(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-520743(P2016-520743A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(54)【発明の名称】隠蔽された壁掛型折畳式小便器
(51)【国際特許分類】
E03D 13/00 20060101AFI20160617BHJP
E03D 5/10 20060101ALI20160617BHJP
E03D 11/12 20060101ALI20160617BHJP
【FI】
E03D13/00
E03D5/10
E03D11/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-512168(P2016-512168)
(86)(22)【出願日】2014年5月5日
(85)【翻訳文提出日】2015年10月20日
(86)【国際出願番号】AU2014000494
(87)【国際公開番号】WO2014179827
(87)【国際公開日】20141113
(31)【優先権主張番号】2013901592
(32)【優先日】2013年5月6日
(33)【優先権主張国】AU
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515291177
【氏名又は名称】アドバンスド グローバル イノベーションズ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ムシンタイアー,ミッチェル レックス
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA04
2D039AB07
2D039AD01
2D039CD03
2D039DB00
2D039FA04
2D039FD02
(57)【要約】
隠蔽された壁掛型折畳式小便器(10)は、住居などの建物内の浴室またはトイレの内壁上に装着されるように適合された本体(12)を有する。トレイ(14)は、トレイ(14)が本体部(12)に当接する第1の待機位置と、トレイ(14)が小便器(10)の前に立つ男性から尿を受ける準備が整っている第2の使用の準備が整っている位置との間を移動するために、本体(12)に枢動可能に取り付けられる。アクチュエータ(78)は、トレイ(14)が第1の位置と第2の位置との間をセンサ(106,108)の出力に応答して枢動するように適合される。センサ(106,108)が小便器の所定の距離の範囲内に人の存在を検出すると、アクチュエータ(78)はトレイ(14)を第1の位置から第2の位置に枢動させる。センサ(106,108)が小便器の所定の距離の範囲内に人の不在を検出すると、アクチュエータ(78)はトレイ(14)を第2の位置から第1の位置に枢動させ、次いで第1の位置では小便器(10)はスプレーノズル(80)を通る水で洗浄される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と前記本体に連結されたトレイとを備える折畳式小便器であって、前記トレイは、前記トレイが前記本体に当接し前記折畳式小便器が待機モードである第1の位置と、前記トレイが前記本体位置に傾斜し、前記トレイは使用の準備が整っているモードにあり、前記折畳式小便器の使用者から尿を受けるように適合された第2の位置との間を移動するように適合され、前記本体上に装着され、前記トレイに連結された作動手段は、前記折畳式小便器上または前記折畳式小便器の付近に配置されたセンサ手段からの信号に応答して、前記第1の位置と前記第2の位置との間を前記トレイが移動するように適合されていることと、前記センサ手段は前記折畳式小便器から所定の近距離の範囲内に人の存在を検出するように適合された近距離センサ、および前記折畳式小便器から所定の長距離の範囲内に人の存在を検出するように適合された長距離センサを備えることと、人の検出による前記近距離センサからの信号により、前記作動手段が前記トレイを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させ、人の検出による前記長距離センサからの信号により、前記作動手段が前記トレイを前記第2の位置から前記第1の位置に移動させることとを特徴とする、折畳式小便器。
【請求項2】
前記所定の近距離は約130mm以下であり、前記所定の長距離は約500mmであることを特徴とする、請求項1に記載の折畳式小便器。
【請求項3】
前記近距離センサおよび前記長距離センサは、それぞれ運動センサであることを特徴とする、請求項1または2に記載の折畳式小便器。
【請求項4】
前記近距離センサおよび前記長距離センサは、それぞれ赤外線センサであることを特徴とする、請求項1または2に記載の折畳式小便器。
【請求項5】
前記赤外線センサは、少なくとも1つの赤外線光発信器と、赤外線検出器と、を備えることを特徴とする、請求項4に記載の折畳式小便器。
【請求項6】
前記センサ手段によって出力される信号に応答して、前記作動手段を作動するように適合された制御手段を特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の折畳式小便器。
【請求項7】
前記折畳式小便器の内側を照明するように適合されたライト、および前記折畳式小便器が前記第1の位置にあるときに使用後に前記折畳式小便器を洗浄する洗浄手段であって、前記洗浄手段は洗浄液体のスプレーノズルへの流れを制御する弁を有し、また前記制御手段は前記ライトおよび前記弁の作動を制御するように適合された洗浄手段を特徴とする、請求項6に記載の折畳式小便器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記作動手段、検知手段、前記ライトおよび前記洗浄手段が接続される電気回路内のプリント回路基板の形態であることを特徴とする、請求項6または7のいずれか1項に記載の折畳式小便器。
【請求項9】
前記回路はマイクロプロセッサで制御されることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の折畳式小便器。
【請求項10】
前記本体および前記トレイからの出口であって、前記出口は臭気が前記出口を通って前記折畳式小便器の内側に入ることを防止する手段を有し、防止する前記手段は前記出口の周囲の環状封止と協働するように適合された略球形の封止部材を含み、前記封止部材は液体が前記折畳式小便器の前記内側に入ると、前記封止から離れて浮遊するように適合され、したがって前記液体が前記出口を通過することができ、液体の前記流れが停止すると前記封止に戻ることができる、出口を特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の折畳式小便器。
【請求項11】
前記出口の上に配置されたケージであって、前記ケージにより液体はそれを通過できるが、前記球形封止部材はその壁以外の前記ケージの内側を移動できない、ケージを特徴とする、請求項10に記載の折畳式小便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の排泄物を受けるための構成に関し、より詳細には小便器に関する。
【背景技術】
【0002】
男性が使用するための小便器が公知である。小便器は通常、公衆トイレで使用され、多くの異なる形を取る。セラミック、あるいはより一般的な金属素材の一部の小便器は、多くの人を並んで立たせることができる。他の通常古い様式の小便器は類似しているが、若干のプライバシーを提供するために仕切りを有する。多くの現代の公衆トイレは個々の壁掛型小便器を有する。これらの壁掛型小便器の一部は隣接した構成の間にプライバシースクリーンを有し、一部の構成は男児に対応するために壁の低い位置に配置された1以上の小便器を有する。
【0003】
小便器を住居、ホテルまたはモーテルの浴室に設置することは一般的に行われてこなかった。欧州では、このような多くの浴室は便座式便器およびビデの両方を有するが、小便器はない。家庭またはホテル/モーテルの浴室内に小便器を有することは、女性に非常に受け入れられ、女性は家族の男性または男性の訪問者が便座上に排尿すること、または便座を上げたままにすることについて心配する必要がないと考えられる。しかし、通常は他の浴室の用具に加えて小便器を設置するためにはスペースが不十分であろう。
【0004】
いくつかの折畳式小便器が先行技術に記載されている。ウェブサイトwww.vintageplumbing.comは、THE J.L.Iron Worksによって製造された「all china folding personal urinal(全陶器折畳式個人用小便器)」を説明し示しており、これは1895のカタログに載っている。特許日1876を有する小便器は、「全陶器」を有し、「全陶器折畳式開口扉は、開くと受容体になり、驚異の蛇口は扉を保持するレバーによって作動する」。Mister Miser(商標)の折畳式小便器は、www.treehugger.comおよびwww.hometone.comに載っている。この小便器は、壁空洞内に一部が装着されて見え、垂直に閉じた位置から使用のために傾斜位置に動かすことができる、手動で操作するカバーを有する。
【0005】
中国特許第201933592号は、壁に埋め込まれた固定型枠体および小便器を備えた便器基部を有する壁埋込型多機能便器を開示している。基部は、垂直に閉じた位置から使用のために水平位置に移動することができる。独国特許第19902933号は、壁と同一平面位置から低い水平位置に水盤にヒンジ結合された枢動棒によって移動され得る、壁掛型枢動小便器を示している。壁と同一平面であるときは、水盤は壁掛型フードによって覆われる。独国特許第202005003305号は、壁に対して垂直な位置から使用のために水平位置に手動で移動するスイング軸上にある、壁掛型スイング便器/小便器を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
家庭用および他の使用に対して最適な折畳式小便器を提供する先行技術の装置はない。例として、Mister Miserの小便器には、「使用」位置にあるときに、尿が小便器の側面から飛び散るのを防止するものは何もなく、独国特許第202005003305号の小便器は、その小便器が閉じた位置であっても配置される室内に突出する。したがって本発明の目的は改良された折畳式小便器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、本体と該本体に連結されたトレイとを備える折畳式小便器を提供し、該トレイは、該トレイが該本体に当接し、該折畳式小便器が待機モードである、第1の位置と、該トレイが該本体に傾斜し、該トレイが使用の準備が整っているモードにあり、該折畳式小便器の使用者から尿を受けるように適合された第2の位置との間を移動するように適合され、該本体上に装着され、該トレイに連結された作動手段は、該第1の位置と該第2の位置との間を該トレイが移動するように適合されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】「使用」モードにおける小便器を示す、本発明の一実施形態による折畳式小便器の正面の左からの斜視図である。
【
図2】「待機」モードにおける小便器を示す、
図1の折畳式小便器の正面の左からの斜視図である。
【
図3】
図1および2の小便器の本体の正面からの部分分解図である。
【
図6】
図3、4および5の本体の右側の側面立面図である。
【
図7】
図1および2の折畳式小便器の分解図である。
【
図8】「待機」位置におけるトレイを示す、
図1および2の折畳式小便器のトレイおよびアクチュエータの側面立面図である。
【
図9】「使用」位置におけるトレイを示す、
図1および2の折畳式小便器のトレイおよびアクチュエータの側面立面図である。
【
図10】分離された本体およびトレイを示す、
図1および2の折畳式小便器の正面の左からの斜視図である。
【
図11】カバーから分離された本体のためのカバーを示す、
図1および2の折畳式小便器の正面の左からの斜視図である。
【
図12】カバーから分離されたトレイのためのカバーを示す、
図1および2の折畳式小便器の正面の左からの斜視図である。
【
図13】
図1および2の折畳式小便器の本体に対する出口配置の一形態を通る断面を示す図である。
【
図14】
図1〜12の折畳式小便器の自動操作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで図面を参照すると、本発明の一実施形態による折畳式小便器10が示されている。小便器10は本体12、および本体12に枢動可能に取り付けられたトレイ14を備える。小便器10は、壁(図示せず)上に装着される、または壁内に一部が装着されるように適合され、壁は好ましくは住居などの建物、浴室またはトイレ内の内壁である。小便器10は、好ましくは小便器10が実質的に隠蔽されるように、壁の空洞(図示せず)の中に完全にまたは一部が入り込んでもよい。壁空洞の変形が使用される場合、空洞の深さは好ましくは約70mm〜75mmである。折畳式小便器10の壁への取付は、折畳式小便器10が修理のために壁から容易に取り外すことができるようなものである。
【0011】
本体12は、使用者により、および/または洗浄により小便器10の中に導入される液体のための出口18を配置された基部16(
図7)、後壁20、および側壁22,24を備える。また前板26もあり、前板26は基部16ならびに後壁20および側壁22,24の下部を備え、その中に前記の液体が直接流れてもよい、かつ/またはトレイ14から流れてもよい開放チャンバ28を画定する。
【0012】
トレイ14は平面基部30および略U字形断面を有する湾曲上面32を有し、その形状は表面32の中点から湾曲する2つの側壁34,36によって形成され、また側壁34,36はトレイ14の正面からその背部に上昇する。トレイ14は、
図2の「待機」位置と
図1の「使用」位置との間に移動を制限するために、ヒンジ38,40により本体12に枢動可能に取り付けられる。ヒンジ38,40は、図面の
図7に関連して前段落に説明された形を取ってもよい。
【0013】
トレイ14は、トレイ14の主部54に個別に形成された基部30を備えて、
図7に示されたように構成されてもよい。この変形形態では、軸42は細長いH字形部材56の一部であってもよく、部材56は主部58によって形成され、主部58の両端は軸42を形成し、軸42は組み立てられたトレイ14では、本体54内の開口部44を通って突出する。部材56は、好ましくは一緒に溶接されたステンレス鋼ロッドから形成され、本体部54の裏側のリブ64,66上の凹部60,62内に配置されるように適合される。次いで基部30は、好ましくは主トレイ体54と基部30との間の「挟持」部材56によって本体54に固定される。好ましくは本体54および基部30は、プラスチック材料から形成され、本体54および基部30は「挟持」工程において一緒に熱溶接される。
【0014】
図1および
図7に見られるように、壁34,36の外側は弓形スロット70,72を設けられ、スロット70,72は本体12の壁22,24の内側表面上の突起(突起の1つのみがこれらの図において74と示されている)と係合するように適合される。突起74はゴムから作成されてもよい。スロット70,72と突起74との間の協働により、本体12に対してトレイ14の枢動を誘導し限定する。
【0015】
また部材56は連結要素76を有し、連結要素76は主部58の一端の付近に配置され、主部58の一端で軸42に略直角に延在する。連結要素76はアクチュエータ78(
図1、3、4、5、6および7)、好ましくは電動アクチュエータに連結されるように意図され、アクチュエータ78はトレイが「待機」位置と「使用」位置との間を移動するように適合される。
図8は「待機」位置を示し、
図9は「使用」位置または「使用の準備が整っている」位置を示す。
【0016】
折畳式小便器10はノズル等80の形の洗浄機構を有し、ノズル80はチャンバ28の上の本体12上に配置される(
図4、5および6)。ノズル80は、水などの洗浄液体の供給のためにアダプタまたはコネクタ82に連結される。スプレーノズル80への液体の流れは弁(図示せず)によって制御され、弁は、好ましくは折畳式小便器10の自動システムの一部として作動するソレノイド作動弁である。下部設計の成形形状領域21は、トレイ14が閉じた位置にあるときに、水がトレイ14の側面34,36から逃れてスプレーノズル80から出るのを防止する。この説明で後に説明するように、弁は小便器が(所定の時間)開いているときに閉じ、折畳式小便器10の作動を制御する一連のシステムの間は閉じている。
【0017】
尿を受ける基部16内の出口18は、小便器10のチャンバ28内に受領した尿を最終的に処理するために下水道または同等のシステム(図示せず)の中に排出するように適合される。出口18は、このようなシステムに当業者には公知の従来の手法で配管されてもよい。
【0018】
出口18の一形態が
図13に示されている。折畳式小便器10の本体12の基部16内の(好ましくは円形の)開口部84内に、出口部材88に連結されることにより、好ましくは2つの要素86,88を螺着することにより、基部16に固定されるように適合された出口管86が配置される。ガスケット90は、好ましくは要素86,88と基部16との間に封止を提供する。ケージは出口86に着脱可能に固定されてもよく、またはその間に一体化されてもよく、液体はそれを通過できるが、より大きい物体の通過を防止する側面92を有する。この側面(および頂面94も液体の通過を可能にするが固体は通過できない)は、穿孔または何らかの網などのあらゆる適切な形を取ってもよい。
【0019】
ケージ92内には、臭気が折畳式小便器10に入ること、また折畳式小便器10が配置された部屋に拡大して考えると、下水道に繋がる管に入ること、
図13の矢印の方向に入ることを防止するための機構96がある。ピンポン玉の重量と同様の略球形のボール98が、出口管86の制限された直径部上に配置された封止100上を封止するように適合される。この位置では、ボール98および好ましくはOリングの形であってもよい封止100の組合せにより、前述の臭気が管86を通過しチャンバ28、本体12および折畳式小便器10に入るのを防止する。しかし液体がチャンバ28に入りケージ92を通過するとき、液体はボール98を持ち上げることにより、液体はボール98と封止100との間を通って管86に入ることができる。
【0020】
筐体102(
図4および5)は、小便器10の本体12の背面上にノズル82の付近に配置される。筐体102は、クリップまたはネジによって取り付けられたカバー板46を有し、折畳式小便器10のための作動システムの様々な要素を作動するプリント回路基板を含み、その要素は、本体12の頂部に配置され、折畳式小便器10の内部を照らすように適合されたライト104、近距離センサ106および長距離センサ108を備えてよい。近距離センサ106および長距離センサ108は可視であり、本体12(
図1、2、3および7)の正面上部で作動する。好ましくは柔らかい光を生成するライト104の作動およびセンサの作動は、本明細書で後述する。アクチュエータ78、洗浄水弁、および折畳式小便器10を作動するシステムのあらゆる他の態様は、筐体102内のプリント回路基板(PCB)内に接続され、筐体102はその中に収納されたセンサ106,108を含み、筐体102はまた回路および折畳式小便器10システムの最適な作動のためにマイクロプロセッサなどを備えてよい。
【0021】
図11は、本体12、および折畳式小便器10に外観の良さを提供し、実用的な目的の働きをし、さほど美観に優れていない本体12のあらゆる要素を覆うために本体12に固定されることが望ましいカバー110を示す。カバー110は開口部112を有し、カバーが本体12に取り付けられると、近距離センサ106および長距離センサ108が作動できるために、開口部112は近距離センサ106および長距離センサ108と位置合わせされる。
図12は、トレイ14、および小便器10にも外観の良さを提供するためにトレイ14のためのカバー114を示す。好ましくは本体12およびトレイ14はプラスチック材料から形成され、カバー110,114は美観に優れた艶出し仕上げの高品質のプラスチック材料から、またはブラシ、研磨およびパターン仕上げなどのクロムもしくはステンレス鋼から形成されてもよい。カバー110,114がプラスチック材料から形成される場合、カバー110,114は本体12およびトレイ14のそれぞれに熱溶接されることが望ましい。
【0022】
折畳式小便器10は以下の手法で作動するようにプログラミングされてもよく、その手法は本発明の好ましい実施形態による折畳式小便器10の一連の作動を説明する。この説明に関連して、用語「アクチュエータの過負荷」とは、アクチュエータがトレイ14を「使用の準備が整っている」もしくは「使用」位置に完全に開くことができない、またはトレイ14を「待機」位置に完全に閉じることができないことが検出された状況として定義される。これはトレイ14が完全に開くまたは完全に閉じることを阻む何らかの障害によることがある。
【0023】
待機モードでは、トレイ14は「使用されない」位置にあり、閉じており本体12と同一平面にある。誰かが近距離センサ106の所定の範囲内(好ましくは手または人体の他の部分が約130mmまでの距離に)接近すると、センサはその人物の存在を検出し、その結果ライト104にスイッチが入り、トレイ14が「使用」位置に開く。次いで小便器10が使用可能になる。この手段は、折畳式小便器10が暗室で使用でき、小便器を使用するために部屋の照明を点ける必要がないことがあることを理解されたい。別法として、部屋の照明がついている場合にライトにスイッチが入らないようにシステムをプログラミングしてもよい。これは折畳式小便器10の作動システムのプリント回路基板に結合された光検出手段を必要とする。
【0024】
男性が小便器10を使用しようとして、小便器10に接近し長距離センサ108の所定の距離の範囲内に入ると、小便器10は
図1の「使用の準備が整っている」位置になる。次いで男性は開いたチャンバ28の中に排尿する。重力により、尿はチャンバ28から本体部12の基部16に流れ落ち、出口18を通って下水道などに出る。
【0025】
また長距離センサ108は所定の検出範囲、好ましくは約500mmまでの距離)を有する。しかし万一アクチュエータの過負荷がアクチュエータ過負荷検出器によって検出されると、トレイ14が閉じ、ライト104が3回点滅する。これにより小便器10は待機モードに戻る。過負荷が検出されない場合は、システムは近距離センサ106および長距離センサ108からのすべての信号を所定の時間、例えば2分間無視する。その時間の後、長距離センサ108は照合され、動きが検出されない場合は、トレイ14は閉じる。動きが長距離センサ108によって検出された場合は、システムはさらに所定の時間、例えば1分遅延し、長距離センサ108は再度照合される。動きが再度検出された場合、システムは再度所定の時間遅延し、長距離センサ108の照合がセンサの範囲内に動きを示されなくなるまでこれを繰り返す。
【0026】
長距離センサ108の検知が何らの動きを示さないときは、トレイ14は閉じる。アクチュエータの過負荷が検出された場合、トレイ14は再度即座に閉じ、ライト104が3回点滅する。アクチュエータの過負荷が検出されない場合は、ライト104は第3の所定の時間、例えば2秒後にスイッチが切られる。次いでシステムはさらなる所定の時間、例えば3秒間待機し、次いでスプレーノズル80を通る洗浄水の流れを制御するソレノイド作動弁が、別の所定の時間、例えば10分間作動される。次いで小便器10は再度待機モードになる。この変動においてセンサ106,108は有効な運動検出センサであることに留意されたい。
【0027】
折畳式小便器10の作動の別法が
図7および
図14の流れ図に示されている。この方法は赤外線センサを使用し、これは
図7では68,106,108を指す。このような赤外線センサは従来の設計からなり、物または人が動くか否かに関わらず、所定の距離の範囲内で折畳式小便器10の正面における物または人の存在を検出し、その結果プリント回路基板は折畳式小便器10の「待機」モードから「使用の準備が整っている」モードに変更を始める。2つのセンサ要素106,108が使用される場合、2つのセンサ要素106,108は赤外線光発信器であってもよく、赤外線検出器は68と示されている。これらの発信器106,108、ならびに受信器68は、筐体102内のPCBに直接連結され、好ましくは筐体102と着色された赤外線にふさわしい窓(図示せず)、好ましくはプラスチック材料との間にOリングなどの封止を備え、各要素106,108および68の連結を包囲して要素間の赤外線光の反射を防ぎ、それによって干渉を除去する。この窓は好ましくは赤外線光の通過を可能にすることができる一方、折畳式小便器10の使用者に着色された外観を示すことが。
【0028】
赤外線センサは本明細書に先に説明された近距離センサおよび長距離センサの両方の上に物または人の有無を検出するようにプログラミングできる。その作動の一部として、プリント回路基板は、
図14の流れ図に示された一連の作動の一部として、近距離検出と長距離検出との間で変えることができる。
【0029】
本発明の前述の実施形態は自動操作として説明したが、折畳式小便器10が手動で操作される、または部分的に手動で操作され、部分的に自動でも操作されることが完全に可能である。トレイ14は、制御回路の一部である押しボタンを押すことにより手動で開閉されることが可能であり得るが、次いで小便器10は前に説明されたように作動してもよい。別法として小便器10は完全に手動で操作されてもよく、手動操作はボタン操作によりトレイ14を開閉し、ライト104のスイッチをオン・オフし、洗浄スプレーノズル80を作動させる。
【0030】
好ましくは折畳式小便器10の正面全体は、クロムのプラッシュ仕上げ、光沢プラスチック材料、またはステンレス鋼仕上げなどを有してもよい。
【0031】
本発明の折畳式小便器は多くの利点を有することがわかる。折畳式小便器は、小型で浴室またはトイレの場所をほとんど取らない。折畳式小便器は、住居または構成などで他の人を起こさないように静かな洗浄を提供できる。浴室の照明を点ける必要がなく、したがって他の人を起こさない。小便器10は水を有効利用し、数秒間小さいスプレーノズル80に使用するだけである。便座上に排尿されることが決してなく、便座が上がったままであることも決してないことは、女性には好ましい。
【0032】
加えて、洗浄に消費される水は、住居に設置するタイプの従来の座式便器を男性の排尿に使用されるときに使用されるわずかな水のみである。折畳式小便器10は、トレイ14が陰嚢の下に接近しているので、排尿の逸脱によりトイレまたは浴室に尿がこぼれる可能性は非常に少ないという点でより衛生的である。また折畳式小便器10を操作する自動システムのため、男性はファスナーを閉め忘れる可能性がほとんどなくなり、小便器10または洗浄機構を作動するためにボタンに一切触れる必要がないので、より衛生的である。
【0033】
本発明の小便器10は、家庭用浴室、ホテル/モーテルの部屋、客室、航空機、船舶、ボート、および小便器を有し、かつ空間を節約することが望ましいあらゆる他の状況における浴室に適している。
【0034】
設置される際に、本体12および小便器10は略垂直配向を有することが望ましい。
【国際調査報告】