(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-523612(P2016-523612A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(54)【発明の名称】歯科用器具システムおよび製造方法
(51)【国際特許分類】
A61C 19/00 20060101AFI20160715BHJP
A61F 5/56 20060101ALI20160715BHJP
A61M 16/06 20060101ALI20160715BHJP
A61C 7/08 20060101ALI20160715BHJP
【FI】
A61C19/00 M
A61F5/56
A61M16/06 D
A61C7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-518419(P2016-518419)
(86)(22)【出願日】2014年6月3日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月3日
(86)【国際出願番号】US2014040763
(87)【国際公開番号】WO2014197516
(87)【国際公開日】20141211
(31)【優先権主張番号】61/830,994
(32)【優先日】2013年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/830,755
(32)【優先日】2013年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515334739
【氏名又は名称】フランツ,ドナルド
【氏名又は名称原語表記】FRANTZ, Donald
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】フランツ,ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】フランツ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】キンチェン,デーン
【テーマコード(参考)】
4C052
4C098
【Fターム(参考)】
4C052AA20
4C052JJ10
4C098AA02
4C098BB15
4C098BB20
4C098BC46
4C098DD26
(57)【要約】
歯の熱成形処理器具を製造する為の方法:これにはディスクを形成する為の熱可塑性ポリエステルを含む材料を成形する注射、そして歯科熱成形治療器具を形成する為に形状の上にディスクを熱成形することが含まれます。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用熱成型治療器具を製造するための方法。
下記の方法:
ディスクを形成するための熱可塑性ポリエステルを含む材料の射出成型および
歯科用熱成型治療器具を形成するための
形状にたいしてディスクの熱形成。
【請求項2】
歯科用熱成型治療器具を形成するための形状にたいするディスクの熱形成の点において、
請求項1の方法は以下を含む。
熱可塑性ポリエステルを含む材料が患者の歯の型に付着するように
熱可塑性ポリエステルを含む材料を
患者の歯の型の上に吸引成型する。
【請求項3】
ディスクを形成するための熱可塑性ポリエステルを含む材料を射出成型する点において、
請求項1の方法は以下を含む。
ポリエチレンテレフタラートの射出成型。
【請求項4】
ディスクを形成するための熱可塑性ポリエステルを含む材料を射出成型する点において、
請求項1の方法は以下を含む。
グリコール変性ポリエチレンテレフタラートの射出成型(PTEG)。
【請求項5】
歯科用治療器具を製造するための方法は、
以下を構成する。
化学結合物質を形成するために熱可塑性エラストマー材で熱可塑性ポリエステルを含む材料を射出成型する、
および
オーバーモールド射出成型された
化学結合物質を熱成型し歯科用治療器具を形成する。
【請求項6】
歯科用治療器具を形成するためにオーバーモールド射出成型された化学結合物質を熱成型する点において、請求5の方法は以下を含む。
化学結合物質の熱可塑性エラストマ材側が
患者の歯の型に付着するように患者の歯型に
化学結合物質を吸引成型する。
【請求項7】
化学結合物質を形成するために熱可塑性エラストマ材で熱可塑性ポリエステルを含む材料を射出成型する点において、請求5の方法は以下を含む。
コポリエステルおよび熱可塑性エラストマ(TPE)
を使用して、オーバーモールド成型プロセスを介して射出成型する。
【請求項8】
化学結合物質を形成するために熱可塑性エラストマ材で熱可塑性ポリエステルを含む材料を射出成型する点において、請求5の方法は以下を含む。
コポリエステルおよび熱可塑性エラストマ(TPE)
熱可塑性ポリエステル(TPE)でポリエチレンテレフタラート(PTE)のオーバーモールド成型を介して射出成型する。
【請求項9】
熱可塑性ポリエステル(TPE)でポリエチレンテレフタラート(PTE)のオーバーモールド成型を介して射出成型する点において、請求8の方法は以下を含める。
二重過程を使用して、単一射出成型を介してオーバーモールド成型する。
【請求項10】
熱可塑性ポリエステル(TPE)でポリエチレンテレフタラート(PTE)のオーバーモールド成型を介して射出成型する点において、請求8の方法は以下を含める。
PTEがグリコール変性ポリエチレンテレフタラート(PTEG)である
PTEのオーバーモールド成型。
【請求項11】
歯科用器具は以下を構成する。
患者の歯を覆うために成型された歯科用トレー、
歯科器具を形成するために形状にたいする射出成型したディスクを熱成型することによって成形した歯科用トレー。
【請求項12】
請求11の歯科用器具は熱可塑性ポリエステル(TPE)プラスチックを
射出成型することによって、射出成型されたディスクが成形される。
【請求項13】
歯科用器具は以下を構成する。
患者の歯を覆うために成型されたトレー、
オーバーモールド成型された重層の複合高分子化合物を熱成型することによって形成されたトレー、
およびトレーの外部用に構成された一次デュロメータの熱可塑性プラスチック材
および、トレーの内部用に構成された二次デュロメータの
熱可塑性プラスチック
材を含むトレー。
【請求項14】
請求項13の歯科器具は、
熱可塑性ポリエステル(TPE)でポリエチレンテレフタラート(PTE)のオーバーモールド成型を介して射出成型することでオーバーモールド成型された重層の複合高分子化合物が形成される。
【請求項15】
請求項13の歯科器具は、熱可塑性ポリエステル(TPE)で
熱可塑性ポリエステル(TPE)でポリエチレンテレフタラート(PTE)のオーバーモールド成型を介してオーバーモールド成型された重層の複合高分子化合物が形成される。
【請求項16】
請求項13の歯科器具の一次デュロメーターおよび二次デュロメーターは異なり、
10〜100ショアA の間のものである。
【請求項17】
請求項13の歯科器具はさらに以下を構成する。
二次トレー、少なくとも一つのトレーがオーバーモールド成型された重層の複合高分子化合物が熱成型することによって形成されるトレー及び二次トレー。
【請求項18】
請求項13の歯科用器具における熱成型は患者の歯型を使用して吸引成型過程である。
【請求項19】
請求項13の歯科器具におけるトレーは以下を含める。
可撤式弾性帯を取り付けるための一つまたはそれ以上の弧状部材。
【請求項20】
請求項19の歯科器具はさらに以下を構成する。
二次トレー、二次トレーに弾性体を可撤的に取り付けられる
一つまたはそれ以上の付属品を含む歯科用二次トレー。
【請求項21】
請求項20の歯科器具は、
トレー及び二次トレーは歯科器具を睡眠時無呼吸患者の口に
取り外し可能で挿入するための弾性体を介して取り付けられる。
【請求項22】
歯科器具を製造するための方法は以下を構成する。
高分子化合物射出成型および、オーバーモールド射出成型された
化学結合物質を熱成型し歯科用治療器具を形成する。
【請求項23】
歯科用治療器具を形成するための化学結合物質のオーバーモールド射出成型を熱成型する請求項22の方法は以下を含む。
患者の歯型に高分子化合物を吸引成型する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本申請は、一般に歯科用器具の製造および方法に関するものである。
【0002】
気道を開き、下顎が前に出るように設計された口腔装置は睡眠時無呼吸
および、いびきを大いに軽減するということが文献においてよく知られている。また、
こうした器具は、患者にかなりの不快感、
望んでいない歯の移動、および/または顎関節症(TMJ)の痛み、
ならびに他の問題をもたらすことも知られている。
【0003】
いびきや睡眠時無呼吸を防止するための様々な
試験口腔器具が利用可能である。これらのうち、全てが取り外し可能であり、そしてそのほとんどが下額を前方に出す様式である。ほとんどの歯科睡眠器具は
温湯成形型である。そうした器具は
効果的ではなく、患者の満足度やコンプライアンスを得られるものではなかった。こうした不快な器具は、カスタムメイドの口腔器具による治療を好む患者の気持ちの高まりに
つながっていった。
【0004】
また、複数の取り外し可能ないびき・睡眠時無呼吸の治療のための口腔器具は調整可能で、異なる度合いで顎を前方に引き出し、その最大移動の割合を設定できる。しかしながら、既存の器具は前方への移動量および垂直開口度における理想的な
調整ができない。代わりに、器具への一時的または永久的な調整が
スペーサーを設け、ねじを締め付けるかまたはプラスチックまたは他の材料を研削することによってなされる。
【0005】
こうした修正は顎を前に押し出す量を変更するが、
特定の隆起点で患者の顎を固定することは顎関節症の痛みを引き起こす危険がある。しかしながらいったん修正が行われると、
医師によって変更されるまで、永続的に続くことになる。要約すると、
顎を前方に押し出す量を変更することのできる機器は存在するが、
そうした変化は、多くの場合下顎での新たな固定位置による痛みや不快感につながる。
他の機器では器具の効能を高めるために、
下顎の垂直または尾側転位が簡単に起こらないようになっている。
【0006】
患者の歯型に基づいて研究室で作られたカスタム型を含む、プラスチック製の口腔器具の別の問題点は、
耐久性である。吸引成型の器具は一般的に、
吸引成形プロセスのためのディスクを作成するために、以前は型から押し出され、カットされたプラスチックから作られていた。必要とされるのは、
効果的で、患者満足度が高く、顎関節症、望んでいない歯の移動または痛みを引き起こすことのない調整可能ないびき・睡眠時無呼吸のための口腔治療器具である。その他必要とされるのは、毎夜使っても壊れることがない耐久度があり、かつ快適に使用できる器具である。
【0007】
本発明の器具は下顎の前方への移動量および、
垂直開口量の双方において完璧に調整可能な機能を備え、
顎関節症、望まない歯の移動および痛みを抑える一方で、
睡眠時無呼吸およびいびきを大いに減少または
除去するためのものである。別のものとしては、高い患者満足度と、快適さ、および治療成功率を高める下顎前方固定器具である。
【0008】
一面においては、
歯科用器具の製造方法は化学結合物質を形成するために熱可塑性ポリエステルを含む物質を熱可塑性エラストマー材によって、
射出オーバーモールド成形することを含むが、それに限られたものではなく、歯科用治療器具の形成するために、
射出オーバーモールド成形をした化学結合物質を熱成形することも含む。上記に加えて、
他の方法の側面は本申請の一部を構成する請求、図、テキストにおいて説明される。
【0009】
別の面では、歯科用器具は患者の歯をカバーするために成形されたトレー、
オーバーモールド成形された重層の複合高分子化合物を熱成形することによって成形されたトレー、
トレーの外部用に構成された一次デュロメータの熱可塑性プラスチック材および、
トレーの内部用に構成された二次デュロメータの熱可塑性プラスチック材を含む
歯科用トレーを含む。上記に加えて、他の面は本申請の一部を構成する請求、
図およびテキストにて説明されている。
【0010】
上記は要約であり、それゆえ必要に応じて簡素化、
一般化および詳細の省略を含んでいる。
結果として、当業者は要約は単なる例示であり、限定的になることは決して意図していないことを認識する。他の面、特徴、及び器具の利点および/またはプロセスおよび/または
本申請書において説明される他の主題は、本申請書に記載されたテキストによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本申請の主題のより良い理解は、
以下の開示された実施形態の詳細な説明が
以下の図面と併せて考慮されるときに得られる。
【0012】
【
図1】
図1Aと1Bは現適用の主題の実施形態による方法の流れ図です。
【0013】
【
図2】
図2は、本申請書の主題の実施形態に応じた歯型用の熱成形プラスチックのための吸引成型装置を示す図である。
【0014】
【
図3】
図3は、本申請書の主題の実施例に応じた歯科用器具を示す。
【0015】
異なる図面における同一の符号の使用は、一般的に
類似または同一の項目を指す。
図面の詳細な説明
【0016】
以下の説明では、本申請書の主題は
他に明示されることがない限り
一台以上の機械およびまたはコンピューターによって行われた行為および象徴的動作を参照し、説明される。
【0017】
提示されたそれぞれの実施例において、
歯科用器具は射出高分子化合物成型、及び射出成型した化学結合物質を熱成型すること
によって形成される。重要なこととしては、吸引成型器具において
押出材を用いる代わりに射出成形材が使用されている。歯科器具用に吸引成型された押出プラスチックの分子は、
熱処理によって弱まることが発見され、
その結果、耐久性のない、脆い製品につながる。
本申請書の実施例は、押出プラスチックを用いる代わりに
歯科用器具のための射出成型プラスチックを用いる異なる応用可能な歯科技術を対象とする。射出成型プロセスはより強力な素材の成形を可能にするだけでなく、
オーバーモールド成型を可能にすることにより、接着剤または薄層化の必要性を省くことができる。
【0018】
スプリント、顎関節痛治療器、漂白トレー及び睡眠呼吸障害治療器のような機器を作るために、現在歯科業界で使われているディスク用に使われる素材は
押出材から作られている。押出プロセスは、素材中の全ての分子を一方向に整えさせるものである。現在の素材の製造ではディスクがカットされた、4×8のプラスチックのフットシートを生産している。これは一方向に強いディスクを作るが、他方向には弱いディスクを形成し、結果として一貫しない結果を生み出す。一実施例によれば、射出成形プロセスは押出プロセスによってすでに作られた材料のシートからディスクを切断する代わりに、
直接ディスクを形成する。
【0019】
射出成形プロセスを使用した結果、
高靭性の素材はより薄くなるが、押出材よりも強力な歯科器具になる。射出成型ディスクを熱成型することにより、舌のスペースを増加させるより効果的な歯科器具を生み出す結果につながった。さらに、たとえ薄くなってもより高硬度、高靭性、かつ高密度の射出成型ディスクは、歪み、破損または歯の移動及び器具が外れることがなく
耐久度のあるものになった。
【0020】
したがって、一実施例に応じて、
歯科用器具を生産する方法は、ディスクを形成するための熱可塑性エラストマーを射出成形することを含み、および望む形状に対するディスクを熱成型することを含む。一実施例においては、熱可塑性エラストマーは、30〜200ショアAデュロメータの硬さである。当業者によって理解されるように、熱成型は患者の歯の成型に対する吸引成型によって
なされうる。一実施例では、熱成型は歯の正確な形状が不要な吸引成型の代替を介して行われうる。
【0021】
別の実施例によれば、
射出成形に用いられる熱可塑性エラストマは、
二重ディスクを形成するための製造プロセス中に非晶質物が化学的に結合される。
図1は、実施例によって歯科器具を製造する方法を示す例示的なフロー図を示している。より詳細に言えば、実施例によれば、ブロック110は、
ディスクを形成するための熱可塑性ポリエステル材を射出成形することにより、歯科用熱成型治療器具を示す。
ブロック120は、歯科用熱成型治療器具を形成するために、
形状にたいするディスクの熱成形を規定する。ある実施例では、熱成型とは
熱可塑性ポリエステル素材が患者の歯の形に付着するように
患者の歯の形に熱可塑性ポリエステル素材を吸引成型することである。
【0022】
ディスクを形成するための熱可塑性ポリエステル材射出成型は、
ポリエチレンテレフタラート射出成型(PET)またはグリコール変性ポリエチレンテレフタラート(PTEG)を含む。
【0023】
図1Bを参照するとき、別の実施例では
オーバーモールド成型された歯科用治療器具の準備方法を示している。ブロック130は、
化学結合物質を形成するために熱可塑性エラストマ材で熱可塑性ポリエステル材の射出成型を規定する。ブロック140は、歯科用治療器具を形成するためにオーバーモールド射出成型された化学結合物質の熱成型を規定する。射出成型プロセスは
化学結合物質の熱可塑性エラストマ材が患者の歯の形に付着するように、吸引成型される。
【0024】
ある実施例では、オーバーモールド成型工程を経る射出成形は
コポリエステル及び熱可塑性ポリエステル(TPE)を用いる。例えば、オーバーモールド成型は、ポリエチレンテレフタラート(PTE)または熱可塑性ポリエステル(TPE)のようにグリコール変性ポリエチレンテレフタラート(PTEG)を用いる。オーバーモールド成型を行うために、射出成型は、2段階工程を用いて単一射出成型を介するオーバーモールド成型を含む。
【0025】
オーバーモールド成形の結果として、
歯科用治療器具は患者の歯を覆うために成形されたトレー、
トレーの外部用に構成された一次デュロメータの熱可塑性プラスチック材からなるトレー、及びトレーの内部用に構成された二次デュロメータの熱可塑性プラスチック材を含む。
【0026】
例えば、熱可塑性ポリエステル(TPE)でポリエチレンテレフタラート(PTE)をオーバーモールド成型することは、トレー内部がトレー外部よりも軟化するように
軟質デュロメーターおよび硬質デュロメーターになる。
【0027】
一実施例において、歯科器具は本申請書に示される一つまたはそれ以上の工程を用いる二次トレーを含む。例えば、二次トレーは非晶性熱可塑性であり、
一次トレーはオーバーモールド成型された重層の複合高分子化合物を熱成型する、
またはその逆処理を行うことで成形される。
【0028】
一実施例において、一つまたはそれ以上の弧状部材が治療器具が睡眠時無呼吸を治療できるように可撤式弾性帯を取り付けるために、トレーに付け加えられる。
【0029】
素材は、PETG 6763 及び GLS TPE 3060-1
のような口腔内で使用するためにアメリカ食品医薬品局によって認可された素材である。
【0030】
一実施例においては、歯科器具は柔軟で、軽量かつ半透明で、器具と上下臼歯との間の自己保持的摩擦接触を許容させるために
歯の外形に合わせるエラストマー高分子材を含む。射出成型を介して硬非晶質材に化学結合した柔軟材は、必要に応じて、保持力を保つ一方で弾力性を保証する。
両面器具は前述の器具の硬均質プラスチック材に対して、
患者のよりよい満足度を提示する。一実施例においては、エラストマー材は
30〜200ショアAデュロメータの厚さがある。
【0031】
当業者によって理解されるように、熱成形は
図2に示すように吸引成型によってなされる。一実施例においては、熱成型は歯の正確な形状が不要な吸引成型への代替を介して行われる。
【0032】
例えば、柔らかい材料であるエラストマー材は、
患者の歯の型にたいする熱形成であることが好ましい。硬い非晶質材は、
歯科用器具が挿入されたとき、患者の歯に軟質材が当たるように型の外側に熱成型されることが好ましい。
【0033】
例えば、エラストマー材の「上射」は、
射出成型サイクルの60秒間の間に起こる。
【0034】
オーバーモールド成型により、2つの素材は歯科用治療器具形成のため、
1つのオーバーモールド射出成型された化学結合物資になる。それゆえ、オーバーモールド成型は薄層またはいずれの接着剤を使用するよりも強い結合を形成する。オーバーモールド成型過程とは、最初の部分または部品の一部を形成するために型に部材を射出することを含む二重射出成型である。一旦形成されると、第2の部材は残りの部分を形成するために射出される。二重成型には2つの物質が互換性(化学的に類似)のある、または全く結合が発生しないことが必要である。本実施例において、
材料は硬非晶質材を軟式エラストマ材に注入することができる
熱可塑性プラスチックの硬度及び軟式様式である。
【0035】
二重射出、または両面射出過程は、
一つの材料(通常は硬質材料)を型に射出し、第一の材料がまだ熱いうちにすぐに第二の材料(軟質材料)を射出することによって成される。ディスクの固い部分に対する材料は
イーストマンPETG 6763コポリエステルまたは、例えば第一射出成型にはイーストマンTritan TX-1000コポリエステルが使われる。第二射出のための材料には、GLS /ポリワンTPE3060-lが使われる。
【0036】
以下の実施例は、
当業者の熱可塑性プラスチックに接着剤を使用せずに接合を可能にするための材料を製造する方法を示している。
素材:トリタン+ PETGコポリエステル
実施例1
乾燥温度88°C(1900 P)
乾燥時間 4から6時間
溶融加工温度260から282(500から540 0 P)
成形温度38から66(100-1500 P)
素材:GLS /ポリワンVERSAFLEX 3060ー1
実施例2
リアバレル温度177から216(351から421°P)
ミドルバレル温度182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度193から232℃(379から450 OF)
ノズル温度204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
実施例3
リアバレル温度 177から216(351から421 OF)
ミドルバレル温度 182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度 193から232(379から450 OF)
ノズル温度 204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
実施例4
リアバレル温度 177から216(351から421 OF)
ミドルバレル温度 182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度 193から232(379から450 OF)
ノズル温度 204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
実施例5
リアバレル温度 177から216(351から421 OF)
ミドルバレル温度 182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度 193から232(379から450 OF)
ノズル温度 204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
実施例6
リアバレル温度 177から216(351から421 OF)
ミドルバレル温度 182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度 193から232(379から450 OF)
ノズル温度 204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
実施例7
リアバレル温度 177から216(351から421 OF)
ミドルバレル温度 182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度 193から232(379から450 OF)
ノズル温度 204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
実施例8
リアバレル温度 177から216(351から421 OF)
ミドルバレル温度 182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度 193から232(379から450 OF)
ノズル温度 204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
実施例9
リアバレル温度 177から216(351から421 OF)
ミドルバレル温度 182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度 193から232(379から450 OF)
ノズル温度 204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
実施例10
リアバレル温度 177から216(351から421 OF)
ミドルバレル温度 182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度 193から232(379から450 OF)
ノズル温度 204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
実施例11
リアバレル温度 177から216(351から421 OF)
ミドルバレル温度 182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度 193から232(379から450 OF)
ノズル温度 204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
実施例12
リアバレル温度 177から216(351から421 OF)
ミドルバレル温度 182から221(360 - 430 OF)
フロントバレル温度 193から232(379から450 OF)
ノズル温度 204から243(399から469 OF)
成形温度 21.1から32.2(70.0 - 90.0 OF)
背圧 0.517から1.21 MPa(75.0から175 PSI)
スクリュースピード 75.0から125 RPM
【0037】
図2には
熱可塑機200のような歯科医院で一般的にみられる機械が描かれている。歯科医は、機械に調整された射出成型されたプラスチック210のディスクを装着することで、
加熱時及び真空状態適応時に、一度に患者の上下の歯のモデル420に対してシートが引き下ろされる。射出成型プロセスは当業者によって理解されるように、上下の歯に対して別々に作動することができる。
【0038】
図3は、実施例は歯科器具を対象としている。射出成型プロセスは
それぞれが患者の歯を覆う歯科用トレー300と二次歯科用トレー310、
オーバーモールド成型された重層の複合高分子化合物を熱成型することで
形成されたトレーを含む。それぞれのトレー300及び310は、
トレーの外部用に構成された一次デュロメーターの熱可塑性プラスチック材を含む。例えば、患者の歯は、正確な適合が必要がない熱可塑性エラストマ材に直接接触することができる。熱可塑性エラストマ材は熱可塑性エラストマ材(TPE)でポリエチレンテレフタラート(PTE) のオーバーモールド成型を介して射出成型する場合、軟質歯科用器具を形成することがわかっている。
柔らかい材料であるTPEは、患者の歯により快適なフィット感を可能にする。
トレイ300及び310のそれぞれは、付属品320および/または330を含む。付属品320は
1つまたはそれ以上の弾性帯をトレイ300及び310のそれぞれに可撤的に取り付けることができる。
患者の口に挿入されたときに、付属品330はトレイ300と310の間の垂直方向の変位を可能に
する。
【0039】
本申請の主題を特定の実施例を参照して示してきたが、
本申請(追加、不完全、修正要素および/または同順または異なる順で行われる追加、不完全、修正ブロックを含むがそれに限定されない)の主題の趣旨と度合いを外れることなく
前述の記述および形式及び詳細におけるその他の変更は
本申請書に明示されうることは当業者によって理解されている。
【0040】
本明細書に記載された主題の特定の側面は
図示されているが、本明細書の教示に基づき、変更および修正は、本申請書およびその幅広い側面の主題を外れることなく明示されうるものであり、
それゆえ、本申請書に記載された主題の真の趣旨および範囲が
その内にあるように、添付の請求はすべての変更及び修正の程度を
捉えているものであることは当業者にとって明らかである。さらに、本発明は添付の請求によって定義されていることが理解されている。一般的に、本申請書に用いられている用語、特に添付の請求
(例えば、添付の請求の中身)の用語は「非限定的」用語
(例えば、“含んでいる”は“含んでいるがそれに限ったものではない”として解釈されるべきであり、“持つ”は“少なくとも持つ”、“含む”は“含むがそれに限ったことではない”
として解釈されるべきである、等)であることが当業者によって
理解されている。さらにもし特定の導入済み請求項の記載が意図された場合、
そのような意図は明示的に請求内に記載され、記載がない場合はそのような意図はないものとして解釈されることが当業者によって理解される。例えば、理解の助けとして、
以下の添付の請求は「少なくとも一つ」及び「一つまたはそれ以上」のような請求記載を
導入するための導入語句の使用を含んでいる。しかしながら、
そのような語句の使用は、「一つまたはそれ以上」または「少なくとも一つ」および英語の “a” または“an”のような不定冠詞(例えば、"a"及び/また"an"は“少なくとも一つ”または“一つまたはそれ以上”)のような導入語句を含む同じような請求
であったとしても、不定冠詞による請求記載の導入によりそのような導入済み請求項の記載を含む如何なる特定の請求をある一定の記載に限定してしまうことがないようにするべきである。また、これは請求記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。さらに特定の導入済み請求項の記載が明示されていた場合でも、
そのような記載は少なくとも記載された数
(例えば、単なる“2つの記載”は修正要因がない少なくとも2つの記載、または2またはそれ以上の記載を特定的に意味している)
を示すものとして特定的に解釈されるべきであることを当業者は理解している。また、
「A,B及びC等の内少なくとも一つ」に似た規約が使われた例において、
一般的にそのような規約は当業者が規約を理解するものとして意図されたものである
(例えば、“少なくともA,B及びCを持っているシステムはAのみ、Bのみ、Cのみ、またAおよびBをともに持つ、AおよびCをともに持つ、BおよびCをともに持つ、
及び/またはA,B,およびCをともに持つ等を含むがそれに限ったものではない)。「A,BまたはC等の内少なくとも一つ」に似た規約が使われた例において、
一般的にそのような規約は当業者が規約を理解するものとして意図されたものである
(例:A、B、Cのどれかを持つシステムは、Aのみを持つ、Bのみを持つ、Cのみを持つ、
AとBを共に持つ、AとCを共に持つ、BとCを共に持つ、及び/またはA,B,およびCをともに持つ等を含むがそれに限ったものではない)。
【国際調査報告】