特表2016-528733(P2016-528733A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-528733(P2016-528733A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(54)【発明の名称】光学ソース
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/14 20060101AFI20160819BHJP
   H01S 5/022 20060101ALI20160819BHJP
   H01S 5/026 20060101ALI20160819BHJP
【FI】
   H01S5/14
   H01S5/022
   H01S5/026 618
   H01S5/026 650
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-530606(P2016-530606)
(86)(22)【出願日】2014年7月30日
(85)【翻訳文提出日】2016年3月23日
(86)【国際出願番号】GB2014052326
(87)【国際公開番号】WO2015015193
(87)【国際公開日】20150205
(31)【優先権主張番号】1313550.4
(32)【優先日】2013年7月30日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516031004
【氏名又は名称】ラッシュミア・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ドクター・アリスター・ジェームズ・パウスティー
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AB44
5F173AD06
5F173AD16
5F173AD30
5F173MA02
5F173MB03
5F173ME44
5F173MF02
5F173MF15
5F173MF18
5F173MF29
5F173MF39
5F173MF40
5F173SA08
5F173SA26
5F173SA27
5F173SA32
(57)【要約】
光学ソースは、レーザーと、当該レーザーと光通信する光フィルタとを備えて提供される。レーザーは、光学利得部と光学フェーズ制御部とを備える。フィルタは、レーザーからの光出力を受信して当該受信光をフィルタするように構成されている。ソースは、フィルタされた光をレーザーに入力し戻すように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.光学利得部と、
B.該利得部と光通信し、かつレーザーの縦モード周波数を変えることができるように構成されている光学フェーズ制御部と
を備える
I)レーザーと、
該レーザーの外部にあって該レーザーと光通信し、かつ
C.該レーザーから出力された光を受信して
D.該受信した光をフィルタするように構成されている
II)光学フィルタと
を備える光学ソースであって、
該光学ソースは、フィルタされた光をレーザーに入力し戻すように構成されている、光学ソース。
【請求項2】
前記レーザーは、第1光学反射体と第2光学反射体との間に配置されるレーザー空洞部を備え、該レーザー空洞部は、前記光学利得部と前記光学フェーズ制御部とを備える、請求項1に記載の光学ソース。
【請求項3】
I)少なくとも1つの前記第1あるいは第2光学反射体は部分光学反射体であり、
II)前記光学フィルタが、少なくとも1つの前記部分光学反射体の1つからのレーザー光を受信するよう構成されており、
III)前記光学ソースが、フィルタされた光を少なくとも1つの前記部分光学反射体の1つに入力するよう構成されている、請求項2に記載の光学ソース。
【請求項4】
前記光学フェーズ制御部は、前記利得部から独立して制御可能である、請求項1から3のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項5】
いかなる前記光学フェーズ制御部あるいは利得部は、電子的に制御可能である、請求項1から4のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項6】
前記利得部は、半導体材料を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項7】
前記光学フェーズ制御部は、半導体材料を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項8】
前記光学フェーズ部の半導体材料は、前記利得部の半導体材料よりも大きいバンドギャップを備える、請求項6に従属する請求項7に記載の光学ソース。
【請求項9】
前記第1光学反射体は部分反射体であり、かつ、
I)レーザー光の一部を前記フィルタに出力し、
II)該フィルタからのフィルタされたレーザー光を受信する
ように構成されている、請求項2に従属する請求項2から8のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項10】
さらにレーザーの外部に第3光学反射体を備え、かつ、
I)前記光学フィルタからのフィルタされたレーザー光を受信し、
II)フィルタされたレーザー光を前記光学フィルタに向かって反射し戻す
ように構成されている、請求項9に記載の光学ソース。
【請求項11】
前記第3光学反射体は、光の一部をレーザーソースの出力として送信するように構成されているような部分反射体である、請求項10に記載の光学ソース。
【請求項12】
前記第3光学反射体は実質的に、フィルタされた光をすべて前記光学フィルタに反射し戻し、
前記第2光学反射体は、光の一部をレーザーソースの出力として送信するように構成された部分光学反射体である、請求項10に記載の光学ソース。
【請求項13】
I)前記第1光学反射体は部分反射体であり、レーザー光の一部をフィルタに出力するように構成されており、
II)前記第2光学反射体は部分反射体であり、前記フィルタからのフィルタされたレーザー光の一部を受信するように構成されている、請求項2に従属する請求項2から12のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項14】
前記光学フィルタは、通過帯域フィルタ応答を備える、請求項1から13のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項15】
フィルタ帯域通過の半値全幅は、レーザーの縦モード間隔よりも小さい、請求項14に記載の光学ソース。
【請求項16】
前記光学フィルタは、光学薄膜フィルタを備える、請求項14あるいは15に記載の光学ソース。
【請求項17】
前記光学フィルタの通過帯域応答の中心波長を変化させるように構成されている、請求項16に記載の光学ソース。
【請求項18】
出力レーザー光が前記薄膜フィルタと交差してできる入射角を変化させることによって、通過帯域応答の前記中心波長を変化させるように構成されている、請求項17に記載の光学ソース。
【請求項19】
複数の前記レーザーを備え、前記光学フィルタは、複数の光学通過帯域を備えるマルチ波長光学フィルタを備える、請求項1から18のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項20】
I)前記フィルタは、物理的に離れている複数の光路からの光を受信するように構成されており、前記各光路は異なる光学通過帯域と関連しており、
II)複数のレーザーの各々は、異なる光路と光通信している、請求項19に記載の光学ソース。
【請求項21】
前記光学フィルタは、アレイ導波路回折格子(AWG)を備える、請求項20に記載の光学ソース。
【請求項22】
光学ソースは第3光学反射体を備え、
前記AWGは前記第3光学反射体と光通信する波長多重出力経路を備え、かつ、
前記第3光学反射体は、前記AWGの多重出力からのフィルタされたレーザー光を受信し、前記フィルタされた光の少なくとも一部を前記AWGの多重出力に反射し戻すように構成されている、請求項21に記載の光学ソース。
【請求項23】
さらなる光学フィルタは、複数のレーザーとマルチ波長フィルタとの間の光路に挿入されており、かつ複数のレーザーとマルチ波長フィルタと光通信している、請求項19から22のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項24】
前記光学フィルタは、断熱化されている、請求項1から23のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項25】
前記光学フィルタは、断熱化手段を備える、請求項1から24のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項26】
前記レーザーは、断熱化されている、請求項1から25のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項27】
前記レーザーは、断熱化手段を備える、請求項1から26のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項28】
前記断熱化手段は、断熱ポリマーを備える、請求項25あるいは27に記載の光学ソース。
【請求項29】
前記断熱化手段は、前記フィルタにおける屈折率の変化を誘発するいかなる機械的動作、熱あるいは応力を備える、請求項25に記載の光学ソース。
【請求項30】
いかなるレーザーと、光学フィルタと、いかなる第3反射体は、少なくとも部分的に自由空間光伝搬によって、光学的に接続されている、請求項1から29のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項31】
前記レーザーと、前記光学フィルタと、いかなる第3反射体は、少なくとも部分的に1つあるいはそれ以上の光ファイバーによって、光学的に接続されている、請求項1から30のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項32】
前記レーザーと、前記光学フィルタと、いかなる第3反射体は、少なくとも部分的に1つあるいはそれ以上の集積光導波路によって、光学的に接続されている、請求項1から31のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項33】
前記光学フェーズ制御部は、電流あるいは電圧を受信し、受信された電流あるいは電圧に応えて、前記光学フェーズ制御部の屈折率の変化を与えるように構成されている、請求項1から32のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項34】
さらに、レーザー出力と、
前記光学フィルタからの出力と、
第3光学反射体の送信された一部
のどれとでも、光学的に結合されている光学検出器を備える、請求項1から33のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項35】
前記光学検出器は、前記光学フィルタのフィルタされた出力と、光学的に結合されている、請求項34に記載の光学ソース。
【請求項36】
I)前記光学検出器は、ソースからの光を受信し、1つあるいはそれ以上の電気信号を生み出すように構成されており、
II)前記光学フェーズ制御部は、前記フェーズ部の屈折率を変化させるために少なくとも部分的に前記光学検出器の電気信号に基づいて、電気信号を受信するように構成されている、請求項34あるいは35に記載の光学ソース。
【請求項37】
さらに、
I)前記光学検出器の電気信号を受信し、
II)前記光学検出器の電気信号を処理し、
III)処理された電気信号を前記光学フェーズ制御部に送信する
ように構成されている電子処理手段を備える、請求項36に記載の光学ソース。
【請求項38】
添付の図の図1から図6までの1つあるいはそれ以上に関連して、実質的に本願で示されたおよび/あるいは記述された光学ソース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一のあるいは複数の光学エミッタにおいて波長制御を獲得するために構成された光学ソースに関する。
【背景技術】
【0002】
データ容量と帯域幅の需要が増えるにつれて、光学テクノロジーは、光ファイバーネットワークを介する光学データの大容量伝達を促進するように、成功裏に発展してきた。これらの長距離ネットワークはしばしば、波長が異なる1つあるいはそれ以上の光学ソースが単一の光ファイバーを通るのを可能にする高密度波長分割多重(DWDM)を用いる。短距離光相互接続ネットワークも、ファイバーネットワークでのデータ容量を増やすために、DWDMを使うことができる。DWDMネットワーク内で1つあるいはそれ以上の光学フィルタの通過帯域内で光学信号を保持するために、ネットワークには、光学ソース波長の安定した制御が必要である。DWDM光学ソースの波長を保持するための既知の解決法は、分布帰還型レーザー(DFB)のような単一縦モード出力を出し、それからデバイス内で、温度あるいは電流注入によってその波長を制御するように、光学ソースを設計することである。その他の複雑なレーザーチップ設計は、多くの波長を横切るレーザー波長の大きな同調性を得るために用いられ得る。しかしながら波長を制御するこれらの方法は、光学ソースの電力消耗の主な要因の1つであり、冷却の必要性は、ルータやスイッチのような電気機器内のこれらのソースのフェイスプレート密度を制限する。さらに、DFBあるいは波長可変レーザーのようなDWDMレーザーデバイスは、組み立てるのが複雑で、規定のDWDM波長で組み立てられたデバイスの生産量は低く、レーザーチップが高額になる。
【0003】
ファブリ・ペロー半導体レーザーのスペクトル性能を修正するための注入同期と注入シーディングの使用が示されている(たとえば非特許文献1)が、これらの証拠は、レーザーにおけるフェーズ部の取込みを用いていない。代替的に、レーザースペクトラル出力を安定させるために波長に遠距離反射を用いることが示されている(非特許文献2)。これらのマルチ波長仕組みは、波長選択フィルタの下流で共通の反射体を用いるが、オリジナルのレーザー光に対して反射光をディフェーズするために、長距離に依存する。
【0004】
半導体レーザーでの1つあるいはそれ以上の接点を用いることは、非特許文献3にあるように立証されているが、本願にあるようにモード周波数を調節するのではなく、レーザーの変調性能を修正するためだけである。
【0005】
レーザーのスペクトル感度を修正するためのフィルタを組み込んだ外部空洞を用いることは、特許文献1で示されているが、これも、フィルタ周波数に対してモード周波数を同調させるために、レーザーのフェーズ部を用いることを含んでいない。
【0006】
波長分割多重パッシブ光ネットワーク(WDM−PON)のためのファブリ・ペロー半導体レーザーの波長選択の改善は、増幅自然放出(非特許文献4)あるいは連続波光(非特許文献5)のいずれかをシードするための外部ソースを用いて立証されている。これらの例においては、レーザー波長を制御するためのモニタリングもフィードバックもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6496523号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「オプティック・エクスプレス」第15巻、第6号、2007年、2954ページ
【非特許文献2】「光ファイバー・コミュニケーション2011」、研究論文OMP4、「IEEEフォトニックス・テクノロジー・レターズ」第24巻、第17号、2012年9月1日、1523ページ
【非特許文献3】「量子エレクトロニクスに関する厳選トピックのIEEEジャーナル」第10巻、2004年、982ページ
【非特許文献4】H.D.キム、S.G.カン、C.H.リー、「ASEを注入されたファブリ・ペロー半導体レーザーを有する低コストWDMソース」、「IEEEフォトニックス・テクノロジー・レターズ」第12巻、2000年、1067−1069ページ
【非特許文献5】ツァオウェン・スー、ヤン・ジン・ウェン、ウェン・デ・ツォン、チャン・ジョン・チャエ、シャオ・フェイ・チェン、イーシン・ワン、チャオ・ルー、ジャヤ・シャンカー、「CW注入同期されたファブリ・ペロー・レーザー・ダイオードを用いる高速WDM−PON」、「オプティック・エクスプレス」第15巻、第6号、2007年、2953ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明の一様態において提供されるのは、光学利得部と、利得部と光通信し、かつレーザーの縦モード周波数を変えることができるように構成されている光学フェーズ制御部とを備えるレーザーと、レーザーの外部にあってレーザーと光通信し、かつレーザーからの光出力を受信して当該受信光をフィルタするように構成されている光学フィルタとを備える光学ソースであり、光学ソースは、フィルタされた光をレーザーに入力し戻すように構成されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の前記様態は、本願に記述されるような以下の特徴のいずれかによって修正されてよく、および/あるいはさらにそれらを備えてよい。
【0011】
レーザーは、第1光学反射体と第2光学反射体との間に配置されるレーザー空洞部を備えてよく、当該レーザー空洞部は、光学利得部と光学フェーズ制御部とを備える。
【0012】
光学ソースは、以下のように構成されていてよい。少なくとも1つの第1あるいは第2光学反射体は部分光学反射体であり、光学フィルタが、少なくとも1つの前記部分光学反射体の1つからのレーザー光を受信するよう構成されており、光学ソースが、フィルタされた光を少なくとも1つの前記部分光学反射体の1つに入力するよう構成されている。
【0013】
光学フェーズ制御部は、利得部から独立して制御可能であってよい。
【0014】
光学フェーズ制御部あるいは利得部は、電子的に制御可能であってよい。
【0015】
利得部は、半導体材料を備えてよい。
【0016】
光学フェーズ制御部は、半導体材料を備えてよい。
【0017】
光学フェーズ部の半導体材料は、利得部の半導体材料よりも大きいバンドギャップを備えてよい。
【0018】
第1反射体は、部分反射体であってよく、かつ、レーザー光の一部をフィルタに出力し、フィルタからのフィルタされたレーザー光を受信するように構成されていてよい。
【0019】
光学ソースはさらに、レーザーの外部に第3光学反射体を備えてよく、かつ、光学フィルタからのフィルタされたレーザー光を受信し、フィルタされたレーザー光を光学フィルタに向かって反射し戻すように構成されていてよい。
【0020】
第3光学反射体は、光の一部をレーザーソースの出力として送信するように構成されているような、部分反射体であってよい。
【0021】
第3光学反射体は実質的に、フィルタされた光をすべて光学フィルタに反射し戻してよく、第2光学反射体は、光の一部をレーザーソースの出力として送信するように構成された部分光学反射体であってよい。
【0022】
第1反射体は部分反射体であってよく、レーザー光の一部をフィルタに出力するように構成されており、第2反射体は部分反射体であってよく、フィルタからのフィルタされたレーザー光の一部を受信するように構成されている。
【0023】
光学フィルタは、通過帯域フィルタ応答(passband filter response)を備えてよい。
【0024】
フィルタ帯域通過の半値全幅(filter bandpass full width half maximum width)は、レーザーの縦モード間隔よりも小さくてよい。
【0025】
光学フィルタは、光学薄膜フィルタを備えてよい。
【0026】
光学ソースは、光学フィルタの通過帯域応答の中心波長を変化させるように構成されていてよい。
【0027】
光学ソースは、出力レーザー光が薄膜フィルタと交差してできる入射角を変化させることによって、通過帯域応答の前記中心波長を変化させるように構成されていてよい。
【0028】
光学ソースは複数の前記レーザーを備えてよく、光学フィルタは、複数の光学通過帯域を備えるマルチ波長光学フィルタを備える。フィルタは、物理的に離れている複数の光路からの光を受信するように構成されていてよく、前記各光路は異なる光学通過帯域と関連しており、複数のレーザーの各々は、異なる光路と光通信している。
【0029】
光学フィルタは、アレイ導波路回折格子(AWG)を備える。
【0030】
光学ソースは第3光学反射体を備えてよく、AWGは第3反射体と光通信する波長多重出力経路を備えてよく、かつ、第3光学反射体は、AWGの多重出力からのフィルタされたレーザー光を受信し、前記フィルタされた光の少なくとも一部をAWGの多重出力に反射し戻すように構成されていてよい。
【0031】
さらなる光学フィルタは、複数のレーザーとマルチ波長フィルタとの間の光路に挿入されていてよく、かつ複数のレーザーとマルチ波長フィルタと光通信していてよい。
【0032】
光学フィルタは、断熱化されていてよい。
【0033】
光学フィルタは、断熱化手段を備えてよい。
【0034】
レーザーは、断熱化されていてよい。
【0035】
レーザーは、断熱化手段を備えてよい。
【0036】
断熱化手段は、フィルタにおける屈折率の変化を誘発するいかなる機械的動作、熱あるいは応力を備えてよい。
【0037】
いかなるレーザーと、光学フィルタと、いかなる第3反射体は、少なくとも部分的に自由空間光伝搬によって、光学的に接続されていてよい。
【0038】
レーザーと、光学フィルタと、いかなる第3反射体は、少なくとも部分的に1つあるいはそれ以上の光ファイバーによって、光学的に接続されていてよい。
【0039】
レーザーと、光学フィルタと、いかなる第3反射体は、少なくとも部分的に1つあるいはそれ以上の集積光導波路によって、光学的に接続されていてよい。
【0040】
光学フェーズ制御部は、電流あるいは電圧を受信し、受信された電流あるいは電圧に応えて、フェーズ制御部の屈折率の変化を与えるように構成されていてよい。
【0041】
光学ソースはさらに、レーザー出力と、光学フィルタからの出力と、第3光学反射体の送信された一部のどれとでも、光学的に結合されている光学検出器を備えてよい。
【0042】
検出器は、光学フィルタのフィルタされた出力と、光学的に結合されていてよい。
【0043】
検出器は、ソースからの光を受信し、1つあるいはそれ以上の電気信号を生み出すように構成されていてよく、フェーズ制御部は、フェーズ部の屈折率を変化させるために少なくとも部分的に検出器電気信号に基づいて、電気信号を受信するように構成されていてよい。
【0044】
光学ソースはさらに、前記検出器電気信号を受信し、前記検出器信号を処理し、処理された電気信号をフェーズ制御部に送信するように構成されている電子処理手段を備えてよい。
【0045】
さらに提示されるのは、レーザーチップ内の縦モード周波数同調要素を用いることによって、かつレーザーをローカル光学フィルタに自己注入同期することによって、制御される波長を形成するための低コストの半導体レーザーソース(ファブリ・ペロー・レーザー)つまりDWDM光学ソースである。ローカルフィルタは、ソースの周波数が拡張温度範囲にわたる周波数の大きな変動を示さないように、断熱化され得る。少なくとも1つの縦モードが拡張温度範囲にわたって注入同期されるように、レーザー縦モードの周波数は、フェーズ部を介してモニタされ、かつ別々に制御される。
【0046】
本願発明の実施形態は、添付の図に関連して詳細に記述される。図に示されるのは以下である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】フェーズ制御部2を有するレーザーチップ1である。
図2】レーザーモードの波長同調である。
図3】別体のフェーズ制御部8を有する複数のレーザーチップ7である。
図4】どのようにして、各レーザーチップソースの波長が、1つあるいはそれ以上のマルチ波長帯域通過フィルタを介してパワーと周波数とをモニタされるかを示している。
図5】レンズアレイ9、10を介してマルチ波長帯域通過フィルタ11に光学的に結合されている、別体のフェーズ制御部8を有する複数のレーザーチップ7である。
図6】2つの反射鏡17と、1つはフェーズ部18用で1つは利得部19用の2つの電気接点とを有するレーザーチップ16である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
光学ソースは、レーザー光を出力するように構成されて提示される。光学ソースは好適には、1530−1565nmの波長域(その他ではC帯域として知られている)の光を出力するが、原則的に以下の波長域のどれでも1つあるいはそれ以上のレーザー光を出力してよい。1260−1360nm(その他ではO帯域として知られている)、1360−1460nm(その他ではE帯域として知られている)、1460−1530nm(その他ではS帯域として知られている)、1565−1625nm(その他ではL帯域として知られている)、1625−1675nm(その他ではU帯域として知られている)。このような波長域は好適には、電気通信アプリケーションに用いられる。センサアプリケーションのために、光学ソースはいかなる光学波長帯域でも構成され得る。
【0049】
好適には光学ソースは、光ファイバーの長さが20kmを超えないような短距離光ネットワークのために用いられるが、しかしながら原則的に光学ソースは、いかなる光データあるいは光通信にも、あるいは耐熱性レーザーソースを必要とするいかなるその他のアプリケーションにも用いられてよい。
【0050】
たとえばソース注入電流を直接変調することによって、あるいは別の適切な変調手段を用いることによって、原則的に光の出力はパルス化され得るのかもしれないが、光学ソースからの出力は一般的に、連続波(CW)光である。
【0051】
レーザーは、第1光学反射体と第2光学反射体とを備える。反射体のいずれかが、鏡であってよい。好適には両反射体が鏡である。レーザー空洞部は、前記反射体の間に配置されている。レーザー空洞部は、利得媒体によって生み出される光がファブリ・ペロー・レーザーを形成するための両鏡に反射するように構成されているような光学利得媒体を備える、少なくとも1つの光学利得部を備える。レーザー空洞部は、フェーズ制御部も備える。フェーズ制御部は、利得媒体と物理的に離れており、かつフェーズ制御部の少なくとも一部の屈折率を変化させることができるように構成されている媒体を備える。フェーズ制御部の屈折率の調節が、今度はレーザー空洞部の縦モード周波数を調節することになる。フェーズ制御部が、適切な手段による屈折率の変化を引き起こしてよい。レーザーを出すことができるように、第1光学反射体と第2光学反射体は一緒になって、充分な光をレーザー空洞部にフィードバックするように構成されている。
【0052】
このようなフェーズ制御手段は、たとえばフェーズ制御媒体に隣接する熱要素に電流が供給される場所で熱光学効果を用いることを含んでよい。付加的にあるいは代替的に、フェーズ制御媒体へのキャリア(電流)注入が、屈折率の変化を引き起こしてよい。
【0053】
一般的に、フェーズ制御部は、望ましい屈折率の変化を起こすために、フェーズ制御部のフェーズ制御媒体に、適切な電流信号あるいは電圧信号を与えるように構成された電気接点を備える。
【0054】
好適には利得部は、半導体利得媒体を備える。
【0055】
好適にはフェーズ制御部は、半導体フェーズ制御媒体を備える。
【0056】
利得部あるいはフェーズ制御部のいずれかはそれぞれ、複数の異なる利得媒体あるいはフェーズ制御媒体を備えてよい。
【0057】
好適には1つあるいはそれ以上の半導体媒体は、InPあるいはInGaAsPあるいはAlInGaAsあるいはInGaAsあるいは量子ドットまたは有機半導体を含むその他の適切な半導体材料を備える。
【0058】
好適には利得媒体とフェーズ制御媒体はともに、半導体材料を備える。レーザーは、半導体ファブリ・ペロー・レーザーであってよい。
【0059】
レーザーのいかなる部分も、導波管を備えてよい。このような導波管はいずれも、リブ導波管、リッジ導波管、埋め込み型導波管あるいは、前記部分の各々で要求される機能性を与える適切な半導体材料および/あるいは誘電材料を備えるその他のいかなる適切な導波管構造であってもよい。
【0060】
電流注入を用いるフェーズ制御部のために、フェーズ制御部内の半導体媒体は好適には、利得部内の半導体媒体よりも大きいバンドギャップを備える。原則的に、フェーズ制御部のバンドギャップはいかなるバンドギャップであってもよく、たとえばフェーズ制御部内のバンドギャップは利得部と同じであってよい。
【0061】
好適にはフェーズ制御部と利得部は、利得制御媒体に印加される電流あるいは電圧が、フェーズ制御媒体には印加されず、その逆もまた同様であるように、別々に電子的に制御される。利得媒体は好適には、2つの電気接点と電子的に結合される。フェーズ制御媒体は好適には、2つの電気接点と電子的に結合される。接点の1つは、利得部と共有する共通の基盤あるいはアノードであってよい。
【0062】
原則的に、レーザー空洞部は、複数の利得部および/あるいは複数のフェーズ制御部を備えてよい。
【0063】
第1鏡と第2鏡の少なくとも1つは、関連する波長域において部分的に反射している。原則的に、両鏡が部分的に反射していてよい。好適には、部分的に反射する鏡は、それに入射する光の80%から99%、より好適には85%から95%を反射する。好適には反射体は、反射体が光学応答において広帯域であるように、作動の波長域にわたる光とほぼ同量の光を反射する。好適にはレーザー空洞は半導体チップを備え、たとえばチップの端部をコーティングすることによって、あるいはその他のあらゆる適切な手段によって、反射体はチップの端部に物理的に付着されている。
【0064】
光学ソースは、フィルタされた出力レーザー光をレーザーにフィードバックし、よって外部光学空洞を形成する外部の光学フィルタに光学的に結合されたレーザーを備える。外部光学空洞は、フィルタされた光を光学フィルタに反射し戻すさらなる光学反射体を備えてよい。さらなる反射体は、少なくとも1つの部分的光学反射体であるか、あるいはソース作動の波長域においてそれに入射する光のほぼ100%が反射する光学反射体であり得る。
【0065】
外部光学空洞は、部分的に反射する反射体からのレーザーから出る光が光学フィルタに入射するように、レーザーに光学的に結合されている。光学フィルタは、単一の光学フィルタデバイスあるいは組み合わさった光学フィルタリング特性を有する複数の光学フィルタであってよい。光学フィルタは好適には、図2で示されるように、通過帯域フィルタリング特性を備える。
【0066】
以下の例は、上述のように修正され、あるいは変更されてよい。
【0067】
第1の例において、狭い帯域通過光学フィルタと反射体とに光学的に結合された半導体レーザーを備える光学ソースであって、フィルタされた光学反射が、光学フィルタ通過帯域によって決定される単一の波長で作動するためのレーザーを注入同期する光学ソースを提供する。レーザーは縦モード周波数同調の方法を含み、レーザーモードの少なくとも1つの周波数が、光学フィルタと同じ周波数に同調され得る。これによって、光学ソース波長が、レーザーソースが単一の波長を発するような方法で制御されることが可能になる。
【0068】
好適にはレーザーは、少なくとも2つの部分を備えるファブリ・ペロー半導体レーザーである。前記レーザーは、狭い帯域通過光学フィルタと部分的光学反射体とに光学的に結合されている。レーザーのある部分は、たとえば電流を前記部分へ注入することによって、レーザーチップの光学利得を制御するために用いられ、別の部分はレーザー縦モードの周波数および/あるいは利得を変化させるために用いられる。フェーズ制御部と利得部は、独立して制御可能である。光学フィルタの帯域通過は好適には、フィルタのみがレーザー縦モードの1つを通過するように、レーザー縦モード間隔よりも周波数が狭い。光学フィルタの波長は、たとえばレーザーからの入射光学ビーム出力に対してフィルタの角度を変えることによって、同調され得る。光学フィルタが角度同調されるときに光学ビームの出射角が逸れないように、光学フィルタは好適には、平らで平行な基板にコーティングされた薄膜コーティングデバイスである。コーティングされたフィルタの基板は好適には、フィルタの中心波長が温度に伴う小さな変化、たとえば<3pm/℃、を有するように、熱補償された(断熱化された)材料である。この形態において、光学ソース出力の波長は、縦モードの絶対周波数を変化させるためにレーザーのフェーズ部を制御することによって、温度に対して維持され得る。温度範囲が特定の縦モードの同調範囲を超えて拡張すれば、隣接する縦モードは、光学ソース出力を備えるために代替的に用いられ得る。フェーズ部を制御することによって作られるモード周波数調整よりも低くするためにモード周波数での縦変動が制御されるように、付加的光学ポリマー導波管部を用いることによって、ファブリ・ペロー空洞は断熱化もされ得る。
【0069】
マルチチャンネル光学フィルタと一般的な反射体とに光学的に結合された複数の半導体レーザーを備えるマルチ波長光学ソースも提示され、フィルタされた光学反射体は、光学フィルタ周波数応答によって決定される単一の明らかな波長で作動するために、各レーザーを誘導する。各レーザーは、レーザー縦モード周波数を同調できるようにするように構成されている。各レーザーのレーザーモードの周波数は、他のレーザーと独立して、マルチチャンネル光学フィルタの通過帯域の特に中心周波数に同調され得る。好適には各レーザーは、フィルタの異なる通過帯域中心周波数に同調される。フェーズ部を制御することによって作られるモード周波数調整よりも低くするためにモード周波数での縦変動が制御されるように、付加的光学ポリマー導波管部を用いることによって、レーザーの1つあるいはそれ以上のファブリ・ペロー・レーザー空洞は、断熱化もされ得る。
【0070】
好適には複数のファブリ・ペロー半導体レーザーが備えられ、各々は少なくとも2つの部分を備える。前記レーザーは、マルチ波長帯域通過光学フィルタと一般的な部分反射体とに光学的に結合されている。各レーザーのある部分はレーザーチップの光学利得を制御するために用いられ、別の部分は各レーザー縦モードの周波数(と利得)を変化させるために用いられる。マルチ波長光学フィルタの各チャンネルの帯域通過は好適には、フィルタのみが各波長チャンネルのためのレーザーモードの1つを通過するように、レーザー縦モード間隔よりも周波数が狭い。マルチ波長光学フィルタの各チャンネルの中心周波数は、フィルタの設計によって決定される。マルチ波長光学フィルタは好適には、フィルタの各チャンネルの中心波長が温度に伴う小さな変化を有するように、熱補償される。この例においては、光学ソース出力の波長は、縦モードの絶対周波数を変化させるためにレーザーのフェーズ部を制御することによって、温度に対して維持され得る。温度範囲が特定の縦モードの同調範囲を超えて拡張すれば、隣接するモードは、光学ソースを備えるために代替的に用いられ得る。
【0071】
複数のレーザーを有し、第1光学フィルタと光学反射体とに光学的に結合された光学ソースがさらに提供され、波長の所定の部分がレーザーに反射し戻されることができるようにするために、第2光学フィルタはレーザーと第1光学フィルタとの間の光路に挿入される。
【0072】
図1は、レンズ3を介して光学帯域通過フィルタ4と部分反射体5とに光学的に結合されたフェーズ制御部2を有するレーザーチップ1を示している。レーザーからの出力ビームは、部分反射体5からのビームの一部の再帰反射を可能にするために、レンズ3によって平行にされ得るかあるいは焦点に合わせられ得る。反射光の明度は、反射したビームがレーザーを光学フィルタ4によって決定された波長に自己注入同期するように、設計される。電子制御ループの一部である光学フィルタ周波数に対する縦モードの周波数をモニタするために、部分反射体5の後に光学検出器6が用いられ得る。フィルタ4は、光学ソースの波長を変化させるために、位置、角度、温度によってあるいは電気的に同調され得る。各光学フィルタ波長で、レーザーチップ縦モードのフェーズと周波数は、あるモードの周波数が光学フィルタ周波数と重なるように、フェーズ部2を介して調節される。温度による中心周波数の変動が3pm/℃より下であるように、光学フィルタ4は、熱的に適合した基板への薄膜蒸着によって製造され得る。
【0073】
図2は、周波数ω1での帯域通過フィルタに対するレーザーモード30の波長同調を示している。図2は、レーザーのレーザーモード30と、中心帯域通過周波数ω1を有する光学フィルタの周波数依存帯域通過特性32とを示す2つのグラフを示している。
下に(a)の表示がある、図2の左側のグラフは、ω1と等しい周波数を有するレーザーの最初のどのレーザーモードも示していない。
下に(b)の表示がある、図2の右側のグラフは、フェーズ部8によるレーザー縦モードの同調を介しての、同じレーザーのレーザーモードのシフトを示している。この第2の「同調された」ケースでは、レーザーモードは、レーザーモードの1つが外部光学フィルタの中心周波数ω1と一致するように、シフトした。
【0074】
図3は、レンズアレイ9、10を介してマルチ波長帯域通過フィルタ11と一般的な部分反射体12とに光学的に結合されている、別体のフェーズ制御部8を有する複数のレーザーチップ7を示している。1つの縦モードが、固定された帯域通過フィルタチャンネルと周波数において重なるように、各レーザーチップは、フェーズ部8を介して同調される。一般的な部分反射体12からの反射光の明度は、反射ビームが各レーザーを、分離された光学フィルタ帯域通過チャンネルによって決定された波長に自己注入同期するように、設計される。マルチ波長帯域通過フィルタ11は、アレイ導波路回折格子のような光学導波路デバイスの形状で、あるいはエシェル格子のような自由空間デバイスの形状であり得る。マルチ波長帯域通過フィルタ11は、各フィルタチャンネルの中心波長の温度による中心周波数での変動が低くなるように、たとえば3pm/℃より下であるように、機械的動作あるいは光学ポリマー充填材のような熱補償を有する。
【0075】
図4は、どのようにして、各レーザーチップソースの波長が、多重モニタフォトダイオード14に光学的に結合されている、1つあるいはそれ以上のマルチ波長帯域通過フィルタ13を介してパワーと周波数とをモニタされるかを示している。モニタフィルタ13の光学帯域通過周波数は、ソースからマルチ波長帯域通過フィルタ11に整列されるかあるいはオフセットされる。
【0076】
図5は、レンズアレイ9、10を介してマルチ波長帯域通過フィルタ11と、一般的な部分反射体12とモニタリングフィルタ13とに光学的に結合されている、別体のフェーズ制御部8を有する複数のレーザーチップ7を示しており、当該図では、別体の光学フィルタ15は、レーザーチップとマルチ波長帯域通過フィルタ11との間に挿入されている。レーザーチップからのビームが薄膜コーティングフィルタ15を通って平行にされるように、フィルタ15は、2組のレンズアレイ9、10の間に配置され得る。フィルタ送信応答は、波長の規定された範囲がフィルタを通って通過できるように、それゆえ、一般的な部分反射体12からレーザーチップに反射し戻されるための1つあるいはそれ以上の波長範囲を選択するために、設計されている。たとえば、マルチ波長帯域通過フィルタ11がアレイ導波路回折格子であるなら、フィルタ15は周期的アレイ導波路回折格子応答の単一の自由スペクトル領域を選択するために用いられ得る。温度による光学フィルタ応答の変動が小さくなるように、たとえば3pm/℃より下であるように、フィルタ15は熱的に適合した基板へコーティングされ得る。
【0077】
図6は、半導体レーザーの各面に反射鏡17を有する、好適な半導体レーザーチップ構造16を示している。別体の電気接点18はフェーズ部のために備わっており、別体の電気接点19は利得部のために備わっている。これらの接点は、レーザーチップデバイスの光学導波管の上に作られる。
【0078】
本願で提示される特徴は、以下を含んでよい。
1.ローカル光学フィルタと光学反射体とに光学的に結合された半導体レーザーを備える光学ソースであって、レーザーは光学フィルタ周波数に対してレーザー縦モード周波数を同調するためのフェーズ制御部を有する光学ソース。
2.フィルタ帯域通過幅が、半導体レーザーの縦モード間隔よりも小さい、特徴1に記載の光学ソース。
3.ソース光学周波数が、半導体レーザーのフェーズ制御部へのフィードバック制御信号を提供するためにモニタされる、特徴2に記載の光学ソース。
4.半導体レーザーが、光学データを生み出すために直接調節される、特徴3に記載の光学ソース。
5.ソースの波長が、光学同調要素を用いて同調され得る、特徴4に記載の光学ソース。
6.光学同調要素は、温度によるフィルタ波長の変化を最小限にするために断熱化される、特徴5に記載の光学ソース。
7.多重半導体レーザーソースは、多重波長フィルタに光学的に結合される、特徴3に記載の光学ソース。
8.マルチ波長フィルタは、温度によるフィルタ波長の変化を最小限にするために断熱化される、特徴7に記載の光学ソース。
9.波長選択フィルタは、多重半導体レーザーと多重波長フィルタとの間の光路に挿入される、特徴8に記載の光学ソース。
10.半導体レーザーのフェーズ部に印加される電流あるいは電圧が、レーザーチップの温度の変動によって生み出される光学周波数変化を補償するために用いられる、特徴1から9に記載の光学ソース。
11.フィルタされた自己注入部からのレーザーに注入し戻される光学パワーを制御するために、薄膜コーティングが、半導体レーザー面に塗布される、特徴1から10に記載の光学ソース。
【0079】
本願発明の実施形態は、図示された例を特に参照して記述された。しかしながら、変形形態と修正形態が、本願発明の範囲内で記述された例になってよいことが、正しく認識されるであろう。
【符号の説明】
【0080】
1 レーザーチップ
2 フェーズ制御部
3 レンズ
4 光学帯域通過フィルタ
5 部分反射体
6 光学検出器
7 レーザーチップ
8 フェーズ制御部
9 レンズアレイ
10 レンズアレイ
11 マルチ波長帯域通過フィルタ
12 部分反射体
13 マルチ波長帯域通過フィルタ
14 多重モニタフォトダイオード
15 光学フィルタ
16 レーザーチップ
17 反射鏡
18 フェーズ部用電気接点
19 利得部用電気接点
30 レーザーモード
32 周波数依存帯域通過特性
ω1 中心帯域通過周波数
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】