(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-522098(P2016-522098A)
(43)【公表日】2016年7月28日
(54)【発明の名称】ドロス凸条を有する研磨品およびその形成方法
(51)【国際特許分類】
B24D 3/00 20060101AFI20160701BHJP
【FI】
B24D3/00 310Z
B24D3/00 340
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-521917(P2016-521917)
(86)(22)【出願日】2014年6月27日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月17日
(86)【国際出願番号】US2014044511
(87)【国際公開番号】WO2014210423
(87)【国際公開日】20141231
(31)【優先権主張番号】61/840,918
(32)【優先日】2013年6月28日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】391010770
【氏名又は名称】サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】507169495
【氏名又は名称】サン−ゴバン アブラジフ
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】アヌジュ・セス
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・シー・ライス
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ジェイ・マニング
【テーマコード(参考)】
3C063
【Fターム(参考)】
3C063AA02
3C063AB05
3C063BA37
3C063BB07
3C063BG23
3C063CC23
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つのエッジと、上記エッジの少なくとも1部分から延びるドロス凸条を有する研磨品である。上記エッジは、研磨品の周辺部、または上記研磨品の部分に形成された開口部を規定することが可能である。上記ドロス凸条は、少なくとも101μmで、かつ、約500μmを超えない幅寸法を有することが可能である。上記ドロス凸条は、また、少なくとも約1μmで、かつ、約50μmを超えない高さ寸法を有することが可能である。上記エッジおよび上記ドロス凸条は、レーザーによって形成されることが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジを有する第1の面と、
前記第1の面上に形成されたドロス凸条であって、少なくとも約101μmで、かつ、約500μmを超えない平均幅まで、前記エッジの少なくとも1部分から延びる前記ドロス凸条と
を有する、研磨品。
【請求項2】
前記エッジは、開口部を規定する、請求項1に記載の研磨品。
【請求項3】
前記ドロス凸条の前記平均幅は、前記エッジと、前記エッジから前記ドロス凸条が垂直に延びる方向に測定された前記ドロス凸条の外周との間の平均距離として規定される、請求項1に記載の研磨品。
【請求項4】
前記ドロス凸条は、改鋳材料を含む、請求項1に記載の研磨品。
【請求項5】
前記ドロス凸条は、さらに、前記エッジから前記ドロス凸条が垂直に延びる方向に規定された前記ドロス凸条の断面から見た前記第1の面から測定された前記ドロス凸条上の平均最高地点によって規定された高さを含む、請求項1に記載の研磨品。
【請求項6】
前記ドロス凸条の前記高さは、約50μmを超えず、かつ、少なくとも約1μmである、請求項5に記載の研磨品。
【請求項7】
前記ドロス凸条は、式hdr/wdrである、約0.495を超えない、ドロス凸条幅(wdr)に対する高さ(hdr)の比を有する、請求項5に記載の研磨品。
【請求項8】
前記第1の面は、基材に保持された研磨層を有し、前記研磨層は、研磨粒子を含む、請求項1に記載の研磨品。
【請求項9】
前記研磨粒子は、約30μmを超えないD50を有する、請求項8に記載の研磨品。
【請求項10】
前記研磨層は、メークコート、サイズコート、スーパーサイズコートまたはそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の研磨品。
【請求項11】
第1の面と、前記第1の面から間隙を介した第2の面とを有する研磨品を提供することと、
前記第1の面上にエッジを形成することと、
前記第1の面上のドロス凸条であって、少なくとも約101μmで、かつ、約500μmを超えない平均幅まで、前記エッジの少なくとも1部分から延びる前記ドロス凸条を形成することと
を有する研磨品を形成する方法。
【請求項12】
前記ドロス凸条を形成することは、レーザーで前記ドロス凸条を形成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザーは、少なくとも約1000ワットの最大平均出力を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ドロス凸条を形成することは、前記第1の面より先に前記第2の面に衝突するよう前記レーザーを向けることを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記研磨品の前記第1の面上に前記ドロス凸条を形成することは、前記研磨品の前記第2の面から前記研磨品の前記第1の面まで延びる開口部を形成することを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、研磨品に向けたものであり、特に、研磨品の表面のエッジ上に形成されたドロス凸条(dross ridge)を有する研磨品に向けたものである。
【背景技術】
【0002】
研磨品は、加工品表面の研磨および仕上げに用いられている。用途は、材木や金属等の加工品から、眼科用レンズ、光ファイバーおよびコンピューターのリードライトヘッドの精密研磨まで高度な原料除去を有する研磨品の使用に適している。一般に、研磨品は、一体的(例えば、結合研磨材もしくは砥石車)または基材に対して(例えば、被覆研磨品)のいずれかで結合した複数の研磨粒子を含む。被覆研磨品に関しては、基材に結合した研磨粒子の典型的には1つの層または時には複数の層が存在する。研磨粒子は、「メーク」コート(make coat)および「サイズ」コート(size coat)とともに、または、スラリーコート(slurry coat)として基材に結合することができる。さらに、スーパーサイズコート(supersize coat)は、研磨粒子の寿命の延長を助けるために、メークコートまたはサイズコートに塗布することができる。
【0003】
研磨品の様々な構成は、例えば、円盤、無端ベルト、研磨スポンジなどとして知られている。研磨品の構成は、その品の使用目的に影響するだろう。例えば、いくつかの研磨品は、研磨表面からのちりや削りくずを取り除くために、使用中に吸引源と接続するように構成される。
【0004】
通常のすべての被覆研磨品に関しては、研磨粒子の露出した先端は、使用中加工品を磨耗する。研磨品の寿命を延ばすよう、新しい研磨粒子表面は絶え間なく晒されている。ある時間が経つと、研磨粒子は研磨表面に残った鋭さがもはや十分でなくなり、このとき、被覆研磨材は磨耗したと考えられ、典型としてはその後廃棄される。
【0005】
被覆研磨品の穿孔または切断にレーザーを用いる被覆研磨品の製造および工程は既知であるが、改良被覆研磨品や改良レーザーカッティング法を用いる研磨品などの形成方法については、本技術分野においていまだ要望されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示は、添付の図面を参照することにより、より理解されることが可能であり、その多数の特徴および利点が当業者に対して明らかになった。
【
図1】
図1は、ある実施形態による研磨品の概略断面側面図である。
【
図2】
図2は、ある実施形態による研磨品の概略断面側面図である。
【
図3】
図3は、ある実施形態による研磨品の概略断面側面図である。
【
図4】
図4は、ある実施形態による研磨品の概略断面側面図である。
【
図5】
図5は、ある実施の形態による研磨品の部分の平面上面図の画像である。
【
図6】
図6は、ある実施の形態による研磨品の部分の平面上面図の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
下記は、研磨品を形成するために適することが可能な工程に向けられたものであり、それは様々な用途において有用となることが可能である。さらに、下記は、例えば、材木や金属等の加工品から眼科用レンズ、光ファイバー及びコンピューターのリードライトヘッドの精密研磨まで高い原料除去を含むある用途において有用であることが可能な被覆研磨品を含む研磨品の記載を含む。
【0008】
特に、下記は、研磨品表面上にエッジを有する研磨品を形成するための工程に向けられたものである。エッジを形成することは、エッジの少なくとも1部分から延びるスパッタ凸条(spatter ridge)またはドロス凸条(dross ridge)を形成することを含むことが可能である。本明細書で用いる場合、スパッタ凸条は、研磨品上または内に形成された切れこみの作用エッジ(すなわち、入射エッジ)上の再凝固金属の残渣として規定される。本明細書で用いる場合、ドロス凸条は、研磨品上または内に形成された切れこみの貫通−エッジ(すなわち、出射エッジ)上の再凝固金属の残渣として規定される。
【0009】
本明細書の実施形態によれば、エッジおよび結果として生じるスパッタ凸条またはドロス凸条の形成に、レーザーの使用を含むことができる。本明細書の実施形態によれば、使用に適すると考えられるレーザーの種類は、波長可変、固定波長、パルス、連続発振(CW)、またはそれらの組み合わせであるレーザーを含むことが可能である。ある例では、適したレーザーは、気体レーザー(例えば、ヘリウム−ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、キセノンイオンレーザー、窒素レーザー、炭酸ガスレーザー、一酸化炭素レーザー、エキシマーレーザーなど)、化学レーザー(フッ化水素、フッ化重水素、酸素・ヨウ素化学、すべての気相ヨウ素レーザーなど)、色素レーザー、金属蒸気レーザー(ヘリウム−カドミウム、ヘリウム−水銀、ヘリウム−セレン、ヘリウム−銀、ストロンチウム蒸気、ネオン−銅、銅蒸気、金蒸気など)、固体レーザー(例えば、ルビー、Nd/YAG、NdCr:YAG、ErYAG、Nd:YLF、Nd:YVO
4、Nd:YCOB、チタン:サファイア、Tm:YAG、Yb:YAGなど)、半導体レーザー(半導体レーザーダイオード、GaN、InGaN、AlGaInP、鉛塩、垂直キャビティ面発光、量子カスケード、ハイブリッドシリコンなど)およびそれらの組み合わせを含むことが可能である。ある例では、適したレーザーは、ウォーターパルスレーザーおよびファイバーレーザー、自由電子レーザーならびにガスダイナミックレーザーを含む。ある実施形態では、適したレーザーは、パルス赤外線レーザーまたは超高速パルスレーザーを含むことが可能である。
【0010】
アルゴンイオンレーザー、一酸化炭素レーザーおよび金属イオンレーザーは、ヘリウム−銀(HeAg)224nm、ネオン−銅(NeCu)248nmのレーザー等の深紫外波長を発生する気体レーザーである。これらのレーザーは、3GHz(0.5ピコメートル)未満の線幅のとりわけ狭い発振を有する。
【0011】
化学レーザーは化学反応によって動き、連続稼動で高出力を達成することが可能である。例えば、フッ化水素レーザー(2700−2900nm)およびフッ化重水素レーザー(3800nm)では、反応は、三フッ化窒素中におけるエチレンの焼生成物と水素または重水素ガスとを組み合わせることである。
【0012】
エキシマーレーザーは、高い最高出力を有するパルス短波長レーザーの可能性を提供する光スペクトルの紫外部におけるレーザー技術を代表する。エキシマーレーザーの主な例は、フッ化クリプトン(KrF)レーザーである。
【0013】
固体レーザーおよび色素レーザーは、光スペクトルの赤外から紫外部分に及ぶことが可能であるレーザー技術を代表し、高い最高出力および高い連続出力もまた提供する。この種のレーザーの一例は、Nd:YVO
4またはネオジム添加イットリウムバナデートレーザーおよびそのより短波長の調波である。
【0014】
特定の実施形態では、本明細書に記載の研磨品を形成するためのレーザーは、赤外線または炭酸ガス(すなわち、CO
2)レーザーである。
【0015】
本明細書の実施形態によれば、レーザーは切断、穿通、穿孔、または研磨品を完成した研磨品にする際の他の補助のために有用であることが可能である。レーザーは、ガス切断、融解切断、アブレーション(除去)(すなわち、気化であって、研磨品の材料部分についての蒸発または昇華のいずれかによる)、またはそれらの組み合わせの工程で動作することが可能である。いくつかの例においては、研磨品のエッジを形成するためのレーザーの使用は、レーザーによって作られたエッジと隣接する研磨品の表面上に形成されるエッジを、結果として硬化させ、隆起させ、および/または鋭くすることが可能である。ある例では、研磨品を形成するためのレーザーの使用は、レーザーにより生成される研磨品のエッジ上で融解し、再凝固する残留物の小片であるスパッタ凸条またはドロス凸条を形成することが可能である。
【0016】
ある例では、レーザーは、約9から約12マイクロメートルの間で稼動することを選択する主な波長を有する長波長赤外線(LWIR)光のビームを生成することが可能である。ある実施形態では、レーザーは、約11マイクロメートルを超えない、約10.6マイクロメートルを超えない、約10.4マイクロメートルを超えない、約10.2マイクロメートルを超えない、約10マイクロメートルを超えない、約9.8マイクロメートルを超えない、約9.7マイクロメートルを超えない、約9.6マイクロメートルを超えない、または約9.4マイクロメートル超えないと同等である等、約12マイクロメートルを超えない波長を生成することが可能である。ある実施形態では、レーザーは、少なくとも約9.2マイクロメートル、少なくとも約9.3マイクロメートル、少なくとも約9.4マイクロメートル、少なくとも約9.5マイクロメートル、少なくとも約9.6マイクロメートル、少なくとも約9.7マイクロメートル、少なくとも約9.8マイクロメートル、少なくとも約9.9マイクロメートル、少なくとも約10マイクロメートル、少なくとも約10.2マイクロメートル、少なくとも約10.4マイクロメートル、または少なくとも約10.5マイクロメートルと同等である等、少なくとも約9マイクロメートルの波長を生成することが可能である。ある特定の実施形態では、レーザーは約9.2マイクロメートルから約10.6マイクロメートルの波長を生成することが可能である。ある特定の実施形態では、レーザーは、約10.6マイクロメートルの波長を生成することが可能である。他の特定の実施形態では、レーザーは、約9.2マイクロメートルの波長を生成することが可能である。レーザーが、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内の波長を生成するよう選択することが可能であることがわかるだろう。
【0017】
ある実施形態では、本明細書に記載の研磨品を形成するために適したレーザーは、特定の平均出力を含むことが可能である。例えば、適したレーザーは、少なくとも約1250W、少なくとも約1500W、少なくとも約1750W、少なくとも約2000W、または少なくとも約2250Wと同等であるなどのように、少なくとも約1000Wの平均出力を含むことが可能である。さらに、他の実施形態では、適したレーザーは、約2250Wを超えない、約2000Wを超えない、約1750Wを超えない、約1500Wを超えない、または約1250Wを超えないと同等である等、約2500Wを超えない平均出力を含むことが可能である。レーザーは、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内の平均出力を含むことが可能であることがわかるだろう。
【0018】
ある実施形態では、切断する基質に向けられるレーザービームの断面(すなわち、スポットサイズ)が、典型としてはある面積をもった特定のサイズを有することが可能である。例えば、レーザービームは、平均ビーム強度の少なくとも半分の強度を有する点のすべての部分の合計が、0.3平方ミリメートル(mm
2)以下、約0.1mm
2未満、または、約0.01mm
2未満と同等の面積を有するようなある点(レーザービームが研磨品に接触する場所)に焦点をおくことが可能である。ある実施形態では、レーザートレース速度(すなわち、ビームが基質を横断してスキャンする際の速度)が、少なくとも約20mm/秒等、少なくとも約10mm/秒であることが可能である。
【0019】
被覆研磨品の材料のレーザーアブレーションは、レーザービームの単一トレース(すなわち、単一パス)または複数多重トレース(すなわち、同一空間上の複数パス)を用いて達成することが可能である。あるいは、複数レーザービームは、同時にまたは順次に用いられることが可能である。複数レーザービームが用いられる場合は、それらは同一または異なる波長を有することが可能である。ある実施形態では、被覆研磨品の個々の構成要素は、各構成要素(例えば、基材、研磨層、またはそれらの組み合わせ)の吸収帯にあわせたそれぞれのレーザービームであるレーザービームを用いて順次除去されることが可能である。他の実施形態では、研磨品の個々の構成要素は、研磨品の個別の構成要素(例えば、基材、研磨層、またはそれらの組み合わせ)の吸収帯にあわせた複数レーザービームを用いて同時に除去されることが可能である。
【0020】
例えば、研磨品の複数層のような追加の構成要素がある場合には、追加のレーザーもまた用いることが可能である。これは必要なことではないが、複数レーザービームを用いる場合、典型的には、それらのトレースが最大の利益を達成するように重ねられるべきである。
【0021】
特定の実施形態では、単一のレーザーが用いられ、単一トレースまたは複数トレースが作られる。他の実施形態では、複数レーザーが用いられ、各レーザーは、単一トレースまたは複数トレースのいずれかを行う。
【0022】
レーザーアブレーションは、被覆研磨品の完全な穿通を行わないようなときに実行することが可能である。ある例では、レーザーアブレーションは、研磨品を完全に通す穿通を行うように、研磨品上で実行されることが可能である。さらに、レーザーアブレーションは、どの方向からでも、例えば、「前」面(すなわち、研磨面)から「裏」面(すなわち、非研磨面)または反対の面へ行うことが可能である。ある実施形態では、レーザーを、前または上方側または表面(すなわち、研磨品の第1の面)へ衝突または穿通させる前に、裏面(すなわち、研磨品の第2の面)に衝突させるまたは穿通させるように、研磨品の裏面からレーザーアブレーションを行うことが可能である。ある例では、レーザーは、研磨品を通って延びる(すなわち、研磨品の第2の面から研磨品の第1の面へ)少なくとも1つの開口部を形成することが可能である。
【0023】
ある実施形態によれば、本明細書に記載の研磨品を形成するための方法は、第1の面と第1の面から間隙を介した第2の面とを有する研磨品を提供することを含む第1のステップから開始されることが可能である。
図1は、ある実施形態による研磨品100の概略断面側面図である。図示するように、第1の面101は、研磨品の上面となり得るものであり、原料除去磨き、研磨、磨耗などを行うために加工品に接触することを目的とした表面として規定される。本明細書に記載するように、第1の面101は、研磨層(すなわち、メークコート内に分散する研磨粒子たる「研磨スラリー」またはメークコート表面上に分散する研磨粒子を有するメークコート)、サイズコート、スーパーサイズコートまたはそれらの組み合わせであることが可能である。ある特定の例では、第1の面は、スーパーサイズコートを含む。
【0024】
図1にも図示しているように、研磨品100の第2の面108は、研磨品100の第1の面101から間隙を介することが可能である。さらに、第2の面108は、実質的に、第1の面101に対して平行とすることが可能である。本明細書に記載するように、第2の面は、本明細書に記載される基材と、接着剤と、連結系などを含むことが可能である。
【0025】
ある実施形態によれば、研磨品を形成する方法は、第1の面101より先に第2の面108に衝突するように研磨品100に向かってレーザー150を向けることを含むことが可能である。ここではレーザービームと称して用いるレーザー150を、レーザー150が研磨品100の前面(または第1の面101)に衝突または別の穿通を行う前に、それが第2の面108に衝突または別の穿通を行うように、裏面(または第2の面108)または研磨品100に向けることが可能である。手短に
図2を参照すると、レーザー250を、レーザー250が研磨品200の前面(または第1の面201)に衝突または別の穿通を行う前に、それが第2の面208に衝突または別の穿通を行うように、裏面(または第2の面208)または研磨品200に向けることが可能である。本明細書で論じるように、および認識されるように、レーザー250は面209および210等の面を形成することが可能な焦点ビームを含むことが可能であり、それは、円錐状開口部206のようにある円錐状の先細りを規定することが可能である。
【0026】
ある実施形態によれば、研磨品形成の方法は、研磨品の第1の面にエッジを形成することを含むことが可能である。例えば、
図1に図示するように、エッジ102は、研磨品100の第1の面101上に形成されることが可能である。ある実施形態では、エッジ102は、研磨品100の周辺部107の少なくとも1部分を規定することが可能である。周辺部107は、研磨品100の外周を規定することが可能であることがわかるだろう。ある実施形態によれば、研磨品形成の方法は、本明細書に記載するように、周辺部107および/または開口部106のエッジ102の少なくとも1部分から延びる1つ以上のドロス凸条103を含むことが可能である。
【0027】
形成工程の完了後、研磨品が形成される。研磨品はある特徴を有することが可能であり、それは、本明細書に記載した実施形態によってより詳細に記載されている。
【0028】
例えば、本明細書に記載の実施形態による
図1に戻って参照すると、エッジ102は、研磨品100の少なくとも1部分に形成された開口部106を規定することが可能である。ある例では、研磨品100は、複数の開口部106を含むことが可能である。ある実施形態によれば、存在する開口部の数および構成は、研磨品となる品および研磨品の大きさによるものであってよい。研磨品に配置される開口部は約500を超えないものとすることが可能であって、約400を超えない開口部、約300を超えない開口部、約200を超えない開口部、約100を超えない開口部、約50を超えない開口部、または約40を超えないものと同等の開口部のようにすることが可能である。ある実施形態では、少なくとも約50の開口部、少なくとも約10の開口部、少なくとも約200の開口部、少なくとも約300の開口部、少なくとも約400の開口部、または少なくとも約500と同等の開口部等、研磨品に配置される開口部が少なくとも約40であることが可能である。複数の開口部106の数は、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内とすることが可能であることがわかるだろう。
【0029】
ある実施形態によれば、研磨品は、円盤であることが可能であり、複数の開口部の形状は円を含むことが可能である。しかしながら、本明細書に記載の実施形態の範囲内で、他の形状の研磨品および/または開口部が検討される。例えば、研磨品は、円盤、円、楕円、長方形、2次元の多角形形状、無端ベルトまたはそれらの組み合わせの周辺部のエッジによって規定される形状を含むことが可能である。
【0030】
ある実施形態によれば、1つ以上の開口部を定めるエッジは、円、長方形、楕円、曲線、2次元の多角形状形またはそれらの組み合わせの形状を含むことが可能である。
【0031】
1つ以上の開口部は、研磨品内部のいかなる位置もとることが可能で、それらは、研磨品の上面(すなわち、第1の面)の空いた場所のある特定の割合を占有することができる。ある例では、1つ以上の開口部は、例えば、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも約60%と同等である等、研磨品の上面の空いた場所の少なくとも約1%を占有することが可能である。ある実施形態では、1つ以上の開口部は、約60%を超えない、約50%を超えない、約40%を超えない、約30%を超えない、約20%を超えない、約10%を超えない、または約1%を超えないと同等である等、研磨品の上面の空いた場所の70%を越えずに占有することが可能である。1つ以上の開口部は、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内である第1の面の割合を占有することが可能であることがわかるだろう。
【0032】
開口部の個々の開きは、ある特定の大きさを有することが可能である。例えば、1つ以上の開口部の開きの大きさは、少なくとも約5mm、少なくとも約10mm、少なくとも約20mm、または少なくとも約30mmと同等である等、少なくとも約1mmとすることが可能である。実施形態においては、1つ以上の開口部の開きの大きさは、約20mmを超えない、約10mmを超えない、約5mmを超えない、または約1mmを超えないと同等である等、約30mmを超えないものとすることが可能である。1つ以上の開口部の開きの大きさは、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内であることが可能であることがわかるだろう。
【0033】
いくつかの実施形態では、開口部は、所定の分布で配置することが可能である。第1の不連続領域の所定の分布は、目的をもって選択された基板上の所定の位置の組み合わせによって規定されることが可能であるとわかるだろう。所定の分布は、所定の位置が2次元の配列を規定することが可能であるようなパターンを有することが可能である。配列は、第1の不連続領域の単位によって規定される短距離オーダーであることが可能である。配列は、一体に連結した規則正しく、反復する単位を含む長距離オーダーを有するパターンであってもよく、その配置は対称的および/または予測可能である。配列は、数式で予測可能であるようなオーダーを有することが可能である。2次元の配列は、多角形、楕円、装飾的な印、製品印、またはその他のデザインの形状に形成されることが可能であるとわかるだろう。所定の分布は、制御されたもの、不均一分布、制御された均一分布、およびそれらの組み合わせを含むこともまた可能である。ある特定の例では、所定の分布は、放射状パターン、螺旋状パターン、葉序状パターン、非対称パターン、自己回避ランダム分布、自己回避ランダム分布およびそれらの組み合わせを含むことが可能である。所定の分布は、部分的に、本質的に、または完全に非対称であることが可能である。本明細書で用いる場合、「葉序状パターン」とは、葉序に関するパターンを意味する。葉序は、多くの種類の植物における葉、花、薄片、小花および種子等の外側の器官が持つ配列である。多くの葉序状パターンは、弧状、螺旋状、渦巻き状を有する顕著なパターンが自然に生じる現象によって特徴付けられている。ひまわりの頭部における種のパターンは、この現象の一例である。ある特定の実施形態では、複数の第1の不連続領域は、行、列、円、四角形、長方形、またはそれらのどのような組み合わせでも配列することが可能である。
【0034】
ある実施形態によれば、ドロス凸条103は、第1の面101に形成されることが可能である。ドロス凸条103は、エッジ102の少なくとも1部分から延びるよう形成されるためであることが可能である。従って、ドロス凸条103は、周辺部107および/または開口部106のエッジ102の少なくとも1部分から延ばすことが可能であると理解されるだろう。特に、ドロス凸条103は、エッジ102の少なくとも1部分から平均幅104まで延ばすことが可能である。ドロス凸条103の平均幅104は、測定される即席のドロス凸条103をエッジ102から垂直に延びる方向に延びる、測定される即席のドロス凸条103のエッジ102と外周113との間の平均距離として規定されることが可能である。ある例では、ドロス凸条103の平均幅104は、少なくとも約110μm、少なくとも約120μm、少なくとも約130μm、少なくとも約140μm、少なくとも約150μm、少なくとも約200μm、少なくとも約250μm、少なくとも約300μm、少なくとも約350μm、少なくとも約400μm、または少なくとも約450μmと同等である等、少なくとも約101μmであることが可能である。さらに、ある実施形態では、ドロス凸条103は、例えば、約450μmを超えない、約400μmを超えない、約350μmを超えない、約300μmを超えない、約250μmを超えない、約200μmを超えない、約150μmを超えない、約140μmを超えない、約130μmを超えない、約120μmを超えない、または約110μmを超えないと同等である等、約500μmを超えない平均幅104を含むことが可能である。平均幅は、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内であることが可能であることがわかるだろう。
【0035】
ある実施形態によれば、ドロス凸条103は、測定される即席のドロス凸条103をエッジ102から垂直に延びる方向で規定されたドロス凸条103の断面から見た第1の面101から測定したドロス凸条103上の平均最高地点によって規定される、ある特定の高さを含むことが可能である。ある例では、ドロス凸条103は、約40μmを超えない、約30μmを超えない、約20μmを超えない、約10μmを超えない、または約5μmを超えないと同等である等、約50μmを超えない、ある特定の高さを含むことが可能である。ある実施形態では、ドロス凸条103は、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約20μm、少なくとも約30μm、または少なくとも約40μmと同等である等、少なくとも約1μmの高さを含むことが可能である。ドロス凸条の高さは、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内であることが可能であることがわかるだろう。
【0036】
ある実施形態によれば、ドロス凸条103は、式h
dr/w
drに基づいて約0.495を超えないような凸条幅(w
dr)に対する高さ(h
dr)の比を含むことが可能であって、例えば、約0.45を超えない、約0.40を超えない、約0.35を超えない、約0.30を超えない、約0.25を超えない、約0.20を超えない、約0.15を超えない、約0.10を超えない、または約0.05を超えないと同等である等がある。ある実施形態では、ドロス凸条103は、少なくとも約0.05、少なくとも約0.10、少なくとも約0.15、少なくとも約0.20、少なくとも約0.25、少なくとも約0.30、少なくとも約0.35、少なくとも約0.40、および少なくとも約0.45である等、少なくとも約0.01となる、凸条幅(w
dr)に対する高さ(h
dr)の比を含むことが可能である。ドロス凸条の凸条幅(w
dr)に対する高さ(h
dr)の比は、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内であることが可能であることがわかるだろう。
【0037】
ある実施形態によれば、研磨品を形成するために用いるレーザーの強度(W)は、ドロス凸条の幅に影響を及ぼすことが可能である。いくつかの実施形態では、レーザー強度は、例えば、少なくとも約500W、少なくとも約750W、少なくとも約1000W、少なくとも約1250W、少なくとも約1500W、少なくとも約1750W、または少なくとも約2000Wと同等、または少なくとも約2250Wと同等である等、少なくとも約300Wであることが可能である。他の限定しない実施形態では、レーザー強度は、約2250Wを超えない、約2000Wを超えない、約1750Wを超えない、約1500Wを超えない、約1250Wを超えない、約1000Wを超えない、約750Wを超えない、または約500Wを超えないと同等である等、約2500Wを超えないものとすることが可能である。レーザー強度は、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内であることが可能であることがわかるだろう。
【0038】
ある実施形態によれば、レーザーのレーザーヘッドスピード(in/s)は、ドロス凸条の幅に影響を及ぼすことが可能である。いくつかの実施形態では、レーザーヘッドスピード(in/s)は、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10 少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50 少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、水路において約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、または少なくとも約500と同等である等、少なくとも約1とすることが可能である。他の限定しない実施形態では、レーザーヘッドスピード(in/s)は、約450を超えない、約400を超えない、約350を超えない、約300を超えない、約250を超えない、約200を超えない、約150を超えない、約110を超えない、約100を超えない、約95を超えない、約90を超えない、約85を超えない、約80を超えない、約75を超えない、約70を超えない、約65を超えない、約60を超えない、約55を超えない、約50を超えない、約45を超えない、約40を超えない、約35を超えない、約30を超えない、約25を超えない、約20を超えない、約15を超えない、約10を超えない、約8を超えない、約5を超えない、約3を超えない、約2を超えない、または約1を超えないと同等である等、約500を超えないものとすることが可能である。レーザーヘッドスピードは、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内であることが可能であることがわかるだろう。
【0039】
ある実施形態によれば、研磨品の周辺部または1つ以上の開口部を定めるエッジは、第1の面と第2の面との間に接する第3の面を部分的に規定することが可能である。
図2は、ある実施形態による研磨品200の概略断面側面図である。図示するように、第3の面209および210は、第1の201面および第2の面208と交わる。ある例では、第3の面209および210は、通常
図1に示すように、実質的に普通(垂直)の角度で、第1の201面および/または第2の面208と交わることが可能である。他の例では、第3の面209および210は、普通でない(垂直でない)角度で、第1の201面および/または第2の面208と交わることが可能である。ある特定の例では、第3の面210は、開口部206を、明らかには円錐状開口部206を部分的に規定することが可能である。より特定する例では、円錐状開口部206は、第1の面201上に配置された第1のエッジ211と第2の面208上に配置された第2のエッジ212とを含むことが可能であって、このとき第2のエッジ212は、第1のエッジ211の直径よりも大きい直径を含む。
【0040】
本明細書に記載の実施形態による研磨品は、複数の配置された層を含むことが可能である。
図3は、ある実施形態による研磨品300の概略断面側面図である。図示するように、研磨品300は、基材310の第1の主要面315に保持された研磨層314を含むことが可能である。基材310は、第1の主要面315から間隙を介した第2の主要面325を含むことが可能である。ある態様では、複数層の基材を用いることが可能である。例えば、複数層の基材は、1以上の既知の基材材料の積層であることが可能であって、通常、層を一体的に保持する接着剤が用いられる。他の実施形態では、基材は、基材を封着することおよび/または基材の物理的性質を改変することのために1以上の処理を含むことが可能である。
【0041】
ある実施形態によれば、基材310の第1の主要面315は、その上に研磨層314が配置される面となることが可能である。さらに、基材310の第1の主要面315は、その上にメークコート316、サイズコート317、スーパーサイズコート319、またはそれらの組み合わせが配置される面となることが可能であるとわかるだろう。
【0042】
ある実施形態によれば、基材310の第2の主要面325は、研磨品300の使用を促進することができるようにするため、ツールや装置へ完成した研磨品300を保持することを可能にするための連結系を含むことが可能である。ある特定の例では、基材310の第2の主要面325は、サポートパッド、バックアップパッド、面ファスナ連結系、噛み合い連結系、ねじ突起、またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。連結系を保持することは、例えば、感圧性の接着剤360、はく離ライナー370、耐滑性または摩擦性コーティング、またはそれらの組み合わせの使用を含むことが可能であると理解されるだろう。
【0043】
ある実施形態によれば、基材310は、フレキシブルまたは剛性であることが可能である。基材310は、被覆研磨材の製造の際に基材として従来使用されるものを含む様々な材料をいくらでも使用して作ることが可能である。例となるフレキシブルな基材は、ポリオレフィンフィルム(例えば、二軸延伸ポリプロピレンを含むポリプロピレン)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミドフィルムまたはセルロースエステルフィルム等の高分子フィルム(例えば、下塗りされたフィルム)や、金属箔や、網や、泡(例えば、天然スポンジ材料またはポリウレタンフォーム)や、布(例えば、ポリエステル、ナイロン、シルク、綿、ポリ綿またはレーヨンを含む繊維またはヤムより作られる布)や、紙や、硫化紙や、硫化ゴムや、硫化ファイバーや、不織布材料や、それらの組み合わせや、それらの処理品を含む。布基材は、織物またはステッチボンドであってもよい。ある特定の例では、基材は、紙、高分子フィルム、布、綿、ポリ綿、レーヨン、ポリエステル、ポリナイロン、硫化ゴム、硫化ファイバー、金属箔、有機材料、合成材料、ナイロン、パラアラミド材料、およびそれらの組み合わせで構成される群から選択される。他の例では、基材は、ポリプロピレンフィルムまたはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを含む。
【0044】
ある態様では、基材310は、複数の層を含むことが可能である。例えば、複数層の基材は、1つ以上の既知の基材材料の積層であることが可能であって、通常、層を一体的に保持する接着剤が用いられる。他の実施形態では、基材は、基材を封着することおよび/または基材310の物理的性質を改変することのために1以上の処理を含むことが可能である。基材310は、任意に、飽和剤、プレサイズ(前塗布)層またはバックサイズ(後塗布)層の少なくとも1つを有してよい。これらの層の目的は、典型的に、基材を封着することまたは基材内の糸もしくは繊維を保護することである。基材が布材料である場合は、典型として、これらの層のうち少なくとも1つが用いられる。プレサイズ層またはバックサイズ層の付加は、基材の前面または裏面のいずれか上において、さらに「より滑らかな」面をもたらすだろう。本技術分野において既知である他の任意の層もまた用いることが可能である(例えば、結着層である。米国特許第5,700,302号(Stoetzel et al.)を参照のこと。その開示は、引用することにより組み入れられる。)
【0045】
帯電防止材料は、布の処理材料の中に含んでもよい。帯電防止材料の追加は、木材または木材類似の材料を研磨する際に、静電気を蓄積する被覆研磨品の傾向を減少させることが可能である。基材および基材処理の帯電防止に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許第5,108,463号(Buchanan et al.)、第5,137,542号(Buchanan et al.)、第5,328,716号(Buchanan)、および第5,560,753号(Buchanan et al.)で得ることが可能であり、その開示は、引用することにより本明細書に組み入れられる。
【0046】
基材は、例えば、米国特許第5,417,726号(Stout et al.)に記載されているように、繊維状の熱可塑性強化プラスチックであっても、また、例えば、米国特許第5,573,619号(Benedict et al.)に記載されているように無端継ぎなしベルトであってもよく、その開示は、引用することにより本明細書に組み入れられる。同様に、基材は、例えば、米国特許第5,505,747号(Chesley et al.)に記載されているように、それらから出るフック状の軸を備えた高分子基質であってもよく、その開示は、引用することにより本明細書に組み入れられる。同様に、基材は、例えば、米国特許第5,565,011号(Follett et al.)に記載されているように、ループ状の織物であってもよく、その開示は、引用することにより本明細書に組み入れられる。
【0047】
ある実施形態によれば、メークコート316は、その中に埋め込まれた研磨粒子318を含むことが可能であり、メークコート316および研磨粒子318を覆うことが可能なサイズコート317をさらに含むことが可能である。ある特定の例では、スーパーサイズコート319は、サイズコート317を覆うことが可能である。いくつかの例では、ドロス凸条330aは、研磨品300の周辺部を定めるエッジ332の少なくとも1部分に直接隣接して配置されることが可能である。さらに他の例では、ドロス凸条330bは、開口部134を定めるエッジ134の少なくとも1部分に直接隣接して配置されることが可能である。
【0048】
ある実施形態によれば、メークコート316またはサイズコート317は、1以上の結着剤を含んでもよい。メークコート316またはサイズコート317の結着剤は、単一ポリマーまたは混合ポリマーで形成してもよい。例えば、結着剤は、エポキシ、アクリルポリマー、またはそれらの組み合わせより形成してもよい。また、結着剤は、ナノサイズ充填材またはナノサイズ充填材およびミクロンサイズ充填材との組み合わせ等の充填材を含んでもよい。ある特定の実施形態では、結着剤は、コロイド状結着剤であって、ここで結着剤を形成するために硬化される配合物は、粒子状充填材を含有するコロイド懸濁系である。代わりに、または、さらに、結着剤は、サブミクロン粒子の充填材を含有するナノ複合結着剤であってもよい。
【0049】
結着剤は、普通、高分子基質を含有し、存在する場合には、それは、基材または準拠するコートに対して研磨粒子を結合する。典型としては、結着剤は、硬化した結着剤配合物の形状をなす。一つの例示的な実施形態では、結着剤配合物は、ポリマー成分および分散相を含む。
【0050】
結着剤配合物は、ポリマーの調製のための1以上の反応構成成分またはポリマー構成成分を含んでよい。ポリマー構成成分は、単量体分子、高分子、またはそれらの組み合わせを含んでよい。結着剤組成物は、さらに、溶媒、可塑剤、連鎖移動剤、触媒、安定剤、分散剤、硬化剤、反応介在物質および分散の流動性を誘導する試薬よりなる群から選択される構成成分を含んでもよい。
【0051】
ポリマー構成成分は、熱可塑性または熱硬化性を生じることが可能である。例として、ポリマー構成成分は、ポリウレタン、ポリウレア、重合エポキシ、ポリエステル、ポリイミド、ポリシロキサン(シリコーン)、重合アルキド、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエン、または、一般的な熱硬化性ポリマー生成のための反応性樹脂を形成するためのモノマーおよび樹脂を含んでもよい。他の例は、アクリレートまたはメタクリレートポリマーの構成成分を含む。前駆体ポリマー構成成分は、典型として、硬化性有機材料(すなわち、熱または他のエネルギー源、例えば、電子ビーム、紫外光、可視光等に晒されることで、または、化学触媒、水分、もしくはポリマーに硬化や重合を引き起こす他の試薬を付加した上で時間の経過とともに、重合もしくは架橋結合可能であるポリマー単量体または材料)である。前駆体ポリマー構成成分の例は、アルキル化尿素ホルムアルデヒドポリマー、メラミンホルムアルデヒドポリマーならびにアルキル化ベンゾグアナミンホルムアルデヒドポリマー等のアミノポリマーもしくはアミノ樹脂ポリマーや、アクリレートならびにメタクリレートポリマー、アルキルアクリレート、アクリル化エポキシ、アクリル化ウレタン、アクリル化ポリエステル、アクリル化ポリエーテル、ビニルエーテル、アクリル化油もしくはアクリル化シリコーンを含むアクリレートポリマーや、ウレタンアルキドポリマー等のアルキドポリマーや、ポリエステルポリマーや、反応性ウレタンポリマーや、レゾールならびにノボラックポリマー等のフェノール性ポリマーや、フェノール性/ラテックスポリマーや、ビスフェノールエポキシポリマー等のエポキシポリマーや、イソシアネートや、イソシアヌレートや、アルキルアルコキシシランポリマーを含むポリシロキサンポリマーや、または反応性ビニルポリマーの形成のための反応性構成成分を含む。結着剤配合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーまたはそれらの組み合わせを含んでよい。ある特定の実施形態では、結着剤配合物は、硬化の際に架橋結合するであろう少なくとも2種類のポリマーのモノマーを含む。例えば、結着剤配合物は、硬化の際にエポキシ/アクリルポリマーを形成するエポキシ組成物およびアクリル組成物を含んでもよい。
【0052】
被覆研磨品は、サイズコート317を覆うスーパーサイズコート319を含むことが可能である。スーパーサイズコート319は、ポリマー結着剤構成またはサイズコート構成と同じであるまたは異なるものであることが可能である。スーパーサイズコート319は、スーパーサイズコートとして用いることが可能な、本技術分野において既知である従来のいかなる構成をも含むことが可能である。一実施形態では、スーパーサイズコート319は、サイズコート構成を覆う従来において既知の構成よりなる。他の実施形態では、スーパーサイズコート319は、サイズコート構成または研磨層のポリマー結着剤構成の少なくとも1つと同じ材料を有する。ある特定の実施形態では、スーパーサイズコートは、研磨層のポリマー結着剤構成またはサイズコートの構成に1以上の研磨助剤を加えたものと同じ構成を有する。
【0053】
適した研磨助剤は、例えばナトリウム氷晶石ならびにテトラフルオロホウ酸カリウムであるハロゲン塩等の無機系や、またはラウリル硫酸ナトリウム等の有機系、またはポリ塩化ビニル等の塩素化ワックス、またはステアリン酸亜鉛もしくはステアリン酸カルシウム等の脂肪酸の金属塩とすることが可能である。ある実施形態では、研磨助剤は、環境的に持続可能な材料であることが可能である。
【0054】
ある特定の実施形態は、1ミクロンから80ミクロンの範囲の粒子サイズをもつ氷晶石およびテトラフルオロホウ酸カリウムを含み、もっとも特徴的には、5ミクロンから30ミクロンである。スーパーサイズコートは、非光沢および非塗布特性を提供するために研磨粒子を覆うように適用されるポリマー層とすることが可能である。ある実施形態では、ドロス凸条330aおよびドロス凸条330bは、メークコート316、サイズコート317、スーパーサイズコート319、改鋳材料、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛およびそれらの組み合わせからの材料を含むことが可能である。周辺部または被覆研磨300の1つ以上の開口部を定めるエッジの形成に用いるレーザーアブレーション工程のために、ドロス凸条330aおよびドロス凸条330bは被覆研磨品300のいずれの層またはいずれの部分からでも改鋳(例えば、融解し、再凝固した)材料を含むことが可能であると理解されるだろう。
【0055】
ある実施形態では、研磨粒子318は、基材310に保持された結着剤の全体にわたって分散されることが可能である。そのような被覆研磨品は、研磨表面に付与された所望の局所分布を有することが可能である。例えば、研磨層314は、基材310に保持される成形された研磨構成よりなることが可能であって、少なくともいくつかの実施形態では、正確に成形される。構造化された研磨品は、このカテゴリーに入る。
【0056】
ある実施形態によれば、被覆研磨品300は、特定のグリットサイズを有することが可能である。いくつかの実施形態では、研磨品300は、少なくとも約P200、少なくとも約P300、少なくとも約P400、少なくとも約P500、少なくとも約P600、少なくとも約P700、少なくとも約P800、少なくとも約P900、少なくとも約P1000、少なくとも約P1100、少なくとも約P1200、少なくとも約P1300、少なくとも約P1400、または少なくとも約P1500と同等である等、少なくとも約P100であるグリットサイズを有することが可能である。他の限定しない実施形態では、研磨品300は、約P1400を超えない、約P1300を超えない、約P1200を超えない、約P1100を超えない、約P1000を超えない、約P900を超えない、約P800を超えない、約P700を超えない、約P600を超えない、約P500を超えない、約P400を超えない、または約P300を超えないと同等である等、約P1500を超えないグリットサイズを有することが可能である。グリットサイズは、先の上限および下限の任意の組み合わせよりなる範囲内であることが可能であることがわかるだろう。
【0057】
ここで、ある実施形態による研磨品の概略断面側面図である
図4を参照。被覆研磨品400(構造化研磨品)は、基材410の第1の主要面415に保持された成形された研磨構成420よりなる研磨層414を有することが可能である。成形された研磨構成420は、結着剤450に分散された研磨粒子418よりなる。任意のスーパーサイズコート419は、研磨層414を覆うことが可能である。ドロス凸条430aは、周辺部のエッジ432に隣接して配置されることが可能であり、ドロス凸条430bは、開口部(穿孔)434に隣接して配置されることが可能である。任意の感圧性の接着層460は、第1の主要層415の反対側である基材410の第2の主要面425上に配置されることが可能である。任意のはく離ライナー470は、任意の感圧性の接着層460上に配置されることが可能である。
【0058】
図5は、ある実施形態によってレーザーで形成された幅(w
dr)を含むドロス凸条502を有する研磨品の部分の平面上面図の画像である。
図6はある実施形態によってレーザーで形成された幅(w
dr)を含むドロス凸条602を有する研磨品の部分の平面上面図の画像である。
実施例
【0059】
3つの研磨品のサンプルが、研磨品のサンプル内にドロス凸条を作るためにレーザーで加工された。強度1000Wのレーザーが、3つの研磨品サンプルに向けられた。それぞれP600のグリットサイズを有する。それぞれヘッドスピード100 in/s、500 in/sおよび15 in/sで、レーザーを研磨品サンプル1、2および3に衝突させた。レーザー加工により形成されたドロス凸条の結果的な幅は、以下に表1で示している。特に、レーザー強度1000Wおよびレーザーヘッドスピード15 in/sの組み合わせが、平均幅121μmを有するドロス凸条を与えた。
【0061】
本明細書で用いる場合、用語“comprises”、“comprising”、“includes”、“including”、“has”、“having”またはそれらのどのような他のバリエーションであっても、他を除外しない含有を包含することが意図される。例えば、特徴の列挙を含む工程、方法、品、または装置は、それらの特徴だけに必ずしも限定されるものではないだけでなく、そのような工程、方法、品もしくは装置に対してはっきりと列挙されていない、または固有でない他の特徴を含むことが可能である。本明細書で用いる場合、フレーズ“consists essentially of”または“consisting essentially of”は、フレーズが述べる主題が、実質的に主題の特性に影響するその他の構成要素を含まないという意味である。
【0062】
さらに、それと反対に明白に示す場合でなければ、“or(または)”は他を除外しないorに関するものであって、他を除外するorに関するものではない。例えば、状態Aまたは(or)Bは、以下のうちのいずれかひとつにより満たされる。すなわち、Aは真であり(または存在し)Bは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在せず)Bは真である(または存在する)、およびAもBもいずれも真である(または存在する)。
【0063】
“a”または“an”の使用は、本明細書で述べられる要素および構成要素を記載するために使用される。これは単に、便宜上および発明の範囲について一般的な意味を与えるためになされる。別を意味していることがはっきりしている場合でなければ、この記載は、1または少なくとも1を含むように読まれるべきであって、単数はまた複数も含み、あるいはその逆もある。
【0064】
さらに、範囲で明言された値への言及は、その範囲内のそれぞれのおよびすべての値を含む。用語“about”または“approximately”は、数値範囲を述べている場合等、数値に対して先行する場合には、正確な値もまた包含されることが意図されている。例えば、“about 25(約25)”で開始する数値範囲は、正確に25で開始する範囲を含むこともまた意図している。
【0065】
本明細書で用いる場合、フレーズ“average particle diameter(平均粒径)”は、平均値、平均、または本技術分野においては一般的にD50とも呼ばれる中央粒径への言及であることが可能である。
【0066】
別に規定されている場合でなければ、本明細書で用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する当業者によって一般に理解されるものと同様な意味を有する。材料、方法、および実施例は、単に例示であって、限定することを目的としているものではない。本明細書に記載されていない範囲について、特定の材料および工程の実行に関する多くの詳細は、従来のものであって、シンチレーションおよび照射検出技術の範囲の教科書および他の情報源で得ることが可能である。
【0067】
前述では、特定の実施形態およびある構成要素のつながりへの言及を例示した。結合するものである、またはつながるものであるような構成成分への言及は、本明細書で論じた方法を実行することでわかるであろう1つ以上の介在する構成要素を通して、前記構成要素間の直接的つながりまたは間接的つながりのいずれかを開示することを意図している、ということがわかるだろう。そのように、上述の主題は、例示として考えられるものであって限定するものではなく、添付の請求項は、変更、拡張、および他の実施形態などのようなものすべてを包含することが意図され、それは本発明の真の範囲内に分類される。さらに、一般的な記載または実施例において上述した作業のすべてが要求されるわけではなく、特定の作業の一部を要求しないことが可能であり、および、1以上のさらなる作業を上述の作業に加えて実行することが可能である。さらにまた、列挙されている作業の順は、それらが実行される順であるとは限らない。
【0068】
請求項の範囲または意味を説明または限定するために用いられるものではないという了解のもとで、開示が提出される。さらに、上述において、明確にするために、個々の構成の実施形態において本明細書に記載されたある特徴は、単一の実施形態においてコンビネーションで提供されることもまた可能である。反対に、簡潔さのために、単一の構成の実施形態に記載された様々な特徴は、個々にまたはいかなるサブコンビネーションで提供されることもまた可能である。さらに、発明の主題は、いずれかの開示した実施形態のすべての特徴未満のものを対象にすることが可能である。
【0069】
利益、他の利点、および問題点の解決は、特定の実施形態に関して上述されている。しかしながら、どのような利益、利点、またはより顕著なことが発生することもしくはより顕著になることへの解決を引き起こすことが可能なそうした利益、利点、問題点の解決およびいかなる特徴は、請求項のいずれかまたはすべてにおける批判的、要求的、または本質的特徴として解釈されるものではない。
【0070】
従って、法によって許容される最大限の範囲に関しては、本発明の範囲は、以下の請求項およびそれらと同等のものについての許容できる最も広い解釈によって決定されるところまでであって、前述の詳細な説明によって制限または限定されるものではない。
【0071】
項1 エッジを有する第1の面と、上記第1の面上に形成されたドロス凸条であって、少なくとも約101μmで、かつ、約500μmを超えない平均幅まで、上記エッジの少なくとも1部分から延びる上記ドロス凸条とを有する、研磨品。
【0072】
項2 上記エッジは開口部を規定するものであり、上記エッジは上記研磨品の周辺部を規定する、項1に記載の研磨品。
【0073】
項3 エッジを有する第1の面を有し、上記エッジは開口部を規定するものであって、上記第1の面上に形成されたドロス凸条と、少なくとも約101μmで、かつ、約500μmを超えない平均幅まで、上記開口部の上記エッジの少なくとも1部分から延びる上記ドロス凸条とを有する、研磨品。
【0074】
項4 上記エッジは、円、長方形、楕円、曲線、2次元の多角形、またはそれらの組み合わせの形状を有する、上記項のいずれか1つの研磨品。
【0075】
項5 上記ドロス凸条の上記平均幅は、上記エッジと、上記エッジから上記ドロス凸条が垂直に延びる方向に測定された上記ドロス凸条の外周との間の平均距離として規定される、上記項のいずれか1つの研磨品。
【0076】
項6 上記ドロス凸条は、メーク材料、サイズ材料、スーパーサイズ材料、改鋳材料、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、またはそれらの組み合わせの材料を含む、上記項のいずれか1つの研磨品。
【0077】
項7 上記ドロス凸条は、赤外線レーザーにより形成されるものであって、上記ドロス凸条は、CO2レーザーより形成される、上記項のいずれか1つの研磨品。
【0078】
項8 上記ドロス凸条は、さらに、上記エッジから上記ドロス凸条が垂直に延びる方向に規定された上記ドロス凸条の断面から見た上記第1の面から測定された上記凸条上の平均最高地点によって規定された高さを含む、上記項のいずれか1つの研磨品。
【0079】
項9 上記ドロス凸条の上記高さは、約50μmを超えず、かつ、少なくとも約1μmである、上記項のいずれか1つの研磨品。
【0080】
項10 上記ドロス凸条は、式h
dr/w
drである、約0.495を超えない、凸条幅(w
dr)に対する高さ(h
dr)の比を有する、項8の研磨品。
【0081】
項11 基材をさらに有するものであって、上記基材は、織物材料、不織布材料、繊維材料、有機材料、合成材料、ナイロン、炭素繊維、パラアラミド材料、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、上記項のいずれかの研磨品。
【0082】
項12 上記基材に保持された研磨層をさらに有するものであって、上記研磨層は、研磨粒子を含む、項11の研磨品。
【0083】
項13 上記研磨粒子は、約30μmを超えないD50を有する、項12の研磨品。
【0084】
項14 上記研磨品は被覆研磨品である、上記項のいずれか1つの研磨品。
【0085】
項15 上記研磨品は、メークコート、サイズコート、スーパーサイズコート、またはそれらの組み合わせを含む、上記項のいずれか1つの研磨品。
【0086】
項16 第1の面は、研磨層、メークコート、サイズコート、スーパーサイズコート、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、上記項のいずれか1つの研磨品。
【0087】
項17 第1の面と、上記第1の面から間隙を介した第2の面とを有する研磨品を提供することと、上記第1の面上のエッジを形成することと、上記第1の面上のドロス凸条であって、少なくとも約101μmで、かつ、約500μmを超えない平均幅まで、上記エッジの少なくとも1部分から延びる上記ドロス凸条を形成することとを有する研磨品を形成する方法。
【0088】
項18 上記エッジは開口部を規定するものであって、上記エッジは、上記研磨品の周辺部を規定する、項17の研磨品。
【0089】
項19 上記凸条を形成することは、レーザーで凸条を形成することを含む、項17の方法。
【0090】
項20 赤外線レーザーは、少なくとも約1000wの最高平均出力を有する、項19の方法。
【0091】
項21 上記凸条を形成することは、上記第1の面より先に上記第2の面に衝突するよう上記研磨品に向けて上記レーザーを向けることを含む、項19または項20のいずれか1つの方法。
【0092】
項22 上記研磨品の上記第1の面上にドロス凸条を形成することは、上記研磨品の上記第2の面から上記研磨品の上記第1の面まで延びる開口部を形成することを含む、項19または項20のいずれか1つの方法。
【0093】
項23 第1の主要面と、上記第1の主要面から間隙を介した第2の主要面とを有する基材材料と、上記第1の主要面上に配置された研磨層と、上記研磨層上に配置されたサイズコートと、上記サイズコート上に配置されたスーパーサイズコートと、上記基材材料と、研磨層と、サイズコートと、スーパーサイズコートとを通って延びる少なくとも1つの開口部と、上記開口部の上記エッジの少なくとも1部分に直接隣接する被覆研磨品の部分上に配置されたドロス凸条とを有するものであって、上記ドロス凸条は、101μmから500μmの範囲の平均幅を有する、被覆研磨品。
【0094】
項24 上記ドロス凸条は、上記ドロス凸条が配置されている上記第1の面の部分上に、40μm未満の最大平均高さを有する、項23の被覆研磨品。
【0095】
項25 上記ドロス凸条の最大平均高さ(h
dr)に対する上記ドロス凸条の平均幅(w
dr)の比は、0.495を超えない、項23の被覆研磨品。
【0096】
項26 エッジを有する第1の面と、上記第1の面上に形成されたドロス凸条と、少なくとも約101μmで、かつ、約500μmを超えない平均幅まで、上記エッジの少なくとも1部分から延びる上記ドロス凸条とを有する、研磨品。
【0097】
項27 上記エッジは、開口部を規定する、項26の研磨品。
【0098】
項28 上記ドロス凸条の上記平均幅は、上記エッジと、上記エッジから上記ドロス凸条を垂直に延びる方向に測定された上記ドロス凸条の外周との間の平均距離として規定される、項26の研磨品。
【0099】
項29 上記ドロス凸条は、改鋳材料を含む、項26の研磨品。
【0100】
項30 上記ドロス凸条は、さらに、上記エッジから上記ドロス凸条が垂直に延びる方向に規定された上記ドロス凸条の断面から見た上記第1の面から測定された上記ドロス凸条上の平均最高地点によって規定された高さを含む項26の研磨品。
【0101】
項31 上記ドロス凸条の上記高さは、約50μmを超えず、かつ、少なくとも約1μmである、項30の研磨品。
【0102】
項32 上記ドロス凸条は、式h
dr/w
drである、約0.495を超えない、ドロス凸条幅(w
dr)に対する高さ(h
dr)の比を有する、項30の研磨品。
【0103】
項33 上記第1の面は、基材に保持された研磨層を有し、上記研磨層は研磨粒子を含む、項26の研磨品。
【0104】
項34 上記研磨粒子は、約30μmを超えないD50を有する、項33の研磨品。
【0105】
項35 上記研磨層は、メークコート、サイズコート、スーパーサイズコート、またはそれらの組み合わせを有する、項33の研磨品。
【0106】
項36 第1の面と、上記第1の面から間隙を介した第2の面とを有する研磨品を提供することと、上記第1の面上にエッジを形成することと、上記第1の面上のドロス凸条で、少なくとも約101μmで、かつ、約500μmを超えない平均幅まで、上記エッジの少なくとも1部分から延びる上記ドロス凸条を形成することとを有する、研磨品を形成する方法。
【0107】
項37 上記ドロス凸条を形成することは、レーザーで上記ドロス凸条を形成することを含む、項36の方法。
【0108】
項38 上記レーザーは、少なくとも約1000ワットの最大平均出力を有する、項37の方法。
【0109】
項39 上記ドロス凸条を形成することは、上記第1の面より先に上記第2の面に衝突するように上記レーザーを向けることを有する、項37の方法。
【0110】
項40 上記研磨品の上記第1の面上に上記ドロス凸条を形成することは、上記研磨品の上記第2の面から上記研磨品の上記第1の面へ延びる開口部を形成することを含む、項36の方法。
【国際調査報告】