(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-521811(P2016-521811A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(54)【発明の名称】バイトホルダ
(51)【国際特許分類】
E01C 23/12 20060101AFI20160627BHJP
【FI】
E01C23/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-520267(P2016-520267)
(86)(22)【出願日】2014年6月20日
(85)【翻訳文提出日】2015年11月10日
(86)【国際出願番号】CN2014080449
(87)【国際公開番号】WO2014202029
(87)【国際公開日】20141224
(31)【優先権主張番号】201320360193.2
(32)【優先日】2013年6月21日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】507163998
【氏名又は名称】エヴァーパッズ カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】チアン,チュン−リ
【テーマコード(参考)】
2D053
【Fターム(参考)】
2D053AA22
2D053DA01
(57)【要約】
【課題】バイトホルダを提供する。
【解決手段】バイトをホールドするためのバイトホルダにおいて、ベースと、バイト基盤と、ラッチと、嵌合位置決め部材と、嵌合引取部材と、を備え、ベースは、収容溝と、収納孔と、嵌合位置決め孔と、を含んで、バイト基盤は、収容溝に取り外し可能に嵌め込まれ、嵌合位置決め孔と対応して連通する凹部が設置される嵌合部を含む挟み基盤と、バイト収納部材と、を含んで、嵌合位置決め部材は、嵌合引取部材に連動されて、嵌合位置決め孔内に凹部に接触して緊迫力を付与する。これにより、バイトホルダの安定度を高める。
【選択図】無し
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイトをホールドするためのバイトホルダにおいて、
収容溝が設置される第1の当接部と、前記第1の当接部と接続し、前記第1の当接部とともに60°以上120°以下の夾角が定められ、中心軸が前記収容溝の延出方向と平行である収納孔が設置される第2の当接部と、中心軸が前記収容溝の前記延出方向と垂直である嵌合位置決め孔と、を含むベースと、
前記収納孔と対応する締嵌孔と、前記収容溝に取り外し可能に嵌め込まれ、凹部が設置され、前記収容溝に嵌め込まれる場合、前記凹部と前記嵌合位置決め孔とが対応して連通する嵌合部と、を含む挟み基盤と、前記挟み基盤の前記締嵌孔及び前記第2の当接部の前記収納孔に対応して締まり嵌められる締嵌管と、前記締嵌管と同軸であり、前記バイトをホールドするためのホールド孔と、を含むバイト収納部材と、を含み、前記ベースの前記第1の当接部と前記第2の当接部との間に組み立てられるバイト基盤と、
前記嵌合位置決め孔内に移動可能に設けられ、前記嵌合部の前記凹部に接触して緊迫力を付与することに用いられ、一端に第1のネジ孔が設けられる嵌合位置決め部材と、
前記嵌合位置決め孔内に位置制限されて設けられ、前記第1のネジ孔とロックする第1のねじ山部を有し、前記嵌合位置決め部材を前記嵌合位置決め孔内で変位するように連動して、前記嵌合位置決め部材と前記嵌合部の前記凹部との緊迫程度を変える嵌合引取部材と、
を備え、
前記位置決め孔は、前記収容溝を連通するように前記ベースを貫通し、
前記嵌合位置決め部材は、その断面積が前記嵌合位置決め部材の延出方向に沿って漸進的に変化するバイトホルダ。
【請求項2】
前記ベースは、前記収納孔と連通する固定ネジ孔を更に含み、
前記固定ネジ孔に締め付けられ、前記バイト収納部材の前記締嵌管に押し当て固定することに用いられるラッチを更に備える請求項1に記載のバイトホルダ。
【請求項3】
前記嵌合位置決め孔は、第1の縮径部を含み、前記嵌合位置決め部材が前記第1の縮径部の片側に設けられ、
前記嵌合引取部材は、前記第1のねじ山部と接続し、横断面積が前記第1の縮径部の横断面積より大きく、前記第1の縮径部の他側に位置する前記第1の位置制限部を更に含み、前記第1のねじ山部が前記第1の縮径部を通して前記嵌合位置決め部材の前記第1のネジ孔とロックする請求項1に記載のバイトホルダ。
【請求項4】
前記第2の当接部と前記第1の当接部により定められた前記夾角が90°に等しい請求項1に記載のバイトホルダ。
【請求項5】
前記嵌合位置決め部材は、前記嵌合位置決め部材の外面に形成され、前記嵌合部の前記凹部に接触して緊迫力を付与する第1の傾斜面を更に含む請求項1に記載のバイトホルダ。
【請求項6】
前記嵌合部の前記凹部は、第2の傾斜面を含み、前記嵌合位置決め部材の前記第1の傾斜面が前記第2の傾斜面に接触して緊迫力を付与する請求項5に記載のバイトホルダ。
【請求項7】
バイトをホールドするためのバイトホルダにおいて、
収容溝が設置される第1の当接部と、前記第1の当接部と接続し、前記第1の当接部とともに60°以上120°以下の夾角が定められ、中心軸が前記収容溝の延出方向と平行である収納孔が設置される第2の当接部と、中心軸が前記収容溝の前記延出方向と垂直である嵌合位置決め孔と、を含むベースと、
前記収容溝に取り外し可能に嵌め込まれ、凹部が設置され、前記収容溝に嵌め込まれる場合、前記凹部と前記嵌合位置決め孔とが対応して連通する嵌合部と、前記第2の当接部の前記収納孔に対応して締まり嵌められる締嵌管と、前記締嵌管と同軸であり、前記バイトをホールドするためのホールド孔と、を含み、前記ベースの前記第1の当接部と前記第2の当接部との間に組み立てられるバイト基盤と、
前記嵌合位置決め孔内に移動可能に設けられ、前記嵌合部の前記凹部に接触して緊迫力を付与することに用いられ、一端に第1のネジ孔が設けられる嵌合位置決め部材と、
前記嵌合位置決め孔内に位置制限されて設けられ、前記嵌合位置決め部材の前記第1のネジ孔とロックする第1のねじ山部を有し、前記嵌合位置決め部材を前記嵌合位置決め孔内で変位するように連動して、前記嵌合位置決め部材と前記嵌合部の前記凹部との緊迫程度を変える嵌合引取部材と、
を備え、
前記嵌合位置決め孔は、前記収容溝を連通するように前記ベースを貫通し、
前記嵌合位置決め部材は、その断面積が前記嵌合位置決め部材の延出方向に沿って漸進的に変化するバイトホルダ。
【請求項8】
前記ベースは、前記収納孔と連通する固定ネジ孔を更に含み、
前記バイトホルダは、前記固定ネジ孔に締め付けられ、前記バイト基盤の前記締嵌管に押し当て固定することに用いられるラッチを更に備える請求項7に記載のバイトホルダ。
【請求項9】
前記ベースは、前記収納孔と連通するように前記ベースを貫通し、中心軸が前記収納孔の中心軸と垂直である管部位置決め孔を更に含み、
前記バイト基盤の前記締嵌管に凹み部が設置され、前記締嵌管が前記収納孔に締まり嵌められる場合、前記凹み部と前記管部位置決め孔とが対応して連通し、
前記バイトホルダは、前記管部位置決め孔内に移動可能に設けられ、前記締嵌管の前記凹み部に接触して緊迫力を付与することに用いられ、一端に第2のネジ孔が設けられる管部位置決め部材を更に備え、
前記管部位置決め部材は、その断面積が前記管部位置決め部材の延出方向に沿って漸進的に変化し、
前記バイトホルダは、前記管部位置決め孔内に位置制限されて設けられ、前記管部位置決め部材の前記第2のネジ孔とロックする第2のねじ山部を有し、前記管部位置決め部材を前記管部位置決め孔内で変位するように連動して、前記管部位置決め部材と前記締嵌管の前記凹み部との緊迫程度を変える管部引取部材を更に備える請求項7に記載のバイトホルダ。
【請求項10】
前記嵌合位置決め部材は、前記嵌合位置決め部材の外面に形成され、前記嵌合部の前記凹部に接触して緊迫力を付与する第1の傾斜面を更に含み、
前記管部位置決め部材は、前記管部位置決め部材の外面に形成され、前記締嵌管の前記凹み部に接触して緊迫力を付与する第3の傾斜面を含む請求項9に記載のバイトホルダ。
【請求項11】
前記嵌合部の前記凹部は、第2の傾斜面を含み、前記嵌合位置決め部材の前記第1の傾斜面が前記第2の傾斜面に接触して緊迫力を付与し、
前記締嵌管の前記凹み部は、第4の傾斜面を含み、前記管部位置決め部材の前記第3の傾斜面が前記第4の傾斜面に接触して緊迫力を付与する請求項10に記載のバイトホルダ。
【請求項12】
前記第2の当接部と前記第1の当接部により定められた前記夾角が90°に等しい請求項7に記載のバイトホルダ。
【請求項13】
バイトをホールドするためのバイトホルダにおいて、
収納孔と、中心軸が前記収納孔の中心軸と垂直である管部位置決め孔と、を含むベースと、
前記収納孔に対応して締まり嵌められ、凹み部が設置される締嵌管と、前記締嵌管と同軸であり、前記バイトをホールドするためのホールド孔と、を含み、前記ベースに組み立てられるバイト基盤と、
前記管部位置決め孔内に移動可能に設けられ、前記締嵌管の前記凹み部に接触して緊迫力を付与することに用いられ、一端に第2のネジ孔が設けられる管部位置決め部材と、
前記管部位置決め孔内に位置制限されて設けられ、前記管部位置決め部材の前記第2のネジ孔とロックする第2のねじ山部を有し、前記管部位置決め部材を前記管部位置決め孔内で変位するように連動して、前記管部位置決め部材と前記締嵌管の前記凹み部との緊迫程度を変える管部引取部材と、を備え、
前記管部位置決め孔は、前記収納孔と連通するように前記ベースを貫通し、
前記締嵌管が前記収納孔に締まり嵌められる場合、前記凹み部と前記管部位置決め孔とが対応して連通し、
前記管部位置決め部材は、その断面積が前記管部位置決め部材の延出方向に沿って漸進的に変化するバイトホルダ。
【請求項14】
前記管部位置決め部材は、前記管部位置決め部材の外面に形成され、前記締嵌管の前記凹み部に接触して緊迫力を付与する第3の傾斜面を含む請求項13に記載のバイトホルダ。
【請求項15】
前記締嵌管の前記凹み部は、第4の傾斜面を含み、前記管部位置決め部材の前記第3の傾斜面が前記第4の傾斜面に接触して緊迫力を付与する請求項14に記載のバイトホルダ。
【請求項16】
前記ベースは、間隔をあけて前記ベースに設けられ、それぞれ前記収納孔と連通するように前記ベースを貫通し、それぞれの中心軸が前記収納孔の中心軸と垂直である2つの管部位置決め孔を含み、
前記締嵌管に2つの凹み部が設置され、前記締嵌管が前記収納孔に締まり嵌められる場合、前記2つの凹み部がそれぞれ前記2つの管部位置決め孔と対応して連通し、
前記バイトホルダは、それぞれ前記2つの管部位置決め孔内に移動可能に設けられ、それぞれ前記締嵌管の前記2つの凹み部に接触して緊迫力を付与することに用いられる2つの管部位置決め部材を含み、
前記バイトホルダは、それぞれ前記2つの管部位置決め孔内に位置制限されて設けられる2つの管部引取部材を含む請求項13に記載のバイトホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイトホルダに関し、特に、路面の切削機、各種のロータリ式掘削装置又は研削工具に取り付けられるバイトホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
バイトホルダは、バイトを搭載して、平削・ドリル器具のような路面の表面粗さ処理に用いられる器具に取り付けられて、路面の切削、粉砕、穴あけ等の路面の表面粗さ処理、又は鉱物の掘採を行うためのものである。
【0003】
従来のバイトホルダは、器具の作動部材(例えば、ロール)の外周面に固設されるベースと、バイトを搭載することに用いられる且つ係合素子によってベースに係合され固設されるバイト基盤と、を含む。被加工物(例えば、路面のセメント、ピッチ)に対してドリル・平削の作用力を容易に施すために、このバイトは、ベースと接線の角度を構成するように、バイト基盤に取り付けられる必要がある。平削・ドリル器具で加工を行う場合、まずバイトで被加工物に圧力を加えて押す動作を行って、続いて作動部材の回転に伴って、バイトで被加工物に対して平削の動作を行うことによって、被加工物を破壊する目的を達成する。
【0004】
しかしながら、一般的に、被加工物が強固な構造を有するため、バイトで被加工物を加工する時の反力は、バイトに作用するので、バイトの寿命はかなり限られる。また、バイト基盤とベースとの間の組立関係が十分に安定でなければ、バイト基盤は、前記反力によりベースと互に衝突しやすくなり、更に損耗して、バイト基盤とベースの寿命が短くなり、交換とメンテナンスによるコストの増加が大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、如何にベースとバイト基盤との間の組立安定度を高めて、ベースとバイト基盤の反力に対する荷重値を高め、更に、ベースとバイト基盤の寿命を延長し、交換とメンテナンスのコストを下げるかは、業界ではいつまでも求められる目標の一つである。
【0006】
本発明の一目的は、嵌合位置決め孔を含むベースと、嵌合部を含むバイト基盤と、断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化し、嵌合引取部材により嵌合位置決め部材を嵌合位置決め孔内で変位するように連動して、嵌合位置決め部材と嵌合部との緊迫程度を変える嵌合位置決め部材と、嵌合引取部材と、を備えるバイトホルダを提供することにある。これにより、ベースとバイト基盤組立との安定度を高め、ベースとバイト基盤の反力に対する荷重値を高め、更にベースとバイト基盤の寿命を延長し、交換とメンテナンスのコストを下げることができる。
【0007】
本発明の別の目的は、管部位置決め孔を含むベースと、締嵌管を含むバイト基盤と、断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化し、管部引取部材により管部位置決め部材を管部位置決め孔内で変位するように連動して、管部位置決め部材と締嵌管との緊迫程度を変える管部位置決め部材と、管部引取部材と、を備えるバイトホルダを提供することにある。これにより、ベースとバイト基盤組立との安定度を高め、ベースとバイト基盤の反力に対する荷重値を高め、更にベースとバイト基盤の寿命を延長し、交換とメンテナンスのコストを下げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によると、バイトをホールドするためのバイトホルダにおいて、ベースと、バイト基盤と、嵌合位置決め部材と、嵌合引取部材と、を備えるバイトホルダが提供される。
【0009】
ベースは、収容溝が設置される第1の当接部と、第1の当接部と接続し、第1の当接部とともに60°以上120°以下の夾角が定められ、中心軸が収容溝の延出方向と平行である収納孔が設置される第2の当接部と、収容溝と連通するようにベースを貫通し、中心軸が収容溝の延出方向と垂直である嵌合位置決め孔と、を含む。
【0010】
バイト基盤は、収納孔と対応する締嵌孔と、収容溝に取り外し可能に嵌め込まれ、凹部が設置され、収容溝に嵌め込まれる場合、凹部が嵌合位置決め孔と対応して連通する嵌合部と、を含む挟み基盤と、挟み基盤の締嵌孔及び第2の当接部の収納孔に対応して締まり嵌められる締嵌管と、締嵌管と同軸であり、バイトをホールドするためのホールド孔と、を含むバイト収納部材と、を含み、ベースの第1の当接部と第2の当接部との間に組み立てられる。
【0011】
嵌合位置決め部材は、嵌合位置決め孔内に移動可能に設けられ、嵌合部の凹部に接触して緊迫力を付与することに用いられ、一端に第1のネジ孔が設けられ、且つその断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化する。
【0012】
嵌合引取部材は、嵌合位置決め孔内に位置制限されて設けられ、第1のネジ孔とロックする第1のねじ山部を有し、嵌合位置決め部材を嵌合位置決め孔内で変位するように連動して、嵌合位置決め部材と嵌合部の凹部との緊迫程度を変える。
【0013】
前記のバイトホルダによると、ベースは、収納孔と連通する固定ネジ孔を更に含んでもよく、バイトホルダは、固定ネジ孔に締め付けられ、固定バイト収納部材の締嵌管に押し当て固定するためのラッチを更に備えてもよい。
【0014】
前記のバイトホルダによると、嵌合位置決め孔は、第1の縮径部を含んでもよく、嵌合位置決め部材が第1の縮径部の片側に設けられ、嵌合引取部材は、第1のねじ山部と接続し、横断面積が第1の縮径部の横断面積より大きく、第1の縮径部の他側に位置する第1の位置制限部を更に含んでもよく、第1のねじ山部が第1の縮径部を通して嵌合位置決め部材の第1のネジ孔とロックする。
【0015】
前記のバイトホルダによると、前記第2の当接部と第1の当接部により定められた夾角が90°に等しくてもよい。
【0016】
前記のバイトホルダによると、嵌合位置決め部材は、嵌合位置決め部材の外面に形成され、嵌合部の凹部に接触して緊迫力を付与する第1の傾斜面を含んでもよい。嵌合部の凹部は、第2の傾斜面を含み、嵌合位置決め部材の第1の傾斜面が第2の傾斜面に接触して緊迫力を付与する。
【0017】
本発明の別の態様によると、バイトをホールドするためのバイトホルダにおいて、ベースと、バイト基盤と、嵌合位置決め部材と、嵌合引取部材と、を備えるバイトホルダが提供される。
【0018】
ベースは、収容溝が設置される第1の当接部と、第1の当接部と接続し、第1の当接部とともに60°以上120°以下の夾角が定められ、中心軸が収容溝の延出方向と平行である収納孔が設置される第2の当接部と、収容溝と連通するようにベースを貫通し、嵌合位置決め孔の中心軸が収容溝の延出方向と垂直である嵌合位置決め孔と、を含む。
【0019】
バイト基盤は、収容溝に取り外し可能に嵌め込まれ、凹部が設置され、収容溝に嵌め込まれる場合、凹部が嵌合位置決め孔と対応して連通する嵌合部と、第2の当接部の収納孔に対応して締まり嵌められる締嵌管と、締嵌管と同軸であり、バイトをホールドするためのホールド孔と、を含み、ベースの第1の当接部と第2の当接部との間に組み立てられる。
【0020】
嵌合位置決め部材は、嵌合位置決め孔内に移動可能に設けられ、嵌合部の凹部に接触して緊迫力を付与することに用いられ、一端に第1のネジ孔が設けられ、且つその断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化する。
【0021】
嵌合引取部材は、嵌合位置決め孔内に位置制限されて設けられ、嵌合位置決め部材の第1のネジ孔とロックする第1のねじ山部を有し、嵌合位置決め部材を嵌合位置決め孔内で変位するように連動して、嵌合位置決め部材と嵌合部の凹部との緊迫程度を変える。
【0022】
前記のバイトホルダによると、ベースは、収納孔と連通する固定ネジ孔を含んでもよい。バイトホルダは、固定ネジ孔に締め付けられ、バイト基盤の締嵌管に押し当て固定するためのラッチを備えてもよい。
【0023】
前記のバイトホルダによると、ベースは、収納孔と連通するようにベースを貫通し、中心軸が収納孔の中心軸と垂直である管部位置決め孔を更に含んでもよい。バイト基盤の締嵌管に凹み部が設置されてもよく、締嵌管が収納孔に締まり嵌められる場合、凹み部と管部位置決め孔とが対応して連通する。バイトホルダは、管部位置決め孔内に移動可能に設けられ、締嵌管の凹み部に接触して緊迫力を付与することに用いられ、一端に第2のネジ孔が設けられ、且つその断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化する管部位置決め部材を更に備えてもよい。バイトホルダは、管部位置決め孔内に位置制限されて設けられ、管部位置決め部材の第2のネジ孔とロックする第2のねじ山部を有し、管部位置決め部材を管部位置決め孔内で変位するように連動して、管部位置決め部材と締嵌管の凹み部との緊迫程度を変える管部引取部材を更に備えてもよい。
【0024】
前記のバイトホルダによると、嵌合位置決め部材は、嵌合位置決め部材の外面に形成され、第1の傾斜面が嵌合部の凹部に接触して緊迫力を付与する第1の傾斜面を含んでもよい。管部位置決め部材は、管部位置決め部材の外面に形成され、締嵌管の凹み部に接触して緊迫力を付与する第3の傾斜面を更に含んでもよい。嵌合部の凹部は、第2の傾斜面を含んでもよく、嵌合位置決め部材の第1の傾斜面が第2の傾斜面に接触して緊迫力を付与し、締嵌管の凹み部は、第4の傾斜面を含んでもよく、管部位置決め部材の第3の傾斜面が第4の傾斜面に接触して緊迫力を付与する。
【0025】
前記のバイトホルダによると、第2の当接部と第1の当接部により定められた夾角が90°に等しい。
【0026】
本発明のまた別の態様によると、バイトをホールドするためのバイトホルダにおいて、ベースと、バイト基盤と、管部位置決め部材と、管部引取部材と、を備えるバイトホルダが提供される。
【0027】
ベースは、収納孔と、収納孔と連通するようにベースを貫通し、中心軸が収納孔の中心軸と垂直である管部位置決め孔と、を含む。
【0028】
バイト基盤は、収納孔に対応して締まり嵌められ、凹み部が設置され、収納孔に締まり嵌められる場合、凹み部と管部位置決め孔とが対応して連通する締嵌管と、締嵌管と同軸であり、バイトをホールドするためのホールド孔と、を含み、ベースに組み立てられる。
【0029】
管部位置決め部材は、管部位置決め孔内に移動可能に設けられ、締嵌管の凹み部に接触して緊迫力を付与することに用いられ、一端に第2のネジ孔が設けられ、且つその断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化する。
【0030】
管部引取部材は、管部位置決め孔内に位置制限されて設けられ、管部位置決め部材の第2のネジ孔とロックする第2のねじ山部を有し、管部位置決め部材を管部位置決め孔内で変位するように連動して、管部位置決め部材と締嵌管の凹み部との緊迫程度を変える。
【0031】
前記のバイトホルダによると、管部位置決め部材は、管部位置決め部材の外面に形成され、締嵌管の凹み部に接触して緊迫力を付与する第3の傾斜面を更に含んでもよく、締嵌管の凹み部は、第4の傾斜面を含んでもよく、管部位置決め部材の第3の傾斜面が第4の傾斜面に接触して緊迫力を付与する。
【0032】
前記のバイトホルダによると、ベースは、間隔をあけてベースに設けられ、それぞれ収納孔と連通するようにベースを貫通し、それぞれの中心軸が収納孔の中心軸と垂直である2つの管部位置決め孔を含んでもよい。締嵌管に2つの凹み部が設置されてもよく、締嵌管が収納孔に締まり嵌められる場合、前記2つの凹み部がそれぞれ前記2つの管部位置決め孔と対応して連通し、バイトホルダは、それぞれ前記2つの管部位置決め孔内に移動可能に設けられ、それぞれ締嵌管の2つの凹み部に接触して緊迫力を付与することに用いられる2つの管部位置決め部材を含んでもよく、バイトホルダは、それぞれ前記2つの管部位置決め孔内に位置制限されて設けられる2つの管部引取部材を含む。
【0033】
下記図面の説明は、本発明の上記及び他の目的、特徴、メリット、実施例をより分かりやすくするためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るバイトホルダを示す斜視図である。
【
図2】
図1に示したバイトホルダを示す分解図である。
【
図3】
図2に示した挟み基盤と嵌合位置決め部材を別の視角から示す分解図である。
【
図4】
図1に示したバイトホルダを切断線4‐4に沿って示す部分断面図である。
【
図5】
図1に示したバイトホルダを示す操作模式図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係るバイトホルダの挟み基盤と嵌合位置決め部材を示す分解図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態に係るバイトホルダを示す分解図である。
【
図8】
図7に示した挟み基盤と嵌合位置決め部材を示す組立図である。
【
図9】本発明の第4の実施形態に係るバイトホルダのバイト基盤を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第5の実施形態に係るバイトホルダを示す斜視図である。
【
図14】本発明の第6の実施形態に係るバイトホルダを示す斜視図である。
【
図16】本発明の第7の実施形態によるバイトホルダを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1〜
図3を参照されたい。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るバイトホルダ100を示す斜視図である。
図2は、
図1に示したバイトホルダ100を示す分解図である。
図3は、
図2に示した挟み基盤130と嵌合位置決め部材150を別の視角から示す分解図である。バイトホルダ100は、バイトB(
図5参照)をホールドすることに用いられる。バイトホルダ100は、ベース110と、バイト基盤120と、ラッチ115と、嵌合位置決め部材150と、嵌合引取部材160と、を備える。バイト基盤120がベース110に組み立てられ、ラッチ115、嵌合位置決め部材150と嵌合引取部材160がベース110内に貫設される。
【0036】
ベース110は、第1の当接部111と、第2の当接部112と、嵌合位置決め孔113と、固定ネジ孔114と、を含む。第1の当接部111と第2の当接部112とが接続し、且つ第1の当接部111と第2の当接部112により、60°以上120°以下の夾角A1が定められる。これにより、バイト基盤120とベース110との組立安定度の向上に寄与する。好ましくは、夾角A1が90°に等しい。第1の当接部111に収容溝111aが設置され、第2の当接部112に収納孔112aが設置され、収納孔112aの中心軸(図示せず)が収容溝111aの延出方向と平行である。嵌合位置決め孔113は、収容溝111aと連通するようにベース110を貫通し、その中心軸(図示せず)が収容溝111aの延出方向と垂直である。固定ネジ孔114が収納孔112aと連通する。
【0037】
バイト基盤120がベース110の第1の当接部111と第2の当接部112との間に組み立てられる。バイト基盤120は、挟み基盤130と、バイト収納部材140と、を含む。
【0038】
挟み基盤130は、締嵌孔131と、嵌合部132と、を含む。嵌合部132に凹部133が設置される。締嵌孔131が収納孔112aと対応し、嵌合部132が収容溝111aに取り外し可能に嵌め込まれる。嵌合部132が収容溝111aに嵌め込まれる場合、凹部133と嵌合位置決め孔113とが対応して連通する。
【0039】
バイト収納部材140は、締嵌管141と、ホールド孔142と、を含む。締嵌管141とホールド孔142とが同軸であり、締嵌管141が挟み基盤130の締嵌孔131及び第2の当接部112の収納孔112aに対応して締まり嵌められる。ホールド孔142は、バイトB(
図5参照)をホールドすることに用いられる。
【0040】
ラッチ115の外面にねじ山が設けられる。このねじ山により、ラッチ115は、バイト収納部材140の締嵌管141に押し当て固定するように、固定ネジ孔114内に締め付けられる。本発明の一実施例によると、バイト収納部材140の締嵌管141に、ラッチ115と対応する位置決め凹部(
図9に示した位置決め凹部441a参照)が設置されてもよい。これにより、ラッチ115の締嵌管141に対する押当固定効果を向上させ、更に、ベース110とバイト収納部材140との間の組立安定度を向上させることができる。
【0041】
嵌合位置決め部材150は、嵌合位置決め孔113内に移動可能に設けられており、嵌合部132の凹部133に接触して緊迫力を付与することに用いられる。嵌合位置決め部材150の一端に第1のネジ孔151が設けられる。本実施例において、第1のネジ孔151は、嵌合位置決め部材150を貫通した貫通穴構造であるが、他の実施例において、嵌合位置決め部材150を貫通しなくてもよい。第1の傾斜面152が嵌合位置決め部材150の外面に形成される。これにより、嵌合位置決め部材150の断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化し、且つ嵌合位置決め部材150が第1の傾斜面152で嵌合部132の凹部133に接触して緊迫力を付与する。
【0042】
嵌合引取部材160が嵌合位置決め孔113内に位置制限されて設けられる。嵌合引取部材160は、第1のねじ山部161と第1の位置制限部162を有する。第1の位置制限部162は、第1のねじ山部161と接続し、その横断面積が第1のねじ山部161の横断面積より大きい。
【0043】
図1に示したバイトホルダ100を切断線4‐4に沿って示す部分断面図である
図4を同時に参照されたい。ベース110の嵌合位置決め孔113が第1の縮径部113aを含み、嵌合位置決め部材150が第1の縮径部113aの片側に設けられ、嵌合引取部材160の第1の位置制限部162が第1の縮径部113aの他側に設けられる。嵌合引取部材160の第1のねじ山部161が第1の縮径部113aを通して嵌合位置決め部材150の第1のネジ孔151とロックし、第1の位置制限部162の横断面積が第1の縮径部113aの横断面積より大きい。これにより、第1の位置制限部162が第1の縮径部113aの他側へ変位しないように防止することができ、嵌合引取部材160を位置制限することができる。また、第1のねじ山部161と第1のネジ孔151とのロック関係によって、嵌合引取部材160により嵌合位置決め部材150を嵌合位置決め孔113内で変位するように連動して、嵌合位置決め部材150と嵌合部132の凹部133との緊迫程度を変えることができる。
【0044】
以上から分かるように、嵌合位置決め部材150と嵌合部132の凹部133との緊迫関係によって、ベース110とバイト基盤120との間に緩みにならないように効果的にすることができるため、ベース110及びバイト基盤120の反力に対する荷重値を向上させ、更にベース110とバイト基盤120との寿命を延長し、交換とメンテナンスのコストを下げることができる。また、嵌合引取部材160の第1のねじ山部161と嵌合位置決め部材150の第1のネジ孔151とのロック関係によって、ユーザは、嵌合引取部材160を回転だけで嵌合位置決め部材150とベース110及びバイト基盤120との緊迫程度を正確に調整することができる。そのため、本発明のバイトホルダ100は、更に、操作しやすく、高精度調整等のメリットを有する。
【0045】
図1に示したバイトホルダ100を示す操作模式図である
図5を参照されたい。バイトホルダ100は、バイトBを収納するように、道路路面の表面粗さ処理用の器具900に取り付けられ、バイトBによって道路路面等の加工物を加工し、ベース110とバイト基盤120との組立安定度を高めることで、ベース110とバイト基盤120との寿命を効果的に延長し、交換とメンテナンスのコストを下げることができる。
【0046】
本発明の第2の実施形態に係るバイトホルダの挟み基盤230と嵌合位置決め部材250を示す分解図である
図6を参照されたい。第2の実施例において、挟み基盤230は、締嵌孔231と、嵌合部232と、を含む。嵌合部232に凹部233が設置される。凹部233は、第2の傾斜面233aを含む。嵌合位置決め部材250は、第1のネジ孔251と第1の傾斜面252を含む。挟み基盤230とベース(図示せず)とを組み立てる場合、嵌合位置決め部材250の第1の傾斜面252が凹部233の第2の傾斜面233aに接触して緊迫力を付与する。これにより、第1の傾斜面252と凹部233との接触面積を向上させ、嵌合位置決め部材250と凹部233との緊迫程度を増やすことができる。第2の実施例の他の実施形態については、第1の実施例と同じであるので、ここで詳しく説明しない。
【0047】
図7と
図8を参照されたい。
図7は、本発明の第3の実施形態に係るバイトホルダ300を示す分解図である。
図8は、
図7に示した挟み基盤330と嵌合位置決め部材350を示す組立図である。バイトホルダ300は、ベース310と、バイト基盤320と、ラッチ315と、嵌合位置決め部材350と、嵌合引取部材360と、を備える。バイト基盤320がベース310に組み立てられ、ラッチ315、嵌合位置決め部材350と嵌合引取部材360がベース310内に貫設される。
【0048】
ベース310は、第1の当接部311と、第2の当接部312と、嵌合位置決め孔313と、固定ネジ孔314と、を含む。第1の当接部311と第2の当接部312とが接続し、且つ第1の当接部311と第2の当接部312により、60°以上120°以下の夾角A1が定められる。これにより、バイト基盤320とベース310との組立安定度の向上に寄与する。好ましくは、夾角A1が90°に等しい。第1の当接部311に収容溝311aが設置され、第2の当接部312に収納孔312aが設置され、収納孔312aの中心軸(図示せず)が収容溝311aの延出方向と平行である。嵌合位置決め孔313は、収容溝311aと連通するようにベース310を貫通し、その中心軸(図示せず)が収容溝311aの延出方向と垂直である。固定ネジ孔314が収納孔312aと連通する。
【0049】
バイト基盤320がベース310の第1の当接部311と第2の当接部312との間に組み立てられる。バイト基盤320は、挟み基盤330と、バイト収納部材340と、を含む。
【0050】
挟み基盤330は、締嵌孔331と、嵌合部332と、を含む。嵌合部332に凹部333が設置される。凹部333は、片側が屋根状であり、対称となるよう設けられた2つの第2の傾斜面333aを有する。
【0051】
バイト収納部材340は、締嵌管341と、ホールド孔342と、を含む。締嵌管341とホールド孔342とが同軸であり、締嵌管341が挟み基盤330の締嵌孔331及び第2の当接部312の収納孔312aに対応して締まり嵌められる。ホールド孔342は、バイト(図示せず)をホールドすることに用いられる。
【0052】
ラッチ315の外面にねじ山が設けられる。このねじ山により、ラッチ315は、バイト収納部材340の締嵌管341に押し当て固定するように、固定ネジ孔314内に締め付けられる。
【0053】
嵌合位置決め部材350は、嵌合位置決め孔313内に移動可能に設けられており、嵌合部332の凹部333に接触して緊迫力を付与することに用いられる。嵌合位置決め部材350の一端に第1のネジ孔351が設けられる。本実施例において、第1のネジ孔351は、嵌合位置決め部材350を貫通した貫通穴構造であるが、他の実施例において、嵌合位置決め部材350を貫通しなくてもよい。第1の傾斜面352が嵌合位置決め部材350の外面に形成される。これにより、嵌合位置決め部材350の断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化し、且つ嵌合位置決め部材350が第1の傾斜面352で嵌合部332の凹部333の第2の傾斜面333aに接触して緊迫力を付与する。
【0054】
嵌合引取部材360が嵌合位置決め孔313内に位置制限されて設けられる。嵌合引取部材360は、第1のねじ山部361と第1の位置制限部362を有する。第1の位置制限部362は、第1のねじ山部361と接続する。嵌合引取部材360の第1のねじ山部361と嵌合位置決め部材350の第1のネジ孔351とのロックによって、嵌合引取部材360により嵌合位置決め部材350を嵌合位置決め孔313内で変位するように連動して、嵌合位置決め部材350と凹部333の第2の傾斜面333aとの緊迫程度を変えることができる。
【0055】
本発明の第4の実施形態に係るバイトホルダのバイト基盤420を示す斜視図である
図9を参照されたい。第4の実施例において、バイト基盤420は、嵌合部432と、締嵌管441と、ホールド孔442と、を含む。嵌合部432に凹部433が設置され、締嵌管441に、ラッチ(図示せず)に対応する位置決め凹部441aが設置される。これにより、ラッチの締嵌管441に対する押当固定効果を向上させることができる。第4の実施例のバイト基盤420は、挟み基盤とバイト収納部材に解体されない一体成形されたものであるので、構造上よりコンパクトである。第4の実施例の他の実施形態については、第1の実施例と同じであるので、ここで詳しく説明しない。
【0056】
図10と
図11を参照されたい。
図10は、本発明の第5の実施形態に係るバイトホルダ500を示す斜視図である。
図11は、
図10に示したバイトホルダ500を示す分解図である。バイトホルダ500は、ベース510と、バイト基盤520と、嵌合位置決め部材550と、嵌合引取部材560と、管部位置決め部材570と、管部引取部材580と、を備える。バイト基盤520がベース510に組み立てられ、嵌合位置決め部材550、嵌合引取部材560、管部位置決め部材570と管部引取部材580がベース510内に貫設される。
【0057】
ベース510は、第1の当接部511と、第2の当接部512と、嵌合位置決め孔513と、管部位置決め孔516と、を含む。第1の当接部511と第2の当接部512とが接続し、且つ第1の当接部511と第2の当接部512により、60°以上120°以下の夾角A1が定められる。これにより、バイト基盤520とベース510との組立安定度の向上に寄与する。好ましくは、夾角A1が90・に等しい。第1の当接部511に収容溝511aが設置され、第2の当接部512に収納孔512aが設置され、収納孔512aの中心軸(図示せず)が収容溝511aの延出方向と平行である。嵌合位置決め孔513は、収容溝511aと連通するようにベース510を貫通し、その中心軸(図示せず)が収容溝511aの延出方向と垂直である。管部位置決め孔516は、収納孔512aと連通するようにベース510を貫通し、その中心軸が収納孔512aの中心軸に垂直である。
【0058】
バイト基盤520がベース510の第1の当接部511と第2の当接部512との間に組み立てられる。バイト基盤520は、嵌合部532、締嵌管541とホールド孔542を含む。ホールド孔542は、締嵌管541と同軸であり、バイト(図示せず)をホールドすることに用いられる。嵌合部532に凹部533が設置される。凹部533は、第2の傾斜面533aを含む。締嵌管541に凹み部543が設置される。凹み部543は、第4の傾斜面543aを含む。嵌合部532が収容溝511aに取り外し可能に嵌め込まれる。嵌合部532が収容溝511aに嵌め込まれ、締嵌管541が収納孔512aに締まり嵌められる場合、凹部533と嵌合位置決め孔513とが対応して連通し、凹み部543と管部位置決め孔516とが対応して連通する。
【0059】
嵌合位置決め部材550は、嵌合位置決め孔513内に移動可能に設けられており、嵌合位置決め部材550の一端に第1のネジ孔551が設けられる。本実施例において、第1のネジ孔551は、嵌合位置決め部材550を貫通した貫通穴構造であるが、他の実施例において、嵌合位置決め部材550を貫通しなくてもよい。第1の傾斜面552が嵌合位置決め部材550の外面に形成される。これにより、嵌合位置決め部材550の断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化し、且つ嵌合位置決め部材550が第1の傾斜面552で嵌合部532の凹部533の第2の傾斜面533aに接触して緊迫力を付与する。これにより、嵌合位置決め部材550と凹部533との接触面積を向上させ、嵌合位置決め部材550と凹部533との緊迫程度を増やすことができる。
【0060】
管部位置決め部材570が管部位置決め孔516内に移動可能に設けられる。管部位置決め部材570の一端に第2のネジ孔571が設けられる。本実施例において、第2のネジ孔571は、管部位置決め部材570を貫通した貫通穴構造であるが、他の実施例において、管部位置決め部材570を貫通しなくてもよい。第3の傾斜面572が管部位置決め部材570の外面に形成される。これにより、管部位置決め部材570の断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化し、且つ管部位置決め部材570が第3の傾斜面572で締嵌管541の凹み部543の第4の傾斜面543aに接触して緊迫力を付与する。これにより、管部位置決め部材570と凹み部543との接触面積を向上させ、管部位置決め部材570と凹み部543との緊迫程度を増やすことができる。
【0061】
嵌合引取部材560が嵌合位置決め孔513内に位置制限されて設けられる。嵌合引取部材560は、第1のねじ山部561と第1の位置制限部562を有する。第1の位置制限部562は、第1のねじ山部561と接続する。嵌合引取部材560の第1のねじ山部561と嵌合位置決め部材550の第1のネジ孔551とのロックによって、嵌合引取部材560により嵌合位置決め部材550を嵌合位置決め孔530内で変位するように連動して、嵌合位置決め部材550と凹部533の第2の傾斜面533aとの緊迫程度を変えることができる。
【0062】
管部引取部材580が管部位置決め孔516内に位置制限されて設けられる。管部引取部材580は、第2のねじ山部581と第2の位置制限部582を有する。第2の位置制限部582は、第2のねじ山部581と接続する。管部引取部材580の第2のねじ山部581と管部位置決め部材570の第2のネジ孔571とのロックよって、管部引取部材580により管部位置決め部材570を管部位置決め孔516内で変位するように連動して、管部位置決め部材570と凹み部543の第4の傾斜面543aとの緊迫程度を変えることができる。
【0063】
図12と
図13を参照されたい。
図12は、
図11に示したバイト基盤520を示す側面図である。
図13は、
図12に示したバイト基盤520を示す背面図である。
図13と
図14から分かるように、本実施例において、第2の傾斜面533aと第4の傾斜面543aの何れも二重の斜面である。これにより、ベース510とバイト基盤520との組立安定度を更に高めることができる。具体的には、仮設の直交座標系に対して、第2の傾斜面533aが第4の傾斜面543aに平行ではなく、X‐Y平面、X‐Z平面とY‐Z平面の何れにも垂直ではない。この仮設の直交座標系では、Z軸がバイトのバイト基盤520を送る方向により定義され、X軸が嵌合位置決め孔513の中心軸により定義され、Y軸がX軸とZ軸により定義される。本発明の一実施例によると、第2の傾斜面533aとX軸との夾角A2は、4°〜10°であり、好ましくは、5°である。第4の傾斜面543aとX軸との夾角A3は、4°〜10°であり、好ましくは、5°である。
【0064】
図14と
図15を参照されたい。
図14は、本発明の第6の実施形態に係るバイトホルダ600を示す斜視図である。
図15は、
図14に示したバイトホルダ600を示す分解図である。バイトホルダ600は、バイト(図示せず)をホールドすることに用いられる。バイトホルダ600は、ベース610と、バイト基盤620と、管部位置決め部材670と、管部引取部材680と、を備える。
【0065】
ベース610は、収納孔612aと、管部位置決め孔616と、を含む。管部位置決め孔616は、収納孔612aと連通するようにベース610を貫通し、その中心軸が収納孔612aの中心軸と垂直である。
【0066】
バイト基盤620は、ベース610に組み立てられており、締嵌管641と、ホールド孔642と、を含む。ホールド孔642と締嵌管641とが同軸であり、バイトをホールドすることに用いられる。締嵌管641に凹み部643が設置される。凹み部643は、第4の傾斜面643aを含む。締嵌管641が収納孔612aに締まり嵌められる場合、凹み部643と管部位置決め孔616とが対応して連通する。
【0067】
管部位置決め部材670が管部位置決め孔616内に移動可能に設けられる。管部位置決め部材670の一端に第2のネジ孔671が設けられる。本実施例において、第2のネジ孔671は、管部位置決め部材670を貫通した貫通穴構造であり、第3の傾斜面672が管部位置決め部材670の外面に形成される。これにより、管部位置決め部材670の断面積がその延出方向に沿って漸進的に変化し、且つ管部位置決め部材670が第3の傾斜面672で締嵌管641の凹み部643の第4の傾斜面643aに接触して緊迫力を付与する。これにより、管部位置決め部材670と凹み部643との接触面積を向上させ、管部位置決め部材670と凹み部643との緊迫程度を増やすことができる。
【0068】
管部引取部材680が管部位置決め孔616内に位置制限されて設けられる。管部引取部材680は、第2のねじ山部681と第2の位置制限部682を有する。第2の位置制限部682は、第2のねじ山部681と接続する。管部引取部材680の第2のねじ山部681と管部位置決め部材670の第2のネジ孔671とのロックによって、管部引取部材680により管部位置決め部材670を管部位置決め孔616内で変位するように連動して、管部位置決め部材670と凹み部643の第4の傾斜面643aとの緊迫程度を変えることができる。
【0069】
図16と
図17を参照されたい。
図16は、本発明の第7の実施形態によるバイトホルダ700を示す斜視図である。
図17は、
図16に示したバイトホルダ700を示す分解図である。バイトホルダ700は、ベース710と、バイト基盤720と、2つの管部位置決め部材770と、2つの管部引取部材780と、を備える。ベース710は、間隔をあけてベース710に設けられた2つの管部位置決め孔716を含む。バイト基盤720は、ホールド孔742と、締嵌管741と、を含む。締嵌管741には2つの凹み部743が設置される。各凹み部のそれぞれは、1つの第4の傾斜面743aを含む。2つの管部位置決め部材770がそれぞれ2つの管部位置決め孔716の中に設けられる。各管部位置決め部材770のそれぞれは、1つの第2のネジ孔771と第3の傾斜面772を含む。2つの管部引取部材780がそれぞれ2つの管部位置決め孔716の中に位置制限されて設けられる。各管部引取部材780のそれぞれは、第2のねじ山部781と第2の位置制限部782を含む。管部位置決め部材770、管部引取部材780と凹み部743の数を増やすことで、ベース710とバイト基盤720との組立安定度を更に高めることができる。第7の実施例の他の実施形態については、第6の実施例と同じであるので、ここで詳しく説明しない。
【0070】
上記実施形態から分かるように、嵌合引取部材により嵌合位置決め部材を嵌合位置決め孔内で変位するように連動することで、嵌合位置決め部材と嵌合部との緊迫程度を変えることができる。又は、管部引取部材により管部位置決め部材を管部位置決め孔内で変位するように連動することで、管部位置決め部材と締嵌管との緊迫程度を変えることができる。これにより、ベースとバイト基盤組立との安定度を高め、ベースとバイト基盤の反力に対する荷重値を高め、更にベースとバイト基盤の寿命を延長し、交換とメンテナンスのコストを下げることができる。
【0071】
本発明では、各実施形態を前述の通り開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神や範囲から逸脱せずに、多様の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の保護範囲は、以下の請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0072】
100、300、500、600、700 バイトホルダ
110、310、510、610、710 ベース
111、311、511 第1の当接部
111a、311a、511a 収容溝
112、312、512 第2の当接部
112a、312a、512a、612a 収納孔
113、313、513 嵌合位置決め孔
113a 第1の縮径部
114、314 固定ネジ孔
115、315 ラッチ
120、320、420、520、620、720 バイト基盤
130、230、330 挟み基盤
131、231、331 締嵌孔
132、232、332、432、532 嵌合部
133、233、333、533 凹部
233a、333a、533a 第2の傾斜面
140、340 バイト収納部材
141、341、441、541、641、741 締嵌管
142、342、542、642、742 ホールド孔
150、250、350、550 嵌合位置決め部材
151、251、351、551 第1のネジ孔
152、252、352、552 第1の傾斜面
160、360、560 嵌合引取部材
161、361、561 第1のねじ山部
162、362、562 第1の位置制限部
441a 位置決め凹部
516、616、716 管部位置決め孔
543、643、743 凹み部
543a、643a、743a 第4の傾斜面
570、670、770 管部位置決め部材
571、671、771 第2のネジ孔
572、672、772 第3の傾斜面
580、680、780 管部引取部材
581、681、781 第2のねじ山部
582、682、782 第2の位置制限部
900 器具
B バイト
A1、A2、A3 夾角
【国際調査報告】