特表2016-524676(P2016-524676A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-524676内部隔壁リングを含むシーラント・キャップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-524676(P2016-524676A)
(43)【公表日】2016年8月18日
(54)【発明の名称】内部隔壁リングを含むシーラント・キャップ
(51)【国際特許分類】
   F16B 37/14 20060101AFI20160722BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20160722BHJP
【FI】
   F16B37/14 S
   F16B37/14 J
   B64C1/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-510725(P2016-510725)
(86)(22)【出願日】2014年4月22日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月18日
(86)【国際出願番号】US2014034906
(87)【国際公開番号】WO2014176208
(87)【国際公開日】20141030
(31)【優先権主張番号】61/814,634
(32)【優先日】2013年4月22日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】502328466
【氏名又は名称】ピーアールシー−デソト インターナショナル,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リッツェロ、ソッコールソ
(72)【発明者】
【氏名】ラムボーン、ショーン
(57)【要約】
シーラント・キャップ組立体は、内部容積及び底部開口に隣接する凹所を有するキャップ・シェルと、キャップ・シェルの凹所に少なくとも部分的に挿入されるシーラント隔壁リングと、キャップ・シェルの底部開口に隣接するシーラント隔壁リングの径方向外側に位置付けされるシーラントとを含む。シーラント隔壁リングは、キャップ・シェルの凹所の中に引っ込めることができる。シーラントは、未キュアにする又は部分的にキュアすることができ、シーラント・キャップ組立体が締め具に取り付けられるときに隔壁リングの内側に流れるのが阻止される。そのようなシール・キャップ組立体を作成及び使用する方法が開示される。そのようなシーラント・キャップ組立体によってシールされる締め具も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーラント・キャップ組立体であって、
内部容積、底部開口、及び前記底部開口に隣接する凹所を含むキャップ・シェルと、
前記キャップ・シェルの前記凹所に少なくとも部分的に挿入されるシーラント隔壁リングと、
前記キャップ・シェルの前記底部開口に隣接する前記シーラント隔壁リングの径方向外側に位置付けされるシーラントと、
を含むシーラント・キャップ組立体。
【請求項2】
前記シーラント隔壁リングは、前記キャップ・シェルの前記凹所の中で軸方向に移動可能である、請求項1に記載のシーラント・キャップ組立体。
【請求項3】
前記シーラント隔壁リングは、実質的に円筒形の外径を含み、前記キャップ・シェルの前記凹所は、環状であり、実質的に円筒形の内径を含む、請求項2に記載のシーラント・キャップ組立体。
【請求項4】
前記シーラント隔壁は、高さHを有し、前記環状の凹所は、前記キャップ・シェルの底部リムから測った深さDを有し、前記高さHは、前記深さD以下である、請求項3に記載のシーラント・キャップ組立体。
【請求項5】
前記シーラント隔壁リングは、前記キャップ・シェルの前記凹所に部分的に挿入され、前記キャップ・シェルの底部リムを過ぎて下向きに延在する、請求項1に記載のシーラント・キャップ組立体。
【請求項6】
前記キャップ・シェルは、底部リムと、奥まったシーラント受け部とを含み、前記奥まったシーラント受け部は、前記底部リムの径方向内側且つ前記シーラント隔壁リングの径方向外側に位置付けされる、請求項1に記載のシーラント・キャップ組立体。
【請求項7】
前記シーラントは、前記奥まったシーラント受け部を全体的に満たす、請求項6に記載のシーラント・キャップ組立体。
【請求項8】
前記シーラントは、前記奥まったシーラント受け部を過剰充填する、請求項6に記載のシーラント・キャップ組立体。
【請求項9】
前記シーラントは、少なくとも部分的に未硬化である、請求項1に記載のシーラント・キャップ組立体。
【請求項10】
前記シーラントは、前記シーラントの硬化を遅らせる温度に前記シーラントを維持するために温度調節される、請求項9に記載のシーラント・キャップ組立体。
【請求項11】
シーラント・キャップ組立体を作成する方法であって、
キャップ・シェルの底部開口に位置付けされる凹所にシーラント隔壁リングを少なくとも部分的に挿入すること、及び
前記キャップ・シェルの前記底部開口に隣接する前記シーラント隔壁リングの径方向外側にシーラントを付与すること、
を含む、シーラント・キャップ組立体を製造する方法。
【請求項12】
前記キャップ・シェルは、底部リムと、前記底部リムの径方向内側且つ前記シーラント隔壁リングの径方向外側に位置付けされる奥まったシーラント受け部とを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記奥まったシーラント受け部は、前記シーラントで全体的に満たされる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記奥まったシーラント受け部は、前記シーラントで過剰充填される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記シーラント隔壁リングは、前記キャップ・シェルの前記底部リムを越えて軸方向に延在し、前記シーラントは、前記キャップ・シェルの前記底部リムを越えて軸方向に延在する前記シーラント隔壁リングの端部と実質的に面一になる程度まで、満たされる、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
基板に取り付けられた締め具をシールする方法であって、
内部容積を有し且つその底部開口に凹所を含むキャップ・シェルと、前記キャップ・シェルの前記凹所に少なくとも部分的に挿入されるシーラント隔壁リングと、前記キャップ・シェルの前記底部開口に隣接する前記シーラント隔壁リングの径方向外側に位置付けされるシーラントと、を含むシール・キャップ組立体を締め具の上に配置すること、及び、
前記シール・キャップ組立体を前記基板に向かって軸方向に押圧し、それによって、前記隔壁リングが前記キャップ・シェルの前記凹所の中に少なくとも部分的に引っ込められ且つ前記隔壁リングの径方向内側への前記シーラントの流れが実質的に阻止されつつ前記シーラントが前記基板に対して流されること、
を含む、基板に取り付けられた締め具をシールする方法。
【請求項17】
前記キャップ・シェルを前記軸方向の周りに回転させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記キャップ・シェルは、前記基板に向けて軸方向に押圧されると同時に回転される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記シーラントをキュアすることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
シールされた締め具であって、
基板に取り付けられる締め具と、
前記基板にシール係合する前記締め具の上のシール・キャップ組立体と、
を含み、前記シール・キャップ組立体は、
内部容積を有し且つその底部開口に凹所を含むキャップ・シェルと、
前記キャップ・シェルの前記凹所に少なくとも部分的に挿入されるシーラント隔壁リングと、
前記キャップ・シェルの前記底部開口に隣接する前記シーラント隔壁リングの径方向外側に位置付けされるシーラントと、
を含む、シールされた締め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、参照により本明細書に組み込まれる2013年4月22日に出願された米国仮特許出願第61/814,634号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、機械式締め具をシールするためのシーラント材料を含むキャップに関する。
【背景技術】
【0003】
シーラントは、宇宙空間及び他の産業で使用される締め具をシールするためにしばしば使用される。キャップをシーラントで満たし、次いで締め具の上に置き、シーラントのキュア(cure)時にシールを形成することは公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,438,974号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様は、内部容積、底部開口、及び底部開口に隣接する凹所を含むキャップ・シェルと、キャップ・シェルの凹所に少なくとも部分的に挿入されるシーラント隔壁リングと、キャップ・シェルの底部開口に隣接するシーラント隔壁リングの径方向外側に位置付けされるシーラントと、を含むシーラント・キャップ組立体を提供する。
【0006】
本発明の別の態様は、シーラント・キャップ組立体を作成する方法を提供する。この方法は、キャップ・シェルの底部開口に位置付けされる凹所にシーラント隔壁リングを少なくとも部分的に挿入すること、及び、キャップ・シェルの底部開口に隣接するシーラント隔壁リングの径方向外側にシーラントを付与すること、を含む。
【0007】
本発明の他の態様は、基板に取り付けられた締め具をシールする方法を提供する。シール・キャップ組立体は、締め具の上に配置され、基板に向かって軸方向に押圧され、それによって、隔壁リングがシール・キャップ組立体の凹所の中に少なくとも部分的に引っ込められる。シーラントは、基板に対して流れるが、隔壁リングの径方向内側への流れが実質的に阻止される。
【0008】
本発明の別の態様は、基板に取り付けられたシールされた締め具を提供する。締め具を被うシール・キャップ組立体は、基板にシール係合する。シール・キャップ組立体は、内部容積と底部開口の凹所とを有するキャップ・シェルを含む。シーラント隔壁リングは、キャップ・シェルの凹所に少なくとも部分的に挿入され、キュアされるシーラントは、シーラント隔壁リングの径方向外側に設けられ、キャップ・シェルの底部開口と基板との間にシールが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例にしたがったシーラント・キャップ組立体で使用するためのキャップ・シェルの側断面図である。
図2】本発明の実施例にしたがったシーラント・キャップ組立体のキャップ・シェル及びシーラント隔壁リングの側断面図である。
図3】本発明の実施例にしたがったシーラント・キャップ組立体10の側断面図である。
図4】本発明の実施例にしたがった締め具上のシーラント・キャップ組立体10の配置を示す側断面図である。
図5】本発明の実施例にしたがったシール作業中の締め具に関連したシーラント・キャップ組立体10の操作を示す側断面図である。
図6】本発明の実施例にしたがった締め具の周りにシール配置で取り付けられたシーラント・キャップ組立体10の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜3は、本発明の実施例にしたがったシーラント・キャップ組立体10の構成要素を示す。シーラント・キャップ組立体10は、概ね円筒形又は円錐状の側壁13と、頂部14と、底部リム15とを有するキャップ・シェル12を含む。キャップ・シェル12の底部近傍の底部リム15の径方向内側には、奥まったシーラント受け部16が設けられる。キャップ・シェル12の底部近傍の側壁13には、環状の凹所17が設けられる。環状の凹所17は、底部リム15から測った深さDを有する。
【0011】
図2に最も明瞭に示されるように、キャップ・シェル12の環状の凹所17の中には、シーラント隔壁リング20が部分的に挿入される。シーラント隔壁リング20は、高さHを有する。いくつかの実施例では、隔壁リング20の高さHは、キャップ・シェル12の環状の凹所17の深さD以下である。シーラント隔壁リング20の外径と環状の凹所17の内径は、シーラント隔壁リング20と環状の凹所17との間のすべり接触又は摩擦接触の適合を形成するために寸法決めされる。以下にさらに十分に記載されるように、シーラント隔壁リング20は、キャップ・シェル12に対して軸方向に動くことが可能であり、リング20は、環状の凹所17の中に引っ込めることができる。
【0012】
図3に最も明瞭に示されるように、未キュアのシーラント30は、シーラント隔壁リング20の外径の周りの奥まったシーラント受け部16を満たすことによって、シーラント・キャップ組立体10に付与することができる。図3で、キャップ・シェル12は、図1及び2に示す位置から逆さにされ、未キュアの奥まったシーラント受け部16は、未キュアのシーラント30で満たされる。隔壁リング20は、シーラント30が受け部16から径方向内向きに流れるのを阻止する。図3に示す実施例では、シーラント30は、シーラント30が隔壁リング20の縁部と実質的に面一になる程度まで、組立体10に付与される。
【0013】
図4〜6は、本発明の実施例にしたがった基板に取り付けられた締め具40の周りへのシーラント・キャップ組立体10の取り付けを示す。図4に示すように、シーラント・キャップ組立体10は、シーラント隔壁リング20の下縁部が基板42に接触して締め具40上に位置付けされている。図4に示す位置では、シーラント30は、基板42の上面に接触又は接触に近づくことができる。図4に示す位置では、隔壁リング20は、シール・キャップ12の環状の凹所17から、環状の凹所17の深さDの約50パーセントである距離だけ延在する。しかしながら、いくつかの実施例では、この延在する距離は、10から90パーセント、又は20から80パーセント、又は30から70パーセント、又は40から60パーセントにすることができる。
【0014】
図5に示すように、シーラント・キャップ組立体10は、矢印で示すように下向きに押圧して回転させることができる。そのような下向きの動きにより、シーラント・キャップ組立体10が図6で示すような位置に移動し、そこでは、キャップ・シェル12の底部リム15が基板42の上面にさらに近づき、これによりシーラント30aが流動して変形する。この取り付けの間、シーラント隔壁リング20は、軸方向に摺動して、キャップ・シェル12の環状の凹所17の中に少なくとも部分的に引っ込められる。シーラント隔壁リング20は、シーラント30aの径方向内向きの流れに対する少なくとも部分的な隔壁を提供する。したがって、隔壁リング20は、隔壁リング20の内部すなわちキャップ・シェル12の中にシーラント30が流入するのを実質的に阻止する。すなわち、シーラント30は、隔壁リング20の外径の一部に接触し続け、キャップ・シェル12の内側の空洞を満たさない。したがって、キャップ・シェル12の内部の空洞は、シーラント30が空であり続けることができる。キュア時にシーラント30aは、キャップ・シェル12と基板42の面との間にシールを形成する。
【0015】
シェル・キャップ12は、別の量(second quantity)の少なくとも部分的に硬化したシーラント、疎水性ポリマを含むプラスチック、などを含む任意の適切な材料で作製することができる。いくつかの実施例では、シェル及びシーラントは、同じ組成物を含む。キャップ・シェル12は、当技術分野の任意の公知の手段によって、例えば、大気圧、低大気圧、又は過圧で実行される、射出充填型(injection−filled mold)の使用、スタンピング、雄型及び雌型の使用、などによって、形成することが可能である。凹形のシェルを特定の用途に適するように多様な形状及び寸法に形成する様々な方法が当業者に知られている。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,438,974号には、シェルを形成する方法の実例が特定されている。
【0016】
隔壁リング20は、プラスチック又は任意の他の適切な材料で作製することができる。隔壁リング20は、キャップの内径上を自由に浮遊でき、最初にキャップの基部から外に突出する場合がある。リングの機能は、シーラントが内部の空洞に進んで行くのを阻止する隔壁として作用することである。キャップ・シェル12の底部リム15には、結合する表面積を増大させるために、溝又は他の表面特徴(図示せず)を随意に設けることができる。いくつかの実施例では、リングは、ポリエーテルイミド(PEI)又は他の適切なポリマ材料で作製することができる。
【0017】
本明細書で使用されているように、用語「シーラント」は、(2つの部分の間の接触部分によって形成される接合部又は空間などの)アパーチャに付与される場合に、湿度及び温度などの大気の状態に耐え、且つ、そうでない場合に、アパーチャに存在するかもしれない、水、燃料及び/又は他の液体及びガスなどの材料の移動を少なくとも部分的に遮断する、という能力を有する組成物を指す。したがって、シーラントは、たいてい構成要素部分の周縁面に付与され、それは、材料をそのような部分から又はそのような部分に運ぶのを妨げる目的からである。シーラントは、たいてい接着性を有する。本シーラントは、公知のタイプの接着剤を含むこともできる。
【0018】
用語「少なくとも部分的に未硬化」は、全部が液体から幾分かがゲルまで、少なくとも、シーラント/接着剤が基板面に適合し得る程度までの硬さ範囲の全体を含むことを意図している。逆に、用語「少なくとも部分的に硬化」は、全部がキュアしたから幾分かがゲルまで、少なくとも、シーラントが基板への付与のために手で又は機械で取扱いできる程度までの硬さ範囲の全体を含むことを意図している。したがって、シーラントの一部は、シーラントの量全体にわたってシーラントが均一でないように、硬化しているか又は未硬化である場合があると考えられる。例えば、シーラントは、同時に硬化する必要がなく、ほぼ全部がキュアしたシーラントの中の未硬化シーラント、及び、ほぼ全部が未キュアなシーラントの中の硬化シーラントという異質域(pockets)の余地を残していてもよい。
【0019】
シーラントのための硬化時間すなわちキュア時間は、シーラント組成物の可使時間(pot life)に依存し、数分から数時間までの広い範囲にわたって変化することがある。別の非限定的な実施例では、シーラントは、締め具の上に取り付ける前に完全にキュアされることのないように、温度調節することができる。用語「温度調節」は、キュア工程を少なくとも部分的に停止することによって硬化を遅れさせる温度までシーラントを低下させ及び/又はそれに保持することを指す。温度は、低下させてキュア工程を効果的に停止させることができる。1つの非限定的な実施例では、完了に至るためのキュア工程の時間長が温度と逆の相関関係を有することがあり、これにより、温度が低いほど、キュア工程の停止及び硬化の遅延率が大きくなる。1つの非限定的な実施例では、シーラントが作られてシェルの空洞の中に位置する時点から、シーラントが基板に付与できる時点まで、温度の低下及び/又は維持が継続することがある。したがって、冷却は、冷蔵状態又はドライアイス中での組立体10及びそのシーラント30の出荷などのシーラントを貯蔵及び輸送する間において行う場合がある。
【0020】
上記のキュア工程を停止するための温度は、広く異なっており、シーラントの有効保存期間(shelf life)によって決まる場合がある。温度に対するシーラントの有効期限は、シーラント組成物によって様々である。1つの非限定的な実例では、シーラントの有効保存期間は、−40℃で21日である場合がある。有効保存期間は、温度を下げることによって延長することができる。1つの非限定的な実施例では、シーラントは、硬化を遅らせるために、−100℃から−25℃の間及びそれらを含む温度に保持することができる。別の非限定的な実施例では、シーラントは、−75℃の最高温度に保持することができる。別の非限定的な実施例では、シーラントは、−55℃の最低温度に保持することができる。別の非限定的な実施例では、シーラントは、−45℃に保持することができる。シーラントの選択は、決定的なものではなく、当該技術分野で公知の様々な材料を使用することが可能である。
【0021】
格別にシーラントを選択することは通常、基板のタイプ及び意図した最終用途などのいくつかの要因によって決まる。市販されているシーラントの非限定的な実例には、PRC DeSoto International,Inc.(カリフォルニア州バーバンク)のPR−1776(登録商標)、PS−890(登録商標)及びPR−1440(登録商標)と、AC Tech(PBT Brands,Inc.,コネティカット州ハートフォード)のAC−236(登録商標)及びAC−250(登録商標)が含まれる。さらに、プリフォームした少なくとも部分的に未硬化の材料のこの方法は、接着剤、コーティングその他などの他の組成物のために使用することができる。
【0022】
上記に掲載した非限定的な実施例では、シーラントは、加熱することによってキュア又は硬化させることができる。別の非限定的な実施例では、シーラントは、酸化によってキュア又は硬化させることができる。この実施例では、シーラントの酸化は、シーラントが部分的に未硬化なままであるように、シーラントを空気にさらすのを制限することによって遅延させることができる。
【0023】
用語「抑制する」は、特定の反応若しくは作用について抑止、妨害、遅延又は干渉することを指す。これは、いくつかのやり方で、例えば、シーラントがさらされる環境を制御して達成することができる。酸化の場合、抑制することは、シーラントの酸化について抑止、妨害、遅延又は干渉することを指す。非限定的な実例では、酸化は、空気又は周囲の状態にシーラントをさらすのを制限することによって少なくとも部分的に抑制される。湿気の場合、抑制することは、シーラント上の湿気の進行について抑止、妨害、遅延又は干渉することを指す。非限定的な実例には、シーラント表面上の結露を制限することによって湿気を少なくとも部分的に抑制することが含まれる。
【0024】
この詳細な説明の目的上、別に規定することが明らかである場合を除き、本発明は、様々の代替的な変形及びステップ順序を想定することができる、と理解されるべきである。さらに、動作するすべての実例や特別に指摘した場合を除き、明細書及び特許請求の範囲に使用される、例えば、成分の量を表現するすべての数は、すべての場合に用語「約」によって修正されると理解されるべきである。したがって、そうでないと示される場合を除き、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られるべき所望の特性に応じて変化し得る概算である。最低限でも、また特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、個々の数値パラメータは、報告された有効桁の数に鑑みて、通常の丸め方の手法を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
【0025】
本発明の広い範囲を記載する数値の範囲及びパラメータはおおよそのものであるといえども、特定の実例に記載される数値は、出来る限り正確に伝える。しかしながら、どんな数値でも、それぞれの試験測定値で見つかる標準的なばらつきから必然的に生じるいくつかの誤差を本質的に含む。
【0026】
また、本明細書に記載されるどの数値の範囲も、それに包含されるすべての部分範囲を含むことを意図する、と理解されるべきである。例えば、「1から10」の範囲は、記載した最小値1と記載した最大値10との間(及びそれらを含む)の部分範囲、すなわち、1以上の最小値と10以下の最大値とを有する部分範囲のすべてを含むことが意図されている。
【0027】
この出願では、別に規定することが明らかである場合を除き、使用する単数形は、複数形を含み、複数形は、単数形を包含する。さらに、この出願では、別に規定することが明らかである場合を除き、使用する「又は」は、たとえ「及び/又は」が明白に使用されている場合であるとしても、「及び/又は」を意味する。
【0028】
先の記載に開示した概念から逸脱することなく本発明に修正を加えることができるということを当業者は容易に理解するであろう。そのような修正は、特許請求の範囲がその文体で別に規定することが明らかである場合を除き、以下の特許請求の範囲の中に含まれると考えるべきである。したがって、本明細書で詳細に記載された特定の実施例は、単なる例示であり、添付の特許請求の範囲並びにその任意及びすべての等価物の全容が与えられるべきである本発明の範囲を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】