(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-523699(P2016-523699A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(54)【発明の名称】有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置とその方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/78 20060101AFI20160715BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20160715BHJP
B01D 53/56 20060101ALI20160715BHJP
B01D 53/50 20060101ALI20160715BHJP
B01D 53/18 20060101ALI20160715BHJP
【FI】
B01D53/78ZAB
B01D53/62
B01D53/62 100
B01D53/56 200
B01D53/50 230
B01D53/18 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-519427(P2016-519427)
(86)(22)【出願日】2014年5月7日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月11日
(86)【国際出願番号】KR2014003999
(87)【国際公開番号】WO2014200184
(87)【国際公開日】20141218
(31)【優先権主張番号】10-2013-0066525
(32)【優先日】2013年6月11日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】515345702
【氏名又は名称】シンヨン コンストラクション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100117743
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 美由紀
(74)【代理人】
【識別番号】100163658
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 順造
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウン フェ
【テーマコード(参考)】
4D002
4D020
【Fターム(参考)】
4D002AA02
4D002AA08
4D002AA09
4D002AA12
4D002AC04
4D002AC07
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4D002CA06
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4D002DA12
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4D002EA02
4D002HA01
4D020AA03
4D020AA05
4D020AA06
4D020AA07
4D020BA01
4D020BA08
4D020BB03
4D020BC06
4D020CB02
4D020CC05
(57)【要約】
本発明は有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置に関するものであって、高温の火炎によって発生した有害ガスが流動する煙道と連結されて、前記有害ガスを急冷させて有害ガスから有害物質が生成されることを抑制する1次抑制処理部を含み、前記1次抑制処理部は、内部に冷却水が収容された1次処理チャンバーと;前記1次処理チャンバー内部に備えられて前記煙道と連結される1次吸込管と;前記1次吸込管の下部に結合され、前記冷却水に浸った状態で回転して前記有害ガスを微細気泡の形態で前記冷却水の内部に排出させ、前記冷却水と接触して急冷させる1次回転羽根部と;前記1次回転羽根部を回転駆動する1次羽根駆動部を含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温の火炎によって発生した有害ガスと有害物質が流動する煙道と連結され、前記有害ガスを急冷させて有害ガスから有害物質が生成されることを抑制し除去する1次抑制処理部を含み、
前記1次抑制処理部は、
内部に冷却水が収容された1次処理チャンバーと;
前記1次処理チャンバー内部に備えられ、前記煙道と連結される1次吸込管と;
前記1次吸込管の下部に結合され、前記冷却水に浸った状態で回転して前記有害ガスを微細気泡の形態で前記冷却水の内部に排出させ、前記冷却水と接触して急冷させる1次回転羽根部と;
前記1次回転羽根部を回転駆動する1次羽根駆動部を含むことを特徴とする、有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置。
【請求項2】
前記1次吸込管は、前記煙道の内径に対応する外径を有するように形成され、上端は前記煙道の内部に一定の長さで挿入され、下端は前記1次回転羽根部と連通するように備えられることを特徴とする、請求項1に記載の有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置。
【請求項3】
前記1次回転羽根部は、
上部が前記1次吸込管と連通するように開放形成されて外周面に有害ガス排出口が一定間隔で形成された有害ガス吸込管と;
前記有害ガス吸込管の上部と下部にそれぞれ結合された上部支持板および下部支持板と;
前記有害ガス排出口の一側に螺旋の形態で結合されて前記有害ガスを前記冷却水に排出する複数の回転羽根を含むことを特徴とする、請求項2に記載の有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置。
【請求項4】
前記回転羽根の端部は前記上部支持板と前記下部支持板の半径方向の外側に一定の長さで突出するように形成されることを特徴とする、請求項3に記載の有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置。
【請求項5】
前記1次処理チャンバーの一側には内部の冷却水を循環させる冷却水循環濾過部が備えられることを特徴とする、請求項4に記載の有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置。
【請求項6】
前記1次抑制処理部で処理された1次処理ガスを有害ガス処理剤が溶解された処理水に溶解させて、前記1次処理ガスに含有された残余物質を処理する2次抑制処理部をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置。
【請求項7】
請求項1に記載された有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置を利用した有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去方法において、
前記有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置が高温の有害ガスが移動する煙道に結合されて、前記有害ガスを冷却水との接触によって急冷させて有害物質の生成を抑制する1次処理段階と;
前記1次処理段階を経た1次処理ガスを有害ガス処理剤が溶解された処理水に浸漬させて残余物質を処理する2次処理段階;を含み、
前記1次処理段階は、内部に流入した有害ガスを前記冷却水に浸った状態で回転する回転羽根に経由させて微細気泡の形態で前記冷却水に排出する段階;をさらに含むことを特徴とする、有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置とその方法に関するもので、より詳しくは、有害ガスを急冷させてダイオキシンのような有害物質が生成されることを根本的に抑制させて除去する有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置とその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
都市の生活ゴミや産業廃棄物を焼却する焼却炉から発生する排出ガスには二酸化炭素(CO
2)、塩化水素(HCI)、窒素化合物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、粉塵およびダイオキシンのような有害物質が含まれている。従来より前記のような有害物質を含む排出ガスを処理するために多様な方法が使われている。
【0003】
現在の有害物質排出防止方法は、ほとんど有害物質が発生した後から捕集、管理する体系をなしている。すなわち、有害物質を最大限発生させて捕集する技術体系をなしており、結果として、いずれかでは有害物質が発生し、発生した有害物質を捕集して保管し、処理しなければならず、管理の問題点がある。
【0004】
また、現在商用化されている有害物質除去と捕集装置は、現場で発生した高熱を冷却させるために噴射式冷却塔または、冷却された風を作るための別途の施設と装置が要求される。そこで、このような施設を設備するために広い設備面積と施設が要求され、施設設備と管理に多くの費用がかかる問題点がある。
【0005】
このような従来の有害物質排出防止技術は、産業現場において、有害物質排出防止施設の大型化による広い設置面積と多くの投資費用などの多くの問題点を惹き起こし、このような費用は原価上昇の原因につながり、生産製品の価格競争力に深刻な問題を発生させ、特に温室ガス排出規制に対応する企業にとって大きな悩み事となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】登録特許第10-0613303号「ハイブリッド式排出ガス処理方法および装置」
【特許文献2】登録特許第10-1133206号「有害物質除去機能を有する炭発火装置」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、有害ガスから有害物質が生成されることを根本的に抑制して有害ガス処理過程を単純化させた、有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置とその方法を提供することにその目的がある。
【0008】
本発明の他の目的は、構成が簡単で施設設備と管理に必要とされる費用を最小化できる有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置とその方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、高温の有害ガスは急冷によって有害物質の生成を抑制し、高温を伴わない有害ガスは処理水を通じて有害物質の生成を抑制することができ、有害ガスの生成過程に応じて選択的に用いることができる有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置とその方法を提供することである。
【0010】
本発明の前記目的と様々な長所はこの技術分野の熟練された者によって本発明の好ましい実施例からさらに明確になるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は有害ガスの有害物質生成抑制装置によって達成され得る。本発明の有害ガスの有害物質生成抑制装置は、高温の火炎によって発生した有害ガスが流動する煙道と連結され、前記有害ガスを急冷させて有害ガスから有害物質が生成されるのを抑制し除去する1次抑制処理部を含み、前記1次抑制処理部は、内部に冷却水が収容された1次処理チャンバーと;前記1次処理チャンバーの内部に備えられ前記煙道と連結される1次吸込管と;前記1次吸込管の下部に結合され、前記冷却水に浸った状態で回転して前記有害ガスを微細気泡の形態で前記冷却水の内部に排出させ、前記冷却水と接触して急冷させる1次回転羽根部と;前記1次回転羽根部を回転駆動する1次羽根駆動部を含むことを特徴とする。
【0012】
一実施例によれば、前記1次吸込管は前記煙道の内径に対応する外径を有するように形成され、上端は前記煙道内部に一定の長さで挿入され、下端は前記1次吸込羽根と連通するように備えられる。
【0013】
一実施例によれば、前記1次回転羽根部は、上部が前記1次吸込管と連通するように開放形成され、外周面に有害ガス排出口が一定間隔で形成された有害ガス吸込管と;前記有害ガス吸込管の上部と下部にそれぞれ結合された上部支持板および下部支持板と;前記有害ガス排出口の一側に螺旋状に結合されて前記有害ガスと有害物質を前記冷却水に排出する複数の回転羽根を含む。
【0014】
一実施例によれば、前記回転羽根の端部は前記上部支持板と前記下部支持板の半径方向外側に一定の長さで突出するように形成される。
【0015】
一実施例によれば、前記1次処理チャンバーの一側には内部の冷却水を循環させてスラッジを排出する冷却水循環濾過部が備えられ得る。
【0016】
一実施例によれば、前記1次抑制処理部で処理された1次処理ガスを有害ガス処理剤が溶解された処理水に溶解させて前記1次処理ガスに含有された残余物質を処理する2次抑制処理部をさらに含むことができる。
【0017】
一方、本発明の目的は有害ガスと有害物質生成抑制および除去方法によって達成され得る。本発明の有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去方法は、高温の有害ガスが移動する煙道に結合されて前記有害ガスを冷却水との接触によって急冷させ、有害物質の生成を抑制する1次処理段階と;前記1次処理段階を経た1次処理ガスを有害ガス処理剤が溶解された処理水に浸漬させて残余物質を処理する2次処理段階を含むことを特徴とする。
【0018】
一実施例によれば、前記1次処理段階は内部に流入した有害ガスを回転する回転羽根に経由させて微細気泡の形態で前記冷却水に排出する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る有害ガスの有害物質生成抑制装置は、熱を利用して化学成分が添加されていない純粋な冷却水を通じてダイオキシンなどの有害物質の生成自体を根本的に抑制し、有害物質の瞬間発生を抑制させて処理することができる。また、1次抑制処理部で処理できなかった残存有害ガスと有害物質を2次抑制処理部で処理水を通じて除去捕集して有害物質排出のゼロ化を実現することができる。
【0020】
また、全体的に有害ガスの移動経路上に処理チャンバーと回転羽根部が追加される構成であるため、構造が簡単であり、設置費と管理費用を節減することができる。すなわち、従来と対比してダイオキシンの捕集と保管のための別途の施設が求められないので管理費用の節減ができるようになる。
【0021】
さらに、有害ガスと有害物質の生成過程に応じて1次抑制処理部と2次抑制処理部を選択的に用いることができ、管理の効用性が増加され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置の全体構成を概略的に示した概略図。
【
図2】本発明に係る有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置の回転羽根部の構成を示した斜視図。
【
図3】本発明に係る有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置の回転羽根部の平面構成を示した平面図。
【
図4】本発明に係る有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置を通した有害ガスの処理結果を示した図表およびグラフである。
【
図5】本発明に係る有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置を通した有害ガスの処理結果を示した図表およびグラフである。
【
図6】本発明に係る有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置を通した有害ガスの処理結果を示した図表およびグラフである。
【
図7】本発明に係る有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置を通した有害ガスの処理結果を示した図表およびグラフである。
【
図8】本発明に係る有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置を通した有害ガスの処理結果を示した図表およびグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を十分に理解するために本発明の好ましい実施例を添付図面を参照して説明する。本発明の実施例は様々な形態に変形することができ、本発明の範囲は後述する実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。本実施例は当業界において平均的な知識を有した者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における各要素の形状などはより明確な説明を強調するために誇張して表現されることがある。各図において、同一の部材は同一の参照符号で示した場合があることに留意されたい。本発明の要旨を不要に曖昧にする恐れがあると判断される公知の機能および構成に対する詳細な記述は省略される。
【0024】
図1は、本発明の好ましい実施例に係る有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置1の構成を概略的に図示した概略図である。
【0025】
本発明の好ましい実施例に係る有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置1は製鉄所、火力発電所、石油化学企業、ゴミ焼却場などの有害物質の大気への排出のために設置される煙道20と連結されるように設置される。
【0026】
有害ガス処理と有害物質生成抑制および除去装置1は、有害ガスG1を冷却水Wとの接触によって急冷させて有害物質の生成を抑制する1次抑制処理部100と、1次抑制処理部100で処理された1次処理ガスG2を処理水Aと接触させて残存有害物質をもう一度浄化させ、待機放出が可能な清浄空気形態の2次処理ガスG3に処理する2次抑制処理部200を含む。
【0027】
ここで、火炎Fにより高温の有害ガスや有害物質が発生する製鉄所、火力発電所、石油化学企業、ゴミ焼却場などのような煙突産業では1次抑制処理部100と2次抑制処理部200がワンセットで設置されて使われる。
【0028】
反面、火炎が発生されない状態で有害ガスや有害物質が発生する産業、IT関連産業、高精密産業、清浄空気を必要とする産業、黄砂被害を受ける産業、建設現場、大型建築物などには2次抑制処理部200だけが選択的に使用され得る。
【0029】
すなわち、有害ガスの種類と濃度、温度、生成過程などによって1次抑制処理部100と2次抑制処理部200を別々にまたは、ともに選択的に使用することができる。
【0030】
1次抑制処理部100は内部に冷却水Wが貯蔵される1次処理チャンバー110と、煙道20と連結されて有害ガスG1を吸入する1次吸込管(120)と、1次吸込管120と連結されて回転羽根137の回転によって吸入圧力を生成する1次回転羽根部130と、1次回転羽根部130を回転駆動させる1次羽根駆動部140と、1次処理チャンバー110内部の冷却水Wを循環させる冷却水循環濾過部150を含む。
【0031】
1次処理チャンバー110は密閉された筐体状に形成されて内部に冷却水Wを収容する。冷却水Wは1次処理チャンバー110の1/3の高さに収容される。冷却水Wは1次回転羽根部130が回転しない場合、水面が水平面状態に維持され、1次回転羽根部130が回転すると
図1にW1で表示されたように、遠心力によって傾斜するように形成される。
【0032】
1次処理チャンバー110の上部を通じて煙道20が挿入され、1次処理チャンバー110の下部を通じて1次羽根駆動部140が1次回転羽根部130と結合される。
【0033】
1次吸込管120は、煙道20と1次回転羽根部130とを連結させて有害ガスG1が1次回転羽根部130に移動されるようにする。1次吸込管120の上部領域は煙道20の内部に挿入され、下部領域は有害ガス吸込管135と連結される。
【0034】
1次吸込管120は有害ガス吸込管135から煙道20の内部に一定高さに挿入されるように形成される。1次吸込管120の外径は煙道20の内径に対応するように形成され、煙道20を経由した有害ガスG1がすべて1次吸込管120の内部に流入するように形成されるのが好ましい。
【0035】
1次回転羽根部130は、冷却水W内部に浸った状態で回転して有害ガスG1が移動する吸入圧力を形成し、回転力によって有害ガスG1を微細気泡の形態で冷却水Wに排出する。
【0036】
1次回転羽根部130は上部支持板131および下部支持板133と、上部支持板131と下部支持板133を相互連結する有害ガス吸込管135と、有害ガス吸込管135の外周面に一定間隔で結合される複数の回転羽根137を含む。
【0037】
有害ガス吸込管135は1次吸込管120の下端部に結合されて1次吸込管120を通じて移動された有害ガスを複数の回転羽根137側に移動させる。有害ガス吸込管135の外周面には長さ方向に沿って一定間隔で有害ガス吐出口135aが貫通形成される。有害ガス吐出口135aは隣り合う一対の回転羽根137の間に貫通形成されて有害ガスG1を回転羽根137の間に排出させる。
【0038】
上部支持板131と下部支持板133はそれぞれ有害ガス吸込管135の上端と下段に結合されて複数の回転羽根137の上下をカバーする。これによって有害ガス吐出口135aを通じて排出された有害ガスG1が外部に離脱されず、回転羽根137の間を通じて冷却水Wに流入するようになる。
【0039】
上部支持板131と下部支持板133は側面連結板134によって回転羽根137の移動経路をカバーする。これによって、回転羽根137の間を通じて有害ガスG1が溶解された冷却水Wが排出される時、外部から冷却水Wが再び流入して排出される冷却水Wの流れを妨げることを側面連結板134が遮断することができる。
【0040】
複数の回転羽根137は有害ガス吸込管135の外周面に螺旋方向に延長形成されて回転する。回転羽根137は1次羽根駆動部140から駆動力の伝達を受けて回転する。この時、1次羽根駆動部140は有害ガス吸込管135に連結されて有害ガス吸込管135を回転させて複数の回転羽根137を駆動させる。
【0041】
回転羽根137は図示された通り、螺旋方向に延長形成されるか放射方向に直線形態に形成され得る。この時、回転羽根137の端部領域には上部支持板131と下部支持板133の外側に一定の長さlで突出した突出端137aが形成される。
【0042】
突出端137aは上部支持板131と下部支持板133の外側に突出されるので冷却水Wと直接接触することになる。したがって、回転羽根137が回転すると突出端137aは冷却水Wと衝突して大きな圧力を受けることになる。突出端137aは回転羽根137が有害ガス吸込管135に対して有する角度θ1より大きい角度θ2を有するように形成される。すなわち、回転羽根137の端部で大きい角度で折れ曲がるように形成される。
【0043】
図3に拡大図示された通り、時計方向に回転羽根137が回転すると突出端137aの外側面には冷却水Wと衝突して大きな圧力P2が作用することになり、突出端137aの内側面には相対的に負の圧力P1が発生することになる。したがって、回転羽根137の内側面に沿って有害ガスG1が排出されて冷却水Wに溶解することになる。
【0044】
一方、有害ガスG1は回転羽根137の間から排出される時、回転羽根137と衝突して圧力を印加することになるため、冷却水Wに微細気泡の形態で溶解される。
【0045】
ここで、通常、炉10の内部で発生した有害ガスは約900度以上の高熱状態で有害物質を含有している。ダイオキシン類の場合は850度の高熱で分解され、320〜390度の温度で最大に生成される特性を有する。
【0046】
回転羽根137の間を通じて微細気泡の形態で冷却水Wに溶解された有害ガスG1は900度の温度から急冷されて100度に至ることになる。したがって、有害ガスG1がダイオキシンの生成適温が320〜380度の間の温度区間に留まる時間はわずか1秒内外に過ぎなくなる。したがって、有害ガスG1からダイオキシンのような有害物質が生成されることが根本的に抑制される効果が得られる。
【0047】
すなわち、本発明に係る1次抑制処理部100はダイオキシンのような有害物質が生成されることを根本的に抑制させるため、従来の、既に生成された有害物質を捕集して保管および管理する過程が不要となる。
【0048】
一方、冷却水循環濾過部150は1次処理チャンバー110の一側に備えられ、高温の有害ガスG1と熱交換された冷却水Wを循環させる。この時、排出される冷却水には1次処理チャンバー110で有害ガスG1と接触しながら埃などが溶解される。冷却水循環濾過部150は冷却水Wを循環させる循環管151と、循環ポンプ152および冷却水Wに含まれたスラッジのような有害物質を濾過する濾過部153を含む。また、冷却水循環濾過部150は、場合によって冷却水を適正温度に維持させるための冷却部(図示されず)をさらに含むことができる。
【0049】
一方、2次抑制処理部200は1次処理チャンバー110と1次処理ガス排出管(211)で連結される。2次抑制処理部200は、1次処理チャンバー110で有害ガス生成は抑制されてあるが残余有害物質が含まれた1次処理ガスG2を浄化して大気中に排出できるようにする。
【0050】
2次抑制処理部200は1次抑制処理部100と機械的構成は同一であるか、2次処理チャンバー210の内部に処理水Aが収容される点が異なる。1次抑制処理部100は有害ガスG1を急冷させるために冷却水Wが収容されてあったが、2次抑制処理部200は処理水Aが収容される。
【0051】
処理水Aは1次処理ガスG2に含まれた残存大気汚染物質を除去、中和、捕集する。処理水Aは水に有害ガス処理剤を溶解させて形成する。有害ガス処理剤は処理すべき有害ガスの種類に応じて相異なるように具備され得るが、本発明の好ましい実施例においては液相の水酸化ナトリウムが用いられる。液相水酸化ナトリウムの溶解率は3%〜10%範囲で決定され得る。
【0052】
処理水Aは2次回転羽根部230の回転と有害ガスの処理によって泡を発生させる。泡は2次処理チャンバー210の外部に排出された後、精製部(図示されず)で精製後捕集または浄化した後放出される。
【0053】
このような構成を有する本発明に係る有害ガスと有害物質生成抑制および除去装置1の動作過程を
図1〜
図3を参照して説明する。
【0054】
炉10で発生した火炎Fにより生成された有害ガスG1は煙道20を通じて移動する。この時、煙道20の端部は1次抑制処理部100の1次吸込管120と連結される。
【0055】
1次羽根駆動部140により1次回転羽根部130が回転すれば、1次吸込管120内に負圧が形成され、有害ガスG1が1次吸込管120の内部に吸入される。1次吸込管120に吸入された有害ガスG1は有害ガス吐出口135aを通じて吐出されて隣り合う回転羽根137の間に移動される。
【0056】
この時、回転羽根137が高速で回転し、回転羽根137の外側面には大きな圧力P2が形成され、内側面には相対的に少ない圧力P1が形成されて、有害ガスG1は回転羽根137の内側面に沿って冷却水Wに吐出される。この過程で有害ガスG1は継続して高速で回転する回転羽根137と接触して微細気泡の形態に変換される。微細気泡形態の有害ガスG1は冷却水Wと接触され、接触面積が広いため冷却水Wに溶解率が高くなる。また、大きい温度差によって数秒の間に急冷されてダイオキシンのような有害物質が生成されることを抑制する。
【0057】
冷却水Wと接触した1次処理ガスG2は、2次処理ガス煙道20を通じて2次抑制処理部200に移動する。2次吸込管220と2次回転羽根部 230を経由した1次処理ガスG2は液相水酸化ナトリウムが溶解された処理水Aに反応して残余物質が吸着捕集、中和、除去される。このように2次処理された2次処理ガスG3は大気中に放出可能な清浄状態に浄化されて2次処理ガス排出管213を通じて大気に放出される。
【0058】
図4は、
図1の煙道20の入口(M)の有害ガスG1に含まれた酸素および二酸化炭素の濃度変化を時間別に示したグラフであり、
図5は、
図1の2次処理ガス排出管213を通じて排出される2次処理ガスG3に含まれた酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物の時間による成分を分析した図表であり、
図6は、
図5の図表をグラフで示した図面である。
【0059】
また、
図7は、煙道入口Mの有害ガスG1の置換異性体濃度分布を示した図表であり、
図8は、2次処理ガス排出管213の2次処理ガスG3の置換異性体濃度分布を示した図表である。
【0060】
図示された通り、1台の1次抑制処理部100で生活ゴミを炉10の内部で焼却する燃焼試験を稼動し、公認測定機関で有害物質濃度を4時間の間測定した結果、煙道入口Mのダイオキシンの排出濃度は20.68ng-TEQ/Nm
2、1次処理ガス排出管211のダイオキシン排出濃度は2.98ng-TEQ/Nm
2、窒素酸化物は平均27.2ppm、硫黄酸化物は0ppmが検出された。これによって、測定地点の間のダイオキシン除去効率は約85.6%に達し、全体として有害物質の発生が抑制されることが分かった。
【0061】
以上で説明した通り、本発明に係る有害ガスと有害物質生成抑制および除去装置は、熱を利用して化学成分が添加されていない純粋な冷却水を通じてダイオキシンなどの有害物質の生成自体を根本的に抑制して有害物質の瞬間発生を抑制させることができる。また、1次処理ガスに残存する有害物質を2次抑制処理部で処理水を通じて除去捕集して有害物質排出のゼロ化を実現することができる。
【0062】
また、全体的に有害ガスと有害物質の移動経路上に処理チャンバーと回転羽根部が追加される構成であるため、構造が簡単で設置費と管理費用が節減され得る。すなわち、従来と対比して、ダイオキシンの捕集と保管のための別途の施設が要求されないため管理費用の節減ができる。
【0063】
また、有害ガスと有害物質の生成過程に応じて1次抑制処理部と2次抑制処理部を選択的に用いることができ、管理の効用性が増加され得る。
【0064】
以上で説明された本発明の有害ガスの有害物質生成抑制装置の実施例は例示的なものに過ぎず、本発明が属した技術分野の通常の知識を有した者であればこれから多様な変形および均等な他の実施例が可能でことは明白である。したがって、本発明は前記の詳細な説明で言及される形態にのみ限定されるものではないこともよく理解できるはずである。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。また、本発明は添付された特許請求の範囲によって定義される本発明の精神とその範囲内にあるすべての変形物と均等物および代替物を含むものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0065】
1:有害物質生成抑制装置
100:1次抑制処理部
110:1次処理チャンバー
120:1次吸込管
130:1次回転羽根部
131:上部支持板
133:下部支持板
135:有害ガス吸込管
135a:有害ガス吐出口
137:回転羽根
137a:突出端
140:1次羽根駆動部
150:冷却水循環濾過部
151:冷却水循環管
152:循環ポンプ
153:濾過部
200:2次抑制処理部
210:2次処理チャンバー
211:1次処理ガス排出管
213:2次処理ガス排出管
220:2次吸込管
230:2次回転羽根部
240:2次羽根駆動部
【国際調査報告】