特表2016-525417(P2016-525417A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-525417(P2016-525417A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(54)【発明の名称】注射デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20160729BHJP
   A61M 5/42 20060101ALI20160729BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20160729BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20160729BHJP
   A61M 5/46 20060101ALI20160729BHJP
   A61M 5/31 20060101ALI20160729BHJP
【FI】
   A61M5/315 502
   A61M5/42 520
   A61M5/20 550
   A61M5/32 510K
   A61M5/46
   A61M5/32 500
   A61M5/31 520
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】64
(21)【出願番号】特願2016-530351(P2016-530351)
(86)(22)【出願日】2014年7月30日
(85)【翻訳文提出日】2016年3月1日
(86)【国際出願番号】DK2014000040
(87)【国際公開番号】WO2015014363
(87)【国際公開日】20150205
(31)【優先権主張番号】PA201370426
(32)【優先日】2013年8月2日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】PA201370427
(32)【優先日】2013年8月2日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】PA201370428
(32)【優先日】2013年8月2日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】PA201370429
(32)【優先日】2013年8月2日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】PA201370625
(32)【優先日】2013年10月28日
(33)【優先権主張国】DK
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516034773
【氏名又は名称】ユニオン・メディコ・エイピイエス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ペルトゥ,ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE06
4C066EE14
4C066FF05
4C066HH22
4C066LL13
4C066LL15
4C066LL16
4C066NN02
4C066QQ32
4C066QQ41
4C066QQ71
4C066QQ78
4C066QQ82
(57)【要約】
注射軸を画定する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスを開示する。この注射デバイスは、ユーザの皮膚に位置決めするためのハウジングと、引き出し位置と注射位置との間でハウジングに対して移動可能に配設された可動要素とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射軸を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、前記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするための、上側開口を有する第1の管状要素を備えるハウジング;及び
・引き出し位置と注射位置との間で前記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ前記皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素
を備え、
前記可動要素は、前記ハウジングの前記第1の管状要素内で摺動するよう配設された第1の部分と、前記ハウジングの第1の外側表面において摺動するよう配設された第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する接続部分とを備え、
前記可動要素は、前記第1の管状要素の前記上側開口の外へと延在する、注射デバイス。
【請求項2】
前記可動要素は、前記注射軸に対して垂直である前記ハウジングのいずれの断面の外周の少なくとも50%が、前記可動要素のいずれの可能な位置において前記可動要素と干渉しないように、前記ハウジングに対して配設される、請求項1に記載の注射デバイス。
【請求項3】
前記注射デバイスは、前記可動要素が前記引き出し位置にある場合に、前記第1の部分が、前記第1の管状要素の前記上側開口を通って前記管状要素の外へと延在し、前記可動要素が前記注射位置にある場合に、前記第1の部分全体が前記第1の管状要素の内側に位置決めされ、前記第2の部分及び前記接続部分全体が前記ハウジングの外側に位置決めされるよう、構成される、請求項1又は2に記載の注射デバイス。
【請求項4】
前記ハウジングの前記第1の外側表面は、前記注射軸に沿って延在するガイドを備え、
前記可動要素の前記第2の部分は前記ガイドと係合し、
前記ガイドは、前記可動要素の前記第2の部分が、前記注射軸に沿った方向以外のいずれの方向に移動するのを防止する、請求項1〜2のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項5】
前記ガイドは前記注射軸に沿って延在する溝であり、
前記溝は、前記可動要素の前記第2の部分を把持することによって、前記可動要素の前記第2の部分が前記注射軸に沿った方向以外のいずれの方向に移動するのを防止するよう構成される、請求項4に記載の注射デバイス。
【請求項6】
前記接続部分は、前記可動要素が前記注射位置にある場合にユーザが前記可動要素を把持して、前記可動要素を前記引き出し位置へと引き出すことができるようにする、ハンドルを備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項7】
前記注射デバイスは、前記可動要素と前記ハウジングとを接続するばねを更に備え、
前記ばねは、解放された場合に、前記可動要素を前記引き出し位置から前記注射位置へと移動させるよう構成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項8】
前記可動要素の前記第1の部分は、前記ばねと相互作用する外側表面を有するディスクを備える、請求項7に記載の注射デバイス。
【請求項9】
前記ディスクは、前記第1の管状要素の内側表面に沿って摺動することによって、更なる機械的安定性を提供するよう構成される、請求項8に記載の注射デバイス。
【請求項10】
前記ハウジングは更に、前記第1の管状要素の頂部に挿入される第2の管状要素を備え、
前記可動要素は前記第2の管状要素の外へと延在する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項11】
前記可動要素は、前記第1の部分の一部が前記第2の管状要素の内側表面に沿って摺動することによって、更なる機械的安定性を提供するよう構成される、請求項10に記載の注射デバイス。
【請求項12】
前記ばねは、前記可動要素の前記第1の部分の一部を取り囲む圧縮ばねであり、前記ディスクの第1の上側表面に当接する第1の端部と、第2の管状要素の下側表面に当接する第2の端部とを有する、請求項8、10に記載の注射デバイス。
【請求項13】
前記注射デバイスは、前記皮下シリンジを筋肉内注射するための、筋肉内注射デバイスである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項14】
前記注射デバイスは、前記注射デバイスの中心軸に沿って前記皮下シリンジを皮下注射するための、皮下注射デバイスである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項15】
前記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、
前記平坦接触表面は、前記注射軸に対して90°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる、請求項14に記載の注射デバイス。
【請求項16】
前記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、
前記平坦接触表面は、前記注射軸に対して80°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる、請求項15に記載の注射デバイス。
【請求項17】
前記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、
前記平坦接触表面は、前記注射軸に対して75°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる、請求項16に記載の注射デバイス。
【請求項18】
前記ハウジングは、針シールドを更に備える、請求項1〜17のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項19】
注射軸を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、前記注射デバイスは:
・皮膚に位置決めするための、細長本体及び前記細長本体に取り付けられた針シールドを備えるハウジング;並びに
・引き出し位置と注射位置との間で前記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ前記皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素であって、前記可動要素の一部分は前記ハウジングの第1の外側表面において摺動するよう配設される、可動要素
を備え、
前記ハウジングは把持領域を備え、
前記針シールドは前記把持領域の一部を形成し、
前記把持領域は、前記注射デバイスが前記皮下シリンジを注射している間、ユーザが前記把持領域のいずれの位置において前記注射デバイスを安全に保持できるようにするよう構成される、注射デバイス。
【請求項20】
前記針シールドは、前記可動要素が前記引き出し位置にあるときに、前記皮下シリンジホルダに取り付けられた前記皮下シリンジの皮下針の先端が前記針シールドの完全に内側に位置決めされるように、配設され、
前記可動要素は前記注射位置から前記引き出し位置へと引き出すことができる、請求項19に記載の注射デバイス。
【請求項21】
前記可動要素は、前記注射軸に対して垂直である前記ハウジングのいずれの断面の外周の少なくとも50%が、前記可動要素のいずれの可能な位置において前記可動要素と干渉しないように、前記ハウジングに対して配設される、請求項19又は20に記載の注射デバイス。
【請求項22】
前記可動要素は、前記注射軸に対して垂直である前記ハウジングのいずれの断面の外周の少なくとも65%が、前記可動要素のいずれの可能な位置において前記可動要素と干渉しないように、前記ハウジングに対して配設される、請求項21に記載の注射デバイス。
【請求項23】
前記細長本体は、上側開口を有する第1の管状要素であり、
前記可動要素は、前記ハウジングの前記第1の管状要素内で摺動するよう配設された第1の部分と、前記ハウジングの第1の外側表面において摺動するよう配設された第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する接続部分とを備え、
前記可動要素は、前記第1の管状要素の前記上側開口の外へと延在する、請求項19〜22のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項24】
前記針シールドの最小高さは少なくとも1cmである、請求項19〜23のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項25】
前記把持領域は、1つ又は複数の指を受承するための第1の凹状部分を備える、請求項24に記載の注射デバイス。
【請求項26】
前記把持領域は更に、1つ又は複数の指を受承するための第2の凹状部分を備える、請求項25に記載の注射デバイス。
【請求項27】
前記第1の凹状部分及び/又は前記第2の凹状部分は、ユーザの前記指との高摩擦接触を提供するための複数の突出要素を備える、請求項25又は26に記載の注射デバイス。
【請求項28】
前記把持領域の一部は、ユーザの手との高摩擦接触を確立するための材料を備える、請求項19〜27のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項29】
前記針シールドは、前記細長本体に取り付けられた第1の部分、及び前記第1の部分に挿入された第2の部分から組み立てられたアセンブリである、請求項19〜28のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項30】
前記針シールド及び前記細長本体は一体として成型される、請求項19〜29のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項31】
前記注射デバイスは、前記皮下シリンジを筋肉内注射するための、筋肉内注射デバイスである、請求項19〜30のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項32】
前記注射デバイスは、前記注射デバイスの中心軸に沿って前記皮下シリンジを皮下注射するための、皮下注射デバイスである、請求項19〜31のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項33】
前記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、
前記平坦接触表面は、前記注射軸に対して90°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる、請求項19〜32に記載の注射デバイス。
【請求項34】
前記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、
前記平坦接触表面は、前記注射軸に対して80°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる、請求項33に記載の注射デバイス。
【請求項35】
前記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、
前記平坦接触表面は、前記注射軸に対して75°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる、請求項34に記載の注射デバイス。
【請求項36】
前記針シールドは、ユーザが前記皮下針又は針ハブを点検できるような位置に配設された、点検窓を備える、請求項19〜35のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項37】
・請求項9〜36のいずれか1項に記載の注射デバイスを得るステップ;
・前記注射デバイスの皮下シリンジホルダ内に、(皮下針が取り付けられた)皮下シリンジを配設するステップ;
・受容者の皮膚に前記注射デバイスを位置決めするステップ
を含む、皮下シリンジを注射する方法であって、
前記ハウジングの下部の第3の部分に位置決めされた把持領域に前記注射デバイスを保持したまま、解放機構を前記注射デバイスに押圧することにより、前記可動要素が注射位置へと移動して、前記皮下シリンジが注射される、方法。
【請求項38】
注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、
前記注射方向は注射軸を定義する、デバイスにおいて、
前記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするための、細長本体、前記細長本体に取り付けられた針シールド、及び光源を備えるハウジング;並びに
・引き出し位置と注射位置との間で前記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ針ハブを通して皮下針に接続された前記皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素
を備え、
前記光源は、前記光源が起動され、前記可動要素が前記注射位置にある場合に、得られる光線のピーク強度が前記針ハブの位置又は前記針ハブの下側に位置決めされることによって、ユーザが前記針ハブ内又は前記皮下針内に存在する血液を検出できるよう、配設される、注射デバイス。
【請求項39】
前記針シールドは、ユーザが前記皮下針又は前記針ハブを点検できるような位置に配設された、点検窓を備える、請求項38に記載の注射デバイス。
【請求項40】
前記点検窓は、前記針シールドの不透明部分によって少なくとも部分的に縁取られる、請求項39に記載の注射デバイス。
【請求項41】
前記針シールドは、前記細長本体に取り付けられた第1の部分、及び前記第1の部分に挿入された第2の部分から組み立てられたアセンブリである、請求項39又は40に記載の注射デバイス。
【請求項42】
前記針シールドの前記第1の部分は、少なくとも部分的に透明材料からなり、前記第2の部分は少なくとも部分的に不透明材料からなり、
前記第2の部分は、前記第2の部分の前記第1の部分に挿入される部分に少なくとも部分的に位置する貫通孔を備え、
前記貫通孔は前記第1の部分と共に前記点検窓を形成する、請求項40又は41に記載の注射デバイス。
【請求項43】
前記ハウジングは、前記皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、
前記光源は、前記平坦接触表面までの距離が0cm〜3cm、0cm〜2cm、0cm〜1.5cm又は0cm〜1cmとなるよう配設される、請求項38〜42のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項44】
前記針シールドは、前記可動要素が前記引き出し位置にあるときに、前記皮下シリンジホルダに取り付けられた前記皮下シリンジの前記皮下針の先端が前記針シールドの完全に内側に位置決めされるように配設され、
前記可動要素は前記注射位置から前記引き出し位置へと引き出すことができる、請求項38〜43のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項45】
前記ハウジングは更に、前記光源に動作可能に接続された圧力センサを備え、
前記圧力センサは、前記ハウジングと前記ユーザの皮膚との間の接触圧を検出するよう構成され、
前記注射デバイスは、所定の第1の閾値を超える圧力が検出された場合に、前記光源をオンにするよう構成される、請求項38〜44のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項46】
前記ハウジングは更に圧力センサを備え、
前記注射デバイスは、前記圧力センサが第2の閾値を超える圧力を検出した場合に、過剰な圧力が印加されたことを前記ユーザに信号送信するよう構成される、請求項38〜45のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項47】
前記シリンジホルダは、前記皮下シリンジのカラーを把持するための溝を備え、
前記溝は、前記皮下シリンジが、前記皮下シリンジホルダに対して前記注射軸に沿って移動するのを防止するよう構成される、請求項38〜46のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項48】
前記注射デバイスは更に、前記針ハブを通して前記皮下針に接続された前記皮下シリンジを更に備え、
前記皮下シリンジは、前記皮下シリンジホルダ内に配設され、
前記光源は、前記光源が起動され、前記可動要素が前記注射位置にある場合に、得られる光線のピーク強度が前記針ハブの位置又は前記針ハブの下側に位置決めされることによって、ユーザが前記針ハブ内又は前記皮下針内に存在する血液を検出できるよう、配設される、請求項38〜47のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項49】
注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、前記注射方向は注射軸を定義する、デバイスにおいて、前記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするための、細長本体及び前記細長本体に取り付けられた針シールドを備えるハウジング;並びに
・引き出し位置と注射位置との間で前記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ針ハブを通して皮下針に接続された前記皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素
を備え、
前記注射デバイスは、前記皮下シリンジホルダに取り付けられた前記皮下シリンジのプランジャをユーザが手動で操作できるようにするよう構成され、
前記針シールドは透明点検窓を備える、注射デバイス。
【請求項50】
前記点検窓は、前記可動要素が前記注射位置にあるときにユーザが前記皮下針又は前記針ハブを点検できるような位置に配設される、請求項49に記載の注射デバイス。
【請求項51】
前記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、
前記点検窓は、前記平坦接触表面までの距離が0cm〜2cm、0cm〜1.5cm又は0cm〜1cmとなるよう配設される、請求項49又は50に記載の注射デバイス。
【請求項52】
前記点検窓の最大幅は、0.2cm〜4cm、0.2cm〜3cm又は0.5cm〜2cmである、請求項49〜51のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項53】
前記点検窓は前記針シールドの側部に配設される、請求項49〜52のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項54】
前記針シールドは更に、前記(第1の)点検窓とは反対側に位置決めされた第2の点検窓を備える、請求項49〜53のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項55】
前記点検窓は、前記針シールドの不透明部分によって少なくとも部分的に縁取られる、請求項49〜54のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項56】
前記不透明部分は前記点検窓全体を縁取っている、請求項55に記載の注射デバイス。
【請求項57】
前記針シールドは、前記細長本体に取り付けられた第1の部分、及び前記第1の部分に取り付けられた第2の部分から組み立てられたアセンブリである、請求項49〜56のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項58】
前記第2の部分は前記第1の部分に挿入される、請求項57に記載の注射デバイス。
【請求項59】
前記針シールドの前記第1の部分は、少なくとも部分的に透明材料からなり、前記第2の部分は少なくとも部分的に不透明材料からなり、
前記第2の部分は、前記第2の部分の前記第1の部分に挿入される部分に少なくとも部分的に位置する貫通孔を備え、
前記貫通孔は前記第1の部分と共に前記点検窓を形成する、請求項58に記載の注射デバイス。
【請求項60】
前記針シールドは、前記可動要素が前記引き出し位置にあるときに、前記皮下シリンジホルダに取り付けられた前記皮下シリンジの前記皮下針の先端が前記針シールドの完全に内側に位置決めされるように、配設され、
前記可動要素は前記注射位置から前記引き出し位置へと引き出すことができる、請求項49〜59のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項61】
前記ハウジングは把持領域を備え、
前記針シールドは前記把持領域の一部を形成し、
前記把持領域は、前記注射デバイスが前記皮下シリンジを注射している間、ユーザが前記把持領域のいずれの位置において前記注射デバイスを安全に保持できるようにするよう構成される、請求項49〜60のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項62】
前記針シールドは、前記針シールドの把持を改善するよう構成された把持要素を備え、
前記把持要素は、前記針シールドの透明性を制限する、請求項61に記載の注射デバイス。
【請求項63】
前記注射デバイスは、前記針ハブを通して前記皮下針に接続された前記皮下シリンジを更に備え、
前記皮下シリンジは、前記皮下シリンジホルダ内に配設される、請求項49〜62のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項64】
注射軸を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、前記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするための、上側開口を有する第1の管状要素を備えるハウジング;
・引き出し位置と注射位置との間で前記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ前記皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダと、前記ハウジングの前記第1の管状要素内で摺動するよう配設された第1の部分とを備える、可動要素;
前記可動要素と前記ハウジングとを接続するばねであって、前記ばねは、解放された場合に、前記可動要素を前記引き出し位置から前記注射位置へと移動させるよう構成される、ばね;及び
・ユーザが前記ばねを解放できるように構成された、解放機構
を備え、
前記可動要素の前記第1の部分は細長開口を備え、前記解放機構は、把持位置と解放位置との間で解放機構軸に沿って移動可能に配設され、前記細長開口に部分的に挿入され、
前記可動要素が前記引き出し位置にあるときに、前記解放機構は、前記把持位置から前記解放位置へと移動することによって前記ばねを解放するよう配設される、注射デバイス。
【請求項65】
前記細長開口は貫通孔である、請求項64に記載の注射デバイス。
【請求項66】
前記可動要素は更に、前記ハウジングの第1の外側表面において摺動するよう配設された第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する接続部分とを備え、
前記可動要素は、前記第1の管状要素の前記上側開口の外へと延在する、請求項64又は65に記載の注射デバイス。
【請求項67】
前記ハウジングは第1の側部開口を備え、
前記解放機構は前記第1の側部開口を通って延在し、前記ハウジングとは反対側を向いた接触表面を備え、
前記解放機構は、ユーザが前記接触表面を押圧したことに応答して、前記把持位置から前記解放位置へと移動するよう構成される、請求項64〜66のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項68】
前記解放機構軸は前記注射軸に対して垂直である、請求項64〜67のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項69】
前記解放機構は第1の部分及び第2の部分を備え、
前記第2の部分は、前記解放機構が前記把持位置にあり、かつ前記可動要素が前記引き出し位置にあるときに、前記細長開口の内側の前記可動要素と内部接触表面において当接し、前記ばねは前記内部接触表面を前記第2の部分に向かって押圧し、
前記解放機構は、前記把持位置から前記解放位置へと移動した場合に、前記第2の部分が前記内部接触表面に当接しなくなることによって前記ばねが解放されるよう、構成される、請求項64〜67のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項70】
前記細長開口は、前記注射軸に沿って、前記細長開口の下端の第1の領域と、前記第1の領域に隣接して位置決めされた第2の領域とを備え、
前記解放機構は、前記可動要素が前記引き出し位置にあるときは前記第1の領域に、そして前記可動要素が前記注射位置に向かって移動しているときは前記第2の領域に位置決めされ:
・前記細長開口は前記第1の領域に、前記解放機構軸に沿って、第1の幅を有する部分及び第2の幅を有する部分を有し、前記第1の幅は、前記解放機構の前記第1の部分の幅より大きいが、前記解放機構の前記第2の部分の幅より小さく、前記第2の幅は、前記解放機構の前記第2の部分の幅より大きく;
・前記細長開口は前記第2の領域に、前記解放機構軸に沿って、第3の幅を有する部分及び第4の幅を有する部分を有し、前記第3の幅は、前記解放機構の前記第1の部分の幅より大きいが、前記解放機構の前記第2の部分の幅より小さく、前記第4の幅は、前記解放機構の第2の部分の幅より大きく;
・前記第2の幅は、前記第4の幅に比べて、前記解放機構軸のより長い部分に沿って延在し、前記内部接触表面は、前記第1の領域と前記第2の領域との間の境界の少なくとも一部を構成し、これにより前記解放機構の前記第2の部分は、前記可動要素が前記注射位置へと移動する際、前記第2の領域の前記第4の幅を有する部分に配設される、請求項69に記載の注射デバイス。
【請求項71】
前記注射デバイスは更にロック機構を備え、
前記ロック機構は、ロック機構軸に沿ってロック位置と非ロック位置との間で移動可能に配設され、
前記ロック機構は、前記ロック位置にあるときに、前記解放機構が前記把持位置から前記解放位置へと移動するのを防止するよう構成される、請求項64〜70のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項72】
前記ロック機構は、前記ハウジングの第2の側部開口内に摺動可能に配設され、
前記第2の側部開口は、前記第1の側部開口とは反対側にあり、
前記ロック機構は、前記ハウジングに対面するブロック表面を備え、
前記ブロック表面は、前記ロック機構がロック位置にあるときに前記解放機構軸と整列し、また前記ロック機構が前記非ロック位置にあるときに前記解放機構軸と整列せず、
前記可動要素の前記細長開口は細長貫通孔であり、
前記解放機構は、前記解放機構が前記解放位置において前記細長貫通孔を通って延在し、更に前記ブロック表面を超えて延在するよう配設される、請求項71に記載の注射デバイス。
【請求項73】
前記可動要素は、前記注射位置から前記引き出し位置へと手動で移動させた場合に、前記ロック機構を前記非ロック位置から前記ロック位置へと移動させるよう構成される、請求項71又は72に記載の注射デバイス。
【請求項74】
前記可動要素はディスクを備え、
前記ロック機構は、前記ディスクに対面する第1の端部においてばねを備え、前記可動要素は、前記注射位置から前記引き出し位置に移動するときに、前記ロック機構ばねを押圧して、前記ロック機構を前記非ロック位置から前記ロック位置に移動させるよう構成される、請求項64〜74のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項75】
前記ロック機構は、前記可動要素が前記引き出し位置にあり、かつ前記ロック機構が前記非ロック位置にあるときに、前記ロック機構ばねが部分的に圧縮されるように配設され、
前記ロック機構ばねは、前記ロック機構軸に沿って、前記ロック位置に向かう方向の第1の力(F1)を提供し、前記ハウジングは、前記ロック機構軸に沿った、前記ロック位置に向かう方向の、前記第1の力(F1)より高い第2の力(F2)が、前記ロック機構に対して作用していない場合に、前記ロック機構が前記非ロック位置から前記ロック位置へと移動するのを防止するよう構成された、把持部材を備え、これにより前記ロック機構は、ユーザからの支援なしに前記非ロック位置に留まることができる、請求項75に記載の注射デバイス。
【請求項76】
前記解放機構は、前記可動要素が前記注射位置から前記引き出し位置へと移動するときに、前記解放位置から前記把持位置へと移動するよう配設される、請求項64〜76のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項77】
前記解放機構は、前記ロック機構が前記非ロック位置から前記ロック位置へと移動するときに、前記ロック機構によって押圧されることによって、前記解放位置から前記把持位置へと移動するよう配設される、請求項76に記載の注射デバイス。
【請求項78】
注射軸を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、前記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするためのハウジング;
・引き出し位置と注射位置との間で前記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ前記皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素;
・前記可動要素と前記ハウジングとを接続するばねであって、前記ばねは、解放された場合に、前記可動要素を前記引き出し位置から前記注射位置へと移動させるよう構成される、ばね;及び
・ユーザが前記ばねを解放できるように構成された、解放機構
を備え、
前記注射デバイスは更にロック機構を備え、
前記ロック機構は、ロック機構軸に沿ってロック位置と非ロック位置との間で移動可能に配設され、
前記ロック機構は、前記ロック位置にあるときに、前記解放機構が前記ばねを解放するのを防止するよう構成され、
前記可動要素は、前記注射位置から前記引き出し位置へと移動するときに、前記ロック機構を前記非ロック位置から前記ロック位置へと移動させるよう構成される、注射デバイス。
【請求項79】
注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、前記注射方向は注射軸を定義する、デバイスに関し、前記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするための、細長本体を備えるハウジング;
・ユーザに状態を信号送信するための信号送信ユニット;
・前記注射デバイスとユーザの皮膚との間の接触を検出するよう構成された、第1のセンサ;
・引き出し位置と注射位置との間で前記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ前記皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素
を備え、
前記第1のセンサは、前記信号送信ユニットに動作可能に接続され、
前記注射デバイスは、前記第1のセンサが前記注射デバイスとユーザの皮膚との間の接触を検出した後、前記信号送信ユニットを制御して、前記注射デバイスが前記皮下シリンジを注射する準備ができた状態であることをユーザに信号送信させるよう構成される、注射デバイス。
【請求項80】
前記第1のセンサは、前記ハウジングと前記ユーザの皮膚との間の接触圧を検出するよう構成された圧力センサであり、
前記注射デバイスは、所定の第1の閾値を超える接触圧を検出したときに、前記信号送信ユニットを制御して、前記注射デバイスが前記皮下シリンジを注射する準備ができた状態であることをユーザに信号送信させるよう構成される、請求項79に記載の注射デバイス。
【請求項81】
前記信号送信ユニットは1つ又は複数の光源である、請求項79又は80に記載の注射デバイス。
【請求項82】
前記1つ又は複数の光源は:
・光の放出を開始すること;
・光の放出を停止すること;
・点滅を開始すること;
・点滅周期を変更すること;又は
・色を変更すること
によって、前記注射デバイスが前記皮下シリンジを注射する準備ができた状態であることをユーザに信号送信するよう構成される、請求項81に記載の注射デバイス。
【請求項83】
前記信号送信ユニットはスピーカである、請求項79又は80に記載の注射デバイス。
【請求項84】
前記スピーカは:
・音声の再生を開始すること;
・音声の再生を停止すること;
・音声を変更すること
によって、前記ハウジングと前記ユーザの皮膚との間に十分な接触圧が存在することをユーザに信号送信するよう構成される、請求項83に記載の注射デバイス。
【請求項85】
前記圧力センサは、前記ハウジングの底部に配設される、請求項80〜84のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項86】
前記圧力センサは:
第1の位置と第2の位置との間で移動可能に配設されたボタン;
圧力センサばね;
電源;
前記信号送信ユニットと前記電源との間の第1の電気回路を形成又は遮断するよう構成された電子スイッチ
を備え、
前記電子スイッチは、前記ボタンが前記第2の位置にあるときに前記第1の電気回路を形成するよう構成され、
前記圧力センサばねは、前記第1の閾値を超える接触圧が前記ボタンに作用するまで、前記ボタンを前記第2の位置から離間した状態に維持するよう配設される、請求項80〜85のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項87】
前記注射デバイスは更に、所定の第2の閾値を超える接触圧を検出したときに、前記信号送信ユニットを制御して、前記ハウジングと前記ユーザの皮膚との間の接触圧が大き過ぎることをユーザに信号送信させるよう構成される、請求項80〜86のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項88】
注射軸を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、前記注射デバイスは:
・皮膚に位置決めするための平坦接触表面を有し、細長本体と、第1の側部及び第2の側部を有する針シールドとを備え、前記第2の側部は前記第1の側部とは反対側であり、前記針シールドは前記第1の側部において細長本体に取り付けられる、ハウジング;並びに
・引き出し位置と注射位置との間で前記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ前記皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素
を備え、
前記平坦接触表面は、前記注射軸に対して80°未満の角度で角度設定された平面内に配設され、
前記針シールドは、指を受承するための凹状部分を備え、
前記凹状部分は、ユーザが前記指を用いて前記注射デバイスを皮膚に確実に保持できるよう構成される、注射デバイス。
【請求項89】
前記凹状部分は、前記針シールドの前記第2の側部に形成される、請求項88に記載の注射デバイス。
【請求項90】
前記平坦接触表面は、前記注射軸に対して75°未満30°超の角度で角度設定された平面内に配設される、請求項88又は89に記載の注射デバイス。
【請求項91】
前記凹状部分の最大幅は少なくとも1cmである、請求項88〜90のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項92】
前記凹状部分の最大幅は3cm以下である、請求項91に記載の注射デバイス。
【請求項93】
前記凹状部分の最大幅は2cm以下である、請求項92に記載の注射デバイス。
【請求項94】
前記凹状部分は少なくとも1mm、1.5mm又は2mmの深さを有する、請求項88〜93のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項95】
前記針シールド及び前記細長本体は一体として成型される、請求項88〜95のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項96】
前記針シールドは、ユーザが、前記凹状部分に指を配置したまま、前記皮下針又は針ハブを点検できるような位置に配設された、点検窓を備える、請求項88〜95のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項97】
前記注射デバイスは更に:
・前記可動要素と前記ハウジングとを接続するばねであって、前記ばねは、解放された場合に、前記可動要素を前記引き出し位置から前記注射位置へと移動させるよう構成される、ばね;及び
・ユーザが前記ばねを解放できるようにするために構成された、解放機構
を備え、
前記ハウジングの前記細長本体は第1の管状要素であり、
前記可動要素は、前記ハウジングの前記第1の管状要素内で摺動するよう配設された第1の部分を備え、
前記可動要素の前記第1の部分は細長開口を備え、
前記解放機構は、解放機構軸に沿って把持位置と解放位置との間を移動可能に配設され、また前記細長開口に部分的に挿入され、
前記可動要素が前記引き出し位置にあるとき、前記解放機構は、前記把持位置から前記解放位置へと移動することによって前記ばねを解放するよう配設される、請求項88〜96のいずれか1項に記載の注射デバイス。
【請求項98】
前記解放機構軸は、前記注射軸に対して垂直である、請求項97に記載の注射デバイス。
【請求項99】
前記注射デバイスはロック機構を更に備え、
前記ロック機構は、ロック機構軸に沿ってロック位置と非ロック位置との間で移動可能に配設され、
前記ロック機構は、前記ロック位置に位置決めされているときに、前記解放機構が前記把持位置から前記解放位置へと移動するのを防止するよう構成される、請求項97又は98に記載の注射デバイス。
【請求項100】
皮下シリンジを注射する方法であって:
・可動要素が引き出し位置にある状態の、請求項1〜99のいずれか1項に記載の注射デバイスを得るステップ;
・皮下シリンジホルダ内に(皮下針が取り付けられた)前記皮下シリンジを配設するステップ;
・前記注射デバイスを患者の皮膚に位置決めするステップ;
・前記注射デバイス上の解放機構を押圧することによって、可動要素を注射位置へと移動させて、前記皮下シリンジを注射するステップ
を含む、方法。
【請求項101】
前記解放機構は、前記注射デバイスが前記ハウジングの下方の第3の部分に保持されている間に押圧される、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
皮下シリンジ内に備えられた物質を患者に注射する方法であって、前記方法は:
・可動要素が引き出し位置にある状態の、請求項1〜99のいずれか1項に記載の注射デバイスを得るステップ;
・皮下シリンジホルダ内に(皮下針が取り付けられた)前記皮下シリンジを配設するステップ;
・前記注射デバイスを患者の皮膚に位置決めするステップ;
・前記注射デバイス上の解放機構を押圧することによって、可動要素を注射位置へと移動させて、前記皮下シリンジを注射するステップ;
・前記皮下シリンジのプランジャを手動で押圧することによって、前記皮下シリンジの内容物を注射するステップ
を含む、方法。
【請求項103】
前記解放機構は、前記注射デバイスが前記ハウジングの下方の第3の部分に保持されている間に押圧される、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
・前記注射デバイスのハンドルを用いて、前記可動要素を前記注射位置から前記引き出し位置へと引き出すことによって、前記皮下針の先端を針シールドの完全に内側に位置決めして、針が刺さることからユーザを保護するステップ
を更に含む、請求項102又は103に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動注射器デバイスに関する。より具体的には、本発明は、シリンジの注射のための自動注射器デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において皮下シリンジの注射作業に直面する人は多い。これらの注射の目的はいずれも、治療処置、予防処置又は美容処置であってよい。治療処置の例は、糖尿病のためのインスリンの皮下送達、アナフィラキシーに冒された人のためのエピネフリンの皮下送達、感染症の処置のための抗生物質の筋肉内及び/又は皮下送達、並びに多発性硬化症の処置のための薬剤の筋肉内送達である。予防処置の例は、ビタミンの筋肉内送達、ワクチンの皮下送達並びに医薬品の筋肉内及び/又は皮下送達である。
【0003】
注射は、ユーザ自身が又は医療従事者が実施してよい。いずれの場合においても、注射が安全で制御された様式で実施されることが確実であることが望ましい。これは、シリンジを自動的に注射するよう構成された自動注射デバイスを用いて達成できる。
【0004】
特許文献1は、受容者の皮膚に対して配置するための静止部分と、シリンジを保持するための可動部分とを備える、皮下シリンジを注射するためのデバイスを開示しており、ここで可動部分はばねを介して静止部分に接続される。自動注射器は、シリンジを自動的に注射して、更にシリンジの内容物を患者に自動的に送達するよう構成される。
【0005】
特許文献2は、受容者の皮膚に対して20°の角度で皮下シリンジを注射するためのデバイスを開示している。このデバイスは、患者の皮膚に対して配置されるくさび型静止部分と、シリンジを保持するための可動部分とを備える。
【0006】
特許文献3は、ハウジングに対する引き出し位置から注射位置へ変位できるスライドを備える注射デバイスを開示しており、上記スライドは、ハウジング内に位置する部分と、ハウジングの外側に位置する部分とを備え、これらの部分両方はハウジング内の溝を介して相互接続される。
【0007】
特許文献4は、皮下シリンジ用の注射デバイスを開示しており、この注射デバイスは、シリンジを支持して、注射デバイスの所定の部分が配置されている皮膚組織領域に対してシリンジの針を発射するための構造を含む。また、隣接する皮膚組織領域へのシリンジの針の発射中に、シリンジのプランジャをシリンジのバレル部分に対して僅かに引き出すための構造が設けられ、更に、針を発射して、シリンジのバレル部分が支持する針を隣接する皮膚組織中へと押し込んだ後に、シリンジのピストン部分をシリンジのバレル部分に対してシフトさせて、シリンジの針を通してシリンジの液体内容物を押し出すための構造が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第2295849号
【特許文献2】オーストラリア特許第8704582号
【特許文献3】欧州特許第1154811号
【特許文献4】米国特許第3941130A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら:
・容易かつ安全に操作できる、皮下シリンジを自動的に注射するためのデバイスを提供すること;
・プラスチック等の安価な材料で製造できる、皮下シリンジを自動的に注射するための、構造的により安定したデバイスを提供すること;
・注射プロセス中により良好に制御できる、皮下シリンジを自動的に注射するためのデバイスを提供すること
は、今なお課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様によると、本発明は、注射軸を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスに関し、上記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするための、上側開口を有する第1の管状要素を備えるハウジング;及び
・引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素
を備え、上記可動要素は、上記ハウジングの上記第1の管状要素内で摺動するよう配設された第1の部分と、上記ハウジングの第1の外側表面において摺動するよう配設された第2の部分と、上記第1の部分と上記第2の部分とを接続する接続部分とを備え、上記可動要素は、上記第1の管状要素の上記上側開口の外へと延在する。
【0011】
その結果、スリットを用いずに第1の管状要素を形成できるため、より構造的に安定した注射デバイスが提供される。これにより、プラスチック等の安価な材料で注射デバイスを製造できるようになる。
【0012】
可動要素の第1の部分及び第2の部分の両方は、ハウジングの異なる部品上で摺動できるため、構造安定性が更に改善される。
【0013】
ハウジング及び/又は可動要素はプラスチック製であってよい。第1の管状要素の、ユーザの皮膚に対面する端部は、閉鎖されていてよい。従って使用時、第1の管状要素の上側開口は、ユーザの皮膚とは反対側を向いている。可動要素の第2の部分は、第1の管状要素、又はハウジングの別の要素、例えば第1の管状要素に取り付けられた要素の、第1の外側表面において摺動してよい。ハウジング及び可動要素は、通常使用中に実質的に変形不可能であってよく、即ちハウジング及び可動要素は、通常使用中に5%未満しか変形しなくてよい。可動要素はU字型であってよく、この場合第1の部分はU字型の第1の脚であり、第2の部分はU字型の第2の脚であり、接続部分はU字型の底部である。可動要素の第1の部分及び第2の部分は、おおよそ等しい長さであってよく、又は異なる長さであってよい。管状要素は、円形又は長方形断面を有してよい。シリンジホルダは、可動要素の第2の部分に接続されてよい。シリンジホルダは、把持アームの第1のセットと、把持アームの第2のセットとを備えてよい。シリンジホルダは可動要素に着脱可能に接続されてよく、これによりシリンジホルダを交換して、同一の注射デバイスを異なるサイズの皮下シリンジと共に使用できるようにすることができる。注射デバイスは、皮下シリンジの注射を開始するための解放機構を備えてよい。解放機構は、本発明の第7の態様に関連して説明されるような解放機構であってよい。注射デバイスは、上記可動要素が上記引き出し位置にあり、かつ上記解放機構が押圧されている場合に、上記可動要素が上記注射位置へと移動することによって、上記皮下シリンジホルダに取り付けられた皮下シリンジを注射し得るように構成してよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、上記可動要素は、上記注射軸に対して垂直である上記ハウジングのいずれの断面の外周の少なくとも50%が、上記可動要素のいずれの可能な位置において上記可動要素と干渉しないように、上記ハウジングに対して配設される。
【0015】
いくつかの実施形態では、上記可動要素は、上記注射軸に対して垂直である上記ハウジングのいずれの断面の外周の少なくとも65%が、上記可動要素のいずれの可能な位置において上記可動要素と干渉しないように、上記ハウジングに対して配設される。
【0016】
これによりユーザは、注射デバイスをより自由に把持して取り扱うことができるようになり、例えば注射デバイスの下部の第3の部分に、より良好な制御をユーザに提供する把持領域を形成できる。
【0017】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは更に針シールドを備える。
【0018】
針シールドは、可動要素が引き出し位置にあるときに、上記皮下シリンジに取り付けられた上記皮下シリンジの皮下針の先端が針シールドの内側に位置決めされるように、配設してよい。針シールドは管状針シールドであってよい。管状針シールドは、注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めした場合にユーザの皮膚に対面する、第1の開口を備える。ハウジングは、ユーザの皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備えてよく、第1の開口は上記平坦接触表面の一部を形成する。
【0019】
針シールドを有することにより、皮下針が刺さることからユーザを保護できる。これは、注射デバイスを医療従事者が使用する場合に特に重要である。というのは、これによって、医療従事者が、治療対象の患者からHIV又は肝炎等の疾患に感染するリスクが低減されるためである。
【0020】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは把持領域を備え、上記針シールドは上記把持領域の一部を形成し、上記把持領域は、皮下シリンジの注射中に、ユーザが上記注射デバイスを上記把持領域のいずれの位置に安全に保持できるようにするために構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、上記注射デバイスは、上記可動要素が上記引き出し位置にある場合に、上記第1の部分が、上記第1の管状要素の上記上側開口を通って上記管状要素の外へと延在し、上記可動要素が上記注射位置にある場合に、上記第1の部分全体が上記第1の管状要素の内側に位置決めされ、上記第2の部分及び上記接続部分全体が上記ハウジングの外側に位置決めされるよう、構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングの上記第1の外側表面は、上記注射軸に沿って延在するガイドを備え、上記可動要素の上記第2の部分は上記ガイドと係合し、上記ガイドは、上記可動要素の上記第2の部分が、上記注射軸に沿った方向以外のいずれの方向に移動するのを防止する。
【0023】
その結果、注射デバイスの構造的強度を更に改善できる。
【0024】
いくつかの実施形態では、上記ガイドは上記注射軸に沿って延在する溝であり、上記溝は、上記可動要素の上記第2の部分を把持することによって、上記可動要素の上記第2の部分が上記注射軸に沿った方向以外のいずれの方向に移動するのを防止するよう構成される。
【0025】
溝は、内向きに傾斜した第1の壁及び第2の壁を備えてよく、これによって上記第2の部分が上記注射軸に沿った方向以外のいずれの方向に移動するのが防止される。可動要素の第2の部分全体が溝の内側で摺動してよく、又は上記第2の部分の一部のみが上記溝の内側で摺動してよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、上記接続部分は、上記可動要素が上記注射位置にある場合にユーザが上記可動要素を把持して、上記可動要素を上記引き出し位置へと引き出すことができるようにする、ハンドルを備える。
【0027】
いくつかの実施形態では、上記ハンドルは第1の把持領域を備える。
【0028】
この第1のハンドル把持領域は、ユーザの手との高摩擦把持を確立するよう構成された材料を含んでよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、注射軸に対して垂直な方向に突出した、第1の突出把持部分を備える。
【0030】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、注射軸及び上記第1の突出把持部分に対して垂直な方向に突出した、第2の突出把持部分を備える。
【0031】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、第2の突出把持部分及び第3の突出把持部分を備え、第2及び第3の突出把持部分はいずれも、注射軸及び上記第1の突出把持部分に対して垂直な方向に突出する。
【0032】
その結果、ユーザは上記ハンドルをいずれの方向から更に容易に把持できる。
【0033】
いくつかの実施形態では、上記注射デバイスは、上記可動要素と上記ハウジングとを接続するばねを更に備え、上記ばねは、解放された場合に、上記可動要素を上記引き出し位置から上記注射位置へと移動させるよう構成される。
【0034】
このばねは、機械ばね又はガスばね等のいずれの種類のばねであってよい。このばねは圧縮ばね又は伸長ばねであってよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、上記可動要素の上記第1の部分は、上記ばねと相互作用する外側表面を有するディスクを備える。
【0036】
このディスクは、可動要素の第1の部分の遠位端を形成してよい。このディスクは、円形又は長方形等のいずれの形状を有してよい。
【0037】
ばねは圧縮ばね、即ち圧縮時に機械的エネルギを貯蔵するばねであってよい。圧縮ばねは、可動要素の第1の部分の一部を取り囲んでよく、また、上記ディスクの第1の上側表面に当接する第1の端部を有してよい。上記ディスクの上側表面は、注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めした場合にユーザとは反対側を向く表面である。従って、可動要素が引き出し位置にある場合、圧縮ばねは圧縮され、これによって、上記可動要素を上記引き出し位置から上記注射位置に移動させるために使用できる機械的エネルギを貯蔵し、上記移動によって、上記皮下シリンジホルダに取り付けられた皮下シリンジを注射できる。
【0038】
いくつかの実施形態では、上記ディスクは、上記第1の管状要素の内側表面に沿って摺動することによって、更なる機械的安定性を提供するよう構成される。
【0039】
このディスクは、上記第1の管状要素の内側表面の形状に適合する形状を有してよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは更に、上記第1の管状要素の頂部に挿入される第2の管状要素を備え、上記可動要素は上記第2の管状要素の外へと延在する。
【0041】
第2の管状要素は、第1の管状要素に恒常的に取り付けられてよい。第2の管状要素は、接着剤、及び/又は圧入、即ち摩擦嵌合を用いて取り付けてよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、上記可動要素は、上記第1の部分の一部が上記第2の管状要素の内側表面に沿って摺動することによって、更なる機械的安定性を提供するよう構成される。
【0043】
従って、可動要素の第1の部分は、上記第2の管状要素の内側表面に沿って摺動する細長部分と、第1の管状要素の内側表面に沿って摺動するディスクとを備えてよく、上記細長部分の(注射軸に対して垂直な平面内で測定した)最大幅は、ディスクの最大幅より小さい。
【0044】
ばねは圧縮ばね、即ち圧縮時に機械的エネルギを貯蔵するばねであってよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、ばねは、可動要素の第1の部分の一部を取り囲む圧縮ばねであり、上記ディスクの第1の上側表面に当接する第1の端部と、第2の管状要素の下側表面に当接する第2の端部とを有する。
【0046】
上記ディスクの上側表面は、注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めした場合にユーザの皮膚とは反対側を向く表面であり、第2の管状要素の下側表面は、注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めした場合にユーザの皮膚に対面する表面である。
【0047】
いくつかの実施形態では、上記注射デバイスは、皮下シリンジを筋肉内注射するための、筋肉内注射デバイスである。
【0048】
いくつかの実施形態では、上記注射デバイスは、上記注射デバイスの中心軸に沿って皮下シリンジを皮下注射するための、皮下注射デバイスである。
【0049】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、上記平坦接触表面は、上記注射軸に対して90°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる。
【0050】
その結果、注射デバイスは、正確に角度設定された注射のために使用できる。
【0051】
平坦接触表面と注射軸との間の角度は、平面と直線との間で測定可能な2つの角度のうちの小さい方として定義される。
【0052】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、上記平坦接触表面は、上記注射軸に対して80°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる。
【0053】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、上記平坦接触表面は、上記注射軸に対して75°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる。
【0054】
いくつかの実施形態では、上記接触表面は、皮膚との高摩擦接触を確立するための複数の突出部を備える。
【0055】
第2の態様によると、本発明は、注射軸を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスに関し、上記注射デバイスは:
・皮膚に位置決めするための、細長本体及び上記細長本体に取り付けられた針シールドを備えるハウジング;並びに
・引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素であって、上記可動要素の一部分は上記ハウジングの第1の外側表面において摺動するよう配設される、可動要素
を備え、上記ハウジングは把持領域を備え、上記針シールドは上記把持領域の一部を形成し、上記把持領域は、上記注射デバイスが皮下シリンジを注射している間、ユーザが上記把持領域のいずれの位置において上記注射デバイスを安全に保持できるようにするよう構成される。
【0056】
その結果注射デバイスを、注射されるユーザの皮膚に近接して安全に把持できる。これにより、特に角度付きの注射のために注射デバイスを使用する場合に、より良好な制御が提供される。針シールドを有することにより、皮下針が刺さることからユーザを保護できる。これは、注射デバイスを医療従事者が使用する場合に特に重要である。というのは、これによって、医療従事者が、治療対象の患者からHIV又は肝炎等の疾患に感染するリスクが低減されるためである。
【0057】
ハウジング及び/又は可動要素はプラスチック製であってよい。把持領域は、ハウジングの下部の第3の部分に位置決めしてよい。ハウジングの下部の第3の部分は、注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めした場合に、ハウジングの第3の部分がユーザの皮膚に最も近接するよう定義される。ハウジング及び可動要素は、通常使用中に実質的に変形不可能であってよく、即ちハウジング及び可動要素は、通常使用中に5%未満しか変形しなくてよい。シリンジホルダは、把持アームの第1のセットと、把持アームの第2のセットとを備えてよい。シリンジホルダは可動要素に着脱可能に接続されてよく、これによりシリンジホルダを交換して、同一の注射デバイスを異なるサイズの皮下シリンジと共に使用できるようにすることができる。注射デバイスは、皮下シリンジの注射を開始するための解放機構を備えてよい。解放機構は、本発明の第7の態様に関連して説明されるような解放機構であってよい。注射デバイスは、上記可動要素が上記引き出し位置にあり、かつ上記解放機構が押圧されている場合に、上記可動要素が上記注射位置へと移動することによって、上記皮下シリンジホルダに取り付けられた皮下シリンジを注射し得るように構成してよい。針シールドは管状針シールドであってよい。管状針シールドは、注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めした場合にユーザの皮膚に対面する、第1の開口を備える。ハウジングは、ユーザの皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備えてよく、第1の開口は上記平坦接触表面の一部を形成する。
【0058】
いくつかの実施形態では、針シールドは、可動要素が引き出し位置にあるときに、上記皮下シリンジホルダに取り付けられた皮下シリンジの皮下針の先端が針シールドの完全に内側に位置決めされるように、配設され、上記可動要素は注射位置から引き出し位置へと引き出すことができる。
【0059】
その結果、注射の前後両方において、皮下針が刺さることから医療従事者を保護できる。
【0060】
いくつかの実施形態では、細長本体は上側開口を有する第1の管状要素であり、上記可動要素は、上記ハウジングの上記第1の管状要素内で摺動するよう配設された第1の部分と、上記ハウジングの第1の外側表面において摺動するよう配設された第2の部分と、上記第1の部分と上記第2の部分とを接続する接続部分とを備え、上記可動要素は、上記第1の管状要素の上記上側開口の外へと延在する。
【0061】
第1の管状要素の、ユーザの皮膚に対面する端部は、閉鎖されていてよい。従って使用時、第1の管状要素は、ユーザの皮膚とは反対側を向いている。可動要素の第2の部分は、第1の管状要素、又はハウジングの別の要素、例えば第1の管状要素に取り付けられた要素の、第1の外側表面において摺動してよい。可動要素はU字型であってよく、この場合第1の部分はU字型の第1の脚であり、第2の部分はU字型の第2の脚であり、接続部分はU字型の底部である。可動要素の第1の部分及び第2の部分は、おおよそ等しい長さであってよく、又は異なる長さであってよい。
【0062】
あるいは、第1の管状要素は長手方向スロットを備えてよく、可動要素の第1の部分は、上記ハウジングの上記第1の管状要素内で摺動するよう配設され、第2の部分は上記ハウジングの第1の外側表面において摺動するよう配設され、上記第1の部分と上記第2の部分とを接続する接続部分は、上記長手方向スロットを通って延在する。
【0063】
第1の管状要素は、円形又は長方形断面を有してよい。シリンジホルダは、可動要素の第2の部分に接続されてよい。シリンジホルダは、把持アームの第1のセットと、把持アームの第2のセットとを備えてよい。シリンジホルダは可動要素に着脱可能に接続されてよく、これによりシリンジホルダを交換して、同一の注射デバイスを異なるサイズの皮下シリンジと共に使用できるようにすることができる。注射デバイスは、皮下シリンジの注射を開始するための解放機構を備えてよい。解放機構は、本発明の第7の態様に関連して説明されるような解放機構であってよい。注射デバイスは、上記可動要素が上記引き出し位置にあり、かつ上記解放機構が押圧されている場合に、上記可動要素が上記注射位置へと移動することによって、上記皮下シリンジホルダに取り付けられた皮下シリンジを注射し得るように構成してよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、上記可動要素は、上記注射軸に対して垂直である上記ハウジングのいずれの断面の外周の少なくとも50%が、上記可動要素のいずれの可能な位置において上記可動要素と干渉しないように、上記ハウジングに対して配設される。
【0065】
いくつかの実施形態では、上記可動要素は、上記注射軸に対して垂直である上記ハウジングのいずれの断面の外周の少なくとも65%が、上記可動要素のいずれの可能な位置において上記可動要素と干渉しないように、上記ハウジングに対して配設される。
【0066】
その結果、ユーザは、上記可動要素の移動に干渉するリスクなしに、上記把持領域において上記注射デバイスを後ろから把持できる。
【0067】
これによりユーザは、ユーザの皮膚により近い位置において上記注射デバイスを安全に把持できる。
【0068】
いくつかの実施形態では、上記針シールドの最小高さは少なくとも1cmである。
【0069】
いくつかの実施形態では、上記針シールドの最小高さは少なくとも1.5cmである。
【0070】
いくつかの実施形態では、上記針シールドの最小高さは少なくとも2cmである。
【0071】
上記最小高さは、注射軸に沿った針シールドの最小幅として測定される。
【0072】
いくつかの実施形態では、上記把持領域は、1つ又は複数の指を受承するための第1の凹状部分を備える。
【0073】
いくつかの実施形態では、上記把持領域は更に、1つ又は複数の指を受承するための第2の凹状部分を備える。
【0074】
いくつかの実施形態では、上記第1の凹状部分及び/又は上記第2の凹状部分は、ユーザの指との高摩擦接触を提供するための複数の突出要素を備える。
【0075】
いくつかの実施形態では、上記把持領域の一部は、ユーザの手との高摩擦接触を確立するための材料を備える。
【0076】
上記材料は、ゴム又はゴム様材料であってよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、上記針シールドは、上記細長本体に取り付けられた第1の部分、及び上記第1の部分に挿入された第2の部分から組み立てられたアセンブリである。
【0078】
いくつかの実施形態では、上記針シールド及び上記細長本体は一体として形成される。
【0079】
いくつかの実施形態では、上記針シールド及び上記細長本体は一体として成型される。
【0080】
いくつかの実施形態では、上記注射デバイスは、皮下シリンジを筋肉内注射するための、筋肉内注射デバイスである。
【0081】
いくつかの実施形態では、上記注射デバイスは、上記注射デバイスの中心軸に沿って皮下シリンジを皮下注射するための、皮下注射デバイスである。
【0082】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、上記平坦接触表面は、上記注射軸に対して90°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる。
【0083】
その結果、注射デバイスは、正確に角度設定された注射のために使用できる。
【0084】
平坦接触表面と注射軸との間の角度は、平面と直線との間で測定可能な2つの角度のうちの小さい方として定義される。
【0085】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、上記平坦接触表面は、上記注射軸に対して80°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる。
【0086】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、上記平坦接触表面は、上記注射軸に対して75°未満の角度で角度設定された平面内で位置決めされる。
【0087】
いくつかの実施形態では、上記接触表面は、皮膚との高摩擦接触を確立するための複数の突出部を備える。
【0088】
いくつかの実施形態では、上記針シールドは、ユーザが上記皮下針又は針ハブを点検できるような位置に配設された、点検窓を備える。
【0089】
その結果、上記針シールドは、ユーザによる点検、例えば血管に命中していないことをユーザが確認するのを妨げることなく、針シールドの透明性を制限する、把持用特徴部分と嵌合してよい。
【0090】
多くの処置に関して、活性物質が皮下又は筋肉内に堆積され、血管中に直接送達されないことを保証することが重要となる。というのは、活性物質の効果が極めて短い場合があるためである。従って、注射器デバイスを用いて皮下シリンジを注射した後、ユーザは典型的には、プランジャを僅かに引き抜き、血液に関してシリンジを注視する。シリンジ内へと引き抜かれる血液がない場合、ユーザは、適切な注射位置が選択されたことを把握し、プランジャを押圧することによってシリンジの活性物質の注射を続行できる。
【0091】
しかしながら、シリンジ内へと引き抜かれた少量の血液をユーザが検出するのは困難である場合がある。
【0092】
従って、選択した注射位置が適切であるかどうかをユーザがより容易に検出できるようにするデバイスの提供は、今なお課題となっている。
【0093】
第3の態様によると、本発明は、注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、上記注射方向は注射軸を定義する、デバイスに関し、上記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするための、細長本体、上記細長本体に取り付けられた針シールド、及び光源を備えるハウジング;並びに
・引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ針ハブを通して皮下針に接続された皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素
を備え、上記光源は、光源が起動され、可動要素が注射位置にある場合に、得られる光線のピーク強度が上記針ハブの位置又は上記針ハブの下側に位置決めされることによって、ユーザが針ハブ内又は皮下針内に存在する血液を検出できるよう、配設される。
【0094】
その結果、皮下針を血管内に注射する際、皮下シリンジの内容物が汚染される前に針ハブ内又は皮下針内で血液を検出できる。これによりユーザは、皮下シリンジ内に貯蔵された医薬品を廃棄する必要なしに、注射デバイスを引き抜いて針ハブ及び皮下針を交換できる。
【0095】
ハウジング及び/又は可動要素はプラスチック製であってよい。ハウジング及び可動要素は、通常使用中に実質的に変形不可能であってよく、即ちハウジング及び可動要素は、通常使用中に5%未満しか変形しなくてよい。シリンジホルダは可動要素に着脱可能に接続されてよく、これによりシリンジホルダを交換して、同一の注射デバイスを異なるサイズの皮下シリンジと共に使用できるようにすることができる。注射デバイスは、皮下シリンジの注射を開始するための解放機構を備えてよい。解放機構は、本発明の第7の態様に関連して説明されるような解放機構であってよい。注射デバイスは、上記可動要素が上記引き出し位置にあり、かつ上記解放機構が押圧されている場合に、上記可動要素が上記注射位置へと移動することによって、上記皮下シリンジホルダに取り付けられた皮下シリンジを注射し得るように構成してよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、上記シリンジホルダは、上記皮下シリンジのカラーを把持するための溝を備え、上記溝は、上記皮下シリンジが、上記皮下シリンジホルダに対して上記注射軸に沿って移動するのを防止するよう構成される。
【0097】
いくつかの実施形態では、上記光源は、光源が起動され、可動要素が注射位置にある場合に、得られる光線のピーク強度が上記針ハブの位置に位置決めされることによって、ユーザが針ハブ内に存在する血液を検出できるよう、配設される。
【0098】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、上記光源は、上記平坦接触表面までの距離が0cm〜2cm、0cm〜1.5cm又は0cm〜1cmとなるよう配設される。
【0099】
いくつかの実施形態では、上記針シールドは、可動要素が引き出し位置にあるときに、皮下シリンジホルダに取り付けられた皮下シリンジの皮下針の先端が針シールドの完全に内側に位置決めされるように配設され、上記可動要素は注射位置から引き出し位置へと引き出すことができる。
【0100】
針シールドは注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めした場合にユーザの皮膚に対面する、第1の開口を備える。ハウジングは、ユーザの皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備えてよく、第1の開口は上記平坦接触表面の一部を形成する。光源は上記針シールドの内側に位置決めしてよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、上記針シールドは、ユーザが上記皮下針又は針ハブを点検できるような位置に配設された、点検窓を備える。
【0102】
点検窓は透明点検窓である。
【0103】
いくつかの実施形態では、上記点検窓は、上記針シールドの不透明部分によって少なくとも部分的に縁取られる。
【0104】
その結果、皮下シリンジ/針の注射をユーザから隠すことができ、ユーザはそれにもかかわらず、血管に命中したかどうかをはっきりと点検できる。これは特に、注射恐怖症の多数の患者の群に関して有用であり得る。
【0105】
上記不透明部分は上記点検窓全体を縁取ってよい。不透明部分は、不透明又は半透明(例えば曇りガラス)であってよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、上記針シールドは、上記細長本体に取り付けられた第1の部分、及び上記第1の部分に挿入された第2の部分から組み立てられたアセンブリである。
【0107】
いくつかの実施形態では、上記針シールドの上記第1の部分は、少なくとも部分的に透明材料からなり、上記第2の部分は少なくとも部分的に不透明材料からなり、上記第2の部分は、上記第2の部分の上記第1の部分に挿入される部分に少なくとも部分的に位置する貫通孔を備え、上記貫通孔は上記第1の部分と共に上記点検窓を形成する。
【0108】
その結果、点検窓を有する針シールドを製造する簡単な方法が提供される。これにより更に、例えば上記針シールドの第2の部分を、より小さい又は大きい貫通孔を有する新規の第2の部分に置換することによって、上記点検窓のサイズを容易に変更できるようにすることができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは更に、上記光源に動作可能に接続された圧力センサを備え、上記圧力センサは、上記ハウジングと上記ユーザの皮膚との間の接触圧を検出するよう構成され、上記注射デバイスは、所定の第1の閾値を超える圧力が検出された場合に、上記光源をオンにするよう構成される。
【0110】
その結果、注射デバイスは、注射デバイスと皮膚との間の適切な接触圧が得られた場合にユーザに信号送信してよい。これにより、ユーザがかなり高い圧力を印加してしまうのを防止でき、これにより、骨注射のリスクを低下させることができる。
【0111】
圧力センサは、上記ハウジングの底部に位置決めされたボタンであってよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは更に圧力センサを備え、上記注射デバイスは、上記圧力センサが第2の閾値を超える圧力を検出した場合に、過剰な圧力が印加されたことを上記ユーザに信号送信するよう構成される。
【0113】
注射デバイスは、光源を変化させる(光の強度を上昇若しくは低下させる)こと、代替光源をオン若しくはオフにすること、又はスピーカから発せられる可聴音声を用いて信号伝達することによって、過剰な圧力が印加されていることをユーザに信号伝達するよう構成してよい。第2の閾値は好ましくは第1の閾値よりも高くてよく、これにより注射デバイスは、印加されている圧力が低過ぎる場合及び高過ぎる場合の両方においてユーザに信号伝達できる。
【0114】
その結果、骨注射のリスクを更に低下させることができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、上記注射デバイスは更に、針ハブを通して皮下針に接続された皮下シリンジを更に備え、上記皮下シリンジは、上記皮下シリンジホルダ内に配設され、上記光源は、光源が起動され、可動要素が注射位置にある場合に、得られる光線のピーク強度が上記針ハブの位置又は上記針ハブの下側に位置決めされることによって、ユーザが針ハブ内又は皮下針内に存在する血液を検出できるよう、配設される。
【0116】
多くの処置に関して、活性物質が皮下又は筋肉内に堆積され、血管中に直接送達されないことを保証することが重要となる。というのは、活性物質の効果が極めて短い場合があるためである。従って、注射器デバイスを用いて皮下シリンジを注射した後、ユーザは典型的には、プランジャを僅かに引き抜き、血液に関してシリンジを注視する。シリンジ内へと引き抜かれる血液がない場合、ユーザは、適切な注射位置が選択されたことを把握し、プランジャを押圧することによってシリンジの活性物質の注射を続行できる。
【0117】
しかしながら、注射恐怖症の多数の患者の群に関して、皮膚内への針の注射を注視できることは極めて不快であり得る。
【0118】
従って、選択した注射位置が適切であるかどうかをユーザが検出できるようにする、注射恐怖症の人々にとって好適な注射デバイスの提供は、今なお課題となっている。
【0119】
第4の態様によると、本発明は、注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、上記注射方向は注射軸を定義する、デバイスに関し、上記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするための、細長本体及び上記細長本体に取り付けられた針シールドを備えるハウジング;並びに
・引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ針ハブを通して皮下針に接続された皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素
を備え、上記注射デバイスは、皮下シリンジホルダに取り付けられた皮下シリンジのプランジャをユーザが手動で操作できるようにするよう構成され、針シールドは透明点検窓を備える。
【0120】
その結果、皮下シリンジ/針の注射はユーザから隠れていてよく、ユーザはそれにもかかわらず、血管に命中したかどうかをはっきりと点検できる。これは特に、注射恐怖症の多数の患者の群に関して有用であり得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、可動要素の一部分は、上記ハウジングの第1の外側表面において摺動するよう配設される。
【0122】
点検窓は、例えば透明ガラス又はプラスチック材料等の透明材料で被覆してよい。あるいは点検窓は、針シールドの開口であってよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、上記点検窓は、上記可動要素が注射位置にあるときにユーザが上記皮下針又は針ハブを点検できるような位置に配設される。
【0124】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは、皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備え、上記点検窓は、上記平坦接触表面までの距離が0cm〜2cm、0cm〜1.5cm又は0cm〜1cmとなるよう配設される。
【0125】
点検窓から平坦接触表面までの距離は、点検窓の、平坦接触表面に最も近接した部分から測定される。
【0126】
いくつかの実施形態では、上記点検窓の最大幅は、0.2cm〜4cm、0.2cm〜3cm又は0.5cm〜2cmである。
【0127】
その結果、制限されたサイズの点検窓を有することにより、点検窓を通した注射の視認はこれに対応して制限され得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、点検窓は針シールドの側部に配設される。
【0129】
いくつかの実施形態では、針シールドは更に、上記(第1の)点検窓とは反対側に位置決めされた第2の点検窓を備える。
【0130】
第2の点検窓は、(第1の)点検窓と同一のサイズ及び形状を有してよい。第2の点検窓は、(第1の)点検窓と同一の高さに位置決めされてよく、即ち、上記(第1の点検窓)の中央部分及び上記第2の点検窓の中央部分を通る見通し線が存在してよく、上記見通し線は上記注射軸に対して垂直となる。
【0131】
その結果、2つの点検窓を有することにより、ユーザは注射デバイスをより自由に取り扱うことができる。これにより更に、単一の観察デバイスを、左利き及び右利きの両方のユーザが使用できるようになる。これにより、製品の製造コストを低減できる。
【0132】
いくつかの実施形態では、上記点検窓は、上記針シールドの不透明部分によって少なくとも部分的に縁取られる。
【0133】
不透明部分は、不透明又は半透明(例えば曇りガラス)であってよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、上記不透明部分は上記点検窓全体を縁取っている。
【0135】
いくつかの実施形態では、上記針シールドは、上記細長本体に取り付けられた第1の部分、及び上記第1の部分に取り付けられた第2の部分から組み立てられたアセンブリである。
【0136】
いくつかの実施形態では、上記針シールドは、上記細長本体に取り付けられた第1の部分、及び上記第1の部分に挿入された第2の部分から組み立てられたアセンブリである。
【0137】
いくつかの実施形態では、上記針シールドの上記第1の部分は、少なくとも部分的に透明材料からなり、上記第2の部分は少なくとも部分的に不透明材料からなり、上記第2の部分は、上記第2の部分の上記第1の部分に挿入される部分に少なくとも部分的に位置する貫通孔を備え、上記貫通孔は上記第1の部分と共に上記点検窓を形成する。
【0138】
その結果、点検窓を有する針シールドを製造する簡単な方法が提供される。これにより更に、例えば上記針シールドの第2の部分を、より小さい又は大きい貫通孔を有する新規の第2の部分に置換することによって、上記点検窓のサイズを容易に変更できるようにすることができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、針シールドは、可動要素が引き出し位置にあるときに、上記皮下シリンジホルダに取り付けられた皮下シリンジの皮下針の先端が針シールドの完全に内側に位置決めされるように、配設してよく、上記可動要素は注射位置から引き出し位置へと引き出すことができる。
【0140】
その結果、針の先端をユーザから少なくとも部分的に隠すことができる。これは、注射恐怖症のユーザにとってストレスを更に低減できる。
【0141】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは把持領域を備え、上記針シールドは上記把持領域の一部を形成し、上記把持領域は、上記注射デバイスが皮下シリンジを注射している間、ユーザが上記把持領域のいずれの位置において上記注射デバイスを安全に保持できるようにするよう構成される。
【0142】
いくつかの実施形態では、上記針シールドは、針シールドの把持を改善するよう構成された把持要素を備え、上記把持要素は、針シールドの透明性を制限する。
【0143】
把持要素は、把持を改善するよう構成された小さな突出部であってよい。
【0144】
従って、点検窓によって更に、針シールドをこれに関連する特徴部分と嵌合させることができるようになる。
【0145】
いくつかの実施形態では、上記注射デバイスは、針ハブを通して皮下針に接続された皮下シリンジを更に備え、上記皮下シリンジは、上記皮下シリンジホルダ内に配設される。
【0146】
いくつかの実施形態では、上記針シールドの上記第1の部分は、少なくとも部分的に透明材料からなり、上記第2の部分は少なくとも部分的に不透明材料からなり、上記第2の部分は、上記第2の部分の上記第1の部分に挿入される部分に少なくとも部分的に位置する貫通孔を備え、上記貫通孔は上記第1の部分と共に上記点検窓を形成する。
【0147】
第5の態様によると、本発明は、皮下シリンジを注射する方法に関し、この方法は:
・本発明の第1の態様、本発明の第2の態様、本発明の第3の態様、本発明の第4の態様、本発明の第7の態様、本発明の第8の態様、本発明の第9の態様又は本発明の第10の態様に関連して開示された、可動要素が引き出し位置にある状態の注射デバイスを得るステップ;
・皮下シリンジホルダ内に(皮下針が取り付けられた)皮下シリンジを配設するステップ;
・注射デバイスを患者の皮膚に位置決めするステップ;
・注射デバイス上の解放機構を押圧することによって、可動要素を注射位置へと移動させて、皮下シリンジを注射するステップ
を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、解放機構は、注射デバイスがハウジングの下方の第3の部分に保持されている間に押圧される。
【0149】
注射は、特に必要な専門知識を用いてこれを実行した場合に有意な健康リスクが発生しないことが確実となるような位置及び深さで実施してよい。
【0150】
第6の態様によると、本発明は、皮下シリンジ内に備えられた物質を患者に注射する方法に関し、この方法は:
・本発明の第1の態様、本発明の第2の態様、本発明の第3の態様、本発明の第4の態様、本発明の第7の態様、本発明の第8の態様、本発明の第9の態様又は本発明の第10の態様に関連して開示された、可動要素が引き出し位置にある状態の注射デバイスを得るステップ;
・皮下シリンジホルダ内に(皮下針が取り付けられた)皮下シリンジを配設するステップ;
・注射デバイスを患者の皮膚に位置決めするステップ;
・注射デバイス上の解放機構を押圧することによって、可動要素を注射位置へと移動させて、皮下シリンジを注射するステップ;
・皮下シリンジのプランジャを手動で押圧することによって、皮下シリンジの内容物を注射するステップ
を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、解放機構は、注射デバイスがハウジングの下方の第3の部分に保持されている間に押圧される。
【0152】
いくつかの実施形態では、本発明は更に:
・注射デバイスのハンドルを用いて、可動要素を注射位置から引き出し位置へと引き出すことによって、皮下針の先端を針シールドの完全に内側に位置決めして、針が刺さることからユーザを保護するステップ
を含む。
【0153】
第7の態様によると、本発明は、注射軸を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスに関し、上記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするための、上側開口を有する第1の管状要素を備えるハウジング;
・引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダと、上記ハウジングの上記第1の管状要素内で摺動するよう配設された第1の部分とを備える、可動要素;
上記可動要素と上記ハウジングとを接続するばねであって、上記ばねは、解放された場合に、上記可動要素を上記引き出し位置から上記注射位置へと移動させるよう構成される、ばね;及び
・ユーザが上記ばねを解放できるように構成された、解放機構
を備え、上記可動要素の上記第1の部分は細長開口を備え、上記解放機構は、把持位置と解放位置との間で解放機構軸に沿って移動可能に配設され、上記細長開口に部分的に挿入され、また上記可動要素が上記引き出し位置にあるときに、上記解放機構は、上記把持位置から上記解放位置へと移動することによって上記ばねを解放するよう配設される。
【0154】
その結果、軸に沿って移動することによってばねを解放する解放機構を設けることにより、容易かつ安全に操作できる解放機構が提供される。
【0155】
ハウジング及び/又は可動要素はプラスチック製であってよい。第1の管状要素の、ユーザの皮膚に対面する端部は、閉鎖されていてよい。従って使用時、第1の管状要素の上側開口は、ユーザの皮膚とは反対側を向いている。ハウジング及び可動要素は、通常使用中に実質的に変形不可能であってよく、即ちハウジング及び可動要素は、通常使用中に5%未満しか変形しなくてよい。管状要素は、円形又は長方形断面を有してよい。シリンジホルダは、把持アームの第1のセットと、把持アームの第2のセットとを備えてよい。シリンジホルダは可動要素に着脱可能に接続されてよく、これによりシリンジホルダを交換して、同一の注射デバイスを異なるサイズの皮下シリンジと共に使用できるようにすることができる。解放機構は単一の要素であってよく、又は複数の要素のアセンブリであってよい。可動要素の細長開口は、貫通孔又は凹状部分であってよい。
【0156】
解放機構は上記細長開口に部分的に挿入され、即ち解放機構は上記細長開口に挿入されるものの、細長開口内に完全には封入されない。しかしながら、細長開口が貫通孔である場合、解放機構は上記貫通孔を通って延在してよい。
【0157】
ばねは、機械ばね又はガスばね等のいずれの種類のばねであってよい。このばねは圧縮ばね又は伸長ばねであってよい。可動要素の第1の部分は、上記ばねと相互作用する外側表面を有するディスクを備えてよい。このディスクは、可動要素の第1の部分の遠位端を形成してよい。このディスクは、円形又は長方形等のいずれの形状を有してよい。ばねは圧縮ばね、即ち圧縮時に機械的エネルギを貯蔵するばねであってよい。圧縮ばねは、可動要素の第1の部分の一部を取り囲んでよく、また、上記ディスクの第1の上側表面に当接する第1の端部を有してよい。上記ディスクの上側表面は、注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めした場合にユーザとは反対側を向く表面である。従って、可動要素が引き出し位置にある場合、圧縮ばねは圧縮され、これによって、上記可動要素を上記引き出し位置から上記注射位置に移動させるために使用できる機械的エネルギを貯蔵し、上記移動によって、上記皮下シリンジホルダに取り付けられた皮下シリンジを注射できる。ハウジングは更に、上記第1の管状要素の頂部に挿入される第2の管状要素を備えてよく、上記可動要素は上記第2の管状要素の外へと延在する。第2の管状要素は、第1の管状要素に恒常的に取り付けられてよい。第2の管状要素は、接着剤、及び/又は圧入、即ち摩擦嵌合を用いて取り付けてよい。
【0158】
いくつかの実施形態では、ばねは、可動要素の第1の部分の一部を取り囲む圧縮ばねであり、上記ディスクの第1の上側表面に当接する第1の端部と、第2の管状要素の下側表面に当接する第2の端部とを有する。
【0159】
いくつかの実施形態では、可動要素は更に、上記ハウジングの第1の外側表面において摺動するよう配設された第2の部分と、上記第1の部分と上記第2の部分とを接続する接続部分とを備え、上記可動要素は、上記第1の管状要素の上記上側開口の外へと延在する。
【0160】
可動要素の第2の部分は、第1の管状要素、又はハウジングの別の要素、例えば第1の管状要素に取り付けられた要素の、第1の外側表面において摺動してよい。可動要素はU字型であってよく、この場合第1の部分はU字型の第1の脚であり、第2の部分はU字型の第2の脚であり、接続部分はU字型の底部である。可動要素の第1の部分及び第2の部分は、おおよそ等しい長さであってよく、又は異なる長さであってよい。シリンジホルダを可動要素の第2の部分に接続してよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは第1の側部開口を備え、上記解放機構は上記第1の側部開口を通って延在し、ハウジングとは反対側を向いた接触表面を備え、ここで上記解放機構は、ユーザが上記接触表面を押圧したことに応答して、上記把持位置から上記解放位置へと移動するよう構成される。
【0162】
その結果、ばねを解放する容易な方法が提供される。
【0163】
第1の側部開口は、第1の管状要素の貫通孔であってよい。第2の管状要素は更に、第1の管状要素の第1の側部開口と整列された第1の側部開口を備えてよく、解放機構は更に、上記第2の管状要素の上記第1の側部開口を通って延在する。
【0164】
いくつかの実施形態では、上記解放機構軸は上記注射軸に対して垂直である。
【0165】
これによりユーザは、注射デバイスをユーザの皮膚中へと押圧する必要なしにばねを解放できる。その結果、注射デバイスが皮膚上で摺動するリスクが低減される。
【0166】
更に、医療従事者が注射デバイスを使用する場合、注射デバイスが皮膚に向かって押圧されない、又は捻れることがないため、患者は注射の直前まで気付くことがない。これにより、患者、特に注射恐怖症の患者にとって、体験がより快適なものとなる。
【0167】
いくつかの実施形態では、上記解放機構は第1の部分及び第2の部分を備え、上記第2の部分は、解放機構が上記把持位置にあり、かつ上記可動要素が上記引き出し位置にあるときに、上記細長開口の内側の上記可動要素と内部接触表面において当接し、上記ばねは上記内部接触表面を上記第2の部分に向かって押圧し、ここで上記解放機構は、上記把持位置から上記解放位置へと移動した場合に、上記第2の部分が上記内部接触表面に当接しなくなることによって上記ばねが解放されるよう、構成される。
【0168】
その結果、解放機構を可動要素から完全に取り外す必要なしに、ばねを解放できる。これにより解放機構はより容易に操作できるようになり、また容易に再使用できるようになり、即ち注射デバイスを複数の皮下シリンジの注射に使用できる。
【0169】
可動要素の細長開口は、貫通孔又は凹状部分であってよい。第1の部分及び第2の部分はそれぞれ、共にアセンブリとして解放機構を形成する要素であってよい。あるいは第1の部分及び第2の部分は、単一の要素の異なる部分であってよい。可動要素の細長開口は、可動要素が引き出し位置から解放位置へと移動する際に、解放機構の第1の部分上を摺動できる。
【0170】
いくつかの実施形態では、上記細長開口は、注射軸に沿って、細長開口の下端の第1の領域と、第1の領域に隣接して位置決めされた第2の領域とを備え、上記解放機構は、可動要素が引き出し位置にあるときは上記第1の領域に、そして上記可動要素が注射位置に向かって移動しているときは上記第2の領域に位置決めされ:
・細長開口は第1の領域に、解放機構軸に沿って、第1の幅を有する部分及び第2の幅を有する部分を有し、上記第1の幅は、解放機構の第1の部分の幅より大きいが、解放機構の第2の部分の幅より小さく、上記第2の幅は、解放機構の第2の部分の幅より大きく;
・細長開口は第2の領域に、解放機構軸に沿って、第3の幅を有する部分及び第4の幅を有する部分を有し、上記第3の幅は、解放機構の第1の部分の幅より大きいが、解放機構の第2の部分の幅より小さく、上記第4の幅は、解放機構の第2の部分の幅より大きく;
・上記第2の幅は、上記第4の幅に比べて、解放機構軸のより長い部分に沿って延在し、内部接触表面は、第1の領域と第2の領域との間の境界の少なくとも一部を構成し、これにより解放機構の上記第2の部分は、可動要素が注射位置へと移動する際、第2の領域の上記第4の幅を有する部分に配設される。
【0171】
第1、第2、第3及び第4の幅、並びに第1の部分及び第2の部分の幅は、注射軸及び解放機構軸の両方に対して垂直な軸に沿って測定される。この第1の幅と第3の幅とは等しくてよい。これに対応して、第2の幅と第4の幅とは等しくてよい。細長開口の下端は、注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めしたときにユーザの皮膚に最も近接する端部である。
【0172】
いくつかの実施形態では、上記注射デバイスは更にロック機構を備え、上記ロック機構は、ロック機構軸に沿ってロック位置と非ロック位置との間で移動可能に配設され、上記ロック機構は、ロック位置に位置決めされているときに、上記解放機構が上記把持位置から上記解放位置へと移動するのを防止するよう構成される。
【0173】
その結果、ばねの意図しない解放を回避できるため、より安全な注射デバイスが提供される。
【0174】
ロック機構は、単一の要素であってよく、又は複数の要素のアセンブリであってよい。ロック機構軸は注射軸と平行であってよい。ロック機構は、上記ロック位置から上記非ロック位置へと移動するときに、注射デバイスの遠位端、即ちユーザの皮膚上に静置されるよう構成された注射デバイスの端部に向かう方向に移動してよい。
【0175】
いくつかの実施形態では、上記ロック機構は、上記ハウジングの第2の側部開口内に摺動可能に配設され、上記第2の側部開口は、上記第1の側部開口とは反対側にあり、上記ロック機構は、ハウジングに対面するブロック表面を備え、上記ブロック表面は、上記ロック機構がロック位置にあるときに上記解放機構軸と整列し、また上記ロック機構が上記非ロック位置にあるときに上記解放機構軸と整列せず、上記可動要素の上記細長開口は細長貫通孔であり、上記解放機構は、上記解放機構が上記解放位置において上記細長貫通孔を通って延在し、更に上記ブロック表面を超えて延在するよう配設される。
【0176】
その結果、簡潔かつ効果的なロック機構が提供される。
【0177】
ロック機構は、ブロック表面に隣接して配設された開口を備えてよく、上記解放機構は、上記解放機構が上記解放位置において可動要素の上記細長貫通孔を通って延在し、更に上記開口内へと延在するよう配設される。ロック機構の開口は貫通孔であってよい。
【0178】
いくつかの実施形態では、上記可動要素は、上記注射位置から上記引き出し位置へと手動で移動させた場合に、上記ロック機構を上記非ロック位置から上記ロック位置へと移動させるよう構成される。
【0179】
このようにして、注射を実施した後のばねの意図しない解放を防止できる。これは、注射デバイスを医療従事者が使用する場合に特に重要である。というのは皮下シリンジが感染症で汚染されている場合があるためである。その結果、より安全な注射デバイスが提供される。
【0180】
いくつかの実施形態では、上記ハウジングは更に針シールドを備える。
【0181】
針シールドは、可動要素が引き出し位置にあるときに、上記皮下シリンジホルダに取り付けられた上記皮下シリンジの皮下針の先端が針シールドの内側に位置決めされるように、配設してよい。針シールドは管状針シールドであってよい。管状針シールドは、注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めしたときにユーザの皮膚に対面する、第1の開口を備える。ハウジングは、ユーザの皮膚に位置決めするための平坦接触表面を備えてよく、第1の開口は上記平坦接触表面の一部を形成する。
【0182】
針シールドを有することにより、可動要素が引き出し位置にあるときに、皮下針が刺さることからユーザを保護できる。
【0183】
このように、可動要素が上記注射位置から上記引き出し位置へと移動するときにロック位置へと移動するロック機構と、針シールドとを、上述のように併用することにより、極めて安全な注射デバイスが提供される。注射デバイスは以下のような方法で使用できる:
・皮下シリンジを皮下シリンジホルダ内に位置決めし;
・注射デバイスをユーザの皮膚に位置決めし;
・ロック機構をロック位置から非ロック位置へと移動させ;
・解放機構を把持位置から解放位置へと移動させることによって、可動要素を引き出し位置から、皮下シリンジを注射する注射位置へと移動させ;
・皮下シリンジ内の物質を注射し;
・可動要素を注射位置から引き出し位置へと手動で引き出すことによって、ロック機構を非ロック位置からロック位置へと移動させ、針の先端を完全に針シールド内に位置決めする。
【0184】
このように、針の先端が完全に針シールド内に位置決めされるため、針が刺さるリスクに医療従事者を曝すことなく、汚染された皮下シリンジを備える注射デバイスを安全に取り外すことができる。更に、ロック機構がロック位置へと移動しているため、ばねが偶発的に解放されるリスクもない。
【0185】
いくつかの実施形態では、上記可動要素はディスクを備え、上記ロック機構は、上記ディスクに対面する第1の端部において、ばねを備え、上記可動要素は、上記注射位置から上記引き出し位置に移動するときに、上記ロック機構ばねを押圧して、上記ロック機構を上記非ロック位置から上記ロック位置に移動させるよう構成される。
【0186】
その結果、ロック機構にばねを設けることにより、ロック機構の空間要件を低減できるため、よりコンパクトな注射デバイスを提供できる。ロック機構がばねを備えない場合、可動要素は、上記引き出し位置を超えて有意な距離だけ移動できる必要があり、ロック機構を上記非ロック位置から上記ロック位置へと押圧できる必要があり、更に、可動要素が引き出し位置にあるときに、上記ロック機構が、可動要素のディスクと干渉することなく上記ロック位置から上記非ロック位置へと移動できるようにする必要がある。
【0187】
いくつかの実施形態では、上記ロック機構は、上記可動要素が上記引き出し位置にあり、かつ上記ロック機構が上記非ロック位置にあるときに、上記ロック機構ばねが部分的に圧縮されるように配設され、ここで上記ロック機構ばねは、上記ロック機構軸に沿って、上記ロック位置に向かう方向の第1の力(F1)を提供し、上記ハウジングは、上記ロック機構軸に沿った、上記ロック位置に向かう方向の第2の力(F2)(ここで上記第2の力(F2)は上記第1の力(F1)より高い)が、上記ロック機構に対して作用していない場合に、上記ロック機構が上記非ロック位置から上記ロック位置へと移動するのを防止するよう構成された、把持部材を備え、これにより上記ロック機構は、ユーザからの支援なしに上記非ロック位置に留まることができる。
【0188】
その結果、ユーザは、例えばまずロック機構をロック解除し、続いて解放機構の接触表面を押圧する、といったように、1度に1つのタスクしか実施する必要がないため、注射デバイスは操作がより容易になる。これにより、解放機構及びロック機構の、片手での安全な操作が可能となる。空いた手は、デバイスを皮膚に確実に保持するために使用できる。
【0189】
いくつかの実施形態では、上記解放機構は、上記可動要素が上記注射位置から上記引き出し位置へと移動するときに、上記解放位置から上記把持位置へと移動するよう配設される。
【0190】
いくつかの実施形態では、上記解放機構は、上記ロック機構が上記非ロック位置から上記ロック位置へと移動するときに、上記ロック機構によって押圧されることによって、上記解放位置から上記把持位置へと移動するよう配設される。
【0191】
その結果、上記注射デバイスは、更なる注射を実施するために容易に再使用でき、即ち複雑な再設定手順が不要となる。
【0192】
解放機構は、ロック機構が非ロック位置からロック位置へと移動するときに、ロック機構が誘発した力が解放機構軸に沿って解放機構に作用するように、ロック機構の縁部と相互作用する、傾斜表面を備えてよい。
【0193】
第8の態様によると、本発明は、注射軸を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスに関し、上記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするためのハウジング;
・引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素;
・上記可動要素と上記ハウジングとを接続するばねであって、上記ばねは、解放された場合に、上記可動要素を上記引き出し位置から上記注射位置へと移動させるよう構成される、ばね;及び
・ユーザが上記ばねを解放できるように構成された、解放機構
を備え、上記注射デバイスは更にロック機構を備え、上記ロック機構は、ロック機構軸に沿ってロック位置と非ロック位置との間で移動可能に配設され、上記ロック機構は、ロック位置に位置決めされているときに、上記解放機構が上記ばねを解放するのを防止するよう構成され、上記可動要素は、上記注射位置から上記引き出し位置へと移動するときに、上記ロック機構を上記非ロック位置から上記ロック位置へと移動させるよう構成される。
【0194】
第9の態様によると、本発明は、注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスであって、上記注射方向は注射軸を定義する、デバイスに関し、上記注射デバイスは:
・ユーザの皮膚に位置決めするための、細長本体を備えるハウジング;
・ユーザに状態を信号送信するための信号送信ユニット;
・注射デバイスとユーザの皮膚との間の接触を検出するよう構成された、第1のセンサ;
・引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素
を備え、上記第1のセンサは、上記信号送信ユニットに動作可能に接続され、上記注射デバイスは、上記第1のセンサが注射デバイスとユーザの皮膚との間の接触を検出した後、上記信号送信ユニットを制御して、注射デバイスが皮下シリンジを注射する準備ができた状態であることをユーザに信号送信させるよう構成される。
【0195】
その結果、ユーザは、注射を開始する前に、注射デバイスを皮膚に安全に配置するタイミングを知ることができる。
【0196】
第1の信号送信ユニットは、音声信号又は視覚信号等の、ユーザが知覚できる信号送信を生成できるいずれのユニットであってよい。第1のセンサは、温度センサ、インピーダンスセンサ又は圧力センサであってよい。注射デバイスは、本発明の態様1〜4、7又は9〜10に関連して開示されているような注射デバイスであってよく、例えばハウジングは、本発明の態様1〜4、7又は9〜10に関連して開示されているようなハウジングであってよく、また可動要素は、本発明の態様1〜4、7又は9〜10に関連して開示されているような可動要素であってよい。注射デバイスは、第1のセンサが接触を決定した直後、又は特定のタイプの接触、例えば特定の接触圧が決定された直後に、上記信号送信ユニットを制御して、ユーザへの信号送信を開始させるように構成してよい。
【0197】
注射デバイスは、第1のセンサ及び信号送信ユニットに動作可能に接続された処理ユニットを備えてよく、上記処理ユニットは、上記信号送信ユニットを制御して、注射デバイスが皮下シリンジを注射する準備ができた状態であることをユーザに信号送信させるよう構成される。あるいは注射デバイスは、上記第1のセンサが注射デバイスとユーザの皮膚との間の接触を検出した後、上記信号送信ユニットを制御して、注射デバイスが皮下シリンジを注射する準備ができた状態であることをユーザに信号送信させるよう、機械的に構成してよい。
【0198】
いくつかの実施形態では、上記第1のセンサは、上記ハウジングと上記ユーザの皮膚との間の接触圧を検出するよう構成された圧力センサであり、上記注射デバイスは、所定の第1の閾値を超える接触圧を検出したときに、上記信号送信ユニットを制御して、注射デバイスが皮下シリンジを注射する準備ができた状態であることをユーザに信号送信させるよう構成される。
【0199】
いくつかの実施形態では、信号送信ユニットは1つ又は複数の光源である。
【0200】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の光源は:
・光の放出を開始すること;
・光の放出を停止すること;
・点滅を開始すること;
・点滅周期を変更すること;又は
・色を変更すること
によって、注射デバイスが皮下シリンジを注射する準備ができた状態であることをユーザに信号送信するよう構成される。
【0201】
いくつかの実施形態では、信号送信ユニットはスピーカである。
【0202】
いくつかの実施形態では、スピーカは:
・音声の再生を開始すること;
・音声の再生を停止すること;
・音声を変更すること
によって、上記ハウジングと上記ユーザの皮膚との間に十分な接触圧が存在することをユーザに信号送信するよう構成される。
【0203】
いくつかの実施形態では、上記圧力センサは、ハウジングの底部に配設される。
【0204】
いくつかの実施形態では、圧力センサは:第1の位置と第2の位置との間で移動可能に配設されたボタン;圧力センサばね;電源;上記信号送信ユニットと上記電源との間の第1の電気回路を形成又は遮断するよう構成された電子スイッチを備え、上記電子スイッチは、上記ボタンが上記第2の位置にあるときに上記第1の電気回路を形成するよう構成され、上記圧力センサばねは、上記第1の閾値を超える接触圧が上記ボタンに作用するまで、ボタンを上記第2の位置から離間した状態に維持するよう配設される。
【0205】
いくつかの実施形態では、注射デバイスは更に、所定の第2の閾値を超える接触圧を検出したときに、上記信号送信ユニットを制御して、上記ハウジングと上記ユーザの皮膚との間の接触圧が大き過ぎることをユーザに信号送信させるよう構成される。
【0206】
その結果、皮下シリンジを骨又は重要な臓器に注射してしまうリスクを防止できるため、注射の安全性を改善できる。
【0207】
いくつかの実施形態では、注射デバイスは更に、所定の第2の閾値を超える接触圧を検出したときに、上記可動要素を上記引き出し位置にロックするよう構成される。
【0208】
その結果、接触圧が大き過ぎることによって引き起こされる安全でない注射を全体として防止できる。
【0209】
第10の態様によると、本発明は、注射軸を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイスに関し、上記注射デバイスは:
・皮膚に位置決めするための平坦接触表面を有し、細長本体と、第1の側部及び第2の側部を有する針シールドとを備え、上記第2の側部は上記第1の側部とは反対側であり、上記針シールドは上記第1の側部において細長本体に取り付けられる、ハウジング;並びに
・引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジングに対して移動可能に配設され、かつ皮下シリンジを保持するための皮下シリンジホルダを備える、可動要素
を備え、上記平坦接触表面は、上記注射軸に対して80°未満の角度で角度設定された平面内に配設され、上記針シールドは、指を受承するための凹状部分を備え、上記凹状部分は、ユーザが上記指を用いて上記注射デバイスを皮膚に確実に保持できるよう構成される。
【0210】
その結果、単一の指を用いて皮膚に確実に保持できる注射デバイスを提供することによって、注射デバイスを保持する手が可動要素と干渉しにくくなるため、角度付きの注射をより安全に実施できる。
【0211】
更に、注射デバイスを、注射デバイスの皮膚に対面する側部(指をフィットさせることが困難となり得る場所)において把持する必要がなくなるため、急峻な角度での注射をより容易に実施できるようになる。
【0212】
注射デバイスは、本発明の態様1〜4又は7〜9に関連して開示されているような注射デバイスであってよく、例えばハウジングは、本発明の態様1〜4又は7〜9に関連して開示されているようなハウジングであってよく、また可動要素は、本発明の態様1〜4又は7〜9に関連して開示されているような可動要素であってよい。
【0213】
いくつかの実施形態では、上記凹状部分は、上記針シールドの上記第2の側部に形成される。
【0214】
いくつかの実施形態では、上記平坦接触表面は、上記注射軸に対して75°未満30°超の角度で角度設定された平面内に配設される。
【0215】
いくつかの実施形態では、上記平坦接触表面は、上記注射軸に対しておよそ45°の角度で角度設定された平面内に配設される。
【0216】
いくつかの実施形態では、凹状部分の最大幅は少なくとも1cmである。
【0217】
いくつかの実施形態では、凹状部分の最大幅は3cm以下である。
【0218】
いくつかの実施形態では、凹状部分の最大幅は2cm以下である。
【0219】
いくつかの実施形態では、凹状部分は少なくとも1mm、1.5mm又は2mmの深さを有する。
【0220】
その結果、凹状部分内に単一の指を配置できる。
【0221】
いくつかの実施形態では、上記針シールド及び上記細長本体は一体として成型される。
【0222】
いくつかの実施形態では、上記針シールドは、ユーザが、凹状部分に指を配置したまま、上記皮下針又は針ハブを点検できるような位置に配設された、点検窓を備える。
【0223】
いくつかの実施形態では、注射デバイスは更に:
・上記可動要素と上記ハウジングとを接続するばねであって、上記ばねは、解放された場合に、上記可動要素を上記引き出し位置から上記注射位置へと移動させるよう構成される、ばね;及び
・ユーザが上記ばねを解放できるようにするために構成された、解放機構
を備え、上記ハウジングの細長本体は第1の管状要素であり、上記可動要素は、上記ハウジングの上記第1の管状要素内で摺動するよう配設された第1の部分を備え、上記可動要素の上記第1の部分は細長開口を備え、上記解放機構は、解放機構軸に沿って把持位置と解放位置との間を移動可能に配設され、また上記細長開口に部分的に挿入され、上記可動要素が上記引き出し位置にあるとき、上記解放機構は、上記把持位置から上記解放位置へと移動することによって上記ばねを解放するよう配設される。
【0224】
いくつかの実施形態では、上記解放機構軸は、上記注射軸に対して垂直である。
【0225】
その結果、単一の指を用いて皮膚に固定できる注射デバイスを有することにより、解放機構をより容易に操作できるようになる。
【0226】
いくつかの実施形態では、上記注射デバイスはロック機構を更に備え、上記ロック機構は、ロック機構軸に沿ってロック位置と非ロック位置との間で移動可能に配設され、上記ロック機構は、ロック位置に位置決めされているときに、上記解放機構が上記把持位置から上記解放位置へと移動するのを防止するよう構成される。
【0227】
本発明の異なる複数の態様は、上述の及びこれ以降に記載する注射デバイスとして及び上記注射デバイスを使用する方法としての実装を含む異なる複数の様式で実装でき、これらはそれぞれ、上述の態様のうちの少なくとも1つに関連して記載されている便益及び利点のうちの1つ又は複数をもたらし、またそれぞれ、上述の及び/又は従属請求項において開示される態様のうちの少なくとも1つに関連して記載されている好ましい実施形態に対応する1つ又は複数の好ましい実施形態を有する。更に、本明細書に記載の態様のうちの1つに関連して記載されている実施形態は、他の態様にも等しく適用され得ることを理解されたい。
【0228】
添付の図面を参照し、本発明の実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明によって、本発明の以上の及び/又は更なる目的、特徴及び利点が更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0229】
図1図1は、本発明のある実施形態による注射デバイスの斜視図である。
図2図2は、可動要素が注射位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの側面図である。
図3図3は、可動要素が引き出し位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの側面図である。
図4図4は、可動要素が引き出し位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの中央断面図である。
図5図5は、可動要素が注射位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの中央断面図である。
図6図6は、図5に示す線190に沿った、本発明のある実施形態による注射デバイスの断面図である。
図7図7は、本発明のある実施形態による注射デバイスの分解立体図である。
図8図8は、本発明のある実施形態による、可動要素が引き出し位置にある、皮下シリンジを備える注射デバイスの側面図である。
図9図9は、本発明のある実施形態による、可動要素が注射位置にある、皮下シリンジを備える注射デバイスの側面図である。
図10図10は、本発明のある実施形態による注射デバイスの斜視図である。
図11図11は、可動要素が注射位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの側面図である。
図12図12は、可動要素が引き出し位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの側面図である。
図13図13は、可動要素が引き出し位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの中央断面図である
図14図14は、可動要素が注射位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの中央断面図である。
図15図15は、本発明のある実施形態による注射デバイスの分解立体図である。
図16図16は、本発明のある実施形態による、可動要素が引き出し位置にある、皮下シリンジを備える注射デバイスの側面図である。
図17図17は、本発明のある実施形態による、可動要素が注射位置にある、皮下シリンジを備える注射デバイスの側面図である。
図18図18〜23は、本発明のある実施形態による注射デバイスの異なる図であって、特に図18は、本発明のある実施形態による注射デバイスの斜視図である。
図19図19は、可動要素が注射位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの側面図である。
図20図20は、可動要素が引き出し位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの側面図である。
図21図21は、可動要素が引き出し位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの中央断面図である。
図22図22は、可動要素が注射位置にある、本発明のある実施形態による注射デバイスの中央断面図である。
図23図23は、本発明のある実施形態による注射デバイスの分解立体図である。
図24図24は、本発明のある実施形態による、可動要素が引き出し位置にある、皮下シリンジを備える注射デバイスの側面図である。
図25図25は、本発明のある実施形態による、可動要素が注射位置にある、皮下シリンジを備える注射デバイスの側面図である。
図26図26〜32bは、本発明のある実施形態による注射デバイスの部分の異なる図であり、特に図26は、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の分解立体図である。
図27図27は、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の斜視図である。
図28a図28aは、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の側面図である。
図28b図28bは、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の断面図である。
図29a図29aは、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の側面図である。
図29b図29bは、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の断面図である。
図30a図30aは、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の側面図である。
図30b図30bは、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の断面図である。
図31a図31aは、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の側面図である。
図31b図31bは、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の断面図である。
図32a図32aは、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の側面図である。
図32b図32bは、本発明によるある実施形態による注射デバイスの部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0230】
以下の説明では、本発明を実施できる方法を例示的に示す添付の図面を参照する。
【0231】
図1〜7は、本発明のある実施形態による、注射軸180を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイス100の、異なる複数の図である。これ以降、図1〜7を参照する。注射デバイス100は、ハウジング101と、引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジング101に対して移動可能である可動要素110とを備える。図1は斜視図であり、図2は、可動要素が注射位置にある側面図であり、図3は、可動要素が引き出し位置にある側面図であり、図4は、可動要素が引き出し位置にある中央断面図であり、図5は、可動要素が注射位置にある中央断面図であり、図6は、図5に示す線190に沿った断面図であり、図7は分解立体図である。可動要素110は、シリンジを保持するためのシリンジホルダ114を備える。ハウジング101は細長本体を備え、この実施形態では上記細長本体は第1の管状要素106である。
【0232】
可動要素110は、ハウジング101の第1の管状要素106内で摺動するよう配設された第1の部分113と、ハウジング101の第1の外側表面において摺動するよう配設された第2の部分111と、第1の部分113と第2の部分111とを接続する接続部分112とを備え、可動要素110は、第1の管状要素106の上側開口107の外へと延在する。
【0233】
これによりユーザは、注射デバイス100をより自由に把持して取り扱うことができるようになり、例えば注射デバイス100の下部の第3の部分に、より良好な制御をユーザに提供する把持領域を形成できる。
【0234】
注射デバイス100は、可動要素110が引き出し位置にある場合(図3、4参照)に、第1の部分113が、第1の管状要素106の上側開口107を通って管状要素106の外へと延在し、可動要素110が注射位置にある場合(図2、5参照)に、第1の部分113全体が第1の管状要素106の内側に位置決めされ、第2の部分111及び接続部分112全体がハウジング101の外側に位置決めされるよう、構成される。可動要素の第1の部分112は、細長貫通孔117を備える。
【0235】
ハウジング101の第1の外側表面は、注射軸180に沿って延在する溝109を備える。可動要素110の第2の部分111は溝109と係合する。溝109は、内向きに傾斜した第1の壁141及び第2の壁142を備えてよく、これによって第2の部分111が注射軸180に沿った方向以外のいずれの方向に移動するのが防止される。
【0236】
接続部分112は、可動要素110が注射位置にある場合にユーザが可動要素110を把持して、可動要素110を引き出し位置へと引き出すことができるようにする、ハンドルを備える。
【0237】
ハウジング101は更に、第1の管状要素106の頂部に挿入される第2の管状要素103を備える。可動要素110は第2の管状要素103の外へと延在する。可動要素110は、第1の部分113の一部が第2の管状要素103の内側表面に沿って摺動することによって、更なる機械的安定性を提供するよう構成され、即ち第1の部分113は、第2の管状要素103の内径におおよそフィットする円筒形要素を備える。
【0238】
注射デバイス100は、可動要素110とハウジング101とを接続するばね130を更に備える。この実施形態では、ばね130は圧縮ばね、即ち圧縮時に機械的エネルギを貯蔵するばねであってよい。可動要素110の第1の部分113は、ばね130と相互作用する外側表面を有するディスク118を備える。ディスク118は、上記第1の管状要素の内側表面の形状と適合する形状を有し、これによって更なる機械的安定性を提供する。
【0239】
ばね130は、可動要素110の第1の部分113の一部を取り囲み、また、ディスク118の第1の上側表面に当接する第1の端部と、第2の管状要素103の下側表面に当接する第2の端部とを有する。従って可動要素110が引き出し位置にあるとき、ばねは圧縮され、これによって、可動要素110を引き出し位置から注射位置へと移動させるために使用できる機械的エネルギを貯蔵し、これによって、皮下シリンジホルダに取り付けられたシリンジを注射できる。
【0240】
ハウジング101は、皮膚に位置決めするための平坦接触表面105を備え、平坦接触表面105は、上記注射軸180に対して90°未満の角度182で角度設定された平面181内で位置決めされる。
【0241】
平坦接触表面105と注射軸180との間の角度182は、平面と直線との間で測定可能な2つの角度のうちの小さい方として定義される。この特定の実施形態では、角度182は45°である。45°という角度は、皮下注射を実施するために好適であり得る。平坦接触表面105は、皮膚との高摩擦接触を確立するための複数の突出部を備える(図4、5参照)。
【0242】
ハウジング101は更に、第1の管状要素106に取り付けられた針シールド102を備える。この実施形態では、針シールド102は管状針シールドである。針シールド102は(図3に示すような)把持領域190の一部を形成する。把持領域190は、1本の指を受承するために好適な第1の凹状部分104を備える。第1の凹状部分104は、最大幅1001及び深さ1002を有する(図2参照)。把持領域190は、ハウジング101の下部の第3の部分に位置決めされる。把持領域190は、皮下シリンジの注射中に、ユーザが上記注射デバイス100を上記把持領域のいずれの位置に安全に保持できるようにするために構成される。
【0243】
この実施形態では、第1の凹状部分104は、ユーザが、上記第1の凹状部分104内に配置した単一の指を用いて、上記注射デバイス100を皮膚に確実に保持できるようにするために構成される。針シールド102は、第1の側部1003と、第1の側部1003とは反対側の第2の側部1004とを備える(図3参照)。針シールド102は第1の側部1003において第1の管状要素106(ハウジングの細長本体)に取り付けられる。この特定の実施形態では、針シールド102及び第1の管状要素106は一体として成型され、第1の凹状部分104は、針シールド102の第2の側部1004に形成される。
【0244】
可動要素110は、注射軸180に対して垂直であるハウジング101のいずれの断面の外周の少なくとも65%が、可動要素110のいずれの可能な位置において可動要素110と干渉しないように、ハウジング101に対して配設される。従ってユーザは、可動要素110の移動に干渉するリスクなしに、凹状部分104に位置決めされた第1の指と、凹状部分104とは反対側においてハウジング101上に位置決めされた第2の指とを用いた、片手での把持によって、注射デバイス100を皮膚に保持できる。針シールドは最小高さ183を有する。最小高さは、注射軸180に沿った針シールド102の最小幅として測定される。
【0245】
注射デバイス100は(図4に概略的にのみ示されている)光源199を備えてよく、光源199は、光源199が起動され、かつ可動要素110が注射位置にある場合に、得られる光線のピーク強度が、皮下針と皮下シリンジホルダ114に取り付けられた皮下シリンジとを接続する針ハブの位置又は針ハブの下側に位置決めされることによって、ユーザが針ハブ内又は皮下針内に存在する血液を検出できるよう、配設される。
【0246】
注射デバイス100は、ユーザが上記皮下針又は針ハブを点検できるような位置に配設された、(図5に概略的にのみ示されている)点検窓198を備えてよい。その結果、皮下シリンジ/針の注射をユーザから隠すことができ、ユーザはそれにもかかわらず、血管に命中したかどうかをはっきりと点検できる。これは特に、注射恐怖症の多数の患者の群に関して有用であり得る。
【0247】
針シールド102は、可動要素110が引き出し位置にあるときに、上記皮下シリンジホルダ114に取り付けられた皮下シリンジの皮下針の先端が針シールド102の完全に内側に位置決めされるように、配設される。更にハンドル112により、可動要素110を注射位置から引き出し位置へと引き出すことができる。
【0248】
注射デバイス100は、ばね130を解放することによって可動要素110を引き出し位置から注射位置へと移動させる、(図5に概略的にのみ示されている)解放機構170を備える。解放機構は、本発明の第7の態様に関連して説明したような解放機構、即ち可動要素117の貫通孔に部分的に挿入される解放機構であってよく、ここで解放機構は、解放機構軸に沿って把持位置と解放位置との間で移動可能に配設される。
【0249】
注射デバイス100は更にロック機構172を備える。ロック機構172は、ロック機構軸175に沿ってロック位置と非ロック位置との間で移動可能に配設される。ロック機構は、ロック位置にあるときに、例えば解放機構170が把持位置から解放位置へと移動するのを防止することによって、解放機構170がばね130を解放するのを防止するよう構成される。これにより、ばねの意図しない解放を回避できるため、より安全な注射デバイスが提供される。この実施形態では、ロック機構軸175は注射軸180と平行である。ロック機構175は、ハウジング101の第2の側部開口173内に摺動可能に配設される。ロック機構は、図3、8ではロック位置、図1、2、9では非ロック位置で示されている。ロック機構172は、本発明の第7の態様に関連して説明したようなロック機構であってよい。
【0250】
図8、9は、本発明のある実施形態による、皮下シリンジ161を備える注射デバイス100を示す。図8は、可動要素が引き出し位置にある、注射デバイス100の側面図であり、図9は、可動要素が注射位置にある、注射デバイス100の側面図である。注射デバイス100は、図1〜7に示す注射デバイスと同一である。皮下シリンジ161は、針ハブ163を通して皮下針164に接続される。
【0251】
図10〜15は、本発明のある実施形態による、注射軸280を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイス200の、異なる複数の図である。これ以降、図10〜15を参照する。注射デバイス200は、ハウジング201と、引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジング201に対して移動可能である可動要素210とを備える。図10は斜視図であり、図11は、可動要素が注射位置にある側面図であり、図12は、可動要素が引き出し位置にある側面図であり、図13は、可動要素が引き出し位置にある中央断面図であり、図14は、可動要素が注射位置にある中央断面図であり、図15は分解立体図である。可動要素210は、シリンジを保持するためのシリンジホルダ214を備える。ハウジング201は細長本体を備え、この実施形態では上記細長本体は第1の管状要素206である。
【0252】
可動要素210は、ハウジング201の第1の管状要素206内で摺動するよう配設された第1の部分213と、ハウジング201の第1の外側表面において摺動するよう配設された第2の部分211と、第1の部分213と第2の部分211とを接続する接続部分212とを備え、可動要素210は、第1の管状要素206の上側開口207の外へと延在する。
【0253】
これによりユーザは、注射デバイス200をより自由に把持して取り扱うことができるようになり、例えば注射デバイス200の下部の第3の部分に、より良好な制御をユーザに提供する把持領域を形成できる。
【0254】
注射デバイス200は、可動要素210が引き出し位置にある場合(図12、13参照)に、第1の部分213が、第1の管状要素206の上側開口207を通って管状要素206の外へと延在し、可動要素210が注射位置にある場合(図11、14参照)に、第1の部分213全体が第1の管状要素206の内側に位置決めされ、第2の部分211及び接続部分212全体がハウジング201の外側に位置決めされるよう、構成される。可動要素の第1の部分212は、細長貫通孔217を備える。
【0255】
ハウジング201の第1の外側表面は、注射軸280に沿って延在する溝209を備える。可動要素210の第2の部分211は溝209と係合する。溝209は、内向きに傾斜した第1の壁及び第2の壁を備えてよく、これによって第2の部分211が注射軸280に沿った方向以外のいずれの方向に移動するのが防止される。
【0256】
接続部分212は、可動要素210が注射位置にある場合にユーザが可動要素210を把持して、可動要素210を引き出し位置へと引き出すことができるようにする、ハンドルを備える。
【0257】
ハウジング201は更に、第1の管状要素206の頂部に挿入される第2の管状要素203を備える。可動要素210は第2の管状要素203の外へと延在する。可動要素210は、第1の部分213の一部が第2の管状要素203の内側表面に沿って摺動することによって、更なる機械的安定性を提供するよう構成され、即ち第1の部分213は、第2の管状要素203の内径におおよそフィットする円筒形要素を備える。
【0258】
注射デバイス200は、可動要素210とハウジング201とを接続するばね230を更に備える。この実施形態では、ばね230は圧縮ばね、即ち圧縮時に機械的エネルギを貯蔵するばねであってよい。可動要素210の第1の部分213は、ばね230と相互作用する外側表面を有するディスク218を備える。ディスク218は、上記第1の管状要素の内側表面の形状と適合する形状を有し、これによって更なる機械的安定性を提供する。
【0259】
ばね230は、可動要素210の第1の部分213の一部を取り囲み、また、ディスク218の第1の上側表面に当接する第1の端部と、第2の管状要素203の下側表面に当接する第2の端部とを有する。従って可動要素210が引き出し位置にあるとき、ばねは圧縮され、これによって、可動要素210を引き出し位置から注射位置へと移動させるために使用できる機械的エネルギを貯蔵し、これによって、皮下シリンジホルダに取り付けられたシリンジを注射できる。
【0260】
ハウジング201は、皮膚に位置決めするための平坦接触表面205を備え、平坦接触表面205は、上記注射軸280に対して90°未満の角度282で角度設定された平面281内で位置決めされる。
【0261】
90°の角度は、筋肉内注射を実施するために好適であり得る。
【0262】
ハウジング201は更に、第1の管状要素206に取り付けられた針シールド202を備える。この実施形態では、針シールド202は管状針シールドである。針シールド202は(図12に示すような)把持領域290の一部を形成する。把持領域290は、第1の凹状部分204と、第1の凹状部分とは反対側の第2の凹状部分(図示せず)とを備える。第1及び第2の凹状部分は、1本又は複数本の指を受承するために好適である。把持領域290は、ハウジング201の下部の第3の部分に位置決めされる。把持領域290は、皮下シリンジの注射中に、ユーザが注射デバイス200を上記把持領域のいずれの位置に安全に保持できるようにするために構成される。
【0263】
可動要素210は、注射軸280に対して垂直であるハウジング201のいずれの断面の外周の少なくとも65%が、可動要素210のいずれの可能な位置において可動要素210と干渉しないように、ハウジング201に対して配設される。従ってユーザは、可動要素210の移動に干渉するリスクなしに、第1の凹状部分204に位置決めされた第1の指と、第2の凹状部分に位置決めされた第2の指とを用いた、片手での把持によって、注射デバイス200を皮膚に保持できる。針シールドは最小高さ283を有する。最小高さは、注射軸280に沿った針シールド202の最小幅として測定される。
【0264】
注射デバイス200は(図13に概略的にのみ示されている)光源299を備えてよく、光源299は、光源299が起動され、かつ可動要素210が注射位置にある場合に、得られる光線のピーク強度が、皮下針と皮下シリンジホルダ214に取り付けられた皮下シリンジとを接続する針ハブの位置又は針ハブの下側に位置決めされることによって、ユーザが針ハブ内又は皮下針内に存在する血液を検出できるよう、配設される。
【0265】
注射デバイス200は、ユーザが上記皮下針又は針ハブを点検できるような位置に配設された、(図14に概略的にのみ示されている)点検窓298を備えてよい。その結果、皮下シリンジ/針の注射をユーザから隠すことができ、ユーザはそれにもかかわらず、血管に命中したかどうかをはっきりと点検できる。これは特に、注射恐怖症の多数の患者の群に関して有用であり得る。
【0266】
針シールド202は、可動要素210が引き出し位置にあるときに、上記皮下シリンジホルダ214に取り付けられた皮下シリンジの皮下針の先端が針シールド202の完全に内側に位置決めされるように、配設される。更にハンドル212により、可動要素210を注射位置から引き出し位置へと引き出すことができる。
【0267】
注射デバイス200は、ばね230を解放することによって可動要素210を引き出し位置から注射位置へと移動させる、(図14に概略的にのみ示されている)解放機構270を備える。解放機構は、本発明の第7の態様に関連して説明したような解放機構、即ち可動要素217の貫通孔に部分的に挿入される解放機構であってよく、ここで解放機構は、解放機構軸に沿って把持位置と解放位置との間で移動可能に配設される。
【0268】
注射デバイス200は更にロック機構272を備える。ロック機構272は、ロック機構軸275に沿ってロック位置と非ロック位置との間で移動可能に配設される。ロック機構は、ロック位置にあるときに、例えば解放機構270が把持位置から解放位置へと移動するのを防止することによって、解放機構270がばね230を解放するのを防止するよう構成される。これにより、ばねの意図しない解放を回避できるため、より安全な注射デバイスが提供される。この実施形態では、ロック機構軸275は注射軸280と平行である。ロック機構275は、ハウジング201の第2の側部開口273内に摺動可能に配設される。ロック機構は、図12ではロック位置、図10、11では非ロック位置で示されている。ロック機構272は、本発明の第7の態様に関連して説明したようなロック機構であってよい。
【0269】
図16、17は、本発明のある実施形態による、皮下シリンジ261を備える注射デバイス200を示す。図16は、可動要素が引き出し位置にある、注射デバイス200の側面図であり、図17は、可動要素が注射位置にある、注射デバイス200の側面図である。注射デバイス200は、図10〜15に示す注射デバイスと同一である。皮下シリンジ261は、針ハブ263を通して皮下針264に接続される。
【0270】
図18〜23は、本発明のある実施形態による、注射軸380を定義する注射方向に沿って皮下シリンジを注射するための注射デバイス300の、異なる複数の図である。これ以降、図18〜23を参照する。注射デバイス300は、ハウジング301と、引き出し位置と注射位置との間で上記ハウジング301に対して移動可能に配設された可動要素310とを備える。図18は斜視図であり、図19は、可動要素が注射位置にある側面図であり、図20は、可動要素が引き出し位置にある側面図であり、図21は、可動要素が引き出し位置にある中央断面図であり、図22は、可動要素が注射位置にある中央断面図であり、図23は分解立体図である。可動要素310は、シリンジを保持するためのシリンジホルダ314を備える。ハウジング301は細長本体を備え、この実施形態では上記細長本体は第1の管状要素306である。
【0271】
可動要素310は、ハウジング301の第1の管状要素306内で摺動するよう配設された第1の部分313と、ハウジング301の第1の外側表面において摺動するよう配設された第2の部分311と、第1の部分313と第2の部分311とを接続する接続部分312とを備え、可動要素310は、第1の管状要素306の上側開口307の外へと延在する。
【0272】
これによりユーザは、注射デバイス300をより自由に把持して取り扱うことができるようになり、例えば注射デバイス300の下部の第3の部分に、より良好な制御をユーザに提供する把持領域を形成できる。
【0273】
注射デバイス300は、可動要素310が引き出し位置にある場合(図20、21参照)に、第1の部分313が、第1の管状要素306の上側開口307を通って管状要素306の外へと延在し、可動要素310が注射位置にある場合(図19、20参照)に、第1の部分313全体が第1の管状要素306の内側に位置決めされ、第2の部分311及び接続部分312全体がハウジング301の外側に位置決めされるよう、構成される。ハウジング301の第1の外側表面は、注射軸380に沿って延在する溝309を備える。可動要素310の第2の部分311は溝309と係合する。
【0274】
接続部分312は、可動要素310が注射位置にある場合にユーザが可動要素310を把持して、可動要素310を引き出し位置へと引き出すことができるようにする、ハンドルを備える。
【0275】
ハウジング301は更に、第1の管状要素306の頂部に挿入される第2の管状要素303を備える。可動要素310は第2の管状要素303の外へと延在する。可動要素310は、第1の部分313の一部が第2の管状要素303の内側表面に沿って摺動することによって、更なる機械的安定性を提供するよう構成され、即ち第1の部分313は、第2の管状要素303の内径におおよそフィットする円筒形要素を備える。
【0276】
注射デバイス300は、可動要素310とハウジング301とを接続するばね330を更に備える。この実施形態では、ばね330は圧縮ばね、即ち圧縮時に機械的エネルギを貯蔵するばねであってよい。可動要素310の第1の部分313は、ばね330と相互作用する表面を有するディスク318を備える。ディスク318は、上記第1の管状要素306の内側表面の形状と適合する形状を有し、これによって更なる機械的安定性を提供する。
【0277】
ばね330は、可動要素310の第1の部分313の一部を取り囲み、また、ディスク318の第1の上側表面に当接する第1の端部と、第2の管状要素303の下側表面に当接する第2の端部とを有する。従って可動要素310が引き出し位置にあるとき、ばねは圧縮され、これによって、可動要素310を引き出し位置から注射位置へと移動させるために使用できる機械的エネルギを貯蔵し、これによって、皮下シリンジホルダ314に取り付けられたシリンジを注射できる。
【0278】
ハウジング301は、皮膚に位置決めするための平坦接触表面305を備え、平坦接触表面305は、上記注射軸380に対して90°未満の角度382で角度設定された平面381内で位置決めされる(図19参照)。
【0279】
90°の角度は、筋肉内注射を実施するために好適であり得る。
【0280】
ハウジング301は更に、第1の管状要素306に取り付けられた針シールド302を備える。この実施形態では、針シールド302は管状針シールドである。針シールド302は(図20に示すような)把持領域390の一部を形成する。把持領域390は、第1の管状要素306上に配設された把持要素の第1のセット324と、針シールド302上に配設された把持要素の第2のセット323とを備える。把持要素の第1及び第2のセット324、323は、1本又は複数本の指を受承するために好適である。把持領域390は、ハウジング301の下部の第3の部分に位置決めされる。把持領域390は、皮下シリンジの注射中に、ユーザが注射デバイス300を上記把持領域のいずれの位置に安全に保持できるようにするために構成される。
【0281】
可動要素310は、注射軸380に対して垂直であるハウジング301のいずれの断面の外周の少なくとも65%が、可動要素310のいずれの可能な位置において可動要素310と干渉しないように、ハウジング301に対して配設される。従ってユーザは、可動要素310の移動に干渉するリスクなしに、把持領域における片手での把持によって、注射デバイス300を皮膚に保持できる。針シールドは最小高さ383を有する。最小高さは、注射軸380に沿った針シールド302の最小幅として測定される。
【0282】
注射デバイス300は、ばね330を解放することによって可動要素310を引き出し位置から注射位置へと移動させる、解放機構325を備える。解放機構325は、本発明の第7の態様に関連して説明したような解放機構、即ち可動要素317の開口に部分的に挿入される解放機構であってよく、ここで解放機構は、解放機構軸に沿って把持位置と解放位置との間で移動可能に配設される。
【0283】
注射デバイス300は更にロック機構372を備える。ロック機構372は、本発明の第7の態様に関連して説明したようなロック機構であってよい。
【0284】
注射デバイス300は更に、光源331を備えてよく、光源331は、光源331が起動され、かつ可動要素310が注射位置にある場合に、得られる光線のピーク強度が、皮下針と皮下シリンジホルダ314に取り付けられた皮下シリンジとを接続する針ハブの位置又は針ハブの下側に位置決めされるよう、配設される(例えば図25参照)。これによってユーザは、針ハブ又は皮下針を皮下シリンジ内へと引き抜く前に、針ハブ内又は皮下針内に存在する血液を検出できる。
【0285】
光源は、ハウジングの平坦接触表面381までの距離Xを有した状態で、上記針シールド内に位置決めできる(図22参照)。針シールド302は、ユーザが、皮下シリンジホルダ314に取り付けられた皮下シリンジの針ハブ又は皮下針を点検できるような位置に配設された、点検窓340を備える。点検窓340は、針シールド302の不透明部分によって縁取られる。
【0286】
その結果、皮下シリンジ/針の注射をユーザから隠すことができ、ユーザはそれにもかかわらず、血管に命中したかどうかをはっきりと点検できる。
【0287】
針シールド302は、第1の管状要素306に取り付けられた第1の部分322、及び第1の部分322に挿入された第2の部分323から組み立てられたアセンブリである。
【0288】
この実施形態では、針シールド302の第1の部分322は透明材料からなり、第2の部分323は不透明材料からなる。第2の部分323は、第2の部分323の第1の部分322に挿入される部分に部分的に位置する貫通孔342を備える。この貫通孔が、第1の部分322と共に点検窓340を形成する。
【0289】
ハウジング301は更に、光源331に動作可能に接続された圧力センサ350を備える。圧力センサ350は、ハウジング301と皮膚との間の接触圧を検出するよう構成され、注射デバイスは、光源331を制御して、注射デバイスが皮下シリンジを注射する準備ができた状態であることをユーザに信号送信させるよう構成される。この実施形態では、光源は、オンになることによって、注射デバイスが準備ができた状態であることをユーザに信号送信する。
【0290】
この実施形態では、圧力センサは:第1の位置と第2の位置との間で移動可能に配設されたボタン335;圧力センサばね333;電源;上記光源331と上記電源との間の第1の電気回路を形成又は遮断するよう構成された電子スイッチを備え、上記電子スイッチは、上記ボタン335が上記第2の位置にあるときに上記第1の電気回路を形成するよう構成され、上記圧力センサばね333は、上記第1の閾値を超える接触圧が上記ボタン333に作用するまで、ボタンを上記第2の位置から離間した状態に維持するよう配設される。従ってこの実施形態では、注射デバイス300は、圧力センサが注射デバイスとユーザの皮膚との間の接触を検出した後、光源331を制御して、注射デバイスが皮下シリンジを注射する準備ができた状態であることをユーザに信号送信させるよう、機械的に構成される。
【0291】
その結果、ユーザが過剰な接触圧を印加してしまうのを防止でき、これによって骨注射のリスクを低下させることができる。
【0292】
図24、25は、本発明のある実施形態による、皮下シリンジ361を備える注射デバイス300を示す。図24は、可動要素が引き出し位置にある、注射デバイス300の側面図であり、図25は、可動要素が注射位置にある、注射デバイス300の側面図である。注射デバイス300は、図18〜23に示す注射デバイスと同一である。皮下シリンジ361は、針ハブ363を通して皮下針364に接続される。シリンジホルダ314は更に、皮下シリンジ361のカラー365を把持するための溝341を備える。溝341は、皮下シリンジ341が注射軸に沿って皮下シリンジホルダ314に対して移動するのを防止するよう構成される。
【0293】
図26〜32bは、本発明のある実施形態による注射デバイス400の部分の様々な図である。図26は分解立体図であり、図27a〜bは斜視図であり、図28aは側面図であり、図28bは、図28aの線Bに沿った断面図であり、図29aは側面図であり、図29bは、図29aの線Bに沿った断面図であり、図30aは側面図であり、図30bは、図30aの線Bに沿った断面図であり、図31aは側面図であり、図31bは、図31aの線Aに沿った断面図であり、図32aは側面図であり、図32bは、図32aの線Bに沿った断面図である。これ以降、図26〜32bを参照する。
【0294】
これらの図は、本発明のある実施形態による解放機構470及びロック機構472の機能を示す。ハウジング401及び可動要素410を備える注射デバイス400が示されている。ハウジング401は、第1の管状要素406、針シールド402、第1の管状要素406の上側開口に挿入される第2の管状要素403を備える。可動要素410は、引き出し位置と注射位置との間でハウジング401に対して移動可能に配設される。可動要素は、上記第1の管状要素406内で摺動するよう配設された第1の部分413と、上記ハウジング401の第1の外側表面において摺動するよう配設された第2の部分411と、上記第1の部分413と上記第2の部分411とを接続する接続部分412とを備える。第2の部分411は、皮下シリンジホルダを受承するための2つのセクション489を備える。皮下シリンジホルダは図26〜32には図示されていないが、図1〜25に示した皮下シリンジホルダと同様のタイプのものであってよいことを理解されたい。第1の管状要素406は図27bにのみ完全に図示されており、図26、27aにおいては完全に除去されており、図28a〜32bにおいては概略的に示されている。これは、注射デバイス400の内部要素の機能をより良好に図示するためである。図示されている解放機構及び/又はロック機構は、図1〜27に示した3つの注射デバイスのうちのいずれの1つに実装してよいことを理解されたい。
【0295】
注射デバイスは、可動要素410とハウジング401とを接続するばね430を更に備える。ばね430は、解放された場合に、可動要素410を(図28aに示す)注射軸480に沿って(図28〜29に示す)引き出し位置から(図31に示す)注射位置へと移動させることによって、皮下シリンジを注射できるよう構成される。可動要素の第1の部分413は、ばね430と相互作用する外側表面を有するディスク418を備える。
【0296】
注射デバイス400は、ユーザがばね430を解放できるようにするために構成された解放機構470を更に備える。解放機構470は、(図28bに示す)解放機構軸431に沿って把持位置と解放位置との間で移動可能に配設される。解放機構470は、図28b、29b、32bでは把持位置で、図30b、31bでは解放位置で示されている。解放機構470は、可動要素の細長貫通孔417に部分的に挿入される。可動要素410が引き出し位置にあるとき、解放機構470は、把持位置から解放位置へと移動することによってばね430を解放して、可動要素を注射位置へと移動させるよう配設される。その結果、軸に沿って移動することによってばねを解放する解放機構を設けることにより、容易かつ安全に操作できる解放機構が提供される。
【0297】
解放機構470は、ハウジングの第1の側部開口(ハウジングの主要部分は概略的にしか示されていないため、図示されていない)を通って延在し、ハウジング401とは反対側を向いた接触表面479を備え、ここで解放機構470は、ユーザが接触表面479を押圧したことに応答して、把持位置から解放位置へと移動するよう構成される。解放機構470は、第1の要素476と第2の要素477とのアセンブリである。第1の要素476は解放機構470の第1の部分を構成し、第2の要素477は解放機構470の第2の部分を構成する。解放機構470が把持位置にあり、可動要素410が引き出し位置にあるとき、第2の部分477は、細長貫通孔417の内側の可動要素410と内部接触表面433において当接し、ばね430は内部接触表面433を第2の部分477に向かって押圧する(内部接触表面433は図30b、31b、32bで確認できる)。解放機構470は、把持位置から解放位置へと移動した場合に、第2の部分477が内部接触表面433に当接しなくなることによってばね430が解放され、可動要素410が注射位置へと移動するよう、構成される。
【0298】
細長開口417は、注射軸480に沿って、細長開口417の下端の第1の領域434と、第1の領域434に隣接して位置決めされた第2の領域435とを備え、解放機構470は、可動要素410が引き出し位置にあるときは第1の領域434に、そして可動要素410が注射位置に向かって移動しているときは第2の領域435に位置決めされる。細長開口417は、第1の領域434に、解放機構軸431に沿って、第1の幅w1を有する部分及び第2の幅w2を有する部分を有し、上記第1の幅w1は、解放機構470の第1の部分476の幅より大きいが、解放機構470の第2の部分477の幅より小さい。第2の幅w2は、解放機構470の第2の部分477の幅より大きい。細長貫通孔は、第2の領域435に、解放機構軸431に沿って、第3の幅w3を有する部分及び第4の幅w4を有する部分を有し、第3の幅w3は、解放機構470の第1の要素476の幅より大きいが、解放機構470の第2の要素477の幅より小さく、第4の幅w4は、解放機構470の第2の要素477の幅より大きい。第2の幅w2は、第4の幅w4に比べて、解放機構軸431のより長い部分に沿って延在し、内部接触表面433は、第1の領域434と第2の領域435との間の境界の一部を構成する。図32bでは、線436は第1の幅w1の延在範囲を示し、線437は第2の幅w2の延在範囲を示し、線438は第3の幅w3の延在範囲を示し、線439は解放機構軸431に沿った第4の幅w4の延在範囲を示す。全ての幅は、注射軸480及び解放機構軸431の両方に対して垂直な軸に沿って測定されることに留意されたい。従って、図29bに示すように解放機構470が把持位置に位置決めされているとき、第2の要素477は、第2の領域435の、第3の幅w3を有する部分と整列し、また第3の幅w3は解放機構の第2の要素477の幅より小さいため、解放機構470は、ばね430が可動要素410を注射軸480に沿って注射位置に向かって移動させるのを防止する。図30bに示すように、解放機構470が解放位置へと移動すると、第2の要素477は、第2の領域435の、第4の幅w4を有する部分と整列し、また第4の幅w4は解放機構477の第2の要素の幅より大きいため、解放機構470は、ばね430に、可動要素410を注射軸480に沿って注射位置へと移動させることができる。このように、解放機構470の第2の部分477は、可動要素410が注射位置に向かって移動するとき、第2の領域435の、第4の幅w4を有する部分に配置される。
【0299】
注射デバイス400は更にロック機構472を備える。ロック機構472は、(図28aに示す)ロック機構軸432に沿ってロック位置と非ロック位置との間で移動可能に配設され、ロック機構472は、ロック位置に位置決めされているときに、解放機構470が把持位置から解放位置へと移動するのを防止するよう構成される。このようにして、ばねの意図しない解放を回避できるため、より安全な注射デバイスが提供される。
【0300】
ロック機構472は、ロック位置において図28a〜b、32a〜b、非ロック位置において図29a〜b、30a〜b、31a〜bに示されている。
【0301】
ロック機構472は、ハウジングの第2の側部開口内に摺動可能に配設され、第2の側部開口は、第1の側部開口(解放機構470がそれを通って延在する側部開口)とは反対側にあり、ロック機構472は、ハウジング401に対面するブロック表面478を備える。ブロック表面478は、ロック機構472がロック位置にあるときに解放機構軸431と整列し、またロック機構472が非ロック位置にあるときに上記解放機構軸431と整列しない。従ってブロック表面478は、ロック機構472がロック位置に位置決めされているときに、解放機構470が解放機構軸431に沿って解放位置へと移動するのを防止する。図30b、31bにおいて確認できるように、解放機構470が解放位置に位置決めされているとき、解放機構470はブロック表面478を超えて延在する。この実施形態では、ロック機構472は、ブロック表面478に隣接して配設された貫通孔488を備え、解放機構470は、解放機構470が解放位置において、可動要素410の細長貫通孔417を通って延在し、更にロック機構472の貫通孔488内へと延在するように配設される。
【0302】
可動要素410のディスク418に対面する第1の端部において、ロック機構472はばね485を備える。可動要素410は、注射位置から引き出し位置へと手動で移動させた場合に、ディスク418を介してロック機構ばね485を押圧することによって、ロック機構472を非ロック位置からロック位置へと移動させるよう構成される。その結果、注射を実施した後のばね430の意図しない解放を防止できる。これは、注射デバイス400を医療従事者が使用する場合に特に重要である。というのは、使用後の皮下シリンジが感染症で汚染されている場合があるためである。これは図31〜32に図示されている。図31bでは、可動要素410は注射位置にあり、ロック機構472は非ロック位置にある。図32bでは、可動要素410は引き出し位置へと戻るように手動で移動され、これによってディスク418はロック機構ばね485を押圧し、ロック機構はロック位置へと移動する。解放機構470の第2の要素477は内部接触表面433に接触していないため、図32bの可動要素は引き出し位置を超えた距離まで引き出されていることが確認できる。従って図32bでは、ユーザは可動要素410を手で保持している。可動要素を解放すると、可動要素はばね430の力によって、図28bに示すような引き出し位置へと移動することになる。
【0303】
ロック機構にばねを設けることにより、ロック機構の空間要件を低減できるため、よりコンパクトな注射デバイスを提供できる。ロック機構がばねを備えない場合、可動要素は、上記引き出し位置を超えて有意な距離だけ移動できる必要があり、ロック機構を上記非ロック位置から上記ロック位置へと押圧できる必要があり、更に、可動要素が引き出し位置にあるときに、上記ロック機構が、可動要素410のディスク418と干渉することなく上記ロック位置から上記非ロック位置へと移動できるようにする必要がある。
【0304】
ロック機構472は、可動要素410が引き出し位置にあり、かつロック機構472が非ロック位置にあるときに、ロック機構ばね485が部分的に圧縮されて、ロック機構軸432に沿って、ロック位置に向かう方向の第1の力(F1)を提供するよう配設される。ハウジング401は、ロック機構軸432に沿った、ロック位置に向かう方向の第2の力(F2)(ここで第2の力(F2)は第1の力(F1)より高い)が、ロック機構472に対して作用していない場合に、ロック機構472が非ロック位置からロック位置へと移動するのを防止するよう構成された、2つの把持部材486、487を備え、これによりロック機構は、ユーザからの支援なしに非ロック位置に留まることができる。この実施形態では、2つの把持部材486、487は第2の管状要素403の一部を形成する。2つの把持部材486、487は、ロック機構472の2つの突出部466、467と相互作用する。2つの突出部466、467は、ロック機構軸432に沿った、ロック位置に向かう方向のF2を超える力がロック機構472に作用しているときに、2つの把持部材486、487を僅かに外向きに屈曲させ、これによって2つの突出部466、467は2つの把持部材486、487を超えて移動できる。
【0305】
解放機構470は更に、可動要素410が注射位置から引き出し位置へと移動するときに、解放位置から把持位置へと移動するよう配設される。この実施形態では、これはロック機構472の移動によって達成され、即ちロック機構472が非ロック位置からロック位置へと移動するとき、貫通孔488の下縁部が第2の要素477の傾斜した端面を押圧することにより、ロック機構472が誘発する力が解放機構軸431に沿って解放機構470に作用し、解放機構470を解放位置から把持位置へと移動させる。これにより、複雑な再設定手順が不要となるため、更なる注射を実施するために注射デバイスを容易に再使用できるようになる。
【0306】
いくつかの実施形態を詳細に説明及び図示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、以下の請求項において定義される主題の範囲内において他の方法で具現化することもできる。他の実施形態を利用してよく、また本発明の範囲から逸脱することなく構造的及び機能的改変を実施してよいことを特に理解されたい。
【0307】
複数の手段を列挙しているデバイスクレームにおいて、これらの手段のうちのいくつかを、同一の1つのハードウェアによって具現化できる。相互に異なる従属請求項において特定の手段が列挙されているという事実、又は異なる実施形態において特定の手段が説明されているという事実だけでは、これらの手段を組み合わせて使用して利益を得ることができないことは示されない。
【0308】
本明細書中で使用される場合、用語「備える(comprises/comprising)」は、言明されている特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を特定するものと解釈され、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素又はこれらの群の存在又は追加を排除するものではないことを強調しておく。
図1
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図27a-27b】
図28a
図28b
図29a
図29b
図30a
図30b
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図32a
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【国際調査報告】