(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-526801(P2016-526801A)
(43)【公表日】2016年9月5日
(54)【発明の名称】窒化物半導体紫外線発光素子
(51)【国際特許分類】
H01L 33/32 20100101AFI20160808BHJP
【FI】
H01L33/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-525309(P2016-525309)
(86)(22)【出願日】2014年10月29日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月7日
(86)【国際出願番号】KR2014010224
(87)【国際公開番号】WO2015068980
(87)【国際公開日】20150514
(31)【優先権主張番号】10-2013-0135335
(32)【優先日】2013年11月8日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】516008903
【氏名又は名称】ポステク アカデミー−インダストリー ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョン ギュ
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA03
5F241AA21
5F241CA04
5F241CA40
5F241CA74
5F241CB11
5F241CB36
5F241FF16
(57)【要約】
本発明は、n型半導体層の露出面にn電極と接触特性を向上することができるn電極形成層を形成することにより、電気的特性及び光変換効率を改善可能な窒化物半導体紫外線発光素子に関する。
このために、本発明の窒化物半導体紫外線発光素子は、基板上に順次積層されるn型半導体層と、活性層TP、p型半導体層とを含み、電流印加のためのn電極と、p電極とが備えられた窒化物半導体紫外線発光素子において、前記p型半導体層、活性層、及び前記n型半導体層の一部がエッチングされることにより露出された前記n型半導体層の露出面の一部または全体にn電極形成層が備えられ、前記n電極形成層を覆うように前記n型半導体層露出面の上側にn型金属層が形成されるが、前記n電極形成層は、前記n型半導体層よりもバンドギャップエネルギが小さくなるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に順次積層されるn型半導体層と、活性層TP、p型半導体層とを含み、電流印加のためのn電極と、p電極とが備えられた窒化物半導体紫外線発光素子において、
前記p型半導体層、活性層、及び前記n型半導体層の一部がエッチングされることにより露出された前記n型半導体層の露出面の一部または全体にn電極形成層が備えられ、前記n電極形成層を覆うように前記n型半導体層露出面の上側にn型金属層が形成されるが、前記n電極形成層は、前記n型半導体層よりもバンドギャップエネルギが小さいことを特徴とする窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項2】
前記n型半導体層は、AlzGa1-zN(0≦z≦1)の組成で形成され、前記n電極形成層は、AluGa1-uN(0≦u≦1、u<z)の組成で形成されることにより、前記n電極形成層が、前記n型半導体層よりもバンドギャップエネルギが小さく構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項3】
前記n電極形成層は、複数の層構造を有するように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項4】
前記n電極形成層を形成する複数の層は、上部に行くほどバンドギャップエネルギが減少する層構造で構成されたことを特徴とする、請求項3に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項5】
前記n電極形成層は、上部に行くほどバンドギャップエネルギが徐々に減少するグラデーション(gradation)形態に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項6】
前記n電極形成層は、選択領域成長法を通じて成長されたことを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項7】
前記n電極形成層は、前記n型半導体層の露出面に誘電体層を形成し、前記誘電体層の一部を開口させた後、半導体層を成長させる方法により成長されたことを特徴とする、請求項6に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項8】
前記誘電体層は、SiO2、SiOx、SiN、SiNx、Al2O3、GaOの少なくともいずれか1つからなることを特徴とする、請求項7に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項9】
前記活性層と前記p型半導体層との間に備えられた電子遮断層;をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項10】
前記n電極形成層は、相互離隔したストライプ状形態に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項11】
前記n電極形成層は、相互離隔した環状形態に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項12】
前記n電極形成層は、メイン形成層及び前記メイン形成層から延在した複数のサーブ形成層を含んで構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【請求項13】
前記n電極形成層は、相互離隔したストライプ状形態、相互離隔した環状形態、メイン形成層及び前記メイン形成層から延在した複数のサーブ形成層を含む形態の少なくともいずれか1つの形態を含んで構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体紫外線発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物半導体紫外線発光素子に関し、より詳細には、n型半導体層の露出面にn電極と接触特性を向上することができるn電極形成層を形成することにより、電気的特性及び光変換効率を改善可能な窒化物半導体紫外線発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
AlGaNInN等のような窒化物半導体は、直接遷移型のエネルギー構造を有し、Al、In、及びGaの組み合わせを通じて、0.66eV(InN)から6.2eV(AlN)までのエネルギバンドギャップを調節することができるため、赤外線領域から紫外線領域までの広い波長領域を有する発光素子に用いられる。
【0003】
窒化物界半導体の代表的な応用分野として、フルカラーディスプレイ、交通信号灯、一般照明、及び光通信機器の光源があり、紫外線、白色発光素子(light emitting diodes)またはレーザダイオード(laser diode)の形態で適用される。
【0004】
このような窒化物界発光素子は、n型及びp型窒化物半導体層の間に位置した多重量子井戸構造の活性層を含み、前記活性層内の量子井戸層において電子と正孔が再結合する原理で光を生成する。
【0005】
図1は、従来の半導体発光素子を説明するための断面図であって、
図1を参照すると、前記の従来の半導体発光素子は、基板10と、n型半導体層100と、活性層200と、スペーサ層310と、正孔注入層320と、電子遮断層330と、p型半導体層400と、p電極形成層410aと、n型金属層115と、p型金属層410bと、n電極120と、p電極420とを含んで構成される。
【0006】
このような従来の発光素子は、n型半導体層100とp型半導体層400との間に多重量子井戸構造の活性層200を含んで内部量子効率を改善しており、多重量子井戸構造内のInGaN井戸層のIn含有量またはAlGaN井戸層のAl含有量を調節して、所望の波長の光を放出することができる。
【0007】
また、電子遮断層330が、p型半導体層400と活性層200との間に位置し、電子のオーバーフローを遮断することにより発光再結合率を向上させる。
【0008】
一方、スペーサ層310が活性層200上に形成され、電子遮断層330の形成のためのバッファ層として用いられる。
【0009】
また、p電極形成層410aの上面に備えられたp型金属層410b上にp電極420が形成され、電流がp型半導体層400内に均一に分散されるようにしている。
【0010】
上述したような構造の半導体発光素子に電流が印加されると、n型半導体層100とp型半導体層400から、それぞれ、電子と正孔が提供され、電子と正孔が活性層200において再結合して、光が発生するようになる。
【0011】
この時、生成された光の取出効率を高めるために、p電極が光を反射するように厚めに形成して、光が基板側に発光されるようにフリップチップ構造を適用したりすることもある。
【0012】
特に、窒化物系紫外線発光素子の場合、pタイプのGaN層がp電極形成層として主に用いられるが、活性層で発生した紫外線の多くの部分を吸収するため、フリップチップ構造が適用されている。
【0013】
ここで、p電極形成層は、pタイプの半導体層の低い正孔濃度のため、オーミックコンタクトの形成が難しいという短所を補完するために挿入される。
【0014】
一方、nタイプのAlGaN層の上端に形成されたn電極の場合、p電極とは異なってオーミック特性を得ることができるものの、高Al組成のため、表面に容易に酸化アルミニウム層が形成されるという問題があった。
【0015】
例えば、n−AlGaNの上端に形成されたn電極の場合、一般的に10
−3Ω/cm
2の水準の接触抵抗を有するのに対し、一方、n−GaNの上端のn電極の場合は、酸化アルミニウム層によって10
−5Ω/cm
2以下の接触抵抗を有するようになるものである。
【0016】
したがって、窒化物半導体系紫外線発光素子の電気的特性及び光変換効率の向上のために、従来のn電極特性より改善された特性を有するn電極形成技術が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10−2009−0067306号(2009.06.25.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述した従来技術による問題点を解決するための本発明の目的は、n型半導体層の露出面にn電極と接触特性を向上することができるn電極形成層を形成することにより、電気的特性及び光変換効率を改善可能な窒化物半導体紫外線発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記技術的課題を解決するための本発明の窒化物半導体紫外線発光素子は、基板上に順次積層されるn型半導体層と、活性層TP、p型半導体層とを含み、電流印加のためのn電極と、p電極とが備えられた窒化物半導体紫外線発光素子において、前記p型半導体層、活性層、及び前記n型半導体層の一部がエッチングされることにより露出された前記n型半導体層の露出面の一部または全体にn電極形成層が備えられ、前記n電極形成層を覆うように前記n型半導体層露出面の上側にn型金属層が形成されるが、前記n電極形成層は、前記n型半導体層よりもバンドギャップエネルギが小さく構成される。
【0020】
好ましくは、前記n型半導体層は、Al
zGa
1-zN(0≦z≦1)の組成で形成され、前記n電極形成層は、Al
uGa
1-uN(0≦u≦1、u<z)の組成で形成されることにより、前記n電極形成層が、前記n型半導体層よりもバンドギャップエネルギが小さく構成することができる。
【0021】
好ましくは、前記n電極形成層は、複数の層構造を有するように形成することができる。
【0022】
好ましくは、前記n電極形成層を形成する複数の層は、上部に行くほどバンドギャップエネルギが減少する層構造で構成することができる。
【0023】
好ましくは、前記n電極形成層は、上部に行くほどバンドギャップエネルギが徐々に減少するグラデーション(gradation)形態に形成することができる。
【0024】
好ましくは、前記n電極形成層は、選択領域成長法を通じて成長することができる。
【0025】
好ましくは、前記n電極形成層は、前記n型半導体層の露出面に誘電体層を形成し、前記誘電体層の一部を開口させた後、半導体層を成長させる方法により成長することができる。
【0026】
好ましくは、前記誘電体層は、SiO
2、SiOx、SiN、SiNx、Al
2O
3、GaOの少なくともいずれか1つからなることができる。
【0027】
好ましくは、前記活性層と前記p型半導体層との間に備えられた電子遮断層;をさらに含むことができる。
【0028】
好ましくは、前記n電極形成層は、相互離隔したストライプ状形態に形成することができる。
【0029】
好ましくは、前記n電極形成層は、相互離隔した環状形態に形成することができる。
【0030】
好ましくは、前記n電極形成層は、メイン形成層及び前記メイン形成層から延在した複数のサーブ形成層を含んで構成することができる。
【0031】
好ましくは、前記n電極形成層は、相互離隔したストライプ状形態、相互離隔した環状形態、メイン形成層及び前記メイン形成層から延在した複数のサーブ形成層を含む形態の少なくともいずれか1つの形態を含んで構成することができる。
【発明の効果】
【0032】
上記のような本発明は、電気的特性が向上した窒化物半導体紫外線発光素子が得られるという利点があり、具体的に、n電極の接触抵抗が改善され、電極で発生する電圧強化を低減することにより、素子の動作電圧が減少する利点がある。
【0033】
また、動作電圧の減少により、窒化物半導体紫外線発光素子の光変換効率が改善されるという利点がある。
【0034】
また、n電極形成層は、活性層で発生した光(紫外線)を吸収しないため、従来の窒化物半導体紫外線発光素子の光効率を維持することができ、接触抵抗の減少に伴って注入される電気的エネルギの減少効果により、素子の光変換効率が向上されるという利点がある。
【0035】
さらに、電子の注入効率が改善されることにより、n型半導体層へより均一な電流の注入が可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】従来の半導体発光素子を説明するための断面図である。
【
図2】本発明の一実施例による半導体発光素子を示した断面図である。
【
図3a】本発明の一実施例による半導体発光素子を示した平面図である。
【
図3b】
図3aにおける‘A’部分の断面を示した部分断面図である。
【
図4】本発明の一実施例による半導体発光素子を示した断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、その技術的思想または主な特徴から逸脱することなく、他の多様な形態で実施することができる。したがって、本発明の実施例は、すべての点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならないものである。
【0038】
第1、第2等のような用語は、多様な構成要素を説明する上で使用することができるが、上記構成要素は、上記用語により限定されるものではない。
【0039】
上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から外れずに、第1の構成要素は第2の構成要素と命名することができ、同様に、第2の構成要素もまた第1の構成要素と命名され得る。
【0040】
及び/またはとの用語は、複数の関連のある記載項目の組み合わせまたは複数の関連のある記載項目のうち何れかの項目を含む。
【0041】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されて”いるとか、“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接に転結されているか、または接続されていることも可能であるが、中間に他の構成要素が存在していてもよいものと理解すべきである。
【0042】
一方、ある構成要素が他の構成要素に“直接に連結されて”いるとか、“直接に接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解すべきである。
【0043】
本出願において使用された用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含んでいる。
【0044】
本出願において、“含む”または“備える”、“有する”等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたもの等の存在または付加の可能性を前もって排除するものではないと理解すべきである。
【0045】
特に定義されない限り、技術的や科学的な用語を含めてここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有しいる。
【0046】
一般的に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本出願において明らかに定義していない限り、理想的か、または過度に形式的な意味と解釈されない。
【0047】
以下において、添付の図面を参照して本発明による好ましい実施例を詳しく説明するが、図面符号に関係なく、同一または対応する構成要素には同一の参照番号を与えて、これについての重複の説明は省略することとする。
【0048】
本発明を説明する上で、関連の公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨をぼやかすおそれがあると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0049】
本発明の一実施例による窒化物半導体紫外線発光素子は、
図2に示されたように、基板10上に順次積層されるn型半導体層100と、活性層200と、p型半導体層400とを含む窒化物半導体紫外線発光素子であり、活性層200とp型半導体層400との間には、スペーサ層310と、正孔注入層320と、電子遮断層330とがさらに備えられていてもよい。
【0050】
前記n型半導体層100及び前記p型半導体層400の材料としては、AlGaNを用いることができる。
【0051】
一方、本実施例の窒化物半導体紫外線発光素子は、前記p型半導体層400の上面には、p電極形成層410a及びp型金属層410bが順次積層された構造で構成され、前記p電極形成層410a上にp電極420が形成される。
【0052】
また、
図3bに示されたように、前記窒化物半導体紫外線発光素子は、前記p型半導体層400、活性層200、及び前記n型半導体層100の一部がエッチングされることによって露出された前記n型半導体層100の露出面の全体にn電極形成層110が備えられる(
図3aの場合に該当)か、あるいは前記n型半導体層100の露出面の一部にn電極形成層110が備えられ(
図3bの場合に該当)、前記n電極形成層110を覆うように前記n型半導体層100の露出面の上側にn型金属層115が形成される。
【0053】
この時、前記n電極形成層110は、前記n型半導体層100よりもバンドギャップエネルギが小さく形成される。例えば、前記n電極形成層110は、前記n型半導体層100に用いられたAlGaNよりも低いAl組成のAlGaNまたはGaNが用いられていてもよく、n型でドープされている。
【0054】
具体的に、前記n電極形成層110は、前記n型半導体層100よりもAl組成が低くなるように形成され、例えば、前記n型半導体層100が、Al
zGa
1-zN(0≦z≦1)の組成で形成され、前記n電極形成層110が、Al
uGa
1-uN(0≦u≦1、u<z)の組成で形成されることにより、前記n電極形成層が、前記n型半導体層よりもバンドギャップエネルギが小さくなるように構成することができる。
【0055】
一例として、Al組成が相対的に高いn型半導体層100(n型AlGaN層)の上端に、Al組成が相対的に低いn型でドープされたAlGaNまたはGaNを挿入してn電極形成層110を形成することができ、このように、前記n電極形成層110の上にn電極120を形成することにより、向上した電気的特性を有する窒化物半導体紫外線発光素子を提供することができる。
【0056】
一方、
図4に示されたように、前記n電極形成層110は、複数の層構造を有するように形成することができる。
【0057】
例えば、前記n電極形成層110は、第1の電極形成層110−1、第2の電極形成層110−2、第3の電極形成層110−3が順次積層された構造で構成することができ、この時、前記n電極形成層110を形成する第1の電極形成層110−1、第2の電極形成層110−2、第3の電極形成層110−3のバンドギャップエネルギが上部に行くほど減少するように構成されることが好ましい。
【0058】
すなわち、Al組成が‘第1の電極形成層110−1>第2の電極形成層110−2>第3の電極形成層110−3’の条件を満足するように形成することができる。
【0059】
これは、第1の電極形成層110−1、第2の電極形成層110−2、第3の電極形成層110−3のAl組成が上部に行くほど減少するように構成して、バンドギャップエネルギが上部に行くほど減少するように構成することにより、n型金属層115がAl組成の低い部分に形成され、接触特性が向上する効果があるからである。
【0060】
一方、前記n電極形成層110は、上部に行くほど組成が徐々に減少するグラデーション(gradation)形態に形成されていてもよいことは勿論である。
【0061】
上述したようなn電極形成層110は、選択領域成長法(selective area growth)を通じて成長することができ、具体的には、前記n電極形成層110は、選択領域成長法を適用してAlGaNまたはGaN層を成長させることにより形成することができる。
【0062】
より詳細には、前記n電極形成層110は、前記n型半導体層100の露出面に誘電体層を形成した後、前記誘電体層の一部分を開口させ、半導体層を成長させる過程を通じて形成することができ、前記誘電体層は、SiO
2、SiOx、SiN、SiNx、Al
2O
3、GaOの少なくともいずれか1つからなることができる。
【0063】
一方、前記n電極形成層110は、
図3aに示されたように、相互離隔してストライプ状形態に形成されたフィンガー型、相互離隔して複数のn型電極層がアイランド形態に形成されたドット型等、前記n型半導体層100の露出面の一部または全体に備えられる形態であれば、多様な形態での適用が可能である。
【0064】
上述したように、前記n型半導体層100の露出面の一部または全体にn電極形成層110を形成し、前記n電極形成層110を覆うように前記n型半導体層100の露出面の上側にn型金属層115を形成するが、前記n電極形成層110が、前記n型半導体層100よりもバンドギャップエネルギが小さくなるように形成して、電気的特性が向上した窒化物半導体紫外線発光素子を得ることができ、具体的には、n電極120の接触抵抗が改善され、電極で発生する電圧強化を低減することにより、素子の動作電圧が減少するだけではなく、窒化物半導体紫外線発光素子の光変換効率が改善され得るようになる。
【0065】
本発明は、添付の図面を参照して、好ましい実施例を中心に記述されたが、当業者であれば、このような記載から本発明の範疇を外れることなく、多数の多様かつ自明な変形が可能であるのは明らかである。したがって、本発明の範疇は、このような多数の変形例を含むように記述された特許請求の範囲により解釈しなければならないものである。
【国際調査報告】