(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
関連する健康およびウェルネス情報を獣医へ表示するためのシステムおよび方法が述べられている。健康およびウェルネス情報は、バイタル・サイン情報を提供するウエアラブル・デバイスをはじめ、獣医の記録からの情報から到来し得る。健康およびウェルネス情報は、さらに、バイタル・サイン情報、生理学的兆候の情報をはじめ、サードパーティからの情報に基づいて導出される情報を含み得る。
前記グラフィック表示は、さらに時間コントロールを包含し、それにおいて前記時間コントロールがユーザによって操作されると、前記グラフィック表示が、時間にわたる前記第1の動物のバイタル・サインにおける変化を表示する、
請求項6に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の多様な実施態様の説明においては、これの一部を形成する添付図面を参照するが、それらは、図解により本発明が実施され得る多様な実施態様を示している。理解されるものとするが、本発明の範囲からの逸脱を伴うことなく、このほかの実施態様が利用されること、また構造上および機能上の修正が行なわれることはあり得る。
【0012】
全般概要
この開示の態様は、動物によって装着される、動物の1つまたは複数の状態および/またはそれの環境を監視するための1つまたは複数のセンサを含むデバイスに指向されている。いくつかの実施態様においては、そのデバイスを首輪、ハーネス、またはそのほかの、人間(たとえば、ペットの飼い主)によって動物に装着されるデバイスとすることができる。ウエアラブル・デバイスは、たとえば1つまたは複数のセンサおよびこの中に述べられているとおりのデータの送信に使用される1つまたは複数の構成要素を含めた複数の構成要素を含み得る。たとえば、いくつかの実施態様においては、ウエアラブル・デバイスが、動物、それの位置、およびそれの環境についての情報を獲得するための複数の接触、半接触、および非接触のセンサを含み得る。
【0013】
この開示の追加の態様は、種々のセンサの分析に指向されている。この出願の目的のため、ここでは、センサの分析が行なわれる少なくとも2つの部位を説明する。第1には、ウエアラブル・デバイスがセンサ・データを分析できる。第2には、リモート・データ管理システム(ここでは、『DMS』と呼ぶ)がセンサからの情報を処理できる。それに加えて、DMSは、それらのセンサからの情報を、ウエアラブル・デバイスの直近の補助センサ(ほかのデバイスに取り付けられたスタンドアロンの1つまたは複数のセンサ、たとえば、スマートフォンに取り付けられるか、その一部となるセンサを含む)からの情報を含むウエアラブル・デバイス以外のソースからの追加の情報に関連して処理できる。さらにDMSは、動物の飼い主が自分自身の観察に基づいて具体的な情報を入力した彼らからの情報を受信できる。それに加えてDMSは、ウエアラブル・デバイスに局所的な周囲の天候状態に関係するRSSフィードを含めたサードパーティからの情報をはじめ、サードパーティの獣医またはそのほかのサービス・プロバイダからのデータを受信できる。認識されるものとするが、いくつかの実装においては、センサが1つの場所においてのみ分析されるか、または3またはそれを超える数の場所において分析されるとし得る。健康監視システムは、さらに、たとえばコンパニオン・ウェブ/モバイル・ベースのアプリケーション、電話コール・センタの活動/テレプロンプト等を通じて収集される飼い主による動物の観察を使用できる。飼い主の観察は、測定済みの事象(たとえば、ウエアラブル・デバイス101および/または1つまたは複数の外部センサによって測定される事象)の確証を強め、現在生じている偽陽性および偽陰性のレートを下げる補助となり得る。たとえば、いくつかの実施態様においては、健康監視システムが、視野内のあらかじめ識別済みのマーカを用いて動物を横切るようにモバイル・デバイスと一体のモバイル・カメラを振り動かすことを飼い主に指示するモバイル体重/サイズ・モバイル・デバイス・アプリケーションを含み得る。このアクションから導出される前処理済みのデータは、その後、DMSへ上げられ、それにおいてその動物の体重およびサイズが導出され得る。その種のデータは、その後、その動物の記録に追加される。飼い主が記録する、そのほかの重要な観察には、摂取カロリー、尿中の血液、黒色便、口臭、多渇、顔面周囲の皮膚の白斑、動物の性癖の記録等の観察項目を含め得る。たとえば、摂取カロリーは、どれくらいの期間にわたってどのような食餌がどの程度消費されたかを飼い主が識別する、コンピュータまたはスマートフォン上で実行されるアプリケーションを通じて飼い主によって監視され得る。
【0014】
さらに、ここではウエアラブル・デバイスから離れて位置するとして記述されているが、DMSは、それぞれスマートフォンおよびウエアラブル・デバイスの処理能力に基づいて飼い主のスマートフォン上にあるとすること、またはウエアラブル・デバイス上にあるとすることができる。これらの代替実施態様においては、『DMS』が、それ自体の、ウエアラブル・デバイスのセンサ以外のソースからのコンテントを受信する能力、および追加受信する特定の動物のコンテントを処理し、飼い主および/または獣医へ転送する能力によって識別される。これらのDMSの代替実施態様は、この中で特に除外されていない限り、『データ管理システム』の範囲内であると見なされる。たとえば、ウエアラブル・デバイスがDMSであると見なされる場合は、ウエアラブル・デバイスが、それ自体のセンサからのデータをはじめ、そのウエアラブル・デバイス上に配置されていないいずれかのセンサからの情報および/または飼い主、獣医、またはサードパーティによって提供される追加のコンテントを受信することになる。
【0015】
さらに、獣医は、品種、年齢、体重、既存の医学的状態、疑われる医学的状態、予約応諾および/またはスケジュール、現在ならびに過去の投薬治療等を含む情報をDMS 301へ提供できる。
【0016】
この開示の目的のため、いくつかのセンサが特定タイプのセンサとして記述されているのに対し、そのほかのセンサはより一般的に記述されている。たとえば、この明細書では、位置情報を提供するGPSユニットの使用を記述しているが、そのほかのGLONASS(グロナス)、Beidou(バイドゥ)、Galileo(ガリレオ)、および衛星ベースのナビゲーション・システムを含めた位置識別システムが等しく利用可能であると見なされる。同様に、この明細書では、GSM周波数を使用するGSMトランシーバの使用を記述しているが、GSMトランシーバに代えて、またはそれに加えてそのほかのセルラ・チップが容易に使用され得る。たとえば、そのほかのタイプのトランシーバは、UMTS、CDMA、AMPS、GPRS、CDMA(および、その異型)、DECT、iDEN、およびそのほかのセルラ・テクノロジを含み得る。
【0017】
また、この開示の目的のため、多様なセンサおよびセンサの組合せがウエアラブル・デバイス上に共同配置されるとして述べられている。しかしながら、多様な状況においては、1つまたは複数のセンサが、特定バージョンのウエアラブル・デバイス内においてまったく使用されないことがあり得る。たとえば、動物病院の回復病棟内において術後のみに使用されるウエアラブル・デバイスのバージョンのためにはGPS関連のセンサが有用でないことがあり得る。獣医がすでに動物の位置を承知している場合には、正確な位置情報が必要ないことから(または、室内では使用可能でさえないことから)、GPSセンサをディセーブルしたバージョンまたはそれが含められてさえいないバージョンのウエアラブル・デバイスが使用され得る。同様に、そのほかのセンサもその使用が期待されないところにおいては、このバージョンのウエアラブル・デバイス内のそれらのセンサがディセーブルされ得る(または、含められない)。たとえば、所定バージョンのウエアラブル・デバイスに、ビーコン信号を発射するベース・ステーションとともに使用することがまったく期待されない場合には、そのバージョンのウエアラブル・デバイスにRF信号センサ(ベース・ステーションからのビーコン信号があらかじめ決定済みのスレッショルドを超えているか否かを決定するセンサ)が備えられないことがある。
【0018】
この開示の中で使用されるときの用語『コンテント』には、生データおよび導出された事象の両方を覆うことが意図されている。たとえば、この中で述べられているウエアラブル・デバイスの1つの例は、多様なセンサからの生データが連続ベースでデータ管理にアップロードされるプロファイル/動作モードを含む。別の例のウエアラブル・デバイスは、多様なセンサからの情報を前処理し、2つまたはそれより多くのセンサからの信号の組合せ(または、それの欠落)から事象情報を導出する。これらの導出済み事象は、ウエアラブル・デバイス内において導出されることから『デバイス導出事象』と呼ぶ。同様に、データ管理システムもまた、ウエアラブル・デバイスからの生データのみ、デバイス導出事象のみ、または両方の組合せを使用して、ウエアラブル・デバイスからのコンテントから事象(ここでは、『DMS導出事象』と呼ぶ)を導出できる。さらにDMSは、補助またはサードパーティのセンサからのコンテントをさらに考慮に入れてDMS導出事象の確証および/またはさらなる強化をし得る。たとえば、補助またはサードパーティのセンサからのデータは、オーディオ・ファイル、画像ファイル、ビデオ・ファイル、RFID情報、およびそのほかのタイプの情報を含み得る。補助またはサードパーティのセンサからのデータとウエアラブル・デバイスからのデータ/デバイス導出事象の相関を補助するため、補助またはサードパーティのセンサからのデータは、タイムスタンプを含み得る。それらのタイムスタンプは、データ管理システムが、補助またはサードパーティのセンサからのデータを、あたかもそのデータがウエアラブル・デバイスからのデータ/デバイス導出事象の一部であるかのように使用することを可能にする。さらに、ウエアラブル・デバイスとDMSとサードパーティ(をはじめサードパーティのデバイス)の間で交換される情報は、業界標準のセキュリティ、認証、および暗号化テクニックを伴って提供され得る。
【0019】
ウエアラブル・デバイス
図1は、この開示のいくつかの態様に従ったウエアラブル・デバイス101およびそれの構成要素の概要である。ウエアラブル・デバイス101は、たとえば、超広帯域(UWB)トランシーバおよびそのほかの、少なくとも
図13−17の中にあり、ここで述べられているセンサ等のいくつかの内部構成要素を含み得る。
図1においては、それらのセンサが、センサ・タイプA−F 110、111、112/113、114、および115として示される多様なセンサ・タイプに分類できるとして表わされている。
図1には分けて示されていないが、この中ではこれらのセンサが、しばしばN1からNmとして参照され、それにおいてmは、ウエアラブル・デバイス101内に含まれるセンサの総数である。
【0020】
図1に示されているとおり、ウエアラブル・デバイス101は、ファームウエア102、オペレーティング・システム103、アプリケーション104を伴うプロセッサ100(または、この分野で周知のとおり、複数プロセッサ)を含む。またウエアラブル・デバイス101は、ストレージ105(たとえば、ソリッド・ステート・メモリ、フラッシュ・メモリ、ハード・ディスク・ドライブ等)も含み得る。さらにウエアラブル・デバイスは、1つまたは複数のRF無線、Wi−Fi無線、ブルートゥース(Bluetooth)無線、および/またはセルラ無線トランシーバ107を含み得る。ウエアラブル・デバイス101は、さらに、ローカル入力/出力接続(たとえば、USB、光、誘導、イーサネット、Lightening(ライトニング)、Fireire(ファイヤワイヤ)、状態ランプまたは表示器等)108、およびバッテリ109を含み得る。ここでの目的のため、ローカル入力/出力接続108および無線トランシーバ107(1つまたは複数)は、概して『出力』と考えられるが、それらの情報は、飼い主または獣医へ直接(
図6の発音器/状態ランプ/表示器604を介して)、スマートフォンへ直接(セルラ、ブルートゥース、Wi−Fi、またはそのほかの通信経路を介して)、またはDMSを通じて伝えられ得る。
【0021】
センサ・タイプA−Fに関して言えば、センサ・タイプA 110は、センサ入力116を有し、そのほかの内部構成要素を伴わないタイプのセンサ(たとえば、極端に単純化したフォトダイオード)を参照する。センサ・タイプB 111は、センサ・タイプB内に含まれるセンサ入力117およびプロセッサ118およびストレージ119を伴うセンサを参照する。これにおいては、センサ・タイプB 111が、センサ入力117からのデータを(少なくとも一時的に)ストアし、データを処理し、より意味のある結果をプロセッサ100へ提供できる。たとえば、センサB 111は、誘電物質(たとえば、心筋またはそのほかの筋肉)の動きに基づいて心臓活動等を監視するためのUWBデバイスとし得る。プロセッサ118は、UWBの動作のコントロールおよび結果の解釈を行なうことができる。心肺活動の監視に加えて、UWB構成部は、深部体温決定のため、およびこの分野で周知のとおり、通信トランシーバとしてネットワークとの通信のため、近距離、広帯域通信のために使用できる。
【0022】
さらに、破線113によって示されているとおり、オプションとして、プロセッサ118がストレージ105への直接書き込みおよび/またはそこからの直接読み出しを行なうポイントに対して、ストレージ119をストレージ105(プロセッサ100とプロセッサ118の間において共有される)と関連付けできる。センサ・タイプC 112およびセンサ・タイプD 113からの生データは、プロセッサ100へのそのデータの送信前にプリプロセッサ120によって処理される。プリプロセッサ120は、データの訂正/調整/増強を行なう任意タイプの周知のプロセッサとし得る。たとえばプロセッサ120は、アナログ・デジタル・コンバータ、アナログまたはデジタル・フィルタ、レベル訂正回路等とし得る。センサ・タイプE 114は、上で具体的に識別されてない、レーダ・ベースのシグナリングから結果を提供する任意のセンサ(RF信号強度センサ、Wi−Fi IPアドレス・ロガー等を含む)を含む。最後に、センサ・タイプF 115は、バッテリ109の充電レベルおよび温度に関係するデータを提供するバッテリ・センサを含む。
【0023】
ウエアラブル・デバイスへの入力
プロセッサ100は、多様なソースからコンテントを獲得し、それを、通信インターフェースを通じて転送するときの一般的な機能を実行する任意のこの分野で周知のプロセッサとし得る。プロセッサ100は、この中で述べている特定の機能も実行できる。通信インターフェースは、マイクロ波アンテナ、RFアンテナ、およびRFIDアンテナのうちの1つまたは複数、セルラ無線トランシーバ、および周知のハードウエア・インターフェース(たとえば、USB)を含み得る。たとえばプロセッサ100は、突発的な事象に起因する1つまたは複数のセンサからの収集データのオンデマンド送信を指示できるか、またはあらかじめ決定済みのスケジュールに従うか、または最終的にDMSと接続されてオフライン・モードでデータが収集されるときの送信を指示できる。
【0024】
オフライン・モードの動作に関して言えば、プロセッサ100は、多様なセンサ・タイプA−F 110−115から生データを受信する。次に、センサおよびそれの現在のプロファイルおよび/または動作モードに応じて、プロセッサ100は、それらのセンサからの読み値に関係するコンテントをストアする。第1の例においては、プロセッサ100が、センサからのすべての生データを単純にストアする。第2の例においては、プロセッサ100が、センサから正常範囲外の読み値の提供があったという表示だけをストアする。正常範囲は、現在のプロファイルおよび/または動作モードによって設定され、各センサ信号のための1つまたは複数のスレッショルドを含み得る。たとえば、周囲温度センサは、それぞれ28℃および15℃とする上側および下側スレッショルドを有し得る。周囲温度センサからの読み値がこれらのスレッショルドのうちの1つを超えた場合には、周囲温度が識別済み温度範囲外となったことを識別する事象がプロセッサ100によってストレージ105にストアされる。この例においては、温度が範囲外となったことを示すバイナリ表示、または実際の温度のいずれをストレージ105内にストアしてもよい。さらに、その後に続くウエアラブル・デバイス101による分析またはDMSもしくはサードパーティによって実行される分析を補助するために、プロセッサ100は、温度が識別済み温度範囲を離れたことの表示にタイムスタンプを与える。第3の例においては、プロセッサ100がストレージ105内に、識別済み範囲を離れたセンサからの生データをはじめ、識別済み範囲を超えたことの表示の両方をストアできる。たとえば、この表示を、ストレージ105内にストアされるセンサの読み値に関連付けされた1つまたは複数のフラグ、タイムスタンプ、および範囲が超えられたこととし得る。
【0025】
さらなる例においては、たとえばセンサF(バッテリ・センサ115)が、バッテリが過熱していること、および/またはバッテリの使用可能電力が低くなっていることを識別すると、プロセッサ100が低電力モードで動作できる。この例においては、電力レベルが復帰するか、またはバッテリが再充電されるまで有意の電力を必要とするセンサをディセーブルするか、またはより低い頻度で付勢することができる。
【0026】
さらに、プロセッサ100は、新しいソフトウエア・アップデートを受け入れ、データ管理システムDMSから受信したインストラクションに従ってセンサのスレッショルド、セッティング等を変更できる。DMSについては
図3を参照して後述する。加えて、飼い主は、これらのスレッショルドを修正して、ウエアラブル・デバイスから多様なセンサ読み値への注意喚起がなされる頻度を最小化できる。何らかの感度を最小化することは、飼い主が注意喚起されるべきときに動物を危険にさらす可能性があるため、許可されることもあれば、または制限されることもある。
【0027】
いくつかの実施態様においては、ウエアラブル・デバイス101が、ベース・ステーション(図示せず)と関連付けされ得る。ベース・ステーションは、ウエアラブル・デバイス101のバッテリ115を充電する能力を有し得る。さらにベース・ステーションは、ウエアラブル・デバイス101に対して安定したビーコン信号を発射できる(ただし、オプションで、ウエアラブル・デバイス101から返される通信は受信しない)。いくつかの実施態様においては、ベース・ステーションが、複数のウエアラブル・デバイス101(たとえば、それぞれが、同じ飼い主の複数のペットのうちのそれぞれによって装着される)とペアリングできる。その種の実施態様においては、ワイヤレス・デバイスのペアリングを伴う分野において知られているとおり、各ウエアラブル・デバイス101は、アクティブ化のときに一意的な信号シグニチャを通じてベース・ステーションとペアリングできる。それに加えて、いくつかの実施態様においては、各ウエアラブル・デバイス101が、複数のベース・ステーションとペアリングできる。複数のベース・ステーションを使用する利点の1つは、異なるステーションからの信号の相対強度の比較によって、概して、それらのベース・ステーションに関する位置をウエアラブル・デバイス101が識別(たとえば、三角測量を介して)できる可能性が生まれることである。
【0028】
オプションの位置決定
いくつかの実施態様においては、ウエアラブル・デバイス101が、センサの1つの例としてGPS受信機106を含み得る。GPS受信機106は、ビーコンまたはそのほかのRF信号がスレッショルド・レベルを下回ったとき、検知した突発的事象に応答して、オンデマンドで、またはあらかじめ決定済みの時間スケジュールに従ってオンにできる。したがって、GPS受信機106は、『常時オン』でないとし得る(したがって、たとえばGPSの読み値が有用でなくなるときには電力を消費させなくできる)。例として述べるが、ベース・ステーションからのビーコンの信号強度が高い場合には、ウエアラブル・デバイス101(したがって、ウエアラブル・デバイス101を装着している動物)がベース・ステーションから近い場所であると仮定でき、したがって、動物のGPS座標が、たとえばその動物の飼い主にとって役立たないことがある。したがって、GPS受信機106は、たとえばプロセッサ100がGPS受信機106に『オン』を指示するまで(たとえば、ベース・ステーションからの信号強度が弱くなるか、または消えたとき)『オフ』状態(たとえば、電力遮断状態)を維持できる。
【0029】
GPS受信機106は、動物の位置座標、動物の標高、特定の衛星捕捉状態、および衛星の方位を含めたウエアラブル・デバイス101を装着している動物の状態に関する有用な情報を提供できる。この情報の一部または全部を、センサ・ロジック計算の中で使用し、GPSスラッシング(継続的な信号獲得を試行し、したがってバッテリを浪費する)を減ずることができる。
【0030】
プロセッサ100は、GPS受信機106からの位置情報を使用して、ジオゾーン(ジオフェンスと呼ばれることもある)を識別し、ウエアラブル・デバイス101が識別済みエリアを離れたときを決定できる。たとえば、ウエアラブル・デバイス101を装着している動物が、公園内でリーシュなしに遊んでいるとき、その動物の飼い主(たとえば、パーソナル・モバイル・デバイスを使用している)、DMS、またはそのほかは、GPS受信機106にプロンプトし、ウエアラブル・デバイス101を装着しているその動物の場所の周囲にインスタント・ジオゾーンを作成できる。したがって、そのペットが走り回って遠くに行きすぎたとき(たとえば、そのジオゾーンの外)、飼い主(セルラ無線トランシーバ107からパーソナル・モバイル・デバイスへ送信される信号を介して)、DMS、またはそのほかに、ペットがジオゾーンの外に出たことを通知できる。
【0031】
ウエアラブル・デバイス101がベース・ステーションに関連付けされる実施態様においては、プロセッサ100が、たとえばRFビーコン信号、Wi−Fi信号、ブルートゥース信号、またはそのほかの、ベース・ステーションから発射されるRFテクノロジの信号がスレッショルド・レベルより下に落ちたとき、それを決定し、それに応答してGPS受信機106からデバイスの位置を獲得し、セルラ無線トランシーバ107、Wi−Fi、ブルートゥース、またはそのほかのテクノロジを介したウエアラブル・デバイス101の位置の記録および/またはペットの飼い主または獣医への送信を行ないうる。したがって、この開示の1つの態様によれば、ウエアラブル・デバイス101を装着している動物が固定ベース・ステーションから遠すぎるところまで迷い出たとき、その動物の位置を容易に決定できる。非セルラ・ベースの無線については、信号強度が特定のスレッショルドより下がるか、または存在しなくなると、それらによる、または方向ファインダとして使用されているモバイル・デバイス・ベースのアプリケーションによる、各種の利用可能なネットワークの突き止めまたはそれへの接続を容易にするべく、プロセッサ100が種々のモデムの送信プロファイルを変更できる。
【0032】
ベース・ステーションを含む実施態様においては、ここに述べられているとおり、健康監視システムが、さらに、ベース・ステーションから到来する読み値を解釈できる。たとえば、ベース・ステーションから到来し、ウエアラブル・デバイス101によって受信されるビーコンの信号強度を、高、中、および低のセッティングに基づくセットアップの間にユーザによって設定されるか、DMSによって提供/導出されるデフォルトによって設定されたスレッショルドのセットと比較できる。いくつかの実施態様においては、デバイスのアクティベーションの間、および飼い主がベース・ステーションを自宅内にセットアップした後、ユーザがコンパニオン・アプリケーション(たとえば、スマートフォンのアプリケーション)を使用し、ウエアラブル・デバイスを持って敷地を歩き回り、自宅の囲い/庭/野原等の重要な特徴をジオタグ付けできる。それぞれの場所においてGPS座標およびビーコン信号をログし、DMSにアップロードして、最適安全近接およびジオゾーンの導出を補助できる。また飼い主は、いくつかのそのほかのベース・ステーションを獲得でき、それらは動物がしばしば行くほかの場所(たとえば、週末別荘、ペットシッター等)に設置可能であるか、または大きく、かつ均等な形状の土地のいくつかの場所に、独特な形状の近接ゾーンを作成するべく設置可能である。
【0033】
ワイヤレス通信
セルラ無線トランシーバ107は、ウエアラブル・デバイス101におけるデータの送受の1つの手段として使用できる。いくつかの実施態様においては、セルラ無線トランシーバ107が、セルラ・ネットワーク上にプレゼンス情報および/または信号強度の読み値を提供して、ウエアラブル・デバイス101のロジック計算を補助し、スラッシング(信号獲得の継続的な試み)を防止できる。さらに、セルラ無線トランシーバ107は、リアルタイム・クロック調整を提供することができ、またGPS信号が利用できないか、または使用可能スレッショルドか、またはより低い場合にDMSによるセルラ三角測量のために使用され得る。
【0034】
ウエアラブル・デバイスへの入力
図2は、ウエアラブル・デバイス101による使用が可能な入力の例を図解している。
図2は、RF信号201、DMS入力およびトリガ202、モバイル・コンパニオン・アプリケーション/センサからのコンテント203、GPS関連情報204、デバイス・アクセサリ・コンテント205、Wi−Fi/ブルートゥース/ANT関連情報206、セルラ情報207、スペクトル分析208、音量レベルまたはサウンドの実際の記録209、加速度210、深部体温211、RFID(内部/外部RFID無線に関係する)212、バッテリ温度/バッテリ強度213、心肺活動214、周囲湿度215、および周囲温度216を示している。
【0035】
RF信号201は、ビーコン信号に関して前述したとおり、たとえばペットの飼い主の土地の境界等のジオタグ付けのため調整可能な設定およびオプションを含む信号を受信できる。RFアンテナ109に加えて、またはそれに代えて、ウエアラブル・デバイス101は、Wi−Fi、ブルートゥース、および/またはそのほかのRFテクノロジ206を含み得る。Wi−Fi/ブルートゥース/ANT関連の構成要素107には、身体装着から身体ワイド・エリア・ネットワークまで、ローカル、無線ベースの通信システムをカバーすることが意図されている。
【0036】
それぞれは、GPS受信機106および/またはセルラ無線トランシーバ107に関連して、またはそれの置換として、ペアリング済みのアクセス・ポイントを通じた2方向データ送信の提供をはじめ、ウエアラブル・デバイス101のプレゼンス、近接、および包括的な位置を識別する検索時刻情報の提供を行なうべく使用され得る。
【0037】
ウエアラブル・デバイス101は、さらに、加速度信号210を提供する加速度計を含み得る。加速度計は、動物の特定の活動のレベルのレポートに使用され得る。たとえば、加速度計からの読み値は、動物が現在歩いている、走っている、寝ている、水を飲んでいる、吠えている、引っかいている、震えている等として解釈できる。また加速度計は、高い衝撃事象の可能性のレポートをはじめ、ほかのセンサの読み値の確証および/または増大にも使用できる。いくつかの実施態様においては、加速度計が、ほかのセンサのコントロール(たとえば、オン、オフ、パン屑リストを残す、読み値を無視する等)に使用され得る。さらに、加速度計は、複数の動物のうちのいずれが実際にウエアラブル・デバイス101を装着しているかの決定に使用され得る。たとえば、ペットの飼い主が、2頭以上の自分のペットの間で交換可能にウエアラブル・デバイス101を使用している場合に、それらの動物のうちの1頭に関係する特定の属性のセットを各ペットについて作成し、ストレージ105内にストアできる。ストアされる属性のうちのいくつかを特定の動物の歩様等の加速度データとし、そのほかを吠え声のシグニチャ等の属性とし得る。これらの属性がストアされ、その後、いずれのペットがウエアラブル・デバイス101を装着しているかを、現在検知されている属性とストア済みの属性の比較によって決定するために使用できる。
【0038】
ウエアラブル・デバイス101とともに使用可能な別のセンサは、照度計である。照度計は、
図2のスペクトル分析208へ入力を提供する。極端に単純化した例においては、照度計が、スレッショルドの可視光の有無だけに結びつけられる。より高度な例においては、照度計が、赤外光、可視光、および紫外光のレベルを別々に検出できるように、それの読み値において周波数固有であるとし得る。多様な精巧さの照度計のこれらの例は、いずれもこの分野において周知である。この環境においては、プロセッサ100が照度計(または複数の照度計)からの信号を使用して、ウエアラブル・デバイス100が屋内または屋外にあることを決定する。たとえば、所定強度の可視光レベルは、ウエアラブル・デバイス100が明るい光源の下(たとえば、日の当たるエリア内)にあることを示す可能性があり、プロセッサ100は、現在の赤外光および/または紫外光のレベルを可視光のレベルと比較できる。したがって、可視光のレベルが高く、かつ赤外光および/または紫外光のレベルもまた高ければ、プロセッサ100は、ウエアラブル・デバイス101が屋外の日光の下にあることがもっともらしいと決定する。それに代えて、可視光のレベルが高いが、赤外光および/または紫外光のレベルが低ければ、プロセッサ100は、ウエアラブル・デバイス101が屋内(たとえ日当たりであったとしても)にあることがもっともらしいと決定する。
【0039】
さらに、照度計は、動物の現在の状態を確認または確証するべく、動物の現在の状態の決定における光のレベルの解釈にも使用され得る。たとえば、いくつかの実施態様においては、極端に明るい光の強度が、受信光レベル208における急激な変化に基づくとき、ウエアラブル・デバイス101を装着している動物が自動車のヘッドライトに捕まっていること、または砲火、爆発等の周囲にいることを示している可能性がある。自動車のヘッドライトに捕まっているとの識別は、夜間における周囲光の急激な増加がある一方、その可視光の急激な上昇の前後において加速度計が最小の移動を示すことを基礎とし得る。さらに場所(たとえば、GPS受信機から)の決定を、動物が到来するヘッドライトに照らされているか否かの決定の増強として、加速度計信号に代えて、またはそれに加えて使用できる。同様に、可視光の急激な増加の短い時間内に生じるオーディオ信号の急激な増加は、周囲に砲火、爆発等があるとして解釈できる。
【0040】
スペクトル分析のより進んだ使用は、動物の皮膚/柔毛、口から発散して動物の環境内に存在するか、かつ/または呼気内に存在する微量ケミカルのシグニチャの検出能力を含む。たとえば、読み値は、危険な環境状態(たとえば、高い塩素読み値)、皮膚関連の問題(たとえば、酵母)、および内臓関連の状態(たとえば、ほかの症状が顕在化する前に動物の呼気内のケトンが現われることがある)を示すことができる。さらに、スペクトル分析センサは、ケミカル・シグニチャを嗅ぎ回ることもできる。硫黄の検出と光およびサウンドの急激な上昇の組合せは、その動物が、射撃またはそのほかの爆発の近くに最近いたことの決定を増強できる。
【0041】
また周囲温度216を提供する周囲温度センサは、センサの別の例を提供する。周囲温度センサは、ウエアラブル・デバイス101を装着している動物の場所の決定に使用できる(たとえば、屋内と屋外)。いくつかの実施態様においては、プロセッサ100が、時間にわたって周囲温度216を追跡して現在の変化レートを決定する。その現在の変化レートが、時間期間にわたってあらかじめ決定済みのレートより大きい場合に、プロセッサ100は、その変化レートが、ウエアラブル・デバイス101を装着している動物が近いうちに過熱または凍えることになる予兆であると識別する。さらに、いくつかの実施態様においては、周囲温度センサが、そのほかのセンサの確証またはコントロールに使用され得る。
【0042】
ウエアラブル・デバイス101は、また、周囲湿度入力215を提供する湿度センサを含むこともできる。いくつかの実施態様においては、湿度センサが、湿球設定に対する検知温度の調整に使用され得る。これらの湿球設定は、動物の放熱/吸熱の計算に重要となり、その動物がいる場所を概略で識別するのに使用できる(たとえば、屋内または屋外)。さらに、湿度センサからの信号215として識別される過剰な湿分または乾燥は、温度の読み値と組み合わせて、熱指数または風冷却を決定できる。
【0043】
さらに、マイクロフォンまたはピーク雑音検出センサがサウンド入力209を提供できる。マイクロフォン/ピーク雑音センサは、たとえば特定のサウンド事象(バーキング等)の測定に使用でき、ほかのセンサ読み値の確証に使用できる。たとえば、照度計が、たとえばウエアラブル・デバイス101を装着している動物が乗り物のヘッドライトに捕まっている可能性を示す実施態様において、マイクロフォンが大音量を検知することは、たとえば衝突事象(乗り物がぶつかる)として解釈され得る。衝突事象を決定する特定の方法は、この中で述べられている。
【0044】
センサの別の例は、バッテリの強度および/または温度に関する情報を提供する内蔵バッテリ強度および/またはバッテリ温度センサ213とし得る。内蔵バッテリ強度および/またはバッテリ温度センサは、特定のほかの検知活動の変調に、および/またはほかの検知活動への入力源として使用できる。たとえば、内蔵バッテリが低くなっているとの検知に応答して、GPS獲得デューティ・サイクルおよび/またはセルラ送信を下げて電力消費を節約し、ウエアラブル・デバイス101の動作を延長できる。
【0045】
深部体温211を提供する深部体温センサは、センサの別の例を提供できる。深部体温センサは、動物の深部体温の非侵襲性測定に使用され、したがって、動物のリアルタイム深部体温および動物の深部体温の時間にわたる変化の両方に関係するデータを提供できる。
【0046】
ウエアラブル・デバイスは、内部無線/センサのうちの1つまたは複数と結びつけられる1つまたは複数のアンテナを含むこともできる。アンテナに取り付けられる内部構成要素のうちの1つは、UWBデバイスである。この分野で周知のとおり、UWBデバイスは、多様な状態の監視に使用される(たとえば、胎児監視、心肺監視等に使用される)。ここでは、多様な異なる状態の監視にUWBデバイスを使用できる。たとえば、いくつかの実施態様においては、UWBデバイスを、動物の心臓の動作の非侵襲性監視を行なうUWB信号の送受に使用できる。その監視動作からの信号が、続いてプロセッサ100によって処理され、突発的な事象(たとえば、異常に高い心拍数)が生じているか否か、より複雑な事象(たとえば、過剰なランニング後の心臓の極度の疲労)が生じているか否か、および動物の心肺系が望ましくない状態(たとえば、平均心拍数の上昇)に向かう傾向にあるか否かが決定される。これにおいては、平均心拍数に加えて、統計的な偏差も提供され得る。これに関して言えば、統計的偏差は、獣医および可能性として飼い主へ転送されるとき、ほかの平均レートに付属できる。
【0047】
具体的に言えば、UWBデバイスは、ウエアラブル・デバイス101を装着している動物の一回心拍出量および血圧の相対的変化の測定に使用できる。ここでの目的のためには、バイタル・サインの読み値に加えてUWBからの一回心拍出量の読み値が有用になる。ほかの実施態様においては、UWBデバイスを、ウエアラブル・デバイスが実際に動物に装着されているか否かの決定に使用できる。いくつかの実施態様においては、動物のプロファイル(たとえば、ストア済みの特性)を、ウエアラブル・デバイス101を装着している複数の動物のために利用できる。その種の実施態様においては、UWBデバイスを使用して、現在ウエアラブル・デバイス101が取り付けられている動物はいずれであるかを決定できる。たとえば、UWBデバイスの読み値を、ストア済みの心肺プロファイルと比較し、複数の動物のうちのいずれが現在ウエアラブル・デバイス101を装着しているか決定できる。さらにUWBデバイスを使用して、動物が食べていること、水を飲んでいること、および/または嘔吐していることの表示として頸部の組織の変化を解釈できる。さらにUWBデバイスは、消化路内の障害の可能性を調査するべく腹部エリア内の信号の解釈に使用できる。
【0048】
動物および/またはそれの環境の1つまたは複数の属性を測定するために、任意のそのほかの望ましいセンサをウエアラブル・デバイス101の構成要素として提供できる。この開示の恩恵を受ける当業者は、この開示の範囲から逸脱することなく、ウエアラブル・デバイス101内に組み込むことができるこのほかの多くのセンサを認識するであろう。さらに、ウエアラブル・デバイス101内に含められる構成要素および/またはセンサは、電源、電力調整器、ローパス・フィルタ、アンテナ等のいくつかの共通回路の共有をはじめ、組合せデータ・ソースからより多くの意味を引き出す互いの検知データの共有をなし得る。
【0049】
この開示のいくつかの態様によれば、ウエアラブル・デバイス101(および、存在する場合には関連ベース・ステーション(1つまたは複数))およびDMSが、1または複数の動物の特定の健康属性に関するデータの収集、および/またはそれの監視に使用される健康監視システムの一部を形成できる。さらに、いくつかの実施態様においては、センサのうちの1つまたは複数が、この中に述べられているとおり、別のセンサの活動の付勢、消勢、コントロール、拒否、受け入れ、または絞り込みの能力を有し得る。それに加えて、健康監視システムは、広汎多様な電磁エネルギを生成し、受信する受動および能動センサの両方および複数のアンテナを含み、その一方で1つまたは複数の構成要素の通常出力が、導出される態様でほかの構成要素の能力を強化できる。
【0050】
この開示のいくつかの態様に従った健康監視システムは、さらに、ウエアラブル・デバイス101のセンサとインタラクションし、またはそのほかの形でそれを補助する外部センサ(たとえば、ウエアラブル・デバイス101外のセンサ)を含み得る。いくつかの実施態様においては、これらの外部センサが、聴診器、超音波センサ、赤外線温度センサ、パルス・オキシメータ、血圧監視ツール、グルコース濃度計、血液検査器、呼吸検査器、尿検査器、ブレイン・スキャナ(これらすべては、追加のアプリケーション・ソフトウエアを含むか、かつ/またはデバイス・ソフトウエアによってコントロールされる)、および既存のセットのセンサおよび読み値を強化/協働するフィルタ/アタッチメント等の取り外し可能なアナログ/デジタル・アイテムを含み得る。これらの分離可能なセンサの個別の動作は、この分野において周知である。ここでは、ウエアラブル・デバイス101が、これらの追加のセンサが接続され、かつそれらのデータまたは分析後のコンテントが、ここに記述されているとおり、飼い主またはDMS(または、サードパーティ)への中継のためにストレージ105内にストアされ得るプラットフォームを提供する。
【0051】
いくつかの実施態様においては、これらの外部センサが、そのほかの周知のデバイスと一体的に提供されるか、またはそれと関連付けされ得る。たとえば、健康監視システムは、カメラ(レンズ/フィルタ・アタッチメント付き/なし)、マイクロフォン、スピーカ、GPS、およびそのほかの、ウエアラブル・デバイス101および/または健康監視システムへプラグ接続できるか、またはそれによって利用され得るアイテムからデータを収集できる。いくつかの実施態様においては、これらのセンサをパーソナル・モバイル・デバイス(たとえば、スマートフォン等)の一部とし得る。これらの外部センサおよび/またはモバイル・ブラウザ・アプリケーション/インストール済みアプリケーションのそれぞれは、独立に、ウエアラブル・デバイス101に関して作用するか、ウエアラブル・デバイス101によってトリガされるか、またはDMSによってオンデマンドで不定期に、またはスケジュール・ベースでトリガされて、重要な突発的情報、導出された情報、または傾向のある情報を提供して動物の安全、元気、および健康を支持する追加の、および/または協働的な検知情報を提供できる。それに加えて、上で述べた活動のすべては、モバイル・デバイスおよびコンパニオン・アプリケーションおよびアタッチメント/アクセサリによってトリガされて、ここで述べているとおり、センサ・データのタイムスタンプ付き相関を提供できる。
【0052】
ここで述べている健康監視システムに関して使用される外部センサのさらなる例は、RFID近接タグと通信し、RFIDコンテント212を提供するRFID近接センサを含み得る。たとえば、RFID近接タグを、動物のベッド、食餌の碗、水の碗、ドア・フレームの外側、門柱の外側、ゴミ缶の近く等に配置できる。したがって、ウエアラブル・デバイス101を装着した動物が上記のアイテムのいずれかの近くにいるとき、ウエアラブル・デバイス(RFIDセンサを介して信号を受信)が、その動物は寝ている、食べている、飲んでいる、外にいる、庭の外に出ている、ゴミ箱の中に入り込んでいる等の解釈ができる。
【0053】
健康監視システムは、さらに、たとえばコンパニオン・ウェブ/モバイル・ベースのアプリケーション、電話コール・センタの活動/テレプロンプト等を通じて収集される飼い主による動物の観察を使用できる。飼い主の観察は、測定済みの事象(たとえば、ウエアラブル・デバイス101および/または1つまたは複数の外部センサによって測定される事象)の確証を強め、現在生じている偽陽性および偽陰性のレートを下げる補助となり得る。たとえば、いくつかの実施態様においては、健康監視システムが、視野内のあらかじめ識別済みのマーカを用いて動物を横切るようにモバイル・デバイスと一体のモバイル・カメラを振り動かすことを飼い主に指示するモバイル体重/サイズ・モバイル・デバイス・アプリケーションを含み得る。このアクションから導出される前処理済みのデータは、その後、DMSへアップロードされ、それにおいてその動物の体重およびサイズが導出され得る。その種のデータは、その後、その動物の記録に追加される。飼い主が記録する、そのほかの重要な観察には、摂取カロリー、尿中の血液、黒色便、口臭、多渇、顔面周囲の皮膚の白斑、動物の性癖の記録等の観察項目を含め得る。たとえば、摂取カロリーは、どれくらいの期間にわたってどのような食餌がどの程度消費されたかを飼い主が識別する、コンピュータまたはスマートフォン上で実行されるアプリケーションを通じて飼い主によって監視され得る。
【0054】
さらに健康監視システムは、動物の体内に配置されるセンサ(たとえば、侵襲性であるが、控えめなセンサ)を含み得る。たとえば、動物に埋め込まれるマイクロフォン等は、血中酸素濃度測定、グルコース監視、ECG、EEG等に関係するデータを提供できる。
【0055】
データ管理システム
図3は、多様なソースから入力を受信するデータ管理システム301の例を示している。それらの入力は、個別の動物に固有とするか、または関連する動物(品種、年齢、健康状態等のうちの1つまたは複数によって関連付けされる)と包括的に関連するとし得る。
図3は、RSSフィード302、インターネット検索コンテント303、ソーシャル・フォーム・コンテント304、獣医とのチャット、症状の検索等からのコンテント305、セルラ・ネットワーク関連情報306、Wi−Fi/ブルートゥース/ANT関連情報307、ウエアラブル・デバイス101ベースのセンサおよびアクセサリ308、サードパーティ電子サービス309、獣医の所見310、コンパニオン・モバイル・アプリケーション/センサからのコンテント311、飼い主の所見312、およびサードパーティのホーム・テレヘルス・センサ313を受信するデータ管理システム301を示す。
【0056】
DMS 301は、データ受信および処理システムであり、ウエアラブル・デバイス101からデータおよび/またはウエアラブル・デバイス導出事象を受信し、そのコンテントを直接分析するか、あるいはウエアラブル・デバイスからのより古いデータもしくは過去のより古いデータの分析に関連して、またはそのほかのソースからのデータに関連して、またはこれらを任意に組み合わせて分析する。DMS 301は、1つまたは複数のプロセッサ、ストレージ、動作ソフトウエア、入力/出力経路等を含み、
図1に示されているウエアラブル・デバイス101のプロセッサ100およびストレージ105のそれと類似である。さらにDMSは、クラウド・ベースのコンピューティング・プラットフォームとしてもよく、それにおいてはインターネットを介した通信が、サーバまたはそのほかのハードウエア・デバイスのDMSで受信され、コンピュータ実行可能インストラクションおよびワークフローに従って処理される。この例においては、DMS 301と多様なコンテント・ソース302−313を接続する業界標準のインターネット接続、ルータ、サーバをDMSが有し得る。飼い主へ送信されるときの注意喚起は、獣医と比較して異なることがあり得る。さらに、センサが特定のプロファイルに結びつけられて動作する場合であっても、DMSは、DMSにおけるあらかじめ定義済みの設定に基づいて、引き続き注意喚起を分離し、転送できる。
【0057】
この開示のいくつかの実施態様においては、健康監視システムが、外部のRSS(Rich Site Summary)フィード302を使用してさらにデータを収集できる。たとえば、システムは、RSSフィード302を介して天候、環境、日々のペット健康情報、公開リサーチ・データ等に関するデータを受信できる。いくつかの態様によれば、この受信データを使用して、この中で論じているとおり、ウエアラブル・デバイス101、およびそのほかの外部ソース等から収集されたデータの確証を高め、補助し、強化できる。
【0058】
健康監視システムのいくつかの実施態様は、さらに、たとえば非侵襲性ホーム・テレマティクス・ソリューション313からデータを受信できる。たとえば、システムは、スマート・マット、スマート移動/IF検出器、およびそのほかの市場で流行しているデバイスからデータを受信できる。屋内のペットおよび動物は、したがって、これらのデバイスをトリガし、存在、体重、生理学的兆候、およびバイタル・サイン等のセンサ・アーティファクトを記録できる。これらの記録(通常は、人間用ホーム監視システムによって破棄されることがある)は、このシステムにとって、たとえばDMSにとって(この中で述べられているとおり)価値のあるデータ集合/確証ポイントを提供する可能性がある。いくつかのテクニックが、DMSへのこのデータのアップロードに採用され得る(たとえば、コンパニオン・モバイル・デバイス・アプリケーション、ユーザによる読み値の入力、ブルートゥース、Wi−Fi、そのほかのRFテクノロジ等)。
【0059】
図2の健康監視システムの一部として、またここで述べられているとおりに使用されるとき、ウエアラブル・デバイス101は、センサにより(たとえば、前述のセンサ等を通じて)収集されるデータの主要なソースとなり得る。すべてのセンサおよびそれらの入力は、データ融合を通じてインテリジェントに結合され、意味のあるスタンドアロン注意喚起の作成に、またそのデータからさらにより多くの意味を発展させ、抽出するべくDMSへの入力として利用可能なものとなり得る。
【0060】
いくつかの実施態様においては、健康監視システムが、ウエアラブル・センサ101から離れている、この中で述べられているとおりの、また略図的に
図3に図示されているとおりのDMS 301を含み得る。いくつかの実施態様においては、DMS 301がウエアラブル・デバイス101および/またはそのほかのセンサから情報を受信する。さらにDMS 301は、情報を、たとえばペットの飼い主(たとえば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット、陸線、ウエアラブル・デバイス101の表示器、
図6Aおよび6Bの状態ランプ/表示器/サウンド・インジケータ604等を介して)および/または獣医へ(たとえば、ウェブ・ベースのダッシュボード、ファクシミリ、陸線、モバイル注意喚起等を介して)送信できる。いくつかの実施態様においては、DMS 301が、あらかじめ定義済みの基準に従ってデータを送信できる。たとえば、いくつかの態様によれば、DMS 301は、スケジュール・ベースで情報を周期的に送信できる。ほかの実施態様においては、DMS 301が、情報がスレッショルド値を超えたときにその情報を送信できる。さらにほかの実施態様においては、DMS 301が、オンデマンドで(たとえば、ペットの飼い主、獣医等からの要求時に)データを送信できる。
【0061】
いくつかの実施態様においては、DMS 301が、ソースとは無関係に、動物の安全、ウェルネス、および健康に関係する飼い主および獣医にとって意味のある/処置可能な情報を導出するすべての入力のデータ・リポジトリとなり得る。いくつかの状況においては、ウエアラブル・デバイス101を装着している動物に固有の情報(たとえば、サードパーティの情報サービス・データ309およびサードパーティの獣医チャット・サービス・データ311)をDMS 301からサードパーティへ、サードパーティからデータ(307、311)を受信する前に転送してサードパーティの分析を援助できる。DMSは、受信したデータを、DMS導出事象としてそのデータの意味を決定するべく分析できる。次に、それらの事象に基づいて、DMSは、それらの導出された事象に結びつけられた利用可能な推奨をストレージから獲得し、それらの推奨をコンパイルし、コンパイル後の推奨を、処置可能な情報として飼い主および/または獣医へ提供できる。たとえば、意味のある情報が、その動物の体重が過去1週間内に5ポンド増加し、正常より低い活動レートを呈する場合、DMS 301は、体重増加および増加した体重および識別済みの推奨または複数の推奨に結びつけられたストレージからの利用可能な推奨を調べることができる。次に、その結果がコンパイルされて、処置可能な情報として飼い主/獣医へ転送される。
【0062】
次に、概して飼い主へレポートされ得る典型的な推論をリストする:動物が、指定安全ゾーン外に出ている;動物が過熱または凍える可能性のある潜在的な状況が存在する;動物が事故に遭遇した可能性がある(多様なレベルの深刻度の高い衝撃事象);飼い主およびペットのライフスタイル・プロファイルについてのフィルタ適用後においてさえ、動物の活動レベルが低下している;動物が足を引きずっている(歩様における変化に基づく);極度のノイズおよび光インジケータに基づくと動物が潜在的に危険な環境内にいると見られる;睡眠中の動物が非常に大儀そうである(痛み、消化の問題、呼吸の問題、または過去の生理学的外傷として);動物の心拍数の変動が異常である;動物の呼吸の数および質が異常である;動物が苦痛/痛そうである(大きな全身運動があるときにキャンキャン吠える);およびウエアラブル・デバイスが当初割り当てられた動物に装着されていない(それのゲート・プロファイルを、ファイル上のそれ、またはそのほかの、それらの電子プロファイルの一部であるバイタル・サイン・インジケータに照らして調べることによる)。
【0063】
典型的な提案アクションは、以下を含み得る:飼い主による動物の個人的な観察を増やし、特定の発現中の関心事項を確認するか、または退ける;動物のセンサ・プロファイルの項目のスレッショルドを、それらが飼い主の、および特定のペットの日常生活パターン、年齢、品種、サイズ、および既知の医学的状態とより緊密に整合するように増加/減少する;動物の活動を増加/減少する;動物の食餌を監視する(カロリー摂取を記録);潜在的に生じつつある過熱/凍え状況から動物を離す;特定の咳き込み音について動物を監視する;飼い主に特定の関連記事/リンク/ビデオ等を参照させる;オプションのオンライン『獣医に尋ねる』サービスに助言を求める;および、重篤な状況に基づいて、可能な限り速やかに獣医に診せる。
【0064】
以下は、飼い主に問題がレポートされる結果をトリガする説明的な例である:プリセット済みスレッショルドに対して読み値を比較する事象を確認するセンサまたはセンサのグループに基づく突発的な問題;特定の疑わしい状態について肯定的または否定的な方向に向かっている読み値に基づくデバイス101レベルまたはDMS 301レベルの分析に関する時間ベースの分析(別名、長期ベース);飼い主または獣医の要求時;飼い主または獣医の安全、ウェルネス、および健康目標に基づく動物の状態のスナップショットの定期的な提供。
【0065】
獣医は、推論/提案の受信をより少ない数とし、深刻な健康問題を導き得るウェルネス問題およびバイタル・サイン、特定の既知の健康状態の監視、および処方済みの治療の効果の監視に基づく経験的データの受信をより多くできる。獣医は、その動物が肯定的または否定的な方向へ向かっていることを示唆するバイタル・サインおよびそのほかの生理学的情報を受信できる。獣医への情報の送信のトリガとして作用し得る項目には、突発的なバイタル・サイン(1つまたは複数)の読み値または生理学的読み値がそれのスレッショルドを超えたこと、または導出されたバイタル・サイン(1つまたは複数)または生理学的兆候(1つまたは複数)が時間にわたる傾向として獣医によって設定されたスレッショルドを超えたことが含まれる。
【0066】
また獣医は、現在の潜在的バイタル・サイン、環境的兆候、または生理学的兆候、すなわち深部体温、周囲温度および湿度、および深部体温に関心を持つと見られる。獣医が関心を持つ可能性のある肺に関する情報は次のとおりである:すなわち、検出された肺の動きおよび測定された呼吸レートとリズム、測定された呼吸と呼気時間(ti/te)、検出された非対称呼吸(炎症、障害物、窒息)、測定された胸部収縮レート、深さ、および胸部の反跳、ならびに測定された、および継続監視中の慢性気管支炎。獣医が関心を持つ可能性のある心臓に関する情報は次のとおりである:すなわち、検出された心臓の動きおよび測定された心拍数とリズム、測定された心臓の一回心拍出量および心拍出量における変化、スレッショルドに対する血圧の比較、鬱血性心不全の発現の兆候、徐脈および頻脈の兆候、ならびに血気胸の兆候。さらに、獣医が関心を持つ可能性のあるそのほかの情報は次のとおりである:すなわち、脳卒中の兆候、子宮収縮レートおよび強さ、睡眠時無呼吸等の潜在的睡眠障害の識別、動物体内の異物の兆候、長期センサ・データ、心臓活動、呼吸活動、および深部体温の平均および統計的偏差、活動レベル、見積体重、見積水分補給レベル、ならびに平均の日中/夜間周囲温度。DMS 301によって導出され、飼い主または獣医に向け、診断のために識別できる推論の例を次に示す:すなわち、イヌ糸状虫、嘔吐および下痢、肥満、感染症、イヌ伝染性気管気管支炎ならびにそのほかの発現している呼吸状態、下部尿路感染症、歯科疾患、皮膚アレルギ、骨および軟組織の損傷、癌(たとえば、動物の呼気内のケトン・レベルの変化による)、発現している心臓状態、苦痛/痛み、および認知障害。センサ・データと獣医供給データの組合せからなされる症状/推論の例を次に示す:すなわち、特定の処方済み治療の効果、手術直後の動物の回復状態、および獣医によって決定されたベースラインに対するバイタル・サインの傾向。
【0067】
この種のキャパシティにおいて、DMS 301は、ウエアラブル・デバイス101レベルの生データ、前処理済みデータを受信できる。たとえば、固定窓(たとえば、1秒の窓)にわたって加速度計の{x,y,z}g値を平均し、大きさの偏差を計算し、高、中、低の活動の指定を動物の活動レベルに基づいて割り当てることができる。別体のデバイスからのサウンド・ファイル、RSSフィード、およびそのほかの非類似データ・タイプは、カタログ化、タイムスタンプ付け、ソーティング、および分析のための準備が必要になる。DMSがこれらの多岐にわたるタイプのデータを受信することから、DMS 301はこれらを相関させることができる。たとえばDMS 301は、高い周囲温度読み値をウエアラブル・デバイス101から受信し、それと、現在または以前の識別済みのウエアラブル・デバイス101の場所に期待される局所的な温度(RSSフィード302またはインターネット検索303によって獲得される)を比較できる。周囲温度が高く(たとえば、45℃超)、その場所に予測される高い温度が20℃に過ぎない場合には、DMS 301は、その動物が、窓が閉じられた自動車の中に閉じ込められていると導き出すことができる。導出したこの事象に基づいて、DMSは、Eメール、SMSもしくはそのほかのテキスト・メッセージング・システム、ソーシャル・メッセージング・システム(Twitter(ツイッター)およびFacebook(フェイスブック)等)を含む多様な手段によって、または飼い主の直接呼び出しによって飼い主への注意喚起を試みることができる。認識されるものとするが、注意喚起の頻度およびスレッショルドは、固定またはユーザ構成可能とすることができる。
【0068】
DMS 301は、過去の事象、現在の事象、または可能性のある将来の事象の予測についての情報を含み得る。またDMS 301は、多様な通信チャンネルおよびデバイスを通じたウエアラブル・デバイス101とサードパーティ・サービス、獣医、および/またはペットの飼い主の間の通信ハブとしても作用する。たとえば、いくつかの実施態様においては、ペットの飼い主が、入力デバイスとして自分のパーソナル・モバイル・デバイスを使用し、自由形式のテキストまたはドロップダウン・メニューを通じて独自の観察を記録することができ(実質的に、センサ・プラットフォームの1つのセンサとなる)、DMS 301は、それらの入力を飼い主からパーソナル・モバイル・デバイスを介して受信する。DMS 301内にストアされる各データ要素は、それぞれが、たとえば飼い主/ペットのプロファイルに戻る必要なく、それだけで使用可能となるように、メタタグ付きとすることができる。その種のメタタグは、大規模な匿名データの分析を容易にし得るタイムスタンプ、地理的なデータ、品種、年齢等を含み得る。
【0069】
ウエアラブル・デバイス101の頸部配置
図4は、この開示の1つの態様に従ったウエアラブル・デバイス101を含む首輪402を図解している。
図4内に図示されているとおり、首輪402は、動物401の頸部の近くにウエアラブル・デバイス101が位置決めされるようにウエアラブル・デバイス101を含み得る。したがって、その種の実施態様においては、センサが、検知部位402において動物401の頸部近傍のデータを獲得する。さらに、ウエアラブル・デバイス101は、送受信部位404においてデータの送受を行なう。
【0070】
図5は、ウエアラブル・デバイス101を含む首輪402を装着した動物の頸部の断面を図解している。図示のとおり、首輪402は、留め金505を含むことができ、それが掛けられると、動物の頸部の下側の柔毛501に隣接させてウエアラブル・デバイス101を位置決めする。
図5は、動物の頸部内の解剖学的部位の概略の場所を図示している。特に、
図5は、頸動脈503、頸静脈504、食道509、気管511、および脊柱510をウエアラブル・デバイス101と関連させて示す。この種の構成においては、ウエアラブル・デバイス101内に含まれている心肺アンテナ(たとえば、UWBデバイス)およびそのほかの内向き構成要素(たとえば、ECGおよび超音波プローブ)が首輪402の内側に配置され、プロセッサ100、そのほかのセンサ、およびそのほかの構成要素(たとえば、RFアンテナ109、RFIDアンテナ111等)が、首輪402の他方の側(たとえば、位置507)に配置される。さらに、外向きのアンテナを位置A−Iに配置し、内向きアンテナとの干渉の最小化を補助できる。それに代えて、位置A−Iに配置されるセンサを、動物との接触を伴う干渉から分けることによって、それらが改善された読み値を有し得る。たとえば、周囲温度センサが位置Aに配置される場合、動物が胸部を下にして伏せており、ウエアラブル・デバイス101が動物の前腕の上にあるとき、誤った読み値となる可能性がある。代替位置、たとえばD−Iに周囲温度センサを配置すれば、この姿勢で動物が伏せているときに動物の前腕からセンサが離されることから読み値が改善される。さらに、代替例においては、多様なセンサを首輪402周りに重複させて、それらの読み値を平均するか、または最高および最低の読み値を除外し、異常な読み値の影響を低減できる。
【0071】
図5に示されているとおり、ウエアラブル・デバイス101は、たとえば、動物の頸動脈503および/または食道509から正確な読み値が獲得できるように首輪402の内側において内向きアンテナを動物の皮膚の近くに維持しつつ、首輪402の外側において情報の送受をなし得る。それに代えて、頸動脈503の代わりに、またはそれに加えて頸静脈504から読み値を獲得できる。気管周囲の筋肉の動きを含むそのほかの組織の動きも関心事となり得る(気管の軟骨組織が一部の誘電体信号を反射しないことがあり、直接検出可能でないことから)。
【0072】
この開示のいくつかの実施態様に従ったウエアラブル・デバイス101の構成は、
図6Aおよび6Bを参照するとより容易に理解できる。
図6Aは、ウエアラブル・デバイス101の実施態様の上面図であり、
図6Bは、その側面図である。
図6Aおよび6Bの実施態様においては、ウエアラブル・デバイス101が、2つの部分、すなわち内側部分601および外側部分603を含み得る。内側部分601は、UWBアンテナ、マイクロ波アンテナ、または超音波アンテナ等の内向きアンテナを含み得る。たとえば、これらのアンテナを、位置605および606に配置できる。外側部分603は、そのほかの構成要素、たとえばプロセッサ100およびそのほかの、外向きアンテナを含む
図1の構成要素等を含み得る。1つの例においては、部分601の内向きアンテナが、金属または金属化された層によって、またはそのほかの周知のアンテナ絶縁材料によって、部分603の外向きアンテナからシールドされ、異なるセットのアンテナの間の干渉が最小化され得る。さらに、オン/オフ状態を含む状態情報を飼い主へ状態ランプ604を介して提供できる。状態ランプ604は、単純なLEDとすること、またはDMSへの情報の送信およびその後の飼い主のスマートフォンへの転送に対して(または、それに加えて)飼い主に向けてコンテントを表示するべく構成された表示スクリーンおよびタッチ・インターフェースを含むとし得る。それに加えて604を、設定変更に応答する発音器とし得る。
【0073】
図5に示されているようにウエアラブル・デバイス101が動物に装着されると、内向きアンテナが動物401の近くに位置し(たとえば、首輪402の内側)、したがって正確な検知を提供する一方、ほかの、データの送受に使用されるいくつかの構成要素を含めた構成要素は、外向きアンテナの送受信ケイパビリティがほかのアンテナの動作によって低下しないように、動物401から離されて(たとえば、首輪402の外側)配置される。
【0074】
さらに金属または金属化したプローブ610および611が、直接的な皮膚接触を伴って改善されるセンサのためのプローブと皮膚の接触の確立に使用され得る。これらのタイプのセンサには、皮膚温度センサ、心拍センサ、およびECGセンサを含め得る。温度センサに関して言えば、これらのプローブは、1つまたは複数の感熱構成要素に取り付けることができる(または、それらの感熱構成要素を含み得る)。感熱構成要素には、サーミスタ、熱電対等、およびそれらの組合せを含め得る。
【0075】
ウエアラブル・デバイス101の胸部配置
ほかの実施態様においては、ウエアラブル・デバイス101が動物401の頸部周りに装着されなくてもよく、むしろ任意の適切な、センサによる情報の収集に適した位置に装着できる。たとえば、
図7に示されているとおり、ウエアラブル・デバイスを、動物の胸部周りに装着されるハーネス701の一部として提供できる。その種の実施態様においては、検知部位703および送受信部位704が、動物の頸部(
図4に図示されているように)ではなく、動物の胸部に近くなる。ウエアラブル・デバイス101の特定の位置(頸部の位置または胸部の位置)とは関係なくバッテリ115およびそのほかの取り外し可能な構成要素は、ペットの飼い主705による取り外し、および再取り付けが可能であるとし得る。
【0076】
センサの動作
図8−12および22は、ウエアラブル・デバイス101および/またはDMS 301の処理を示したフローチャートに関する。これらのフローチャートは、1つまたは複数のセンサからの信号を分析する種々の態様の説明に使用される。認識されるものとするが、スレッショルド比較に代えて、センサ情報に基づくこのほかのタイプの分析も可能である。ベイズ推論分析、ニューラル・ネットワーク、および回帰分析等を含むそのほかの周知のテクニック、および信号入力の分析へのそれらの使用は、この開示の範囲内に含まれる。
【0077】
ここで
図8を参照すると、基本的なセンサ処理(たとえば、1つまたは複数の内部センサ、外部センサ、内部センサ、および/またはそのほかのセンサの処理)を表わしたフローチャートが示されている。
図8に示されているとおりに処理されるセンサは、常時オン、割り込み駆動、またはオンデマンド・トリガのいずれかが行なわれるセンサとし得る。ステップ801においては、センサ・データがセンサnから受け取られる。この場合においても、このセンサ・データが連続的に受け取られるとすること(たとえば、常時オン)、別のセンサの読み値によってトリガされるとすること(たとえば、割り込み駆動)、またはペットの飼い主または獣医等によるセンサ・データの要求に応答して受け取られるとすること(たとえば、オンデマンド)のうちのいずれかとし得る。ステップ803においては、受け取ったセンサ・データとスレッショルド値を比較する。ステップ803において、比較されるデータとスレッショルド値の関係は、当面の関心事項が生じていない関係とすることができる。その種の状況においては、ステップ809に示されているとおり、データを無視してステップ801へ戻り、追加のデータを受け取ることができる。しかしながら、比較されるデータがスレッショルドを超える場合には、ステップ805においてストレージ内にそれが生じたことが書き込まれる。オプションとして、またはステップ805に加えて、ステップ807に示されているとおり、ペットの飼い主へ注意喚起を提供すること、またはDMSへ送信することができる。注意喚起は局所的とすること(たとえば、ウエアラブル・デバイス101上の可聴アラーム)および/またはリモートとすること(たとえば、ペットの飼い主のパーソナル・モバイル・デバイス上、または獣医のダッシュボード内等)ができる。さらなる修正においては、無視ステップ809へ向かう決定ステップ803のNO側の出口から破線で示されているとおり、センサnからの信号がスレッショルドを超えないという事実もまた、読み値がスレッショルド内であったという肯定的な表示としてストアできる。さらに、一連のレーティングのストアは、DMSに有用となり得る漸増的変化のパン屑リスト・データ・セットを提供する。
【0078】
図9は、複数のセンサ{n1、n2、およびn3}からの読み値を使用して動物の状態が決定できる実施態様を図示している。この場合もまた、図中の各センサは、常時オン、割り込み駆動、またはオンデマンド・トリガであるとし得る。ステップ901、903、および905においては、各センサn1−n3からデータが収集される。前述したとおり、これらのセンサは、ウエアラブル・デバイス101および/または外部デバイス(たとえば、スマートフォン、RSSフィード等)内に配置できる。センサn1、n2、およびn3のうちの任意の1つが、ステップ906において個別に注意喚起条件をトリガすれば、ステップ907においてストレージ内に書き込まれ、かつ(オプションで)ステップ909において飼い主またはDMSに注意喚起が提供される。それ以外では、その決定がステップ908において無視される。
図8のプロセスと同様に、ステップ906からステップ907への破線で示されているとおり、センサ読み値がスレッショルドを超えていない場合であってもデータをパン屑リストし、その後ステップ908へ戻ることができる。
【0079】
それに代えて、ステップ906が、注意喚起条件の確認または検知データの無視に、3つすべての読み値が重み付けベースで一致することを必要とするようにできる。たとえば、ステップ901、903、および/または905において注意喚起条件をトリガした1つまたは複数のセンサn1、n2、および/またはn3に応答し、ステップ907において、各センサからの検知済みデータの組合せと1つまたは複数のスレッショルドを比較し、たとえば注意喚起状態が存在するか否かを決定できる。さらに、ステップ907において、検知済みの読み値と、ローカルに(たとえば、ウエアラブル・デバイス101内に)ストアされているか、またはたとえばDMS 301内にストアされている過去の読み値を比較できる。したがって、複数のセンサ(図示の実施態様においてはn1−n3)からの検知済みデータを使用し、動物およびペットの安全、ウェルネス、および健康に関する推論を、ステップ907において、センサの読み値、および/またはたとえばパン屑リスト(タイムスタンプ付きの記録)の分析に基づいて組み立てることができる。センサ・データの組合せが注意喚起をトリガする場合(たとえば、データの組合せが注意喚起条件を確認する場合)、ステップ909において注意喚起を(たとえば、ペットの飼い主および/または獣医へ)返すことができる。しかしながら、センサ・データの組合せが、1つまたは複数のスレッショルドとの比較の後に注意喚起をトリガしない場合には、ステップ908においてデータが無視され、この方法がその先のデータを受け取るステップ901/903/905へ戻る。いずれの事象(たとえば、注意喚起または無視)においても、読み値および結果を、その後に続くDMS 301へのアップロードのためにステップ907においてローカル・ストレージ内に書き込むことができる。
【0080】
ステップ803におけるセンサ・データまたはステップ907における複数センサ・データの分析は、システム内の任意の適切な場所で実行できる。いくつかの実施態様においては、この分析をウエアラブル・デバイス101内で実行できる。その種の実施態様においては、ウエアラブル・デバイス101が、突発的なデータの分析(たとえば、独立したインテリジェント判断)をはじめ、長期的なデータ分析を実行できる。後者について、ウエアラブル・デバイスは、時間にわたって多様な事象の多くの記録済みパン屑リストを監視できる。たとえば、ウエアラブル・デバイス101は、貨物倉内に入れられているペットのFAA規則に準じて動物の状態の監視のために時間にわたって動物の体温を監視できる。ほかの実施態様においては、ウエアラブル・デバイス101が、地方自治体の条例に動物401が応じていることを確認するか、または継続的に吠えることを潜在的ストレスの表われとして解釈するべく時間にわたって動物の吠え声を監視できる。
【0081】
ほかの実施態様においては、センサ・データの分析をDMS 301内において実行できる。ここでもDMS 301が、突発的なデータ分析をはじめ長期的なデータ分析の両方を実行できる。後者についてはDMS 301が、個別の事象、組合せ事象、および導出済みの事象(たとえば、摂取カロリー対活動レベル)を観察できる。DMS 301におけるその種の事象の観察によって、動物301の健康およびウェルネスのパターンを決定できる。たとえば、DMS 301は、獣医の元を離れた後における動物401の医薬または治療に従った動物の改善(または、それがないこと)のパターンを決定できる。さらに、ウエアラブル・デバイス101のデータを、分析の実行においてそのほかのソースからのセンサ(たとえば、RSSフィード302、飼い主の所見312等)と組み合わせることができる。たとえば、度日の数を含むRSSフィード302と、ウエアラブル・デバイス101における高温注意喚起の数を比較し、たとえば、動物401が過熱であるか、または単に異常に温かい月であるだけであるのかを決定できる。別の例として、飼い主の所見312(たとえば、身体運動後のよろめき、異常な疲労、異常な咳き込み、青白い歯肉等)は、DMS 301を導いて、ウエアラブル・デバイス101レベルにおける心肺アルゴリズムのためのよりより細かい粒状度、より頻繁な検知、およびより敏感なスレッショルドを伴うプロファイルを採用するべくウエアラブル・デバイスのプロファイルまたは動作モードを修正させることができる。
【0082】
図8および9に示されているとおり、動物の健康およびウェルネスの分析は、個別のセンサ(たとえば、
図8)または同時に得られる2以上のセンサの読み値の組合せ(たとえば、
図9)からのデータを分析することによって実行できる。ほかの実施態様においては、動物の健康およびウェルネスの分析を、1つまたは複数のセンサがその第一センサのデータの確証のために1つまたは複数の追加のセンサをトリガすることによって実行できる。これは、
図10を参照するとより容易に理解できる。
図10に示されているとおり、ステップ1001において、1つのセンサ(図示の実施態様においてはn1)からデータが受け取られる。このデータがステップ1003において、
図8および9に関して説明したとおりに1つまたは複数のスレッショルドと比較される。そのセンサの読み値がスレッショルドを超えない(たとえば、注目されない)場合には、ステップ1007においてそのデータが無視され、この方法が追加のデータを獲得するステップ1001へ戻る。それに代えて、その後のDMS 301へのアップロードのためにステップ1005において常にデータをローカルにストア/書き込むことができる。
【0083】
ステップ1001において獲得されたセンサn1からのデータが、ステップ1003において1つまたは複数のスレッショルドを超える場合には、ステップ1001からの受信済みデータの確認または確証に追加のセンサからの信号をチェックできる。言い換えると、いくつかの実施態様においては、1つまたは複数のセンサ(図示の実施態様においてはn1)はそれがスレッショルドを感知した後に『マスタ』センサとして作用し、その後に続いて追加の『スレーブ』センサをコントロールできる。ここでは、ステップ1001−1009がマスタ・センサn1の動作に関係し、集合的に点線のボックス1000Mによって識別されている。同様にステップ1010−1014は、スレーブ・センサn2およびn3の動作に関係し、集合的に点線のボックス1000Sによって識別されている。図示の実施態様においては、ステップ1001において収集されたデータがステップ1005においてスレッショルドを超えると、追加のスレーブ・センサがステップ1010(n2)およびステップ1011(n3)においてデータを収集するべくトリガされるか、または以前に収集済みのデータがチェックされる。ステップ1012においては、受信されたデータの分析(たとえば、ステップ1001、1010、および/または1011において受信されたデータ)を、動物の健康およびウェルネスに関する推論を行なうべく実行できる。さらに、各センサ(n1、n2、およびn3)から受信されたデータを、オプションで重み付けまたはそのほかの形で調整し、この中に述べられているとおり、動物の健康および/またはウェルネスに関係する推論を決定できる。ステップ1012において、組合せデータがスレッショルド・レベルを超えない場合(たとえば、ステップ1010および/または1011において収集された追加のデータが、ステップ1003においてなされた推論を確認しないか、かつ/またはむしろ否定する場合)、ステップ1007においてそのデータが無視されて、したがってこの方法が新しいデータを収集するステップ1001へ戻り、動物401の監視を継続できる。しかしながらステップ1010および/または1011において収集されたデータが、ステップ1001において収集されたデータから行なわれた推論を確認するか、または補助する場合には、ステップ1013において、ストレージ105へのこの決定の書き込みによって、この決定が記録される。さらに、ステップ1014において、その動物の飼い主および/または獣医へ注意喚起が返される。この場合においても、推論が行なわれるか否か(たとえば、無視/注意喚起)とは無関係に、将来におけるDMS 301へのアップロードのために、ステップ1013においてデータをローカルに書き込み/ストアできる。
【0084】
図8−10の中に記述されている方法(たとえば、単一のセンサまたはセンサの組合せから行なわれる推論)を使用して、動物の健康またはウェルネスの特定の推論に到達できる。たとえば、1つまたは複数のセンサNmの分析が、動物の健康およびウェルネスに関係する突発的および/または長期的な推論を可能にできる。1つまたは複数のセンサを使用して行なわれ得る突発的な推論の例として、1つの実施態様においては、GPSジオゾーンの注意喚起を、たとえばGPSセンサ(ウエアラブル・デバイス101の上に備えられたセンサの1つの例)を使用して確認するか、またはキャンセルできる。特にジオゾーンの注意喚起は、たとえば、1つまたは複数の衛星との通信の一時的な途絶に起因して偽陽性となる(したがって、動物401の移動として解釈され得る)傾向を有し得る。しかしながら、いくつかの実施態様においては、GPSジオゾーンの注意喚起と加速度計の読み値を比較して、注意喚起の確証/確認を行なうことができる。特に、動物401が移動していない(加速度計から受信されるデータから決定される)場合には、ジオゾーンの注意喚起をキャンセルできる。
【0085】
同様に、いくつかの実施態様においては、信号強度、たとえばRF信号のそれと動物401のGPS位置を比較して、たとえばジオゾーン破りを確認できる。特に、GPSからの読み値は、動物401がジオゾーンの外へ移動したことを示すことがある。しかしながら、ベース・ステーションからのRF信号(RFアンテナで受信される)の信号強度が依然として強い場合には、GPSの読み値が、偽陽性(たとえば、1つまたは複数の衛星との通信の途絶の結果)と解釈でき、したがってその注意喚起をキャンセルできる。
【0086】
1つまたは複数のセンサを使用して行なわれ得る突発的な推論の別の例として、高い加速度の読み値(たとえば、加速度計から)が、追加のセンサのトリガおよび/またはそのほかの形での追加のセンサからのデータと比較され、動物401が衝突事象(たとえば、乗り物がぶつかる)に巻き込まれたか否かを決定できる。たとえば、加速度計からの高い加速度の読み値は、たとえばウエアラブル・デバイス101上の照度計および/またはマイクロフォン(内部センサの2つの例として)からの読み値を用いて補助することができる。高い加速度の読み値に加えて、ウエアラブル・デバイスが高い光の入射の読み値(たとえば、ヘッドライト)および/または高いノイズの読み値(たとえば、衝撃)を受け取った場合には、衝突事象の可能性の注意喚起を返すことができる。
【0087】
1つまたは複数のセンサを使用して作成され得る突発的な推測の別の例として、周囲フェンス破り(RFアンテナ109、Wi−Fi、ブルートゥース、またはそのほかのRFテクノロジによって決定されるとおり)を、ウエアラブル・デバイス101上の(内部センサの例としての)周囲光、サウンド、温度、および/または湿度センサからの読み値と比較し、動物401が実際に、たとえば家を離れたか否かを決定できる。検知された湿度、温度、光等が、動物401が外に出たことを示していれば、周囲フェンス注意喚起を返すことができる。しかしながら、各読み値が、動物401が内側にいることを示していれば、周囲フェンス破り注意喚起は、偽陽性として解釈され、したがってキャンセルされ得る。
【0088】
1つまたは複数のセンサを使用して作成され得る突発的な推測の別の例として、たとえば(センサの1つの例としての)マイクロフォンからのデータを、(センサの別の例としての)加速度計からの読み値と比較し、動物401が、たとえばスレッショルド時間期間より長く吠え続けているか否かを決定できる。たとえば、マイクロフォンからの読み値は、動物401が吠えていることを示す可能性、または別の事象(たとえば、雷鳴)に起因する可能性がある。しかしながら、加速度計から受信されるデータは、吠える事象の特徴的な頭部の動きまたは振動が検知されたか否かに従って動物が吠えていることを確認/否定することができる。
【0089】
さらに、内向きアンテナ(たとえば、UWBアンテナ)からの検知されたデータを、マイクロフォンと比較し、呼吸の質等に関する多くの推論を組み立てることができる。たとえば、UWBアンテナを使用し、頸部エリア内の筋肉(たとえば、動物の気管511周りの筋肉)の動きを監視することによって動物の呼吸の質の推論を行なうことができる。さらに、検知されたUWBデータを、ウエアラブル・デバイス101上に備わるマイクロフォンおよび/または外部マイクロフォン(たとえば、飼い主のスマートフォン等のパーソナル・モバイル・デバイス上に備わるマイクロフォン)を用いて確証を行ない、その動物401がイヌ伝染性気管気管支炎に罹患しているか否か等に関する推論を行なうことができる。
【0090】
1つまたは複数のセンサを使用して作成され得る突発的な推測の別の例として、突発的または傾向ベースのいずれにおいても、UWBテクノロジを使用した心拍数(分当たりの拍数)、質(その分にわたる変動)、および心臓出力を提供する一回心拍出量の測定によって非侵襲性の心臓出力を決定できる。これらの測定から導出されるそのほかの結論には、時間にわたる血圧の変化、および体外または体内出血に起因して動物の血液量が少なくなっているか否かということも含め得る。これらのセンサは、動物の胸骨に近い胸部、のど笛および頸動脈に近い頸部の正面、または動物のそのほかの、特定の注目信号を拾う部位に配置できる。
【0091】
1つまたは複数のセンサを使用して作成され得る突発的な推測の別の例として、いくつかの内部および周囲サーミスタから非侵襲性の深部体温の測定および/または導出ができる。さらに、マイクロ波放射測定/温度測定(マイクロ波アンテナを使用する)を、ほかのテクニックとともに、低体温症、高体温症、細菌性もしくはウイルス性感染症、炎症、病気の発症、免疫介在性もしくは新生物性の疾患、極度のエクササイズ、または排卵の兆候となり得る深部体温における変動の決定に使用できる。
【0092】
1つまたは複数のセンサを使用して作成され得る突発的な推測の別の例として、消化路内の閉塞の非侵襲性の測定を、ウエアラブル・デバイス101を関心エリアまで移動し、UWBテクノロジを使用してその活動からのデータの読み取りおよびアップロードを可能にすることによって達成し得る。
【0093】
1つまたは複数のセンサを使用して作成され得る突発的な推測の別の例として、動物の飲食習慣の非侵襲性の測定を独立に行なうこと、またはUWBテクノロジを使用するほかのセンサを用いて確証することが、食道および周囲組織を含む頸部エリアからの信号を調べることによりできる。
【0094】
いくつかの実施態様においては、動物401のベースライン測度を決定し、その後に続くデータ集合と比較して、たとえば、この中で論じている推測のうちの1つまたは複数を決定できる。いくつかの実施態様においては、2つ以上のセンサから受信されたデータを使用して、たとえば、このベースライン・データの収集に適したタイミングを決定できる。たとえば、いくつかの実施態様においては、クロックまたはそのほかの構成要素(たとえば、照度計等)にアクセスして、たとえば、夜間であると決定できる。さらに、加速度計からのデータを参照し、たとえば、動物401が睡眠中であること(加速度がまったくないか、殆どないことによって示される)を確認できる。その種の実施態様においては、1つまたは複数のバイタル・サインおよび/または生理学的兆候のベースライン測度を、動物401が睡眠中であることを示している1つまたは複数のセンサに応答して獲得できる。
【0095】
1つまたは複数のセンサから突発的な推論を決定する上記の方法は、特定の例の参照によってより容易に理解できる。1つの実施態様においては、ウエアラブル・デバイス101が、(内部センサの例としての)加速度計、マイクロフォン、および/または心肺センサ(たとえば、UWBデバイス)を含み得る。その種の実施態様においては、加速度計が高加速度事象を測定し、ウエアラブル・デバイス101/DMS 301は、その加速度を潜在的な衝突事象(たとえば、動物401に乗り物がぶつかった)の表示として解釈できる。ウエアラブル・デバイス101/DMS 301は、続いて、ほかのセンサ、たとえばマイクロフォンを参照することによってこの解釈の確証または確認ができる。たとえば、高い加速度と同時にマイクロフォンが大きなノイズを検知した場合には、衝突事象の推論が確認され得る。これは、その後、心肺センサ(たとえば、UWBデバイス)等のそのほかのセンサをトリガできる。たとえば、心肺センサは、たとえば血液量の減少(たとえば、体外または体内出血を示す)についての動物401のチェックを含むとし得る動物401の異常のチェックできる。
【0096】
ウエアラブル・デバイス101および/またはDMS 301によってなされる衝突事象の突発的な推測の例を
図11に図解する。
図11は、1つまたは複数のセンサの読み値がどのように、事象が生じたことを示しているとして解釈され得るかを図解している。
図11に示されているとおり、5つのセンサ、すなわちそれぞれがNa、Nb、Nc、Nd、およびNeとして識別されるセンサからの信号が使用される。センサNa 1101、Nb 1102、およびNc 1103からの読み値は、独立に、それぞれの重み付け係数W
Na 1104、W
Nb 1105、およびW
Nc 1106によって重み付けされる。次にステップ1107において、これら3つのセンサの重み付け後の読み値の組合せがスレッショルドa1を超えるか否かが決定される。超えなければ、システムは、ステップ1108においてセンサの読み値を無視し、動物の監視に戻る。超えているときは、この決定がステップ1109においてストアされ、注意喚起がステップ1110において注意喚起レベル1として提供される。
【0097】
また、
図11は、第2の注意喚起レベル(注意喚起レベル2)を決定する能力も含む。たとえば、システムが、ステップ1107の後に注意喚起レベル1に達したことを承知する。システムは、ステップ1111において重み付け後の組合せの追加のチェックを行なうか、または追加の重み付けおよびその重み付け後の組合せを、第2の注意喚起レベルのスレッショルド、すなわちここでa2として示されているスレッショルドと比較する。ステップ1111が肯定であれば、第2の注意喚起レベルa2がステップ1112においてストアされ、ステップ1113において飼い主/DMSに対して注意喚起レベル2が識別される。
【0098】
センサNa、Nb、およびNcからの初期の重み付け後のセンサ読み値に基づいて第2の注意喚起レベルが見つからなかったことからステップ1111の結果が否定であった場合には、第2の注意喚起レベルに到達しているとの決定を可能にする追加のセンサ入力が存在することがある。たとえば、センサNd 1114およびNe 1115からセンサ読み値を獲得できる。センサNdからのセンサ読み値についてシステムは、そのセンサ読み値がセンサNdのための低スレッショルドより低いか否かをステップ1115において決定する。それが肯定であれば、この決定がステップ1112においてストアされ、注意喚起レベル2がステップ1113において提供される。ステップ1115が否定であれば、システムは、そのセンサ読み値がセンサNdのための高スレッショルドより高いか否かをステップ1116において決定する。それが肯定であれば、この決定がステップ1112においてストアされ、注意喚起レベル2がステップ1113において提供される。ステップ1116が否定であれば、システムは、ステップ1110における注意喚起レベル1の提供を継続する。
【0099】
類似の決定をセンサNeからの読み値について行なうことができる。センサNeからのセンサ読み値についてシステムは、そのセンサ読み値がセンサNeのための低スレッショルドより低いか否かをステップ1118において決定する。それが肯定であれば、この決定がステップ1112においてストアされ、注意喚起レベル2がステップ1113において提供される。ステップ1118が否定であれば、システムは、そのセンサ読み値がセンサNeのための高スレッショルドより高いか否かをステップ1119において決定する。それが肯定であれば、この決定がステップ1112においてストアされ、注意喚起レベル2がステップ1113において提供される。ステップ1119が否定であれば、システムは、ステップ1110における注意喚起レベル1の提供を継続する。
【0100】
最後に、オリジナルのセンサ・レベルのうちの1つを再検討して、それがそのセンサのためのプロファイル外にあるか否かを決定できる。たとえば、ステップ1120において、センサNcのセンサ読み値がそのセンサのためのプロファイルと比較される。その読み値がそれのプロファイル外であれば、この決定がステップ1112においてストアされ、注意喚起レベル2がステップ1113において提供される。ステップ1120が否定であれば、システムは、ステップ1110における注意喚起レベル1の提供を継続する。
【0101】
次に、事象が生じたか否かを決定するべく
図11がどのように特定のセンサ読み値に適用され得るかについて説明する。以下は、高い衝突事象が生じたことを決定する例示の方法の説明である。ここでは、センサNa、Nb、Nc、Nd、およびNeを、それぞれ、照度計センサn1、マイクロフォン/ピーク・サウンド・センサn2、加速度計n3、GPS受信機n4、および心肺センサn5によって表わす。
【0102】
ステップ1103において加速度計(n3)が、高い衝突事象の可能性を示す高い加速度事象(たとえば、10G超)を検知する。この実施態様においては、加速度計(n3)が『マスタ』センサとして作用し、この突発的な状態(たとえば、衝突事象の可能性を示す高い加速度)がステップ1103において検知されると、それが、この事象を確認/確証するほかのセンサの検知および/またはデータ・レポートをコントロールできる。特にプロセッサ101は、加速度計n3の高い信号を使用して、照度計n1およびマイクロフォンn2の最近の読み値を調べることができる。それらの最近の読み値は、センサに応じてストレージ105またはストレージ119内にストアされているとし得る。その結果、この場合において加速度計センサn3がマスタ・センサとなり、照度計n1およびマイクロフォンn2がスレーブ・センサになる。
【0103】
スレーブ・センサからの以前の読み値が再検討され、突発的スレッショルド事象が調べられて、以前の時間間隔にわたって何が起きたかについてのより正確な図式が作られ、かつおそらくは、加速度計n3からの高い衝突事象の可能性が確認される。したがって、ステップ1105においてプロセッサ100は、高い加速度の読み値の直前であり、それとオーバーラップする時間期間にわたるマイクロフォン/ピーク・サウンド・センサ(n2)からのストア済みデータを取り出し、ステップ1107においてプロセッサ100は、この高い加速度の読み値の直前であり、それとオーバーラップする時間期間にわたる照度計n1からのストア済みデータを取り出す。
【0104】
ステップ1104−1106においては、各センサから受信されたデータの重み付けおよび単一結果への結合が行なわれ、ステップ1107において、構築したプロファイルが、注目する(たとえば、衝突)事象が生じた高い程度の可能性を満たすか否かを決定できる。たとえば、照度計(n1)が高強度の光(潜在的にヘッドライトを示す)を検知した場合、および/またはマイクロフォン/ピーク・サウンド・センサ(n2)が大きなノイズ(潜在的に乗り物による衝突を示す)を検知した場合に、ステップ1107においてこの方法が、実際に衝突が生じたと決定できる。ほかの読み値から、可能性のある衝突事象を確認されないとき、ステップ1108においてデータが無視される。そのこととは無関係に、受信されたデータを、その後に続くDMS 301へのアップロードのためにステップ1109においてローカルにストアおよび/または書き込みができる。
【0105】
結合された確証済みのデータがステップ1107において特定の条件を満たす場合には(たとえば、それぞれが衝突事象を示す)マスタ・センサ(図示の実施態様においては、加速度計n3)が、たとえば個別のスポット読み取り、スケジュール・ベースの読み取り、または各センサの検知構成の変更を行なうために、ほかのセンサ(それ自体を含む)をトリガするか、かつ/または状態を変更できる。読み取りが決定的でない場合には、センサに読み取りの継続が指示される。
【0106】
たとえば、図示の実施態様のステップ1109において、加速度計(n3)を、割り込みモード(たとえば、突発的事象を探す)から動き活動のリアルタイム監視へ変更する(プロセッサ100によってコントロールされる)。このリアルタイム監視は、ステップ1120における決定のように、動物の歩様が劇的に変化したか否かを決定するべくプロファイルとの比較ができる。ステップ1117においては、GPSセンサ(n4)に動物401の位置、速度、および/または方向の決定が指示される(すなわち、プロセッサ100によってコントロールされる)。動物401が一様な態様で移動していれば、この読み値は、それに割り当て済みの低いリスク比を有することになる。さらに、ステップ1107において心肺センサ(n5)をトリガし、心拍数、呼吸数、一回心拍出量、および/または血圧の変化をチェックできる。心肺センサ(n5)は、このように異常(たとえば、血液量の減少)を探して読み値にリスク比を割り当てることができる。言い換えると、プロセッサ100は、心肺センサn5からの異常な読み値を捜し出し、それらの読み値にリスク比を割り当てることができる。
【0107】
ステップ1115、1116、1118、および1119においては、ウエアラブル・デバイス101および/またはDMS 301内のプロセッサが、上記のセンサのうちの1つまたは複数からのデータを比較して、たとえば、決定したエピソード(たとえば、衝突事象)に続いて注意喚起レベルを決定する。たとえば、上記の重み付けデータ・ポイントのすべてを考慮した後、プロセッサは、記録済みの多様な注意喚起レベルの事象が(ステップ1110および1113における)飼い主および/または獣医への送信に値することを、センサの読み値の信頼性に基づいて決定できる。さらに、衝突事象に続く動物の経過を継続的に監視するために、ステップ1110および1113においてウエアラブル・デバイス101に継続的な読み取りを指示できる。
【0108】
次に示す式は、センサの値の重み付けおよび注意喚起レベルのスレッショルドに対する比較を記述している。次の式(1)は、センサNcからのセンサ読み値がセンサNcのためのスレッショルドに対してどのようにチェックされるかを記述する。
【数1】
(1) n
c>n
c threshold
であれば、
n
cが、n
cのためのスレッショルド(n
c threshold)を超えたことを注意喚起する。
【0109】
次の(2)は、センサNcからのセンサ読み値がセンサNcのためのスレッショルドに対してチェックされ、そのスレッショルドを超える場合には、センサの読み値NaおよびNbおよびNcの重み付け後の組合せが注意喚起レベル1のスレッショルドを超えるか否かを決定する態様を記述する。
【数2】
(2) n
c>n
c threshold
であり、
((時間T1にわたるn
aの最大値)/n
a threshold)×w
a+((時間T2にわたるn
bの最大値)/n
b threshold)×w
b+((時間T3にわたるn
cの最大値)/n
c threshold)×w
c≧a
1
であれば、
注意喚起1のための注意喚起。
これにおいて、
a
1は、注意喚起レベル1のスレッショルドであり、a
1を超える値は注意喚起レベル1をもたらし、a
1より低い値は注意喚起をもたらさない。
時間T1、T2、およびT3は、センサNa、Nb、およびNcのための以前の読み値が再検討される時間間隔である。
Wa、Wb、およびWcは、それぞれ、センサNa、Nb、およびNcの読み値のための重み付けの値である。
【0110】
特に、式(2)は、時間窓の間のセンサの最大値(または、適切であれば最小値)をスレッショルドで除することによって各センサの値を正規化している。これは、各センサの個別の単位の影響を取り除くことを可能にする。次に、重み付け係数が各正規化後のセンサ読み値を、それらを加算して注意喚起レベル1のためのスレッショルド(a1)と比較できるように調整する。
【0111】
次の式(3)は、式(2)と類似する分析を記述するが、注意喚起レベルのスレッショルドが注意喚起レベル2のスレッショルドa2に設定されている。
【数3】
(3) n
c>n
c threshold
であり、
((時間T1にわたるn
aの最大値)/n
a threshold)×w
a+((時間T2にわたるn
bの最大値)/n
b threshold)×w
b+((時間T3にわたるn
cの最大値)/n
c threshold)×w
c≧a
2
であれば
注意喚起2のための注意喚起
これにおいて、
a
2は、注意喚起レベル2のスレッショルドであり、a
2を超える値は注意喚起レベル2をもたらし、a
2より低い値は注意喚起をもたらさない。
時間T1、T2、およびT3は、センサNa、Nb、およびNcのための以前の読み値が再検討される時間間隔である。
Wa、Wb、およびWcは、それぞれ、センサNa、Nb、およびNcの読み値のための重み付けの値である。
【0112】
式(4a)および(4b)は、式(2)と関係するが、
図11のスレーブ・センサの分析も含む。
【数4】
(4a) (マスタ) n
a>n
a threshold かつ
((時間T1にわたるn
aの最大値)/n
a threshold)×w
a+((時間T2にわたるn
bの最大値)/n
b threshold)×w
b+((時間T3にわたるn
cの最大値)/n
c threshold)×w
c≧a
1
であれば、
スレーブ(4b)をアクティブ化
(4b) (スレーブ) n
d<n
d low threshold または n
d>n
d high threshold
または、
n
e<n
e low threshold または n
e>n
e high threshold
または
n
a≠n
aのための既存のプロファイル
であれば、
注意喚起レベル2
それ以外は
注意喚起レベル1
これにおいて、
a
1は、注意喚起レベル1のスレッショルドであり、a
1を超える値は注意喚起レベル1をもたらし、a
1より低い値は注意喚起をもたらさない。
時間T1、T2、およびT3は、センサNa、Nb、およびNcのための以前の読み値が再検討される時間間隔である。
Wa、Wb、およびWcは、それぞれ、センサNa、Nb、およびNcの読み値のための重み付けの値である。
『n
aのための既存のプロファイル』は、ある時間間隔にわたるn
aの期待値のためのプロファイルである。
【0113】
ここでは、注意喚起レベル2が、マスタおよびスレーブの両方があらかじめ定義済みのレベルに到達するとアクティブ化されることによって定義される。注意喚起レベル1は、マスタだけがそれのあらかじめ定義済みのレベルに到達し、スレーブがそれのあらかじめ定義済みのレベルに到達していないときにアクティブ化されることによって定義される。
【0114】
上記の式は、各センサの読み値について評価される時Tに基づいていれば、センサがそのほかのデバイス上に配置されることも許容する。したがって、共通の時(たとえば、センサNcからの読み値がNcスレッショルドを超えた時T(Nc))が決定された後は、ほかのセンサの読み値がその時T(Nc)から正規化され、評価される。
【0115】
種々のデバイス上に配置されるセンサ
前述したとおり、ウエアラブル・デバイス101上にすべてのセンサを配置すること、またはいくつかをウエアラブル・デバイス101上に配置し、そのほかを別体のデバイス上に配置することができる。別体のデバイスは、ユーザのスマートフォン(たとえば、スマートフォン上のマイクロフォン)とし得る。端的に言えば、1を超える数のデバイス上(たとえば、ウエアラブル・デバイス101およびユーザのモバイル・デバイス)に配置されるセンサからデータを取り込み、比較すること、および比較して、たとえば動物の健康およびウェルネスに関する突発的な推論を決定できる。たとえば
図12は、1を超える数のデバイスからセンサ・データを獲得するための方法の一例を図解であり、その後そのデータはDMS 301へ転送され、分析されて、動物の健康およびウェルネスに関係する推論(図示の例においては、呼吸の推論)が決定され得る。
図11の場合と同様に、
図12のタイムライン12011は、互いに関して各ステップが実行される相対的な時間を示している。
図12のステップ1201において、ユーザがモバイル・デバイスのアプリケーションを起動する。たとえば、ここで説明しているとおりの健康監視システムは、オンデマンドでセンサをトリガできる動物401の飼い主のスマートフォン、タブレット、コンピュータ等にダウンロード可能なコンパニオン・モバイル・アプリケーションを含み得る。ユーザは、動物の飼い主または獣医等とし得る。ステップ1202においては、ユーザがデータ収集を希望する機能を選択できる。データを取り込み、それを返すための具体的なセンサ選択は、いずれの特定の推論をユーザがトリガするかに大きく依存する。
図12に示されている実施態様においては、ユーザが、呼吸分析を選択している。ステップ1203においては、センサに、この呼吸分析に関係するデータの収集および/または転送の命令が送信される。たとえば、ユーザが『呼吸分析』を選択したことから、ともにウエアラブル・デバイス101上にある心肺センサ(n5)および加速度計(n3)へ、およびユーザのモバイル・デバイス上にあるマイクロフォン(n14)へ命令が送信され得る。ステップ1204、1205、および1206においては、それぞれのデバイスがデータを収集するか、かつ/または以前に収集済みのデータを取り出す。これらのセンサは、スタンバイ状態に置かれており、事象の開始(たとえば、咳き込み)に基づいてトリガされるとし得る。
【0116】
以下に示す3つの例においては、次に挙げるシナリオを説明する:すなわち、モバイル・デバイスとウエアラブル・デバイスの間のトリガなし(DMSによって同期されるだけ)、モバイル・デバイスのトリガがウエアラブル・デバイスによる記録を開始、およびウエアラブル・デバイスのトリガがモバイル・デバイスによる記録を開始。第1の例においては、ユーザのモバイル・デバイス上で実行するアプリケーションが実行中であり、タイムスタンプ付きのオーディオ・ファイルを記録しているとし得る。DMSは、そのオーディオ・ファイルと加速度計の読み値を、加速度計から獲得されたデータのタイムスタンプに基づいて相関させることができる。第2の例においては、スレッショルドを超えるレベルの検知に基づいて、モバイル・デバイスまたはウエアラブル・デバイスが他方のデバイスをトリガできる。たとえば、モバイル・デバイスは、ウエアラブル・デバイスからの、そのウエアラブル・デバイスの加速度計が咳き込みの検知を開始したことを示す表示を待機し、その時点においてウエアラブル・デバイスが、モバイル・デバイスに注意喚起を与える。この注意喚起に応答してモバイル・デバイスは、タイムスタンプ付きのオーディオ・ファイルの記録を開始できる。この例においては、犬が咳き込みを開始する前に記録された過剰な、関心外のオーディオ・ファイルは記録されない。第3の例においては、モバイル・デバイスがウエアラブル・デバイスに、モバイル・デバイス上のマイクロフォンが咳き込みのサウンドを拾ったこと、およびウエアラブル・デバイスは動物を監視する必要があることを通知する。以下の3つの例においては、次に挙げるシナリオを説明する。
【0117】
ステップ1204−1206において収集されたデータの各断片は、分析時に、順序どおりに並べるか、または同期させて正確な集合にし、データの各断片をほかの断片とともに考察できるようにタイムスタンプ付きとすることができる。ステップ1207においては、ウエアラブル・デバイス101上において収集されたデータがDMS 301にアップロードされ、ステップ1208においては、ユーザのモバイル・デバイスにおいて収集されたデータがDMS 301にアップロードされる。ステップ1209においては、アップロードされたデータが、タイムスタンプの同期に基づいて互いに相関され、関連する咳き込みがいつ始まったかを決定する。次のステップ1210では、DMS 301において、データが分析されて、動物の健康およびウェルネス(図示の例においては、呼吸の質)に関する適切な推論が決定される。
【0118】
たとえば、結合されたデータは、動物401がイヌ伝染性気管気管支炎を罹患しているとの推論を導くことがある。さらに、いくつかの実施態様においては、データがタイムスタンプ付きとなることから、本質的に異なるソース(ここでは、ウエアラブル・デバイス101とモバイル・デバイス)から到来するセンサ読み値であっても推論を容易に決定できる。上では、分析ステップ1210がDMS 301において実行されるとして説明されているが、ほかの実施態様においては、分析がユーザのモバイル・デバイス、および/またはウエアラブル・デバイス101において実行されることがある。
【0119】
図8−12に図示されている方法を使用して行なわれる突発的推論に加えて、上記の方法を使用して長期的な推論(たとえば、傾向の推論)を行なうことができる。言い換えると、収集されたデータがウエアラブル・デバイス内に(たとえば、ステップ805、907、1005/1013、および/または1109/1112において)ローカルにストアされ得ることから、またはDMS 301にアップロードされてストアされ得ることから、時間にわたるデータ内の変化または変動等が監視され、相応じた長期的な(傾向の)推論を、動物の健康および/またはウェルネスに関して行なうことができる。
【0120】
例として述べるが、いくつかの実施態様においては、動物の長期的な体重変動を監視し、相応じて動物401についての推論を行なうことができる。たとえば、長期的な体重変動の監視は、痩せているペットが15%の寿命の増加(+2年)を有することから、またほかの成長状態の予兆となり得ることから重要である。他方、急激な体重減少は、消化路の閉塞または、糖尿病の発症に起因して体内でタンパク質および脂質の崩壊が生じる悪液質を示していることがある。したがって、動物の体重を時間にわたって監視し、比較することによって、動物の健康およびウェルネスについての推論が決定され得る。
【0121】
1つまたは複数のセンサを使用して決定され得る長期的な推論の別の例として、動物の活動レベルを監視できる(たとえば、加速度計、GPS等を使用する)。さらに、測定された活動レベルを、動物401の、および/または動物の飼い主の週末および平日のライフスタイル・プロファイルについてDMS 301によって調整できる。たとえば、飼い主が午前3時に動物をつれて散歩に出る場合、このことが飼い主によってDMSに明らかにされていれば、DMSは、動物が夜中に飼い主の家を離れたとする飼い主への注意喚起を控える。活動レベルの監視からなされる推論は、動物に充分な運動の機会が与えられていないこと、または関節炎により自発的な活動の間に動物がスローになる状態を示すことができる。
【0122】
1つまたは複数のセンサを使用して決定され得る長期的な推論の別の例として、動物の飲食習慣を時間にわたって監視できる。飲食の変動は、糖尿病に関係する多食多飲状態の発現の重要な兆候となり得る。
【0123】
1つまたは複数のセンサを使用して決定され得る長期的な推論の別の例として、動物の睡眠パターンを監視して、動物の健康およびウェルネスに関係する推論を組み立てることができる。睡眠パターンは、骨関節炎等のペットの潜在的な問題の重要な兆候となり得る。一部の飼い主は、動物がより長く眠るようになったことを加齢の結果と決め込むことがあるが、実際、医学的状態の発現を示していることがある。たとえば、動物は、遊びで興奮している間には片足を引きずったり、鼻を鳴らしたりせず、より若い犬のように活動し、後になってそれを気にすることがある。これは、より長い休憩、立ち上がりの硬さ、および日常的な散歩への抵抗によって明らかになり得る。より長い睡眠期間についてのそのほかの理由として、甲状腺、腎臓、または肝臓病による原因が考えられる。動物は、強迫性行動障害を原因とする睡眠障害を有することがある。いくつかの実施態様においては、睡眠パターンがDMS 301によって導出され、飼い主の個人的所見312と協働され得る。
【0124】
この開示のほかの態様によれば、提供されているウエアラブル・デバイスのUWBテクノロジを使用して(たとえば、UWBデバイスを使用して)長期的な推論を決定できる。たとえば、1つの実施態様においては、呼吸監視が休息間の浅速呼吸、より多くの腹筋を使用する呼吸、困難な呼吸、非対称の呼吸、呼吸レートの増加または減少、喘鳴、咳き込み、およびむせび等の異常の兆候を明らかにすることがある。
【0125】
UWBテクノロジを使用して決定できる長期的な推論の別の例として、UWBデバイスにより時間にわたって動物の心拍数を監視できる。心拍数監視は、心拍数の増加または減少および/または異常なリズムを明らかにすることがあり、それには、心悸亢進および心拍低下または心拍脱落を含め得る。追加の実施態様においては、時間にわたって測定される一回心拍出量が、動物401の全体的なフィットネス・レベルの導出、および/または動物401がそれを低下させる状態を発現していることの表示に使用できる。
【0126】
UWBテクノロジを使用して決定できる長期的な推論の別の例として、動物の血圧の変化(血圧の上昇および降下の両方)を監視できる。血圧のベースライン(たとえば、動物401の睡眠中、またはここで述べているとおりの低い活動状態にあるときに測定できる)からの変化は、高血圧の発現を示している可能性があり、それがほかの深刻な医学的状態を導く可能性がある。
【0127】
前述の実施態様のいずれにおいても、時間依存の推論を決定するために、収集されたデータをタイムスタンプ付きとすることができる。言い換えると、多様な検知活動へのタイムスタンプ付けおよび時間的な遡及の可能性は、有害な事象を決定する根本原因の分析を可能にする(たとえば、動物が元気に散歩していたが、その後「持って来い」遊びをして、いまは片足を引きずっている)。さらに、いくつかの実施態様においては、タイムスタンプにより変化のレートの分析が可能になり、続いてそれを可能性のある結果の予測に使用できる(たとえば、動物がジオゾーンの外側エリアへ向かって勢いよく走り出し、したがって、そのゾーンを破ることはありがちである)。
【0128】
図13は、ウエアラブル・デバイス101上に配置されるかまたはウエアラブル・デバイス101外に配置され、この開示のいくつかの態様に従ったここで開示されている健康監視システムに関連して使用されるいくつかのセンサの例示的な属性を要約した表1301である。具体的に述べれば、1301は、各センサの数(Nmで表わされている)を示す列1303、各センサのタイプを示す列1305、ウエアラブル・デバイスに関するセンサの位置を記述する列1306、各センサの主要目的を示す列1307、センサの一般的なカテゴリを記述している列1308、各センサがマスタであるかまたはスレーブ・センサであるかを示す列1309(ここでは、
図14に関して記述)、各センサの二次的な目的(ある場合)を示す列1311を含む。
【0129】
例として述べるが、この実施態様において、N1は、ウエアラブル・デバイス101上に配置される照度計および/またはスペクトル計を参照している。列1307に示されているとおり、照度計の主要な目的はウエアラブル・デバイス101の(したがって、動物401の)周囲の光レベルを監視することである。さらに、列1309に示されているとおり、照度計は、スレーブ・センサとしてのみ作用し、したがって、この実施態様においては、そのほかのセンサをコントロールし得ない。列1311に示されているとおり、照度計は二次的な目的も有し、ここでは、屋内/屋外インジケータ(たとえば、UVレベルの検知によって)として働くか、または近隣の空気中のケミカル・シグニチャを分析する。
【0130】
図14は、この開示の1つまたは複数の実施態様に従った
図13に表わされている各センサのマスタ/スレーブ関係を図解的に示した表を表わす。具体的に言えば、
図14は、各センサを識別する行をはじめ、各センサを識別する列を有する。各セル内の値は、それらの交点セルが『X』を含む場合に、その行センサが、列センサ内に識別されたスレーブに対するマスタ・センサであるとして関係を識別する。行および列タイトル内が同一センサとなる交点は、セルの値が『I』によって識別され、同一のセンサであることを明示する。興味深いことは、いくつかの実装においては、各センサがそれ自体のマスタとして作用できることである(たとえば、検知した読み値に応答して、それ自体によるさらなるデータ収集をコントロールする)。これの例が
図11のステップ1120に示されており、センサNcからの読み値が期待されるプロファイル外であるか否かを明らかにする。
【0131】
例として述べるが、リストされた『N3』に続く行内の各『X』または影付きのセルによって示されるとおり、いくつかの実施態様においては、加速度計(N3)が、スレーブ・センサN1(照度計)、N2(ピーク・サウンド)、N3(それ自体、加速度計)、N4(GPS)、N5(心肺)、N6(温度)、N8(Wi−Fi)、N9(ブルートゥース)、N10(RF)、およびN11(GSM)のマスタとして作用できる。さらに、『N3』の下にある列内の各『X』または影付きのセルによって示されるとおり、いくつかの実施態様においては、加速度計(N3)が、ほかのマスタ・センサ、すなわちN3(それ自体、加速度計)、N5(心肺)、N13(バッテリ強度)、およびN14(モバイル・マイクロフォン)のスレーブとして働くことができる。
【0132】
図15は、多様な動作モードおよび各センサが多様な動作モードにおいてどのように動作し得るかに関係する。列1501は、番号によってセンサを識別する。列1502は、センサ・タイプを識別する。列1503は、各センサがプロファイル動作モードにおいてどのように動作するかを識別する。列1504は、各センサが機内動作(RF無線動作なし)モードにおいてどのように動作するかを識別する。列1505は、各センサが位置注意喚起動作モードにおいてどのように動作するかを識別する。
【0133】
たとえば、
図15は、列1503内に示されているとおり、プロファイル・モードにあるとき、ピーク・サウンド・センサ、加速度計、および時刻センサ(たとえば、内部クロック)が特定のプロファイル設定に影響されないことを識別する。残りのセンサは、プロファイルに基づいて異なる動作を有し得る。
【0134】
機内動作モード1504においては、殆どのセンサがオフであるが、ピーク・サウンド・センサはスタンバイ状態であり、加速度計、周囲温度センサ、および時刻センサはオンである。言い換えると、機内モードにおけるこれらのセンサの動作は、有意な電磁放射を生成するすべての無線、センサ、および/または構成要素がディセーブルされることを識別する。
【0135】
位置注意喚起動作モード1505においては、動物の位置の決定を補助するすべてのセンサがオンになり、それには、照度計、加速度計、GPS、Wi−Fi信号検出器、ブルートゥース信号検出器、RF信号検出器、およびGSM信号検出センサが含まれる。残りのセンサは、電力の節約を補助するためにオフにできる。位置注意喚起モード1505においては、首輪に対して少ないバッテリ残量での動作時にそれを識別するべくバッテリ強度センサもまたオンのままにできる。たとえば、GPSセンサ/無線n4、Wi−Fiセンサ/無線n8、ブルートゥース・センサ/無線n9、RFセンサ/無線n10、およびGSMセンサ/無線n11のうちのいずれが存在するかに依存して、それらのセンサ/無線を優先し、心肺センサn5がディセーブルされる。
【0136】
図16A−16Gは、ウエアラブル・デバイス101によって使用可能な種々のプロファイルに関する。
図16A−16Gのそれぞれにおいては、列1601がセンサ番号を識別し、列1602がセンサ・タイプを識別する。
【0137】
図16Aは、第1のプロファイル、すなわち飼い主によって設定される通常監視プロファイルに関係するプロファイル0を記述している。プロファイル・タイプはセル1603A内に識別され、それのタイトルがセル1604A内に識別されている。これにおいて、低スレッショルド1605Aと高スレッショルド1606Aの間の範囲は、比較的大きく設定され、各センサの動作の頻度は比較的頻繁でなく、多様なセンサの読み値の粒状度は低い。このプロファイルは、飼い主によって設定される通常プロファイルの例である。たとえば、
図16Aのプロファイル0の下に動作するプロセッサは、加速度計センサn3について低い粒状度を有する。低い粒状度は、加速度計センサn3からの信号に適用されるローパス・フィルタの形式を取ることができる。ローパス・フィルタは、瞬時的な加速度計出力レベルをスムージングし、瞬時的な出力は高スレッショルドを超えるが、平均出力が低いときに、加速度計の高スレッショルドのトリガを排除するか、かつ/または低減できる。それに代えて、ローパス・フィルタをスムージング・フィルタ(たとえば、より長い時定数を伴うコンボリューション・フィルタ)に置き換えて、加速度計n3からの信号内の不規則なスパイクを低減できる。さらに、短い持続時間の加速度スパイクに対してプロセッサが不感またはより敏感でなくなるように、上記のフィルタをプロセッサの一部とし得る。
【0138】
図16Bは、第2のプロファイル、すなわち飼い主によって設定される強化監視プロファイルに関係するプロファイル1を記述している。プロファイル・タイプはセル1603B内に識別され、それのタイトルがセル1604B内に識別されている。これにおいて、低スレッショルド1605Bと高スレッショルド1606Bの間の範囲は、
図16Aのプロファイル0のそれと比較すると狭く、各センサの動作の頻度は比較的より頻繁であり、多様なセンサの読み値の粒状度は高い。このプロファイルは、飼い主がペットの現在の健康を懸念し、首輪によってより多くの情報が獲得されることを望んでいる場合の強化されたプロファイルの例である。
図16Aのプロファイル0とは対照的に、このプロファイル1は、列1605Bの低スレッショルドのためのトリガ・ポイントのいくつかがより高く、列1606Bの高スレッショルドのためのトリガ・ポイントがより低いことからわかるとおり、強化された感度を有する。また、いくつかの場合においては、列1601Bにおける監視の頻度もより頻繁になっている。同様に、列1608B内の粒状度も高い。たとえば、加速度計n3については、粒状度が『高』と列1608B内に記述されている。ローパス・フィルタの例に関して言えば、そのフィルタを取り除くか、またはより高い周波数の信号のフィルタリングのレベルを減じる修正を行なうことができる。スムージング・フィルタの例に関して言えば、より高い周波数の加速度信号がプロセッサによって分析されるべく時定数(または、スムージングが生じる時間窓)を短くする。また、
図16Aに関して述べたとおり、プロセッサが現在のプロファイルに基づいて多様なセンサの出力に対する敏感度を内部的に調整するように、フィルタをプロセッサの一部とすることができる。
【0139】
図16Cは、第3のプロファイル、すなわち獣医によって設定される通常監視プロファイルに関係するプロファイル2を記述している。プロファイル・タイプはセル1603C内に識別され、それのタイトルがセル1604C内に識別されている。これにおいて、低スレッショルド1605Cと高スレッショルド1606Cの間の範囲は、比較的大きく設定され、いくつかのセンサは、それらのセンサからの読み値が獣医に必要ないとし得ることから使用されてなく、また各センサの動作の頻度は比較的頻繁でなく、多様なセンサの読み値の粒状度は低い。これは、獣医が、一般的な監視のベースラインを確立するべく、またはその機能(たとえば、検診のための準備)として、ペットの現在の健康を監視できるプロファイルの例である。
【0140】
図16Dは、第4のプロファイル、すなわち獣医によって設定される強化監視プロファイルに関係するプロファイル3を記述している。プロファイル・タイプはセル1603D内に識別され、それのタイトルがセル1604D内に識別されている。これにおいて、低スレッショルド1605Dと高スレッショルド1606Dの間の範囲は、比較的狭く設定され、各センサの動作の頻度は比較的頻繁であり、多様なセンサの読み値の粒状度は高い。この場合においても、いくつかのセンサが、獣医にそれらのセンサからの読み値の必要性がないことからディセーブルされる。たとえば、手術または処置(たとえば、動物に麻酔を掛けて行なう歯のクリーニング)が動物に施される前にこのプロファイルを使用して、手術/処置前の動物に劇的な事象が最近生じていないことを確認できる。
【0141】
たとえば、手術または処置の後にこのプロファイルを使用し、手術から生じる可能性のある合併症を監視できる。動物を監視する必要性のレベルに基づいて、獣医へ情報が提供されるレートをさらに、以下に関係するとして
図22の例に従って修正できる。
A. ウエアラブル・デバイスによる事象の識別および獣医へのそれらの事象のアップロード、
B. センサからの生データのログおよび獣医へのそれらのログ済みデータのバッチ・アップロード、または
C. 獣医への生データの連続アップロード。
【0142】
上記の説明および
図22の説明に関して言えば、識別済み事象および/または生データの獣医へのアップロードを、ウエアラブル・デバイスからの識別済み事象および/または生データの、ウエアラブル・デバイスからリモート・デバイス(たとえば、ウエアラブル・デバイスと同じローカルWi−Fiネットワーク上のコンピュータ)への直接的転送とすること、またはウエアラブル・デバイスからDMSへの間接的転送、およびその後の獣医への転送とすること(または、獣医がアクセスできるようにすること)ができる。さらに、DMSは、生データおよび可能性としてウエアラブル・デバイスからのデバイス導出事象からさらに事象を導出できる。DMS導出事象は、さらに、獣医へ提供されるか、または獣医の希望に応じた閲覧のために利用可能とすることができる。
【0143】
図16Eは、第5のプロファイル、すなわち獣医によって設定される第1の特定の症状タイプのための監視プロファイルに関係するプロファイル4を記述している。プロファイル・タイプはセル1603E内に識別され、それのタイトルがセル1604E内に識別されている。これにおいて、低スレッショルド1605Eと高スレッショルド1606Eの間の範囲は、比較的狭く設定され、各センサの動作の頻度は比較的頻繁であり、多様なセンサの読み値の粒状度は、いくつかのセンサについては高いが、そのほかについては低い。このプロファイルにおいては、獣医が、いくつかのセンサの値を、ほかのセンサに優先して重視している。たとえば、獣医は、加速度計のサンプリング頻度を『常時オン』とし、粒状度を『高』としていることに基づいて歩様関連の問題のための監視を行なっているとし得る。
【0144】
図16Fは、第6のプロファイル、すなわち獣医によって設定される第2の特定の症状タイプのための監視プロファイルに関係するプロファイル5を記述している。プロファイル・タイプはセル1603F内に識別され、それのタイトルがセル1604F内に識別されている。これにおいて、低スレッショルド1605Fと高スレッショルド1606Fの間の範囲は、比較的狭く設定され、各センサの動作の頻度は比較的頻繁であり、多様なセンサの読み値の粒状度は、いくつかのセンサについては高いが、そのほかについては低い。このプロファイルにおいて獣医は、プロファイル4とは対照的に、センサの差から、その後、
図16Eのプロファイル4の重要なセンサの値に傾注している。これにおいては、獣医が、読み値を毎分獲得するべく頻度に設定され、かつ粒状度が高に設定された心肺センサn5によって、心肺タイプの症状または類似の症状のセットの監視を行なっているとし得る。
【0145】
図16Gは、第7のプロファイル、すなわち獣医によって設定される強化監視プロファイルに関係するプロファイル6を記述し、それにおいていくつかのセンサは、それらの標準の間欠的な利用とは対照的に、連続的に動作される。プロファイル・タイプはセル1603G内に識別され、それのタイトルがセル1604G内に識別されている。これにおいては、低スレッショルド1605Aと高スレッショルド1606Aの間の範囲が比較的狭く設定され、各センサの動作の頻度はそれの重要度に依存する。重要でないセンサについては動作されず、それに対してそのほかのセンサは、連続的に動作される。たとえば、このプロファイルは、動物が手術から回復中であり、獣医が、各バイタル・サイン/生理学的兆候のための個別のセンサを別々に取り付けることによって動物へのストレスを伴うことなく動物のバイタル・サイン/生理学的兆候の連続的な読み値を希望しているときに使用できる。それに代えてこのプロファイルを、動物が危篤状態にあり、連続的に状態が監視されるときに使用できる。このプロファイルにおいては、いくつかの項目が、入院時に関係ないことから監視されない。たとえば、センサn6を介した周囲温度の監視、またはセンサn4を用いるGPS信号の監視は不要になる。この
図16Gのプロファイルは、獣医が、通常は動物に個別に取り付けられる、別々に取り付けられる個別のセンサに代えてウエアラブル・デバイス101を使用することを可能にする。
【0146】
図18は、この開示の1つまたは複数の態様に従って、監視デバイスが取り付けられる動物の品種情報に基づいて多様なセンサ・プロファイルが修正され得る態様の例を示している。具体的には、列1801が、動物の品種のタイプに基づく処理時に感度の修正または調整が行なわれ得るセンサを識別する。たとえば、心肺センサn5のための高および低のスレッショルドは、平均心拍数が高い品種について上側に、平均心拍数が低い品種について下側に調整できる。
【0147】
図18は、この開示の1つまたは複数の態様に従ったウエアラブル・デバイスの異なる動作モードを伴う実施態様を示している。この実施態様においては、ウエアラブル・デバイスが、3つの動作モード、すなわちプロファイル・モード1802、機内モード1803、および位置注意喚起モード1804のうちの1つで動作する。動作モードの集合がグループ1801として示され、プロファイルの集合がグループ1802として示されている。この実施態様では、2つのプロファイル、すなわち飼い主プロファイル1805および獣医/サードパーティ・プロファイル1806をウエアラブル・デバイス内に実装できる。動作モードの選択に基づいて、ウエアラブル・デバイス1807は、動作モードの細目によって指定されるとおりに動作する。最後にウエアラブル・デバイス1807は、リモート・データ管理システムへどのようなコンテントをいつアップロードするかについての動作モードにおける指定に基づいて、その動作モードに従ってコンテントをアップロードする。
【0148】
たとえば、プロファイル動作モード1802においては、この動作モード(および、オプションとして特定のプロファイル)が、ウエアラブル・デバイス1807からのコンテントをリモート・データ管理システム1808へバッチ・アップロードするべきであると識別する。次に、機内動作モード1803においては、この動作モード1803にある間はすべての無線送信機能がディセーブルされ、機内動作モード1803の間に収集されたコンテントは、ウエアラブル・デバイス1807内にストアされ、その後、機内動作モード1803外へ切り換えられたときに限り、リモート・データ管理システム1808へアップロードされる。さらに、位置注意喚起モード1804において動作しているときは、コンテント情報がリモート・データ管理システム1808へアップロードされる。たとえば、飼い主が可能な限り早く動物を捜し出すことを試みている1つの例においては、連続ベースでリモート・データ管理システム1808へ位置コンテントをアップロードできる。ウエアラブル・デバイスからアップロードされるデータは、GPS受信機センサからの位置情報、および/または受信した携帯電話電波塔の信号強度からの三角測量情報、および/またはWi−Fiアクセス・ポイントのIPアドレス、またはタイムスタンプ付きIPアドレスのリストの単なるストア等を含み得る。データは、リアルタイムまたはバッチでアップロードされ得る。Wi−Fiアクセス・ポイントの監視について言えば、ウエアラブル・デバイス101は、時間にわたって遭遇する多様なアクセス・ポイントの追跡を維持することができ、日(または、そのほかの間隔)を通じて訪れた場所(または、近くの場所)のリストが提供されるように(それによって、その日を通じてウエアラブル・デバイスが存在した場所のパン屑リスト情報を提供されるように)、これらのアクセス・ポイントのリストをアップロードできる。
【0149】
図19A−19Bは、この開示の1つまたは複数の態様に従った
図18の実施態様に基づくプロファイルに優先する動作モードの順序を示している。
図19A−19Bに使用されている『スイッチ』は、ハードウエア・スイッチ、ソフトウエア・スイッチ、またはその両方の組合せとし得る。ハードウエア・スイッチは、
図18に記述された動作モードのうちの1つの選択を可能にするウエアラブル・デバイスにローカルに配置されるスイッチとし得る。ソフトウエア・スイッチは、リモート操作され、
図18の動作モードおよび/またはプロファイルのうちの1つへのシフトをウエアラブル・デバイスに命令する。ソフトウエア・スイッチは、おそらくは飼い主、獣医、および/またはサードパーティによって操作される。たとえば、サードパーティを含むグループに空港の係官を含めることができ、それにおいて空港の係官は、ウエアラブル・デバイスにアクセスしてそれを機内動作モード1803に設定できる。ハードウエアおよびソフトウエアの組合せスイッチは、ハードウエア・スイッチ動作(実際のスイッチ、または内部の加速度計によって検知されるデバイスのダブル・タップ)またはソフトウエア・スイッチ動作のいずれにもデバイスが応答することを可能にする。たとえば、外部ハードウエア・スイッチを、ウエアラブル・デバイス101の1つまたは複数の位置、たとえば、
図5のウエアラブル・デバイス101上の位置A−Cまたは首輪/ハーネス402の部分として配置できる。これにおいてハードウエア・スイッチを位置HおよびIの留め金505のそれぞれの部品とし、留め金505のそれらの部品を互いにロックすることによって動作するとし得る。
【0150】
図19Aは、機内モード・スイッチ1901がもっとも高い優先順位を有する非使用の順序を示している。位置注意喚起スイッチ1902は、2番目に高い優先順位を有する。3番目の、もっとも低い優先レベルは、飼い主プロファイル1904および獣医/サードパーティ・プロファイル1905を含むプロファイル・グループ1903内のプロファイルである。
【0151】
図19Bは、
図19Aのスイッチの動作に基づく種々の動作モードを示している。第1に、機内モード・スイッチがオンであれば、ウエアラブル・デバイスは、機内モード1907で動作する。機内モード・スイッチがオフ1906であれば、ウエアラブル・デバイスは、位置注意喚起スイッチの状態を調べる。位置注意喚起スイッチがオンであれば、ウエアラブル・デバイスは、位置注意喚起動作モード1909で動作する。位置注意喚起スイッチがオフ1908であれば、ウエアラブル・デバイスは、プロファイル・モード1910のうちの1つ(たとえば、飼い主プロファイル1911または獣医/サードパーティ・プロファイル1912)で動作する。
【0152】
図20は、この開示の1つまたは複数の態様に従った
図18の実施態様の動作モードに置き換わるプロファイルを含む種々のプロファイルを伴う代替実施態様を示している。プロファイル2001は、機内プロファイル2004、位置注意喚起プロファイル2005、飼い主プロファイル2002、および獣医/サードパーティ・プロファイル2003を含む。プロファイル2001から選択されたプロファイルは、どのようにウエアラブル・デバイス2006が動作し、リモート・データ監視システム2007へデータをアップロードするか(
図18の動作モード/プロファイルに類似)を決定する。
【0153】
図21A−21Bは、この開示の1つまたは複数の態様に従った1つまたは複数のスイッチによるプロファイル選択のオプションを伴う
図20の実施態様の異なるプロファイルの組合せを示している。
図21A−21Bは、ハードウエア/ソフトウエア/組合せスイッチ(
図19A−19Bに関して説明済みのスイッチ)によって指定されるプロファイルを記述している。
図21Aにおいては、プロファイルの集合2101が、飼い主プロファイル2102、獣医/サードパーティ・プロファイル2103、機内モード・プロファイル2104、および位置注意喚起プロファイル2105を含む。
図21Bは、プロファイルの少なくともいくつかに指定された機内モード・スイッチおよび位置モード・スイッチを伴うプロファイル2110の集合を示す。たとえば、機内モード・スイッチがオン2112であれば、ウエアラブル・デバイスは、機内モード・プロファイル2113で動作する。機内モード・スイッチがオフ2111のときは、位置注意喚起スイッチの状態がチェックされる。位置注意喚起スイッチがオン2115であれば、ウエアラブル・デバイスが位置注意喚起プロファイル2118で動作する。位置注意喚起スイッチがオフ2114であれば、ウエアラブル・デバイスは、飼い主プロファイル2116または獣医/サードパーティ・プロファイル2117のうちの1つで動作する(飼い主および/または獣医/サードパーティによって別々に指定される)。
【0154】
図22は、この開示の1つまたは複数の態様に従ったウエアラブル・デバイスをはじめ、DMSにおいてプロファイルが選択され得る方法の例を示している。ウエアラブル・デバイス2201がDMS 2213に関して示されている。ステップ2202においては、ウエアラブル・デバイス2201のための初期プロファイルが設定される。ステップ2203においては、センサまたはセンサの組合せが、ここで述べている1つまたは複数のスレッショルドを超えたか否かを決定する。肯定であれば、ウエアラブル・デバイスは、ステップ2204に示されているとおり、異なるプロファイルまたは動作モードへ変更するべくそれ自体のプロファイルを修正する。また、ステップ2203から下へ延びるYesの矢印によって示されるとおり、新しいプロファイルまたは新しい動作モードに応じて、導出された事象をステップ2205においてDMSにアップロードすること、ステップ2206に示されているとおり、生データをDMSにバッチ・アップロードすること、または生データをステップ2207においてDMSに連続アップロードすることができる。ステップ2203が否定であれば、現在のプロファイルまたは現在の動作モードに応じて、導出された事象をステップ2205においてDMSにバッチ・アップロードすること、ステップ2206に示されているとおり、生データをDMSにアップロードすること、または生データをステップ2207においてDMSに連続アップロードすることができる。
【0155】
次に、ステップ2208において、ウエアラブル・デバイス2201からのコンテントがDMS 2213で受信される。ステップ2209においては、データが(たとえば、データベース2210によって示されているとおり、ダイナミックまたはソリッド・ステート・メモリを伴う1つまたは複数のサーバのデータベース内に)ストアされ、その後に続いて分析される。ステップ2211においては、分析後のデータから注意喚起がトリガされ、その後DMS 2213が、ステップ2211において決定された注意喚起レベルに従って、異なるプロファイルまたは動作モードへの変更をウエアラブル・デバイス2201に指示する。それに代わり、ステップ2211が否定であれば、注意喚起の決定はなく、DMS 2213は、ステップ2208において、ウエアラブル・デバイス2201からのコンテントの監視を継続する。
【0156】
図23は、この開示の1つまたは複数の態様に従って、多様なセンサからの出力が時間間隔にわたってストアされ、その後破棄される態様の例を示している。
図23は、加速度計2301、照度センサ2302、およびサウンド・センサ(マイクロフォン)2303からの信号についての過去の履歴を示している。この例においては、加速度計2301からのより古い読み値2309が加速度計スレッショルド・レベル{Threshold(acc)}より低い。しかしながら、より新しい、加速度計からの信号は、{Threshold(acc)}を超えるレベル2308まで上昇した。
【0157】
前述したとおり、プロセッサ100は、その後そのほかのセンサからの以前の読み値を評価できる。照度センサ2302の以前の値が評価される。照度センサ2302からの値の最近の履歴を見ると、最初は読み値が、光スレッショルド{Threshold(light)}より低いレベル2311であった。しかしながら、より最近では、光レベルがレベル2310まで上昇している。このレベル2310が光スレッショルド{Threshold(light)}より上であることから、光センサからの値は、加速度計2301によって検出されているかも知れない事象を確証する。音量レベルに関して言えば、より古い音量レベルの読み値がサウンド・スレッショルド{Threshold(sound)}より低いレベル2315である。より最近になると、音量レベルがレベル2314まで上昇し、サウンド・スレッショルド{Threshold(sound)}を超える。ここでサウンド・センサからの出力もまた、加速度計2301によって検出されているかも知れない事象を確証する。
【0158】
光センサ2302およびサウンド・センサ2303両方に関して言えば、それぞれが、時間間隔の間にスレッショルドを超えた後に到達する信号値は、それが最大値でないとき、その時間窓の間に信号がスレッショルドに到達したことより関連性が低い。別の言い方をすれば、光信号がセンサの読み値2310のための光スレッショルド{Threshold(light)}を超えたと決定された後は、レベル2312と2313の間のほかの読み値は、このスレッショルド分析のために考慮されない。同様に、サウンド・スレッショルドがすでに満たされているとき、音量レベル2316と2317の間の変動は、音量レベル2314がサウンド・スレッショルド{Threshold(sound)}を超えたことより関連性が低い。
【0159】
最後に、
図23は、データ・ダンプ・ポイント2305、2306、および2307を示しているが、これの後は、重要でない信号の読み値がプロセッサ100のメモリおよび/またはストレージ105からダンプされる。興味深いことは、データ・ダンプ・ポイント2305、2306、および2307は、現在から同一の時間窓にある必要がないことである。むしろそれぞれは、それ独自の別々の窓の長さを有し、その間の信号レベルが維持される。
【0160】
図24は、この開示の1つまたは複数の態様に従ったマイクロ波放射測定およびマイクロ波温度測定を含む深部体温の監視のための異なるテクニックの例を示している。たとえば、深部体温2401は、深部体温の決定にほかのソースからのエネルギが使用されるマイクロ波放射測定2402を含む受動的なテクノロジを通じて決定できる。また、深部体温の決定にマイクロ波温度測定2403を含む能動的なテクニックを使用することもできる。これら2つの例について、状態2404によって示されるとおり、超広帯域デバイス(UWB)およびマイクロ波放射測定/温度測定深部体温決定システムのために別々のアンテナを使用できる。それに代えて、UWBと深部体温決定デバイスの間において単一のアンテナを共有することができる。たとえば、1つまたは複数のスイッチを使用して、状態2405によって示されているとおり、マイクロ波放射測定/温度測定深部体温決定システム内のUWBに択一的に共有アンテナを接続できる。
【0161】
飼い主のユーザ・インターフェース
図25および26は、コンピュータまたはスマートフォン上に表示可能な飼い主のユーザ・インターフェースの図解例を示している。飼い主健康およびウェルネス・ダッシュボードは、飼い主が、センサ・データおよびDMS導出データからの動物に関するすべての傾向情報を一箇所で見ることを可能にする。
【0162】
図25は、この開示の態様に従った被監視動物の多様な情報および状態の表示2501を示している。この表示は、ウエアラブル・デバイス101をはじめ獣医からのコンテントから引き出された情報の両方を含む。たとえば、獣医からの情報は、次にスケジュール済みの予約コンテント2502および(獣医または飼い主により)最近投与されて次になくなる医薬ならびにそれがなくなる日付の識別を含む。この情報は、ユーザに獣医の予約を想起させる補助となり得る。
【0163】
次に、表示2501は、ウエアラブル・デバイスおよび/またはDMSからのコンテントを、瞬時的なバイタル・サイン/生理学的兆候および動物に関係する全体的な傾向の形式で含む。たとえば、表示2501は、活動2505、睡眠2506、水分摂取2507、食餌2508、ストレス2509、深部体温2510、体重2511、心拍数2512、および呼吸数2513の図式的な表示を含む。項目、深部体温2510、心拍数2512、および呼吸数2513は、ウエアラブル・デバイスからの瞬時的なバイタル・サイン/生理学的兆候に関係する。
【0164】
バイタル・サインとは対照的に、項目、活動2505、睡眠2506、水分摂取2507、食餌2508、ストレス2509、および体重2511は、ウエアラブル・デバイス導出事象またはDMS導出事象に関係し、その結果それらは、異なるセンサからのコンテントを統合し、かつ時間にわたる健康関連のバイタル・サイン/生理学的兆候および/または活動の追跡を含み得る。
【0165】
図解の目的のため、これらの項目の図式的な表示のそれぞれは、表示される項目の状態に基づいてダイアルの一方の側から他方の側まで枢動する矢印を伴ったダイアルとして示されている(たとえば、緑色のエリアは心配なし、黄色のエリアは注意、赤色のエリアは憂慮をその個別の項目について示している)。
【0166】
図26は、この開示の態様に従った特定の動物のための活動レベルを示している。飼い主レベル詳細スクリーンは、飼い主がダッシュボードから特定の項目を掘り下げ、目標、注意喚起、推奨、およびより詳細な長期分析情報を再検討することを可能にする。たとえば、
図26の表示2601は、動物の識別2602、詳細スクリーンのための現在のインジケータ2603(この例においては、動物の活動)、およびウエアラブル・デバイス101および/またはDMS 301によって決定された注意喚起を識別する(この例においては、動物が連続2日間にわたって散歩をしていないことが、散歩を逸したときの日時の識別とともに示されている)注意喚起メッセージ・ボックス2604を含む。さらに表示2601は、フィールド2605内に動物の健康を増進するための推奨(たとえば、日々の散歩を再開する)を含み得る。表示2601は、獣医、飼い主、またはDMS 301によって設定された1つまたは複数の目標を含み得る。この例においては、目標が、日毎40分の散歩、80ポンド未満の動物の体重維持、および15分間の遊びである。表示2601は、さらに、フィールド2608内に注意喚起スレッショルドの識別を含み得る。この例においては、注意喚起スレッショルドが、2日間散歩なし、歩様における15%減の変化、および全体的な活動の25%の減少である。
【0167】
最後に、詳細な表示項目のタイムラインをコンテント2607として示すことができる。ここでは、このタイムラインが12週にわたって動物の活動レベルがどのように変化したかを示す。
【0168】
図26の詳細スクリーン2601は活動に関連しているが、
図25に識別されているそのほかの項目のための、その項目の現在の状態、注意喚起、推奨、目標、注意喚起スレッショルド、およびタイムラインの図式表示を含む類似のコンテントを伴う類似の詳細スクリーンを提供できることは認識されよう。
【0169】
獣医および獣医ダッシュボード
次に、獣医に向けられたこの開示の追加の態様、および獣医がどのように1または複数頭の被監視動物に関する情報を検討できるかについて説明する。
【0170】
獣医の場合は、推論および/または提案(デバイス導出事象またはDMS導出事象)の提供数をより少なくする一方、深刻な健康問題を示す傾向の診断を可能にするべく獣医を導き得るウェルネスおよびバイタル・サインに基づく経験的データの提供をより多くできる。また獣医は、ウエアラブル・デバイスからのデータを分析することによって、特定の既知の健康状態をはじめ、処方済み治療の効果の監視が可能になる。
【0171】
たとえば、獣医は、バイタル・サインの情報およびそのほかの、動物が否定的な、または前向きの傾向にあることの表示を受け取ることができる。バイタル・サインは、前述したとおり、生データ、デバイス導出事象、および/またはDMS導出事象として記述され得る。そのほかの表示には、動物に対して最近実施されたか、または実施するべくスケジュールされた手順の現在の状態の情報、動物に投与されている現在の投薬治療、投薬治療期限の状態、可能性のある動物の現在位置、および可能性のある傾向情報、とりわけ活動、睡眠、水分補給、食餌/水の消費、ストレス、深部体温、体重、および心拍数といった傾向情報を含み得る。
【0172】
この情報は、多様な異なる状況に基づいて獣医へ送信され得る(または、獣医が、たとえば閲覧可能なウェブページまたは等価リモート・データを通じて利用可能であるとし得る)。これらの状況は、突発的なバイタル・サインまたはレーティングが1つまたは複数のスレッショルドを超えたバイタル・サインの組合せを含み得る。また、これらの状況は、スレッショルドを超えた(または、超えると予測された)DMS導出事象またはデバイス導出事象も含み得る。多様なスレッショルドは、プロファイル・ベースまたは動作モード・ベースとすること、または監視中の特定の動物および/または症状のために識別された獣医固有のスレッショルドとすることさえできる。
【0173】
以下は、どのように情報が獣医へ提供され得るかについての多様な実施態様に関係する。いくつかの例においては、獣医および/または獣医のスタッフによる容易な参照のためにダッシュボード内においてコンパイルされた、DMSから受信された情報および獣医入力情報の要約に、獣医ダッシュボードが使用される。ダッシュボードは、複数の動物の概要をはじめ、各動物のための固有の情報を含み得る。
【0174】
たとえば、獣医ダッシュボードのためのユーザ・インターフェースは、監視中の異なる動物のための行、および異なるソースからのコンテントに関係する列を含み得る。コンテントは、最近の補充済みの、受け取りまたは投与待ちの、再補充が必要な、または期限切れであり再処方が必要な投薬治療(投薬治療、ワクチン接種等を含む)の応諾を含む獣医入力情報を含み得る。またコンテントは、予約スケジュールおよび応諾も含み得る。次に、コンテントは、獣医が監視を希望するバイタル・サインまたは表示、トリガとして作用し得るスレッショルド、および獣医がウエアラブル・デバイスの動作を希望するプロファイルまたは動作モードの設定を行なうべくユーザ調整可能である。動作モードまたはプロファイルは、獣医がコンテントの受信を希望するときの通信方法、周波数、時刻等を決定する。
【0175】
さらにコンテントは、公開されている生理学的ソース(たとえば、品種固有のバイタル・サイン、年齢固有のバイタル・サイン等の正常値または正常範囲)から、または獣医の個人的経験に基づく正常範囲のためのベースラインとして使用可能な臨床セッティングから獣医が記録したバイタル・サインを含み得る。言い換えると、『ベースライン』は、動物固有、獣医によって設定される品種固有、またはサードパーティによって設定される(または、サードパーティからの参考資料から獲得される)品種固有であるとし得る。
【0176】
獣医またはDMSからのユーザ・インターフェース上に表示されるべきコンテントは、特定の動物の品種、年齢、体重、および可能性としては既存の医学的状態を含み得る。DMSからのコンテントの場合は、動物の深部体温を含む現在のバイタル・サインをそのコンテントに含め得る。この深部体温は、オプションとして、動物周囲の温度とともに表示できる。
【0177】
そのほかのバイタル・サイン情報として肺に関する情報を含めることができ、それには、検出された肺の動きおよび測定された呼吸レートとリズム、測定された呼吸と呼気時間{Time
inhalation/Time
exhalation}、検出された非対称呼吸(たとえば、炎症、障害物、窒息等に起因)、測定された胸部収縮レート、深さ、および胸部の反跳、ならびに測定済みおよび監視中の慢性気管支炎のうちの1つまたは複数が含まれる。
【0178】
さらに、そのほかのバイタル・サイン情報として心臓に関する情報を含めることができ、それには、検出された心臓の動きおよび測定された心拍数とリズム、測定された心臓の一回心拍出量および心拍出量における変化、あらかじめ定義済みのスレッショルドに対する血圧の比較、鬱血性心不全の発現の兆候の監視、徐脈および頻脈の兆候の監視、ならびに血気胸の兆候の監視のうちの1つまたは複数が含まれる。
【0179】
追加のバイタル・サイン情報に、脳卒中の検出、子宮収縮レートおよび強さの測定、睡眠時無呼吸等の睡眠障害の診断、ならびに体内異物の検出を含め得る。
【0180】
DMSは、さらなる分析のために長期センサ・データ情報を獣医へ提供できる。この長期センサ・データは、平均の心臓活動、平均の呼吸レート、平均の深部体温、全体的な活動レベル、平均の見積体重、平均の水分補給レベル、実際の、またはかろうじて避けられた高い衝突事象数、ならびに平均の日中および夜間の周囲温度を含み得る。
【0181】
DMSは、ウエアラブル・デバイスからの分析済みのデータ/事象に基づいて症状の推測を提供できる。特定の状態の実際の診断は、獣医またはそのほかの医療専門家に任せられる。次に列挙する項目は、獣医が診断に使用できる導出された推論/症状、または発現している状態のリストを提供する:すなわち、イヌ糸状虫、嘔吐および下痢、肥満、感染症、イヌ伝染性気管気管支炎およびそのほかの発現している呼吸状態、下部尿路感染症、歯科疾患、皮膚アレルギ、骨および軟組織の損傷、癌、発現している心臓状態、苦痛または痛み。
【0182】
次に列挙する項目は、センサ・データと獣医が入力したデータの組合せに基づいてなされる症状/推論の例である:すなわち、特定の処方済み治療の効果、最近の手術の後の動物の回復状態、および獣医によって決定されたベースラインに対するバイタル・サインの傾向。
【0183】
ユーザ・インターフェースの視覚的コンテントは、ベースラインまたは望ましい読み値に関するコンテントの迅速な認識を提供するべくカスタマイズできる。たとえば、懸念のレベルを示すべく多様な着色スキームを使用して情報をコード化できる(たとえば、正常/注意/異常な読み値のための赤色/黄色/緑色のコーディング)。
【0184】
さらに、トップ・レベルの表示がそれぞれの色コードを有する動物の数に関し、2番目の表示が個々の動物に固有とし、表示器上の動物の選択を通じてそれにアクセスし得るように、ユーザ・インターフェースをインタラクティブなものにできる。
【0185】
認識されるものとするが、一部の動物は投薬治療、導出事象の有意なリストを有することができ、かつ/または獣医のノートからの表示可能なコンテントがデータベースになっている。ここで述べているところの表示は、実際、獣医がスクロールによってページの上端、両サイド、または下端へ到達できるまでに通る多様なページの間または単一のページのナビゲーションが必要となる多数のページを含むことがある。
【0186】
図27は、この開示の態様に従った多様な症状、投薬治療、バイタル・サイン、および診察予約を伴う多様な動物のダッシュボード・リストを示している。
図27に示されている類の表示は、病気の傾向がある動物を獣医が容易に識別することを可能にする。言い換えると、
図27の獣医ダッシュボードは、獣医が、すべての患者のスナップショットを見て、病気の傾向があり、かつより詳細な検査に値する患者を迅速に決定することを可能にする。すべての項目は、病気の傾向のあるこれらの項目の容易な識別のために、緑色、黄色、および赤色で色コード化できる。
【0187】
図27は、動物毎にいくつかのフィールドを伴う多数の動物の健康およびウェルネスの表示を示している。列2701は、表示内に識別された動物の名前のリストを提供する。残りの列のそれぞれについては、その項目に関する動物の全体的なウェルネスの識別に図式的な識別子が使用される。たとえば、列2702−2705のそれぞれは、たとえば交通信号式の経過、すなわち緑色、黄色、および赤色の順に増加する深刻度に基づいて3つの主要な指定でコード化される。列2702は、各動物の現在の集合的な症状ためのインジケータを提供する。列2703は、多様な動物のそれぞれのためのすべての投薬治療の状態を識別する。列2704は、各動物の現在の集合的なバイタル・サインを識別する。最後の列2705は、それぞれの動物のために診察予約を設定し、随伴した飼い主の状態を識別する。列2702−2704に関しては、各エントリが各動物のための集合的なウェルネス・インジケータを表示する。症状、投薬治療、バイタル・サインのそれぞれは、各動物の症状、投薬治療、バイタル・サインの個別の状態の全体平均とすることができる。しかしながら、単純に平均することは、各動物に伴う現在の問題を曇らせる可能性がある。したがって、各動物のための症状、投薬治療、バイタル・サイン、および予約のためのインジケータは、その動物についての最悪の症状、投薬治療、バイタル・サイン、または予約の不履行に対してトリガできる。
【0188】
図28は、この開示の態様に従った、動物、それの症状、投薬治療、導出情報、飼い主の所見、および最近のバイタル・サインの組合せ表示の実施態様を示している。
図28は、獣医用個別ペット・ダッシュボードと呼ぶことができる。この個別ペット・ダッシュボードは、獣医が、飼い主が供給したデータおよび獣医が供給したデータ、センサ・ベースのデータ、ならびにDMSからの導出データに基づいた動物のプロファイルに関係する主要な情報を見ることを可能にする。言い換えると、このレベルにおいてこのダッシュボードに表示される情報は、単なる単一ソース(たとえば、ウエアラブル・デバイス101)を超え、異なるソースからのデータであり、傍流情報を組み合わせて結合表示にする。
【0189】
表示2801は、動物の名前を識別するフィールド2802、動物の飼い主を識別するフィールド2803、および飼い主の連絡先情報を伴ったフィールド2804を含む。フィールド2805は、この動物の品種およびそのほかの高レベルの一般的な、たとえば、動物の体重、性別、および年齢を含む識別項目を識別する。次のフィールド2806は、ウエアラブル・デバイス101によって識別された、可能性のある症状を識別する。たとえば、この例のフィールド2006は、特定の日または期間の活動レベルの低下、特定の日または期間の落ち着かない睡眠、および特定の日または期間の歩様の変化を識別する。次のフィールド2807は、この動物に投与されている現在の投薬治療(この例では、有効な処方を表わす『(A)』の前置によって識別される)および最近期限切れとなったもの(この例では、期限切れの処方を表わす『(X)』の前置によって識別される)を識別する。
【0190】
表示2801は、さらに、獣医によって識別された状態および関連する診断日のリスト2808を含む。この例においては、この動物の状態が、関節炎、20ポンドの体重超過、および甲状腺機能亢進症であると識別されている。
【0191】
次に、表示2801は、DMSが導出した問題を、導出した問題が決定された日付とともにフィールド2809に提供する。この例においては、DMSが導出した問題は気管支炎および関節炎である。
【0192】
表示2801は、さらに、フィールド2810内に、飼い主の所見のリストを飼い主によって提出された日付とともに含む。この例においては、飼い主からの所見が、腫れ物および瘤、過剰な疲労、および食欲低下である。
【0193】
最後に、表示2801は、ウエアラブル・デバイス101またはDMS 301からの現在のバイタル・サインおよび/または導出事象を含む。たとえば、
図28には、心拍数2811、心臓の一回心拍出量2812、深部体温2813、呼吸レート2814、血圧の変化2815、および時間的な体重の変動2016を示す経時的な棒グラフとしてバイタル・サインおよび導出事象が表示されている。
【0194】
図29は、この開示の1つまたは複数の態様に従った、多様なセンサからのバイタル・サインの読み値、それらの値、日付、および重みを示す。この例においては、センサn1−n7からのバイタル・サインが列2901に、それらの値が列2902に、記録された日付が列2903に示され、DMSによって最初に設定されたとおりの、または異なるバイタル・サインにおける変動の解釈を補助するべく獣医によって設定されたとおりの重み付けの値が列2904に示される。ここでは、獣医がセンサn7からの値に関心がなく、その重み付けの値をゼロとして識別したとし得る。この設定は、獣医が、その後に続く表示から不必要なバイタル・サインを除去することを可能にする。
【0195】
図30は、この開示の態様に従った、現在のバイタル・サインの表示の別の実施態様を示す。
図30は、円形に統合したバイタル・サイン・タイムライン・ビューワであり、それにおいては複数のバイタル・サインおよびセンサ・データからの読み値ならびに複数のバイタル・サインに関係する導出データおよびDMSからの導出データを単一のグラフ上で、タイムライン・ビューワを用いて見ることができる。
図30の円形バイタル・サイン・ビューワは、中心のハブから放射状に延びるスポーク3001−3005によって識別されるバイタル・サインN1−Nmを含む。ホイールの中心およびホイールの周囲は、ともに、もっとも高い懸念のゾーンとして識別される。この例においては、それらのゾーンがバイタル・サインの正常範囲から15%の逸脱を表わし、バイタル・サインがそれらの領域と交差したときに獣医に対して懸念を強調するべく赤色に着色される。次の円形の帯は、バイタル・サインにベースラインから10%の逸脱があったときの黄色の注意ゾーンのリングである。緑色の中央のリングは、良好な変動範囲内であると識別されたベースラインからの逸脱が5%内であるバイタル・サインを識別する。
【0196】
タイムスタンプ付きのそれぞれのデータが均等化され(DMSによって、あるいはさらに良好には獣医によって決定されたベースラインに対する比較において)かつ、グラフの中心からの軸に沿った多様なバイタル・サイン・スポーク3001−3005を通る閉じた、うねりのある形状として表示され、その結果、スライド式の時刻/日付バー・ビューワを使用し、時間にわたるすべてのバイタル・サインのインタラクションの迅速な検討が可能になる。時刻/日付バー・ビューワを使用することによって獣医は、経時的に低下していく1つのバイタル・サインがほかのバイタル・サインにどのような影響を与えるかを見ることができる。このグラフ・テクニックを意味のあるものとするために、最低限2つのバイタル・サインを互いに対してマップすることが必要になる。複数のバイタル・サインの軸の間のライン接続は、それらすべてがベースラインから等距離にあれば、完全な円を作ることになり、等距離になければ曲線がそれらの軸の間においてスムージングされることになる。緑色のゾーン(この目的のために、ベースラインから<±−5%として定義される)内に落ちる曲線の任意部分は正常であり、この緑色のゾーンの外に落ちる曲線の部分はさらなる検査のためのエリアである。獣医は、各バイタル・サインの絶対値およびそれのタイムスタンプを提供する付属の挿入表を見ることもできる。シミュレーションの目的のために、獣医は、より決定的なバイタル・サインが強調され、あまり決定的でないバイタル・サインが抑圧されて正常なベースラインからのそれらの変化レートがそれほど顕著でなくなるように、変化の%毎に各バイタル・サインの重みを変更できる。
【0197】
図31は、この開示の1つまたは複数の態様に従った、多様な重み付けの値を伴う現在のバイタル・サインの表示のさらに別の実施態様を示す。この表示3101において、獣医統合バイタル・サイン・タイム・ビューワは、バイタル・サインを、重み付け係数3103によって変倍されたバイタル・サイン3102毎の列で示す。期待されるバイタル・サイン値の視覚的基準を獣医に提供するためにベースライン3104が識別されている。バイタル・サインの実際の値が正規化され、表示されていることから、
図29に示されているように識別される相対的な高さを伴うバー3106によってそれらが識別される。現在のバイタル・サインの合成した形状を識別するべく、バー3106のそれぞれのエンドポイントに対して曲線3107を当て嵌めることができる。時間スケール3108は、獣医が、時間にわたってバイタル・サインをスクロールし、
図31に表示されたコンテントを変更することを可能にする。これにおいても、良好のための緑色、注意のための黄色、および憂慮すべきエリアのための赤色に対応させて表の着色ができる。この種の変形を、凡例3109をはじめ、垂直スケール3105に見ることができる。
【0198】
言い換えると、
図31の統合バイタル・サイン・ビューワは、複数の類似性のないバイタル・サインおよび読み値を検討するための別の可能性のある方法を図示している。この場合においては、タイムスタンプ付きのそれぞれのデータが、グラフの中心からの軸(この例においては、緑色がベースラインから±5%)に沿って均等化され(DMSによって、あるいはさらに良好には獣医によって決定されたベースラインに対する比較において)、その結果、スライド式の時刻/日付バー・ビューワ3108を使用し、時間にわたるすべてのバイタル・サインのインタラクションの迅速な検討が可能になる。時刻/日付バー・ビューワ31080を使用することによって獣医は、経時的に低下していく1つのバイタル・サインが別のバイタル・サインにどのような影響を与えるかを見ることができる。このテクニックは、個別の読み値の色、濃淡、および異なるアイコン形状を使用した傾向(±)および変動性(たとえば、(x)個の読み値にわたる±5%、±10%、および±15%)の図示を可能にする。シミュレーション目的のために、獣医は、より決定的なバイタル・サインが強調され、あまり決定的でないバイタル・サインが抑圧されて正常なベースラインからのそれらの変化レートがそれほど顕著でなくなるように、変化の%毎に各バイタル・サインの重みを変更できる。
【0199】
ペットの健康の抽出、フィルタリング、分類、および見積
以下、ウエアラブル・デバイス101および/またはDMS 301内における導出事象を補助する特徴抽出、フィルタリング、分類、および見積のテクニックを説明する。以下は、ほかのセンサからの読み値に均等に拡張可能であるとして加速度計からの出力を使用して説明する。認識されるものとするが、各センサは、異なるが、それでも関連するテクニックを有し、データを類似の形式にできる。
【0200】
特徴抽出
最初に、加速度計からのデータに基づき、データセットから特徴が抽出される。ここでは、時間t m
tにおける瞬時的な大きさが、tにおける各軸に沿った加速度の項で定義される。
【数5】
【0201】
連続するN個(1・・・N)のその種のベクトルの大きさにわたる大きさの標準偏差s
Nは次式で与えられる。
【数6】
【0202】
フィルタリング
大きさの偏差は、デバイスの向きとは独立であり、データの単一通過を使用してリアルタイムで計算され得る。この例においては、大きさの各偏差が1秒間の生加速度データを特徴記述するようにサンプリング・レート(25Hz)に対応するN=25の固定窓が使用された。これは、M個の加速度レポートの生入力をM/N個の特徴に圧縮するという利点を有する。
【0203】
活動レベルの分類
次に、活動レベルが異なるグループに分類された。ここでは、可能性のある活動(たとえば、散歩、ランニング、飲水)および静止姿勢(たとえば、立っている、寝ている)の有限セットから割り当て済みのラベルを用いて抽出した特徴により活動を分類する試みを次のとおり行なった。細かい粒状度の活動タイプは、しばしば次に挙げる多様な理由のために分類が困難となり得る。
1. 時系列生データ、周波数ドメインのデータ、またはいずれかの特徴空間からの活動の検出が困難である(感度不足)。
2. 検出可能であったとしても、類似の活動から個々の活動を弁別することがクラシファイアにとって困難となり得る(特異性不足)。
3. 正確であったとしても、分類手段の演算負荷が高すぎるか、または埋め込まれた環境内においては法外となり得る。
【0204】
デフォルトのモデル・スレッショルドを使用し、各活動が、期待される活動レベルに基づいて粗いグループ(すなわち、ビン)、すなわち高レベル(ランニングおよび遊びに特有のレベル)、中レベル(散歩に特有のレベル)、および低レベル(座っているか寝ているときに特有のレベル)にグループ化される。活動レベル・クラシファイアalcは、大きさの偏差を使用して単一の特徴入力に対する次の演算を行なう。
【数7】
alc(S
N)=
S
N>τ
highであれば高
τ
mid<S
N≦τ
highであれば中
それ以外は低
【0205】
この3ビン・クラシファイアは、より粒状度の粗い2ビン・クラシファイアとの次に示す比較も行なわれた。
【数8】
alc(S
N)=
S
N>τ
midであれば活動
それ以外は非活動
【0206】
3ビン、および2ビンの正確さは、3ビンが活動のタイプに対して詳細であるが、大きな潜在的誤りを有する一方、2ビン・グルーピングは、潜在的誤りがより低いが、3ビン・グルーピングほどの粒状度を伴わないことから変動する。
【0207】
例示のデフォルトのモデルは、ランニングおよび遊んでいるとき(高レベルの活動)、散歩しているとき(中レベルの活動)、および寝ているとき(低レベルの活動)のイヌの例から導出された。それにおいて、τ
mid=86ミリGおよびτ
high=783ミリGがもたらされた。
【0208】
経時的なデータの使用は、システムが、いくつかのユース・ケース内にあるとすることができるランニングおよび散歩データを使用して歩様ライブラリを開発することを可能にする。
【0209】
睡眠の開始および持続時間の見積
睡眠開始の検出および睡眠持続時間の見積の目標は、イヌが睡眠と整合する充分に長い時間期間にわたって充分な休息を取っている連続する時間ブロックを識別すること、およびそれらのブロックが開始する開始時間をレポートすることである。睡眠開始の正確な決定は、センサ・アレイ内のほかのいくつかのセンサの起動に有用である。
【0210】
このタイプのセンサ・データ獲得に関連付けされるノイズを除去するため、持続時間の見積の実行前にローパス・フィルタを生加速度信号に適用できる。これは、10Hzのカットオフを伴うバタワース・フィルタを使用して行なうことができる。
【0211】
睡眠の開始および持続時間エスティメータは、活動レベル・クラシファイアによって使用されたものと同じ大きさの偏差特徴を使用するが、次に示すとおり、加速度スレッショルドτ
midよりはるかに低いτ
lowだけを用いる。
【数9】
sleep(S
N)=
S
N>τ
lowであれば活動
それ以外は休息
【0212】
このτ
lowスレッショルドは、プレアルファ・モデリング(プレアルファ・プロトコル内の正規分布+/−3標準偏差)に基づいて10ミリGに設定された。
【0213】
少なくとも300秒にわたって休息のラベル付けがなされるとき、睡眠であることがありがちであると決定された。しかしながら、フィルタリング後の信号内にさえ、読み取りの間に加速度が上昇する短い擾乱が存在する。したがって、休息の連続ブロックを探す前に、形態学的フィルタが適用される。このフィルタは、最初に休息信号を拡大し、続いてその休息信号を浸食して拡大において除去された境界を再導入することによって、短い擾乱を取り除く拡大浸食テクニックを使用して実装可能である。
【0214】
図32は、この開示の1つまたは複数の態様に従った、被監視動物の活動時および休息時のバイタル・サインを検討し、表示を操作するユーザ・インターフェースを示している。この
図32は、例として加速度計センサを使用する活動の分類のための到来センサ信号を処理するシステムの定量化の使用を図示している。類似のテクニックが、ほかのセンサの、それらの信号出力に固有の読み値、予想されるアーティファクト、および望ましい結果に対して使用される。この図においては、活動および休息のレベルが、それぞれ3201および3202として識別される。本質的でないデータ・ポイント、たとえば3208および3209を除去するために、標準の拡大浸食テクニックが使用される。活動および休息スレッショルド3203および3204を伴う第1のセットの読み値の拡大が行なわれて追加のデータ値3210、3211、32、および3213が追加され、続いてデータ3215および3216を使用することによってレベル3205および3206が浸食される。結果は、オリジナルのレベル3207より滑らかなレベル3217になる。
【0215】
これらの短い擾乱は、センサ・ベースのノイズであることが非常にありがちであり、睡眠中のイヌの正当な擾乱/動きとは区別される。有意な擾乱は、睡眠の間の落ち着かない状態の測定量として使用でき、続いてそれをほかのセンサ・データの確証に使用して追加の意味を導出できる。
【0216】
周囲温度、湿度、および光の検知
周囲温度および湿度は、さらなる事象レベルの処理を伴うことなく、DMSにおいてリアルタイム注意喚起のために直接処理できる。認識されるものとするが、基準のための室内サーモスタット温度値を飼い主が記録することは有益である。ここでは、動物の場所に関係のある天候データの検索に標準の外部APIが使用され得る。この関連データは、日々の高/低気温および相対湿度を含み得る。
【0217】
周囲光センサは、屋内/屋外パーセンテージ評価器の一部として使用できる。屋内または屋外にいるイヌの場所の検知を向上させるために、類似のセットのAPIが、天文学的(日出/日没)および時間帯データを獲得し、夜明けの照明および夕暮れの照明が期待される時を設定できる。これらのデータは、もっとも最近のウエアラブル・デバイス101のGPS座標を使用して検索できる。
【0218】
以上、例となる実施態様を説明してきたが、望ましい特定の確実なプロセスに応じて任意の所望の態様による多様な特徴およびステップの組合せ、分割、省略、および/または増大ができる。この特許は、ここに記述されている例の実施態様に限定されず、むしろ以下の特許請求の範囲によって決定される範囲を有する。