特表2016-526943(P2016-526943A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-526943電気制御可能な回転加圧装置及びその制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-526943(P2016-526943A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(54)【発明の名称】電気制御可能な回転加圧装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20160815BHJP
   B23B 47/02 20060101ALI20160815BHJP
   B25B 21/00 20060101ALI20160815BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20160815BHJP
   B23Q 17/09 20060101ALI20160815BHJP
   B23Q 15/013 20060101ALI20160815BHJP
   B26F 1/16 20060101ALI20160815BHJP
   B23B 51/00 20060101ALN20160815BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALN20160815BHJP
【FI】
   A61B17/16
   B23B47/02 A
   B25B21/00 510Z
   B25F5/00 C
   B23Q17/09 A
   B23Q15/013
   B26F1/16
   B23B51/00 Z
   B23Q17/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-510625(P2016-510625)
(86)(22)【出願日】2014年4月25日
(85)【翻訳文提出日】2015年12月21日
(86)【国際出願番号】KR2014003688
(87)【国際公開番号】WO2014175705
(87)【国際公開日】20141030
(31)【優先権主張番号】10-2013-0046015
(32)【優先日】2013年4月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0013819
(32)【優先日】2014年2月6日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】515295913
【氏名又は名称】リムサイエンス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン,サン ジン
【テーマコード(参考)】
3C001
3C029
3C036
3C037
3C060
4C160
【Fターム(参考)】
3C001KA06
3C001KB02
3C001SA01
3C001TB05
3C029CC01
3C029CC03
3C029EE00
3C036DD10
3C036DD18
3C037DD00
3C060AA20
3C060BA05
3C060BD01
3C060BE08
3C060BG13
4C160LL09
4C160LL12
(57)【要約】
本発明の一側面によれば、電気制御可能な回転加圧装置であって、所定の回転加圧手段に対してトルクを提供するモータと、モータに電力を供給する電力制御部と、電力制御部を制御するための中央処理装置と、モータや回転加圧手段の回転速度を測定する回転速度センサとを含み、中央処理装置は、回転速度センサから回転速度を受け取る異常検出部を含み、異常検出部は、回転速度の異常が検出されると、中央処理装置に制御信号を送信し、中央処理装置が電力制御部の電力供給を停止させるようにする電気制御可能な回転加圧装置が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気制御可能な回転加圧装置であって、所定の回転加圧手段に対してトルクを提供するモータと、前記モータに電力を供給する電力制御部と、前記電力制御部を制御するための中央処理装置と、前記モータや前記回転加圧手段の回転速度を測定する回転速度センサとを含み、
前記中央処理装置は、前記回転速度センサから前記回転速度を受け取る異常検出部を含み、
前記異常検出部は、前記回転速度の異常が検出されると、前記中央処理装置に制御信号を送信し、前記中央処理装置が前記電力制御部の前記電力供給を停止させるようにする電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項2】
前記回転速度の前記異常は、前記回転速度の突然の増加である請求項1に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項3】
前記回転速度の前記異常は、前記回転速度の二次的な突然の増加である請求項1に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項4】
前記モータに流れ込む電流を測定する電流センサをさらに含み、
前記測定された電流に基づいて前記トルクを一定に維持するためのトルク補正部をさらに含む請求項1に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項5】
前記回転加圧手段は、末端開口部を含む請求項1に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項6】
前記回転加圧手段は、前記末端開口部に挿入されることができる末端開閉部をさらに含む請求項5に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項7】
前記末端開閉部は、前記回転加圧手段が構造物に対して圧力を加える場合には前記末端開口部を開放する請求項6に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項8】
前記末端開閉部は、弾性体によって前記末端開口部を閉鎖する請求項6に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項9】
前記回転加圧手段は、センサをさらに含み、
前記センサは、前記末端開口部を介して流れ込む物質に関する情報を収集するためのものである請求項5に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項10】
所定の回転加圧手段に対してトルクを提供するモータと、前記モータに電力を供給する電力制御部と、前記電力制御部を制御するための中央処理装置と、前記モータや前記回転加圧手段の回転速度を測定する回転速度センサとを含む回転加圧装置を制御する方法であって、
前記回転速度の異常を検出するステップと、前記電力制御部の前記電力供給を停止させるステップとを含む回転加圧装置の制御方法。
【請求項11】
前記回転速度の前記異常は、前記回転速度の突然の増加である請求項10に記載の回転加圧装置の制御方法。
【請求項12】
前記回転速度の前記異常は、前記回転速度の二次的な突然の増加である請求項10に記載の回転加圧装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気制御可能な回転加圧装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドリル(または、ドリルビット(drill bit))、穿孔具、スクリューなどとして直接作用するか、または上記のような構成要素を保持した状態で回転しながら前進加圧することができる回転加圧装置は、様々な産業分野で使用されている(これらの回転加圧装置に採用されるドリル、穿孔具などは図5のAに示すような尖端を有するので、構造物を用意に貫通するとともにその過程で構造物から吐出される構造物の破片などがよく抜けるようにすることができ、同様に回転加圧装置に採用されるスクリューなどは、図6に示すように様々な大きさと長さを持ち、適切に選択されて構造物に結合することができる)。
【0003】
特に、医療分野では、回転加圧装置が人体内の構造物(例えば、骨)に穴を開けたり医療用スクリューを結合したりするための目的で広く使用されている。例えば、人体内構造物の内側に所定の薬物注入装置(図示せず)や所定の検査装置(図示せず)を浸透させるために構造物に穴を開ける目的や、骨折を治療するための接合手術で折れた骨を医療用スクリューによって固定したり補強したりする目的や、または口腔内に校正用スクリューを結合する目的で回転加圧装置が活用されている。これらの回転加圧装置は、その末端自体がドリル、穿孔具、スクリューなどとして機能するか、またはその末端にドリル、穿孔具、スクリューなどが取り付けられることができる。しかし、このような回転加圧装置は、従来には操作者の手の感覚や経験に応じた数値によってのみ制御されてきたので、操作者がミスをしたり経験が少なかったりする場合には時々大きな事故(例えば、患者の脳が損傷を受ける大規模な医療事故)の原因になることがあった。また、これを恐れて医師が過度に慎重に手術を行うため、手術時間が非常に長くなる傾向もあった。
【0004】
一方、医療以外の分野でも、回転加圧装置が幅広く使用されているが、これも誤操作により深刻な問題を発生させる恐れがある。例えば、圧力容器部品の結合に回転加圧装置とスクリューが使用される場合、スクリューが回転加圧装置によって達してはならない深さまで到達して圧力容器の内部構造に損傷を与えると、圧力容器にクラックが発生してしまい、圧力容器が爆発する可能性を高めるなどの問題を招く恐れがある。
【0005】
したがって、本発明者は、医療事故を未然に防止することができる一方で、他の様々な産業分野においても有用であり、追加の機能も有する電気的に制御可能な回転加圧装置とこれらの回転加圧装置を制御するための方法を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題点をすべて解決することを目的とする。
【0007】
本発明は、異常が検出される場合には動作を止めて安全性を確保することができる回転加圧装置を提供することを他の目的とする。
【0008】
本発明は、有益な付加機能を有する回転加圧装置を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次の通りである。
【0010】
本発明の一態様によれば、電気制御可能な回転加圧装置であって、所定の回転加圧手段に対してトルクを提供するモータと、前記モータに電力を供給する電力制御部と、前記電力制御部を制御するための中央処理装置と、前記モータや前記回転加圧手段の回転速度を測定する回転速度センサとを含み、前記中央処理装置は、前記回転速度センサから前記回転速度を受け取る異常検出部を含み、前記異常検出部は、前記回転速度の異常が検出されると、前記中央処理装置に制御信号を送信して、前記中央処理装置が前記電力制御部の前記電力供給を停止させるようにする電気制御可能な回転加圧装置が提供される。
【0011】
また、本発明の他の態様によれば、所定の回転加圧手段に対してトルクを提供するモータと、前記モータに電力を供給する電力制御部と、前記電力制御部を制御するための中央処理装置と、前記モータや前記回転加圧手段の回転速度を測定する回転速度センサとを含む回転加圧装置を制御する方法であって、前記回転速度の異常を検出するステップと、前記電力制御部の前記電力供給を停止させるステップとを含む回転加圧装置の制御方法が提供される。
【0012】
この他にも、本発明の技術的思想に基づいて他の構成がさらに提供されることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異常が検出された場合には動作を止めて安全性を確保することができる回転加圧装置を提供できる効果が達成される。
【0014】
本発明によれば、有益な付加機能を有する回転加圧装置を提供できる効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1a】スクリューが意図した深さで結合された状態を示す図である。
図1b】スクリューが意図した深さを超えて深く結合された状態を示す図である。
図2】本発明の一実施例に係る回転加装置の制御構成要素を概念的に示す図である。
図3a】ドリルなどが挿入される深さに応じてモータ300の回転速度が減少できることを示す図である。
図3b】モータの回転速度が突然増加することができるポイントを示す図である。
図4a】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的に示す図である。
図4b】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
図4c】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
図4d】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
図4e】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
符号の説明
100 中央処理装置、
200 電力制御部、
300 モータ。
【0017】
以下の本発明の詳細な説明は、本発明が実施される特定の実施例を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本発明を実施するのに十分詳細に説明される。本発明の種々の実施例は互いに異なるが、相互に排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造、および特性は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、一実施例から他の実施例に変更されて実装することができる。また、それぞれの実施例内の個々の構成要素の位置または配置も本発明の精神および範囲を逸脱することなく変更できることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味を有するものではなく、本発明の範囲は請求の範囲の請求項が主張する範囲と均等な全範囲を包括するとみなすべきである。図面において類似の参照符号は、あらゆる側面において同一または類似する構成要素を示す。
【0018】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、本発明の好ましい実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
本発明の好ましい実施例
図1は、本発明の必要性について説明するための図である。図1aは、スクリューが意図した深さで結合された状態を示す図である。図1aの場合、スクリューは結合された板を突き抜けることなく、よく結合されている。一方、図1bは、スクリューが意図した深さを超えた深さで結合された状態を示す図である。図1bの場合、スクリューが過度に結合され、結合された板を突き抜けてしまう。
【0020】
回転加圧装置により回転加圧されて結合されるスクリューが意図した深さを超えて結合されることには様々な場合があり得る。例えば、スクリューの挿入角度が間違っているか、スクリューの長さが間違って選択された場合があり得る。さらに、図1bのように、スクリューが結合される位置の構造物の厚さが予想よりも薄く、好適ではないスクリューが構造物を貫通する問題が生じる場合もある。通常の場合、医療用スクリューの種類や挿入の深さは、事前のMRI検査やCT検査などによって、それが結合される構造物(例えば、骨)の状態に合わせて選択されるのが一般的であるが、撮影された画像にエラーがあったり医師が撮影された画像の読み取りにミスを犯したりする場合には、図1bに示すようなスクリュー結合状態がたまに発生し、小さくは人体構造物の損傷から大きくは人体構造物の内部の軟質組織(例えば、大脳)の損傷まで起こす可能性がある。もちろん、他の産業分野においても、同様に人体の組織ではなく密閉容器の損傷などを起こす可能性がある。
【0021】
一方、これらの損傷が好ましくないことは、回転加圧装置が、主に穿孔を目的とするドリルやドリルを駆動する装置である場合にも同様である。
【0022】
図2は、本発明の一実施例に係る回転加圧装置の制御構成要素を概念的に示す図である。図2に示すように、本発明に係る回転加圧装置は、中央処理装置100と電力制御部200とモータ300とを含むことができる。また、回転加圧装置は、ねじ山を持って回転トルクを受けると、回転しながら前進加圧することができるドリル、穿孔装置やスクリュー(「回転加圧手段」と称することができる。図示せず)をその末端に含むか、少なくとも上記のような構成要素と接続または連動することができる。
【0023】
まず、中央処理装置100は、電気的な制御のための公知のマイクロプロセッサであることができる。中央処理装置100は、所定のユーザープログラムによって制御することができる。中央処理装置100は、所定のトルク補正を行うことができるトルク補正部110と回転加圧装置の異常動作を検出することができる異常検出部120とを含むことができる。中央処理装置100、トルク補正部110、および異常検出部120の機能については後述する。
【0024】
次に、電力制御部200は、モータ300による回転加圧装置の駆動のために公知のPWM(パルス幅変調)技術により(ただし、これらに限定される理由はない)、モータ300に電力を供給し、これを制御することができる電力制御手段であることができる。これは後述するような電流センサ210を含むことができる。
【0025】
最後に、モータ300は、公知の電気機械的な動力手段であることができる。つまり、モータ300は、電力制御部200から電力の供給を受けると、所定のトルクを発生させて提供し、回転加圧装置が回転しながら圧力を加えられるようにすることができる。これらのモータ300の回転速度は、モータ300に含まれるか、またはそれと連動することができる回転速度センサ310によって測定されることができる。
【0026】
以下、上記のような構成の回転加圧装置の制御について詳細に説明する。
【0027】
まず、電力制御部200がモータ300に所定の電力を供給することができる。これにより、モータ300は回転することができ、回転速度センサ310はモータ300の回転速度を測定することができる。測定された回転速度は異常検出部120に伝達されることができる。
【0028】
一方、電力制御部200の電力供給に応じてモータ300に流れ込む電流は、電流センサ210によって測定することができる。測定された電流は、トルク補正部110に伝達されることができる。
【0029】
次に、中央処理装置100は、異常検出部120が特に異常信号を送信しない場合、トルク補正部110により、電流センサ210で測定される電流が所定の一定値を示すようにするためのフィードバック制御を実行することができる。上記のような電流の所定値は、使用者が望んで予め設定できる回転加圧装置の出力トルク値に基づいて決定することができる。したがって、トルク補正部110は、電流センサ210で過多電流が測定される場合には、中央処理装置100から電力制御部200への制御信号を調整して、電力制御部200が供給する電力信号のパルス幅が減少するようにすることができ、電流センサ210で過少電流が測定される場合には、中央処理装置100から電力制御部200への制御信号を調整して、電力制御部200が供給する電力信号のパルス幅が増加するようにすることができる。したがって、本発明のこれらの構成によれば、モータ300の出力トルクが実質的に一定に維持される状態で回転加圧装置が駆動されるようにすることができる。
【0030】
但し、回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどが前進しながら構造物に対して挿入されるにつれて、次第にインピーダンスが大きくなるので、モータ300の回転速度、すなわち、ドリルなどが挿入される速度などが徐々に減少する。図3aは、ドリルなどが挿入される深さに応じて、モータ300の回転速度が減少できることを示す図である。
【0031】
しかし、前記モータ300の回転速度は、所定のポイントで突然増加することができる。図3bは、これらのポイントを示す図である(但し、これらの回転速度の増加ポイントは、図7に示すように骨構造物の場合にはその内部の弱い部分(例えば、cancellous portion)の作用を考慮して、二番目の増加ポイントに決定されることもある)。つまり、ドリルなどの挿入深さが大きくなるにつれて、モータ300の回転速度は徐々に減少してから突然増加することができる。本発明によれば、回転速度センサ310によって測定されたモータ300の回転速度が異常検出部120に伝達されるので、異常検出部120は、上記のような好ましくない突然の現象を直ちに検出してから、中央処理装置100に当該制御信号を送信することができ、これにより、中央処理装置100は、電力制御部200に電力供給の中断に関する制御信号を送信することができる。したがって、結果的にモータ300の出力トルクは直ちに0になり、好ましくない状態でのドリルなどの前進が直ちに中断されることができる。
【0032】
上記実施例では、基本的には、モータ300の回転速度が回転速度センサ310によって測定されると想定したが、モータ300の回転速度ではなく、モータ300に接続されてモータ300と一緒に駆動されるドリル、穿孔具、スクリューなどの回転速度が直接測定されるようにすることも可能である。例えば、ドリル、穿孔具、スクリューなどの構造物の反対側の部分に所定の磁気的マークや光学的マークを配置させた後、これらのマークがドリル、穿孔具、スクリューなどの回転に応じて磁気的または光学的に認識される周期を測定することにより、ドリル、穿孔具、スクリューなどの回転速度を測定できることは当業者に自明であろう。このような測定を行うセンサも回転速度センサと命名し、回転速度センサ310と同様の機能を実行できることは言うまでも無い。
【0033】
また、上記実施例では、基本的にはモータ300の回転速度が直接測定されると想定したが、モータ300やドリル、穿孔具、スクリューなどが発生させる音波(acoustic wave)を測定することにより、回転速度が推定によって測定されるようにすることも可能である。この場合、音波の様々な属性情報、例えば、音波の最大振幅、平均振幅、ピーク周波数、平均周波数、平均値、標準偏差、実効値(Root Mean Square;RMS)などのようなもののうち1つ以上を参照することができる。
【0034】
一方、前記回転速度や音波の特性データを所定の表示手段(図示せず)でユーザーに表すこともできる。このため、公知の表示手段が制限なしに採用され、前記物理量を表示するのに用いられることができる。
【0035】
また一方で、上記のような物理量を独自的に、または物理量が表われた場合に適用されたトルクなどのような入力値とマッピングされた状態でデータベース化することも可能である。この場合、データベース(図示せず)が物理量の測定または受信や入力値の測定または受信が可能な任意のコンピュータ装置(図示せず)に含まれることや、これらのコンピュータ装置と通信することができることは当業者に自明である。
【0036】
本発明の一実施例によれば、構造物上や構造物内の物質の収集と検出が可能である。図4aを参照して説明する。図4aは、本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的に示す図である。
【0037】
図示したように、回転加圧装置に含まれるかまたは付着されることができるドリルなど400は、末端開口部410と末端開閉部420と弾性体430とセンサ440とを含んで構成することができる。
【0038】
まず、末端開口部410は、ドリルなど400の末端に配置され、末端の少なくとも一部を開放させることができる口部であることができる。回転加圧装置が構造物に対して前進加圧する場合、末端開口部410を介して構造物上や構造物内の所定の物質が流れ込むことができる。
【0039】
次に、末端開閉部420は、末端開口部410に挿入/把持され、いくつかの場合にのみ末端開口部410を開放させることができる構成要素であることができる。末端開閉部420は、普段は図示されたように末端開口部410を閉鎖させているが、回転加圧装置が前進加圧する間には当該圧力によって表示aだけ後進し、末端開口部410を少なくとも部分的に開放させることができる。これらの末端開閉部420は、その後尾または他所に配置されることができる図示したような弾性体430によって、圧力が加わった場合には末端開口部410を開放し、加圧が解除された場合には末端の開口部410を閉鎖することができる。この場合、弾性体430の弾性係数は意図した構造物の強度を考慮して決定することができる。例えば、意図した構造物の強度が大きい場合には弾性係数が大きく、逆の場合には小さくなることができる。
【0040】
最後に、センサ440は、任意の物質の存否や濃度、成分などに関する任意のセンサであることができる。つまり、センサ440は、化学的成分や生物学的成分が構造物上または構造物内に存在するか否かを識別し、存在する場合にはその濃度やサンプルを測定したり収集したりする機能を実行することができる。センサ440によって収集された情報は、データ発信部(図示せず)によって中央処理装置100に伝達されるが、これは回転加圧装置を使用する使用者に中央処理装置100と連動することができるモニターなどの表示手段(図示せず)を介して伝達することができる。前記センサ440やデータ発信部については、本発明者の他の出願である国際出願PCT/KR2012/007774の内容をさらに参照することができる。
【0041】
図4b〜図4eは、本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。これらを参照して、ドリル400などの改善された構造についてさらに説明する。
【0042】
まず、図4bは、本実施例に係るドリルなど400がそれに加えられる直進方向の力を測定するのに用いられる他の弾性体500と外装600とをさらに含む状態を示す図である。図示したように、ドリル400などが回転加圧装置によって受ける直進方向の力は弾性体500の長さを測定することにより簡単に測定することができるので、弾性体500の長さが好ましくなく突然伸びる場合(つまり、ドリルなど400が回転加圧装置によって受けた直進方向の力が大幅に減少するか0になる場合)、このような現象に関する情報を必要に応じて上記の実施例で説明したように取得された情報(つまり、回転速度の突然の増加に関する情報)と一緒に考慮することにより、ドリルなど400の前進を停止させることもできる。
【0043】
次に、図4c〜図4eは、本実施例に係るドリルなど400の末端開口部410の配列と、これらの末端開口部410のそれぞれから伸びているチャンネル450について例示的に示す図面である。図示したように、末端開口部410は、それを介して構造物上または構造物内の所定の物質が流れ込むようにすることができるが、これは効率的な物質収得と検出のために多数個配置することができる。そして、前記センサ440は、その物理的な特性の保護のためにチャンネル450の内側に配置することができる。この場合に、チャンネル450は、内側のセンサ440で物質を伝達する通路の役割をすることもできる。一方、これらのチャンネル450について、所定の吸引システム(図示せず)をさらに含めて物質収得と検出がより容易になるように支援することもできる。
【0044】
以上の実施例において、検出されて識別された物質に関する情報は必要に応じてドリルなど400の前進を停止させる基礎情報として活用することもできる。このような場合の例として識別される物質が人体内の特定臓器の臓器液や閉鎖が必要な構造物内の特定物質である場合を挙げることができる。
【0045】
以上、本発明は具体的な構成要素などのような特定事項と限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明の全般的な理解のために提供されたものであって、本発明が上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であればこのような記載から様々な変更や修正を加えることができる。
【0046】
従って、本発明の思想は、前記説明した実施例に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等にまたは等価的に変形されたすべてのものは、本発明の思想の範囲に属するものである。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5
図6
図7
【国際調査報告】