(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-525944(P2016-525944A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(54)【発明の名称】隠れた接合継ぎ目における被加工物の接合
(51)【国際特許分類】
B23K 26/02 20140101AFI20160805BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20160805BHJP
B23K 9/127 20060101ALI20160805BHJP
B23K 9/12 20060101ALI20160805BHJP
B23K 37/04 20060101ALI20160805BHJP
B23K 10/02 20060101ALI20160805BHJP
B23K 9/00 20060101ALI20160805BHJP
B23K 13/01 20060101ALI20160805BHJP
B23K 3/00 20060101ALI20160805BHJP
B23K 1/00 20060101ALI20160805BHJP
B23K 1/005 20060101ALI20160805BHJP
B23K 1/002 20060101ALI20160805BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20160805BHJP
【FI】
B23K26/02 A
B23K26/00 M
B23K9/127 501A
B23K9/12 331S
B23K37/04 F
B23K10/02 A
B23K9/00 501C
B23K13/01
B23K3/00 310A
B23K1/00 A
B23K1/00 320
B23K1/005 A
B23K1/002
B23K1/00 330F
B25J13/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2016-514336(P2016-514336)
(86)(22)【出願日】2014年5月15日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月19日
(86)【国際出願番号】EP2014059929
(87)【国際公開番号】WO2014187720
(87)【国際公開日】20141127
(31)【優先権主張番号】13168793.1
(32)【優先日】2013年5月22日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515324615
【氏名又は名称】エフエフテー プロダクツィオンジステーム ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】クラフト マルティン
(72)【発明者】
【氏名】シュニーガン ヨッヘン
【テーマコード(参考)】
3C707
4E001
4E081
4E168
【Fターム(参考)】
3C707AS11
3C707BS10
3C707KS05
3C707KV11
3C707KX06
3C707LT07
3C707LT12
4E001BB08
4E001BB09
4E001BB11
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4E001QA01
4E001QA03
4E081YC01
4E081YY02
4E081YY19
4E168BA00
4E168CA01
4E168CB01
4E168GA03
(57)【要約】
隠れている被加工部をエネルギビームによって接合する方法である。下側被加工部と上側被加工部とが互いに位置決めされると、上側被加工部が、下側被加工部の接合線に沿って下側被加工部に接触し、接合線が隠れ、接合線の目標輪郭はコントローラに既知である。上側被加工部を、材料係止状態で接合線に接合する目的で、下側被加工部とは反対側の上側被加工部の上面にエネルギビームを導き、接合線に沿って動かす。接合線を検出するため、エネルギビームを使用して、上側被加工部の上面に探索継ぎ目を形成する。下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域と、接合線に接触している上側被加工部の表面領域とが接する境界を検出する。コントローラは、境界の位置を登録し、その位置とコントローラが格納する境界の目標位置とを比較し、境界の位置が逸脱している場合、接合線に沿ったエネルギビームの動きを修正する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隠れている被加工部をエネルギビーム(3)によって接合する方法であって、
a) 少なくとも1つの下側被加工部(3)と少なくとも1つの上側被加工部(2)が互いに対して位置決めされ、
b) 前記少なくとも1つの下側被加工部(3)と前記少なくとも1つの上側被加工部(2)が位置決めされると、前記少なくとも1つの上側被加工部(2)が、前記少なくとも1つの下側被加工部(3)の接合線(4)に沿って前記少なくとも1つの下側被加工部(3)に接触し、かつ前記接合線(4)を隠し、前記接合線(4)の目標輪郭が、1つの座標系においてコントローラに既知であり、
c) 前記少なくとも1つの上側被加工部(2)を、材料係止された状態に前記接合線(4)に接合する目的で、前記少なくとも1つの下側被加工部(3)とは反対側の前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の上面(2a)に前記エネルギビーム(10)が導かれ、前記エネルギビーム(10)がコントローラによって前記接合線(4)に沿って動かされ、
d) 前記接合線(4)を検出するため、前記エネルギビーム(10)を使用して、前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の前記上面(2a)に探索継ぎ目(5,5’,6)が形成され、
e) 前記少なくとも1つの下側被加工部(3)に接触していない前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の表面領域(A1)と、前記接合線(4)に接触している前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の表面領域(A2)とが接している境界(7,8)が、検出器(11)によって検出され、
f) 前記コントローラが、前記境界(7,8)の位置を登録し、前記位置と、前記コントローラに格納されている前記境界(7,8)の目標位置とを比較し、
g) 前記境界(7,8)の前記位置が逸脱している場合、前記接合線に沿って前記エネルギビーム(10)の動きを修正する(4)、
方法。
【請求項2】
前記探索継ぎ目(5,6)が、前記少なくとも1つの下側被加工部(3)に接触していない前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の前記表面領域(A1)から、前記接合線(4)に接触している前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の前記表面領域(A2)を超えて、前記少なくとも1つの下側被加工部(3)に接触していない前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の別の表面領域(A1)内に、延び、前記コントロールユニットが、前記2つの境界(7,8)の位置を登録する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記探索継ぎ目(5,5’,6)の特性であるパラメータ、特に、物理パラメータまたは化学パラメータが、前記検出器(11)によって検出および監視される、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記検出器(11)によって検出される前記パラメータの値が、前記境界(7,8)において急峻に変化する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の前記上面(2a)に、間隔を隔てた少なくとも2本または3本の探索継ぎ目(5,6)が形成され、前記検出器(11)によって監視される、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
最初の境界(7,8)、または最初および2番目の境界(7,8)が登録された後に、前記エネルギビーム(10)の動きが修正され、前記探索継ぎ目(5’)が、前記エネルギビーム(10)の動きを中断することなく、前記接合線(4)に沿った接合継ぎ目に移行する、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記エネルギビーム(10)が、前記コントローラによって、蛇行状の動きにより前記接合構造(4)の実際の輪郭を安定的にたどるようにされる、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記境界(7,8)の前記位置が前記コントローラによって登録され、前記コントローラに格納されている前記境界(7,8)の前記位置と比較され、前記境界(7,8)のうちの少なくとも1つの境界の位置が逸脱している場合、前記接合線(4)に沿って前記エネルギビームの動きが修正される、
請求項5から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記探索継ぎ目(5,5’,6)が、前記接合線(4)に対して斜めに、または前記接合線(4)を横切る方向に形成される、
請求項1から請求項8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記探索継ぎ目(5,5’,6)が形成されているとき、少なくとも点において材料係止された状態に、前記少なくとも1つの上側被加工部(2)が前記少なくとも1つの下側被加工部(3)の前記接合線(4)に結合される、
請求項1から請求項9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記検出器(11)が、接合継ぎ目の品質を監視するシステムの検出器(11)である、
請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのパラメータが、熱エネルギまたは温度、光強度、波長、定格電流、または他の特徴的な接合パラメータである、
請求項1から請求項11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記接合方法が、溶接法、はんだ付け法、または接着法である、
請求項1から請求項12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記溶接法が、溶解用電極を使用する電気アーク溶接法、レーザ溶接法、高周波誘導溶接法、またはプラズマ溶接法である、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記下側被加工部(3)が自動車の構造部または自動車の車体の一部であり、前記上側被加工部(4)が自動車の構造部または自動車の車体の一部である、
請求項1から請求項14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの下側被加工部(3)および前記少なくとも1つの上側被加工部(2)を接合する目的で、前記少なくとも1つの下側被加工部(3)もしくは前記少なくとも1つの上側被加工部(2)またはその両方が、接合ステーション(9)内に配置され、好ましくは前記接合ステーション(9)内で互いに対して位置決めされる、または前記接合ステーション(9)内に配置される前に互いに対して位置決めされる、または、前記少なくとも1つの上側被加工部(2)および前記少なくとも1つの下側被加工部(3)が、各ロボットアームによって保持され、前記ロボットアームによって互いに対して位置決めされ、前記接合ステーション(9)が、据置き型の接合ステーション(9)である、または、ロボットアーム(15)に結合されており接合時に前記ロボットアーム(15)によって空間的に移動する接合ステーション(9)である、
請求項1から請求項15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記検出器(11)、もしくは、前記エネルギビーム(19)を発生させるシステム(10a)の少なくともビーム出射部、またはその両方が、ロボットアーム(15)に固定されている、
請求項1から請求項16のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隠れている被加工部をエネルギビームによって接合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一方の部材が他方の部材の上に位置している領域において2つの部材を互いに接合する接合技術が公知であり、この方法では、2つの部材を結合する接合継ぎ目を、上側に位置する部材を貫いて形成しなければならず、この場合、2つの部材の互いに対する相対位置は、通常では、部材を測定し、接合位置における2つの部材の互いに対する位置を測定することによって求める。
【0003】
接合ステーション(joining station)において2つの部材をそれぞれの接合位置に調整した後、エネルギビームを接合構造に沿った所定の接合軌跡沿いに移動させて2つの部材を接合することができるが、この場合、例えば被加工部における許容製造公差が蓄積することによって、被加工部の間の確実かつ永久的な結合が確保されない位置に接合継ぎ目が配置されることがある。このような不完全な被加工物は、品質管理によって検出して取り除く、または再加工に送ることができる。この追加の工程ステップは時間がかかり、したがってコストが増す。
【0004】
特許文献1には、2つの被加工部をビームを使用して接合する方法が開示されており、この方法では、下側被加工部の上部の接合線(joining contour)が上側被加工物によって隠れ、したがって、下側被加工部と上側被加工部を接合するための接合継ぎ目が正しく配置されているかをインラインで監視できない状態で、接合継ぎ目を配置しなければならない。この方法は、ビームを使用して接合する工程を開始する前に、被加工物を測定して位置合わせするステップを含む。
【0005】
各被加工部を測定して位置合わせするステップは時間がかかり、したがって、例えば生産ラインにおけるサイクルタイムが長くなりうる。サイクルタイムが長くなると、単位時間あたりのスループットが低下し、したがってコストが増す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007062535号明細書
【特許文献2】国際公開第2009/140977号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、接合工程を開始する前に、手間とコストをかけて被加工部を測定する必要なしに、隠れている接合構造の位置を検出することが可能である方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載の方法によって解決される。本発明の別の実施形態それぞれは、従属請求項の主題である。これらの別の実施形態は、技術的に有利な任意の方法において互いに組み合わせることができる。後からの説明において、特に、図面と合わせて、本発明のさらなる特徴を開示する。
【0009】
本発明の一態様は、隠れている被加工部をエネルギビームによって接合する方法に関し、本方法では、第1のステップにおいて、下側被加工部と上側被加工部とを互いに対して位置決めし、上側被加工部と下側被加工部とが位置決めされると、上側被加工部が、下側被加工部の接合線に沿った領域において、または接合線に沿って直線状に、下側被加工部に接触し、これによって接合線が隠れる。接合線の目標輪郭は、1つの座標系においてエネルギビームのコントローラに既知である。
【0010】
上側被加工部と下側被加工部とが共通の接合接触部を形成しており、上側被加工部を、材料係止された状態に下側被加工部の接合線に接合する目的で、下側被加工部とは反対側の上側被加工部の上面にエネルギビームを導き、コントローラによって接合線または接合接触部に沿ってエネルギビームを動かす。
【0011】
上側被加工部を下側被加工部に接合する実際の工程を開始する前に、接合線またはその正確な位置および配置状態を検出するため、エネルギビームを使用して、上側被加工部の上面に探索継ぎ目(exploratory seam)を形成する。
【0012】
下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域と、接合線に接触している上側被加工部の表面領域とが接している境界を、検出器によって検出する。コントローラは、境界の位置を登録し、その位置と、コントローラに格納されている境界の目標位置とを比較する。
【0013】
コントロールユニットは、境界の実際の位置が、コントローラに格納されている目標位置から逸脱しているものと判定される場合、接合線に沿ってエネルギビームの目標輪郭を修正する。
【0014】
探索継ぎ目は、その開始位置から、第1の境界が検出された位置を超えて延びることができる。具体的には、探索継ぎ目は、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域から、接合線に接触している上側被加工部の表面領域を超えて、下側被加工部に接触していない上側被加工部の別の表面領域内に、延びることができる。すなわち、探索継ぎ目は、上側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域から、接合線に接触している上側被加工部の表面領域に探索継ぎ目が移行するときの第1の境界と、接合構造に接触している上側被加工部の表面領域から、接合構造に接触していない上側被加工部の別の表面領域に探索継ぎ目が移行するときの、接合構造に接触している上側被加工部の第1の境界に対向する第2の境界と、を備えていることができる。
【0015】
探索継ぎ目の特性であるパラメータ、特に、物理パラメータまたは化学パラメータを、検出器によって検出および監視することができる。このようなパラメータは、例えば、探索溶接継ぎ目の熱エネルギ場、定格電流、電圧、またはガス流量とすることができる。
【0016】
検出器は、例えば、エネルギビームから近い距離における、またはエネルギビームの側に配置されている、エネルギビームを追跡する光学検出器とすることができる。検出器は、例えば、エネルギビームによって探索継ぎ目を形成している間にも、探索継ぎ目における熱エネルギ分布を検出することができる。
【0017】
検出器によって検出される(1つまたは複数の)パラメータの値は、境界において急峻に変化しうる。この急峻な変化は、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域と、接合線に接触している上側被加工部の表面領域との間の境界または境界点が、この位置に存在していることを示している。検出器は、例えば、特に上側被加工部に線状に接触している接合線の縁部、または接合構造の別の領域を検出し、すなわち、探索継ぎ目は、エネルギビームの側の上側被加工部の上面において、下側被加工部によって形成されている(下側被加工部の上部の)接合構造を隠している上側被加工部の表面領域内まで延びる。
【0018】
境界または境界点において検出された、(1つまたは複数の)パラメータの急峻な変化は、コントローラによって識別して登録することができる。この場合、「登録する」とは、上側被加工部および下側被加工部の寸法および方向が既知である例えばデカルト座標系において、境界をそのx方向、y方向、およびz方向に関して定義することを意味する。
【0019】
できる限り正確な位置を得る目的で、コントローラは、検出器によって取得されたデータにおける既知の歪みの少なくとも一部を排除するため、取得されたデータを処理するフィルタアルゴリズムを備えていることができる。
【0020】
特に、上側被加工部の下の複雑な接合線または角度のついた接合線の正確な位置を検出する目的で、上側被加工部の上面に少なくとも2本の探索継ぎ目をエネルギビームによって形成することが有利であり、これら探索継ぎ目のうちの少なくとも1本は、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域から、接合線に接触している上側被加工部の表面領域を超えて、下側被加工部に接触していない上側被加工部の別の表面領域内まで延び、他方の探索継ぎ目は、少なくとも、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域から、接合線に接触している上側被加工部の表面領域内に延びる。したがって、少なくとも2つの境界が検出器によって検出され、少なくとも2つの境界または境界点の実際の位置をコントローラによって登録する。次いで、境界の実際の位置を、コンピュータに格納されている境界の目標位置と比較することができ、したがって、被加工物の複雑または角度のついた隠れている接合線の実際の輪郭を求めることができる。
【0021】
2本の探索継ぎ目ではなく、3本以上の探索継ぎ目をエネルギビームによって配置し、検出器によって3つ以上の境界を検出してコントローラによって登録することも可能である。しかしながら、探索継ぎ目を追加するごとに、材料やエネルギ消費量が増大し、したがって時間およびコストがかかるため、本方法を適用する前に、各被加工物および各接合線について必要最小限の探索継ぎ目の数を求めることができ、各接合継ぎ目の開始位置、方向、および長さを定義することができる。
【0022】
コントローラは、所定の境界のすべてを登録すると、上側被加工部によって隠れている接合線の実際の位置を求め、それを接合線の目標位置と比較し、接合線の実際の位置と目標位置とがずれている場合、コントローラに格納されているエネルギビームの接合軌跡を修正することができる。次いで、隠れている接合線において上側被加工部を下側被加工部に結合する目的で、コントローラは、上側被加工部の上面において、エネルギビームを接合線の実際の位置に沿ってガイドすることができる。
【0023】
これに代えて、最初の境界、または最初および2番目の境界が検出されて登録された後に、エネルギビームの動きを修正することができ、エネルギビームの動きを中断させることなく、探索継ぎ目を接合線に沿った接合継ぎ目に移行させることができる。すなわち、コントロールユニットは、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域が、接合線に接触している上側被加工部の表面領域に移行する第1の境界の実際の位置と目標位置とを比較するとき、検出されて登録された接合線の実際の位置と、所定の目標位置とを比較し、必要な場合、コントローラに格納されている目標位置における接合線に沿ったエネルギビームの接合軌跡に最初の修正を行う。
【0024】
上側被加工部を下側被加工部に接合している間に、エネルギビームが、接合線に接触している上側被加工部の表面領域から、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域に移行することが検出器によって検出された場合、目標位置における接合線に沿ったエネルギビームの接合軌跡(コントローラにおいてすでに一回修正されている)を、もう一度修正する。接合構造に接触している上側被加工部の表面領域のみに沿ってエネルギビームが動くようになるまで、このプロセスを繰り返すことができる。
【0025】
すなわち、コントローラは、蛇行状の動きによって、エネルギビームが接合構造の実際の輪郭を安定的にたどるようにする。
【0026】
エネルギビームのエネルギは、探索継ぎ目を形成するときよりも接合継ぎ目を形成するときに、より高くする、またはより低くすることができる。探索継ぎ目を形成するときには、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域から、接合線に接触している上側被加工部の表面領域にエネルギビームが移行するとき、またはこの逆方向にエネルギビームが移行するときに、探索継ぎ目の少なくとも1つの特性パラメータが高い信頼性で急峻に変化する大きさのエネルギを使用することができる。エネルギビーム検出器が最初の境界を検出したとき、または例えばコントローラにおける所定のタイミングより後に、探索継ぎ目が中断なしに接合継ぎ目に移行する場合、エネルギビームのエネルギを、例えば探索継ぎ目のエネルギ値から接合継ぎ目のエネルギ値に増大または減少させることができる。
【0027】
これに代えて、またはこれに加えて、エネルギビームの側の上側被加工部の上面をエネルギビームが動く速度は、探索継ぎ目を形成するときと接合継ぎ目を形成するときとで異なっていてよい。例えば、接合継ぎ目を形成するときよりも探索継ぎ目を形成するときに、より高い速度、またはより低い速度でエネルギビームを動かすことができる。
【0028】
本方法の全体をまとめると、一般的には、検出器によって境界を検出し、コントローラによって境界の位置を登録し、それをコントローラに格納されている境界の位置と比較し、境界のうちの少なくとも1つの位置が逸脱している場合、接合線に接触している上側被加工部の表面領域内にエネルギビームを導くまたは戻す目的で、接合線に沿ってエネルギビームの動きを修正する。
【0029】
探索継ぎ目は、コントローラに格納されている接合線に対して斜めに、または接合線を横切る方向に形成することができる。
【0030】
特に、接合構造を実質的に横切る方向に延びる探索継ぎ目を形成しているとき、エネルギビームによって、少なくとも点において材料係止された状態に、上側被加工部を下側被加工部の接合線に結合または固定することができる。したがって、上側被加工部が点において接合構造に結合され、次の接合工程のための接合位置が確定される。
【0031】
検出器は、接合継ぎ目の品質を監視するシステムの検出器とすることができる。品質監視システムは、特に、接合継ぎ目の品質をインラインで監視することのできる品質監視システムである。この場合に「インラインで」とは、接合継ぎ目または探索継ぎ目が形成されるのと実質的に並行して品質管理が実行されることを意味する。
【0032】
接合方法は、溶接法、はんだ付け法、または接着法とすることができる。接着法においては、接合線の上に塗布してエネルギビームの熱エネルギによって活性化させる接着剤を使用することができる。接着法およびはんだ付け法においては、接着剤を活性化させる、またははんだを溶かすのに、探索継ぎ目を形成するためのエネルギビームのエネルギで十分である。すなわち、エネルギビームが中断なしに探索継ぎ目から接合継ぎ目に移行し、かつ、エネルギビームが蛇行状に接合線の上を安定的に動いている、すなわち接合線に接触している上側被加工部の表面の表面領域を安定的に動いている場合、接着法やはんだ付け法においては、接合方法に関して上述したエネルギビームのエネルギを増大させるステップを省くことができる。
【0033】
溶接法は、例えば、溶解用電極(MIG,MAG)を使用する電気アーク溶接法、レーザ溶接法、高周波誘導溶接法、プラズマ溶接法、またはその他の適切な溶接法とすることができる。
【0034】
説明した本方法は、原理的には、任意の2つの被加工物を、隠れている継ぎ目において接合する目的に有利に使用することができ、この場合、上側被加工部および上側被加工部を同じ材料(例えば金属またはプラスチック)から形成することができる。金属は、特に、薄肉鋳鋼物または金属鋳造物とすることができる。しかしながら、接合構造を含む下側被加工部とは異なる材料から上側被加工部を形成することも可能である。
【0035】
上側被加工部および下側被加工部は、いずれも、例えば自動車の構造部または自動車の車体の一部とすることができ、すなわち、本方法は、自動車など大量生産される製品の生産ラインにおいて有利に使用することができる。
【0036】
下側被加工部を上側被加工部に接合する目的で、下側被加工部もしくは上側被加工部またはその両方を、接合ステーション内に配置することができ、好ましくは接合ステーション内で互いに対して位置決めする、または接合ステーション内に配置する前に互いに対して位置決めする。この場合、接合ステーションは、据置き型の接合ステーション、または、ロボットアームに結合されており、接合時にロボットアームによって空間的に移動する接合ステーションである。
【0037】
接合ステーションは、下側被加工部および上側被加工部が接合ステーション内に配置された(場合によってはさらに位置決めされた)後に、下側被加工部および上側被加工部が座標系(例えばデカルト座標系)において既知の位置に存在するように、構成することができる。この既知の位置を、コントロールユニットに入力し、コントローラに格納することができ、すなわちコントローラは、上側被加工部によって上に隠れている、下側被加工部の上部の接合線の理論的位置および理論的輪郭を認識しており、接合線に沿ってエネルギビームをガイドすることができる。例えば上側被加工部および下側被加工部における許容公差が蓄積することに起因して、コントローラに格納されている目標位置に接合線が存在しないことがある。したがって、コントローラがエネルギビームを高い信頼性で接合線に沿ってガイドすることができず、こうして形成された接合継ぎ目が不良となることがある。隠れている接合線またはその実際の位置を特定する目的で、上述したようにエネルギビームによって上側被加工部の上面に探索継ぎ目を形成することができる。
【0038】
探索継ぎ目および接合継ぎ目を形成する目的で、高エネルギビームを発生させるシステムのビーム出射部、もしくは、品質管理装置の検出器、またはその両方を、ロボットアームに固定して、組合せ型の接合・制御装置(combined joining and control tool)を形成することができる。ロボットアームは、空間的に自由に動くことができるものとすることができる。
【0039】
接合する部材それぞれがロボットアームに結合されており、したがってこれらの部材を空間的に自由に動かすことができ、組合せ型の接合・制御装置が据置き型の装置である、または別のロボットアームに結合されており空間的に自由に動かすことができる場合、下側被加工部を上側被加工部に接合するステップを、連続的な接合工程として実行することができる。
【0040】
締め付け枠(clamping frame)を使用することなく要素を接合する方法および装置は、出願人の国際出願である特許文献2から公知であり、この文書は参照によって本明細書に明示的に組み込まれている。
【0041】
本発明の別の態様は、上述した本方法を実行するコンピュータプログラムに関する。
【0042】
コンピュータは、記憶システムおよびバスシステムとのデータ接続を有するデジタルマイクロプロセッサユニット(CPU)と、ワーキングメモリ(RAM)と、記憶手段と、を備えていることができる。CPUは、記憶システムに格納されているプログラムとして具体化されている命令を実行し、データバスからの入力信号を検出し、出力信号をデータバスに出力するように、設計されている。記憶システムは、本方法および有利な実施形態を実行する対応するコンピュータプログラムが格納されている、さまざまな記憶媒体(光媒体、磁気媒体、固体媒体、他の不揮発性媒体など)を備えていることができる。プログラムは、本明細書に記載されている本方法に相当する、もしくは本方法を実行することができる、またはその両方であるように設計することができ、したがって、CPUはそのような方法のステップを実行することができ、したがって接合装置のエネルギビームを制御することができる。
【0043】
本方法を実行するのに適するコンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータ上で実行されるときに本方法のすべてのステップを実行するプログラムコード手段、を備えている。
【0044】
コンピュータプログラムは、すでに存在するコントロールユニットに、簡単な手段によって入力することができ、このコンピュータプログラムを使用することで、隠れている接合継ぎ目に沿って被加工物を接合する方法を制御することができる。
【0045】
本発明の別の態様は、プログラムコード手段がコンピュータ上で実行されるときに、上述した本方法を実行できるようにする目的で、コンピュータ可読データ記憶媒体に格納されているプログラムコード手段を備えたコンピュータプログラム製品、に関する。
【0046】
コンピュータプログラム製品は、改造オプションとしてコントロールユニットに組み込むこともできる。
【0047】
本明細書の説明全体および請求項において、冠詞(「a(n)」)は、不定冠詞として使用されており、要素の数を単数に制限しない。「a(n)」が「ただ1つの」の意味を持つように意図される場合、そのことは、当業者には文脈から理解される、または、例えば「1つの」などの適切な表現を使用することによって明確に示してある。
【0048】
以下では、例示的な実施形態について、図面に基づいてさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】2本の探索継ぎ目が形成された被加工物を示している。
【
図2】
図1の被加工物を斜視図において示している。
【
図3】代替の探索継ぎ目を有する被加工物を示している。
【
図4】探索継ぎ目を形成するときのエネルギビームおよび検出器の詳細図を示している。
【
図5】接合ロボットを有する据置き型の接合ステーションを示している。
【
図6】境界を検出するときの測定曲線の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、上側被加工部2および下側被加工部3からなる被加工物1を示している。上側被加工部2は下側被加工部3の上に位置しており、したがって、
図3に示したエネルギビーム10は、上側被加工部2が下側被加工部3に接触している接合線4を直接的に処理することができない。
【0051】
上側被加工部2に対する下側被加工部3の正確な位置を求めることができるようにする目的で、エネルギビーム10の側の上側被加工部2の上面2aに、(この例示的な実施形態においてはエネルギビーム10によって)2本の探索継ぎ目5,6が形成されている。
【0052】
上側被加工部2に対する下側被加工部3のおよその位置は、一般的な接合公差の範囲内で既知であるため、上側被加工部2の表面2aの、すでに接合線4に近い領域に、探索継ぎ目5,6の開始部分にエネルギビーム10を配光することができ、この場合、探索継ぎ目5,6は、接合線4を実質的に横切る方向に形成する、または、接合線4の角部または曲線の領域に形成し、したがって、探索継ぎ目5,6によって角部の前後に接合線4を検出することができる。
【0053】
探索継ぎ目5,6を形成しているとき、探索継ぎ目5,6または探索継ぎ目5,6の少なくとも1つの代表的なパラメータを、
図3に示した検出器11によって監視することができる。探索継ぎ目5,6が、下側被加工部3に接触していない上側被加工部2の表面領域A1から、上側被加工部2が接合線4に接触している表面領域A2に移行するとき、検出器11によって監視されている探索継ぎ目5,6の少なくとも1つのパラメータが急峻に変化する。逆の場合、すなわち探索継ぎ目5,6が表面領域A2から表面領域A1に移行するときにも、同じことが起こる。
【0054】
すなわち、探索継ぎ目5,6が表面領域A1から表面領域A2に移行する、または表面領域A2から表面領域A1に移行する境界または接触点7,8を、検出器11によって検出することができる。下側被加工部3および上側被加工部2の位置は、例えば接合ステーション9の基準系(デカルト座標系など)において既知であるため、接触点7,8の位置を正確に検出することができる。上側被加工部2に対する下側被加工部3の実際の位置は、接触点7,8の位置から得られる。
【0055】
上側被加工部2に対する下側被加工部3の目標位置、またはエネルギビーム10の所定の目標接合軌跡(これらはコンピュータ18に格納されており、
図1には示していない)を、探索継ぎ目5,6または探索継ぎ目5,6の接触点7,8の検出された位置を使用して、エネルギビーム10の実際の接合軌跡に修正する。
【0056】
図2は、
図1の被加工物1を斜視図において示している。下側被加工部3の接合線4の位置、または上側被加工部2が下側被加工部3の接合線4の上に位置している領域は、破線によって示してある。探索継ぎ目5,6は、上側被加工部2が下側被加工部3に接触していない表面領域A1から、上側被加工部2が下側被加工部3の接合線4に接触している表面領域A2を超えて、別の表面領域A1の中まで延在している。
図1に関連してすでに説明したように、表面領域A1と表面領域A2との間の境界における接触点7と、表面領域A2と表面領域A1との間の境界における接触点8が、検出器11(図示していない)によって検出され、上側被加工部2に対する下側被加工部3の現在位置および配置状態を、接触点7,8の実際の位置から計算する。下側被加工部3のこの計算された位置および配置状態に基づいて、エネルギビーム10(図示していない)を移動させる接合軌跡を計算する。
【0057】
図3は、代替の探索継ぎ目5’を示している。探索継ぎ目5’は、接合線4に対して鋭角をなす方向に形成されている。この場合、検出器11によって接触点7,8が検出されると、コンピュータ18に格納されているエネルギビーム10の目標接合軌跡がただちに修正され、エネルギビーム10が接合線4の実際の位置の方に旋回する。そのわずか後に、検出器11によって別の接触点7,8が検出されると、エネルギビーム10の接合軌跡がもう一度修正される。
図2に示したように、蛇行状の動きによって、エネルギビーム10が、被加工物1を接合するための正しい実際の接合軌跡を安定的にたどるようになるまで、このプロセスを複数回繰り返すことができる。
【0058】
図4は、エネルギビーム10を使用して探索継ぎ目5,6が形成されており、それと同時に探索継ぎ目5,6の少なくとも1つの代表的なパラメータが検出器11によって監視されている状況を示している。
【0059】
図示した例示的な実施形態においては、エネルギビーム10はレーザビームであり、検出器11は、品質保証装置の光学検出器11であり、品質保証装置を使用することで、溶接継ぎ目の品質を、インラインで(すなわち溶接継ぎ目が形成されている間に、または溶接継ぎ目が形成されたわずか後に)監視することができる。
【0060】
この例示的な実施形態においては、検出器11と、エネルギビーム10を出射させる装置10aは、共通のツールヘッド(tool head)14に固定されており、ツールヘッド14は、
図5に示したように、産業用ロボット16のロボットアーム15に固定されている。ロボットアーム15は、組合せ型の接合・制御装置を、
図1および
図3に従って、探索継ぎ目5,6に沿った方向と、接合継ぎ目に沿った方向の両方に、空間的に動かすことができる。
【0061】
図1の探索継ぎ目5,6の場合には、最初に探索継ぎ目5,6を形成した後、上側被加工部2を下側被加工部3の接合線4に接合するため、エネルギビーム10および検出器11を所定の開始点まで動かす。
図3に示した代替の探索継ぎ目5,6の場合には、エネルギビーム10は中断することなく接合継ぎ目に移行する。
【0062】
図1の探索継ぎ目5,6を形成しているときでさえ、エネルギビーム10によって、上側被加工物側2を下側被加工物側3の接合線4に点において結合することができる。したがって、被加工物は材料係止された状態にすでに予備的に固定され、その予備的に固定された位置において接合線4に沿って接合することができる。
【0063】
エネルギビーム10は、探索継ぎ目5,6および接合継ぎ目を、同じエネルギを使用して同じ速度で形成することができる。しかしながら、接合継ぎ目を形成するためのエネルギより大きい、または小さいエネルギを使用して、もしくは、接合継ぎ目を形成するための速度より小さい、または大きい速度で、またはその両方において、探索継ぎ目5,6を形成することもできる。
【0064】
図5は、据置き型の接合ステーション13および産業用ロボット16を備えたシステムの例を示している。産業用ロボット16は、ツールヘッド14を支持しているロボットアーム15を備えている。検出器11と、ツールヘッドに接続され、エネルギビーム10を出射させる装置10aと、が結合されている。
【0065】
装置10aは、エネルギ源17(エネルギビーム10のためのエネルギを生成または提供する)にラインL
Eを介して結合されており、コンピュータ18(例えばエネルギビーム10の動きを制御し、エネルギビームのエネルギを調整する)にラインL1を介して接続されている。
【0066】
検出器11は、ラインL2を介してコンピュータ18に接続されており、探索継ぎ目5,6および接合継ぎ目の両方について、溶接継ぎ目の代表的なパラメータの検出したデータをコンピュータ18に送信する。
【0067】
コンピュータはメモリ19を備えており、メモリ19には、加工するツールの、下側ツール部3に対する上側ツール部2の目標位置と、上側被加工部2を下側被加工部3に接合するためのエネルギビーム10の目標接合軌跡とが格納されている。コンピュータ18は、検出器11によって検出されたデータと、被加工物の目標位置データとを比較することができる。コンピュータ18は、検出器11によって検出された境界または接触点7,8に基づいて、下側被加工部3の上部の接合線4の検出された実際の位置が、コンピュータ18に格納されている、接合構造または下側被加工部3の目標位置から逸脱しているものと判定される場合、エネルギビーム10の目標接合軌跡を、コンピュータ18に格納されているアルゴリズムによって修正することができ、したがってコンピュータ18は、接合線4の検出された実際の輪郭に沿ってエネルギビーム10をガイドすることができる。
【0068】
図6は、下側被加工部3に接触していない上側被加工部2の表面領域A1と、上側被加工部2が下側被加工部3の接合線4に接触している表面領域A2との間の境界において、検出器11によって検出される探索継ぎ目5,6のパラメータの一般的な概形を示している。検出器11によって検出されるパラメータは、表面領域A1と表面領域A2との間の境界において急峻に変化する。
【0069】
エネルギビーム10によって探索継ぎ目5,6の形成が開始される、上側被加工部2の上面2aにおける位置が、コンピュータ18によって検出されて登録される、または所定の位置でありコンピュータ18に格納されているため、さらには、探索継ぎ目5,6を形成するときにエネルギビーム10を動かす方向および速度が所定の値でありコンピュータ18に格納されているため、コンピュータ18は、パラメータの急峻な変化に基づいて接触点7,8を登録することができ、1つまたは複数の登録された接触点7,8に基づいて、エネルギビーム11の接合軌跡の修正を計算することができる。
【0070】
ここまでの説明では、本発明の複数の可能な実施形態を開示してきたが、上述した技術的な特徴および実施形態と、当業者に明らかである技術的な特徴および実施形態の可能な組合せを通じて、実施形態の膨大な別の変形形態が存在することが理解されるであろう。さらに、例示的な実施形態は、単なる例にすぎず、本発明の保護範囲、適用範囲、または構造を制限するものではないことを理解されたい。そうではなく、ここまでの説明は、少なくとも1つの例示的な実施形態を実施する適切な方法を当業者に説明することを目的としている。例示的な実施形態には、請求項に開示されている保護範囲および均等範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置に関して膨大な変更を行うことができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0071】
1 被加工物
2 上側被加工部
2a 上面
3 下側被加工部
4 接合線
5,5’ 探索継ぎ目
6 探索継ぎ目
7 接触点、境界
8 接触点、境界
9 接合ステーション
10 エネルギビーム
10a 装置
11 検出器
12 コンピュータ
13 メモリ
14 ツールヘッド
15 ロボットアーム
16 産業用ロボット
17 エネルギ源
A1 表面領域
A2 表面領域
L1 ライン
L2 ライン
L
E ライン
【手続補正書】
【提出日】2016年1月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隠れている被加工部をエネルギビームによって接合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一方の部材が他方の部材の上に位置している領域において2つの部材を互いに接合する接合技術が公知であり、この方法では、2つの部材を結合する接合継ぎ目を、上側に位置する部材を貫いて形成しなければならず、この場合、2つの部材の互いに対する相対位置は、通常では、部材を測定し、接合位置における2つの部材の互いに対する位置を測定することによって求める。
【0003】
接合ステーション(joining station)において2つの部材をそれぞれの接合位置に調整した後、エネルギビームを
接合線に沿った所定の接合軌跡沿いに移動させて2つの部材を接合することができるが、この場合、例えば被加工部における許容製造公差が蓄積することによって、被加工部の間の確実かつ永久的な結合が確保されない位置に接合継ぎ目が配置されることがある。このような不完全な被加工物は、品質管理によって検出して取り除く、または再加工に送ることができる。この追加の工程ステップは時間がかかり、したがってコストが増す。
【0004】
特許文献1には、2つの被加工部をビームを使用して接合する方法が開示されており、この方法では、下側被加工部の上部の接合
線が上側被加工部によって隠れ、したがって、下側被加工部と上側被加工部を接合するための接合継ぎ目が正しく配置されているかをインラインで監視できない状態で、接合継ぎ目を配置しなければならない。この方法は、ビームを使用して接合する工程を開始する前に、
被加工部を測定して位置合わせするステップを含む。
【0005】
各被加工部を測定して位置合わせするステップは時間がかかり、したがって、例えば生産ラインにおけるサイクルタイムが長くなりうる。サイクルタイムが長くなると、単位時間あたりのスループットが低下し、したがってコストが増す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007062535号明細書
【特許文献2】国際公開第2009/140977号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、接合工程を開始する前に、手間とコストをかけて被加工部を測定する必要なしに、隠れている
接合線の位置を検出することが可能である方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載の方法によって解決される。本発明の別の実施形態それぞれは、従属請求項の主題である。これらの別の実施形態は、技術的に有利な任意の方法において互いに組み合わせることができる。後からの説明において、特に、図面と合わせて、本発明のさらなる特徴を開示する。
【0009】
本発明の一態様は、隠れている被加工部をエネルギビームによって接合する方法に関し、本方法では、第1のステップにおいて、下側被加工部と上側被加工部とを互いに対して位置決めし、上側被加工部と下側被加工部とが位置決めされると、上側被加工部が、下側被加工部の接合線に沿った領域において、または接合線に沿って直線状に、下側被加工部に接触し、これによって接合線が隠れる。接合線の目標輪郭は、1つの座標系においてエネルギビームのコントローラに既知である。
【0010】
上側被加工部と下側被加工部とが共通の接合接触部を形成しており、上側被加工部を、材料係止された状態に下側被加工部の接合線に接合する目的で、下側被加工部とは反対側の上側被加工部の上面にエネルギビームを導き、コントローラによって接合線または接合接触部に沿ってエネルギビームを動かす。
【0011】
上側被加工部を下側被加工部に接合する実際の工程を開始する前に、接合線またはその正確な位置および配置状態を検出するため、エネルギビームを使用して、上側被加工部の上面に探索継ぎ目(exploratory seam)を形成する。
【0012】
下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域と、接合線に接触している上側被加工部の表面領域とが接している境界を、検出器によって検出する。コントローラは、境界の位置を登録し、その位置と、コントローラに格納されている境界の目標位置とを比較する。
【0013】
コントローラは、境界の実際の位置が、コントローラに格納されている目標位置から逸脱しているものと判定される場合、接合線に沿ってエネルギビームの目標輪郭を修正する。
【0014】
探索継ぎ目は、その開始位置から、第1の境界が検出された位置を超えて延びることができる。具体的には、探索継ぎ目は、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域から、接合線に接触している上側被加工部の表面領域を超えて、下側被加工部に接触していない上側被加工部の別の表面領域内
まで、延びることができる。すなわち、探索継ぎ目は、
下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域から、接合線に接触している上側被加工部の表面領域に探索継ぎ目が移行するときの第1の境界と、
接合線に接触している上側被加工部の表面領域から、
接合線に接触していない上側被加工部の別の表面領域に探索継ぎ目が移行するときの、
接合線に接触している上側被加工部の第1の境界に対向する第2の境界と、を備えていることができる。
【0015】
探索継ぎ目の特性であるパラメータ、特に、物理パラメータまたは化学パラメータを、検出器によって検出および監視することができる。このようなパラメータは、例えば、探索溶接継ぎ目の熱エネルギ場、定格電流、電圧、またはガス流量とすることができる。
【0016】
検出器は、例えば、エネルギビームから近い距離における、またはエネルギビームの側に配置されている、エネルギビームを追跡する光学検出器とすることができる。検出器は、例えば、エネルギビームによって探索継ぎ目を形成している間にも、探索継ぎ目における熱エネルギ分布を検出することができる。
【0017】
検出器によって検出される(1つまたは複数の)パラメータの値は、境界において急峻に変化しうる。この急峻な変化は、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域と、接合線に接触している上側被加工部の表面領域との間の境界または境界点が、この位置に存在していることを示している。検出器は、例えば、特に上側被加工部に線状に接触している接合線の縁部、または
接合線の別の領域を検出し、すなわち、探索継ぎ目は、エネルギビームの側の上側被加工部の上面において、下側被加工部によって形成されている(下側被加工部の上部の)
接合線を隠している上側被加工部の表面領域内まで延びる。
【0018】
境界または境界点において検出された、(1つまたは複数の)パラメータの急峻な変化は、コントローラによって識別して登録することができる。この場合、「登録する」とは、上側被加工部および下側被加工部の寸法および方向が既知である例えばデカルト座標系において、境界をそのx方向、y方向、およびz方向に関して定義することを意味する。
【0019】
できる限り正確な位置を得る目的で、コントローラは、検出器によって取得されたデータにおける既知の歪みの少なくとも一部を排除するため、
検出器によって検出されたパラメータ値を処理するフィルタアルゴリズムを備えていることができる。
【0020】
特に、上側被加工部の下の複雑な接合線または角度のついた接合線の正確な位置を検出する目的で、上側被加工部の上面に少なくとも2本の探索継ぎ目をエネルギビームによって形成することが有利であり、これら探索継ぎ目のうちの少なくとも1本は、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域から、接合線に接触している上側被加工部の表面領域を超えて、下側被加工部に接触していない上側被加工部の別の表面領域内まで延び、他方の探索継ぎ目は、少なくとも、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域から、接合線に接触している上側被加工部の表面領域内
まで延びる。したがって、少なくとも2つの境界が検出器によって検出され、少なくとも2つの境界または境界点の実際の位置をコントローラによって登録する。次いで、境界の実際の位置を、コンピュータに格納されている境界の目標位置と比較することができ、したがって、被加工物の複雑または角度のついた隠れている接合線の実際の輪郭を求めることができる。
【0021】
2本の探索継ぎ目ではなく、3本以上の探索継ぎ目をエネルギビームによって配置し、検出器によって3つ以上の境界を検出してコントローラによって登録することも可能である。しかしながら、探索継ぎ目を追加するごとに、材料やエネルギ消費量が増大し、したがって時間およびコストがかかるため、本方法を適用する前に、各被加工物および各接合線について必要
数の探索継ぎ目の数を求めることができ、各接合継ぎ目の開始位置、方向、および長さを定義することができる。
【0022】
コントローラは、所定の境界のすべてを登録すると、上側被加工部によって隠れている接合線の実際の位置を求め、それを接合線の目標位置と比較し、接合線の実際の位置と目標位置とがずれている場合、コントローラに格納されているエネルギビームの接合軌跡を修正することができる。次いで、隠れている接合線において上側被加工部を下側被加工部に結合する目的で、コントローラは、上側被加工部の上面において、エネルギビームを接合線の実際の位置に沿ってガイドすることができる。
【0023】
これに代えて、最初の境界、または最初および2番目の境界が検出されて登録された後に、エネルギビームの動きを修正することができ、エネルギビームの動きを中断させることなく、探索継ぎ目を接合線に沿った接合継ぎ目に移行させることができる。すなわち、
コントローラは、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域が、接合線に接触している上側被加工部の表面領域に移行する第1の境界の実際の位置と目標位置とを比較するとき、検出されて登録された接合線の実際の位置と、所定の目標位置とを比較し、必要な場合、コントローラに格納されている目標位置における接合線に沿ったエネルギビームの接合軌跡に最初の修正を行う。
【0024】
上側被加工部を下側被加工部に接合している間に、エネルギビームが、接合線に接触している上側被加工部の表面領域から、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域に移行することが検出器によって検出された場合、目標位置における接合線に沿ったエネルギビームの接合軌跡(コントローラにおいてすでに一回修正されている)を、もう一度修正する。
接合線に接触している上側被加工部の表面領域のみに沿ってエネルギビームが動くようになるまで、このプロセスを繰り返すことができる。
【0025】
すなわち、コントローラは、蛇行状の動きによって、エネルギビームが
接合線の実際の輪郭を安定的にたどるようにする。
【0026】
エネルギビームのエネルギは、探索継ぎ目を形成するときよりも接合継ぎ目を形成するときに、より高くする、またはより低くすることができる。探索継ぎ目を形成するときには、下側被加工部に接触していない上側被加工部の表面領域から、接合線に接触している上側被加工部の表面領域にエネルギビームが移行するとき、またはこの逆方向にエネルギビームが移行するときに、探索継ぎ目の少なくとも1つの特性パラメータが高い信頼性で急峻に変化する大きさのエネルギを使用することができる
。検出器が最初の境界を検出したとき、または例えばコントローラにおける所定のタイミングより後に、探索継ぎ目が中断なしに接合継ぎ目に移行する場合、エネルギビームのエネルギを、例えば探索継ぎ目のエネルギ値から接合継ぎ目のエネルギ値に増大または減少させることができる。
【0027】
これに代えて、またはこれに加えて、エネルギビームの側の上側被加工部の上面をエネルギビームが動く速度は、探索継ぎ目を形成するときと接合継ぎ目を形成するときとで異なっていてよい。例えば、接合継ぎ目を形成するときよりも探索継ぎ目を形成するときに、より高い速度、またはより低い速度でエネルギビームを動かすことができる。
【0028】
本方法の全体をまとめると、一般的には、検出器によって境界を検出し、コントローラによって境界の位置を登録し、それをコントローラに格納されている境界の位置と比較し、境界のうちの少なくとも1つの位置が逸脱している場合、接合線に接触している上側被加工部の表面領域内にエネルギビームを導くまたは戻す目的で、接合線に沿ってエネルギビームの動きを修正する。
【0029】
探索継ぎ目は、コントローラに格納されている接合線に対して斜めに、または接合線を横切る方向に形成することができる。
【0030】
特に、
接合線を実質的に横切る方向に延びる探索継ぎ目を形成しているとき、エネルギビームによって、少なくとも点において材料係止された状態に、上側被加工部を下側被加工部の接合線に結合または固定することができる。したがって、上側被加工部が点において
接合線に結合され、次の接合工程のための接合位置が確定される。
【0031】
検出器は、接合継ぎ目の品質を監視するシステムの検出器とすることができる。品質監視システムは、特に、接合継ぎ目の品質をインラインで監視することのできる品質監視システムである。この場合に「インラインで」とは、接合継ぎ目または探索継ぎ目が形成されるのと実質的に並行して品質管理が実行されることを意味する。
【0032】
接合方法は、溶接法、はんだ付け法、または接着法とすることができる。接着法においては、接合線の上に塗布してエネルギビームの熱エネルギによって活性化させる接着剤を使用することができる。接着法およびはんだ付け法においては、接着剤を活性化させる、またははんだを溶かすのに、探索継ぎ目を形成するためのエネルギビームのエネルギで十分である。すなわち、エネルギビームが中断なしに探索継ぎ目から接合継ぎ目に移行し、かつ、エネルギビームが蛇行状に接合線の上を安定的に動いている、すなわち接合線に接触している上側被加工部の
上側表面領域を安定的に動いている場合、接着法やはんだ付け法においては、接合方法に関して上述したエネルギビームのエネルギを増大させるステップを省くことができる。
【0033】
溶接法は、例えば、溶解用電極(MIG,MAG)を使用する電気アーク溶接法、レーザ溶接法、高周波誘導溶接法、プラズマ溶接法、またはその他の適切な溶接法とすることができる。
【0034】
説明した本方法は、原理的には、任意の2つの
被加工部を、隠れている継ぎ目において接合する目的に有利に使用することができ、この場合、上側被加工部および
下側被加工部を同じ材料(例えば金属またはプラスチック)から形成することができる。金属は、特に、薄肉鋳鋼物または金属鋳造物とすることができる。しかしながら、
接合線を含む下側被加工部とは異なる材料から上側被加工部を形成することも可能である。
【0035】
上側被加工部および下側被加工部は、いずれも、例えば自動車の構造部または自動車の車体の一部とすることができ、すなわち、本方法は、自動車など大量生産される製品の生産ラインにおいて有利に使用することができる。
【0036】
下側被加工部を上側被加工部に接合する目的で、下側被加工部もしくは上側被加工部またはその両方を、接合ステーション内に配置することができ、好ましくは接合ステーション内で互いに対して位置決めする、または接合ステーション内に配置する前に互いに対して位置決めする。この場合、接合ステーションは、据置き型の接合ステーション、または、ロボットアームに結合されており、接合時にロボットアームによって空間的に移動する接合ステーションである。
【0037】
接合ステーションは、下側被加工部および上側被加工部が接合ステーション内に配置された(場合によってはさらに位置決めされた)後に、下側被加工部および上側被加工部が座標系(例えばデカルト座標系)において既知の位置に存在するように、構成することができる。この既知の位置を、
コントローラに入力し、コントローラに格納することができ、すなわちコントローラは、上側被加工部によっ
て隠れている、下側被加工部の上部の接合線の理論的位置および理論的輪郭を認識しており、接合線に沿ってエネルギビームをガイドすることができる。例えば上側被加工部および下側被加工部における許容公差が蓄積することに起因して、コントローラに格納されている目標位置に接合線が存在しないことがある。したがって、コントローラがエネルギビームを高い信頼性で接合線に沿ってガイドすることができず、こうして形成された接合継ぎ目が不良となることがある。隠れている接合線またはその実際の位置を特定する目的で、上述したようにエネルギビームによって上側被加工部の上面に探索継ぎ目を形成することができる。
【0038】
探索継ぎ目および接合継ぎ目を形成する目的で、高エネルギビームを発生させるシステムのビーム出射部、もしくは、品質管理装置の検出器、またはその両方を、ロボットアームに固定して、組合せ型の接合・制御装置(combined joining and control tool)を形成することができる。ロボットアームは、空間的に自由に動くことができるものとすることができる。
【0039】
接合する部材それぞれがロボットアームに結合されており、したがってこれらの部材を空間的に自由に動かすことができ、組合せ型の接合・制御装置が据置き型の装置である、または別のロボットアームに結合されており空間的に自由に動かすことができる場合、下側被加工部を上側被加工部に接合するステップを、連続的な接合工程として実行することができる。
【0040】
締め付け枠(clamping frame)を使用することなく要素を接合する方法および装置は、出願人の国際出願である特許文献2から公知であり、この文書は参照によって本明細書に明示的に組み込まれている。
【0041】
本発明の別の態様は、上述した本方法を実行するコンピュータプログラムに関する。
【0042】
コンピュータは、記憶システムおよびバスシステムとのデータ接続を有するデジタルマイクロプロセッサユニット(CPU)と、ワーキングメモリ(RAM)と、記憶手段と、を備えていることができる。CPUは、記憶システムに格納されているプログラムとして具体化されている命令を実行し、データバスからの入力信号を検出し、出力信号をデータバスに出力するように、設計されている。記憶システムは、本方法および有利な実施形態を実行する対応するコンピュータプログラムが格納されている、さまざまな記憶媒体(光媒体、磁気媒体、固体媒体、他の不揮発性媒体など)を備えていることができる。プログラムは、本明細書に記載されている本方法に相当する、もしくは本方法を実行することができる、またはその両方であるように設計することができ、したがって、CPUはそのような方法のステップを実行することができ、したがって接合装置のエネルギビームを制御することができる。
【0043】
本方法を実行するのに適するコンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータ上で実行されるときに本方法のすべてのステップを実行するプログラムコード手段、を備えている。
【0044】
コンピュータプログラムは、すでに存在する
コントローラに、簡単な手段によって入力することができ、このコンピュータプログラムを使用することで、隠れている接合継ぎ目に沿って被加工物を接合する方法を制御することができる。
【0045】
本発明の別の態様は、プログラムコード手段がコンピュータ上で実行されるときに、上述した本方法を実行できるようにする目的で、コンピュータ可読データ記憶媒体に格納されているプログラムコード手段を備えたコンピュータプログラム製品、に関する。
【0046】
コンピュータプログラム製品は、改造オプションとして
コントローラに組み込むこともできる。
【0047】
本明細書の説明全体および請求項において、冠詞(「a(n)」)は、不定冠詞として使用されており、要素の数を単数に制限しない。「a(n)」が「ただ1つの」の意味を持つように意図される場合、そのことは、当業者には文脈から理解される、または、例えば「1つの」などの適切な表現を使用することによって明確に示してある。
【0048】
以下では、例示的な実施形態について、図面に基づいてさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】2本の探索継ぎ目が形成された被加工物を示している。
【
図2】
図1の被加工物を斜視図において示している。
【
図3】代替の探索継ぎ目を有する被加工物を示している。
【
図4】探索継ぎ目を形成するときのエネルギビームおよび検出器の詳細図を示している。
【
図5】接合ロボットを有する据置き型の接合ステーションを示している。
【
図6】境界を検出するときの測定曲線の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、上側被加工部2および下側被加工部3からなる被加工物1を示している。上側被加工部2は下側被加工部3の上に位置しており、したがって、図
4に示したエネルギビーム10は、上側被加工部2が下側被加工部3に接触している接合線4を直接的に処理することができない。
【0051】
上側被加工部2に対する下側被加工部3の正確な位置を求めることができるようにする目的で、エネルギビーム10の側の上側被加工部2の上面2aに、(この例示的な実施形態においてはエネルギビーム10によって)2本の探索継ぎ目5
;6が形成されている。
【0052】
上側被加工部2に対する下側被加工部3のおよその位置は、一般的な接合公差の範囲内で既知であるため、上側被加工部2の
上側2aの、すでに接合線4に近い領域に、探索継ぎ目5
;6の開始部分にエネルギビーム10を配光することができ、この場合、探索継ぎ目5
;6は、接合線4を実質的に横切る方向に形成する、または、接合線4の角部または曲線の領域に形成し、したがって、探索継ぎ目5
;6によって角部の前後に接合線4を検出することができる。
【0053】
探索継ぎ目5
;6を形成しているとき、探索継ぎ目5
;6または探索継ぎ目5
;6の少なくとも1つの代表的なパラメータを、図
4に示した検出器11によって監視することができる。探索継ぎ目5
;6が、下側被加工部3に接触していない上側被加工部2の表面領域A1から、上側被加工部2が接合線4に接触している表面領域A2に移行するとき、検出器11によって監視されている探索継ぎ目5
;6の少なくとも1つのパラメータが急峻に変化する。逆の場合、すなわち探索継ぎ目5
;6が表面領域A2から表面領域A1に移行するときにも、同じことが起こる。
【0054】
すなわち、探索継ぎ目5
;6が表面領域A1から表面領域A2に移行する、または表面領域A2から表面領域A1に移行する境界または接触点7,8を、検出器11によって検出することができる。下側被加工部3および上側被加工部2の位置は、例えば接合ステーション9の基準系(デカルト座標系など)において既知であるため、接触点7,8の位置を正確に検出することができる。上側被加工部2に対する下側被加工部3の実際の位置は、接触点7,8の位置から得られる。
【0055】
上側被加工部2に対する下側被加工部3の目標位置、またはエネルギビーム10の所定の目標接合軌跡(これらはコンピュータ
12に格納されており、
図1には示していない)を、探索継ぎ目5
;6または探索継ぎ目5
;6の接触点7,8の検出された位置を使用して、エネルギビーム10の実際の接合軌跡に修正する。
【0056】
図2は、
図1の被加工物1を斜視図において示している。下側被加工部3の接合線4の位置、または上側被加工部2が下側被加工部3の接合線4の上に位置している領域は、破線によって示してある。探索継ぎ目5,6は、上側被加工部2が下側被加工部3に接触していない表面領域A1から、上側被加工部2が下側被加工部3の接合線4に接触している表面領域A2を超えて、別の表面領域A1の中まで延在している。
図1に関連してすでに説明したように、表面領域A1と表面領域A2との間の境界における接触点7と、表面領域A2と表面領域A1との間の境界における接触点8が、検出器11(図示していない)によって検出され、上側被加工部2に対する下側被加工部3の現在位置および配置状態を、接触点7,8の実際の位置から計算する。下側被加工部3のこの計算された位置および配置状態に基づいて、エネルギビーム10(図示していない)を移動させる接合軌跡を計算する。
【0057】
図3は、代替の探索継ぎ目5’を示している。探索継ぎ目5’は、接合線4に対して鋭角をなす方向に形成されている。この場合、検出器11によって接触点7
;8が検出されると、コンピュータ
12に格納されているエネルギビーム10の目標接合軌跡がただちに修正され、エネルギビーム10が接合線4の実際の位置の方に旋回する。そのわずか後に、検出器11によって別の接触点7
;8が検出されると、エネルギビーム10の接合軌跡がもう一度修正される。図
3に示したように、蛇行状の動きによって、エネルギビーム10が、被加工物1を接合するための正しい実際の接合軌跡を安定的にたどるようになるまで、このプロセスを複数回繰り返すことができる。
【0058】
図4は、エネルギビーム10を使用して探索継ぎ目
5’が形成されており、それと同時に探索継ぎ目
5’の少なくとも1つの代表的なパラメータが検出器11によって監視されている状況を示している。
【0059】
図示した例示的な実施形態においては、エネルギビーム10はレーザビームであり、検出器11は、品質保証装置の光学検出器11であり、品質保証装置を使用することで、溶接継ぎ目の品質を、インラインで(すなわち溶接継ぎ目が形成されている間に、または溶接継ぎ目が形成されたわずか後に)監視することができる。
【0060】
この例示的な実施形態においては、検出器11と、エネルギビーム10を出射させる装置10aは、共通のツールヘッド(tool head)14に固定されており、ツールヘッド14は、
図5に示したように、産業用ロボット16のロボットアーム15に固定されている。ロボットアーム15は、組合せ型の接合・制御装置を、
図1および
図3に従って、探索継ぎ
目に沿った方向と、接合継ぎ目に沿った方向の両方に、空間的に動かすことができる。
【0061】
図1の探索継ぎ目5
;6の場合には、最初に探索継ぎ目5,6を形成した後、上側被加工部2を下側被加工部3の接合線4に接合するため、エネルギビーム10および検出器11を所定の開始点まで動かす。
図3に示した代替の探索継ぎ目
5’の場合には、エネルギビーム10は中断することなく接合継ぎ目に移行する。
【0062】
図1の探索継ぎ目5
;6を形成しているときでさえ、エネルギビーム10によって、上側
被加工部2を下側
被加工部3の接合線4に点において結合することができる。したがって、被加工物
1は材料係止された状態にすでに予備的に固定され、その予備的に固定された位置において接合線4に沿って接合することができる。
【0063】
エネルギビーム10は、探索継ぎ目5
;6および接合継ぎ目を、同じエネルギを使用して同じ速度で形成することができる。しかしながら、接合継ぎ目を形成するためのエネルギより大きい、または小さいエネルギを使用して、もしくは、接合継ぎ目を形成するための速度より小さい、または大きい速度で、またはその両方において、探索継ぎ目5
;6を形成することもできる。
【0064】
図5は、据置き型の接合ステーション
9および産業用ロボット16を備えたシステムの例を示している。産業用ロボット16は、ツールヘッド14を支持しているロボットアーム15を備えている
。検出器11
とエネルギビーム10を出射させる装置10
aとがツールヘッド14に結合されている。
【0065】
装置10aは、エネルギ源17(エネルギビーム10のためのエネルギを生成または提供する)にラインL
Eを介して結合されており、コンピュータ
12(例えばエネルギビーム10の動きを制御し、エネルギビーム
10のエネルギを調整する)にラインL1を介して接続されている。
【0066】
検出器11は、ラインL2を介してコンピュータ
12に接続されており、探索継ぎ目5
;6および接合継ぎ目の両方について、溶接継ぎ目の代表的なパラメータの検出したデータをコンピュータ
12に送信する。
【0067】
コンピュータ
12はメモリ
13を備えており、メモリ
13には、加工する
被加工物1の、下側
被加工部3に対する上側
被加工部2の目標位置と、上側被加工部2を下側被加工部3に接合するためのエネルギビーム10の目標接合軌跡とが格納されている。コンピュータ
12は、検出器11によって検出されたデータと、被加工物
1の目標位置データとを比較することができる。コンピュータ
12は、検出器11によって検出された境界または接触点7,8に基づいて、下側被加工部3の上部の接合線4の検出された実際の位置が、コンピュータ
12に格納されている、
接合線または下側被加工部3の目標位置から逸脱しているものと判定される場合、エネルギビーム10の目標接合軌跡を、コンピュータ
12に格納されているアルゴリズムによって修正することができ、したがってコンピュータ
12は、接合線4の検出された実際の輪郭に沿ってエネルギビーム10をガイドすることができる。
【0068】
図6は、下側被加工部3に接触していない上側被加工部2の表面領域A1と、上側被加工部2が下側被加工部3の接合線4に接触している表面領域A2との間の境界において、検出器11によって検出される探索継ぎ目5
;6のパラメータの一般的な概形を示している。検出器11によって検出されるパラメータは、表面領域A1と表面領域A2との間の境界において急峻に変化する。
【0069】
エネルギビーム10によって探索継ぎ目5
;6の形成が開始される、上側被加工部2の上面2aにおける位置が、コンピュータ
12によって検出されて登録される、または所定の位置でありコンピュータ
12に格納されているため、さらには、探索継ぎ目5
;6を形成するときにエネルギビーム10を動かす方向および速度が所定の値でありコンピュータ
12に格納されているため、コンピュータ
12は、パラメータの急峻な変化に基づいて接触点7
;8を登録することができ、1つまたは複数の登録された接触点7
;8に基づいて、エネルギビーム
10の接合軌跡の修正を計算することができる。
【0070】
ここまでの説明では、本発明の複数の可能な実施形態を開示してきたが、上述した技術的な特徴および実施形態と、当業者に明らかである技術的な特徴および実施形態の可能な組合せを通じて、実施形態の膨大な別の変形形態が存在することが理解されるであろう。さらに、例示的な実施形態は、単なる例にすぎず、本発明の保護範囲、適用範囲、または構造を制限するものではないことを理解されたい。そうではなく、ここまでの説明は、少なくとも1つの例示的な実施形態を実施する適切な方法を当業者に説明することを目的としている。例示的な実施形態には、請求項に開示されている保護範囲および均等範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置に関して膨大な変更を行うことができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0071】
1 被加工物
2 上側被加工部
2a 上面
3 下側被加工部
4 接合線
5,5’ 探索継ぎ目
6 探索継ぎ目
7 接触点、境界
8 接触点、境界
9 接合ステーション
10 エネルギビーム
10a
ビーム出射装置
11 検出器
12 コンピュータ
13 メモリ
14 ツールヘッド
15 ロボットアーム
16 産業用ロボット
17 エネルギ源
A1 表面領域
A2 表面領域
L1 ライン
L2 ライン
L
E ライン
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隠れている被加工部をエネルギビーム(10)によって接合する方法であって、
a) 少なくとも1つの下側被加工部(3)と少なくとも1つの上側被加工部(2)が互いに対して位置決めされ、
b) 前記少なくとも1つの下側被加工部(3)と前記少なくとも1つの上側被加工部(2)が位置決めされると、前記少なくとも1つの上側被加工部(2)が、前記少なくとも1つの下側被加工部(3)の接合線(4)に沿って前記少なくとも1つの下側被加工部(3)に接触し、かつ前記接合線(4)を隠し、前記接合線(4)の目標輪郭が、1つの座標系においてコントローラに既知であり、
c) 前記少なくとも1つの上側被加工部(2)を、材料係止された状態に前記接合線(4)に接合する目的で、前記少なくとも1つの下側被加工部(3)とは反対側の前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の上面(2a)に前記エネルギビーム(10)が導かれ、前記エネルギビーム(10)が前記コントローラによって前記接合線(4)に沿って動かされ、
d) 前記接合線(4)を検出するため、前記エネルギビーム(10)を使用して、前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の前記上面(2a)に探索継ぎ目(5;5’;6)が形成され、
e) 前記少なくとも1つの下側被加工部(3)に接触していない前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の表面領域(A1)と、前記接合線(4)に接触している前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の表面領域(A2)とが接している境界(7;8)が、検出器(11)によって検出され、
f) 前記コントローラが、前記境界(7;8)の位置を登録し、前記位置と、前記コントローラに格納されている前記境界(7;8)の目標位置とを比較し、
g) 前記境界(7;8)の前記位置が逸脱している場合、前記接合線(4)に沿って前記エネルギビーム(10)の動きを修正する、
方法。
【請求項2】
前記探索継ぎ目(5;6)が、前記少なくとも1つの下側被加工部(3)に接触していない前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の前記表面領域(A1)から、前記接合線(4)に接触している前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の前記表面領域(A2)を超えて、前記少なくとも1つの下側被加工部(3)に接触していない前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の別の表面領域(A1)内まで、延び、前記コントローラが、前記2つの境界(7;8)の位置を登録する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記探索継ぎ目(5;5’;6)の特性であるパラメータ、特に、物理パラメータまたは化学パラメータが、前記検出器(11)によって検出および監視される、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記検出器(11)によって検出される前記パラメータの値が、前記境界(7;8)において急峻に変化する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの上側被加工部(2)の前記上面(2a)に、間隔を隔てた少なくとも2本または3本の探索継ぎ目(5,6)が形成され、前記検出器(11)によって監視される、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
最初の境界(7;8)、または最初および2番目の境界(7;8)が登録された後に、前記エネルギビーム(10)の動きが修正され、前記探索継ぎ目(5’)が、前記エネルギビーム(10)の動きを中断することなく、前記接合線(4)に沿った接合継ぎ目に移行する、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記エネルギビーム(10)が、前記コントローラによって、蛇行状の動きにより前記接合線(4)の実際の輪郭を安定的にたどるようにされる、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記境界(7,8)の前記位置が前記コントローラによって登録され、前記コントローラに格納されている前記境界(7,8)の前記位置と比較され、前記境界(7,8)のうちの少なくとも1つの境界の位置が逸脱している場合、前記接合線(4)に沿って前記エネルギビーム(10)の動きが修正される、
請求項5から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記探索継ぎ目(5,5’,6)が、前記接合線(4)に対して斜めに、または前記接合線(4)を横切る方向に形成される、
請求項1から請求項8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記探索継ぎ目(5,5’,6)が形成されているとき、少なくとも点において材料係合された状態に、前記少なくとも1つの上側被加工部(2)が前記少なくとも1つの下側被加工部(3)の前記接合線(4)に結合される、
請求項1から請求項9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記検出器(11)が、接合継ぎ目の品質を監視するシステムの検出器(11)である、
請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのパラメータが、熱エネルギまたは温度、光強度、波長、定格電流、または他の特徴的な接合パラメータである、
請求項1から請求項11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記接合方法が、溶接法、はんだ付け法、または接着法である、
請求項1から請求項12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記溶接法が、溶解用電極を使用する電気アーク溶接法、レーザ溶接法、高周波誘導溶接法、またはプラズマ溶接法である、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記下側被加工部(3)が自動車の構造部または自動車の車体の一部であり、前記上側被加工部(2)が自動車の構造部または自動車の車体の一部である、
請求項1から請求項14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの下側被加工部(3)および前記少なくとも1つの上側被加工部(2)を接合する目的で、前記少なくとも1つの下側被加工部(3)もしくは前記少なくとも1つの上側被加工部(2)またはその両方が、接合ステーション(9)内に配置され、好ましくは前記接合ステーション(9)内で互いに対して位置決めされる、または前記接合ステーション(9)内に配置される前に互いに対して位置決めされる、または、前記少なくとも1つの上側被加工部(2)および前記少なくとも1つの下側被加工部(3)が、各ロボットアームによって保持され、前記ロボットアームによって互いに対して位置決めされ、前記接合ステーション(9)が、据置き型の接合ステーション(9)である、または、ロボットアーム(15)に結合されており接合時に前記ロボットアーム(15)によって空間的に移動する接合ステーション(9)である、
請求項1から請求項15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記検出器(11)、もしくは、前記エネルギビーム(10)を発生させるシステム(10a)の少なくともビーム出射部、またはその両方が、ロボットアーム(15)に固定されている、
請求項1から請求項16のいずれかに記載の方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】