特表2016-527422(P2016-527422A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-527422土木機械のバケットの摩耗アセンブリの雄型部品及び雌型部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-527422(P2016-527422A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(54)【発明の名称】土木機械のバケットの摩耗アセンブリの雄型部品及び雌型部品
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/28 20060101AFI20160815BHJP
【FI】
   E02F9/28 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-528441(P2016-528441)
(86)(22)【出願日】2014年7月17日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】EP2014065387
(87)【国際公開番号】WO2015011012
(87)【国際公開日】20150129
(31)【優先権主張番号】13382295.7
(32)【優先日】2013年7月22日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516021429
【氏名又は名称】メタロゲニア リサーチ アンド テクノロジーズ ソシエダ リミタダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トゥト ファハ、ホアン
(72)【発明者】
【氏名】オルティス ガルシア、フスト ヘスス
(72)【発明者】
【氏名】トリギネル ボイクセダ、ホルヘ
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015JA02
2D015JA03
(57)【要約】
土木機械のバケットの摩耗アセンブリは、雄型部品1及び雌型部品2を備え、その両方が、上側接触面及び下側接触面を備えるノーズ10(雄型部品)又は空洞20(雌型部品)を有する。上側接触面は、ノーズの先端部又は空洞の底部から後方に延びる上側前方接触部14、24を有し、下側接触面は、同様に延びる下側前方接触部13、23を有する。上側前方接触部及び下側前方接触部のうちの一方が凹面であり、他方が凸面である。同様に、上側接触面は、ノーズの基部又は空洞の入口から前方に延びる上側後方接触部16、26を有し、下側接触面は、同様に延びる下側後方接触部15、25を有する。上側後方接触部及び前記下側後方接触部のうちの一方が凹面であり、他方が凸面である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木機械のバケットの摩耗アセンブリの雌型部品(2)であって、
前記バケット及び前記雌型部品が、直交方向X、Y及びZにそれぞれ対応する長さ、幅及び高さを有し、前記雌型部品は、上側接触面及び下側接触面を有する空洞を有する、前記雌型部品(2)において、
前記上側接触面が、前記空洞の底部から後方に延びる上側前方接触部(24)を有し、
前記下側接触面が、前記空洞の前記底部から後方に延びる下側前方接触部(23)を有し、
前記上側前方接触部及び前記下側前方接触部(24、23)のうちの一方が凹面であり、他方が凸面であり、
前記上側前方接触部(24)および前記下側前方接触部(23)の両方が、中央XZ平面に関して対称であることを特徴とする、雌型部品(2)。
【請求項2】
前記上側前方接触部(24)および前記下側前方接触部(23)の両方が、実質的に平らな右前面及び左前面を有する、請求項1に記載された雌型部品(2)。
【請求項3】
前記上側接触面が、前記空洞の入口から前方に延びる上側後方接触部(26)を有し、
前記下側接触面が、前記空洞の前記入口から前方に延びる下側後方接触部(25)を有し、
前記上側後方接触部及び前記下側後方接触部(26、25)のうちの一方が凹面であり、他方が凸面である、請求項1又は請求項2に記載された雌型部品(2)。
【請求項4】
前記空洞が、前記上側前方接触部(24)と前記上側後方接触部(26)との間、及び前記下側前方接触部(23)と前記下側後方接触部(25)との間における中間部分(29)においてその底部に向けて先細りしている、請求項3に記載された雌型部品(2)。
【請求項5】
前記上側後方接触部(26)および前記下側後方接触部(25)の両方が、前記中央XZ平面に関して対称である、請求項3又は請求項4に記載された雌型部品(2)。
【請求項6】
前記上側後方接触部(26)および前記下側後方接触部(25)の両方が、実質的に平らな右後面及び左後面を有する、請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項7】
前記上側後方接触部(26)が凹面であり、前記上側前方接触部(24)が凸面であるか、又はその逆である、請求項3から請求項6までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項8】
前記空洞が、前記中央XZ平面に関して対称である2つの凹面の側面(27、28)を有し、
前記側面(27、28)のそれぞれが、平らな上側側面及び下側側面を有する、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項9】
下側外側長手方向の凹部(8)を有する、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項10】
前記凹部(8)が、前記空洞の前記下側接触面の少なくとも一部分に対して実質的に平行である、請求項9に記載された雌型部品(2)。
【請求項11】
前記上側前方接触部(24)が、YZ平面に対して平行な任意の横断面上で前記下側前方接触部(23)に対して平行である、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項12】
前記上側前方接触部(24)が、全体的にみると前記下側前方接触部(23)に対して平行である、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項13】
前記上側後方接触部(26)が、前記YZ平面に対して平行な任意の横断面上で前記下側後方接触部(25)に対して平行である、請求項3に記載された、又は請求項3と組み合わされた請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項14】
前記上側後方接触部(26)が、全体的にみると前記下側後方接触部(25)に対して平行である、請求項3に記載された、又は請求項3と組み合わされた請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項15】
前記上側前方接触部(24)及び前記下側前方接触部(23)が、それぞれ、前記XZ平面に対して傾斜している一対の面を有する、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項16】
前記上側後方接触部(26)及び前記下側後方接触部(25)が、それぞれ、前記XZ平面に対して傾斜している一対の面を有する、請求項3に記載された、又は請求項3と組み合わされた請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項17】
土木機械のバケットの摩耗アセンブリの雄型部品(1)であって、
前記バケット及び前記雄型部品が、直交方向X、Y及びZにそれぞれ対応する長さ、幅及び高さを有し、前記雄型部品は、上側接触面及び下側接触面を有するノーズを有する、前記雄型部品(1)において、
前記上側接触面が、前記ノーズの先端部から後方に延びる上側前方接触部(14)を有し、
前記下側接触面が、前記ノーズの前記先端部から後方に延びる下側前方接触部(13)を有し、
前記上側前方接触部及び前記下側前方接触部(14、13)のうちの一方が凹面であり、他方が凸面であり、
前記上側前方接触部(14)および前記下側前方接触部(13)の両方が、中央XZ平面に関して対称であることを特徴とする、雄型部品(1)。
【請求項18】
前記上側前方接触部(14)および前記下側前方接触部(13)の両方が、実質的に平らな右前面及び左前面を有する、請求項17に記載された雄型部品(1)。
【請求項19】
前記上側接触面が、前記ノーズの基部から前方に延びる上側後方接触部(16)を有し、
前記下側接触面が、前記ノーズの前記基部から前方に延びる下側後方接触部(15)を有し、
前記上側後方接触部及び前記下側後方接触部(16、15)のうちの一方が凹面であり、他方が凸面である、請求項17又は請求項18に記載された雄型部品(1)。
【請求項20】
前記ノーズが、前記上側前方接触部(14)と前記上側後方接触部(16)との間、及び前記下側前方接触部(13)と前記下側後方接触部(15)との間における中間部分(39)においてその前方端部に向けて先細りしている、請求項19に記載された雄型部品(1)。
【請求項21】
前記上側後方接触部(16)および前記下側後方接触部(15)の両方が、前記中央XZ平面に関して対称である、請求項19又は請求項20に記載された雄型部品(1)。
【請求項22】
前記上側後方接触部(16)および前記下側後方接触部(15)の両方が、実質的に平らな右後面及び左後面を有する、請求項19から請求項21までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項23】
前記上側後方接触部(16)が凹面であり、前記上側前方接触部(15)が凸面であるか、又はその逆である、請求項19から請求項22までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項24】
前記ノーズが、前記中央XZ平面に関して対称である2つの凸面の側面(17、18)を有し、
前記側面(17、18)のそれぞれが、平らな上側側面及び下側側面を有する、請求項17から請求項23までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項25】
前記上側前方接触部(14)が、YZ平面に対して平行な任意の横断面上で前記下側前方接触部(13)に対して平行である、請求項17から請求項24までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項26】
前記上側前方接触部(14)が、全体的にみると前記下側前方接触部(13)に対して平行である、請求項17から請求項25までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項27】
前記上側後方接触部(16)が、前記YZ平面に対して平行な任意の横断面上で前記下側後方接触部(15)に対して平行である、請求項19に記載された、又は請求項19と組み合わされた請求項17から請求項26までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項28】
前記上側後方接触部(16)が、全体的にみると前記下側後方接触部(15)に対して平行である、請求項19に記載された、又は請求項19と組み合わされた請求項17から請求項27までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項29】
前記上側前方接触部(14)及び前記下側前方接触部(13)が、それぞれ、前記XZ平面に対して傾斜している一対の面を有する、請求項17から請求項28までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項30】
前記上側後方接触部(16)及び前記下側後方接触部(15)が、それぞれ、前記XZ平面に対して傾斜している一対の面を有する、請求項19に記載された、又は請求項19と組み合わされた請求項17から請求項29までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項31】
請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)及び請求項17から請求項30までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)である摩耗要素を備える摩耗アセンブリにおいて、
前記雄型部品のノーズが、前記雌型部品の空洞に嵌められて、長手方向軸線に沿って取り付け部が形成されるようになっており、
前記雌型部品の前記上側接触面が、前記雄型部品の前記上側接触面と相補的であり、
前記雌型部品の前記下側接触面が、前記雄型部品の前記下側接触面と相補的である、摩耗アセンブリ。
【請求項32】
前記摩耗要素の質量中心が、前記取り付け部の長手方向軸線の下方にある、請求項31に記載された摩耗アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木機械のバケットの摩耗アセンブリの雌型部品に関するものであり、このバケット及び雌型部品は、直交するX方向、Y方向及びZ方向にそれぞれ特定される長さ、幅及び高さを有する。この雌型部品は、上側接触面及び下側接触面を有する空洞を含む。
【0002】
また、本発明は、この摩耗アセンブリの雄型部品にも関し、この雄型部品は、上側接触面及び下側接触面を備えるノーズを含む。
【0003】
本発明は、さらに、この雄型部品及び雌型部品を有する摩耗アセンブリにも関するものである。
【背景技術】
【0004】
掘削機やローダなど、土壌及び岩石などの物質を引き裂き移動するための機械は、通常、機械的アームに取り付けられる1つ又は複数のシャベル又はバケットを備える。バケットは、その前方縁部上に、土壌及び岩石の塊とかみ合い、押しこむことを目的とするブレード又は傾斜リップを備える。リップの過度の摩耗を防止し、土壌中への押し込みを容易にするために、リップに結合されて前方から突出する摩耗要素を取り付けることが通常行われる。この摩耗アセンブリは、物質を引き裂く歯又は先端部材、及びリップ又はバケットに取り付けられて歯をリップに結合させる歯ホルダ又はアダプタを備える。
【0005】
また、摩耗要素は、特に歯を劣化させる可能性のある摩耗及び大きな応力を受けることが避けられないので、摩耗要素を頻繁に交換しなければならない。また、機械の対象とする作業に応じて、その性能を向上させるために、歯のタイプ又は形状を変えることが望ましい。
【0006】
それに加えて、土木工事分野の作業は、軽微な工事から通常の工事、大掛かりな工事及び採掘まで様々であり、機械的要件が異なるために、通常は具体的な作業に応じて機械のサイズ及び摩耗アセンブリの型が決定される。
【0007】
たとえば、建設工事では、採掘作業の場合よりも機械は小さく、負荷及び応力は、公共工事の場合よりも採掘作業の方が大きい。軽負荷の場合、大抵は2部品構成の摩耗アセンブリ、すなわち、たとえば溶接によりリップに取り付けられたアダプタ(しかし、もちろん別の取り付けも除外されない)と、アダプタに結合される歯が使用される。通常、アダプタは雄型部品として構成され、歯は雌型部品として構成される。しかし、その反対の場合もあり、そのアセンブリは「逆システム」と呼ばれる。
【0008】
耐えるべき負荷が大きい採掘作業では、先端部材(歯)、中間部材及び鋳造又は溶接部材(アダプタ)を含む3部品構成の摩耗アセンブリを使用することが普通である。3部品構成のアセンブリは、アセンブリの重量が極めて重い場合に使用されるので、要素数を増加させることによって、扱いが容易になる。また、3部品構成の摩耗アセンブリは、使用可能な摩耗材料の割合が増加するため有用である。通常、中間部材は、その前方領域に雄型部品を、後方領域に雌型部品を備え、先端部材は雌型部品として構成され、アダプタは雄型部品として構成される。しかし、他の配置、たとえば逆システムも可能である。
【0009】
異なる部品間の結合は、保持要素、通常は、鉛直方向又は横方向のピンによって維持される。
【0010】
結合の耐用年数は、以下により制限される。
加えられる力に対抗するための反作用による材料の塑性変形
疲労(これは、歯が、通常の持続期間の場合、50,000超の作業サイクルを実施すると計算され、その結果、結合は、亀裂又は他の不具合が疲労現象によって生じないように設計しなければならない)
摩耗(ただし、以下の2つのタイプの摩耗を区別する必要がある)
1 物質の流れによる部品の外側摩耗、
2 2つの要素(歯と歯のバー)間に入る微細な物質による内部摩耗。それによって、2つの要素の動きのために研磨作用が働きそれらの要素を徐々に磨滅させる。
【0011】
摩耗アセンブリの取り付け部又は接続部は、雄型部品と雌型部品との接触面から形成され、そこでは負荷が摩耗要素の先端からバケットのリップにアダプタ要素を通じて伝えられる。
【0012】
機械の作業中、歯の先端は、様々な方向で地面とかみ合い、それによって歯に対する応力が生じ、歯の先端から雄型部品と接触する接触面に伝えられる。すなわち、応力は、先端からアダプタに(又は3部品構成のアセンブリの場合、中間要素に)伝わり、そしてアダプタからバケットに伝わるので、応力は、アセンブリから、そしてピンからも取り除かれる。
【0013】
従来の摩耗アセンブリでは、雌型部品中のハウジング又は空洞、及び雄型部品の相補的なノーズが、くさび形状に形成される。歯に力が加えられると、この形状のために、アダプタに対する反力が生成される。この反力は、これら2つの要素を分離させ、さらに歯を破壊し、そしてピンに応力を加える傾向があり、このことが、極めて危険な状況に繋がる可能性がある。なぜなら、ピンが抜け落ちることによって、歯も抜け落ちる可能性があるからである。このため、土壌として集められた歯が、それに続く機械類(たとえば破砕機)を破壊する虞があり、非常に有害になる虞がある。さらに、負荷は全方向に伝えられ、摩耗アセンブリ、特に摩耗アセンブリ要素間の接触面又は支持面を、そしてピンをも劣化させる傾向がある。
【0014】
特許文献1(国際公開第2007/097984号)に、ノーズを有する基部及びソケットを有する摩耗部材を含む掘削機器に摩耗部材を固定するための摩耗アセンブリが開示されている。ノーズ及びソケットは、それぞれが1つ又は複数の相補的な固定面をその中央部に備える。しかし、固定面は、大きな負荷が様々な方向で同時に作用したとき、摩耗アセンブリを安定化するほど十分に支持していないことがわかっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第2007/097984号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、応力を減少させるか、又はその方向を変えて、摩耗アセンブリの負担を軽減することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下、「前方」は、歯の先端に向かう長手方向の向きを示し、「後方」はその反対の向きを示す。
【0018】
第1の観点によれば、土木機械のバケットの摩耗アセンブリの雌型部品が提供される。バケット及び雌型部品は、直交方向X、Y及びZにそれぞれ対応する長さ、幅及び高さを有し、バケット及び雌型部品は、上側接触面及び下側接触面を有する空洞を含み、上側接触面は、空洞の底部から後方に延びる上側前方接触部を有し、下側接触面は、空洞の底部から後方に延びる下側前方接触部を有する。上側前方接触部及び下側前方接触部のうちの一方が凹面であり、他方が凸面である。たとえば、空洞の上側前方接触部および下側前方接触部の両方が、V字形状を示すことができる(その場合、上側前方接触部が凸面になり、下側前方接触部が凹面になる)か、又は逆V字形状を示すことができる(その場合、上側前方接触部が凹面になり、下側前方接触部が凸面になる)。上側前方接触部および下側前方接触部の両方が、空洞の入口の中心を通るXZ平面である中央XZ平面に関して対称である。
【0019】
ある具体例によれば、上側前方接触部および下側前方接触部の両方は、右前面及び左前面を含むことができ、これらの面は、実質的に平らとすることができる。右前面は、中央XZ平面の一方側に置くことができ、左前面はその他方側に置くことができ、それらは、中央XZ平面に関して対称とすることができる。
【0020】
ある具体例によれば、上側前方接触部は、YZ平面に対して平行であるいずれかの横断面上で下側前方接触部に対して平行とすることができる。それらは、全体の接触部を考慮すると、実質的に互いに平行とすることができる。あるいは、その代りに、たとえば空洞の底部に向けて先細りにすることができる。他の具体例によれば、上側前方接触部及び下側前方接触部は、互いに平行にしなくてもよい。
【0021】
ここで空洞の後方接触部を参照すると、上側接触面は、空洞の入口から前方に延びる上側後方接触部を含み、下側接触面は、空洞の入口から前方に延びる下側後方接触部を含み、上側後方接触部及び下側後方接触部の一方が凹面であり、他方が凸面である。前方接触部に関して上記に述べた事項は、後方接触部に同様に適用される。
【0022】
ある具体例によれば、空洞は、上側前方接触部と上側後方接触部との間、及び下側前方接触部と下側後方接触部との間における中間部分においてその底部に向けて先細りする。
【0023】
ある具体例によれば、上側後方接触部は、凹面とすることができ、上側前方接触部は、凸面とすることができる(その場合、下側後方接触部は凸面になるはずであり、下側前方接触部は凹面になるはずである)、逆も可能である。すなわち、前方接触部におけるV字形状は、後方接触部で逆V字形状に変わることができ、逆もまた同様である。
【0024】
ある具体例によれば、空洞は、2つの凹面(空洞から見たとき)である側面を備えることができ、この側面は、中央XZ平面に関して対称である。ある具体例によれば、この側面のそれぞれが、平らな上側側面及び下側側面を含むことができる。これらの面は、(凹面を形成するために)XY平面に対して傾斜している。ある場合、それらの面は、特定のXY平面に関して対称とすることができる。
【0025】
第2の観点によれば、摩耗アセンブリの雄型部品は、上側接触面及び下側接触面を備えるノーズを含み、上側接触面は、ノーズの先端部から後方に延びる上側前方接触部を含み、下側接触面は、ノーズの先端部から後方に延びる下側前方接触部を含む。上側前方接触部及び下側前方接触部のうちの一方が凹面であり、他方が凸面である。たとえば、ノーズの上側前方接触部および下側前方接触部の両方が、V字形状を示すことができる(その場合、上側前方接触部は凹面になり、下側前方接触部は凸面になる)か、又は逆V字形状を示すことができる(その場合、上側前方接触部は凸面になり、下側前方接触部は凹面になる)。
【0026】
雄型部品は、凹部を凸部に(またはその逆)、空洞をノーズに、空洞の底部をノーズの先端部に置き換えることにより、雌型部品と同様に規定される。雌型部品に関して上記に説明された事項は、雄型部品に同様に適用される(さらに空洞の入口の代わりにノーズの基部に置き換える)。
【0027】
雌型部品と同様に、雄型部品のノーズは、上側前方接触部と上側後方接触部との間、及び下側前方接触部と下側後方接触部との間における中間部分において前方端部に向けて先細りにすることができる。
【0028】
雌型部品と同様に、雄型部品のノーズは、中央XZ平面に関して対称である2つの凸側面を有することができる。凸側面は、雌型部品の対応する凹側面と作用して、横方向の力に対抗して雄型部品と雌型部品との間の取り付け部を安定化する助けになるように寄与する。
【0029】
摩耗アセンブリは、上記の雌型部品及び雄型部品である摩耗要素を備えることができるので、雄型部品のノーズは、雌型部品の空洞中に嵌り、長手方向軸線に沿って取り付け部が形成され、雌型部品の上側接触面は、雄型部品の上側接触面と相補的であり、雌型部品の下側接触面は、雄型部品の下側接触面と相補的である。上記のように、先端に作用する負荷は、方向及び強さが様々であるため支持面に対する反作用を生じる可能性があり、この反作用は、歯を回転させて、アダプタから引き抜く傾向がある。しかし、雄型部品および雌型部品の両方の前方接触部及び後方接触部のV字又は逆V字の形状により、これらの反作用は補償される。V字形状と逆V字形状とは、それらの取り付け部が摩耗アセンブリの作動又は使用の間に生成される反作用を分配するために、雄型部品に対して雌型部品をしっかりと締め付けるようにする傾向があるので、雄型部品に対する雌型部品の保持に有利に働き、取り付けシステム及び保持システム、特にピンに作用する応力が減少されるからである。
【0030】
これは、以下の理由により達成される。すなわち、様々な部品が、特別な方法(V字又は逆V字の形状に基づく)により互いに相補的な接触面(又は支持領域)を備える取り付け領域を有しており、それによって、摩耗アセンブリに作業応力が作用しても、雄型部品と雌型部品との完全な安定化が達成されるからである。この安定化の目的は、摩耗要素をアダプタに自然にしっかりと締め付けることによって摩耗要素が前方に外れないように防止するか、又は少なくとも遅らせ、且つ摩耗要素、アダプタ及びピンに作用する応力を減少させ、それによって摩耗アセンブリの要素の有用年数を延ばすことである。
【0031】
具体的には、雄型部品と雌型部品との間の結合及びそれらの支持(すなわち接触)面の間の接触によって、先端に加えられる力に対する応答として接触面に対する反力が生成されることが可能になり、反力は、雄型部品を雌型部品中にしっかりと締め付ける傾向があり、そのため摩耗アセンブリの応力が減少され、その耐用年数が延ばされる。また、摩耗アセンブリは、接触面(比較的高い面であることが好ましい)が修理を受けられるように、部品へのアクセスが良好になっている。
【0032】
雄型部品及び雌型部品の上側及び下側の接触部は、雄型部品と雌型部品との間の接触領域である。一般に、雄型部品/雌型部品の接触面は、それぞれ雌型部品/雄型部品の対応する接触面と接触状態であるように設計された面であることを理解する必要がある。したがって、雄型部品又は雌型部品が分離した部品として考えられる場合、それらの接触面は、明確に規定される。
【0033】
ある具体例によれば、雄型又は雌型の部品のいずれか(どちらが摩耗要素であるかによって決まる)は、下側外側長手方向凹部を含むことができ、それは、摩耗要素の前方部から後方部に延びることができることが好ましく、たとえば凹部は、摩耗要素の長さの全部又はほぼ全部(おおよそ3/4よりも多い)をカバーすることができる。凹部は、空洞の下側接触面の少なくとも一部分に対して、たとえば1つの下側後方接触部に対して実質的に平行とすることができる。換言すると、凹部は、摩耗要素の他の要素(摩耗要素に結合される)との下側接触領域に対して平行とすることができ、そのため、厚さが均一になる。凹部によって、摩耗要素の区画が減少されて、押し込み性が向上し、また、凹部は、応力を減少させるように共同して働く。歯の地面への押し込みを容易にすることは重要であり、それは、歯が先端ですり減るほど、押し込みに対する抵抗が大きくなり、そして機械に求められる力が大きくなり、それによって燃料消費及び生産コストが上昇するからである。下側凹部は、連続する良好な押し込みと良好な抵抗領域の釣り合いをとることができる。
【0034】
ある具体例によれば、摩耗要素の質量の中心は、取り付け部の長手方向軸線(中央X方向)の下方にある、すなわち、下側摩耗領域に材料が多い。これは、摩耗要素が、まさにこの領域での摩耗が大きいので、有利である。
【0035】
3部品構成のアセンブリでは、2つの摩耗アセンブリ、すなわち先端と中間部材との間の第1の摩耗アセンブリ、および中間部材とアダプタとの間の第2の摩耗アセンブリが存在する。ある具体例によれば、第1及び第2の摩耗アセンブリは、同じものとすることができるが、他の具体例では、それらは異なるものとすることができる。たとえば、V字又は逆V字の構成は、第1の摩耗アセンブリと第2の摩耗アセンブリとで異なるか、又は逆のものとすることができる。
【0036】
既に述べたように、雄型部品は、接触領域(対称面)を損なう可能性のある塑性変形又は内部摩耗を被る。3部品構成の摩耗アセンブリを使用すると、寿命を延ばすために接触領域を修理することが通常である。そのため、雄型部品のノーズの修理を容易にするために、接触領域が、広く平坦であってアクセス可能であることが有利である。
【0037】
本発明のいくつかの具体的な例を、ただ非限定の例として、添付図面を参照して下記に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】2部品構成の摩耗アセンブリの斜視図。
図2】3部品構成の摩耗アセンブリの斜視図。
図3】雌型部品の後方斜視図。
図4図3の雌型部品の側面図。
図5図3の雌型部品の背面図。
図6図5と同様であるが、拡大した図。
図7】先端部要素に納められた図3の雌型部品の長手方向横断面図。
図8図3の雌型部品の底部斜視図。
図9】雄型部品の斜視図。
図10図9の雄型部品の上面図。
図11図9の雄型部品の側面図。
図12図9の雄型部品の前面図。
図13】雄型部品の別の具体例の斜視図。
図14図13の雄型部品の底部斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
摩耗アセンブリの理解のために上記の図面を参照していくつかの具体例を以下に説明する。
【0040】
バケット用の摩耗アセンブリに含まれる要素又は部品は、使用目的に応じて異なるものにできる。図1は、雄型部品1及び雌型部品2を備える2部品構成の摩耗アセンブリを示す。ここで、雌型部品は歯3であり、雄型部品はアダプタ4である。図2は、先端5、中間要素6及び溶接された(又は鋳造された、若しくはそうでなければ取り付けられた)ノーズ7を備える3部品構成の摩耗アセンブリを示す。また、図1は、3つの直交軸X、Y、Zを示し、Xは長手方向軸線であり、Yは水平軸線であり、Zは垂直軸線である(これらの軸は、バケットに関しても考えることができ、X、Y及びZは、それぞれバケットの長さ、幅及び高さの方向に延びる)。
【0041】
3部品構成のアセンブリにおける中間要素としての雌型部品が、図3図8に詳細に示されている。雌型部品2は、開口部21(空洞の入口)から前方内側面22(空洞の底部)、上側前方接触部24、下側前方接触部23、上側後方接触部26、および下側後方接触部25に延びる空洞20を含む。前方接触部および後方接触部のいずれも、XY平面(「水平」平面)に平行な平面に関して対称ではないが、中央XZ平面(鉛直長手方向平面)に関して対称である。
【0042】
これらの4つの接触部23、24、25及び26のそれぞれが、XZ平面に対して傾斜している一対の面を含む。このことは、それらがY軸に対して平行でないことを意味する。示唆されるように、この傾斜面は、XZ平面に関して対称である。傾斜は、下方又は上方とすることができる、すなわち、これらの部分によって形成される接触領域は、凸面又は凹面とすることができる。換言すると、接触領域は、V字形状又は逆V字形状を示すことができる。
【0043】
図3及び図7からわかるとおり、上側前方接触部24と上側後方接触部26との間、及び下側前方接触部と下側後方接触部25の間に、雌型部品2の空洞がその底部に向けて先細りしている中間部分29が存在する。
【0044】
図6からわかるとおり、下側前方接触部23は、XZ平面に関して対称である右下側前面231及び左下側前面232を有し、上側前方接触部24は、XZ平面に関して対称である右上側前面241及び左上側前面242を有する。下側後方接触部25は、XZ平面に関して対称である右下側後面251及び左下側後面252を有し、上側後方接触部26は、XZ平面に関して対称である右上側後面261及び左上側後面262を有する。
【0045】
図では、前方接触面23及び24及び後方接触面25及び26の形状は、互いに逆である。すなわち前方接触面はV字形状を示し、後方接触面は逆V字形状を示しており、その間に、平坦な遷移面が存在する。しかし、他の実施も可能である(たとえば前方及び後方の形状をおおよそ同じ形状とすることができる)。
【0046】
図5からわかるとおり、雌型部品は、2つの側方外側面37及び38を含み、それらは、XZ平面およびXY平面の両方に対して傾斜し、これらの平面に関して対称である。これらの側面は凸面であり、それによって先端領域での押し進みが向上される。それは、摩耗要素の横断面が、隅部を排除してしまったことによって縮小されているからである。
【0047】
また、空洞は、2つの側方内側凹面27及び28を含み、それらは、XZ平面およびXY平面の両方に対して傾斜し、これらの平面に関して対称である。
【0048】
3部品構成のアセンブリにおける中間要素としての雄型部品が、図9図12に詳細に示されている。雄型部品1は、肩部11から前方外側面12に延びるノーズ又は突起部10、上側前方接触部14、下側前方接触部13、上側後方接触部16、および下側後方接触部15を有する。前方接触部13と14は、YZ平面に平行な平面(横断平面)と交差したとき、上側及び下側の交差カーブが互いに平行であるという意味で、互いにほぼ平行である。また、それらの平面は、X方向で平行とすることができ、その場合、それらは実質的に平行である。同様に、後方接触部15及び16は、YZ平面に対して平行な平面と交差したとき、上側及び下側の交差カーブが互いに平行であるという意味で、互いにほぼ平行である。また、それらは、X方向で平行とすることができ、その場合、それらは実質的に平行である。前方部分および後方部分のいずれも、XY平面(「水平」平面)に対して平行な平面に関して対称でないが、中央XZ平面(長手方向平面)に関して対称である。
【0049】
これら4つの部分13、14、15及び16のそれぞれが、XZ平面に対して傾斜している一対の面を含む。このことは、それらがY軸に対して平行でないことを意味する。示唆されるように、この傾斜面は、XZ平面に関して対称である。傾斜は、下方又は上方とすることができる、すなわち、これらの部分によって形成される接触領域は、凹面又は凸面とすることができる。換言すると、接触領域は、V字形状又は逆V字形状を示すことができる。
【0050】
図4及び図7からわかるとおり、上側前方接触部14と上側後方接触部16の間及び下側前方接触部13と下側後方接触部15の間に、雄型部品1のノーズがその前方端部に向けて先細りしている中間部分39が存在する。
【0051】
下側前方接触部13は、XZ平面に関して対称である右下側前面131及び左下側前面132を有し(「右」及び「左」は、先端部を見たときのものであり、雌型部品の対応する要素と同様の番号付けを行うように定義される)、上側前方接触部14は、XZ平面に関して対称である右上側前面141及び左上側前面142を有し、下側後方接触部15は、XZ平面に関して対称である右下側後面151及び左下側後面152を有する。上側後方接触部16は、XZ平面に関して対称である右上側後面161及び左上側後面162を有する。
【0052】
図では、前方接触面13及び14と後方接触面15及び16の形状は、互いに逆にされる。すなわち前面はV字形状を示し、後面は逆V字形状を示しており、その間に、雄型部品面の修理を容易にするために、容易にアクセス可能な平坦な遷移面が存在する(平坦な接触面のサイズが比較的大きいと、ノーズについての修理も容易になる)。しかし、同じように、前方及び後方の形状の両方を、凹面、又は凸面とすることができる。
【0053】
また、ノーズは2つの側面17及び18を有し、側面17及び18は、XZ平面およびXY平面の両方に対して傾斜し、それらの平面に関して対称である。これらの側面は、凸面であり、雌型部品の空洞の対応する側方凹面27及び28に適合している。
【0054】
前方及び後方の接触面は湾曲させることができる。たとえば、Z軸上に中心のある球の扇形にすることができる(雌型部品の面についても同様である)。この場合、摩耗アセンブリの作用は、前の場合と同様である。
【0055】
別の具体例(図13及び図14)によれば、前方及び後方の接触面は平らであるが、水平でX軸に対して平行な延伸部31又は33によって分離されている。この具体例では、雄型部品の対称面は、突出して、変形及び摩耗の視覚的指示として作用する一連の段32又は34がノーズ上に形成される。
【0056】
上記の具体例では、3部品構成の摩耗アセンブリは、中間要素6とノーズ7との間の結合と、先端5と中間要素6との間の結合が同じであるが、これら2つの結合は異なってもよい。たとえば、V字及び逆V字構成は、一方の結合と他方の結合で逆にすることができる。あるいは、面の傾斜を異なるものとすることができる。
【0057】
最後に、摩耗アセンブリの先端5及び中間要素6は、押し進めるための領域を向上させるために、雌型部品2の下側の後方及び前方の接触面23及び25に対して実質的に平行な下側外部凹部8(図5図8)を有する。
【0058】
本発明の具体的な例だけを本明細書に示したが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義された保護範囲から逸脱せずに、それぞれの場合の具体的な要件に応じて修正を行い、いずれかの技術的構成を技術的に同等の他の構成と置換できるであろう。
図1-2】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2015年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木機械のバケットの摩耗アセンブリの雌型部品(2)であって、
前記バケット及び前記雌型部品が、直交方向X、Y及びZにそれぞれ対応する長さ、幅及び高さを有し、前記雌型部品は、上側接触面及び下側接触面を有する空洞を有
前記上側接触面が、前記空洞の底部から後方に延びる上側前方接触部(24)を有し、
前記下側接触面が、前記空洞の前記底部から後方に延びる下側前方接触部(23)を有し、
前記上側前方接触部及び前記下側前方接触部(24、23)のうちの一方が凹面であり、他方が凸面であり、
前記上側前方接触部(24)および前記下側前方接触部(23)の両方が、中央XZ平面に関して対称であり、
前記上側接触面が、前記空洞の入口から前方に延びる上側後方接触部(26)を有し、
前記下側接触面が、前記空洞の前記入口から前方に延びる下側後方接触部(25)を有し、
前記上側後方接触部及び前記下側後方接触部(26、25)のうちの一方が凹面であり、他方が凸面である、前記雌型部品(2)において、
前記上側後方接触部(26)が凹面であり、前記上側前方接触部(24)が凸面であるか、又はその逆であり、
前記上側後方接触部(26)が、前記YZ平面に対して平行な任意の横断面上で前記下側後方接触部(25)に対して平行であることを特徴とする、雌型部品(2)。
【請求項2】
前記上側前方接触部(24)および前記下側前方接触部(23)の両方が、実質的に平らな右前面及び左前面を有する、請求項1に記載された雌型部品(2)。
【請求項3】
前記空洞が、前記上側前方接触部(24)と前記上側後方接触部(26)との間、及び前記下側前方接触部(23)と前記下側後方接触部(25)との間における中間部分(29)においてその底部に向けて先細りしている、請求項に記載された雌型部品(2)。
【請求項4】
前記上側後方接触部(26)および前記下側後方接触部(25)の両方が、前記中央XZ平面に関して対称である、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項5】
前記上側後方接触部(26)および前記下側後方接触部(25)の両方が、実質的に平らな右後面及び左後面を有する、請求項から請求項までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項6】
前記空洞が、前記中央XZ平面に関して対称である2つの凹面の側面(27、28)を有し、
前記側面(27、28)のそれぞれが、平らな上側側面及び下側側面を有する、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項7】
下側外側長手方向の凹部(8)を有する、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項8】
前記凹部(8)が、前記空洞の前記下側接触面の少なくとも一部分に対して実質的に平行である、請求項に記載された雌型部品(2)。
【請求項9】
前記上側前方接触部(24)が、YZ平面に対して平行な任意の横断面上で前記下側前方接触部(23)に対して平行である、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項10】
前記上側前方接触部(24)が、全体的にみると前記下側前方接触部(23)に対して平行である、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項11】
前記上側後方接触部(26)が、全体的にみると前記下側後方接触部(25)に対して平行である、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項12】
前記上側前方接触部(24)及び前記下側前方接触部(23)が、それぞれ、前記XZ平面に対して傾斜している一対の面を有する、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項13】
前記上側後方接触部(26)及び前記下側後方接触部(25)が、それぞれ、前記XZ平面に対して傾斜している一対の面を有する、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)。
【請求項14】
土木機械のバケットの摩耗アセンブリの雄型部品(1)であって、
前記バケット及び前記雄型部品が、直交方向X、Y及びZにそれぞれ対応する長さ、幅及び高さを有し、前記雄型部品は、上側接触面及び下側接触面を有するノーズを有し、
前記上側接触面が、前記ノーズの先端部から後方に延びる上側前方接触部(14)を有し、
前記下側接触面が、前記ノーズの前記先端部から後方に延びる下側前方接触部(13)を有し、
前記上側前方接触部及び前記下側前方接触部(14、13)のうちの一方が凹面であり、他方が凸面であり、
前記上側前方接触部(14)および前記下側前方接触部(13)の両方が、中央XZ平面に関して対称であり
前記上側接触面が、前記ノーズの基部から前方に延びる上側後方接触部(16)を有し、
前記下側接触面が、前記ノーズの前記基部から前方に延びる下側後方接触部(15)を有し、
前記上側後方接触部及び前記下側後方接触部(16、15)のうちの一方が凹面であり、他方が凸面である、前記雄型部品(1)において、
前記上側後方接触部(16)が凹面であり、前記上側前方接触部(15)が凸面であるか、又はその逆であり、
前記上側後方接触部(16)が、前記YZ平面に対して平行な任意の横断面上で前記下側後方接触部(15)に対して平行であることを特徴とする、雄型部品(1)。
【請求項15】
前記上側前方接触部(14)および前記下側前方接触部(13)の両方が、実質的に平らな右前面及び左前面を有する、請求項14に記載された雄型部品(1)。
【請求項16】
前記ノーズが、前記上側前方接触部(14)と前記上側後方接触部(16)との間、及び前記下側前方接触部(13)と前記下側後方接触部(15)との間における中間部分(39)においてその前方端部に向けて先細りしている、請求項14に記載された雄型部品(1)。
【請求項17】
前記上側後方接触部(16)および前記下側後方接触部(15)の両方が、前記中央XZ平面に関して対称である、請求項14から請求項16までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項18】
前記上側後方接触部(16)および前記下側後方接触部(15)の両方が、実質的に平らな右後面及び左後面を有する、請求項14から請求項17までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項19】
前記ノーズが、前記中央XZ平面に関して対称である2つの凸面の側面(17、18)を有し、
前記側面(17、18)のそれぞれが、平らな上側側面及び下側側面を有する、請求項14から請求項18までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項20】
前記上側前方接触部(14)が、YZ平面に対して平行な任意の横断面上で前記下側前方接触部(13)に対して平行である、請求項14から請求項19までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項21】
前記上側前方接触部(14)が、全体的にみると前記下側前方接触部(13)に対して平行である、請求項14から請求項20までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項22】
前記上側後方接触部(16)が、全体的にみると前記下側後方接触部(15)に対して平行である請求項14から請求項21までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項23】
前記上側前方接触部(14)及び前記下側前方接触部(13)が、それぞれ、前記XZ平面に対して傾斜している一対の面を有する、請求項14から請求項22までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項24】
前記上側後方接触部(16)及び前記下側後方接触部(15)が、それぞれ、前記XZ平面に対して傾斜している一対の面を有する、請求項14から請求項23までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)。
【請求項25】
請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載された雌型部品(2)及び請求項14から請求項24までのいずれか1項に記載された雄型部品(1)である摩耗要素を備える摩耗アセンブリにおいて、
前記雄型部品のノーズが、前記雌型部品の空洞に嵌められて、長手方向軸線に沿って取り付け部が形成されるようになっており、
前記雌型部品の前記上側接触面が、前記雄型部品の前記上側接触面と相補的であり、
前記雌型部品の前記下側接触面が、前記雄型部品の前記下側接触面と相補的である、摩耗アセンブリ。
【請求項26】
前記摩耗要素の質量中心が、前記取り付け部の長手方向軸線の下方にある、請求項25に記載された摩耗アセンブリ。
【国際調査報告】