメントの前記第1の面の1つまたは複数の部分に付着されている、請求項13に記載のユニット。
【請求項15】
前記第1の側方セグメントの前記第1の面の1つまたは複数の部分、および前記第2の側方セグメントの前記第1の面の1つまたは複数の部分が、前記中央セグメントの前記第1の面の対応する部分に付着されている、請求項13または14に記載のユニット。
【請求項16】
前記長尺部材が、前記パネルの前記第1の面に結合されている、請求項14または15に記載のユニット。
【請求項17】
前記パネルの対向する縁部が、前記側方セグメントの端部で互いに近接している、請求項13から16のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項18】
前記第1の側方セグメントの前記第1の面の1つまたは複数の部分が、前記中央セグメントの前記第1の面の対応する1つまたは複数の部分に付着されており、
前記第2の側方セグメントの前記第2の面の1つまたは複数の部分が、前記中央セグメントの前記第2の面の対応する1つまたは複数の部分に付着されている、請求項13または14に記載のユニット。
【請求項19】
前記平行な長尺部材の一方が、前記パネルの前記第1の面に結合され、
前記平行な長尺部材の他方が、前記パネルの前記第2の面に結合されている、請求項18に記載のユニット。
【請求項20】
前記平坦な要素が、1つまたは複数の空所を備える、請求項1から19のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項21】
前記平行な長尺コア包囲要素に垂直に配向されている1つまたは複数の一体型第2のコア包囲要素を備える、請求項11から20のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項22】
車輪付き装置の部品である、請求項1から21いずれか一項に記載のユニット。
【請求項23】
前記車輪付き装置が、二輪車または三輪車である、請求項22に記載のユニット。
【請求項24】
二輪車または三輪車の部品であり、
(i)前輪および(ii)前記二輪車または三輪車の1つまたは複数の他の部品に取り付けるように構成されている1つの前記平坦な要素を備え、
前記平坦な要素と一体であり、前記二輪車または三輪車のハンドルバーとして構成されているコア包囲要素を備えることを特徴とする、請求項20または21に記載のユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪付き装置(例えば、二輪車または三輪車)などの構造および装置の中で構造要素として使用され得る、実質的または全体的に厚紙でできているユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第11067742号は、人間の乗り手を運搬するために十分頑丈である人力陸上車両を開示する。車両は、パルプにして再利用可能で、細断して再利用可能である材料から構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第11067742号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、主要な構成要素として厚紙から作製され、または厚紙を備える構造を提供する。これは、厚紙が、構造の全重量の典型的には少なくとも80%、85%、90%を構成し、時には少なくとも95%でさえも構成することを意味する。構造は、以下に説明するように、例えば、厚紙の円柱、棒などであることができる厚紙から作製可能であり、あるいは木材またはプラスチックなどの他の軽量材料から作製可能である補強長尺部材を備える。長尺部材は、前記部材の長さ全体または少なくとも主要部分全体で、前記長尺部材に緊密に結合されるように形成される厚紙パネルの部分によって全体的または部分的に包囲される(または巻かれる)。厚紙パネルのいくつかの他の部分は、互いに結合されて、多層厚紙要素を画定する。前記長尺部材は、厚紙パネルの結合された部分と共に一緒にコア包囲要素を形成する。コア包囲要素は、多層平坦要素に配置され、多層平坦要素の縁部を画定して、機能的要素として独自で作用することが可能であり、構造上の補強的重要性などを有することが可能である。本発明の特有の形態の1つは、以下に更に説明するように、少なくとも部分的に、および時には主として、前記長尺コア包囲要素によって与えられる全体的な剛性である。本発明の構造は、例えば二輪車または三輪車など、車輪付き装置のような装置の部分を構成することができる。
【0005】
本発明は、互いに緊密に結合され、第1の面および第2の面を有し成形された厚紙パネルによって構成されている2つ以上の厚紙層をそれぞれ備える1つまたは複数の略平坦な要素を備える厚紙をベースとするユニットを提供する。ユニットは、2つ以上の長尺部材の周りに巻かれているパネルの包囲部分をそれぞれ備える少なくとも2つのコア包囲要素を更に備えて、パネルが前記部材に緊密に結合するようにする。これらの要素は、ユニットの中で互いに一体となっている。
【0006】
一般に、「長尺」という用語は、その要素が、その要素の他の寸法よりもより顕著な長さ寸法を有することを意味する。そのような要素は、「厚紙を備える構造的要素」と題し、2つの米国特許仮出願第61/715,359号明細書および第61/787,229号明細書から優先権を主張する、同時に出願され、本願の権利者が所有するPCT出願(以後、「構造要素PCT出願」)の中に開示されている細長い要素の構造を一般に有することができる。長尺部材(それらの文献には「矩形副構造」と呼ばれる)を有するパネル部分の一方または両方が、構造の他の部品を形成するパネル部分と一体である。
【0007】
「厚紙パネル」という用語は、その長さおよび幅と比較すると実質的に薄い広い表面を有する平坦な、または略平坦な厚紙片を意味する。厚紙パネルは、均一の厚紙片であることができるが、例えば、一体に接着剤で付けられ、またはそうではなく粘着された2つ以上の平坦な厚紙片から作製されて、ユニットの異なる要素に形成される、より大きい厚紙パネルを形成することも更に可能である。
【0008】
「成形された」という用語(または言語学上のその任意の変化)は、厚紙パネルに成形または形状を与える、すなわちパネルをユニット内の最終的な意図される形状に形成するという行為を示すことを意味する。そのような形成ステップには、例えば、長尺部材上方のパネルの部分を包んで、それによってそのように形成された長尺要素のコア包囲構造を得るステップが含まれる。そのような形成ステップは、いくつかの実施形態では、前記平坦な要素の中に空所を画定するステップも更に含むことができる。
【0009】
「一体の」という用語は、異なる要素を形成する際に使用されるパネル部分が、単一の、形成されたパネルのすべての部分であるということを意味する。したがって、例えば、長尺部材に沿って画定された頂点から延在するパネルの2つのスカートを画定する、長尺部材を包囲しているパネル部分の場合、パネルのスカート部分の少なくとも一方または両方が、ユニットの1つまたは複数の他方の要素を画定するパネルの他方の部分の中に延在する。
【0010】
1つまたは複数の厚紙ユニットの要素が、互いに緊密に結合され(例えば、接着剤または他の粘着手段によって互いに付着されている)、第1の面および第2の面を有する成形された厚紙パネルによって構成されている2つ以上の厚紙の層の部分を備える。注記するように、パネルの部分は、2つ以上の長尺部材の周りに巻かれており、パネルが前記部材に緊密に結合するようになって、それによって長尺コア包囲要素を画定する。長尺部材と包囲する厚紙パネルとの間の結合によって形成される、長尺コア包囲要素は、そのような長尺コア包囲要素を含まない同様の厚紙構造の剛性および曲げ耐性と比較して、厚紙構造に向上した剛性および曲げ抵抗を与えることができる。前記長尺コア包囲要素は、平坦な多層(例えば、2層)厚紙ユニットの縁部を画定することができる。典型的には、2つのそのようなコア包囲要素が、その間に延在する略平坦な要素の縁部を画定する。
【0011】
長尺部材(上記に注記するように、厚紙、木材またはプラスチックから作製され得る)は、典型的には丸みを帯びた形状、例えば円形断面(長円形、楕円形などであってよい)を含み、したがって、前記長尺コア包囲要素は典型的には丸みを帯びているが、しかし、適切なダイを使用して、例えば矩形外部横断面形状を有する他の形状に成形されることができる。
【0012】
本発明は、PCT出願の構造要素の特徴、ならびに「厚紙をベースとする構造」と題し、その関連する内容を本明細書に参照によって組み込む米国特許仮出願第61/787,292号明細書から優先権を主張する、別の同時に出願され、本願の権利者が所有するPCT出願の構造要素の特徴と共通のいくつかの特徴を実施する。
【0013】
本発明の厚紙をベースとするユニットは、前記長尺コア包囲要素に垂直な3点または4点曲げ強度を含み、その曲げ強度は、そのような長尺コア包囲要素がない2層厚紙構造の強度よりも著しく大きい。「著しく大きい」という用語は、その強度が、長尺部材がない、補強部材または規則的2層厚紙構造のいずれの強度よりも少なくとも2倍、5倍、時には少なくとも10倍大きいということを意味する。この曲げ耐性に関するいくつかの説明、およびパラメータをPCT出願の構造要素の中に見られ、その内容は上記に注記するように、その関連する部分について参照によって本明細書に組み込まれる。
【0014】
厚紙パネルは、例えば、その間に複数の空所を画定する波形の、縦溝付き、またはそうではなくゆるく詰まった紙シートまたはストリップによって形成される複数のセルまたは空所を画定するように配置されている紙、重質紙または厚紙(参照を容易にするために、「紙」という用語が、集合的に紙、重質紙または厚紙を呼ぶために以後使用される)でできている(i)少なくとも1つの低密度層を備え、(ii)低密度層の一方の側面または両方の側面で裏打ちされた1つまたは複数のライナ厚紙シート(すなわち、低密度層をライナの間に挟む)を備える種類の厚紙から成ることができる。そのような厚紙パネルの実施例は、「波形厚紙」として公知であり、縦溝付または波形の紙パネル、またはストリップ、および縦溝付または波形の紙の一方の側面または両方の側面(すなわち挟んでいる)の1つまたは2つの平坦なライナボードから成り、「ハニカム厚紙」と呼ぶこともできる。そのような材料は、箱および出荷用梱包の製造で広く使用されている。波形またはハニカム厚紙パネルは、単層または多層厚紙パネルであることができる。これらの用語は、単一の厚い紙パネルの簡単な配置から複数の波形またはハニカムおよび他の層を特徴とする複雑な構成までの範囲に亘る様々な強度の重質厚紙を包含することを更に意味する。
【0015】
一実施形態によれば、厚紙をベースとするユニットは、対応する平行な長尺部材によって形成される、2つの第1の互いに平行である長尺コア包囲要素を備える。そのような第1の長尺コア包囲要素は、その間に延在する第1の略平坦な要素の縁部を画定する。第1の長尺コア包囲要素は、対応する第1の平行な長尺部材に結合されている。前記第1の長尺部材は、元の厚紙パネルの中央セグメントと、中央セグメントに隣接する第1の側方セグメントおよび第2の側方セグメントの一方との間をそれぞれ分離することが可能であり、以前はパネルの部分であった2つのセグメントが、長尺部材の上方に巻かれて、一体に2層の要素を形成する。
【0016】
一実施形態によれば、第1の側方セグメントの第1の面の1つまたは複数の部分が、中央セグメントの第1の面の1つまたは複数の部分に(形成された構造の反対側)付着されている。別の実施例では、第1の側方セグメントの第1の面の1つまたは複数の部分、および2つの第2の側方セグメントの第1の面の1つまたは複数の部分が、両方とも中央セグメントの第1の面の対応する部分に付着されている。
【0017】
上記の段落に定義される実施形態による少なくとも2つの平行な長尺部材が、パネルの第1の面に結合される。側方セグメントの端部の縁部である、元のパネルの反対側の縁部が互いに近接するように、典型的に構造は形成される。このようにして、閉ループ構造がパネルによって形成され、第1の長尺コア包囲要素が、そのようなループの先端を画定する。
【0018】
別の実施例では、閉ループ構造を形成するのではなく、厚紙は、反対側に配向された折り重ねによって「S」字形に概ね類似する形態に折り重ねられる。そのような構成では、第1の側方セグメントの第1の面の1つまたは複数の部分が、中央セグメントの第1の面の対応する1つまたは複数の部分に付着されており、一方、中央セグメントの第2の面の対応する1つまたは複数の部分が、第2の側方セグメントの第2の面の対応する1つまたは複数の部分に付着されている。この構成では、第1の平行な長尺コア包囲要素内の長尺部材が、一方はパネルの第1の面に結合され、他方はパネルの第2の面に結合される。
【0019】
一実施形態によれば、そのような平坦な厚紙片は、表面全体の上に完全な厚紙多層構造を含む形態で略矩形である。別の実施形態では、例えば、多層厚紙要素からの切り抜きによって、または元の厚紙パネルを適切に形成することによって、この平坦な厚紙要素の中に1つまたは複数の空所が画定され、それが装飾的または機能的な重要性を有することができる。
【0020】
一実施形態では、厚紙をベースとするユニットが、1つまたは複数の一体の第2の長尺コア包囲要素(前記第1の長尺コア包囲要素に垂直に配向されている、長尺部材の周りに包まれる厚紙パネルの部分によって形成される)を備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、厚紙をベースとするユニットは、二輪車または三輪車などの車輪付き装置の部品である。そのような実施形態のユニットは、(i)前輪および(ii)二輪車または三輪車の1つまたは複数の他の部品に取り付けるように構成されている、平行な第1の長尺要素の間に形成される1つの平坦な要素を備えることができ、第1の要素に垂直であり、平坦な要素と一体であり、二輪車または三輪車のハンドルバーとして構成されている第2の長尺要素を備える。平坦な片は、典型的には、(i)前輪および(ii)二輪車または三輪車の1つまたは複数の他の部品に結合する機能を有する空所と共に構成される。
【0022】
本明細書に開示される主題をよりよく理解するために、およびその主題が実際に実施される方法を例示するために、次に実施形態が、添付の図面を参照して非限定的な実施例だけによって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】本発明の実施形態による厚紙をベースとするユニットの製造方法の概略図である。
図1B】本発明の実施形態による厚紙をベースとするユニットの概略斜視図である。
図1C】本発明の実施形態による厚紙をベースとするユニットの上面図である。
図2A】本発明の別の実施形態による厚紙をベースとするユニットの製造方法の概略図である。
図2B】本発明の別の実施形態による厚紙をベースとするユニットの概略斜視図である。
図2C】本発明の別の実施形態による厚紙をベースとするユニットの上面図である。
図3A】本発明の別の実施形態による厚紙をベースとするユニットの製造方法の概略図である。
図3B】本発明の別の実施形態による厚紙をベースとするユニットの図である。
図3C図3Bのユニットの側面図である。
図4】全体的な形状が図3Bに類似し、いくつかの機能的切り抜きを含む、本発明の別の実施形態による厚紙をベースとするユニットの正面図である。
図5A】本発明の別の実施形態による厚紙をベースとするユニットの形成前に、切り抜かれるためにマークされたセグメントを含む厚紙パネルの正面図である。
図5B】セグメントが切り抜かれた、長尺部材の配置後の図5Aのパネルの図である。
図5C図5Bのパネルから形成された厚紙をベースとするユニットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次いで、本発明を添付の図面の中で概略的に示される複数の実施形態を参照して以下に説明する。以下の説明では、図1(すなわち図1A図1Bおよび図1C)は一実施形態に関連し、図2図3図4および図5はそれぞれ、異なる実施形態に関連する。これらの実施形態の異なる構成要素は、それぞれ3桁の数字によって示されており、最初の桁は、それらが現れる図面によって与えられ(例えば、図1ではすべての符号が「1」で始まり、一方、図2では符号「2」で始まる)、一方で後の2桁は、構成要素に特定のものである。異なる図面の中で同じ構成要素は、同じ後の2桁を有する3桁の符号によって示されている。例として、図1Aおよび図1Bの中の構成要素102は、図2Aおよび図2Bの中の構成要素202と同じ(同様の機能を有する)である。そのような構成要素は、そのたびごとに説明しないが、読み手は他の実施形態の対応する構成要素の説明を考察するよう注意を向けられたい。
【0025】
図示の目的のために、いくつかの寸法は比率通りに描かれていないことに留意されたい。実施例として、いくつかの図面の中で、厚紙パネルが示されており、その厚紙パネルから厚紙をベースとするユニットが作製される。パネルは、本発明に従って使用される実際のパネルの少なくとも何らかの厚さの比率通りではない厚さを有するように図示されている。比率通りはない厚さは、図示の目的のためだけであり、仮に比率通りに図示されていれば、図面の中で見ることがより困難になっていた可能性がある。
【0026】
最初に図1Aを参照すると、図1Aは、対向する縁部110、112から等距離で、パネル100の第1の面140上の対応する平行な線106、108(線106、108は実際のパネルの中には存在しない想像上の線である)上に配置されている2つの長尺部材102、104に結合されている厚紙パネル100を示している。互いに平行である長尺部材102、104は、それぞれパネルの各側方部分114と中央部分118との間、および側方部分116と中央部分118との間を分離する。
【0027】
本発明の実施形態による厚紙をベースとするユニットを形成するために、パネル100は、矢印106A、108Aによって示されるように線106、108に沿って折り畳まれて、線106、108に沿って隣接する部分120、122が、長尺部材102、104の周りを巻き、緊密に包囲し、図1B図1Cの中で見られるように、最終的に形成されたユニットの中で部分114、116が、例えば接着剤の使用によって、それらの第1の面で部分118の第1の面に結合されるようになる。
【0028】
図1Bおよび図1Cの中で示される形成されたユニットでは、2つの要素の間に延在する平坦な2層要素134を用いてユニットの縁部を画定する、2つの平行な長尺コア包囲要素130、132という2つの要素を確認することができる。更に、この実施形態では、パネル縁部110、112が、互いに近接する状態になっている。このようにして、形成された厚紙パネルは、2つの長尺部材の周りに閉ループ構成を画定する。
【0029】
この実施形態の長尺部材102、104は、および以下に説明する長尺部材は、円形断面を有する。いくつかの実施形態では、それらは他の丸い断面、例えば、長円形、楕円形断面を有することができる。
【0030】
長尺コア包囲要素130、132は、以下に説明する実施形態の他の長尺コア包囲要素と同様に、形成工程の結果である丸みを帯びた縁部を有する。しかし、適切なダイまたは鋳型の使用によって、縁部はプレス成形されて、例えば矩形など、他の形態を有することができる。厚紙パネルは、一実施形態によれば、波形またはハニカム厚紙パネルであることができる。しかし、本発明は、この種の厚紙パネルに限定されるのではない。
【0031】
次いで、図2Aから図2Cを参照すると、図2Aから図2Cは、別の実施形態(図2Bおよび図2C)によるユニット、およびそのようなユニットを形成する方法(図2A)を図示する。図1Aから図1Cの実施形態から明らかなように、図2Aから図2Cの実施形態によれば、厚紙パネルは、閉ループではなく、「S」字形に類似する形状に形成される。
【0032】
図2Aから図2Cの実施形態の説明では、説明を容易にするために、第1の面240および第2の反対側の面242と示されているパネルの2つの対向する面を参照することにする。
【0033】
図2Aの中で分かるように、長尺部材202は、第1の面240(縁部210に平行な線206に沿って配置されている)に結合され、長尺部材204(長尺部材202に平行な)は、第2の面242(縁部212に平行な線208に沿って配置されている)に結合されている。
【0034】
図2Aに図示するように、線206、208は、概ね同じ幅の3つの部分を画定し、2つの側方部分214、216、および中央部分218を含む。矢印206Aによって示されている方向に線206に沿ってパネル200を折り重ね、および矢印208Aによって示されている反対方向に線208に沿ってパネル200を折り重ねることによって、パネル200が形成される。図2B図2Cに見られる、最終的にそのようにして形成された厚紙をベースとするユニットが、全体に略平坦な3層要素234の対向する端部に2つの平行な長尺コア包囲要素230、232を有する。
【0035】
図1Aから図2Cの2つの実施形態では、上述のように、平行な長尺部材102、104および202、204(長尺コア包囲要素130、132および230、232に対応する)が、元の厚紙パネルの全長に延在し、したがって、形成された厚紙をベースとするユニットの全長に沿って延在する。しかし、実施形態の中には、そのような部材は、部分的な長さにだけ、典型的にはパネルの長さのほとんどに延在することができるものもある。別の実施形態によれば、前記長尺コア包囲要素の中に単一の長尺部材ではなく、同じ軸線に沿って配置される2つ以上の長尺部材を長尺要素の内部に備えることが可能である。言い換えれば、この場合、長尺部材は、そのすべてが同じ長さまたは異なる長さであることができる複数の個々のセグメントによって画定される。1つのセグメントの端部が別のセグメントの端部に隣接するように、またはそのようなセグメントが時には互いから離隔配置され得るように、そのようなセグメントは配置され得る。異なるセグメントは、同一または異なる材料から作製され得る。そのようなセグメントは典型的には同じ断面形状を有するが、時にはそれらは異なる断面形状を有することができる。
【0036】
別の厚紙をベースとするユニットおよびそれが形成される方法が、図3Aから図3Cの中に示されており、それは以前に説明した実施形態の設計よりもいくらか複雑な設計を有する。
【0037】
次いで、図3Aを参照すると、厚紙パネル300および3つの長尺部材302、304、350を見ることができる。長尺部材302、304は、互いに対して、および縁部310、312に対して平行に、線306、308に沿って配置され、長尺部材350は、縁部358に平行に配置され、すなわち長尺部材302、304に対して垂直に配向されている。厚紙パネル300は、各縁部310、312から各線306、308まで縁部358に平行に延在する線306B、308Bに沿って切断される。
【0038】
線306、308と各切断部306B、308Bとの間に画定される側方部分314、316が、図1Aに関して説明されるのと同様の方法で、矢印306A、308Aの方向に折り重ねられて、図3Bに示されるユニットの中に、その縁部で2つの平行な長尺コア包囲要素330、332の間に画定される2層の要素を備える垂直構造370を最終的に形成する。次いで、線352と縁部358との間に画定される厚紙パネルの頂部354が、線352に沿って矢印352Aの方向に、長尺部材350の上方に折り重ねられて、横の長尺コア包囲要素372を形成する。図3Cに最もよく分かるように、要素372から下に延在する厚紙パネル部分は、構造370の中のパネルの中央部分と一体である。
【0039】
次いで、図4を参照すると、図4は本発明の別の実施形態による厚紙をベースとするユニットを示し、図3Bおよび図3Cに示されるような全体的形状を有する。分かるように、図4は、図3Bのユニットを形成する後に切り抜くことができる2つの切り抜き空所476、478を有する点で、図3Bとは異なる。ユニットは、三輪車の正面要素として機能することができ、切り抜き478は三輪車の前輪を収容し、要素470の底部に埋設される車軸ホルダを通って車輪が受けられ(この図面には図示されないが、以下に更に詳しく説明される)、一方、切り抜き478は、要素470の中に埋設される、垂直な車軸受け口を経て三輪車の後部に接合されている(図示されないが、図5B、5Cの中で説明される)。
【0040】
図4のユニットからの何らかの相違では、切り抜きがパネルの中に予め形成されることも可能である。これは図5に図示されている。図5Aに見られる厚紙パネル500は、全体的に矩形を有するが、斜線で描かれているいくつかの部分は切り抜かれて、図5Bに示す予め形成されたパネルを生成する。
【0041】
図3Aの場合と同様に、長尺部材502、504が、平行で、垂直な線506、508に沿って配置され、別の長尺部材550が、線506、508に垂直な線552に沿って配置されている。短い車軸受け口580、582が、底部端部518A、518Bに近接して配置され、切り抜き578の2つの側部で画定されており、切り抜き578の2つの側部は、三輪車の前輪の車軸の各端部を受けるための典型的には中空のプラスチック製チューブセグメントである。2つの垂直なセグメント584、586が第1の面に更に配置され、セグメント584、586もまた中空のプラスチック製チューブであり、三輪車の主本体に接合するために機能することができる。次いで、予め形成されたパネルは、長尺部材の周りに矢印506A、508A、552Aによって示す方向に折り重ねられ、次いで対向する厚紙の面を互いに接着した後、図5Cに示す厚紙をベースとするユニットが形成される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
【手続補正書】
【提出日】2015年6月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪付き装置の一部である厚紙をベースとする構造的なユニットであって、
1つまたは複数の略平坦な要素であって、該略平坦な要素の各々が、互いに緊密に結合され、第1の面および第2の面を有する成形された厚紙パネルによって構成されている2つ以上の厚紙の層を備える、前記略平坦な要素を備え、
前記ユニットは略平坦であり、
各平坦な要素が、該平坦な要素と一体となった2つの長尺コア包囲要素を備え、該2つの長尺コア包囲要素の各々は、(i)前記ユニットの縁部を画定し、(ii)少なくとも1つの長尺部材の周りに巻かれているパネルの包囲部分を備えて、前記パネルの巻かれている部分が前記少なくとも1つの長尺部材に緊密に結合するようにされ
前記長尺部材が、(a)前記パネルの中央セグメントと、(b)前記中央セグメントの対向する側部に隣接する、前記パネルの第1および第2の側方セグメントとの間をそれぞれ分離し、
前記長尺コア包囲要素が、前記厚紙ユニットに向上した剛性および曲げ耐性を与える、前記厚紙をベースとするユニット。
【請求項2】
前記平坦な要素の中の前記厚紙の層が、前記平坦な要素の部分で互いに付着されている、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記長尺部材が、丸みを帯びた断面を有する、請求項1または2に記載のユニット。
【請求項4】
前記長尺部材が、円形断面を有する、請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
前記長尺部材が、木材、厚紙またはプラスチックからできている、請求項1から4のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項6】
前記厚紙パネルが、(i)少なくとも1つの低密度層と、(ii)前記少なくとも1つの低密度層の少なくとも1つの側面を裏打ちする1つまたは複数のライナ厚紙シートとを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項7】
前記少なくとも1つの低密度層が、紙、重質紙、波形厚紙、ハニカム厚紙、または複数のセルまたは空所を画定するように配置された厚紙を備える、請求項6に記載のユニット。
【請求項8】
前記縁部が、丸みを帯びた外部断面形状を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項9】
2つの互いに平行な前記長尺コア包囲要素を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のユニット。
【請求項10】
前記2つの平行な長尺コア包囲要素が、その間に延在する略平坦な構造要素の縁部を画定する、請求項に記載のユニット。
【請求項11】
前記第1の側方セグメントの前記第1の面の1つまたは複数の部分が、前記中央セグメントの前記第1の面の1つまたは複数の部分に付着されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項12】
前記第1の側方セグメントの前記第1の面の1つまたは複数の部分、および前記第2の側方セグメントの前記第1の面の1つまたは複数の部分が、前記中央セグメントの前記第1の面の対応する部分に付着されている、請求項11に記載のユニット。
【請求項13】
前記長尺部材が、前記パネルの前記第1の面に結合されている、請求項11または12に記載のユニット。
【請求項14】
前記パネルの対向する縁部が、前記側方セグメントの端部で互いに近接している、請求項から13のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項15】
前記第1の側方セグメントの前記第1の面の1つまたは複数の部分が、前記中央セグメントの前記第1の面の対応する1つまたは複数の部分に付着されており、
前記第2の側方セグメントの前記第2の面の1つまたは複数の部分が、前記中央セグメントの前記第2の面の対応する1つまたは複数の部分に付着されている、請求項11に記載のユニット。
【請求項16】
前記平行な長尺部材の一方が、前記パネルの前記第1の面に結合され、
前記平行な長尺部材の他方が、前記パネルの前記第2の面に結合されている、請求項15に記載のユニット。
【請求項17】
前記平坦な要素が、1つまたは複数の空所を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項18】
前記平行な長尺コア包囲要素に垂直に配向されている1つまたは複数の一体型第2のコア包囲要素を備える、請求項から17のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項19】
前記車輪付き装置が、二輪車または三輪車である、請求項1から18のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項20】
二輪車または三輪車の部品であり、
(i)前輪および(ii)前記二輪車または三輪車の1つまたは複数の他の部品に取り付けるように構成されている1つの前記平坦な要素を備え、
前記平坦な要素と一体であり、前記二輪車または三輪車のハンドルバーとして構成されているコア包囲要素を備えることを特徴とする、請求項19に記載のユニット。
【国際調査報告】