(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-525979(P2016-525979A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(54)【発明の名称】アルミニウム材料で作られ自動車のトランクリッドで使用されるグースネック異形材の生産方法
(51)【国際特許分類】
B62D 25/12 20060101AFI20160805BHJP
B62D 25/10 20060101ALI20160805BHJP
【FI】
B62D25/12 A
B62D25/10 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-515319(P2016-515319)
(86)(22)【出願日】2014年5月21日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月18日
(86)【国際出願番号】TR2014000177
(87)【国際公開番号】WO2014189477
(87)【国際公開日】20141127
(31)【優先権主張番号】2013/06219
(32)【優先日】2013年5月24日
(33)【優先権主張国】TR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515322493
【氏名又は名称】トクサン イェデク パルカ イマラト チカレット ヴェ サナイ アノニム シルケチ
【氏名又は名称原語表記】TOKSAN YEDEK PARCA IMALAT TICARET VE SANAYI ANONIM SIRKETI
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】クチュグオグル,オーウザン
【テーマコード(参考)】
3D004
【Fターム(参考)】
3D004AA03
3D004BA03
3D004CA14
(57)【要約】
本発明は、車両においてトランクリッド(5)と車体(6)との間に位置決めされたグースネック異形材(1)の生産方法に関し、前記グースネック異形材(1)がアルミニウムであり、アルミニウム押出し法によって生産され、その後グースネックの形状が付与されることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両においてトランクリッド(5)と車体(6)との間に位置決めされたグースネック異形材(1)の生産方法であって、
前記グースネック異形材(1)がアルミニウムであり、
その後グースネックの形状が付与される
ことを特徴とする生産方法。
【請求項2】
前記グースネック異形材(1)を押出し技術で生産する処理工程を含む請求項1記載の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板材料に替えてアルミニウム合金から押出し法によってグースネック型のトランクヒンジ異形材を生産することに関する。
【背景技術】
【0002】
トランクは乗用車において荷物を入れる場所である。グースネック形状の異形材は、トランクヒンジ異形材を表す。
【0003】
車両においてトランクヒンジとして使用され、「グースネック型」と呼ばれるヒンジタイプは、その一方の側がトランクリッドに接続された異形材又はパイプであり、他方の側が車体上に配置され、それに対して回転軸で運動自在に接続されたブラケットから構成されているが、このヒンジタイプは多くの自動車メーカに好まれている。その寸法が大きいためにトランクの容量を減少させてしまうという欠点はあるものの、トランクリッドを開けるのに必要な力を低減できるという重要な利点がある。現在のヒンジ異形材の重さは1187グラムである。
【0004】
鋼製のヒンジ異形材は、曲げによるシート状又は帯状の金属材料を溶接することに基づく、溶接パイプ生産方法で作られる。
【0005】
しかしながら、鋼は重い材用であるため、生態バランスを乱す廃ガスの量を減らすために、燃料消費を低減する生産及び開発技術によって燃料の使用を最小限にすることが探究されている。車両の快適性の増加及び乗員の安全性の重視に伴い新しい部品が追加され、そのために車両の重量が増加する。
【0006】
上記の理由のため、車両の主要部品の重量を減少させる必要がある。重量が100kg減少する毎に、車両において100km当りに消費される燃料が0.6リットル減少する。また、少ない燃料消費により、低い排気エミッション値及び少ない運転コストとなる。燃料消費の少ない環境に優しい自動車は重量がより軽くなければならない。設計変更以外でこれを実現する唯一の方法は、自動車の生産においてより軽量な材料を使用することである。
【0007】
上記の理由のため、グースネック型のトランクヒンジ異形材の重量を減少させるためにアルミニウム異形材が使用される。現在のヒンジ異形材の重さは1187グラムであるが、アルミニウム異形材の重さは、その壁厚が鋼製の異形材よりも厚いのにもかかわらず、490グラムである。ヒンジ異形材の材料をアルミニウムに変更して、現在の鋼板製異形材と比較すると、ヒンジ異形材において約60%の重量減少を達成できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
結論として言えば、上記の課題と主題に関しての既存の不十分な解決策のために、関連する技術分野において改善を行うことが必要とされている。
【0009】
現在の状態によって動機づけられて構成された本発明は、上記した欠点を無くすことを目指すものである。
【0010】
本発明の目的は、安全性、快適性及び信頼性について妥協することなく自動車の重量を減少させることである。
【0011】
本発明の目的は、生態バランスを乱す廃ガスの量を減少させることである。
【0012】
本発明の別の目的は、燃料消費を低減し、燃料の使用を最小限にすることである。
【0013】
本発明によれば、自動車がより環境に優しくなる。
【0014】
本発明の目的は、不要な燃料消費を低減して、少ない燃料でより効率的な運転を行えるようにすることである。
【0015】
本発明の目的は、鋼板材料製のトランクヒンジ異形材の生産をAl−Mg−Si合金から行うことによってヒンジ異形材の重量を60%低減することである。
【0016】
本発明の目的は、異形材の材料の生産での曲げ工程を無くすことである。本発明では、曲げプロセスと溶接プロセスを含む溶接曲げを鋼板に適用することで異形材を得る。アルミニウム異形材は押出し法によって生産されるため、曲げ工程が無くなり、前記の中間プロセスが省かれる。
【0017】
本発明の更に他の目的は、トランクヒンジをアルミニウムに転換することにより、溶接パイプの生産における曲げ及び溶接プロセスを無くすことである。アルミニウムヒンジ異形材は、所望の形状の型を用いて押出し法によって作られるため、曲げ及び溶接プロセスを無くすことができる。これにより、生産及び労働コストにおいて有利である。
【0018】
本発明の構成及び特徴並びに全ての利点は、以下の図面及び図面を参照して書かれた詳細な説明により、より明確に理解でき、従って、これらの図及び詳細な説明を考慮して評価を行う必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】アルミニウム材料によって作られた本発明による「グースネック型」トランクヒンジ異形材の斜視図。
【
図2】本発明によるアルミニウム製の「グースネック型」トランクヒンジ異形材の側面図。
【
図3】トランクに適用された本発明によるアルミニウム製の「グースネック型」トランクヒンジ異形材の図。
【
図4】トランクに適用された本発明によるアルミニウム製の「グースネック型」トランクヒンジ異形材の異なる角度からの図。
【0020】
図面は一定の縮尺である必要はなく、本発明の理解に必要でない細部は無視されされている。更に、少なくともほぼ同一であるか或いは少なくともぼぼ同一の機能を有する部材は同じ番号で参照される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の詳細な説明では、本発明による接続アッセンブリの好適な実施の形態を、本発明のより良い理解のために説明する。
【0022】
本発明は、グースネック異形材(1)と、鋼製ブラケット(2)と、ブッシュ(3)と、ピン(4)とから構成され、自動車において使用されるグースネック型のトランクヒンジ異形材であって、グースネック異形材(1)は、アルミニウム材料から作製される。
【0023】
アルミニウム合金から生産されることが望まれる後部トランク用グースネック異形材(1)は押出し法によって生産される。しかし、現在のヒンジで使用されている異形材は、鋼板を曲げることによって生産されている(溶接パイプベンド)。押出し法の使用によりこの中間曲げプロセスを無くすことができる。
【0024】
本発明は、車両においてトランクリッド(5)と車体(6)との間に位置決めされたグースネック異形材(1)の生産方法に関し、
−前記グースネック異形材(1)がアルミニウムであり、
−アルミニウム押出し法によって生産され、
−その後グースネックの形状が付与される
ことを特徴とする。
【0025】
近年、CO
2排出量の減少、特に京都プロトコルに関して国際的な規制が自動車分野にもたらされており、特に車両についての重量減少の研究が重要になってきている。アルミニウム合金は、軽量な材料として重要なだけでなく、パッシブセーフティシステムのためにも重要であると考えられている。事故の場合、パッシブセーフティシステムは、事故の悪影響を低減するために、構造的な改良や材料の変更などの設計的予防処置を車両に対して行っている。
【0026】
本発明の利点は、アルミニウム製ヒンジ異形材の使用によって車両の重量を減少でき、その結果C0
2排出量を減少できることである。
【0027】
本発明においては、グースネック異形材(1)、鋼製ブラケット(2)、ブッシュ(3)、ピン(4)及びトランクリッド(5)が主要な部品である。
【0028】
グースネック異形材(1)は、ヒンジの主要部品であり、その一方の側はトランクリッド(5)に接続され、他方の側は車体上にあると共にそれに(異形材(1))に対して回転軸で運動自在に接続された鋼製ブラッケット(2)から構成される。
【0029】
鋼製ブラッケット(2)は、グースネック異形材(1)を自動車に取付けるための部材である。
【0030】
ブッシュ(3)は、グースネック異形材(1)と鋼製ブラッケット(2)の取付けに使用される。これは、摩擦力を低減することによってヒンジの動きを容易にする。
【0031】
ピン(4)は、グースネック異形材(1)と鋼製ブラッケット(2)の取付けに使用される。
【0032】
トランクリッド(5)は、自動車のトランク部分を開けることを可能にする。それは、グースネック異形材(1)、鋼製ブラッケット(2)、ブッシュ(3)及びピン(4)から構成されるグースネック型のヒンジ異形材によってこの動作を行う。
【符号の説明】
【0033】
1 グースネック異形材
2 鋼製ブラケット
3 ブッシュ
4 ピン
5 トランクリッド
6 車体
【国際調査報告】