(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-525450(P2016-525450A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(54)【発明の名称】鋳物用中子を硬化するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B22C 9/12 20060101AFI20160729BHJP
【FI】
B22C9/12 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-515945(P2016-515945)
(86)(22)【出願日】2014年8月7日
(85)【翻訳文提出日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】EP2014066972
(87)【国際公開番号】WO2015036184
(87)【国際公開日】20150319
(31)【優先権主張番号】13183850.0
(32)【優先日】2013年9月11日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516038380
【氏名又は名称】リューバー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ボーフェンズ,ヴィルヘルム
【テーマコード(参考)】
4E093
【Fターム(参考)】
4E093RA02
4E093RB01
(57)【要約】
本発明は、砂入り鋳型材料の鋳物用中子を硬化するための装置に関し、中子が、中子の硬化のために、中子成形用型の中の中子を触媒蒸気/キャリアガス混合物、次いで加圧空気流に、それぞれ所定の圧力および所定の温度でさらされ、加熱および混合ステージが、中子成形用型の上流にあることができ、液体状の有機触媒を含む容器および加圧空気源に結合され、装置は、予熱器を備えず、その結果、液体状有機触媒および加圧ガスが、加熱および混合ステージの中で一緒に加熱され、装置は、分離したフラッシングラインを有し、第1の遮断バルブが、加熱および混合ステージへのラインの中に配置され、フラッシングの開始時に閉鎖されており、第2の遮断バルブが、フラッシングラインの中に配置され、フラッシングの開始時に開いている、装置に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中子を硬化するために、中子成形用型の中で中子を触媒蒸気/キャリアガス混合物に、次いで加圧空気流に、それぞれ所定の圧力および所定の温度でさらすために適合されている砂入り鋳型材料の鋳物用中子を硬化するための装置であって、該装置が、
前記中子成形用型の上流に設置することができ、液体状の有機触媒を含む容器(7)に第1のライン(L1)によって流体連通している加熱および混合ステージ(12)であって、前記液体状有機触媒が、投与手段(8−11)を経て前記加熱および混合ステージ(12)に供給され得る、加熱および混合ステージ(12)を備え、
前記加熱および混合ステージ(12)が、更に少なくとも1つの第1の圧力調節器(6a)を経て、第2の分離しているライン(L2)によって加圧空気源(1)に流体連通し、これにより、キャリアガスとして使用される加圧空気が、投与形態で前記加熱および混合ステージ(12)に供給されることが可能であり、
前記加熱および混合ステージ(12)に供給される前記液体有機触媒、ならびに前記加熱および混合ステージ(12)に供給される前記加圧空気が、前記加熱および混合ステージ(12)の中で加熱され、その結果、前記有機触媒が気体状態を呈し、前記加圧空気と一体になって、触媒蒸気/キャリアガス混合物が生成され、
前記加熱および混合ステージ(12)が、バルブ(5)によって閉鎖され得る第3のライン(L3)を経て、前記中子成形用型に更に結合されて、その結果、前記触媒蒸気/キャリアガス混合物が、前記中子成形用型の中の前記砂入り鋳型材料を通過することができ、
前記砂入り鋳型材料を通って前記触媒蒸気/キャリアガス混合物が通過した後に、時間制御されるフラッシングのために、前記中子成形用型が、バルブ(4)によって閉鎖され得る第4のライン(L4)によって、熱源(3)を通って所定の温度に、前記加圧空気源(1)から流れる前記加圧空気を加熱するために適合されている前記熱源(3)を経て、前記加圧空気源(1)と流体連通する、装置において、
前記装置が、前記加圧空気(1)が前記加熱および混合ステージ(12)または前記熱源(3)に供給される前に、前記加圧空気(1)を加熱する予熱器を備えず、その結果、前記有機触媒および前記加圧空気が、前記加熱および混合ステージ(12)の中で一緒に加熱され、
第1の遮断バルブ(2a)が、前記第2のライン(L2)の中に配置され、前記フラッシングの開始時に閉鎖されており、
第2の遮断バルブ(2b)が、第4のライン(L4)の中に配置され、前記フラッシングの開始時に開いていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記装置が、2つの加圧空気源(1)を備え、前記第1の加圧空気源が、加熱および混合ステージ(12)に結合され、第2の加圧空気源が前記熱源(3)に結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記熱源(3)のための温度制御装置が結合されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記液体状の触媒を前記加熱および混合装置(12)の中に供給する前に、前記液体触媒容器(7)の前記供給が、前記供給システム内の均圧のために、一時的に投与手段(8−11)の1つによって、切換バルブを経て戻りラインへ前記液体触媒容器(7)まで別ルートで送られ得ることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第3のライン(L3)、および前記熱源(3)に隣接する前記第4のライン(L4)の部分が、加熱され得ることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
砂入り鋳型材料の鋳物用中子を硬化するための方法であって、前記中子を硬化するために、前記中子が、中子成形用型の中で、触媒蒸気/キャリアガス混合物に、次いで加圧空気流に、それぞれ所定の圧力および所定の温度でさらされる方法であって、
好適には、前記中子シューティング中に、液体状有機触媒が、投与される形態で、加熱および混合ステージに供給され、そこでガス状態に変換され、
次いで、前記ガス処理プレートの気密結合後に、時間制御されたガス処理用加圧空気が、所定の時間内に、比例して増加する圧力下で、前記触媒ガスによって充満されている前記加熱および混合ステージを通過し、次いでそこから、前記ガス処理用加圧空気が、触媒蒸気/キャリアガス混合物として前記中子成形用型の中の前記砂入り鋳型材料を通過し、次いで、時間制御されたフラッシングのために、加圧空気が、分離している供給ラインによって所定の時間内に、前記中子成形用型の中の、前記ガス処理された砂入り鋳型材料を通過する方法において、
時間制御されたガス処理のために前記加熱および混合ステージを通過する前記加圧空気が、一旦前記加熱および混合ステージの中に入ると、前記有機触媒と共にただ1回だけ加熱され、前記時間制御されたフラッシングのために使用される前記加圧空気が、分離しているラインの中の熱源によって、伝導され、加熱されることを特徴とする、方法。
【請求項7】
前記液体状触媒を前記加熱および混合ステージ(12)に供給する前に、前記供給の中で均圧が実施されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒蒸気/キャリアガス混合物が、前記中子成形用型に向かう途中で熱を同伴することを特徴とする、請求項6または7のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂入り鋳型材料の鋳物用中子を硬化するための装置および方法に関し、中子は、その硬化のために、それぞれ所定の圧力および所定の温度で、気密の形態で中子成形用型に結合され得るガス処理プレートによって、中子成形用型の中で触媒蒸気/キャリアガス混合物にさらされ、次いで加圧空気流にさらされる。
【背景技術】
【0002】
そのような冷間硬化方法および装置は、いわゆるコールドボックスとして既知であり、その方法では合成樹脂系の2つの成分が中子砂に加えられ、次いで中子砂は、例えば、アルキルアミンまたはギ酸メチルなどのアミンのような有機触媒が触媒として加えられるとすぐに、砂と共に硬化する。
【0003】
本明細書では、成分の1つが、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂または反応性ヒロドキシル基と流体整合性を有する任意の合成樹脂であり、任意の場合に第2の成分は、有機イソシアナートである。2つの成分は、成形砂と完全に混合され、次いで成形される。次いで反応に触媒作用を及ぼすために、かつ処理および特にアミンの使用を確実に設計するために、今日まで様々な努力が行われてきている。
【0004】
しかし、既知の装置および方法には、一般に硬化工程に非常に時間がかかるという欠点がある。例えば、中子シューティング機上で成形型の中の中子および砂の混合物を形成するには、わずかにコンマ数秒だけを要するに過ぎないことが多いが、一方、それに続いて中子を硬化するためのガス処理は数秒間に亘って行わなければならず、当然のことながら、それによってガス処理は膨大なコスト要素になる。
【0005】
ガス処理時間および硬化時間を低減するために、一般にアミンの比率が過剰に投与されてきたが、それには結合剤の新たな溶解が発生する可能性があり、中子の潜在的な最終的強度を約80〜85%まで低下させるという危険性がある。
【0006】
追加的な方法または装置(本出願人による欧州特許第0229959号明細書)では、触媒のより良好な投与を可能にするために、触媒供給源と、キャリアガスおよび触媒の混合地点との間に投与ポンプが挿入されるが、しかし、最初の各投与工程における触媒供給源内の圧力状態に全く効果を与えないので、これもやはり不満足な結果を招くに過ぎない可能性がある。
【0007】
加えて、触媒蒸気/キャリアガス混合物と更に加圧空気との両方をそれぞれ投与容器内に一時的に貯蔵し、次いでこの投与容器から中子の中に一気に連続的にシューティングを実行することが提案されている(本出願人のスイス特許第603276号明細書)が、その場合、加圧空気がより大きい容積で貯蔵され、触媒蒸気/キャリアガス混合物よりも高い温度に加熱される。
しかしながら、この型のこれらの手段および設備はほとんど変形形態を許容しないので、技術努力が膨大になる。
【0008】
更に、本出願人の欧州特許第0881014号明細書は、前述の型の方法および装置を記載し、その中で、バルブ手段が、貯蔵タンクの供給ラインの中にマルチパスバルブを備え、供給ラインは、供給システム内の均圧のために、一時的に戻りラインへ、貯蔵タンクまで別ルートで送られることができる。
【0009】
これらの方法は、均圧が各場合で予め実施される後に、触媒供給内の圧力状態を各投与工程の中で一定に保つことができる。
【0010】
更に、本出願人の欧州特許第1375031号公報は、前述の型の方法および装置を記載するが、その中では予め加熱された加圧空気が切換バルブを通って、加熱および混合ステージまで、およびフラッシングのために更に加熱するためにラインを通って再加熱器まで供給される。この装置およびこの方法の利点は、いわゆる輪郭硬化を達成するために、触媒蒸気/キャリアガス混合物の加熱を増加させるとともに、ガス化のための加圧空気が、可変的に加熱されることである。この装置の1つの欠点は、安全な設備を保証するために、正確な温度監視が要求されることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第0229959号明細書
【特許文献2】スイス特許第603276号明細書
【特許文献3】欧州特許第0881014号明細書
【特許文献4】欧州特許第1375031号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、砂入り鋳型材料の鋳物用中子を硬化するための方法を提供することであり、また一定の速度またはサイクル時間で、作業場での排出の強力な削減が、低減された触媒消費によって保証される対応する装置を提供することである。更に、その結果、装置のための廃棄費用および浄化努力が低減されるはずであり、それによって著しく低い環境汚染が達成されるはずである。加えて、設備は費用効果に優れているはずである。
【0013】
本発明は、砂入り鋳型材料の鋳物用中子を硬化するための装置に関し、装置は中子の硬化のために、中子成形用型の中で中子を触媒蒸気/キャリアガス混合物に、次いで加圧空気流に、それぞれ所定の圧力および所定の温度でさらすように適合されている。
【0014】
本発明によれば、加圧空気が加熱および混合ステージまたは熱源に供給される前に、装置が、加圧空気を加熱する予熱器を備えず、その結果、有機触媒および加圧空気が、加熱および混合ステージの中で一緒に加熱されること、および第1の遮断バルブが、加圧空気源を加熱および混合ステージに結合する第2のラインの中に配置され、フラッシング開始時に閉鎖されること、および第2の遮断バルブが、熱源を経てガス処理プレートに加圧空気源を結合する第4のラインの中に配置され、第2の遮断バルブがフラッシングの開始時に開いていることを特徴とする。
【0015】
有利な実施形態では、装置が2つのガス源を備え、第1のガス源が加熱および混合ステージに結合され、第2のガス源が熱源に結合されている。更に、温度制御装置を熱源に結合することが有利である。更に、液体状の触媒を加熱および混合ステージの中に供給する前に、液体触媒容器または貯蔵タンクの流れが、供給システム内の均圧のために、一時的に流量計によって、切換バルブを経て戻りラインへ、貯蔵タンクまで、別ルートで送られることができることが有利である。
【0016】
更に、本発明は、鋳物用中子を硬化するための方法に関し、本発明によれば、時間制御されたガス処理を達成するために、加熱および混合ステージを通過する加圧空気が、加熱および混合ステージの中で有機触媒と共にただ1回だけ加熱されること、および時間制御されたフラッシングのために使用される加圧空気が、分離しているラインの中の熱源によって、伝導され、加熱されることを特徴とする。
【0017】
本発明による方法の好適な実施形態は、液体状触媒を加熱および混合ステージに供給する前に、供給の中で均圧が実施されることを特徴とすることにある。更に、触媒蒸気/キャリアガス混合物が、中子成形用型までの途中で熱を同伴するならば有利である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下に、単なる実施形態の例を示す添付の図面を参照して、本発明を更に詳細に説明する。
【
図1】鋳物用中子を硬化するための、本発明による装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照すると、砂入り鋳型材料の鋳物用中子を硬化するための装置が、表示され、説明されており、その装置は、更に詳細に図示されない中子シューティング機のやはり詳細に図示されない中子成形用型に結合され得る。装置は、第1にガス処理プレートまたはフード20を備え、ガス処理プレートまたはフード20は、気密の形態で中子成形用型に結合され、上流の加熱および混合ステージ12は、好適にはアミンである液体有機触媒を気体状態に変換するとともに、以下に更に詳細に説明するように中子のガス処理用に使用される触媒蒸気/キャリアガス混合物を生成するためのものである。
【0020】
本発明によれば、時間制御されたガス処理のために、液体状の有機触媒が、例えば投与バルブ8および11、投与ユニット9、流量計10などの投与手段によって投与される貯蔵タンクまたは液体触媒容器7から、ラインL1を通って加熱および混合ステージ12まで走り、加熱および混合ステージ12で、液体状の有機触媒がガス状態に変換される。追加的に、加熱および混合ステージ12は、分離しているラインL2によって加圧空気源1と流体連通しており、分離しているラインL2は、遮断バルブ2a、および比例または2段圧力調節器6aによって閉鎖されることが可能であって、加圧空気源1から供給される加圧空気を、遮断バルブ2aを経て、時間制御されたガス処理のために所定の時間内で、触媒ガスで充満される加熱および混合ステージ12を通過させ、供給される加圧ガスおよび触媒ガスが、加熱および混合ステージ12の中で一緒に加熱され、触媒蒸気/キャリアガス混合物をもたらす。
【0021】
更に、加熱および混合ステージ12は、バルブ5によって閉鎖されることができ、好適には加熱可能である、ラインL3によって、中子成形用型またはガス処理プレート20に結合されて、触媒蒸気/キャリアガス混合物を中子成形用型の中の砂入り鋳型材料を通過させる。
【0022】
更に、加圧空気による時間制御されたフラッシングのために、加圧空気源1は、遮断バルブ2bによって閉鎖され得る分離しているラインL4を経て、随意で比例または2段圧力調節器6bおよび熱源3を経て、ならびに遮断バルブ4を経て、中子成形用型またはガス処理プレート20に流体連通する。
【0023】
図面の中に図示しないが、液体状の触媒を加熱および混合ステージ12の中に供給する前に、液体触媒容器7の供給は、供給システム内の均圧のために、一時的に切換バルブを通って戻りラインへ、貯蔵タンク7へと別ルートで送られることができる。
【0024】
更に、ガス処理プレート20が、換気バルブ21を備える。
【0025】
例えば温度制御装置は、加圧空気の調節された加熱のために熱源3に結合され得る。同様に、温度制御装置は、加熱および混合ステージ12にもまた結合され得る。現在の技術によれば、切換手段、バルブ、投与手段および制御装置は、図示されない制御回路を使用してプログラムによって制御され得る。
【0026】
したがって、ガス処理工程のために、加圧空気と一緒に投与される液体状の有機触媒を、加圧空気源から各分離したラインを通って、加熱および混合ステージに供給して、加熱および混合ステージで加圧空気と一緒に、触媒をガス処理するために十分な温度まで加熱して、その結果として生じるものが触媒蒸気/キャリアガス混合物であり、触媒蒸気/キャリアガス混合物は、追加のラインを通って中子成形用型の中の砂入り鋳型材料を通過する。このガス処理工程中、熱源を経てガス処理プレートに加圧空気を供給するラインの遮断バルブが閉鎖されており、加圧空気を加熱および混合ステージに供給する遮断バルブが開いている。例えば、ガス処理のために触媒としてのアミンの必要温度は、80℃〜110℃であり、この温度はアミンの種類に依存する。したがって、加熱および混合ステージ内での加熱は、使用される触媒のガス処理温度に応じて起こることを理解すべきである。
【0027】
更に、フラッシング工程、すなわち時間制御されたフラッシングのために必要な加圧空気が、分離しているラインを通って熱源に供給され、そこで触媒のガス処理のために必要な温度より高い温度まで加熱された後に、所定の時間内に中子成形用型の中のガス処理された砂入り鋳型材料を通過することができる。フラッシングのための温度は、好適には150℃〜180℃、より好適には170℃である。このフラッシング工程中に、熱源を経てガス処理プレートまで加圧空気を供給するライン(第4の)の遮断バルブは開いており、第2のラインを通って加熱および混合ステージまで加圧空気を導く遮断バルブは閉鎖されている。
【0028】
ガス源として単一のガス源1が使用可能である。この場合、第2のラインL2および更に第4のラインL4が両方とも、加圧空気源として使用されるガス源に結合されている。しかし、2つの別個の加圧空気源1(図示せず)を使用することも可能である。この場合、第4のラインL4が、フラッシングのために、第1の加圧空気源に結合され、加熱および混合ステージが、第2のラインL2を経て第2の加圧空気源に結合される。
【0029】
2つの別個の加圧空気源、および/またはそれぞれ遮断バルブ2aまたは2bを有する2つの別個のガスラインL2およびL4の利点は、切換バルブと対照的に、より簡単なバルブの制御に起因して、2つの遮断バルブの使用が費用対効果により優れており、切換工程に関して極めて高い安全性が達成される。加えて、結果として発生する汚染によってフラッシング工程を遅らせることになる触媒ガスが、フラッシングラインまたは熱源の中にまったく残らないことが保証される。更に、供給されるフラッシング空気(熱源によって加熱される加圧空気)の温度がはるかにより高いことから、中子の表面上に凝縮される触媒がはるかに急速に再びガス状になり、それによって中子の中に素早く送られるので、必要とされる触媒の量がかなり低減される。触媒の量を低減することによって、環境汚染が低減可能であり、触媒ガスの廃棄費用が低減され、装置を洗浄する費用も低減され得る。
【0030】
更に、加熱された加圧空気をガス処理プレートに分離して供給することによって、設備の安全性が保証されるように加熱および混合ステージ内の温度が特定の所定の制限値を超えないことを保証するために、従来の設備の中に必要とされてきた安全温度調節器なしで済ますことが可能になる。
【0031】
更に、触媒のガス処理に必要な加熱電力が、フラッシング工程のために加圧空気を加熱するよりも少ないので、予熱器は必要ではない。このようにして、フラッシング工程のために加熱される加圧空気が、ライン損失によって冷却されず、また加圧空気が、その後におそらく再加熱器によって再び加熱される必要がないので、エネルギーを節約することができる。
【0032】
本発明によるこれらの方法の結果として、必要な触媒ガスの量を低減することによって環境汚染を低減する小型で信頼できる装置が達成され、その装置は、従来の装置の欠点を克服し、既知の装置と同じ速度で(サイクルタイム)機能することができる。
【国際調査報告】