特表2016-524075(P2016-524075A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-524075風力発電装置のロータブレード及び風力発電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-524075(P2016-524075A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(54)【発明の名称】風力発電装置のロータブレード及び風力発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03D 1/06 20060101AFI20160715BHJP
【FI】
   F03D1/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-518983(P2016-518983)
(86)(22)【出願日】2014年6月11日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月27日
(86)【国際出願番号】EP2014062100
(87)【国際公開番号】WO2014198754
(87)【国際公開日】20141218
(31)【優先権主張番号】102013210901.6
(32)【優先日】2013年6月11日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】512197272
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WOBBEN PROPERTIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】アルトミクス、アンドレー
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB31
3H178CC03
(57)【要約】
【課題】とりわけ弱風立地用の風力発電装置のロータブレードの空気力学的特性を改善すること。
【解決手段】風力発電装置の空気力学的ロータのロータブレードは、少なくとも第1及び第2境界層フェンス(810、820)を含み、第1境界層フェンス(810)は、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの25%〜40%の範囲に設けられ、及び、第2境界層フェンス(820)は、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの45%〜60%の範囲に設けられる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電装置の空気力学的ロータのロータブレードであって、
・少なくとも第1及び第2境界層フェンス(810、820)を含み、
・第1境界層フェンス(810)は、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの25%〜40%の範囲に設けられ、及び、
・第2境界層フェンス(820)は、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの45%〜60%の範囲に設けられる、
ロータブレード。
【請求項2】
請求項1のロータブレードであって、
・第1境界層フェンス(810)は、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの30%〜35%の範囲に設けられ、及び/又は、
・第2境界層フェンス(820)は、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの50%〜55%の範囲に設けられる、
ロータブレード。
【請求項3】
請求項1又は2のロータブレードであって、
・第1及び第2境界層フェンス(810、820)は、ロータブレードの吸引側(801)に設けられ、又は、
・第1及び第2境界層フェンス(810、820)は、ロータブレードの吸引側(801)及び圧力側(802)に夫々フェンス部分(811、812、821、822)を有する、
ロータブレード。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかのロータブレードであって、
ロータブレードは、
・ロータブレードの運動方向をほぼ指向するブレードノーズ(803)、及び
・ブレードノーズ(803)の反対側にある後縁(804)
を有し、及び、
・各境界層フェンス(810、820)ないしフェンス部分(811、821、821、822)はブレードノーズ(803)から後縁(804)に向かってその高さ(h)が増大する、とりわけ、
・ブレードノーズ(803)の付近の0〜5mmの高さ(h)から始まって後縁(804)まで15mm超の、とりわけ20mm超の、高さ(h)に増大し続ける、
ロータブレード。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかのロータブレードであって、
・各境界層フェンス(810、820)ないしフェンス部分(811、821、821、822)は
・基部分(B)及び
・背部分(R)
を有するウェブとして構成され、
・各境界層フェンスの位置におけるロータブレードの翼型断面に関し、
・基部分(B)は、翼型に従うよう構成され、及び、
・背部分(R)は、翼型に相応するが翼型に対し外方に旋回された輪郭ラインに従うよう構成され、
・該輪郭ラインは、とりわけ、ブレードノーズ(803)に沿って延在する旋回軸(806)の周りで所定の設計角度だけ旋回されている、
ロータブレード。
【請求項6】
請求項5のロータブレードであって、
前記設計角度は、1〜3°の範囲にある、
ロータブレード。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかのロータブレードであって、
境界層フェンスは、境界層の厚みに及び/又はその領域における境界偏位量(Grenzverdraengung)の2倍〜5倍の寸法にほぼ相当する高さ(h)を有する、
ロータブレード。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかのロータブレードであって、
・第1境界層フェンス(810)は、第2境界層フェンス(820)より大きい平均高さ(h)を有する、とりわけ、
・第1境界層フェンス(810)の平均高さ(h)は、第2境界層フェンス(820)の平均高さ(h)より少なくとも30%、とりわけ少なくとも50%大きい、
ロータブレード。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかのロータブレードであって、
ロータブレードの吸引側(801)のブレードノーズに向かって前方の3分の1において、第1境界層フェンス(810)と第2境界層フェンス(820)の間に、とりわけ専ら第1境界層フェンス(810)と第2境界層フェンス(820)の間に、渦発生器が設けられる、
ロータブレード。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかのロータブレードであって、
ロータブレードは弱風装置用に設計される及び/又はその最大の翼弦長を空気力学的ロータのロータハブに取り付けるためのその翼根の直近に有する、
ロータブレード。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかのロータブレードであって、
その相対翼弦長は、ロータの回転軸を基準として半径方向に見て、
・30%〜50%の領域に35%〜45%の値を有する、とりわけ、
・35%〜45%の領域に38%〜45%の値を有する、及び/又は、
・40%〜55%の、とりわけ45%〜50%の、領域において38%の値を下回る、
ロータブレード。
【請求項12】
請求項1〜11の何れかのロータブレードを少なくとも1つ、とりわけ3つ、含んでなる風力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電装置のロータブレードに関する。本発明は、更に、風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電装置は一般的に知られており、現在では、本発明も関連するいわゆる水平軸型風力発電装置が定着している。現代の風力発電装置は、その建設地において予期されるべき風条件に適合されている。とりわけ、原理的に、強風立地用の風力発電装置と弱風立地用の風力発電装置との間で区別することができる。場合によっては、更に細かく分けることも可能である。
【0003】
弱風立地用の風力発電装置は、平均風速がより大きい立地用の風力発電装置と比べると、より長く、更には少なくとも部分的により精巧に構成された(filigraner)ロータブレードを有する。このため、このより長いロータブレードは、より大きなロータ面をスイープすることができるため、弱風の場合でも風から可及的に多くのエネルギを取り出すことができる。強風による強い負荷は比較的稀にしか生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE 103 47 802 B3
【特許文献2】US 2011/0211966 A1
【特許文献3】US 2012/0051936 A1
【特許文献4】EP 2 466 122 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのようなロータブレードの構造について留意すべきことは、該ロータブレードが、可及的に少ない質量を有することができるが、同時にブレードの十分な負荷能力(耐荷重性)を保証できるよう、とりわけその中央領域において幅狭に構成されることである。しかしながら、ロータの半径方向に関し、とりわけロータブレードの中央領域において、ロータブレードの安定性と負荷能力に対する既述の要求と必須の空気力学的設計との間の調和という問題が生じ得る。
【0006】
この場合、良好な特性を有する空気力学的翼型(輪郭)は達成されるとしても、この最適な空気力学的翼型からの僅かなずれは流れ特性に対して極めて大きな影響を及ぼし得るため、空気力学的翼型の設計の余地が小さいことが時折あり得る。とりわけロータブレードの不清浄化(汚れ付着)は、不所望に早期の気流(境界層)剥離(ないし失速:Stroemungsabriss)を引き起こすことがあり得る(なお、このような気流剥離は汚れのないロータブレードの場合には生じないか又は少なくとも同程度には起こらない)。その際、雨滴がブレードの顕著な汚れとなり得る。
【0007】
それゆえ、本発明の課題は上述の問題の少なくとも1つに対処することである。とりわけ、ロータブレードの空気力学的特性を改善するための手段の提供が望まれる。とりわけ、弱風立地用の風力発電装置のロータブレードを改善すること、とりわけ汚染抵抗性(ないし汚れ難さ)をより大きくすることが望まれる。少なくとも、従来技術に対する代替策の提案が望まれる。
【0008】
なお、ドイツ特許商標庁は本PCT出願の優先権主張の基礎出願において次の先行技術を調査した:DE 103 47 802 B3、US 2011/0211966 A1、US 2012/0051936 A1 及び EP 2 466 122 A2。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明により、請求項1に記載のロータブレードが提案される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
そのようなロータブレード即ち空気力学的ロータのロータブレードは、少なくとも第1及び第2境界層フェンス(ないし囲い部材ないしウイングフェンス:Grenzschichtzaun)を含む。これらの境界層フェンスの位置は、空気力学的ロータの半径方向に関し、特に中央領域に設定される。少なくとも2つの境界層フェンスの位置は、これらの境界層フェンスがロータブレードの中央領域を含む(包囲するないし挟み込む)よう選択される。
【0011】
これについては、ロータブレードは弱風装置の場合即ち弱風立地用の風力発電装置の場合にもそのハブに近い領域(ハブ近接領域)において幅広に構成可能であり、(汚れに対する)脆弱性がより小さい翼型(翼面プロフィル)が許容される(採用の余地がある)ことが考慮されている。外側の領域においては即ちロータブレードの翼端に向かって、翼型をより頑強に構成することも可能である。なぜなら、この外側の領域においては、ロータブレードの負荷能力はブレード構成の決定に対し支配的影響を及ぼすことはより少ないからである。他方、中央領域においては、ロータブレードの負荷能力はこの領域において重要な役割を有し、風力発電装置のエネルギ生産量に対する風の影響はここにおいてもなお相当に大きい。更に、中央領域においては、雨のような汚れによってより大きな影響が生じることが時折あり得る。なぜなら、この領域における回転速度は、ロータブレードの外側の領域程には大きくなく、従って、雨水がその表面でより強く保持され得るからである。
【0012】
ここで留意すべきことは、風力発電装置のロータブレードに境界層フェンスを使用することは基本的には知られていることである。これについては、ドイツ特許DE 103 47 802 B3 が参照される。これによると、ロータブレードの実質的にシリンダ状の翼根領域とロータブレードの空気力学的翼型を有するより外側の部分との間の横断流(Querstroemungen)を阻止するために、境界層フェンスが設けられている。このため、この特許では、ロータブレードがそのほぼシリンダ状の翼根領域から空気力学的翼型を有する領域に移行する領域に配される1つの境界層フェンスが提案されている。第2の境界層フェンスは、補助ために設けることは可能である。
【0013】
これに対し、本発明は全く異なる問題、即ち、とりわけブレードの汚れによって引き起こされる気流剥離(失速)を阻止する又は少なくとも所定の範囲に制限するという問題に関する。これに関し、本発明は、とりわけ、ロータハブに取り付けるための翼根領域の直近に最大の翼弦長を有するロータブレードに関する。換言すれば、本発明は、とりわけ、その軸ないし半径方向長さ全体に空気力学的翼型を有するロータブレードに関する。
【0014】
このため、第1境界層フェンスが25〜40%の領域に設けられること及び第2境界層フェンスがロータブレードに45〜60%の領域に設けられることが提案される。これらのデータないし数値は、風力発電装置の空気力学的ロータにおいて規定通りに使用した場合におけるロータブレードの半径方向に関するものである。従って、0%の値は空気力学的ロータの回転軸(の位置)にほぼ相当し、100%の値はロータブレードの翼端(の位置)に相当するであろう。
【0015】
有利には、第1境界層フェンスは(ロータブレードの)半径方向の30〜35%の領域に設けられ、追加的に又は代替的に、第2境界層フェンスはロータブレードに半径方向に50〜55%の領域に設けられる。かくして、ロータブレードの相応に実質的な中央領域はこの両者の境界層フェンスを備え、この両者の間に包囲される(挟み込まれるないし閉じ込められる)。従って、提案に係る措置は、実質的にこの中央領域に専ら適用可能である。
【0016】
有利には、第1及び第2境界層フェンスは夫々ロータブレードの吸引側に設けられる。とりわけ、この吸引側において気流剥離(失速)に関する大抵の問題が生じ得ることが判明したため、とりわけ吸引側に境界層フェンスが設けられる。有利には、単に夫々1つの境界層フェンスがロータブレードの吸引側に設けられるのではなく、各境界層フェンスが夫々2つのフェンス部分を有し、そのうち、一方のフェンス部分が吸引側に、他方のフェンス部分がロータブレードの圧力側に設けられる。これに関し、圧力側のフェンス部分による吸引側の境界層フェンスの支援により、提案に係る空気力学的措置を一層改善できることが分かった。
【0017】
一実施形態に応じ、各境界層フェンスは、ブレードノーズから後縁に向かってその高さが増大するよう構成される。その限りにおいて、ほぼ運動方向にブレードノーズないしロータブレードノーズを有しかつその反対側に即ち原理的に後方に後縁を有する一般的なロータブレードを出発点とする。有利には、境界層フェンスの高さは、ブレードの近傍を流れる空気の境界層の厚みに対応する。この境界層は、該近傍を流れる空気の速度が減速されていない空気の流動速度の90%に達するブレード表面からの距離の領域とみなされる。これに関し、関連する部位におけるロータブレードに対し相対的な空気の流動速度が使用される。
【0018】
この境界層がブレードノーズから後縁に向かって増大する距離(厚み)を有することが、今や判明した。そこで、境界層フェンスの高さをこれに対応させることが、一実施形態により提案される。
【0019】
境界層フェンスの高さについてのこの実施形態は、ブレード表面に対し直角をなしかつ近傍流の方向に沿って構成されるほぼ平板状の物体として構成される即ちほぼウェブ状に(stegfoermig)構成される境界層フェンスを前提とする。更に、この実施形態は、境界層フェンスが吸引側と圧力側に夫々境界層フェンス部分(これは単にフェンス部分とも称される)を有する場合、フェンス部分にも適用可能である。
【0020】
とりわけ、境界層フェンスは、ブレードノーズの近くから、例えば関連する部位の翼型(Blattprofil)の翼弦に関しブレードノーズから後方の5〜10%から始まる。この場合、境界層フェンスないしフェンス部分は0〜5mmの小さい高さで始まり、そして、15mm超の、とりわけ20mm超の高さにまで増大し続ける。この増大は、第1境界層フェンスないしそのフェンス部分の場合、30mm超に上昇することができる。有利には、境界層フェンスは、その後方の領域、とりわけ後半の3分の1の領域では、その高さが変化しない、即ち一定の高さである。かくして、境界層フェンスは境界層の位置に適合することができ、大きな高さは不要になり、以って、無用な作用面は回避され、最終的に、(開始位置から)一定の大きな高さを有するバリエーションと比べると材料の節約も達成される。
【0021】
かくして、有利には、各境界層フェンスないしフェンス部分はウェブとして構成され、このウェブは基部分と背部分を有する。ウェブは基部分においてロータブレード表面に即ち吸引側又は圧力側に固定され、ウェブの他方の自由側は背部分を構成する。基部分は、そのため、翼型(ブレード輪郭)に従うよう構成される。背部分は、翼型(ブレード輪郭)と同様に構成されるが、異なる位置に構成される。このため、その形状は翼型(ブレード輪郭)に相応するが、旋回軸/回転軸の周りで翼型(ブレード輪郭)に対して旋回/回転されている輪郭ラインが使用される。これを考える場合、夫々関連する境界層フェンスの領域の翼型部分(輪郭部分)を出発点とする。まず初めに、例えば吸引側の翼型(ブレード輪郭)に従う輪郭ラインを想定する。そして、思考上、旋回軸を、有利にはブレードノーズの領域に、設定する。そして、この旋回軸の周りで、この輪郭ラインを、思考上、とりわけ凡そ1〜3°の角度だけ、回転すると、この輪郭ラインは、旋回軸において翼型(ブレード輪郭)と共通の点を有するが、その一方で、後縁に向かって後方に翼型(ブレード輪郭)から、この例では吸引側から、離れ続ける。従って、境界層フェンスないし境界層フェンス部分は、翼型(ブレード輪郭)とこの旋回された輪郭ラインの間において延在する(形成される)。
【0022】
圧力側のフェンス部分が設けられる場合は、相応に、圧力側の輪郭ラインが使用される。この輪郭ラインはウェブの基部分の延伸形状に対応し、この輪郭ラインに対して旋回された輪郭ラインはウェブの背部分の延伸形状に対応する。この場合、同じ軸の周りでの旋回の方向(向き)は、吸引側の境界層フェンスを形成する場合と正反対である。
【0023】
ブレードノーズに向かって前方の領域、即ちとりわけブレードの翼弦に関し5〜10%の領域においては、ウェブは当該領域では形成される必要はなく、従って、ウェブはブレードノーズから相応の距離のところから始まれば十分であるという程に、ウェブの高さは極めて小さいであろう。このことは、吸引側にも圧力側にも当てはまる。
【0024】
有利には、境界層フェンスの高さは、対応する領域における境界層の偏位(排除)厚み(ないし境界偏位(排除):Verdraengungsdicke der Grenzschicht)の2倍〜5倍の、とりわけ3倍〜4倍の大きさに相当する。
【0025】
更に、提案に係る措置によって阻止されることが望まれる気流剥離(失速)はブレードないし翼型の中央領域又は場合によっては後部領域において初めて生じるため、ブレードノーズに向かって境界層フェンスの高さ(厚み)は小さくても十分であることも分かった。これに応じ、境界層フェンスの高さはその位置が後縁に近づくほど大きくなると有利である。
【0026】
第1境界層フェンスと第2境界層フェンスが異なる高さを有すること、とりわけ異なる平均高さを有することが、更なる一実施形態より提案される。旋回された輪郭ライン(Profillinie)に従うウェブ背部分(形状)を有するウェブとして境界層フェンスが構成される場合、ウェブの全長にわたって、第1境界層フェンスの高さは第2境界層フェンスに比べてより大きくなる。対比の際、簡単のために、両者の境界層フェンスの平均高さを使用するが、この平均高さは例えば各境界層フェンスの長さにわたるその高さの算術平均とすることができる。境界層フェンスが圧力側のフェンス部分をも有する場合、ここに示した考察・説明は各フェンス部分の高さにも相応に適用することができる。
【0027】
いずれの場合においても、第1境界層フェンス即ちロータハブのより近く(の領域)に配置されている境界層フェンスの高さは第2境界層フェンスより少なくとも30%、とりわけ少なくとも50%より大きいことが提案される。これに関し、(半径方向)外側の境界層フェンスについては小さい高さで十分であり、このことは空気力学的に有利であり得ることが分かった。
【0028】
有利には、補充的に、渦発生器が設けられる。ブレードノーズに向かって見て前側のほぼ3分の1(前縁から後縁に向かって見て最初の3分の1)のところに設けられ及び有利にはロータブレードの吸引側に配されるそのような渦発生器は、剥離作用即ち翼型(ブレード輪郭)における気流(境界層)剥離(失速)に対し反対に作用する(阻害する)ことができる。とりわけ、そのような渦発生器は、そのような気流剥離の位置を更に後縁側に移動させ、以って、気流剥離による空気力学的欠点を少なくとも低減することができる。この気流剥離を―思考実験的に―後縁にまで移動させることができれば、該気流剥離は事実上最早生じない。
【0029】
有利には、これらの渦発生器を第1境界層フェンスと第2境界層フェンスの間にのみ設けることが提案される。このため、その作用は、この領域に限定されると共に、境界層フェンスによってロータブレードの外側又は内側領域に対して遮蔽される。これに関し、とりわけ、そのような渦発生器は不所望の騒音源になり得るという問題も考慮される。そのため、両者の境界層フェンス間のこの領域にのみ設けることにより、騒音レベルを制限することができると同時に、半径方向に不必要に長距離にわたって渦発生器を敷き詰めることが回避されるないし回避可能である。
【0030】
有利には、ロータブレードは弱風装置用に即ち弱風立地のために設けられる風力発電装置用に設計される。かくして、提案に係る方策は、とりわけ弱風装置のそのようなロータブレードの問題のある中央領域(の問題)に取り組む。
【0031】
有利には、ロータハブに固定するためのその翼根の直近にその最大の翼弦長を有するロータブレードが使用される。即ち、ハブに向かって再び(翼弦長が)縮小し、(翼根の領域に)翼型として設計されていない実質的にシリンダ状の領域を有するロータブレードは使用されない。換言すれば、この方策は、ロータブレードの翼型領域(Profilbereich)と、ロータブレードの非翼型領域即ちシリンダ状の翼根との間に生じる作用には関係しない。
【0032】
本発明に応じ、更に、上述の実施形態の少なくとも1つに応じたロータブレードを1つ又は2つ以上有する風力発電装置が提案される。とりわけ、3つのロータブレードを有する風力発電装置であって、各ロータブレードが上記実施形態の1つに応じて提案されているように構成されるものが提案される。
【0033】
風力発電装置の好ましいロータブレードの一例は、ロータハブにロータブレードを取り付けるための翼根と、該翼根の反対側に配置される翼端を有する。この場合、翼弦長に対する翼厚の比率(割合)として定義される相対翼厚は、翼根と翼端の間の中央領域に、極大値(局所的最大値)を有する。翼弦長(Profiltiefe)とは、以下において、翼型(翼断面プロフィル)の長さ即ち翼側ノーズ(前縁)と翼型後縁の間の距離として理解されるものとする。翼厚は、翼型上面(上辺)と翼型下面(下辺)の間の距離を表す。従って、相対翼厚は、翼厚が小さい場合及び/又は翼弦長が大きい場合、小さい値を有する。
【0034】
相対翼厚は翼根と翼端の間に極大値を有する。極大値は、翼根と翼端の間の中央領域に、有利には翼根から翼端に向かって測ってロータブレードの全長の30〜60%の領域にある。従って、例えば全長が60mの場合、極大値は、有利には18メートルから36メートルの範囲にある。かくして、相対翼厚は、まず、翼根から出発して減少し、次いで、中央領域において極大値に至るまで、即ちその前後の近傍において相対翼厚がより大きい値を有さない位置に至るまで再び増大する。ロータブレードの中央領域における(相対翼厚の)極大値は、とりわけ翼弦長が翼根から出発して中央領域に至るまで大きく減少することによって形成される。同時に又はその代わりに、翼厚は増大されること又は翼弦長ほどには大きく減少されないことが可能である。かくして、とりわけ翼根と中央領域の間において材料の節約が、従って、質量の減少が達成される。翼厚の増大により、ロータブレードの安定性は大きくなる。
【0035】
中央領域における翼弦長の減少により当該領域における負荷能力(耐荷重性)は低下し得るが、同時にロータブレードの質量の減少が達成される。ロータブレードの場合によっておこり得る効率ないし性能(Effizienz)の低下は、質量の減少の実現のために甘受される。これに関し、中央領域では、効率(性能)を可及的に良好としつつ、安定性と剛性(Steifigkeit)により強く着目されるが、(半径方向)外側領域では大きな効率(性能)により強く着目される。従って、翼弦長が中央領域から外側に翼端に向かって減少するがその程度は中央領域におけるよりも少なくともより小さい翼型が提案される。
【0036】
有利には、極大値における相対翼厚は35%〜50%、とりわけ40%〜45%である。通常は、相対翼厚は翼根において100%〜40%の値で出発する。ここで、ほぼ100%の値は、翼厚が翼弦長とほぼ同じ大きさであることを意味する。その後、この値は単調に減少する。本発明の一実施形態においては、この値は翼根から出発してまず減少して、極小値(局所的最小値)に到達する。該極小値を経過後、相対翼厚は凡そ35%〜50%になるまで上昇曲線を描く。
【0037】
好ましい一実施形態では、ロータブレードは中央領域に及び/又は極大値の領域に1500mm〜3500mmの、とりわけ凡そ2000mmの翼弦長を有する。従って、ロータブレードが翼根の領域に凡そ6000mmの翼弦長を有する場合、翼弦長は、中央領域までに及び/又は極大値の領域までに、凡そ3分の1だけ(凡そ3分の1に)減少する。
【0038】
有利には、ロータブレードは、8〜11の、有利には9〜10の範囲の周速比(Schnelllaufzahl)用に設計される。ここで、周速比は、翼端における回転速度(Umfangsgeschwindigkeit)の風速に対する比率として定義される。高速に回転するスリムなロータブレードによって、出力係数(Leistungsbeiwert)を大きくすると同時に設計周速比も大きくすることができる。
【0039】
更なる一実施形態において、ロータブレードは、翼根から翼端に向かって測定されるロータブレードの全長の90%〜96%の領域に、翼根の領域における翼弦長の凡そ5%〜15%の、とりわけ凡そ10%に相当する翼弦長を有する。
【0040】
翼端の領域においてそのように翼弦長を減少することによって、機械的構造体及びタワーに作用する負荷(荷重)、とりわけ空気力学的負荷(荷重)は減少される。かくして、基本的に、比較的スリムなロータブレードが提案される。
【0041】
好ましい一実施形態において、ロータブレードは、翼根において、少なくとも3900mmの、とりわけ3000mm〜8000mmの範囲の翼弦長を有し及び/又は翼根から出発して全長の90%〜95%の領域に、とりわけ90%のところに、最大で1000mmの、とりわけ700mm〜300mmの範囲の翼弦長を有する。
【0042】
有利には、ロータブレードは、中央領域において、とりわけロータブレードの全長の50%のところにおいて及び/又は極大値の領域において、翼根の領域における翼弦長の凡そ20%〜30%、とりわけ25%に相当する翼弦長を有する。例えば翼根の領域における翼弦長が6000mmの場合、極大値の領域における及び/又は中央領域における翼弦長は、凡そ1500mm程に相当する。翼根から中央領域までに翼弦長がこのように急激に減少することにより、負荷、とりわけ空気力学的負荷が小さいスリムなロータブレードが得られる。この負荷は、他の既知のロータブレードに対するものよりも小さい。既知の翼型(ロータブレード)では、翼弦長は、一般的に、実質的に直線的に(線形に)減少する。このため、とりわけ翼根と中央領域の間により大きな翼型が存在し、従って、より多くの材料も要することになる。
【0043】
上記の実施形態の少なくとも1つに応じたロータブレードを少なくとも1つ含む弱風立地用の風力発電装置が有利に提案される。そのような風力発電装置は、少なくとも1つのスリムかつ高速に回転するロータブレードによる大きな設計周速比と大きな出力係数のために、経済的に効率が良い。かくして、風力発電装置は、とりわけ、部分負荷領域における運転及び/又は弱風にも好適であり、従って内陸部立地にも好適である。風力発電装置は、有利には、3つのロータブレードを有する。
【0044】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を参照して例示的に説明する。図面は、部分的に単純化された模式的な記載を含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】ロータブレードの一例の模式図。
図2】正規化ロータ半径に対し定性的に相対翼厚をプロットした線図の一例。
図3】半径に対し定性的に翼弦長(翼弦深さ:Tiefe)をプロットした線図の一例。
図4】半径に対し定性的に翼厚(Dicke)をプロットした線図の一例。
図5】風力発電装置の一例の斜視図。
図6】ロータブレードの一例の側面図。
図7図6のロータブレードの他の側面図。
図8】2つの状態についての、ロータブレードの半径方向位置に依存して定性的にプロットした局所的出力係数cp_locの一例。
図9】ロータブレードの軸方向に見た第1及び第2境界層フェンスの一例。
図10】2つの方向から見たロータブレードの一例。
図11】ロータブレードの一例の一部の斜視図。
図12】数個の渦発生器の例示的斜視図。
【実施例】
【0046】
図1は、一実施例のロータブレード1の複数の異なる翼型形状の配置例を示す。ロータブレード1には、断面毎に、翼厚(Profildicke)2及び翼弦長(Profiltiefe)3が記載されている。ロータブレード1は、一方の端部に翼根4を、その反対側の端部に翼端を取り付けるための結合領域5を有する。翼根4において、ロータブレード1は大きい(長い)翼弦長3を有する。これに対し、結合領域5においては、翼弦長3は格段により小さい(短い)。翼弦長は、翼根4(これは翼型根4と称されることもある。)から出発して中央領域6に至るまではっきりと減少する。中央領域6には、分離部(Trennstelle)を設けることも可能である(図1では不図示)。中央領域6から結合領域5までは、翼弦長3はほぼ一定である。図示のロータブレード1は、小さい翼端を取り付けるように構成されているが、この翼端は図示のロータブレード1の長さの1%未満であり、従ってこの場合無視することができる。
【0047】
図2は、風力発電装置の一例の2つの異なるロータブレードについて、夫々、正規化ロータ半径に対し相対翼厚をプロットした線図を示す。相対翼厚(比)即ち翼弦長に対する翼厚の比率は%で表すことができるが、ここでは定性的変化が重要であるので、値は示していない。但し、目安として、38%と45%の値のみ示した。ロータ半径は、ここでは、ロータのロータハブに組み付けられた少なくとも1つのロータブレードを有するロータに夫々関連する。各ロータブレードの長さは翼根から翼端に及ぶ。ロータブレードは、正規化ロータ半径のほぼ0.05の値でその翼根から始まり、正規化ロータ半径の値1でその翼端で終わる。翼端の領域では、正規化ロータ半径の値は関連するロータブレードのパーセントの長さにほぼ相当する。とりわけ、正規化ロータ半径の値1はロータブレード長さの100%に等しい。
【0048】
線図には、2つのグラフ100及び102を見出すことができる。グラフ100は弱風立地用の風力発電装置の一例の相対翼厚の変化(ないし推移:Verlauf)を表し、グラフ102は平均風速がより大きい立地用の風力発電装置の一例の(相対翼厚の)変化(推移)を表す。これらのグラフから分かることは、グラフ102の相対翼厚の変化(推移)は実質的に単調に減少するよう変化することである。グラフ102は、翼根の領域から即ち正規化ロータ半径の0.0と0.1の間から45%未満の相対翼厚で始まる。相対翼厚の値は減少し続ける。
【0049】
弱風装置のグラフ100ははっきりとより大きい相対翼厚で始まる。そして低下し、正規化ロータ位置のほぼ15%のところで、相対翼厚の図示の45%目安線を下回り、正規化半径のほぼ50%のところでこの領域を離れる。凡そ45%の正規化半径方向位置において、グラフ100に弱風装置とグラフ102の強風装置の間の相対翼厚の差は最大になる。
【0050】
従って、弱風装置の場合、強風装置と比べると、相対翼厚の減少(の推移)は極めて大きく外方に移動されている。とくに40%〜45%の領域(この領域では、相対翼厚は強風装置と比べて(その差が)最大となる)に対し、この領域を包囲(ないし挟み込み)可能にするための(複数の)境界フェンス(境界板ないし囲い:Grenzzaun)を設けることが提案され及び/又はそこに渦発生器が設けられる。
【0051】
図3には、ロータ半径に依存して(に対し)定性的に翼弦長(これは線図では単にTiefeと記載されている)をプロットした線図が記載されている(なお、このロータ半径の値はその都度用いられるロータの最大半径に対して正規化されている)。グラフ200は図2の場合にも用いられた弱風装置についての変化を示し、他方、グラフ202は図2でも用いられた強風装置についての変化を示す。この線図から分かることは、弱風装置は、強風装置と比べると、極めて早期に、即ち半径全体のほぼ半分のところで既に、比較的小さい翼弦長を有することである。
【0052】
図4は、図3の翼弦長(の場合)に対応して翼厚(これは線図では単にDickeと記載されている)が記載されている線図を示す。この場合も、弱風装置についてのグラフ300と強風装置についてのグラフ302は、正規化半径に対し定性的にのみ記載されている。グラフ100、200及び300と、グラフ102、202及び302とについては、夫々、同じ風力発電装置が使用されている。
【0053】
この2つのタイプの装置についての翼厚変化300及び302は、夫々の構造安定性を保証するために、殆ど同じであることが分かる。但し、弱風装置については、外側のロータ領域において、特別な条件を考慮するために、図3のグラフ202と比べたグラフ200が示すように、より小さい(より短い)翼弦長が与えられている。これから、図2が示すような、凡そ40%付近の領域に台地状形状を有するグラフ100の相対翼厚の特徴的変化が生じる。
【0054】
図5は、基盤403に建てられたタワー402を有する風力発電装置401の一例を示す。基盤403の反対側に位置する上端には、ロータ405を有するゴンドラ(ないしナセル)404(機械室)がある。なお、このロータ405は、ロータハブ406と該ロータハブ406に取り付けられた複数のロータブレード407、408及び409とから実質的に構成されている。ロータ405は、機械的仕事を電気エネルギに変換するためのゴンドラ404の内部に配された発電機に連結されている。ゴンドラ404はタワー402に回動可能に支持されており、タワー402の基盤403は必要な安定性を与える。
【0055】
図6は、一実施例のロータブレード500のその全長I即ち0%〜100%にわたって示した側面図である。ロータブレード500は、一方の端部に翼根504を有し、その反対側の端部に翼端507を有する。翼端507は結合領域505においてロータブレードの残りの部分に結合されている。翼根504において、ロータブレードは大きい(長い)翼弦長を有する。これに対し、結合領域505及び翼端507においては、翼弦長は格段により小さい(より短い)。翼弦長は、翼根504(これは翼型根504と称されることもある。)から出発して中央領域506に至るまではっきりと減少する。中央領域506には、分離部を設けることも可能である(不図示)。中央領域506から結合領域505までは、翼弦長はほぼ一定である。
【0056】
ロータブレード500は翼根504(側)の領域に2部分(2分割)構造を有する。即ち、ロータブレード500は、基本翼部分509と、翼根504の領域においてロータブレード500の翼弦長を増大するために該基本翼部分509に接して配設される付加部分508とから構成される。付加部分508は、この場合例えば基本翼部分509に接着される。このような2部分構造は、建設地への輸送の際の取り扱いがより簡単であり、その製造もより容易である。
【0057】
更に、図6においてハブ結合領域510を見出すことができる。このハブ結合領域510を介して、ロータブレード500はロータハブに結合される。
【0058】
図7は、図6のロータブレード500の更なる一側面図である。図示のロータブレード500は、基本翼部分509と、翼弦長を増大するための付加部分508と、中央領域506と、翼根504と、ハブ結合領域510と、翼端507のための結合領域505を有することが見出される。翼端507はいわゆるウィングレット(Winglet)として構成されている。このため、翼端における渦は減少される。
【0059】
図1図7には、まず、境界層フェンスが形成されていない、更には渦発生器が形成されていないロータブレードないし風力発電装置について示されている。これに対し、図8には、弱風装置の使用されるロータブレードに生じ得る問題(の1つ)が示されている。図8は、ロータブレードの相対半径即ち使用されるロータの最大半径Rに対する実際の半径rにわたって定性的にプロットされた局所的出力係数の2つの異なる変化(推移)を示す。ここで、値1即ち100%は翼端の位置に相当し、値0即ち0%は使用されるロータの回転軸(の位置)に相当する。ロータブレードは0の点には到達しないため、グラフはほぼ0.15から出発する。この試験のために使用した周速比(Schnelllaufzahl)は9(λ=9)である。
【0060】
2つの曲線は、3次元数値流体シミュレーションの計算結果である。これらの曲線は、汚れの態様が互いに異なる同じ2つのロータブレードに対し定性的に局所的出力係数を示す。上側の曲線700は、基本的に最適な、とりわけ汚れのないロータブレードについての結果を示す。これには、名称「層流状乱流(laminar-turbulent)」が与えられている。下側の曲線701は、基本的に同じロータブレードであるが、最適状態にない即ち汚れ(これはブレード上の雨ないし雨粒にも関係し得る)のあるものについての結果を示す。この曲線は、図8では「全乱流(vollturbulent)」と称されている。
【0061】
ロータブレードの中央領域に不都合な条件があると、局所的出力係数の急落が生じ得る。
【0062】
図9は、第1境界層フェンス(ウイングフェンス:Grenzschichtzaun)810と第2境界層フェンス820を示す。これらは、夫々、吸引側部分811又は821と圧力側部分812又は822を有する。これらの部分811、812、821及び822の各々は、ウェブ(Steg)として構成され、基部分Bと背部分Rを有する(なお、これらは、機能上の類似性を強調するために、ここでは単に同じ記号で示す)。各基部分Bは、図示の各翼型(輪郭:Profil)部分における即ち吸引側801又は圧力側802についての、ブレードの翼型(輪郭)を同時に特徴付けている。フェンス部分811、812、821及び822はすべて、それらの高さがロータブレードノーズ(ないし前縁領域)803付近の領域から後縁804に向かって増大し続ける。図面参照符号801〜804は境界層フェンス810及び820の両者について同じであるが、それは、これらの境界層フェンスは同じロータブレードに関するものであり、図8の2つの画においては異なる半径方向位置について示されたに過ぎないからである。
【0063】
図9は、更に、境界層フェンス810及び820の両者について旋回軸806を示すが、この旋回軸806の周りで圧力側ないし吸引側輪郭(Kontur)が旋回されることにより、関連する背部分Rの輪郭(Kontur)が得られる。これについては、第1境界層フェンス810についてのみ説明され、かつ、吸引側部分811についてのみ図で説明されているが、これらの説明は、圧力側部分812にも同様に、更には第2境界層フェンス820にも同様に、従って、吸引側部分821及び圧力側部分822にも同様に当てはまる。
【0064】
かくして、背部分Rのための輪郭は旋回角度αだけ旋回されているが、これは末端領域808において最も強く現れている。旋回角度αは、異なる境界層フェンス部分811、812、821及び822に対し異なることもあり得る。このように構成することにより、各フェンス部分のために、夫々のブレード表面に対する高さhが得られる。高さhは、夫々のウェブに沿って変化するが、具体的には、ブレードノーズ803から後縁804に向かって増大する。また、この高さhは夫々のウェブに沿って変化するが、異なるフェンス部分811、812、821及び822に対し異なることもあり得る。尤も、機能的関連性を明確に示すために、フェンス部分811、812、821及び822の夫々に対し変数hが選択されている。
【0065】
図10は、ロータブレード800の一例を2つの方向から見た図、即ち、吸引側801を上から見た図と圧力側802を上から見た図である。図10では、ロータブレード800は翼根領域807から翼端808まで記載されており、夫々の平面図に係る部分は翼端808の領域である。この場合、翼根領域807は翼端領域808に対して捻られたように構成され、この捻りは45〜50°までにも達し得るが、その結果、翼根領域807は最も幅広の領域を有するようには、従って、最大の翼弦長を有するようには見えないが、これは単に、この捻られた領域を斜めから見た結果に過ぎない。
【0066】
図10は、第1境界層フェンス810と第2境界層フェンス820の位置を、従って、吸引側の2つのフェンス部分811及び821と圧力側の2つのフェンス部分812及び822の位置を示す。図示の実施例では、半径46mのロータのロータブレード800が使用されている。この場合、第1境界層フェンス810はロータの半径に関し15mの位置にあり、第2境界層フェンス820は25mの位置にある。
【0067】
図10は、更に、吸引側801の吸引側位置ライン851と、圧力側802の圧力側位置ライン852を模式的に示すが、これらは夫々1つのラインを表し、複数の渦発生器853又は854に沿って配することも可能である。渦発生器853及び854は、ボルテックスジェネレータとも称されるが、同様に概略的に示されているに過ぎず、従って、とりわけ、図示のものよりも一層より多くの数で設けることも可能である。いずれの場合も、この構成例に示された吸引側801の複数の渦発生器853は、第1境界層フェンス810と第2境界層フェンス820の間の領域にのみ設けられている。同様に、圧力側802にも複数の渦発生器854が設けられているが、これらは、2つの境界層フェンス810及び820の間の領域の外部においても翼根807に向かって設けることも可能である。
【0068】
図11の斜視図は、基本的に、ロータブレード800の一部分を示すが、この部分は本質的にロータブレード800の吸引側801を示す。この図から、吸引側の境界層フェンス部分811及び821の位置及び形状を見出すことができる。同様に、これらのフェンス部分811と821の間における渦発生器853の配置も明確になっている。境界層フェンスないしフェンス部分821及び811は、ロータブレードノーズ803に向かって小さくなり、他方、後縁804に向かってより大きくなる、即ち、ロータブレードノーズ803に向かう場合よりもより大きい高さを有する。
【0069】
境界層フェンスは、有利には、ロータブレード軸に対し90°の角度をなすブレード分離面(Blattschnittebene)に設けられる。製造技術上の限界に起因するその角度からのずれは2〜5°の許容角度を上回らないことが望ましいため、境界層フェンスの終端縁即ちブレード後縁を指向する領域は、この許容角度以下の角度でハブの方向に捻られている。
【0070】
図12は、複数の渦発生器870の斜視図である。流れ方向は矢印872で模式的に表している。渦発生器は、ブレード表面874に対し直角に延出する略3角形の平板状部材として構成されると共に、流れ方向に対して斜めに、従って、ロータブレードの運動方向に対し斜めに配向されている。この例では、この斜め配向は隣り合う渦発生器870間で互い違いになっている。即ち、(隣り合う)渦発生器は、風の流れ方向に対し反対方向に逸れた斜め配向を有する。渦発生器は、更に、その性状・構成において、サメのひれに、より正確にはサメの背びれ、にほぼ相当する(但し、サメのひれは流れ方向に対し斜めに配向されていないという点において相違する)。渦発生器870は、渦発生器付き帯状部材(Wirbelgeneratorenleiste)876としてロータブレード表面に配することも可能である。
【0071】
以下に、ロータブレードのための更に好ましい実施態様を示すが、ロータブレードは夫々、更なる実施形態について上述したように、2つの境界層フェンスと、任意的に既述のような(複数の)渦発生器を備えることができる。
【0072】
実施態様1:
風力発電装置のロータブレード(1)であって、
・ロータブレード(1)をロータハブに取り付けるための翼根(4)と
・該翼根(4)の反対側に位置する翼端
を有し、
翼弦長(3)に対する翼厚(2)の比率として定義される相対翼厚が翼根と翼端の間の中央領域(6)において極大値(局所的最大値)を有することが可能である。
【0073】
実施態様2:
実施態様1のロータブレード(1)であって、極大値における相対翼厚は、35%〜50%、とりわけ40%〜45%であることが可能である。
【0074】
実施態様3:
実施態様1又は2のロータブレード(1)であって、該ロータブレード(1)は、極大値の領域に、1500mm〜3500mmの、とりわけ凡そ2000mmの、翼弦長を有することが可能である。
【0075】
実施態様4:
実施態様1〜3の何れかのロータブレード(1)であって、該ロータブレード(1)は、8〜11の、有利には9〜10の、範囲の周速比に適するよう構成されることが可能である。
【0076】
実施態様5:
実施態様1〜4の何れかのロータブレード(1)であって、該ロータブレード(1)は、翼根から翼端に向かって測定される、ロータブレードの全長の90%〜95%の範囲に、翼根(4)の領域における翼弦長(3)の凡そ5%〜15%に、とりわけ凡そ10%に、相当する翼弦長(3)を有する、及び/又は、
該ロータブレードは、ロータブレードの全長の5%〜25%に、有利には5%〜35%に、とりわけ翼根から中央領域までに、直線的な(線形の)翼厚変化を有することが可能である。
【0077】
実施態様6:
実施態様1〜5の何れかのロータブレード(1)であって、該ロータブレード(1)は、翼根(4)において、少なくとも3900mmの、とりわけ3000mm〜8000mmの範囲の、翼弦長(3)を有し、及び/又は、翼根(4)から見て全長の90%〜95%の範囲に、とりわけ90%のところに、最大で1000mmの、とりわけ700mm〜300mmの範囲の、翼弦長(3)を有することが可能である。
【0078】
実施態様7:
実施態様1〜6の何れかのロータブレード(1)であって、該ロータブレード(1)は、中央領域に、翼根(4)の領域における翼弦長の凡そ20%〜30%に、とりわけ凡そ25%に、相当する翼弦長を有することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2016年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電装置の空気力学的ロータのロータブレードであって、
・少なくとも第1及び第2境界層フェンス(810、820)を含み、
・第1境界層フェンス(810)は、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの25%〜40%の範囲に設けられ、及び、
・第2境界層フェンス(820)は、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの45%〜60%の範囲に設けられる、
ロータブレード。
【請求項2】
請求項1のロータブレードであって、
・第1境界層フェンス(810)は、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの30%〜35%の範囲に設けられ、及び/又は、
・第2境界層フェンス(820)は、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの50%〜55%の範囲に設けられる、
ロータブレード。
【請求項3】
請求項1又は2のロータブレードであって、
・第1及び第2境界層フェンス(810、820)は、ロータブレードの吸引側(801)に設けられ、又は、
・第1及び第2境界層フェンス(810、820)は、ロータブレードの吸引側(801)及び圧力側(802)に夫々フェンス部分(811、812、821、822)を有する、
ロータブレード。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかのロータブレードであって、
ロータブレードは、
・ロータブレードの運動方向をほぼ指向するブレードノーズ(803)、及び
・ブレードノーズ(803)の反対側にある後縁(804)
を有し、及び、
・各境界層フェンス(810、820)ないしフェンス部分(811、821、821、822)はブレードノーズ(803)から後縁(804)に向かってその高さ(h)が増大する
ータブレード。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかのロータブレードであって、
・各境界層フェンス(810、820)ないしフェンス部分(811、821、821、822)は
・基部分(B)及び
・背部分(R)
を有するウェブとして構成され、
・各境界層フェンスの位置におけるロータブレードの翼型断面に関し、
・基部分(B)は、翼型に従うよう構成され、及び、
・背部分(R)は、翼型に相応するが翼型に対し外方に旋回された輪郭ラインに従うよう構成され、
・該輪郭ラインは、ブレードノーズ(803)に沿って延在する旋回軸(806)の周りで所定の設計角度だけ旋回されている、
ロータブレード。
【請求項6】
請求項5のロータブレードであって、
前記設計角度は、1〜3°の範囲にある、
ロータブレード。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかのロータブレードであって、
境界層フェンスは、境界層の厚みに及び/又はその領域における境界偏位量(Grenzverdraengung)の2倍〜5倍の寸法にほぼ相当する高さ(h)を有する、
ロータブレード。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかのロータブレードであって、
・第1境界層フェンス(810)は、第2境界層フェンス(820)より大きい平均高さ(h)を有する
ータブレード。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかのロータブレードであって、
ロータブレードの吸引側(801)のブレードノーズに向かって前方の3分の1において、第1境界層フェンス(810)と第2境界層フェンス(820)の間に渦発生器が設けられる、
ロータブレード。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかのロータブレードであって、
ロータブレードは弱風装置用に設計される及び/又はその最大の翼弦長を空気力学的ロータのロータハブに取り付けるためのその翼根の直近に有する、
ロータブレード。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかのロータブレードであって、
その相対翼弦長は、ロータの回転軸を基準として半径方向に見て、
・30%〜50%の領域に35%〜45%の値を有する
ータブレード。
【請求項12】
請求項1〜11の何れかのロータブレードを少なくとも1つ含んでなる風力発電装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明により、請求項1に記載のロータブレードが提案される。即ち、上記の課題を解決するために、本発明の一視点により、風力発電装置の空気力学的ロータのロータブレードが提案される。このロータブレードは、
・少なくとも第1及び第2境界層フェンスを含み、
・第1境界層フェンスは、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの25%〜40%の範囲に設けられ、及び、
・第2境界層フェンスは、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの45%〜60%の範囲に設けられる(形態1・第1基本構成)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
ここに、本発明の好ましい実施の形態を示す。
(形態1)上記基本構成参照。
(形態2)上記のロータブレードにおいて、
・第1境界層フェンスは、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの30%〜35%の範囲に設けられ、及び/又は、
・第2境界層フェンスは、ロータの回転軸から半径方向に、ロータブレードの50%〜55%の範囲に設けられることが好ましい。
(形態3)上記のロータブレードにおいて、
・第1及び第2境界層フェンスは、ロータブレードの吸引側に設けられ、又は、
・第1及び第2境界層フェンスは、ロータブレードの吸引側及び圧力側に夫々フェンス部分を有することが好ましい。
(形態4)上記のロータブレードは、
・ロータブレードの運動方向をほぼ指向するブレードノーズ、及び
・ブレードノーズの反対側にある後縁
を有し、及び、
・各境界層フェンスないしフェンス部分はブレードノーズから後縁に向かってその高さが増大する、とりわけ、
・ブレードノーズの付近の0〜5mmの高さから始まって後縁まで15mm超の、とりわけ20mm超の、高さに増大し続けることが好ましい。
(形態5)上記のロータブレードにおいて、
・各境界層フェンスないしフェンス部分は
・基部分及び
・背部分
を有するウェブとして構成され、
・各境界層フェンスの位置におけるロータブレードの翼型断面(Profilschnitt)に関し、
・基部分は、翼型に従うよう構成され、及び、
・背部分は、翼型に相応するが翼型に対し外方に旋回された輪郭ラインに従うよう構成され、
・該輪郭ラインは、とりわけ、ブレードノーズに沿って延在する旋回軸の周りで所定の設計角度だけ旋回されていることが好ましい。
(形態6)上記のロータブレードにおいて、前記設計角度は、1〜3°の範囲にあることが好ましい。
(形態7)上記のロータブレードにおいて、境界層フェンスは、境界層の厚みに及び/又はその領域における境界偏位量(Grenzverdraengung)の2倍〜5倍の寸法にほぼ相当する高さを有することが好ましい。
(形態8)上記のロータブレードにおいて、
・第1境界層フェンスは、第2境界層フェンスより大きい平均高さを有する、とりわけ、
・第1境界層フェンスの平均高さは、第2境界層フェンスの平均高さより少なくとも30%、とりわけ少なくとも50%大きいことが好ましい。
(形態9)上記のロータブレードにおいて、ロータブレードの吸引側のブレードノーズに向かって前方の3分の1において、第1境界層フェンスと第2境界層フェンスの間に、とりわけ専ら第1境界層フェンスと第2境界層フェンスの間に、渦発生器が設けられることが好ましい。
(形態10)上記のロータブレードは、弱風装置用に設計される及び/又はその最大の翼弦長を空気力学的ロータのロータハブに取り付けるためのその翼根の直近に有することが好ましい。
(形態11)上記のロータブレードにおいて、
その相対翼弦長は、ロータの回転軸を基準として半径方向に見て、
・30%〜50%の領域に35%〜45%の値を有する、とりわけ、
・35%〜45%の領域に38%〜45%の値を有する、及び/又は、
・40%〜55%の、とりわけ45%〜50%の、領域において38%の値を下回ることが好ましい。
(形態12)上記形態1〜11の何れかのロータブレードを少なくとも1つ、とりわけ3つ、含んでなる風力発電装置も有利に提案される。
以下に、本発明の実施例を添付の図面を参照して例示的に説明する。図面は、部分的に単純化された模式的な記載を含む。
なお、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。
【国際調査報告】