特表2016-520785(P2016-520785A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-520785凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-520785(P2016-520785A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(54)【発明の名称】凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システム
(51)【国際特許分類】
   F28G 1/12 20060101AFI20160617BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20160617BHJP
   F01K 9/00 20060101ALI20160617BHJP
【FI】
   F28G1/12 A
   F01D25/00 H
   F01D25/00 R
   F01K9/00 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-505701(P2016-505701)
(86)(22)【出願日】2014年5月19日
(85)【翻訳文提出日】2015年8月11日
(86)【国際出願番号】CN2014077763
(87)【国際公開番号】WO2015131444
(87)【国際公開日】20150911
(31)【優先権主張番号】201410078002.2
(32)【優先日】2014年3月5日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515220487
【氏名又は名称】蒋 平鎖
(71)【出願人】
【識別番号】515220498
【氏名又は名称】蒋 傑玉
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】蒋 平鎖
(72)【発明者】
【氏名】蒋 傑玉
(57)【要約】
凝縮器水室と、冷却水の排水管路と、冷却水の注水管路と、ボール収集綱と、第2の分離ドアと、ゴムボールポンプと、逆止バルブとを含み、凝縮器水室の注水端は複数のパルスボール放出バルブと接続され、複数のパルスボール放出バルブはゴムボール輸送管によりボール添加室に接続され、ゴムボール輸送管と冷却水の注水管路とは、もう1つのパルスボール放出バルブにより接続され、ボール添加室は熱水排出管により循環冷却水の排水管路と接続され、熱水排出管に第3の分離ドアと熱水排出バルブが設けられ、ボール添加室の下部にゴムボール排出バルブが設けられる凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムである。該システムにより、ゴムボールシステムの運行中に再び循環冷却水システムの注水管路に入った加熱された循環冷却水の量を減少し、凝縮器の循環冷却効果を向上させることができ、パルスボール放出バルブと熱水排出バルブの開閉を逆に対応的に操作することにより、大量のゴムボールを短時間で循環冷却水の注水管路と凝縮器水室に集中的に注入し、凝縮器の熱交換管を完全に洗浄する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝縮器水室(1)と、循環冷却水の排水管路(18)と、循環冷却水の注水管路(3)とを含み、循環冷却水の排水管路(18)に漏斗式ボール収集綱(16)が設けられ、漏斗式ボール収集綱(16)はボール収集管路を介してボール添加室(9)と接続され、該ボール収集管路には、漏斗式ボール収集綱(16)からボール添加室(9)に向かう方向に沿って、第2の分離ドア(15)、ゴムボールポンプ(13)及び逆止バルブ(12)が順次設けられる凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムにおいて、凝縮器水室(1)の循環冷却水の注水端は更に並列設置された複数のパルスボール放出バルブとそれぞれ接続され、該複数のパルスボール放出バルブの他端はいずれもゴムボール輸送管(6)と接続され、ゴムボール輸送管(6)の入り口が第1の分離ドア(8)と接続され、第1の分離ドア(8)がボール添加室(9)と接続され、ゴムボール輸送管(6)と循環冷却水の注水管路(3)とは第3のパルスボール放出バルブ(5)が設けられた管路により接続され、ボール添加室(9)の頂部は熱水排出管(20)により循環冷却水の排水管路(18)と接続され、熱水排出管(20)には、循環冷却水の排水管路(18)からボール添加室(9)に向かう方向に沿って、第3の分離ドア(17)と熱水排出バルブ(19)が順次設けられ、ボール添加室(9)の下部は更に、ゴムボール排出バルブ(10)が設けられたパイプラインによりゴムボール回収筐(11)と接続されることを特徴とする凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システム。
【請求項2】
逆洗浄バルブ(7)と第1の分離ドア(8)とは並列して逆洗浄管路を形成し、該逆洗浄管路の一端がボール添加室(9)と接続され、該逆洗浄管路の他端がゴムボール輸送管(6)と接続されることを特徴とする請求項1に記載の凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システム。
【請求項3】
前記ボール添加室(9)はボール添加室ケース(21)を含み、ボール添加室ケース(21)内にT継手が設けられ、T継手の2つのポートがそれぞれボール添加室ケース(21)の側壁から伸びだし、そのうち1つのポートが逆洗浄管路の一端と接続され、もう1つのポートがゴムボール排出バルブ(10)の一端と接続され、T継手の残りのポートが上に向かって漏斗(26)の出口と接続され、漏斗(26)の入り口端がボール添加室ケース(21)の内壁と固定接続され、漏斗(26)の入り口端とボール添加室ケース(21)のトップカバーとの間のボール添加室ケース(21)の側壁に、ゴムボール添加口(29)、覗き穴(25)及びゴムボール収集口(24)が設けられ、ゴムボール収集口(24)が逆止バルブ(12)と接続され、ボール添加室ケース(21)のトップカバーにボール濾過網管(22)が垂直に取り付けられ、ボール濾過網管(22)の下端がボール添加室ケース(21)内に伸び込み、ボール濾過網管(22)の上端が熱水排出管(20)と接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システム。
【請求項4】
前記ボール濾過網管(22)は筒状のボール濾過網管本体を含み、該ボール濾過網管本体の底部付き端はボール添加室ケース(21)に伸び込み、かつ漏斗(26)内に入り、ボール濾過網管本体のボール添加室ケース(21)内にある管段の側壁と底部には、いずれも複数の長尺状のメッシュ(23)が設けられ、該ボール濾過網管本体の他端がボール添加室ケース(21)の外に伸び出し、熱水排出管(20)と接続されることを特徴とする請求項3に記載の凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システム。
【請求項5】
前記T継手は径違いT継手(27)であり、径違いT継手(27)の同径のポートは逆洗浄管路と接続され、径違いT継手(27)の径違いのポートはゴムボール排出バルブ(10)と接続されることを特徴とする請求項3に記載の凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システム。
【請求項6】
前記ボール収集管路に圧力計(14)が設けられ、圧力計(14)は第2の分離ドア(15)とゴムボールポンプ(13)との間にあることを特徴とする請求項1に記載の凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システム。
【請求項7】
熱水排出管(20)と循環冷却水の排水管路(18)との接続点は漏斗式ボール収集綱(16)の前端又は漏斗式ボール収集綱(16)の後端にあることを特徴とする請求項1に記載の凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は火力発電所での凝縮器の循環冷却水システムの技術分野に属し、凝縮器の循環冷却水システム用のゴムボール洗浄システムに関し、火力発電所での蒸気タービンの凝縮器の循環冷却水システムの洗浄に用いられる。
【背景技術】
【0002】
現有の火力発電所での蒸気タービンユニットの凝縮器の循環冷却水システムはほとんどゴムボール洗浄システムを採用した。該システムにより、凝縮器の循環冷却水熱交換管の内壁に付着した不純物と汚れをタイムリーかつ効果的に取り除き、熱交換管の内壁の清浄度を向上させることができ、それにより熱交換効率を向上させ、蒸気タービンユニットが最適な設計条件で運行することを確保でき、排気損失を減少し、熱力システムの経済性を向上させることができる。
【0003】
ゴムボール洗浄システムは主にゴムボール回収綱、ゴムボールポンプ、ボール収納室、システムバルブ及び管路等からなる。ゴムボール回収綱は凝縮器の循環冷却水システムの排水管路に設置され、凝縮器の排水側の循環冷却水に載せられたゴムボールを捕集するために用いられ、捕集されたゴムボールは、ゴムボールポンプの吸引作用で、回収綱のボール収集口とゴムボールポンプの出入管路を介してボール収納室に圧送され、更に、凝縮器の循環冷却水の注水管路に接続されるバルブ管路システムを介して、凝縮器の循環冷却水の注水管路に送入され、ゴムボールが凝縮器の循環冷却水システムの注水管路から送入され、凝縮器の循環冷却水システムの排水管路にあるボール収集綱から排出され、凝縮器の循環冷却水熱交換管の内壁に対して循環洗浄を行う過程を実現する。
【0004】
特許「火力発電所での凝縮器の循環冷却水システム用のゴムボール洗浄システム」(特許番号ZL201220516865.X、公開番号CN202885650、公開日2013.04.17)はゴムボール洗浄システムを開示し、ボール添加室に熱水排出管路が設置され、ゴムボール洗浄システムが運行する際、ボール添加室に入った熱水を循環冷却水の排水管路に排出し、ゴムボールシステムの運行過程において循環冷却水システムの注水管路に入った加熱された循環冷却水の流量を減少し、凝縮器の循環冷却効果の向上に有利である。ゴムボール放出バルブと熱水排出バルブを逆に対応的に操作することにより、該2つのバルブを間欠的に開閉し、ボール添加室のボール収集過程において、ゴムボール収集綱からボール添加室に入った加熱された循環冷却水を再び循環冷却水の排水管路に戻らせることを実現し、ボール放出過程において、大量のゴムボールを短時間で循環冷却水の注水管路に集中的に注入することを実現し、凝縮器の洗浄効果を向上させる。しかしながら、該技術にも一定の制限があり、第1点は、ボール添加室における濾過綱が冷却水におけるくずに汚染された後、洗浄が困難であることであり、第2点は、ボール添加室の容積が小さく、ボールを集中的に放出する際、より良いゴムボール蓄積領域に対する制御が必要であることであり、第3点は、従来のシステムでは、凝縮器の冷却管を比較的十分に洗浄できるが、一定のデッドスペースが存在することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムを提供することであり、該システムにおいて、ボール添加室に収容されたゴムボールの数はより多く、洗浄用ゴムボールのボール添加室での分布は輸送に更に有利であり、冷却水におけるくずはボール添加室の内部の濾過綱に詰まることがなく、また、ゴムボールポンプの出口に逆止バルブが増設され、ゴムボールポンプの逆転を防止し、最も重要なのは、ボール放出バルブの配置がより柔軟になり、凝縮器水室の冷却管に対する完全な洗浄を実現でき、ゴムボール洗浄システムはより高い信頼性を有し、かつより効率的になることである。
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術的手段を採用する。凝縮器水室と、循環冷却水の排水管路と、循環冷却水の注水管路とを含み、循環冷却水の排水管路に漏斗式ボール収集綱が設けられ、漏斗式ボール収集綱はボール収集管路によりボール添加室と接続され、該ボール収集管路には、漏斗式ボール収集綱からボール添加室に向かう方向に沿って、第2の分離ドア、ゴムボールポンプ及び逆止バルブが順次設けられ、凝縮器水室の循環冷却水の注水端は更に、並列設置された複数のパルスボール放出バルブとそれぞれ接続され、該複数のパルスボール放出バルブの他端はいずれもゴムボール輸送管と接続され、ゴムボール輸送管の入り口は第1の分離ドアと接続され、第1の分離ドアはボール添加室と接続され、ゴムボール輸送管と循環冷却水の注水管路とは第3のパルスボール放出バルブが設けられた管路により接続し、ボール添加室の頂部は熱水排出管により循環冷却水の排水管路と接続され、熱水排出管には、循環冷却水の排水管路からボール添加室に向かう方向に沿って、第3の分離ドアと熱水排出バルブが順次設けられ、ボール添加室の下部は更に、ゴムボール排出バルブが設けられたパイプラインによりゴムボール回収筐と接続される、凝縮器におけるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムである。
【0007】
逆洗浄バルブは第1の分離ドアと並列して逆洗浄管路を形成し、該逆洗浄管路は、一端がゴムボール輸送管と接続され、他端がボール添加室と接続される。
【0008】
前記ボール添加室はボール添加室ケースを含み、ボール添加室ケース内にT継手が設けられ、T継手の2つのポートはそれぞれボール添加室ケースの側壁から伸び出し、そのうち一つのポートが逆洗浄管路の一端と接続され、もう1つのポートがゴムボール排出バルブの一端と接続され、T継手の残りのポートが上に向かって漏斗の出口と接続され、漏斗の入り口端がボール添加室ケースの内壁と固定接続され、漏斗の入り口端とボール添加室ケースのトップカバーとの間のボール添加室ケースの側壁に、ゴムボール添加口、覗き穴及びゴムボール収集口が設けられ、ゴムボール収集口は逆止バルブと接続され、ボール添加室ケースのトップカバーにボール濾過網管が垂直に取り付けられ、ボール濾過網管の下端がボール添加室ケース内に伸び込み、ボール濾過網管の上端が熱水排出管と接続される。
【0009】
前記ボール濾過網管は筒状のボール濾過網管本体を含み、該ボール濾過網管本体の底部付き端はボール添加室ケースに伸び込み、かつ漏斗内に入り、ボール濾過網管本体のボール添加室ケース内に位置する管段の側壁と底部には、いずれも複数の長尺状のメッシュが設けられ、該ボール濾過網管本体の他端はボール添加室ケースの外に伸び出し、熱水排出管と接続される。
【0010】
前記T継手は径違いT継手であり、径違いT継手の同径のポートはゴムボール輸送管路と接続され、径違いT継手の径違いのポートはゴムボール排出バルブと接続される。
【0011】
前記ボール収集管路に圧力計が設けられ、圧力計は第2の分離ドアとゴムボールポンプとの間にある。
【0012】
本発明にかかるゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムのボール添加室に熱水排出管路が設置され、ボール添加室に入った熱水を循環冷却水の排水管路に排出し、ゴムボールシステムの運行過程において再び循環冷却水システムの注水管路に入った加熱された循環冷却水の量を減少し、凝縮器の循環冷却効果の向上に有利である。熱水排出バルブと、循環冷却水の注水管路及び凝縮器水室に連通するパルスボール放出バルブとを要求に従って対応的に操作することにより、大量のゴムボールが循環冷却水の注水管路と凝縮器水室に集中的に入ることを実現し、凝縮器水室の熱交換管に対する完全な洗浄を完成する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は従来のゴムボール洗浄システムの原則的システム図である。
図2図2は本発明のゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムの原則的システム図である。
図3図3は本発明のゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムにおけるボール添加室の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面と具体的な実施形態を参照しながら本発明を詳しく説明する。
【0015】
既知の特許「火力発電所での凝縮器の循環冷却水システム用のゴムボール洗浄システム」(特許番号ZL201220516865.X、公開番号CN202885650U、公開日2013.04.17)に開示された図1に示すようなゴムボール洗浄システムは、凝縮器水室1を含み、凝縮器水室1は循環冷却水の注水管路3と循環冷却水の排水管路18にそれぞれ連通され、循環冷却水の排水管路18に漏斗式ボール収集綱16が設けられ、漏斗式ボール収集綱16のボール収集口は管路によりボール添加室9のボール入り口と連通され、該管路には、漏斗式ボール収集綱16からボール添加室9に向かう方向に沿って、第2の分離ドア15、ゴムボールポンプ13及び逆止バルブ12が順次設けられ、ボール添加室9のボール出口はパイプラインにより循環冷却水の注水管路3と連通され、該パイプラインに第3のパルスボール放出バルブ5が設けられ、ボール添加室9のボール出口は更にゴムボール排出バルブ10が設けられた管路と接続され、ボール添加室9の熱水排出口は熱水排出バルブ19が設けられた管路により循環冷却水の排水管路18と連通される。
【0016】
特許「火力発電所での凝縮器の循環冷却水システム用のゴムボール洗浄システム」において、ボール添加室9内のゴムボールは循環冷却水の注水管路3に集中的に送入され、凝縮器の熱交換管に対する広範囲の洗浄を実現する。同時に、ボール添加室9のボール収集時期内に、ボール添加室9に入った温度の高い循環冷却水を循環冷却水の排水管路18に排出し、ゴムボールとともに循環冷却水の注水管路3に入った高温水の量を減少し、それにより凝縮器の冷却効果を効果的に向上させる。しかし、該ゴムボール洗浄システムには、循環冷却水におけるくずがボール添加室9の内部にある漏斗の表面に詰まりやすく、かつ洗浄し難く、ボール添加室の内部空間が小さく、ゴムボールのボール添加室9内での均一な分布に不利であり、ボール添加室9の出口のボール放出バルブが循環冷却水の注水管路のみと連通され、凝縮器水室の熱交換管に対する完全な洗浄を実現できず、循環冷却水における大きな粒状くずに対する捕集と除去に対して、明確に設計しておらず、ゴムボール洗浄システムの正常運行を妨げる恐れがあるという問題が存在する。このため、本発明は、従来のゴムボール洗浄システムに存在する問題を克服するために、図2に示すようなゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムを提供する。
【0017】
本発明のゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムは凝縮器水室1を含み、凝縮器水室1の循環冷却水の排水端は循環冷却水の排水管路18と接続され、凝縮器水室1の循環冷却水の注水端は第1のパルスボール放出バルブ2の一端、循環冷却水の注水管路3の一端及び第2のパルスボール放出バルブ4の一端とそれぞれ接続され、循環冷却水の排水管路18に、漏斗式ボール収集綱16が更に設けられ、漏斗式ボール収集綱16には、特許「新規漏斗式ゴムボール回収綱」(特許番号ZL201220297329.5、公開番号CN202734668、公開日2013.02.13)を採用し、漏斗式ボール収集綱16はボール収集管路によりボール添加室9と接続され、該ボール収集管路には、漏斗式ボール収集綱16からボール添加室9に向かう方向に沿って、第2の分離ドア15、圧力計14、ゴムボールポンプ13及び逆止バルブ12が順次設けられ、第1のパルスボール放出バルブ2の他端と第2のパルスボール放出バルブ4の他端はいずれもゴムボール輸送管6と接続され、ゴムボール輸送管6の入り口は第1の分離ドア8によりボール添加室9と接続され、ゴムボール輸送管6と循環冷却水の注水管路3とは第3のパルスボール放出バルブ5が設けられた管路により接続され、ボール添加室9の下部は更に、ゴムボール排出バルブ10が設けられたパイプラインによりゴムボール回収筐11と接続され、ボール添加室9の頂部は熱水排出管20により循環冷却水の排水管路18と接続され、熱水排出管20と循環冷却水の排水管路18との接続点は漏斗式ボール収集綱16の前端又は後端に任意に配置されることができる。熱水排出管20には、循環冷却水の排水管路18からボール添加室9に向かう方向に沿って、第3の分離ドア17と熱水排出バルブ19が順次設けられる。
【0018】
図3に示すように、本発明のゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムにおけるボール添加室9は、ボール添加室ケース21を含み、ボール添加室ケース21内に径違いT継手27が設けられ、径違いT継手27の2つのポートはそれぞれボール添加室ケース21の側壁から伸び出し、そのうち同径のポートが第1の分離ドア8と接続され、径違いのポートがゴムボール排出バルブ10の一端と接続され、径違いT継手27の残りのポートが上に向かって漏斗26の出口と接続され、漏斗26の入り口端がボール添加室ケース21の内壁と固定接続され、漏斗26の入り口端とボール添加室ケース21のトップカバーとの間のボール添加室ケース21の側壁に、ゴムボール添加口29、覗き穴25及びゴムボール収集口24が設けられ、ゴムボール収集口24は逆止バルブ12と接続され、ボール添加室ケース21のトップカバーにボール濾過網管22が垂直に取り付けられ、ボール濾過網管22は筒状のボール濾過網管本体を含み、該ボール濾過網管本体の底部付き端がボール添加室ケース21に伸び込み、かつ漏斗26内に入り、ボール濾過網管本体のボール添加室ケース21内に位置する管段の側壁と底部には、いずれも複数の長尺状のメッシュ23が設けられ、該ボール濾過網管本体の他端がボール添加室ケース21の外に伸び出し、熱水排出管20と接続される。
【0019】
以下、図2を例として、本発明のゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムの作業プロセスを説明する。天然の河川や湖から取った循環冷却水であれ海から取った循環冷却水であれ、いずれも一定量の大きな粒状くずが水で存在する。循環冷却水は洗浄機6によりろ過された後、水における大きな粒状くずが捕集されて除去され、循環冷却水の注水管路3を介して凝縮器水室1に入り、熱を吸収した後の循環冷却水は、循環冷却水の排水管路18を介して冷却塔又は自然水域に送入されて放熱した後、圧送により再び循環冷却水システムに入り、以上は循環冷却水システムの運行プロセスである。
【0020】
循環冷却水に載せられた土砂などの懸濁物質又は高濃度の塩分が凝縮器水室における冷却管の内部で堆積して垢になった後に熱交換効果に影響することを防止するために、冷却管の内部を洗浄する必要がある。ゴムボール洗浄システムは、通常の洗浄方式として、循環冷却水の注水管路と、排水管路と、凝縮器水室とからなるシステムに配置される。
【0021】
本発明のゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムの運行方式は以下のとおりである。
【0022】
ゴムボール洗浄システムの待機状態:ボール添加室ケース21にあるゴムボール添加口29を開け、十分な数の浸透後の合格のゴムボールを添加し、ゴムボール添加口29を閉じ、この際、ゴムボール洗浄システムは待機状態にある。順次、漏斗式ボール収集綱16を操作して作動位置にし、ゴムボール排出バルブ10と逆洗浄バルブ7を閉じ、第1の分離ドア8、第2の分離ドア15及び第3の分離ドア17を開け、ゴムボールポンプ13を起動させ、熱水排出バルブ19を開け、この際、ゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムにおいて、循環冷却水が漏斗式ボール収集綱16のボール収集口から第2の分離ドア15、ゴムボールポンプ13及び逆止バルブ12を流れ、ボール添加室9にあるゴムボール収集口24を介してボール添加室9の内部に流入し、メッシュ23を介してボール濾過網管22内に流入し、そして、熱水排出管20に流入し、順次熱水排出バルブ19と第3の分離ドア17を流れて循環冷却水の排水管路18に戻って排出される循環を形成し、この循環はボールの収集過程であり、この過程において、漏斗式ボール収集綱16内に収集されたゴムボールは循環冷却水に従ってボール添加室9の内部に入った後、ボール濾過網管22で捕集されてボール添加室ケース21の内部に残留し、大部分のゴムボールは水流の作用でボール濾過網管22の管壁に均一に付着し、ボール収集過程中に、熱水排出バルブ19を閉じるとともに、迅速に第1のパルスボール放出バルブ2、第2のパルスボール放出バルブ4又は第3のパルスボール放出バルブ5のうちのいずれか一つを開け、この際、該ゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムにおいて、循環冷却水が漏斗式ボール収集綱16のボール収集口から流出し、順次第2の分離ドア15、ゴムボールポンプ13及び逆止バルブ12を流れ、ボール添加室9にあるゴムボール収集口24を介してボール添加室9の内部に入り、ボール濾過網管22の管壁に付着した大量のゴムボールが漏斗26、径違いT継手27及び第1の分離ドア8を流れ、ゴムボール輸送管路29に沿って3つのパルス式ボール放出バルブのうちのいずれか一つの開けられたパルス式ボール放出バルブを介して凝縮器水室1内に集中的に入り、凝縮器水室の広範囲の冷却管内壁を洗浄し、その後、ゴムボールが凝縮器水室1から流出して循環冷却水の排水管路18に流入し、漏斗式ボール収集綱16で捕集され、順次循環して凝縮器冷却管の内壁を洗浄する循環を形成する。洗浄過程において、熱水排出バルブ19を開けるとともに、前記開けられたパルスボール放出バルブを閉じ、多点集中ボール放出システムにおいて運行するゴムボールはボール添加室9内のボール濾過網管22の周囲に集中的に収集され、この際、多点集中ボール放出システムはボール収集過程にある。
【0023】
該ゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムのボール収集過程において、第1のパルスボール放出バルブ2、第2のパルスボール放出バルブ4及び第3のパルスボール放出バルブ5のうちの任意の2つを同時に開けてもよいし、第1のパルスボール放出バルブ2、第2のパルスボール放出バルブ4及び第3のパルスボール放出バルブ5を同時に開けてもよい。
【0024】
上記プロセスはPLCで制御されてもよく、必要に応じてそれぞれ異なる洗浄過程を設計し、ゴムボールを凝縮器水室1の内部の異なる部位に集中的に注入し、ゴムボール洗浄の多点集中ボール放出により凝縮器冷却管の内壁を完全に洗浄することを実現する。
【0025】
数回の洗浄過程を完成した後、該ゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムはある回のボール収集過程に入る際、漏斗式ボール収集綱16を操作して非作動状態にし、ゴムボールポンプ13をオフにし、熱水排出バルブ19を閉じ、この際、該多点集中ボール放出システムは待機状態に入る。
【0026】
ゴムボール排出バルブ10はゴムボール洗浄システムが停止する場合のみに開けられ、ボール添加室9内のゴムボールを排出する。ゴムボールを更新する必要がある場合、ゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムが待機状態にある状態で、ゴムボール排出バルブ10を開けた後、ボール添加室9の内部にあるゴムボールは水流に従って、径違いT継手27とゴムボール排出バルブ10を介してボール添加室9から排出され、ゴムボール回収筐11内に収集される。ボール添加室9の内部にあるゴムボールを徹底的に排出するために、本発明のゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムにおいて逆洗浄管路が設置され、該逆洗浄管路は第1の分離ドア8と該第1の分離ドア8と並列する逆洗浄バルブ7とからなり、該逆洗浄管路の一端がボール添加室9と接続され、他端がゴムボール輸送管6と接続される。本発明のゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムはボール収集状態とボール放出状態にある際、逆洗浄バルブ7が閉じており、システムが正常に作動する。ゴムボール洗浄の多点集中ボール放出システムは待機状態にある際、ボール添加室9内のゴムボールを徹底的に排出するために、この際、任意の1つのパルスボール放出バルブを開けるとともに洗浄バルブ7を開け、循環冷却水の注水管路3での冷却水は逆にゴムボール輸送管6に流入し、径違いT継手27に入り、径違いT継手27を洗浄し、ボール添加室9の内部には不合格のゴムボールが残留しないことを保証する。
【0027】
凝縮器水室1の管板構造により、凝縮器水室1の注水端のケースに異なる数のゴムボール送入口を配置し、ゴムボール送入口毎に1つのパルスボール放出バルブを取り付けることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 : 凝縮器水室
2 : 第1のパルスボール放出バルブ
3 : 循環冷却水の注水管路
4 : 第2のパルスボール放出バルブ
5 : 第3のパルスボール放出バルブ
6 : ゴムボール輸送管
7 : 逆洗浄バルブ
8 :第1の分離ドア
9 :ボール添加室
10 : ゴムボール排出バルブ
11 : ゴムボール回収筐
12 : 逆止バルブ
13 : ゴムボールポンプ
14 : 圧力計
15 : 第2の分離ドア
16 : 漏斗式ボール収集綱
17 : 第3の分離ドア
18 : 循環冷却水の排水管路
19 : 熱水排出バルブ
20 : 熱水排出管
21 : ボール添加室ケース
22 : ボール濾過網管
23 : メッシュ
24 : ゴムボール収集口
25 : 覗き穴
26 : 漏斗
27 : 径違いT継手
28 : ゴムボール放出バルブ
29 : ゴムボール添加口
図1
図2
図3
【国際調査報告】