(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-525053(P2016-525053A)
(43)【公表日】2016年8月22日
(54)【発明の名称】自動倉庫
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20160725BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-528616(P2016-528616)
(86)(22)【出願日】2014年4月11日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月5日
(86)【国際出願番号】IB2014060649
(87)【国際公開番号】WO2015011575
(87)【国際公開日】20150129
(31)【優先権主張番号】TO2013A000628
(32)【優先日】2013年7月24日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516006378
【氏名又は名称】ユーロフォーク エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラヴェルサ、マウリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】フェディ、クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】ガロラ、アレッサンドロ
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE02
3F022FF01
3F022JJ13
3F022LL12
3F022MM13
3F022MM15
3F022MM55
3F022NN03
3F022PP04
3F022QQ17
(57)【要約】
自動倉庫が、主経路12と、主経路12に対して垂直な一連の副経路16とを備え、一連の主経路16に沿って保管ステーション16bが画定され、カーゴ・ユニット11を受け取るのに適する。カーゴ・ユニット11を移動させるために、主自己推進手段32が主経路12に沿って移動可能であり、主自己推進手段32が、副経路16に沿って移動可能である補助自己推進手段34に関連付けられる。ロケーション・データ表現22、26が経路12、16に沿って提供され、ロケーション・データ表現22,26が自動倉庫9内の基準点又は基準範囲10の絶対位置を一義的に特定する。データ22、26を読み取るためのセンサ38、48が、主自己推進手段32及び補助自己推進手段34のボード上に設置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に面する平行な主ガイド(24)の間で特定される少なくとも1つの主経路(12)と、
相互に面する平行な対の副ガイド(18)によって特定される、前記主経路(12)に対して垂直な複数の副経路(16)であって、前記複数の副経路(16)に沿って保管ステーション(16b)が画定され、各ステーションが少なくとも1つのカーゴ・ユニット(11)を受け取るように適合される、複数の副経路(16)と、
前記カーゴ・ユニット(11)を操作するための少なくとも1つの自己推進装置(30)であって、前記主経路(12)の前記ガイドに沿って移動可能である主自己推進手段(32)を備え、前記主自己推進手段(32)が、前記副経路(16)の前記ガイドに沿って移動可能である少なくとも1つの補助自己推進手段(34)を受け入れるための少なくとも1つのシート(33a)を有する、少なくとも1つの自己推進装置(30)と
を備える自動倉庫であって、
前記主経路(12)の前記主ガイド(24)のうちの少なくとも1つの主ガイドの少なくとも1つの面(28a、28b、28c)が、少なくとも第1のセンサ(38)によって読み取り可能である第1のロケーション・データ表現(26)を提供し、
前記副経路(16)の前記副ガイド(18)のうちの少なくとも1つの副ガイドの少なくとも1つの面(19a、19b、19c)が、少なくとも第2のセンサ(48)によって読み取り可能である第2のロケーション・データ表現(22)を提供し、
前記主自己推進装置(32)が、前記第1のデータ表現(26)を読み取るように構成される少なくとも1つの第1の読取デバイス(38)を備え、
前記補助自己推進手段(34)が、前記第2のデータ表現(22)を読み取るように構成される少なくとも1つの第2の読取デバイス(48)を備え、
前記データ表現(22、26)が前記自動倉庫(9)内での基準点又は基準範囲(10)の絶対位置を明確に特定する、
ことを特徴とする自動倉庫。
【請求項2】
前記カーゴ・ユニット(11)の各保管ステーション(16b)が、前記倉庫(9)内で、対応する基準点又は基準範囲(10)によって特定される、請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記第1のデータ表現(26)が、前記主経路(12)の中心線の方を向く1つの主ガイド(24)の面(28a)上に配置され、各副経路(16)内で、前記第2のデータ表現(22)が、前記副経路(16)の中心線の方を向く1つの副ガイド(18)の面(19b)上に配置される、請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項4】
前記倉庫(9)が、垂直方向において重なる1つ又は複数のフロア(14)を有する棚材(13)を少なくとも備え、各フロア(14)が少なくとも1つの副経路(16)を備え、それぞれの主経路(12)が各フロア(14)の側面に位置する、請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項5】
リフト・ステーション(49)が、前記経路に隣接するように、前記主経路(12)に沿うように又は点(12a)内に設けられ、前記リフト・ステーション(49)が、カーゴ・ユニット(11)を支持するために及び移動させるために、少なくとも1つの主自己推進手段(32)及び/又は少なくとも1つのステーション(54)を受け入れるように適合される少なくとも1つのリフト・プラットフォーム(52)を支持して誘導するための垂直方向の垂直材(50)を備え、前記垂直材(50)のうちの少なくとも1つの垂直材が第3の位置データ表現(62)を提供し、前記第3の位置データ表現(62)のデータを読み取るように構成される第3のセンサ(64)が前記リフト・プラットフォーム(52)上に設置される、請求項1又は4に記載の自動倉庫。
【請求項6】
前記データ表現(22、26、62)が、線形バーコード、マトリックス・バーコード又は三次元バーコードの形態であり、前記読取デバイス(38、48、64)が光学式読取センサである、請求項1から5までのいずれか一項に記載の自動倉庫。
【請求項7】
少なくとも1つの積載及び荷降ろしステーション(60)が前記主経路(12)の少なくとも1つの端部(12a)に配置され、前記積載及び荷降ろしステーション(60)が前記リフト・プラットフォーム(52)上の前記支持・移動ステーション(54)に動作可能に連結され、前記積載及び荷降ろしステーション(60)がカーゴ・ユニット(11)を移動させるように適合される、請求項1又は5又は6に記載の自動倉庫。
【請求項8】
前記補助自己推進手段(34)が前記主自己推進手段(32)から独立して移動可能である、請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の自動倉庫内でカーゴ・ユニットを保管して取り出すための方法であって、
a)第1の主自己推進手段(32)と、前記第1の主自己推進手段(32)に動作可能に関連付けられる第2の補助自己推進手段(34)とを備える自己推進装置(30)を提供するステップと、
b)カーゴ・ユニット(11)が配置されるか又は取り出される保管ステーション(16b)の位置を設定するステップと、
c)上で言及した前記位置に関連付けられる基準点(10)を特定するステップと、
d)到達すべき前記基準点(10)に関する情報を指示する信号を前記主自己推進手段(32)に送信するステップと、
e)前記1のセンサ(38)を介して前記第1のデータ表現(26)を読み取ることにより、前記主自己推進手段(32)のとる位置の順番を点検するときに、前記積荷・ユニット(11)が取り出されるか又は配置されることを必要とする前記基準点(10)が位置する棚材(13)の副経路(16)の境界を画定する2つの連続する副ガイド(18)の内側面(19b)の突出部に対して、ベクトル(x)及び(z)によって画定される平面に対して平行な平面を基準としてシート(33a)の垂直方向縁部(33b)を重なり合わせるまで、前記主経路(12)に沿わせて前記主自己推進手段(32)を移動させるステップと、
f)第2のセンサ(38)を通して第2のデータ表現(22)を読み取ることにより前記補助自己推進手段(34)によって到達される位置の順序を点検するときに、前記カーゴ・ユニット(11)が取り出されるか又は配置されることを必要とする前記基準点(10)が位置する前記副経路(16)に沿わせて前記補助自己推進手段(34)を移動させるステップと、
g)前記カーゴ・ユニット(11)が取り出されるか又は配置されることを必要とする前記基準点(10)に到達させるように前記副経路(16)に沿わせて前記補助自己推進手段(34)を移動させるステップと、
h)前記補助自己推進手段(34)を用いて前記基準点(10)から前記カーゴ・ユニット(11)を取り出すか又は前記基準点(10)に前記カーゴ・ユニット(11)を配置するステップと、
i)前記第2のセンサ(48)を介して前記第2のデータ表現(22)を読み取ることにより前記補助自己推進手段(32)のとる位置の順序を点検することにより、前記補助自己推進手段(34)を前記主自己推進手段(32)の前記シート(33a)まで戻すための指示を与えるステップと、
j)積載及び荷降ろしステーション(60)まで戻るための指示を前記主自己推進手段(32)に与えるステップ、前記主手段(32)によって担持される前記カーゴ・ユニット(11)を前記ステーション(60)上に配置するステップ、及び/又は、前記棚材(13)内に配置すべき新しいカーゴ・ユニット(11)を積載するステップと、
k)ステップ(b)を再開するとき、及び、第3のセンサ(64)を介して第3のデータ表現(62)を読み取ることによりリフト・プラットフォーム(52)の到達する位置の順序を点検するとき、前記カーゴ・ユニットが配置されること及び/又は取り出されことを必要とする前記基準点(10)が位置する前記棚材(13)のフロア(14)まで前記主自己推進手段を送るまで、リフト・ステーション(49)のリフト・プラットフォーム(52)を用いて前記主自己推進手段(32)を垂直方向に移動させるステップと、
l)ステップ(d)から(k)を継続するステップと
を含む方法。
【請求項10】
ステップ(h)の後で、前記補助自己推進手段(34)の移動から独立して、前記主経路(12)に沿って新しい基準点(10)まで前記主自己推進手段(32)を移動させてステップ(b)を再び開始するステップが行われる、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルで定義されるタイプの、シャトル及びサテライトを用いてカーゴ・ユニットを移動させるためのシステムを備える自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
デカルト・タイプ(Cartesian type)のかさばるエネルギー集約型の従来の平行移動リフト・デバイス(translation−lifting device)の代わりにこのような構造を有する倉庫は、よりコンパクトな移動手段を有し、これは一般に、第1の主手段(「シャトル」と称される)と、第1の主手段に動作可能に接続される第2の補助手段(「サテライト」と称される)とを備える。
【0003】
シャトルが倉庫棚によってシャトルの側部に画定される主通路に沿って移動し、倉庫棚が副通路に沿うように複数のステーションを形成し、そこにカーゴ・ユニットが収容され得る。積荷を配置する必要があるか又は取り出す必要があるステーションが位置する副通路にシャトルが到達すると、サテライトがシャトルから切り離され、そのサテライトが副通路に沿って移動し、ユニットを降ろすか又は取り出す作業を具体的に実行する。シャトルは、上で言及した作業中、静止状態を維持し、サテライトの帰還を待つ。
【0004】
今説明した自動倉庫システムには、シャトル及びサテライを変位させるときの正確さと、動作時間の最適化とに関連する2つの種類の問題がある。
【0005】
1つの目の問題は、倉庫内で移動手段を適切に配置することを制御することができる精度に関連する。一般にエンコーダ・トランスデューサに基づく現在の位置フィードバック・システムには、棚材の構成公差の積み重ねを原因としてエラーが発生するという問題があり、この棚材の構成公差は倉庫の寸法が増すにつれて増大する。
【0006】
摩耗も、配置を制御するための現在の解決策の信頼性を低下させるのに寄与する別の1つの要因である。例えば、車両ホイールの回転を検出して記録された回転数を直線長さに変換するためのエンコーダにも、同様に、ホイールが摩耗するという問題があり、その理由は、変換アルゴリズムが実際の値に一致しない値に基づいて動作し続けることである。ホイールの振動又はスリップも操作車両(handling vehicle)の配置を評価することの正確性に影響する場合がある。
【0007】
2つ目の問題は種々の操作作業のダウンタイムに関連する。ダウンタイムは、再び移動する前の段階で、シャトルが、サテライトによる積荷の取り出し作業又は配置作業が完了するのを待つ必要があることを原因とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、費用効果が高く効率的な手法で両方の問題を回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来のシステムの場合、所定の基準点を基準として、絶対的又は加算的な手法で計算することにより距離を測定して、位置の推定が得られる(上で言及した推定誤差が生じる)。逆に、本発明による自動倉庫は絶対位置データを検出する(距離は検出しない)システムを備える。このような位置データは、シャトル及びサテライトから独立した外部の固定される基準方式(reference system)に基づく。手動で再始動させるか又は操作者により操作作業を行う場合でも操作モジュールの絶対位置を設定するのを可能にするこの解決策は、好適には光学タイプ(例えば、”バーコード”タイプ)のデータ表現によって実行される。このような表現は特別な読取デバイス(バーコードの場合には光学タイプの読取デバイス)によって翻訳される。このようにして、位置の推定の不確実性の問題が解決される。
【0010】
動作時間に関しては、本発明によると、シャトル及びサテライトを互いに独立させて移動させることにより保管システムの性能を明確に向上させることが達成され、その結果、従来技術とは異なり、サテライトが1つのミッションに従事する間に、シャトルが他の作業を実行することができる。
【0011】
請求項1に記載の特徴を有するシステムにより、本発明の態様に従って、上記の目的及び利点並びに他の目的及び利点が達成される。本発明の好適な実施例が従属請求項で定義される。
【0012】
次に、添付図面を参照して本発明のいくつかの好適な実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施例による自動倉庫を示す概略斜視図である。
【
図2A】
図1の倉庫内に設けられる第1の移動手段を示す概略不等角投影図(schematic axonometric view)である。
【
図2B】
図1の倉庫内に設けられる第2の移動手段を示す概略不等角投影図である。
【
図2C】
図2A及び2Bの移動手段を備える自己推進装置(self−propelled apparatus)を示す概略側面図である。
【
図3】
図1の倉庫の細部を示す概略側方斜視図である。
【
図4】
図1の倉庫の細部を示す概略側方斜視図である。
【
図5】
図1の倉庫の第2の細部を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施例を詳細に説明する前に、本発明のその用途が、以下の説明に記載されるか又は図面に示される構成要素の構造及び構成の細部に限定されないことを理解されたい。本発明は他の実施例も可能であり、多様な形で実施又は実行され得る。また、本明細書で使用される表現法及び専門用語が説明を目的とし、限定するものとしてみなされるべきではないことを理解されたい。「有する」及び「備える」並びにそれらの語尾変化を使用することは、その後に列記されるアイテム及びその均等物を包含しさらには追加のアイテム及びその均等物を包含することを意味する。
【0015】
図1を参照すると、本発明による自動倉庫9の好適な非限定の実施例が表されている。以下で説明するタイプの倉庫は、軸xに平行に長手方向に従って延在する主経路又は主通路12を形成する。
【0016】
本記述を通して、及び、特許請求の範囲では、「長手方向」、「垂直方向」又は「横方向」などの、位置及び向きを示す用語及びフレーズは軸xを基準として意味される。
【0017】
主通路12が、その長さの全体又は一部分に沿って、回転手段のための支持体として機能する2つの平行な側部主ガイド24によって画定される。ガイドは複数の断面形状によって得られ、好適には、逆U形、C形、Z形などの形態の箱形状の金属セクション・バーによって得られる。各主ガイド24は、概して、主通路の方を向く第1の垂直内側面28aと、第1の面に平行である第2の外側垂直面28cと、第1の面と第2の面とを接続させるための平坦な上側水平面28bとを形成する。
【0018】
水平面28bが、カーゴ・ユニット11を移動させるために、自己推進装置30(
図2Cに示される)の複数のホイール40のための支持・摺動表面として機能する。装置30は、非限定の実施例では、第1の主手段又は主車両32(以降、本明細書では「シャトルと」称され、
図2Aに詳細に示される)と、第2の補助手段又は補助車両33(以降、本明細書では「サテライト」と称され、
図2Bに詳細に示される)とを備える。第2の手段は、シャトル32の構造33内に得られる特別なシート33a内で受け入られることにより、第1の手段によって移送され得る。
【0019】
好適には、シート33aは、垂直方向縁部33bを有する2つの垂直材36によって長手方向に画定される。垂直材36はカーゴ・ユニット11のための載置表面として機能する。カーゴ・ユニット11は、通常、積荷11bを支持するパレット11aを備える(
図3)。
【0020】
サテライト34が、構造42と、複数のホイール46と、カーゴ・ユニット11を取り出すか又は配置するための手段35とを備える。カーゴ・ユニット11は、主通路12の側部に配置される棚材13内に位置する。手段35は、本発明の一実施例によると、パンタグラフ機構35b又は任意選択で別の種類のジャッキ又はアクチュエータによって持ち上げられる得る載置プレート35aを備える。
【0021】
棚材13は
図1及び3に示されるように複数の垂直材20及びリブ20aによって支持され、また、棚材13は、主通路12を基準として横方向又は垂直方向に沿うように配置される複数の副経路16を形成する。副経路16は、その長さの全体又は一部分に沿って、2つの側部副ガイド18によって各々画定される。これらのガイドは、好適には、箱形状又は逆U形の金属セクション・バーを用いて得られる。各副ガイド18は、副経路16の方を向く第1の垂直内側面19bと、第1の面に平行な第2の垂直外側面19cと、第1の面と第2の面との間にある水平接続面19cと、サテライト34のホイール46のための支持・摺動表面として機能する、副経路16の方を向く平坦な突出部19dとを形成する。各副経路16が、カーゴ・ユニット11を受け入れるための1つ又は複数の箱16bを備える。
【0022】
倉庫の有利な実施例(
図1に示される)では、棚13が主通路12の両側の長手方向側部上に設けられる。任意選択で、複数の中央通路12が設けられ、それらの間に棚13が散在する。さらに、棚は一般にマルチ・フロアの棚であり、長手方向及び横方向に加えて、垂直方向にも延在し、つまり、1つ又は複数の互いに重なるフロア14を備える。各フロア14は、上述の形態によると、複数の副経路16を形成する。それぞれの主通路12が各フロア14の側面に位置し、したがって、垂直軸zに沿う中央通路12の重複部分及び間隔を決定する。
【0023】
示されない実施例によると、複数のシャトル及び/又はサテライトが各々の中央通路12上で動作することができる。
【0024】
図1に示されるように、2つの主ガイド24のうちの1つの主ガイドが内側面28a上にデータ表現26、この実例では、線形バーコードの形態の光学的表現を適切に提供する。表現26の上記の実施例は以下の点に関して限定的であると解釈されない:
− 光学的な形のデータの表現形態(線形バーコード、マトリックス・バーコード、三次元バーコードなど):他の示されない実施例では、データ表現は、磁気タイプであるか、又は、支持体に付加される/組み込まれるやはり異なるタイプであってよい;
− 適用表面(表現26は、併用で又は別法として、セクション・バー24の1つ又は複数の面28a、28b、28c上に提供されてもよい);
− 表現26が提供されるガイド(表現26は、
図1に示される実施例によると2つのガイドのうちの1つのガイド上で提供され得、又は、示されない実施例によると両方のガイド上に提供され得る);
− ガイド24に対して表現26を接続するためのシステム(接着、ねじ留め、溶接、オーバープリントなどによる);
− 表現26を製造するための材料(接着テープ、プラスチック、金属など)。
【0025】
図1及び3に示されるように、2つの副ガイド18のうちの1つの副ガイドが、内側面19b上にデータ表現22を適切に提供し、この実例では、線形バーコードの形態の光学的表現を提供する。データ表現の形態と、表現22の適用表面と、表現が設けられるガイドと、ガイド18に対する表現22の接続システムと、表現22を製造するための材料とに関して、表現26に対して与えられた所見(observation)は、データ表現22にも適用される。
【0026】
図4が、主ガイド24及び副ガイド18上でのデータ表現22、26の構成の好適な実施例の詳細を示す。
【0027】
倉庫の好適な実施例によると、データ表現(
図1、3、4に示される実施例では既に言及したように、また、
図6でも分かるように、これらの表現は線形バーコードである)が、複数の基準点又は基準範囲10を示す離れた複数の英数字データを表す。各基準点又は基準範囲10が主経路又は副経路の点又は一定の長さに関連付けられ、これは倉庫9内で一義的に示される。いくつかの点又は長さが、1つ又は複数のカーゴ・ユニット11を受け入れるための箱16bの位置に対応する(
図5)。倉庫内に設けられるすべての基準点10を仮想マッピングすることが実行される。この仮想マッピングは計算処理ユニット(図示せず)内に記憶される。好都合な実施例では、倉庫9の全体に対して1つの処理ユニットが設けられる。示されない実施例によると、処理ユニットがシャトル32及び/又はサテライト34上に位置してよい。
【0028】
倉庫9内の特定の箱16bでカーゴ・ユニット11を取り出すか又はカーゴ・ユニット11をそこに配置することが開始されると、処理ユニットが、選択された箱16bに対応する基準点又は基準範囲10を特定する。倉庫内での基準点又は基準範囲10の分布は、予め順序付けられる番号順に必ずしも従う必要はない。この順序はランダムであってもよく、その理由は、シャトル及びサテライトの配置を制御することが、(絶対又は加算的)距離ではなく、離散の点に従って行われるからである。
【0029】
処理ユニットが、箱16bに関連付けられた基準点又は基準範囲10に到達させるための指示を自己推進装置30に送信する。シャトル32のシート33aの垂直方向縁部33bが突出部に重なり合うようになるまで、自己推進装置30が主通路12に沿って移動し、この突出部は、カーゴ・ユニット11が取り出されるか又は配置されることを必要とする基準点10が位置する棚材13の副経路16の境界を画定する2つの連続する副ガイド18の内側面19bの突出部であり、ベクトルx及びzによって特定される平面に平行な平面を基準とする。
【0030】
本発明の好適な実施例によると、自己推進装置30を移動させること、並びに、自己推進装置30と箱16bを含有する副経路16とを互いに対して適切に配置することが、シャトル32のボード上に設置されるセンサ38によって制御される。好適ではあるが非限定の実施例では、センサ38は光学タイプの読取デバイス又は検出デバイスである。別の実施例(図示せず)によると、シャトル32も複数のセンサ38を備えることができる。
【0031】
センサ38は、主ガイド24上のバーコード26によって表される基準点又は基準範囲10を読み取って復号することにより、主経路12上での自己推進装置30又は1つのシャトル32の正確な位置を検出することができる。
【0032】
カーゴ・ユニット11がシャトル32の垂直材36の上に載置されている場合、サテライト34がプレート35aを用いてカーゴ・ユニット11を持ち上げ、カーゴ・ユニット11をシャトル32から外す。サテライト34が副ガイド18の突出部19d上を摺動しながら副経路16に沿って移動し、副経路16に沿わせてカーゴ・ユニットを移送し、基準点又は基準範囲10によって特定される箱16bに対応する位置まで到達させる。
【0033】
本発明の好適な実施例によると、サテライト34を移動させること及びサテライト34を箱16bに適切に配置することが、サテライト34のボード上に設置されるセンサ48によって制御される。好適ではあるが非限定の実施例では、センサ48は光学タイプの読取デバイス又は検出デバイスである。別の実施例(図示せず)によると、サテライト34も複数のセンサ48を備えることができる。
【0034】
センサ48は、副ガイド18上のバーコード22によって表される基準点又は基準範囲10を読み取って復号することにより、副経路16上でのサテライト34の正確な位置を検出することができる。
【0035】
サテライト34は定位置にくるとプレート35aを降下させ、ユニット11のパレット11aをガイド18の平坦な表面19aの上に載置する。サテライトはカーゴ・ユニット11の配置作業を完了すると、副経路16に沿って移動して副経路16の末端16aまで戻る。
【0036】
カーゴ・ユニット11が箱16b内に収容されると、サテライト34がシャトル32から切り離され、副ガイド18の突出部19d上を摺動しながら副経路16に沿って移動し、箱16bに関連付けられる基準点又は基準範囲10によって特定される箱16bに対応する位置に到達する。
【0037】
サテライト34がプレート35aを用いてカーゴ・ユニット11を持ち上げ、カーゴ・ユニット11をガイド18から外し、副経路16に沿ってカーゴ・ユニット11を移送しながら副経路16に沿って移動して副経路16の末端16a(
図4)まで戻る。
【0038】
サテライト34によって実施される作業を実行する間、シャトル32は、サテライトが戻ってくるのを待つのを必ずしも必要とすることなく他の作業を自由に実施することができる。
【0039】
本発明の一実施例(図示せず)では、2つ以上のシャトル32及び/又は2つ以上のサテライト34が倉庫内に設けられ、理論的には、シャトル32が第1の副経路でサテライト34を降ろすことができ、また、サテライトがその作業を実施する間にシャトルが第1の副経路ではない第2の副経路内の別のサテライトを自由に取り出すことができる。
【0040】
さらに、本発明の一実施例では、倉庫が、挿入するか又は倉庫から取り出す必要があるカーゴ・ユニット11のための積載及び/又は荷降ろしステーション60を備える(
図4)。有利には、積載及び/又は荷降ろしステーション60が、倉庫全体のベース表面とみなされるフロアPの高さで、主通路12の端部12aに位置する。
【0041】
別の実施例(図示せず)では、積載及び/荷降ろしステーション60が2つの以上の中央通路12に設けられる。
【0042】
シャトル60が摺動ガイド又はコンベア・ベルト60aを有することができ、これは、直接に、又は、
図5及び6に示されるように、摺動ガイド又はコンベア・ベルト54aを装備する中間ステーション54を介して、シャトル32からカーゴ・ユニット11を受け取るか又はシャトル32上にカーゴ・ユニット11を積載する。
【0043】
好適な実施例では、シャトル32及び中間ステーション54は、リフト構造(lifting structure)49の垂直材50によって支持されるリフト・プラットフォーム(lifting platform)52内で受け入れられ得る。リフト構造49は自己推進装置30を垂直方向に移動させるか又はシャトル32のみを垂直方向に移動させるのを可能にし、その結果、装置又はシャトルが、棚材13の各フロア14に対応する別の中央通路を通り過ぎることができる。
【0044】
図5に示されるように、また、
図6により詳細に示されるように、垂直材50のうちの1つの垂直材が、垂直材の内側面50a上に位置する第3のロケーション・データ表現62を提供する。第3のセンサ64がリフト・プラットフォーム52上に設置される。第3のセンサ64は、第3のロケーション・データ表現62のデータを読み取るように構成される。この実例では、データ表現62は線形バーコードの形態の光学タイプの表現である。データ表現の形態と、表現62の適用表面と(表現62は、垂直材を形成するセクション・バーの1つの面上に適用され得るか又は示されない実施例によると複数の面上に適用され得る)、表現が設けられる垂直材と(表現は1つの垂直材上に適用され得るか又は示されない実施例によると複数の垂直材上に適用され得る)、垂直材50に対する表現62の接続システムと、表現62を製造するための材料とに関して、表現22、26に対して与えられた所見は、データ表現62にも適用される。
【0045】
別の実施例(図示せず)によると、リフト・プラットフォーム52も複数のセンサ64を備えることができる。
【0046】
センサ64は、垂直材50を基準としてリフト・プラットフォーム52が位置する正確な垂直方向の高さ(つまり、ベクトルzに沿う)を検出することができる。センサ64は、垂直材50上のバーコード62によって表される基準点又は基準範囲10を読み取って復号することにより、この位置を検出する。
【0047】
データ表現22、26、62は、それぞれ、横方向(y)、長手方向(x)及び垂直方向(z)に沿うロケーション・データを提供する。これらの入手可能なデータにより、倉庫9の三次元マッピングを得ることが可能となる。
【0048】
さらに、リフト構造49が、装置30の存在とは関係なく、中間ステーション54上でシャトル32或いは1つ又は複数のカーゴ・ユニット11を移動させることができ、それにより動作時間がさらに最適化される。
【0049】
保管方法の可能性のある初期ステップはカーゴ・ユニットを積載ステーション60上に置くことであり、ここでは、リフト構造49のリフト・プラットフォーム52がフロアPの平面まで降下され、つまり、積載/荷降ろしステーション60の摺動ガイド60aと、中間ステーション54の摺動ガイド54aと、及び/又は、シャトル32の構造33の垂直材36上に位置するチェーン・ロール37とを近接させる(
図2A、5及び6)。摺動ガイド又はコンベア・ベルト60aを用いてカーゴ・ユニットが中間ステーション54まで送られ、そこから、シャトル32のテレスコピック・フォーク又はチェーン・ロール37により積荷がシャトルまで移送される。シャトル32がチェーン・ロール37を備えるような構成が好適な構成であり、その理由は、サテライトのボード上に存在するかどうかに関係なく、つまり、シート33a内に収容されるかどうかに関係なく、シャトルがカーゴ・ユニットを積載及び/又は荷降ろしすることが可能となるからである。
【0050】
逆に、カーゴ・ユニットを倉庫から取り出す必要がある場合、今説明した方法が逆となり:シャトル32が積荷を中間ステーション54まで送り、そこから積荷がさらに荷降ろしステーション60まで移送され、そこで積荷が取り出される。
【0051】
カーゴ・ユニットを取り出すとき及び/又は配置するとき、棚材13の第1のフロアではなくフロア14に隣接する主通路12に到達することが必要となる場合、上述の作業は以下のステップによって完了することになる:自己推進装置30、又は、シャトル32のみが、リフト・プラットフォーム52上に積載され、プラットフォームを介して垂直方向に平行移動させられ、それにより移動手段30、32、34が倉庫の任意の点に到達することが可能となる。
【0052】
ロケーション・データ38、48、64を検出するためのセンサに関しては、このセンサは光学タイプのセンサであることが好ましい。センサの特有の技術は要求に応じて変化し得る。例えば、フォトダイオードに付随する光源、レーザ光源、LEDのバー光源を用いる光学式読取装置、CCC(電荷結合素子)センサ、フォト・カメラ・タイプの画像読取システム、多数のバーコードからの情報を同時に捕捉することができる高解像度フォト・カメラを使用する「Large field−of−view」タイプの読取装置などが使用され得る。
【0053】
他の実施例では、センサ38、48、64はデータ表現のタイプに応じて別のタイプのセンサであってもよく、例えば磁気センサであってよい。
【0054】
したがって、本発明によって達成される利点は以下の通りである:
− 構造交差、振動、熱膨張、スリップ、摩耗を原因とするエラー及び不確実性を生じさせることなく、倉庫内での移動手段の位置を決定するのを可能にする精度、並びに、
− 従来技術によって企図される自動倉庫と比較して、より多くの作業を同時に実施することができる能力。
【0055】
本発明の複数の態様/実施例を説明してきた。各態様/実施例が任意の他の態様/実施例と組み合わされ得ることを理解されたい。また、本発明は説明した実施例のみ限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲内で変更され得る。
【国際調査報告】