特表2016-520561IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-520561(P2016-520561A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(54)【発明の名称】脂肪減少のためのビマトプロスト、ビマトプロスト類似体、プロスタミド及びプロスタグランジンの持続放出
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/5575 20060101AFI20160617BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20160617BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20160617BHJP
   A61K 9/50 20060101ALI20160617BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20160617BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20160617BHJP
   A61L 27/00 20060101ALI20160617BHJP
【FI】
   A61K31/5575
   A61P3/04
   A61K9/10
   A61K9/50
   A61K9/14
   A61K47/10
   A61L27/00 Y
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-507645(P2016-507645)
(86)(22)【出願日】2014年4月9日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月7日
(86)【国際出願番号】US2014033558
(87)【国際公開番号】WO2014169075
(87)【国際公開日】20141016
(31)【優先権主張番号】61/811,682
(32)【優先日】2013年4月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】390040637
【氏名又は名称】アラーガン、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(72)【発明者】
【氏名】ウィットカップ スコット エム
(72)【発明者】
【氏名】ウッドワード デイヴィッド エフ
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ パトリック エム
【テーマコード(参考)】
4C076
4C081
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA22
4C076AA61
4C076AA94
4C076BB16
4C076CC50
4C076EE23
4C076EE24
4C081AB11
4C081CA181
4C081CA191
4C081CE04
4C081DA12
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA02
4C086DA07
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA23
4C086MA38
4C086MA41
4C086MA66
4C086NA12
4C086ZA70
(57)【要約】
本発明は局所脂肪減少をもたらす化合物の持続放出のために脂肪沈着物に注射するための組成物及び方法を指向する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビマトプロスト、ビマトプロスト類似体、ビマトプロストプロドラッグ、プロスタミド、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体、ラタノプロスト及びトラボプロスト及びプロスタグランジン誘導体ならびにこれらの混合物から成る群から選択される化合物の持続放出製剤を脂肪沈着物に注射することを含む脂肪減少方法。
【請求項2】
前記化合物がビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト及び化合物#1ならびにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記持続放出製剤が注射可能沈着物、ゲル懸濁液、ReGelデリバリーシステム、ヒアルロン酸放出プラットフォーム、インプラント、マイクロスフィア、マクロスフィア及び注射可能溶媒から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物がビマトプロストである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記持続放出製剤が脂肪沈着物に直接注射される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記脂肪減少が注射部位で及び注射部位の回りの局所脂肪減少である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記持続放出製剤が約20%ビマトプロスト、約45%R203s、約20%RG752s、約10%R202H及び約5%PEG−3350の配合のインプラントである、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記方法により茶色及び白色脂肪細胞ともに萎縮し、局所脂肪減少をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記インプラントが100日間以上脂肪沈着物のビマトプロストを放出する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記持続放出製剤が前記持続放出製剤の部位ではない身体の部位の脂肪沈着物を標的にするために前記化合物を全身に放出する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
腹部脂肪沈着物、内臓脂肪沈着物、心外膜脂肪沈着物、皮下脂肪沈着物及び異所性脂肪沈着物を減少させることができる部位に前記持続放出製剤を注射する、またはインプラントする、請求項1または10に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が注射可能な沈着物、ゲル懸濁液、デリバリーシステム、ヒアルロン酸系プラットフォーム、インプラント、マイクロスフィア、マクロスフェア及び注射可能な溶媒から成る群から選択される持続放出組成物である、局所脂肪減少に用いられる組成物。
【請求項13】
前記組成物がビマトプロスト、ビマトプロスト類似体、ビマトプロストプロドラッグ、プロスタミド、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体、ラタノプロスト及びトラボプロスト及びプロスタグランジン誘導体から成る群から選択される化合物をさらに含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記持続放出組成物がRegelデリバリーシステムであり、前記化合物がビマトプロストである、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が局所脂肪沈着物に注射される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が複数の注射部位で単一の局所脂肪沈着物に注射される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が100日間以上、前記局所脂肪沈着物にビマトプロストを放出する、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
前記持続放出製剤が約20%ビマトプロスト、約45%R203s、約20%RG752s、約10%R202H及び約5%PEG−3350からなるインプラントである、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が腹部脂肪沈着物、内臓脂肪沈着物、心外膜脂肪沈着物、皮下脂肪沈着物及び異所性脂肪沈着物から成る群から選択される少なくとも1つに注射される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物を注射すると前記局所脂肪沈着物の脂肪細胞を萎縮させ、及び局所脂肪を減少させる、請求項18に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年4月12日に出願した米国特許仮出願第61/811,682号の利益を主張し、本出願の全開示が参照として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は局所脂肪減少を含む脂肪減少の目的のために注射可能及びインプラント可能な沈着物からビマトプロスト、ビマトプロスト類似体、ビマトプロストプロドラッグ、プロスタミド、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体及びプロスタグランジン誘導体の持続放出のための組成物及び方法を指向する。
【0003】
局所ビマトプロストが脂肪細胞(apidocyte)の形成及び成熟を効果的に妨げ、局所投与後に動物モデルの脂肪細胞を萎縮させることを示した。さらに、ビマトプロストの局所投与後に脂肪減少の臨床証拠が報告された。本発明は、局所脂肪減少のためにラタノプロスト及びトラボプロストなどのビマトプロスト、ビマトプロスト類似体、ビマトプロストプロドラッグ、プロスタミド、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体及び誘導体及びプロスタグランジン類似体の持続放出方法及び製剤を指向する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】図1は注射可能PLGAインプラントによるビマトプロスト(brimatoprost)のin vitroでの放出特性を示す。
【図2】図2は注射可能SynBiosysインプラントによるビマトプロスト(brimatoprost)のin vitroでの放出特性を示す。
【図3】図3A及び3Bは100日間のReGel 100またはReGel B放出データを示す。
【図4】図4A〜4CはReGel 100またはReGel Bデリバリーシステムのラタノプロスト放出データの比較を示す。
【図5】図5は各脚のMGL及びMGM筋群を示すために腓腹筋を縦断的に延伸した注射40分後の2−DMR画像を示す。右脚にHA/アルブミン−ガドリニウムを注射し、左脚にアルブミン−ガドリニウムだけを注射した。
【図6】図6Aは20%ビマトプロスト、45%R203s、20%RG752s、10%R202H、5%PEG−3350の配合のビマトプロストの放出率を示す。図6Bは図6Bの下部に示した配合のビマトプロストの放出率を示す。図6Cは表Iの配合の化合物#1の放出率を示す。
【図7】図7Aは局所脂肪減少のためにビマトプロストの持続放出に用いることができるビマトプロストマイクロスフィアを示す。図7Bはラタノプロストマイクロスフィアからのビマトプロストの放出率を示す。
【図8】図8A及び8Bはジエチルグリコールジベンゾエート(ゲル)中の10%ビマトプロストを示す。図8Cはジエチルグリコールジベンゾエート沈着物(ゲル)中の10%ビマトプロストからのビマトプロスト放出の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下のパラグラフに本発明のいくつかの実施形態が含まれる。
【0006】
1)ビマトプロスト、ビマトプロスト類似体、ビマトプロストプロドラッグ、プロスタミド、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体、ラタノプロスト及びトラボプロスト及びプロスタグランジン誘導体ならびにこれらの混合物から成る群から選択される化合物の持続放出製剤を脂肪沈着物に注射することを含む脂肪減少の方法。
【0007】
2)前記化合物がビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト及び化合物#1ならびにこれらの混合物から成る群から選択される、パラグラフ1に記載の方法。
【0008】
3)前記持続放出製剤が注射可能沈着物、ゲル懸濁液、ReGelデリバリーシステム、ヒアルロン酸放出プラットフォーム、インプラント、マイクロスフィア、マクロスフィア及び注射可能溶媒から成る群から選択される、パラグラフ1に記載の方法。
【0009】
4)前記化合物がビマトプロストである、パラグラフ2または3に記載の方法。
【0010】
5)前記持続放出製剤が脂肪沈着物に直接注射される、パラグラフ1から4に記載の方法。
【0011】
6)前記脂肪減少が注射部位で及び注射部位の回りの局所脂肪減少である、パラグラフ1に記載の方法。
【0012】
7)前記持続放出製剤が約20%ビマトプロスト、約45%R203s、約20%RG752s、約10%R202H及び約5%PEG−3350の配合のインプラントである、パラグラフ1または3に記載の方法。
【0013】
8)前記方法により茶色及び白色脂肪細胞ともに萎縮し、局所脂肪減少をもたらす、パラグラフ1または3に記載の方法。
【0014】
9)前記インプラントが100日間以上脂肪沈着物のビマトプロストを放出する、パラグラフ7に記載の方法。
【0015】
10)前記持続放出製剤が前記持続放出製剤の部位ではない、または領域に到達することが困難な部位ではない身体の部位の脂肪沈着物を標的にするために前記化合物を全身に放出する、パラグラフ1に記載の方法。
【0016】
11)非限定例として腹部脂肪沈着物、内臓脂肪沈着物、心外膜脂肪沈着物、皮下脂肪沈着物及び異所性脂肪沈着物を減少させることができる部位に前記持続放出製剤を注射する、またはインプラントする、パラグラフ1または10に記載の方法。
【0017】
12)前記組成物が注射可能な沈着物、ゲル懸濁液、ReGelデリバリーシステム、ヒアルロン酸系プラットフォーム、インプラント、マイクロスフィア、マクロスフェア及び注射可能な溶媒から成る群から選択される持続放出組成物である、局所脂肪減少に用いられる組成物。
【0018】
13)前記組成物がビマトプロスト、ビマトプロスト類似体、ビマトプロストプロドラッグ、プロスタミド、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体、ラタノプロスト及びトラボプロスト及びプロスタグランジン誘導体から成る群から選択される化合物をさらに含む、パラグラフ12に記載の組成物。
【0019】
14)前記持続放出組成物がReGelデリバリーシステムであり、前記化合物がビマトプロストである、パラグラフ12及び13に記載の組成物。
【0020】
15)前記組成物が局所脂肪沈着物に注射される、パラグラフ14に記載の組成物。
【0021】
16)前記組成物が複数の注射部位で単一の局所脂肪沈着物に注射される、パラグラフ15に記載の組成物。
【0022】
17)前記組成物が100日間以上、前記局所脂肪沈着物にビマトプロストを放出する、パラグラフ15に記載の組成物。
【0023】
18)前記持続放出製剤が約20%ビマトプロスト、約45%R203s、約20%RG752s、約10%R202H及び約5%PEG−3350からなるインプラントである、パラグラフ12または13に記載の組成物。
【0024】
19)前記組成物が腹部脂肪沈着物、内臓脂肪沈着物、心外膜脂肪沈着物、皮下脂肪沈着物及び異所性脂肪沈着物から成る群から選択される少なくとも1つに注射される、パラグラフ18に記載の組成物。
【0025】
20)前記組成物を注射すると前記局所脂肪沈着物の脂肪細胞を萎縮させ、及び局所脂肪を減少させる、パラグラフ18に記載の組成物。
【0026】
21)前記持続放出製剤がポリ(d,l−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(d,l−ラクチド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(オルト−エステル)、ポリエステル、ポリ(ホスファジン)、ポリ(ホスファートエステル)、ポリカプロラクトン、シリコーン、ラテックス、ゼラチンまたはコラーゲンなどの天然ポリマー、またはポリマーブレンドから成る群から選択される少なくとも1つのポリマーからなるインプラントであり、前記化合物がビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト及びこれらの混合物から成る群から選択される、パラグラフ12または13に記載の組成物。
22)前記持続放出製剤がヒアルロン酸ナトリウム、架橋ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、セルロース系誘導体、ゼラチン、コラーゲン、グルコサミノグリカン、または他の合成または天然多糖類から成る群から選択される少なくとも1つの化合物からなるゲル懸濁液であり、前記化合物がビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト及びこれらの混合物から成る群から選択される、パラグラフ12または13に記載の組成物。
【0027】
23)前記ゲル懸濁液が熱ゲル化デリバリーシステムである、パラグラフ22に記載の組成物。
【0028】
24)前記熱ゲル化システムがA−B−AまたはB−A−BトリブロックコポリマーまたはB−Aブロックコポリマーの溶液からなる、パラグラフ22に記載の組成物。
【0029】
25)前記持続放出製剤がDMSO、NMP及びDMACまたはこれらの混合物から成る群から選択される生体適合溶媒を有する注射可能な沈着物である、パラグラフ12または13に記載の組成物。
【0030】
ゲル、生分解性固体インプラント、または溶媒和ポリマーを含有する生体適合溶媒にビマトプロスト及び他の化合物を溶解または分散することができ、注射時に固体沈着物を形成することができる。さらに、ビマトプロストの熱ゲル化デリバリーシステムも用いることができる。持続放出のための固体インプラントは、ポリ(d,l−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(d,l−ラクチド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(オルト−エステル)、ポリエステル、ポリ(ホスファジン)、ポリ(ホスファートエステル)、ポリカプロラクトン、シリコーン、ラテックス、ゼラチンまたはコラーゲンなどの天然ポリマー、またはポリマーブレンドからなるものとすることができる。ゲル懸濁液はヒアルロン酸ナトリウム、架橋ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、セルロース系誘導体、ゼラチン、コラーゲン、グルコサミノグリカン、または他の合成または天然多糖類を含有することができる。in situで沈着物を形成する注射のための生体適合溶媒としては、DMSO(ジメチルスルホキシド)、NMP(N−メチルピロリドン)、DMAC(ジメチルアセトアミド)、または注射のための他の非水性溶媒が挙げられる。
【0031】
インプラントまたは注射可能な沈着物を注射またはインプラントすることによって脂肪組織を減少させるためにビマトプロストデリバリーシステム及び他の化合物のデリバリーシステムを施すことができる。インプラントまたは注射の局所投与によって容易に到達しない心膜脂肪沈着などの内臓脂肪及び他の脂肪体沈着を減少させるために、局所脂肪組織、例えば、皮下脂肪の減少のために、及び/または持続全身デリバリーのための方法として、このようなデリバリーシステムを用いることができる。ビマトプロストは融点が低い化合物であり、複数のデリバリープラットフォームからの放出を持続する能力は驚くべきものである。特定のデリバリープラットフォームとしては、in situでビマトプロスト沈着物を形成する、注射可能なビマトプロストデリバリー沈着物、ヒアルロン酸沈着物、固体形態ビマトプロストインプラント、ビマトプロストマイクロスフィア及び注射可能な溶媒沈着物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
腹部脂肪、内臓脂肪、心外膜脂肪、オトガイ下脂肪、眼窩周囲脂肪及び異所性脂肪体などの皮下脂肪沈着物及び脂肪組織を減少させるために部位に本発明の前記デリバリーシステムを注射またはインプラントすることができる。
【0033】
実施例I
【0034】
注射可能な沈着物
【0035】
PLGA及びマルチブロックポリマーが沈着物形成時にビマトプロストを放出するのを示した。N−メチルピロリジノン(N−methypyrrolidinone)、ジ−メチルアセトアミドまたはDMSOなどの生体適合溶媒に前記ポリマー及び薬剤をともに溶解する。滅菌のために前記製剤を無菌濾過する、加圧滅菌する、または放射線照射する。無菌バイアルまたは単位用量シリンジに溶液を充填する。注射後に、生体適合溶媒は沈着物から拡散し、堅いプロスタミドまたはプロスタグランジン装填インプラントが残る。沈着物はポリマーが生物浸食するように数日間、数週間、または数ヵ月間ビマトプロスト、プロスタミドまたはプロスタグランジンを放出する。溶液に添加する薬剤は0.1%〜50%の範囲とすることができる。溶液に添加するポリマーは15%〜50%の範囲とすることができる。賦形剤としては、ポリ(エチレングリコール)、短鎖脂肪酸、ワックス、コレステロール、脂肪族アルコール、共溶媒、または沈着物の疎水性を調節する他の化合物を挙げることができる。
【0036】
注射可能な沈着物を含有するPLGA及びSynBiosysビマトプロストの両方で、薬剤は図1及び2に示したように少なくとも1ヵ月間間断なく放出された。インプラント調製に用いられる薬剤添加量、ポリマー濃度、ポリマー特性、製剤賦形剤またはDMSO容量を変えることによりさらに放出速度を最適化することができる。
【0037】
実施例II
【0038】
ReGelデリバリーシステム
【0039】
種々の刺激に応じて相転移されるポリマーシステムを用いることもできる。この相転移により有意にシステムの容量及びまたは粘度が変化する。システムはpH、イオン性環境、温度、生物学的トリガーならびに他の化学的及び物理的トリガーに反応させることができる。システムは相互に作用して相転移させ、容量または粘度の増大をもたらすことができる1つ以上のポリマーを含む。ポリマーの例としては、ポリアクリル酸及びポリエチレンオキシドコポリマーが挙げられる。システムの他の成分は当業者に知られる賦形剤を含む。
【0040】
システムにはさらに局所組織に治療活性剤を抑制及び持続放出する利点がある。共有結合、水素結合、イオン性相互作用、ファンデルワールス力または疎水性相互作用を介して薬剤を物理的に閉じ込める、または化学結合することができる。転移したゲル中の活性化合物を物理的に閉じ込めることによって薬剤の放出を抑制することができる。このほか、相転移ゲルを含むポリマーに化合物を物理的または化学的に結合することができる。ゲルの相転移は薬剤デリバリーのために沈着物を生成することを促進する。
【0041】
本発明の特定の例がA−B−AまたはB−A−BトリブロックコポリマーまたはB−Aブロックコポリマー(A=ポリラクチド−co−グリコリド(PLGA/PLA)及びB=ポリエチレンオキシド(PEO)及びラタノプロスト)の溶液からなる熱ゲル化ビマトプロストデリバリーシステムの使用を教示する。これらのポリマーがRegel in situ ゲル化デリバリーシステムを構成する。その水溶液は温度が増大するとゾルからゲルへの転移挙動があることを示した。薬剤デリバリーの用途にとって、生理学的に妥当な温度(例えば、37℃)でのゲル化が特に重要であり、医療及び薬剤デリバリー目的のためにシステムの効用の基礎を形成する。
【0042】
特定の例では、ReGel 100またはReGel Bに3%ラタノプロストを添加して、添加した(すなわち、100ulのゲルに3mgの薬剤)。システムは熱ゲル化後にラタノプロストのなしで持続放出を示した。これはラタノプロストが比較的に融点が低く、溶解度が低いことを考えれば、きわめて驚くべきことである。すなわち、放出が遅く、バーストなしである。ゲルは、図3A及び3Bに示したように100日間より長期間、残っていた。システムに他のポリマー、例えば、CMC、アガロース及びスターチを添加することによってさらに改質することができる。
【0043】
実施例III
【0044】
ヒアルロン酸
【0045】
架橋ヒアルロン酸が注射時に局所化して潜在持続放出プラットフォームをもたらすことを示した。持続放出のために薬剤を架橋ヒアルロン酸に組み入れる、またはビヒクルに結合することができる。前者の場合、ゲルの多孔性、架橋剤の長さ及び架橋密度によってプラットフォームの放出及び浸食を抑制することができる。あるいは、後者の場合、当技術分野に知られるいくつかのリンカーのうちの1つによってヒアルロン酸主鎖にビマトプロストまたはプロスタミド類似体を共有結合またはイオン結合することができる。最後に、もう1つの持続放出様態、例えば、マイクロスフィアに薬剤を組み入れ、その後、ヒアルロン酸(架橋または非架橋)に組み入れ、デリバリープラットフォームとして注射することができる。
【0046】
図5は各脚のMGL(三羽状側腓腹筋)及びMGM(単羽状内側腓腹筋)筋群を示すために腓腹筋を縦断的に延伸した注射40分後の2−D MR画像を示す。右脚にHA/アルブミン−ガドリニウムを注射し、左脚にアルブミン−ガドリニウムだけを注射した。左脚はMGL筋全体に及び隣接したMGM筋にまたがってアルブミン−ガドリニウム(青色)の拡散を示す。このデータは脂肪減少のために架橋HA沈着物を局所化し、プロスタグランジンまたはプロスタミドの局所持続放出のためのプラットフォームをもたらすことができることを示す。
【0047】
実施例IV
【0048】
インプラント
【0049】
内臓脂肪にまたは臓器に直接付着させて、皮下注射またはインプラントすることができるインプラントにビマトプロストを調剤した。例は以下の配合:20%ビマトプロスト、45%R203s、20%RG752s、10%R202H、5%PEG−3350であり、図6Aはこの配合からのビマトプロストの放出率を示す(R203Sはエステル末端キャップPLAであり、R202Hは酸末端基PLAであり、RG752Sはエステル末端基を有する75:25 PLGAであり、PEG_3350は分子量3350のポリエチレングリコールである)。図6Bに他のインプラント製剤及びその放出率を示す。
【0050】
脂肪減少に有用なものとすることができるもう1つの化合物(化合物#1)を以下に開示する。
【0051】
化合物#1を有するインプラント製剤及びその特性が以下の表Iにある。


【0052】
実施例V
【0053】
マイクロスフィア
【0054】
このほか、ラタノプロストについて図7A−7Bに示したようにPLGAマイクロスフィア及びマクロスフィアを用いることによってビマトプロスト及びラタノプロストを持続させることができる。以下の表に示したようにPLA及びPLGAポリマーからラタノプロストマイクロスフィアを作製した。0.8mlの酢酸エチルに20mgのラタノプロスト及び100mgのポリマーを溶解することによってマイクロスフィアを作製した。ポリマーの溶解を完了するために最少量のジクロロメタンを添加することができる。ホモジナイザーにより3000rpm、5分間高剪断(sheer)で混合しながら、マイクロ−ピペットを介して40mLの1%ポリビニルアルコール水溶液にこの溶液を添加する。
【0055】
剪断後、ミルク状白色エマルジョンが形成され、ドラフトチャンバー内で3〜5時間それを穏やかに攪拌し、溶媒を蒸発させる。その後、2000rpmで15分間この分散液を遠心分離機にかけ、上澄みを除去し、及びその後、10mLの水を添加し、マイクロスフィアを液体状に戻す。液体状に戻った最終マイクロスフィアを凍結乾燥する。図7Bに等張ホスファート緩衝食塩水へのマイクロスフィアからのラタノプロストの放出を示す。
【0056】
実施例VI
【0057】
注射可能な溶媒
【0058】
直接皮下注射または脂肪に、特に、スクロースアセテートイソブチレート、エチルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、トリプロピオニン、ジエチルGglycolジベンゾエートなどの他の賦形剤を用いることができる。図8A〜8Bはジエチルグリコールジベンゾエート(ゲル)中の10%ビマトプロストを示し、図8Cはジエチルグリコールジベンゾエート(ゲル)中の10%ビマトプロストからのビマトプロスト放出の例を示す。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【国際調査報告】

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