(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-528983(P2016-528983A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(54)【発明の名称】注射装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20160826BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20160826BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20160826BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20160826BHJP
【FI】
A61M5/168 550
A61M5/20 510
A61M5/172
A61M5/315
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-532732(P2016-532732)
(86)(22)【出願日】2014年8月5日
(85)【翻訳文提出日】2016年3月30日
(86)【国際出願番号】GB2014052391
(87)【国際公開番号】WO2015019071
(87)【国際公開日】20150212
(31)【優先権主張番号】1313982.9
(32)【優先日】2013年8月5日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】501410160
【氏名又は名称】オウエン マンフォード リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100159684
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 正宏
(72)【発明者】
【氏名】トビー カウ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066EE14
4C066FF05
4C066GG15
4C066GG20
4C066HH01
4C066LL12
4C066QQ41
4C066QQ77
4C066QQ82
(57)【要約】
筐体(10)、薬剤をシリンジ(20)から搾出するプランジャー(40)、及び駆動機構(30)を備える注射装置を開示する。駆動機構(30)は、使用時に、プランジャー(40)を第1後方位置と第2前方位置の間を移動させて、シリンジ(20)から1回分の薬剤を搾出するよう構成される。注射装置はさらに、例えば1回分の薬剤の注射が終了した合図を発するように構成された注射作動センサ(50)を備える。センサ(50)は長尺状可撓性部材を備える。可撓性部材は、プランジャー(40)又は駆動機構(30)に接続された第1端部(52)を有し、注射装置の駆動動作によって長尺状可撓性部材(50)が筐体に対して移動される。長尺状可撓性部材(50)の移動によって、例えば可聴式及び/又は触知式の注射完了合図などの、注射に対する反応を引き起こす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
薬剤をシリンジから搾出するプランジャーと、
前記プランジャーを、使用時に、第1後方位置と第2前方位置との間で移動させて前記シリンジから1回分の薬剤を搾出するよう構成された駆動機構と、
を備える注射装置であって、前記注射装置はさらに、
前記プランジャー又は前記駆動機構に接続された第1端部を有して、前記注射装置の駆動動作によって前記筐体に対して移動される可撓性の長尺状部材、
を備える注射作動センサを備え、
前記長尺状部材の移動が注射に対する反応を引き起こす、注射装置。
【請求項2】
前記長尺状部材は注射完了合図を引き起こす、請求項1に記載の注射装置。
【請求項3】
前記可撓性部材の前方端部の移動、前記可撓性部材を初期位置から解放するように構成され、前記可撓性部材の少なくとも一部は前記初期位置において蛇行経路をたどる、請求項1又は2に記載の注射装置。
【請求項4】
前記可撓性部材の一部は前記初期位置において巻かれた状態である、請求項3に記載の注射装置。
【請求項5】
前記可撓性部材の後方端部は、前記移動が終了すると打撃面に打ち当たって、又は打撃面と係合して、可聴式又は触知式の注射完了合図を発するように構成される、請求項1から4の何れか一項に記載の注射装置。
【請求項6】
前記可撓性部材は相対する1組の要素間を通り、前記可撓性部材の前記要素間のニップを介した移動が注射に対する応答を引き起こす、請求項1から4の何れか一項に記載の注射装置。
【請求項7】
前記要素は閉鎖位置に対して付勢され、前記可撓性部材が各注射器要素を互いに接触しないように押さえる、請求項6に記載の注射装置。
【請求項8】
前記可撓性部材は、1回分の薬剤の実効的な送出が完了すると前記可撓性部材の後方端部が前記要素間のニップから抜け出る長さである、請求項7に記載の注射装置。
【請求項9】
前記要素は機械的にぶつかり合って可聴式又は触知式の注射完了合図を発するように構成される、請求項7又は8に記載の注射装置。
【請求項10】
前記要素は1対の電気接点を備える、請求項6、7又は8の何れかに記載の注射装置。
【請求項11】
前記可撓性部材は少なくとも1つの接点を備える、請求項10に記載の注射装置。
【請求項12】
前記可撓性部材は、少なくとも2つの離間する接点を備える、請求項10に記載の注射装置。
【請求項13】
前記接点は前記可撓性部材の長手方向に平行に延びる、請求項12に記載の注射装置。
【請求項14】
前記接点は横方向に離間している、請求項12又は13に記載の注射装置。
【請求項15】
前記接点の1つは注射開始合図を発し、2つ目の接点は注射完了合図を発するように構成される、請求項12から14の何れか一項に記載の注射装置。
【請求項16】
前記1つ目の接点の少なくとも一部は前記2つ目の接点の前方に配設される、請求項15に記載の注射器。
【請求項17】
前記可撓性部材の前方端部は前記プランジャーに接続される、請求項1から16の何れか一項に記載の注射器。
【請求項18】
前記プランジャーには内孔が設けられ、前記内孔を通って前記可撓性部材の前方端部が延びる、請求項17に記載の注射器。
【請求項19】
前記可撓性部材の前方端部はプラグを備え、前記プラグは前記内孔内に収容され、前記プランジャーに対し前記端部の後方移動を防止する、請求項18に記載の注射器。
【請求項20】
可聴式又は触知式の注射完了合図を発するよう、前記可撓性部材及び前記筐体に付属する面のうちの一方に歯形状面が設けられ、前記可撓性部材及び前記筐体に付属する面のうちの他方が、前記歯形状面と係合する歯止めを形成する、請求項1から5の何れか一項に記載の注射器。
【請求項21】
前記歯形状面は前記可撓性部材に設けられ、前記歯止めは、前記筐体に付属してかつ前記可撓性部材に対して固定された弾性部材を備える、請求項20に記載の注射器。
【請求項22】
前記歯形状は前記筐体の内側面に設けられるか、或いは筐体に付属し、前記可撓性部材の先端は前記歯形状に係合する歯止めの役割を果たす、請求項20に記載の注射器。
【請求項23】
使用時にプランジャー又は注射器の駆動機構に接続するように構成された第1端部を有する長尺状可撓性部材を備え、注射装置の駆動動作によって前記長尺状可撓性部材が移動して、前記長尺状部材の移動が注射完了合図を引き起こす、注射器用の注射作動表示器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動表示器を備える注射装置に関するものであり、特に自己注射装置に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
注射装置は、薬剤を簡便に投与する目的で使用される。例えば自己注射器を使用して、緊急時にエピネフリンなどの薬剤を1回分の定量だけ供給したり、又はインシュリンなどの薬剤を常用量供給したりする。
【0003】
このような注射装置には、注射器駆動機構の発動を知らせる1つ以上の視覚式、触知式又は可聴式の合図を発する作動表示器が設けられていることが知られている。とりわけ、使用者が注射器を作動させてから所望量の薬剤を投与するまでに一定の時間がかかることがあるため(特に、粘度の高い薬を投与する場合、又は針の径が小さい場合など)、注射完了合図を発することは有用である。「注射が完了する」(又は「注射完了」)という表現は、薬剤の投与が良好に行われた状態を表すものとして用いられる。
【0004】
自己注射器は、持ち歩き可能で使用時に人の目につきにくくコンパクトな形状であることが望ましい(一般的にこのような自己注射器はペン型注射器の形態で提供される)。また、コンパクトな注射器は製造、組み立て、及び使用が簡易なものでよいため、製造及び組み立て費用を節約でき、環境への影響が少ない。よって、注射器内部に設けられる作動表示器は小型形状にしなければならず、注射装置全体の大きさに著しい影響を与えるものであってはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、上述の課題の少なくとも一部に取り組むことを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、1つの態様において、本発明は、
筐体と、
薬剤をシリンジから搾出するプランジャーと、
プランジャーを、使用時に、第1後方位置と第2前方位置との間で移動させてシリンジから1回分の薬剤を搾出するよう構成された駆動機構と、
を備える注射装置であって、
注射装置はさらに、
プランジャー又は駆動機構に接続された第1端部を有して、注射装置の駆動動作によって筐体に対して移動される可撓性の長尺状部材を備える注射作動センサを備え、
長尺状部材の移動が注射に対する反応を引き起こす、注射装置を提供する。
【0007】
通常、注射作動センサは注射完了センサでよく、その移動が注射完了に対する反応を引き起こしてよい。
【0008】
注射作動センサは、例えば、注射装置内のさらに別のシーケンスを引き起こしてよい。例えば、センサは注射が終わるとシリンジの後退を引き起こしてよい。別の方法として、或いは付加的に、センサは、注射後に針覆い部を移動又は解放を引き起こすよう使用されうる。有益なことに、本発明の実施形態は、単に駆動装置の動作から後続の一連の動作が引き起こされるのではなく、実際に薬剤が良好に投与されると引き起こされるようにすることもできる(例えばセンサはプランジャーの移動を検出できるため)。
【0009】
いくつかの実施形態では、注射に対する反応は、使用者への合図でもよい。よって、注射作動センサは注射作動表示器でもよい。注射に対する反応は、注射完了合図でもよい。
【0010】
別の態様によると、本発明は、
使用時に注射器のプランジャー又は駆動機構に接続されるよう構成された第1端部を有して、注射装置の駆動動作によって移動される可撓性の長尺状部材を備え、長尺状部材の移動が注射完了合図を引き起こす、
注射器の注射作動表示器を備える。
【0011】
可撓性の長尺状部材は、筐体内の、例えば筐体の後方部に配設されてよい。プランジャー又は駆動機構の移動によって、可撓性部材の第1端部が筐体内で(例えば、筐体内の前方に)引っ張られてよい。
【0012】
可撓性の長尺状部材は、例えば、リボン状でもよい。或いは、可撓性部材は紐状でもよい。可撓性部材を、任意の簡便で柔軟な素材から形成してもよい。一般に、可撓性部材は実質的に非伸縮性である。可撓性部材は、例えば、紙製又はプラスチック製でもよい。
【0013】
可撓性部材の前方端部の移動は、可撓性部材を初期位置から解放するように構成してもよく、可撓性部材の少なくとも一部は蛇行経路をたどる。例えば、初期位置では可撓性部材の一部は巻かれてもよい。或いは、可撓性部材は、初期位置では折り重ねられてもよい(例えば蛇腹状に)。
【0014】
注射完了合図は、1または複数の可聴式、触知式又は視覚的な合図でよい。
【0015】
例えば、視認窓を介して視覚的な合図を発してもよく、可撓性部材の一部を部材の初期位置においてこの窓に合わせてもよい。可撓性部材は前方に引っ張られるため、可撓性部材は視認窓との整合位置から外れてもよい。別の方法として、又は付加的に、可撓性部材が前方に引っ張られることから、部材の第2部分を視認窓に合わせてもよい。例えば、可撓性部材の一部又は各部に、視覚的合図を示す印又は色を付してもよい。
【0016】
可聴式又は触知式合図は、可撓性部材の動作によって生じるものでよい。例えば、可撓性部材は凹凸面を有して、動きに応じてカチッという音を発したり、カチッと動く感触をもたらしてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性部材の表面の少なくとも一部を「鋸歯」又はつめ型の形状にしてもよい。可撓性部材の凹凸面を歯部との相互作用で係合させるよう、歯部(又は歯止め)は筐体に付属して設けられてよく、凹凸面が歯部を通過すると、凹凸面が可聴式の合図を発する。
【0017】
別の方法として、又は付加的に、可撓性部材の後部は、解放すると、注射器内の面に係合したり、面を叩打又は軽打して、可聴式又は触知式の合図を発してよい。例えば、可撓性部材の後部は、移動が終了すると後部が打撃面に打ち当たって可聴式又は触知式の注射完了合図を発するように構成されてもよい。このような構成は、例えば、コイルばね状の可撓性部材(例えば金属の薄い細片からなる)を設けて簡便に設けられてよい。
【0018】
打撃面は、「鋸歯」形状を有する面の少なくとも一部を含んでよい(これにより可撓性部材が面上を通過すると一連のカチッという音及び/又は感触をもたらす)。可撓性部材の先端は、プランジャーの移動時に鋸歯状面と係合してよい。これにより、部材の先端は、歯部又は歯止めの役割を果たす。
【0019】
可撓性部材を注射器の面に接触させるために、可撓性部材は注射器内の構造体(例えば、駆動機構又は筐体の固定部)上で曲げ又は折り重ねてもよい。したがって、構造体は支点の機能を果たし、可撓性部材は移動時にこの支点を中心に旋回する。可撓性部材の弾力の度合いを選択的に設定できるため、部材の旋回運動によって可撓性部材の端部が広がって(例えば半径方向外向きに広がって)、打撃面と接触する。
【0020】
可撓性部材は、少なくとも初期位置では、1対の相対する注射表示器要素間を通されてよい。間隙又はニップを要素間に画成して、可撓性部材が少なくとも初期位置において間隙又はニップを通るようにしてよい。要素間のニップを介した可撓性部材の移動によって注射完了合図を発してよい。
【0021】
各要素は互いに対して移動可能であってよい。各要素は閉鎖位置に付勢してよい。可撓性部材は、注射器要素同士を接触しないように保持するように構成してよい(つまり、部材が要素間のニップ内に位置するときに)。可撓性部材の長さは、有効量の薬剤の投与が終わると、可撓性部材の端部が注射表示器要素間のニップから抜け出るように選択してよい。公差に余裕を持たせるために、プランジャー又は駆動機構が最前方位置に達する前に、可撓性部材がニップから少しだけ抜け出てよい。
【0022】
注射表示器要素は、機械的な表示を行うように構成してよい。例えば、可撓性部材が各要素を介してカチッと鳴ってよい。或いは、要素同士が機械的に打ち当たるように構成して、可聴式又は触知式の注射完了合図を発するようにしてよい。
【0023】
別の方法として、又は付加的に、各注射表示器要素は1対の電気接点を備えてよい。これにより、各要素は可撓性部材の移動によって起動するスイッチを形成して、注射完了合図を発することができる。可撓性部材が初期位置にあるとき、可撓性部材は接点間の分離絶縁体の役割を果たしてもよい。電気接点は、可撓性部材が要素間のニップから抜け出ると接続するものでよい。
【0024】
別の方法として、或いは付加的に、可撓性部材は少なくとも1つの接点を備えていてよい。その接点、又は各接点は初めに可撓性部材の一部に設けられてよく、表示器要素に対して後方に配置され(例えば、可撓性部材の一部において蛇行経路をたどり)、作動時に要素間を通じて回路を完成させる。
【0025】
本接点は、又は各接点は、可撓性部材の長手方向に沿って延びてよい。このような機構によって例えば電気接続させることが可能となり、可撓性部材の所望の動作期間中、接続を維持できる。可撓性部材は、間隔をあけて設けられた少なくとも2つの接点を備えていてよい。接点はそれぞれ、可撓性部材の長手方向に平行に延びてもよい。接点は横方向に互いに離れて設けられてよい。第1接点は注射開始合図を発するように構成してよく、第2接点は注射完了合図を発するように構成してよい。第1接点の少なくとも一部は、第2接点の前方に位置してよい。
【0026】
可撓性部材の前方端は、プランジャーに接続されてよい。プランジャーには内孔が設けられてよく、可撓性部材の前方端は内孔を通って延びる。可撓性部材の前方端はプラグを備えてよく、プラグは内孔中に収容され、プランジャーに対して端部が後方移動することを防止してよい。或いは、可撓性部材は様々な製造方法によってプランジャーに一体形成されてよい。
【0027】
以上、本発明について述べてきたが、本発明は、上述の、又は以下の記載もしくは図面に示す独創的な組み合わせにも拡張される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明は様々な方法で実現してもよく、以下に一例として、本発明の実施形態について以下の添付の図面を参照して説明する。
【
図1】本発明に係る自己注射器のすぐに使用できる形態における第1実施形態を示す断面図である。
【
図2】
図1に示す自己注射器の後方部の詳細図である。
【
図3】自己注射器の後方部の本発明に係る別の実施形態を示す詳細図である。
【
図4】
図1及び
図2に示す自己注射器の作動順序を示す断面図である。
【
図5】
図1及び
図2に示す自己注射器の作動順序を示す断面図である。
【
図6】
図1及び
図2に示す自己注射器の作動順序を示す断面図である。
【
図7】
図1及び
図2に示す自己注射器の作動順序を示す断面図である。
【
図8】本発明の実施形態で使用されるプランジャー及び可撓性部材を示す。
【
図9】本発明の実施形態で使用される別のプランジャー及び可撓性部材を示す。
【
図10】本発明の別の実施形態の部分断面を図示したものである。
【
図11】本発明の別の実施形態の部分断面を図示したものである。
【
図12】本発明の別の実施形態の部分断面を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書で用いられる「前部」とは、注射器集合体の端部(又はその集合体の構成要素)を指すものであり、使用時に注射器の送出針の送出端に最も近い部分であると理解されたい(すなわち、皮膚に突き刺される端部である)。本明細書で用いられる「後部」とは、注射器集合体の端部(又は集合体の構成要素)を指すものであり、使用時に送出針端から最も離れた部分であると理解されたい(すなわち、皮膚に突き刺されない端部である)。同様に、「前方」及び「後方」は、注射器集合体の前及び後ろに向かった方向を指すものと理解されたい。可撓性部材の前方及び後方については、可撓性部材がくねった状態のときに各要素の位置決めに関係なく可撓性部材が延びた際の各部分の位置を指すことを理解されたい。
【0030】
便宜上、好適な実施形態については、本願の出願人による同時係属国際出願PCT/GB2011/051950号明細書に開示される注射装置を基準にして説明する(国際出願明細書の内容は、参照により本明細書に援用される)。ただし、本発明はこのような機構の装置に限定されるものでなく、他の駆動機構を有する注射器に用いることも可能であることを理解いただきたい。
【0031】
一実施形態による注射装置1は概して長尺状円筒形の筐体10を備え、筐体の内部にはシリンジ20が収容される。筐体10の後部には駆動機構30が組み込まれ、駆動機構は任意の簡便な形状でよく、プランジャー40を
図1に示す第1後方位置と第2前方位置(例えば
図4に示す)との間で移動させて、プランジャーがシリンジ20から1回分の薬を搾出するように構成される。例示の実施形態では、駆動機構は、まずシリンジを筐体内から前方に移動させてシリンジの針が自動的に皮膚に貫入するようにし、さらに続けてプランジャーをシリンジに対して移動させてシリンジから薬剤の全量を搾出するものである。上述したように、本発明は特定の駆動機構に限定されるものでなく、したがって、別の実施形態において、本駆動機構は、作動を受けてプランジャーを部分的にのみ移動させるように構成してもよい(したがって、第2位置は、プランジャーがシリンジに沿って部分的にのみ移動した位置でよい)ことが理解されるだろう。また、その他に、針が薬剤の射出に先立って筐体から突出することにより針を手動で皮膚に貫入させる(そしてシリンジは筐体に対して固定してよい)注射器機構も知られていることが理解されるだろう。
【0032】
好適な実施形態では、プランジャー40には内孔46が設けられていて、内孔はプランジャーの先端部42からプランジャーの後端部44まで延びている。
図2に最もよく見られるように、前方端52を有する可撓性部材50が設けられていて、前方端は内孔46内に据え付けられたプラグ56を介してプランジャー40に連結している。プラグ56は可撓性部材50の前方端52に常着され、プランジャー40内の内孔の前方部分46a内へと摺動して収納される。内孔の後方部46bの内径は小さく、肩部48が内孔の第1部分46aと第2部分46bとの間に画成されている。これにより、プラグ56が肩部48を超えて後方に移動するのを防止し、プランジャー40が前方向へ移動するとプラグは前方に引っ張られる(以下により詳細に述べる)。他の実施形態では、可撓性部材50は任意の適切な手段によってプランジャー40に取り付けてもよいことが理解されるであろう。例えば、可撓性部材50はプランジャーに恒久的に取り付けてよい。例えば、プランジャー40及び可撓性部材50は、一体成形してよく、又はプラスチック溶接してよい。
【0033】
プランジャー40の後方に向かって、最初、可撓性部材50を、蛇行経路をたどるように配置して、可撓性部材の長手方向の長さに沿って折り重ねる。これにより、可撓性部材50の初期配置をコンパクトにでき、好ましくは、注射器のサイズをほとんど大きくすることなく又は全く大きくすることなく可撓性部材を筐体内にはめ込むことができる。
図1及び
図2に示す実施形態では、可撓性部材50の後部はコイル58として構成されている。
図3に示す別の実施形態では、くねった部分は蛇腹状58′に折り重ねられている。筐体10内の利用可能な空間に応じてくねった部分用に任意の簡便な形状を選択できることが理解されるだろう(また、作動時に可撓性部材50を解く方法及び方向も考慮する)。
【0034】
プランジャー40とコイル58の間に、可撓性部材が2つの相対する表示器要素60、62間に画成されたニップ64を経由して装着される。表示器要素60、62は、閉鎖位置に対して弾性的に付勢され(例えば、弾性樹脂部材上に形成される)、可撓性部材50の存在によって隔てられる。例示した実施形態では、前方の表示器要素60は概ね平面的な輪郭を有し、上部表示器要素62は丸い輪郭となっていて、コイル58から解けた可撓性部材50を誘導する助けをする。以下により詳細に述べるが、表示器要素60、62は1対の電子接点を備えていてもよく、
図1〜
図3における電子接点の初期位置はニップ64内の可撓性部材50の存在によって隔てられている(又は、互いから隔離されている)。
【0035】
注射器の作動表示器の動作について、
図4a〜
図4dを参照して述べる。
図4aは、使用者が作動トリガを押した直後の注射装置を示し、プランジャー40が解放されて駆動機構30のバネによって前進する。最初にプランジャーが作動してシリンジ20を前方に押し出し、これにより針を皮膚に貫入できるが、プランジャーは(シリンジ中の薬剤の圧縮性によって)初めにシリンジのピストンをシリンジ本体に対して動かすことはない。プランジャー40が前方に移動すると、プラグ56が内孔46内に係留されて、可撓性部材50の前方端52がプランジャー40と共に前方に引っ張られる。その結果、
図4aではコイル58が解け始め、可撓性部材50は注射装置の軸方向に沿って延びることが確認できるであろう。
【0036】
図4bに示すように、シリンジ20が最前方位置に達すると、駆動機構30はプランジャー40を引き続き前進させ、プランジャーはシリンジ20の針を通じて薬剤を供給できる。
図4bに示す位置では、プランジャーが最前方位置に近づいているため、コイル58が完全に外れ、後端54は表示器要素60、62に近接する。
【0037】
図4cは、
図4bに示す注射装置の後部と同様の位置にある注射装置後部のより詳細を示す。
図4cでは、可撓性部材50の後端54は表示器要素60及び62間のニップ64に位置合わせされていることが確認できるであろう。この位置は、プランジャーが前方位置に位置する装置の構成を描写しているが、まだ全薬剤を送出し終わっていない状態である。
図4dに示すように、プランジャーは前方への移動を続けて可撓性部材50をさらに前方に引くため、後端54はニップ64から抜け出る。両者の弾性付勢により、表示器要素60及び62は可撓性部材54が抜けると互いに接近し、電気回路が出来上がる。この接続は、プランジャー40が公差の極値(extremes of tolerance)を考慮して前進を止める少し前に成される。表示器要素60及び62間の接続によって電気回路が完成すると、可聴式、視覚的及び/又は触知式の表示が発せられる(例えば、音響器、モータ、スピーカー、LED又は圧電アクチュエータなどを使用する)。通常、作動回路は、表示器要素60及び62間にもたらされる接続とエンドユーザに対する合図の注射完了合図を発するまでの間に所定の遅延を持たせるように構成して、薬剤が確実に完全に送出されて放散されるようにし、可撓性部材50の全長において公差許容値を補正する。
【0038】
いくつかの実施形態では、プランジャー40又は駆動機構30の動作範囲に応じて起動する複数の表示器を設けてもよい。このような複数の表示器を設ける簡便な手段の1つとして、複数の電気接点を可撓性部材50に設ける方法があり、電気接点は注射装置の作動時に所望の箇所で表示器要素60及び62と接触するように構成される。このような信号を提供するよう構成された可撓性部材50の例を
図5及び6に示す。
【0039】
図5では、可撓性部材は第1接触細片55a及び第2接触細片55bを含み、各細片は可撓性部材50の長手方向に平行に延び、横方向に互いに間隔を持って離れている。各接触細片は、可撓性部材50の後方端54からそれぞれの最前方位置へと延びている。各細片55の最前方位置によって、接触細片が表示器要素60及び62と接触する場所が決まることが理解されるだろう。したがって、接触細片によって、注射器の駆動工程中に表示器が作動される接触点を容易に調整できる。図示の例では、第1接触細片55aは、注射装置内の例えばLEDなどの表示器(例えば、プランジャーに装着又はプランジャー内に組み込まれ、筐体を通して視認できる表示器)を低出力モードで起動させて、使用者に注射が開始されたことを知らせるように構成するとよいだろう。第2接触細片55bは、駆動機構が最前方位置に到達すると、補助回路を形成するように接触する。したがって、第2細片55bは、LEDを例えば高出力モード又はパルスモードなどの第2状態に切り替えてもよく、また、注射完了を示す副次的表示器を起動させてもよい(例えば、触知式及び/又は可聴式表示器)。上述の実施形態と同様、通常、第2接触細片55bが確実に薬剤を全量分送出して放散させる間、使用者に注射完了合図を発する前に、わずかな遅延を設けてもよい。
【0040】
図6は
図5の機構とは別の機構を示し、可撓性部材50′に設けられた間隔をもって離れている接点55a′及び55b′は、可撓性部材の長手方向に沿って離れていて、ごく局部的に長手方向に延伸している。このような実施形態では、第1の接触が行われると第1の表示を行い(接点55a′が表示器要素60及び62を通過した時)、第2接点55b′が表示器要素60及び62と合致すると第2の(そして好適には特徴的な)表示を行う電気表示回路を設けてもよい。
【0041】
本発明の別の実施形態を
図7a〜
図7cに例示する。各実施形態では、長尺状可撓性部材150はプランジャー140の先端部142まで延び、事実上、プランジャーの軸部の代わりを果たす。少なくとも長尺状可撓性部材150の前方部分は、駆動機構130(バネを含む)によって張力を受けている。このような機構では、可撓性の長尺状部材は最初はラッチで保持されていて、ラッチが使用時に作動トリガ115の移動によって外されることで、駆動機構130のバネによってプランジャー140を前方に動かすことができることは、当業者の理解の及ぶところであろう(また、このようなラッチの特定の機構は本発明の本質的特徴ではないことも理解の及ぶところであろう)。
【0042】
図7aの実施形態では、可撓性の長尺状部材150の後端154に、或いは後端の近傍に、鋸歯形状部155の形態をとる凹凸面が設けられている。弾力性を有する指状の歯止め160が表示器要素として設けられている。歯止めはトリガ115と関連して(そうでない場合は筐体110と関連して)、装置の作動時にプランジャー140及び長尺状部材150を歯止め160に対して移動させる。歯止め160は、長尺状可撓性部材が作動時に前方に移動すると長尺状可撓性部材150と係合するように配置される。長尺状可撓性部材150の長さ及び鋸歯状部155の位置は、プランジャーが送出完了位置に接近すると、歯止め160が鋸歯状部155と接触するように選定される。これにより、歯止め160は各歯部の向こう側に反り、カチッという音を発することができる(また、任意でカチッと動くのを感じられるようにできる)。
【0043】
図7b及び
図7cは
図7aの実施形態の変形例を示し、表示器要素160′はトリガ115′の内側面の一部(又は、筐体110′の別の部分)に形成される鋸歯状面として設けられている。本実施形態では、長尺状可撓性部材150′の端部154′の先端が駆動時に実質的に鋸歯状面160′を横断する歯止めの役割を果たす。
図7bに示すように、長尺状可撓性部材150′は初めに筐体内部に形成された構造体112′の背面に(本例では駆動機構130′のラッチの一部によって)折り重ねられる構造に構成されるため、実質的に筐体内でU字形状の姿勢をとる。作動時に、構造体112′が支点となり、長尺状可撓性部材150′はプランジャーの動きに伴って引き出されると、この支点において折り重なる。
【0044】
図7cに示すように、プランジャーが送出完了位置に到達すると、長尺状可撓性部材150は長尺状可撓性部材150′の端部154′が面160′に接触する長さになる。端部154′は、支点112′において屈曲して、長尺状可撓性部材150′の弾力性によって面160′に向かって外側に広がる。そのため、端部154′の先端は鋸歯状面160′の歯部と係合して各歯部の向こう側に反れて、カチッという音を発する(また、任意でカチッと動くのを感じられるようにできる)。
【0045】
本発明について好適な実施形態を参照して説明したが、本願特許請求項に規定する本発明の範囲を逸脱しない範囲であれば、本発明を様々に変更又は修正できることを理解いただきたい。いくつかの実施形態では、本装置は使い捨て器具であってもよく、例えば、シリンジは筐体と一体形成されていてもよい。
【0046】
また、上述したように、注射器の動作に付加的なシーケンスを設けてもよく、付加的順序は1回分の薬剤が正常に送出されると作動することは理解の及ぶところであろう。したがって、本発明の実施形態による可撓性部材の動きの機械的または電気的な検出を利用して別の順序をさらに作動させてもよく、或いは別の方法として、注射完了合図順序に利用してもよい。例えば、可撓性部材は、シリンジの引き戻し順序を開始するために用いてもよく、又は、覆い部の解放を開始して露出した針を覆ってもよい。
【手続補正書】
【提出日】2016年5月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
薬剤をシリンジから搾出するプランジャーと、
前記プランジャーを、使用時に、第1後方位置と第2前方位置との間で移動させて前記シリンジから1回分の薬剤を搾出するよう構成された駆動機構と、
を備える注射装置であって、前記注射装置はさらに、
前記プランジャー又は前記駆動機構に接続された第1端部を有して、前記注射装置の駆動動作によって前記筐体に対して移動される長尺状可撓性部材、
を備える注射作動センサを備え、
前記長尺状可撓性部材の移動が注射に対する反応を引き起こす、注射装置。
【請求項2】
前記長尺状可撓性部材は注射完了合図を引き起こす、請求項1に記載の注射装置。
【請求項3】
前記長尺状可撓性部材の前方端部の移動、前記長尺状可撓性部材を初期位置から解放するように構成され、前記長尺状可撓性部材の少なくとも一部は前記初期位置において蛇行経路をたどる、請求項1又は2に記載の注射装置。
【請求項4】
前記長尺状可撓性部材の一部は前記初期位置において巻かれた状態である、請求項3に記載の注射装置。
【請求項5】
前記長尺状可撓性部材の後方端部は、前記移動が終了すると打撃面に打ち当たって、又は打撃面と係合して、可聴式又は触知式の注射完了合図を発するように構成される、請求項1から4の何れか一項に記載の注射装置。
【請求項6】
前記長尺状可撓性部材は相対する1組の要素間を通り、前記可撓性部材の前記要素間のニップを介した移動が注射に対する応答を引き起こす、請求項1から4の何れか一項に記載の注射装置。
【請求項7】
前記要素は閉鎖位置に対して付勢され、前記長尺状可撓性部材が各注射器要素を互いに接触しないように押さえる、請求項6に記載の注射装置。
【請求項8】
前記長尺状可撓性部材は、1回分の薬剤の実効的な送出が完了すると前記長尺状可撓性部材の後方端部が前記要素間のニップから抜け出る長さである、請求項7に記載の注射装置。
【請求項9】
前記要素は機械的にぶつかり合って可聴式又は触知式の注射完了合図を発するように構成される、請求項7又は8に記載の注射装置。
【請求項10】
前記要素は1対の電気接点を備える、請求項6、7又は8の何れかに記載の注射装置。
【請求項11】
前記長尺状可撓性部材は少なくとも1つの接点を備える、請求項10に記載の注射装置。
【請求項12】
前記長尺状可撓性部材は、少なくとも2つの離間する接点を備える、請求項10に記載の注射装置。
【請求項13】
前記接点は前記長尺状可撓性部材の長手方向に平行に延びる、請求項12に記載の注射装置。
【請求項14】
前記接点は横方向に離間している、請求項12又は13に記載の注射装置。
【請求項15】
前記接点の1つは注射開始合図を発し、2つ目の接点は注射完了合図を発するように構成される、請求項12から14の何れか一項に記載の注射装置。
【請求項16】
前記1つ目の接点の少なくとも一部は前記2つ目の接点の前方に配設される、請求項15に記載の注射装置。
【請求項17】
前記長尺状可撓性部材の前方端部は前記プランジャーに接続される、請求項1から16の何れか一項に記載の注射装置。
【請求項18】
前記プランジャーには内孔が設けられ、前記内孔を通って前記長尺状可撓性部材の前方端部が延びる、請求項17に記載の注射装置。
【請求項19】
前記長尺状可撓性部材の前方端部はプラグを備え、前記プラグは前記内孔内に収容され、前記プランジャーに対し前記前方端部の後方移動を防止する、請求項18に記載の注射装置。
【請求項20】
可聴式又は触知式の注射完了合図を発するよう、前記長尺状可撓性部材及び前記筐体に付属する面のうちの一方に歯形状面が設けられ、前記長尺状可撓性部材及び前記筐体に付属する面のうちの他方が、前記歯形状面と係合する歯止めを形成する、請求項1から5の何れか一項に記載の注射装置。
【請求項21】
前記歯形状面は前記可撓性部材に設けられ、前記歯止めは、前記筐体に付属してかつ前記可撓性部材に対して固定された弾性部材を備える、請求項20に記載の注射装置。
【請求項22】
前記歯形状面は前記筐体の内側面に設けられるか、或いは筐体に付属し、前記長尺状可撓性部材の先端は前記歯形状面に係合する歯止めの役割を果たす、請求項20に記載の注射装置。
【請求項23】
使用時にプランジャー又は注射装置の駆動機構に接続するように構成された第1端部を有する長尺状可撓性部材を備え、注射装置の駆動動作によって前記長尺状可撓性部材が移動して、前記長尺状部材の移動が注射完了合図を引き起こす、注射装置用の注射作動表示器。
【請求項24】
筐体と、
薬剤をシリンジから搾出するプランジャーと、
前記プランジャーを、使用時に、第1後方位置と第2前方位置との間で移動させて前記シリンジから1回分の薬剤を搾出するよう構成された駆動機構と、
を備える注射装置であって、前記注射装置はさらに、
前記プランジャー又は駆動機構に接続された第1端部を有して、前記注射装置の駆動動作によって前記筐体に対して移動される長尺状可撓性部材、
を備える注射作動センサを備え、
前記長尺状可撓性部材の移動は、前記部材の一部を注射装置内の面に係合、叩打又は軽打させて、注射に応じて可聴式又は触知式の注射合図を発することを引き起こす、注射装置。
【請求項25】
前記長尺状可撓性部材の後端は、前記プランジャーまたは駆動機構の移動が終了すると前記注射装置の打撃面に打ち当たり、前記可聴式又は触知式の合図を注射完了合図として発する、請求24に記載の注射装置。
【請求項26】
前記長尺状可撓性部材はコイルばねを備える、請求項24に記載の注射装置。
【請求項27】
前記プランジャー又は駆動機構の移動に応じて前記コイルばねが解放されると、前記コイルばねの自由端は注射装置の内側面に係合、内側面を叩打又は軽打する、請求項26に記載の注射装置。
【国際調査報告】