(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-520448(P2016-520448A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(54)【発明の名称】オフセット電磁場生成器を伴うカード
(51)【国際特許分類】
B42D 25/369 20140101AFI20160617BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20160617BHJP
G06K 7/08 20060101ALI20160617BHJP
G01R 33/02 20060101ALI20160617BHJP
【FI】
B42D15/10 369
G06K19/06 196
G06K7/08 040
G01R33/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-507008(P2016-507008)
(86)(22)【出願日】2014年4月14日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月8日
(86)【国際出願番号】EP2014057506
(87)【国際公開番号】WO2014167137
(87)【国際公開日】20141016
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2013/057666
(32)【優先日】2013年4月12日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】515281628
【氏名又は名称】カードラブ・アンパルトセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】CardLab ApS
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【弁理士】
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】フィン・ニールセン
(72)【発明者】
【氏名】フィン・シュパイアーマン
【テーマコード(参考)】
2C005
2G017
【Fターム(参考)】
2C005HB01
2C005HB09
2C005JA01
2C005KA15
2G017AA02
2G017AC06
2G017AD02
(57)【要約】
カードとカードリーダとのアセンブリであって、カードリーダは、電磁場を感知する際にカードの所定のカーブを覆って配置されるように、且つ感知された電磁場に関する信号をアウトプットするように、構成されている、読み出しヘッドを含み、カードは、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された少なくとも二つの端部を含む長方形の磁場生成器を含み、端部は、少なくとも1.8mm幅であり、表面の平面上に突起するとき、各端部のエッジがカーブから0.5mm以下に配置され、及び/又はカーブが突起内で端部にオーバーラップしない、ように配置される。カーブは、カードを覆う読み出しヘッドの経路により規定される。カードは、標準的カードに対してずらされた生成器を有し、生成器はカードの直下に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面上で若しくは表面にて、所定のカーブに沿って磁場を設けるように構成されているカードであって、
カードは、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された少なくとも二つの端部を含む長方形の磁場生成器を含み、
端部は、磁場生成器の長手方向に直交する、少なくとも1.8mmの幅を有し、表面の平面上に突起するとき、個々の端部のエッジが所定のカーブから0.5mm以下に配置され、及び/又は、所定のカーブは突起内で端部とオーバーラップしない、
ように配置されている、カード。
【請求項2】
カードは、外部の、少なくとも実質的に真っ直ぐの側面を有し、当該カーブは、前記側面と少なくとも実質的に平行であり、且つ、前記側面から6.9mm〜7.2mmの間に配置されている、直線である、請求項1に記載のカード。
【請求項3】
前記カーブは少なくとも実質的に、表面上の若しくは表面における第1のカーブ端点と第2のカーブ端点との間に延在する直線であり、第1及び第2のカーブ端点が、端部を介して直線上に突出したとき、端部の間に配置されるように、端部は配置される、
請求項1又は2に記載のカード。
【請求項4】
磁場生成器が、コイル内において延在するコア材料を含む、
請求項1〜3のうちのいずれか一に記載のカード。
【請求項5】
前記カードは、表面上の若しくは表面における第2の所定のカーブに沿って更なる電磁場を提供するように構成され、
前記カードは第2の長方形の磁場生成器を含み、
前記第2の長方形の磁場生成器は、自らの長手方向に直交する方向に、少なくとも1.8mmの幅を有する二つの第2の端部を伴い、且つ、更なる電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成されており、
表面の平面上に突起するとき、個々の第2の端部のエッジが第2の所定のカーブから0.5mm以下に配置され、及び/又は、第2の所定のカーブは突起内で第2の端部とオーバーラップしない、
請求項1〜4のうちのいずれか一に記載のカード。
【請求項6】
カードは、外部の、少なくとも実質的に真っ直ぐの側面を有し、第2のカーブは、前記側面と少なくとも実質的に平行であり、且つ、前記側面から10.2mm〜10.5mmの間に配置されている、直線である、請求項5に記載のカード。
【請求項7】
更に、第1及び第2の補償磁場アウトプットを有する補償磁場生成器を含み、
平面上に突起するとき、端部が第2のカーブの一方の側の側面上に設けられ且つ補償磁場アウトプットが第2のカーブの反対側の側面上に設けられるように、端部及び補償磁場アウトプットが配置される、
請求項5又は6に記載のカード。
【請求項8】
カードとカードリーダとのアセンブリであって、
カードリーダは、電磁場を感知する際にカードの所定のカーブを覆って配置されるように、且つ感知された電磁場に関する信号をアウトプットするように、構成されている、読み出しヘッドを含み、
カードは、少なくとも二つの端部を含む長方形の磁場生成器を含み、
前記少なくとも二つの端部は、磁場生成器の長手方向に直交する、少なくとも1.8mmの幅を有し、且つ、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成され、
端部は、表面の平面上に突起するとき、
各端部のエッジがカーブから0.5mm以下に配置され、及び/又は
カーブが突起内で端部にオーバーラップしない、
ように配置される、アセンブリ。
【請求項9】
読み出しヘッドは少なくとも第1及び第2の磁場センサを含み、
第1の磁場センサはカーブに沿って移動するように構成され、第2の磁場センサは第2のカーブに沿って移動するように構成され、
カードは、表面上の若しくは表面における第2のカーブ沿いに更なる電磁場を設けるように構成され、
カードは、二つの第2の端部が更なる電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された、第2の長方形の磁場生成器を含み、
第2の端部は、表面の平面上に突起するとき、
各第2の端部のエッジが第2のカーブから0.5mm以下に配置され、及び/又は
第2のカーブが突起内で第2の端部にオーバーラップしない、
ように配置される、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記方法は、磁場生成器を操作して磁場をアウトプットするステップを含む、
請求項1〜7のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
操作するステップが、磁場生成器を操作して経時変化する磁場をアウトプットするステップを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
カードから読み出しヘッドを含むカードリーダへ情報を伝える方法であって、
前記方法は、
カードの所定のカーブの直ぐ上に読み出しヘッドを配置するステップと、
磁場の少なくとも一部が読み出しヘッドに入り、カードリーダが読み出しヘッドに入る磁場の少なくとも一部に対応する信号をアウトプットするように、カードの磁場生成器を操作して磁場をアウトプットするステップとを含み、
操作するステップは、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された少なくとも二つの端部を含む磁場生成器を操作するステップを含み、
端部は、磁場生成器の長手方向に直交する、少なくとも1.8mmの、幅を有し、
端部は、表面の平面上に突起するとき、
各端部のエッジがカーブから0.5mm以内に配置され、及び/又は
カーブが突起内において端部にオーバーラップしない
ように配置される、方法。
【請求項13】
前記配置するステップは、カードに対して読み出しヘッドを並進するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面上の若しくは表面における所定のカーブに沿って電磁場をアウトプットする若しくは提供するように構成された、クレジットカード、IDカードなどのカードに関する。このタイプのカードは、磁気ストリップ内にエンコードされた信号の一つ若しくはそれ以上のトラックを有する磁気ストリップを伴う古い様式のクレジットカードをエミュレートし得るが、静的磁気ストリップとは異なり、古い様式のクレジット/IDカードのトラック沿いに移動する読み出しヘッドにより感知されるものをエミュレートする変調磁場をアウトプットするための、磁場生成器が提供される。
【背景技術】
【0002】
このタイプのクレジットカードは、例えば、WO01/52204(特許文献1)、EP1326196(特許文献2)、US6325285(特許文献3)、WO01/31577(特許文献4)、WO00/49561(特許文献5)、EP0994439(特許文献6)、US2004/133787(特許文献7)、EP1231562(特許文献8)、US2003/106935(特許文献9)、GB2243235(特許文献10)、US4158433(特許文献11)、DE19648767(特許文献12)、DE19618144(特許文献13)、US5627355(特許文献14)、CA2317642(特許文献15)、US6715679(特許文献16)、CA2317642(特許文献17)、US7278025(特許文献18)、US4829166(特許文献19)、US4825056(特許文献20)、US2002/032657(特許文献21)、RU2062507(特許文献22)、US5563948(特許文献23)、RU2216114(特許文献24)、US6657538(特許文献25)、US4304992(特許文献26)、US2004/0035942(特許文献27)、US2007/0176622(特許文献28)、US6607362(特許文献29)、US2004/0129787(特許文献30)、US2006/0283958(特許文献31)、及び、US2006/0091989(特許文献32)で見られることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO01/52204
【特許文献2】EP1326196
【特許文献3】US6325285
【特許文献4】WO01/31577
【特許文献5】WO00/49561
【特許文献6】EP0994439
【特許文献7】US2004/133787
【特許文献8】EP1231562
【特許文献9】US2003/106935
【特許文献10】GB2243235
【特許文献11】US4158433
【特許文献12】DE19648767
【特許文献13】DE19618144
【特許文献14】US5627355
【特許文献15】CA2317642
【特許文献16】US6715679
【特許文献17】CA2317642
【特許文献18】US7278025
【特許文献19】US4829166
【特許文献20】US4825056
【特許文献21】US2002/032657
【特許文献22】RU2062507
【特許文献23】US5563948
【特許文献24】RU2216114
【特許文献25】US6657538
【特許文献26】US4304992
【特許文献27】US2004/0035942
【特許文献28】US2007/0176622
【特許文献29】US6607362
【特許文献30】US2004/0129787
【特許文献31】US2006/0283958
【特許文献32】US2006/0091989
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の形態は、表面上で若しくは表面にて、所定のカーブに沿って磁場を設けるように構成されているカードに関し、
カードは、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された少なくとも二つの端部を含む長方形の磁場生成器を含み、
端部は、磁場生成器の長手軸に直交する方向で少なくとも1.8mmの幅を有し、表面の平面上に突起するとき、個々の端部のエッジが所定のカーブから0.5mm以下に配置され、及び/又は、所定のカーブは突起内で端部とオーバーラップしない、
ように配置されている。
【0005】
この点において、例えば、バンクカード及びIDカード用に最も広汎に用いられる寸法である、85.60×53.98mm、厚さ0.76mmのISO/IEC7810ID−1で定義された、クレジットカードと同じ寸法を、カードは有し得る。現在のカードは、エントランスコントロール、資金振替、バンキングオペレーション、現金引き出しなどに利用される、ATMや他のカードリーダで受けられるように構成されている平坦で薄く長方形のカードであるのが、好ましい。これらのカードリーダは、内部にカード読み出しヘッドが配置されるスロットを介して、カードを通すようにユーザが要求される、スワイプタイプリーダでもよく、ハウジングのスロット内にカードを受けるように構成され、ハウジング内部に設けられたリーダヘッドにカードを自動的に並進させる若しくは移動させる、リーダでもよい。
【0006】
現在のカードは、屈曲可能であり、屈曲可能性や寸法安定性などの、ISO/IEC7810ID−1の他の部分を実現する。この標準は、可燃性、毒性、耐化学薬品性、光及び熱変調の暴露からの耐劣化性、更に、カードの耐久性にも関する。当然ながら、これらの条件も実現されるのが望ましいが、これらの要求は状況により変動し得、よってこれらの条件は、必ずしも実現することを要求され得ない。
【0007】
当然ながら、他のカード形状若しくは寸法は、この標準の他から選択され得、それら他のカード形状若しくは寸法は広く用いられているが、本発明を少しも限定しない。よって、矩形、三角形、円形、楕円形などの、他の形状の、並びに、他の厚み及び他の寸法を伴う、カードは、本発明において等しく用いられる。
【0008】
カードは、カードの表面上の若しくは表面における所定のカーブに沿って電磁場を提供するように構成されている。(34クレーム1)読み出しヘッドがカードの磁気ストリップに沿って且つカーブ上で並進するとき古い様式のクレジットカードの動作をエミュレートすることを意図するものである。しかしながら、差異は存在する。例えば、本発明に係るカードの現下の磁場は、カーブの長さに沿って変動する必要は無い。その代わり、電磁場は経時的に変動するべく形成されてもよく、これにより、読み出しヘッドは、カードに対して移動していても又は静止していても、変動する電磁場を検出し得る。事実、通常、同じ信号及び電磁場は、適時、任意の点にてカーブの全てに亘ってアウトプットされる。よって、カーブに対するリーダの実際の位置は、無関係であっても、殆ど関係が無くても、よい。
【0009】
これらのカーブ若しくはトラックの位置は、前述の寸法を備えるカードに関連して、例えば、ISO7811−2にて定義され得る。
【0010】
この点において、カーブは、主表面もしくは側面の上方から直接見た場合のカードの外側境界の内部などの、カードの境界の内部で、通常開始し終了する。このカーブは、屈曲、V形、U形、S形の形状などの、どんな形状でもよいが、直線が好ましい。通常、この直線は、カードのエッジ若しくは側面に平行であるように選択され若しくは規定される。
【0011】
カーブは、カード表面上に示されてもよく、又は示されなくてもよい。カード表面は通常、カードの最も大きい表面の一つなどの、カードの主要表面であり、ロゴなどのプリントされた情報が設けられることが多い。表面が平坦若しくは平面も多い。
【0012】
カーブは、電磁場が所望され若しくは要求されるカーブである。よって、カーブは、カードにより発せられる磁場を検出するために読み出しヘッド若しくはコイルが直接に覆って、並進されると想定されるカード上のトラックであってもよい。結果として、カーブは、リーダにより、若しくは、カードと読み出しヘッド/コイルとの相対位置を規定する標準により、規定され若しくは指示される。
【0013】
カードは細長若しくは長方形の磁場生成器を有する。この点において、磁場生成器の最も大きな寸法(長手方向の軸)が例えば最も長い寸法の軸(長手方向の軸)に直交する最も大きな寸法のサイズの2倍よりも長い場合、磁場生成器は長方形である。磁場生成器は直線であり得、又は屈曲、V形、U形、S形の形状などの、任意の他の形状を有し得る。
【0014】
この点において、磁場生成器は、電磁場をアウトプットするように構成された、若しくはアウトプットできる、素子若しくはデバイスである。通常の磁場生成器は、電気信号を電磁場へ変換するのに適したコイルを含む。コイルは所望であれば内にコアを備えてもよい。当然ながら、このコイルは、複数のコイルによって、又は電気信号若しくは光学信号を電磁信号に変換するように構成された一つ若しくはそれ以上の他の要素によって、置換され得る。後者の状況では、複数のコイルは、カード平面に少なくとも実質的に平行な長手方向軸を有し、コイルの列又は行を形成するのが好ましい。
【0015】
好ましくは、生成器/コイルは、カードの主要表面の平面に少なくとも実質的に平行な中心軸を有し、又は生成器/コイルは、カード平面に少なくとも実質的に平行な生成器/コイル平面に配置される。
【0016】
磁場生成器は、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された少なくとも2つの端部を有する。コイルは、例えばその端部から電磁場をアウトプットすることとなるが、電磁場はまた、コイルの長さ方向に沿ってアウトプットされ得る。
【0017】
細長の磁場生成器が複数のコイルを含む場合、端部は、コイルの端部、又は複数のコイルの外側若しくは端側のコイルの外側若しくは端側の端部であり得る。端部は、一方で、所望であれば、(複数の)コイルの内部に設けられた一つ若しくはそれ以上のコアの端部であり得る(以下参照のこと)。端部は、磁場生成器の長さの1%の最も端若しくは最も外側などの、10%の最も端若しくは最も外側によって定義され得る。
【0018】
各端部は、突起内にエッジ若しくは一部を有する。このエッジは、長方形の磁場生成器の長手方向に延在する、端部の一部により、又は端部にて、定義され得る。これは、長方形の相対的に長い側面の部分及びコーナにおける部分であり得、ここで相対的に短い側面が端部を定義する。一方で、エッジはカーブに最も近い端部の一部であり得る。
【0019】
端部は、少なくともカーブから0.5mm以下であるとき、生成器の長手軸又は長手方向に直交する少なくとも1.8mmの幅を有する。通常、この幅は、カードの主要表面に平行な方向に沿う。この幅は、少なくとも2mmであり得、また多くの場合およそ2.4mm〜2.5mmであり得る。当然ながら、この幅は、本発明の全ての実施形態において好ましくあり得る。
【0020】
磁場生成器がコイルを含む場合、幅は、その外径であり得、又は存在する場合にはコイルにおけるコア材料の幅であり得る。
【0021】
このエッジは所定のカーブから0.5mm以下に配置され得、このことにより、それがこの小さなサイズである限りにおいて、突起内にて、カーブと端部との間のオーバーラップが可能となる。
【0022】
一方で、端部が、突起内にて、カーブの一つの側面において設けられるように、オーバーラップが存在しなくてもよい。
【0023】
一実施形態において、端部においてのみならず、生成器の長さ方向に沿っても、エッジ又は外側境界は、カーブから0.5mm以下であるか、カーブが、突起内にて、生成器のアウトラインとのオーバーラップを有さないかのいずれかであるという要件を満たし得る。
【0024】
当然ながら、この距離はまた、カード表面と、カーブ上の点が端点に最も近い表面上のカーブ上の直線との間の角度として説明され得る。端点が通常、カード及び表面における若しくは表面上のカーブの内部において提供されるため、この線は通常、カード表面と交差することとなる。この角度は、端点が提供される深さと上記距離との両方を説明することとなる。再び、角度は、90度から十分に異なるとき、端点から読み出しヘッドに入る場の角度のもとで説明することとなる。
【0025】
カードは、電気信号を生成器にアウトプットするように構成されたコントローラを含み、当該電気信号は、生成器において、電磁場に変換され得、当該電磁場は好ましくは、経時的に変動し、またカードからアウトプットされる情報を当該電磁場内に有する。この情報は、標準クレジット/IDカードによってアウトプットされる情報若しくは情報のタイプであり得る。
【0026】
一つの実施形態では、カードは、外部の、少なくとも実質的に真っ直ぐの側面(サイド)を有し、当該カーブは、前記側面から6.9mm〜7.2mmの間に配置されている直線であり得る。これは、ISO・IEC7811−2カードに従ったカードの第1のトラックの位置である。これまで、このカーブの直ぐ下に磁場生成器を提供するために多大の努力がはらわれたが、本発明によればこれは利点ではない。
【0027】
一つの実施形態では、端部は、平面上に突起するとき、所定のカーブから5mm以下で、配置される。この距離は4.5mm以下であり得、例えば4mm以下であり得る。この距離があまりに大きいならば、カーブにおける読み出しヘッドに利用可能な磁場は、不十分でとなり得る。
【0028】
一つの実施形態では、カーブは少なくとも実質的に、表面上の若しくは表面における第1のカーブ端点と第2のカーブ端点との間に延在する直線であり、第1及び第2のカーブ端点が、端部を介して直線上に突起するとき、端部の間に配置されるように、端部は配置される。従って、端部はカーブの最も端の位置のうちのいずれかの側面に設けられ、従って読み出しヘッドがカーブに沿って移動するならば、それは一方の端部から出て且つ他方の端部に向かう磁力線の力を受ける。これは、端部が、一つ若しくはそれ以上のコア材料及び/又は一つ若しくはそれ以上のコイルの端部であるかに関わりがない。
【0029】
一つの実施形態では、磁場生成器は、上述のように、コイル内において延在するコア材料を含む。このコア材料は、又は設けられるならば複数のコア材料は、カードの表面に少なくとも実質的に平行である平面内において延在するのが好ましい。コア材料が使用される場合、それはまた端部の一部を形成する。
【0030】
通常、(複数の)コイルは、当該(複数の)コイルが(複数の)コア材料内で磁場を発生させるために、(複数の)コア材料の周囲に巻かれる。
【0031】
ある状況では、カードは更なる電磁場を設けるように構成され得、当該電磁場は通常、上述の電磁場とは独立しており、表面上の若しくは表面における第2の所定のカーブに沿う。ここで、カードは、上述の幅を有する、更なる電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された、二つの第2の端部を伴う第2の長方形の磁場生成器を含む。また、第2の磁場生成器は第2のコイルを含む。
上記第2の端部は、表面の平面上に突起するとき、
各第2の端部のエッジが第2の所定のカーブから0.5mm以下に配置され、及び/又は
第2所定のカーブが突起内において第2の端部にオーバーラップしないように、
配置される。
【0032】
通常、所定のカーブ及び所定の第2のカーブは平行である。
【0033】
第1の端部と第1のカーブとの相対的な位置に関する考慮は、第2のカーブと第2の端部に関して等しく有効である。
【0034】
好ましい実施形態では、第2のカーブは、まっすぐの側面(サイド)から10.2mmと10.5mmの間の直線であり、これはISO/IEC7811−2標準に従った第2のトラックの位置である。
【0035】
幾つかの状況では、カードは更に第1及び第2の補償磁場アウトプットを有する補償磁場生成器を有することが望ましい。ここで、平面に突起するとき、端部が第2のカーブの一方の側の側面上に設けられ且つ補償磁場アウトプットが第2のカーブの反対側の側面上に設けられるように、端部及び補償磁場アウトプットが配置される。
【0036】
好ましくは、補償磁場アウトプットのみならず、上述の如く同一のタイプの生成器であり得る完全な補償磁場生成器は、突起において、カーブの一方の側に配置され、その結果この生成器によって放出された全ての磁場は、第2のカーブの一方の側から提供される。同様に、好ましくは、カードの完全な磁場生成器は、第2のカーブの他方の側に提供される。
【0037】
補償磁場生成器は、第2のカーブにおいて、第1のカーブにおける使用のために磁場生成器によってアウトプットされる磁場と反対に作用する磁場を出力するために使用され得るが、これはまた、第2のカーブにおいて、相対的に小さな度合い相対的に小さな磁場強度で存在する。従って、補償磁場生成器は、第2のカーブにおいて検出される磁場のこの寄与を除去若しくは相殺するように操作され得る。
【0038】
一般的に、補償磁場生成器は、磁場生成器のために上で与えられたガイドラインに沿って提供され得る。
【0039】
補償磁場生成器の使用に対する代替例若しくは追加例は、読み出しヘッド若しくはコイルからのアウトプットにおいて、第1のカーブにおける使用のために磁場生成器によって出力される信号に対応する信号の、信号の減算であってもよい。
【0040】
更なる代替例若しくは追加例は、第1のカーブにおける使用のための磁場生成器からの磁場を相殺するような方法で、第2の磁場生成器によってアウトプットされる磁場(又はそこに供給される信号)を変更することである。
【0041】
磁場生成器に関して前述の通り、(複数の)補償磁場生成器は、関連するカーブから5mm以下の位置に配置されることもまた望まれる。
【0042】
当然ながら、補償磁場生成器は、描くカーブに対して提供され得る。
【0043】
カードが、信号を一つ若しくはそれ以上の磁場生成器に供給するように構成された信号生成器を含むとき、これはまた、一つ若しくはそれ以上の補償磁場生成器を供給するために使用され得る。
【0044】
本発明の第2の形態は、カードとカードリーダとのアセンブリに関するこのカードリーダは、電磁場を感知する際にカードの所定のカーブを覆って配置されるように、且つ感知された磁場に関する信号をアウトプットするように、構成されている、読み出しヘッドを含み、また少なくとも二つの端部を含む長方形の磁場生成器を含むカードは、上述の幅を有し、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成される。端部は、表面の平面上に突起するとき、
各端部のエッジがカーブから0.5mm以下に配置され、及び/又は
カーブが突起内において端部にオーバーラップしない、
ように配置される。
【0045】
この点において、読み出しヘッドは、感知された/検出された電磁場をアウトプット信号に変換するように構成された読み出しコイル若しくは検出器を含み得、該アウトプット信号は、通常、電気のものであるが、光学、無線ベース、音響信号などでも同様に良好であり得る。
【0046】
この読み出しコイル若しくは読み出しヘッドは、カードに対して、カーブの直上に配置されるように、構成されている。所定のカーブ上にあり得るカーブは、読み出しコイル/ヘッドが直ぐ上で並進され得るカードの一部であり得る。この点において、読み出しヘッド/コイルは、リーダの実際の検出部分であり、例えばハウジングなどを含まない。通常、検出器はコイルである。他の状況において、コイルは磁気回路におけるエアギャップに接続され、ここでこのギャップは磁力線をコイルに導くように構成されている。従って、ギャップはカーブを規定する実際の要素である。カーブは、読み出しコイル又は突起におけるギャップのアウトラインの中心などの所定のポイント、及びカードに関する読み出しヘッドの並進によって、定義される。
【0047】
大抵のカードリーダは元来、カードと読み出しヘッドとの相対的な移動を提供し、若しくは促進し、このことにより、読み出しヘッド若しくは読み出しコイルが、カードのカーブに沿って且つそれらの直上を、移動するように、構成されている。このことは、本発明に係る不利益では無いが、条件でも無い。アウトプットされる磁場を検出する際、読み出しヘッド及び/又は読み出しコイルはカードに対して静止するものであってもよいが、読み出しヘッド/コイルは、カーブの直上に尚配置されるべきである。
【0048】
この点において、読み出しヘッドがカーブの直上に配置されるならば、読み出しヘッドはカーブを覆う。即ち、表面に直交し且つカーブにて表面と交差するラインは、読み出しヘッドと交差する。
【0049】
アセンブリのカードは本発明の第1の態様のカードであり得、ここで所定のカーブは読み出しヘッド/コイル/ギャップの位置によって定義される。
【0050】
一つの状況において、カードは第2の磁場生成器を有し、読み出しヘッドは、少なくとも、感知コイルなどの第1及び第2の磁場センサを含み、ここで第1の磁場センサはカーブを覆って配置されるように構成され、また第2の磁場センサは、上記の第2のカーブであり得る、別のカーブを覆って配置され得る。
【0051】
当然ながら、読み出しヘッドは、第1のセンサにカーブに沿って移動させるように、カードに関して並進され得る。
【0052】
また、読み出しヘッドは所望であれば、発せられた磁場を感知する間、カードの表面に触れ若しくは接触し得る。
【0053】
本発明の第3の形態は、本発明の第1の形態に係るカードから、信号をアウトプットする方法に関し、方法は、磁場生成器を操作して磁場をアウトプットするステップを含む。
【0054】
カーブ、生成器などの前述の記載は、第3の形態に関連して等しく有効である。
【0055】
一つの実施形態では、操作するステップが、磁場生成器を操作して経時変化する磁場をアウトプットするステップを含む。このように、読み出しヘッドは、所望の信号を検出しアウトプットする際、カーブに亘って静止していてもよいし、カーブに亘って又は沿って、どんな所望のスピードでも動いてもよい。
【0056】
本発明の最後の形態は、カードから読み出しヘッドを含むカードリーダへ情報を伝える方法に関し、前記方法は、
カードの所定のカーブの直ぐ上に読み出しヘッドを配置するステップと、
磁場の少なくとも一部が読み出しヘッドに入り、カードリーダが読み出しヘッドに入る磁場の少なくとも一部に対応する信号をアウトプットするように、カードの磁場生成器を操作して磁場をアウトプットするステップとを含み、
操作するステップは、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された少なくとも二つの端部を含む磁場生成器を操作するステップを含み、
端部は、前述の幅を有し、
端部は、表面の平面上に突起するとき、
各端部のエッジがカーブから0.5mm以内に配置され、及び/又は
カーブが突起内において端部にオーバーラップしない
ように配置される。
【0057】
読み出しヘッドによって定義されるカーブ、通常、コイル若しくはギャップ、及び上記カーブに等しくあり得るもの、並びに生成器並びに相対的な位置、に関する上記記載は、この形態に関連して等しく有効である。
【0058】
磁場生成器の操作は、電気信号を供給することでもよく、この場合、磁場生成器は電気信号を電磁気信号に変換するように操作される。磁場生成器は、時間依存及び変化を対応する磁場依存及び変化に変換できるのが好ましい。通常の磁場生成器は、内にコア材料を伴うこともある、コイルである。
【0059】
よって、情報は電気信号にエンコードされ得、その信号は生成される磁場にも、よって、読み出しヘッドなどのカードリーダからのアウトプット信号にも、存在する。
【0060】
配置するステップが、前述のように、カードリーダとカードを隣接させるステップを含み得る。一方で、それらの間の距離は、例えば、1mm以下、好ましくは500μm以下、好ましくは250μm以下、例えば100μm以下、でもよい。ヘッドとカードとの間の距離は、操作するステップの間、少なくとも実質的に一定に維持される。
【0061】
操作するステップは、生成器によってアウトプットされた磁場をヘッドが感知するステップを含む。
【0062】
一つの実施形態では、配置するステップは、カードに対して読み出しデバイスを並進することを含み、当該並進は細長部分の位置を定義し、また従って潜在的にカード上の上記カーブを定義する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
以下では、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態を説明する。
【
図1】
図1は、磁気ストリップを伴うクレジットカードを示す。
【
図2】
図2は、磁気カードの個別の磁気トラックの標準位置を示す。
【
図3】
図3は、エンコーダ及びトラックポジションの、相対位置を示す。
【
図4】
図4は、補償コイルを含む、カード上の二つの磁場生成器を示す。
【
図5】
図5は、本発明に係るカードの断面図を示す。
【
図6】
図6は、生成器のカーブ及びは支位置の相対的な配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1では、磁気エリア12が所定の標準位置に配置される標準クレジットカード10が示される。磁気エリア12は通常、磁気的にエンコードされた情報を有する、二つの個別のストリップ若しくは信号トラック121、122を含み得る。これらのストリップ若しくはトラック121、122の位置も標準化されている。
【0065】
ISO/IEC7811−2:2001によると、トラック121は、カード10の最も近い長手側面16に最も近接して位置し(
図2参照)、0.228インチ(5.79mm)だけ離れた、側面16に最も近接するエッジを有する。第1と第2のトラック121/122の間の境界は、エッジ16から0.328インチ(8.33mm)〜0.358インチ(9.09mm)のところにある。第2のトラック122は、エッジ16から0.458インチ(11.63mm)〜0.498インチ(12.65mm)で、延在する。最小限トラック幅は0.100インチ(2.45mm)である。
【0066】
様々なソースが、エッジ16からトラック121、122の中心までの、僅かに異なる中心距離を識別するが、以下の距離が見られる。
エッジ16からトラック121の中心までの距離:(0.228インチ+0.328インチ)/2=0.278インチ(7.06mm)
エッジ16からトラック122の中心までの距離:(0.358インチ+0.458インチ)/2=0.408インチ(10.36mm)
【0067】
当然ながら、トラック121/122は、カード上のどんなカーブに沿っても配置され得る。直線は、リーダに対して直線状のスワイプ若しくは並進を促進するから、直線は好ましい。
【0068】
本発明のカードの好適な実施形態では、一つ若しくはそれ以上の磁気エンコーダ若しくは磁場発生器がカードのトラック位置にて若しくは近傍に配置される。これらのエンコーダは、リーダに対して並進するカードのレガシ磁気ストリップのものをエミュレートする電磁場を生成することができる。
【0069】
図3では、トラックが幅を有する場合に中心線であり得るカーブ121に、望ましくは沿って、好ましくは平行に、コイル22及びコア24を有する、単体のエンコーダ20が設けられている。更に、エンコーダは、カーブの位置に配置される、若しくはカーブの位置の下に配置される、磁場ガイド26を含む。
【0070】
コイル22若しくはコア24の端部20’及び20”は、右部及び左部に最も遠く延在し、更に、生成される電磁場の大部分がアウトプットされ、且つ、周辺部及びカード10により規定されて他方のエンドポイントにまで伝わる、エンドポイントを規定する。
【0071】
本発明によれば、コイル22の端部20’及び20”及び/又はエンコーダ20のコア24は、カーブ121から距離Dにおいて提供される。距離Dは、−0.5mm(すなわち小さなオーバーラップ)から数mmまでであるのが好ましい。好ましくは、距離Dは約2mmであるが、読み出しヘッド(
図5参照)の信号アウトプットの改善は、オーバーラップがあり且つ距離が−0.5mmであるときでさえも、顕著である、ということが発見された。大抵の読み出しヘッドのコイルはトラック121と完全にはアラインされないがこれに関してわずかに角度がつけられるということが発見されたように、読み出しヘッドのコイルにエンコーダ20からの磁力線が入る角度は一般的に、このオフセットだけ改善するということが見出された。距離が、負(オーバーラップ)のとき、エンコーダの端20’/20”の幅の半分でないことが望ましく、そのため特にオーバーラップが存在するとき、エンコーダの端は少なくとも1.8mmの幅を有するのが好ましい。この幅は、所望であれば、より大きいのが好ましい。
【0072】
しかしながら、エンコーダが、実際には、端部の間で磁場をアウトプットするということが見出された。この磁場は、例えば端部20’及び20”の間で見られる磁場強度の変動を補償するために、利用され得る。トラック121に沿った位置において感知される磁場は、端部20’及び20”からの磁場、並びにエンコーダ20の長さに沿ってアウトプットされる磁場の和であり、従って、トラック121の中央においてわずかに大きい場合がある。従って、ある実施形態では、コア22/コイル24は、トラック121から離れて、トラック121に沿って感知される磁場強度が同一であるような角度にまで曲げられた形状を有し得る。
【0073】
別の実施形態では、エンコーダは単に、エミュレートされるトラック、すなわちその長さに全て沿ったトラックへの同一の距離を有する完全にまっすぐなトラックと同一の形状を有し得る。
【0074】
図4では、エンコーダ20に加えて、第2のエンコーダ30、及び、更に詳細に説明する補償素子を含む、エンコーダスキームが示される。
【0075】
例示のために、エンコーダ20とエンコーダ30とは異なっている。更に以下でも説明するように、エンコーダスキームの大きな変更が、用いられ得る。通常、同じカードでは同一のエンコーダタイプが用いられる。
【0076】
エンコーダ20は、長方形コア材料21と、コア材料21の周囲を巻くコイル24とを含む、磁場生成素子22を含む。
【0077】
エンコーダ20の操作は、トラック121に沿って又はトラック121上を読み出しヘッドが進むリーダの読み出しヘッドによって感知される電磁場に対応する信号が、コイル24に伝送される、というものである。その結果として、コイル24及びコア21は、読み出しヘッドによって感知される電磁場をアウトプットする。前述のように、好ましくは、コイル24/コア21からトラック位置への間の距離は、長手に沿ってほぼ同一である。しかしこれは必須ではない。
【0078】
エンコーダ30は、コア31及びコイル34も、クレジットカードの磁気トラックの標準位置の別のもの122に関して本発明に従って位置する、磁場生成素子32を含む。
【0079】
エンコーダ20/30に加えて、同時に動作する際に一つのエンコーダからもう一方へのクロストークを防ぐために、コアを有しても有していなくてもよい、クロストーク縮小コイル29/39が設けられてもよい。
【0080】
クロストーク縮小コイル29の機能は、トラック121にて所望の磁場を生成するように動作する際、トラック121にて、エンコーダ20によりトラック121にて形成される磁場にカウンタを当てる電磁場を、ガイド36において形成すること、である。よって、エンコーダ20及びクロストーク縮小コイル29から、結果として生成されるトラック121における磁場は、ゼロ、若しくは可及的に低いことが、望ましい。
【0081】
クロストーク縮小コイル39の動作も同様である。
【0082】
クロストーク縮小コイル29/39の動作に代わるものは、エンコーダ20が、それ自身、トラック121にてエンコーダ30の磁場に作用する磁場カウンタを出力するために、例えば、エンコーダ30に加えられる信号に相関する信号のエンコーダ20に加えられる信号における、減算である。
【0083】
図5では、コイル及びコアに直交する断面でカード10が示される。コイルの中に電気信号を供給するエレクトロニクス48も示される。クロストーク縮小コイル29/39は示されていないが、在っても無くてもよい。これらも通常、エレクトロニクス48により供給されるが、これは必須条件ではない。
【0084】
更に、二つの読み出しコイル52及び54を含む読み出しヘッド50が示され、二つの読み出しコイル52、54の各々は、トラック121/122に沿って移動しその際、夫々エンコーダ20/30によりアウトプットされる磁場を個別に受け取るように、配置される。通常、読み出しコイル52/54は、トラック位置121/122の直上に(カードの上面に直交して)配置される。
【0085】
図5において、この断面図において、カーブの位置はカードの上側表面に直交して延在する二つの垂直線により示される。コイル52/54は、ラインがコイル52/54の中心と交わるように、カーブの直ぐ上に配置されることが見られる。従って、コイル52/54の中心は、カードのスワイプの間、それらポイントが移動する経路と共に、カーブを定義する。一方で、カーブは、磁力線を受けてこれらをコイル52/54に向けて導くために設けられるエアギャップなどの、コイル52/54に関連する他のポイント、又はヘッドの他の部分に関連する所定のポイントによって定義され得る。
【0086】
また、コア21/31及びコイル24/34は、それらの中心がそこからずれるように、これらのカーブの直ぐ下に配置されないことが見られる(
図6参照)。
【0087】
エレクトロニクス48、コイル、コア及び接続ワイヤを含む予めアセンブルされたエレクトロニックパッケージが中に設けられ得るインデント若しくはカットアウエイ部46’を有し得る、ベース素子46を提供することにより、カード10の組み立てが実行され得る。このパッケージは、バッテリなどの、追加の素子、指紋リーダなどの、バイオメトリックリーダ、一つ若しくはそれ以上のディスプレイ、ブルートゥーストランシーバ、ワイファイトランシーバ、RFトランシーバなどの、無線送信器/受信器などの一つ若しくはそれ以上の送信器/受信器、アンテナ、キーボード、ブリスタスイッチやピエゾベーススイッチ(WO2008/104567参照)などの一つ若しくはそれ以上のスイッチ、などを、含み得る。
【0088】
カットアウエイ部46’及び/又はエレクトロニクスは、一つ若しくはそれ以上のレイヤ若しくはシート40で覆われ得る。
【0089】
エンコーダ20の好ましい特性は、コイル24及びコア21の特性に分割され得る。
【0090】
当然ながら、コア21は提供されてもよく、又は提供されなくともよい。
【0091】
一つ若しくは複数のコイル24は、コア21の長手沿いに、又は端部20’と20”との間に、設けられ得る。単体のコイルが用いられてもよく、この場合、コイルは、端部20’と20”との間で、トラックに沿って、距離の少なくとも90%など、少なくとも80%など、少なくとも70%など、延在するのが好ましい。
【0092】
多数のコイルは、一つ若しくはそれ以上のコアを備えてもよく備えなくてもよい。一つ若しくは複数のコイルは、同一の信号により駆動されてもよく、又は読み出しヘッドの位置などに基づいて、個別に駆動されてもよい。そのような位置決定は当該技術分野において周知である。
【0093】
更に、一つ若しくは複数のコイルは、それらの長さに沿って同一のピッチを有してもよく、又はそのピッチは、コイルの長さに沿って放出される磁場強度を制御するために、長さに沿って変更されてもよい。
【0094】
コアに関して、これは、材料を詰め込むこと無く、大きい磁場強度を担持できるのが、好ましい。様々な材料は、磁場強度の関数として、磁束密度を記述する様々なB−Hカーブを有する。直線のB−Hカーブを伴う材料は、かなり鋭い「飽和コーナ」を有する(www.VacuumShmelze.deからの)VC6025Zでもよく、一方、μメタルはずっと柔らかい特徴を有する。後者の状況では、磁場強度は、線形エリア内にあるように、十分に低く保持され得る。一方で、この非線形の特徴は、検出から生じる信号若しくは複数信号のいずれかに対して、補償が為され得る。
【0095】
コア材料の透磁率は、100−100000μrであり、5000−15000μrなどであり、10000μr当たりなどである。μrは、真空の透磁率、μ0に対する透磁率である。
【0096】
VC6025Z材料のより鋭いコーナにより、飽和の場合により高い歪みが生じるが、アウトプットの磁場を変形する前により多くの磁場強度を担持し得る。
【0097】
図6では、カーブCからの生成器20のオフセットが、カードの表面上への突起内で、両方が直線である状況にて、見られる。
【0098】
更に、生成器は端部20’及び20”を有し、エッジEは、カーブCに最も近い端部20’の一部として示される。生成器20は、オーバーラップが存在するとしても、カーブCに対してずらされることが、見られる。
【0099】
生成器の別の可能な位置が、よりずれて、示されている。オーバーラップは見られない。当然ながら、オーバーラップが無いときも、エッジEとカーブCとの間にどんな距離が見られ得てもよい。
【符号の説明】
【0100】
10・・・カード、20、30・・・エンコーダ、22・・・コイル、24・・・コア。
【手続補正書】
【提出日】2015年2月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の、少なくとも実質的に真っ直ぐの側面を有し、表面上で若しくは表面にて、直線に沿って磁場を設けるように構成されているカードであって、
該直線は前記側面と少なくとも実質的に平行であり、且つ、前記側面から6.9mm〜7.2mmの間に、若しくは、10.2mm〜10.5mmの間に、配置されており、
カードは、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された少なくとも二つの端部を含む長方形の磁場生成器を含み、
端部は、磁場生成器の長手方向に直交する、少なくとも1.8mmの幅を有し、表面の平面上に突起するとき、個々の端部のエッジが前記直線から0.5mm以下に配置され、及び/又は、前記直線は突起内で端部とオーバーラップしない、
ように配置されている、カード。
【請求項2】
前記直線は、表面上の若しくは表面における第1の端点と第2の端点との間に延在し、第1及び第2のカーブ端点が、端部を介して直線上に突出したとき、端部の間に配置されるように、端部は配置される、
請求項1に記載のカード。
【請求項3】
磁場生成器が、コイル内において延在するコア材料を含む、
請求項1又は2に記載のカード。
【請求項4】
前記カードは、表面上の若しくは表面における所定のカーブに沿って更なる電磁場を提供するように構成され、
前記カードは第2の長方形の磁場生成器を含み、
前記第2の長方形の磁場生成器は、自らの長手方向に直交する方向に、少なくとも1.8mmの幅を有する二つの第2の端部を伴い、且つ、更なる電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成されており、
表面の平面上に突起するとき、個々の第2の端部のエッジが所定のカーブから0.5mm以下に配置され、及び/又は、所定のカーブは突起内で第2の端部とオーバーラップしない、
請求項1〜3のうちのいずれか一に記載のカード。
【請求項5】
前記カーブは、前記側面と少なくとも実質的に平行であり、且つ、前記側面から10.2mm〜10.5mmの間に配置されている、直線である、請求項4に記載のカード。
【請求項6】
更に、第1及び第2の補償磁場アウトプットを有する補償磁場生成器を含み、
平面上に突起するとき、端部が前記カーブの一方の側の側面上に設けられ且つ補償磁場アウトプットが前記カーブの反対側の側面上に設けられるように、端部及び補償磁場アウトプットが配置される、
請求項4又は5に記載のカード。
【請求項7】
カードとカードリーダとのアセンブリであって、
カードは外部の、少なくとも実質的に真っ直ぐの側面を有し、
カードリーダは、電磁場を感知する際にカードの直線を覆って配置されるように、且つ感知された電磁場に関する信号をアウトプットするように、構成されている、読み出しヘッドを含み、該直線は前記側面と少なくとも実質的に平行であり、且つ、前記側面から6.9mm〜7.2mmの間に、若しくは、10.2mm〜10.5mmの間に、配置されており、
カードは、少なくとも二つの端部を含む長方形の磁場生成器を含み、
前記少なくとも二つの端部は、磁場生成器の長手方向に直交する、少なくとも1.8mmの幅を有し、且つ、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成され、
端部は、表面の平面上に突起するとき、
各端部のエッジが前記直線から0.5mm以下に配置され、及び/又は
前記直線が突起内で端部にオーバーラップしない、
ように配置される、アセンブリ。
【請求項8】
読み出しヘッドは少なくとも第1及び第2の磁場センサを含み、
第1の磁場センサは前記直線に沿って移動するように構成され、第2の磁場センサはカーブに沿って移動するように構成され、
カードは、表面上の若しくは表面におけるカーブ沿いに更なる電磁場を設けるように構成され、
カードは、二つの第2の端部が更なる電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された、第2の長方形の磁場生成器を含み、
第2の端部は、表面の平面上に突起するとき、
各第2の端部のエッジが前記カーブから0.5mm以下に配置され、及び/又は
前記カーブが突起内で第2の端部にオーバーラップしない、
ように配置される、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記方法は、磁場生成器を操作して磁場をアウトプットするステップを含む、
請求項1〜6のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
操作するステップが、磁場生成器を操作して経時変化する磁場をアウトプットするステップを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
カードから読み出しヘッドを含むカードリーダへ情報を伝える方法において、
カードは外部の、少なくとも実質的に真っ直ぐの側面を有し、
前記方法は、
直線の直ぐ上に読み出しヘッドを配置するステップであって、前記直線は前記側面と少なくとも実質的に平行であり、且つ、前記側面から6.9mm〜7.2mmの間に、若しくは、10.2mm〜10.5mmの間に、配置されている、ステップと、
磁場の少なくとも一部が読み出しヘッドに入り、カードリーダが読み出しヘッドに入る磁場の少なくとも一部に対応する信号をアウトプットするように、カードの磁場生成器を操作して磁場をアウトプットするステップとを含み、
操作するステップは、電磁場の少なくとも一部をアウトプットするように構成された少なくとも二つの端部を含む磁場生成器を操作するステップを含み、
端部は、磁場生成器の長手方向に直交する、少なくとも1.8mmの、幅を有し、
端部は、表面の平面上に突起するとき、
各端部のエッジが前記直線から0.5mm以内に配置され、及び/又は
前記直線が突起内において端部にオーバーラップしない
ように配置される、方法。
【請求項12】
前記配置するステップは、カードに対して読み出しヘッドを並進するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【国際調査報告】