(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-523601(P2016-523601A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(54)【発明の名称】股関節スパイカギプス包帯及び股関節スパイカギプス包帯とともに使用するための下着
(51)【国際特許分類】
A61F 13/04 20060101AFI20160715BHJP
A61F 5/03 20060101ALI20160715BHJP
【FI】
A61F13/04 N
A61F13/04 H
A61F5/03
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-515320(P2016-515320)
(86)(22)【出願日】2013年5月20日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月15日
(86)【国際出願番号】US2013041802
(87)【国際公開番号】WO2014189483
(87)【国際公開日】20141127
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】501356226
【氏名又は名称】ビーエスエヌ メディカル,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エバンズ ジョン シー.
(72)【発明者】
【氏名】ヨリッセン コーエン ヨセフ マリア
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098BC02
4C098BC37
4C098BC44
(57)【要約】
パンタロン型の股関節スパイカギプス包帯のように、股関節スパイカギプス包帯を形成するために、ギプス包帯テープとともに使用される下着。下着は、モノフィラメント糸の布帛へと形成されるとともに、股関節スパイカギプス包帯着用患者の胴部周囲に配置し、かつ股関節スパイカギプス包帯着用患者の皮膚に直接配置するための解剖学的に適切な下着構造体へと作製された、少なくとも1層の3Dスペーサ合成パッド材料を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
股関節スパイカギプス包帯を形成するために、ギプス包帯テープとともに使用される下着であって、
モノフィラメント糸の布帛へと形成されるとともに、股関節スパイカギプス包帯着用患者の胴部周囲に配置し、かつ股関節スパイカギプス包帯着用患者の皮膚に直接配置するための解剖学的に適切な下着構造体へと作製された、少なくとも1層の3Dスペーサ合成パッド材料を備える、下着。
【請求項2】
前記下着は、胴部分、及び少なくとも1つの一体形成された脚部を有する、請求項1に記載の下着。
【請求項3】
前記下着は、前記患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、前記患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された少なくとも1つの一体形成された脚部と、を有する、請求項1に記載の下着。
【請求項4】
前記下着は、前記患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、前記患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された第1及び第2の脚部と、を有する請求項1に記載の下着。
【請求項5】
前記下着は、前記患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、前記患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された第1及び第2の脚部と、を有しており、
前記下着は、前記下着の前側を画定する第1及び第2の重ねられたパッド層と、前記下着の後側を画定する第3及び第4の重ねられたパッド層と、により形成されている、請求項1に記載の下着。
【請求項6】
前記第1及び第2のパッド層と前記第3及び第4のパッド層とが、上部開口部から前記下着の最下端である第1及び第2の脚開口部まで延在する左右の縫い目線に沿って接合されている、請求項5に記載の下着。
【請求項7】
前記モノフィラメント糸が熱可塑性物質であり、
前記縫い目線は、超音波エネルギー、突き合わせ縫い、かがり縫い、粘着テープによる接合、及び、噴霧接着剤による接合からなる群より選択される縫い合わせ法によって形成される、請求項6に記載の下着。
【請求項8】
前記下着は、会陰開口部を備える、請求項1に記載の下着。
【請求項9】
前記下着は、パンタロン股関節スパイカギプス包帯用の下着を形成するように構成されている、請求項1に記載の下着。
【請求項10】
前記ギプス包帯テープは、水分硬化性樹脂でコーティング又は飽和されている合成繊維又はガラス繊維/非ガラス繊維基材からなる群より選択され、使用されるまで水分不浸透性パッケージ内において柔軟性のある状態で保存されており、前記ギプス包帯テープを前記水分不浸透性パッケージから取り出し、水分中に露出させたときに、前記下着上において柔軟性を有している間に、前記ギプス包帯テープの適用を可能にするのに十分に長い時間をかけて、前記基材が硬化する、請求項1に記載の下着。
【請求項11】
股関節スパイカギプス包帯を形成するために、ギプス包帯テープとともに使用される下着であって、
(a)モノフィラメント糸の布帛へと形成されるとともに、股関節スパイカギプス包帯着用患者の胴部周囲に配置し、かつ股関節スパイカギプス包帯着用患者の皮膚に直接配置するための解剖学的に適切な下着構造体へと作製された、少なくとも1層の3Dスペーサ合成パッド材料を備えており、
(b)前記パッド材料用の前記布帛は、少なくとも50コース/メートル、好ましくは200〜850コース/メートルで形成されており、
(c)前記パッド材料は、50〜400g/m2の重量であり、非圧縮又は非張力下において、約1.5〜3.5mmの呼び厚さを有する、
下着。
【請求項12】
前記下着は、患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、前記患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された第1及び第2の脚部と、を有しており、
前記下着は、前記下着の前側を画定する第1及び第2の重ねられたパッド層と、前記下着の後側を画定する第3及び第4の重ねられたパッド層と、により形成されている、請求項11に記載の下着。
【請求項13】
前記第1及び第2のパッド層と前記第3及び第4のパッド層とが、上部開口部から前記下着の最下端である第1及び第2の脚開口部まで延在する左右の縫い目線に沿って接合されている、請求項12に記載の下着。
【請求項14】
前記パッド材料は、100〜250g/m2の重量である、請求項11に記載の下着。
【請求項15】
(a)下着は、モノフィラメント糸の布帛へと形成されるとともに、股関節スパイカギプス包帯着用患者の胴部周囲に配置し、かつ股関節スパイカギプス包帯着用患者の皮膚に直接配置するための解剖学的に適切な下着構造体へと作製された、少なくとも1層の3Dスペーサ合成パッド材料を備えており、
(b)ギプス包帯テープは、水分硬化性樹脂でコーティング又は飽和されている合成繊維又はガラス繊維/非ガラス繊維基材からなる群より選択され、使用されるまで水分不浸透性パッケージ内において柔軟性のある状態で保存されており、前記ギプス包帯テープを前記水分不浸透性パッケージから取り出し、水分中に露出させたときに、前記下着上において柔軟性を有している間に、前記ギプス包帯テープの適用を可能にするのに十分に長い時間をかけて、前記基材が硬化し、
(c)前記ギプス包帯テープは、前記下着上及び患者の胴部周りに周方向に配置されている、
股関節スパイカギプス包帯。
【請求項16】
前記下着は、胴部分と、第1及び第2の脚部と、を有するパンタロン衣服を備える、請求項15に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【請求項17】
前記下着は、前記患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、前記患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された第1及び第2の脚部と、を有しており、
前記下着は、前記下着の前側を画定する第1及び第2の重ねられたパッド層と、前記下着の後側を画定する第3及び第4の重ねられたパッド層と、により形成されている、請求項15に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【請求項18】
前記第1及び第2のパッド層と前記第3及び第4のパッド層とが、上部開口部から前記下着の最下端である第1及び第2の脚開口部まで延在する左右の縫い目線に沿って接合されている、請求項17に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【請求項19】
前記パッド材料は、100〜250g/m2の重量である、請求項15に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【請求項20】
前記モノフィラメント糸が熱可塑性物質であり、
前記縫い目線は、超音波エネルギー、突き合わせ縫い、かがり縫い、粘着テープによる接合、及び、噴霧接着剤による接合からなる群より選択される縫い合わせ法によって形成される、請求項18に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【請求項21】
前記下着は、会陰開口部を備える、請求項15に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、焼石膏又は合成ギプス包帯テープから作製されたギプス包帯のように比較的剛性のある材料から、患者の皮膚を保護し、且つ患者の皮膚への衝撃を和らげるために使用するタイプのギプス包帯下パッドに用いられる整形外科用パッドからなる下着に関する。具体的には、本発明は、主として乳児及び他の小児患者用の股関節スパイカギプス包帯に関する。ギプス包帯は、非常に開放性のある水透過性及び空気透過性ギプス包帯テープ内に収容された非常に開放性のある水透過性及び空気透過性構造体を有することを特徴とするギプス包帯下パッド材料から作製される。
【背景技術】
【0002】
体の胴部、及び1本又は複数の肢部を備えるギプス包帯はスパイカギプス包帯と呼ばれる。股関節スパイカは、体の胴部、及び1本又は複数の脚部を備える。1本の脚のみを足首又は足まで覆う股関節スパイカは単下肢股関節スパイカと呼ばれる場合があり、両脚を覆うものは両下肢股関節スパイカと呼ばれる。単下肢半股関節スパイカは、一方の脚を足首又は足まで収容し、他方の脚を膝の真上まで収容する。股関節スパイカが胴部を覆う範囲は、外傷及び外科医に大きく依存する。スパイカが臍までにしか達せず、脊椎の可動性及び松葉杖の補助による歩行を可能にする場合がある。あるいは、一部のまれなケースでは、スパイカが肋骨郭又は更に腋窩にまで達する場合がある。股関節スパイカは先天性股関節脱臼又は形成異常症などのいくつかの症状及び外傷に対して使用される。
【0003】
場合によっては、股関節スパイカは1本又は複数本の脚の膝上までにしか達しない場合がある。そのようなギプス包帯は、パンタロンギプス包帯と呼ばれ、損傷した腰椎又は骨盤を固定するために使用される。この場合、通常、ギプス包帯の胴部分は、腋窩まで又は腋窩の真下まで達する。本出願において記載する具体例は、このようなパンタロンギプス包帯であるが、本発明はこの具体的なタイプのギプス包帯に限定されない。
【0004】
従来の股関節スパイカギプス包帯は、綿又は合成繊維製のシンプルなストッキネット及びパッド材料から作製され、耐水性能が乏しい又は無い。実際、綿及び一部の合成パッドは大量の水を吸収し、且つ保持する。通常、股関節スパイカギプス包帯は、6〜10週間の間、着用される。この期間中、吸水性のストッキネットを有する従来のギプス包帯は、皮膚浸軟及び不快感を促進するおそれがある。これは、失禁のため尿及び糞便でギプス包帯を汚す可能性が遙かに高い乳児及び非常に小さな子供においては、特に問題である。用便、又はおむつ交換及び衛生的な手入れを容易にするため、通常、ギプス包帯の鼠径部に「会陰開口部」と呼ばれる開口部が形成される。この開口部は、ギプス包帯適用中又はギプス包帯適用後のいずれかにおいて、ギプス包帯鋸で穴を開けることによって形成される。その後、ギプス包帯のこの領域を清潔且つ乾燥したままに維持するため、この開口部にペタルを施すか、裏張りを施す必要がある。しかしながら、これは特に乳児及び小さな子供においては困難である。実際に、従来の股関節スパイカギプス包帯適用後の比較的短期間のうちに、会陰開口部周囲の領域が尿及び糞便で汚れ、1か月以上の間、我慢するか種々の脱臭剤で消す必要のある悪臭が発生する。発疹、浸軟、皮膚及び全身性感染症、開放創及びその他の状態により治療スケジュールが遅れる場合があり、乳児又は小児患者に痛み及び不快感を強いる場合がある。
【0005】
本発明は、材料を、患者に着用させることができる解剖学的形状及びサイズの下着に形成することを可能にし、その後、適切な水透過性及び空気透過性の合成ギプス包帯テープを巻くことによってスパイカギプス包帯を形成する、より適合性のある、耐水性の製品を提供する。
【0006】
従来のギプス包帯パッド及び市販の耐水性パッドに関する課題の1つは、構造体に水及び汗が吸収されるにつれて、パッドがギプス包帯下において4〜6週間の期間で崩壊することである。この厚みの低減及び結果的な密度の増加により、吸い上げ及び蒸発の両方による水分移動が遅れ、パッドにより提供される保護が低下する。
【0007】
本発明による股関節スパイカギプス包帯は、入浴、シャワー、及び洗浄のための水との接触に対応するとともに、表面水分を乾燥させ、且つ股関節スパイカギプス包帯の内部の水分を比較的迅速に蒸発させて、患者を乾いたままに保ち且つ快適にする。年少の患者に対しては、患者を、例えば、手持式スプレーノズルの近傍に保持し、ギプス包帯に温かい洗浄水を軽く噴霧することができる。尿は容易に洗い流され、糞便は溶解し、希釈され、排出される。患者は清潔且つ無臭のままとされる。表面の余分な水は吸水性の布又は紙タオルで容易に吸い取られ、内部の水は約1時間以内に蒸発する。このプロセスは全治療期間の間、必要に応じて繰り返すことができる。更に、上述のように患者を清潔にする機能により、場合によっては会陰開口部を設ける必要がないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、衣服へと形成される水及び空気透過性のあるパッド材料から形成され、且つ、水透過性及び空気透過性の合成ギプス包帯テープ内に収容された股関節スパイカギプス包帯を提供することである。本発明の別の目的は、合成ギプス包帯下に着用した際に、快適な整形外科用パッドを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、比較的薄いが十分なクッション性をなお提供し、したがって、適用時に適切に重ねられると、薄型のギプス包帯下層を提供する衣服の形態の股関節スパイカギプス包帯を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、比較的開放的であり、したがって、通気性のある股関節スパイカギプス包帯を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、長期の使用において、崩壊に耐える股関節スパイカギプス包帯を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、濡れが生じた際に、ギプス包帯からの排水を促進する股関節スパイカギプス包帯を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、合成ギプス包帯テープが巻き付けられている状態下において、皮膚に着用した際に快適であり、通気性のある股関節スパイカギプス包帯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のこれら及び別の目的は、股関節スパイカギプス包帯を形成するために、ギプス包帯テープとともに使用される下着を提供することで達成される。下着は、モノフィラメント糸の布帛へと形成されるとともに、股関節スパイカギプス包帯着用患者の胴部周囲に配置し、かつ股関節スパイカギプス包帯着用患者の皮膚に直接配置するための解剖学的に適切な下着構造体へと作製された、少なくとも1層の3Dスペーサ合成パッド材料を備える。
【0015】
本発明の別の実施態様では、下着は、胴部分、及び少なくとも1つの一体形成された脚部を有する。
【0016】
本発明の別の実施態様では、下着は、患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された少なくとも1つの一体形成された脚部と、を有する。
【0017】
本発明の別の実施態様では、下着は、患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された第1及び第2の脚部と、を有する。
【0018】
本発明の別の実施態様では、下着は、患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された第1及び第2の脚部と、を有しており、下着は、下着の前側を画定する第1及び第2の重ねられたパッド層と、下着の後側を画定する第3及び第4の重ねられたパッド層と、により形成されている。
【0019】
本発明の別の実施態様では、第1及び第2のパッド層と第3及び第4のパッド層とが、上部開口部から下着の最下端である第1及び第2の脚開口部まで延在する左右の縫い目線に沿って接合されている。
【0020】
本発明の別の実施態様では、モノフィラメント糸が熱可塑性物質であり、縫い目線は、超音波エネルギー、または、突き合わせ、もしくはかがり縫い、もしくは、粘着テープ、もしくは噴霧接着剤による接着のような他の適切な方法によって形成される。
【0021】
本発明の別の実施態様では、下着は、会陰開口部を備える。
【0022】
本発明の別の実施態様では、下着は、パンタロン股関節スパイカギプス包帯用の下着を形成するように構成されている。
【0023】
本発明の別の実施態様では、ギプス包帯テープは、水分硬化性樹脂でコーティング又は飽和されている合成繊維又はガラス繊維/非ガラス繊維基材からなる群より選択され、使用されるまで水分不浸透性パッケージ内において柔軟性のある状態で保存されており、ギプス包帯テープを水分不浸透性パッケージから取り出し、水分中に露出させたときに、下着上において柔軟性を有している間に、ギプス包帯テープの適用を可能にするのに十分に長い時間をかけて、基材が硬化する。
【0024】
本発明の別の実施態様では、股関節スパイカギプス包帯を形成するために、ギプス包帯テープとともに使用される下着が提供されており、下着は、モノフィラメント糸の布帛へと形成されるとともに、股関節スパイカギプス包帯着用患者の胴部周囲に配置し、かつ股関節スパイカギプス包帯着用患者の皮膚に直接配置するための解剖学的に適切な下着構造体へと作製された、少なくとも1層の3Dスペーサ合成パッド材料と、備えており、パッド材料用の布帛は、少なくとも50コース/メートル、好ましくは200〜850コース/メートルで形成されており、パッド材料は、50〜400g/m
2の重量であり、非圧縮又は非張力下において、約1.5〜3.5mmの呼び厚さを有する。
【0025】
本発明の別の実施態様では、下着は、患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された第1及び第2の脚部と、を有しており、下着は、下着の前側を画定する第1及び第2の重ねられたパッド層と、下着の後側を画定する第3及び第4の重ねられたパッド層と、により形成されている。
【0026】
本発明の別の実施態様では、第1及び第2のパッド層と第3及び第4のパッド層とが、上部開口部から下着の最下端である第1及び第2の脚開口部まで延在する左右の縫い目線に沿って接合されている。
【0027】
本発明の別の実施態様では、股関節スパイカギプス包帯が提供されており、股関節スパイカギプス包帯は、モノフィラメント糸の布帛へと形成されるとともに、股関節スパイカギプス包帯着用患者の胴部周囲に配置し、かつ股関節スパイカギプス包帯着用患者の皮膚に直接配置するための解剖学的に適切な下着構造体へと作製された、少なくとも1層の3Dスペーサ合成パッド材料を備えており、ギプス包帯テープは、水分硬化性樹脂でコーティング又は飽和されている合成繊維又はガラス繊維/非ガラス繊維基材からなる群より選択され、使用されるまで水分不浸透性パッケージ内において柔軟性のある状態で保存されており、ギプス包帯テープを水分不浸透性パッケージから取り出し、水分中に露出させたときに、下着上において柔軟性を有している間に、ギプス包帯テープの適用を可能にするのに十分に長い時間をかけて、基材が硬化する。ギプス包帯テープは、下着上及び患者の胴部周りに周方向に配置されている。
【0028】
本発明の目的のいくつかを上に記載した。本発明の他の目的及び利点については、以下の図面と併せて解釈され、本発明の説明を進める際に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態による股関節スパイカギプス包帯下着の斜視図である。
【
図2】本発明の別の実施形態による、会陰開口部が設けられた別の股関節スパイカギプス包帯下着の斜視図である。
【
図3】パッド材料の複数のシートを重ね合わせることによる
図1又は
図2の下着の形成を示す分解図である。
【
図4】乳児の所定の位置に装着されたパッド下着を示す環境図である。
【
図5】ギプス包帯テープを下着パッド材料上に貼付した後の股関節スパイカギプス包帯を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで具体的に図面を参照すると、股関節スパイカ下着10が示されている。この特定の股関節スパイカ下着10は、患者の腋窩下から膝上まで延在するパンタロン股関節スパイカである。上述のように、他の種類の股関節スパイカギプス包帯もあり、それらについてはこれ以上説明しないが本発明の範囲内に含まれる。下着10は、胴部12と、2つの一体形成された脚14及び脚16と、を備えており、それらは、パッド材料の前部及び背部ブランク18及び20で構成されている。患者は、脚が各々の脚開口部24、26を通過している状態で、下着10に腰開口部22を通じて配置される。示される下着10は、ブランク18及び20が形成される合成材料の超音波溶接によって左側及び右側、並びに各脚14、16の内側が縫い合わされている。下着10を構成するのに好適な材料の1つは、現在、BSN medical、Inc.及びBSN medical、GmbHにより製造販売されているDelta−Dry(登録商標)ブランドの合成パッドとして細片で販売されているシート形態のパッドである。
図2は、胴部32と、2つの一体形成された脚34及び脚36と、を備えた股関節スパイカパンタロン下着30を示している。胴部32と、2つの一体形成された脚34及び脚36は、Delta−Dry(登録商標)ブランド合成パッド材料の前部及び背部シート38及び40で構成されている。患者は、脚が各々の脚開口部44、46を通過している状態で下着30に上部開口部42を通じて配置される。示される下着30は、ブランク38及び40が形成される合成材料の超音波溶接によって、左側及び右側、並びに各脚34、36の内側が縫い合わされている。また、縫い目は、突き合わせ縫いもしくはかがり縫い、又はテープもしくは噴霧接着剤形態のいずれかの接着剤などの任意の適切な方法によって形成してもよい。下着30は会陰開口部50を備えており、会陰開口部50は、下着30が作製される際に予め形成してもよく、適用中に所望のサイズ、位置及び形状に切り抜いてもよい。
【0031】
図1に示される下着10を参照して
図3に示すように、各ブランク18及び20は、それら自体がDelta−Dry(登録商標)ブランド合成パッドなどのパッド材料18A、18B及び20A、20Bの2つの層で形成されることが好ましい。層18A、18B及び20A、20Bによって提供される2倍の厚みは、快適性を提供し、且つ下着10上に貼付されたギプス包帯テープ上に存在する化学物質と皮膚の接触を保護することを助ける。二重層は、快適性の向上を提供し、さらに1000g/m
2/24時間超の湿分蒸気透過率(MVTR)を提供する。他の実施形態は、1倍の厚み又は3倍以上の厚みのパッド材料を含んでもよい。
【0032】
図1、2及び3に示されるパッドの層は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン及びナイロンなどの任意の適切な疎水性/耐水性モノフィラメント糸を用いて構成されうる。使用されるモノフィラメント糸は、好ましくは、少なくとも0.03mmの直径を有し、且つ十分なクッション性及び通気性を提供するため、3Dスペーサ繊維構造により構成されている。また、モノフィラメント疎水性糸を両面及びスペーサ領域に使用すると、耐水性、軽量性、通気性、及び長期使用中の水分及び細菌による崩壊及び劣化への耐性が向上することが判明している。そのような布帛については米国特許出願公開第2012/0220908号明細書の段落0063〜0068に記載されている。
【0033】
パッド材料18A、18B、20A、20Bは、任意の適切な有機又は無機モノフィラメント糸、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン及びナイロンなどの疎水性/耐水性モノフィラメント糸を用いて組み立てられうる。パッド材料を構成するのに使用されるモノフィラメント糸は、好ましくは、少なくとも0.03mmの直径を有する。十分なクッション性及び通気性を提供するため、パッド材料は3Dスペーサ繊維構造で構成されている。また、両面及びスペーサ領域にモノフィラメント疎水性糸を使用することにより、耐水性、軽量性、通気性、及び長期使用中の水分及び細菌による崩壊及び劣化への耐性が向上することが判明している。
【0034】
パッド材料は、製織などの任意の適切な布帛形成技術、例えば横糸編み及び縦糸編みなどの種々の製編技術、不織、縫い合わせ又はこれら技術の組み合わせを用いて形成される。好ましくは、当該構造体は長さ方向及び幅方向の両方においていくらかの伸展を提供すべきであり、適用時に下着10及び30を解剖学的形状に適合させることを容易にすべきである。
【0035】
機能性を向上するため、又は患者のギプス包帯着用体験を向上するために、パッド材料は、追加の耐水性、抗菌及び/もしくは防臭特性、又はアロマテラピーを付与する1種又は複数種の仕上げにより処理されうる。あるいは、パッド材料は、性能を向上させるために、適切なフィラー又は仕上げを組み込んだ改質/処理モノフィラメント糸から作製されうる。
【0036】
1つの好適な実施形態においては、下着10はポリプロピレンモノフィラメント及び低タック性感圧接着剤を1つの面に用いた3Dスペーサ布帛として作製される。モノフィラメント糸は、少なくとも0.03mm、好ましくは、0.05〜0.25mmの直径を有する。好ましくは、パッド材料には追加の仕上げ又は撥水処理が必要ない。
【0037】
より具体的には、パッド材料の1つの好適な実施形態は、ダブルニードル列編機においてポリプロピレンモノフィラメント糸から作製され、ラッシェル編機又はクロッシェ編機のいずれかで編むことができる。パッド材料は、好ましくは、表面には鎖編及び挿入編、スペーサ領域には3本針又は5本針Vステッチを用いて作製される。糸は0.03〜0.25mmの直径を有する。パッド材料用の布帛は、少なくとも50コース/メートル、好ましくは200〜850コース/メートルで形成される。パッド材料は50〜400g/m
2、より好ましくは100〜250g/m
2の重さである。パッド材料は、非圧縮又は非張力下にある場合、約1.5〜3.5mmの呼び厚さを有する。
【0038】
代替的に、ギプス包帯下のライナーは、更に一層の患者の快適性を提供するために、糸のうち少なくとも1つがマルチフィラメント又は紡績糸であるスペーサ布帛として作製されてもよい。排水を向上し、より迅速な乾燥を提供するため、ライナーは、適切なフッ素化合物、シリコーン、又はその他の撥水仕上げにより処理されてもよい。
【0039】
、パッド材料は、製織、種々の製編技術、例えば横糸編み及び縦糸編み、不織、縫い合わせ、又はこれらの技術の組み合わせなどの任意の適切な布帛形成技術を用いて形成されてもよい。好ましくは、当該構造体は長さ方向及び幅方向の両方においていくらかの伸展を提供すべきであり、適用時に体の胴部及び脚の解剖学的形状に下着10又は30を適合させることを容易にすべきである。
【0040】
上述のように、Delta−Dry(登録商標)ブランドの合成パッドが好適である。機械から取り外し、60分の緩和時間後の布帛重量は105g/m
2である。ここで
図4及び
図5を参照すると、一例として、
図3の下着30は、脚上及び胴部全体から医療的に適切な位置、全般的に腋窩まで又は腋窩のすぐ下まで装着することにより乳児に適用されている。上述のように、下着30により提供される伸展により、しわ又は折り目なしに迅速で正確に、密に適合する適用が可能になる。下着30の下に、ストッキネット又はその他の材料は使用されていない。下着30は、皮膚に直接配置されている。会陰開口部50は、下着30に形成されているか、適用時に形成されるかのいずれかである。
【0041】
図5に示されるように、下着30の適用後、合成ギプス包帯テープ60の巻き付けが適用される。好ましいギプス包帯テープは、BSN medical、Inc.及びBSN medical、GmbHにより製造販売されているDelta−Cast(登録商標)ブランドの合成繊維ギプス包帯テープ又はDelta−Lite(登録商標)ブランドのガラス繊維ギプス包帯テープである。これらのギプス包帯テープは、種々の幅にて供給されており、特定の幅の選択は医師又はギプス包帯技術者に委ねられている。2インチ又は3インチギプス包帯テープが、多くの場合使用される。ギプス包帯テープ60は、その水分不浸透性のパウチから濡れた状態で取り出され、余分な水は吸水性のタオルに巻かれる際にギプス包帯テープ60を密着させることによって除去される。その後、ギプス包帯テープ60は、隣接する巻きに適切に重なり、しわ及びひだが取り除かれ、上部開口部42、脚開口部44及び46、並びに会陰開口部50において、露出された下着の短い幅が残るように、通常通り注意を払いながらギプス包帯テープ60を患者の周りに周方向に巻き付けることによって、下着30上に貼付され、且つ負傷した肢に貼付される。この結果が
図5に示されるギプス包帯62である。特定のギプス包帯テープの貼付手法は、医療処置事項である。先行技術によるパッド材料の細片のアンダーラッピングの貼付を示した1つのそのような処置については、BSN medical、Inc.、(著作権)BSN medical、Inc.、2011により出版されたApplication Manual−Hip Spica Castのページ10〜16に記載されている。
【0042】
ギプス包帯テープ60は数分で硬化し、
図5に示すような硬いギプス包帯60を形成するが、それにもかかわらずこの硬いギプス包帯60は非常に水透過性及び空気透過性がある。通常、ギプス包帯62の胴部分のギプス包帯テープ60の外部表面を患者の腕がこすらないようにするために、ギプス包帯60の胴部分は軟らかい布又は衣服で被覆されうる、または、患者の腕が軟らかい衣服で覆われる。
【0043】
乳児又は若年の患者に関しては、患者を、例えば、手持式スプレーノズルの近傍に保持し、ギプス包帯に温かい洗浄水を軽く噴霧することができる。尿は容易に洗い流され、糞便は溶解し、希釈され、排出される。患者は清潔且つ無臭のままとされる。過剰な表面水は、吸水性の布又は紙タオルで容易に吸い取られ、内部の水は約1時間以内に蒸発する。このプロセスは全治療期間の間必要に応じて繰り返すことができる。更に、上述のように患者を清潔にする機能により、場合によっては会陰開口部を設ける必要がないことがある。
【0044】
本発明による股関節スパイカギプス包帯の形成に用いるための下着及び股関節スパイカギプス包帯は、特定の実施形態及び例を参照して記載してきた。本発明の種々の詳細は本発明の範囲から逸脱することなく変更してもよい。更に、前述の本発明の好適な実施形態及び本発明を実施するための最良実施態様の記載は単に説明目的で提供されるものであり、限定目的ではなく、本発明は特許請求の範囲によって定義される。
【手続補正書】
【提出日】2016年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
股関節スパイカギプス包帯を形成するために、ギプス包帯テープとともに使用される下着であって、
モノフィラメント糸の布帛へと形成されるとともに、股関節スパイカギプス包帯着用患者の胴部周囲に配置し、かつ股関節スパイカギプス包帯着用患者の皮膚に直接配置するための解剖学的に適切な下着構造体へと作製された、少なくとも1層の3Dスペーサ合成パッド材料を備える、下着。
【請求項2】
前記下着は、胴部分、及び少なくとも1つの一体形成された脚部を有する、請求項1に記載の下着。
【請求項3】
前記下着は、前記患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、前記患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された少なくとも1つの一体形成された脚部と、を有する、請求項1に記載の下着。
【請求項4】
前記下着は、前記患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、前記患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された第1及び第2の脚部と、を有する請求項1に記載の下着。
【請求項5】
前記下着は、前記下着の前側を画定する第1及び第2の重ねられたパッド層と、前記下着の後側を画定する第3及び第4の重ねられたパッド層と、により形成されている、請求項4に記載の下着。
【請求項6】
前記第1及び第2のパッド層と前記第3及び第4のパッド層とが、上部開口部から前記下着の最下端である第1及び第2の脚開口部まで延在する左右の縫い目線に沿って接合されている、請求項5に記載の下着。
【請求項7】
前記モノフィラメント糸が熱可塑性物質であり、
前記縫い目線は、超音波エネルギー、突き合わせ縫い、かがり縫い、粘着テープによる接合、及び、噴霧接着剤による接合からなる群より選択される縫い合わせ法によって形成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の下着。
【請求項8】
前記下着は、会陰開口部を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の下着。
【請求項9】
前記下着は、パンタロン股関節スパイカギプス包帯用の下着を形成するように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の下着。
【請求項10】
前記ギプス包帯テープは、水分硬化性樹脂でコーティング又は飽和されている合成繊維又はガラス繊維/非ガラス繊維基材からなる群より選択され、使用されるまで水分不浸透性パッケージ内において柔軟性のある状態で保存されており、前記ギプス包帯テープを前記水分不浸透性パッケージから取り出し、水分中に露出させたときに、前記下着上において柔軟性を有している間に、前記ギプス包帯テープの適用を可能にするのに十分に長い時間をかけて、前記基材が硬化する、請求項1に記載の下着。
【請求項11】
股関節スパイカギプス包帯を形成するために、ギプス包帯テープとともに使用される下着であって、
(a)モノフィラメント糸の布帛へと形成されるとともに、股関節スパイカギプス包帯着用患者の胴部周囲に配置し、かつ股関節スパイカギプス包帯着用患者の皮膚に直接配置するための解剖学的に適切な下着構造体へと作製された、少なくとも1層の3Dスペーサ合成パッド材料を備えており、
(b)前記パッド材料用の前記布帛は、少なくとも50コース/メートル、好ましくは200〜850コース/メートルで形成されており、
(c)前記パッド材料は、50〜400g/m2の重量であり、非圧縮又は非張力下において、約1.5〜3.5mmの呼び厚さを有する、
下着。
【請求項12】
前記下着は、患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、前記患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された第1及び第2の脚部と、を有しており、
前記下着は、前記下着の前側を画定する第1及び第2の重ねられたパッド層と、前記下着の後側を画定する第3及び第4の重ねられたパッド層と、により形成されている、請求項11に記載の下着。
【請求項13】
前記第1及び第2のパッド層と前記第3及び第4のパッド層とが、上部開口部から前記下着の最下端である第1及び第2の脚開口部まで延在する左右の縫い目線に沿って接合されている、請求項12に記載の下着。
【請求項14】
前記パッド材料は、100〜250g/m2の重量である、請求項11から13のいずれか一項に記載の下着。
【請求項15】
(a)下着は、モノフィラメント糸の布帛へと形成されるとともに、股関節スパイカギプス包帯着用患者の胴部周囲に配置し、かつ股関節スパイカギプス包帯着用患者の皮膚に直接配置するための解剖学的に適切な下着構造体へと作製された、少なくとも1層の3Dスペーサ合成パッド材料を備えており、
(b)ギプス包帯テープは、水分硬化性樹脂でコーティング又は飽和されている合成繊維又はガラス繊維/非ガラス繊維基材からなる群より選択され、使用されるまで水分不浸透性パッケージ内において柔軟性のある状態で保存されており、前記ギプス包帯テープを前記水分不浸透性パッケージから取り出し、水分中に露出させたときに、前記下着上において柔軟性を有している間に、前記ギプス包帯テープの適用を可能にするのに十分に長い時間をかけて、前記基材が硬化し、
(c)前記ギプス包帯テープは、前記下着上及び患者の胴部周りに周方向に配置されている、
股関節スパイカギプス包帯。
【請求項16】
前記下着は、胴部分と、第1及び第2の脚部と、を有するパンタロン衣服を備える、請求項15に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【請求項17】
前記下着は、前記患者の胴部分に配置するための上部開口部を備える胴部分と、脚開口部において終端し、前記患者の股関節部と膝との間に配置されるように構成された第1及び第2の脚部と、を有しており、
前記下着は、前記下着の前側を画定する第1及び第2の重ねられたパッド層と、前記下着の後側を画定する第3及び第4の重ねられたパッド層と、により形成されている、請求項15に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【請求項18】
前記第1及び第2のパッド層と前記第3及び第4のパッド層とが、上部開口部から前記下着の最下端である第1及び第2の脚開口部まで延在する左右の縫い目線に沿って接合されている、請求項17に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【請求項19】
前記モノフィラメント糸が熱可塑性物質であり、
前記縫い目線は、超音波エネルギー、突き合わせ縫い、かがり縫い、粘着テープによる接合、及び、噴霧接着剤による接合からなる群より選択される縫い合わせ法によって形成される、請求項18に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【請求項20】
前記パッド材料は、100〜250g/m2の重量である、請求項15から19のいずれか一項に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【請求項21】
前記下着は、会陰開口部を備える、請求項15から20のいずれか一項に記載の股関節スパイカギプス包帯。
【国際調査報告】