特表2016-520645(P2016-520645A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-520645ZESTEホモログ2エンハンサー阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-520645(P2016-520645A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(54)【発明の名称】ZESTEホモログ2エンハンサー阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20160617BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20160617BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160617BHJP
   A61K 31/4353 20060101ALI20160617BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20160617BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20160617BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20160617BHJP
   C07D 471/14 20060101ALI20160617BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20160617BHJP
【FI】
   C07D471/04 121
   C07D471/04CSP
   A61P35/00
   A61P25/00
   A61P35/02
   A61P15/00
   A61P21/00
   A61P1/04
   A61P13/10
   A61P13/12
   A61P11/00
   A61P1/16
   A61P17/00
   A61P1/18
   A61P13/08
   A61P19/00
   A61P43/00 111
   A61K31/4353
   C07D498/04 116
   A61K31/4545
   A61K31/5377
   C07D471/14 101
   A61K31/55
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】242
(21)【出願番号】特願2016-517732(P2016-517732)
(86)(22)【出願日】2014年6月6日
(85)【翻訳文提出日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】IB2014062025
(87)【国際公開番号】WO2014195919
(87)【国際公開日】20141211
(31)【優先権主張番号】61/831,649
(32)【優先日】2013年6月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/949,399
(32)【優先日】2014年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/977,666
(32)【優先日】2014年4月10日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513110104
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、ナンバー2、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY NO.2 LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100143971
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、デイビッド、ナイト
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、ビンセント、ラフランス、ザ、サード
(72)【発明者】
【氏名】ケネス、シー.マクナルティ
(72)【発明者】
【氏名】ステュアート、ポール、ロメリル
(72)【発明者】
【氏名】マーク、アンドリュー、シーフェルド
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド、ティー.フォスベナー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン、ダブリュ.キング
(72)【発明者】
【氏名】メイ、リー
【テーマコード(参考)】
4C065
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA05
4C065BB20
4C065DD02
4C065DD03
4C065EE02
4C065EE03
4C065HH02
4C065JJ04
4C065KK01
4C065KK02
4C065KK04
4C065LL05
4C065LL07
4C065PP02
4C065PP07
4C065PP08
4C065PP09
4C065PP12
4C065PP13
4C065QQ02
4C072AA01
4C072AA06
4C072BB02
4C072BB06
4C072CC02
4C072CC11
4C072DD10
4C072EE09
4C072FF06
4C072GG08
4C072HH05
4C072JJ02
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB14
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、Zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤である式(I)の新規な化合物、それらを含有する医薬組成物、それらの製造のための方法、および癌治療のための療法におけるそれらの使用に関する。
[この文献は図面を表示できません]
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
Xは、CHまたはNであり;
Lは、(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルであり、それぞれヒドロキシルで置換されていてもよく、ここで、前記(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルのいずれか1つのメチレン単位は、−O−、−NH−、または−N(C−C)アルキル−で置換されていてもよく;
は、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルケニル、(C−C)シクロアルケニル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルケニル(C−C)アルケニル、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルケニル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、フェニル(C−C)アルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルケニル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、RN(C−C)アルキル−、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−NRNR、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)NR、−NRNRC(O)OR、−OR、−OC(O)R、または−OC(O)NRであり、ここで、各シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基は、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1、2、または3回置換されていてもよく;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、ヘテロアリール、または−NRであり、ここで、前記(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ハロゲン、−OR、−NR、−NHCO、ニトロ、(C−C)アルキル、RN(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、アリール、またはヘテロアリールで1、2、または3回置換されていてもよく;
は、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、−B(OH)、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、RN(C−C)アルキル−、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−NRNR、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)NR、−NRNRC(O)OR、−OR、RO(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキニル−、−OC(O)R、および−OC(O)NRからなる群から選択され、ここで、各シクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基は、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1、2、または3回置換されていてもよく;
は、水素、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキル−であり;
各Rは、独立に、−S(O)R、−SO、−NR、−NRC(O)OR、−NRSO、または−COであり;かつ、
およびRは、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、−NH(ハロ(C−C)アルキル)、−N(ハロ(C−C)アルキル)、−N((C−C)アルキル)(ハロ(C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、1もしくは2個のハロゲンで置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル−、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよく;
あるいはRおよびRは、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を含有してもよい5員または6員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、ヒドロキシル、オキソ、(C−C)アルコキシ、または(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−で1、2、または3回置換されていてもよく、前記環は、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよく;
あるいはRおよびRは、それらが結合されている窒素と一緒に、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよい6〜10員の架橋二環式環系を表す]
【請求項2】
XがCHである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
が水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、フェニル、またはフェニル(C−C)アルキルである、請求項1または請求項2に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
が(C−C)アルキルである、請求項1または請求項2に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
が(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、−NH((C−C)シクロアルキル)、−N((C−C)アルキル)((C−C)シクロアルキル)、−NH(ヘテロシクロアルキル)、または−N((C−C)アルキル)(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、いずれの前記(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、または(C−C)シクロアルキルも、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、アミノ(C−C)アルキル−、((C−C)アルキル)NH(C−C)アルキル−、((C−C)アルキル)N(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、フェニル、またはヘテロアリールで1または2回置換されていてもよい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
が(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ−、またはヘテロシクロアルキルオキシ−であり、それらのそれぞれは、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、−CO、−C(O)NR、−SONR、フェニル、またはヘテロアリールで置換されていてもよい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
がシクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジニルオキシ、ピペリジニルオキシ、およびテトラヒドロピラニルオキシであり、そのそれぞれは、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、−CO、−C(O)NR、−SONR、フェニル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、またはピリミジニルで置換されていてもよく、ここで、Rは、(C−C)アルキルまたはフェニル(C−C)アルキルであり、Rは、水素または(C−C)アルキルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
が(C−C)アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、または−NRであり、ここで、前記シクロヘキシルオキシは、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で置換されていてもよい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
が−NRである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
が水素、メチル、エチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、またはピペリジニルであり、ここで、前記シクロヘキシルは、独立に、フッ素、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、またはモルホリニルで1または2回置換されていてもよく、ここで、前記ピペリジニルは、メチル、エチル、イソプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2−ヒドロキシエチル、1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル、シクロプロピルメチル、(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル、(6−メチルピリジン−2−イル)メチル、1−エトキシ−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル、またはメチルスルホニルで置換されていてもよく;かつ、Rが水素、メチル、またはエチルである、請求項8または請求項9に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
がハロゲンである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
が、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1または2回置換されていてもよいヘテロアリールであり;
各Rは、独立に、−S(O)R、−SO、−NR、−NRC(O)OR、−NRSO、または−COであり;かつ、
およびRは、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよく;
またはRおよびRは、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を含有してもよい5員または6員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、ヒドロキシル、オキソ、(C−C)アルコキシ、または(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−で1、2、または3回置換されていてもよく、ここで、前記環は、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよく;
あるいはRおよびRは、それらが結合されている窒素と一緒に、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよい6〜10員架橋二環式環系を表す、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
が、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで置換されていてもよいピリジニルであり;
各Rが独立に−S(O)R、−SO、−NR、−NRC(O)OR、−NRSO、または−COであり;かつ、
およびRは、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよく;
あるいはRおよびRは、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を含有してもよい5員または6員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、ヒドロキシル、オキソ、(C−C)アルコキシ、または(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−で1、2、または3回置換されていてもよく、ここで、前記環は、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよく;
あるいはRおよびRは、それらが結合されている窒素と一緒に、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよい6〜10員架橋二環式環系を表す、
請求項12に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
が、ヘテロシクロアルキルまたは(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−で置換されていてもよいピリジニルである、請求項13に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項15】
Lが
【化2】
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からなる群から選択される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項16】
Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項17】
(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン;
(Z)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;または
(E)−13−クロロ−11−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
である請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項18】
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,15−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,6−ジメチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,10,16,17−テトラヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン;
(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,10,16,17−テトラヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン;
(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−6,9,15,16−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[g]ピリド[4,3−b][1,5]オキサアザシクロドデシン−1,14(2H)−ジオン;
(E)−12−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,17,18−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−l][1]アザシクロテトラデシン−1,16(2H,11H)−ジオン;
(E)−12−クロロ−10−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−12−クロロ−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−12−クロロ−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−12−クロロ−10−イソプロポキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,9,10,16,17−オクタヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン;
11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−3−メチル−5,6,7,8,9,10,16,17−オクタヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−15−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(E)−10−((1−(シクロプロピルメチル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−エチルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−((1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
2−(4−(エチル(3−メチル−1,14−ジオキソ−1,2,5,6,9,14,15,16−オクタヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパン酸(E)−エチル;
(E)−10−(エチル(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−((6−メチルピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−(ジエチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((1−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;または
(E)−11−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
である請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項19】
9−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン;
(E)−10−((シス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−((2,2−ジフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−((2,2−ジフルオロエチル)(メチル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−(メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−(アゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−9−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン;
9−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロジピリド[3,4−c:3’,4’−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((2−ヒドロキシエチル)(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((1−(ジメチルアミノ)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(2−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(2−メチル−2−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(7−メチル−7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((6−アミノスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((6−(ジメチルアミノ)スピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(2−メチル−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(シス−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(シス−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(アゼパン−4−イル(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((シス−4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(シス−4−((3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−((3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;または
(E)−10−(エチル(シス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる、医薬組成物。
【請求項21】
癌を治療する方法であって、癌を有する患者に治療上有効な量の請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項20に記載の医薬組成物を投与することを含んでなる、方法。
【請求項22】
前記癌が脳癌(神経膠腫)、膠芽腫、白血病、リンパ腫、バナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−ダクロス病、乳癌、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、結腸癌、胃癌、膀胱癌、頭頸部癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、腎臓癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨の巨細胞腫瘍、および甲状腺癌からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
EZH2により媒介される障害の治療に使用するための薬剤の製造における、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)を阻害する、従って、癌細胞の増殖の阻害および/またはアポトーシスの誘導に有用である化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
エピジェネティック修飾は、細胞増殖、分化、および細胞生存を含む多くの細胞プロセスの調節に重要な役割を果たす。グローバルなエピジェネティック修飾は癌に共通しており、DNAおよび/またはヒストンのメチル化のグローバルな変化、ノンコーディングRNAの調節不全、ならびにヌクレオソームリモデリングを含み、癌遺伝子、腫瘍抑制因子およびシグナル伝達経路の異常な活性化または不活性化をもたらす。しかしながら、癌において起こる遺伝子突然変異とは異なり、これらのエピジェネティック変化は、関与する酵素の選択的阻害によって逆転させることができる。ヒストンまたはDNAのメチル化に関与する数種のメチル化酵素が、癌において調節不全となっていることが知られている。従って、特定のメチル化酵素の選択的阻害剤は、癌などの増殖性疾患の治療に有用であると思われる。
【0003】
EZH2(ヒトEZH2遺伝子:Cardoso, C, et al; European J of Human Genetics, Vol. 8, No. 3 Pages 174-180, 2000)は、ヒストンH3のリシン27をトリメチル化することによって(H3K27me3)標的遺伝子をサイレンシングする働きをするポリコームリプレッサー複合体2(PRC2)の触媒サブユニットである。ヒストンH3は、真核細胞のクロマチン構造に含まれる5つの主要なヒストンタンパク質のうちの1つである。ヒストンは、主要な球状ドメインと長いN末端テールを特徴とし、「糸を通したビーズ」構造のようなヌクレオソームの構造に関わっている。ヒストンタンパク質は、高度に翻訳後修飾を受けるが、5つのヒストンのうちヒストンH3が最も大規模な修飾を受ける。用語「ヒストンH3」は、単独では、配列変異体間または修飾状態間を区別しないという点で意図的にあいまいな用語である。ヒストンH3は、新たに浮上したエピジェネティック分野で重要なタンパク質であり、その配列変異体および様々な修飾状態は動的かつ長期的な遺伝子調節に役割を果たすと考えられる。
【0004】
EZH2発現の増強は、前立腺、乳房、皮膚、膀胱、肝臓、膵臓、頭頸部の腫瘍を含む多くの固形腫瘍で見られており、癌の侵襲性、転移および不良な転帰と相関がある(Varambally et al., 2002; Kleer et al., 2003; Breuer et al., 2004; Bachmann et al., 2005; Weikert et al., 2005; Sudo et al., 2005; Bachmann et al., 2006)。例えば、高レベルのEZH2を発現する腫瘍では前立腺切除後の再発リスクの増大が見られ、高EZH2レベルを有する乳癌患者では、転移の増大、無病生存期間の短縮および死亡の増加が見られる(Varambally et al., 2002; Kleer et al., 2003)。もっと最近では、EZH2と反対の働きをするH3K27デメチラーゼのUTX(遍在転写テトラトリコペプチド反復配列X(ubiquitously transcribed tetratricopeptide repeats X))における不活性化突然変異が、多くの固形腫瘍種および血液腫瘍種(腎臓腫瘍、膠芽腫、食道腫瘍、乳房腫瘍、結腸腫瘍、非小細胞肺腫瘍、小細胞肺腫瘍、膀胱腫瘍、多発性骨髄腫、および慢性骨髄性白血病を含む)で確認されており、低いUTXレベルが乳癌の低い生存率と相関し、UTX機能の低下がH3K27me3の増大および標的遺伝子の抑制をもたらすことが示唆される(Wang et al., 2010)。これらのデータを考え合わせると、H3K27me3レベルの増大が多くの腫瘍種で癌の侵襲性に寄与すること、およびEZH2活性の阻害が治療利益を提供し得ることが示唆される。
【0005】
多くの研究が、siRNAまたはshRNAによるEZH2の直接的ノックダウンまたはSAHヒドロラーゼ阻害剤3−デアザネプラノシンA(DZNep)治療によるEZH2の間接的低下がin vitroで癌細胞株の増殖および浸潤を、そしてin vivoで腫瘍の成長を低下させることを報告している(Gonzalez et al., 2008, GBM 2009)。異常なEZH2活性が癌の進行をもたらす厳密な機構は知られていないが、多くのEZH2標的遺伝子が腫瘍抑制因子であり、このことは腫瘍抑制因子機能の低下が重要な機構であることを示唆する。さらに、不死化または初代上皮細胞におけるEZH2過剰発現は足場非依存性の増殖および浸潤を促進し、EZH2の触媒活性を必要とする(Kleer et al., 2003; Cao et al., 2008)。
【0006】
従って、EZH2活性の阻害が細胞増殖および浸潤を低下させることを示唆する強い証拠が存在する。よって、EZH2活性を阻害する化合物は、癌の治療に有用であると思われる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、式(I)の化合物:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
Xは、CHまたはNであり;
Lは、(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルであり、それぞれヒドロキシルで置換されていてもよく、ここで、前記(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルのいずれか1つのメチレン単位は、−O−、−NH−、または−N(C−C)アルキル−で置換されていてもよく;
は、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルケニル、(C−C)シクロアルケニル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルケニル(C−C)アルケニル、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルケニル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、フェニル(C−C)アルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルケニル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、RN(C−C)アルキル−、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−NRNR、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)NR、−NRNRC(O)OR、−OR、−OC(O)R、または−OC(O)NRであり、ここで、各シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基は、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1、2、または3回置換されていてもよく;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、ヘテロアリール、または−NRであり、ここで、前記(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ハロゲン、−OR、−NR、−NHCO、ニトロ、(C−C)アルキル、RN(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、アリール、またはヘテロアリールで1、2、または3回置換されていてもよく;
は、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、−B(OH)、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、RN(C−C)アルキル−、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−NRNR、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)NR、−NRNRC(O)OR、−OR、RO(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキニル−、−OC(O)R、および−OC(O)NRからなる群から選択され、ここで、各シクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基は、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1、2、または3回置換されていてもよく;
は、水素、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキル−であり;
各Rは、独立に、−S(O)R、−SO、−NR、−NRC(O)OR、−NRSO、または−COであり;かつ、
およびRは、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、−NH(ハロ(C−C)アルキル)、−N(ハロ(C−C)アルキル)、−N((C−C)アルキル)(ハロ(C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、1もしくは2個のハロゲンで置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル−、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよく;
あるいはRおよびRは、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を含有してもよい5員または6員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、ヒドロキシル、オキソ、(C−C)アルコキシ、または(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−で1、2、または3回置換されていてもよく、前記環は、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよく;
あるいはRおよびRは、それらが結合されている窒素と一緒に、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよい6〜10員の架橋二環式環系を表す]
またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0008】
本発明の別の態様は、固形腫瘍の癌細胞にアポトーシスを誘導する方法、固形腫瘍を治療する方法に関する。
【0009】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物と薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬製剤に関する。
【0010】
別の態様では、癌細胞においてアポトーシスを誘導することによるなど、EZH2により媒介される障害の治療に使用するための薬剤の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物の使用が提供される。
【0011】
別の態様において、本発明は、EZH2により媒介される疾患の治療のための式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。本発明はさらに、EZH2により媒介される疾患の治療における有効治療物質としての式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0012】
別の態様において、本発明は、療法に使用するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0013】
別の態様において、EZH2により媒介される疾患の治療に使用するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
【0014】
別の態様において、細胞増殖疾患の治療において使用するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
【0015】
別の態様において、固形腫瘍、例えば、脳癌(神経膠腫)、膠芽腫、白血病、リンパ腫、バナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−ダクロス病、乳癌、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、結腸癌、胃癌、膀胱癌、頭頸部癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、腎臓癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨の巨細胞腫瘍、および甲状腺癌の治療を含め、癌の治療において使用するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
【0016】
別の態様において、本発明の式(I)の化合物と他の有効成分を併用投与する方法が提供される。
【0017】
別の態様において、EZH2により媒介される疾患の治療において使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と少なくとも1種類の抗新生物薬の組合せが提供される。
【0018】
別の態様において、細胞増殖疾患の治療において使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と少なくとも1種類の抗新生物薬の組合せが提供される。
【0019】
別の態様において、固形腫瘍、例えば、脳癌(神経膠腫)、膠芽腫、白血病、リンパ腫、バナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−ダクロス病、乳癌、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、結腸癌、胃癌、膀胱癌、頭頸部癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、腎臓癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨の巨細胞腫瘍、および甲状腺癌の治療を含め、癌の治療において使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と少なくとも1種類の抗新生物薬の組合せが提供される。
【発明の具体的説明】
【0020】
本発明は、上記で定義される式(I)の化合物に関する。
【0021】
一つの実施態様では、本発明は、
Xが、CHまたはNであり;
Lが、(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルであり、それぞれヒドロキシルで置換されていてもよく、ここで、前記(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルのいずれか1つのメチレン単位は、−O−、−NH−、または−N(C−C)アルキル−で置換されていてもよく;
が、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルケニル、(C−C)シクロアルケニル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルケニル(C−C)アルケニル、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルケニル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、フェニル(C−C)アルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルケニル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、RN(C−C)アルキル−、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−NRNR、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)NR、−NRNRC(O)OR、−OR、−OC(O)R、または−OC(O)NRであり、ここで、各シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基は、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1、2、または3回置換されていてもよく;
が、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、ヘテロアリール、または−NRであり、ここで、前記(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ハロゲン、−OR、−NR、−NHCO、ニトロ、(C−C)アルキル、RN(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、アリール、またはヘテロアリールで1、2、または3回置換されていてもよく;
が、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、−B(OH)、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、RN(C−C)アルキル−、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−NRNR、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)NR、−NRNRC(O)OR、−OR、RO(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキニル−、−OC(O)R、および−OC(O)NRからなる群から選択され、ここで、各シクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基は、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1、2、または3回置換されていてもよく;
が、水素、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキル−であり;
各Rが、独立に、−S(O)R、−SO、−NR、−NRC(O)OR、−NRSO、または−COであり;かつ、
およびRが、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル−、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよく;
あるいはRおよびRが、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を含有してもよい5員または6員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、ヒドロキシル、オキソ、(C−C)アルコキシ、または(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−で1、2、または3回置換されていてもよく、前記環は、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよく;
あるいはRおよびRが、それらが結合されている窒素と一緒に、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよい6〜10員の架橋二環式環系を表す、
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0022】
別の実施態様では、本発明は、
Xが、CHまたはNであり;
Lが、(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルであり;
が、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルケニル、(C−C)シクロアルケニル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルケニル(C−C)アルケニル、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルケニル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、フェニル(C−C)アルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルケニル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、RN(C−C)アルキル−、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−NRNR、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)NR、−NRNRC(O)OR、−OR、−OC(O)R、または−OC(O)NRであり、ここで、各シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基は、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1、2、または3回置換されていてもよく;
が、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、ヘテロアリール、または−NRであり、ここで、前記(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ハロゲン、−OR、−NR、−NHCO、ニトロ、(C−C)アルキル、RN(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、アリール、またはヘテロアリールで1、2、または3回置換されていてもよく;
が、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、−B(OH)、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、RN(C−C)アルキル−、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−NRNR、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)NR、−NRNRC(O)OR、−OR、RO(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキニル−、−OC(O)R、および−OC(O)NRからなる群から選択され、ここで、各シクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基は、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1、2、または3回置換されていてもよく;
が水素であり;
各Rが、独立に、−S(O)R、−SO、−NR、−NRC(O)OR、−NRSO、または−COであり;かつ、
およびRが、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよく;
あるいはRおよびRが、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を含有してもよい5員または6員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、ヒドロキシル、オキソ、(C−C)アルコキシ、または(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−で1、2、または3回置換されていてもよく、ここで、前記環は、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよく;
あるいはRおよびRが、それらが結合されている窒素と一緒に、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよい6〜10員架橋二環式環系を表す、
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0023】
別の実施態様では、本発明は、Rが水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、フェニル、またはフェニル(C−C)アルキルである式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rが(C−C)アルキルである式(I)の化合物に関する。特定の実施態様では、本発明は、Rがメチルである式(I)の化合物に関する。
【0024】
別の実施態様では、本発明は、Rが(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、ヘテロアリール、または−NRであり、ここで、前記(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ−、アリール、またはヘテロアリールは、独立に、ハロゲン、−OR、−NR、−NHCO、ニトロ、(C−C)アルキル、RN(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、アリール、またはヘテロアリールで1、2、または3回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0025】
別の実施態様では、本発明は、Rが(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、−NH((C−C)シクロアルキル)、−N((C−C)アルキル)((C−C)シクロアルキル)、−NH(ヘテロシクロアルキル)、または−N((C−C)アルキル)(ヘテロシクロアルキル)であり、ここで、いずれの前記(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキルオキシ−、ヘテロシクロアルキル、または(C−C)シクロアルキルも、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、アミノ(C−C)アルキル−、((C−C)アルキル)NH(C−C)アルキル−、((C−C)アルキル)N(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、フェニル、またはヘテロアリールで1または2回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0026】
別の実施態様では、本発明は、Rが(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ−、またはヘテロシクロアルキルオキシ−であり、それらはそれぞれ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、−CO、−C(O)NR、−SONR、フェニル、またはヘテロアリールで置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0027】
別の実施態様では、本発明は、Rが(C−C)シクロアルキルオキシ−であり、これは、独立に、ハロゲン、−OR、−NR、ニトロ、(C−C)アルキル、RN(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、アリール、またはヘテロアリールで1、2、または3回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0028】
別の実施態様では、本発明は、Rが(C−C)シクロアルキルオキシ−であり、これは、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、アミノ(C−C)アルキル−、((C−C)アルキル)NH(C−C)アルキル−、((C−C)アルキル)N(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、フェニル、またはヘテロアリールで1または2回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0029】
別の実施態様では、本発明は、Rが(C−C)シクロアルキルオキシ−であり、これは、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0030】
別の実施態様では、本発明は、Rがヘテロシクロアルキルオキシ−であり、独立に、ハロゲン、−OR、−NR、ニトロ、(C−C)アルキル、RN(C−C)アルキル−、RO(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、アリール、またはヘテロアリールで1、2、または3回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0031】
別の実施態様では、本発明は、Rがヘテロシクロアルキルオキシ−であり、これは、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、アミノ(C−C)アルキル−、((C−C)アルキル)NH(C−C)アルキル−、((C−C)アルキル)N(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−CO、−C(O)NR、−SONR、フェニル、またはヘテロアリールで1または2回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0032】
別の実施態様では、本発明は、Rがシクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジニルオキシ、ピペリジニルオキシ、またはテトラヒドロピラニルオキシであり、それらはそれぞれ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、−CO、−C(O)NR、−SONR、フェニル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、またはピリミジニルで置換されていてもよく、ここで、Rは、(C−C)アルキルまたはフェニル(C−C)アルキルであり、かつ、Rは、水素または(C−C)アルキルである、式(I)の化合物に関する。
【0033】
別の実施態様では、本発明は、Rがシクロペンチルオキシまたはシクロヘキシルオキシであり、それらはそれぞれ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0034】
別の実施態様では、本発明は、Rがシクロヘキシルオキシであり、それは、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0035】
別の実施態様では、本発明は、Rが−NRである式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rが−NRであり;Rがアゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはテトラヒドロピラニルであり、それらはそれぞれ、独立に、(C−C)アルキルで1または2回置換されていてもよく;かつ、Rは水素または(C−C)アルキルである、式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rが−NRであり;Rがアゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはテトラヒドロピラニルであり;かつ、Rがメチルまたはエチルである、式(I)の化合物に関する。
【0036】
別の実施態様では、本発明はRが−NRであり;Rがシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、それらはそれぞれ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で置換されていてもよく;かつ、Rは水素または(C−C)アルキルである、式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rが−NRであり;Rがシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、それらはそれぞれ、−N((C−C)アルキル)で置換されていてもよく;かつ、Rはメチルまたはエチルである、式(I)の化合物に関する。
【0037】
別の実施態様では、本発明は、Rが(C−C)アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、または−NRであり、ここで、前記シクロヘキシルオキシは、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0038】
別の実施態様では、本発明は、Rが水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−B(OH)、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、(C−C10)ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、RN(C−C)アルキル−、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−NRNR、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)NR、−NRNRC(O)OR、−OR、−OC(O)R、および−OC(O)NRからなる群から選択され、ここで、各シクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基は、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1、2、または3回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0039】
別の実施態様では、本発明は、Rが、独立に、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで1または2回置換されていてもよいヘテロアリールであり;各Rが、独立に、−S(O)R、−SO、−NR、−NRC(O)OR、−NRSO、または−COであり;かつ、RおよびRが、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよく;あるいはRおよびRが、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を含有してもよい5員または6員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、ヒドロキシル、オキソ、(C−C)アルコキシ、または(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−で1、2、または3回置換されていてもよく、ここで、前記環は、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよく;あるいはRおよびRが、それらが結合されている窒素と一緒に、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよい6員〜10員架橋二環式環系を表す、式(I)の化合物に関する。
【0040】
別の実施態様では、本発明は、Rが、(C−C)アルコキシ、−NR、RN(C−C)アルキル−、(C−C)アルキルヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルで置換されていてもよいヘテロアリールである、式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rが、ヘテロシクロアルキルまたは(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−で置換されていてもよいヘテロアリールである、式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rが、−NRで置換されていてもよいヘテロアリールである、式(I)の化合物に関する。
【0041】
別の実施態様では、本発明は、Rがフラニル、チオフェニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、またはトリアジニルであり、それらはそれぞれ−NRで置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0042】
別の実施態様では、本発明は、Rがフラニル、チオフェニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、またはトリアジニルであり、それらはそれぞれ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−メチルピペラジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルで置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0043】
別の実施態様では、本発明は、Rが、R−(C−C)アルキル−O−、R−(C−C)アルキル−S−、R−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ(C−C)アルキル、シアノ、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−SO、−SONR、ニトロ、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、ヘテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルで置換されていてもよいピリジニルであり;各Rは、独立に、−S(O)R、−SO、−NR、−NRC(O)OR、−NRSO、または−COであり;かつ、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよく;あるいはRおよびRが、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を含有してもよい5員または6員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、ヒドロキシル、オキソ、(C−C)アルコキシ、または(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−で1、2、または3回置換されていてもよく、ここで、前記環は、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよく;またはRおよびRが、それらが結合されている窒素と一緒に、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよい6〜10員架橋二環式環系を表す、式(I)の化合物に関する。
【0044】
別の実施態様では、本発明は、Rが、(C−C)アルコキシ、−NR、RN(C−C)アルキル−、(C−C)アルキルヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルで置換されていてもよいピリジニルである、式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rが、ヘテロシクロアルキルまたは(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−で置換されていてもよいピリジニルである、式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rが、−NRで置換されていてもよいピリジニルである、式(I)の化合物に関する。
【0045】
別の実施態様では、本発明は、Rが、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−メチルピペラジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルで置換されていてもよいピリジニルである、式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rが、ピペラジニルで置換されたピリジニルである、式(I)の化合物に関する。
【0046】
別の実施態様では、本発明は、Rが水素、−SO(C−C)アルキル、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、ヒドロキシ(C−C)アルキニル−、(C−C)アルコキシ、フェニル、ヘテロアリール、およびシアノからなる群から選択され、ここで、前記フェニルまたはヘテロアリール基は、独立に、(C−C)アルコキシ、−NR、RN(C−C)アルキル−、(C−C)アルキルヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルで1または2回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0047】
別の実施態様では、本発明は、Rが水素、−SO(C−C)アルキル、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、ヘテロアリール、およびシアノからなる群から選択され、ここで、前記フェニルまたはヘテロアリール基は、独立に、(C−C)アルコキシ、−NR、RN(C−C)アルキル−、(C−C)アルキルヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルで1または2回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0048】
別の実施態様では、本発明は、Rが水素、ハロゲン、フェニル、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記フェニルまたはヘテロアリール基は、独立に、(C−C)アルコキシ、−NR、RN(C−C)アルキル−、(C−C)アルキルヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルで1または2回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0049】
別の実施態様では、本発明は、Rがハロゲン、フェニル、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記フェニルまたはヘテロアリール基は、ヘテロシクロアルキルまたは(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0050】
別の実施態様では、本発明は、Rが水素、シアノ、ハロゲン、(C−C)アルコキシ、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、およびトリアジニルからなる群から選択され、ここで、前記フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、またはトリアジニルは、(C−C)アルコキシ、−NR、RN(C−C)アルキル−、(C−C)アルキルヘテロシクロアルキル−、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルで置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0051】
別の実施態様では、本発明は、Rが、−NRまたはRN(C−C)アルキル−で置換されていてもよいフェニルである、式(I)の化合物に関する。
【0052】
別の実施態様では、本発明は、Rがシアノ、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、ヒドロキシ(C−C)アルキニル−、または(C−C)アルコキシである式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rがヒドロキシ(C−C)アルキニル−である式(I)の化合物に関する。特定の実施態様では、本発明は、Rがシアノである式(I)の化合物に関する。
【0053】
別の実施態様では、本発明は、Rがハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、ヒドロキシ(C−C)アルキニル−、または(C−C)アルコキシである式(I)の化合物に関する。
【0054】
別の実施態様では、本発明は、Rが水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、または(C−C)アルコキシである式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Rが水素またはハロゲンである式(I)の化合物に関する。特定の実施態様では、本発明は、Rが水素、フッ素、塩素、または臭素である式(I)の化合物に関する。別の特定の実施態様では、本発明は、Rが水素または塩素である式(I)の化合物に関する。さらに特定の実施態様では、本発明は、Rが水素である式(I)の化合物に関する。
【0055】
別の実施態様では、本発明は、Rがハロゲンである式(I)の化合物に関する。特定の実施態様では、本発明は、Rがフッ素、塩素、または臭素である式(I)の化合物に関する。さらに特定の実施態様では、本発明は、Rが塩素である式(I)の化合物に関する。
【0056】
別の実施態様では、本発明は、Rが水素または(C−C)アルキルである式(I)の化合物に関する。特定の実施態様では、本発明は、Rが水素である式(I)の化合物に関する。
【0057】
別の実施態様では、本発明は、RおよびRがそれぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル−、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル−、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0058】
別の実施態様では、本発明は、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよく;あるいはRおよびRは、それらが結合されている窒素と一緒に、酸素、窒素、および硫黄から選択される付加的ヘテロ原子を含有してもよい5員または6員の飽和または不飽和環を表し、ここで、前記環は、独立に、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、ヒドロキシル、オキソ、(C−C)アルコキシ、または(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−で1、2、または3回置換されていてもよく、ここで、前記環は、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよく;あるいはRおよびRが、それらが結合されている窒素と一緒に、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール環と縮合していてもよい6〜10員架橋二環式環系を表す、式(I)の化合物に関する。
【0059】
別の実施態様では、本発明は、RおよびRが、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル(C−C)アルキル−、ヘテロアリール(C−C)アルキル−、またはヘテロアリールであり、ここで、いずれの前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、またはヘテロアリール基も、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、−COH、−CO(C−C)アルキル、−CONH、−CONH(C−C)アルキル、−CON((C−C)アルキル)、−SO(C−C)アルキル、−SONH、−SONH(C−C)アルキル、または−SON((C−C)アルキル)で1、2、または3回置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0060】
別の実施態様では、本発明は、RおよびRが、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、およびピペリジニルであり、ここで、前記シクロヘキシルまたはピペリジニルは、独立に、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル−、−SO(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で1または2回で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0061】
別の実施態様では、本発明は、Rが水素、(C−C)アルキル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、およびピペリジニルであり、ここで、前記シクロヘキシルまたはピペリジニルは、独立に、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル−、−SO(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で1または2回置換されていてもよく;かつ、Rが水素または(C−C)アルキルである、式(I)の化合物に関する。
【0062】
別の実施態様では、本発明は、Rが水素、メチル、エチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、またはピペリジニルであり、ここで、前記シクロヘキシルは、独立に、フッ素、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、またはモルホリニルで1または2回置換されていてもよく、ここで、前記ピペリジニルは、メチル、エチル、イソプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2−ヒドロキシエチル、1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル、シクロプロピルメチル、(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル、(6−メチルピリジン−2−イル)メチル、1−エトキシ−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル、またはメチルスルホニルで置換されていてもよく;かつ、Rが水素、メチル、またはエチルである、式(I)の化合物に関する。
【0063】
別の実施態様では、本発明は、Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルであり、それぞれはヒドロキシルで置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルであり、それぞれ独立にヒドロキシルで置換されている、式(I)の化合物に関する。
【0064】
別の実施態様では、本発明は、Lが、
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0065】
別の実施態様では、本発明は、Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルであり、ここで、前記(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルのいずれか1つのメチレン単位は、−O−、−NH−、または−N(C−C)アルキル−で置換されていてもよい、式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルであり、ここで、前記(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルのいずれか1つのメチレン単位は、−O−、−NH−、または−N(C−C)アルキル−で置換されている、式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Lが、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0066】
特定の実施態様では、本発明は、Lが、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
である式(I)の化合物に関する。
【0067】
別の特定の実施態様では、本発明は、Lが、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
である式(I)の化合物に関する。
【0068】
別の実施態様では、本発明は、Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルである式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルである式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルである式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Lが、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0069】
別の実施態様では、本発明は、Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルである式(I)の化合物に関する。別の実施態様では、本発明は、Lが、
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0070】
別の実施態様では、本発明は、Lが、
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0071】
別の実施態様では、本発明は、Lが、
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0072】
別の実施態様では、本発明は、Lが、
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0073】
特定の実施態様では、本発明は、Lが、
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
である式(I)の化合物に関する。
【0074】
別の特定の実施態様では、本発明は、Lが、
【化12】
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である式(I)の化合物に関する。
【0075】
別の特定の実施態様では、本発明は、Lが、
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
である式(I)の化合物に関する。
【0076】
別の特定の実施態様では、本発明は、Lが、
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
である式(I)の化合物に関する。
【0077】
別の特定の実施態様では、本発明は、Lが、
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
である式(I)の化合物に関する。
【0078】
特定の実施態様では、本発明は、
XがCHであり;
Lが
【化16】
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からなる群から選択され;
が(C−C)アルキルであり;
が(C−C)アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、または−NRであり、前記シクロヘキシルオキシは、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で置換されていてもよく;
が水素またはハロゲンであり;
が水素、(C−C)アルキル、またはヒドロキシ(C−C)アルキル−;かつ、
およびRが、それぞれ独立に、水素、(C−C)アルキル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、およびピペリジニルであり、ここで、前記シクロヘキシルまたはピペリジニルは、独立に、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル−、ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルキルで置換されていてもよいヘテロアリール(C−C)アルキル−、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル−、−SO(C−C)アルキル、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で1または2回置換されていてもよい、
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0079】
別の特定の実施態様では、本発明は、
XがCHであり;
Lが
【化17】
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からなる群から選択され;
が(C−C)アルキル;
が(C−C)アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、または−NRであり、ここで、前記シクロヘキシルオキシは、アミノ、−NH(C−C)アルキル、または−N((C−C)アルキル)で置換されていてもよく;
が水素または塩素であり;
が水素であり;
が水素、メチル、エチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、またはピペリジニルであり、ここで、前記シクロヘキシルは、独立に、フッ素、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、またはモルホリニルで1または2回置換されていてもよく、ここで、前記ピペリジニルは、メチル、エチル、イソプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2−ヒドロキシエチル、1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル、シクロプロピルメチル、(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル、(6−メチルピリジン−2−イル)メチル、1−エトキシ−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル、またはメチルスルホニルで置換されていてもよく;かつ、
が水素、メチル、またはエチルである、
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0080】
別の特定の実施態様では、本発明は、
XがCHであり;
Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニルであり;
が水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C-C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、フェニル、またはフェニル(C−C)アルキルであり;
が(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ−、またはヘテロシクロアルキルオキシ−であり、それらはそれぞれ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、−CO、−C(O)NR、−SONR、フェニル、またはヘテロアリールで置換されていてもよく;
が水素、ハロゲン、フェニル、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記フェニルまたはヘテロアリール基は、ヘテロシクロアルキルまたは(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−で置換されていてもよく;かつ、
が水素である、
式(I)の化合物または薬学的に許容可能な塩に関する。
【0081】
別の特定の実施態様では、本発明は、
XがCHであり;
Lが(C−C)アルキレニルまたは(C−C)アルケニレニル;
が(C−C)アルキル;
が−NR
が水素、ハロゲン、フェニル、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記フェニルまたはヘテロアリール基は、ヘテロシクロアルキルまたは(C−C)アルキル−ヘテロシクロアルキル−で置換されていてもよく;かつ、
が水素である、
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0082】
別の特定の実施態様では、本発明は、
XがCHであり;
Lが
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され;
が(C−C)アルキル;
がシクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ピロリジニルオキシ、ピペリジニルオキシ、またはテトラヒドロピラニルオキシであり、それらはそれぞれ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、−NH(C−C)アルキル、−N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、−CO、−C(O)NR、−SONR、フェニル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、またはピリミジニルで置換されていてもよく、ここで、Rは(C−C)アルキルまたはフェニル(C−C)アルキルであり、かつ、Rが水素または(C−C)アルキルであり;
が水素またはハロゲンであり;かつ
が水素である、
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0083】
別の特定の実施態様では、本発明は、
XがCHであり;
Lが
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され;
が(C−C)アルキルであり;
が−NRであり;
が水素またはハロゲンであり;
が水素であり;
がアゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはテトラヒドロピラニル、それらはそれぞれ、独立に、(C−C)アルキルで1または2回置換されていてもよく;かつ、
が水素または(C−C)アルキルである、
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0084】
本発明の特定の化合物としては、
(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン;
(Z)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−13−クロロ−11−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,15−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,6−ジメチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,10,16,17−テトラヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン;
(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,10,16,17−テトラヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン;
(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−6,9,15,16−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[g]ピリド[4,3−b][1,5]オキサアザシクロドデシン−1,14(2H)−ジオン;
(E)−12−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,17,18−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−l][1]アザシクロテトラデシン−1,16(2H,11H)−ジオン;
(E)−12−クロロ−10−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−12−クロロ−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−12−クロロ−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−12−クロロ−10−イソプロポキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,9,10,16,17−オクタヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン;
11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−3−メチル−5,6,7,8,9,10,16,17−オクタヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−15−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(E)−10−((1−(シクロプロピルメチル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−11−(エチル(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−エチルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−((1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
2−(4−(エチル(3−メチル−1,14−ジオキソ−1,2,5,6,9,14,15,16−オクタヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパン酸(E)−エチル;
(E)−10−(エチル(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(1−((6−メチルピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−(ジエチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((1−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−11−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン;
9−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン;
(E)−10−((シス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−((2,2−ジフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−((2,2−ジフルオロエチル)(メチル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−(メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−(アゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−9−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン;
9−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロジピリド[3,4−c:3’,4’−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((2−ヒドロキシエチル)(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((1−(ジメチルアミノ)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(2−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(2−メチル−2−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(7−メチル−7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((6−アミノスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((6−(ジメチルアミノ)スピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(2−メチル−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(シス−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(シス−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(アゼパン−4−イル(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((シス−4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(シス−4−((3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−(エチル(トランス−4−((3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(E)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;
(Z)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン;および
(E)−10−(エチル(シス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
またはその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
【0085】
絶対的ではないが一般に、本発明の塩は薬学的に許容可能な塩である。塩基性アミンまたは他の塩基性官能基を含有する開示の化合物の塩は、遊離塩基を塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(グルクロン酸またはガラクツロン酸など)、α−ヒドロキシ酸(クエン酸または酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸または桂皮酸など)、スルホン酸(p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸など)などの有機酸で処理することを含む、当技術分野で公知の任意の好適な方法によって作製することができる。
【0086】
薬学的に許容可能な塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニルブトレート(phenylbutrates)、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、マンデル酸塩、およびスルホン酸塩(キシレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩およびナフタレン−2−スルホン酸塩が含まれる。
【0087】
カルボン酸または他の酸性官能基を含有する開示の化合物の塩は、好適な塩基と反応させることにより作製することができる。このような薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な陽イオンを与える塩基を伴って形成される得るものであり、アルカリ金属塩(特に、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(特に、カルシウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩およびアンモニウム塩、ならびにトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、コリジン、キニーネ、キノリン、ならびにリシンおよびアルギニンなどの塩基性アミノ酸といった生理学的に許容可能な有機塩基から作製される塩が含まれる。
【0088】
薬学的に許容可能でない他の塩も本発明の化合物の製造に有用である場合があり、これらは本発明のさらなる態様をなすと考えられるべきである。シュウ酸塩またはトリフルオロ酢酸塩などのこれらの塩は、それら自体は薬学的に許容可能なものではないが、本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容可能な塩を得る際の中間体として有用な塩の製造に有用であり得る。
【0089】
式(I)の化合物またはその塩は、立体異性形(例えば、それは1以上の不斉炭素原子を含有する)で存在し得る。個々の立体異性体(鏡像異性体およびジアステレオマー)およびこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。同様に、式(I)の化合物または塩は、式で示される以外の互変異性形で存在してもよく、これらも本発明の範囲内に含まれると理解される。本発明は、本明細書の上記で定義される特定の基のあらゆる組合せおよびサブセットを含むと理解されるべきである。本発明の範囲は、立体異性体の混合物、ならびに精製された鏡像異性体または鏡像異性体的/ジアステレオマー的に富化された混合物を含む。本発明は以上に定義される特定の基のあらゆる組合せおよびサブセットを含むと理解されるべきである。
【0090】
本発明はまた、1以上の原子が、自然界で通常見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子に置き換わっているということ以外は、式(I)および下記に挙げられたものと同一である同位体標識化合物も含む。本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容可能な塩に組み込むことのできる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体、例えば、H、H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、および125Iが挙げられる。
【0091】
上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物および前記化合物の薬学的に許容可能な塩は、本発明の範囲内である。同位体で標識された本発明の化合物、例えば、Hまたは14Cなどの放射性同位体が組み込まれた化合物は、薬剤および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、H同位体および炭素−14、すなわち、14C同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性のために特に好ましい。11Cおよび18F同位体は、PET(陽電子放出断層撮影)において特に有用であり、125I同位体は、SPECT(単一光子放射型コンピューター断層撮影)において特に有用であり、総て脳撮像において有用である。さらに、重水素、すなわち、Hなどのより重い同位体による置換により、より大きい代謝安定性、例えば、in vivo半減期の増大または用量要求の低減から生じる特定の治療利益を得ることができ、それ故、状況によっては好ましいことがある。本発明の式(I)および下記の同位体標識化合物は一般に、以下のスキームおよび/または実施例で開示された手順を実施することにより、非同位体標識試薬の代わりに、容易に入手し得る同位体標識試薬を用いることによって製造可能である。
【0092】
本発明はさらに、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と1以上の賦形剤(薬学分野において担体および/または希釈剤とも呼ばれる)とを含んでなる医薬組成物(医薬処方物とも呼ばれる)を提供する。賦形剤は、その処方物の他の成分と適合し、かつ、そのレシピエント(すなわち、患者)に有害でないという意味で薬学的に許容される。
【0093】
好適な薬学的に許容可能な賦形剤は、選択される特定の投与形によって異なる。さらに、好適な薬学的に許容可能な賦形剤は、その組成物中で役立ち得る特定の機能に関して選択されてもよい。例えば、ある特定の薬学的に許容可能な賦形剤は、均一な投与形の製造を助けるそれらの能力に関して選択されてよい。ある特定の薬学的に許容可能な賦形剤は、安定な投与形の製造を助けるそれらの能力に関して選択されてよい。ある特定の薬学的に許容可能な賦形剤は、ひと度患者に投与された本発明の1または複数の化合物の、ある器官または身体部分から別の器官または身体部分への運搬または輸送を助けるそれらの能力に関して選択されてよい。ある特定の薬学的に許容可能な賦形剤は、患者のコンプライアンスを向上させるそれらの能力に関して選択されてよい。
【0094】
好適な薬学的に許容可能な賦形剤には、下記の種類の賦形剤:希釈剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、造粒剤、被覆剤、湿潤剤、溶媒、補助溶媒、沈殿防止剤、乳化剤、甘味剤、香味剤、矯味剤、着色剤、固化防止剤、湿潤剤(hemectants)、キレート剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、安定剤、界面活性剤、および緩衝剤が含まれる。当業者ならば、ある種の薬学的に許容可能な賦形剤は2つ以上の機能を果たす場合があり、どれくらいの量の賦形剤がその処方物中に存在するか、他のどんな成分がその処方物中に存在するかによって選択的機能を果たし得ることを認識するであろう。
【0095】
当業者ならば、本発明において使用するための適当な量の好適な薬学的に許容可能な賦形剤を選択できるだけの当技術分野の知識および技能を持っている。さらに、薬学的に許容可能な賦形剤を記載し、好適な薬学的に許容可能な賦形剤を選択する上で有用となり得る、当業者に利用可能な多くの情報源が存在する。例としては、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives (Gower Publishing Limited)、およびThe Handbook of Pharmaceutical Excipients (the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。
【0096】
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の技術および方法を用いて調製される。当技術分野で慣用される方法のいくつかは、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)に記載されている。
【0097】
医薬組成物は、単位用量当たり所定量の有効成分を含有する単位投与形であり得る。このような単位は、式(I)の化合物もしくはその塩の治療上有効な量、または所望の治療上有効な量を達成するために所与の時点で複数の単位投与形が投与され得るような治療上有効な量の画分を含有してよい。好ましい単位用量処方物は、本明細書の上記に挙げたように、有効成分の一日用量もしくは分割用量、またはその適切な画分を含有するものである。さらに、このような医薬組成物は、製薬技術分野で周知のいずれの方法によって調製してもよい。
【0098】
医薬組成物は、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸内、経鼻、局所(頬側、舌下、または経皮を含む)、膣内、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)経路などの適切ないずれの経路による投与にも適合可能である。このような組成物は、例えば有効成分を1または複数の賦形剤と会合させることにより、製薬分野で公知のいずれの方法によって調製してもよい。
【0099】
経口投与に適合される場合、医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤などの離散単位;散剤または顆粒剤;水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液;可食フォームまたはホイップ;水中油型液体エマルションまたは油中水型液体エマルションであり得る。本発明の化合物もしくはその塩、または本発明の医薬組成物はまた、「速溶性」医薬として投与するために、キャンディ、ウエハース、および/またはタンテープ(tongue tape)処方物中に配合してもよい。
【0100】
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与の場合、有効薬物成分は、エタノール、グリセロール、水などの経口用非毒性の薬学的に許容可能な不活性担体と組み合わせてもよい。散剤または顆粒剤は、化合物を適切な微細サイズに粉砕し、例えばデンプンまたはマンニトールのような可食炭水化物などの医薬担体を同様に粉砕したものと混合することによって調製される。香味剤、保存剤、分散剤、および着色剤も存在してよい。
【0101】
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を作製し、成形されたゼラチンまたは非ゼラチン系の剤皮に充填することによって作製される。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を、充填操作の前に粉末混合物に添加することができる。寒天、炭酸カルシウム、または炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤もまた、カプセル剤が摂取された際の医薬の利用度を向上するために添加することができる。
【0102】
さらに、所望される場合または必要な場合には、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤もまた本混合物に配合することができる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖類(例えば、グルコースもしくはβ−ラクトース)、トウモロコシ甘味剤、天然および合成ガム、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの投与形に使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定されるものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。
【0103】
錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒またはスラッグを形成し、滑沢剤および崩壊剤を加え、打錠することにより調剤される。粉末混合物は、適宜粉砕された化合物を、上記の希釈剤または基剤、ならびに場合によりカルボキシメチルセルロース、およびアルギン酸塩、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの再吸収促進剤、ならびに/またはベントナイト、カオリン、もしくはリン酸二カルシウムなどの吸収剤とともに混合することによって調製される。粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アカディア糊、またはセルロース系もしくはポリマー材料の溶液などの結合剤を湿らせ、スクリーンに通すことによって造粒することができる。造粒の別法として、粉末混合物を打錠機にかけることができるが、その結果、形成の不完全なスラッグが崩壊して顆粒となる。顆粒は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱油の添加により、錠剤成形鋳型への粘着を防ぐように滑沢化することができる。次に、滑沢化された混合物が打錠される。本発明の化合物または塩は、自由流動性の不活性担体と組み合わせて、造粒またはスラッグ化工程を経ずに、直接打錠することもできる。セラックの封止コート、糖またはポリマー材料のコーティング、およびワックスのつや出しコーティングからなる透明または不透明の保護コーティングを提供することができる。異なった用量を識別するために、これらコーティングに色素を添加することができる。
【0104】
溶液、シロップ、およびエリキシルなどの経口液は、所与量が所定量の有効成分を含有するように、単位投与形で調製することができる。シロップ剤は、本発明の化合物またはその塩を、適宜着香した水溶液に溶かすことにより調製することができ、一方、エリキシル剤は、非毒性のアルコール性ビヒクルの使用により調製される。懸濁液は、本化合物または塩を非毒性ビヒクルに分散させることにより処方することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミントオイルなどの着香添加剤、天然甘味剤、サッカリン、または他の人工甘味剤なども添加することができる。
【0105】
必要に応じて、経口投与のための単位投与処方物をマイクロカプセル化することができる。処方物はまた、放出を延長または持続させるために、例えば、粒子状材料をポリマーまたはワックスなどでコーティングまたは包埋することにより調製することもできる。
【0106】
本発明においては、錠剤およびカプセル剤が医薬組成物の送達のために好ましい。
【0107】
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物またはその塩と少なくとも1種類の賦形剤とを混合(または混入)することを含んでなる、医薬組成物の調製方法が提供される。
【0108】
本発明はまた、哺乳動物、特にヒトにおける治療の方法を提供する。本発明の化合物および組成物は、細胞増殖性疾患を治療するために使用される。本明細書で提供される方法および組成物により治療され得る病的状態には、限定されるものではないが、癌(以下にさらに述べる)、自己免疫疾患、真菌性障害、関節炎、移植片拒絶、炎症性腸疾患、限定されるものではないが、手術、血管形成術などを含む医療行為後に誘発される増殖などが含まれる。細胞は過増殖状態でも低増殖状態(異常な状態)でないと考えられてもなお治療が必要な場合があると認識される。例えば、創傷治癒中、細胞は「正常に」増殖しているといえるが、増殖の促進が望ましいと考えられる。よって、一つの実施態様では、本発明は、これらの障害または状態のいずれか1つに罹患したまたは罹患しようとしている細胞または患者への適用を含む。
【0109】
本明細書で提供される組成物および方法は、特に、前立腺癌、乳癌、脳腫瘍、皮膚癌、子宮頸癌、精巣癌などの腫瘍を含む癌の治療に有用であると思われる。それらは特に転移性または悪性腫瘍の治療に特に有用である。より詳しくは、本発明の組成物および方法により治療可能な癌としては、限定されるものではないが、星状細胞癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、肝細胞癌、喉頭癌、肺癌、口腔癌、卵巣癌、前立腺癌および甲状腺癌および肉腫などの腫瘍種が含まれる。より具体的には、これらの化合物は、心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;肺:気管支原生癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;消化管:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質性細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝細胞腫(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞性腺腫、血管腫;胆道:胆嚢癌、乳頭部癌、胆管癌;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍、脊索腫、オステオクロンフローマ(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨腫および巨細胞腫;神経系:頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸(子宮頸癌、腫瘍前子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌)、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌);血液系:血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子(moles)異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;および副腎:神経芽細胞腫を治療するために使用することができる。よって、本明細書に示される「癌性細胞」という用語は、上記で特定された病態のいずれか1つの侵された、または関連する細胞を含む。
【0110】
本化合物は、他の治療薬、特に、本化合物の活性を増強するまたは消失時間を延長する薬剤と組み合わせるか、または共投与することができる。本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物の投与と少なくとも1つの他の治療方法の使用を含んでなる。一つの実施態様では、本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物の投与と外科的療法を含んでなる。一つの実施態様では、本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物の投与と放射線療法を含んでなる。一つの実施態様では、組合せ療法は、本発明によれば、少なくとも1つの本発明の化合物と少なくとも1つの支持療法剤(例えば、少なくとも1つの制吐薬)の投与を含んでなる。一つの実施態様では、本発明による組合せ療法は、少なくとも1つの本発明の化合物と少なくとも1つの他の化学療法薬の投与を含んでなる。ある特定の実施態様では、本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物と少なくとも1つの抗新生物薬の投与を含んでなる。さらに別の実施態様では、本発明は、本開示のEZH2阻害剤はそれら自体、活性または有意に活性はないが、単独療法として活性があってもなくてもよい別の療法と組み合わせた際に、その組合せが有用な治療転帰を与える療法計画を含んでなる。
【0111】
用語「共投与する」およびその派生語は、本明細書で使用する場合、本明細書に記載のEZH2阻害化合物と、化学療法および放射線療法を含む癌治療において有用であることが知られているさらなる1または複数の有効成分との同時投与またはいずれかの個別逐次投与様式を意味する。さらなる1または複数の有効成分という用語は、本明細書で使用する場合、癌治療を必要とする患者に投与した際に有利な特性を示すことが知られる、または示す任意の化合物または治療薬を含む。好ましくは、投与が同時でない場合、これらの化合物は互い近接した時間に投与される。さらに、化合物が同じ投与形で投与されるかどうかは問われず、例えば、ある化合物を局所投与し、別の化合物を経口投与してもよい。
【0112】
一般に、治療される感受性腫瘍に対して活性を有する抗新生物薬が、本発明において特定の癌の治療に共投与され得る。このような薬剤の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology by V.T. Devita and S. Hellman (編), 第6版(2001年11月15日)に見出せる。当業者は、関与する薬物および癌の特定の特性に基づいて、薬剤のどの組合せが有用であるかを識別することができる。本発明において有用である典型的な抗新生物薬としては、限定されるものではないが、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドなどの微小管阻害剤;白金配位錯体;ナイトロジェンマスタード、オキサアザホスホリン、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素、およびトリアゼンなどのアルキル化剤;アントラサイクリン、アクチノマイシン、およびブレオマイシンなどの抗生物質;エピポドフィロトキシンなどのトポイソメラーゼII阻害剤;プリンおよびピリミジン類似体および抗葉酸化合物などの代謝拮抗剤;カンプトテシンなどのトポイソメラーゼI阻害剤;ホルモンおよびホルモン類似体;アザシチジンおよびデシタビンなどのDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;シグナル伝達経路阻害剤;非受容体チロシンキナーゼ血管新生阻害剤;免疫治療薬;アポトーシス促進剤;ならびに細胞周期シグナル伝達阻害剤が挙げられる。
【0113】
一般に、治療される感受性新生物に対して活性を有する任意の化学療法薬は、特定の薬剤が本発明の化合物を使用する療法に臨床上適合する限り、本発明の化合物と組み合わせて使用してよい。本発明において有用な典型的な抗新生物薬としては、限定されるものではないが、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍性抗生物質、細胞分裂抑制薬、ヌクレオシド類似体、トポイソメラーゼIおよびII阻害剤、ホルモンおよびホルモン類似体;レチノイド、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞増殖または増殖因子機能の阻害剤、血管新生阻害剤、およびセリン/トレオニンまたは他のキナーゼ阻害剤を含むシグナル伝達経路阻害剤;サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;モノクローナル、ワクチンまたは他の生物薬剤を含む、アンチセンス療法および免疫治療薬が挙げられる。
【0114】
ヌクレオシド類似体は、デオキシヌクレオチド三リン酸に変換され、複製中のDNAにシトシンの代わりに組み込まれる化合物である。DNAメチルトランスフェラーゼは、修飾された塩基に共有結合して、不活性な酵素およびDNAメチル化の低下をもたらす。ヌクレオシド類似体の例としては、骨髄異形成障害の治療に使用されるアザシチジンおよびデシタビンが挙げられる。ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤としては、皮膚T細胞リンパ腫の治療のためのボリノスタットが含まれる。HDACは、ヒストンの脱アセチル化を介してクロマチンを修飾する。さらに、HDACは、多くの転写因子およびシグナル達分子を含む多様な基質を有する。他のHDAC阻害剤も開発中である。
【0115】
シグナル伝達経路阻害剤は、細胞内変化を引き起こす化学プロセスを遮断または阻害する阻害剤である。本明細書で使用する場合、この変化は細胞増殖または分化または生存である。本発明において有用なシグナル伝達阻害剤としては、限定されるものではないが、受容体チロシンキナーゼ、非受容体型チロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメイン遮断剤、セリン/トレオニンキナーゼ、ホスファチジルイノシトール−3−OHキナーゼ、ミオイノシトールシグナル伝達およびRas癌遺伝子の阻害剤が含まれる。シグナル伝達経路阻害剤は、上記の組成物および方法において本発明の化合物と組み合わせて使用され得る。
【0116】
受容体キナーゼ血管新生阻害剤はまた、本発明において使用が見出せる。VEGFRおよびTIE−2に関連する血管新生の阻害剤は、シグナル伝達阻害剤に関して上記で述べられている(両方とも受容体チロシンキナーゼ)。他の阻害剤も本発明の化合物と組み合わせて使用可能である。例えば、VEGFR(受容体チロシンキナーゼ)を認識しないが、そのリガンドと結合する抗VEGF抗体;血管新生を阻害するインテグリン(αβ)の小分子阻害剤;エンドスタチンおよびアンギオスタチン(非RTK)も本発明の化合物と組み合わせた場合に有用であるといえる。VEGFR抗体の一例は、ベバシズマブ(アバスチン(AVASTIN)(登録商標))である。
【0117】
増殖因子受容体のいくつかの阻害剤が開発中であり、リガンドアンタゴニスト、抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびアプタマーが含まれる。これらの増殖因子受容体阻害剤はいずれも、本明細書に記載の組成物および方法/使用のいずれにおいても本発明の化合物と組み合わせて使用可能である。トラスツズマブ(ハーセプチン(Herceptin)(登録商標))は、増殖因子機能の抗erbB2抗体阻害剤の一例である。増殖因子機能の抗erbB1抗体阻害剤の一例は、セツキシマブ(エルビタックス(Erbitux)(商標)、C225)である。ベバシズマブ(アバスチン(Avastin)(登録商標))は、VEGFRに対するモノクローナル抗体の一例である。上皮細胞増殖因子受容体の小分子阻害剤の例としては、限定されるものではないが、ラパチニブ(Tykerb(登録商標))およびエルロチニブ(タルセバ(TARCEVA)(登録商標))が挙げられる。メシル酸イマチニブ(グリベック(GLEEVEC)(登録商標))は、PDGFR阻害剤の一例である。VEGFR阻害剤の例としては、パゾパニブ(ボトリエント(Votrient)(登録商標))、ZD6474、AZD2171、PTK787、スニチニブおよびソラフェニブが挙げられる。
【0118】
微小管阻害剤または有糸分裂阻害剤は、細胞周期のM期、すなわち有糸分裂期の間に腫瘍細胞の微小管に対して活性である細胞周期特異的薬剤である。微小管阻害剤の例としては、限定されるものではないが、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドが挙げられる。
【0119】
ジテルペノイドは、天然源に由来し、細胞周期のG/M期に作用する細胞周期特異的抗癌剤である。ジテルペノイドは、微小管のβ−チューブリンサブユニットと結合することによりこのタンパク質を安定化させると考えられている。その後タンパク質の分解が阻害され、有糸分裂が停止し、細胞死をたどると思われる。ジテルペノイドの例としては、限定されるものではないが、パクリタキセルおよびその類似体であるドセタキセルが挙げられる。
【0120】
パクリタキセル、5β,20−エポキシ−1,2α,4,7β,10β,13α−ヘキサ−ヒドロキシタクス−11−エン−9−オン4,10−ジアセテート2−ベンゾエートの(2R,3S)−N−ベンゾイル−3−フェニルイソセリンとの13−エステルは、タイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia)から単離された天然ジテルペン生成物であり、注射液タキソール(TAXOL)(登録商標)として市販されている。パクリタキセルは、テルペンのタキサンファミリーのメンバーである。パクリタキセルは、1971年にWaniら(J. Am. Chem, Soc., 93:2325. 1971)によって初めて単離され、化学法およびX線結晶学的方法によってその構造が同定された。その活性の1つの機構は、パクリタキセルの、チューブリンと結合し、それにより癌細胞増殖を阻害する能力に関連している。Schiff et al., Proc. Natl, Acad, Sci. USA, 77:1561-1565 (1980); Schiff et al., Nature, 277:665-667 (1979); Kumar, J. Biol, Chem, 256: 10435-10441 (1981)。いくつかのパクリタキセル誘導体の合成および抗癌活性に関する総説としては、D. G. I. Kingston et al., Studies in Organic Chemistry vol. 26, “New trends in Natural Products Chemistry 1986”, Attaur-Rahman, P.W. Le Quesne編(Elsevier, Amsterdam, 1986) pp 219-235を参照。
【0121】
パクリタキセルは、米国における難治性卵巣癌の治療における臨床使用(Markman et al., Yale Journal of Biology and Medicine, 64:583, 1991; McGuire et al., Ann. lnt, Med., 111:273,1989)および乳癌の治療(Holmes et al., J. Nat. Cancer Inst., 83:1797,1991)に承認されている。パクリタキセルは、皮膚における新生物(Einzig et. al., Proc. Am. Soc. Clin. Oncol., 20:46)および頭頸部癌(Forastire et. al., Sem. Oncol., 20:56, 1990)の治療のための潜在的候補である。またこの化合物は、多発性嚢胞腎疾患(Woo et. al., Nature, 368:750. 1994)、肺癌、およびマラリアの治療にも可能性を示している。パクリタキセルで患者を治療すると、閾値濃度(50nM)を超える投与期間に関連して(Kearns, C.M. et. al., Seminars in Oncology, 3(6) p.16-23, 1995)、骨髄抑制が起こる(複数の細胞系譜、Ignoff, R.J. et. al, Cancer Chemotherapy Pocket Guide, 1998)。
【0122】
ドセタキセル、(2R,3S)−N−カルボキシ−3−フェニルイソセリン,N−tert−ブチルエステルの5β−20−エポキシ−1,2α,4,7β,10β,13α−ヘキサヒドロキシタクス−11−エン−9−オン4−アセテート2−ベンゾエートとの13−エステルの三水和物は、注射液としてタキソテール(TAXOTERE)(登録商標)として市販されている。ドセタキセルは、乳癌の治療に指示される。ドセタキセルは、ヨーロッパイチイの針葉から抽出した天然の前駆物質10−デアセチル−バッカチンIIIを使用して製造された、パクリタキセル(前項参照)の半合成誘導体である。ドセタキセルの用量制限毒性は好中球減少である。
【0123】
ビンカアルカロイドは、ニチニチソウ由来の細胞周期特異的抗新生物薬である。ビンカアルカロイドは、チューブリンと特異的に結合することによって細胞周期のM期(有糸分裂)に作用する。その結果、結合されたチューブリン分子は、重合して微小管になることができない。有糸分裂は中期で停止し、細胞死をたどると考えられている。ビンカアルカロイドの例としては、限定されるものではないが、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビンが挙げられる。
【0124】
ビンブラスチン、硫酸ビンカロイコブラスチンは、注射液としてベルバン(VELBAN)(登録商標)として市販されている。ビンブラスチンは、種々の固形腫瘍の第二選択療法として指示される可能性があるが、精巣癌、ならびにホジキン病、リンパ球性および組織球性リンパ腫を含む種々のリンパ腫の治療に主として指示される。骨髄抑制がビンブラスチンの用量制限副作用である。
【0125】
ビンクリスチン、ビンカロイコブラスチンの22−オキソ−硫酸塩は、注射液としてオンコビン(ONCOVIN)(登録商標)として市販されている。ビンクリスチンは、急性白血病の治療に指示されており、ホジキンおよび非ホジキン悪性リンパ腫の治療計画の中でも使用されている。脱毛および神経学的作用がビンクリスチンの最も一般的な副作用であり、程度は低いが、骨髄抑制および胃腸粘膜炎作用が生じる。
【0126】
酒石酸ビノレルビンの注射液(ナベルビン(NAVELBINE)(登録商標))として市販されているビノレルビン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−C’−ノルビンカロイコブラスチン[R−(R,R)−2,3−ジヒドロキシブタン二酸(1:2)(塩)]は、半合成ビンカアルカロイドである。ビノレルビンは、単剤として、またはシスプラチンなどの他の化学療法薬と組み合わせて、種々の固形腫瘍、特に、非小細胞肺癌、進行性乳癌、およびホルモン不応性前立腺癌の治療に指示される。骨髄抑制がビノレルビンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0127】
白金配位錯体は、非細胞周期特異的抗癌剤であり、DNAと相互作用する。白金錯体は、腫瘍細胞に侵入し、アクア化を受け、DNAとの鎖内架橋および鎖間架橋を形成し、腫瘍に対して有害な生物学的作用を引き起こす。白金配位錯体の例としては、限定されるものではないが、シスプラチンおよびカルボプラチンが挙げられる。
【0128】
シスプラチン、シス−ジアンミンジクロロ白金は、注射液としてプラチノール(PLATINOL)(登録商標)として市販されている。シスプラチンは、主として転移性の精巣癌および卵巣癌ならびに進行性膀胱癌の治療に指示される。シスプラチンの主な用量制限副作用は、腎毒性(水分補給と利尿により管理可能)、および耳毒性である。
【0129】
カルボプラチン、ジアンミン[1,1−シクロブタン−ジカルボキシレート(2−)−O,O’]白金は、注射液としてパラプラチン(PARAPLATIN)(登録商標)として市販されている。カルボプラチンは、主として進行性卵巣癌の第一選択および第二選択治療に指示される。骨髄抑制がカルボプラチンの用量制限毒性である。
【0130】
アルキル化剤は、非細胞周期特異的抗癌剤(non-phase anti-cancer specific agents)であり、かつ、強力な求電子試薬である。一般に、アルキル化剤は、アルキル化によって、リン酸基、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、およびイミダゾール基などのDNA分子の求核部分を介してDNAと共有結合を形成する。このようなアルキル化によって核酸機能が破壊され細胞死に至る。アルキル化剤の例としては、限定されるものではないが、シクロホスファミド、メルファラン、およびクロラムブシルなどのナイトロジェンマスタード;ブスルファンなどのスルホン酸アルキル;カルムスチンなどのニトロソ尿素;ならびにダカルバジンなどのトリアゼンが挙げられる。
【0131】
シクロホスファミド、2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ−2H−1,3,2−オキシアザホスホリン2−オキシド一水和物は、注射液または錠剤としてシトキサン(CYTOXAN)(登録商標)として市販されている。シクロホスファミドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、および白血病の治療に指示される。脱毛、悪心、嘔吐および白血球減少がシクロホスファミドの最も一般的な用量制限副作用である。
【0132】
メルファラン、4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−L−フェニルアラニンは、注射液または錠剤としてアルケラン(ALKERAN)(登録商標)として市販されている。メルファランは、多発性骨髄腫および切除不能な卵巣上皮癌の待期療法に指示される。骨髄抑制がメルファランの最も一般的な用量制限副作用である。
【0133】
クロラムブシル、4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]ベンゼンブタン酸は、ロイケラン(LEUKERAN)(登録商標)錠剤として市販されている。クロラムブシルは、慢性リンパ性白血病、ならびにリンパ肉腫、巨大濾胞性リンパ腫、およびホジキン病などの悪性リンパ腫の待期療法に指示される。骨髄抑制がクロラムブシルの最も一般的な用量制限副作用である。
【0134】
ブスルファン、ジメタンスルホン酸1,4−ブタンジオールは、マイレラン(MYLERAN)(登録商標)錠剤として市販されている。ブスルファンは、慢性骨髄性白血病の待期療法に指示される。骨髄抑制がブスルファンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0135】
カルムスチン、1,3−[ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素は、BiCNU(登録商標)として凍結乾燥物質の単一バイアルとして市販されている。カルムスチンは、脳腫瘍、多発性骨髄腫、ホジキン病、および非ホジキンリンパ腫用に、単剤として、または他の薬剤と組み合わせて、待期療法に指示される。遅発性骨髄抑制がカルムスチンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0136】
ダカルバジン、5−(3,3−ジメチル−1−トリアゼノ)−イミダゾール−4−カルボキサミドは、材料の単一バイアルとしてDTIC−Dome(登録商標)として市販されている。ダカルバジンは、転移性悪性黒色腫の治療、および他の薬剤と組み合わせてホジキン病の第二選択治療に指示される。悪心、嘔吐、および食欲不振がダカルバジンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0137】
抗生物質系抗新生物薬は、非細胞周期特異的薬剤であり、DNAと結合するかまたはDNAにインターカレートする。一般に、このような作用によって安定なDNA複合体かまたは鎖の切断が生じ、それにより核酸の通常機能が乱れ、細胞死に至る。抗生物質系抗新生物薬の例としては、限定されるものではないが、ダクチノマイシンなどのアクチノマイシン;ダウノルビシンおよびドキソルビシンなどのアントロサイクリン;ならびにブレオマイシンが挙げられる。
【0138】
ダクチノマイシンは、アクチノマイシンDとしても知られ、注射液の形態でコスメゲン(COSMEGEN)(登録商標)として市販されている。ダクチノマイシンは、ウィルムス腫瘍および横紋筋肉腫の治療に指示される。悪心、嘔吐および食欲不振がダクチノマイシンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0139】
ダウノルビシン、(8S−シス−)−8−アセチル−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リクソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12ナフタセンジオン塩酸塩は、リポソーム注射形態としてダウノキソーム(DAUNOXOME)(登録商標)として、または注射液としてセルビジン(CERUBIDINE)(登録商標)として市販されている。ダウノルビシンは、急性非リンパ球性白血病および進行性HIV関連カポジ肉腫の治療における寛解導入に指示される。骨髄抑制がダウノルビシンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0140】
ドキソルビシン、(8S,10S)−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リクソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−8−グリコロイル,7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12ナフタセンジオン塩酸塩は、注射可能な形態としてルベックス(RUBEX)(登録商標)またはアドリアマイシンRDF(ADRIAMYCIN RDF)(登録商標)として市販されている。ドキソルビシンは、主として急性リンパ芽球性白血病および急性骨髄芽球性白血病の治療に指示されるが、いくつかの固形腫瘍およびリンパ腫の治療における有用成分でもある。骨髄抑制がドキソルビシンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0141】
ブレオマイシン、ストレプトミセス・ヴェルチシルス(Streptomyces verticillus)の株から単離された細胞傷害性グリコペプチド系抗生物質の混合物は、ブレノキサン(BLENOXANE)(登録商標)として市販されている。ブレオマイシンは、単剤として、または他の薬剤と組み合わせて、扁平上皮癌、リンパ腫、および精巣癌の待期療法に指示される。肺毒性および皮膚毒性がブレオマイシンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0142】
トポイソメラーゼII阻害剤としては、限定されるものではないが、エピポドフィロトキシンが挙げられる。
【0143】
エピポドフィロトキシンは、マンドレイク植物由来の細胞周期特異的抗新生物薬である。エピポドフィロトキシンは、一般に、トポイソメラーゼIIとDNAとの三元複合体を形成してDNA鎖の切断を引き起こすことによって、細胞周期のS期およびG期において細胞に影響を及ぼす。この鎖切断が蓄積し、細胞死をたどる。エピポドフィロトキシンの例としては、限定されるものではないが、エトポシドおよびテニポシドが挙げられる。
【0144】
エトポシド、4’−デメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6−0−(R)−エチリデン−β−D−グルコピラノシド]は、注射液またはカプセル剤としてベプシド(VePESID)(登録商標)として市販されており、一般にVP−16として知られている。エトポシドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、精巣癌および非小細胞肺癌の治療に指示される。骨髄抑制がエトポシドの最も一般的な副作用である。白血球減少の発生率の方が、血小板減少よりも重大となる傾向がある。
【0145】
テニポシド、4’−デメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6−0−(R)−テニリデン−β−D−グルコピラノシド]は、注射液としてブモン(VUMON)(登録商標)として市販されており、一般にVM−26として知られている。テニポシドは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、小児における急性白血病の治療に指示される。骨髄抑制がテニポシドの最も一般的な用量制限副作用である。テニポシドは、白血球減少および血小板減少の両方を誘発し得る。
【0146】
代謝拮抗性抗新生物薬は、DNA合成を阻害すること、またはプリンもしくはピリミジン塩基の合成を阻害し、それによりDNA合成を制限することによって細胞周期のS期(DNA合成)に作用する、細胞周期特異的抗新生物薬である。その結果、S期は進行せず、細胞死をたどる。代謝拮抗性抗新生物薬の例としては、限定されるものではないが、フルオロウラシル、メトトレキサート、シタラビン、メカプトプリン(mecaptopurine)、チオグアニン、およびゲムシタビンが挙げられる。
【0147】
5−フルオロウラシル、5−フルオロ−2,4−(1H,3H)ピリミジンジオンは、フルオロウラシルとして市販されている。5−フルオロウラシルを投与すると、チミジル酸合成が阻害され、またRNAおよびDNAの両方に組み込まれる。その結果は一般に細胞死である。5−フルオロウラシルは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、乳癌、結腸癌、直腸癌、胃癌、および膵癌の治療に指示される。骨髄抑制および粘膜炎が5−フルオロウラシルの用量制限副作用である。他のフルオロピリミジン類似体としては、5−フルオロデオキシウリジン(フロクスウリジン)および5−フルオロデオキシウリジン一リン酸が挙げられる。
【0148】
シタラビン、4−アミノ−1−β−D−アラビノフラノシル−2(1H)−ピリミジノンは、シトサール−U(CYTOSAR-U)(登録商標)として市販されており、一般にAra−Cとして知られている。シタラビンは、成長中のDNA鎖へのシタラビンの末端組み込みによってDNA鎖の伸長を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示すと考えられている。シタラビンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。他のシチジン類似体としては、5−アザシチジンおよび2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン(ゲムシタビン)が挙げられる。シタラビンは、白血球減少、血小板減少、および粘膜炎を誘発する。
【0149】
メルカプトプリン、1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオン一水和物は、プリントール(PURINETHOL)(登録商標)として市販されている。メルカプトプリンは、現時点でまだ特定されていないメカニズムによってDNA合成を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示す。メルカプトプリンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。骨髄抑制および胃腸粘膜炎が、高用量のメルカプトプリンの副作用と予想される。有用なメルカプトプリン類似体はアザチオプリンである。
【0150】
チオグアニン、2−アミノ−1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオンは、タブロイド(TABLOID)(登録商標)として市販されている。チオグアニンは、現時点でまだ特定されていないメカニズムによってDNA合成を阻害することにより、S期で細胞期特異性を示す。チオグアニンは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、急性白血病の治療に指示される。白血球減少、血小板減少、および貧血を含む骨髄抑制がチオグアニン投与の最も一般的な用量制限副作用である。しかしながら、消化管副作用も起こり、用量制限となり得る。他のプリン類似体としては、ペントスタチン、エリスロヒドロキシノニルアデニン、リン酸フルダラビン、およびクラドリビンが挙げられる。
【0151】
ゲムシタビン、2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン一塩酸塩(β−異性体)は、ジェムザール(GEMZAR)(登録商標)として市販されている。ゲムシタビンは、S期にて、またG1/S境界を通る細胞の進行を遮断することによって、細胞期特異性を示す。ゲムシタビンは、シスプラチンと組み合わせて局所進行性非小細胞肺癌の治療に指示され、また単独で局所進行性膵癌の治療に指示される。白血球減少、血小板減少、および貧血を含む骨髄抑制が、ゲムシタビン投与の最も一般的な用量制限副作用である。
【0152】
メトトレキサート、N−[4[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸は、メトトレキサートナトリウムとして市販されている。メトトレキサートは、プリンヌクレオチドおよびチミジル酸の合成に必要とされるジヒドロ葉酸レダクターゼの阻害を介して、DNAの合成、修復、および/または複製を阻害することによって、特にS期に細胞周期作用を示す。メトトレキサートは、単剤として、または他の化学療法薬と組み合わせて、絨毛癌、髄膜白血病、非ホジキンリンパ腫、ならびに乳癌、頭部癌、頸部癌、卵巣癌、および膀胱癌の治療に指示される。骨髄抑制(白血球減少、血小板減少、および貧血)および粘膜炎が、メトトレキサート投与の予想される副作用である。
【0153】
カンプトテシンおよびカンプトテシン誘導体を含むカンプトテシン類は、トポイソメラーゼI阻害剤として入手可能または開発中である。カンプトテシン類の細胞傷害活性は、そのトポイソメラーゼI阻害活性に関連すると考えられている。カンプトテシン類の例としては、限定されるものではないが、イリノテカン、トポテカン、および下記の7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20−カンプトテシンの種々の光学形態が挙げられる。
【0154】
イリノテカンHCl、(4S)−4,11−ジエチル−4−ヒドロキシ−9−[(4−ピペリジノピペリジノ)カルボニルオキシ]−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14(4H,12H)−ジオン塩酸塩は、注射液カンプトサール(CAMPTOSAR)(登録商標)として市販されている。
【0155】
イリノテカンは、その活性代謝物SN−38とともにトポイソメラーゼI−DNA複合体と結合する、カンプトテシンの誘導体である。細胞傷害性は、トポイソメラーゼI:DNA:イリンテカンまたはSN−38の三元複合体と複製酵素との相互作用により引き起こされる回復不能な二本鎖切断の結果として生じると考えられている。イリノテカンは、結腸または直腸の転移性癌の治療に指示される。イリノテカンHClの用量制限副作用は、好中球減少を含む骨髄抑制、および下痢を含むGI作用である。
【0156】
トポテカンHCl、(S)−10−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−エチル−4,9−ジヒドロキシ−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14−(4H,12H)−ジオン一塩酸塩は、注射液ハイカムチン(HYCAMTIN)(登録商標)として市販されている。トポテカンは、トポイソメラーゼI−DNA複合体と結合して、DNA分子のねじれ歪みに応答してトポイソメラーゼIにより引き起こされる一本鎖切断の再連結を妨げるカンプトテシンの誘導体である。トポテカンは、転移性の卵巣癌および小細胞肺癌の第二選択治療に指示される。トポテカンHClの用量規制副作用は、骨髄抑制、主に好中球減少である。
【0157】
医薬組成物は、単位用量当たり所定量の有効成分を含有する単位投与形で提供され得る。このような単位は、治療される病態、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および状態によって、例えば、0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、より好ましくは5mg〜100mgの式(I)の化合物を含有してよく、または医薬組成物は、単位用量当たり所定量の有効成分を含有する単位投与形で提供してもよい。好ましい単位用量組成物は、本明細書の上記に挙げたように、有効成分の一日用量もしくは分割用量、またはその適切な画分を含有するものである。さらに、このような医薬組成物は、製薬技術分野で周知のいずれの方法によって調製してもよい。
【0158】
医薬組成物は、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸内、経鼻、局所(頬側、舌下、または経皮を含む)、膣内、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)経路などの適切ないずれの経路による投与にも適合可能である。このような組成物は、例えば式(I)の化合物を1または複数の担体または賦形剤と会合させることにより、製薬分野で公知のいずれの方法によって調製してもよい。
【0159】
経口投与に適合した医薬組成物は、カプセル剤または錠剤などの離散単位;散剤または顆粒剤;水性または非水性液体中の溶液または懸濁液;可食フォームまたはホイップ;水中油型液体エマルションまたは油中水型液体エマルションとして提供され得る。
【0160】
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を作製し、成形されたゼラチン剤皮に充填することによって作製される。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を、充填操作の前に粉末混合物に添加することができる。寒天、炭酸カルシウム、または炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤もまた、カプセル剤が摂取された際の医薬の利用度を向上するために添加することができる。
【0161】
さらに、所望される場合または必要な場合には、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤もまた本混合物に配合することができる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖類(例えば、グルコースもしくはβ−ラクトース)、トウモロコシ甘味剤、天然および合成ガム、例えば、アラビアガム、トラガカントガムまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの投与形に使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定されるものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒またはスラッグを形成し、滑沢剤および崩壊剤を加え、打錠することにより調剤される。粉末混合物は、適宜粉砕された化合物を、上記の希釈剤または基剤、ならびに場合によりカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの再吸収促進剤、ならびに/またはベントナイト、カオリン、もしくはリン酸二カルシウムなどの吸収剤とともに混合することによって調製される。粉末混合物は、錠剤成形鋳型により、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱油を添加して造粒することができる。次に、滑沢化された混合物が打錠される。本発明の化合物は、自由流動性の不活性担体と組み合わせて、造粒またはスラッグ化工程を経ずに、直接打錠することもできる。セラックの封止コート、糖またはポリマー材料のコーティング、およびワックスのつや出しコーティングからなる透明または不透明の保護コーティングを提供することができる。異なった単位用量を識別するために、これらコーティングに色素を添加することができる。
【0162】
溶液、シロップ、およびエリキシルなどの経口液は、所与量が所定量の式(I)の化合物を含有するように、単位投与形で調製することができる。シロップ剤は、本化合物を、適宜着香した水溶液に溶かすことにより調製することができ、一方、エリキシル剤は、非毒性のアルコール性ビヒクルの使用により調製される。懸濁液は、本化合物を非毒性ビヒクルに分散させることにより処方することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミントオイルなどの着香添加剤、または天然甘味剤、またはサッカリン、または他の人工甘味剤なども添加することができる。
【0163】
必要に応じて、経口投与のための単位投与医薬組成物をマイクロカプセル化することができる。処方物はまた、放出を延長または持続させるために、例えば、粒子状材料をポリマーまたはワックスなどでコーティングまたは包埋することにより調製することもできる。
【0164】
直腸投与に適合した医薬組成物は、坐剤または浣腸として提供してよい。
【0165】
膣投与に適合した医薬組成物は、膣坐剤、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー処方物として提供してよい。
【0166】
非経口投与に適合した医薬処方物としては、抗酸化剤、バッファー、静菌剤および組成物を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性および非水性無菌注射液、ならびに沈殿防止剤および増粘剤を含み得る水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。これらの医薬組成物は単位用量または複数用量容器、例えば、密閉アンプルおよびバイアルで提供されてよく、使用直前に無菌液体担体、例えば、注射水を加えるだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存してよい。即時調合注射溶液および懸濁液は、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
【0167】
本医薬組成物は、特に上述した成分の他、対象とする処方物のタイプに関して当技術分野で慣例の他の薬剤を含んでよく、例えば、経口投与に好適なものは香味剤を含んでよいと理解されるべきである。
【0168】
本発明の化合物の治療上有効な量は、例えば、意図するレシピエントの年齢および体重、治療を必要とする厳密な病態およびその重篤度、処方物の性質、および投与経路を含むいくつかの因子によって異なり、最終的には投薬を指示する担当者の裁量にある。しかしながら、貧血治療のための有効量の式(I)の化合物は一般に、0.001〜100mg/kgレシピエント体重/日の範囲、好適には0.01〜10mg/kg体重/日の範囲である。70kgの成体哺乳動物では、1日当たりの実際の量は好適には7〜700mgであり、この量は1日当たり単回用量で与えられてよく、合計一日用量が同じとなるように1日当たり数回(例えば、2回、3回、4回、5回または6回)の分割用量で与えられてよい。有効量の塩または溶媒和物などは、式(I)の化合物自体の有効量の割合として決定され得る。上記に挙げられた他の症状の治療にも同様の用量が適当であることが想定される。
【0169】
定義
用語はそれらの許容される意味の範囲内で使用される。以下の定義は、定義された用語を限定するのではなく、明らかにすることを意味する。
【0170】
本明細書において使用する場合、用語「アルキル」は、明示された数の炭素原子を有する飽和、直鎖または分岐型炭化水素部分を表す。用語「(C−C)アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル部分を意味する。例示的アルキルとしては、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、およびヘキシルが含まれる。
【0171】
本明細書において使用する場合、用語「アルキレニル」は、明示された数の炭素原子を有する飽和、直鎖または分岐型二価炭化水素基を表す。用語「(C−C)アルキレニル」は、2〜8個の炭素原子を含有するアルキレニル部分を意味する。
【0172】
「メチレン単位」は、二価の一炭素炭化水素基、すなわち、−CH−を表す。
【0173】
「ハロ(C−C)アルキル」、「ヒドロキシ(C−C)アルキル」または「フェニル(C−C)アルキル−」など、用語「アルキル」が、他の置換基と組み合わせて使用される場合、用語「アルキル」は、二価の直鎖または分岐鎖炭化水素基を包含することが意図され、その結合点はアルキル部分を介する。用語「ハロ(C−C)アルキル」は、直鎖または分岐鎖炭素基である1〜4個の炭素原子を含有するアルキル部分の1以上の炭素原子において、同じであっても異なっていてもよい1以上のハロゲン原子を有する基を意味することを意図する。本発明において有用な「ハロ(C−C)アルキル」基の例は、限定されるものではないが、−CF(トリフルオロメチル)、−CCl(トリクロロメチル)、1,1−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、およびヘキサフルオロイソプロピルが含まれる。本発明において有用な「フェニル(C−C)アルキル−」基の例としては、限定されるものではないが、ベンジル(フェニルメチル)、1−メチルベンジル(1−フェニルエチル)、およびフェネチル(2−フェニルエチル)が含まれる。本発明において有用な「ヒドロキシ(C−C)アルキル」基の例としては、限定されるものではないが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、およびヒドロキシイソプロピルが含まれる。
【0174】
「アルコキシ」は、酸素架橋原子を介して結合された、上記で定義されるアルキル基を含有する基を意味する。用語「(C−C)アルコキシ」は、酸素架橋原子を介して結合された、少なくとも1個、最大4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味する。本発明において有用な「(C−C)アルコキシ」基の例は、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、イソブトキシ、およびt−ブトキシが含まれる。
【0175】
用語「アルケニル」が使用される場合、それは明示された数の炭素原子と少なくとも1個、最大4個の炭素−炭素二重結合を含有する直鎖または分岐型炭化水素鎖を意味する。例としては、エテニル(またはエテニレン)およびプロペニル(またはプロペニレン)が含まれる。
【0176】
用語「アルケニレニル」が使用される場合、それは 明示された数の炭素原子と少なくとも1個、最大4個の炭素−炭素二重結合を含有する直鎖または分岐型二価炭化水素基を意味する。
【0177】
用語「アルキニル」(または「アルキニレン」)が使用される場合、それは 明示された数の炭素原子と少なくとも1個、最大4個の炭素−炭素三重結合を含有する直鎖または分岐型炭化水素鎖を意味する。例としては、エチニル(またはエチニレン)およびプロピニル(またはプロピニレン)が含まれる。
【0178】
「シクロアルキル」が使用される場合、それは明示された数の炭素原子を含有する非芳香族、飽和、環式炭化水素環を表す。従って、例えば、用語「(C−C)シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を有する非芳香族環式炭化水素環を意味する。本発明において有用な「(C−C)シクロアルキル」基の例としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。
【0179】
本明細書において使用する場合、用語「シクロアルケニル」は、明示された数の炭素原子と少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する非芳香族環式炭化水素環を意味する。用語「(C−C)シクロアルケニル」は、5〜8個の環炭素原子を有する非芳香族環式炭化水素環を意味する。本発明において有用な「(C−C)シクロアルケニル」基の例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルが含まれる。
【0180】
本明細書おいて使用する場合、用語「シクロアルキルオキシ−」は、酸素架橋原子を介して結合された、上記で定義されるシクロアルキル基を含有する基を意味する。本発明において有用な「(C−C)シクロアルキルオキシ−」基の例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、およびシクロオクチルオキシが含まれる。
【0181】
本明細書において使用する場合、用語「ビシクロアルキル」は、明示された数の炭素原子を含有する飽和、架橋、縮合、またはスピロ、二環式炭化水素環系を意味する。「(C−C10)ビシクロアルキル」の例としては、限定されるものではないが、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.1.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[2.2.0]ヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、オクタヒドロペンタレニル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、デカヒドロナフタレニル、スピロ[3.3]ヘプチル、スピロ[2.4]ヘプチル、スピロ[3.4]オクチル、スピロ[2.5]オクチル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[3.5]ノニル、およびスピロ[4.5]デシルが含まれる。
【0182】
用語「ハロゲン」および「ハロ」は、クロロ、フルオロ、ブロモ、またはヨード置換基を表す。「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OH基を意味することを意図する。
【0183】
「ヘテロシクロアルキル」は、窒素、酸素および硫黄(N−オキシド、硫黄オキシド、およびジオキシドを含む)から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含む3〜10個の環原子を含有する飽和または部分不飽和の非芳香族、一価単環式または二環式基を含んでなる基または部分を表す。本発明において有用なヘテロシクロアルキルの具体例としては、限定されるものではないが、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3−ジオキソラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、1,3−オキサチオラニル、1,3−オキサチアニル、1,3−ジチアニル、1,4−ジチアニル、ヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピニル、アザスピロ[3.3]ヘプタニル、アザスピロ[3.4]オクタニル、アザスピロ[3.5]ノナニル、アザスピロ[4.4]ノナニル、アザスピロ[4.5]デカニル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[3.3.1]ノニル、アザビシクロ[4.3.0]ノニル、オキサビシクロ[2.2.1]ヘプチル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラニル、および1,5,9−トリアザシクロドデシルが含まれる。
【0184】
本明細書において使用する場合、用語「ヘテロアリール」は、1または複数の炭素と窒素、酸素および硫黄(N−オキシドを含む)から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する芳香環系を意味する。ヘテロアリールは、単環式または多環式、置換または非置換型であり得る。単環式ヘテロアリール基は、環内に1〜4個のヘテロ原子を有し得るが、多環式ヘテロアリールは1〜8個のヘテロ原子を含み得る。二環式ヘテロアリール環は、8〜10員の原子を含み得る。単環式ヘテロアリール環は、5〜6員原子(炭素およびヘテロ原子)を含み得る。5〜6員ヘテロアリールの例としては、限定されるものではないが、フラニル、チオフェニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、およびトリアジニルが含まれる。他の例示的ヘテロアリール基としては、限定されるものではないが、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチエニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、ベンズイミダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、トリアゾロピリジニル、プリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、1,5−ナフチリジニル、1,6−ナフチリジニル、1,7−ナフチリジニル、1,8−ナフチリジニル、およびプテリジニルが含まれる。
【0185】
本明細書において使用する場合、用語「シアノ」は、−CN基を意味する。
【0186】
本明細書において使用する場合、用語「場合により」は、次に記載される1または複数の事象が、発生しても、または発生しなくてもよいことを意味し、発生する1または複数の事象、および発生しない1または複数の事象の両方を含む。
【0187】
本明細書において使用する場合、特に断りのない限り、「場合により置換されていてもよい」という語句、またはその変形は、多置換度を含む1以上の置換基による任意選択による置換を示す。この語句は、本明細書に記載および描写される置換の重複として解釈されるべきではない。
【0188】
本明細書において使用する場合、用語「治療」は、特定の病態を緩和すること、病態の1以上の症状を排除または軽減すること、病態の進行を緩徐化また排除すること、および過去に罹患したまたは診断された患者または対象者における病態の再発を遅延させることを意味する。
【0189】
本明細書において使用する場合、用語「有効量」は、例えば、研究者または臨床医により求められる、組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医学的応答を惹起する薬物また医薬剤の量を意味する。
【0190】
用語「治療的有効な量」は、そのような量を受容していない対応する対象者と比較して、疾患、障害、もしくは副作用の治療の改善、治癒、予防、もしくは改善、または疾患もしくは障害の進行速度の減少をもたらす任意の量を意味する。この用語はまた、正常な生理学的機能を増進するのに有効な量もその範囲内に含む。療法において使用するために、治療上有効な量の式(I)の化合物ならびにその塩は、粗化学物質として投与してもよい。加えて、前記有効成分は医薬組成物として提供してもよい。
【0191】
化合物の製造
略号
AcOH 酢酸
BBr 三臭化ホウ素
CHCl クロロホルム
CHCl ジクロロメタン
CHCN アセトニトリル
CsCO 炭酸セシウム
CsF フッ化セシウム
DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EDC N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド
ES エレクトロスプレー
EtN トリエチルアミン
EtO ジエチルエーテル
EtOH エタノール
h 時間
HCl 塩酸
O 水
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
SO 硫酸
CO 炭酸カリウム
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
LiAlH 水素化リチウムアルミニウム
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
MeOH メタノール
MgCl 塩化マグネシウム
MgSO 硫酸マグネシウム
min 分
MS 質量分析
NaBHCN シアノ水素化ホウ素ナトリウム
NaCO 炭酸ナトリウム
NaHCO 重炭酸ナトリウム
Na(OAc)BH トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
NCS N−クロロスクシンイミド
NHOH 水酸化アンモニウム
Pd/C パラジウム炭素
PdCl(dppf)・CHCl [1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンの複合体
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
RB 丸底
TBME tert−ブチルメチルエーテル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0192】
一般合成スキーム
本発明の化合物は、周知の標準的な合成法を含む様々な方法によって作製することができる。例示的な一般合成法を以下に示し、その後、本発明の具体的化合物を実施例において製造する。当業者ならば、本明細書に記載の置換基が本明細書に記載の合成法に適合しなければ、その置換基は反応条件において安定な、好適な保護基で保護されてもよいと認識するであろう。保護基は、所望の中間体または目的化合物を提供するために、一連の反応の適切な時点で除去することができる。下記のスキームの総てにおいて、有機合成の一般原則に従い、要すれば、感受性または反応性の基に対する保護基が使用される。保護基は有機合成の標準的方法(T.W. Green and P.G.M. Wuts, (1991) Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons,保護基に関して引用することより本明細書の一部とされる)に従って操作される。これらの基は、化合物合成の都合のよい段階で、当業者に容易に明らかとなる方法を用いて除去される。方法の選択、ならびに反応条件およびそれらの実行順序は、本発明の化合物の製法と一致するものとする。出発材料は、市販されているか、または、市販の出発材料から当業者に公知の方法を用いて製造される。
【0193】
式(I)の化合物は、スキーム1に従って、または類似の方法によって製造することができる。ジクロロメタンなどの適当な溶媒中、N−メチルモルホリンなどの適当な塩基とともに、EDCおよび/またはHOAtもしくはHOBtなどの適当な試薬を用い、適宜官能基を付加した2−アルケニル−置換安息香酸Aを、適宜官能基化したアルケニル−置換3−アミノメチルピリジンBとカップリングさせた。ジクロロメタンなどの適当な溶媒中、グラブス(Grubbs)第二世代RCM触媒などの適当な試薬を用いた、アミドCの閉環メタセシスにより、大環Dが得られる。1,4−ジオキサンおよび/またはメタノールなどの適当な溶媒中、塩酸などの適当な試薬を用いた、2−メトキシピリジン部分の加水分解により、Lがアルケニレニルである式(I)の化合物が得られる。このような化合物にさらなる官能基を付加して、式(I)の他の化合物を得ることができ、かつ/またはそれらを酢酸エチルおよび/またはメタノールなどの適当な溶媒中、水素ガス雰囲気中、炭素上触媒白金の存在下などの適当な条件下で水素化して、Lがアルキレニルである式(I)の化合物を表す飽和大環を得ることができる。あるいは、2−アルケニル−置換安息香酸Aまたはアルケニル−置換3−アミノメチルピリジンBのいずれかにおけるアルケニル置換基のいずれか1つのメチレン単位が−O−、−NH−、または−N(C−C)アルキルで置換されている中間体を用いて、スキーム1に示される変換を行ってもよい。
【0194】
スキーム1:式(I)の化合物の合成(式中、nは0〜6であり、mが0〜6であり、かつ、m+n=0〜6)
【化20】
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【0195】
mが2または3である中間体Bは、スキーム2に従って、または類似の方法によって製造することができる。適宜官能基化した3−シアノ−4−メチルピリジンを、テトラヒドロフランなどの適当な溶媒中、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの適当な塩基で脱プロトン化し、3−ブロモプロプ−1−エンまたは4−ブロモブト−1−エンなどの適当な求電子物質でアルキル化する。このニトリルを、ジエチルエーテルおよび/またはテトラヒドロフランなどの適当な溶媒中、水素化リチウムアルミニウムなどの適当な試薬を用いて還元すると中間体Bが得られる。
【0196】
スキーム2:中間体B(mが2または3であり、かつ、RがHである)の合成
【化21】
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【0197】
式(I)の化合物はまた、スキーム3に従って、または類似の方法によって製造することもできる。スキーム1に従って、または類似の方法によって製造された、Rがメトキシである大環D−1を、ジクロロメタンなどの適当な溶媒中、BBrなどの適当な試薬を用いて脱メチル化するとフェノールEが得られる。例えば、DMFなどの適当な溶媒中、CsCOなどの適当な塩基を用い、適宜官能基化したメタンスルホン酸シクロアルキルなどの適当な求電子物質でアルキル化することによりフェノールEをさらに官能基化すると、中間体Fが得られる。この2−メトキシピリジン部分を、1,4−ジオキサンおよび/またはメタノールなどの適当な溶媒中、塩酸などの適当な試薬を用いて加水分解すると式(I)の化合物が得られる。このような化合物をさらに官能基化して式(I)の他の化合物を得ることができ、かつ/またはそれらを酢酸エチルおよび/またはメタノールなどの適当な溶媒中、水素ガス雰囲気中、炭素上触媒白金の存在下などの適当な条件下で水素化して、Lがアルキレニルである式(I)の化合物を表す飽和大環を得ることができる。
【0198】
スキーム3:式(I)の化合物の合成(nは0〜6であり、mは0〜6であり、かつ、m+n=0〜6)
【化22】
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【0199】
式(I)の化合物はまた、スキーム4に従って、または類似の方法によって製造することもできる。スキーム1に従って、または類似の方法によって製造した、Rがニトロである大環D−2を、AcOHなどの適当な溶媒中、亜鉛などの適当な試薬を用いて還元するとアニリンGが得られる。例えば、DCM、DCE、および/またはAcOHなどの適当な溶媒中、Na(OAc)BHなどの適当な還元剤を用いた適当なアルデヒドまたはケトンでの還元的アミノ化によりアニリンGをさらに官能基化すると中間体Hが得られる。同様の条件下、適当なアルデヒドまたはケトンで2回目の還元的アミノ化を行うか、またはCHCNなどの適当な溶媒中、DIPEAなどの適当な塩基を用い、適当なハロゲン化アルキルでアルキル化すると中間体Iが得られる。1,4−ジオキサンおよび/またはメタノールなどの適当な溶媒中、塩酸などの適当な試薬を用い、2−メトキシピリジン部分の加水分解により式(I)の化合物が得られる。このような化合物をさらに官能基化して式(I)の他の化合物を得ることができ、かつ/またはそれらを酢酸エチルおよび/またはメタノールなどの適当な溶媒中、水素ガス雰囲気中、炭素上触媒白金の存在下などの適当な条件下で水素化して、Lがアルキレニルである式(I)の化合物を表す飽和大環を得ることができる。
【0200】
スキーム4:式(I)の化合物の合成(nは0〜6であり、mは0〜6であり、かつ、m+n=0〜6)
【化23】
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【0201】
実験
以下の指針は、本明細書に記載の総ての実験手順に当てはまる。反応は総て、特に断りのない限り、炉で乾燥させたガラス器具を用い、陽圧窒素下で行った。示されている温度は外部温度(すなわち、槽温)であり、およその数値である。空気および水分感受性の液体は、シリンジを介して移した。試薬は受け取ったものをそのまま使用した。使用溶媒は、販売者により「無水」として挙げられているものである。溶液中の試薬に関して挙げられているモル濃度はおよその数値であり、対応する標品に対して事前に滴定を行うことなく用いた。反応は総て、特に断りのない限り撹拌子により撹拌した。加熱は、特に断りのない限り、シリコーン油を含有する加熱浴を用いて行った。マイクロ波照射(2.45GHzで0〜400W)により行う反応は、Biotageイニシエーター(商標)2.0装置をBiotage(登録商標)マイクロ波EXPバイアル(0.2〜20mL)およびセプタムおよびキャップとともに用いて行った。溶媒およびイオン電荷に基づいて使用した照射レベル(すなわち、高、通常、低)は、販売者の仕様書に基づいた。−70℃より低い温度への冷却は、ドライアイス/アセトンまたはドライアイス/2−プロパノールを用いて行った。乾燥剤として用いた硫酸マグネシウムおよび硫酸ナトリウムは無水級であり、互換的に使用された。「真空」または「減圧下」で除去されると記載されている溶媒は、回転蒸発によりこれを行った。
【0202】
分取順相シリカゲルクロマトグラフィーは、RediSep(登録商標)もしくはISCO(登録商標)Goldシリカゲルカートリッジ(4g〜330g)を備えたTeledyne ISCO CombiFlash(登録商標)Companion装置、またはSF25シリカゲルカートリッジ(4g〜300g)を備えたAnalogix(登録商標)IF280装置、またはHPシリカゲルカートリッジ(10g〜100g)を備えたBiotage(登録商標)SP1装置を使用して行った。逆相HPLCによる精製は、特に断りのない限り、固相としてYMC−packカラム(ODS−A 75×30mm)を用いて行った。特に断りのない限り、25mL/分 A(CHCN−0.1%TFA):B(水−0.1%TFA)、10〜80%勾配A(10分)の移動相を、214nMでのUV検出とともに用いた。
【0203】
PE Sciex(登録商標)API 150シングル四重極質量分析計(PE Sciex、ソーンヒル、オンタリオ州、カナダ)を、エレクトロスプレーイオン化法を陽イオン検出モードで用いて作動させた。ゼロエア発生器(Balston Inc.、へーバリル、MA、USA)から霧化ガスを生成し、65psiで送達し、カーテンガスは、Dewar液体窒素容器から50psiで送達される高純度窒素であった。エレクトロスプレーニードルにかけられる電圧は4.8kVであった。オリフィスは25Vに設定し、質量分析計は、0.2amuのステップマスを用い、プロファイルデータを回収しながら、0.5スキャン/秒の速度でスキャンを行った。
【0204】
方法A LCMS。 サンプルを、ハミルトン10μLシリンジを備えたCTC PAL(登録商標)オートサンプラー(LEAP Technologies、キャルボロ、NC)を用いて質量分析計に導入し、Valco 10ポートインジェクションバルブに注入を行った。HPLCポンプはShimadzu(登録商標)LC−10ADvp(Shimadzu Scientific Instruments、コロンビア、MD)であり、0.3mL/分、および3.2分で4.5%Aから90%Bへの直線勾配、0.4分の保持で作動させた。移動相は容器Aの100%(HO 0.02%TFA)および容器Bの100%(CHCN 0.018%TFA)から構成された。固定相はAquasil(C18)であり、カラム寸法は1mm×40mmであった。検出は214nmでのUV、蒸発光散乱(ELSD)およびMSによった。
【0205】
方法B、LCMS。 あるいは、LC/MSを備えたAgilent(登録商標)1100分析HPLCシステムを用い、1mL/分、および2.2分で5%Aから100%Bへの直線勾配、0.4分保持で作動させた。移動相は、容器Aの100%(HO 0.02%TFA)および容器Bの100%(CHCN 0.018%TFA)から構成された。固定相は粒径3.5μmのZobax(C8)であり、カラム寸法は2.1mm×50mmであった。検出は214nmでのUV、蒸発光散乱(ELSD)およびMSによった。
【0206】
方法C、LCMS。 あるいは、キャピラリーカラム(50×4.6mm、5μm)を備えたMDSSCIEX(登録商標)API 2000を用いた。HPLCは、CHCN:酢酸アンモニウムバッファーで溶出するZorbax SB−C18(50×4.6mm、1.8μm)カラムを備えたAgilent−1200シリーズUPLCシステムにて行った。反応はマイクロ波(CEM、Discover)中で行った。
【0207】
H−NMRスペクトルは、Bruker(登録商標)AVANCE 400MHz装置を、再処理のために使用されるACD Spect manager v.10とともに用いて、400MHzで記録した。示されている多重度は、s=一重線、d=二重線、t=t三重線、q=四重線、quint=五重線、sxt=六重線、m=多重線、dd=二重の二重線、dt=二重の三重線などであり、brは幅広のシグナルを示す。そうではないことが示されない限り、NMRはDMSO−d中のものである。
【0208】
分析的HPLC:
生成物は、Agilent(登録商標)1100 Analyticalクロマトグラフィーシステムにより、4.5×75mm Zorbax XDB−C18カラム(3.5μm)を、2mL/分、HO(0.1%ギ酸)中、5%CHCN(0.1%ギ酸)から95%CHCN(0.1%ギ酸)への4分勾配、1分保持で用いて分析した。
【実施例】
【0209】
実施例の製法
実施例1:(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド
(a)4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル
【化24】
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【0210】
THF(40mL)中、2−メトキシ−4,6−ジメチルニコチノニトリル(1.5g、9.25mmol)の溶液に、−78℃でLiHMDS(10.17mL、10.17mmol)を加え、この混合物を−78℃で1時間撹拌した。3−ブロモプロプ−1−エン(0.880mL、10.17mmol)を加え、この混合物を−78℃で1時間撹拌し、1時間かけて0℃まで温めた。次に、この混合物を0℃で3時間撹拌した。この反応を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAcでの抽出を行った(3回)。合わせた有機液をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を、Trilutionソフトウエアを用いる逆相HPLCを、phenomenex Gemini 5u C18(2) 100A、AXIA 30×100mm 5ミクロン、10分実施(30mL/分、40%CHCN/HO、0.1%ギ酸から80%CHCN/HO、0.1%ギ酸へ)、254nmでのUV検出とともに用いて精製し、4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(1.01g、54%)を淡黄色油状物として得た。
【0211】
LC-MS(ES) m/z = 203 [M+H]+
【0212】
(b)(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン
【化25】
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【0213】
0℃で、EtO(15mL)中、4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(700mg、3.46mmol)の溶液に、LiAlH(THF中2M、3.46mL、6.92mmol)を加え、この混合物を室温までゆっくり温め、室温で3時間撹拌した。この混合物を氷浴で冷却し、最小量の水でクエンチした(水素が生成しなくなるまで)。この混合物をDCMで処理し、濾過し、残渣をDCM:MeOH(10:1)で洗浄した。合わせた有機相を濃縮し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中0から13%MeOHへ)を用いて精製し、(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(604mg、85%)を淡黄色油状物として得た。
【0214】
LC-MS(ES) m/z = 190 [M+H-NH3]+ (主) 207 [M+H]+ (副)。
【0215】
(c)2−アミノ−3−メトキシ安息香酸メチル
【化26】
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【0216】
MeOH(250mL)中、2−アミノ−3−メトキシ安息香酸(34.5g、206mmol)の溶液に、濃HSO(50mL)をゆっくり加えた。この反応混合物を95℃で一晩加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、真空濃縮した。残渣はベージュのスラリーであり、これをEtOと混合し、EtOと、過剰なNaCOを含有する冷却飽和NaCO水溶液との混合物にゆっくり注いだ。EtO層を分離し、水層をEtOでさらに2回抽出した。合わせたEtO抽出液を希NaOH(2回)、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ショートシリカプラグで濾過し、真空濃縮し、2−アミノ−3−メトキシ安息香酸メチル(34.0g、91%)を黄褐色固体として得た。
【0217】
LC-MS(ES) m/z = 182 [M+H]+
【0218】
(d)2−アミノ−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸メチル
【化27】
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【0219】
DMF(200mL)中、2−アミノ−3−メトキシ安息香酸メチル(34g、188mmol)の溶液に、NCS(26.8g、197mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で3時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、冷水(300mL)に注いだ。固体を濾過し、水で洗浄し、2−アミノ−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸メチル(36.2g、89%)を褐色固体として得た。
【0220】
LC-MS(ES) m/z = 216 [M+H]+
【0221】
(e)2−ブロモ−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸メチル
【化28】
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【0222】
CHCN(300mL)中、2−アミノ−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸メチル(22g、102mmol)の溶液に、臭化銅(II)(68.4g、306mmol)を加えた。この混合物は暗色となり、室温でさらに15分間撹拌し、亜硝酸tert−ブチル(90%純度、21.04g、184mmol)を10分かけて滴下した。この反応混合物をさらに30分間撹拌した後、60℃で一晩加熱した。この反応混合物を真空濃縮し、水およびEtOAcを加えた。得られた混合物を、濃緑色が消えるまで撹拌した。有機相は褐色となり、水相は緑色で不溶性材料を伴っていた。この混合物全体をセライト(登録商標)で濾過し、EtOAcで洗浄した。EtOAc層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(80gカラム、ドライロード、ヘキサン中0−10%EtOAc)により精製し、2−ブロモ−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸メチル(14.4g、50%)を灰白色固体として得た。
【0223】
LC-MS(ES) m/z = 279, 281 [M+H]+
【0224】
(f)2−アリル−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸メチル
【化29】
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【0225】
3本のマイクロ波バイアルに、2−ブロモ−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸メチル(1g、3.58mmol)、アリルトリブチルスタンナン(1.227mL、3.94mmol)、KCO(0.989g、7.16mmol)、ヨウ化銅(I)(0.136g、0.716mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(0.292g、0.358mmol)、およびDMF(15mL)の混合物を装填した後、密閉し、マイクロ波反応器にて100℃で90分間加熱した。これらの3つの反応混合物を合わせ、CsF水溶液で急冷した。固体を濾過し、濾液をEtOで抽出した(4回)。合わせた有機抽出液を水(3回)、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(45gカラム、ヘキサン中0−5%EtOAc)により精製した。得られた油性残渣を逆相HPLC(Gilson(登録商標)装置、Trilutionソフトウエア、Waters SunFire Prep C18 OBD 5uM、19×50mmカラム、0.1%TFAを含む水中50−90%CHCN)によりさらに精製し、2−アリル−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸メチル(1.35g、52%)を無色の油状物として得た。
【0226】
LC-MS(ES) m/z = 241 [M+H]+
【0227】
(g)2−アリル−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸
【化30】
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【0228】
MeOH(15mL)中、2−アリル−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸メチル(1.05g、4.36mmol)の溶液に、6N NaOH(5mL、30.0mmol)を加え、この反応混合物を室温で90分間撹拌した。揮発性物質を真空下で除去した。残渣を水で希釈し、ヘキサンで抽出した。水層を6N HClで酸性化した。得られた懸濁液を濾過し、2−アリル−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸(920mg、93%)を白色固体として得た。
【0229】
LC-MS(ES) m/z = 227 [M+H]+
【0230】
(h)2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−5−クロロ−3−メトキシベンズアミド
【化31】
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【0231】
DCM(18mL)中、2−アリル−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸(650mg、2.87mmol)、(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(648mg、2.76mmol)、EDC(795mg、4.15mmol)、HOAt(564mg、4.15mmol)およびN−メチルモルホリン(0.912mL、8.29mmol)の反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を飽和NaCO水溶液でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAc)により精製し、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−5−クロロ−3−メトキシベンズアミド(805mg、70%)を白色固体として得た。
【0232】
LC-MS(ES) m/z = 415 [M+H]+
【0233】
(i)12−クロロ−1,10−ジメトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化32】
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【0234】
DCM(100mL)中、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−5−クロロ−3−メトキシベンズアミド(805mg、1.940mmol)の脱気溶液に、Grubbs II触媒(165mg、0.194mmol)を加えた。この反応混合物を窒素下、室温で一晩、撹拌した。この反応混合物を真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(30gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAc)により精製し、12−クロロ−1,10−ジメトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(517mg、69%)のE異性体とZ異性体の混合物を灰白色固体として得た。
【0235】
LC-MS(ES) m/z = 387 [M+H]+
【0236】
(j)12−クロロ−10−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化33】
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【0237】
−78℃で、DCM(40mL)中、12−クロロ−1,10−ジメトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(510mg、1.318mmol)の溶液に、BBr(DCM中1M、4.61mL、4.61mmol)を滴下した。得られた混合物をゆっくり室温とし、一晩撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈した後、0℃での飽和NaHCO水溶液の滴下でクエンチした。得られた懸濁液を濾過してベージュ色の固体を得た。濾液の層を分離し、水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた後、濃縮して固体を得た。これらの固体を合わせ、12−クロロ−10−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オンのE異性体とZ異性体の混合物(512mg、94%)をベージュ色の固体として得た。
【0238】
LC-MS(ES) m/z = 373 [M+H]+
【0239】
(k)メタンスルホン酸シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル
【化34】
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【0240】
THF(20mL)中、(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(880mg、4.09mmol)およびEtN(1.424mL、10.22mmol)の溶液に、塩化メタンスルホニル(0.478mL、6.13mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を真空濃縮し、EtOAcで希釈し、で飽和NaHCO水溶液(2回)、ブライン(1回)洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、真空濃縮し、メタンスルホン酸シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル(1.16g、97%)を灰白色固体として得た。
【0241】
LC-MS(ES) m/z = 238 (主), 294 [M+H]+ (副), 316 [M+Na]+ (副)。
【0242】
(l)(トランス−4−(((E)−12−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルおよび(トランス−4−(((Z)−12−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化35】
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【0243】
DMF(15mL)中、12−クロロ−10−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(500mg、1.207mmol)およびメタンスルホン酸シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル(1062mg、3.62mmol)の溶液に、CsCO(1966mg、6.03mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で2日間加熱した。この反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を水(2回)、ブライン(1回)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(30gカラム、ヘキサン中0−40%EtOAc)により精製して白色固体を得た。この固体を、逆相HPLC(Gilson(登録商標)装置、Trilutionソフトウエア、Waters SunFire Prep C18 OBD 5uM、19×50mmカラム、0.1%TFAを含む水中50−80%CHCNを使用)によりさらに精製し、(トランス−4−(((E)−12−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(347mg、50%)を白色固体として得た。
【0244】
LC-MS(ES) m/z = 571 [M+H]+
【0245】
また、(トランス−4−(((Z)−12−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(252mg、37%)も白色固体として単離された。
【0246】
LC-MS(ES) m/z = 571 [M+H]+
【0247】
(m)(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド
【化36】
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【0248】
1,4−ジオキサン(10mL)中、(トランス−4−(((E)−12−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(320mg、0.561mmol)の溶液に、HCl(1,4−ジオキサン中4M、3mL、12mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で3時間加熱した。この反応混合物を真空濃縮し、残渣をEtOAcで摩砕し、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド(247mg、89%)を白色固体として得た。
【0249】
LC-MS(ES) m/z = 456 [M+H]+. 1H NMR (DMSO-d6): δ 11.34 (br. s., 1H), 8.20 (t, J = 4.9 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 4.3 Hz, 3H), 7.23 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.85 (s, 1H), 4.99 - 5.17 (m, 2H), 4.31 (br. s., 1H), 4.17 (br. s., 1H), 3.31 (br. s., 2H), 3.05 (br. s., 1H), 2.16 - 2.26 (m, 2H), 2.12 (s, 3H), 2.05 (br. s., 2H), 1.90 - 2.00 (m, 2H), 1.31 - 1.55 (m, 4H)。注:2H’は観測されず。
【0250】
実施例2:(E)−12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化37】
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【0251】
MeOH(8mL)中、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド(230mg、0.467mmol)のスラリーに、ホルムアルデヒド(0.278mL、3.74mmol)、NaBHCN(147mg、2.335mmol)を少量ずつ加え、次いで、AcOH(0.027mL、0.467mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、MeOHを加えた。得られた懸濁液を濾過して残渣と濾液を得、両方とも生成物を含有していた。残渣を逆相HPLC(Gilson(登録商標)装置、Trilutionソフトウエア、Waters SunFire Prep C18 OBD 5uM、19×50mmカラム、0.1%TFAを含む水中10−50%CHCNを使用)により精製した。得られた画分を真空濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出するSilicycle(カーボネート)カートリッジ(1g)に通して白色固体(68mg)を得た。濾液をシリカで真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(4gカラム、CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl))により精製し、白色固体(44mg)を得た。これら2つの固体を合わせて(E)−12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(112mg、50%)を白色固体として得た。
【0252】
LC-MS(ES) m/z = 243 (主), 484 [M+H]+ (副)。 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.11 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.25 - 5.36 (m, 1H), 5.12 - 5.23 (m, 1H), 4.37 (s, 2H), 4.23 - 4.34 (m, 1H), 3.42 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 3.11 - 3.23 (m, 1H), 2.81 (s, 6H), 2.67 - 2.74 (m, 2H), 2.34 (br. s., 2H), 2.20 - 2.30 (m, 5H), 2.12 (d, J = 12.4 Hz, 2H), 1.61 - 1.74 (m, 2H), 1.46 - 1.61 (m, 2H)。注:2つの交換可能なH’は 観測されず。
【0253】
実施例3:12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン
【化38】
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【0254】
EtOAc(2mL)およびMeOH(10mL)中、(E)−12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(26mg、0.054mmol)の溶液を窒素で5分間脱気した後、白金(活性炭上10wt%、10mg)を加え、この溶液を窒素でさらに5分間パージした。この反応混合物を水素雰囲気下(バルーン)で8時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を真空濃縮し、12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン(20mg、77%)を白色固体として得た。
【0255】
LC-MS(ES) m/z = 244 (主), 486 [M+H]+ (副). 1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.41 (br. s., 1H), 8.55 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 7.04 - 7.16 (m, 1H), 6.79 - 6.89 (m, 1H), 5.87 (s, 1H), 4.39 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 4.32 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 2.55 - 2.65 (m, 2H), 2.43 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.17 (s, 7H), 2.11 (s, 3H), 1.96 - 2.07 (m, 2H), 1.74 - 1.86 (m, 2H), 1.57 - 1.71 (m, 2H), 1.28 - 1.51 (m, 8H)。
【0256】
実施例4:(Z)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド
【化39】
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【0257】
1,4−ジオキサン(10mL)中、(トランス−4−(((Z)−12−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(188mg、0.330mmol)の溶液にHCl(1,4−ジオキサン中4M、7mL、28mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。HCl(1,4−ジオキサン中4M、4mL)を加え、この反応混合物を70℃で3日間加熱した。この反応混合物を真空濃縮し、残渣をEtOAcで摩砕し、(Z)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド(118mg、73%)を灰白色固体として得た。
【0258】
LC-MS(ES) m/z = 456 [M+H]+1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.46 (br. s., 1H), 8.29 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 3.8 Hz, 3H), 7.22 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 5.95 (s, 1H), 5.07 - 5.27 (m, 2H), 4.39 (br. s., 2H), 3.63 - 3.76 (m, 1H), 3.54 - 3.64 (m, 1H), 3.06 (br. s., 1H), 2.55 - 2.66 (m, 2H), 2.33 (br. s., 2H), 2.12 (s, 3H), 2.02 - 2.10 (m, 2H), 1.91 - 2.03 (m, 2H), 1.36 - 1.60 (m, 4H)。
【0259】
実施例5:(Z)−12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化40】
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【0260】
MeOH(6mL)中、(Z)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−12−クロロ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド(115mg、0.234mmol)のスラリーに、ホルムアルデヒド(0.139mL、1.868mmol)、NaBHCN(73.4mg、1.168mmol)を少量ずつ加え、次いで、AcOH(0.013mL、0.234mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を真空濃縮し、逆相HPLC(Gilson(登録商標)装置、Trilutionソフトウエア、Waters SunFire Prep C18 OBD 5uM、19×50mmカラム、0.1%TFAを含む水中10−50%CHCN)により精製した。得られた画分を真空濃縮し、残渣を、MeOHで溶出するSilicycle(カーボネート)カートリッジ(1g)に通し、(Z)−12−クロロ−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(20mg、18%)を白色固体として得た。
【0261】
LC-MS(ES) m/z = 484 [M+H]+1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.08 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.23 (s, 1H), 5.15 - 5.28 (m, 2H), 4.54 (br. s., 2H), 4.25 - 4.35 (m, 1H), 3.47 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 2.83 (br. s., 2H), 2.53 (br. s., 2H), 2.31 (s, 7H), 2.26 (s, 3H), 2.19 (d, J = 3.0 Hz, 2H), 1.96 - 2.04 (m, 2H), 1.40 - 1.54 (m, 4H)。注: 2つの交換可能なH’は観測されず。
【0262】
実施例6:(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド、0.10 1,4−ジオキサン溶媒和物
(a)3−アミノ−2−ブロモ安息香酸メチル
【化41】
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【0263】
100mLのRBフラスコに、3−アミノ−2−ブロモ安息香酸(1.75g、8.10mmol)、濃HSO(2.159mL、40.5mmol)、およびMeOH(80mL)を加えた。この反応溶液を撹拌しながら18時間65℃加熱した。溶媒を真空下で除去し、残渣を、氷を含む飽和NaCO水溶液にゆっくり注いだ。この水溶液からEtOAcで生成物を抽出し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、3−アミノ−2−ブロモ安息香酸メチル(1.8g、95%)を褐色油状物として得た。
【0264】
LC-MS(ES) m/z = 230, 232 [M+H]+
【0265】
(b)2−ブロモ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル
【化42】
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【0266】
100mLのRBフラスコに、ジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オン(1.11g、11.1mmol)、3−アミノ−2−ブロモ安息香酸メチル(1.7g、7.39mmol)、Na(OAc)BH(4.70g、22.17mmol)、AcOH(2.54mL、44.3mmol)およびDCE(50mL)を加えた。この反応溶液を室温で60時間撹拌した。この反応溶液を飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈した。生成物をDCMで抽出し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、橙色の油状物を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、1:1)により精製し、2−ブロモ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(1.9g、81%)を金色の油状物として得、これは静置すると固化した。
【0267】
LC-MS(ES) m/z = 314, 316 [M+H]+
【0268】
(c)2−ブロモ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル
【化43】
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【0269】
250mLのRBフラスコに、アセトアルデヒド(0.76g、17.2mmol)、2−ブロモ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(1.8g、5.73mmol)、Na(OAc)BH(6.07g、28.6mmol)、AcOH(1.6mL、28.6mmol)およびDCE(50mL)を加えた。この反応溶液を室温で48時間撹拌した。この反応物にさらなるアセトアルデヒド(0.76g、17.2mmol)およびNa(OAc)BH(6.07g、28.6mmol)を追加した。さらに24時間後、この反応溶液を飽和NaHCO水溶液(50mL)で希釈した。生成物をDCMで抽出し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮して橙色の油状物を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、2:1)により精製し、2−ブロモ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(1.1g、56%)を黄色油状物として得た。
【0270】
LC-MS(ES) m/z = 342, 344 [M+H]+
【0271】
(d)2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル
【化44】
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【0272】
20mLのマイクロ波バイアルに、2−ブロモ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(0.2g、0.58mmol)、アリルトリブチルスタンナン(0.23g、0.70mmol)、ヨウ化銅(I)(0.02g、0.12mmol)、KCO(0.16g、1.17mmol)およびDMF(10mL)を加えた。この反応溶液を2時間110℃に加熱した後、マイクロ波反応器にて120℃で8時間加熱した。この反応溶液を飽和NaHCO水溶液(50mL)で希釈した。生成物をDCMで抽出し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、黒色油状物を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、2:1)により精製し、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(250mg)を黄色油状物として得た。
【0273】
LC-MS(ES) m/z = 304 [M+H]+
【0274】
(e)2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸
【化45】
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【0275】
50mLのRBフラスコに、MeOH(10mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(250mg、0.82mmol)およびNaOH水溶液(5M、1.6mL、8.2mmol)を加えた。この反応溶液を50℃で16時間撹拌した。この反応溶液を真空濃縮し、水性残渣をHCl水溶液(3M)でpH=5に調整した。生成物をDCMで抽出し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(200mg、80%)を黄褐色油状物として得た。
【0276】
LC-MS(ES) m/z = 290 [M+H]+
【0277】
(f)2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド
【化46】
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【0278】
100mLのRBフラスコに、DCM(30mL)中、EDC(138mg、0.72mmol)、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(160mg、0.55mmol)、(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(125mg、0.61mmol)、HOAt(98mg、0.72mmol)およびN−メチルモルホリン(0.24mL、2.2mmol)を加えた。この反応溶液を室温で20時間撹拌した。この反応内容物を真空濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、2:1)により精製し、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(210mg、76%)を白色泡沫として得た。
【0279】
LC-MS(ES) m/z = 478 [M+H]+
【0280】
(g)(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オンおよび(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化47】
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【0281】
50mLのRBフラスコに、乾燥DCM(15mL)中、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(180mg、0.38mmol)、およびGrubbs II触媒(64.0mg、0.075mmol)を加えた。この反応溶液を窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。さらなるGrubbs II触媒(64.0mg、0.075mmol)を追加し、反応溶液を窒素雰囲気下、室温で20時間撹拌した。この反応内容物を真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、1:1)により精製して灰白色泡沫(150mg)を得た。この泡沫を逆相HPLC(Gilson(登録商標)装置、Trilutionソフトウエア、Waters SunFire Prep C18 OBD 5uM、19×50mmカラム、0.1%TFAを含む水中5−95%CHCNを使用)により精製し、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(100mg、58%)をガラス質固体として得た。
【0282】
LC-MS(ES) m/z = 450 [M+H]+, 366もまた顕著である。
【0283】
また、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(40mg、23%)もガラス質固体として単離された。
【0284】
LC-MS(ES) m/z = 450 [M+H]+, 366もまた顕著である。
【0285】
(h)(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド、0.10 1,4−ジオキサン溶媒和物
【化48】
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【0286】
(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(160mg、0.36mmol)を含有する50mLのRBフラスコに、1,4−ジオキサン(5mL)およびHCl(1,4−ジオキサン中4M、6mL、25mmol)を加えた。この反応溶液を60℃で1時間撹拌した。反応材料は粘稠な油状物として溶液外に出てきた。この反応物に乾燥MeOH(1mL)を加え(油状物が溶解)、この溶液を60℃で2時間撹拌した。さらなるHCl(1,4−ジオキサン中4M、1mL)を加え、この溶液をさらに13時間60℃で撹拌した。この反応溶液を真空濃縮し、灰白色泡沫を得た。この固体をヘキサンで摩砕し、高真空下で乾燥させ、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド、0.10 1,4−ジオキサン溶媒和物(110mg、63%)を灰白色固体として得た。
【0287】
LC-MS(ES) m/z = 450 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 85℃) δ: 7.63 (br. s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.20 - 7.30 (m, 1H), 7.11 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 5.89 (s, 1H), 5.20 - 5.32 (m, 1H), 5.09 - 5.20 (m, 1H), 4.24 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.81 - 3.93 (m, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.12 - 3.32 (m, 5H), 2.60 (s, 2H), 2.24 (s, 2H), 2.16 (s, 3H), 1.76 - 1.55 (m, 4H), 0.86 (t, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0288】
実施例7:(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド、0.10 1,4−ジオキサン溶媒和物
【化49】
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【0289】
50mLのRBフラスコに、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(80mg、0.18mmol)、1,4−ジオキサン(5mL)および1,4−ジオキサン中4MHCl(6mL、25mmol)を加えた。この反応溶液を60℃で1時間撹拌した。反応材料は粘稠な油状物として溶液外に出てきた。この反応物に乾燥MeOH(1mL)を加え(油状物が溶解)、この溶液を60℃で2時間撹拌した。さらなるHCl(1,4−ジオキサン中4M、1mL)を加え、この溶液をさらに13時間60℃で撹拌した。この反応溶液を真空濃縮して灰白色泡沫を得た。この固体をヘキサンで摩砕し、高真空下で乾燥させ、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド、0.10 1,4−ジオキサン溶媒和物(40mg、23%)を灰白色固体として得た。
【0290】
LC-MS(ES) m/z = 450 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 85℃) δ: 7.79 (br. s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.22 - 7.32 (m, 1H), 7.05 - 7.17 (m, 1H), 5.96 (s, 1H), 5.15 - 5.30 (m, 1H), 5.05 - 5.15 (m, 1H), 4.37 - 4.43 (m, 2H), 3.80 - 3.95 (m, 2H), 3.65 - 3.80 (m, 2H), 3.15 - 3.35 (m, 5H), 2.63 - 2.77 (m, 2H), 2.35 - 2.45 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 1.50 - 1.80 (m, 4H), 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0291】
実施例8:(E)−13−クロロ−11−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
(a)2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ニコチノニトリル
【化50】
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【0292】
THF(20mL)中、2−メトキシ−4,6−ジメチルニコチノニトリル(1.115g、6.87mmol)の溶液に0℃で、シリンジを介し、10分かけてLiHMDS(トルエン中1M、7.22mL、7.22mmol)を滴下し、この反応物をこの温度で1時間撹拌した。4−ブロモブト−1−エン(0.733mL、7.22mmol)を、シリンジを介して滴下し、この混合物を0℃から室温で一晩撹拌した。この反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)に注ぎ、EtOAc(3×75mL)で抽出した。合わせた有機液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−20%EtOAc、40gカラム、生成物画分をプールし、ヘキサン中0−10%EtOAc、40gカラムで再カラム処理)により精製し、2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ニコチノニトリル(619mg、42%)を無色の油状物として得た。
【0293】
LC-MS(ES) m/z = 217 [M+H]+
【0294】
(b)(2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン
【化51】
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【0295】
0℃で、EtO(10mL)中、2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ニコチノニトリル(415mg、1.919mmol)の溶液に、LiAlH溶液(THF中1M)(3.84mL、3.84mmol)を加えた。この反応物を0℃で1時間撹拌した後、一晩室温まで温めた。150μLの水を加え、この反応混合物を室温で15分間撹拌した。150μLの2N NaOHを加え、この反応混合物を室温で15分間撹拌した。450μLの水を加え、この反応混合物を室温で30分間撹拌した。この反応混合物を濾過し、残渣をEtOAc(50mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc中100%EtOAcから30%EtOHへ)により精製し、(2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン(350mg、83%)を黄色油状物として得た。
【0296】
LC-MS(ES) m/z = 204 [M+H-NH3]+ (主), 221 [M+H]+ (副)。
【0297】
(c)2−アリル−5−クロロ−3−メトキシ−N−((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド
【化52】
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【0298】
DCM(20mL)中、2−アリル−5−クロロ−3−メトキシ安息香酸(617mg、2.72mmol)、2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン(500mg、2.270mmol)、EDC(653mg、3.40mmol)、HOAt(463mg、3.40mmol)およびN−メチルモルホリン(0.749mL、6.81mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を飽和NaCO水溶液でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(30gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAc)により精製し、2−アリル−5−クロロ−3−メトキシ−N−((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(848mg、87%)を白色固体として得た。
【0299】
LC-MS(ES) m/z = 429 [M+H]+
【0300】
(d)(E)−13−クロロ−1,11−ジメトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン
【化53】
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【0301】
DCM(100mL)中、2−アリル−5−クロロ−3−メトキシ−N−((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(840mg、1.958mmol)の脱気溶液に、Grubbs II触媒(166mg、0.196mmol)を加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(30gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc、次いで、100%EtOAc)により精製した。得られた画分を真空濃縮し、残渣をMeOHで摩砕し、(E)−13−クロロ−1,11−ジメトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン(600mg、76%)を灰白色固体として得た。
【0302】
LC-MS(ES) m/z = 401 [M+H]+
【0303】
(e)(E)−13−クロロ−11−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン
【化54】
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【0304】
−78℃で、DCM(70mL)中、(E)−13−クロロ−1,11−ジメトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン(600mg、1.497mmol)の溶液に、BBr(DCM中1M、5.24mL、5.24mmol)を滴下した。得られた混合物をゆっくり室温とし、一晩撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈した後、0℃にて、飽和NaHCO水溶液の滴下でクエンチした。固体を濾過し、水で洗浄し、(E)−13−クロロ−11−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン(398mg)をベージュの固体として得た。
【0305】
LC-MS(ES) m/z = 387 [M+H]+
【0306】
(f)(トランス−4−(((E)−13−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−15−オキソ−6,7,10,15,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−11−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化55】
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【0307】
DMF(10mL)中、E/Z−13−クロロ−11−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン(390mg、1.008mmol)およびメタンスルホン酸シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル(887mg、3.02mmol)の溶液に、CsCO(1642mg、5.04mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で一晩加熱した。この反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を水で洗浄した(2回)。溶液中に浮遊している蝋状固体が存在したので、この懸濁液を濾過した。残渣を逆相HPLC(Gilson(登録商標)装置、Trilutionソフトウエア、Waters SunFire Prep C18 OBD 5uM、19×50mmカラム、0.1%TFAを含む水中55−80%CHCNを使用)により精製し、白色固体(45mg)を得た。濾液をシリカで真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(12gカラム、ヘキサン中0−40%EtOAc、次いで、100%EtOAc)により精製し、生じた固体を逆相HPLC(Gilson(登録商標)装置、Trilutionソフトウエア、Waters SunFire Prep C18 OBD 5uM、19×50mmカラム、0.1%TFAを含む水中55−80%CHCNを使用)により精製し、さらに40mgの生成物を得た。これら2つの固体を合わせ、(トランス−4−(((E)−13−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−15−オキソ−6,7,10,15,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−11−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(85mg、14%)を白色固体として得た。
【0308】
LC-MS(ES) m/z = 584 [M+H]+
【0309】
(g)(E)−11−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−13−クロロ−3−メチル−6,7,10,16,17,17a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(5H)−ジオンヒドロクロリド
【化56】
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【0310】
1,4−ジオキサン(3mL)およびMeOH(1mL)中、(トランス−4−(((E)−13−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−15−オキソ−6,7,10,15,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−11−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(47mg、0.080mmol)のスラリーに、HCl(4M、1,4−ジオキサン、2mL、65.8mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を真空濃縮し、残渣をEtOAcで摩砕し、(E)−11−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−13−クロロ−3−メチル−6,7,10,16,17,17a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(5H)−ジオンヒドロクロリド(40mg、98%)を灰白色固体として得た。
【0311】
LC-MS(ES) m/z = 470 [M+H]+
【0312】
(h)(E)−13−クロロ−11−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化57】
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【0313】
MeOH(3mL)中、(E)−11−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)オキシ)−13−クロロ−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオンヒドロクロリド(40mg、0.079mmol)の溶液に、ホルムアルデヒド(0.059mL、0.790mmol)、NaBHCN(49.6mg、0.790mmol)を加え、次いで、AcOH(4.52μL、0.079mmol)を加えた。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。この反応混合物を真空濃縮し、水で摩砕した。懸濁液を濾過し、固体残渣を逆相HPLC(Gilson(登録商標)装置、Trilutionソフトウエア、Waters SunFire Prep C18 OBD 5uM、19×50mmカラム、0.1%TFAを含む水中15−50%CHCNを使用)により精製した。得られた画分を真空濃縮し、残渣を、MeOHで溶出するSilicycle(カーボネート)カートリッジ(1g)に通し、(E)−13−クロロ−11−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(27mg、69%)を白色固体として得た。
【0314】
LC-MS(ES) m/z = 498 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.11 (t, J = 4.0 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 5.27 - 5.37 (m, 1H), 5.05 (dt, J = 15.2, 7.3 Hz, 1H), 4.27 - 4.36 (m, 3H),3.57 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 2.22 - 2.30 (m, 2H), 2.14 - 2.20 (s, 8H), 2.10 (s, 3H), 2.02 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 1.86 - 1.96 (m, 2H), 1.71 - 1.82 (m, 2H), 1.47 (br. s., 2H), 1.36 (t, J = 9.5 Hz, 4H)。
【0315】
実施例9:(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,15−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,15−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化58】
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【0316】
0℃で、DMF(2mL)中、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(100mg、0.222mmol)の撹拌溶液に、水素化ナトリウム(8.01mg、0.334mmol)を一度に加えた。この反応物を0℃で15分間撹拌した。ヨウ化メチル(0.021mL、0.334mmol)を加え、この反応物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を飽和NaHCO水溶液でクエンチし、白色沈澱が生じ、一晩撹拌した。この沈澱を濾取し、残渣を一晩ポンプで乾燥させ、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,15−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(115mg、およそ90%純度)を白色固体として得た。
【0317】
LC-MS(ES) m/z = 464.4 [M+H]+
【0318】
(b)(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,15−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化59】
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【0319】
1,4−ジオキサン(2mL)中、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,15−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(115mg、およそ90%純度)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、4mL、132mmol)を加えた。この反応物を週末にわたって80℃で撹拌した後、室温まで冷却した。この反応混合物を濃縮して褐色固体を得、その後、MeOH(1mL)、次いで、EtOAc(50mL)に溶かした。有機溶液を飽和NaHCO水溶液(20mL)で洗浄した後、NaSOで乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc中0−10%MeOH、次いで、ヘキサン中0−100%EtOAcからEtOAc中0−10%MeOHで再カラム処理)により精製して無色のガラスを得、これをEtOで摩砕し、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,15−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(52mg、0.116mmol)を白色固体として得た。
【0320】
LC-MS(ES) m/z = 450.4 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 0.70 - 0.80 (m, 2H) 1.30 - 1.52 (m, 2H) 2.17 (s, 3H) 2.18 - 2.26 (m, 1H) 2.26 - 2.35 (m, 1H) 2.40 - 2.48 (m, 1H) 2.66 (s, 3H) 2.76 - 2.90 (m, 1H) 2.91 - 3.06 (m, 3H) 3.15 - 3.24 (m, 1H) 3.68 - 3.88 (m, 2H) 3.89 - 3.98 (m, 1H) 4.20 - 4.35 (m, 1H) 5.06 - 5.18 (m, 1H) 5.18 - 5.26 (m, 1H) 5.26 - 5.37 (m, 1H) 5.95 - 6.06 (m, 1H) 6.85 - 6.96 (m, 1H) 7.18 - 7.30 (m, 2H) 11.47 - 11.57 (m, 1H)。
【0321】
実施例10:(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,6−ジメチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
(a)3−シアノ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸エチル
【化60】
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【0322】
EtOH(200mL)中、2,4−ジオキソペンタン酸エチル(25g、158mmol)および2−シアノアセトアミド(13.29g、158mmol)の溶液を10分間撹拌し、次いで、この反応物に4分かけてピペリジン(3.91mL、39.5mmol)を滴下した。この反応物を65℃に加熱し、5時間撹拌した。この反応物を室温まで冷却し、一晩撹拌した。この反応物を、氷中HCl水溶液(1N、50mL)の混合物に注ぎ、15分間撹拌した後、15分間冷凍庫に置いた。この懸濁液を濾過し、少容量の水で洗浄し、真空下で乾燥させ、3−シアノ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸エチル(17.04g、81mmol、収率51.2%)を黄色固体として得た。
【0323】
LC-MS(ES) m/z = 206.9 [M+H]+
【0324】
(b)3−シアノ−2−メトキシ−6−メチルイソニコチン酸エチル
【化61】
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【0325】
DCM(200mL)中、3−シアノ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸エチル(11.2g、54.3mmol)の撹拌懸濁液に、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(10.04g、67.9mmol)を加えた。この反応物を40℃で18時間撹拌した。この反応物にNaOH水溶液(1N、100mL)/氷水を加えた。約10分間撹拌した後、この混合物を分液漏斗に注いだ。DCM相を除去し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、1時間真空濃縮して粗固体を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(220グラムシリカカラムおよびB:3−15%;A:1:1 ヘプタン:DCM、B:EtOの勾配;UV330nmで総ての画分を回収)により精製し、3−シアノ−2−メトキシ−6−メチルイソニコチン酸エチル(9.7g、43.2mmol、収率79%)を白色固体として得た。
【0326】
LC-MS(ES) m/z = 221.0 [M+H]+
【0327】
(c)4−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル
【化62】
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【0328】
THF(100mL)およびEtOH(100mL)中、3−シアノ−2−メトキシ−6−メチルイソニコチン酸エチル(9.7g、44.0mmol)および塩化カルシウム(19.55g、176mmol)の懸濁液を氷浴中、0℃で15分間撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウム(5.00g、132mmol)を加えた。この反応物を室温まで温め、20時間撹拌した後、さらなる水素化ホウ素ナトリウム(1g)を追加し、この反応物を一晩撹拌した。等容量のEtOAcを加え、この反応物を1時間撹拌した。この懸濁液をセライト(登録商標)パッドで濾過し、EtOAc(100mL)で洗浄した。濾液を分液漏斗に移し、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。この材料をフラッシュクロマトグラフィー(200グラムシリカカラムおよびB:4−20%;A:DCM、B:EtOAcの勾配、UV290nmで総ての画分を回収)により精製し、4−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(3.31g、18.20mmol、収率41.3%)を白色固体として得た。
【0329】
LC-MS(ES) m/z = 179.0 [M+H]+
【0330】
(d)メタンスルホン酸(3−シアノ−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)メチル
【化63】
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【0331】
0℃で、DCM(100mL)中、4−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(1000mg、5.61mmol)の撹拌溶液に、EtN(2.347mL、16.84mmol)を加え、この反応物を10分間撹拌した後、塩化メタンスルホニル(0.481mL、6.17mmol)を加え、この反応物をさらに1時間撹拌した。次いで、氷水(50mL)中に加え、15分間よく撹拌した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して残渣を得た。ヘプタンを加え、次いで、真空濃縮して残渣を得、これを真空下で乾燥させ、メタンスルホン酸(3−シアノ−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)メチル(1.52g、4.74mmol、収率85%)を固体として得た。
【0332】
LC-MS(ES) m/z = 257.0 [M+H]+
【0333】
(e)4−((アリル(メチル)アミノ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル
【化64】
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【0334】
DMF(30mL)中、メタンスルホン酸(3−シアノ−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)メチル(1.52g、5.04mmol)の溶液を室温で5分間撹拌した後、N−メチルプロプ−2−エン−1−アミン(0.968mL、10.08mmol)を滴下し、この反応物を5分間撹拌し、次いで、KCO(0.836g、6.05mmol)を加え、この反応を2時間撹拌した。氷と飽和塩化アンモニウム水溶液の混合物を加え、この反応物を10分間撹拌した後、DCMで抽出した(2回)。合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(40グラムシリカカラムおよびB:4−20%;A:DCM、B:90/10/1のCHCl/MeOH/NHOHの勾配、UV290nmで総ての画分を回収)により精製し、4−((アリル(メチル)アミノ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(1.05g、4.54mmol、収率90%)を黄色油状物として得た。
【0335】
LC-MS(ES) m/z = 232.0 [M+H]+
【0336】
(f)N−((3−(アミノメチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)メチル)−N−メチルプロプ−2−エン−1−アミン
【化65】
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【0337】
EtO(60mL)中、4−((アリル(メチル)アミノ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(1.05g、4.54mmol)の溶液を10分間撹拌した後、氷浴中に置き、0℃で15分間撹拌した。これにLiAlH(EtO中1.0M、9.08mL、9.08mmol)を約10分かけて滴下した。この反応混合物を氷浴中で1時間撹拌した後、取り出し、一晩室温まで温めた。この反応物を15分間氷浴中に戻した後、以下でクエンチした:0.35mLの水をゆっくり加え、0.35mLの15%NaOH、次いで、1.03mLの水を加え、その後、浴槽から取り出し、室温まで温め、30分間撹拌した。この反応物をTHF(60mL)で希釈した後、セライト(登録商標)で濾過し、THFですすぎ、濾液を真空濃縮し、N−((3−(アミノメチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)メチル)−N−メチルプロプ−2−エン−1−アミン(1.01g、3.43mmol、収率76%)を黄色液体として得た。
【0338】
LC-MS(ES) m/z = 236.1 [M+H]+
【0339】
(g)2−アリル−N−((4−((アリル(メチル)アミノ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド
【化66】
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【0340】
DMF(6mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(260mg、0.899mmol)、HOAt(147mg、1.078mmol)、EDC(207mg、1.078mmol)、およびN−((3−(アミノメチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)メチル)−N−メチルプロプ−2−エン−1−アミン(254mg、1.078mmol)の溶液に、N−メチルモルホリン(0.395mL、3.59mmol)を加え、この反応物を室温で約3時間撹拌した。この反応物を撹拌しながら氷水(約70mL)中にゆっくり希釈したところ、固体が沈殿した。この混合物をDCM(50mL、2回)、次いで、EtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をDCMに溶かし、シリカゲルに吸着させた後、フラッシュクロマトグラフィー(12グラムシリカカラムおよびB:10−85% A:ヘプタン B:3:1 EtOAc:EtOH+1%NHOHの勾配を用いる、UV254nmで総ての画分を回収)により精製し、2−アリル−N−((4−((アリル(メチル)アミノ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(259mg、0.511mmol、収率56.9%)を得た。
【0341】
LC-MS(ES) m/z = 507.4 [M+H]+ (副), 423.3 (副), 254.3 (主)。
【0342】
(h)11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,6−ジメチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−15(10H)−オン
【化67】
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【0343】
2−アリル−N−((4−((アリル(メチル)アミノ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(35mg、0.069mmol)をDCM(3mL)に溶かした後、撹拌し、遅い窒素流で10分間脱気した後、Grubbs II(およそ8.80mg)を加え、この反応物を一晩(24時間)撹拌した。さらなるGrubbs II(およそ5mg)を追加し、この反応物をさらに24時間撹拌した。第2の反応を行った:2−アリル−N−((4−((アリル(メチル)アミノ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(205mg、0.405mmol)をDCM(13mL)に溶かした後、撹拌し、遅い窒素流で10分間脱気し、次いで、Grubbs II(51.5mg、0.061mmol)を加えた。この反応物を室温で一晩(30時間)よく撹拌した。これら2つの反応混合物を合わせ、DCMで希釈し、シリカゲルに吸着させた後、フラッシュクロマトグラフィー(12グラムシリカカラム B:10−95%;A:ヘプタン B:1% NHOHを含む3:1 EtOAc:EtOHの勾配を用いる;UV290nmで総ての画分を回収)により精製し、11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,6−ジメチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−15(10H)−オン(55mg、0.098mmol)を固体として得た。
【0344】
LC-MS(ES) m/z = 479.4 [M+H]+
【0345】
(i)(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,6−ジメチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化68】
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【0346】
11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,6−ジメチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−15(10H)−オン(50mg、0.104mmol)をHCl(ジオキサン中4M、1.828mL、7.31mmol)およびMeOH(0.30mL)で処理し、60℃で加熱し、溶解するまでよく撹拌した後、この反応混合物を60℃で3時間撹拌した。この反応混合物を冷凍庫に一晩置いた後、60℃で1時間加熱し、その後、濃縮して残渣を得た。残渣を分取HPLC(Sunfire 30×75mmおよびB:10−50%;A:水+0.1%TFA、B:CHCN+0.1%TFAの勾配を使用、UV214nmで回収)により精製し、総ての生成物ピークを回収し、真空濃縮して残渣を得た。残渣を少量のDCM/MeOHに溶かし、EtN(0.05mL)を加えた。この溶液をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(4グラムシリカカラムおよびB:10−100%;A:DCM、B:90/10/1のCHCl/MeOH/NHOHの勾配、UV330nmで総ての画分を回収)により精製した。生成物画分を合わせ、揮発性物質を真空下で除去して残渣を得、これをCHCNで摩砕し、(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,6−ジメチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(25mg、0.052mmol、収率50.0%)を白色固体として得た。
【0347】
LC-MS(ES) 465.3 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.60 (br. s., 1H), 7.89 (br. s., 1H), 7.12-7.35 (m, 2H), 6.97 (d, J=7.1 Hz, 1H), 5.91 (s, 1H), 5.67 (dt, J=14.5, 7.1 Hz, 1H), 5.19-5.35 (m, 1H), 4.30 (d, J=3.0 Hz, 2H), 3.72-3.92 (m, 4H), 3.18-3.29 (m, 3H), 3.07-3.17 (m, 2H), 2.88-3.06 (m, 4H), 2.75-2.83 (m, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 1.36-1.50 (m, 2H), 1.25 (br. s., 1H), 1.18 (t, J=7.2 Hz, 1H), 0.78 (d, J=13.9 Hz, 1H)。
【0348】
実施例11:11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン
(a)4−((アリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル
【化69】
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【0349】
DMF(12mL)中、4−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(0.40g、2.245mmol)および3−ブロモプロプ−1−エン(0.233mL、2.69mmol)の撹拌溶液をブライン/氷浴中に置き、15分間撹拌した。NaH(鉱油中60%分散物、0.103g、2.58mmol)を加え、この反応物を120分間撹拌した。さらなるNaH(鉱油中60%分散物、およそ10mg)を追加し、この反応物をさらに1時間撹拌した。この反応物を氷および飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、この混合物を10分間撹拌した後、EtO中10%EtOAcで抽出し、次いで、EtOで抽出した。合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して残渣を得、これをDCMに溶かし、フラッシュクロマトグラフィー(24グラムシリカカラムおよびB:5−40%;A:ヘプタン、B:EtOAcの勾配、UV290nmで総ての画分を回収)により精製し、4−((アリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(246mg、1.127mmol、収率50.2%)を白色固体として得た。
【0350】
LC-MS(ES) m/z = 219.0 [M+H]+
【0351】
(b)(4−((アリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン
【化70】
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【0352】
EtO(20mL)中、4−((アリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(235mg、1.077mmol)の溶液を氷浴中に置き、0℃で15分間撹拌した。これにLiAlH(EtO中1.0M、2.153mL、2.153mmol)を約3分かけて加えた。この反応混合物を氷浴中で1時間維持した後、取り出し、室温まで温め、2時間撹拌した。この反応混合物を5分間氷浴中に戻した後、以下でクエンチした:0.082mLの水をゆっくり加え、0.082mLの15%NaOH、次いで、0.25mLの水を加えた。氷浴を外し、この反応混合物を室温まで温め、60分間撹拌し、THF(20mL)を加えた。この懸濁液をセライト(登録商標)で濾過した後、THF、EtOAc、およびEtOですすいだ。濾液を真空濃縮し、標題化合物(4−((アリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(214mg、0.963mmol、収率89%)を油状物として得た。
【0353】
LC-MS(ES) m/z = 223.0 [M+H]+
【0354】
(c)2−アリル−N−((4−((アリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド
【化71】
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【0355】
2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(210mg、0.726mmol)、HOAt(119mg、0.871mmol)、およびEDC(167mg、0.871mmol)を含有する反応容器に、DMF(10mL)中、(4−((アリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(215mg)の溶液、次いで、N−メチルモルホリン(0.319mL、2.90mmol)を加えた。この反応物を室温で約18時間撹拌した。この反応混合物を水(100mL)に注ぎ、10分間撹拌した後、EtO(2×80mL)で抽出した。有機液を合わせ、MgSOで乾燥させた後、濾過し、真空濃縮して残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(40グラムシリカカラムおよびB:5−65%;A:ヘプタン、B:EtOAcの勾配、UV290nmで総ての画分を回収)により精製し、2−アリル−N−((4−((アリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(217mg、0.440mmol、収率60.6%)を残渣として得た。
【0356】
LC-MS(ES) m/z = 494.3 [M+H]+ (副), 410.2 (副), 247.7 (主)。
【0357】
(d)11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−7,10,16,17−テトラヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−15(5H)−オン
【化72】
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【0358】
2−アリル−N−((4−((アリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(217mg、0.440mmol)をDCM(22mL)に溶かし、撹拌を始め、窒素で10分間脱気した後、Grubbs II(37.3mg、0.044mmol)を加えた。蓋をして遮光し、室温で一晩(22時間)よく撹拌した。この反応混合物をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(12グラムシリカカラムおよびB:5−65%、A:ヘプタン B:3:1 EtOAc:EtOHの勾配、UV290nmで総ての画分を回収)により精製し、11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−7,10,16,17−テトラヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−15(5H)−オン(112mg、0.241mmol、収率54.7%)を固体として得た。
【0359】
LC-MS(ES) m/z = 466.3 [M+H]+
【0360】
(e)11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−15(5H)−オン
【化73】
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【0361】
11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−7,10,16,17−テトラヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−15(5H)−オン(52mg、0.112mmol)にEtOH(3mL)およびEtOAc(2mL)およびTHF(1mL)を加え、軽く加熱して溶液を得た。この反応物を室温まで冷却した後、窒素で2分間パージし、次いで、Pd/C(活性炭上10wt%、5.94mg、5.58μmol)を加え、この反応物を水素雰囲気下(バルーン)に置き、反応物を一晩撹拌した。セライト(登録商標)およびDCM(5mL)を反応物に加え、この混合物をセライト(登録商標)で濾過し、DCM中10%MeOHで洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をメチルt−ブチルエーテルで処理し、濃縮した後、ヘプタンで処理し、濃縮し、11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−15(5H)−オン(53mg、0.111mmol、収率99%)を固体として得た。
【0362】
LC-MS(ES) m/z = 468.3 [M+H]+ (副), 234.7 (主)。
【0363】
(f)11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン
【化74】
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【0364】
11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−15(5H)−オン(49mg、0.105mmol)をHCl(ジオキサン中4M、1.572mL、6.29mmol)およびMeOH(0.40mL)に溶かし、得られた溶液をヒートブロック中に置き、65℃で18時間加熱した。この反応物をEtOAcで希釈し、真空濃縮して残渣を得、これを、2滴の濃NHOHを含むDCMおよびMeOHtに溶かし、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(4グラムシリカカラムおよびB:10−100% A:DCM B:90/10/1のCHCl/MeOH/NHOHの勾配、UV254nmで総ての画分を回収)により精製して残渣を得、メチルt−ブチルエーテルで処理し、濃縮し(2回)、11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン(30mg、0.063mmol、収率60.6%)を白色固体として得た。
【0365】
LC-MS(ES) m/z = 454.3 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.65 (br. s., 1H), 8.10 (t, J = 4.3 Hz, 1H), 7.09 - 7.21 (m, 2H), 7.00 (dd, J = 7.1, 1.5 Hz, 1H), 5.97 (s, 1H), 4.22 - 4.39 (m, 4H), 3.77 - 3.87 (m, 2H), 3.49 (t, J = 4.9 Hz, 2H), 3.20 (t, J = 10.9 Hz, 2H), 2.87 - 3.05 (m, 3H), 2.79 - 2.87 (m, 2H), 2.14 (s, 3H), 1.60 (br. s., 2H), 1.41 - 1.56 (m, 6H), 0.77 (t, J = 6.9 Hz, 3H)。
【0366】
実施例12:(E)−および(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,10,16,17−テトラヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン
【化75】
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【0367】
20mLのスクリューキャップバイアルに、11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−7,10,16,17−テトラヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−15(5H)−オン(52mg、0.112mmol)、HCl(4M、ジオキサン、1.675mL、6.70mmol)、次いで、MeOH(0.40mL)を装填し、蓋をし、ヒートブロック中に65℃で18時間置いた。この反応物をEtOAcで軽く希釈し、真空濃縮した。残渣をDCM+MeOHに溶かした後、2滴のNHOH(濃)を加えた。この溶液をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(4グラムカラム、勾配B:10−100% A:DCM B:90/10/1 CHCl/MeOH/NHOH)により精製した。生成物画分を合わせ、真空濃縮して残渣を得、これを、DCMを介してサブミッションバイアル(submission vial)に移し、N流下で濃縮した後、メチルt−ブチルエーテルで処理し、濃縮し(2回)、(E)−および(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−7,10,16,17−テトラヒドロベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]オキサアザシクロトリデシン−1,15(2H,5H)−ジオン(10mg)の混合物を白色固体として得た。LC-MS(ES)および1H NMR分析は、およそ1:1比の(E)および(Z)異性体を示唆する。
【0368】
LC-MS(ES) m/z = 452.3 [M+H]+1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.58 (br. s., 1H), 8.00-8.18 (m, 1H), 7.17-7.32 (m, 2H), 7.01-7.12 (m, 1H), 5.98-6.11 (m, 1H), 5.19-5.64 (m, 2H), 4.46 (s, 1H), 4.23-4.36 (m, 3H), 4.00 (d, J=5.8 Hz, 1H), 3.75-3.91 (m, 4H), 3.67 (d, J=5.3 Hz, 1H), 3.14-3.27 (m, 2H), 2.87-3.05 (m, 3H), 2.10-2.23 (m, 3H), 1.61 (br. s., 2H), 1.30-1.46 (m, 2H), 0.69-0.81 (m, 3H)。
【0369】
実施例13:(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−6,9,15,16−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[g]ピリド[4,3−b][1,5]オキサアザシクロドデシン−1,14(2H)−ジオン
(a)4−クロロ−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル
【化76】
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【0370】
DCM(100mL)中、4−クロロ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル(2.96g、17.56mmol)の撹拌懸濁液に、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(3.25g、21.95mmol)を加えた。この反応混合物を窒素雰囲気下に置き、油浴中、45℃で18時間加熱した。この反応物に1N NaOH/氷水(150mL)を加えた。約20分間撹拌した後、この混合物を分離した。有機液を除去し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。この固体をDCMおよびトルエンに溶かし、フラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、EtOAc中5−40%ヘプタン;混合した画分を80gカラム、EtOAc中5−40%ヘプタンで再カラム処理)により精製し、4−クロロ−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(2.06g、収率62%)を白色固体として得た。
【0371】
LC-MS(ES) m/z = 182.9 [M+H]+
【0372】
(b)4−クロロ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル
【化77】
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【0373】
CHCl(100mL)中、五塩化リン(18.03g、87mmol)の溶液を10分間撹拌した後、塩化ホスホリル(8.07mL、87mmol)および4−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル(10g、66.6mmol)を加えた。この反応物を油浴中に置き、72℃に加熱し、一晩撹拌した。揮発性物質の部分を真空下で除去した後、残った液体を激しく撹拌しながら氷/水に注いだ。この反応物を窒素で1時間スパージして揮発性物質を除去し、懸濁液とした。次に、これを濾過し、少量の水で洗浄し、一晩真空下で乾燥させた。単離された固体(9.7g)をEtOH(97mL)に溶かし、撹拌し、30分間加熱した後、1時間放冷した。固体を濾過し、EtOHで洗浄した後、真空下で乾燥させ、4−クロロ−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル(4.37g、およそ70% 純度)を黄褐色固体として得た。
【0374】
LC-MS(ES) m/z = 168.9 [M+H]+
【0375】
(c)4−(アリルオキシ)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル
【化78】
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【0376】
DMF(10mL)中、アリルアルコール(0.223mL、3.29mmol)の撹拌溶液を氷浴中に置き、15分間撹拌した。これに水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物、0.142g、3.56mmol)を加え、この反応混合物を10分間撹拌した。氷浴を外し、反応物を室温まで温め、約45分間撹拌した。この反応物を氷浴中に戻し、10分間撹拌した後、DMF(10mL)中、4−クロロ−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(0.50g、2.74mmol)の溶液を2分かけて反応フラスコに加え、この反応物を氷水浴中で2時間撹拌した。反応物を室温まで温め、4日間撹拌した。この反応物を氷浴中に戻し、アリルアルコール(0.25mL)を加えた後、反応物を15分間撹拌し、次いで、NaH(鉱油中60%分散物、およそ0.15g)を加え、この反応物を氷浴中で60分間撹拌した。この反応混合物を氷と飽和塩化アンモニウム水溶液およびHCl水溶液(1M、2〜3mL)の混合物に加え、この混合物を30分間撹拌した。この混合物を75%EtO/EtOAc(2×80mL)で抽出し、合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して暗色の残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(24グラムシリカカラムおよびB:5−65%;A:ヘプタン、B:EtOAcの勾配、UV254nmで総ての画分を回収)により精製し、4−(アリルオキシ)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(160mg、0.768mmol、収率28.0%)を白色固体として得た。
【0377】
LC-MS(ES) m/z = 204.9 [M+H]+
【0378】
(d)(4−(アリルオキシ)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン
【化79】
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【0379】
EtO(15mL)中、4−(アリルオキシ)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(150mg、0.734mmol)の溶液を室温で10分間撹拌した後、氷浴中に置き、15分間撹拌した。LiAlH(EtO中1.0M、1.50mL、1.50mmol)を滴下し、この反応物を氷浴中で1時間撹拌した後、室温まで温め、2時間撹拌した。この反応物を5分間氷浴中に置いた後、以下でクエンチした:0.057mLの水をゆっくり加え、0.057mLの15%NaOH、次いで、0.17mLの水を加えた。氷浴を外し、この反応物を室温まで温め、60分間撹拌した後、THF(20mL)を加えた。この懸濁液を小セライト(登録商標)パッドで濾過した後、THF、EtOAc、およびEtOですすいだ。濾液を真空濃縮し、(4−(アリルオキシ)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(140mg、0.672mmol、収率92%)を緑色残渣として得た。
【0380】
LC-MS(ES) m/z = 209.0 [M+H]+ (副), 191.9 (主)。
【0381】
(e)2−アリル−N−((4−(アリルオキシ)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド
【化80】
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【0382】
反応容器に2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(250mg、0.389mmol)、HOAt(63.5mg、0.467mmol)、およびEDC(89mg、0.467mmol)を装填した後、DMF(4mL)中、(4−(アリルオキシ)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(108mg、0.467mmol)の溶液、次いで、N−メチルモルホリン(0.171mL、1.555mmol)を加えた。得られた混合物を室温で約3時間撹拌した。この反応混合物を水(50mL)に希釈し、10分間撹拌した後、DCM(2×50mL)で抽出した。有機液を合わせ、MgSOで乾燥させた後、濾過し、真空濃縮して残渣を得た。この残渣をDCMに溶かし、シリカゲルに吸着させた後、フラッシュクロマトグラフィー(4グラムシリカカラムおよびB:10−85%;A:ヘプタン、B:3:1 EtOAc:EtOH+1%NHOHの勾配、UV254nmで総ての画分を回収)により精製し、2−アリル−N−((4−(アリルオキシ)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(142mg、0.296mmol、収率76%)を残渣として得た。
【0383】
LC-MS(ES) m/z = 480.3 [M+H]+ (副), 396.2 (副), 240.7 (主)。
【0384】
(f)(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−15,16−ジヒドロ−6H−ベンゾ[g]ピリド[4,3−b][1,5]オキサアザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化81】
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【0385】
DCM(15mL)中、2−アリル−N−((4−(アリルオキシ)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(140mg、0.292mmol)の溶液を遅い窒素流で15分間脱気した後、Grubbs II(24.78mg、0.029mmol)を加えた。この反応容器にセプタムでしっかり蓋をし、遮光し、この反応混合物を室温で一晩(20時間)よく撹拌した。この反応混合物に10分間窒素をバブリングさせた後、さらなるGrubbs II(24.78mg、0.029mmol)を追加し、この反応混合物を48時間撹拌した。この反応混合物に10分間窒素をバブリングさせた後、さらなるGrubbs II(10mg)を追加し、この反応混合物を週末にわたって撹拌した。この反応混合物をさらなるDCMで希釈し、シリカに吸着させた後、フラッシュクロマトグラフィー(12グラムシリカカラムおよびB: 5−65% A:ヘプタン B:3:1 EtOAc:EtOH勾配、UV254nmで総ての画分を回収)により精製し、10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−15,16−ジヒドロ−6H−ベンゾ[g]ピリド[4,3−b][1,5]オキサアザシクロドデシン−14(9H)−オン(25mg、0.055mmol、収率19%)を固体として得た。
【0386】
LC-MS(ES) m/z = 452.3 [M+H]+
【0387】
(g)(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−6,9,15,16−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[g]ピリド[4,3−b][1,5]オキサアザシクロドデシン−1,14(2H)−ジオン
【化82】
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【0388】
(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−15,16−ジヒドロ−6H−ベンゾ[g]ピリド[4,3−b][1,5]オキサアザシクロドデシン−14(9H)−オンをHCl(ジオキサン中4M、0.997mL、3.99mmol)およびMeOH(0.20mL)に溶かし、22時間60℃に加熱した。次に、この反応物をEtOAcで希釈し、窒素流を介して濃縮して残渣を得、これを、1滴の濃NHOHを含むDCM/MeOHに溶かし、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(4グラムシリカカラムおよびB:8−100%;A:DCM、B:90/10/1のCHCl/MeOH/NHOHの勾配)により精製して残渣を得、これをメチルt−ブチルエーテルで処理した後、濃縮し、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−6,9,15,16−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[g]ピリド[4,3−b][1,5]オキサアザシクロドデシン−1,14(2H)−ジオン(9mg、0.020mmol、収率45.5%)を固体として得た。
【0389】
LC-MS(ES) m/z = 438.3 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.31 (s, 1H), 7.87 (t, J=5.3 Hz, 1H), 7.12-7.27 (m, 2H), 6.94 (dd, J=7.2, 1.4 Hz, 1H), 6.15 (s, 1H), 5.54-5.72 (m, 2H), 4.60 (d, J=6.6 Hz, 2H), 4.25 (d, J=5.1 Hz, 2H), 3.83 (d, J=11.1 Hz, 2H), 3.74 (d, J=5.3 Hz, 2H), 3.23 (t, J=11.0 Hz, 2 H), 2.90-3.10 (m, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.61 (br. s., 2 H), 1.37-1.55 (m, 2H), 0.82 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0390】
実施例14:(E)−12−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,17,18−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−l][1]アザシクロテトラデシン−1,16(2H,11H)−ジオンヒドロクロリド
(a)2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((4−(ヘクス−5−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド
【化83】
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【0391】
DMF(6mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(235mg、0.812mmol)、HOAt(133mg、0.975mmol)、EDC(187mg、0.975mmol)、および(4−(ヘクス−5−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(219mg、0.934mmol)の混合物に、N−メチルモルホリン(0.357mL、3.25mmol)を加え、この反応混合物を室温で約20時間撹拌した。この反応物を撹拌しながら氷水(約50mL)でゆっくり希釈して薄いスラリーを形成した。この混合物をEtOAcおよびEtO(1:1、50mL、2回)で抽出し、合わせた有機液をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(12グラムカラム、勾配B;8−100% A:ヘプタン、B:3:1 EtOAc:EtOH+1%NHOH、UV290nmで総ての画分を回収)により精製し、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((4−(ヘクス−5−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(205mg、0.385mmol、収率47.4%)を残渣として得た。
【0392】
LC-MS(ES) m/z = 506.4 [M+H]+ (副), 422.3 (副), 253.8 (主)。
【0393】
(b)12−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,7,8,17,18−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−l][1]アザシクロテトラデシン−16(11H)−オン
【化84】
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【0394】
DCM(25mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((4−(ヘクス−5−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(200mg、0.395mmol)の溶液を撹拌した後、アルゴン流を用いて10分間脱気し、その後、Grubbs II(33.6mg、0.040mmol)を加え、この反応物を室温で一晩撹拌した。さらなるGrubbs II(スパチュラチップ、およそ10mg)を加え、この反応物をさらに6時間撹拌した。この反応混合物をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(12グラムシリカカラム、勾配B 8−80%;A:ヘプタン、B:EtOAc、UV254nmで総ての画分を回収)により精製し、12−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,7,8,17,18−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−l][1]アザシクロテトラデシン−16(11H)−オン(138mg、0.289mmol、収率73.1%)を残渣として得た。
【0395】
LC-MS(ES) m/z = 478 [M+H]+ (副), 394.3 (副), 239.7 (主)。
【0396】
(c)(E)−12−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,17,18−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−l][1]アザシクロテトラデシン−1,16(2H,11H)−ジオンヒドロクロリド
【化85】
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【0397】
ジオキサン(4mL)およびMeOH(1mL)中、(E)−12−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,7,8,17,18−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−l][1]アザシクロテトラデシン−16(11H)−オン(138mg、0.3mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、2mL、8mmol)を加えた。この反応溶液を70℃で18時間撹拌した。この反応溶液を真空濃縮し、明褐色油状物を得た。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中0−100%EtOAcからDCM中0−100%MeOHへ)により精製し、生成物画分を濃縮して残渣を得、DMFに溶かし、加熱し、数滴の水を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌した後、濾過し、高真空下で乾燥させ、(E)−12−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,17,18−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−l][1]アザシクロテトラデシン−1,16(2H,11H)−ジオンヒドロクロリド(66mg、48%)を明るいベージュ色の固体として得た。
【0398】
LC-MS(ES) m/z = 464.3 [M+H]+1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ: 11.43 (br. s., 1H), 7.77 (br. s., 1H), 7.26 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.20 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 7.18 Hz, 1H), 5.81 (br. s., 1H), 5.21 - 5.33 (m, 1H), 5.03- 5.18 (m, 1H), 4.11 (br. s., 2H), 3.82 (br. s., 4H), 3.18 (t, J = 11.3 Hz, 2H), 2.99 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.94 (t, J = 10.6 Hz, 1H), 2.38 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.10 (s, 3H), 1.93 (br. s., 2H), 1.59 (br. s., 2H), 1.43 (d, J = 11.3 Hz, 4H), 1.34 (br. s., 2H), 0.76 (t, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0399】
実施例15:(E)−12−クロロ−10−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)(E)−12−クロロ−1,10−ジメトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化86】
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【0400】
DCM(100mL)中、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−5−クロロ−3−メトキシベンズアミド(845mg、2.037mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(173mg、0.204mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。さらなるGrubbs II(60mg)触媒を加え、この反応物を一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、2×12gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAc)により精製し、E異性体とZ異性体の混合物を得た。この混合物をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中35−70%CHCN)により分離し、(E)−12−クロロ−1,10−ジメトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(256mg)を得た。
【0401】
LC-MS(ES) m/z = 387.2 [M+H]+
【0402】
(b)(E)−12−クロロ−10−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化87】
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【0403】
ジオキサン(5mL)およびEtOH(2mL)中、(E)−12−クロロ−1,10−ジメトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(90mg、0.233mmol)のスラリー溶液に、HCl(ジオキサン中4M、2mL、8.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAcで摩砕し、(E)−12−クロロ−10−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(85mg、0.228mmol、収率98%)を灰白色固体として得た。
【0404】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.28 (s, 1H), 8.18 (br. s., 1H), 7.07 (d, J = 2.27 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.03 - 5.18 (m, 2H), 4.18 (br. s., 2H), 3.79 (s, 3H), 3.33 (br. s., 2H), 2.53 (br. s., 2H), 2.21 (br. s., 2H), 2.12 (s, 3H). LC-MS(ES) m/z = 373.2 [M+H]+
【0405】
実施例16:(Z)−12−クロロ−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド
(a)2−ブロモ−5−クロロ−3−ニトロ安息香酸メチル
【化88】
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【0406】
500mLのエルレンマイヤーフラスコ中、2−ブロモ−5−クロロ安息香酸メチル(30g、120mmol)およびHSO(96ml、1804mmol)の溶液を、氷浴中で15分間撹拌した。硝酸およびHSO(20mL:20mL)の溶液を5℃に冷却し、よく撹拌した反応溶液に10分かけて滴下した。5℃で45分後、この反応スラリーを撹拌した氷水にゆっくり注いだ。15分後、沈澱を濾過し、固体を水で洗浄し、高真空下で乾燥させ、生成物(35g)を淡黄色固体として得、約40%の6−ニトロ位置異性体が存在した。
【0407】
LC-MS(ES) m/z = 264.0, 266.0 [M+H]+
【0408】
(b)3−アミノ−2−ブロモ−5−クロロ安息香酸メチル
【化89】
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【0409】
500mLの丸底フラスコに、MeOH(130mL)中、2−ブロモ−5−クロロ−3−ニトロ安息香酸メチル(4g、13.58mmol)および塩化アンモニウム(7.05g、132mmol)を加えた。水(65mL)を加え、この反応溶液を70℃に加熱した後、この撹拌反応溶液に鉄(4.40g、79mmol)を加えた。70℃で3時間後、この反応スラリーを室温まで冷却し、シリカゲルパッドで濾過し、MeOHで洗浄した。溶液を真空濃縮し、水性残渣をEtOAc(100mL)と飽和NaHCO水溶液(50mL)とで分液した。相を分離し、有機相を飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機液をMgSOで乾燥させ、真空濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、4:1)により精製し、3−アミノ−2−ブロモ−5−クロロ安息香酸メチル(1.6g、12%の位置異性体を含有)を橙色の油状物として得た。
【0410】
LC-MS(ES) m/z = 263.9, 265.9 [M+H]+
【0411】
(c)2−ブロモ−5−クロロ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル
【化90】
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【0412】
500mLの丸底フラスコに、ジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オン(4.54g、45.4mmol)、3−アミノ−2−ブロモ−5−クロロ安息香酸メチル(6g、22.68mmol)、トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム(14.42g、68.1mmol)、AcOH(7.79mL、136mmol)およびDCE(100mL)を加えた。この反応溶液を室温で20時間撹拌した。さらなるジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オン(2.25g)およびトリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム(7g)を加え、この反応物をさらに8時間室温で撹拌した。この反応溶液を飽和NaHCO水溶液(50mL)で希釈した。生成物をDCMで抽出し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮して橙色の油状物を得た。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、4:1)により精製し、2−ブロモ−5−クロロ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(5.3g、67%)を金色の油状物として得、これは静置すると固化した。
【0413】
LC-MS(ES) m/z = 348.1, 350.1 [M+H]+
【0414】
(d)2−ブロモ−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル
【化91】
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【0415】
100mLの丸底フラスコに、アセトアルデヒド(1.744g、39.6mmol)、2−ブロモ−5−クロロ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(4.6g、13.19mmol)、トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム(11.19g、52.8mmol)、AcOH(4.53mL、79mmol)およびDCE(50mL)を加えた。この反応溶液を室温で24時間撹拌した。さらなるアセトアルデヒド(1.744g、39.6mmol)およびトリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム(11.19g、52.8mmol)をさらに6日間毎日この反応スラリーに加えた。8日の全反応時間の後、この反応溶液を水(100mL)、次いで、飽和NaHCO水溶液(50mL)で希釈した。生成物をDCMで抽出し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮して褐色油状物を得た。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、4:1)により精製し、2−ブロモ−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(2.5g、50%)を黄色油状物として得た。
【0416】
LC-MS(ES) m/z = 376.1, 378.1 [M+H]+
【0417】
(e)2−アリル−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル
【化92】
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【0418】
3本の20mLマイクロ波バイアルに、2−ブロモ−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(1.5g、3.98mmol)、アリルトリブチルスタンナン(1.582g、4.78mmol)、ヨウ化銅(I)(0.152g、0.796mmol)、KCO(1.101g、7.96mmol)、Pd(dppf)Cl・DCM(0.325g、0.398mmol)およびDMF(10mL)を等分した。この反応混合物を別個にマイクロ波反応器にて10時間加熱した。これら3本のバイアルの内容物を合わせ、この反応溶液を飽和NaHCO水溶液(50mL)で希釈した。この混合物をDCMで抽出し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、黒色油状物を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、4:1)により精製し、2−アリル−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(200mg、15%)を黄色油状物として得た。
【0419】
LC-MS(ES) m/z = 338.1 [M+H]+
【0420】
(f)2−アリル−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸
【化93】
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【0421】
50mLのRBフラスコに、MeOH(10mL)中、2−アリル−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸メチル(200mg、0.592mmol)、およびNaOH水溶液(5M、1.184mL、5.92mmol)を加えた。この反応溶液を50℃で20時間撹拌した。この反応溶液を真空濃縮し、水性残渣を3M HClでpH=5とした。生成物をDCMで抽出し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、2−アリル−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(140mg、73%)を黄褐色固体として得た。
【0422】
LC-MS(ES) m/z = 324.2 [M+H]+
【0423】
(g)2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド
【化94】
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【0424】
DCM(7mL)中、2−アリル−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(130mg、0.401mmol)および(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(99mg、0.482mmol)、EDC(115mg、0.602mmol)、HOAt(82mg、0.602mmol)およびN−メチルモルホリン(0.132mL、1.204mmol)の混合物を一晩室温で撹拌した。この反応混合物を飽和NaCO水溶液でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(140mg、0.273mmol、収率68.1%)をガラス質固体として得た。
【0425】
LC(MS)ES m/z = 512.5 [M+H]+
【0426】
(h)(Z)−12−クロロ−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド
【化95】
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【0427】
DCM(20mL)中、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(140mg、0.273mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(34.8mg、0.041mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、2×12gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、E異性体とZ異性体の混合物を得、これをHPLC(移動相中0.1%TFA:水中25−70%CHCN、2番目の溶出(副)ピークを回収した)によりさらに精製して29mgの残渣を得た。この残渣をジオキサン(1mL)およびMeOH(0.5mL)に溶かし、HCl(ジオキサン中4M、1mL)を加え、70℃で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAcで摩砕し、(Z)−12−クロロ−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド(10mg、0.020mmol、収率7.2%)を明褐色固体として得た。
【0428】
LC-MS(ES) m/z = 470.4 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.46 (br. s., 1H), 8.32 (br. s., 1H), 7.31 (s, 1H), 7.06 (br. s., 1H), 5.96 (s, 1H), 5.17 (br. s., 1H), 5.05 (br. s., 1H), 4.35 (br. s., 2H), 3.55 - 3.84 (m, 3H), 3.45 - 3.52 (m, 2H), 3.39 (s, 1H), 3.23 (t, J = 11.4 Hz, 2H), 3.00 (br. s., 2H), 2.67 (br. s., 1H), 2.33 (br. s., 2H), 2.13 (s, 3H), 1.60 (br. s., 2H), 1.45 (br. s., 2H), 0.72 - 0.87 (m, 3H)。
【0429】
実施例17:(E)−12−クロロ−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化96】
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【0430】
DCM(20mL)中、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−5−クロロ−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ベンズアミド(140mg、0.273mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(34.8mg、0.041mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、2×12gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、E異性体とZ異性体の混合物を得、これをHPLC(移動相中0.1%TFA;水中25−70%CHCN、1番目の溶出(主)ピークを回収した)によりさらに精製し、102mgの残渣を得た。この残渣をジオキサン(2mL)およびMeOH(1.5mL)に溶かし、HCl(ジオキサン中4M、1mL)を加え、70℃で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAcで摩砕し、淡黄色固体を得た。この固体を、MeOHで溶出する1gのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−12−クロロ−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(38mg、0.081mmol、収率29.6%)を灰白色固体として得た。
【0431】
LC-MS(ES) m/z = 470.4 [M+H]+1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ: 11.30 (br. s., 1H), 8.20 (br. s., 1H), 7.25 (br. s., 1H), 6.99 (s, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.06 - 5.18 (m, 2H), 4.11 (br. s., 2H), 3.80 (d, J = 10.2 Hz, 2H), 3.49 (br. s., 2H), 3.18 - 3.23 (m, 2H), 2.90 - 3.02 (m, 3H), 2.50 (br. s., 2H), 2.21 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.57 (br. s., 2H), 1.40 (d, J = 10.6 Hz, 2H), 0.75 (t, J = 6.4 Hz, 3H)。
【0432】
実施例18:(E)−12−クロロ−10−イソプロポキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)(E)−12−クロロ−10−イソプロポキシ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化97】
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【0433】
DMF(3mL)中、(E)−12−クロロ−10−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(100mg、0.268mmol)および2−ヨードプロパン(0.107mL、1.073mmol、銅で安定化)の溶液に、CsCO(437mg、1.341mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈し、5分間撹拌した後、固体を濾過し、水およびヘキサンで洗浄し、(E)−12−クロロ−10−イソプロポキシ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(100mg、0.241mmol、収率90%)を白色固体として得た。
【0434】
LC-MS(ES) m/z = 415.3 [M+H]+
【0435】
(b)(E)−12−クロロ−10−イソプロポキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化98】
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【0436】
ジオキサン(4mL)およびMeOH(1mL)中、(E)−12−クロロ−10−イソプロポキシ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(100mg、0.241mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、2mL、8.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAcで摩砕し、(E)−12−クロロ−10−イソプロポキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(85mg、0.212mmol、収率88%)を白色固体として得た。
【0437】
LC-MS(ES) m/z = 401.3 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.43 (br. s., 1H), 8.22 (t, J = 4.9 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.90 (s, 1H), 5.04 - 5.17 (m, 2H), 4.59 - 4.65 (m, 1H), 4.07 - 4.25 (m, 2H), 3.31 (br. s., 2H), 2.52 - 2.58 (m, 2H), 2.27 (s, 2H), 2.13 (s, 3H), 1.23 (s, 3H), 1.22 (s, 3H)。
【0438】
実施例19:(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
(a)2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ニコチノニトリル
【化99】
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【0439】
THF(80mL)中、2−メトキシ−4,6−ジメチルニコチノニトリル(2.5g、15.41mmol)の溶液に、0℃で、LHMDS(THF中1M、16.18mL、16.18mmol)を、滴下漏斗を介して10分かけて滴下したところ、この反応混合物は橙色となった。この混合物を0℃で50分間撹拌した後、4−ブロモブト−1−エン(1.878mL、18.50mmol)を、シリンジを介して滴下し、この混合物を0℃から10℃まで2.5時間撹拌した。この反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(40mL)でクエンチし、層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機液を濃縮し、残渣をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、ヘキサン中0−5%EtOAc、80gカラム)により精製し、2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ニコチノニトリル(1.3g、6.01mmol、収率39.0%)を無色の油状物として得た。
【0440】
LC-MS(ES) m/z = 217.0 [M+H]+
【0441】
(b)(2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン
【化100】
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【0442】
0℃で、EtO(30mL)中、2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ニコチノニトリル(1.25g、5.78mmol)の溶液に、LiAlH(THF中2M、5.78mL、11.56mmol)を滴下した。この反応物を窒素下で一晩、室温まで温めた。反応を水(約0.7mL)で、水素の生成が完全に収まるまでゆっくりクエンチした。次に、この溶液をDCM(30mL)で希釈し、15分間撹拌した。沈澱をセライト(登録商標)パッドで濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、40gカラム、CHCl中0−50% 90:9:1 CHCl:MeOH:NHOH)により精製し、(2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン(1.1g、4.99mmol、収率86%)を淡黄色油状物として得た。
【0443】
LC-MS(ES) m/z = 204.0 [M+H-NH3]+ (主), 221.1 [M+H]+ (副)。
【0444】
(c)2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド
【化101】
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【0445】
DCM(7mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(240mg、0.829mmol)および(2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン(183mg、0.829mmol)、EDC(238mg、1.244mmol)、HOAt(169mg、1.244mmol)およびN−メチルモルホリン(0.274mL、2.488mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAc)により精製し、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(350mg、0.712mmol、収率86%)を粘稠な無色の油状物として得た。
【0446】
LC-MS(ES) m/z = 492.6 [M+H]+
【0447】
(d)(E)−および(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン
【化102】
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【0448】
DCM(40mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(350mg、0.712mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(91mg、0.107mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、E異性体とZ異性体の混合物(LCMS:93:7)を得、これをMeOHで摩砕し、濾過し、(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン(190mg、0.410mmol、収率57.6%)を白色固体として得た。
【0449】
LC-MS(ES) m/z = 464.5 [M+H]+
【0450】
濾液を濃縮してE異性体とZ異性体の混合物を得た、重量:60mg。この混合物をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中10−60%CHCN)により精製し、(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン、トリフルオロアセテート(37mg、0.064mmol、収率9.0%)を白色固体として得た。
【0451】
LC-MS(ES) m/z = 464.5 [M+H]+
【0452】
(e)(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化103】
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【0453】
ジオキサン(4mL)およびMeOH(1mL)中、(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン(110mg、0.237mmol)のスラリーに、HCl(ジオキサン中4M、2mL、8.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮乾固し、残渣を、MeOH(35mL)で溶出する1g Silicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(102mg、0.227mmol、収率96%)を灰白色固体として得た。
【0454】
LC-MS(ES) m/z = 450.5 [M+H]+1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ: 11.41 (br. s., 1H), 7.95 (br. s., 1H), 7.23 - 7.29 (m, 1H), 7.20 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 5.38 (dt, J = 9.91, 5.1 Hz, 1H), 4.94 - 5.1 (m, 1H), 4.32 (d, J=3.8 Hz, 2H), 3.81 (br. s., 4H), 3.19 (t, J=11.3 Hz, 2H), 2.91- 3.04 (m, 3H), 2.25 - 2.34 (m, 2H), 2.04 - 2.13 (m, 3H), 1.91 (br. s., 2H), 1.36 - 1.70 (m, 6H), 0.77 (t, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0455】
実施例20:11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,9,10,16,17−オクタヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化104】
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【0456】
EtOAc(2mL)およびMeOH(7mL)中、(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(31mg、0.069mmol)の溶液を5分間窒素で脱気した後、Pd/C(活性炭上10wt%、10mg)を加え、この溶液をさらに5分間窒素でパージした後、水素雰囲気下(バルーン)に置き、2時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾液を濃縮し、11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,9,10,16,17−オクタヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(31mg、0.069mmol、収率100%)を白色固体として得た。
【0457】
LC-MS(ES) m/z = 452.5 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.42 (br. s., 1H), 8.17 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 7.10 - 7.21 (m, 2H), 6.99 (dd, J = 1.5, 7.3 Hz, 1H), 5.87 (s, 1H), 4.36 (d, J = 4.6 Hz, 2H), 3.77 - 3.87 (m, 2H), 3.22 (t, J = 11.0 Hz, 2H), 2.88 - 3.05 (m, 3H), 2.78 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 2.38 - 2.46 (m, 2H), 2.11 (s, 3H), 1.61 (br. s., 2H), 1.44 - 1.55 (m, 4H), 1.34 - 1.43 (m, 6H), 0.78 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0458】
実施例21:(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化105】
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【0459】
ジオキサン(3mL)およびMeOH(1mL)中、(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン、トリフルオロアセテート(37mg、0.064mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、1mL、4.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を、MeOH(35mL)で溶出する1gのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(23mg、0.051mmol、収率80%)を灰白色固体として得た。
【0460】
LC-MS(ES) m/z = 450.5 [M+H]+1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ: 11.33 (br. s., 1H), 7.85 (br. s., 1H), 7.23 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.20 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.92 (s, 1H), 5.21 (br. s., 1H), 5.08 - 5.18 (m, 1H), 4.13 - 4.26 (m, 2 H), 3.80 (d, J = 9.44 Hz, 2H), 3.65 - 3.69 (m, 2H), 3.22 (t, J = 11.3 Hz, 2H), 2.99 (br. s., 3H), 2.53 (br. s., 2H), 2.13 (s, 3H), 2.02 (br. s., 2H), 1.74 (br. s., 2H), 1.60 (br. s., 2H), 1.42 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 0.77 (t, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0461】
実施例22:(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)4−エチル−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル
【化106】
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【0462】
THF(100mL)中、2−メトキシ−4,6−ジメチルニコチノニトリル(3.5g、21.58mmol)の溶液に、0℃で、LHMDS(THF中1M)(22.66mL、22.66mmol)を、滴下漏斗を介して10分かけて滴下し、この反応物をこの温度で1時間撹拌した。ヨードメタン(2.418mL、22.66mmol)を、シリンジを介して滴下し、この混合物を一晩0℃から室温まで撹拌した。この反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(60mL)でクエンチし、層を分離した。水層をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−5%EtOAc、80gカラム;ヘキサン中0−5%EtOAc、80gカラムを用いて再カラム処理)により精製し、4−エチル−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(2.01g、純度90%)を白色結晶性固体として得た。
【0463】
LC-MS(ES) m/z = 176.9 [M+H]+
【0464】
(b)2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−2−イル)ニコチノニトリル
【化107】
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【0465】
THF(50mL)中、4−エチル−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(2.01g)の溶液に、0℃で、LHMDS(THF中1M、11.98mL、11.98mmol)を、シリンジを介して10分かけて滴下したところ、反応混合物が橙色となった。この混合物を0℃で45分間撹拌した。3−ブロモプロプ−1−エン(1.36mL、15.72mmol)を、シリンジを介して滴下し、この混合物を一晩0℃から室温まで撹拌した。この反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(40mL)でクエンチし、層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(第1カラム:ヘキサン中0−5%EtOAc、80gカラム;第2カラム:ヘキサン中0−5%EtOAc、40gカラム)により精製し、2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−2−イル)ニコチノニトリル(771mg、3.56mmol)を白色固体として得た。
【0466】
LC-MS(ES) m/z = 217.0 [M+H]+
【0467】
(c)(2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−2−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン
【化108】
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【0468】
0℃に冷却したEtO(20mL)中、2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−2−イル)ニコチノニトリル(770mg、3.56mmol)の溶液に、LiAlH(THF中2M、3.56mL、7.12mmol)を滴下した。この反応物を一晩室温まで温めた。この反応を水(約0.4mL)で、水素の生成が完全に収まるまでゆっくりクエンチした。次に、この溶液をDCM(20mL)で希釈し、15分間撹拌した。沈澱をセライト(登録商標)パッドで濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をDCMに溶かし、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、40gカラム、CHCl中0−50% 90:9:1 CHCl:MeOH:NHOH)により精製し、(2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−2−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン(613mg、2.78mmol、収率78%)を淡黄色油状物として得た。
【0469】
LC-MS(ES) m/z = 204 [M+H-NH3]+ (主), 220 [M+H]+ (副)。
【0470】
(d)2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−2−イル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド
【化109】
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【0471】
DCM(7mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(200mg、0.691mmol)および(2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−2−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン(152mg、0.691mmol)、EDC(199mg、1.037mmol)、HOAt(141mg、1.037mmol)およびN−メチルモルホリン(0.228mL、2.073mmol)の反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAc)により精製し、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−2−イル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(246mg、0.500mmol、収率72.4%)を無色の粘稠な蝋状物として得た。
【0472】
LC-MS(ES) m/z = 492.6 [M+H]+
【0473】
(e)(E)および(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化110】
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【0474】
DCM(40mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−2−イル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(246mg、0.500mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(85mg、0.100mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、40gカラム、ヘキサン中10−30%EtOAc)により精製し、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(67mg)を白色固体として得た。
【0475】
LC-MS(ES) m/z = 464.4 [M+H]+ (副), 380.4 (主)。
【0476】
混合した画分を濃縮し、この混合物をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中10−55%CHCN)により精製し、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン、トリフルオロアセテート(135mg)を白色固体として得た。
【0477】
LC-MS(ES) m/z = 464.4 [M+H]+
【0478】
(f)(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化111】
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【0479】
ジオキサン(3mL)およびMeOH(1mL)中、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(96mg、0.207mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、1mL、4.00mmol)加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1gのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(88mg、0.196mmol、収率95%)を明るいベージュ色の固体として得た。
【0480】
LC-MS(ES) m/z = 450.5 [M+H]+1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ: 11.41 (br. s., 1H), 7.14 - 7.22 (m, 2H), 7.09 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 6.04 (s, 1H), 5.83 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 5.07 (br. s., 1H), 4.96 (br. s., 1H), 4.75 - 4.90 (m, 1H), 4.43 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.89 - 4.01 (m, 2H), 3.85 (br. s., 1H), 3.57 (br. s., 1H), 3.51 (br. s., 1H), 3.16 - 3.35 (m, 2H), 2.99 - 3.09 (m, 2H), 2.95 (t, J = 10.8 Hz, 1H), 2.73 (br. s., 1H), 2.31 (s, 3H), 1.96 (br. s., 1H), 1.66 (br. s., 2H), 1.50 - 1.61 (m, 2H), 1.19 - 1.34 (m, 3H), 0.84 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0481】
実施例23:(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化112】
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【0482】
ジオキサン(3mL)およびMeOH(1mL)中、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン、トリフルオロアセテート(135mg、0.234mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、1mL、4.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を、MeOH(35mL)で溶出する1gのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(73mg、0.162mmol、収率69.4%)を灰白色固体として得た。
【0483】
LC-MS(ES) m/z = 450.5 [M+H]+1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ: 11.27 (br. s., 1H), 8.20 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.20 (q, J = 7.7 Hz, 2 H), 6.96 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 5.96 (s, 1H), 5.07 - 5.16 (m, 1H), 5.00 (dt, J = 14.82, 7.1 Hz, 1H), 4.57 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.84 - 3.95 (m, 2H), 3.80 (br. s., 2H), 3.11 - 3.24 (m, 3H), 3.06 (dd, J = 14.2, 6.6 Hz, 1H), 2.97 (br. s., 3H), 2.14 (s, 3H), 2.11 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 1.30 - 1.80 (m, 4H), 1.08 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.75 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0484】
実施例24:10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン
【化113】
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【0485】
MeOH(6mL)中、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(35mg、0.078mmol)の溶液を窒素で5分間脱気した後、Pd/C(活性炭上10wt%、10mg)を加えた、この溶液をさらに5分間窒素でパージした後、水素(バルーン)雰囲気下に置き、10時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾液を濃縮し、10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3,5−ジメチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン(35mg、0.078mmol、収率100%)を白色固体として得た。
【0486】
LC-MS(ES) m/z = 452.5 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.42 (br. s., 1H), 8.39 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.10 - 7.23 (m, 2H), 7.01 (dd, J = 1.8, 7.1 Hz, 1H), 5.94 (s, 1H), 4.61 (dd, J = 9.1, 13.6 Hz, 1H), 4.23 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 3.77 - 3.85 (m, 2H), 3.13 - 3.26 (m, 2H), 2.85 - 3.04 (m, 5H), 2.55 - 2.70 (m, 1H), 2.10 - 2.19 (m, 3H), 1.56 - 1.72 (m, 5H), 1.22 - 1.50 (m, 5H), 1.01 - 1.14 (m, 3H), 0.75 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0487】
実施例25:(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)4−(3−ヒドロキシペント−4−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリルおよび4−(2−(ヒドロキシメチル)ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル
【化114】
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【0488】
THF(85mL)中、2−メトキシ−4,6−ジメチルニコチノニトリル(2.8g、17.26mmol)の溶液に、0℃で、LHMDS(THF中1M、18.13mL、18.13mmol)を、滴下漏斗を介して10分かけて滴下したところ、この反応混合物は橙色となった。この混合物を0℃で50分間撹拌し、2−ビニルオキシラン(1.703mL、20.72mmol)を、シリンジを介して滴下し、この混合物を4時間0℃から室温まで撹拌した。この反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(40mL)でクエンチし、層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機液を濃縮し、残渣をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、ヘキサン中0−40%EtOAc、80gカラム)により精製し、4−(3−ヒドロキシペント−4−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(512mg、2.204mmol、収率12.8%)を黄色油状物として得た。
【0489】
LC-MS(ES) m/z = 233.3 [M+H]+
【0490】
また、4−(2−(ヒドロキシメチル)ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(1.08g、4.65mmol、収率26.9%)が黄色油状物として単離された。
【0491】
LC-MS(ES) m/z = 233.3 [M+H]+
【0492】
(b)2−((3−(アミノメチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)メチル)ブト−3−エン−1−オール
【化115】
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【0493】
0℃で、EtO(23mL)中、4−(2−(ヒドロキシメチル)ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(1.08g、4.65mmol)の溶液に、LiAlH(THF中2M、4.65mL、9.30mmol)を滴下した。この反応物を窒素下、一晩室温まで温めた。この反応を水(約0.45mL)で、水素の生成が完全に収まるまでゆっくりクエンチした。次に、この溶液をDCM(50mL)で希釈し、15分間撹拌した。沈澱をセライト(登録商標)パッドで濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、30gカラム、CHCl中0−100% 90:9:1 CHCl:MeOH:NHOH)により精製し、2−((3−(アミノメチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)メチル)ブト−3−エン−1−オール(508mg、2.150mmol、46.2%収率)を黄色油状物として得た。
【0494】
LC-MS(ES) m/z = 237.1 [M+H]+ (副), 220.0 [M+H-NH3]+ (主) and 202.0 (副)。
【0495】
(c)2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((4−(2−(ヒドロキシメチル)ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド
【化116】
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【0496】
DCM(7mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(230mg、0.795mmol)および2−((3−(アミノメチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)メチル)ブト−3−エン−1−ol(188mg、0.795mmol)、EDC(229mg、1.192mmol)、HOAt(162mg、1.192mmol)およびN−メチルモルホリン(0.262mL、2.384mmol)の反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中0−50%EtOAc)により精製し、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((4−(2−(ヒドロキシメチル)ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(271mg、0.534mmol、収率67.2%)を白色泡沫固体として得た。
【0497】
LC-MS(ES) m/z = 508.5 [M+H]+
【0498】
(d)(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン トリフルオロアセテート
【化117】
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【0499】
DCM(40mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((4−(2−(ヒドロキシメチル)ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(270mg、0.532mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(90mg、0.106mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中20−70%EtOAc)により精製し、E異性体とZ異性体の混合物を得た。この混合物をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中5−35%CHCN)によりさらに精製し、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン、 トリフルオロアセテート(220mg)を得た。
【0500】
LC-MS(ES) m/z = 480.4 [M+H]+。LC−MS(ES)は、およそ12%の不純物の存在を示した。
【0501】
また、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン トリフルオロアセテート(72mg)も単離された。
【0502】
LC-MS(ES) m/z = 480.4 [M+H]+。LC−MS(ES)はおよそ4%の不純物の存在を示した。
【0503】
(e)(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化118】
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【0504】
ジオキサン(6mL)およびMeOH(2mL)中、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン、トリフルオロ酢酸(220mg、およそ88%純度)の溶液に、HCl(4M、ジオキサン、2.5mL、10.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を、MeOH(35mL)で溶出する1gのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(120mg、0.258mmol)を灰白色固体として得た。
【0505】
LC-MS(ES) m/z = 466.5 [M+H]+1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ: 11.27 (br. s., 1H), 7.90 (br. s., 1H), 7.21 (d, J = 3.8 Hz, 2H), 6.89 - 7.02 (m, 1H), 5.77 (s, 1H), 5.04 - 5.14 (m, 1H), 4.92 - 5.04 (m, 1H), 4.65 (br. s., 1H), 4.36 (br. s., 2H), 3.79 (br. s., 2H), 3.51 (dd, J = 15.5, 4.9 Hz, 2H), 3.23 - 3.30 (m, 2H), 3.12 - 3.21 (m, 2H), 2.87 - 3.06 (m, 3H), 2.47 (br. s., 2H), 2.21 (br. s., 1H), 2.04 - 2.16 (m, 3H), 1.53 (br. s., 2H), 1.32 - 1.50 (m, 2H), 0.75 (t, J = 6.2 Hz, 3H)。
【0506】
実施例26:(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化119】
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【0507】
ジオキサン(3mL)およびMeOH(1mL)中、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン、トリフルオロアセテート(69mg、およそ93%純度)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、1.3mL、5.20mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を、MeOH(35mL)で溶出する500mg Silicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(Z)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(43mg、0.092mmol)を灰白色固体として得た。
【0508】
LC-MS(ES) m/z = 466.5 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.48 (br. s., 1H), 7.84 (br. s., 1H), 7.15 - 7.28 (m, 2H), 7.02 (dd, J = 1.8, 7.1 Hz, 1H), 5.91 (s, 1H), 5.03 - 5.20 (m, 2H), 4.73 (br. s., 1H), 4.26 (dd, J = 3.5, 13.1 Hz, 1H), 4.15 (dd, J = 5.4, 13.3 Hz, 1H), 3.75 - 3.90 (m, 3H), 3.37 - 3.46 (m, 2H), 3.16 - 3.27 (m, 3H), 2.99 (q, J = 7.1 Hz, 3H), 2.68 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 2.59 (dd, J = 6.4, 13.0 Hz, 1H), 2.41 (dd, J = 3.66, 13.0 Hz, 1H), 2.08 - 2.15 (m, 3H), 1.60 (br. s., 2H), 1.28 - 1.50 (m, 2H), 0.76 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0509】
実施例27:10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン
【化120】
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【0510】
MeOH(7mL)中、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(70mg、0.150mmol)の溶液を窒素で5分間脱気した後、Pd/C(活性炭上10wt%、10mg)を加え、この溶液をさらに5分間窒素でパージした後、水素(バルーン)雰囲気下に置き、一晩撹拌した。この混合物を濾過し、濃縮した。残渣をMeOH(8mL)に再溶解させ、Pd/C(活性炭上10wt%、10mg)を加え、水素雰囲気下(バルーン)に一晩置いた。この混合物を濾過し、濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl))により精製し、10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,5H)−ジオン(23mg、0.049mmol、収率32.7%)を白色固体として得た。
【0511】
LC-MS(ES) m/z = 468.5 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.42 (br. s., 1H), 8.24 - 8.38 (m, 1H), 7.12 - 7.24 (m, 2H), 7.04 (dd, J = 1.9, 7.0 Hz, 1H), 5.92 (s, 1H), 5.86 - 5.97 (m, 1H), 4.60 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 8.0, 13.8 Hz, 1H), 4.22 - 4.35 (m, 1H), 3.80 (d, J = 4.6 Hz, 2H), 3.05 - 3.40 (m, 5H), 2.85 - 3.02 (m, 3H), 2.34 (dd, J = 5.2, 14.0 Hz, 1H), 2.13 (s, 3H), 1.93 (br. s., 1H), 1.60 (br. s., 2H), 1.14 - 1.48 (m, 7H), 0.75 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0512】
実施例28:11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−3−メチル−5,6,7,8,9,10,16,17−オクタヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
(a)5−(3−(アミノメチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)ペント−1−エン−3−オール
【化121】
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【0513】
0℃で、EtO(11mL)中、4−(3−ヒドロキシペント−4−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルニコチノニトリル(510mg、2.196mmol)の溶液に、LiAlH(THF中2M、2.196mL、4.39mmol)を滴下した。この反応物を窒素下、一晩室温まで温めた。この反応を水(約0.2mL)で、水素の生成が完全に収まるまでゆっくりクエンチした。次に、この溶液をDCM(30mL)で希釈し、15分間撹拌した。沈澱をセライト(登録商標)パッドで濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をDCMに溶かし、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、15gカラム、CHCl中0−100%(90:9:1のCHCl:MeOH:NHOH))により精製し、5−(3−(アミノメチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)ペント−1−エン−3−オール(342mg、1.447mmol、収率65.9%)を淡黄色油状物として得た。
【0514】
LC-MS(ES) m/z = 220 [M+H-NH3]+ (主), 237.1 [M+H]+ (副)。
【0515】
(b)−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((4−(3−ヒドロキシペント−4−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド
【化122】
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【0516】
DCM(6mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)安息香酸(200mg、0.691mmol)および5−(3−(アミノメチル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)ペント−1−エン−3−オール(163mg、0.691mmol)、EDC(199mg、1.037mmol)、HOAt(141mg、1.037mmol)およびN−メチルモルホリン(0.228mL、2.073mmol)の反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中0−50%EtOAc)により精製し、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((4−(3−ヒドロキシペント−4−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(215mg、0.424mmol、収率61.3%)を無色の粘稠な蝋状物として得た。
【0517】
LC-MS(ES) m/z = 508.6 [M+H]+ (副), 424.4 (副), 254.8 (主)。
【0518】
(c)(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン
【化123】
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【0519】
DCM(35mL)中、2−アリル−3−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−N−((4−(3−ヒドロキシペント−4−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ベンズアミド(210mg、0.414mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(70.2mg、0.083mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中20−70%EtOAc)により精製し、異性体の混合物を得た。得られた混合物をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中10−50%CHCN)によりさらに精製し、生成物画分を濃縮し、残渣を、MeOH(45mL)で溶出する1gのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン(140mg、0.292mmol、収率70.6%)を白色固体として得た。
【0520】
LC-MS(ES) m/z = 480.5 [M+H]+ (副), 396.3 (副), 240.7 (主)。
【0521】
(d)11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(6H)−オン
【化124】
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【0522】
MeOH(6mL)中、(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−6,7,16,17−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(10H)−オン(80mg、0.167mmol)の溶液を5分間窒素で脱気した後、Pd/C(活性炭上10wt%、15mg)を加え、この溶液をさらに5分間窒素でパージした後、水素(バルーン)雰囲気下に置き、一晩撹拌した。この混合物を濾過し、濃縮し、11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(6H)−オン(79mg、0.164mmol、収率98%)を白色固体として得た。
【0523】
LC-MS(ES) m/z = 482.5 [M+H]+
【0524】
(e)11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−3−メチル−5,6,7,8,9,10,16,17−オクタヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化125】
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【0525】
ジオキサン(8mL)中、11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−メチル−7,8,9,10,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−15(6H)−オン(79mg、0.164mmol)の混合物に、HCl(ジオキサン中4M、1.5mL、6.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で4時間加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣をMeOH中20%NHOHで中和した後、濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、CHCl中0−80%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl))により精製し、11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−ヒドロキシ−3−メチル−5,6,7,8,9,10,16,17−オクタヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(15mg、0.032mmol、収率19.6%)を灰白色固体として得た。
【0526】
LC-MS(ES) m/z = 468.5 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.42 (s, 1H), 8.23 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 7.10 - 7.22 (m, 2H), 6.98 (dd, J = 1.4, 7.2 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.27 - 4.45 (m, 3H), 3.78 - 3.88 (m, 2H), 3.59 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 3.19 - 3.29 (m, 3H), 2.88 - 3.06 (m, 3H), 2.71 - 2.88 (m, 2H), 2.36 - 2.49 (m, 2H), 2.11 (s, 3H), 1.11 - 1.77 (m, 9H), 0.78 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0527】
実施例29:(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−15−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)(E)−15−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化126】
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【0528】
DMF(2mL)中、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(80mg、0.178mmol)の溶液に、NaH(95wt%、13.48mg、0.534mmol)を加え、15分の撹拌の後、tert−ブチル(2−ヨードエトキシ)ジメチルシラン(0.083mL、0.356mmol)を加えた。得られた混合物を室温で2.5時間撹拌した。NaH(95wt%、13.48mg、0.534mmol)およびtert−ブチル(2−ヨードエトキシ)ジメチルシラン(0.083mL、0.356mmol)を加え、この反応物を、一晩を撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機液を水(2回)およびブラインで洗浄し、シリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、(E)−15−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(51mg、0.084mmol、収率47.1%)を灰白色固体として得た。
【0529】
LC-MS(ES) m/z = 608.7 [M+H]+ (副), 305.0 (主)。
【0530】
(b)(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−15−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化127】
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【0531】
ジオキサン(3mL)およびMeOH(1mL)中、(E)−15−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(50mg、0.082mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、1.5mL、6.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した後、HCl(ジオキサン中4M、1mL)を加え、この反応物をさらに4時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、残渣をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中5−50%CHCN)により精製し、生成物画分を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する500mgのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−15−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(16mg、0.033mmol、収率40.6%)を白色固体として得た。
【0532】
LC-MS(ES) m/z = 480.4 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.18 - 7.30 (m, 2H), 6.93 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 6.04 (s, 1H), 5.18 - 5.33 (m, 2H), 5.00 - 5.11 (m, 1H), 4.39 (br. s., 1H), 4.02 - 4.11 (m, 1H), 3.78 (br. s., 3H), 3.56 (br. s., 1H), 3.48, (br. s., 1H), 3.12 - 3.24 (m, 6H), 2.92 - 3.07 (m, 5H), 2.65 - 2.79 (m, 1H), 2.39 - 2.46 (m, 1H), 2.20 - 2.35 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 1.13 - 1.44 (m, 3H), 0.75 (br. s., 3H)。
【0533】
実施例30:(E)−10−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)2−ブロモ−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)アミノ)安息香酸メチル
【化128】
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【0534】
DCM(30mL)中、4,4−ジフルオロシクロヘキサノン(1.312g、9.78mmol)および3−アミノ−2−ブロモ安息香酸メチル(1.5g、6.52mmol)の溶液に、AcOH(0.560mL、9.78mmol)、次いで、Na(OAc)BH(4.15g、19.56mmol)を少量ずつ加えた。この反応溶液を室温で2日間撹拌した。この反応溶液を飽和NaHCO水溶液でゆっくりクエンチし、層を分離した後、水層をDCMで抽出した。合わせた有機液をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、40gカラム、ヘキサン中0−10%EtOAc)により精製し、2−ブロモ−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)アミノ)安息香酸メチル(1.23g、3.53mmol、収率54.2%)を無色の油状物として得た。
【0535】
LC-MS(ES) m/z = 348.1, 350.1 [M+H]+
【0536】
(b)2−ブロモ−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル
【化129】
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【0537】
DCM(20mL)中、アセトアルデヒド(1.982mL、35.3mmol)および2−ブロモ−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)アミノ)安息香酸メチル(1.23g、3.53mmol)の溶液に、AcOH(0.303mL、5.30mmol)、次いで、Na(OAc)BH(3.74g、17.66mmol)を少量ずつ加えた。この反応溶液を室温で一晩撹拌した。この反応物を飽和NaHCO水溶液でゆっくりクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機液をブラインで洗浄し、シリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、40gカラム、ヘキサン中0−10%EtOAc)により精製し、2−ブロモ−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル(603mg、1.603mmol、収率45.4%)を黄色の粘稠な油状物として得た。
【0538】
LC-MS(ES) m/z = 376.1, 378.1 [M+H]+
【0539】
(c)2−アリル−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル
【化130】
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【0540】
1,4−ジオキサン(15mL)中、2−ブロモ−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル(600mg、1.595mmol)、アリルトリブチルスタンナン(0.895mL、2.87mmol)および塩化リチウム(220mg、5.18mmol)の混合物を窒素でパージした後、PdCl(dppf)・CHCl付加物(130mg、0.159mmol)を加えた。この反応混合物を窒素下90℃で一晩加熱した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和CsF水溶液を加え、30分間撹拌した後、セライト(登録商標)パッドで濾過した。有機層をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、2×12gカラム、ヘキサン中0−10%EtOAc)により精製し、2−アリル−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル(298mg、0.883mmol、収率55.4%)を淡黄色油状物として得た。
【0541】
LC-MS(ES) m/z = 338.2 [M+H]+
【0542】
(d)2−アリル−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸
【化131】
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【0543】
MeOH(6mL)中、2−アリル−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル(298mg、0.883mmol)およびNaOH水溶液(6M、1.472mL、8.83mmol)の混合物を窒素下、50℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮した後、水で希釈し、ヘキサンで洗浄した。水層をHCl水溶液(6N、1.472mL、8.83mmol)でpH4に酸性化し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、2−アリル−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸(276mg、0.853mmol、収率97%)を無色の蝋状物/油状物として得た。
【0544】
LC-MS(ES) m/z = 324.2 [M+H]+
【0545】
(e)2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)ベンズアミド
【化132】
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【0546】
DCM(5mL)中、2−アリル−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸(274mg、0.847mmol)および(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(184mg、0.890mmol)、EDC(211mg、1.101mmol)、HOAt(150mg、1.101mmol)およびN−メチルモルホリン(0.279mL、2.54mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAcを使用)により精製し、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)ベンズアミド(328mg、0.641mmol、収率76%)を粘稠な無色の油状物として得た。
【0547】
LC-MS(ES) m/z = 512.6 [M+H]+
【0548】
(f)(E)−10−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オントリフルオロアセテート
【化133】
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【0549】
DCM(20mL)中、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)ベンズアミド(328mg、0.641mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(82mg、0.096mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、10gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、E異性体とZ異性体の混合物を得た。得られた混合物をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中15−55%CHCN)により精製し、(E)−10−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン、トリフルオロアセテート(238mg、62%)を得た。
【0550】
LC-MS(ES) m/z = 484.5 [M+H]+ (副), 242.7 (主)。
【0551】
(g)(E)−10−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化134】
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【0552】
ジオキサン(3mL)およびMeOH(1mL)中、(E)−10−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン、トリフルオロアセテート(165mg、0.277mmol)の溶液に、HCl(4M、ジオキサン、1.5mL、6.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を、MeOH(35mL)で溶出する1g Silicycle(カーボネート)カートリッジに通した。得られた残渣をEtOAcで摩砕し、(E)−10−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(92mg、0.196mmol、収率70.8%)を灰白色固体として得た。
【0553】
LC-MS(ES) m/z = 470.5 [M+H]+1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ: 11.31 (br. s., 1H), 8.00 (br. s., 1H), 7.17 - 7.28 (m, 2H), 6.97 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.09 - 5.22 (m, 2H), 4.17 (br. s., 2H), 3.49 - 3.61 (m, 2H), 3.03 (br. s., 1H), 2.96 (br. s., 2H), 2.52 - 2.62 (m, 2H), 2.22 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.88 - 2.02 (m, 2H), 1.72 (d, J = 7.9 Hz, 4H), 1.52 (br. s., 2H), 0.76 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0554】
実施例31:(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)4−((2−ブロモ−3−(メトキシカルボニル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化135】
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【0555】
DCM(100mL)中、4−オキソピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(10.59g、53.1mmol)および3−アミノ−2−ブロモ安息香酸メチル(4.89g、21.26mmol)を含有するフラスコに、AcOH(2.434mL、42.5mmol)、次いで、Na(OAc)BH(18.02g、85mmol)を少量ずつ加え、この反応溶液を室温で4日間撹拌した。この反応溶液を飽和NaHCO水溶液でゆっくりクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機液をブラインで洗浄し、シリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、120gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAc)により精製し、4−((2−ブロモ−3−(メトキシカルボニル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(5.5g、13.31mmol、収率62.6%)を黄色蝋状固体として得た。
【0556】
LC-MS(ES) m/z = 357.1, 359.1 [M+H-tBu]+ (主), 413.2 415.2 [M+H]+ (副)。
【0557】
(b)4−((2−ブロモ−3−(メトキシカルボニル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化136】
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【0558】
DCM(60mL)中、アセトアルデヒド(6.79mL、121mmol)および4−((2−ブロモ−3−(メトキシカルボニル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(5g、12.10mmol)を含有するフラスコに、AcOH(1.039mL、18.15mmol)、次いで、Na(OAc)BH(12.82g、60.5mmol)を少量ずつ加え、この反応溶液を室温で一晩撹拌した。アセトアルデヒド(6.79mL、121mmol)を加え、この反応物を一晩撹拌した。この反応物を、飽和NaHCO水溶液をゆっくり加えることによりクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機液をブラインで洗浄し、シリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、120gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAc)により精製し、4−((2−ブロモ−3−(メトキシカルボニル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(3.08g、6.98mmol、収率57.7%)を黄色の粘稠な油状物として得た。
【0559】
LC-MS(ES) m/z = 441.3, 443.3 [M+H]+
【0560】
(c)4−((2−アリル−3−(メトキシカルボニル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化137】
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【0561】
1,4−ジオキサン(65mL)中、4−((2−ブロモ−3−(メトキシカルボニル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.8g、6.34mmol)、アリルトリブチルスタンナン(2.97mL、9.52mmol)および塩化リチウム(0.874g、20.62mmol)の混合物を窒素でパージした後、PdCl(dppf)・CHCl付加物(0.518g、0.634mmol)を加えた。この反応混合物を窒素下、90℃で3日間加熱した。この反応混合物をEtOAcで希釈した後、飽和CsF水溶液を加え、この混合物を30分間撹拌した後、セライト(登録商標)パッドで濾過した。有機層を分離した後、シリカに吸着させ、シリカカラム(CombiFlash(登録商標)、80gカラム、ヘキサン中0−10%EtOAc)により精製し、4−((2−アリル−3−(メトキシカルボニル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.79g、4.45mmol、収率70.1%)を黄色油状物として得た。
【0562】
LC-MS(ES) m/z = 403.4 [M+H]+
【0563】
(d)2−アリル−3−((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)安息香酸
【化138】
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【0564】
MeOH(28mL)中、4−((2−アリル−3−(メトキシカルボニル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.79g、4.45mmol)およびNaOH水溶液(6M、7.41mL、44.5mmol)の混合物を窒素下、50℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮した後、水で希釈し、ヘキサンで抽出した。水層をHCl水溶液(6N、7.41mL、44.5mmol)でpH4に酸性化し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、2−アリル−3−((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)安息香酸(1.43g、3.68mmol、収率83%)を黄色固体として得た。
【0565】
LC-MS(ES) m/z = 389.3 [M+H]+
【0566】
(e)4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化139】
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【0567】
DCM(8mL)中、2−アリル−3−((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)安息香酸(540mg、1.390mmol)および(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(301mg、1.459mmol)、EDC(346mg、1.807mmol)、HOAt(246mg、1.807mmol)およびN−メチルモルホリン(0.458mL、4.17mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、12gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAc)により精製し、4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(564mg、0.978mmol、収率70.4%)を粘稠な無色の蝋状物/油状物を得た。
【0568】
LC-MS(ES) m/z = 577.7 [M+H]+
【0569】
(f)(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化140】
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【0570】
DCM(40mL)中、4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(560mg、0.971mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(124mg、0.146mmol)を得、この反応混合物を窒素下、室温で2日間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、10gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、E異性体とZ異性体の混合物を得た。得られた混合物をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中25−55%CHCN)により精製して567mgの残渣を得た。この残渣を1,4−ジオキサン(5mL)およびMeOH(4mL)に溶かし、次いで、HCl(ジオキサン中4M、3mL、12.00mmol)を加え、この反応混合物を70℃で一晩加熱したところ、白色沈澱が生じた。この反応混合物を濃縮し、残渣をMeOH中30%NHOHで処理した後、濃縮し、この手順をさらに2回繰り返した。その後、残渣をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl))により精製し、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(233mg、0.536mmol、収率55.2%)を白色固体として得た。
【0571】
LC-MS(ES) m/z = 435.4 [M+H]+1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ: 11.27 (br. s., 1H), 8.00 (br. s., 1H), 7.18 (d, J = 4.5 Hz, 2H), 6.94 (t, J = 4.3 Hz, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.06 - 5.24 (m,2H), 3.86 - 4.52 (m, 2H), 3.53 (br. s., 2H), 2.98 (br. s., 2H), 2.87 (d, J=11.3 Hz, 2H), 2.70 (t, J=10.6 Hz, 1H), 2.54 (br. s., 2H), 2.29 (t, J = 11.5 Hz, 2H), 2.22 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.58 (br. s., 2H), 1.21 - 1.34 (m, 2H), 0.75 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。1Hは観測されず。
【0572】
実施例32:(E)−10−(エチル(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化141】
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【0573】
MeOH(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(100mg、0.230mmol)の溶液に、NaBHCN(72.3mg、1.151mmol)、アセトン(0.135mL、1.841mmol)およびAcOH(0.026mL、0.460mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。NaBHCN(72.3mg、1.151mmol)、およびアセトン(0.135mL、1.841mmol)を加え、この反応物をさらに1日撹拌した。この反応混合物をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl))により精製し、(E)−10−(エチル(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(82mg、0.172mmol、収率74.8%)を白色固体として得た。
【0574】
LC-MS(ES) m/z = 477.5 [M+H]+ (副), 239.3 (主)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.21 - 7.27 (m, 1H), 7.15 - 7.21 (m, 1H), 7.03 (dd, J = 7.2, 1.4 Hz, 1H), 6.05 (s, 1H), 5.20 - 5.34 (m, 1H), 5.14 (dt, J = 15.2, 5.9 Hz, 1H), 4.31 (br. s., 2H), 3.63 (br. s., 2H), 2.92 - 3.05 (m, 4H), 2.89 (br. s., 2H), 2.64 (br. s., 2H), 2.36 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 2.27 (br. s., 2H), 2.19 (s, 3H), 1.67 - 1.97 (m, 2H), 1.57 (br. s., 2H), 1.07 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 0.77 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。2Hは観測されず。
【0575】
実施例33:(E)−10−(エチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化142】
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【0576】
MeOH(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(100mg、0.223mmol)の溶液に、NaBHCN(70.0mg、1.115mmol)、ホルムアルデヒド(0.205mL、2.229mmol)およびAcOH(0.026mL、0.446mmol)を加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物をシリカに吸着させた後、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl))により精製し、71mgの白色固体を得た。この固体を1,4−ジオキサン(3.00mL)およびMeOH(1mL)に溶かした後、HCl(ジオキサン中4M、1.5mL、6.00mmol)を加え、この反応混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1gのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−(エチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(48mg、0.107mmol、収率48.0%)を灰白色固体として得た。
【0577】
LC-MS(ES) m/z = 449.4 [M+H]+1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.20 - 7.35 (m, 2H), 7.08 (dd, J = 1.5, 7.3 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.29 - 5.41 (m, 1H), 5.16 - 5.26 (m, 1H), 4.38 (s, 2H), 3.66 - 3.73 (m, 2H), 3.06 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.82 (br. s., 3H), 2.72 (br. s., 2H), 2.31 (br. s., 2H), 2.26 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.93 - 2.05 (m, 2H), 1.66 - 1.88 (m, 2H), 1.51 - 1.65 (br. s., 2H), 0.83 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。2Hは観測されず。
【0578】
実施例34:(E)−10−(エチル(1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化143】
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【0579】
DCM(4mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(100mg、0.223mmol)の溶液に、EtN(0.093mL、0.669mmol)、および塩化メタンスルホニル(0.026mL、0.334mmol)を加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を0.1mLの水でクエンチした後、シリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、CHCl中0−20%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)により精製して84mgの白色固体を得た。この固体を1,4−ジオキサン(3.00mL)およびMeOH(1mL)に溶かした後、HCl(ジオキサン中4M、1.5mL、6.00mmol)を加え、この反応混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮し、HPLC(移動相中0.1%TFA;水中5−40CHCN)により精製し、生成物画分を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1gのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−(エチル(1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(49mg、0.096mmol、収率42.9%)を白色固体として得た。
【0580】
LC-MS(ES) m/z = 513.4 [M+H]+1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.28 - 7.35 (m, 1H), 7.22 - 7.28 (m, 1H), 7.10 (dd, J = 1.5, 7.3 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.29 - 5.40 (m, 1H), 5.17 - 5.27 (m, 1H), 4.39 (s, 2H), 3.53 - 3.76 (m, 4H), 3.03 - 3.13 (m, 2H), 2.92 - 3.02 (m, 1H), 2.65 - 2.83 (m, 7H), 2.34 (br. s., 2H), 2.26 (s, 3H), 1.75 - 2.01 (m, 2H), 1.52 - 1.68 (m, 2H), 0.84 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。2Hは観測されず。
【0581】
実施例35:(E)−10−(エチル(1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化144】
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【0582】
MeOH(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(105mg、0.234mmol)の溶液に、2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)アセトアルデヒド(0.111mL、0.585mmol)、AcOH(0.027mL、0.468mmol)、次いで、NaBHCN(73.5mg、1.170mmol)を加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、CHCl中0−80%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl))により精製して90mgの蝋状固体を得た。この固体を1,4−ジオキサン(3.00mL)およびMeOH(1mL)に溶かした後、HCl(4Mジオキサン、1.5mL、6.00mmol)を加え、この反応混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮乾固し、残渣をMeOH中30%NHOHで処理し、濃縮した(この手順を2回繰り返した)。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl))により精製し、(E)−10−(エチル(1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(31mg、0.065mmol、収率27.7%)を灰白色固体として得た。
【0583】
LC-MS(ES) m/z = 479.4 [M+H]+ (副), 240.3 (主)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.20 - 7.32 (m, 2H), 7.08 (dd, J = 1.4, 7.2 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.28 - 5.41 (m, 1H), 5.16 - 5.26 (m, 1H), 4.38 (s, 2H), 3.60 - 3.76 (m, 4H), 3.07 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.89 - 3.00 (m, 2H), 2.76 - 2.88 (m, 1H), 2.72 (br. s., 2H), 2.50 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.34 (br. s., 2H), 2.26 (s, 3H), 2.00 - 2.13 (m, 2H), 1.66 - 1.89 (m, 2H), 1.52 - 1.67 (m, 2H), 0.83 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。3Hは観測されず。
【0584】
実施例36:(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)2−ブロモ−3−ニトロ安息香酸メチル
【化145】
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【0585】
DMF(240mL)中、2−ブロモ−3−ニトロ安息香酸(33.9g、138mmol)の溶液に、NaCO(58.5g、552mmol)およびヨードメタン(34mL、544mmol)を加えた。この反応混合物を60℃で4時間加熱した。この反応混合物を水で希釈し(1.5L)、EtOで抽出した(2×750mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(500mL)、濃縮し、2−ブロモ−3−ニトロ安息香酸メチル(36.78g、137mmol、収率100%)を黄色固体として得た。
【0586】
LC-MS (ES) m/z = 259.9, 261.9 [M+H]+
【0587】
(b)2−アリル−3−ニトロ安息香酸メチル
【化146】
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【0588】
1,2−ジメトキシエタン(300mL)を、2−ブロモ−3−ニトロ安息香酸メチル(14.0g、53.8mmol)、アリルトリフルオロホウ酸カリウム(12.0g、81mmol)、CsF(26.2g、172mmol)およびPd(PhP)(2.7g、2.337mmol)を含有する600mLのパール反応容器に加えた。この容器をアルゴンでフラッシュし、175℃の油浴中に置き、反応物が120℃に達するように速度を上げるためにすぐに120℃に落とした。この温度に到達したところで(約30分)、反応物を6時間加熱した。6時間後、この反応混合物を濾過し、シリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、ヘキサン中0−5%EtOAc;220gカラム)により精製し、2−アリル−3−ニトロ安息香酸メチル(7.84g、35.4mmol、収率65.8%)を黄色油状物として得た。
【0589】
LC-MS(ES) m/z = 221.9 [M+H]+
【0590】
(c)2−アリル−3−アミノ安息香酸エチル
【化147】
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【0591】
EtOH(300mL)中、2−アリル−3−ニトロ安息香酸メチル(11.56g、52.3mmol)の溶液に、−9℃で撹拌しながら、亜鉛(51.29g、784mmol)を加えた。−9℃のうちに、激しく撹拌し、かつ、内部温度をモニタリングながら、AcOH(40mL、699mmol)をゆっくり加え、約20mLを加え、約5分の後、反応物は26℃まで急激の発熱し、その後、冷却して0℃に戻し、この時点で残りのAcOHを加え、数分後に氷浴を外した。1時間後、反応混合物を濾過し、真空濃縮し、EtOHを除去し、飽和NaHCO水溶液を加えた。水層をEtOAc(2×250mL)で抽出し、合わせた有機液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、乾燥させた溶液を濾過し、濃縮し、2−アリル−3−アミノ安息香酸メチル(9.96g、52.1mmol、収率100%)を橙色油状物として得た。
【0592】
LC-MS (ES) m/z = 192 [M+H]+
【0593】
(d)2−アリル−3−((トランス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)安息香酸メチル
【化148】
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【0594】
DCE(50mL)中、2−アリル−3−アミノ安息香酸メチル(2g、10.46mmol)および(4−オキソシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(4.46g、20.92mmol)の撹拌溶液に、AcOH(0.599mL、10.46mmol)を加えた。この反応物を室温で2時間撹拌した後、Na(OAc)BH(4.43g、20.92mmol)を少量ずつ加え、この反応物を一晩室温で撹拌した。この反応物をDCM(200mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(50mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−15%EtOAc、400gカラム、混合した画分を再カラム処理し、生成物はフラッシュクロマトグラフィーによる2番目のピークである)により精製し、2−アリル−3−((トランス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)安息香酸メチル(1.45g、3.73mmol、収率35.7%)を白色固体として得た。
【0595】
LC-MS(ES) m/z = 389.0 [M+H]+
【0596】
(e)2−アリル−3−((トランス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル
【化149】
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【0597】
DCE(10mL)中、2−アリル−3−((トランス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)安息香酸メチル(1.45g、3.73mmol)、アセトアルデヒド(1.265mL、22.39mmol)およびAcOH(0.534mL、9.33mmol)の撹拌溶液に、Na(OAc)BH(2.69g、12.69mmol)を加えた。この反応物を室温でさらに1時間撹拌した。この反応物をDCM(100mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(50mL)、次いで、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮し、2−アリル−3−((トランス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル(1.555g、3.73mmol、収率100%)を白色固体として得た。
【0598】
LC-MS(ES) m/z = 417.0 [M+H]+
【0599】
(f)2−アリル−3−((トランス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸
【化150】
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【0600】
MeOH(40mL)中、2−アリル−3−((トランス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル(1.55g、3.72mmol)の撹拌溶液に、NaOH水溶液(6M、3.10mL、18.61mmol)を加えた。この反応物を60℃で一晩加熱した。この反応物を濃縮し、HCl水溶液(1M、18.61mL、18.61mmol)で中和したところ、沈澱が生じ、pHおよそ4に調整し(pH紙で試験)、その後、EtOAc(4×100mL)で抽出した。合わせた有機液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、2−アリル−3−((トランス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸(1.498g、3.72mmol、収率100%)を黄色油状物として得た。
【0601】
LC-MS(ES) m/z = 403.0 [M+H]+
【0602】
(g)(トランス−4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化151】
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【0603】
2−アリル−3−((トランス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸(1.498g、3.72mmol)、(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(0.921g、4.47mmol)、HOAt(0.760g、5.58mmol)、EDC(1.070g、5.58mmol)、N−メチルモルホリン(1.227mL、11.16mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を水に注ぎ、1時間撹拌した。沈澱を濾取し、ポンプで一晩乾燥させた。濾過ケーキをEtOAc(100mL)に溶かし、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄した後、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、(トランス−4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(2.13g、3.61mmol、収率97%)を無色の油状物として得た。
【0604】
LC-MS(ES) m/z = 591.1 [M+H]+
【0605】
(h)(トランス−4−(エチル((E)−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化152】
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【0606】
DCM(60mL)中、(トランス−4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(2.08g、3.52mmol)の溶液に、Grubbs II(0.299g、0.352mmol)を加えた。この反応物を一晩室温で撹拌した。さらなるGrubbs II(0.299g、0.352mmol)を追加し、この反応物を一晩室温で撹拌した。この反応物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−40%EtOAc、60gカラム)により精製し、E異性体とZ異性体の混合物(およそ1.2g)および不純な出発材料(600mg)を得た。不純な出発材料をDCM(40mL)に溶かし、Grubbs II(120mg)を加えた。この反応物を4日間撹拌した。この反応混合物を濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−40%EtOAc、40gカラム)により精製し、E異性体とZ異性体の混合物(およそ0.2g)を得た。合わせた 混合物(合計およそ1.4g)をRP−HPLC(水中30−45%CHCN、0.1%TFA)により精製し、(トランス−4−(エチル((E)−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(842mg)を無色の油状物として得た。
【0607】
LC-MS(ES) = 563 [M+H]+ (副), 365.9 (主)。LC−MS(ES)およびH NMRは両方とも、boc脱保護材料と一致するおよそ50%の不純物の存在を示した。
【0608】
(i)(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化153】
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【0609】
(トランス−4−(エチル((E)−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(112mg、およそ50%のboc脱保護材料を含有)を1,4−ジオキサン(2mL)およびMeOH(0.5mL)に溶かした。HCl(4M、ジオキサン、2mL、8.00mmol)を加え、この反応物を60℃で一晩撹拌し、この反応物を濃縮した。残渣をDCM(3mL)およびMeOH(1mL)に溶かし、濃NHOH(0.5mL)を加えた。この混合物を30分間撹拌した後、DCM(50mL)で希釈し、シリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中0−100%(90:10:1 DCM:MeOH:NHOH)、12gカラム)により精製し、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(45mg、0.100mmol)を白色固体として得た。
【0610】
LC-MS(ES) m/z = 449.0 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.99 (t, J = 4.7 Hz, 1H), 7.12 - 7.24 (m, 2H), 6.88 - 6.96 (m, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.02 - 5.24 (m, 2H), 4.17 (br. s., 2H), 3.52 (br. s., 2H), 2.98 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 2.53 - 2.66 (m, 2H), 2.43 (t, J = 10.7 Hz, 1 H), 2.22 (br. s., 2H), 2.12 (s, 3H), 1.58 - 1.83 (m, 4H), 1.13 - 1.41 (m, 2H), 0.82 - 1.00 (m, 2H), 0.75 (t, J=6.95 Hz, 3H)。注:交換可能なNHは、明瞭なピークとしては観測されず。1メチンプロトンは明瞭に観測されず。
【0611】
実施例37:(E)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンヒドロクロリド
【化154】
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【0612】
(トランス−4−(エチル((E)−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(730mg、およそ50%boc脱保護材料を含有)を1,4−ジオキサン(4mL)およびMeOH(1mL)に溶かした。HCl(ジオキサン中4M、2mL、8.00mmol)を加え、この反応物を60℃で一晩撹拌した。この反応物を濃縮し、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン、ヒドロクロリド(561mg、1.157mmol)を白色固体として得た。
【0613】
LC-MS(ES) m/z = 449.0 [M+H]+
【0614】
(b)(E)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化155】
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【0615】
MeOH(3mL)中、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン、ヒドロクロリド(150mg、0.309mmol)およびホルムアルデヒド(0.092mL、3.34mmol)の溶液に、NaBHCN(210mg、3.34mmol)を一度に加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌した後、この反応混合物を濃縮した。この反応物をMeOHおよびDCMに再溶解させ、NHOHおよび混合物をシリカゲルで濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(100%DCMから90:10:1 DCM:MeOH:NHOHへ)により精製し、(E)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(65mg、0.136mmol、収率44.1%)を白色固体として得た。
【0616】
LC-MS(ES) m/z = 477.0 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.29 (s, 1H), 7.98 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.13 - 7.24 (m, 2H), 6.88 - 6.98 (m, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.04 - 5.24 (m, 2H), 4.00 - 4.34 (m, 2H), 3.53 (br. s., 2H), 2.99 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 2.53 - 2.69 (m, 3H), 2.17 - 2.29 (m, 2H), 2.14 (s, 6H), 2.12 (s, 3H), 2.04 - 2.10 (m, 1H), 1.76 (d, J = 10.1 Hz, 4H), 1.24 (q, J = 11.5 Hz, 2H), 1.07 (q, J = 11.6 Hz, 2H), 0.75 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0617】
実施例38:(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化156】
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【0618】
室温で、MeOH(0.5mL)中、11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−1,15−ジオキソ−5,7,10,15,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−6(2H)−カルボン酸(E)−および(Z)−tert−ブチル(31mg、0.056mmol)の混合物に、HCl(ジオキサン中4M、0.5mL、2.00mmol)を加えた。次に、この反応混合物を室温で2時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。その後、得られた油状物をCHCNに取り、172μLのイソプロピルアミンを加えた。次に、この混合物を逆相HPLC(Gilson(登録商標)、30mm Geminiカラム、NHOH改質剤)により精製し、(E)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(18.3mg、0.041mmol)を白色固体として得た。
【0619】
LC-MS(ES) m/z = 451 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.46 (br. s., 1 H), 7.77 (t, J = 4.6 Hz, 1H), 7.15 - 7.31 (m, 2H), 7.05 (dd, J = 7.2, 1.4 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.31 - 5.43 (m, 1H), 5.01 - 5.16 (m, 1H), 4.30 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 4.09 (q, J = 5.3 Hz, 1H), 3.75 - 3.85 (m, 4H), 3.47 (s, 2H), 3.10 - 3.26 (m, 4H), 2.88 - 3.03 (m, 4H), 2.12 (s, 3H), 1.53 - 1.67 (m, 1H), 1.26 - 1.52 (m, 2H), 0.75 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0620】
実施例39:(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化157】
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【0621】
また、上記の精製から(Z)−11−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[h]ピリド[4,3−c][1,6]ジアザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(6.8mg、0.015mmol)も灰白色固体として単離された。
【0622】
LC-MS(ES) m/z = 451 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.45 (br. s., 1H), 7.92 (t, J = 4.6 Hz, 1H), 7.14 - 7.31 (m, 2H), 7.04 (dd, J = 7.0, 1.9 Hz, 1H), 6.22 (s, 1 H), 5.07 - 5.23 (m, 2H), 4.26 (d, J = 5.05 Hz, 2H), 3.73 - 3.88 (m, 2H), 3.54 - 3.71 (m, 4H), 3.15 - 3.27 (m, 2H), 3.05 - 3.15 (m, 2H), 2.92 - 3.05 (m, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.49 - 1.70 (m, 2H), 1.31 - 1.49 (m, 2H), 0.76 (t, J = 7.0 Hz, 3H). 1Hは観測されず。
【0623】
実施例40:(E)−11−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
(a)4−((2−アリル−3−(((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化158】
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【0624】
DCM(11mL)中、2−アリル−3−((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)安息香酸(800mg、2.059mmol)および(2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン(454mg、2.059mmol)、EDC(513mg、2.68mmol)、HOAt(364mg、2.68mmol)およびN−メチルモルホリン(0.679mL、6.18mmol)の反応混合物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカ(CombiFlash(登録商標)、30gカラム、ヘキサン中0−20%EtOAc)により精製し、4−((2−アリル−3−(((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.03g、1.743mmol、収率85%)を白色泡沫固体として得た。
【0625】
LC-MS(ES) m/z = 591.7 [M+H]+
【0626】
(b)4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−15−オキソ−6,7,10,15,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−11−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸(E)−tert−ブチル
【化159】
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【0627】
DCM(80mL)中、4−((2−アリル−3−(((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.03g、1.743mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(0.296g、0.349mmol)を加えた。この反応混合物を窒素下、室温で20時間撹拌した。この反応混合物をシリカに吸着させ、シリカカラム(CombiFlash(登録商標)、30gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、E異性体とZ異性体の混合物を得た。この混合物をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中30−60%CHCN)により精製し、4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−15−オキソ−6,7,10,15,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−11−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸(E)−tert−ブチル(683mg)を白色固体として得た。
【0628】
LC-MS(ES) m/z = 563.6 [M+H]+
【0629】
(c)(E)−11−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化160】
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【0630】
ジオキサン(20mL)およびMeOH(10mL)中、4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−15−オキソ−6,7,10,15,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−11−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸(E)−tert−ブチル(660mg、1.173mmol)の溶液に、HCl(4M、ジオキサン、5mL、20.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。白色沈澱が生じ、この反応混合物を濃縮した。残渣を飽和NaHCO水溶液で塩基性化し、固体を濾過し、水で洗浄し、(E)−11−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(478mg、1.066mmol、収率91%)を白色固体として得た。
【0631】
LC-MS(ES) m/z = 449.4 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.33 (dd, J = 8.1, 1.3 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.13-7.19 (m, 1H), 6.16 (s, 1H), 5.41 - 5.50 (m, 1H), 5.15 - 5.25 (m, 1H), 4.53 (s, 2H), 3.87 - 3.94 (m, 2H), 2.99 - 3.14 (m, 4H), 2.90 - 2.99 (m, 1H), 2.43-2.59 (m, 4H), 2.25 (s, 3H), 1.97 - 2.05 (m, 2H), 1.78 (br. s., 2H), 1.59 - 1.70 (m, 2H), 1.43 - 1.57 (m, 2H), 0.86 (t, J = 6.9 Hz, 3H)。注3 Hは観測されず。
【0632】
実施例41:(E)−10−((1−(シクロプロピルメチル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化161】
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【0633】
MeOH(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(100mg、0.230mmol)の溶液に、シクロプロパンカルバルデヒド(0.103mL、1.381mmol)、AcOH(0.026mL、0.460mmol)およびNaBHCN(116mg、1.841mmol)を加えた。この反応混合物を一晩撹拌した後、飽和NaHCO水溶液(3mL)でクエンチし、シリカに吸着させた後、シリカカラム(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)/CHCl)により精製し、(E)−10−((1−(シクロプロピルメチル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(85mg、0.174mmol、収率76%)を白色固体として得た。
【0634】
LC-MS(ES) m/z = 245.2 (主), 489.5 [M+H]+ (副)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.27 - 7.33 (m, 1H), 7.20 - 7.27 (m, 1H), 7.08 (dd, J = 7.2, 1.4 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.28 - 5.40 (m, 1H), 5.15 - 5.27 (m, 1H), 4.38 (s, 2H), 3.70 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 3.07 (q, J = 7.0 Hz, 4H), 2.84 (br. s., 1H), 2.72 (br. s., 2H), 2.34 (br. s., 2H), 2.26 (s, 3H), 2.22 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.00 (t, J= 11.0 Hz, 2H), 1.68-1.91 (m, 2H), 1.52 - 1.67 (m, 2H), 0.78 - 0.91 (m, 4H), 0.48 - 0.57 (m, 2H), 0.12 (q, J = 4.8 Hz, 2H)。注2Hは観測されず。
【0635】
実施例42:(E)−11−(エチル(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化162】
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【0636】
MeOH(3mL)中、(E)−11−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(145mg、0.323mmol)の溶液に、NaBHCN(162mg、2.59mmol)、アセトン(0.356mL、4.85mmol)およびAcOH(0.037mL、0.646mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。さらなるNaBHCN(72.3mg、1.151mmol)、およびアセトン(0.135mL、1.841mmol)を追加し、さらに1日撹拌した。この反応混合物を飽和NaHCO水溶液(3mL)でクエンチし、シリカに吸着させた後、シリカカラム(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)/CHCl)により精製し、(E)−11−(エチル(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(118mg、0.240mmol、収率74.4%)を灰白色固体として得た。
【0637】
LC-MS(ES) m/z = 491.5 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.33 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.14 - 7.19 (m, 1H), 6.16 (s, 1H), 5.45 (dt, J = 15.3, 5.5 Hz, 1H), 5.14 - 5.24 (m, 1H), 4.52 (s, 2H), 3.89 - 3.94 (m, 2H), 3.09 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.82 - 2.94 (m, 3H), 2.69 (dt, J = 13.1, 6.6 Hz, 1H), 2.49 - 2.58 (m, 2H), 2.25 (s, 3H), 2.10 - 2.20 (m, 2H), 1.95 - 2.05 (m, 2H), 1.80 (br. s., 2H), 1.54 - 1.69 (m, 4H), 1.06 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 0.86 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。注2Hは観測されず。
【0638】
実施例43:(E)−10−(エチル(1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化163】
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【0639】
MeOH(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(90mg、0.207mmol)の溶液に、3,3,3−トリフルオロプロパナール(0.124mL、1.035mmol)、AcOH(0.024mL、0.414mmol)およびNaBHCN(104mg、1.657mmol)を加えた。この反応混合物を一晩撹拌した後、飽和NaHCO水溶液(3mL)でクエンチし、シリカに吸着させた後、シリカカラム(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)/CHCl)により精製し、(E)−10−(エチル(1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(59mg、0.111mmol、収率53.7%)を白色固体として得た。
【0640】
LC-MS(ES) m/z = 531.5 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.27 - 7.31 (m, 1H), 7.21 - 7.27 (m, 1H), 7.08 (dd, J = 7.2, 1.4 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.29 - 5.39 (m, 1H), 5.16 - 5.26 (m, 1H), 4.38 (s, 2H), 3.66 - 3.74 (m, 2H), 3.06 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.78 - 2.94 (m, 3H), 2.72 (br. s., 2H), 2.53 - 2.60 (m, 2H), 2.29 - 2.45 (m, 4H), 2.26 (s, 3H), 1.96 - 2.07 (m, 2H), 1.79 (br. s., 2H), 1.50 - 1.63 (m, 2H), 0.83 (t, J = 6.9 Hz, 3H)。注2Hは観測されず。
【0641】
実施例44:(E)−10−(エチル(1−エチルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化164】
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【0642】
MeOH(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(94mg、0.216mmol)の溶液に、アセトアルデヒド(0.182mL、3.24mmol)、AcOH(0.025mL、0.433mmol)およびNaBHCN(136mg、2.163mmol)を加えた。この反応混合物を4時間撹拌した。この反応混合物を飽和NaHCO水溶液(3mL)でクエンチし、シリカに吸着させた後、シリカカラム(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)/CHCl)により精製した。得られた固体は純粋でなく、HPLC(移動相中0.1%TFA;水中10−40%CHCN)によりさらに精製した。得られた画分を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1gのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−(エチル(1−エチルピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(11mg、0.024mmol、収率10.99%)を白色固体として得た。
【0643】
LC-MS(ES) m/z = 232.2 (主), 463.4 [M+H]+ (副)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.19-7.33 (m, 2H), 7.08 (dd, J=7.3, 1.5 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.28-5.41 (m, 1H), 5.14-5.27 (m, 1H), 4.39 (s, 2H), 3.64-3.74 (m, 2H), 3.07 (q, J=7.1 Hz, 2H), 2.77-2.98 (m, 3H), 2.66 - 2.76 (m, 2H), 2.30-2.44 (m, 4H), 2.26 (s, 3H), 1.89-1.99 (m, 2H), 1.66-1.88 (m, 2H), 1.45-1.65 (m, 2H), 1.08 (t, J=7.2 Hz, 3H), 0.83 (t, J=6.9 Hz, 3H)。2Hは観測されず。
【0644】
実施例45:(E)−10−(エチル(1−((1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化165】
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【0645】
MeOH(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(100mg、0.230mmol)の溶液に、1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルバルデヒド(101mg、0.920mmol)、AcOH(0.026mL、0.460mmol)およびNaBHCN(116mg、1.841mmol)を加えた。この反応混合物を一晩撹拌した。この反応混合物を飽和NaHCO水溶液(3mL)でクエンチし、シリカで濃縮した後、シリカカラム(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)/CHCl)により精製した。得られた固体は十分純粋ではなく、HPLC(移動相中0.1%TFA;水中10−40%CHCN)によりさらに精製した。得られた画分を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1gのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−(エチル(1−((1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(56mg、0.106mmol、収率46.0%)を白色固体として得た。
【0646】
LC-MS(ES) m/z = 265.4 (主), 529.5 [M+H]+ (副)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.51 (d, J = 2.02 Hz, 1H), 7.19 - 7.31 (m, 2H), 7.07 (dd, J = 1.52, 7.33 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 2.27 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.27 - 5.39 (m, 1H), 5.12-5.26 (m, 1H), 4.38 (s, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.60 - 3.72 (m, 2H), 3.50 (s, 2H), 3.05 (q, J = 6.91 Hz, 2H), 2.64-2.94 (m, 5H), 2.34 (br. s., 2H), 2.27 (s, 3H), 2.02 (t, J = 10.61 Hz, 2H), 1.75 (br. s., 2H), 1.59 (br. s., 2H), 0.82 (t, J = 7.07 Hz, 3H)。2Hは観測されず。
【0647】
実施例46:2−(4−(エチル(3−メチル−1,14−ジオキソ−1,2,5,6,9,14,15,16−オクタヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパン酸(E)−エチル
【化166】
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【0648】
DMF(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(100mg、0.230mmol)の溶液に、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチル(180mg、0.920mmol)、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチル(180mg、0.920mmol)およびKCO(95mg、0.690mmol)を加えた。この反応混合物を60℃で4日間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、固体を濾過し、HPLC(移動相中0.1%TFA;水中10−40%CHCN)により精製した。得られた画分を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1g Silicycle(カーボネート)カートリッジに通し、2−(4−(エチル(3−メチル−1,14−ジオキソ−1,2,5,6,9,14,15,16−オクタヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパン酸(E)−エチル(45mg、0.082mmol、収率35.6%)を白色固体として得た。
【0649】
LC-MS(ES) m/z = 275.4(主)、549.5 [M+H]+(副)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4)δ: 7.17-7.34 (m, 2H), 7.07 (dd, J = 1.39, 7.20 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.28-5.40 (m, 1H), 5.16-5.26 (m, 1H), 4.38 (s, 2H), 4.15 (q, J = 7.07 Hz, 2H), 3.69 (d, J = 5.31 Hz, 2H), 3.06 (q, J = 6.91 Hz, 2H), 2.86-2.97 (m, 2H), 2.66-2.82 (m, 3H), 2.34 (br. s., 2H), 2.26 (s, 3H), 2.10-2.20 (m, 2H), 1.74 (br. s., 2H), 1.50-1.63 (m, 2H), 1.24-1.30 (m, 9H), 0.82 (t, J = 7.07 Hz, 3H)。2Hは観測されず。
【0650】
実施例47:(E)−10−(エチル(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化167】
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【0651】
THF(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(120mg、0.276mmol)を含有する密閉可能な試験管に、トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(0.048mL、0.331mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(0.048mL、0.331mmol)およびEtN(0.192mL、1.381mmol)を加えた。この反応容器を密閉し、75℃で一晩撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、固体を濾過し、(E)−10−(エチル(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(115mg、0.223mmol、収率81%)を白色固体として得た。
【0652】
LC-MS(ES) m/z = 517.4 [M+H]+1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.31 - 7.48 (m, 2H), 7.18 - 7.27 (m, 1H), 6.13 (s, 1H), 5.29 - 5.42 (m, 1H), 5.14 - 5.25 (m, 1H), 4.39 (br. s., 2H), 3.68 (br. s., 2H), 3.39 - 3.55 (m, 2H), 3.05 - 3.30 (m, 5H), 2.59 - 2.82 (m, 4H), 2.36 (br. s., 2H), 2.27 (s, 3H), 1.95 (s, 1H), 1.73 (br. s., 3H), 0.88 (t, J = 6.95 Hz, 3H)。2Hは観測されず。
【0653】
実施例48:(E)−10−(エチル(1−((6−メチルピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化168】
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【0654】
MeOH(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(140mg、0.322mmol)の溶液に、6−メチルピコリンアルデヒド(117mg、0.966mmol)、AcOH(0.037mL、0.644mmol)およびNaBHCN(162mg、2.58mmol)を加えた。この反応混合物を一晩撹拌した後、飽和NaHCO水溶液(3mL)でクエンチし、シリカで濃縮した後、シリカカラム(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)/CHCl)により精製した。得られた固体は純粋でなく、HPLC(移動相中0.1%TFA;水中10−40%CHCN)によりさらに精製した。得られた画分を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1g Silicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−(エチル(1−((6−メチルピリジン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(45mg、0.083mmol、収率25.9%)を白色固体として得た。
【0655】
LC-MS(ES) m/z = 270.8 (主), [M+H]+ (副)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.07 (br. s., 1H), 7.74 (t, J = 7.71 Hz, 1H), 7.24-7.36 (m, 4H), 7.12 (dd, J = 1.52, 7.33 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.27 - 5.40 (m, 1H), 5.15 - 5.26 (m, 1H), 4.39 (br. s., 2H), 4.15 (br. s., 2H), 3.70 (br. s., 2H), 3.22 - 3.31 (m, 2H), 3.11 - 3.18 (m, 1H), 3.07 (q, J=6.7 Hz, 2H), 2.77-2.92 (m, 2H), 2.65 - 2.77 (m, 2H), 2.54 - 2.59 (m, 3H), 2.34 (br. s., 2H), 2.26 (s, 3H), 1.79 (br. s., 3H), 0.84 (t, J = 6.95 Hz, 3H)。2Hは観測されず。
【0656】
実施例49:(E)−10−((トランス−4−(ジエチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化169】
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【0657】
MeOH(3mL)中、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン、ヒドロクロリド(130mg、0.268mmol)、AcOH(0.015mL、0.268mmol)、およびアセトアルデヒド(0.151mL、2.68mmol)の溶液に、NaBHCN(168mg、2.68mmol)を一度に加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した後、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(100%DCMから90:10:1 DCM: MeOH:NHOH、4gカラム)により精製して白色固体を得た。この固体を逆相HPLC(水0.1%TFA中8−25%CHCN、)により精製し、生成物画分をプールし、濃縮しておよそ20mLの水溶液とした。この溶液をNaHCO(20mL)で塩基性化し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、(E)−10−((トランス−4−(ジエチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(37mg、0.073mmol、収率27.4%)を白色固体として得た。
【0658】
LC-MS(ES) m/z = 504.9 [M+H]+1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.29 (br. s., 1H), 7.99 (t, J=4.7 Hz, 1H), 7.14-7.21 (m, 2H), 6.90-6.97 (m, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.07-5.22 (m, 2H), 4.18 (br. s., 2H), 3.51 (br. s., 2H), 2.93-3.05 (m, 2H), 2.53-2.69 (m, 3H), 2.31-2.47 (m, 5H), 2.22 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.62-1.80 (m, 4H), 1.18-1.33 (m, 2H), 1.04-1.18 (m, 2H), 0.91 (t, J=6.9 Hz, 6H), 0.75 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0659】
実施例50:(E)−10−(エチル(トランス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化170】
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【0660】
CHCN(4mL)中、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン、ヒドロクロリド(65mg、0.134mmol)、1−ブロモ−2−(2−ブロモエトキシ)エタン(0.046mL、0.270mmol)、DIEA(0.5mL、2.86mmol)の溶液を、60℃で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮した後、逆相HPLC(0.1%NHOH水溶液中25−55%CHCN)により精製した後、濃縮しておよそ20mLとし、EtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、(E)−10−(エチル(トランス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(27mg、0.052mmol、収率38.8%)を白色固体として得た。
【0661】
LC-MS(ES) m/z = 260.3 (主), 519.5 [M+H]+ (副)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.29 (s, 1H), 7.99 (t, J=4.8 Hz, 1H), 7.18 (d, J=4.3 Hz, 2H), 6.93 (t, J=4.3 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.07-5.22 (m, 2H), 4.15 (br. s., 2H), 3.52 (br. s., 6H), 2.94-3.03 (m, 2H), 2.56-2.71 (m, 2H), 2.40 (br. s., 4H), 2.21 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 2.02-2.10 (m, 1H), 1.77 (br. s., 4H), 1.18-1.33 (m, 2H), 1.01-1.15 (m, 2H), 0.75 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0662】
実施例51:(E)−10−((1−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化171】
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【0663】
DCM(80mL)中、4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.04g、1.803mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(0.230g、0.270mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。さらなるGrubbs II(50mg)を追加し、この反応物をさらに5時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、シリカ(CombiFlash(登録商標)、30gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、オレフィン異性体の混合物を得た。得られた混合物をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中25−55%CHCN)により精製した。精製した材料をDCM(10mL)に溶かし、TFA(3mL、38.9mmol)を加え、この反応混合物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、飽和NaHCO水溶液で中和したところ、白色沈澱が生じた。この固体を濾過し、水で洗浄し、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(529mg、1.179mmol、収率65.4%)を白色固体として得た。
【0664】
LC-MS(ES) m/z = 449.3 [M+H]+
【0665】
(b)(E)−10−((1−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化172】
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【0666】
DCM(3mL)中、(E)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(100mg、0.223mmol)の溶液に、EtN(0.093mL、0.669mmol)および2−ブロモマロン酸ジメチル(0.044mL、0.334mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固して明褐色の蝋状物を得た。この残渣をTHF(4mL)に溶かし、氷浴中で0℃に冷却した後、LiAlH(2M、THF、0.334mL、0.669mmol)を滴下した。10分後、氷浴を外し、この反応物を窒素下、室温まで温め、週末にわたって撹拌した。この反応混合物を水(0.2mL)でクエンチし、セライト(登録商標)パッドで濾過し、MeOHですすぎ、濃縮した。残渣をHPLC(移動相中0.1%TFA;水中10−35%CHCN)により精製して残渣を得た。この残渣を1,4−ジオキサン(3mL)およびMeOH(1mL)に溶かした後、HCl(4M、ジオキサン、1mL)を加えた。この反応混合物を70℃で一晩加熱した後、濃縮乾固し、残渣を、MeOH(20mL)で溶出する500mgのSilicycle(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−((1−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(18mg、0.035mmol、収率15.9%)を灰白色固体として得た。
【0667】
LC-MS(ES) m/z = 255.3 (主), 509.5 [M+H]+ (副)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.19 - 7.32 (m, 2H), 7.07 (dd, J = 1.5, 7.3 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.27 - 5.42 (m, 1H), 5.15 - 5.27 (m, 1H), 4.38 (s, 2H), 3.54 - 3.75 (m, 6H), 3.07 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.84 - 2.94 (m, 2H), 2.66-2.83 (m, 3H), 2.59 (quin., J = 6.1 Hz, 1H), 2.29 - 2.49 (m, 4H), 2.26 (s, 3H), 1.75 (br. s., 2H), 1.46-1.62 (m, 2H), 0.82 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。注:交換可能なHは観測されず。
【0668】
実施例52:(Z)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化173】
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【0669】
DCM(400mL)中、4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(6.7g、11.62mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(1.479g、1.742mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。この反応混合物をセライト(登録商標)に吸着させ、シリカ(CombiFlash(登録商標)、50gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製し、オレフィン異性体の混合物を得た。得られた混合物をEtOAcで摩砕して白色固体を得、これをHPLC(移動相中0.1%TFA;水中25−55%CHCN)によりさらに精製し、95mgの残渣を得た。この残渣をジオキサン(3mL)およびMeOH(1.5mL)に溶かした後、HCl(4M、ジオキサン、1.5mL、6.00mmol)を加えた。得られた混合物を週末にわたって70℃で加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を15mLの30%NHOH/MeOHで塩基性化し、濃縮し、シリカ(CombiFlash(登録商標)、4gカラム、60−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)/CHCl)により精製し、(Z)−10−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(61mg、0.140mmol)を白色固体として得た。
【0670】
LC-MS(ES) m/z = 435.4 [M+H]+1H NMR (DMSO-d6) δ: 10.87-11.97 (m, 1H), 8.15 (t, J=5.4 Hz, 1H), 7.13-7.28 (m, 2H), 7.0 (dd, J=6.8, 1.8 Hz, 1H), 5.94 (s, 1H), 5.02-5.25 (m, 2H), 4.35 (br. s., 2H), 3.63 (br. s., 2H), 3.01 (q, J=6.9 Hz, 2H), 2.89 (d, J=12.1 Hz, 2H), 2.54-2.79 (m, 3H), 2.22-2.43 (m, 4H), 2.12 (s, 3H), 1.57-1.68 (m, 2H), 1.17-1.39 (m, 2H), 0.78 (t, J=6.9 Hz, 3H)。1Hは観測されず。
【0671】
実施例53:(E)−11−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
(a)(トランス−4−((2−アリル−3−(((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化174】
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【0672】
室温で、DCM(7mL)中、2−アリル−3−((トランス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸(618mg、1.535mmol)、(2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メタンアミン(405mg、1.838mmol)およびNMM(0.5mL、4.60mmol)の溶液に、EDC(441mg、2.300mmol)およびHOAt(321mg、2.358mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。水(50mL)およびCHCl(50mL)を加え、層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させ、シリカに吸着させ、カラムクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)Rf、ヘキサン中0−40%EtOAc40gカラム)により精製し、(トランス−4−((2−アリル−3−(((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(685mg、1.133mmol、収率73.8%)を無色の油状物として得た。
【0673】
LC-MS(ES) m/z = 605.5 [M+H]+
【0674】
(b)(トランス−4−(エチル((E)−1−メトキシ−3−メチル−15−オキソ−6,7,10,15,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−11−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化175】
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【0675】
アルゴンで脱気したDCM(101.00mL)中、(トランス−4−((2−アリル−3−(((2−メトキシ−6−メチル−4−(ペント−4−エン−1−イル)ピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(612mg、1.012mmol)の溶液に、Grubbs II(172mg、0.202mmol)を加え、この反応物を室温で24時間撹拌した。水(500mL)およびCHCl(2×500mL)を加え、層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させ、シリカに吸着させ、カラムクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)Rf、ヘキサン中0−40%EtOAc;24gカラム)により精製し、(トランス−4−(エチル((E)−1−メトキシ−3−メチル−15−オキソ−6,7,10,15,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−11−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(217mg、0.376mmol、収率37.2%)を灰白色固体として得た。
【0676】
LC-MS(ES) m/z = 141.9 (主), 380.2 (副), 577.4 [M+H]+ (副)。
【0677】
(c)(E)−11−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化176】
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【0678】
MeOH(1mL)中、(トランス−4−(エチル((E)−1−メトキシ−3−メチル−15−オキソ−6,7,10,15,16,17−ヘキサヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−11−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(217mg、0.376mmol)を含有する反応容器に、HCl(4M、ジオキサン、5mL、20.00mmol)を加えた。この混合物を60℃で48時間撹拌した。この混合物を濃縮乾固し、MeOH(1mL)に再溶解させ、シリカに吸着させ、カラムクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)Rf、CHCl中0−50%[80:20:2 CHCl/MeOH/NHOH];4gカラム)により精製し、(E)−11−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(150mg、0.324mmol、収率86%)を白色固体として得た。
【0679】
LC-MS(ES) m/z = 463.3 [M+H]+
【0680】
(d)(E)−11−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン
【化177】
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【0681】
室温で、MeOH(1.4mL)中、(E)−11−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(75mg、0.162mmol)およびホルムアルデヒド(130μL、1.746mmol)の溶液に、AcOH(15μL、0.262mmol)、次いで、Na(OAc)BH(114mg、0.538mmol)を加え、1時間撹拌した。注:かなり激しく発泡する。この混合物が塩基性となるまでNaHCOを加え、この混合物をCHClで抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた油状物を一晩高真空下に置き、(E)−11−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,10,16,17−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−k][1]アザシクロトリデシン−1,15(2H)−ジオン(70.3mg、0.136mmol、収率84%)を白色固体として得た。
【0682】
LC-MS(ES) m/z = 246.2 (主), 366.1 (副), 491.3 [M+H]+ (副)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.42 (s, 1H), 7.94 (t, J=4.2 Hz, 1H), 7.13-7.26 (m, 2H), 6.99-7.06 (m, 1H), 5.87 (s, 1H), 5.40 (dt, J=15.4, 5.3 Hz, 1H), 4.94-5.06 (m, 1H), 4.32 (d, J=4.0 Hz, 2H), 3.79 (br. s., 2H), 2.97-3.05 (m, 2H), 2.64 (t, J=11.5 Hz, 1H), 2.25-2.35 (m, 2H), 1.99-2.18 (m, 10H), 1.91 (br. s., 2H), 1.76 (d, J=9.6 Hz, 4H), 1.50 (br. s., 2H), 1.20-1.35 (m, 2H), 1.04 (q, J=11.5 Hz, 2H), 0.77 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0683】
実施例54:9−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン
【化178】
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【0684】
DCM(400mL)中、4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(6.7g、11.62mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(1.479g、1.742mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。この反応混合物をセライト(登録商標)で濃縮し、シリカ(CombiFlash(登録商標)、50gカラム、ヘキサン中0−30%EtOAc)により精製して混合物を得た。得られた混合物をEtOAcで摩砕して2.8gの白色固体を得、これをGilson(登録商標)HPLC(水0.1%TFA中、25−55%CHCN)によりさらに精製して50mgの残渣を得た。1,4−ジオキサン(3mL)およびMeOH(1.5mL)中、この残渣の溶液に、HCl(1,4−ジオキサン中4M、1.5mL、6.00mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩加熱した。この反応混合物を濃縮乾固した。残渣を、MeOH(35mL)で溶出する1gのSilicycle(登録商標)(カーボネート)カートリッジに通した。得られた残渣をEtOAcで摩砕し、9−(エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン(10mg、0.024mmol)を灰白色固体として得た。
【0685】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.43 (br. s., 1H), 8.19 (t, J = 4.93 Hz, 1H), 7.13 - 7.25 (m, 2H), 6.91 (dd, J = 1.77, 6.82 Hz, 1H), 5.94 (s, 1H), 5.31-5.43 (m, 1H), 5.08-5.31 (m, 1H), 4.45 (d, J = 5.05 Hz, 2H), 3.60 (d, J = 8.08 Hz, 2H), 2.98 - 3.11 (m, 3H), 2.86 - 2.96 (m, 2H), 2.69 - 2.86 (m, 1H), 2.27 - 2.41 (m, 2H), 2.11 (s, 3H), 1.64 (br. s., 2H), 1.37 (br. s., 2H), 0.81 (t, J = 6.95 Hz, 3H)。2Hは観測されず。オレフィンの立体化学は明瞭に同定されず。
【0686】
実施例55:(E)−10−((シス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)2−アリル−3−((シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)安息香酸メチル
【化179】
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【0687】
DCE(50mL)中、2−アリル−3−アミノ安息香酸メチル(2g、10.46mmol)および(4−オキソシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(4.46g、20.92mmol)の撹拌溶液に、AcOH(0.599mL、10.46mmol)を加えた。この反応物を室温で2時間撹拌した後、Na(OAc)BH(4.43g、20.92mmol)を少量ずつ加え、この反応物を一晩室温で撹拌した。この反応物をDCM(200mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で順次洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0−15%EtOAc、400gカラム、混合した画分を再カラム処理)により精製し、2−アリル−3−((シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)安息香酸メチル(1.43g、3.68mmol、収率35.2%)を白色固体として得た。
【0688】
LC-MS(ES) m/z = 389.0 [M+H]+
【0689】
(b)2−アリル−3−((シス−4−((tertブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル
【化180】
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【0690】
DCE(50mL)中、2−アリル−3−((シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)安息香酸メチル(1.43g、3.68mmol)に、アセトアルデヒド(1.247mL、22.08mmol)、AcOH(0.527mL、9.20mmol)およびNa(OAc)BH(2.65g、12.51mmol)をこの順で加えた。次に、この反応物を室温で撹拌した。3時間後、さらなるアセトアルデヒド(0.1g)およびNa(OAc)BH(0.3g)を追加し、撹拌した。1時間後、この反応物をDCM(50mL)で希釈した後、飽和NaHCO水溶液、次いで、ブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させた後、濾過し、濃縮し、明褐色の赤みがかった油状物を得た。次に、この油状物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサンで、次いで、2分、100%ヘキサンで、次いで、26分間、ヘキサン中0−25%EtOAcの勾配でコンディショニングした40g Ananogix(登録商標)カラム)により精製し、2−アリル−3−((シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル(1.42g、3.41mmol、収率93%)を濃縮時、透明な油状物として得た。
【0691】
LC-MS(ES) m/z = 416.8 [M+H]+
【0692】
(c)2−アリル−3−((シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸
【化181】
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【0693】
MeOH(50mL)中、2−アリル−3−((シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸メチル(1.42g、3.41mmol)に、NaOH水溶液(2.84mL、17.04mmol)を加えた。次に、この反応物を60℃で一晩加熱した。この反応物にさらなるNaOH水溶液(6N、500uL)およびTHF(10mL)を追加し、この反応物を一晩60℃で撹拌した。この反応物を濃縮した後、水(30mL)で希釈し、その後、pHをHCl水溶液(6N)でやや酸性となるまで調整したところ、白色沈澱が生じた。次に、この固体を濾過により単離し、2−アリル−3−((シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸(1.45g)を得た。
【0694】
LC-MS(ES) m/z = 403.0 [M+H]+
【0695】
(d)(シス−4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化182】
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【0696】
DMSO(15mL)中、2−アリル−3−((シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)安息香酸(908mg、2.256mmol)に、HOBt(518mg、3.38mmol)、EDC(649mg、3.38mmol)、N−メチルモルホリン(0.744mL、6.77mmol)および(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(558mg、2.71mmol)を加えた。次に、この反応物を一晩室温で撹拌した。この反応物を水(50mL)に移したところ、沈澱が生じ、これを次に濾過により単離し、真空乾燥させた。その後、この固体をDCMに再溶解した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(3分間ヘキサン、次いで、33分かけてヘキサン中0−35%EtOAc、50gカラム)により精製し、(シス−4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(990mg、1.676mmol、収率74.3%)を透明な油状物として得た。
【0697】
LC-MS(ES) m/z = 591.0 [M+H]+
【0698】
(e)(シス−4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルの(E)異性体および(Z)異性体の混合物
【化183】
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【0699】
(シス−4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(706mg、1.195mmol)をDCM(30mL)で希釈した後、Hoveyda−Grubbs第二世代触媒(150mg、0.239mmol)を加えた。冷却器を取り付け、この反応物を55℃で一晩加熱した。48時間後、さらなるHoveyda−Grubbs第二世代触媒(150mg、0.239mmol)を加え、この反応物を撹拌した。合計72時間後、この反応物を濃縮した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン3分、DCM2分、35分間DCM中0から50%DCM:MeOH:NHOH(80:20:2)、40gカラム)により精製し、(シス−4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸(E)−および(Z)−tert−ブチル(389mg、0.691mmol、収率57.8%)混合物を固体として得た。
【0700】
LC-MS(ES) m/z = 563.0 [M+H]+
【0701】
(f)(E)−10−((シス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−3,4,5,6,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化184】
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【0702】
(シス−4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルのE/Z混合物(363mg、0.645mmol)を1,4−ジオキサン(5mL)およびMeOH(2mL)に溶かした後、HCl(1,4−ジオキサン中4M、2.5mL)を加えた。この反応混合物を70℃で一晩加熱したところ、白色沈澱を生じた。この反応混合物を濃縮乾固し、残渣をNHOH(MeOH中30%、10mL)で処理した後、濃縮し、この手順をさらに1回繰り返した。次に、残渣をセライト(登録商標)で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl中50−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)、4gカラム)により精製し、(E)−10−((シス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−3,4,5,6,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(164mg、0.364mmol、収率51.2%)を白色固体として得た。
【0703】
LC-MS(ES) m/z = 449.4 [M+H]+
【0704】
(g)(E)−10−((シス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化185】
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【0705】
MeOH(3mL)中、(E)−10−((シス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(95mg、0.212mmol)に、ホルムアルデヒド(水中37wt%溶液、0.236mL、3.18mmol)、AcOH(0.024mL、0.424mmol)およびNaBHCN(133mg、2.118mmol)を加えた。この反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(2mL)で10分間処理し、シリカに吸着させた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl中50−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)、4gカラム)により精製して固体を得、これをGilson(登録商標)HPLC(水中10−40%CHCN、移動相中0.1%TFA)によりさらに精製した。得られた画分を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1g Silicycle(登録商標)(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−((シス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(68mg、0.143mmol、収率67.4%)を白色固体として得た。
【0706】
LC-MS(ES) m/z = 477.4 [M+H]+1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.22-7.33 (m, 2H), 7.12 (dd, J=1.52, 7.07 Hz, 1H), 6.04-6.18 (m, 1H), 5.18-5.41 (m, 2H), 4.43 (br. s., 1H), 4.35 (br. s., 1H), 3.66-3.83 (m, 2H), 3.46-3.59 (m, 1H), 3.07-3.22 (m, 1H), 2.95-3.05 (m, 1H), 2.79-2.94 (m, 1H), 2.64-2.80 (m, 8H), 2.34 (br. s., 2H), 2.26 (s, 4H), 1.85-2.03 (m, 1H), 1.48-1.89 (m, 4H), 1.42 (br. s., 2H), 0.80-0.95 (m, 3H)。2Hは観測されず。
【0707】
実施例56:(E)−10−((トランス−4−((2,2−ジフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化186】
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【0708】
CHCN(3.00mL)中、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(130mg、0.290mmol)の反応混合物に、トリフルオロメタンスルホン酸2,2−ジフルオロエチル(186mg、0.869mmol)およびDIPEA(0.202mL、1.159mmol)を加えた。この反応混合物を70℃で2時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、Gilson(登録商標)HPLC(水中5−40%CHCN、移動相中0.1%TFA)により精製した。得られた画分を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1g Silicycle(登録商標)(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−((トランス−4−((2,2−ジフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(70mg、0.137mmol、収率47.1%)を白色固体として得た。
【0709】
LC-MS(ES) m/z = 513.4 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ:11.29 (s, 1H), 7.98 (t, J=4.93 Hz, 1H), 7.11-7.24 (m, 2H), 6.87-6.99 (m, 1H), 5.83 (s, 2H), 5.05-5.24 (m, 2H), 4.18 (br. s., 1H), 3.85-4.14 (m, 1H), 3.52 (br. s., 2H), 2.94-3.05 (m, 2H), 2.78-2.93 (m, 2H), 2.57-2.69 (m, 2H), 2.51-2.57 (m, 2H), 2.33 (br. s., 1H), 2.16-2.24 (m, 2H), 2.11 (s, 3H), 1.79-1.91 (m, 2H), 1.63-1.78 (m, 2H), 1.17-1.31 (m, 2H), 0.83-1.00 (m, 2H), 0.75 (t, J=6.95 Hz, 3H)。
【0710】
実施例57:(E)−10−((トランス−4−((2,2−ジフルオロエチル)(メチル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化187】
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【0711】
THF(3mL)中、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(130mg、0.290mmol)を含有するマイクロ波管に、トリフルオロメタンスルホン酸2,2−ジフルオロエチル(124mg、0.580mmol)、およびTEA(0.162mL、1.159mmol)を加えた。この反応容器に蓋をし、70℃で2時間撹拌した。この反応混合物を濃縮して灰白色固体を得た。MeOH(3.00mL)中、この固体に、Na(OAc)BH(184mg、0.869mmol)、ホルムアルデヒド(水中37wt%、0.080mL、2.90mmol)およびAcOH(0.050mL、0.869mmol)を加えた。この反応混合物を室温で20分間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、Gilson(登録商標)HPLC(水中5−40%CHCN、移動相中0.1%TFA)により精製した。得られた画分を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1gのSilicycle(登録商標)(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−((トランス−4−((2,2−ジフルオロエチル)(メチル)アミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(103mg、0.196mmol、収率67.5%)を白色固体として得た。
【0712】
LC-MS(ES) m/z = 527.4 [M+H]+ (副), 264.3 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.31 (br. s., 1H), 10.24 (br. s., 1H), 7.96 (br. s., 1H), 7.21 (d, J=4.55 Hz, 2H), 6.88-7.06 (m, 1H), 6.15-6.78 (m, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.02-5.26 (m, 2H), 4.17 (br. s., 2H), 3.54 (br. s., 3H), 3.09-3.30 (m, 1H), 2.99 (br. s., 2H), 2.61-2.88 (m, 4H), 2.54 (br. s., 1H), 2.22 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.90-2.01 (m, 2H), 1.86 (br. s., 2H), 1.40 (br. s., 2H), 1.21-1.37 (m, 3H), 0.75 (t, J=6.95 Hz, 3H)。
【0713】
実施例58:(E)−10−(エチル(トランス−4−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化188】
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【0714】
THF(3mL)およびN−メチル−2−ピロリドン(0.3mL)中、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(100mg、0.223mmol)を含有するマイクロ波管に、トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(0.058mL、0.401mmol)およびTEA(0.124mL、0.892mmol)を加えた。この反応容器に蓋をし、70℃で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、Gilson(登録商標)HPLC(水中5−40%CHCN、移動相中0.1%TFA)により精製した。得られた画分を濃縮し、残渣を、MeOH(30mL)で溶出する1g Silicycle(登録商標)(カーボネート)カートリッジを通し、(E)−10−(エチル(トランス−4−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(105mg、0.198mmol、収率89%)を白色固体として得た。
【0715】
LC-MS(ES) m/z = 531.4 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.31 (br. s., 1H), 8.81-10.18 (m, 1H), 7.98 (br. s., 1H), 7.22 (br. s., 2H), 6.94-7.01 (m, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.04-5.24 (m, 2H), 4.17 (br. s., 2H), 3.95 (br. s., 2H), 3.53 (br. s., 2H), 2.98 (br. s., 3H), 2.64 (br. s., 1H), 2.51-2.59 (m, 2H), 2.21 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 2.04 (br. s., 2H), 1.66-1.90 (m, 2H), 1.18-1.40 (m, 4H), 0.75 (t, J=6.95 Hz, 3H)。
【0716】
実施例59:(E)−10−(エチル(トランス−4−(メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化189】
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【0717】
MeOH(5mL)中、(E)−10−(エチル(トランス−4−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(130mg、0.245mmol)に、Na(OAc)BH(208mg、0.980mmol)、ホルムアルデヒド(水中37wt%、0.182mL、2.450mmol)およびAcOH(0.042mL、0.735mmol)を加えた。この反応混合物を室温で90分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、シリカカラム(CHCl中0−50%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)、4gカラム)により精製し、(E)−10−(エチル(トランス−4−(メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(90mg、0.165mmol、収率67.4%)を白色固体として得た。
【0718】
LC-MS(ES) m/z = 545.4 [M+H]+ (副), 273.3 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.30 (s, 1H), 7.96 (t, J=5.05 Hz, 1H), 7.13-7.28 (m, 2H), 6.85-7.01 (m, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.03-5.25 (m, 2H), 4.17 (br. s., 2H), 3.52 (br. s., 2H), 3.07 (q, J=10.02 Hz, 2H), 2.92-3.02 (m, 2H), 2.51-2.70 (m, 3H), 2.31-2.41 (m, 1H), 2.29 (s, 3H), 2.22 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.73-1.82 (m, 2H), 1.64-1.73 (m, 2H), 1.06-1.32 (m, 4H), 0.75 (t, J=6.95 Hz, 3H)。
【0719】
実施例60:(E)−10−((トランス−4−(アゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化190】
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【0720】
THF(3mL)およびN−メチル−2−ピロリドン(0.5mL)中、(E)−10−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(130mg、0.290mmol)を含有するマイクロ波管に、1,3,2−ジオキサチアン2,2−ジオキシド(120mg、0.869mmol)、およびTEA(0.202mL、1.449mmol)を加えた。この反応容器に蓋をし、70℃で週末にわたって撹拌した。この反応混合物を濃縮し、EtOAcで摩砕して粗黄色固体を得た。水(15mL)中、上記の粗固体を含有するマイクロ波反応容器に、NaOH水溶液(1N、0.869mL、0.869mmol)を加えた。この反応容器に蓋をし、Biotageイニシエーター(登録商標)マイクロ波反応器にて、吸収レベルをノーマルに設定し、150℃で40分間加熱した。冷却後、蓋を外し、溶液を分液漏斗に移し、DCMで3回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した後、 フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)、12gカラム)により精製した。得られた画分を濃縮し、Gilson(登録商標)HPLC(水中5−40%CHCN、移動相中0.1%TFA)により精製し、得られた画分を濃縮し、残渣を、MeOH(20mL)で溶出する500mg Silicycle(登録商標)(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−((トランス−4−(アゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(57mg、0.117mmol、収率40.3%)を白色固体として得た。
【0721】
LC-MS(ES) m/z = 489.4 [M+H]+(主)、245.3(副)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.30 (s, 1H), 10.14 (br. s., 1H), 7.99 (t, J=4.67 Hz, 1H), 7.13-7.28 (m, 2H), 6.97 (dd, J=2.53, 6.06 Hz, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.01-5.24 (m, 2H), 4.17 (br. s., 2H), 3.90-4.07 (m, 4H), 3.52-3.74 (m, 2H), 2.87-3.11 (m, 3H), 2.58-2.76 (m, 1H), 2.54 (br. s., 1H), 2.30-2.43 (m, 1H), 2.06-2.27 (m, 6H), 1.84-1.94 (m, 3H), 1.81 (br. s., 1H), 1.13-1.30 (m, 2H), 0.92-1.11 (m, 2H), 0.75 (t, J=6.95 Hz, 3H)。
【0722】
実施例61:(Z)−9−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン
(a)(トランス−4−(エチル((Z)−1−メトキシ−3−メチル−13−オキソ−8,13,14,15−テトラヒドロ−5Hベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロウンデシン−9−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化191】
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【0723】
室温で、DCE(524mL)中、(トランス−4−((2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェニル)(エチル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(4.95g、8.38mmol)のアルゴンで脱気した溶液に、Hoveyda−Grubbs触媒(920mg、1.468mmol)を加え、50℃で24時間撹拌した。HO(500mL)およびCHCl(10mL)を加え、層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させ、シリカに吸着させ、カラムクロマトグラフィー(Isco CombiFlash(登録商標)Rf、0−50%EtOAc:ヘキサン;12gカラム)、次いで、HPLC(Chiralpak IF、5ミクロン、30mm×250mm、80:20:0.1 n−ヘプタン:EtOH:イソプロピルアミン(無勾配)によりさらに精製し、(トランス−4−(エチル((Z)−1−メトキシ−3−メチル−13−オキソ−8,13,14,15−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロウンデシン−9−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(631mg、1.150mmol、収率13.73%)を白色固体として得た。
【0724】
LC-MS(ES) m/z = 549.4 [M+H]+ (副), 352.1 (主)。
【0725】
(b)(Z)−9−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン
【化192】
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【0726】
MeOH(1mL)中、(トランス−4−(エチル((Z)−1−メトキシ−3−メチル−13−オキソ−8,13,14,15−テトラヒドロ−5Hベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロウンデシン−9−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(107mg、0.195mmol)を含有する反応容器に、HCl(1,4−ジオキサン中4M、4mL、16.00mmol)を加えた。この混合物を48時間60℃で撹拌した後、濃縮乾固し、MeOH(20mL)に再溶解させ、シリカに吸着させ、カラムクロマトグラフィー(Isco CombiFlash(登録商標)Rf、CHCl中0−50%(80:20:2 CHCl:MeOH:NHOH);4gカラム)により精製し、(Z)−9−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン(74.7mg、0.172mmol、収率88%)を白色固体として得た。
【0727】
LC-MS(ES) m/z = 435 [M+H]+
【0728】
(c)(Z)−9−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン
【化193】
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【0729】
室温で、MeOH(1.2mL)中、(Z)−9−((トランス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン(74.7mg、0.172mmol)およびホルムアルデヒド(水中37wt%、130μL、1.746mmol)の溶液に、AcOH(20μL、0.349mmol)、次いで、Na(OAc)BH(118mg、0.557mmol)を加え、1時間撹拌した(注:かなり激しく発泡)。NaHCOをやや塩基性になるまで加え、この混合物をCHCl(100mL)で抽出し、NaSOで乾燥させた。この混合物を濃縮乾固し、MeOH(2mL)に再溶解させ、シリカに吸着させ、カラムクロマトグラフィー(Isco CombiFlash(登録商標)Rf、CHCl中0−50% 80:20:2(CHCl:MeOH:NHOH);4gカラム)により精製し、(Z)−9−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン(69.3mg、0.147mmol、収率85%)を白色固体として得た。
【0730】
LC-MS (ES) m/z = 463 [M+H]+ (副), 232.2 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.43 (br. s., 1 H) 8.20 (t, J=5.18 Hz, 1 H) 7.07 - 7.30 (m, 2 H) 6.91 (dd, J=6.82, 1.52 Hz, 1 H) 5.94 (s, 1 H) 5.31 - 5.43 (m, 1 H) 5.19 - 5.31 (m, 1 H) 4.42 - 4.47 (m, 2 H) 3.54 - 3.62 (m, 2 H) 3.34 (s, 2 H) 3.99 - 3.08 (m, 2 H) 2.60 - 2.70 (m, 1 H) 1.98 - 2.19 (m, 10 H) 1.68 - 1.89 (m, 4 H) 1.30 - 1.44 (d, J=10.61 Hz, 2 H) 0.98 - 1.22 (m, 2 H) 0.81 (t, J=6.95 Hz, 3 H)。
【0731】
実施例62:9−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン
【化194】
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【0732】
EtOH(2mL)中、(Z)−9−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,8,14,15−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン(36mg、0.078mmol)の溶液に、Pd/C(10wt%、90mg、0.085mmol)を加えた。この反応物を、フラスコを排気してアルゴンを再充填することにより数回脱気した後、室温で、水素バルーン(過剰量)下に置き、24時間撹拌した。24時間後、反応物を濾過し、濃縮乾固し、MeOH(2mL)に再溶解させ、シリカに吸着させ、カラムクロマトグラフィー(Isco CombiFlash(登録商標)Rf、CHCl中0−50% 80:20:2[CHCl:MeOH:NHOH]、4gカラム)により精製し、9−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,7,8,14,15−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[c]ピリド[4,3−i][1]アザシクロアンデシン−1,13(2H)−ジオン(20mg、0.039mmol、収率49.8%)を白色固体として得た。
【0733】
LC-MS (ES) m/z = 465 [M+H]+ (副), 233.2 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.37 (br. s., 1 H) 8.27 (t, J=4.93 Hz, 1 H) 7.08 - 7.23 (m, 2 H) 6.92 (dd, J=7.07, 1.52 Hz, 1 H) 5.83 (s, 1 H) 4.43 (br. s., 2 H) 2.93-3.09 (m, 2H) 2.83 (br. s., 2 H) 2.54 - 2.68 (m, 2H) 2.22-2.45 (m, 1H) 2.07 - 2.12 (m, 10 H) 1.68 - 1.88 (m, 4 H) 1.58 (br. s., 2 H) 1.27 - 1.51 (m, 4H) 0.99 - 1.18 (m, 2 H) 0.76 (t, J=6.95 Hz, 3 H)。
【0734】
実施例63:(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロジピリド[3,4−c:3’,4’−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
a)N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−2−クロロイソニコチンアミド
【化195】
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【0735】
DMF(20mL)中、2−クロロイソニコチン酸(0.62g、3.94mmol)、(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(0.834mL、4.13mmol)、HOAt(0.643g、4.72mmol)、およびEDC(0.905g、4.72mmol)の混合物に、N−メチルモルホリン(1.731mL、15.74mmol)を加えたところ、総ての固体がゆっくり溶けた。この反応物を室温で一晩撹拌した。この反応物を撹拌しながら水(100mL)に希釈した後、EtO中20%EtOAcで分液した(50mL、2回)。有機液を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して残渣を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(Isco(登録商標)、Rf、40グラム Goldシリカ、ヘプタン中5−60%EtOAc)により精製し、N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−2−クロロイソニコチンアミド(1.24g、3.51mmol、収率89%)を残渣として得、これを静置すると固化した。
【0736】
LC-MS(ES) m/z = 346.1 [M+H]+
【0737】
b)3−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−2−クロロイソニコチンアミド
【化196】
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【0738】
N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−2−クロロイソニコチンアミド(1.24g、3.59mmol)にTHF(40mL)を加えた。この混合物をドライアイス/アセトンバス中、約−78℃に冷却し、n−BuLi(3.16mL、7.89mmol)を5分かけて滴下した。この反応物を30分間撹拌した後、臭化銅(I)(0.514g、3.59mmol)を加え、この反応物を15分間撹拌した後、臭化アリル(0.341mL、3.94mmol)を加えた。この反応物を−78℃で1時間保持した後、室温まで温めた。この反応物を一晩撹拌した後、氷/(飽和)NHCl/1M HCl(pH3〜4)に注ぎ、15分間撹拌した後、EtOAcを加え、10分間撹拌した。この混合物を分液し、EtOAcで逆抽出した後、合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して残渣を得た。これをDCMに溶かし、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Isco(登録商標)Rf、40グラムカラム、ヘプタン中5−60%EtOAc)により精製した。80グラムカラムを使用したこと以外は上記のように再び精製を繰り返し、3−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−2−クロロイソニコチンアミド(820mg、1.806mmol、収率50.4%)を白色固体として得た。
【0739】
LC-MS(ES) m/z = 386.1 [M+H]+
【0740】
c)(E)および(Z)−10−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロジピリド[3,4−c:3’,4’−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化197】
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【0741】
DCM(200mL)中、3−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−2−クロロイソニコチンアミド(820mg、2.125mmol)の溶液をアルゴン流で20分間脱気した後、Grubbs II(180mg、0.212mmol)を加えた。これに蓋をし、一晩撹拌した。シリカゲルを加え、この混合物を真空濃縮して自由流動性固体を得、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Isco(登録商標)、Rf−12グラムカラム、ヘプタン中8−65%EtOAc)により精製して固体を得、これをHPLC(Gilson(登録商標)、Sunfire 30×75mmカラム、水、0.1%TFA中20−65%CHCN)によりさらに精製して残渣を得た。残渣をDCMおよびMeOHに溶かし、濃縮し、NHOHを加えた後、すぐにシリカカラム(DCM中50%(90%DCM 10%MeOH、1%NHOH))に通し、(E)−10−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロジピリド[3,4−c:3’,4’−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(284mg、0.794mmol、37.3%)を固体として得た。
【0742】
LC-MS(ES) m/z = 358.1 [M+H]+
【0743】
また、(Z)−10−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロジピリド[3,4−c:3’,4’−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(139mg、0.388mmol、収率18.28%)も固体として単離された。
【0744】
LC-MS(ES) m/z = 358.1 [M+H]+
【0745】
d)1−メトキシ−3−メチル−10−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−5,6,15,16−テトラヒドロジピリド[3,4−c:3’,4’−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化198】
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【0746】
反応容器中、およそ70mgの(E)−10−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロジピリド[3,4−c:3’,4’−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン、および40mgの(Z)−10−クロロ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロジピリド[3,4−c:3’,4’−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オンを合わせた(総量:110mg、0.307mmol)。テトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(622mg、6.15mmol)を加えた後、この容器に蓋をし、密閉した後、130℃のヒートブロック中に置き、96時間ゆっくり撹拌した。次に、これを約35℃に冷却した後、DCMで希釈し、MeOHを加え、この混合物をシリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Isco(登録商標)Rf−4グラムカラム、DCM中5−65%(90:10:1 DCM:MeOH:NHOH))により精製して残渣を得た。この残渣をDCE(5.0mL)に溶かし、この溶液を撹拌した。次に、アセトアルデヒド(推定、0.134mL、2.367mmol)を加え、10分間撹拌した後、Na(OAc)BH(251mg、1.183mmol)、次いで、AcOH(0.041mL、0.710mmol)を加え、室温で24時間激しく撹拌した。その後、さらなる試薬を加え、蓋をし、48時間撹拌した。この反応物をDCMで希釈した後、撹拌しながら30分間、水および飽和NaHCO水溶液でクエンチした。次に、分離し、DCMで逆抽出し(2回)、有機液を合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して残渣を得、これを、(Isco(登録商標)Rf、4グラムカラム、DCM中5−60%(90:10:1 DCM:MeOH:NHOH))を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して残渣を得た。これをDMSOに溶かし、逆相HPLC(Gilson(登録商標)、Sunfire 30×75mm、水、0.1%TFA中10−60%CHCN)を用いて精製して残渣を得、フラッシュカラム(Isco(登録商標)Rf−4グラムカラム、DCM中5−60%(90:10:1 DCM:MeOH:NHOH))により精製して残渣を得た。この残渣にMeOH(0.30mL)、次いで、HCl(1,4−ジオキサン中4M、0.738mL、2.95mmol)を加えた。この混合物を室温で15分間撹拌し、密閉し、60℃のヒートブロック中に置き、3時間撹拌した。温度を40℃まで降下させ、週末にわたって撹拌した。HCl(1,4−ジオキサン中4M、0.2mL)を加え、この容器に蓋をし、ヒートブロック中に4時間置いた。加熱を弱め温度を50℃まで降下させ、一晩撹拌した。次に、室温まで冷却し、その後、窒素流で3時間ブローダウン(blown down)した。残渣をDMSOおよびTFAに取り、逆相HPLC(Gilson(登録商標)、Sunfire 30×75mm、水、0.1%TFA中8−50%CHCN)を用いて精製して残渣を得、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Isco(登録商標)Rf−4グラムカラム、10−100%(90:10:1 DCM:MeOH:NHOH)により精製し、(E)−10−(エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロジピリド[3,4−c:3’,4’−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(4mg、8.98μmol)を白色固体として得た。
【0747】
LC-MS(ES) m/z = 437.2 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.35 (s, 1H), 8.26 (t, J=5.1 Hz, 1H), 8.22 (d, J=4.8 Hz, 1H), 6.89 (d, J=5.1 Hz, 1H), 5.87 (s, 1H), 5.13-5.25 (m, 2H), 4.21 (br. s., 2H), 3.82 (d, J=11.4 Hz, 2H), 3.43 (br. s., 2H), 3.08-3.26 (m, 5H), 2.45-2.60 (m, 2H), 2.23 (br. s., 2H), 2.12 (s, 3H), 1.46-1.63 (m, 4H), 0.79 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0748】
実施例64:(E)−10−((2−ヒドロキシエチル)(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)2−アリル−3−ニトロ安息香酸
【化199】
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【0749】
THF(30mL)中、2−アリル−3−ニトロ安息香酸メチル(2.46g、11.12mmol)の溶液に、水(9mL)中、LiOH(1.598g、66.7mmol)の溶液を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。HCl水溶液(1M、66.7mL、66.7mmol)、次いで、EtOAc(50mL)をこの反応混合物に加え、その後、これを分離し、次いで、水層をさらなるEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、2−アリル−3−ニトロ安息香酸(2.3g、11.10mmol、収率100%)を橙色の固体として得た。
【0750】
LC-MS(ES) m/z = 208.0 [M+H]+
【0751】
(b)2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−ニトロベンズアミド
【化200】
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【0752】
DMSO(40mL)中、2−アリル−3−ニトロ安息香酸(2.3g、11.10mmol)、(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(2.75g、13.32mmol)、HOAt(2.267g、16.65mmol)、EDC(3.19g、16.65mmol)、N−メチルモルホリン(3.66mL、33.3mmol)の混合物を、室温で週末にわたって撹拌した。この反応混合物を水(250mL)に注ぎ、1時間撹拌した。沈澱を濾取し、水で洗浄した後、ポンプで2時間乾燥させ、次いで、真空炉で一晩乾燥させ、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−ニトロベンズアミド(4.4g、11.13mmol、収率100%)を淡褐色固体として得た。
【0753】
LC-MS(ES) m/z = 396.2 [M+H]+
【0754】
(c)(E)−1−メトキシ−3−メチル−10−ニトロ−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化201】
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【0755】
1LのRBフラスコにて、DCM(500mL)中、2−アリル−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−ニトロベンズアミド(3.65g、9.23mmol)およびGrubbs II(1.567g、1.846mmol)の溶液を窒素で10分間スパージした後、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(30mL)で摩砕した。濾液を濃縮した後、EtOAc(10mL)で摩砕した。これらの固体を合わせ、(E)異性体と(Z)異性体の混合物(2.47g)を白色固体として得た。300mg部の混合物を100mLの還流EtOAcに溶かし、熱いうちに濾過し(微量の固体だけが残った)、次いで、冷却したところ、週末にわたって固体が生じた。およそ180mgの白色固体を濾取した。別の2g部の混合物を300mLの還流EtOAcに溶かし、熱いうちに濾過し(231mgの白色固体が得られた)、その後、冷却した。溶液は急速に濁り、混合物として生じた白色沈澱を室温まで冷却し、週末にわたって静置した。およそ860mgの白色固体が濾取された。この反応物からの濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0−80%EtOAc、40gカラム)により精製し、生成物画分を濾液、上記結晶化からの洗液とともにプールし、濃縮した。この材料を還流EtOAc(250mL)から再結晶させ、100mgの白色固体を得た。これらの固体を合わせ、(E)−1−メトキシ−3−メチル−10−ニトロ−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(1.37g)を白色固体として得た。
【0756】
LC-MS(ES) m/z = 368.2 [M+H]+
【0757】
(d)(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化202】
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【0758】
EtOH(50mL)中、(E)−1−メトキシ−3−メチル−10−ニトロ−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(1.37g、3.73mmol)の懸濁液に亜鉛末(<10ミクロン、3.66g、55.9mmol)を加えた後、AcOH(3.20mL、55.9mmol)をゆっくり添加した。この反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を飽和NaHCO溶液(100mL)で処理し、一晩静置した。9:1 DCM: MeOH(500mL)を加え、得られた混合物を十分に混合した後、濾過し、残渣をさらなる9:1 DCM:MeOH(200mL)とともに音波処理し、濾過した。合わせた濾液を分離し、有機層をブラインで洗浄し(200mL)、次いで、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(1.23g、3.65mmol、収率98%)を白色固体として得た。
【0759】
LC-MS(ES) m/z = 338.2 [M+H]+。
【0760】
(e)(E)−10−((2−ヒドロキシエチル)(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化203】
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【0761】
DCM(10mL)中、(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(160mg、0.474mmol)を含有するフラスコに、ジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オン(142mg、1.423mmol)およびAcOH(0.054mL、0.948mmol)、次いで、Na(OAc)BH(302mg、1.423mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をDCMで希釈した後、飽和NaHCO水溶液で中和した。層を分離し、水層をDCMでもう一度抽出した。合わせた有機液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して白色固体を得た。CHCN(10mL)中のこの固体に2−ヨードエタノール(0.055mL、0.711mmol)およびDIPEA(0.124mL、0.711mmol)を加えた。この反応混合物を70℃で4時間撹拌した。さらなる2−ヨードエタノール(0.165mL)を加え、この反応物を週末にわたって70℃で撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をマイクロ波管中のCHCN(4mL)に再溶解させた後、2−ヨードエタノール(0.333mL、4.27mmol)およびDIPEA(0.248mL、1.423mmol)を加えた。この反応混合物をマイクロ波照射下、150℃で1.5時間加熱した。この反応混合物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)、4gカラム)により精製した。得られた画分を濃縮し、Gilson(登録商標)HPLC(水中5−40%CHCN、移動相中0.1%TFA)により精製し、得られた画分を濃縮し、残渣を、MeOH(20mL)で溶出する500mg Silicycle(登録商標)(カーボネート)カートリッジに通し、(E)−10−((2−ヒドロキシエチル)(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(65mg、0.144mmol、収率30.4%)を白色固体として得た。
【0762】
LC-MS(ES) m/z = 452.3 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.30 (s., 1H), 7.98 (t, J=5.05 Hz, 1H), 7.27 (dd, J=1.26, 8.08 Hz, 1H), 7.20 (t, J=7.71 Hz, 1H), 6.97 (dd, J=1.01, 7.33 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.07-5.22 (m, 2H), 4.18 (br. s., 2H), 3.78-3.85 (m, 2H), 3.53 (br. s., 2H), 3.18-3.22 (m, 4H), 3.00-3.03-3.08 (m, 2H), 2.88-2.98 (m, 1H), 2.45-2.60 (m, 2H), 2.22 (br. s., 2H), 2.12 (s, 3H), 1.60 (br. s., 2H), 1.31-1.48 (m, 2H)。1Hはは観測されず。
【0763】
実施例65:(E)−10−((1−(ジメチルアミノ)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)(E)−10−((1−(ジメチルアミノ)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化204】
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【0764】
DCE(3mL)中、(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(87mg、0.258mmol)および1−(ジメチルアミノ)ピペリジン−4−オン(73.3mg、0.516mmol)の撹拌懸濁液に、AcOH(0.015mL、0.258mmol)を加えた。この懸濁液を室温で2時間撹拌した後、Na(OAc)BH(109mg、0.516mmol)を一度に加え、反応物を一晩室温で撹拌した。この反応物をDCM(100mL)で希釈し、飽和NaCO水溶液(20mL)およびブライン(20mL)で順次洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して白色固体を得た。この固体を室温でDCE(10mL)に溶かし、アセトアルデヒド(0.044mL、0.774mmol)、次いで、AcOH(0.074mL、1.290mmol)を加えた。この反応物を5分間撹拌した後、Na(OAc)BH(164mg、0.774mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物 を飽和NaHCO水溶液(30mL)に注ぎ、DCM(3×500mL)で抽出した。プールした有機液をブラインで洗浄し(30mL)、次いで、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中0−10%MeOH、12gカラム)により精製し、(E)−10−((1−(ジメチルアミノ)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(100mg、0.203mmol、収率79%)を灰白色固体として得た。
【0765】
LC-MS(ES) m/z = 492.4 [M+H]+ (副), 366.2 (主)。
【0766】
(b)(E)−10−((1−(ジメチルアミノ)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化205】
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【0767】
HCl(4M、1,4−ジオキサン、3mL、12.00mmol)およびMeOH(1mL)中、(E)−10−((1−(ジメチルアミノ)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(100mg、0.203mmol)の懸濁液を室温で一晩、次いで、70℃で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮した後、DCM、MeOHおよびNHOHに溶かし、シリカに吸着させ、その後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中0−20%MeOH、12gカラム)により精製し、(E)−10−((1−(ジメチルアミノ)ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(86mg、0.180mmol、収率89%)を白色固体として得た。
【0768】
LC-MS(ES) m/z = 478.4 [M+H]+ (副), 239.8 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ:11.29 (s, 1H), 8.00 (t, J=4.9 Hz, 1H), 7.11-7.27 (m, 2H), 6.87-7.05 (m, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.00-5.24 (m, 2H), 3.92-4.35 (m, 2H), 3.54 (br. s., 2H), 3.32 (s, 3H), 2.91-3.02 (m, 2H), 2.73-2.83 (m, 2H), 2.61-2.71 (m, 1H), 2.15-2.27 (m, 9H), 2.11 (s, 3H), 1.66 (br. s., 2H), 1.31-1.50 (m, 2H), 0.75 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0769】
実施例66:(E)−10−(エチル(2−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)7−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボン酸(E)−tert−ブチル
【化206】
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【0770】
DCE(10mL)中、(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(200mg、0.593mmol)および7−オキソ−2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボン酸tert−ブチル(284mg、1.185mmol)の撹拌懸濁液に、AcOH(0.05mL、0.873mmol)を加えた。この懸濁液を室温で1時間撹拌した後、Na(OAc)BH(251mg、1.185mmol)を一度に加え、この反応物を一晩室温で撹拌した。LCMS分析は完全な変換を示したので、AcOH(0.170mL、2.96mmol)、アセトアルデヒド(0.167mL、2.96mmol)、Na(OAc)BH(377mg、1.778mmol)を加え、この反応混合物を一晩室温で撹拌した。反応混合物をNaHCO水溶液(50mL)に注いだ後、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機液をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0−50%EtOAc、24gカラム)により精製し、7−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボン酸(E)−tert−ブチル(308mg)を白色固体として得た。
【0771】
LC-MS(ES) m/z = 589.5 [M+H]+(主)、267.3(副)。 H NMRは、7−オキソ−2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボン酸tert−ブチルが生成物中におよそ3:2モル比で存在したことを示し、79質量%の純度であることが示唆された。
【0772】
(b)(E)−10−(エチル(2−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化207】
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【0773】
HCl(4M、1,4−ジオキサン、3mL、12.00mmol)およびMeOH(1mL)中、7−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボン酸(E)−tert−ブチル(308mg)の懸濁液を70℃で一晩撹拌した。LCMS分析は、完全な変換を示した。この反応混合物を濃縮した後、DMSOに再溶解させ、逆相HPLC(水中8−28%CHCN;0.1%TFA)により精製した。生成物画分をプールし、塩基性化し、最少量の水溶液となるまで濃縮した後、EtOAc(3×100mL)、次いで、9:1 DCM:MeOH(3×100mL)で抽出した。合わせた有機液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、(E)−10−(エチル(2−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(35mg、0.074mmol)を灰白色固体として得た。
【0774】
LC-MS(ES) m/z = 475.3 [M+H]+ (副), 238.4 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.29 (br. s., 1H), 7.89-8.05 (m, 1H), 7.09-7.31 (m, 2H), 6.86-7.01 (m, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.04-5.24 (m, 2H), 4.15 (br. s., 2H), 3.41-3.70 (m, 4H), 3.29 (s, 1H), 2.85-3.21 (m, 5H), 2.62-2.70 (m, 1H), 2.53-2.57 (m, 1H), 2.30-2.43 (m, 2H), 2.22 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.77-1.89 (m, 1H), 1.40-1.67 (m, 4H), 0.65-0.82 (m, 3H)。1Hは観測されず。
【0775】
実施例67:(E)−10−(エチル(2−メチル−2−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化208】
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【0776】
MeOH(2mL)中、(E)−10−(エチル(2−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(30mg、0.063mmol)およびホルムアルデヒド(水中37wt%、0.1mL、1.343mmol)の撹拌溶液に、AcOH(5.43μL、0.095mmol)、次いで、Na(OAc)BH(46.9mg、0.221mmol)を一度に加え、この反応物を一晩室温で撹拌した。反応物を飽和NaHCO水溶液で塩基性となるまでクエンチし(発泡注意)、その後、得られた混合物をCHCl(3×30mL)で抽出した。合わせた有機液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、灰白色固体を得た。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(400mg SiO、100%DCM、次いで、DCM中10%MeOH、次いで、80:20:2 DCM:MeOH:NHOH)により精製し、(E)−10−(エチル(2−メチル−2−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(8mg、0.016mmol、収率25.9%)を白色固体として得た。
【0777】
LC-MS(ES) m/z = 489.4 [M+H]+(副)、245.5(主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.25-11.36 (m, 1H), 7.93-8.00 (m, 1H), 7.17-7.24 (m, 2H), 6.90-6.99 (m, 1H), 5.77-5.87 (m, 1H), 5.03-5.24 (m, 2H), 4.00-4.32 (m, 2H), 3.61-3.93 (m, 4H), 3.44-3.57 (m, 2H), 2.86-3.03 (m, 2H), 2.77 (s, 3H), 2.62-2.71 (m, 1H), 2.45-2.60 (m, 2H), 2.15-2.26 (m, 2H), 2.11 (s, 3H), 1.88-2.01 (m, 2H), 1.54-1.70 (m, 2H), 1.30-1.42 (m, 2H), 1.07-1.29 (m, 2H), 0.75 (s, 3H)。
【0778】
実施例68:(E)−10−(エチル(7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)2−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボン酸(E)−tert−ブチル
【化209】
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【0779】
DCE(10mL)中、2−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボン酸(E)−tert−ブチル(170mg、0.289mmol、収率64.9%)を含有するフラスコに、2−オキソ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボン酸tert−ブチル(213mg、0.889mmol)およびAcOH(0.051mL、0.889mmol)、次いで、Na(OAc)BH(283mg、1.334mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。さらなる2−オキソ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボン酸tert−ブチル(213mg、0.889mmol)およびNa(OAc)BH(142mg、0.445mmol)を加え、この反応物をさらに5時間撹拌した。上記反応混合物にアセトアルデヒド(0.089mL、4.45mmol)およびAcOH(0.051mL、0.889mmol)、次いで、Na(OAc)BH(283mg、1.334mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈した後、飽和NaHCO水溶液で中和し、水層をDCMでもう一度抽出した。合わせた有機液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0−50%EtOAc、10gカラム)により精製し、2−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボン酸(E)−tert−ブチル(170mg、0.289mmol、収率64.9%)を白色固体として得た。
【0780】
LC-MS(ES) m/z = 589.5 [M+H]+ (副), 533.5 (主)。
【0781】
(b)(E)−10−(エチル(7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
【0782】
2−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボン酸(E)−tert−ブチル(165mg、0.280mmol)を1,4−ジオキサン(6mL)およびMeOH(3mL)に溶かした。HCl(4M、1,4−ジオキサン、2mL、8.00mmol)を加え、この反応物を70℃で一晩撹拌した。LCMS分析は完全な変換を示し、この反応物を濃縮した。残渣をMeOH中20%NHOHで中和し、この混合物をセライト(登録商標)に吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)、4gカラム)により精製し、(E)−10−(エチル(7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(115mg、0.242mmol、収率86%)を白色固体として得た。
【0783】
LC-MS(ES) m/z = 475.7 [M+H]+ (副), 238.3 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.01 (br. s., 1H), 7.13-7.21 (m, 1H), 7.05 (d, J=7.07 Hz, 1H), 6.94 (dd, J=1.01, 7.33 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.05-5.22 (m, 2H), 3.91-4.41 (m, 2H), 2.94-3.79 (m, 5H), 2.74-2.88 (m, 2H), 2.65 (br. s., 2H), 2.56 (br. s., 2H), 2.02-2.31 (m, 6H), 1.73-1.99 (m, 2H), 1.23-1.58 (m, 6H), 0.73 (t, J=6.9 Hz, 3H)。1Hは観測されず。
【0784】
実施例69:(E)−10−(エチル(7−メチル−7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
【0785】
MeOH(4mL)中、(E)−10−(エチル(7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(95mg、0.200mmol)に、Na(OAc)BH(170mg、0.801mmol)、ホルムアルデヒド(水中37wt%、0.149mL、2.002mmol)およびAcOH(0.034mL、0.600mmol)を加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物をセライト(登録商標)に吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl中0−80%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)、4gカラム)により精製し、(E)−10−(エチル(7−メチル−7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(70mg、0.143mmol、収率71.6%)を白色固体として得た。
【0786】
LC-MS(ES) m/z = 489.4 [M+H]+ (副), 245.3 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.29 (br. s., 1H), 7.88-8.19 (m, 1H), 7.12-7.21 (m, 1H), 7.05 (dd, J=1.14, 7.96 Hz, 1H), 6.94 (dd, J=1.14, 7.45 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.08-5.20 (m, 2H), 3.96-4.41 (m, 2H), 3.69 (quin, J=7.33 Hz, 1H), 3.46-3.64 (m, 2H), 2.81 (q, J=7.07 Hz, 2H), 2.52-2.67 (m, 2H), 1.99-2.31 (m, 12H), 1.73-1.95 (m, 2H), 1.28-1.59 (m, 6H), 0.73 (t, J=7.1 Hz, 3H)。
【0787】
実施例70:(E)−10−((6−アミノスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)(6−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)スピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)カルバミン酸(E)−tert−ブチル
【化212】
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【0788】
DCE(12mL)中、(6−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)スピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)カルバミン酸(E)−tert−ブチル(200mg、0.348mmol、収率49.5%)を含有するフラスコに、(6−オキソスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(500mg、2.107mmol)およびAcOH(0.080mL、1.405mmol)、次いで、Na(OAc)BH(447mg、2.107mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。上記の反応混合物に、アセトアルデヒド(0.140mL、7.02mmol)、AcOH(0.080mL、1.405mmol)、次いで、Na(OAc)BH(447mg、2.107mmol)を加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をDCMで希釈した後、飽和NaHCO水溶液で中和した。水層をDCMでもう一度抽出した。合わせた有機液をブラインで洗浄し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0−40%EtOAc、10gカラム)により精製して白色固体を得た。この固体をGilson(登録商標)HPLC(水中25−55%CHCN、移動相中0.1%TFA)によりさらに精製し、(6−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)スピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)カルバミン酸(E)−tert−ブチル(200mg、0.348mmol、収率49.5%)を白色固体として得た。
【0789】
LC-MS(ES) m/z = 575.5 [M+H]+ (副), 366.2 (主)。
【0790】
(b)(E)−10−((6−アミノスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化213】
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【0791】
(6−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)スピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)カルバミン酸(E)−tert−ブチル(200mg、0.348mmol)の混合物を1,4−ジオキサン(4mL)およびMeOH(2mL)に溶かした。HCl(4M、1,4−ジオキサン、1.5mL、6.00mmol)を加え、この反応物を70℃で一晩撹拌した。この反応物を濃縮した後、MeOH中20%NHOHで処理し、この混合物をセライト(登録商標)に吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)、4gカラム)により精製し、(E)−10−((6−アミノスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(160mg、0.347mmol、収率100%)を白色固体として得た。
【0792】
LC-MS(ES) m/z = 575.5 [M+H]+ (副), 366.2 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.38 (br. s., 1H), 8.01 (br. s., 1H), 7.13-7.20 (m, 1H), 7.01-7.07 (m, 1H), 6.93 (dd, J=1.01, 7.33 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.06-5.21 (m, 2H), 4.00-4.32 (m, 2H), 3.42-3.64 (m, 3H), 3.19-3.41 (m, 3H), 3.04-3.19 (m, 1H), 2.78 (q, J=7.07 Hz, 2H), 2.51 (br. s., 2H), 2.16-2.29 (m, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.97-2.08 (m, 2H), 1.79-1.95 (m, 1H), 1.46-1.70 (m, 4H), 0.72 (t, J=7.07 Hz, 3H)。
【0793】
実施例71:(E)−10−((6−(ジメチルアミノ)スピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化214】
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【0794】
MeOH(4mL)中、(E)−10−((6−アミノスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(145mg、0.315mmol)に、Na(OAc)BH(267mg、1.259mmol)、ホルムアルデヒド(水中37wt%、0.234mL、3.15mmol)およびAcOH(0.054mL、0.944mmol)を加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物をセライト(登録商標)で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl中0−100%(1%NHOH+9%MeOH+90%CHCl)、4gカラム)により精製し、(E)−10−((6−(ジメチルアミノ)スピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(129mg、0.264mmol、収率84%)を白色固体として得た。
【0795】
LC-MS(ES) m/z = 489.4 [M+H]+ (副), 245.3 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.29 (s, 1H), 8.02 (t, J=4.80 Hz, 1H), 7.16 (t, J=7.71 Hz, 1H), 7.04 (dd, J=1.26, 8.08 Hz, 1H), 6.93 (dd, J=1.01, 7.33 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.06-5.20 (m, 2H), 4.02-4.30 (m, 2H), 3.44-3.67 (m, 3H), 2.79 (q, J=6.91 Hz, 2H), 2.51-2.61 (m, 2H), 2.42 (quin, J=7.58 Hz, 1H), 2.22 (br. s., 2H), 2.03-2.15 (m, 5H), 1.82-1.98 (m, 8H), 1.53-1.77 (m, 4H), 0.72 (t, J=7.07 Hz, 3H)。
【0796】
実施例72:(E)−10−(エチル(2−メチル−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)6−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボン酸(E)−tert−ブチル
【化215】
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【0797】
DCE(6mL)中、(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(200mg、0.593mmol)および6−オキソ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチル(250mg、1.185mmol)の撹拌懸濁液に、AcOH(0.034mL、0.593mmol)を加えた。この懸濁液を室温で1時間撹拌した後、Na(OAc)BH(251mg、1.185mmol)を一度に加え、この反応物を一晩室温で撹拌した。AcOH(0.170mL、2.96mmol)、アセトアルデヒド(0.167mL、2.96mmol)、Na(OAc)BH(377mg、1.778mmol)を加え、この反応混合物を一晩室温で撹拌した。反応混合物をNaHCO水溶液(50mL)に注いだ後、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機液をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0−50%EtOAc、24gカラム)により精製し、6−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボン酸(E)−tert−ブチル(210mg、0.375mmol、収率63.2%)を白色固体として得た。
【0798】
LC-MS(ES) m/z = 561.5 [M+H]+ (副), 505.4 (主)。
【0799】
(b)(E)−10−(エチル(2−メチル−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化216】
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【0800】
HCl(4M、1,4−ジオキサン、3mL、12.00mmol)およびMeOH(1mL)中、6−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボン酸(E)−tert−ブチル(210mg、0.375mmol)の懸濁液を70℃で一晩撹拌した。この混合物を濃縮し、DMSOに溶かし、逆相HPLC(水中8−28%CHCN;0.1%TFA)より精製した。生成物画分をプールし、塩基性化し、濃縮して最少量の水溶液とした後、EtOAc(3×100mL)および9:1 DCM:MeOH(3×100mL)で抽出した。生成物は水層に留まった。水層を濃縮して固体残渣を得、MeOH(100mL)で摩砕した。この混合物を濾過した後、濾液を濃縮しておそらく無機塩を含有する白色固体を得た。この残渣およびMeOH(3mL)中ホルムアルデヒド(水中37wt%、0.467mL、6.27mmol)に、AcOH(0.054mL、0.940mmol)、次いで、Na(OAc)BH(465mg、2.194mmol)を一度に加え、この反応物を一晩室温で撹拌した。この反応物を飽和NaHCO水溶液で塩基性となるまでクエンチし(発泡注意)、次いで、得られた混合物をCHCl(3×30mL)で抽出した。合わせた有機液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、灰白色固体を得た。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(200mg SiO、DCM中10%MeOH、次いで、80:20:2 DCM:MeOH:NHOH)により精製し、(E)−10−(エチル(2−メチル−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(7mg、0.015mmol)を白色固体として得た。
【0801】
LC-MS(ES) m/z = 461.4 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.29 (br. s., 1H), 8.02 (br. s., 1H), 7.13-7.25 (m, 1H), 7.04 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.96 (d, J=7.3 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.03-5.22 (m, 2H), 4.18 (br. s., 2H), 3.44-3.71 (m, 7H), 2.80 (q, J=7.1 Hz, 2H), 2.45-2.60 (m, 2H) 2.22 (br. s., 4H), 2.12 (s, 4H), 1.79 (br. s., 1H), 0.72 (t, J=7.1 Hz, 3H)。3Hは観測されず。
【0802】
実施例73:(E)−10−(エチル(トランス−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンギ酸塩
a)((E)−tert−ブチル(4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)(メチル)カルバメート
【化217】
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【0803】
(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(0.150g、0.445mmol)およびメチル(4−オキソシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(0.121g、0.533mmol)をDCE(8mL)に溶かし、次いで、AcOH(0.076mL、1.334mmol)およびNa(OAc)BH(0.283g、1.334mmol)を加え、この混合物を室温で一晩激しく撹拌した。塩化亜鉛(0.061g、0.445mmol)を加え、この混合物を1時間撹拌した後、メチル(4−オキソシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(0.14g)、Na(OAc)BH(0.4g)および数滴のAcOHを加えた。この反応物を30℃のヒートブロック中に置き、2時間撹拌した。次に、アセトアルデヒド(0.126mL、2.223mmol)を加え、この反応物に蓋をし、一晩室温で撹拌した。この反応物をDCM(30mL)で希釈した後、水および飽和NaHCO水溶液を加えてpH約8とした。この二相系を30分間よく撹拌した後、分配し、分離し、DCMで逆抽出した。合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して残渣を得、これを少量のDCMに溶かし、シリカゲルに吸着させた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Isco(登録商標)Rf、12グラム、ヘプタン中5−50%EtOAc)を用いて精製し、(4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)(メチル)カルバミン酸(E)−tert−ブチルのシスおよびトランスシクロヘキサン異性体の混合物(180mg、0.306mmol、収率68.8%)をガラス質固体として得た。
【0804】
LC-MS(ES) 577.4 [M+H]+ (副), 366.2 (主)。
【0805】
b)(E)−10−(エチル((トランス)−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンギ酸塩
【化218】
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【0806】
(4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)(メチル)カルバミン酸(E)−tert−ブチル(152mg、0.264mmol)に、MeOH(1.0mL)、次いで、HCl(1,4−ジオキサン中4M、3.95mL、15.81mmol)を加えて溶液とした。この反応バイアルを密閉し、60℃のヒートブロック中に置き、一晩(20時間)撹拌した。揮発性物質を真空下で除去して残渣を得、次に、これをMeOHに溶かし、Biotage(登録商標)樹脂(セライト(登録商標))に吸着させ、逆相(Isco(登録商標)Rf、50グラム GOLD C18 aqカラム、0.1%ギ酸を含む水中5−45%MeOH)を用いて精製し、(E)−10−(エチル(トランス−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンギ酸塩(23mg、0.044mmol、収率16.81%)を白色固体として得た。
【0807】
LC-MS(ES) m/z = 463.6 [M+H]+ (副), 232.2 (副)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.29 (br. s., 1H), 8.37 (br. s., 1H), 7.99 (br. s., 1H), 7.10-7.27 (m, 2H), 6.94 (dd, J=5.3, 3.0 Hz, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.04-5.22 (m, 2H), 4.16 (br. s., 2H), 3.52 (br. s., 2H), 2.89-3.05 (m, 2H), 2.54-2.70 (m, 4H), 2.36 (s, 3H), 2.21 (br. s., 2H), 2.05-2.15 (m, 3H), 1.94 (d, J=9.9 Hz, 2H), 1.75 (br. s., 2H), 1.26 (q, J=11.9 Hz, 2H), 1.04-1.16 (m, 2H), 0.75 (t, J=6.9 Hz, 3H)。2Hは観測されず。
【0808】
実施例74:(E)−10−(エチル(シス−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンギ酸塩
【化219】
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【0809】
また、実施例73(b)の精製から、(E)−10−(エチル(シス−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンギ酸塩(45mg、0.087mmol、収率32.9%)もまた白色固体として単離された。
【0810】
LC-MS(ES) m/z = 463.3 [M+H]+ (副), 232.2 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.30 (br.s., 1H), 8.36 (br. s., 1H), 7.97 (br. s., 1H), 7.13-7.25 (m, 2H), 6.87-7.02 (m, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.09-5.25 (m, 2H), 4.17 (br. s., 2H), 3.57 (br. s., 2H), 3.13 (br. s., 1H), 2.93 (br. s., 2H), 2.77 (br. s., 1H), 2.54-2.63 (m, 2H), 2.39 (s, 3H), 2.22 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.25-1.85 (m, 8H), 0.76 (t, J=6.9 Hz, 3H)。2Hは観測されず。
【0811】
実施例75:(E)−10−(エチル(シス−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
a)(E)−10−(エチル(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化220】
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【0812】
(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(0.177g、0.525mmol)および4−ヒドロキシシクロヘキサノン(0.120g、1.049mmol)にDCE(7mL)を加え、この懸濁液を10分間撹拌した。AcOH(0.120mL、2.098mmol)およびNa(OAc)BH(0.445g、2.098mmol)を加え、この反応物を室温で一晩激しく撹拌した。アセトアルデヒド(0.148mL、2.62mmol)を加え、この反応物を1時間撹拌した。この反応物を撹拌しながらDCM(25mL)で希釈した後、水および飽和NaHCO水溶液を加え、この二相系を30分間撹拌した。次に、これを分離し、DCMで逆抽出した。合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して残渣を得、これをシリカゲルに吸着させ、(Isco(登録商標)Rf−12グラムカラム、ヘプタン中10−60%(3:1 EtOAc:EtOH))を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、(E)−10−(エチル(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オンのシスおよびトランスシクロヘキシル異性体の混合物(185mg、0.391mmol、収率74.5%)を固体として得た。
【0813】
LC-MS(ES) 464.2 [M+H]+ (副), 183.5 (主)。
【0814】
b)(E)−10−(エチル(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化221】
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【0815】
(E)−10−(エチル(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(152mg、0.328mmol)に、MeOH(0.50mL)、次いで、HCl(1,4−ジオキサン中4M、4.92mL、19.67mmol)を加えた。これらの固体を溶解させ、反応物を室温で5分間撹拌した後、反応容器を密閉し、70℃のヒートブロック中に置き、一晩(20時間)撹拌した。揮発性物質を除去し、残渣を水で希釈し、濃NHOHでpH10に塩基性化し、よく撹拌した後、DCM中10%MeOHで分液した(3回)。有機液を合わせ、真空濃縮して固体を得、これをDCMに溶かし、シリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Isco(登録商標)−Rf−12グラムGOLDカラム、DCM中6−80% 90:10:1のDCM:MeOH:NHOH)により精製し、(E)−10−(エチル(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオンのシス−およびトランス−異性体の混合物(130mg、0.283mmol、収率86%)を白色固体として得た。
【0816】
LC-MS(ES) m/z = 450.2 [M+H]+
【0817】
c)(E)−10−(エチル(4−オキソシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化222】
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【0818】
DCM(4mL)中、シス−およびトランス−(E)−10−(エチル(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(125mg、0.278mmol)の混合物を10分間撹拌した後、デス・マーチン・ペルヨージナン(142mg、0.334mmol)を加え、この反応混合物を1時間撹拌した。次に、シリカゲルを加え、この混合物を濃縮乾固した後、(Isco(登録商標)Rf−4グラムカラム、DCM中5−65%(DCM中10%MeOH))を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、(E)−10−(エチル(4−オキソシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(103mg、0.219mmol、収率79%)を固体として得た。
【0819】
LC-MS(ES) m/z = 448.2 [M+H]+ (副), 176.5 (主)。
【0820】
d)(E)−10−(エチル(シス−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化223】
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【0821】
(E)−10−(エチル(4−オキソシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(100mg、0.223mmol)および3−フルオロアゼチジンヒドロクロリド(100mg、0.894mmol)に、DCE(4mL)、MeOH(1mL)およびDIPEA(0.160ml、0.916mmol)を加えた。得られた溶液を撹拌した後、AcOH(0.051mL、0.894mmol)を加え、10分間撹拌した。次に、Na(OAc)BH(189mg、0.894mmol)を加え、1時間撹拌した。この反応混合物を撹拌しながらDCM(20mL)に希釈し、飽和NaHCO水溶液を加え、数滴の濃NHOHを加えてpH約10とし、この混合物を30分間撹拌した。これを分液し、DCMで逆抽出した(1回)。合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して固体を得、これを次に高真空下で1時間乾燥させた。この固体をDCMに溶かし、シリカゲルに吸着させた後、(Isco(登録商標)、Rf−4グラム Goldシリカカラム、DCM中5−80% 90:10:1(DCM:MeOH:NHOH))を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、(E)−10−(エチル(シス−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(55mg、0.100mmol、収率44.7%)を固体として得た。
【0822】
LC-MS(ES) m/z = 507.4 [M+H]+(副)、254.3(主)。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.29 (s, 1H), 7.97 (t, J=4.9 Hz, 1H), 7.12-7.22 (m, 2H), 6.88-6.95 (m, 1H), 5.83 (s, 1H), 4.96-5.24 (m, 4H), 4.16 (br. s., 2H), 3.42-3.58 (m, 4H), 2.79-3.03 (m, 5H), 2.45-2.60 (m, 2H), 2.21 (br. s., 2H), 2.08-2.16 (m, 4H), 1.52-1.66 (m, 2H), 1.43 (br. s., 2H), 1.36 (br. s., 2H), 0.75 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0823】
実施例76:(E)−10−(エチル(トランス−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化224】
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【0824】
また、実施例75(d)の精製から、(E)−10−(エチル(トランス−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(19mg、0.037mmol、収率16.45%)も固体として単離された。
【0825】
LC-MS(ES) m/z = 507.4 [M+H]+ (副), 254.3 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.28 (s, 1H), 7.98 (t, J=4.8 Hz, 1H), 7.09-7.23 (m, 2H), 6.85-6.97 (m, 1H), 5.83 (s, 1H), 4.94-5.21 (m, 3H), 4.14 (br. s., 2H), 3.38-3.61 (m, 4H), 2.87-3.05 (m, 4H), 2.56-2.68 (m, 3H), 2.21 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.90 (t, J=10.7 Hz, 1H), 1.62-1.77 (m, 4H), 1.13-1.36 (m, 2H), 0.65-0.88 (m, 5H)。
【0826】
実施例77:(E)−10−(アゼパン−4−イル(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化225】
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【0827】
DCE(6mL)中、(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(0.12g、0.356mmol)および4−オキソアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.121g、0.569mmol)の懸濁液を10分間撹拌した。次に、AcOH(0.081mL、1.423mmol)、次いで、Na(OAc)BH(0.302g、1.423mmol)を加え、この懸濁液を室温で一晩激しく撹拌した。さらなる4−オキソアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.1g)を追加し、この反応混合物を37℃に加熱し、5時間撹拌した。次に、この反応物にアセトアルデヒド(0.100mL、1.778mmol)をピペットで加え、この反応混合物を一晩撹拌した。この反応物を撹拌しながらDCM(20mL)に希釈し、飽和NaHCOを加え、20分間撹拌した。層を分離し、DCMで逆抽出した(1回)。合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して残渣を得、これを高真空下で1時間乾燥させた。DCMで希釈し、シリカゲルを加え、真空濃縮して乾固させ、高真空下で30分間乾燥させた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(12グラムIsco(登録商標)GOLDシリカカラム、ヘプタン中8−85%(3:1 EtOAc:EtOH)により精製して液体を得た。この液体をMeOH(1.2mL)に溶かし、HCl(1,4−ジオキサン中4M、4.76mL、19.06mmol)を加え、この反応物を室温で5分間撹拌した後、70℃のヒートブロック中に置き、一晩(20時間)撹拌した。氷浴中で冷却した後、ニードルを用いて排出させた反応物を、MeOH/DCMを含む50mLのRBフラスコに移した。揮発性物質を真空下で除去して残渣を得、これを高真空下で1時間乾燥させた。10%MeOH/DCMに溶かした後、濃NHOH(0.4mL)を加え、5分間撹拌し、その後、シリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(4グラムIsco(登録商標)GOLDシリカカラム、DCM中15−100%(90:10:1のDCM:MeOH:NHOH)、次いで、80:20:2 DCM:MeOH:NHOH)により精製して残渣を得、これをTBMEで摩砕し、白色固体を得た。この固体をpH約5の水で処理した(溶解)。次に、2滴のNHOHを加え、固体を沈澱させた。その後、これを10%MeOH/DCMで抽出し(3回)、合わせた有機液をMgSOで乾燥させた後、濾過し、(90:10:1 DCM:MeOH:NHOH)ですすぎ、窒素流下で濃縮した。残渣をTBMEで摩砕して固体を得た後、固体を真空炉で一晩乾燥させ、(E)−10−(アゼパン−4−イル(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(32mg、0.070mmol、収率20.17%)を固体として得た。
【0828】
LC-MS(ES) m/z = 449.3 [M+H]+ (副), 352.2 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.23 (br. s., 1H), 8.01 (br. s., 1H), 7.03-7.27 (m, 2H), 6.82-6.96 (m, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.08-5.22 (m, 2H), 4.16 (br. s., 2H), 3.48 (br. s., 3H), 2.93-3.06 (m, 2H), 2.78-2.90 (m, 1H), 2.39-2.77 (m, 5H), 2.22 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.75 (br. s., 2H), 1.49-1.68 (m, 3H), 1.18-1.32 (m, 2H), 0.78 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0829】
実施例78:(E)−10−(エチル(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
a)(E)−10−(エチル(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オンおよび(E)−10−(エチル(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化226】
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【0830】
DCE(20mL)中、(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(0.66g、1.956mmol)、および4−ヒドロキシシクロヘキサノン(0.447g、3.91mmol)の懸濁液を10分間撹拌した。次に、AcOH(0.448mL、7.82mmol)、次いで、Na(OAc)BH(1.658g、7.82mmol)を加え、室温で一晩激しく撹拌した。その後、この反応物にアセトアルデヒド(0.552mL、9.78mmol)をピペットで加え、蓋をし、1時間撹拌した。この反応物を撹拌しながらDCM(100mL)に希釈した後、水および飽和NaHCOを加え、30分間撹拌した。層を分離し、DCMで逆抽出し、合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。得られた残渣をDCMに溶かし、シリカで濃縮し、高真空下で1時間乾燥させた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40グラムIsco(登録商標)GOLDシリカカラム、ヘプタン中8−55%(3:1 EtOAc:EtOH))により精製して残渣を得、TBMEで摩砕し、(E)−10−(エチル(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(150mg、0.324mmol、収率16.54%)を白色固体として得た。
【0831】
LC-MS(ES) m/z = 464.3 [M+H]+ (副), 183.6 (主)。
【0832】
また、(E)−10−(エチル(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(172mg、0.371mmol、収率18.97%)も白色固体として単離された。
【0833】
LC-MS(ES) m/z = 464.3 [M+H]+ (副), 183.6 (主)。
【0834】
b)(E)−10−(エチル(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化227】
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【0835】
MeOH(0.50mL)中、(E)−10−(エチル(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(150mg、0.324mmol)に、HCl(1,4−ジオキサン中4M、5.26mL、21.03mmol)を加えた。固体を溶解させ、反応容器を密閉し、室温で5分間撹拌した後、70℃のヒートブロック中に置き、一晩(20時間)撹拌した。この反応物を50mLのRBフラスコに移し、10%MeOH/DCMですすいだ後、揮発性物質を高真空下で除去して残渣を得、次にこれをDCM/MeOHおよび濃NHOHに再溶解させ、その後、シリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(4グラムIsco(登録商標)GOLDシリカカラム、DCM中10−85% 90:10:1 DCM:MeOH:NHOH)により精製し、(E)−10−(エチル(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(95mg、0.205mmol、収率63.3%)を固体として得た。
【0836】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.30 (s, 1H), 8.01 (t, J=4.9 Hz, 1H), 7.12-7.24 (m, 2H), 6.92 (dd, J=5.3, 3.3 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 5.06-5.23 (m, 2H), 4.30 (d, J=3.3 Hz, 1H), 4.16 (br. s., 2H), 3.58-3.77 (m, 1H), 3.54 (br. s., 2H), 2.97 (br. s., 2H), 2.80 (br. s., 1H), 2.45-2.61 (m, 2H), 2.21 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.50-1.72 (m, 4H), 1.40 (br. s., 2H), 1.21-1.36 (m, 2H), 0.76 (t, J=6.9 Hz, 3H)。LC-MS(ES) m/z = 450.2 [M+H]+
【0837】
実施例79:(E)−10−(エチル(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化228】
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【0838】
MeOH(0.50mL)中、(E)−10−(エチル(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(172mg)に、HCl(1,4−ジオキサン中4M、5.26mL、21.03mmol)を加えた。固体を溶解させ、反応容器を密閉し、室温で5分間撹拌した後、70℃のヒートブロック中に置き、一晩(20時間)撹拌した。この反応物を50mLのRBフラスコに移し、10%MeOH/DCMですすいだ後、揮発性物質を高真空下で除去して残渣を得、次にこれをDCM/MeOHおよび濃NHOHに再溶解させた後、シリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(4グラムIsco(登録商標)GOLDシリカカラム、DCM中10−85% 90:10:1 DCM:MeOH:NHOH)により精製し、(E)−10−(エチル(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(110mg、0.240mmol、収率74.1%)を固体として得た。
【0839】
LC-MS(ES) m/z = 450.2 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.30 (s, 1H), 8.01 (t, J=4.8 Hz, 1H), 7.10-7.25 (m, 2H), 6.83-6.97 (m, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.05-5.23 (m, 2H), 4.46 (d, J=4.3 Hz, 1H), 4.16 (br. s., 2H), 3.51 (br. s., 2H), 3.23-3.33 (m, 1H), 2.88-3.05 (m, 2H), 2.40-2.70 (m, 3H), 2.21 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.73-1.81 (m, 2H), 1.57-1.71 (m, 2H), 1.19-1.34 (m, 2H), 0.95-1.09 (m, 2H), 0.74 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0840】
実施例80:(E)−10−((シス−4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化229】
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【0841】
DCE(4mL)中、(E)−10−(エチル(4−オキソシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(102mg、0.228mmol)および3,3−ジフルオロアゼチジンヒドロクロリド(118mg、0.912mmol)の溶液に、AcOH(0.052mL、0.912mmol)を加え、この混合物を10分間撹拌した後、Na(OAc)BH(193mg、0.912mmol)を加え、一晩撹拌した。撹拌しながらDCM(20mL)に希釈し、飽和NaHCOを加え、30分間撹拌した。層を分離し、DCMで逆抽出した(1回)。合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して固体を得、高真空下で1時間乾燥させた。固体をMeOHに溶かし、Biotage(登録商標)Solid loadに吸着させ、逆相クロマトグラフィー(30グラムIsco(登録商標) C18aqカラム、0.1%ギ酸を含む水中5−55%MeOH)により精製して残渣を得、これをMeOHおよびMeOH中7MのNHに溶かし、シリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(4グラムIsco(登録商標)シリカカラム、DCM中8−60%(90:10:1 DCM:MeOH:NHOH))により精製して固体を得、これをTBMEで摩砕し、(E)−10−((シス−4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(52mg、0.097mmol、収率42.6%)を白色固体として得た。
【0842】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.30 (s, 1H), 7.99 (t, J=4.9 Hz, 1H), 7.07-7.23 (m, 2H), 6.84-7.01 (m, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.06-5.23 (m, 2H), 4.16 (br. s., 2H), 3.37-3.67 (m, 6H), 2.81-3.04 (m, 3H), 2.45-2.60 (m, 2H), 2.16-2.30 (m, 3H), 2.05-2.13 (m, 3H), 1.52-1.77 (m, 2H), 1.44 (br. s., 2H), 1.38 (br. s., 2H), 1.16-1.32 (m, 2H), 0.76 (t, J=6.9 Hz, 3H)。LC-MS(ES) m/z = 525.3[M+H]+ (副), 263.2 (主)。
【0843】
実施例81:(E)−10−((トランス−4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化230】
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【0844】
また、実施例80の精製から、(E)−10−((トランス−4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(22mg、0.041mmol、収率18.03%)も白色固体として得られた。
【0845】
LC-MS(ES) m/z = 525.3[M+H]+ (副), 173.9 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.29 (s, 1H), 8.00 (t, J=4.7 Hz, 1H), 7.10-7.26 (m, 2H), 6.79-7.00 (m, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.05-5.23 (m, 2H), 4.16 (br. s., 2H), 3.42-3.58 (m, 6H), 2.98 (br. s., 2H), 2.46-2.69 (m, 3H), 2.21 (br. s., 2H), 2.11 (s, 3H), 1.93-2.07 (m, 1H), 1.57-1.78 (m, 4H), 1.14-1.32 (m, 2H), 0.78-0.93 (m, 2H), 0.75 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0846】
実施例82:(E)−10−(エチル(シス−4−((3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化231】
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【0847】
DCE(4mL)中、(E)−10−(エチル(4−オキソシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(115mg、0.257mmol)および3,3,3−トリフルオロプロパン−1−アミン(116mg、1.028mmol)の溶液に、AcOH(0.059mL、1.028mmol)を加えた後、10分撹拌した後、Na(OAc)BH(218mg、1.028mmol)を加え、1時間撹拌した。この混合物を撹拌しながらDCM(20mL)に希釈し、飽和NaHCOを加え、30分間撹拌した。層を分離し、DCMで逆抽出した(1回)。合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して固体を得、これをMeOHに溶かし、Biotage(登録商標)Solid loadに吸着させ、逆相クロマトグラフィー(30グラムIsco(登録商標) C18aqカラム、0.1%ギ酸を含む水中5−55%MeOH)により精製して残渣を得、これをMeOHおよびMeOH中7MのNHに溶かし、シリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中8−60%(90:10:1 DCM:MeOH:NHOH))により精製して固体を得、これをTBMEで摩砕し、(E)−10−(エチル(シス−4−((3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(51mg、0.091mmol、収率35.3%)を固体として得た。
【0848】
LC-MS(ES) m/z = 545.3 [M+H]+ (副), 273.3 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.30 (br. s., 1H), 7.99 (t, J=4.9 Hz, 1H), 7.11-7.28 (m, 2H), 6.88-7.00 (m, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.03-5.25 (m, 2H), 4.16 (br. s., 2H), 3.53 (br. s., 2H), 2.85-3.03 (m, 3H), 2.66 (t, J=7.5 Hz, 2H), 2.50-2.60 (m, 2H), 2.29-2.43 (m, 3H), 2.16-2.24 (m, 2H), 2.11 (s, 3H), 1.65 (br. s., 2H), 1.58 (br. s., 1H), 1.50 (br. s., 2H), 1.20-1.43 (m, 4H), 0.76 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0849】
実施例83:(E)−10−(エチル(トランス−4−((3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化232】
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【0850】
また、実施例82の精製から、(E)−10−(エチル(トランス−4−((3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(14mg、0.025mmol、収率9.70%)も固体として得られた。
【0851】
LC-MS(ES) m/z = 545.3 [M+H]+ (副), 193.9 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.29 (br. s., 1H), 8.00 (t, J=4.8 Hz, 1H), 7.18 (d, J=4.5 Hz, 2H), 6.93 (t, J=4.3 Hz, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.05-5.22 (m, 2H), 4.16 (br. s., 2H), 3.51 (br. s., 2H), 2.98 (d, J=5.3 Hz, 2H), 2.50-2.72 (m, 5H), 2.15-2.41 (m, 5H), 2.11 (s, 3H), 1.82 (d, J=11.6 Hz, 2H), 1.69 (br. s., 2H), 1.60 (br. s., 1H), 1.18-1.35 (m, 2H), 0.79-0.93 (m, 2H), 0.75 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0852】
実施例84:(E)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
(a)2−ブロモ−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−ヒドロキシベンズアミド
【化233】
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【0853】
2−ブロモ−3−ヒドロキシ安息香酸(1g、4.61mmol)、(4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メタンアミン(1.141g、5.53mmol)、HOAt(0.941g、6.91mmol)、EDC(1.325g、6.91mmol)、およびN−メチルモルホリン(1.520mL、13.82mmol)の混合物を室温で週末にわたって撹拌した。この反応混合物を水に注ぎ、1時間撹拌した。沈澱を濾取し、ポンプで一晩乾燥させた。残渣をEtOAc(200mL)に溶かし、水(30mL)、次いで、ブライン(30mL)で洗浄し、その後、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、橙色の固体を得た。この固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0−50%EtOAc、40gカラム)により精製し、2−ブロモ−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−ヒドロキシベンズアミド(1.3g、3.21mmol、収率69.6%)を淡橙色の油状物として得た。
【0854】
LC-MS(ES) m/z = 405.2, 407.2 [M+H]+
【0855】
(b)(トランス−4−(2−ブロモ−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化234】
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【0856】
DMF(15mL)中、2−ブロモ−N−((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)−3−ヒドロキシベンズアミド(1.06g、2.62mmol)の溶液に、メタンスルホン酸シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル(1.535g、5.23mmol)およびCsCO(3.41g、10.46mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩加熱した。さらなるメタンスルホン酸シス−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル(384mg、1.308mmol)を追加し、この反応混合物をさらに1日加熱した。この反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を水(2回)、ブライン(1回)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0−40%EtOAc、30gカラム)により精製し、(トランス−4−(2−ブロモ−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(1.27g、2.108mmol、収率81%)を白色固体として得た。
【0857】
LC-MS(ES) m/z = 602.4, 604.4 [M+H]+
【0858】
(c)(トランス−4−(2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化235】
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【0859】
DME(12mL)中、(トランス−4−(2−ブロモ−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(1.25g、2.074mmol)の溶液に、アリルトリフルオロボレートカリウム塩(1.074g、7.26mmol)、CsF(1.260g、8.30mmol)およびPd(PPh(0.240g、0.207mmol)を加えた。この反応混合物をマイクロ波反応器にて120℃で30分間加熱した。この反応混合物をセライト(登録商標)に吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CombiFlash(登録商標)、40gカラム、ヘキサン中0−40%EtOAc)により精製し、(トランス−4−(2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(961mg、1.705mmol、収率82%)を灰白色泡沫固体として得た。
【0860】
LC-MS(ES) m/z = 564.5 [M+H]+
【0861】
(d)(トランス−4−(((E)−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル
【化236】
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【0862】
DCM(80mL)中、(トランス−4−(2−アリル−3−(((4−(ブト−3−エン−1−イル)−2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)カルバモイル)フェノキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(961mg、1.705mmol)の脱気溶液に、Grubbs II(289mg、0.341mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。さらなるGrubbs II(50mg)を追加し、この反応物をさらに5時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0−40%EtOAc、30gカラム)により精製して異性体の混合物を得た。得られた混合物をGilson(登録商標)HPLC(水中40−80%CHCN、移動相中0.1%TFA)により精製し、(トランス−4−(((E)−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(132mg)を白色固体として得た。
【0863】
LC-MS(ES) m/z = 536.4 [M+H]+
【0864】
また、(トランス−4−(((Z)−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(120mg)も白色固体として単離された。
【0865】
LC-MS(ES) m/z = 536.4 [M+H]+
【0866】
(f)(E)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化237】
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【0867】
HCl(4M、1,4−ジオキサン、3mL、12.00mmol)およびMeOH(1mL)中、(トランス−4−(((E)−1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(132mg、0.246mmol)の懸濁液を、70℃で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮して灰白色固体を得た。MeOH(2mL)中、この固体およびホルムアルデヒド(水中37wt%、0.183mL、2.460mmol)の溶液に、AcOH(0.021mL、0.369mmol)、次いで、Na(OAc)BH(182mg、0.861mmol)を一度に加え、この反応物を一晩室温で撹拌した。さらなるホルムアルデヒド(水中37wt%、0.183mL、2.460mmol)およびNa(OAc)BH(182mg、0.861mmol)を追加し、この反応物を週末にわたって撹拌した。この反応物を濃縮し、10mLの(80:20:2、DCM:MeOH:NHOH)で処理し、シリカに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中0−50% 80:20:2、DCM:MeOH:NHOH)により精製し、(E)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(93mg、0.207mmol、収率84%)を白色固体として得た。
【0868】
LC-MS(ES) m/z = 450.3 [M+H]+ (副), 225.9 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.28 (s, 1H), 7.97 (t, J=4.9 Hz, 1H), 7.11-7.21 (m, 1H), 7.04 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.80 (dd, J=7.5, 0.9 Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 4.99-5.22 (m, 2H), 4.17 (br. s., 3H), 3.36 (br. s., 2H), 2.53-2.57 (m, 2H), 2.19-2.25 (m, 3H), 2.17 (s, 6H), 2.11 (s, 3H), 1.99-2.06 (m, 2H), 1.75-1.83 (m, 2H), 1.22-1.41 (m, 4H)。
【0869】
実施例85:(Z)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化238】
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【0870】
HCl(4M、1,4−ジオキサン、3mL、12.00mmol)およびMeOH(1mL)中、(トランス−4−((1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)オキシ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(120mg、0.224mmol)の懸濁液を70℃で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮して灰白色固体を得た。MeOH(2mL)中、この固体およびホルムアルデヒド(水中37wt%、0.167mL、2.240mmol)の撹拌溶液に、AcOH(0.019mL、0.336mmol)、次いで、Na(OAc)BH(166mg、0.784mmol)を一度に加え、この反応物を一晩室温で撹拌した。さらなるホルムアルデヒド(水中37wt%、0.167mL、2.240mmol)およびNa(OAc)BH(166mg、0.784mmol)を追加し、この反応物を週末にわたって撹拌した。この反応物を濃縮し、10mLの(80:20:2、DCM:MeOH:NHOH)、で処理し、シリカに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中0−50% 80:20:2、DCM:MeOH:NHOH)により精製し、(Z)−10−((トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(36mg、0.080mmol、収率35.7%)を白色固体として得た。
【0871】
LC-MS(ES) m/z = 450.3 [M+H]+ (副), 225.9 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.40 (s, 1H), 8.08 (t, J=5.4 Hz, 1H), 7.12-7.20 (m, 1H), 7.04 (d, J=7.8 Hz, 1H), 6.79 (dd, J=7.5, 0.9 Hz, 1H), 5.93 (s, 1H), 5.18-5.18 (m, 2H), 4.21-4.45 (m, 3H), 3.41 (br. s., 2H), 2.56-2.70 (m, 2H), 2.30-2.39 (m, 2H), 2.18 (s, 7H), 2.11 (s, 3H), 2.06 (br. s., 2H), 1.81 (br. s., 2H), 1.28-1.44 (m, 4H)。
【0872】
実施例86:(E)−10−(エチル(シス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
a)(4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸(E)−tert−ブチル
【化239】
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【0873】
DCE(25mL)中、(E)−10−アミノ−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(0.66g、1.956mmol)および(4−オキソシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(0.834g、3.91mmol)の懸濁液を10分間撹拌した。次いで、AcOH(0.448mL、7.82mmol)およびNa(OAc)BH(1.658g、7.82mmol)を加え、この懸濁液を室温で週末にわたって激しく撹拌した。アセトアルデヒド(0.552mL、9.78mmol)を加え、この反応物に蓋をし、1時間撹拌した。この反応物を撹拌しながらDCM(100mL)に希釈した後、水および飽和NaHCOを加え、30分間撹拌した。層を分離し、DCMで逆抽出した。合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。得られた残渣をMeOHに溶かし、少量の水、次いで、ギ酸を加え、Biotage(登録商標)Isolute solid loadに吸着させた後、逆相クロマトグラフィー(100グラムIsco(登録商標)C18aqカラム、0.1%ギ酸を含む水中12−95%MeOH)により精製して固体を得、これをTBMEで摩砕し、(4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸(E)−tert−ブチル(934mg、1.627mmol、収率83%)のシス−およびトランス−シクロヘキシル異性体の混合物を固体として得た。
【0874】
LC-MS(ES) m/z = 563.5 [M+H]+ (副), 254.2 (主)。
【0875】
b)(E)−10−((シス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オンギ酸塩
【化240】
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【0876】
(4−(エチル(1−メトキシ−3−メチル−14−オキソ−5,6,9,14,15,16−ヘキサヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−10−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸(E)−tert−ブチル(934mg、1.660mmol)のシス−およびトランス−シクロヘキシル異性体の混合物をDCM(20mL)に溶かし、窒素下室温で撹拌した。これにTFA(4.48mL、58.1mmol)を加え、この反応物を1時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、得られた残渣をCHCN(10mL)に溶かし、ギ酸(1mL)を加え、得られた混合物を真空濃縮し、一晩乾燥させた。残渣をMeOHに溶かし、Biotage(登録商標)Isolute樹脂に予め吸着させた後、逆相クロマトグラフィー(Isco(登録商標)Rf−100グラムC18 aqカラム、0.1%ギ酸を含む水中15−50%MeOH)により精製し、(E)−10−((シス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オンギ酸塩(402mg、0.775mmol、収率46.7%)を白色固体として得た。
【0877】
LC-MS(ES) m/z = 563.5 [M+H]+ (副), 232.2 (主)。
【0878】
c)(E)−10−(エチル(シス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン
【化241】
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【0879】
MeOH中、(E)−10−((シス−4−アミノシクロヘキシル)(エチル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オンギ酸塩(420mg、0.826mmol)に、HCl(1,4−ジオキサン中4M、3mL)を加え、この混合物を真空濃縮し、1回繰り返した。得られた固体にCHCN(25mL)、次いで、DIPEA(0.361mL、2.064mmol)を加え、この混合物を撹拌した後、KCO(228mg、1.651mmol)、次いで、1−ブロモ−2−(2−ブロモエトキシ)エタン(0.325mL、0.991mmol)を加え、この混合物を10分間よく撹拌し、冷却器および窒素流入口を取り付け、85℃で6時間加熱した。次に、この反応物をDCM(100mL)、次いで、水(30mL)で希釈し、30分間撹拌した。この混合物を分液し、DCMで逆抽出し、合わせた有機液をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Isco(登録商標)Rf−12グラムシリカカラム、ヘプタン中10−65%(3:1 EtOAc:EtOH+1%NHOH))により精製し、E)−10−(エチル(シス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(290mg、0.533mmol、収率64.6%)を固体として得た。
【0880】
LC-MS(ES) m/z = 533.4 [M+H]+ (副), 267.3 (主)。
【0881】
d)(E)−10−(エチル(シス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン
【化242】
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【0882】
MeOH(1.0mL)およびHCl(1,4−ジオキサン中4M、6.80mL、27.2mmol)中、(E)−10−(エチル(シス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−1−メトキシ−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−14(9H)−オン(290mg、0.544mmol)の溶液を室温で5分間撹拌した後、70℃のヒートブロック中に置き、一晩(18時間)撹拌した。この反応物を氷浴中で冷却した後、ニードルで排出し、MeOH/DCMを含む50mLのRBフラスコに移した。揮発性物質を真空下で除去して残渣を得、これを高真空下で1時間乾燥させた。得られた残渣を10%MeOH/DCMに溶かし、MeOH中7MのNH 4mLを加えた後、シリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(12グラムIsco(登録商標)GOLDシリカカラム、DCM中10−70%(90:10:1 DCM:MeOH:NHOH))により精製して残渣を得、これをTBMEで摩砕し、(E)−10−(エチル(シス−4−モルホリノシクロヘキシル)アミノ)−3−メチル−5,6,15,16−テトラヒドロベンゾ[c]ピリド[4,3−j][1]アザシクロドデシン−1,14(2H,9H)−ジオン(224mg、0.423mmol、収率78%)を固体として得た。
【0883】
LC-MS(ES) m/z = 519.3 [M+H]+ (副), 260.2 (主)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.29 (s, 1H), 8.02 (t, J=4.9 Hz, 1H), 7.18 (d, J=4.5 Hz, 2H), 6.87-7.01 (m, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.05-5.24 (m, 2H), 4.16 (br. s., 2H), 3.47-3.64 (m, 6H), 3.16 (br. s., 1H), 2.75-3.05 (m, 2H), 2.45-2.60 (m, 2H), 2.37 (br. s., 4H), 2.21 (br. s., 2H), 2.04-2.18 (m, 4H), 1.61 (br. s., 4H), 1.17-1.46 (m, 4H), 0.76 (t, J=6.9 Hz, 3H)。
【0884】
アッセイプロトコール1
本明細書に含まれる化合物を、PRC2複合体内のEZH2のメチルトランスフェラーゼ活性を阻害するそれらの能力に関して評価した。ヒトPRC2複合体は、Sf9細胞で5メンバーのタンパク質(FLAG−EZH2、EED、SUZ12、RbAp48、AEBP2)のそれぞれを共発現させた後、共精製することにより作製した。酵素活性を、トリチウム化メチル基が3H−SAMから、HeLa細胞から精製されたモノヌクレオソームのヒストンH3上のリシン残基へ転移される、シンチレーション近接アッセイ(SPA)で測定した。モノヌクレオソームはSPAビーズに捕捉され、得られたシグナルはViewLuxプレートリーダーで読まれる。
【0885】
パートA 化合物の調製
1.100%DMSO中に、固体からの化合物の10mM原液を調製する。
2.384ウェルプレートに、DMSO対照用の第6列と第18列を残し、各試験化合物に関して100%DMSOで11点連続希釈系(1:3希釈、最高濃度10mM)を設定した。
3.希釈系プレートから反応プレート(Grenier Bio−One、384ウェル、カタログ番号784075)に100nLの化合物を分注する。
【0886】
パートB 試薬の調製
以下の溶液を調製する。
1.50mM Tris−HCl、pH8: 基本バッファー1L当たり、1M Tris−HCl、pH8(50mL)および蒸留水(950mL)を合わせる。
2.1×アッセイバッファー: 1×アッセイバッファー10mL当たり、50mM Tris−HCl、pH8(9958μL)、1M MgCl(20μL)、2M DTT(20μL)、および10%Tween−20(2μL)を合わせ、50mM Tris−HCl、pH8、2mM MgCl、4mM DTT、0.002%Tween−20の終濃度とする。
3.2×酵素溶液: 2×酵素溶液10mL当たり、1×アッセイバッファーおよびPRC2複合体を合わせ、10nMの最終酵素濃度とする。
4.SPAビーズ懸濁液: SPAビーズ懸濁液1mL当たり、
PS−PEIコーティングLEADSeekerビーズ(40mg)およびddHO(1mL)を合わせ、終濃度40mg/mLとする。
5.2×基質溶液: 2×基質溶液10mL当たり、1×アッセイバッファー(9728.55μL)、800μg/mLモノヌクレオソーム(125μL)、1mM冷SAM(4μL)、および7.02μM 3H−SAM(142.45μL;0.55mCi/mL)を合わせ、5μg/mLヌクレオソーム、0.2μM冷SAM、および0.05μM 3H−SAMの終濃度とする。
6.2.67×クエンチ/ビーズ混合物: 2.67×クエンチ/ビーズ混合物10mL当たり、ddHO(9358μL)、10mM冷SAM(267μL)、40mg/mLビーズ懸濁液(375μL)を合わせ、100μM冷SAMおよび0.5mg/mL SPAビーズの終濃度とする。
【0887】
パートC 384ウェルGrenier Bio−Oneプレートでのアッセイ反応
化合物の添加
1.100nL/ウェルの100×化合物を試験ウェル(上記の通り)に分注する。
2.それぞれ高対照および低対照用の第6列および第8列には100nL/ウェルの100%DMSOを分注する。
【0888】
アッセイ
1.第18列に5μL/ウェルの1×アッセイバッファーを分注する(低対照反応)。
2.第1〜17列、第19〜24列に、5μL/ウェルの2×酵素溶液を分注する。
3.アッセイプレートを約1分間500rpmで回転させる。
4.アッセイプレートを積み重ね、一番上のプレートに蓋をする。
5.化合物/DMSOを酵素とともに室温で30分間インキュベートする。
6.第1〜24列に5μL/ウェルの2×基質溶液を分注する。
7.アッセイプレートを約1分間500rpmで回転させる。
8.アッセイプレートを積み重ね、一番上のプレートに蓋をする。
9.アッセイプレートを室温で1時間インキュベートする。
【0889】
クエンチ/ビーズの添加
1.第1〜24列に5μL/ウェルの3×クエンチ/ビーズ混合物を分注する。
2.各アッセイプレートの上面を接着性TopSealで封止する。
3.アッセイプレートを約1分間500rpmで回転させる。
4.これらのプレートを20分より長い時間平衡化する。
【0890】
プレートの読み取り
1.Viewluxプレートリーダーにて、613nmの発光用フィルターを用い、読み取り時間300秒でアッセイプレートを読み取る。
【0891】
試薬の添加は手作業で行うこともできるし、または自動液体ハンドラーで行うこともできる。
本アッセイの最終DMSO濃度は1%である。
陽性対照は第6列であり、陰性対照は第18列である。
化合物の最終出発濃度は100μMである。
【0892】
結果
阻害パーセントは、各化合物濃度についてDMSO対照に対して計算し、得られた値は、ABASEデータフィッティングソフトウエアパッケージ内の標準的なIC50フィッティングパラメーターを用いて当てはめを行った。
【0893】
本発明の例示的化合物は一般に、上記または類似のアッセイに従って試験し、EZH2の阻害剤であることが判明した。本明細書に記載のアッセイに従って試験された特定の生物活性を下表にまとめる。アッセイの実行を繰り返すと、若干異なるIC50値となる場合がある。
【0894】
【表1】
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【0895】
アッセイプロトコール2
本明細書に含まれる化合物を、PRC2複合体内のEZH2のメチルトランスフェラーゼ活性を阻害するそれらの能力に関して評価した。ヒトPRC2複合体は、Sf9細胞で5メンバーのタンパク質(FLAG−EZH2、EED、SUZ12、RbAp48、AEBP2)のそれぞれを共発現させた後、共精製することにより作製した。酵素活性を、トリチウム化メチル基が3H−SAMから、ヒストンH3由来のビオチニル化された非メチル化ペプチド基質上のリシン残基へ転移される、シンチレーション近接アッセイ(SPA)で測定した。これらのペプチドはストレプトアビジンコーティングSPAビーズに捕捉され、得られたシグナルはViewLuxプレートリーダーで読んだ。
【0896】
パートA 化合物の調製
4.100%DMSO中に、固体からの化合物の10mM原液を調製する。
5.384ウェルプレートに、DMSO対照用の第6列と第18列を残し、各試験化合物に関して100%DMSOで11点連続希釈系(1:4希釈、最高濃度10mM)を設定した。
6.希釈系プレートから反応プレート(Corning、384ウェル、ポリスチレンNBS、カタログ番号3673)に10nLの化合物を分注する。
【0897】
パートB 試薬の調製
以下の溶液を調製する。
7.1×基本バッファー、50mM Tris−HCl、pH8、2mM MgCl:基本バッファー1L当たり、1M Tris−HCl、pH8(50mL)、1M MgCl(2mL)、および蒸留水(948mL)を合わせる。
8.1×アッセイバッファー: 1×アッセイバッファー10mL当たり、1×基本バッファー(9.96mL)、1M DTT(40μL)、および10%Tween−20(1 uL)を合わせ、50mM Tris−HCl、pH8、2mM MgCl、4mM DTT、0.001%Tween−20の終濃度とする。
9.2×酵素溶液: 2×酵素溶液10mL当たり、1×アッセイバッファー(9.99mL)および3.24μM EZH2 5メンバー複合体(6.17μL)を合わせ、1nMの最終酵素濃度とする。
10.SPAビーズ溶液: SPAビーズ溶液1mL当たり、ストレプトアビジンコーティングSPAビーズ(PerkinElmer、カタログ番号RPNQ0261、40mg)および1×アッセイバッファー(1mL)を合わせ、40mg/mLの実施濃度とする。
11.2×基質溶液: 2×基質溶液10mL当たり、40mg/mL SPAビーズ溶液(375μL)、1mMビオチン化ヒストンH3K27ペプチド(200μL)、12.5μM 3H−SAM(240μL;1mCi/mL)、1mM冷SAM(57μL)、および1×アッセイバッファー(9.13mL)を合わせ、0.75mg/mL SPAビーズ溶液、10μMビオチン化ヒストンH3K27ペプチド、0.15μM 3H−SAM(〜12uCi/mL 3H−SAM)、および2.85μM冷SAMの終濃度とする。
12.2.67×クエンチ溶液: 2.67×クエンチ溶液10mL当たり、1×アッセイバッファー(9.73mL)および10mM冷SAM(267μL)を合わせ、100μM冷SAMの終濃度とする。
【0898】
パートC 384ウェルGrenier Bio−Oneプレートにおけるアッセイ反応
化合物の添加
3.10nL/ウェルの1000×化合物を試験ウェル(上記の通り)にスタンプする。
4.10nL/ウェルの100%DMSOを第6列および第18列(それぞれ高対照および低対照)にスタンプする。
【0899】
アッセイ
10.5μL/ウェルの1×アッセイバッファーを第18列(低対照反応)に分注する。
11.5μL/ウェルの2×基質溶液を第1〜24列に分注する(注:基質溶液はマトリックスリザーバーに分注する前に均質なビーズ懸濁液となるように混合しなければならない)。
12.5μL/ウェルの2×酵素溶液を第1〜17列、第19〜24列に分注する。
13.反応物を室温で60分間インキュベートする。
【0900】
クエンチ
5.6μL/ウェルの2.67×クエンチ溶液を第1〜24列に分注する。
6.アッセイプレートを密閉し、約1分間500rpmで回転させる。
7.ViewLux装置にて15〜60分間、プレートを暗所順応させる。
【0901】
プレートの読み取り
2.Viewluxプレートリーダーにて、613nmのエミッションフィルターまたは透明フィルター(300秒露光)を用いてアッセイプレートを読み取る。
【0902】
試薬の添加は手作業で行うこともできるし、または自動液体ハンドラーで行うこともできる。
【0903】
結果
阻害パーセントは、各化合物濃度についてDMSO対照に対して計算し、得られた値は、ABASEデータフィッティングソフトウエアパッケージ内の標準的なIC50フィッティングパラメーターを用いて当てはめを行った。
【0904】
例示した化合物のいくつかは、一般に、上記または類似のアッセイに従って試験し、EZH2の阻害剤であることが判明した。このようなアッセイに従って試験された特定の生物活性を下表にまとめる。アッセイの実行を繰り返すと、若干異なるIC50値となる場合がある。
【0905】
【表2】
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【国際調査報告】
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