(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-522030(P2016-522030A)
(43)【公表日】2016年7月28日
(54)【発明の名称】コーヒー調製装置、コーヒー飲料システム、及びコーヒー飲料を準備するための方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/42 20060101AFI20160701BHJP
A47J 42/38 20060101ALI20160701BHJP
【FI】
A47J31/42
A47J42/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-513895(P2016-513895)
(86)(22)【出願日】2014年5月16日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月18日
(86)【国際出願番号】NL2014050311
(87)【国際公開番号】WO2014185783
(87)【国際公開日】20141120
(31)【優先権主張番号】2010820
(32)【優先日】2013年5月17日
(33)【優先権主張国】NL
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】デ グラーフ,ガーブランド クリスティアーン
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA20
4B104AA25
4B104BA02
4B104BA06
4B104BA11
4B104BA12
4B104DA07
4B104DA29
4B104DA48
4B104EA15
4B104EA35
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】本発明はコーヒー調製装置(1)およびシステム(100)に関する。これらは、コーヒー豆(4)を受け取るための入口開口(2)、該入口開口(2)を介して該コーヒー調製装置(1)に入ったコーヒー豆を挽くためのグラインダ(6)、該グラインダ(6)から調製デバイスへ挽かれたコーヒーを移送するための挽かれたコーヒー移送路(8)、該分配され挽かれたコーヒーに基づいてコーヒーを調製するための調製デバイス(40)、および少なくともコーヒーを挽く香りを備えている少なくとも1つの空気流を該コーヒー調製装置(1)の外部(3)へ且つ好ましくは該装置(1)の使用者の方向に提供するために該グラインダ(6)と流体接続している空気通風システム(10)を備えている。該空気通風システム(10)はさらに、少なくとも1つのファン(12)、及び該グラインダ(6)から該ファン(12)への該空気流のための流路を少なくとも部分的に提供するところの少なくとも1つの空気流案内要素(14)を備えている。本発明はまた、先述された装置により飲料を準備するための方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー調製装置であって、
コーヒー豆(4)を受け取るための入口開口(2)、
該入口開口(2)を介して該コーヒー調製装置(1)に入ったコーヒー豆を挽くためのグラインダ(6)、
該グラインダ(6)から調製デバイスへ挽かれたコーヒーを移送するための挽かれたコーヒー移送路(8)、
該分配され挽かれたコーヒーに基づいてコーヒーを調製するための調製デバイス(40)、および
空気通風システム(10)
を備え、
該空気通風システム(10)は、少なくともコーヒーを挽く香りを備えている少なくとも1つの空気流を該コーヒー調製装置(1)の外部(3)へ且つ好ましくは該装置(1)の使用者の方向に提供するために該グラインダ(6)と流体接続していること、および該空気通風システム(10)は、少なくとも1つのファン(12)、及び該グラインダ(6)から該ファン(12)への該空気流のための流路を少なくとも部分的に提供するところの少なくとも1つの空気流案内要素(14)を備えていること、を特徴とする、
上記装置。
【請求項2】
該空気通風システム(10)は、該グラインダからの空気を該装置の外部へ移送するように配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
該空気通風システム(10)は、該グラインダからの空気を該装置の外部へ吸い出すように配置されている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
該空気流または該空気流と混合される若しくは並ぶ追加の空気流はまた、調製の香り、及び/又は、該コーヒー調製装置に入った若しくは入るように配置されている挽かれていないコーヒー豆の香り、及び/又は、準備された飲料の香り、及び/又は、飲料の準備の間に得られる水蒸気を備えている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
該空気通風システム(10)は更に、複数の追加の空気流案内要素(14’、14”)を備え、それらは、該ファンから該装置(1)の外部(3)へ、及び/又は該調製チャンバーから、及び/又は挽かれていないコーヒー豆を貯蔵するための容器(32)から、及び/又は該挽かれていないコーヒー豆を受け取るための該入口開口(2)から、及び/又は該準備された飲料を分配するための飲料出口から、該ファン(12)への空気流のための流路を少なくとも部分的に提供している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
該ファン(12)は、コーヒーを挽く香りを備えている少なくとも1つの空気流を与えるために、該グラインダ(6)の外部で空気を吸うために吸引型のファンとして備えられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
該ファン(12)は、該装置(1)のハウジング(18)での香り空気流出口開口(16)に置かれている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
該ファン(12)へ直接的又は間接的に接続された該少なくとも1つの空気流案内要素(14)がそれへ接続されるところの空気流接続要素(22)を、該グラインダ(6)は備えている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
該グラインダ(6)は、該挽かれたコーヒーを該調製デバイスへ移送するため、該挽かれた移送路(8)の一部分である挽かれたコーヒー出口(20)を備え、そして該空気流接続要素(22)はその上に置かれている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
該挽かれたコーヒー出口(20)は、該グラインダ(6)の側部に少なくとも部分的に置かれている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
該挽かれたコーヒー出口(20)は、該挽かれたコーヒーが、下に向けられた移送路(8)がそれに続くところの側方に向けられた好ましくは水平の移送路(8’)によって、該挽かれたコーヒー出口(20)に入るような仕方で備えられる、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
該挽かれたコーヒー出口(20)は、挽かれたコーヒー滑り台(24)、および好ましくは該調製デバイス内へ下向きに指しているファネルを備えている、請求項9〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
該空気流接続要素(22)は、該挽かれたコーヒー移送路(8)の水準(LTP)と本質的に同じか又は高い水準(LAS)の位置に備えられている、請求項8〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
該空気流接続要素(22)は、該挽かれたコーヒー移送路(8)の頂部被覆要素(26)に、好ましくは挽かれたコーヒー滑り台(24)の頂部被覆要素(26)に備えられている、請求項8〜13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つのフィルタ要素(28)が、該グラインダ(6)と該ファン(12)の間の該流体接続部内に、そして好ましくは該挽かれたコーヒー移送路(8)の頂部被覆要素(20)に備えられている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
該ファン(12)の通風時間を制御するための少なくとも1つの制御要素を備え、該制御要素は、好ましくは該通風時間が該グラインダ(6)の挽く時間に依存して制御されているような仕方で構築され、および好ましくは該グラインダ(6)が停止した後の規定されたオーバーランをそれが備えるような仕方で制御される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
コーヒー飲料システムであって、コーヒー豆包装カートリッジ(30)および請求項1〜16のいずれか1項に記載のコーヒー調製装置(1)を備え、該コーヒー豆包装カートリッジ(30)は、取り外し可能に該コーヒー調製装置(1)に接続され、且つ複数杯分のコーヒー豆(4)を維持しおよび供給するように配設されている、上記コーヒー飲料システム。
【請求項18】
該コーヒー豆包装カートリッジ(30)は、
内部容積およびコーヒー豆出口を規定している少なくとも1つの出口開口(34)を備えている容器(32)、ここで、該内部容積はコーヒー豆(4)を保持する、
該内部容積から該カートリッジ(30)の該出口開口(34)へ及び該入口開口(2)へコーヒー豆(4)の移送を可能にするように適合された移送手段、
を含み、
該システムは更に、該移送手段の助けで計量チャンバー内へ移送されたコーヒー豆を受け取るための該計量チャンバーを備え、該計量チャンバーは、該グラインダの一部分を形成するところの底部分を備え、前記底部分は、垂直方向に延在している第1軸の周りを回転するように該コーヒー調製装置内に配設され、該システムは、該グラインダが作動すると、該底部分が、該計量チャンバーから該グラインダ内へコーヒー豆を移送するために、およびコーヒー豆を挽くために該垂直軸の周りを回転するように配設されている、
請求項17に記載のコーヒー飲料システム。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の装置により飲料を準備するための方法であって、以下の工程:
コーヒー豆を該グラインダへ移送すること、及びそれらを挽かれたコーヒーにまで挽くこと;
該挽かれたコーヒーを、挽かれたコーヒー移送路上の該挽かれたコーヒー出口を介し該調製チャンバーへ移送すること;
挽いている及び/又は挽かれたコーヒーの移送の間の少なくとも一部の間に空気流を提供し、これにより該空気流は、挽かれたコーヒー移送路を少なくとも部分的に通過し、該コーヒー調製装置の外部へ且つ好ましくは該装置の使用者の方向に運ばれる、
を包含する、上記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー豆を受け取るための入口開口、該入口開口を介して該コーヒー装置に入ったコーヒー豆を挽くためのグラインダ、該グラインダから調製装置へ挽かれたコーヒーを移送するための挽かれたコーヒー移送路を備えている、コーヒー調製装置、分配され挽かれたコーヒーに基づいてコーヒーを調製するための装置および空気通風システムに関する。
【0002】
そのような装置は、例えば欧州特許出願第2,253,253 A2号公報から公知である。
【0003】
本発明はさらに、コーヒー豆包装カートリッジおよび前に記載されたコーヒー調製装置を備えているコーヒー飲料システムに関しており、該コーヒー豆包装カートリッジは、コーヒー調製装置へ取り外し可能に接続され、そして複数杯分のコーヒー豆の提供を維持しおよび供給するために配設されている。
【0004】
最後に、本発明は、先述された装置により飲料を準備するための方法に関する。
【背景技術】
【0005】
ここで、「Coffee beverage system, coffee brewing apparatus, coffee bean packaging cartridge and method for preparing acoffee beverage(コーヒー飲料システム、コーヒー調製装置、コーヒー豆包装カートリッジおよびコーヒー飲料を準備するための方法)」と題したオランダ国特許出願公開第2006232号が、参照によってその全体が本明細書に組み入れられる。
【0006】
上のコーヒー調製装置およびコーヒー飲料システムは、この技術で広く知られている。それらは、消費者にほぼ完全に自動的に温かい飲料および特にコーヒー飲料を提供する。上述された種類のコーヒー調製装置と他のコーヒー調製装置、例えばカプセルベースのコーヒー装置又は挽かれたコーヒーベースのコーヒー装置の間の主な違いは、コーヒー飲料がユーザーにより要求されたときに、挽かれたコーヒーを新鮮に且つ要請に応じて提供する内蔵されたグラインダである。
【0007】
「要請に応じて挽く」に基づく飲料装置およびシステムは、飲料を作るための高品質の挽かれたコーヒー出発物質を提供し、コーヒー飲料出発物質が準備され挽かれた形態で、またはカプセルベースのコーヒー装置の代わりに提供され且つ用いられるところの装置に比べて、何らかの利点がある。
【0008】
しかし、信頼性のある且つコスト効果の高いコーヒー調製装置及びシステムそれぞれの必要性を心に持っているので、装置と作られた製品夫々の品質に関するユーザーの主観的印象は、装置の機械的な全体的印象により影響されることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、作成された高品質コーヒー飲料の改善された印象を与えるコーヒー調製装置およびコーヒー飲料システムを提供する必要がある。
【0010】
この目的は、独立請求項の主題により解決される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
特に、この目的は、コーヒー調製装置であって、コーヒー豆を受け取るための入口開口、該入口開口を介して該コーヒー調製装置に入ったコーヒー豆を挽くためのグラインダ、該グラインダから調製デバイスへ挽かれたコーヒーを移送するための挽かれたコーヒー移送路、該分配され挽かれたコーヒーに基づいてコーヒーを調製するための調製デバイス、および空気通風システムを備え、該空気通風システムは、少なくともコーヒーを挽く香りを備えている少なくとも1つの空気流を該コーヒー調製装置の外部へ提供するために該グラインダと流体接続していること、および該空気通風システムは、少なくとも1つのファン、及び該グラインダから該ファンへの該空気流のための流路を少なくとも部分的に提供するところの少なくとも1つの空気流案内要素を備えていること、を特徴とする、上記装置によって解決される。好ましくは、該空気通風システムは、コーヒーを挽いた香りを備えている少なくとも1つの空気流が、該装置の使用者の方向に向けられるような仕方で作られている。これに関して、空気流の流路が、任意的に上述の部分及び部品の別の1以上から該ファンへ、及び/又は該ファンから該装置の外部へ備えられるときに、有利でありうる。ファンと1以上の空気流案内要素および相互接続要素との組合せは、流体接続、好ましくはグラインダ、任意的には上記部分の少なくとも1つからの香りを乗せられた空気流を該装置の外側へ向けるための空気通風路を与える。ここで、あらゆる種類の空気流案内要素、例えばチューブ、滑り台、又は類似の体積要素が用いられうる。
【0012】
上記目的はまた、コーヒー飲料システムであって、コーヒー豆包装カートリッジ(30)および上に記載のコーヒー調製装置を備え、該コーヒー豆包装カートリッジは、取り外し可能に該コーヒー調製装置に接続され、且つ複数杯のコーヒー豆を維持しおよび供給するように配設されている、上記システムにより解決される。
【0013】
最後に、上記目的は、先に記載の装置により飲料を準備するための方法により解決され、該方法は、以下の工程:コーヒー豆を該グラインダへ移送すること、及びそれらを挽かれたコーヒーにまで挽くこと;該挽かれたコーヒーを挽かれたコーヒー移送路上で該挽かれたコーヒー出口を介し該調製チャンバーへ移送すること;挽いている及び/又は挽かれたコーヒーの移送の間、少なくとも部分的に空気流を提供すること、を包含し、これにより該空気流は、該コーヒー調製装置の外部へ且つ好ましくは該装置の使用者の方向に、挽かれたコーヒー移送路を少なくとも部分的に通過する。
【0014】
別に記載されない限り、本明細書の記載および請求項において、コーヒー豆は、焙煎されたコーヒー豆であると理解される。本明細書の記載および請求項におけるコーヒー豆は、欠けたコーヒー豆、即ちコーヒー豆の破片をも含むと理解されうる。そのコーヒー豆の破片は、所望のコーヒー飲料を抽出するためにさらに挽かれる予定である。コーヒー豆は、例えばそれらが包装される前に壊される。勿論、コーヒー豆の破片と完全なコーヒー豆との混合も用いられうる。
【0015】
グラインダに関して、いずれの公知のグラインダも、個々の部品、デザイン、および、バ―挽き(burr-grinding)、切断、打撃、ローラー挽きのように用いられた挽く方法の配設に関わらずに、本発明に従う装置、システム、および方法に用いられうる。これはまた、夫々の調製装置および夫々の配設及びデザインに対して適用される。
【0016】
空気通風システムが、新鮮な挽かれたコーヒー豆と接触しこの接触の後、該コーヒー調製装置及びシステム夫々の外部へ、好ましくは使用者の方へ向けられた、少なくとも1つの空気流を提供して用いられることは、本発明の1つの鍵になる面である。この空気通風システムにより、コーヒー豆内に閉じ込められ且つ挽く間に放出される香り物質は、コーヒーを挽く香りが外部領域に拡がるように外部へ運ばれる。これは勿論、使用者に対して、飲料を調製するために用いられたコーヒーの新鮮な印象を強め、且つ高品質である印象を強める。
【0017】
詳しくは、該空気通風システムは、好ましくは、グラインダ内で挽く間に放出されたコーヒーを挽く香りをのせられた空気流を盛んに、外部へ、好ましくは該装置の使用者の方向に運ぶ。
【0018】
それが、少なくとも1つの空気流をコーヒー調製装置の外部へ、好ましくは該装置の使用者の方に供給するために配設されるような仕方でまた通風システムを備えることは可能である。そのことはまた、調製の香り及び/又は該コーヒー調製装置に入った又は入るように配設されるところの挽かれていないコーヒー豆の香りを含んでいる。詳細において、コーヒーを挽く香り及び調製の香り及び/又は挽かれていない豆の香りの組合せを備える空気流を提供することは、特にこの組合せが、特に高品質で新鮮なコーヒーが用いられているという印象を装置の使用者が得るであろうことに非常に大きな影響を有するので、有利でありうる。挽かれていない豆の香りは、例えば、豆を備え且つそれらを入口開口へ届けるように働くコーヒー豆包装カートリッジの内容積から受ける香りでありうる。それは、入口開口とグラインダの間の豆移送路上のグラインダに入る間に、豆から受け取られた香りでありうる。
【0019】
有利的に、本発明に従う該装置および該コーヒー飲料システムは、該入口開口からグラインダへ豆を移送するための、例えばチューブ、ファネルなどでありうる少なくとも1つの豆移送路を備えている。
【0020】
上記の「調製の香り」は、該調製装置から調製中に受けた香りでありうる。「調製の香り」は、好ましくは調製過程が始まる若しくは完了する前に、又は挽かれたコーヒーが入れられた調製チャンバーが調製過程のために封印される前に、該調製装置に入った挽かれたコーヒーの香りであることも可能である。好ましくは、該調製過程が始まる前に、該調製装置の好ましくは温かい且つ湿った調製チャンバー内に入る、及び/又は滞留する挽かれたコーヒーの香りが、上記「調製の香り」として用いられ、非常に強いコーヒーの香りを与えるように、好ましくは挽く過程の香りと混合される。該調製の香り、及び/又は挽かれていない豆の香りを備えている空気流を提供することに関連する特徴に関しては冗長を避けるために、それはここで、コーヒーを挽く香りを備えている空気流を提供することに関連してここに記載された特徴を云う。
【0021】
もし該空気通風システムが、グラインダから(または好ましくは、前に文章に記載したように、グラインダと該調製チャンバーから、及び/又は、挽かれていない豆から)の空気を該装置の外部へ移送するために配設されるならば有利でありうる。また、もし該空気通風システムが、グラインダから、又は好ましくはグラインダと調製チャンバーから、及び/又は、挽かれていない豆からの空気を吸引するために、および該空気を該装置の外部へ移送するために配設されるならば、以下でより詳しく説明されるように有利でありうる。また、もし該空気通風システムが、飲料出口(それは、準備された飲料を、例えば使用者によって準備されたカップへ分配するために、例えば該調製チャンバーの後に配設されている)からの空気、および好ましくは準備された飲料の香りを備えている空気を該装置の外部へ移送するために配設されるならば、有利でありうる。また、もし空気通風システムが、該装置の内部からの空気をその外部へ、特に、例えば飲料を準備した後の使用済の挽かれたコーヒー、及び/又は飲料を準備した後の使用済の挽かれたコーヒーを受け取る容器若しくは類似の小部屋から出る、及び/又は調製チャンバーからの、及び/又は調製過程それ自体からの湿気を含む空気を移送するように設定されているならば有利でありうる。上記に従う該コーヒー調製装置の通風は、とりわけグラインダの目詰まり、および特に電子回路部分の腐食及び故障を防止する。また、もし空気通風システムが、例えば飲料の準備過程の間に得られる水蒸気を該装置の外部へ、特に水蒸気が使用者に見えるような仕方で移送するように設定されているならば有利でありうる。
【0022】
上記「移送工程」の制御のために、コーヒー調製装置は、好ましくは、該空気通風システムが、個々の香り、複数の空気流、水蒸気の流れなどが発生している時間経過の間、及び/又は前に、及び/又は後に起動されるように少なくとも1つの制御配設を備える。同じことが、例えば2以上の飲料が調製されなければならないときにも適用される。
【0023】
好ましくは、弁、流体交差要素などのような少なくとも1つの相互接続要素が、上記空気流を少なくとも部分的に同時に若しくは継続的に混合及び/又は案内するために備えられ、そして上記空気流を該装置の外部へ使用者の方向に移送する。
【0024】
コーヒー調製装置の外部及び好ましくは該装置の使用者の方へコーヒーを挽く香りを含んでいる少なくとも1つの空気流を提供するためにグラインダと流体接続して存在している空気通風システムの特定の実施態様に関して、更に上で記載されたように、これらの特徴の全てが、調製の香り、飲料の準備の間に出る水蒸気、挽かれていないコーヒーの香り、又は準備された飲料の香りの群からの香りの少なくとも1つを含む少なくとも1つの空気流を少なくとも任意的に又は追加的に移送する空気通風システムと組み合わせて用いられうることが注目される。
【0025】
さらに吸引型のファンとして備えられた該ファンは、コーヒーを挽く香りを含んでいる少なくとも1つの空気流を与えるために該グラインダの外部で空気を吸うのに有利である。このことは、該空気流が、該装置、好ましくは該グラインダから吸引され、及び/又は部分及び領域に接続され、空気流の圧力及び移送された微粒子によって該装置の内部の汚染が減らされる結果となることを意味する。
【0026】
もし先に記載されたファンが、該装置のハウジングの香り空気流出口開口に置かれるならば有利でありうる。特に、該ファンが、好ましくは1以上の空気流案内要素によって該グラインダから吸われた空気流を該装置の外部へ直接的に蒸発させることができるように、該ファンをファンハウジング内に、特に該装置の該ハウジングに取り付けられて置くことが可能である。
【0027】
該ハウジングは、機械的な外部の影響から該ファンを保護するために、例えば個々の空気流透過被覆部、例えば格子又は類似の保護要素を備えうる。また、勿論、吸引された微粒子、特に該ファンの前及び/又は後の空気流方向における、に対する保護を確実にするために、フィルタ又は類似の要素を備えることは可能である。また、該装置の外部へ向いた該ファン、およびその個々の機械的要素を保護する空気流透過性保護要素を備えることは有利でありうる。ここで、例えばナイロンメッシュ又は何らかの他の類似の遮蔽要素が、該ファンを外部から視覚的に隠すために用いられうる。また乱流要素が、ハウジングを出る間の空気流を散乱させるために用いられうる。
【0028】
ファンを、例えば連続気泡ネオプレン発泡体ガスケットを用いて頂部被覆部に対してシールすることは有利である。このことは最適な吸引特性を保証する。更に、ファンハウジング又はファンボックス内に、該コーヒー調製装置の該ハウジングの内側に、好ましくは該ハウジングの該香り空気流出口開口の領域内に、安全に取り付けられたファンを備えることは有利である。ここで、個々のシーリング要素は、それらが現在の技術で公知であるので用いられうる。
【0029】
ファンへ直接的又は間接的に接続された、空気流接続要素、該少なくとも1つの空気流案内要素を備えているグラインダが、接続されているとき、有利でありうる。さらに、グラインダは、該調製デバイスへ挽かれたコーヒーを移送するため、挽かれたコーヒー出口、挽かれた移送路の部分を備え、且つ空気流接続要素はそれらの上に置かれているとき、有利でありうる。勿論、そのような空気流接続要素はまた、該グラインダ内に、特に該グラインダから該装置の外部へ空気流を案内するための挽かれたコーヒー出口の直前に、備えられうる。原則として、グラインダ、特に該グラインダの挽かれたコーヒー出口とファンと該装置のハウジングの先に述べた香り空気流出口開口との夫々の間に、流体接続部を備えることは有利であり得、挽かれたコーヒーの香り、特に挽く間の、をのせた空気流は、該装置の外部へ向けられうる。該空気流が、グラインダ、特にその挽かれたコーヒー出口を通っているとき、該空気流は、挽く間に放出されたコーヒーを挽く香りをのせられ、これらの香りは該装置の外部へ移送される。
【0030】
空気流接続要素は、該少なくとも1つの空気流案内要素を固定するための各接続要素であり得、該空気流案内要素は、直接的または間接的にファンに接続されている。1以上のそのような空気流接続要素を備えることは可能である。例えば、装置の外部での異なる位置への異なる種類の空気流を与える空気通風システムを備えることは可能である。このことは、該装置のハウジングでの異なる香り空気流出口開口へ向けられた1以上の異なる空気流接続要素または空気流案内要素により達成されうる。
【0031】
原則として、もし空気流通風システムが、それがまた調製チャンバー接続要素を通して空気流を流すという仕方で構築されるならば、空気流流路と調製チャンバーの間に流体接続を構成することは有利でありうる。この実施態様によって、コーヒーを挽く香りを備えている空気流は、また調製の香りを充填され、そして挽く香りと調製の香りの混合物を外部へ分配する。類似の接続要素は、コーヒー豆カートリッジ又は(挽かれていない)コーヒー豆移送路を備えうる。
【0032】
好ましくは、調製チャンバー接続要素は、調製の香りを充填された空気流をコーヒーを挽く香りを充填された空気流へ案内しこれら2つの空気流を混合するための、主として及び少なくとも部分的に、上を向いた空気流案内要素である。混合は、装置及びシステム内の夫々または外部でなされる。好ましくは、調製の香りを充填された空気流を案内するための空気流案内要素は、調製の香りを充填された空気流が、空気流を充填したこの調製の香りとその周囲との間の温度差の故に、コーヒーを挽く香りを充填された空気流を少なくとも部分的に妨げ本質的に上方に流れるような仕方で構築されている。
【0033】
もし挽かれたコーヒー出口が、グラインダの側面部分に少なくとも部分的に置かれているならば有利でありうる。「側面部分」は、コーヒー豆が挽かれる間、グラインダに沿って通過するところの仮想軸の横方向部分を意味する。これは、特にコンパクトなコーヒー調製装置を提供するのに役立つ。さらに、それは、微粒子の、特にグラインダから挽かれたコーヒー移送路上を移送された挽かれたコーヒーの吸い込みのない香りを乗せている安全な空気流を保証する。
【0034】
側方に向けられた、好ましくは水平の移送路、そして続く下方に向けられた移送路(8)により、挽かれたコーヒーが挽かれたコーヒー出口に入るような仕方で、挽かれたコーヒー出口が備えられるならば、有利でありうる。これは、とりわけ微小な挽かれたコーヒー粒子の吸い込みを防止する。
【0035】
挽かれたコーヒー出口が、挽かれたコーヒー滑り台および好ましくは下方向に調製デバイス内を指すファネルを備えるとき、有利でありうる。
【0036】
上のことを念頭において、空気流接続要素が、挽かれたコーヒー移送路の地面水準と本質的に同じか又は高い水準の位置に備えられるとき、有利でありうる。このことは、(揮発性の)香りのみが、特に挽く間に放出された(揮発性の)コーヒーの香りが、作られた空気流、特にファンにより作られた部分的真空によって吸引されること保証する。ここで、挽かれたコーヒーは、グラインダ及び挽かれたコーヒー出口を出て、特に下方を向く挽かれたコーヒー出口を越えて該調製デバイス内に入る。このことが微粒子の吸引を大きく減らす。
【0037】
空気流接続要素が、挽かれたコーヒー移送路の頂部被覆要素に、特に挽かれたコーヒー滑り台の頂部被覆部に備えられるとき、有利でありうる。このことは、先に述べた効果を特に強める。
【0038】
もし少なくとも1つのフィルタ要素が、該グラインダと該ファンの間の該流体接続部内に、かつ好ましくは該空気流接続要素でおよび好ましくは該挽かれたコーヒー移送路(8)の頂部被覆要素で備えるならば、有利でありうる。このフィルタ要素は、恐らく該ファンを止め又は該装置の外部へ放出されうるところの挽かれたコーヒー粒子の吸引を妨げる。
【0039】
もし少なくとも1つの制御要素が該ファンの通風時間を制御するために備えられ、好ましくは該通風時間が該グラインダの挽く時間に依存して制御されているような仕方で構築され、および特に該グラインダが停止した後の規定されたオーバーランをそれが備えるような仕方で制御されるならば、有利でありうる。こうして、例えば、「挽く香り」のみが放出されるような仕方で通風時間を制御することは可能である。この点で、制御要素および特に該空気通風システムを例えば使用者の望みに従って起動及び停止するためのスイッチを備えることも可能である。
【0040】
先に記載されたように、本発明はまた、コーヒー飲料システムであって、コーヒー豆包装カートリッジおよび先に記載された種類のコーヒー調製装置を備え、該コーヒー豆包装カートリッジは、取り外し可能に該コーヒー調製装置に接続され、且つ複数杯分のコーヒー豆を維持しおよび供給するように配設されている、上記コーヒー飲料システムに関する。
【0041】
もし、該コーヒー豆包装カートリッジが、内部容積およびコーヒー豆出口を規定している少なくとも1つの出口開口を備えている容器、ここで、該内部容積はコーヒー豆を保持する;該内部容積から該カートリッジの該出口開口へ及び該入口開口(2)へコーヒー豆(4)の移送を可能にするように適合された移送手段、を含み、該システムは更に、該移送手段の助けで計量チャンバー内へ移送されたコーヒー豆を受け取るための該計量チャンバーを備え、該計量チャンバーは、該グラインダの一部分を形成するところの底部分を備え、前記底部分は、垂直方向に延在している第1軸の周りを回転するように該コーヒー調製装置内に配設され、該システムは、該グラインダが作動すると、該底部分が、該計量チャンバーから該グラインダ内へコーヒー豆を移送するために、およびコーヒー豆を挽くために該垂直軸の周りを回転するように配設されている、ならば有利でありうる。
【0042】
本発明はまた、先に記載された装置により飲料を準備するための方法に関しており、該方法は、以下の工程:コーヒー豆を該グラインダへ移送すること、及びそれらを挽かれたコーヒーにまで挽くこと;該挽かれたコーヒーを、挽かれたコーヒー移送路上の該挽かれたコーヒー出口を介し該調製チャンバーへ移送すること;挽いている及び/又は挽かれたコーヒーの移送の間の少なくとも一部の間に空気流を提供し、これにより該空気流は、挽かれたコーヒー移送路を少なくとも部分的に通過し、該コーヒー調製装置の外部へ且つ好ましくは該装置の使用者の方向に運ばれる、を包含する。
【0043】
冗長な理由のために、これら方法の個々の特徴は、以下に詳細に述べられなかった。しかし、言及は先に述べられたシステム及び装置になされた。ここで、該コーヒー飲料システムおよび該コーヒー調製装置に関し関連する又は有利であるとして述べられた全ての特徴は、先に記載された方法にまたはその逆に変換可能である。
【0044】
本発明の別の実施態様は、従属請求項によって開示される。
【0045】
本発明の有利な、先に述べられた又は別の特徴は、本発明を制限するのではなく説明することを意味するところの添付の図面を一緒に考慮して、本発明の或る実施態様の以下の詳細な記載から完全に理解されよう。したがって本発明は、添付の図面を参照して記載されよう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】コーヒー調製装置に搭載されたコーヒー豆包装カートリッジを伴う本発明に従うコーヒー調製システムの実施態様の斜視図である。
【
図2】
図1に従うコーヒー調製装置の空気通風システムの実施態様の詳細斜視図である。
【
図3】
図1に従うコーヒー調製装置の空気通風システムの実施態様の詳細斜視図である。
【
図6】
図2及び
図3の該空気通風システムの空気流接続要素の実施態様の底面図である。
【
図7】
図2及び
図3の該空気通風システムの空気流接続要素の別の実施態様である。
【
図8】
図2及び
図3の該空気通風システムの空気流接続要素の別の実施態様である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下において、同一要素は同一参照符号により表現され、添え字は区別のために用いられうる。
【0048】
図1に、コーヒー調製システム(100)が示されている。該システム(100)は、コーヒー豆包装カートリッジ(30)およびコーヒー調製装置(1)を備えている。該コーヒー豆カートリッジ(30)は、コーヒー調製装置(1)へ取り外し可能に接続され、そしてコーヒー豆(4)の複数杯分の提供を維持し且つ供給するために配置されている。該コーヒー豆包装カートリッジ(30)は、内部空間を備える容器(32)およびコーヒー豆出口を画定する少なくとも1つの出口開口(34)を含む。ここで、該内部空間はコーヒー豆(4)を保持している。ここでは詳細に示されていないが、運搬手段は、この内部空間から該カートリッジ(30)の出口開口(34)の方へそして該コーヒー調製装置(1)の入口開口(2)までコーヒー豆(4)の転送を可能にするために適応されている。コーヒー調製のための類似のコーヒー飲料システムおよび装置はそれぞれ、先述されたようにオランダ国特許出願公開第2006232号により既に公開され、引用することによりその全体が組み入れられる。
【0049】
図1において分かるように、コーヒー豆包装カートリッジ(30)は、コーヒー豆(4)が該カートリッジ(30)の出口開口(34)を通り入口開口(2)へ、そしてそこからグラインダ(6)まで運ばれうるような仕方でコーヒー調製装置(1)に取りつけられる。
【0050】
コーヒー調製装置(1)のグラインダ(6)は、入口開口(2)を介してコーヒー調製装置(1)に入ったコーヒー豆(4)を挽くために役立つ。該グラインダに関して、特にグラインダは、上のオランダ国特許出願公開第2006232号に記載されたように用いられる。以下に説明されるように、グラインダ(6)は、グラインダから調製装置(40)へ挽かれたコーヒーを運ぶためにコーヒー運搬路(8)を備えている。ここで、該調製装置は、分配された挽かれたコーヒーに基づいてコーヒー飲料を調製するために働く。
【0051】
更に、
図1で開示されたように、コーヒー調製装置(1)はまた、コーヒーを挽く香りを含んでいる少なくとも1つの空気流をコーヒー調製装置(1)の外部(3)へ且つ好ましくは該装置の使用者の方向へ提供するためにグラインダ(6)と流体接続されている空気通風システム(10)を備えている。したがって、空気通風システム(10)は、特にグラインダから空気を吸い込みコーヒー調製装置(1)の外部(3)へ出すファン(12)(例えば
図3を参照)を備えている。ここで、挽く香りを備える空気流を放出するためのこの実施態様に従い、香り空気流開口(16)は、コーヒー調製装置(1)のハウジング(18)に備えられる。この香り空気流開口(16)によって、グラインダ(6)から吸われたコーヒーを挽く香りを備えた空気流は、コーヒー調製装置(1)の外部へ、そして
図1で示されたようなこの実施態様で選択された香り空気流開口(16)の位置に従い、該装置(1)の使用者の方向に放出されうる。
【0052】
コーヒーを挽く香りを備えるそのような空気流を向けることにより、使用者は、用いられたコーヒーが特に高品質で新鮮であるという印象を受ける。
【0053】
ファン(12)(例えば
図3を参照)は、ハウジング(18)に組み込まれそして香り空気流開口(16)上に延在する格子(17)の後ろでコーヒー調製装置(1)のハウジング(18)に直接に取り付けられる。この格子の下方に、空気透過性ナイロンメッシュ(19)または類似のメッシュが、ファン(12)が直接見えるのを隠すように配置されている。香り空気流開口(16)およびそれに取り付けられた個々の要素は、コーヒーを挽く香りを備えている空気流を外部に、特に使用者に向けるために有利なように、コーヒー調製装置のどのような位置にも配置されることが述べられるべきである。勿論また、複数の香り空気流開口が備えられうる。
【0054】
図2及び3は、コーヒー調製装置(1)の外部へ空気流を供給するために用いられる空気通風システム(10)の詳細斜視図を示している。特に
図3で分かるように、空気通風システム(10)は、グラインダ(6)に且つ特に挽かれたコーヒー移送路(8)の近くに配置された空気流接続要素(22)へ取り付けられたファン(12)を備えている(
図4および5を参照)。空気流接続要素(22)はまた、別の空気流案内要素(14)を介して、且つ詳しくは管(14)を介してファン(12)に接続された空気流案内システム(14’)を備えている。ファン(12)を回転させることにより、空気が、特にコーヒー豆(4)を挽いている間に放出されたコーヒーを挽く香りを吸引してグラインダ(6)から吸い出されるように、低圧力が空気流案内要素(14、14’)内に作り出される(
図1参照)。
【0055】
特定の実施態様で、コーヒー調製装置に入った又は入るように配置されるところの挽かれていないコーヒー豆の香りをも空気流が含むような仕方でも、通風システムを備えることは可能である。
図1及び3で分かるように、ファン(12)は、それ自身はコーヒー豆を貯蔵するためのカートリッジ(30)の出口開口(34)に直接流体接続しているところのグラインダ(6)と直接流体接続している(
図1参照)。このカートリッジ(30)からファン(12)への流体接続を備えることにより、例えば開き且つ閉じうるシャッタ又は類似の弁手段を備えることにより、挽かれていないコーヒー豆の香りも空気流に混ぜることが可能である。その際、少なくともファン(12)が動作しているときに、流体接続が確立されるならばそれは有用である。
【0056】
上の特定の実施態様の詳細において、挽く香りと挽かれていない豆の香りの組合せを備える空気流を提供することは、特にこの組合せが、特に高品質で新鮮なコーヒーが用いられているという印象を装置の使用者が得るであろうことに非常に大きな影響を有するので、有利でありうる。挽かれていない豆の香りは、例えば、豆を備え且つそれらを入口開口(2)へ届けるように働くカートリッジ(30)の内容積から受ける香りでありうる。この実施態様でさらに、入口開口(2)とグラインダ(6)の間の移送手段の助けを伴う豆移送路上の豆から、グラインダ(6)に入る間に、挽かれていないコーヒーの香りを受け取ることは可能である。またここで、それぞれ開閉可能なシャッタまたは類似の弁手段が用いられうる。
【0057】
挽かれていない豆の香りを空気流に与えるように、貯蔵チャンバー(30)、または該チャンバー(30)とグラインダ(6)との間の豆移送路の間の一層効果的な流体接続を提供するために、追加の接続要素が、該チャンバーと豆移送路の夫々に流体接続して用いられうる。
【0058】
ファン(12)は、空気流案内要素(14”)としても備えられるところのファンハウジング(15)内に配置される。ファンハウジング(15)及びファン(12)の配置は、コーヒー調製装置(1)のハウジング(18)の下方に密封的に取り付けられる(
図1参照)。
【0059】
図4及び5は、
図2及び3に示されたグラインダ(6)の斜視図を示し、そして挽かれたコーヒー豆(4)をグラインダ(6)から該調製装置(40)へ移送するために働く挽かれたコーヒー移送路(8)を詳細に開示する。該調製装置(40)は、ここでは詳細には示されていないが完全性の理由のために記載されている。参照符号(40)は、該調製デバイスが通常備えられる位置を単に表現している。
【0060】
グラインダ(6)は、グラインダ(6)から調製デバイス(40)まで挽かれたコーヒーの移送のために、挽かれたコーヒー移送路(8)の挽かれたコーヒー出口(20)部分を備えている。
【0061】
この実施態様で、側面に向けられた、特に水平な移送路(8’)そして続く下方に向けられた移送路(8)により、挽かれたコーヒーが挽かれたコーヒー出口(20)に入るような仕方で、該挽かれたコーヒー出口(20)は備えられる。詳細には、挽かれたコーヒー出口は、ファネルとして備えられ且つ下向きに調製デバイス(40)を指すところの挽かれたコーヒー滑り台(24)を備えている。コーヒー豆がグラインダ(6)に入れられそしてそれらを挽かれたコーヒーへと挽いた後、挽かれたコーヒーは、移送手段(図示されていない)によって、この移送路(8)に沿って調製デバイスまで移送される。ここでコーヒー飲料は、従来技術から知られているように調製される。ここで、挽かれたコーヒーを利用するあらゆる公知の調製デバイスが用いられうる。
【0062】
図5で分かるように、挽かれたコーヒーの出口(20)は、グラインダ(6)の横部分に少なくとも部分的に置かれ、それにより空気流接続要素(22)は、前に
図2又は3に示されたように、移送路(8)の頂部に且つ特に挽かれたコーヒー移送路(8)の水準L
TPと本質的に同じか又はより高い水準L
ASに置かれる。
【0063】
一般に(
図2、3、5を参照)、少なくとも1つの空気流案内要素(14)によって直接に又は間接的に空気通風システム(10)のファン(12)に、挽かれたコーヒー移送路(8)の水準と等しい好ましくはより高い水準に空気流接続要素(22)を配置することは、挽かれたコーヒー移送路(8)上を空気通風システム(10)内へ移送される挽かれたコーヒーの微粒子の劇的な減少をもたらし、それにより全体として空気通風システムの寿命時間を延ばす。好ましくは、空気通風システム(10)は、グラインダ(6)の挽かれたコーヒー出口(20)の挽かれたコーヒー移送路(8)に、上記移送路に沿う最も高い位置で取り付けられる。
【0064】
図5で分かるように、空気流接続要素(22)は、挽かれたコーヒー移送路(8)の頂部被覆要素(26)に、そして特に挽かれたコーヒー滑り台(24)の頂部被覆部(26)に備えられる。詳細には、空気流接続要素(22)及び夫々の頂部被覆要素(26)は、下向きに若しくは水平面に対して少なくとも傾斜した、特に45度を超えて傾斜した該移送路(8)のその部分の上方に置かれる。
【0065】
もし空気流通風システム(10)が、それがまた調製チャンバー接続要素を通して空気流を流すという仕方で構築されて、空気流流路と調製チャンバーの間に流体接続を構成するならば有利でありうる。この調製チャンバー接続要素は例えば、挽かれたコーヒー移送路(8)により少なくとも部分的に構成される。したがって、コーヒーを挽く香りを備えている空気流は、また調製の香りを与えられる。上で述べたように、類似の接続要素は、コーヒー豆カートリッジ又は(挽かれていない)コーヒー豆移送路を備えうる。
【0066】
好ましくは、調製チャンバー接続要素、ここでは挽かれたコーヒー移送路(8)は、調製の香りを与えられた空気流をコーヒーを挽く香りを与えられた空気流へ案内しこれら2つの空気流を混合するための、主として及び少なくとも部分的に上を向いた空気流案内要素(特に例えば滑り台(24))である。混合は、例えばここでは、装置及びシステム内の夫々でなされる。ここで、調製の香りを与えられた空気流を案内するための空気流案内要素(14)は、調製の香りを与えられた空気流が、調製の香りを与えられた空気流とその周囲との間の温度差の故に、コーヒーを挽く香りを与えられた空気流を少なくとも部分的に妨げ本質的に上方に流れるような仕方で構築されている。
【0067】
もし空気通風システム(10)が、また飲料出口(それは、準備された飲料を、例えば使用者により準備されたカップ―開示されていないけれども当業者にとっては自明である―へ分配するために、調製チャンバーの後ろに、例えば設定される)からの空気、および好ましくは準備された飲料の香りを備えている空気を移送するために設定されるならばまた有利でありうる。詳細には、それぞれの空気流は、上述された空気流の少なくとも1つと、例えば混合されうる。また、もし空気通風システム(10)が、コーヒー調製装置(1)及びコーヒー飲料システム(100)の内部からの空気、特に例えば飲料を準備した後の使用済の挽かれたコーヒーから出る、及び/又は飲料を準備した後の使用済の挽かれたコーヒーを受け取る容器若しくは類似の小部屋から出る、及び/又は調製チャンバー(40)から出る湿気を含む空気を外部(3)へ移送するように設定されているならば有利でありうる。上に従うコーヒー調製装置(1)及びコーヒー飲料システム(100)の通風のそれぞれは、とりわけグラインダの目詰まりを防止する。また、もし空気通風システム(10)が、例えば飲料の準備過程の間にかつ特に調製チャンバー(40)内で作られた水蒸気を、該装置の外部へ、特に水蒸気が使用者に見えるような仕方で移送するように設定されているならば有利でありうる。前に記載された空気流は、好ましくはまた、空気流案内要素及び空気流接続要素(14、22)および香り空気流開口(16)を介して外部(3)へ案内される。好ましくは、追加の空気流案内要素が、該システム(1及び100)夫々の内部からの空気を抜き出すように及び特に吸うように、前に記載された空気流を該外部(3)へ案内するための香り空気流開口(16)又は類似部分と流体接続されて設定されて備えられる。
【0068】
開示された実施態様で、空気流案内及び接続要素(14、22)および滑り台(24)は、該装置の外部へ使用者の方向へ複数の空気流を少なくとも部分的に同時的又は連続的に混合及び/又は案内するために、弁、流体交差要素などをまた備えている相互接続要素と共に用いられうる。該空気流は、コーヒーを挽く香りだけでなく、上で記載されたような以下のもの、即ち調製の香り、飲料の準備の間に出る水蒸気、挽かれていないコーヒーの香り又は準備された飲料の香りの少なくとも1つを備えている。
【0069】
コーヒー調製装置(1)の外部(3)及び好ましくは該装置の使用者の方へコーヒーを挽く香りを備えている少なくとも1つの空気流を提供するためにグラインダ(6)と流体接続して存在している空気通風システム(10)の特定の実施態様と組み合わせて述べられた特徴の全てが、また上で記載されたような、調製の香り、飲料の準備の間に出る水蒸気、挽かれていないコーヒーの香り、又は準備された飲料の香りの群からの香りの少なくとも1つを含む少なくとも1つの(追加的又は混合された)空気流を移送するために少なくとも追加的に配設された該空気通風システム(10)と組み合わせて用いられうることが注目される。
【0070】
図6は、挽かれたコーヒー移送路(8)の空気流接続要素(22)および頂部被覆要素(26)夫々の底面図を示している。分かるように、空気流接続要素(22)は、空気流案内要素(14)および特に使用されるチューブ(14)が取り付けられうる(
図2及び3参照)ところの中空突出要素(23)を備えている。空気流接続要素(22)は、中空突出要素(23)に入る前に(その後ファンへ案内される)、空気が中を循環しうるところの内部チャンバー(27)を備えている。
【0071】
図7及び8は、空気流接続要素(22)及び頂部被覆要素(26)の夫々の別の実施態様を示し、そこには該空気通風システム(10)により吸引される微粒子、特に挽かれたコーヒー要素を妨げるためにフィルタ要素(28)が取り付けられている(
図2及び3を参照)。フィルタ要素(28)は、例えば、シリコン接着剤でアクリル枠に接着された不織ポリエステルのパッドでありうる。フィルタ要素(28)は、頂部被覆部(26)及び空気流接続要素(22)の夫々に、好ましくは個々のフィルタ座に押されてはめられる。
【0072】
該装置(1)でコーヒー飲料を準備する間(
図1,2,3、4及び5参照)、グラインダ(6)が始動するときにファン(12)がスイッチオンされ、そして特定の時間間隔、例えばグラインダ(6)が挽くのを止めた後20〜40秒間、特に30秒間オーバーランする。これは、例えば、1杯の飲料の準備の終わる約5〜10秒前に止まることを意味する。ファンの操作を出来なくするために、ファン操作及び空気流操作の夫々をオンオフ出来るようにスイッチが備えられうる。上で説明された配設に従うと、ファンが回っていないとき、コーヒーを挽く香り空気流が該装置(1)の外部へ供給されるように、香り空気流開口(16)へ供給される清浄な流路が未だ存在しうる。
【0073】
ここまでの明細書において、本発明は、本発明の特定の実施態様を参照して記載されてきた。しかし、添付の請求項において記載されたように本発明の幅広い精神と視野から離れることなく、様々な変形、変化がここでなされうることは明白である。
【0074】
しかし、別の修正、変形および代替はまた可能である。本明細書、図面および実施例は、従って、限定的な意味というよりはむしろ説明的と見なされるべきものである。請求項において、括弧内に置かれたどのような参照符号も請求項を限定するものとして、解釈されるべきではない。用語「を備える」は、別の特徴または工程の存在、ひいてはある請求項に列挙されたそれらを排除しない。さらに、用語「1の」は「唯一の」に限定されるように解釈されてはならず、むしろ「少なくとも1つ」を意味するように使われ、且つ複数を排除しない。複数のある手段が、相互に異なる請求項において再掲されるという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に用いられえないということを示すものではない。
【符号の説明】
【0075】
1 コーヒー調製装置
2 入口開口
3 外部
4 コーヒー豆
6 グラインダ
8 挽かれたコーヒー移送路
10 空気通風システム
12 ファン
14 空気流案内要素
15 ファンハウジング
16 香り空気流開口
17 格子
18 ハウジング
19 透過性メッシュ
20 挽かれたコーヒー出口
22 空気流接続要素
23 突起
24 挽かれたコーヒー滑り台
26 頂部被覆要素
27 中空チャンバー
28 フィルタ要素
30 コーヒー豆包装カートリッジ
32 容器
34 コーヒー豆出口および出口開口の夫々
40 調製デバイス
100 コーヒー飲料システム
L
AS 水準
L
TP 水準
【国際調査報告】