(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-522869(P2016-522869A)
(43)【公表日】2016年8月4日
(54)【発明の名称】燃料噴射装置
(51)【国際特許分類】
F02M 61/10 20060101AFI20160708BHJP
F02M 61/16 20060101ALI20160708BHJP
【FI】
F02M61/10 A
F02M61/16 F
F02M61/16 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-514227(P2016-514227)
(86)(22)【出願日】2014年5月21日
(85)【翻訳文提出日】2015年11月13日
(86)【国際出願番号】CA2014050469
(87)【国際公開番号】WO2014186892
(87)【国際公開日】20141127
(31)【優先権主張番号】1309122.8
(32)【優先日】2013年5月21日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513037443
【氏名又は名称】ウェストポート パワー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WESTPORT POWER INC.
(71)【出願人】
【識別番号】514002684
【氏名又は名称】デルフィ・インターナショナル・オペレーションズ・ルクセンブルク・エス・アー・エール・エル
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ミーク,ジョージ エー
(72)【発明者】
【氏名】パンザー,ラクビル
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066BA61
3G066CC03
3G066CC12
3G066CC14
(57)【要約】
内燃機関のための燃料噴射装置(100)を開示する。燃料噴射装置は、二元燃料噴射装置としての使用に特に好適であり、略管状の外側弁ニードル(130)と、外側弁ニードル(130)に摺動可能に受容される内側弁ニードル(140)と、先端部分(120)およびニードル案内部分(118)を備えるノズル本体アセンブリ(112)とを備える。先端部分(120)は、外側弁ニードル(130)のための座部領域(120f)を画定し、ニードル案内部分(118)は、外側弁ニードル(130)を摺動可能に受容するための案内孔(118e)を備える。一実施形態では、先端部分(120)およびニードル案内部分(118)は異なる材料から作られ、外側弁ニードル(130)のための付勢ばね(148)がノズル本体アセンブリ(112)に収容される。
【選択図】
図2(b)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のための燃料噴射装置(10;100)であって、
略管状の外側弁ニードル(30;130)と、
前記外側弁ニードル(30;130)に摺動可能に受容される内側弁ニードル(40;140)と、
先端部分(20;120)およびニードル案内部分(18;118)を備えるノズル本体アセンブリ(12;112)と
を備え、
前記先端部分(20;120)が、前記外側弁ニードル(30;130)のための座部領域(20f、120f)を画定し、
前記ニードル案内部分(18;118)が、前記外側弁ニードル(30;130)を摺動可能に受容するための案内孔(18e;118e)を備える、
燃料噴射装置(10)。
【請求項2】
前記先端部分(20;120)および前記ニードル案内部分(18;118)が、異なる材料から作られる、請求項1に記載の燃料噴射装置。
【請求項3】
前記ニードル案内部分(18;118)が、前記先端部分(20;120)の端部領域(20a)を受容するための凹部(18d;118d)を備える、請求項1または請求項2に記載の燃料噴射装置。
【請求項4】
前記先端部分(20;120)を前記ニードル案内部分(18;118)に締め付け固定するように構成されるキャップナット(16)をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項5】
前記先端部分(20;120)が、肩部(20c;120c)を備え、前記キャップナット(16)が、前記先端部分(20;120)を前記ニードル案内部分(18;118)に締め付け固定するために前記肩部(20c;120c)と係合するように構成される、請求項4に記載の燃料噴射装置。
【請求項6】
前記肩部(20c;120c)が、前記座部領域(20f、120f)の反対側にある、前記先端部分(20;120)の端部に、またはこれに隣接して配置される、請求項5に記載の燃料噴射装置。
【請求項7】
前記内側および外側の弁ニードル(130、140)が、共通噴射装置軸(A)に沿って配置され、前記ニードル案内部分(118)が、前記噴射装置軸(A)に対して平行に延びる1つ以上の燃料供給通路(166)を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項8】
前記外側弁ニードル(130)を、前記先端部分(120)によって画定される前記座部領域(120f)と係合するように付勢するための付勢手段(148)を備え、前記付勢手段(148)が、前記ノズル本体アセンブリ(120)に収容される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項9】
前記ニードル案内部分(118)が、前記付勢手段(148)を受容するためのばね室(152)を備える、請求項8に記載の燃料噴射装置。
【請求項10】
前記付勢手段が、前記外側弁ニードル(130)の周囲に配置されるばね(148)を備える、請求項8または請求項9に記載の燃料噴射装置。
【請求項11】
前記外側弁ニードル(130)が、前記ばね(148)のためのばね座(154)を含む、請求項10に記載の燃料噴射装置。
【請求項12】
前記外側弁ニードル(130)および前記案内孔(118e)の間における燃料漏れから保護するための密閉手段(160)をさらに備える、請求項1〜11のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項13】
前記密閉手段(160)が、前記外側弁ニードル(130)の周囲に配置される環状密閉部(162a、162b)を備える、請求項12に記載の燃料噴射装置。
【請求項14】
前記密閉手段(160)が、前記案内孔(118e)の端部に、またはこれに隣接して配置される、請求項12または請求項13に記載の燃料噴射装置。
【請求項15】
前記付勢手段(148)が、前記密閉手段(160)を保持する、請求項8〜11のいずれか1項に従属する場合の請求項12〜14のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項16】
前記付勢手段(148)が前記密閉手段(160)を前記ニードル案内部分(118)の表面(152a)に対して付勢する、請求項15に記載の燃料噴射装置。
【請求項17】
前記外側弁ニードル(30;130)が、前記燃料噴射装置からの第1の燃料の前記噴射を制御するように構成され、前記内側弁ニードル(40;140)が、前記燃料噴射装置からの第2の燃料の前記噴射を制御するように構成される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項18】
前記外側弁ニードル(30;130)と関連する第1の制御室(38)と、前記内側弁ニードル(40;140)と関連する第2の制御室(44;144)とを備え、前記外側および内側の弁ニードル(30、40;130、140)の動作が、前記第1および第2の制御室(38;44、144)における前記燃料の圧力をそれぞれ変えることによって制御可能である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関内への2つの異なる燃料の供給制御に好適な燃料噴射装置に関する。限定するものではないが具体的には、本発明は、気体燃料および液体燃料の噴射に好適な燃料噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大型用途および産業用途のための内燃機関は、典型的には、ディーゼル燃料を燃料としている。しかしながら、ディーゼルに代わるものとして天然ガスを使用することへの関心が高まっている。天然ガスは、比較的に豊富かつ比較的廉価であり、さらに、原則として、ディーゼルと同程度の出力レベルを提供するが、微粒子および窒素酸化物(NOx)排出がより少ない。
【0003】
シリンダ内で空気および燃料の混合物を圧縮することにより燃料の燃焼が起こる圧縮着火機関の燃料として、ディーゼル燃料の代わりに天然ガスを使用することができる。しかしながら、ディーゼル燃料よりも天然ガスの自着火温度が高いことから、天然ガスを燃焼室に導入する前に、ディーゼル燃料をパイロット噴射して燃焼を引き起こすことが必要となり得る。
【0004】
高圧直噴(HPDI)エンジンとして知られる、1つのタイプの天然ガスエンジンでは、天然ガスおよびディーゼル燃料の両方を燃焼室内に直接噴射する。エンジンのシリンダヘッドにおける空間的制約のため、シリンダ毎に1つの燃料噴射装置を用いて両方の燃料を噴射することが望ましい。このためには、噴射装置内において2つの燃料を別々に分けておき、それぞれの燃料を適切な時間に独立に供給するように特別に構成される燃料噴射装置が必要となる。
【0005】
1つのそのような「二元燃料」噴射装置が、国際公開第00/15956号に説明されている。この例では、同軸2本ノズル構成を有する燃料噴射装置が提供されている。内側および外側の弁ニードルは、その下端部でそれぞれの弁座と係合可能であって、それぞれの内側および外側の出口群を通る燃料の流れを制御する。外側弁ニードルは、外側出口群を通る天然ガスの噴射を制御し、内側弁ニードルは、内側出口群を通るディーゼル燃料の噴射を制御する。外側弁ニードルは、内側弁ニードルを収容するように管状であり、外側弁ニードルの先端には、内側出口群が形成される。
【0006】
内側および外側の弁ニードルは、2つの電磁制御弁によって独立に制御され、2つの電磁制御弁は、内側および外側の弁ニードルのためのそれぞれの制御室内の制御流体(通常、ディーゼル燃料)の圧力を制御するように構成されている。制御室は、それぞれのニードルの上端部を受容し、これにより、各制御室における制御流体の圧力を変えることにより、対応するニードルにかかる下向きの(閉鎖)力が変わる。ガスまたはディーゼル燃料の圧力は、それぞれのニードルの下向きのスラスト面に作用して、上向きの(開放)力をニードルに生じさせる。制御室にある制御流体の圧力が比較的高い場合、下向きの力が上向きの力を上回り、それぞれのニードルは座したままとなり、また制御流体の圧力が比較的低い場合、上向きの力が下向きの力に打ち勝ち、それぞれのニードルが開放して、それぞれの出口群を通る燃料噴射を可能にする。
【0007】
各制御室は、比較的高圧で制御流体の供給源に接続されている。各制御弁は、それぞれの制御室を、制御流体のための低圧ドレーンに接続するように動作可能である。このようにして、各制御弁を開放することにより、対応する制御室において制御流体の圧力を低下させ、対応する弁ニードルを開放する。
【0008】
弁ニードルは、典型的には、噴射装置のノズル本体内に収容され、この時、ノズル本体の先端に燃料出口が配置されている。キャップナットにより、ノズル本体をノズルホルダまたは噴射装置本体に取り付ける。使用の際、噴射装置は、エンジンのシリンダヘッドにある孔に設置される。噴射装置は孔を通って延び、ノズル本体の先端がそれぞれの燃焼室内に突き出る。シリンダヘッドの孔の最大直径、ひいては噴射装置のキャップナット、ノズル本体および噴射装置本体の最大直径は、シリンダヘッド内の利用可能な限られた空間によって制約を受ける。
【0009】
ノズル本体の最大直径が制限されていることは、特に、二元燃料噴射装置の設計の制限になり得る。ノズル本体は、噴射のために2つの燃料を先端領域に供給するための供給通路を収容しなければならず、また、制御室の一方または両方と接続するための供給通路を収容することもある。したがって、ノズル本体内で利用可能な空間を最大にすることが望ましい。
【0010】
ノズル本体は、典型的には、外側弁ニードルのための座部領域およびニードル案内領域の両方を画定する。外側弁ニードルの閉鎖の衝撃に起因する、座部領域に対する摩耗または他の損傷を軽減するために、通常、ノズル本体を工具鋼などの高張力鋼で作る。工具鋼は、比較的効果かつ加工が難しく、そのため、ノズル本体の部品の費用が比較的高くなる。したがって、ノズル本体の費用を低減することも望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
この背景に対して、第1の態様から、本発明は、内燃機関のための燃料噴射装置にあり、燃料噴射装置は、略管状の外側弁ニードルと、外側弁ニードルに摺動可能に受容される内側弁ニードルと、先端部分およびニードル案内部分を備えるノズル本体アセンブリとを備える。先端部分は、外側弁ニードルのための座部領域を画定し、ニードル案内部分は、外側弁ニードルを摺動可能に受容するための案内孔を備える。
【0012】
有利なことに、ノズル本体アセンブリを2つの部分から形成することから、異なる材料を選択して、製造し易さを向上させたり、費用を削減したり、性能を最適化することができる。したがって、先端部分およびニードル案内部分を異なる材料から作ることが好ましい。例えば、先端部分を、耐摩耗性が良好で、機械加工性に非常に優れる高級鋼材で作ってもよい。ニードル案内部分を、それほど高級でない鋼材で作ってもよい。代替的または追加的に、先端部分およびニードル案内部分を、異なる熱処理にかけた材料で作ってもよい。
【0013】
噴射装置のノズル先端の設計は、典型的には、特定の用途に適するように仕立ててある。特に、ノズル先端における燃料出口オリフィスの数、位置、角度および形状を選択して、特定の燃焼室設計のために噴射装置の性能を最適化することができる。本発明では、特定の用途に適合させるには、ノズル本体アセンブリの先端部分のみを設計するだけでよい。ノズル本体アセンブリのニードル案内部分、および噴射装置の残りの構成要素は、複数の用途にわたる共通設計とすることができる。したがって、本発明は、最小限の費用で様々な用途のために容易に適合させることが可能な噴射装置設計を提供する。
【0014】
ニードル案内部分の外径は、先端部分よりも大きくてもよい。ニードル案内部分には、先端部分の端部領域を受容するための凹部を設けてもよい。ニードル案内部分の端面に凹部を形成してもよい。
【0015】
噴射装置は、先端部分をニードル案内部分に締め付け固定するように構成されるキャップナットを備えてもよい。一実施形態では、先端部分が肩部を備え、キャップナットが肩部と係合して、先端部分をニードル案内部分に締め付け固定するように構成される。肩部を、座部領域の反対側である、先端部分の端部に配置することが好ましい。このようにすれば、ニードル案内部分は、キャップナットと係合するための肩部を含む必要がなく、その結果、キャップナットの直径をキャップナットの長さに沿って最大にし、燃料が通るなどのための空間を、キャップナット内により多く形成することができる。
【0016】
内側および外側弁ニードルを共通噴射装置軸に沿って配置してもよい。ニードル案内部分は、噴射装置軸に対して平行に延びる1つ以上の燃料供給通路を備えてもよい。
【0017】
噴射装置は、外側弁ニードルを付勢して、先端部分によって画定される座部領域と係合させるための付勢手段を含んでもよい。付勢手段を少なくとも部分的にノズル本体アセンブリに収容することが好ましい。例えば、ニードル案内部分は、付勢手段を受容するためのばね室を備えてもよい。代替的または追加的に、付勢手段を少なくとも部分的に先端部分に収容してもよい。ノズル本体アセンブリが2部構成であることにより、噴射装置の組み立ての際に外側弁ニードルのための付勢手段をノズル本体アセンブリに挿入することができる。
【0018】
一実施形態では、付勢手段は、外側弁ニードルの周囲に配置されるばねを備える。外側弁ニードルは、例えばカラーの形態で外側弁ニードルに圧入される、ばねのためのばね座を含んでもよい。
【0019】
噴射装置は、外側弁ニードルおよび案内孔の間で燃料が漏れないように保護する密閉手段をさらに備えてもよい。例えば、密閉手段は、外側弁ニードルの周囲に配置される環状密閉部を備えてもよい。密閉手段を、案内孔の端部に、またはこれに隣接して配置することが好ましい。
【0020】
燃料噴射装置はまた、外側弁ニードルのための付勢手段を含み、付勢手段を、密閉手段を保持するように構成させてもよい。例えば、付勢手段は、ニードル案内部分の表面に対して密閉手段を付勢してもよい。
【0021】
燃料噴射装置は、二元燃料噴射装置であることが好ましい。したがって、外側弁ニードルは、燃料噴射装置からの第1の燃料の噴射を制御するように構成されてもよく、内側弁ニードルは、燃料噴射装置からの第2の燃料の噴射を制御するように構成されてもよい。第1の燃料が天然ガスなどの気体燃料であり、第2の燃料がディーゼル燃料などの液体燃料であることが好ましい。
【0022】
噴射装置は、外側弁ニードルと関連する第1の制御室と、内側弁ニードルと関連する第2の制御室とを備えてもよい。外側および内側の弁ニードルの動作は、第1のおよび第2の制御室における燃料の圧力をそれぞれ変えることにより制御可能であってもよい。
【0023】
ここで、本発明を、添付の図面を参照しながら単なる例として説明する。図面において、類似の参照番号は、類似の特徴に対して使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1(a)-(b)】本発明の一実施形態による燃料噴射装置の一部の断面図である。
【
図2(a)-(b)】本発明の別の実施形態による燃料噴射装置の一部の断面図である。
【
図3(a)】
図2(a)および
図2(b)の燃料噴射装置のノズル本体の側面図である。
【
図3(b)】
図2(a)および
図2(b)の燃料噴射装置のノズル本体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1(a)および
図1(b)は、本発明の第1の実施形態による燃料噴射装置10のノズル領域を示している。噴射装置10は細長いものであって、噴射装置軸Aを画定している。
図1(a)は、噴射装置軸Aを含む第1の平面における断面図であり、
図1(b)は、これもまた噴射装置軸Aを含み、かつ第1の平面に垂直な第2の平面における断面図である。
【0026】
噴射装置10は、ノズル本体アセンブリ12と、噴射装置本体14と、キャップナット16とを備える。
図1(a)および
図1(b)には、噴射装置本体14およびキャップナット16の下端部のみを示している。
【0027】
ノズル本体アセンブリ12は、ニードル案内部分18と先端部分20とを備える。ニードル案内部分18は、比較的大きい直径の上部円筒形領域18aと、より小さい直径の下部円筒形領域18bとを備える。上部および下部領域18a、18bは、円錐台形領域18cによって隔てられている。先端部分20は、略管状であり、上端部領域20aと、上端部領域20aの反対側にある先端領域20bとを備える。上端部領域20aの直径は、先端部分20の上端部に肩部20cを画定するように先端部分20の残りの部分と比べて拡大されている。ニードル案内部分18の下部領域18aの下端面は、先端部分20の上端部領域20aを部分的に受容する凹部18dを含む。
【0028】
キャップナット16は、略管状であり、その最下端部に内向きフランジ16aを備える。フランジ16aは、先端部分20の肩部20cと係合し、先端部分20の残りの部分は、フランジ16aによって画定されるキャップナットの円形の開口部16bを通って突出する。キャップナットの比較的直径の小さい管状の第1の領域16cは、フランジ16aに隣接して配置される。先端部分20の上部領域20aおよびニードル案内部分18の下部領域18bは、キャップナット16cの第1の領域16c内に受容される。
【0029】
キャップナット16の比較的直径の大きい管状の第2の領域16dは、中間円錐台形領域16eによって第1の領域16cに接続される。ニードル案内部分18の上部領域18aは、キャップナット16の第2の領域16dに配置され、ニードル案内部分の円錐台形領域18cは、キャップナット16の円錐台形領域16eに配置される。キャップナット16とニードル案内部分18の部分のすべてとの間には、間隙が存在する。
【0030】
キャップナット16の第2の領域16dの上端部は、雌ねじ領域(図示せず)を含み、雌ねじ領域は、噴射装置キャップ部分(図示せず)の雄ねじ領域と係合し、噴射装置キャップ部分は、ノズル本体アセンブリ12から離れた、噴射装置本体14の頂端部に配置される。このようにして、キャップナットは、ノズル本体アセンブリ12の先端部分20およびニードル案内部分18を共に締め付け固定するように働き、またノズル本体アセンブリ12を噴射装置本体14と係合状態に保持するように働く。キャップナット16によって加えられる締め付け固定力は、噴射装置本体14およびニードル案内部分18の間、およびニードル案内部分18および先端部分20の間において、液密な密閉部を形成するのに十分である。
【0031】
ノズル本体アセンブリ12は、2つの異なる燃料を噴射装置から供給を制御するための、2つの同軸に配置される弁ニードルを収容する。第1または外側弁ニードル30は、ノズル本体アセンブリ12のニードル案内部分18を通って軸方向に延びる案内孔18e内に摺動可能に受容される。外側弁ニードル30は、ノズル本体アセンブリ12の管状先端部分20の孔20d内に延びる。外側弁ニードル30は、外側弁ニードル30および孔20dの間に第1の燃料のための第1の環状アキュムレータ空間32を画定するように、孔20d内で隙間嵌め状態にある。アキュムレータ空間32には、ニードル案内部分18に形成される好適な通路(図示せず)によって第1の燃料が供給される。
【0032】
外側弁ニードル30の先端領域30aは、ノズル本体アセンブリ12の先端部分20の先端領域20bの端部にある開口20eに摺動可能に受容される。円錐台形弁座30bは、外側弁ニードル30へ、その先端領域30aの上流に設けられる。先端部分20へ、座部領域20fの下流に配置される複数の出口34(出口のうちの1つを
図1(b)に示す)を通して、第1のアキュムレータ空間32からの第1の燃料の供給を制御するために、弁座30bは、先端部分20の先端領域20bに形成される円錐台形座部領域20fと係合可能である。
【0033】
先端領域30aの反対側にある外側弁ニードル30の上端部は、キャップ36によって閉鎖される。キャップ36は、噴射装置本体14に形成された孔14aに摺動可能に受容される。孔14aとキャップ36の端面とで外側弁ニードルのための第1の制御室38を画定する。第1の制御室38は、供給路40によって、当技術分野において既知の方法で第1の制御室38にある制御流体の圧力を変えるように動作可能な第1の制御弁(図示せず)に接続される。第1の制御室38の制御流体の圧力が比較的高い場合、外側弁ニードル30を座部領域20fと係合するように促す。第1の制御室38の制御流体を比較的低いレベルまで減圧するように第1の制御弁を操作する場合、外側弁ニードル30を座部領域20fから離れるように持ち上げ、それによって、出口34からの第1の燃料の噴射を可能にする。
【0034】
第2の、内側弁ニードル40は、外側弁ニードル30の孔30c内に摺動可能に受容される。内側弁ニードル40および外側弁ニードル30の孔30cの間に配置された第2の環状アキュムレータ空間42からの第2の燃料の放出を、座部領域30bの下流にある、外側弁ニードル30の先端領域30aに形成された複数の出口を通して制御するために、内側弁ニードル40の先端40aは、外側弁ニードル30の先端領域30aに形成された座部領域30bと係合可能である。
【0035】
第2のアキュムレータ空間42には、外側弁ニードル30および案内孔18eの壁の間に形成された環状孔42bに第2のアキュムレータ空間42を接続する外側弁ニードル30の壁を通る削孔42aによって、第2の燃料が供給される。
図1(a)に示すように、さらなる通路42cがニードル案内部分18を通って延びて、孔42bを噴射装置本体14の第2の燃料供給路42dに接続する。
【0036】
内側弁ニードル40は、外側弁ニードル孔30cの壁と摺動接触する案内領域40bを含む。案内領域40bは、溝(grooves,flutes)または他の構造を含んで、第2の燃料が案内領域40bを通過して自由に流れることができるようにする。案内領域40bの上流では、内側弁ニードル40は、ピストン領域40cへと形成され、ピストン領域40cもまた外側弁ニードル孔30cの壁と摺動接触する。第2の燃料は、ピストン領域40cを超えて自由に流れることはできず、その結果、ピストン領域40cは、内側弁ニードル40のための第2の制御室44から第2のアキュムレータ空間42を離隔する。第2の制御室44は、外側弁ニードル孔30cの上端部に配置され、キャップ36、外側弁ニードル孔30cの壁、および内側弁ニードル30の上端部によって画定される。
【0037】
第2の制御室44は、第2の供給流路46によって、当技術分野において既知の方法で第2の制御室44にある制御流体の圧力を変えるように動作可能な第2の制御弁(図示せず)に接続される。
図1(b)に最も明確に示されているように、第2の供給流路46は、外側弁ニードル30の壁を通って延びる通路46aを含んで、外側弁ニードル30および案内孔18eの間に形成された環状孔46bに第2の制御室44を接続する。第2の供給流経路46はまた、案内部分18を通って延びる通路46cを含んで、噴射装置本体14のさらなる通路46dに孔46bを接続する。
【0038】
第2の制御室44の制御流体の圧力が比較的高い場合、内側弁ニードル40を座部領域30bと係合するように促す。第2の制御室44の制御流体を比較的低いレベルまで減圧するように第2の制御弁を操作する場合、内側弁ニードル40を座部領域30bから離れるように持ち上げ、それによって、外側弁ニードル30の先端領域30aにある出口からの第2の燃料の噴射を可能にする。
【0039】
外側弁ニードル30のための第1の付勢ばね48は、第1の制御室38に収容される。内側弁ニードル40のための第2の付勢ばね50は、第2の制御室44に収容される。付勢ばね48、50は、噴射装置を使用していない時にニードル30、40を座したままに保つのを助ける追加的な閉鎖力をそれぞれの外側および内側の弁ニードル30、40に与えるように働く。
【0040】
本発明の一実施形態では、第1の燃料が天然ガスなどの気体燃料であり、第2の燃料がディーゼル燃料などの液体燃料である。また、ディーゼル燃料を第1のおよび第2の制御室38、44における制御流体として使用することもできる。有利なことに、第2の燃料および/または制御流体がディーゼル燃料である場合、弁ニードル30、40およびノズルホルダアセンブリ12の間の摺動面では、ディーゼル燃料が自ずから潤滑剤となる。
【0041】
ノズルホルダアセンブリ12が、従来技術で知られるような単一の部分ではなく、2つの部分から作られることから、本発明では、ノズルホルダアセンブリ12のニードル案内部分18および先端部分20を異なる材料で作ってもよい。特に有利な構成では、先端部分20を工具鋼などの耐摩耗性が良好な鋼材で作り、他方、ニードル案内部分18は、摩耗または他の損傷の危険性がより低いため、軟鋼などのそれほど高級でない鋼材で作ることができる。
【0042】
本発明の2部構成のノズルホルダアセンブリ12を使用することのさらなる利点は、例えば、各部分の必要な最大直径にしたがって選択される初期寸法の管材から各部分を機械加工することによって、ニードル案内部分18および先端部分20を別個に製造することができることである。このようにして、材料の浪費を最小にできる。
【0043】
また、キャップナット16が、ニードル案内部分18ではなく、ノズルホルダアセンブリ12の先端部分20の肩部20cと係合することから、キャップナット16に囲まれる範囲内でニードル案内部分18の直径を最大にすることができることが理解されよう。特に、キャップナット16が係合し得る階段部または肩部を形成するために、ニードル案内部分18を減径する必要はない。
【0044】
本発明の第2の実施形態による燃料噴射装置100の一部を
図2(a)および
図2(b)に示し、この図は、噴射装置軸Aに沿って交わる垂直な平面における断面図である。本発明の第2の実施形態は、概して、上述の本発明の第1の実施形態に類似しており、これらの実施形態間で違う点だけを詳しく後述する。
図2(a)および
図2(b)では、明確にするために、キャップナットおよび噴射装置本体を省略している。
本
【0045】
発明の第1の実施形態と同様に、この第2の実施形態では、ノズル本体アセンブリ112の先端部分120が、先端部分120の肩部120cと係合するキャップナット(図示せず)によってノズル本体アセンブリ112のニードル案内部分118に対して締め付け固定される。ニードル案内部分118は、先端部分120の上端部を受容するための凹部118dを含む。
【0046】
この第2の実施形態では、外側弁ニードル130のための第1の付勢ばね148が、噴射装置本体ではなく、ノズル本体アセンブリ112内に収容される。第1の付勢ばね148を収容するために、ノズル本体アセンブリ112のニードル案内部分118は、その最上端部で案内孔118eと、またその最下端部で凹部118dと接続する拡径下部孔領域118fによって画定されるばね空洞152を含む。
【0047】
第1の付勢ばね148の下端部は、外側弁ニードル130の外面に圧入または他の方法で取り付けられるカラー154上に座する。このようにして、第1の付勢ばね148は、カラー154を介して外側弁ニードル130を付勢して、先端部分120の座部領域120fと係合させるように作用する。第1の付勢ばね148の上端部は、密閉アセンブリ160を、ばね空洞152の最上端部152aによって画定された表面に対して所定の位置に保持するように働く。
【0048】
密閉アセンブリ160は、Oリング162aと、Oリング162aおよび外側弁ニードル130の間に配置される動的シャフト密閉部162bとの形態で環状密閉部材を備える。Oリング162aは、ばね空洞152の最上端部152aおよび動的シャフト密閉部162bの間に静的液密密閉部を形成する。第1の付勢ばね148は、鋼製座金164を圧迫し、これにより、ばね空洞152の最上端部152aに対してOリング162aを押す。Oリング162aを圧縮することにより、径方向の密閉力が動的シャフト密閉部162bにかかって、外側弁ニードル130の壁に対して密閉力を維持する。
【0049】
外側弁ニードル130のキャップ136は、第1の制御室(
図2に示さず)の燃料圧力にさらされる。有利なことに、第1の付勢ばね148を、第1の制御室ではなくノズル本体アセンブリ112に収容することにより、第1の制御室の容積を最小にでき、これが、外側弁ニードル130の動作の制御の最適化を助ける。
【0050】
図2(b)に示すように、第1の燃料のための2つの供給通路166は、ニードル案内部分118の頂面から延びて、環状孔168と連通し、これにより、ばね空洞152と連通する。カラー154は、第1の燃料が、ばね空洞152から、外側弁ニードル130および先端部分120の孔120dの間に画定される環状アキュムレータ空間132内に自由に流れることができるような寸法にされる。
【0051】
再び
図2(a)を参照すると、第2の燃料のための供給路142cは、ニードル案内部分118に形成されて、ニードル案内孔118eに形成された環状孔142bと接続する。外側弁ニードル130の径方向削孔142aは、環状孔142bを第2の燃料のためのアキュムレータ空間142に接続する。第2の燃料のための環状アキュムレータ空間142は、内側弁ニードル140および外側弁ニードル130の間に配置される。内側弁ニードル140のピストン領域140cは、第2の燃料のためのアキュムレータ空間142を第2の制御室144から離隔する。
【0052】
供給路146cもまた、ニードル案内部分118に形成されて、第2の制御弁(図示せず)をニードル案内孔118eに形成されたさらなる環状孔146bと接続する。外側弁ニードル140にあるさらなる径方向削孔146aは、この環状孔146bを第2の制御室144に接続し、第2の制御室144には、第2の付勢ばね150が収容される。
【0053】
図3は、ノズルホルダアセンブリ112の側面図を示す。
図4は、ノズルホルダアセンブリ112の斜視図を示し、ここでは、供給路146c、第2の燃料供給路142cおよび第1の燃料供給通路166をみることができ、これらはノズルホルダアセンブリ112のニードル案内部分118頂面から出ている。
【0054】
再び
図2(a)および
図2(b)を参照すると、ばね室152から密閉部材162を過ぎ案内孔118e内に至る、あるいはその逆方向の燃料の流れを減らす、あるいは妨げることによって、密閉アセンブリ160は、第1および第2の燃料が混ざらないように保護するように働く。この構成は、燃料が混合する危険性なく、液体の第2の燃料の圧力が気体の第1の燃料の圧力をかなりの圧力差で超えるため、噴射の際の第2の燃料の微粒化を改善し得ることを意味している。
【0055】
有利なことに、キャップナットと係合するために、ノズル本体アセンブリ112のニードル案内部分118の直径で階段部を形成する必要がないため、第1の燃料のための供給通路166を噴射装置軸Aに対して平行に向けることができ、その結果、製造中、供給通路166の形成が実質的により容易になる。
【0056】
本発明のこの第2の実施形態では、2部構成のノズル本体アセンブリ112を使用することにより、噴射装置100の組み立ての際に密閉アセンブリ160および第1の付勢ばね148をばね空洞152に挿入できるようになることが理解されよう。ノズル本体アセンブリ112が単一の部品だったならば、第1の付勢ばね148をノズル本体アセンブリ112に収容することはできないであろうし、密閉アセンブリ160を提供することもできないであろう。
【0057】
当業者であれば、上に明示的に説明していないさらなる修正および変形もまた、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく企図し得るであろう。
【手続補正書】
【提出日】2015年12月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
燃料噴射装置
が外側弁ニードルのための付勢手段
も含
む時に、密閉手段を保持するように
当該付勢手段を構成させてもよい。例えば、
当該付勢手段は、ニードル案内部分の表面に対して密閉手段を付勢してもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図3(a)は、ノズルホルダアセンブリ112の側面図を示す。図
3(b)は、ノズルホルダアセンブリ112の斜視図を示し、ここでは、供給路146c、第2の燃料供給路142cおよび第1の燃料供給通路166をみることができ、これらはノズルホルダアセンブリ112のニードル案内部分118頂面から出ている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のための燃料噴射装置であって、前記燃料噴射装置が、
管状の外側弁ニードルと、
前記外側弁ニードルに摺動可能に受容される内側弁ニードルと、
ニードル案内部分に取り外し可能に連結された先端部分を備えるノズル本体アセンブリと、を備え、
前記先端部分が、前記外側弁ニードルのための座部領域を画定し、
前記ニードル案内部分が、前記外側弁ニードルを摺動可能に受容するための案内孔、および前記先端に隣接する拡径下部孔領域を備え、前記ニードル案内部分の下部孔領域が、付勢手段を受容する外側弁ニードルの周囲に形成される空洞を画定する、燃料噴射装置。
【請求項2】
前記先端部分および前記ニードル案内部分が異なる材料から作られる、請求項1に記載の燃料噴射装置。
【請求項3】
前記ニードル案内部分が、前記先端部分の端部領域を受容するための凹部を備える、請求項1または請求項2に記載の燃料噴射装置。
【請求項4】
前記先端部分を前記ニードル案内部分に締め付け固定するように構成されるキャップナットをさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項5】
前記先端部分が肩部を備え、前記キャップナットが、前記先端部分を前記ニードル案内部分に締め付け固定するために前記肩部と係合するように構成される、請求項4に記載の燃料噴射装置。
【請求項6】
前記肩部が、前記座部領域の反対側にある、前記先端部分の端部に、またはこれに隣接して配置される、請求項5に記載の燃料噴射装置。
【請求項7】
前記内側弁ニードルおよび前記外側弁ニードルが、共通噴射装置軸(A)に沿って配置され、前記ニードル案内部分が、前記噴射装置軸(A)に対して平行に延びる1つ以上の燃料供給通路を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項8】
前記付勢手段が、前記外側弁ニードルを、前記先端部分によって画定される前記座部領域と係合するように付勢する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項9】
前記付勢手段が、前記外側弁ニードルの周囲に配置されるばねを備える、請求項8に記載の燃料噴射装置。
【請求項10】
前記外側弁ニードルが、前記ばねのためのばね座を含む、請求項9に記載の燃料噴射装置。
【請求項11】
前記外側弁ニードルおよび前記案内孔の間における燃料漏れから保護するための密閉手段をさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項12】
前記密閉手段が、前記外側弁ニードルの周囲に配置される環状密閉部を備える、請求項11に記載の燃料噴射装置。
【請求項13】
前記密閉手段が、前記案内孔の端部に、またはこれに隣接して配置される、請求項11または請求項12に記載の燃料噴射装置。
【請求項14】
前記付勢手段が前記密閉手段を保持する、請求項11〜13のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項15】
前記付勢手段が、前記密閉手段を前記ニードル案内部分の表面に対して付勢する、請求項14に記載の燃料噴射装置。
【請求項16】
前記外側弁ニードルが、前記燃料噴射装置からの第1の燃料の噴射を制御するように構成され、前記内側弁ニードルが、前記燃料噴射装置からの第2の燃料の噴射を制御するように構成される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項17】
前記燃料噴射装置が、前記外側弁ニードルと関連する第1の制御室、および前記内側弁ニードルと関連する第2の制御室を備え、前記外側弁ニードルおよび前記内側弁ニードルの動作が、前記第1の制御室および前記第2の制御室における燃料の圧力をそれぞれ変えることによって制御可能である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【国際調査報告】