(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-523653(P2016-523653A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(54)【発明の名称】一体型多重カミソリ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B26B 21/14 20060101AFI20160715BHJP
B26B 21/58 20060101ALI20160715BHJP
【FI】
B26B21/14 A
B26B21/58
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-523620(P2016-523620)
(86)(22)【出願日】2014年3月11日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】KR2014002018
(87)【国際公開番号】WO2014208866
(87)【国際公開日】20141231
(31)【優先権主張番号】10-2013-0074891
(32)【優先日】2013年6月27日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0111279
(32)【優先日】2013年9月16日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】515353693
【氏名又は名称】インフィーノ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】INFINO INC
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ヒョン ソク
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ソン イル
(72)【発明者】
【氏名】ナムグン、ミョン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、クァン ソク
(57)【要約】
本発明は、刃による皮膚損傷を効果的に低減できる一体型多重カミソリ及びその製造方法に関する。本発明の実施形態による一体型多重カミソリは、フレーム部と、カミソリ部とを含む。ここで、フレーム部は、所定の長さを有し、一方向に所定間隔離隔して形成される。また、カミソリ部は、フレーム部と一体に形成され、フレーム部と垂直な方向に形成される複数のカミソリを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さを有し、一方向に所定間隔離隔して形成されるフレーム部と、
前記フレーム部と一体に形成され、前記フレーム部と垂直な方向に形成される複数のカミソリを有するカミソリ部とを含む一体型多重カミソリ。
【請求項2】
前記カミソリ部は、
前記フレーム部と一体に形成され、一方向に傾斜して形成され、終端部には皮膚に面接触するように平坦に形成された第1面接触部を有する複数のメインカミソリと、
前記フレーム部と一体に形成され、髭剃り方向において前記メインカミソリの前方に形成され、終端部には前記第1面接触部の延長線上に備えられる平坦な形状の第2面接触部が形成され、前記第2面接触部の前方には傾斜して形成された案内部を有するヘッドと、
前記フレーム部と一体に形成され、髭剃り方向において前記メインカミソリの後方に一方向に傾斜して形成され、終端部には前記第1面接触部の延長線上に備えられて皮膚に面接触するように平坦に形成された第3面接触部を有する精密カミソリとを有することを特徴とする請求項1に記載の一体型多重カミソリ。
【請求項3】
前記精密カミソリは、前記メインカミソリの長さより短く形成され、前記第3面接触部は、前記第1面接触部の面積より狭い面積を有することを特徴とする請求項2に記載の一体型多重カミソリ。
【請求項4】
前記精密カミソリは、前記第3面接触部に対して90度以下の刃角を有し、前記各メインカミソリは、同一又は異なる刃角、刃間隔及び刃厚に形成されることを特徴とする請求項2に記載の一体型多重カミソリ。
【請求項5】
前記メインカミソリは、前記第1面接触部に対して90度以下の刃角を有し、前記各メインカミソリは、同一又は異なる刃角、刃間隔及び刃厚に形成されることを特徴とする請求項2に記載の一体型多重カミソリ。
【請求項6】
前記メインカミソリは少なくとも1つ形成されることを特徴とする請求項2に記載の一体型多重カミソリ。
【請求項7】
前記カミソリ部は、前記フレーム部の両側にそれぞれ形成され、前記各カミソリ部は、前記フレーム部を中心に対称となるように形成され、髭剃り方向が互いに反対となるように形成されることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の一体型多重カミソリ。
【請求項8】
前記カミソリ部は、前記フレーム部の上端部及び下端部に前記フレーム部と一体に形成され、終端部には皮膚に面接触するように平坦に形成された第4面接触部を有するカミソリを有し、前記各カミソリは、髭剃り方向が同一となるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の一体型多重カミソリ。
【請求項9】
前記カミソリ部は、前記フレーム部の上端部又は下端部に前記フレーム部と一体に形成され、終端部には皮膚に面接触するように平坦に形成された第5面接触部を有するカミソリを有し、前記各カミソリは、前記フレーム部の長手方向中心軸を中心に対称となるように形成され、髭剃り方向が互いに反対となるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の一体型多重カミソリ。
【請求項10】
前記カミソリ部は、前記フレーム部の上端部又は下端部に前記フレーム部と一体に形成され、外側面全体が第6面接触部を形成するカミソリを有し、前記各カミソリは、髭剃り方向が同一となるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の一体型多重カミソリ。
【請求項11】
前記フレーム部及び前記カミソリ部は、耐摩耗性、高強度を有するセラミック素材からなることを特徴とする請求項1に記載の一体型多重カミソリ。
【請求項12】
一体型構造物を加工することにより、所定の長さを有し、一方向に所定間隔離隔して形成されるフレーム部を形成するステップと、
前記一体型構造物を加工することにより、前記フレーム部と一体に形成され、前記フレーム部と垂直な方向に形成される複数のカミソリを有するカミソリ部を形成するステップとを含む一体型多重カミソリの製造方法。
【請求項13】
前記カミソリ部を形成するステップにおいては、
前記フレーム部と一体に形成され、一方向に傾斜して形成され、終端部には皮膚に面接触するように平坦に形成された第1面接触部を有する複数のメインカミソリと、
前記フレーム部と一体に形成され、髭剃り方向において前記メインカミソリの前方に形成され、終端部には前記第1面接触部の延長線上に備えられる平坦な形状の第2面接触部が形成され、前記第2面接触部の前方には傾斜して形成された案内部を有するヘッドと、
前記フレーム部と一体に形成され、髭剃り方向において前記メインカミソリの後方に一方向に傾斜して形成され、終端部には前記第1面接触部の延長線上に備えられて皮膚に面接触するように平坦に形成された第3面接触部を有する精密カミソリとが加工形成されることを特徴とする請求項12に記載の一体型多重カミソリの製造方法。
【請求項14】
前記カミソリ部を形成するステップにおいて、
前記カミソリ部は、前記フレーム部の両側にそれぞれ形成され、前記各カミソリ部は、前記フレーム部を中心に対称となるように形成され、髭剃り方向が互いに反対となるように形成されることを特徴とする請求項13に記載の一体型多重カミソリの製造方法。
【請求項15】
前記カミソリ部を形成するステップにおいては、
前記フレーム部の上端部及び下端部に前記フレーム部と一体にカミソリが加工形成され、前記カミソリは、終端部に皮膚に面接触するように平坦に形成された第4面接触部を有し、前記各カミソリの髭剃り方向が同一となるように加工形成されることを特徴とする請求項12に記載の一体型多重カミソリの製造方法。
【請求項16】
前記カミソリ部を形成するステップにおいては、
前記フレーム部の上端部又は下端部に前記フレーム部と一体にカミソリが加工形成され、前記カミソリは、終端部に皮膚に面接触するように平坦に形成された第5面接触部を有し、前記各カミソリは、前記フレーム部の長手方向中心軸を中心に対称となるように形成され、髭剃り方向が互いに反対となるように加工形成されることを特徴とする請求項12に記載の一体型多重カミソリの製造方法。
【請求項17】
前記カミソリ部を形成するステップにおいては、
前記フレーム部の上端部又は下端部に前記フレーム部と一体にカミソリが加工形成され、前記カミソリは、外側面全体が第6面接触部を形成し、前記各カミソリは、髭剃り方向が同一となるように加工形成されることを特徴とする請求項12に記載の一体型多重カミソリの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型多重カミソリ及びその製造方法に関し、特に刃による皮膚損傷を効果的に低減できる一体型多重カミソリ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カミソリは人の皮膚に接触させて髭を剃るのに用いられる。
【0003】
図1は従来のカミソリカートリッジの断面の一例を概略的に示す図である。
【0004】
図1に示すように、従来のカミソリ10の終端部11は、皮膚接触部に対向して線接触するように備えられるので、カミソリの終端部11が皮膚に深く線接触する。よって、髭を剃る際の些細な不注意でカミソリ10の終端部11により切り傷が生じる恐れがある。
【0005】
また、各カミソリ10は個別に作製されて組み立てられている。しかし、このような組立過程において、各カミソリ10の高さや各カミソリ10間の離間距離が意図するところと異なる高さや距離で組み立てられ得るという問題がある。このような問題は、髭を剃る際の皮膚の損傷だけでなく、甚だしくは皮膚の切り傷などの危険を招くことがある。
【0006】
さらに、このようなカミソリはほとんどがスチール材質であるので、皮膚との接触において良好な親和力を維持することは困難である。
【0007】
さらに、このようなスチール材質のカミソリは使用中に水分、空気に頻繁に接触するので酸化作用による汚染や変質の恐れがあり、甚だしくは錆ついて髭がよく剃れなくなり、カミソリを頻繁に交換しなければならないという問題や、無理に髭を剃ることによる皮膚損傷や損傷部位での細菌繁殖が発生し得るという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、刃による皮膚損傷を効果的に低減できる一体型多重カミソリ及びその製造方法を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を達成するために、本発明の一実施形態は、所定の長さを有し、一方向に所定間隔離隔して形成されるフレーム部と、前記フレーム部と一体に形成され、前記フレーム部と垂直な方向に形成される複数のカミソリを有するカミソリ部とを含む一体型多重カミソリを提供する。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記カミソリ部は、前記フレーム部と一体に形成され、一方向に傾斜して形成され、終端部には皮膚に面接触するように平坦に形成された第1面接触部を有する複数のメインカミソリと、前記フレーム部と一体に形成され、髭剃り方向において前記メインカミソリの前方に形成され、終端部には前記第1面接触部の延長線上に備えられる平坦な形状の第2面接触部が形成され、前記第2面接触部の前方には傾斜して形成された案内部を有するヘッドと、前記フレーム部と一体に形成され、髭剃り方向において前記メインカミソリの後方に一方向に傾斜して形成され、終端部には前記第1面接触部の延長線上に備えられて皮膚に面接触するように平坦に形成された第3面接触部を有する精密カミソリとを有する。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記精密カミソリは、前記メインカミソリの長さより短く形成され、前記第3面接触部は、前記第1面接触部の面積より狭い面積を有してもよい。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記精密カミソリは、前記第3面接触部に対して90度以下の刃角を有し、前記各メインカミソリは、同一又は異なる刃角、刃間隔及び刃厚に形成されてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記メインカミソリは、前記第1面接触部に対して90度以下の刃角を有し、前記各メインカミソリは、同一又は異なる刃角、刃間隔及び刃厚に形成されてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記メインカミソリは少なくとも1つ形成されるようにしてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記カミソリ部は、前記フレーム部の両側にそれぞれ形成され、前記各カミソリ部は、前記フレーム部を中心に対称となるように形成され、髭剃り方向が互いに反対となるように形成されてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記カミソリ部は、前記フレーム部の上端部及び下端部に前記フレーム部と一体に形成され、終端部には皮膚に面接触するように平坦に形成された第4面接触部を有するカミソリを有し、前記各カミソリは、髭剃り方向が同一となるように形成されてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記カミソリ部は、前記フレーム部の上端部又は下端部に前記フレーム部と一体に形成され、終端部には皮膚に面接触するように平坦に形成された第5面接触部を有するカミソリを有し、前記各カミソリは、前記フレーム部の長手方向中心軸を中心に対称となるように形成され、髭剃り方向が互いに反対となるように形成されてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記カミソリ部は、前記フレーム部の上端部又は下端部に前記フレーム部と一体に形成され、外側面全体が第6面接触部を形成するカミソリを有し、前記各カミソリは、髭剃り方向が同一となるように形成されてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記フレーム部及び前記カミソリ部は、耐摩耗性、高強度を有するセラミック素材からなってもよい。
【0020】
また、上記技術的課題を達成するために、本発明の一実施形態は、一体型構造物を加工することにより、所定の長さを有し、一方向に所定間隔離隔して形成されるフレーム部を形成するステップと、前記一体型構造物を加工することにより、前記フレーム部と一体に形成され、前記フレーム部と垂直な方向に形成される複数のカミソリを有するカミソリ部を形成するステップとを含む一体型多重カミソリの製造方法を提供する。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記カミソリ部を形成するステップにおいては、前記フレーム部と一体に形成され、一方向に傾斜して形成され、終端部には皮膚に面接触するように平坦に形成された第1面接触部を有する複数のメインカミソリと、前記フレーム部と一体に形成され、髭剃り方向において前記メインカミソリの前方に形成され、終端部には前記第1面接触部の延長線上に備えられる平坦な形状の第2面接触部が形成され、前記第2面接触部の前方には傾斜して形成された案内部を有するヘッドと、前記フレーム部と一体に形成され、髭剃り方向において前記メインカミソリの後方に一方向に傾斜して形成され、終端部には前記第1面接触部の延長線上に備えられて皮膚に面接触するように平坦に形成された第3面接触部を有する精密カミソリとが加工形成されてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記カミソリ部を形成するステップにおいて、前記カミソリ部は、前記フレーム部の両側にそれぞれ形成され、前記各カミソリ部は、前記フレーム部を中心に対称となるように形成され、髭剃り方向が互いに反対となるように形成されてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記カミソリ部を形成するステップにおいては、前記フレーム部の上端部及び下端部に前記フレーム部と一体にカミソリが加工形成され、前記カミソリは、終端部に皮膚に面接触するように平坦に形成された第4面接触部を有し、前記各カミソリの髭剃り方向が同一となるように加工形成されてもよい。
【0024】
本発明の一実施形態において、前記カミソリ部を形成するステップにおいては、前記フレーム部の上端部又は下端部に前記フレーム部と一体にカミソリが加工形成され、前記カミソリは、終端部に皮膚に面接触するように平坦に形成された第5面接触部を有し、前記各カミソリは、前記フレーム部の長手方向中心軸を中心に対称となるように形成され、髭剃り方向が互いに反対となるように加工形成されてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記カミソリ部を形成するステップにおいては、前記フレーム部の上端部又は下端部に前記フレーム部と一体にカミソリが加工形成され、前記カミソリは、外側面全体が第6面接触部を形成し、前記各カミソリは、髭剃り方向が同一となるように加工形成されてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態によれば、メインカミソリの終端部には平坦かつ水平に皮膚に面接触するように案内する第1面接触部が形成される。第1面接触部は髭を剃る際にユーザの皮膚に面接触するので、従来のカミソリの終端部がユーザの皮膚に対向して線接触することにより発生し得る皮膚の切り傷などの損傷を効果的に防止することができる。
【0027】
また、本発明の一実施形態によれば、精密カミソリが髭剃り方向においてメインカミソリの後方に形成され、メインカミソリの長さより短く狭い面積を有するように形成されるので、精密な髭剃りが可能である。また、精密カミソリの終端部にも皮膚に面接触するように平坦に第3面接触部が形成されるので、皮膚の切り傷などの損傷を効果的に防止することができる。
【0028】
さらに、本発明の一実施形態によれば、フレーム部及びカミソリ部がセラミック素材からなる。よって、本発明による一体型多重カミソリは、従来のスチール材質のカミソリのような酸化や腐食が発生せず、カミソリ終端部の損傷や摩耗が少なく、汚染や変質が発生する恐れが少ない。また、洗浄が容易であり、細菌繁殖も効果的に防止することができる。
【0029】
本発明の効果は前述した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は請求の範囲に記載されている発明の構成から推測できるあらゆる効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】従来のカミソリカートリッジの断面の一例を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリを上方から見た斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリを下方から見た斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリを示す側面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリの製造方法を示すフローチャートである。
【
図6a】本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリの製造方法の流れにおける形状の一例を示す図である。
【
図6b】本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリの製造方法の流れにおける形状の他の例を示す図である。
【
図6c】本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリの製造方法の流れにおける形状のさらに他の例を示す図である。
【
図7】本発明の第2実施形態による一体型多重カミソリの斜視図である。
【
図8】本発明の第2実施形態による一体型多重カミソリの側面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態による一体型多重カミソリの斜視図である。
【
図10】本発明の第3実施形態による一体型多重カミソリの側面図である。
【
図11】本発明の第4実施形態による一体型多重カミソリの斜視図である。
【
図12】本発明の第4実施形態による一体型多重カミソリの側面図である。
【
図13】本発明の第5実施形態による一体型多重カミソリの斜視図である。
【
図14】本発明の第5実施形態による一体型多重カミソリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して本発明について説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができるため、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明を明確に説明するために説明に関係のない部分は図面から省略し、明細書全体を通じて類似の部分には類似の符号を付した。
【0032】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているというとき、これには「直接連結」されている場合のみでなく、その中間に他の部材を介して「間接的に連結」されている場合も含まれる。また、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に断らない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに備えることを意味する。
【0033】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0034】
図2は本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリを上方から見た斜視図であり、
図3は本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリを下方から見た斜視図であり、
図4は本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリを示す側面図である。
【0035】
図2〜
図4に示すように、本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリ100は、フレーム部200と、カミソリ部300とを含む。
【0036】
フレーム部200は、所定の長さを有するように形成され、一方向に所定間隔離隔して形成される。また、フレーム部200は、異なる間隔で離隔して形成されてもよい。
【0037】
本発明の第1実施形態においては、フレーム部200が一体型多重カミソリ100の両端部と中央に形成される場合について説明しているが、フレーム部200の形成位置と形状は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0038】
カミソリ部300は、フレーム部200と一体に形成され、フレーム部200と垂直な方向に一方向に傾斜して形成される複数のカミソリ310、330を有する。
【0039】
また、カミソリ部300は、メインカミソリ310と、ヘッド320と、精密カミソリ330とを有する。
【0040】
メインカミソリ310は、フレーム部200と一体に形成される。また、メインカミソリ310は、一方向に傾斜して形成される。
【0041】
また、メインカミソリ310の終端部には、第1面接触部315が形成される。
【0042】
第1面接触部315は皮膚に面接触するように平坦に形成されるので、第1面接触部315はユーザの皮膚に面接触する。
【0043】
第1面接触部315は髭を剃る際にユーザの皮膚に面接触するので、従来のカミソリのようにカミソリの終端部がユーザの皮膚に線接触することにより発生し得る皮膚の切り傷などの損傷を効果的に防止することができる。
【0044】
メインカミソリ310は、カミソリ部300の中央に位置し、髭を剃る際にユーザの毛を剃る主な役割を果たす。
【0045】
メインカミソリ310は、第1面接触部315と皮膚の面接触面積、カミソリの角度、カミソリの刃厚、カミソリの間隔など、髭剃り性能に関する要素を考慮すると、1つ以上で形成される。例えば、メインカミソリ310が2つ形成され、精密カミソリ330が1つ形成される場合、精密カミソリ330を含めて3重カミソリが形成される。
【0046】
また、メインカミソリ310は、第1面接触部315に対して90度以下の刃角A1を有するように形成される。ここで、メインカミソリ310の刃角A1が小さいほど髭剃り性能は向上する。
【0047】
メインカミソリ310が複数で形成される場合、各メインカミソリ310は同一又は異なる刃角、刃間隔W及び刃厚Tに形成される。
【0048】
メインカミソリ310はフレーム部200と一体に形成されるので、従来のように個別に作製されたカミソリを組み立てる過程で発生し得るカミソリの高さ及び間隔不良の問題を根本的に防止することができる。
【0049】
すなわち、本発明による各メインカミソリ311、312、313はフレーム部200と一体に形成されるので、従来のカミソリカートリッジ組立過程を省略することができ、一旦形成された各メインカミソリ311、312、313は高さと間隔が一定に維持される。
【0050】
前述したように、消費者群の特性、例えば性別、体毛の太さ、体毛の強度、髭剃り習慣などを考慮して、髭剃り効果を向上させるために、各メインカミソリ311、312、313の刃角、刃厚及び刃間隔は同一又は異なるように形成される。しかし、一旦このように形成された各メインカミソリ311、312、313の高さとカミソリの間隔は変わらない。
【0051】
ヘッド320は、髭剃り方向においてメインカミソリ310の前方に形成され、フレーム部200と一体に形成される。
【0052】
ヘッド320の終端部には平坦な形状の第2面接触部321が形成され、第2面接触部321はメインカミソリ310の第1面接触部315の延長線上に形成される。
【0053】
また、第2面接触部321の前方には案内部322が形成される。案内部322は、傾斜して形成されてもよく、ラウンドした形状に形成されてもよい。案内部322は、髭を剃る際に、髭剃り方向において最も前方に備えられるヘッド320が皮膚を損傷させることなく移動するように案内する。
【0054】
精密カミソリ330は、フレーム部200と一体に形成され、髭剃り方向においてメインカミソリ310の後方に形成される。
【0055】
また、精密カミソリ330は、一方向、すなわちメインカミソリ310の形成方向と同じ方向に傾斜して形成される。
【0056】
また、精密カミソリ330の終端部には、皮膚に面接触するように平坦に第3面接触部331が形成される。
【0057】
第3面接触部331は、第1面接触部315の延長線上に備えられるので、髭を剃る際にメインカミソリ310と共に皮膚に安定して面接触する。
【0058】
また、第3面接触部331は、第1面接触部315の面積より狭い面積を有するように形成される。さらに、精密カミソリ330は、メインカミソリ310の長さより短く形成される。
【0059】
このように、精密カミソリ330は髭剃り方向においてメインカミソリ310の後方に形成されて髭剃り方向の最後方に位置し、メインカミソリ310の第1面接触部315の面積より狭い面積に形成されるので、精密な髭剃りが可能になる。
【0060】
精密カミソリ330は、第3面接触部331に対して90度以下の刃角A2を有するように形成される。ここで、精密カミソリ330の刃角A2が小さいほど髭剃り性能が向上する。また、精密カミソリ330は複数で形成されてもよく、精密カミソリ330が複数で形成される場合、各精密カミソリ330は同一又は異なる刃角、刃間隔及び刃厚に形成される。
【0061】
精密カミソリ330もフレーム部200と一体に形成されるので、カミソリの高さ及び間隔不良の問題を根本的に防止することができる。
【0062】
また、フレーム部200及びカミソリ部300は、耐摩耗性、高強度を有するセラミック素材からなる。よって、本発明による一体型多重カミソリ100は、従来のスチール材質のカミソリのような酸化や腐食が発生せず、カミソリ終端部の損傷や摩耗が少なく、汚染や変質が発生する恐れが少ない。また、洗浄が容易であり、細菌繁殖も効果的に防止することができる。
【0063】
図5は本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリの製造方法を示すフローチャートであり、
図6a〜
図6cは本発明の第1実施形態による一体型多重カミソリの製造方法の流れにおける形状の例を示す図である。
【0064】
まず、
図5及び
図6aの(a)〜(b)に示すように、一体型構造物500を加工することにより、所定の長さを有し、一方向に所定間隔離隔して形成されるフレーム部200を形成するステップS1100が行われる。
【0065】
ここで、一体型構造物500は、正六面体の形状を有してもよく、耐摩耗性、高強度を有するセラミック素材からなる。
【0066】
あるいは、
図6bの(a)〜(b)及び
図6cの(a)〜(b)に示すように、一体型構造物500は、側面の一部分がラウンドした形状に形成されてもよい。
【0067】
また、一体型構造物500は、セラミック原料、バインダー、可塑材及び安定化剤を混合することにより作製される。ここで、セラミック原料には、強度及び靭性が大きく、部分安定化した焼結性のよい高純度微粉末が用いられる。
【0068】
セラミック原料は、射出成形により一体型構造物に成形され、正六面体、半円筒形、楕円筒形などの形状に成形される。
【0069】
また、フレーム部200、200a、200bは、一体型構造物500、500a、500bの下部を加工することにより形成される。
【0070】
前記フレーム部の形状及び形成位置は、一体型多重カミソリの大きさ、セラミック素材の強度などに応じて適宜調節される。
【0071】
また、
図5及び
図6aの(c)に示すように、一体型構造物500を加工することにより、フレーム部200と一体に形成され、フレーム部200と垂直な方向に形成される複数のカミソリ310、330を有するカミソリ部300を形成するステップS1200が行われる。
【0072】
カミソリ部を形成するステップS1200においては、フレーム部200と一体に形成され、一方向に傾斜して形成され、終端部には皮膚に面接触するように平坦に形成された第1面接触部315を有する複数のメインカミソリ311、312、313を加工形成することができる。
【0073】
また、フレーム部200と一体に形成され、髭剃り方向においてメインカミソリ310の前方に形成され、終端部には第1面接触部315の延長線上に備えられる平坦な形状の第2面接触部321が形成され、第2面接触部321の前方には傾斜して形成された案内部322を有するヘッド320を加工形成することができる。
【0074】
さらに、フレーム部200と一体に形成され、髭剃り方向においてメインカミソリ310の後方に一方向に傾斜して形成され、終端部には第1面接触部315の延長線上に備えられて皮膚に面接触するように平坦に形成された第3面接触部331を有する精密カミソリ330を加工形成することができる。
【0075】
メインカミソリ310、ヘッド320及び精密カミソリ330を加工形成する順序は、特に限定されるものではなく、工程の利便性などを考慮して適宜調節される。
【0076】
また、前述した過程が
図6bの(c)及び
図6cの(c)にも同様に適用されることは言うまでもない。
【0077】
以下、一体型多重カミソリの他の実施形態について説明する。
【0078】
まず、
図7は本発明の第2実施形態による一体型多重カミソリの斜視図であり、
図8は本発明の第2実施形態による一体型多重カミソリの側面図である。本実施形態による一体型多重カミソリは、カミソリ部がフレームの両側に形成され、他の構成は前述した第1実施形態と同一であるので説明を省略する。
【0079】
図7及び
図8に示すように、本発明の第2実施形態による一体型多重カミソリのカミソリ部2300a、2300bは、フレーム部2200の両側にそれぞれ形成される。
【0080】
また、フレーム部2200の両側にそれぞれ形成されるカミソリ部2300a、2300bは、フレーム部2200を中心に対称となるように形成され、髭剃り方向が互いに反対となるように形成される。
【0081】
こうすることにより、一方のカミソリが摩耗したら他方のカミソリを用いて髭剃りができるので、使用期間も延長され、両方向の髭剃りが可能になる。
【0082】
また、各カミソリ部2300a、2300bが異なる髭剃り条件を提供できるように、フレーム部2200の両側にそれぞれ形成されるカミソリ部2300a、2300bの刃角、刃間隔、刃厚が異なるように形成されるので、使用性がよくなる。
【0083】
一方、
図9は本発明の第3実施形態による一体型多重カミソリの斜視図であり、
図10は本発明の第3実施形態による一体型多重カミソリの側面図である。
【0084】
図9及び
図10に示すように、本発明の第3実施形態による一体型多重カミソリにおいては、カミソリ部3300a、3300bがフレーム部3200の上端部及び下端部にフレーム部3200と一体に形成される。
【0085】
また、カミソリ部3300a、3300bは、第4面接触部3310が形成されたカミソリ3320を有する。第4面接触部3310は、カミソリ3320の終端部に形成され、ユーザの皮膚に面接触するように平坦に形成される。
【0086】
さらに、各カミソリ3320は、髭剃り方向が同一となるように形成される。すなわち、フレーム部3200の上端部及び下端部に形成されるカミソリ3320は、髭剃り方向が同一となるように形成される。
【0087】
カミソリ3320は、第4面接触部3300aに対して90度以下の刃角A3を有するように形成される。また、各カミソリ3320は刃角A3が同一又は異なるように形成されるので、各カミソリ3320は同一又は異なる厚さに形成される。さらに、カミソリ3320はフレーム部3200の上端部及び下端部に複数で形成されてもよく、その場合、各カミソリ3320は同一又は異なる刃角、刃間隔及び刃厚に形成される。
【0088】
図11は本発明の第4実施形態による一体型多重カミソリの斜視図であり、
図12は本発明の第4実施形態による一体型多重カミソリの側面図である。
【0089】
図11及び
図12に示すように、本発明の第4実施形態による一体型多重カミソリのカミソリ部4300は、フレーム部4200の上端部又は下端部にフレーム部4200と一体に形成される。すなわち、
図11及び
図12においてはカミソリ部4300がフレーム部4200の下端部に形成されたものを示しているが、下端部ではなく上端部に前記カミソリ部が形成されてもよい。
【0090】
また、カミソリ部4300は、皮膚に面接触するように平坦に形成された第5面接触部4310を終端部に備えるカミソリ4320を有する。
【0091】
さらに、各カミソリ4320は、フレーム部4200の長手方向中心軸を中心に対称となるように形成され、髭剃り方向が互いに反対となるように形成される。
【0092】
こうすることにより、本発明の第4実施形態による一体型多重カミソリは、両方向の髭剃りが可能になる。
【0093】
カミソリ4320は、第5面接触部4310に対して90度以下の刃角A4を有するように形成される。ここで、カミソリ4320の刃角A4が小さいほど髭剃り性能は向上する。
【0094】
また、各カミソリ4320は、同一又は異なる刃角及び刃厚に形成される。
【0095】
図13は本発明の第5実施形態による一体型多重カミソリの斜視図であり、
図14は本発明の第5実施形態による一体型多重カミソリの側面図である。
【0096】
図13及び
図14に示すように、本発明の第5実施形態による一体型多重カミソリのカミソリ部5300は、フレーム部5200の上端部又は下端部にフレーム部5200と一体に形成される。すなわち、
図13及び
図14においてはカミソリ部5300がフレーム部5200の上端部に形成されたものを示しているが、上端部ではなく下端部に前記カミソリ部が形成されてもよい。
【0097】
また、カミソリ部5300は、外側面全体が第6面接触部5310を形成するカミソリ5320を有し、各カミソリ5320は、髭剃り方向が同一となるように形成される。
【0098】
さらに、各カミソリ5320は、異なる刃角A5、A6を有するように形成され、異なる刃厚に形成される。
【0099】
各カミソリ5320の刃角A5、A6は、第6面接触部5310に対して90度以下となるように形成され、ここで、カミソリ5320の刃角A5、A6が小さいほど髭剃り性能は向上する。
【0100】
一方、各カミソリ5320は、フレーム部5200の長手方向中心軸を中心に対称となるように形成されてもよく、そうすると各カミソリ5320の刃角A5、A6は同一になる。
【0101】
前述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形できることを理解するであろう。よって、上記実施形態はあくまで例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素が分散して実施されてもよく、同様に分散したものが説明されている構成要素も結合された形態で実施されてもよい。
【0102】
本発明の範囲は請求の範囲により定められるものであり、請求の範囲の意味及び範囲並びにその均等概念から導かれるあらゆる変更又は変形された形態が本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】