(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-522044(P2016-522044A)
(43)【公表日】2016年7月28日
(54)【発明の名称】カウンターバランス部を備えるスタンド
(51)【国際特許分類】
A61B 50/24 20160101AFI20160701BHJP
【FI】
A61B50/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-515279(P2016-515279)
(86)(22)【出願日】2014年5月23日
(85)【翻訳文提出日】2015年11月20日
(86)【国際出願番号】KR2014004649
(87)【国際公開番号】WO2014189336
(87)【国際公開日】20141127
(31)【優先権主張番号】10-2013-0059337
(32)【優先日】2013年5月24日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0061915
(32)【優先日】2014年5月22日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】506414749
【氏名又は名称】コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512293921
【氏名又は名称】インダストリー−ユニバーシティー コーペレイション ファンデーション ハンヤン ユニバーシティー エリカ キャンパス
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ビョン‐ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ソ、 ジョン‐テ
(57)【要約】
本発明はカウンターバランス部を備えるスタンドに関するもので、リンクと、ジョイントと、フロントリンクと、カウンターバランス部とを有して構成される。これにより、顕微鏡などのように様々な医療器具が用いられても安定したカウンターバランスを維持することができ、ユーザーが所望する目的に応じて医療器具の動きの自由度を容易に調節することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形で配置される4つのリンクと、
前記リンクの連結部位にそれぞれ連結されて、前記リンクを互いに回転可能にする4つのジョイントと、
前記リンクのうちいずれか1つの端部から延びてあり、先端に医療器具が装着されるフロントリンクと、
前記フロントリンクが延びる部位に位置したジョイントに対して対角線方向に位置したジョイントに連結されるカウンターバランス部と、
を有して構成されることを特徴とする、カウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項2】
前記ジョイントは第1、第2、第3及び第4ジョイントで構成され、
前記リンクは両端に前記第1、第4ジョイントが連結される第1リンクと、前記第1リンクの対辺位置に配置されて両端に前記第2、第3ジョイントが連結される第3リンクと、両端が前記第1、第2ジョイントに連結される第2リンク及び前記第2リンクの対辺位置に配置されて、両端が前記第3、第4ジョイントに連結される第4リンクとを有して構成され、
前記フロントリンクは、前記第1リンクから延びて、前記第1ジョイントに連結されることを特徴とする請求項1に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項3】
前記リンクは平行四辺形の形で配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項4】
前記医療器具の自由度を増加させる延長リンク部材をさらに有して構成され、
前記延長リンク部材は、前記リンク及び前記フロントリンクと連結される延長リンクと、前記延長リンクの連結部位にそれぞれ連結されて、前記延長リンクを互いに回転可能にする延長ジョイントと、前記延長リンクのうちフロントリンクと連結された延長リンクの端部から延びる延長フロントリンクとを有して構成され、
前記医療器具は、前記延長フロントリンクの先端に装着されることを特徴とする請求項2に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項5】
前記カウンターバランス部は、第1、第2バランシングリンクと、前記第1、第2バランシングリンクの先端にそれぞれ設けられる第1、第2カウンターウェイトとを有して構成されることを特徴とする請求項2または4に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項6】
前記第1、第2バランシングリンクは、前記第3ジョイントと連結されて、それぞれが前記第3、第4リンクから延びて形成されることを特徴とする請求項5に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項7】
前記第1、第2バランシングリンクは長さが調節されることを特徴とする請求項5に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項8】
前記第1、第2カウンターウェイトは、前記第1、第2バランシングリンクにそれぞれ着脱可能に設けられることを特徴とする請求項5に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項9】
前記カウンターバランス部は、第1、第2バランシングリンクと、前記第1、第2バランシングリンクにそれぞれ設けられて引力または斥力を加える第1、第2カウンタースプリングとを有して構成されることを特徴とする請求項2または4に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項10】
前記延長ジョイントは第1、第2、第3及び第4延長ジョイントで構成され、
前記延長リンクは、前記第2リンクの対辺位置に配置されて、両端に前記第1、第2延長ジョイントが連結される第2延長リンクと、前記フロントリンクの対辺位置に配置されて、一端が前記第2延長ジョイントに連結され、他端に前記第3延長ジョイントが連結される第3延長リンクと、両端が前記第2ジョイント及び前記第1延長ジョイントに連結される第1延長リンクと、一端が前記第3延長ジョイントに連結され、他端に前記第4延長ジョイントが連結される第4延長リンクと、両端が前記第1ジョイント及び前記第2延長ジョイントに連結される第5延長リンクとを有して構成され、
前記延長フロントリンクは、前記第4延長リンクの端部から延びることを特徴とする請求項4に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項11】
前記第1延長リンクはスタンドの設置面に対して垂直に固定されることを特徴とする請求項10に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【請求項12】
前記第1延長リンクは前記第1延長ジョイントと連結されて、前記第1延長リンクから延びる第1補助リンクと、前記第2ジョイントと連結されて、前記第1延長リンクから延びる第2補助リンクとで構成され、
前記カウンターバランス部は前記第3ジョイントと連結されて、前記第3、第4リンクからそれぞれ延びて形成される第1、第2バランシングリンクと、前記第1補助リンクと前記第1バランシングリンク及び前記第2補助リンクと前記第2バランシングリンクにそれぞれ連結される第1、第2カウンタースプリングとを有して構成されることを特徴とする請求項11に記載のカウンターバランス部を備えるスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンターバランス部を備えるスタンドに関し、より具体的には、顕微鏡、手術用エンドエフェクタのような医療器具を設けて所望する位置に移動させることができるカウンターバランス部を備えるスタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
外科手術の分野において医療用手術顕微鏡で患部を観察しながら手術を行う顕微鏡手術(MICROSURGERY)が研究及び導入されている。
【0003】
このような顕微鏡手術時には、重量物である手術顕微鏡及びその附属機器を設けて手術顕微鏡及びその附属機器を所望する空間に位置させた後、その位置を維持するようにするスタンドを必要とする。
【0004】
このようなスタンドは、一般に平行リンクを用いるリンクユニットの中間部分をホールディングユニットに回転可能に連結すると同時に、リンクユニットの一側の終端部に手術顕微鏡を設け、回転地点を中心として手術顕微鏡の他方の終端部に手術顕微鏡の重さを相殺するためのカウンターウェイト(COUNTER WEIGHT)を有するバランス構造になっている。
【0005】
手術顕微鏡には、アシスタント医師用側視鏡(ASSISTANT SCOPE)やビデオカメラなどの附属機器も装着されているので、その重量に合わせてカウンターウェイトの位置を変化させることにより、手術顕微鏡などとカウンターウェイトとのバランスが取れるように全体のバランスを調節する作業が行われる。
【0006】
しかし、手術顕微鏡及び附属機器を所望する位置に停止させる場合、手術顕微鏡の垂直方向のバランスを維持する必要がある。従来のスタンドは、各種の附属機器の有無により変化する手術顕微鏡側の全重量に対して垂直方向のバランス調節を容易に行うことができないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、医療器具の位置に関係なく安定的で効率的なカウンターバランス(COUNTER BALANCE)を維持できるカウンターバランス部を備えるスタンドを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、医療器具によりジョイントに発生するトルクの大きさに応じて交換が可能なカウンターウェイト及びバランスリンクの長さの調節が可能なカウンターバランス部を備えるスタンドを提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、自由度の付加が容易であるカウンターバランス部を備えるスタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例によるカウンターバランス部を備えるスタンドは、四角形で配置される4つのリンクと、前記リンクの連結部位にそれぞれ連結されて、前記リンクを互いに回転可能にする4つのジョイントと、前記リンクのうちいずれか1つの端部から延びて、先端に医療器具が装着されるフロントリンクと、前記フロントリンクが延びる部位に位置したジョイントに対して対角線方向に位置したジョイントに連結されるカウンターバランス部とを有して構成されることを技術的な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるカウンターバランス部を備えるスタンドは、カウンターバランスの設置位置を最適化することにより、小さい重量でも大きいトルクの補償効果を得ることができる。
【0012】
また、顕微鏡などのように様々な医療器具が用いられても、医療器具によりジョイントに発生するトルクの大きさに応じて交換可能なカウンターウェイト及びバランスリンクの長さの調節が可能なカウンターバランス部によって、安定的かつ効率的なカウンターバランスを維持することができる。
【0013】
また、ユーザーが所望する目的に応じて複数の延長リンク部材を設けて医療器具の動きの自由度を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明によるカウンターバランス部を備えるスタンドを示す概略図である。
【
図3】カウンターバランス部の実施例を示す概略図である。
【
図4】延長リンク部材が備えられたスタンドを示す概略図である。
【
図7】カウンターバランス部の他の実施例を示す概略図である。
【
図8】カウンターバランス部の他の実施例を示す概略図である。
【
図9】カウンターバランス部の他の実施例を示す概略図である。
【0015】
以下では、本発明によるカウンターバランス部を備えるスタンドを添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【0016】
本発明は、カウンターバランス部を備えるスタンドに関するもので、
図1は本発明によるカウンターバランス部を備えるスタンドを示す概略図、
図2は
図1の作動状態を示す概略図、
図3はカウンターバランス部の実施例を示す概略図である。
【0017】
本発明によるカウンターバランス部を備えるスタンドは、四角形で配置される4つのリンク100と、リンク100の連結部位にそれぞれ連結されて、リンク100を互いに回転可能にする4つのジョイント110と、リンク100のうちいずれか1つの端部から延びて、先端に医療器具Mが装着されるフロントリンク120と、フロントリンク120が延びる部位に位置したジョイント110に対して対角線方向に位置したジョイント110に連結されるカウンターバランス部130とを備える。
【0018】
以下では、各構成要素について詳細に説明する。
【0019】
ジョイント110は、第1〜第4ジョイント112、114、116、118で構成され、4つのリンク100の連結部位にそれぞれ連結されてリンク100が互いに回転するようになる。
【0020】
リンク100は、両端に第1、第4ジョイント112、118が連結される第1リンク102と、第1リンク102の対辺位置に配置されて両端に第2、第3ジョイント114、116が連結される第3リンク106と、両端が第1、第2ジョイント112、114に連結される第2リンク104と、第2リンク104の対辺位置に配置されて両端に第3、第4ジョイント116、118が連結される第4リンク108で構成されて四角形で配置され、好ましくは、
図1に示すように平行四辺形の形態で配置される。以下では、便宜上、リンク100が平行四辺形で形成された場合の実施形態で説明する。リンク100が平行四辺形ではない場合には、平行を対辺の意味として理解することができる。
【0021】
第1リンク102は両端に第1、第4ジョイント112、118が連結され、第3リンク106は第1リンク102に対して平行に配置されて両端に第2、第3ジョイント114、116が連結される。また、第2リンク104は両端が第1、第2ジョイント112、114に連結され、第4リンク108は両端が第2、第3ジョイント114、116に連結され、第2リンク104と第4リンク108は平行になる。これにより、第1、第2、第3及び第4リンク102、104、106、108が互いに対して回転可能になって後述する医療器具Mが自由度を有するようになる。
【0022】
一方、4つのジョイント110のうち少なくともいずれか1つはホールディングユニット(図示せず)に固定されて支持される。本発明の実施例では、第2ジョイント114がホールディングユニットに固持される。
【0023】
フロントリンク120は、4つのリンク100のうちいずれか1つの端部から延びて、先端に医療器具Mが装着されてリンク100が動きに応じて連動して医療器具Mを移動させる。実施例として、本発明ではフロントリンク120が
図1に示すように第1リンク102の端部から延びて、第1リンク102とフロントリンク120との間には第1ジョイント112が連結されたことを基準に説明する。
【0024】
カウンターバランス部130は、フロントリンク120が延びる部位に位置するジョイント110に対して対角線方向に位置するジョイント110に連結されて医療器具Mのカウンターバランスを合わせる役割をする。すなわち、リンク100の実施例によれば、
図1に示すようにフロントリンク120が延びる部位に第1ジョイント112があり、第1ジョイント112の対角線方向には第3ジョイント116が配置されるため、カウンターバランス部130は第3ジョイント116に連結される。
【0025】
本発明のカウンターバランス部130は、フロントリンク120及び医療器具Mによるバランスを合わせるためにウェイタ(WEIGHTER)とスプリングが使用され得る。以下では、まずウェイタが使用される場合を説明する。
【0026】
カウンターバランス部130は、第3ジョイント116に連結される2つのリンク100、すなわち、第3、第4リンク106、108から延びる第1、第2バランシングリンク131、133と、第1、第2バランシングリンク131、133の先端にそれぞれ設けられる第1、第2カウンターウェイト132、134を有して構成される。これにより、第1、第2カウンターウェイト132、134は、第2ジョイント114を中心に医療器具Mと反対側に位置してバランスを合わせると同時に、医療器具Mが重力に反する方向に移動する時、第1、第2カウンターウェイト132、134は重力が作用する方向に移動して、医療器具によってジョイントに作用するトルクを補償するようになる。カウンターバランス部130は、中心軸に作用する第2ジョイント114と連結せず、
図1に示すように第3ジョイント116と連結することにより、リンク100の大部分の運動において中心軸との実効距離(カウンターウェイトに作用する重力ベクターと中心軸との間の距離)が最大になるため、医療器具によって発生するジョイントのトルクを最大限で補償することができる。
【0027】
一方、第1、第2バランシングリンク131、133は、長さの調節が可能であり、第1、第2カウンターウェイト132、134は第1、第2バランシングリンク131、133にそれぞれ着脱可能に設けられてフロントリンク120の長さまたは医療器具Mの重さに応じてジョイントに補償されるトルクを調節することができる。
【0028】
他の実施形態として、カウンターバランス部130は、第3、第4リンク106、108から延びる第1、第2バランシングリンク131、133と、第1、第2バランシングリンク131、133の先端にそれぞれ設けられる第1、第2カウンタースプリング136、138を有して構成され得る。参考として、第2ジョイント114を固定しているホールディングユニットが地面と平行に延びている。また、第1カウンタースプリング136は、
図3に示すように一端が第1バランシングリンク131の先端に連結され、他端がホールディングユニットと連結される。このとき、第1カウンタースプリング136は引張スプリングであって、第1バランシングリンク131を重力が作用する方向、すなわち、矢印方向に移動させて医療器具Mによるジョイントのトルクを補償する。第2カウンタースプリング138は、一端が第2バランシングリンク133の先端に連結され、他端がホールディングユニットと連結される。第2カウンタースプリング138も引張スプリングであって、矢印方向に第2バランシングリンク133を移動させて医療器具によるジョイントのトルクを補償する。
【0029】
また、必要に応じて、カウンタースプリングの一端が第3リンク106に連結され、他端がホールディングユニットに連結され得る。
【0030】
以下では、本発明によるカウンターバランス部を備えるスタンドの作動状態を図面を参照して説明する。
【0031】
図2(a)を参照すると、医療器具Mが重力に応じる方向であるA方向に移動すれば、リンク100の構造により第3、第4ジョイント116、118がそれぞれB及びC方向に移動し、これにより、第1、第2カウンターウェイト132、134がそれぞれ重力に反する方向であるD及びE方向に移動するようになる。これにより、第1、第2カウンターウェイト132、134の位置エネルギーが増加して後に医療機器Mが元の位置に戻ったり、
図2(b)に示すようにそれ以上の位置に移動する時に小さい力でも移動できるようにする。
【0032】
反対に、
図2(b)に示すように、医療器具Mが重力に反する方向に移動すれば、リンク100が
図2(a)の方向とは反対に作用するようになり、これにより、第1、第2カウンターウェイト132、134は重力に応じる方向に移動することにより位置エネルギーが減少すると同時に、医療器具Mが小さい力で重力に反する方向に移動することができる。
【0033】
図4は本発明による延長リンク部材が備えられたスタンドを示す概略図、
図5は
図4の他の実施例を示す概略図、
図6は
図5の作動状態を示す概略図である。
【0034】
延長リンク部材は、リンク100及びフロントリンク120と連結される延長リンク200と、延長リンク200の連結部位にそれぞれ連結されて、延長リンク200を互いに回転可能にする延長ジョイント210と、延長リンク200のうちフロントリンク120と連結された延長リンク200の端部から延びる延長フロントリンク220を有して構成され、医療器具Mの自由度を増加させる役割をする。
【0035】
延長ジョイント210は、第1、第2、第3及び第4延長ジョイント212、214、216、218で構成される。
【0036】
延長リンク200は、第2リンク104の対辺位置に配置されて、両端に第1、第2延長ジョイント212、214が連結される第2延長リンク204と、フロントリンク120の対辺位置に配置されて、一端に第2延長ジョイント214が連結され、他端に第3延長ジョイント216が連結される第3延長リンク206と、両端がそれぞれ第2ジョイント114及び第1延長ジョイント212に連結される第1延長リンク202と、一端に第3延長ジョイント216が連結され、他端に第4延長ジョイント218が連結される第4延長リンク208と、両端がそれぞれ第1ジョイント112及び第2延長ジョイント214に連結される第5延長リンク209を有して構成される。
【0037】
延長リンク部材は、
図4に示すように、第2、第3延長リンク204、206がそれぞれ第2リンク104及びフロントリンク120と平行に配置されて、第2、第3延長リンク204、206のそれぞれの一側の端部は第2延長ジョイント214を通じて連結される。また、第2延長リンク204の他方の端部には第1延長ジョイント212が連結され、第3延長リンク206の他方の端部には第3延長ジョイント216が連結され、第1延長リンク202は両端が第2ジョイント114及び第1延長ジョイント212に連結され、第4延長リンク208は両端が第3延長ジョイント216及び第4延長ジョイント218に連結される。また、第5延長リンク209は両端が第1ジョイント112及び第2延長ジョイント214に連結される。すなわち、延長リンク200は、中心点である第2ジョイント114から延びて、2つの平行四辺形を重ねておいた形態である。
【0038】
また、第1延長リンク202は、設置面に対して垂直に固定され得る。これは後述する延長フロントリンク220を垂直に維持させるためである。すなわち、第1延長リンク202と第5延長リンク209が常に平行であり、第5延長リンク209と第4延長リンク208が常に平行であるため、第4延長リンク208から延びる延長フロントリンク220も第1延長リンク202と常に平行である。よって、顕微鏡のように医療器具Mが常に垂直である状態を維持する必要がある場合に第1延長リンク202を垂直に固定させることにより、医療器具Mも垂直状態を維持させることができる。
【0039】
延長フロントリンク220は、第4延長リンク208から延びて、先端に医療器具Mが装着される。結局、延長リンク200は、延長フロントリンク220を連結するための付加的な手段であり、延長フロントリンク220によって医療器具Mがリンク100の動きだけでなく延長リンク部材の動きに連動して自由度が増加するようになる。
【0040】
一方、本発明によるカウンターバランス部を備えるスタンドは、
図5に示すように、
図4に対して上・下が反転した形で形成され得る。これは医療器具Mが下から上へ作用する場合、例えば、顕微鏡の対物レンズなどに使用され得、同様に第1延長リンク202を地面に対して垂直に固定させて
図6(a)及び
図6(b)に示すように延長フロントリンク220を常に垂直に維持させながら動くようにすることができる。
【0041】
図7〜
図9はカウンターバランス部の他の実施例を示す概略図である。
【0042】
以下では、延長リンク部材が備えられたスタンドにカウンタースプリングが適用された場合を図面を参照して説明する。
【0043】
まず、
図7を参照すると、第3、第4リンク106、108から延びる第1、第2バランシングリンク131、133が備えられ、第1延長リンク202からそれぞれ延びる第1、第2補助リンク202a、202bが備えられ、第1、第2補助リンク202a、202bは第1延長リンク202と同様に地面に対して垂直に固定される。また、第1カウンタースプリング136は、一端が第1バランシングリンク131の先端に連結され、他端が第1補助リンク202aに連結される。この時、第1カウンタースプリング136は引張スプリングであって、第1バランシングリンク131を重力が作用する方向、すなわち、矢印方向に移動させて医療器具Mによるジョイントのトルクを補償する。第2カウンタースプリング136は、一端が第2バランシングリンク133の先端に連結され、他端が第2補助リンク202bに連結される。この時、第2カウンタースプリング138は圧縮スプリングであって、第2バランシングリンク133を矢印方向に移動させて医療器具Mによるジョイントのトルクを補償する。
【0044】
他の実施例として、
図8を参照すると、第1カウンタースプリング136は、一端が第4リンク108に連結され、他端が第1延長リンク202に連結される。第2カウンタースプリング138は、一端が第3リンク106に連結され、他端が第1延長リンク202に連結される。また、第1、第2カウンタースプリング136、138は引張スプリングであって、それぞれが第4リンク108及び第3リンク106を矢印方向に移動させて医療器具Mによるジョイントのトルクを補償する。
【0045】
また他の実施例として、
図9を参照すると、第1延長リンク202から第2補助リンク202bが延びて、第1バランシングリンク131が第2ジョイント114と連結された第3リンク106から延びる。また、第1カウンタースプリング136の一端が第1バランシングリンク131に連結され、他端が第2補助リンク202bに連結される。この時、第1カウンタースプリング136は引張スプリングであって、第1バランシングリンク131を矢印方向に移動させて医療器具Mによるジョイントのトルクを補償する。
【0046】
このように延長リンク部材が備えられたスタンドにカウンタースプリングが適用される場合、多様な実施例が構成され得るが、その他にもリンク100または延長リンク200と直接連結されるカウンタースプリングが備えられ、必要に応じてバランシングリンクをさらに付加してさらに多様な実施例が構成され得ることはもちろんである。
【0047】
一方、延長リンク部材は必要に応じてさらに設けられるが、同様にホールディングユニットによって支持される第2ジョイント114に追加でリンクを連結し、第2リンク104と平行なリンクをさらに連結し、その後、フロントリンク120及び延長フロントリンク220とそれぞれ平行なリンクをさらに連結した後に、延長フロントリンク220に追加のフロントリンクを連結し、連結されたフロントリンクの先端に医療器具を設ける。このような方法でN個の延長リンク部材がさらに設けられて医療器具の自由度を多様に設定することができる。
【0048】
また、設けられる延長リンク部材の数が増加するほど医療器具Mは回転の中心点である第2ジョイント114から距離が遠くなり、これにより医療器具Mによってジョイントに発生するトルクは大きくなるが、安定したカウンターバランスを維持するためには増加する延長リンク部材の数に比例して第1、第2バランシングリンク131、133の長さを増加させることが好ましい。効率のよいカウンターバランスのためには、第1、第2バランシングリンク131、133の長さだけでなく、第1、第2カウンターウェイト132、134の重量も増加させることが好ましい。
【符号の説明】
【0049】
100:リンク 102:第1リンク
104:第2リンク 106:第3リンク
108:第4リンク 110:ジョイント
112:第1ジョイント 114:第2ジョイント
116:第3ジョイント 118:第4ジョイント
120:フロントリンク 130:カウンターバランス部
131:第1バランシングリンク 132:第1カウンターウェイト
133:第2バランシングリンク 134:第2カウンターウェイト
136:第1カウンタースプリング 138:第2カウンタースプリング
200:延長リンク 202:第1延長リンク
202a:第1補助リンク 202b:第2補助リンク
204:第2延長リンク 206:第3延長リンク
208:第4延長リンク 209:第5延長リンク
210:延長ジョイント 212:第1延長ジョイント
214:第2延長ジョイント 216:第3延長ジョイント
218:第4延長ジョイント 220:延長フロントリンク
【国際調査報告】